JP2011004869A - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線検出器をX線管に対し、容易に対向配置させることができるX線診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】被検体(20)に対しX線を照射するX線管装置5を備えた本体部と、X線検出器80と、X線管装置5によるX線照射方向を検出する第一検出手段(30,31,32)と、X線検出器のX線入射面の傾きを検出する第二検出手段(40〜43)と、X線照射方向と、X線入射面の傾きと、に基づいて、X線入射面がX線管に対向しているか否かを判定する判定手段と、判定の結果に基づく情報を通知する通知手段(51〜54)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、X線診断装置に係り、特に、X線管を備えた本体部とは別体に構成されたX線検出器を用いたX線診断装置に関する。
従来、一般撮影では、X線検出器(フィルム・CR・FPD)とX線照射装置とは独立した装置を用いる。そのため、X線撮影を行う際は、検者(技師)の経験・技術によって、X線の入射角度とX線検出器との位置を合わせ、目的の画像を取得してきた。
上記の如く、X線照射装置とX線検出器とが別体に構成されたX線診断装置として、例えば、特許文献1には、X線源を搭載したX線診断装置本体と、そのX線診断装置本体とは別体に構成されて単体で持ち運び可能なX線検出器と、を用いた回診用X線装置が開示されている。
特開2008−29644号公報
一般撮影では、撮影部位により、被検体がX線検出器を持ち撮影する撮影法がある。この撮影法においては、検者はX線検出器の角度・位置を指示し、被検体は指示された状態をX線撮影が終了するまで保持する必要がある。この場合、検者の指示の正確性と、被検体の保持精度により画像の質が左右されてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、X線管装置を備えた本体部とは別体に構成されたX線検出器であっても、位置合わせを容易に行なうことができるX線診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るX線診断装置は、被検体に対しX線を照射するX線管を備えた本体部と、前記X線を検出して前記X線に基づく信号を出力するX線検出器と、前記X線管のX線照射方向を検出する第一検出手段と、前記X線検出器のX線入射面の傾きを検出する第二検出手段と、前記X線照射方向と前記X線入射面の傾きとに基づいて、前記X線入射面が前記X線管に対向しているか否かを判定する判定手段と、前記判定の結果を通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
ここでいう「対向」とは、X線管とX線検出器のX線入射面が向きあっており、X線管から照射されるX線束の中心軸がX線入射面に対して略垂直に入射する位置関係にあることを意味する。
本発明によれば、X線管装置を備えた本体部とは別体に構成されたX線検出器であっても、X線検出器をX線管装置に対し、容易に対向配置させることができる。
第一実施形態に使用されるX線診断装置の構成を示す模式図 本実施形態に係るX線診断装置を用いてX線撮影を行うときX線管装置とX線検出器との位置関係の一例を示す模式図 磁気センサトランスミッタの取り付け位置を示す模式図 通知手段の一例である検出器対向情報表示器を示す模式図 通知手段の一例である検出器対向情報表示器を示す模式図 第一実施形態のX線診断装置の要部をなすユニットの接続を示すブロック図 本実施形態に係るX線検出器の平面図 X線検出器の保持部材の斜視図 X線撮影の動作の流れを示すフローチャート 図9のステップS6の処理を示す模式図 図9のステップS8の処理を示す模式図 X線診断装置Mの構成を示す側面図
以下、本発明を適用する実施形態について説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<<第一実施形態>>
以下、図1に基づいて、第一実施形態に係るX線診断装置の構成について説明する。図1は、第一実施形態に使用されるX線診断装置の構成を示す模式図である。
