JP2011005718A - 目詰まりノズル特定プログラム、装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】目詰まりが発生しているか否かを判定するための作業が煩雑であった。
【解決手段】複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれからインクを吐出させるように前記複数のヘッドを制御してヘッド特定パターンを印刷させ、印刷された前記ヘッド特定パターンに基づいて特定された検査対象ヘッドであって、目詰まりが発生している目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを示す情報を取得し、同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させ、前記ノズル特定パターンに基づいて特定された、前記目詰まりノズルを示す情報を取得する。
【選択図】図1
【解決手段】複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれからインクを吐出させるように前記複数のヘッドを制御してヘッド特定パターンを印刷させ、印刷された前記ヘッド特定パターンに基づいて特定された検査対象ヘッドであって、目詰まりが発生している目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを示す情報を取得し、同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させ、前記ノズル特定パターンに基づいて特定された、前記目詰まりノズルを示す情報を取得する。
【選択図】図1
Description
本発明は、目詰まりノズル特定プログラム、装置および方法に関する。
従来、プリンターが備えるヘッドあるいはノズル毎に目詰まりが発生しているか否かを判定する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、複数のヘッドのいずれかにおいて目詰まりが発生しているか否かを特定するテストパターンや、複数のノズルのいずれかにおいて目詰まりが発生しているか否かを特定するテストパターンを印刷する技術が開示されている。
近年、多数のノズルを備えるヘッドを多数個搭載したプリンターが利用されている。このようなプリンターが備えるノズルは極めて多数であるため、従来の技術のように、全てのノズルのそれぞれについて目詰まりが発生しているか否かを判定するためのテストパターンを印刷すると、目詰まりが発生しているか否かを判定するための作業が極めて煩雑になってしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、目詰まりが発生しているノズルを少ない工数で判定することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、目詰まりが発生しているノズルを少ない工数で判定することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明においては、複数のヘッドを制御してヘッド特定パターンを印刷させて当該ヘッド特定パターンによって特定される検査対象ヘッドを示す情報を取得する。そして、当該検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させて当該ノズル特定パターンに基づいて特定された目詰まりノズルを示す情報を取得する。すなわち、複数のヘッドの中から検査対象ヘッドをまず特定し、検査対象ヘッドが備える複数のノズルの中から検査対象ヘッドを特定する。
ノズル特定パターンは、複数のヘッドの全てではなく、ヘッド特定パターンに基づいて目詰まりノズルを含むと特定された検査対象ヘッドによって印刷される。従って、個別のノズルが目詰まりノズルであるか否かを判定する対象となるノズルは全てのノズルではなく、検査対象ヘッドに含まれるノズルのみである。このため、テストパターンに基づいて複数のヘッドが備える全てのノズルについて目詰まりノズルであるか否かを判定する構成と比較して、個別のノズルが目詰まりノズルであるか否かを判定する対象となるノズルの数を抑制することができる。従って、目詰まりが発生しているノズルを少ない工数で判定することが可能になる。
ヘッド特定パターン印刷機能は、目詰まりノズルが含まれることを特定可能なヘッド特定パターンを印刷させることができればよい。すなわち、印刷装置のノズルのいずれかにおいて目詰まりが発生している場合、当該ノズルを利用して印刷を行うようにヘッドを制御しても意図通りにインクが吐出されず、意図通りの印刷を行うことができない。このため、印刷装置が備える複数のヘッドにおいて各ノズルのそれぞれからインクを吐出させた場合、目詰まりノズルが存在すれば印刷結果に意図に反したインクの抜けが発生する。そこで、印刷装置が備える複数のヘッドにおいて各ノズルのそれぞれからインクを吐出させてヘッド特定パターンを印刷すれば、当該ヘッド特定パターンに基づいて各ノズルにおいて目詰まりが発生しているか否かを判定することが可能になる。
ヘッド特定パターンにおいては、目詰まりが発生している個別のノズルを正確に特定できないが目詰まりが発生している目詰まりノズルが含まれるか否かを特定できるように構成されていればよい。例えば、同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で隣接あるいは偏在しないパターンや、複数のヘッドに備えられたノズルの全てを均等に利用して形成されるパターン等を採用可能である。このようなヘッド特定パターンによれば、複数のヘッドのそれぞれによって目詰まりノズルの正確な位置を特定可能なパターンを印刷する構成と比較して、少ないインクの使用量で目詰まりノズルを含むヘッドを特定することが可能になる。
なお、複数のヘッドは、印刷装置が備えるヘッドの一部によって構成されてもよいし、印刷装置が備えるヘッドの全てによって構成されてもよい。前者であれば、印刷装置が備えるヘッドの中の特定の複数個について目詰まりノズルを特定する際に、目詰まりノズルを特定するまでの工数を抑制することができる。後者であれば、印刷装置が備える複数のヘッドの全てから目詰まりノズルを特定する際に、目詰まりノズルを特定するまでの工数を抑制することができる。
