JP2011004775A - ペースト注出器 - Google Patents

ペースト注出器 Download PDF

Info

Publication number
JP2011004775A
JP2011004775A JP2009148267A JP2009148267A JP2011004775A JP 2011004775 A JP2011004775 A JP 2011004775A JP 2009148267 A JP2009148267 A JP 2009148267A JP 2009148267 A JP2009148267 A JP 2009148267A JP 2011004775 A JP2011004775 A JP 2011004775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
ring
groove
air
annular groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009148267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5317845B2 (ja
Inventor
Hironobu Akitsumi
宏伸 秋積
Yoshitoshi Yamaguchi
能利 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Dental Corp
Original Assignee
Tokuyama Dental Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Dental Corp filed Critical Tokuyama Dental Corp
Priority to JP2009148267A priority Critical patent/JP5317845B2/ja
Publication of JP2011004775A publication Critical patent/JP2011004775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5317845B2 publication Critical patent/JP5317845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)

Abstract

【課題】ペーストのシリンダ内部への注入時に簡単な構造によって内部の密閉空間からその外部へ残留空気を排出すること。
【解決手段】ペーストの注出器は、プランジャー部材4の前端近傍の外周に形成された環状凹溝9と、注出口11側と後端開口部側への空気の流通を遮断するO−リング10とを備え、環状凹溝9の底面9bの前後に隔てる前面9aから後面9cに至る溝幅がO−リング10の厚さよりも大きく形成されている。環状凹溝9の底面には、前後方向に渡ってエア抜き溝14を形成している。該エア抜き溝14は、空気の流れを許容するが、ペーストに対しては流通抵抗が大きくエア抜き溝14を通り抜けることができない。
【選択図】図6