図1のX線診断装置1は、大きくはX線管装置5を備えた本体部と、本体部とは別体に構成されたX線検出器80とからなる。以下、まず本体部の構成について説明する。本体部は、X線管の可動絞り装置(コリメータ)4を有するX線管装置5を備える。X線管装置5は、床面2上に配置され被検体を上面に載置する撮影台3に対向配置される。X線管装置5は伸縮自在のアーム6を介してX線管保持装置7に保持されている。X線管保持装置7は、可動絞り装置4を制御する制御部を内蔵している。X線管保持装置7は、天井面8に配設されたレール9に沿って、左右方向に自在に移動可能に取付けられている。また、X線診断装置1が設置される撮影室内には、X線検出器の保持部10を有する支持台11が備えられる。支持台11は、被検体を立位の状態で撮影するもので、例えば、被検体の胸部の撮影に用いられる。
更に、X線診断装置1は、高電圧発生装置12と、検者がX線撮影条件を入力するための操作卓15との通信を行う通信装置13と、X線診断装置1の動作制御を行う制御部14とを備える。
制御部14には、対向判定とその結果通知を行うための制御プログラムが格納される。この制御プログラムは、X線管によるX線照射方向を検出する第一検出部と、X線検出器におけるX線が入射するX線入射面の傾き及びX線管装置5に対するX線検出器の位置を検出する第二検出部と、X線照射方向と、X線入射面の傾き及び相対位置と、に基づいて、X線入射面がX線管に対向しているか否かを判定する判定部と、判定の結果を被検体に対して通知する通知部と、判定部による判定の結果に基づき、X線管に対してX線入射面をX線管に対向させるために必要なX線検出器の移動方向と移動量とを算出する移動量算出部とにより構成される。制御部14を構成するハードウェアの一つであって、制御処理及び演算処理を行うCPU14aが、上記制御プログラムを実行することにより、上記制御プログラムの機能が実現される。
画像処理装置16は、撮影されたX線画像の画像処理を行い、画像表示装置17に表示する。
更に、図1のX線診断装置1は、X線管装置5とは別体に構成されたX線検出器80を備える。X線検出器80として、X線フィルム、イメージングプレート(蓄積性蛍光体を塗布されたシート)、平面センサ(多数のX線検出素子を2次元マトリクス状に配置したX線検出器)等が知られているが、本実施形態では、静止画用(撮影専用)平面センサを用いた例を説明する。
次に、図1のX線診断装置を用いてX線撮影を行うときのX線管装置5とX線検出器80との位置関係を説明する。通常、X線検出器80は、撮影台3上に載置してX線撮影を行うことが多い。しかし、被検体の撮影部位によっては、撮影台3の上面に撮影部位を位置させることが困難であるため、被検体にX線検出器80を把持させてX線撮影を行うことがある。
図2は、本実施形態に係るX線診断装置1を用いてX線撮影を行うときX線管装置5とX線検出器80との位置関係の一例を示す模式図であって、被検体20にX線検出器80を把持させて、被検体20の膝を撮影するときのX線管装置5とX線検出器80との位置関係を示す。図2では、被検体20の膝にX線を照射するために、X線管装置5をX線管保持装置7に対して回転(首振りともいう)させる。そして、被検体20の膝を挟んでX線管装置5に対向させてX線検出器80が位置するように、被検体20がX線検出器80をX線撮影が終わるまで把持し続ける。
X線管保持装置7及びX線管装置5には、X線管保持装置7に対するX線管装置5の管球角度を検出するためのセンサが備えられる。本実施形態では、X線管保持装置7に一つの磁気センサトランスミッタ30を備える。また、X線管装置5に少なくとも二つの磁気センサレシーバ31,32を備える。二つの磁気センサレシーバ31,32は、X線管装置5(より詳しくはX線焦点)を挟んで対向する位置に備えると好ましい。磁気センサレシーバ31、32からの信号により、磁気センサトランスミッタ30に対するX線管装置5上の2点が検出できるため、X線管装置5の管球角度を検出することができる。
管球角度の検出手段は、上記の磁気センサに限らない。例えば、X線診断装置1の制御部14が、X線管装置5の管球角度を変更し、その角度情報を出力する機能を備える場合には、制御部14のこの機能を管球角度の検出手段として用いてもよい。
また、X線管装置5及びX線検出器80には、X線管装置5に対するX線検出器80のX線入射面の傾きと位置とを検出するためのセンサが備えられる。本実施形態では、X線管装置5に磁気センサトランスミッタ40を備える。また、X線検出器80に三つの磁気センサレシーバ41,42,43を備える。次に、図3に基づいて磁気トランスミッタの取り付け位置について説明する。図3は磁気センサトランスミッタの取り付け位置を示す模式図である。磁気センサトランスミッタ40は、図3に示すようにx-y-z軸を仮定した場合に、X線管装置5において、X線管装置5の中心又はX線焦点Fを通るz軸上に所定距離だけ離れた位置に取り付ける。この磁気センサトランスミッタ40の計測点座標を実空間x-y-z軸上の基準点O(0、0、0)として、X線管装置5に対するX線検出器80の位置と面の傾きとを検出する。