また、ヘッド特定パターンは複数のノズルのそれぞれからインクが吐出されるようにヘッドを制御することで形成され、複数のヘッドが備える複数のノズルの全てからインクが吐出される。すなわち、ヘッド特定パターンを印刷する段階では、複数のヘッドのいずれのノズルにおいて目詰まりが発生しているか否かが判明していない状態であるため、各ヘッドが備える複数のノズルの全てによってヘッド特定パターンを印刷することで、少なくともいずれかのノズルが目詰まりしていればその影響がヘッド特定パターンに現れるようにする。
検査対象ヘッド取得機能は、検査対象ヘッドを示す情報を取得することができればよく、印刷されたヘッド特定パターンを自動で解析して特定された検査対象ヘッドを示す情報を取得しても良いし、印刷されたヘッド特定パターンによって利用者が特定した検査対象ヘッドを示す情報を入力部によって入力させる構成としても良い。例えば、前者はヘッド特定パターンをスキャナによってスキャンして不適切に印刷されているドットあるいは印刷される予定であったが印刷されていないドットが存在することを特定し、このようなドットに対応するノズルが含まれるヘッドを特定する等の構成によって実現される。後者はヘッド特定パターンを目視した利用者に目詰まりノズルが存在することによって影響が受けているヘッド特定パターンを入力させるユーザーインターフェースを構成し、利用者の入力によって特定されたヘッド特定パターンと各ヘッド特定パターンを印刷したヘッドとの対応関係に基づいて検査対象ヘッドを特定する構成等を採用可能である。
ノズル特定パターン印刷機能は、検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させる。このとき、同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するようにノズル特定パターンを印刷する。すなわち、各ノズルから適正にインクが吐出された場合には同一のノズルから吐出されたインクによって形成されるドットが連続して並ぶが、特定のノズルから適正にインクが吐出されない場合には当該特定のノズルからのインクによって形成されるはずのドットが連続して形成されないことになる。従って、ノズル特定パターンを解析あるいは視認することによって容易に目詰まりが発生しているノズルを特定することが可能になる。
目詰まりノズル取得機能は、目詰まりノズルを示す情報を取得することができればよい。すなわち、ノズル特定パターン印刷機能によってノズル特定パターンが印刷されるため、印刷されたノズル特定パターンが適正である場合、いずれの位置にいずれのノズルから吐出されたインクによってドットが形成されるのか予め特定されていることになる。そこで、印刷されたノズル特定パターンにおいて適正なドットが形成されていない位置と当該位置にインクを吐出するノズルとの対応関係に基づいて目詰まりノズルを特定すればよい。なお、印刷されたノズル特定パターンを自動で解析して特定された目詰まりノズルを示す情報を取得しても良いし、印刷されたノズル特定パターンによって利用者が特定した目詰まりノズルを示す情報を入力部によって入力させる構成としても良い。むろん、検査対象ヘッド取得機能と同様に、各種の取得手法によって目詰まりノズルを示す情報を取得可能である。
さらに、ノズル特定パターンは、目詰まりノズルを特定するためのパターンであれば良く、検査対象ヘッドが備える一部のノズルを利用してノズル特定パターンを印刷してもよいし、検査対象ヘッドが備える全てのノズルを利用してノズル特定パターンを印刷してもよい。前者の構成例として、目詰まりノズルの位置を推定する構成を採用可能である。目詰まりノズルの位置は各種の手法で推定することが可能であり、例えば、ノズルからのインクの吐出履歴に基づいて推定する構成を採用可能である。
より具体的には、複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれについてのインクの吐出履歴を所定の記録媒体に記録する構成とする。吐出履歴は、各ノズルについて過去に行われた吐出制御に関する情報であればよい。すなわち、吐出履歴によれば、各ノズルにおいて何回程度吐出制御を行うと目詰まりが発生するのかを推定することができる。そこで、前回の目詰まりの発生から所定回数以上インク吐出のための制御が行われたノズルを特定し、特定されたノズルが目詰まりを起こしているノズルであると推定する。すなわち、推定されたノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷する。むろん、このとき、推定されたノズル以外のノズルはインク吐出のための制御を行わない。この構成によれば、目詰まりが発生している可能性の高いノズルを利用してノズル特定パターンを印刷するための制御を行うことができ、目詰まりノズルを特定するために必要な工数を低減することができる。また、ノズル特定パターンを印刷するために必要なインクの消費量を抑制することができる。
なお、各ノズルにおいて目詰まりが発生していることを予測するために参照される指標は、インク吐出のための制御が行われた回数に限定されない。例えば、各ノズルにおいて、最後にインクを吐出した時点からの経過時間等に基づいて目詰まりが発生していることを予測し、目詰まりが発生すると予測されたノズルを利用してノズル特定パターンを印刷する構成としても良い。
さらに、検査対象ヘッドが備える全てのノズルについて、目詰まりノズルであるか否かを判定するためのノズル特定パターンを印刷する構成としてもよい。例えば、検査対象ヘッドが備える複数のノズルの全てにおいて、各ノズルから吐出されたインクが印刷媒体上の所定範囲で隣接する複数のドットを構成するように検査対象ヘッドを制御する構成とする。この構成によれば、目詰まりノズルが存在する場合に、当該目詰まりノズルから吐出されるべきインクが印刷媒体に記録されず、他のノズルから吐出されたインクによって印刷媒体上に複数の連続するドットが形成される。従って、検査対象ヘッドが備える全てのノズルについて、当該ノズルが目詰まりノズルであるか否かを判定することが可能になる。
さらに、ヘッド特定パターンによって目詰まりノズルの位置を概ね特定し、特定された位置の周辺に存在する複数のノズルを利用してノズル特定パターンを印刷する構成としても良い。例えば、ヘッド特定パターンに基づいて目詰まりノズルの推定位置を特定する構成とする。すなわち、ヘッド特定パターンにおいては、目詰まりノズルの正確な位置は特定できないが、概略的に目詰まりノズルの位置を特定することができる。そこで、ヘッド特定パターンから概略的に特定される目詰まりノズルの位置を目詰まりノズルの推定位置とする。