Description

本発明は、ペーストなどの注出器、詳しくは歯牙修復材ペースト等の低粘度のペーストを充填するのに好適な注出器に関する。
齲蝕された歯牙の治療は、齲蝕部を削り取った後、形成された修復部位に、歯牙修復材ペーストを充填し、これを口腔内に光照射して光重合することにより、或いはそのまま化学重合により硬化させることによって行われる。
このような歯科修復に使用されるペースト等(以下、単にペーストともいう)の充填具としては、少量のペーストを定量的に注出させる必要があることから、先端においてペースト注出口がノズル状に突出するシリンダ部材、および該シリンダ部材の後端開口部から挿嵌されるプランジャー部材とからなるシリンジ型のペースト注出器が使用されている。かかるシリンジ型のペースト注出器では、プランジャー部材の先端近傍の外周面には環状凹溝が形成されており、該環状凹溝には、外周縁がシリンダ部材の内周壁と当接する弾性のシール用O−リングが装着されているため、プランジャー部材を、シリンダ部材の先端方向に所望程度に押すことにより、そのシリンダ部材の充填室内の内圧を高めることができ、ペーストを、修復に必要な量だけペースト注出口から押し出すことができる。
しかしながら、このようなペースト注出器を用いての歯牙修復材ペーストの注出では、必要量を注出した後のペースト注出口でのペーストの切れを良くすることが課題であった。すなわち、こうしたペーストの注出では、プランジャー部材への押圧を停止した後においても、シリンダ内部に充填されるペーストにはかなりの圧が残り、前記したようにペーストの注出口はノズル状(小口径)であるため、この残圧により該注出口からペーストが漏れ出すことがあった。また、ペースト注出器にペーストを充填する際に空気が混入し、混入した空気は押し出し時に圧縮し、押し出し停止時に膨張するため、押し出しを停止してもペーストが漏れ出すことも考えられる。
このペーストの漏れ出しは、ペーストの注出量の定量性を損なう他、必要外の箇所で落滴して周囲を汚す原因にもなり改善が望まれていた。
こうしたことから、ペースト注出器では、プランジャー部材の押圧を停止した後のペーストの切れをよくするため、プランジャー部材の先端近傍の周に形成されるO−リング装着用の環状凹溝の幅を、O−リングの無負荷状態での厚み幅の1.5〜2.5倍に広くすることが提案されている(特許文献1、及び特許文献2参照)。
すなわち、このように溝幅が広く遊びのある構造とすれば、ペーストを注出させるためにプランジャー部材を押した際には、ペーストの内圧の高まりにより、O−リングは該凹溝内を、シリンダ部材の開口端側に向かって移動する。そして、この時、O−リングの外周縁近傍は凹溝の上端よりも高く位置しているので、この部分はシリンダ部材の開口端側に向かって弾性変形して撓る。しかして、ペーストの注出を終え、プランジャー部材の押圧を停止すると、上記外周縁が開口端側に向かって撓っていたO−リングには、撓りを初期の状態に戻そうとする復元力が働き、その結果、プランジャー部材は若干量開口端側に押し戻される。このプランジャー部材の押し戻しの力は、ペースト注出口ではペーストをシリンダ部材の内部に引き込む力となって作用するので、上記構造のペースト注出器では、ペーストの注出停止後において、ペースト注出口からのペーストの漏れ出しが良好に抑制できる。
特開2001−57987号公報 特開2006−204628号公報
このような、ペースト注出器では、ペーストをシリンダ部材の内部に充填するときは、ノズルをペースト注出器の注入口に差し込み、ノズルからシリンダ内の充填室に充填する。この際、ペースト注出器のプランジャー部材には先端部に押し込み棒を設けていることから、ペースト注出器のノズルと押し込み棒とが接触しないように、プランジャー部材をシリンダ部材の後方側に配置する。この状態からペーストを充填室に注入すると、充填室内に空気が残留してしまう。
充填機を用いて内部に空気が入らないようにすることを目的とし、プランジャー部材をシリンダ部材の最先端位置まで押し込んで、内部の空気を排除する。そして、ノズルの先端を容器内のペースト内に取り入れ、プランジャー部材を引き込むことによって、負圧が発生し、シリンダ内にペーストが注入される。このような残留空気が充填室に残ると、空気の存在により、前記したプランジャー部材のO−リングによる押し戻しの力は前記したペースト注出口では、ペーストをシリンダ部材の内部に引き込ませる力の妨げとなり、効果的にノズルの先端部のペーストをシリンダ部材側に戻す作用の妨げとなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ペーストなどの流体のシリンダ内部への注入時に簡単な構造によってシリンダ内の充填室からその外部へ残留空気を排出することができる注出器を提供することを目的とする。
本発明の注出器は、前端において流体の注出口が形成されているシリンダ部材と、該シリンダ部材の後端開口部から挿嵌され、流体の充填室を形成するプランジャー部材と、該プランジャー部材の前端近傍の外周に形成された環状凹溝と、該環状凹溝の底面に装着され、半径方向外周縁がシリンダ部材の内周壁との間を気密にし、前記充填室側と前記後端開口部側への流体の流通を遮断するシール用のO−リングとを備え、前記環状凹溝の底面の前後に隔てて配設されている該環状凹溝の前面から後面に至る溝幅が前記O−リングの厚さよりも大きく形成されている注出器において、前記環状凹溝の底面にエア抜き通路を形成し、前記O−リングが前記環状凹溝の後面に密接した位置で、前記環状凹溝が前記O−リングの下方を前後に貫いて形成され、前記O−リングが前記環状凹溝の後面に当接した位置で、充填室のエア圧力が大きくなると、エア抜き通路を介してO−リングと前記後面との間の密閉状態を解除し、充填室のエアを排出するようにした。