X線管装置5は、被検体20に対し、X線管装置5とX線検出器80とが対向しているか否かを示す対向情報を通知するための通知手段を備える。図4と図5は、その通知手段の一例である検出器対向情報表示器を示す模式図である。
図4に示す検出器対向情報表示器は、X線管装置5(又はX線管装置5の開放端に備えられたコリメータ4)において被検体20に対向する位置の上下左右に4つの発光手段(例えばLED)51,52,53,54、を備える。そして、X線管装置5とX線検出器80とを対向させるために、X線検出器80を移動させる必要があるときには、その移動させる方向に相当する発光手段54を点滅させる。また、移動量は、点滅速度に関係づけて通知する。例えば、X線管装置5とX線検出器80とが対向している状態を基準値とし、そこからのずれ量が相対的に大きい場合、すなわち移動量が大きい場合には、点滅速度を相対的に速くし、基準値からのずれ量が相対的に小さい場合、すなわち移動量が小さい場合には、点滅速度を相対的に遅くしてもよい。図4は、右方向を示す発光手段54が点滅している状態を示している。被検体20がX線検出器80をX線管装置5に向かって右方向に移動させると、X線検出器80とX線管装置5とが対向し、点滅が消える。また、対向していれば緑色のランプを点灯し、対向していなければ赤色のランプを点灯するなど、表示色を用いて示してもよい。
図5に示す検出器対向情報表示器は、X線管装置5(又はコリメータ4)において被検体20から見える位置に備えられたモニタ55により構成される。そして、X線管装置5とX線検出器80とを対向させるために、X線検出器80を移動させる必要があるときには、そのモニタ55上に移動方向を矢印の向きで、移動量を矢印の長さで表示する。図5(a)は、右斜め上方向に相対的に大きい移動量を表示した例である。この表示に従って、被検体20がX線検出器80をX線管装置5に向かって右斜め上方向に移動させると、表示内容は図5(b)に遷移する。図5(b)では、図5(a)よりも矢印の長さが短い。これは、被検体20がX線検出器80を移動させたことより、前述の基準値に対する位置ずれの量が少なくなったことを示す。
通知手段は、上記図4、図5の検出器対向情報表示器のように、被検体20の視覚を通じて通知するものだけでなく、被検体の聴覚を通じて通知するものでもよい。例えば、通知手段として音声発生手段を備え、「右方向に5cm移動して下さい。」、「X線管装置に検出器が向くように傾きを変えてください。」、又「X線検出器をX線管に近づけてください。」と通知してもよい。また、ブザーを備え、対向していない間は、ブザーから警告音を発生させてもよい。
次に図6に基づいて本実施形態に係るX線診断装置の主たる動作を行うユニットの電気的接続を説明する。図6は、第一実施形態のX線診断装置の要部をなすユニットの接続を示すブロック図である。
高電圧発生装置12は、X線管装置5に内蔵されたX線管へ高電圧の管電圧、管電流を供給するものである。操作ユニット18は、操作卓15に内蔵され、X線撮影条件、すなわち管電圧、管電流、撮影時間を設定する操作器やX線撮影スイッチ等が設けられたものである。X線撮影条件表示器19も操作卓15に備えられたもので、管電圧(kV)、管電流(mA)、撮影時間(sec)、管電流撮影時間積(mAs)等を表示するものである。検出器対向情報表示器51,52,53,54,又は55は、X線管装置5における被検体20から見える位置に設けられ、被検体20に対しX線検出器80がX線管装置5と対向しているかを通知する。高電圧発生装置12、操作ユニット18、X線撮影条件表示器19、検出器対向情報表示器51,52,53,54,又は55、及び上述の管球角度のセンサを構成する磁気センサトランスミッタ30及び磁気センサレシーバ31,32は、制御部14を構成するCPU14aへ接続されている。さらにCPU14aには、X線管装置5に対するX線検出器80の入射面の角度を示す検出器角度センサを構成する磁気センサトランスミッタ40及び磁気センサレシーバ41,42,43が、有線若しくは無線接続される。CPU14aは、管球角度のセンサ及び検出器角度センサから取得した信号に基づいて管球角度及び検出器角度及び位置の検出を行う。
次に図7,8に基づいて、本実施形態に係るX線検出器を説明する。図7は、本実施形態に係るX線検出器の平面図、図8は、X線検出器の保持部材の斜視図である。