そして、当該推定位置を含む所定範囲に存在する複数のノズルのそれぞれからインクを吐出してノズル特定パターンを印刷すれば、目詰まりノズルに対してもインク吐出指示がなされる状態でノズル特定パターンを印刷することができる。このため、目詰まりが発生している可能性の高いノズルを利用してノズル特定パターンを印刷するための制御を行うことができ、目詰まりノズルを特定するために必要な工数を低減することができる。また、ノズル特定パターンを印刷するために必要なインクの消費量を抑制することができる。
さらに、以上のようにして特定された目詰まりノズルについてクリーニングを行う構成を採用しても良い。すなわち、本発明によれば、目詰まりを起こしている目詰まりノズルが特定されるため、ノズル単位で目詰まりを防止するために目詰まりノズル内のクリーニングを行う。この構成によれば、目詰まりを確実に防止することができる。クリーニングはノズル単位で行うことができればよく、例えば、特定のノズルからインクを吐出する際に作用させる圧力を大きくする構成を採用可能である。また、ヘッドに対して吸引機構を取り付けて負圧を作用させて吸引するにあたり、ノズル毎に開閉弁を設けて選択的に負圧を作用させる構成としても良い。むろん、クリーニング後に、再度ノズル特定パターンを印刷して目詰まりが発生しているか否かを判定し、目詰まりが発生している場合に再度クリーニングを行う構成としても良い。
さらに、本発明のように、ヘッド特定パターンによって目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを特定し、ノズル特定パターンによって検査対象ヘッドに含まれる目詰まりノズルを特定する手法は、装置や方法としても適用可能である。また、以上のようなプログラム、装置、方法は、単独の印刷装置として実現される場合もあれば、複数の装置を組み合わせることによって実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、コンピューターと印刷装置が協働することによって本発明にかかるプログラム、装置、方法を提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、印刷装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)目詰まりノズル特定装置の構成:
(1−1)ヘッド特定パターンによる検査対象ヘッドの特定:
(1−2)吐出履歴に基づく目詰まりノズルの推定:
(1−3)ノズル特定パターンによる目詰まりノズルの特定:
(2)他の実施形態:
(1)目詰まりノズル特定装置の構成:
(1−1)ヘッド特定パターンによる検査対象ヘッドの特定:
(1−2)吐出履歴に基づく目詰まりノズルの推定:
(1−3)ノズル特定パターンによる目詰まりノズルの特定:
(2)他の実施形態:
(1)目詰まりノズル特定装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるコンピューター10の構成を示すブロック図である。コンピューター10は、図示しないRAM,ROM,CPU等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20はROMや記録媒体30に記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとしてプリンタードライバー21やアプリケーションプログラム等を実行可能である。
図1は、本発明の一実施形態にかかるコンピューター10の構成を示すブロック図である。コンピューター10は、図示しないRAM,ROM,CPU等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20はROMや記録媒体30に記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとしてプリンタードライバー21やアプリケーションプログラム等を実行可能である。
また、コンピューター10は、図示しないインターフェースを備えており、コンピューター10には当該インターフェースを介して入力部50と表示部51とプリンター52とが接続される。入力部50はユーザーの入力内容に対応した信号を出力するマウスやキーボード等の装置であり、制御部20は当該信号に基づいてユーザーの入力内容を特定する。表示部51は制御部20が出力する信号に応じて任意の画像を表示するディスプレイ等の装置であり、本実施形態においてはプリンタードライバー21やアプリケーションプログラムの機能を利用するためのユーザーインターフェースが当該表示部51に表示される。
プリンター52は制御部20が出力する印刷データに基づいて印刷データが示す画像を印刷する印刷装置であり、ヘッドユニット53を備えている。図3Aはヘッドユニット53の構成を模式的に示す図であり、当該ヘッドユニット53は、印刷媒体Pの搬送方向Dに対して垂直な方向に印刷媒体Pの幅Wより長く延びる部材を備え、当該部材に複数のヘッド53aが形成されている。図3Aにおいては、ヘッド53aが形成された位置を実線の矩形で示している。本実施形態において、ヘッド53aは印刷媒体Pの搬送方向Dと垂直な方向に2列並ぶように形成されている。各列のヘッド53aは印刷媒体Pの搬送方向Dと垂直な方向にずれた位置に形成されている。すなわち、印刷媒体Pの印刷範囲Rにおいて印刷不可能な位置が発生しないように、一方の列のヘッド53aが他方の列のヘッド53aを補完するような位置にヘッド53aが形成されている。
図3Bはヘッド53aの構成を模式的に示す図である。ヘッド53aには同図3Bに丸で示すように複数のノズル53bが形成されており、複数のノズル53bはヘッド53aに形成された矩形状の面において印刷媒体P側に向けて開口している。複数のノズル53bの内側はインクの通路となっており、図示しない圧電素子が駆動されることによって各ノズル53bからインクが吐出される。
