JP2011007300A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Masafumi Kawai
雅史 川井
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Abstract

【課題】部品点数や製造工程を増加させることのない駆動力伝達装置を得る。
【解決手段】軸部材10と回転部材20とが一体的に結合されて少なくともいずれか一方から回転駆動力が伝達される駆動力伝達装置。回転部材20の穴21には断面D形状のカット面21aが形成されている。軸部材10の端部には軸方向と平行に切欠かれた断面D形状のカット面が形成され、該カット面は端面部分11aを残して傾斜面11bとされ、かつ、端面部分11aと傾斜面11bとの間に段差面11cを有している。回転部材20のカット面21aが軸部材10の傾斜面11bに係合することで両者が一体化され、穴21の縁部が段差面11cに当接することで回転部材20の抜止めが図られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動力伝達装置、特に、軸部材と回転部材とが一体的に結合されて少なくともいずれか一方から回転駆動力が伝達される駆動力伝達装置に関する
一般に、軸部材とギヤなどの回転部材とを一体的に結合するには、特許文献1に記載のように、軸部材の端部と回転部材の穴にいわゆるDカットを施し、互いのDカット面を接合させて駆動力が伝達されるように構成している。これらの駆動力伝達装置において、回転部材の軸方向への抜止め手段としては、Eリングを軸部材に取り付けたり、D形状の穴からは抜けない突起物を別途設けたりしている。
しかしながら、抜止め手段としてEリングを取り付けたり、突起物を別途設けることは、部品点数や製造工程の増加につながるという問題点を有していた。
特開2004−162732号公報
そこで、本発明の目的は、部品点数や製造工程を増加させることのない駆動力伝達装置を提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明の一形態である駆動力伝達装置は、
軸部材と回転部材とが一体的に結合されて少なくともいずれか一方から回転駆動力が伝達される駆動力伝達装置において、
回転部材の穴には断面D形状のカット面が形成され、
軸部材の端部には軸方向と平行に切欠かれた断面D形状のカット面が形成され、該カット面は端面部分を残して傾斜面とされ、かつ、端面部分と傾斜面との間に段差面を有していること、
を特徴とする。
前記駆動力伝達装置においては、軸部材と回転部材とは、回転部材の穴と軸部材の端部とが係合して一体化される。このとき、回転部材の穴に形成されているカット面と軸部材の傾斜面とが対向している。いずれか一方から回転駆動力が伝達されると、穴のカット面と傾斜面とが係合し、両者が一体的に回転する。そして、回転部材の穴の縁部が軸部材の端面部分と傾斜面との間に位置する段差面に係合し、抜止めが図られる。
前記軸部材には、端面部分と傾斜面との間に切欠かれた第2の傾斜面を有していてもよい。回転部材又は軸部材が軸方向に若干ずれていても、回転部材の穴の縁部が第2の傾斜面に当接してずれが矯正され、回転部材が軸部材の傾斜面に収まることになる。
さらに、前記駆動力伝達装置は、軸部材を支持するフレームを備え、軸部材には前記フレームに当接可能な抜止め用突部を設けてもよい。そして、フレームと抜止め用突部との間隔は、前記第2の傾斜面の軸方向の長さよりも小さいことが好ましい。
本発明によれば、軸部材と回転部材との回転駆動力を伝達するための一体化を、部品点数や製造工程を増加させることなく達成することができる。
本発明の一実施例である駆動力伝達装置を示す分解斜視図である。 軸部材に回転部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 前記軸部材と前記回転部材との係合状態を示す断面図である。 前記軸部材の変形例を示す斜視図である。 図4に示した軸部材を用いた駆動力伝達装置を示す斜視図である。
以下、本発明に係る駆動力伝達装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。なお、各図面において、同一部材、部分に関しては同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
駆動力伝達装置は、図1及び図2に示すように、軸部材10と回転部材20とが一体的に結合され、いずれかから回転駆動力が伝達されるように構成されている。回転部材20はギヤあるいはプーリなどである。ここでは回転駆動力が回転部材20から反時計回り方向(矢印A方向)に伝達されるものとする。軸部材10は、例えば、金属材料からなり、回転部材20は、例えば、樹脂材料からなる。両者は金属材料や樹脂材料から形成されたものであってもよく、材質は特に問わない。
図1に示すように、回転部材20の穴21には断面D形状のカット面21aが形成されている。軸部材10には、端部に軸方向と平行に切欠かれたD形状のカット面が形成され、該カット面は端面部分11aを残して傾斜面11bとされ、かつ、端面部分11aと傾斜面11bとの間には段差面11cを有している。軸部材10の端部は回転部材20の穴21に対して嵌合可能である。
回転部材20と軸部材10とは、軸部材10の端部を回転部材20の穴21に図2中背部から挿入することにより一体化される。このときの両者の嵌合状態を図3に示す。この状態で回転部材20に矢印A方向の回転駆動力が作用すると、回転部材20のカット面21aが軸部材10の傾斜面11bに係合し、矢印A方向に両者が一体的に回転する。
また、回転部材20の穴21の縁部が軸部材10の端面部分11aと傾斜面11bとの間に位置する段差面11cに係合し、回転部材20の抜止めが図られる。
前記軸部材10には、図4に示すように、端面部分11aと傾斜面11bとの間に(段差面11cに)切欠かれた第2の傾斜面11dを有していてもよい。回転部材20が軸部材10に対して矢印B方向に若干ずれていたとしても、回転駆動力が作用すると、回転部材20の穴21の縁部が第2の傾斜面11dに当接した状態で回転部材20が逆方向に戻され、回転部材20が軸部材10の傾斜面11bに収まることになる。
図5に、軸部材10を支持するフレーム30の一部を示す。このフレーム30には軸部材10を回転自在に支持する穴31を有している。なお、穴31には図示しない軸受け部材が設けられていてもよい。そして、軸部材10にはフレーム30の面に当接可能な抜止め用突部15が設けられている。突部15がフレーム30の面に当接することにより、軸部材10の矢印B’方向への移動が阻止されることになる。
図5に示す構成を採用する場合、フレーム30の面と抜止め用突部15との間隔w1は、第2の傾斜面11dの軸方向の長さw2よりも小さいことが好ましい。これにて、軸部材10が若干軸方向にずれたとしても、回転駆動力が作用することにより、回転部材20が軸部材10の傾斜面11bに確実に収まることになる。
(他の実施例)
なお、本発明に係る駆動力伝達装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
以上のように、本発明は、駆動力伝達装置に有用であり、特に、部品点数や製造工程を増加させることがない点で優れている。
10…軸部材
11a…端面部分
11b…傾斜面
11c…段差面
11d…第2の傾斜面
15…抜止め用突部
20…回転部材
21…穴
21a…カット面
30…フレーム

Claims (4)

  1. 軸部材と回転部材とが一体的に結合されて少なくともいずれか一方から回転駆動力が伝達される駆動力伝達装置において、
    回転部材の穴には断面D形状のカット面が形成され、
    軸部材の端部には軸方向と平行に切欠かれた断面D形状のカット面が形成され、該カット面は端面部分を残して傾斜面とされ、かつ、端面部分と傾斜面との間に段差面を有していること、
    を特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 前記端面部分と前記傾斜面との間に切欠かれた第2の傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. さらに、前記軸部材を支持するフレームを備え、前記軸部材には前記フレームに当接可能な抜止め用突部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駆動力伝達装置。
  4. 前記フレームと前記抜止め用突部との間隔は、前記第2の傾斜面の軸方向長さよりも小さいこと、を特徴とする請求項3に記載の駆動力伝達装置。
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