図7のX線検出器80は、ポータブルFPDと呼ばれるもので、略箱状の枠体81と、その枠体81の内部に、多数のX線検出素子を2次元平面へマトリクス上に配列したセンサ部82とを備える。センサ部82の上面は、X線のX線入射面84に相当する。
このセンサ部82は、検出したX線のデータを保持可能なメモリ部を備える。枠体81におけるセンサ部82の外縁部には、3つのレシーバ41、42、43を備える。レシーバ41、42は、X線検出器80のX線のX線入射面84の中心点(+印の中心)を挟み、この中心点から等距離に対角線上へ配置される。レシーバ43は、X線検出器80の中心を通るx軸、y軸に対し、レシーバ41に対してはx軸に対して対称、レシーバ42に対してはy軸に対して対称の位置へ配置される。図7のX線検出器80は、持ち運ぶ際に把持するための把持部83が備えられる。
磁気センサレシーバが備えられていない既存のX線検出器を用いる場合には、レシーバを備えたX線検出器の保持部材を用いてもよい。
図8の保持部材90は、略箱状の枠体91と、その枠体91の内部にX線検出器80を着脱自在に収納する収納部92とを備える。枠体91における収納部92の外縁には、3個の磁気センサのレシーバ41、42、43が、収納部92にX線検出器80をはめ込んだ状態においてX線検出器80のX線入射面84を間に挟む位置に取り付けられる。3個の磁気センサ用レシーバ41、42、43を含む面と、X線検出器80のX線入射面84とは同一平面上に、かつ、X線検出器80におけるX線入射面84外の所定位置に配置されている。
次に第一実施形態の動作について図9を用いて説明する。図9は、X線撮影の動作の流れを示すフローチャートである。
以下の一連の流れにおいては、X線管装置がX線検出器と対向している、即ち、X線管装置とX線検出器のX線入射面が向きあっており、X線管から照射されるX線束の中心軸がX線入射面に対して略垂直に入射する位置関係にあるか(条件1)を判定する。条件1は、X線管装置5とX線検出器80との距離が十分近くても、X線管装置がX線検出器の方向を向いていない、即ちX線がX線入射面に入射せず、X線画像が得られないことを防ぐために必要な条件である。また、仮に、X線がX線入射面に入射したとしても、X線束の中心軸が略直交していない場合には、一枚のX線画像内において拡大率の変化が起こり、所望する画質のX線画像が得られないことがありうる。上記のような不都合を防ぐために条件1を満たすことが必要となる。更に、本実施形態では、X線検出器80がX線管装置5からX線撮影に必要な透過X線強度の信号を検出できる距離範囲内にあるか否か(条件2)についても判定する。その理由は、仮に条件1を満たしていても条件2を満たしていない場合には、所望するX線画像の画質を得るために必要な強度の透過X線信号を検出することができないためである。以下、図9の各ステップに沿って説明する。
(ステップS1〜S5)
ステップS1では、検者が操作卓15の図示しない電源スイッチをONにする(S1)。ステップS2では、操作卓15に設けられたX線撮影条件表示器19に撮影の手技入力画面が表示される(S2)。X線撮影をする場合にはステップS4へ進み、手技入力画面において検者が撮影手技を選択して入力する。X線撮影をしない場合には、ステップS5の検査終了へ進む。(S3〜S5)。
(ステップS6)
ステップS6では、X線照射方向としてX線管装置5の管球角度を検出する(S6)。X線管装置5は、X線の照射角度を変えるために、X線管保持装置7に対して回転(首振り)する。そこで、X線撮影時のX線管球の向き、すなわちX線の照射方向を検出する必要がある。以下、図10に基づいて本ステップの処理を説明する。図10は、本ステップの処理を示す模式図である。磁気センサトランスミッタ30は、管球角度の基準点であり座標を(0,0,0)とする。基準点は、管球の回転運動に連動しない箇所に備える必要があるので、本実施形態では、X線管保持装置7に備える。鉛直軸を基に管球角度を検出する場合には、X線焦点又はX線管球の中心を通るz軸上に備えることが望ましい。一方、X線管装置5の2か所に一つずつ、合計2個の磁気センサレシーバ31、32を備える。管球角度の検出の便宜のためには、磁気センサレシーバ31、32は、磁気センサトランスミッタ30から等距離に備えることが望ましい。磁気センサレシーバ31、32の各座標を(x1、y1、z1)、(x2、y2、z2)とする。CPU14aは、磁気センサトランスミッタ30及び磁気センサレシーバ31、32からの信号に基づいて、3点の座標(0,0,0)、(x1、y1、z1)、(x2、y2、z2)を計測する。CPU14aは、X線管装置5が鉛直下向きにある状態を管球角度0°とし、その状態から磁気センサレシーバ31,32の位置に基づいて鉛直軸を基準とする管球角度θ1(0≦<θ1≦90°)を検出する。なお、アーム6が上下するため、同一の管球角度であっても、実空間内におけるX線が照射され領域が異なる。そのため、ステップS7において、X線管装置5に対するX線検出器80の位置を検出する。