記録媒体30には、検査対象ヘッドを特定するためのヘッド特定パターンを示すヘッド特定パターンデータ31と複数のノズル53bのそれぞれについてのインクの吐出履歴を示す吐出履歴データ32が記録される。本実施形態において、ヘッド特定パターンは、複数のヘッド53aの全てにおいて各ヘッド53aが備える複数のノズル53bの全てからインクを吐出し、かつ、同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で隣接しないようにインクを吐出するパターンである。すなわち、本実施形態においては、ノズル53bを均等に利用して印刷媒体P上にドットを形成するためのデータがヘッド特定パターンデータ31として予め定義されている。なお、このようなヘッド特定パターンは具体的には各種のパターンによって実現され、本実施形態においては、印刷媒体P上にインクによってドットを記録可能な全ての位置にドットを記録する、いわゆるベタパターンによってヘッド特定パターンを構成する。吐出履歴データ32は、各ノズルに対してインクを吐出させるための制御が行われた回数を示す情報およびクリーニングを行ったタイミングを示す情報(クリーニングを行った時点における累計のインク吐出制御回数)である。
プリンタードライバー21は、アプリケーションプログラム等の印刷指示に応じてプリンター52を制御して印刷対象を印刷するためのプログラムであり、その付属機能として、ノズルクリーニング機能を備えている。すなわち、制御部20は、プリンタードライバー21の処理により、目詰まりが発生している目詰まりノズルを特定し、プリンター52を制御して目詰まりを解消するためのクリーニングを行うことが可能である。制御部20がプリンタードライバー21による処理を実行することで、コンピューター10が目詰まりノズル特定装置として機能する。
プリンタードライバー21は、印刷処理の過程で目詰まりノズル特定処理を実行するために、ヘッド特定パターン印刷部21aと検査対象ヘッド取得部21bとノズル特定パターン印刷部21cと目詰まりノズル取得部21dとクリーニング部21eとを備えている。図2は、プリンタードライバー21によるクリーニング処理を示すフローチャートである。制御部20は、プリンタードライバー21の処理過程において入力部50によるクリーニング処理の実行指示を受け付けると図2に示すクリーニング処理を開始する。
(1−1)ヘッド特定パターンによる検査対象ヘッドの特定:
印刷処理が開始されると、制御部20は、ヘッド特定パターン印刷部21aの処理により、ヘッド特定パターンを印刷する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、ヘッド特定パターンデータ31を取得し、当該ヘッド特定パターンデータ31が示す画像に基づいて印刷データを生成してプリンター52に対して出力する。この結果、プリンター52は、ヘッドユニット53に備えられた複数のヘッド53aの全てを駆動し、各ヘッド53aに備えられた複数のノズル53bの全てからインクを吐出してヘッド特定パターンを印刷媒体Pに対して印刷する。なお、制御部20は、プリンタードライバー21の処理により、印刷実行後には吐出履歴を更新する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ヘッド特定パターンを印刷したときに各ノズル53bに対してインク吐出のための制御を行った回数をカウントしており、カウント結果を各ノズル53bのそれぞれについての吐出履歴に加える処理を行う。
印刷処理が開始されると、制御部20は、ヘッド特定パターン印刷部21aの処理により、ヘッド特定パターンを印刷する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、ヘッド特定パターンデータ31を取得し、当該ヘッド特定パターンデータ31が示す画像に基づいて印刷データを生成してプリンター52に対して出力する。この結果、プリンター52は、ヘッドユニット53に備えられた複数のヘッド53aの全てを駆動し、各ヘッド53aに備えられた複数のノズル53bの全てからインクを吐出してヘッド特定パターンを印刷媒体Pに対して印刷する。なお、制御部20は、プリンタードライバー21の処理により、印刷実行後には吐出履歴を更新する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ヘッド特定パターンを印刷したときに各ノズル53bに対してインク吐出のための制御を行った回数をカウントしており、カウント結果を各ノズル53bのそれぞれについての吐出履歴に加える処理を行う。
上述のように本実施形態におけるヘッド特定パターンデータ31はベタパターンを印刷するためのデータであり、ヘッド特定パターンが印刷されると同図3Aに示すように、複数のヘッド53aのそれぞれに対応した位置にドットが記録された矩形のヘッド特定パターンPhが複数個印刷される。いずれかのノズル53bで目詰まりが発生している場合、そのノズルからはインクが適正に吐出されず、インクが記録されない状態あるいはインクの記録位置が不適切な状態となる。従って、いずれかのノズル53bで目詰まりが発生している場合、ヘッド特定パターンPhはインクが均一に記録されたベタパターンにならない。例えば、図3Aに示すヘッド特定パターンPh'のように、パターン上に線状のインク未記録部分が発生する。
本実施形態においては、このようなヘッド特定パターンPhにおけるインク未記録部分を利用者が視認することによって利用者が目詰まりノズルを含むヘッド53aを検査対象ヘッドとして特定する構成となっている。制御部20は、検査対象ヘッド取得部21bの処理により、当該特定された検査対象ヘッドを取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、表示部51に対して検査対象ヘッドを指定するための画面を表示させる。利用者は、ヘッド特定パターンPhが印刷された印刷媒体Pを視認することによってインク未記録部分を含むヘッド特定パターンPh'を特定し、表示部51の画面を視認しつつ入力部50によって当該インク未記録部分を含むヘッド特定パターンPh'を指定する。制御部20は、入力部50が出力する信号を取得してヘッド特定パターンPh'の印刷に利用されたヘッドを検査対象ヘッドとして特定する。なお、表示部51における画面としては各種の画面を採用可能であり、印刷媒体P上のヘッド特定パターンPhを想起させる画像を表示部51に表示させるとともに当該画像を指定させることによってヘッド特定パターンPh'を特定する構成等を採用可能である。むろん、ヘッドやヘッド特定パターンPhの番号を印刷媒体P上あるいは画面上で示し、番号によってヘッド特定パターンやヘッドを指定するように構成するなど、種々の構成を採用可能である。
(1−2)吐出履歴に基づく目詰まりノズルの推定:
次に制御部20は、ノズル特定パターン印刷部21cの処理により、吐出履歴に基づいて目詰まりノズルを推定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、吐出履歴データ32を参照し、検査対象ヘッドに含まれる全てのノズルについて、前回の目詰まりが発生した後にインク吐出のための制御が行われた回数を特定する。そして、各ノズルについて、当該回数が所定回数以上であるノズルが目詰まりノズルであると推定する。
次に制御部20は、ノズル特定パターン印刷部21cの処理により、吐出履歴に基づいて目詰まりノズルを推定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、吐出履歴データ32を参照し、検査対象ヘッドに含まれる全てのノズルについて、前回の目詰まりが発生した後にインク吐出のための制御が行われた回数を特定する。そして、各ノズルについて、当該回数が所定回数以上であるノズルが目詰まりノズルであると推定する。
ここで、所定回数は、ノズルをクリーニングした後、さらに、インク吐出制御を行った場合に目詰まりが発生する可能性が高くなる回数であればよい。本実施形態においては、過去に複数回クリーニングを行った場合に各クリーニングの間に吐出制御を行った回数の平均である。例えば、プリンター52の使用開始時点(この時点ではクリーニングがなされている)から第1回目のクリーニングまでにあるノズルに対してインク吐出制御を行った回数が100回、第1回目のクリーニングから第2回目のクリーニングまでに当該ノズルに対してインク吐出制御を行った回数が120回である状態を想定する。この場合、第3回目のクリーニングを行う以前において所定回数を110回((100+120)/2)とする。すなわち、110回程度の吐出制御を行った後にはそのノズルに対して目詰まりが発生すると推定する。なお、図3Bにおいては、ヘッド53aが検査対象ヘッドであり、丸で示すノズル53bの中から目詰まりノズルとして推定されたノズルを黒丸で示している。
(1−3)ノズル特定パターンによる目詰まりノズルの特定:
次に、制御部20は、ノズル特定パターン印刷部21cの処理により、ノズル特定パターンを生成し(ステップS120)、ノズル特定パターンを印刷する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、ステップS115にて目詰まりノズルとして推定されたノズルを使用し、当該推定されたノズルから吐出されたインクが印刷媒体P上で複数の隣接ドットを構成するようにノズル特定パターンを印刷するためのノズル特定パターンデータを生成する。そして、制御部20は、当該ノズル特定パターンデータが示す画像に基づいて印刷データを生成してプリンター52に対して出力する。この結果、プリンター52は、ヘッドユニット53に備えられた検査対象ヘッドを駆動し、検査対象ヘッドに備えられた目詰まりノズルとして推定されたノズルからインクを吐出してノズル特定パターンを印刷媒体Pに対して印刷する。
次に、制御部20は、ノズル特定パターン印刷部21cの処理により、ノズル特定パターンを生成し(ステップS120)、ノズル特定パターンを印刷する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、ステップS115にて目詰まりノズルとして推定されたノズルを使用し、当該推定されたノズルから吐出されたインクが印刷媒体P上で複数の隣接ドットを構成するようにノズル特定パターンを印刷するためのノズル特定パターンデータを生成する。そして、制御部20は、当該ノズル特定パターンデータが示す画像に基づいて印刷データを生成してプリンター52に対して出力する。この結果、プリンター52は、ヘッドユニット53に備えられた検査対象ヘッドを駆動し、検査対象ヘッドに備えられた目詰まりノズルとして推定されたノズルからインクを吐出してノズル特定パターンを印刷媒体Pに対して印刷する。
本実施形態においては、目詰まりノズルとして推定されたノズルから連続的にインクを吐出して隣接するドットを形成する。例えば、図3Bにて黒丸で示す複数のノズルが目詰まりノズルである場合、これらの各ノズルから連続的にインクを吐出して、図3Cのような線状のノズル特定パターンを印刷する。なお、図3Cに示す例においては、紙面左右方向が印刷媒体Pの搬送方向であり、目詰まりノズルとして推定されたノズルから印刷媒体Pの搬送方向に沿って連続的に6回インクを吐出するノズル特定パターンを想定している。すなわち、図3Bに示すヘッド53aの左から1番目、上から3番目に存在するノズルから6回連続してインクを吐出したドットが図3Cに示すノズル特定パターンの左から6番目までのドットとなる。
同様に、図3Bに示すヘッド53aの左から2番目、上から2番目に存在するノズルから吐出されたインクが図3Cに示すノズル特定パターンの左から7番目〜12番目までのドットとなり、図3Bに示すヘッド53aの左から3番目、上から2番目に存在するノズルから吐出されたインクが図3Cに示すノズル特定パターンの左から13番目〜18番目までのドットとなり、図3Bに示すヘッド53aの左から4番目、上から3番目に存在するノズルから吐出されたインクが図3Cに示すノズル特定パターンの左から19番目〜24番目までのドットとなる。以上のように、ノズル特定パターンは複数の線状のパターンによって構成され、線状の各パターンは同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で形成した複数の隣接するドットから構成されている。むろん、図3Cに示すノズル特定パターンは一例であり、図3Dに示すように、各ノズルから吐出されたインクによって形成される線上のパターンが印刷媒体Pの搬送方向に対して垂直な方向に隣接しないようにドットを詰めて配置することで、印刷媒体Pの消費量を抑える構成としても良い。
目詰まりノズルであると推定されたノズルにおいて実際に目詰まりが発生している場合、ノズル特定パターンは適正に印刷されず、ドットの位置が不適切になるかあるいはドットが形成されない。従って、利用者は、印刷媒体P上に印刷されたノズル特定パターンに基づいて目詰まりノズルであると推定されたノズルにおいて実際に目詰まりが発生しているか否かを特定することができる。そこで、制御部20は、ステップS105と同様に吐出履歴を更新(ステップS130)した後、目詰まりノズル取得部21dの処理により、目詰まりノズルを取得する(ステップS135)。