(ステップS7)
ステップS7では、X線検出器80のX線入射面の向き及びX線管装置5に対する位置を検出する(S7)。CPU14aは、磁気センサトランスミッタ40及び3つの磁気センサレシーバ41,42,43から信号を受信する。そして、磁気センサトランスミッタ40の座標を原点(0,0,0)としたときの、3つのレシーバ41,42,43の各座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)を計測し、これら3点を含む矩形状の面を定義する。そして、この定義された矩形状の面と水平面とのなす角θ2(0°≦θ2≦90°)を、X線入射面の傾きとして検出する。
(ステップS8)
ステップ8では、ステップS6及びステップS7の検出結果に基づいて、X線検出器80とX線管装置5とが対向しているか否かを判定する(S8)。
図11に基づいて、本ステップの処理を説明する。図11は、本ステップの処理を示す模式図である。鉛直軸Vを基準とする管球角度をθ1(0°≦θ1≦90°)とする。また、水平面Hを基準とするX線入射面84の傾きをθ2(0°≦θ2≦90°)とする。図11では、天井面8が水平面であるとする。X線束の中心軸をL1とし、L1と天井面8との交点をA、X線入射面84との交点をBとする(幾何学的には、面と面とが交わる部分は直線を形成するが、図11の模式図の説明なので交点と称する。)。また、X線入射面84と天井面8との交点をCとする。∠CABは、管球角度θ1と一致する。また、∠BCAは、X線入射面84の傾きθ2である。L1がX線入射面84となす角をθとすると、三角形ABCの内角の総和は180°であるから、θ+θ1+θ2=180となる。X線束の中心軸がX線入射面に対して直交しているときにθ=90°となることから、θ1+θ2=90°であることが、本実施形態においては必要である。
そこで、CPU14aは、ステップS6とS7との検出結果に基づいて、管球角度θ1とX線入射面の角度θ2とを加算し、その値が、90°を中心とする角度許容範囲内にあるか否かを判定する。ここでいう角度許容範囲内とは、所望するX線画像の画質を得るために必要なX線管装置5に対するX線入射面84の傾きに相当する。これにより、X線入射面の傾きがX線撮影に適しているか否かを判定することができる。
また、CPU14aは、X線管装置5に対するX線検出器80の位置関係を算出する。CPU14aは、磁気センサトランスミッタ40の座標を原点(0,0,0)としたときの、3つのレシーバ41,42,43の各座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)に基づいて定義された面の中心座標が、原点(0,0,0)を中心とする位置許容範囲内にあるか否か、即ち、X線管装置5に対するX線検出器80の位置が位置許容範囲内にあるか否かを判定する。ここでいう位置許容範囲は、所望するX線画像を得るために必要な透過X線を得るためのX線管装置5からX線検出器80までの距離に相当する。
本実施形態では、CPU14aは、X線入射面84の傾きが角度許容範囲内にあり、かつX線管装置5に対するX線検出器80の位置が位置許容範囲内にある場合には、X線管装置とX線検出器とが対向していると判定し、それ以外の場合には対向していないと判定する。
上記の他、CPU14aは、実空間内におけるX線の透過領域と、X線検出器80の磁気センサレシーバ41、42、43により規定される枠の実空間領域とを比較し、X線の透過領域が枠内に入っているかに基づいて、対向しているか否かを判定してもよい。例えば、CPU14aが、磁気センサレシーバ41、42、43の座標からX線入射面を示す矩形状領域を定義して実空間における座標を計測する。また、管球角度θ1とコリメータの開き角とX線束の広がり角度から、X線の透過領域の実空間における座標を算出する。そして、矩形状領域内に透過領域が収まるか否かを演算し、収まっていれば対向していると判定し、収まっていなければ対向していないと判定する。本実施形態では、X線入射面の傾きが角度許容範囲内(条件1)及びX線管装置5に対するX線検出器80の位置が位置許容範囲内にある(条件2)の双方に基づいて対向しているか否かの判定をしたが、条件1、条件2及びX線管装置5のX線透過領域がX線検出器80のレシーバ41、42、43の枠内に入っているかのいずれか1つ以上を基に判定してもよい。
(ステップS9)