すなわち、制御部20は、表示部51に対して目詰まりノズルを指定するための画面を表示させる。利用者は、ノズル特定パターンが印刷された印刷媒体Pを視認することによって適正な位置に連続してドットが記録されていないノズル特定パターンを特定し、表示部51の画面を視認しつつ入力部50によって当該ノズル特定パターンを指定する。制御部20は、入力部50が出力する信号を取得して当該指定されたノズル特定パターンの印刷に利用されたヘッドを目詰まりノズルとして特定する。なお、表示部51における画面としては各種の画面を採用可能であり、印刷媒体P上のノズル特定パターンを想起させる画像を表示部51に表示させるとともに当該画像を指示させることによってノズル特定パターンを特定する構成等を採用可能である。むろん、ノズルやノズル特定パターンの番号を印刷媒体P上あるいは画面上で示し、番号によってノズル特定パターンやノズルを指定するように構成するなど、種々の構成を採用可能である。また、ノズル特定パターンを印刷する際に、ドットが形成されるべき適正な位置を示す情報を印刷してもよい。例えば、目詰まりノズルと推定されていないノズルによって、印刷媒体Pの搬送方向に平行あるいは垂直な方向に沿った位置の目安を印刷する構成等を採用しても良い。
目詰まりノズルを取得すると、制御部20は、クリーニング部21eの処理により、目詰まりノズルのクリーニングを行う(ステップS140)。すなわち、制御部20は、目詰まりノズルを対象としたクリーニング実行指示をプリンター52に対して出力する。この結果、プリンター52においては、目詰まりノズルにおける圧電素子を通常のインク吐出時よりも大きな圧力が作用するように駆動して当該目詰まりノズルのクリーニングを行う。以上の処理によれば、目詰まりノズルを特定し、当該目詰まりノズルを対象としたクリーニングを行うことが可能である。
本実施形態においては、確実に目詰まりを解消するため、目詰まりが解消したか否かを検証する構成を採用している。当該検証のため、制御部20は、ステップS140におけるクリーニング処理を行った後、クリーニング処理を行った目詰まりノズルを利用してノズル特定パターンを印刷する(ステップS145)。すなわち、制御部20は、クリーニング処理を行った目詰まりノズルから連続してインクを吐出させるための印刷データをプリンター52に対して出力する。目詰まりが解消している場合には、この処理によってノズル特定パターンが適正に印刷されるはずであり、目詰まりが解消していない場合にはノズル特定パターンは適正に印刷されない。
そこで、制御部20は、目詰まりが解消したか否かを問い合わせる画面を表示部51に表示させる。利用者は、ノズル特定パターンに基づいて目詰まりが解消したか否かを判定し、入力部50によって目詰まりが解消したか否かを入力する。制御部20は、当該入力部50の入力に基づいて目詰まりが解消したか否かを判定し(ステップS150)、目詰まりが解消したと判定されるまでステップS120以降の処理を繰り返す。
以上の構成によれば、目詰まりが発生しているノズルを含むヘッドを検査対象ヘッドとして各ノズルに目詰まりが発生しているか否かを判定することができる。従って、複数のヘッドが備える複数のノズルの全てを検査する構成と比較して、著しく少数のノズルを検査するのみで目詰まりが発生しているか否かを判定することができる。従って、目詰まりが発生しているノズルを少ない工数で判定することが可能になる。
(2)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、ヘッド特定パターンによって目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを特定し、ノズル特定パターンによって検査対象ヘッドに含まれる目詰まりノズルを特定する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、スキャナを利用して検査対象ヘッドの特定や、目詰まりノズルの特定を行っても良い。この場合、上述のステップS110において、ヘッド特定パターンを印刷した印刷媒体Pをスキャナによって読み取り、読み取った画像を解析することによって線状のインク未記録部分を含むヘッド特定パターンPhを特定する。また、ステップS135において、ノズル特定パターンを印刷した印刷媒体Pをスキャナによって読み取り、読み取った画像を解析することによって適正な位置に連続してドットが記録されていないノズル特定パターンを特定する。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、ヘッド特定パターンによって目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを特定し、ノズル特定パターンによって検査対象ヘッドに含まれる目詰まりノズルを特定する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、スキャナを利用して検査対象ヘッドの特定や、目詰まりノズルの特定を行っても良い。この場合、上述のステップS110において、ヘッド特定パターンを印刷した印刷媒体Pをスキャナによって読み取り、読み取った画像を解析することによって線状のインク未記録部分を含むヘッド特定パターンPhを特定する。また、ステップS135において、ノズル特定パターンを印刷した印刷媒体Pをスキャナによって読み取り、読み取った画像を解析することによって適正な位置に連続してドットが記録されていないノズル特定パターンを特定する。
また、検査対象ヘッドが備える複数のノズルの一部ではなく、当該複数のノズルの全てからインクを吐出するように制御し、各ノズルから吐出されたインクが印刷媒体上の所定範囲で隣接する複数のドットを構成するように検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷してもよい。この構成は、図1に示す構成において図2に示す処理の中からステップS105,S115,S130を省略して実行する構成等によって実現される。但し、ステップS120において、制御部20は、検査対象ヘッドが備える全てのノズルを駆動してノズル特定パターンを印刷するためのデータを生成し、ステップS125において当該データに基づいてノズル特定パターンを印刷する。
当該ノズル特定パターンの印刷に際して、制御部20は、ヘッドの走査方向に応じて異なるノズル特定パターンを印刷するための印刷データを生成し、プリンター52にて印刷を行う。図4Aは、ヘッド53aがヘッドユニット53に対して固定され、印刷媒体Pを搬送することによってヘッド53aによる走査を行う、すなわち、ヘッドの走査方向と印刷媒体Pの搬送方向とが一致する構成におけるノズル特定パターンの例である。
図4Aにおいては、ヘッド53aにおいて、印刷媒体Pの搬送方向Dに垂直な方向に沿って並ぶノズルが構成するノズルラインを左から順にライン1〜5として示している。本例においては、各ラインにて連続してインクを吐出する制御を行ってノズル特定パターンを印刷する。例えば、ライン1に含まれるノズルのそれぞれに対して連続して6回インクを吐出させる制御を行ってノズル特定パターンP1を印刷する。同様にライン2〜5のそれぞれに含まれるノズルのそれぞれに対して連続して6回インクを吐出させる制御を行ってノズル特定パターンP2〜P5を印刷する。
このようなノズル特定パターンを印刷した場合、目詰まりノズルが存在すれば、その周囲のノズルによって印刷されたドットとの対比によってインク未記録部分を特定することができ、そのノズルを特定することが可能である。例えば、ノズル特定パターンP1はライン1のノズルで印刷されたことが予め判明しているため、上から3番目のノズルで形成すべきドットが印刷されていないことから、当該ノズルが目詰まりノズルであることが特定される。なお、当該ノズル特定パターンにおいても、目詰まりノズルの位置を特定するための目安を印刷媒体Pに印刷することによって目詰まりノズルの位置の特定を補助する構成とすることが可能である。なお、図4Aに示す例において、目詰まりノズルの位置が上から3番目のノズルであることを正確に特定することが困難である場合には、ライン1に含まれる全てのノズルに対してクリーニングを行う構成としても良い。すなわち、図4Aに示すノズル特定パターンに基づいて目詰まりノズルが含まれるラインをライン1〜5の中から特定することは容易である。例えば、図4Aに示す例において、ノズル特定パターンP1が適正でないことは明らかであり、ライン1に目詰まりノズルが含まれることは明らかである。この場合に、ライン1のノズルに対してクリーニングを行えば、目詰まりノズルに対してクリーニング処理を確実に実行することができる。
図4Bは、ヘッド53aが印刷媒体Pの搬送と、当該搬送の方向に対して垂直な方向へのヘッド53aの移動とによって走査を行う構成におけるノズル特定パターンの例である。ここでは、印刷媒体Pの搬送による走査を主走査、ヘッド53aの移動による走査を副走査と呼ぶ。図4Bにおいては、ヘッド53a上の各ノズルを座標で特定する。すなわち、主走査方向に沿って1〜5の番号、副走査方向に沿って1〜N(Nは副走査方向に並ぶノズルの個数)の番号を付し、(主走査方向の番号,副走査方向の番号)によってノズルを特定する構成としてある。例えば、ヘッド53aにおいて黒丸で示すノズルは(1,3)のノズルである。
本例においては、各ノズルにて主走査方向に4個、副走査方向に4個の計16個のドットが隣接するようにノズル特定パターンを印刷する。例えば、図4Bに示す例において、ノズル(1,1)から吐出されたインクはノズル特定パターンP11となる。そして、隣接する16個のドットの集合からなるパターンが並べて印刷されることによってノズル特定パターンが構成される。このようなノズル特定パターンを印刷した場合、目詰まりノズルが存在すれば、目詰まりノズルが印刷すべきであったノズル特定パターンが印刷されない。例えば、図4Bにおいては、(1,3)のノズルが目詰まりノズルであるため、(1,3)のノズルからインクが吐出されず、ノズル特定パターンP13は形成されない。図4Bにおいては、この様子を破線の丸で示している。この結果、ノズル特定パターンP13に対応する(1,3)のノズルが目詰まりノズルであることが特定される。
さらに、ヘッド特定パターンに基づいて目詰まりノズルの位置を推定する構成を採用しても良い。すなわち、ヘッド特定パターンを視認あるいは解析して目詰まりノズルの正確な位置を特定することが困難な場合でも、目詰まりノズルの概略位置を特定することは可能である。そこで、ヘッド特定パターンに基づいて目詰まりノズルの推定位置を特定する構成とする。そして、当該推定位置を含む所定範囲に存在する複数のノズルのそれぞれから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷する。この構成によれば、目詰まりが発生している可能性が高い所定範囲のノズルを利用してノズル特定パターンを印刷することができる。また、当該ノズル特定パターンを印刷する際に目詰まりが発生している可能性が小さい所定範囲外のノズルを利用しない。従って、少ないインク使用量でノズル特定パターンを印刷することができる。
この構成は、例えば、上述の図1に示す構成において図2に示す処理の中からステップS105,S130を省略して実行する構成等によって実現される。但し、ステップS115において、制御部20は、入力部50および表示部51によって構成するユーザーインターフェースを介して利用者が指定する目詰まりノズルの推定位置を受け付ける。また、ステップS120において、制御部20は、検査対象ヘッドが備えるノズルのうち、上述の推定位置を含む所定範囲のノズルを駆動してノズル特定パターンを印刷するためのデータを生成し、ステップS125において当該データに基づいてノズル特定パターンを印刷する。
図4Cは、図4Bと同様の符号によってヘッド53aが備えるノズルを特定して示す図である。この構成において、ヘッド特定パターンによってノズル(2,2)付近のノズルが目詰まりノズルであると推定される場合を想定する。この場合、ノズル(2,2)を含む所定範囲のノズルを利用してノズル特定パターンを印刷することになる。例えば、目詰まりノズルの推定位置に対して主走査方向および副走査方向に1個ずつずれた位置のノズルまでを所定範囲のノズルとする場合、(2±1,2±1)の組み合わせで表現される計9個のノズルを利用してノズル特定パターンを印刷することになる。この構成において、例えば、図4Bと同様に、各ノズルにて主走査方向に4個、副走査方向に4個の計16個のドットが隣接するようにノズル特定パターンを印刷すると、図4Cに示すように16個ずつのドットの集合によってノズル特定パターンが形成される。ノズル特定パターンを印刷する際に利用したノズルに目詰まりノズルが含まれる場合、例えば、(2,2)のノズルが目詰まりノズルである場合には、ノズル特定パターンP22は形成されない。図4Cにおいては、この様子を破線の丸で示している。この結果、ノズル特定パターンP22に対応する(2,2)のノズルが目詰まりノズルであることが特定される。