ステップS9では、CPU14aは、ステップS8の判定結果に基づいて、対向情報の通知を行う(S9)。判定の結果、対向配置させるために必要なX線検出器80の移動方向及び移動量を表示する場合には、CPU14aは、ステップS8の判定結果に基づいて移動方向と移動量とを演算する。そして、検出器対向情報表示器51,52,53,54又は55に表示したり、音声発生手段により音声通知したりする。ブザーなどの警告音を用いて判定の結果(OK又はNG)のみを被検体20に通知してもよい。検出器対向情報表示器51,52,53,54又は55に表示するトリガーは、画像処理装置16から取得した被検体情報・撮影部位登録完了等の撮影開始情報とし、撮影開始情報の取得により表示を開始する。この表示は、撮影終了とともに消す。
(ステップS10)
X線管装置5とX線検出器80とが対向していない場合には、ステップS11へ進み、対向している場合には、ステップS12へ進む。
(ステップS11)
ステップS11では、X線検出器80の位置修正が行われる(S11)。位置修正は、被検体20がX線検出器80を把持してX線撮影をする場合には、被検体20により行われる。被検体20は、検出器対向情報表示器51,52,53,54又は55の表示内容に従って、X線検出器80の位置をずらしたり、傾きを変えたりする。位置合わせの後、再度ステップS6へ戻る。
(ステップS12〜15)
対向している場合には、検者によるX線曝射スイッチの操作が行われ(S12)、X線画像を取得する(S13)。撮影手技が終了していればステップS2に戻り、再度手技入力画面にて撮影手技の選択を行う、撮影手技が終了していなければ、ステップS4へ戻る(S14)。すべての検査が終了すると、操作卓の電源を切断し、一連の撮影動作を終了する(S15)。
本実施形態によれば、X線管装置5が回転(首振り)するものであっても、管球角度を考慮してX線検出器80とX線管装置5とが対向しているか否かを判定できる。さらに、その結果を、被検体20に通知することで、被検体20にX線検出器80を把持させて撮影する際のX線検出器80の位置修正が容易に行える。
上記実施形態では、天井からX線管装置を吊り下げたX線診断装置を例に説明したが、他の構成のX線管装置によるX線撮影にも適用することができる。例えば、X線管を搭載した本体部と、その本体部とは別体に構成されたX線検出器とからなる移動型X線診断装置、いわゆるX線回診車と呼ばれるものに本発明を適用してもよい。移動型X線診断装置の例を図12に示す。図12は、X線診断装置Mの構成を示す側面図である。
図12に示すX線診断装置Mは、移動台車101の上に高電圧発生装置やX線制御装置並びに制御盤を備えたX線制御部102が搭載される。また移動台車101の上部前方に支柱103が移動台車101に対して旋回可能に、垂直に配置されている。この支柱103には支柱103に沿って上下方向へ移動可能なX線管支持アーム104が設けられている。このX線管支持アーム104の先端へX線管装置105が取り付けられている。X線管装置105の下部にコリメータ106が取り付けられている。
このX線管装置105の被検体から見える箇所に検出器対向情報表示器(例えば4つの発光手段151,152,153,154)を備え、X線管支持アーム104に磁気センサトラスミッタ130を、X線管装置105に、X線焦点Fを挟んで2つの磁気センサレシーバ131,132を取りつけて管球角度を検出する。また、X線管装置105の中心に磁気センサトランスミッタ140を、X線検出器80は、第一実施形態と同様に3つの磁気センサレシーバ41,42,43を備えて、X線管装置105に対するX線検出器80の位置と傾きとを検出する。この検出結果を基にX線制御部102において対向しているか否かの判定を行い、被検体20に通知することにより、被検体20にX線検出器80を保持させたり、X線検出器80をベッド7上で傾けたりして撮影する場合にもX線検出器80を対向配置させやすくなる。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更を行ってもよい。例えば、磁気センサトランスミッタと磁気センサレシーバとの取り付け位置を変更したり、X線管装置に磁気センサレシーバを、X線検出器に磁気センサトランスミッタを取り付けたりしてもよい。また、X線管装置に対するX線検出器の位置、X線入射面の傾きを検出する手段も上記に限定されない。例えば、X線入射面の傾きを角度センサにより検出し、X線管装置に対するX線入射面の中心点の位置を検出し、これら二つの検出結果を合わせてX線管装置とX線検出器との相対的な位置関係を検出してもよい。また、上記実施形態では、X線管装置を備えた本体部とは別体に構成されたX線平面検出器を用いて説明したが、本体部とX線平面検出器とが一体に構成されたX線診断装置に本発明を適用してもよい。