さらに、上述の実施形態においては、ノズル特定パターンに基づいて特定される目詰まりノズルの位置が正確であるとみなしていたが、ノズル特定パターンに基づいて特定される目詰まりノズルの位置に誤差が生じていたとしても少ない工数でクリーニングが終了するように構成してもよい。例えば、クリーニング処理の対象となるノズルをノズル特定パターンに基づいて特定された目詰まりノズルの位置を含む所定範囲(例えば、主走査方向および副走査方向に1個ずつずれた位置のノズルを含む範囲)のノズルとする。この構成によれば、目詰まりノズルの位置の特定精度が低下したとしても、少数の工数でクリーニング処理を終えることが可能になる。
さらに、上述の実施形態においては、コンピューター10が備える制御部20がノズル特定プログラムを実行する構成であったが、むろん、プリンター52が備える制御部がノズル特定プログラムを実行する構成であっても良い。
10…コンピューター、20…制御部、21…プリンタードライバー、21a…ヘッド特定パターン印刷部、21b…検査対象ヘッド取得部、21c…ノズル特定パターン印刷部、21d…ノズル取得部、21e…クリーニング部、30…記録媒体、31…ヘッド特定パターンデータ、32…吐出履歴データ、50…入力部、51…表示部、52…プリンター、53…ヘッドユニット、53a…ヘッド、53b…ノズル
Claims (8)
- 複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれからインクを吐出させるように前記複数のヘッドを制御してヘッド特定パターンを印刷させるヘッド特定パターン印刷機能と、
印刷された前記ヘッド特定パターンに基づいて特定された検査対象ヘッドであって、目詰まりが発生している目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを示す情報を取得する検査対象ヘッド取得機能と、
同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させるノズル特定パターン印刷機能と、
前記ノズル特定パターンに基づいて特定された前記目詰まりノズルを示す情報を取得する目詰まりノズル取得機能と、
をコンピューターに実現させる目詰まりノズル特定プログラム。 - 前記ヘッド特定パターン印刷機能は、
印刷装置が備える前記複数のノズルの全てからインクを吐出させるように前記複数のヘッドの全てを制御する、
請求項1に記載の目詰まりノズル特定プログラム。 - 前記目詰まりノズル特定機能は、
前記複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれについてのインクの吐出履歴に基づいて、前回の目詰まりの発生から所定回数以上インク吐出のための制御が行われたノズルを特定し、特定されたノズルから吐出されたインクが前記印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の目詰まりノズル特定プログラム。 - 前記目詰まりノズル特定機能は、前記検査対象ヘッドが備える前記複数のノズルの全てにおいて、各ノズルから吐出されたインクが印刷媒体上の所定範囲で隣接する複数のドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の目詰まりノズル特定プログラム。 - 前記目詰まりノズル特定機能は、
前記ヘッド特定パターンに基づいて特定された前記目詰まりノズルの推定位置を含む所定範囲に存在する複数のノズルのそれぞれから吐出されたインクが前記印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の目詰まりノズル特定プログラム。 - 印刷された前記ノズル特定パターンに基づいて特定された前記目詰まりノズル内のクリーニングを行うクリーニング機能をコンピューターに実現させる、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の目詰まりノズル特定プログラム。 - 複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれからインクを吐出させるように前記複数のヘッドを制御してヘッド特定パターンを印刷させるヘッド特定パターン印刷工程と、
印刷された前記ヘッド特定パターンに基づいて特定された検査対象ヘッドであって、目詰まりが発生している目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを示す情報を取得する検査対象ヘッド取得工程と、
同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させるノズル特定パターン印刷工程と、
前記ノズル特定パターンに基づいて特定された、前記目詰まりノズルを示す情報を取得する目詰まりノズル取得工程と、
を含む目詰まりノズル特定方法。 - 複数のヘッドが備える複数のノズルのそれぞれからインクを吐出させるように前記複数のヘッドを制御してヘッド特定パターンを印刷させるヘッド特定パターン印刷手段と、
印刷された前記ヘッド特定パターンに基づいて特定された検査対象ヘッドであって、目詰まりが発生している目詰まりノズルを含む検査対象ヘッドを示す情報を取得する検査対象ヘッド取得手段と、
同一のノズルから吐出されたインクが印刷媒体上で複数の隣接するドットを構成するように前記検査対象ヘッドを制御してノズル特定パターンを印刷させるノズル特定パターン印刷手段と、
前記ノズル特定パターンに基づいて特定された、前記目詰まりノズルを示す情報を取得する目詰まりノズル取得手段と、
を備える目詰まりノズル特定装置。
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JP2009150706A JP2011005718A (ja) | 2009-06-25 | 2009-06-25 | 目詰まりノズル特定プログラム、装置および方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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