1:X線診断装置、2:床面、3:撮影台、4:コリメータ、5:X線管装置、6:アーム、7:X線管保持装置、8:天井面、9:レール、10:X線検出器の保持部、11:支持台、12:高電圧発生装置、13:通信装置、14:制御部、15:操作卓、16:画像処理装置、17:画像表示装置、18:操作ユニット、19:X線撮影条件表示器、20:被検体、30:磁気センサトランスミッタ、31,32:磁気センサレシーバ、40:磁気センサトランスミッタ、41〜43:磁気センサレシーバ、51〜54:発光手段、55:モニタ、80:X線検出器、90:保持部材、M:移動型X線診断装置、101:移動台車、102:X線制御部、103:支柱、104:X線管支持アーム、105:X線管装置、106:コリメータ、107:ベッド、130:磁気センサトランスミッタ、131,132:磁気センサレシーバ、140:磁気センサトランスミッタ、151〜154:発光手段

Claims (7)

  1. 被検体に対しX線を照射するX線管を備えた本体部と、
    前記X線を検出して前記X線に基づく信号を出力するX線検出器と、
    前記X線管のX線照射方向を検出する第一検出手段と、
    前記X線検出器のX線入射面の傾きを検出する第二検出手段と、
    前記X線照射方向と前記X線入射面の傾きとに基づいて、前記X線入射面が前記X線管に対向しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定の結果を通知する通知手段と、
    を備えることを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記第一検出手段は、基準面に対する前記X線管の管球角度を前記X線照射方向として検出し、
    前記第二検出手段は、前記基準面に対する前記X線入射面の傾きの角度を検出し、
    前記判定手段は、前記基準面に対する前記管球角度と、前記基準面に対する前記X線入射面の傾きの角度と、の合計値を用いて、前記判定を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記第二検出手段は、前記X線管に対する前記X線検出器の位置を更に検出し、
    前記判定手段は、前記X線検出器が前記X線管に対してX線撮影に適する距離範囲内にあるか否かについても判定し、
    前記通知手段は、前記距離範囲内にあるか否かについての判定結果も通知する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  4. 前記本体部は、前記X線管と連動することなく、前記X線管を回動可能に支持する支持器を備え、
    前記第一検出手段は、前記支持器に備えられた第一磁気センサトランスミッタと、前記X線管に備えられた複数の第一磁気センサレシーバと、前記第一磁気センサトランスミッタ及び前記第一磁気センサレシーバから受信した信号に基づき、前記X線照射方向を検出する第一演算手段と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  5. 前記第二検出手段は、前記X線管に備えられた第二磁気センサトランスミッタと、前記X線検出器に備えられた複数の第二磁気センサレシーバと、前記第二磁気センサトランスミッタ及び第二磁気センサレシーバから受信した信号に基づき、前記X線入射面の傾き及び前記X線管に対する前記X線検出器の位置の少なくも一つを演算する第二演算手段と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載のX線診断装置。
  6. 前記判定手段による判定の結果に基づき、前記X線管に対して前記X線入射面を前記X線管に対向させるために必要な前記X線検出器の移動方向と移動量とを算出する移動量算出手段を更に備え、
    前記通知手段は、前記移動方向と移動量とを前記被検体に通知する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
  7. 前記通知手段は、前記移動方向と移動量とを表示する表示手段により構成される、
    又は、前記通知手段は、前記移動方向と移動量とを示す音声を発生させる音声発生手段により構成される、
    ことを特徴とする請求項6に記載のX線診断装置。
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