上記注出器は、前記エア抜き通路は前記環状凹溝の底面の後面側から前面側へ向かって、非直線形状で形成されていることが好ましい。
本発明の注出器は、環状凹溝の底面の前後に隔てて配設されている該環状凹溝の前面から後面に至る溝幅がO−リングの厚さよりも大きく形成されている注出器において、前記環状凹溝の底面にエア抜き通路を形成し、前記O−リングが前記環状凹溝の後面に密接した位置で、前記環状凹溝が前記O−リングの下方を前後に貫いて形成され、前記O−リングが前記環状凹溝の後面に当接した位置で、充填室のエア圧力が大きくなると、エア抜き通路を介してO−リングと前記後面との間のエア圧力によって密閉状態を解除し、充填室のエアを排出するようにしたので、シリンダ内部の残留空気がエア抜き通路を通って後端開口側へ排出することができる。
上記注出器は、前記エア抜き通路は前記環状凹溝の底面の後面側から前面側へ向かって、非直線形状で形成されているので、エア抜き通路の流通抵抗が大きくなり、ペーストなどの流通抵抗の大きな流体が、エアが抜けた後の流通路を塞ぎやすくなり、O−リングの変形状態にかかわらず、エア抜き通路を閉塞することができる。
本発明のペースト注出器の代表的態様を示す断面図である。 図1のペースト注出器におけるシリンダ部材の断面図である。 図1のペースト注出器におけるプランジャー部材の断面図である。 図1のペースト注出器におけるプランジャー部材の先端側の主として環状凹部の部位を示す拡大側面図である。 図4のプランジャー部材の環状凹部に装着されているO−リングがエア抜き溝を開放した状態の断面図である(便宜上、クランク形状のエア抜き溝を直線形状で示している)。 図6Aは、充填室にペーストを注入する前の状態のペースト注出器の拡大断面図、図6Bはペースト注出器にペーストが注入されてプランジャー部材がシリンダ部材の後端側に少し移動した状態の拡大断面図、図6Cはペーストがプランジャー部材を後方側の最終位置の手前まで押圧させた状態の拡大断面図、図6Dはペースト注出器にペーストが充填された状態の拡大断面図である。 プランジャー部材の後端が押さえ板に当接した状態の平面図である。
以下、本発明のペースト注出器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、ペースト注出器20の代表的態様の断面図、図2はペースト注出器20のシリンダ部材1の断面図、図3はペースト注出器20のプランジャー部材4の断面図である。
これらの図を参照にして、ペースト注出器20は、シリンダ部材1とプランジャー部材4とを備えている。シリンダ部材1は、断面が円形でかつ内部が中空であり、先端(前端)にはペーストの注出口11がノズル状に突出している。注出口11には外部からペーストを注入してから目的部へペーストを注出するノズル部材2が配設されている。また、シリンダ部材1の後部には後端開口部3が設けられ、後端開口部3にはプランジャー部材4が挿嵌されている。
ペースト注出器20の材質は、特に制限されるものではなく、金属やガラス等であっても良いが、通常は、プラスチック、例えばポリプロピレン、ナイロン、テフロン(登録商標)等が採用される。先端のノズル部材2については、プラスチックや金属製であっても良い。
シリンダ部材1の内口径は5〜10mmであるのが一般的であり、本実施形態では8mmのものを使用している。シリンダ部材1の先端近くは、ペーストが定量的に注出できるように、逆テーパ面5を経て縮径されているのが好ましい。すなわち、シリンダ部材の先端近くは、細い円柱筒状、或いはゆるやかなテーパを有する細い逆円錐形状をしているのが好ましい。なお、逆テーパ面5は、シリンダ部材の軸方向に対して断面形状が直角に形成されていても良いが、充填されるペーストがなだらかに流動し易いようにテーパ状であるのが好ましい。
シリンダ部材1の後端開口部3の外周壁には、操作者が該シリンダ部材を保持する際に指(通常は、人差し指と中指)を引掛ける係指部6が、シリンダ部材の半径方向外側へ張り出しているのが好ましい。
ペースト注出器20において、ノズル2の内口径は0.1〜2.0mm、より好適には0.3〜1.5mmの場合において本発明の効果が良好に発揮され易く好ましい。注出口2の長さは1〜30mmが一般的であり、この長さにおいて、図1に示すようにノズル2の先端は途中で屈曲させてあってもよい。なお、こうしたノズル2は、通常はチップ状の別部材として、シリンダ部材の本体部に装着して使用する構造としている。
図2に示される図1のペースト注出器20はこうした構造であり、図2に示されるシリンダ部材1は、注出口11に備えた先端チップとしてのノズル2が外された状態での本体部の断面図である。
一方、プランジャー部材4は、前記したシリンダ部材1の内面形状と一致するような形態で形成される。その直径は、シリンダ部材1の口径よりもほぼ同じか若干小さく形成される。プランジャー部材4の先端部には、径の細い円柱形状の押し込み棒15が形成され、後端部には、プランジャー部材4をシリンダ部材1の内部に押し込み易いように、親指平の係指部7が、プランジャー部材4の半径方向外側に張り出しているのが好ましい。プランジャー部材4の先端から後端までの長さは、一般的に50〜100mmの長さのものが使用されるが、本実施形態では81mmのものを使用している。
このような基本構造のペースト注出器20において、そのシリンダ部材1の逆テーパ面5とプランジャー部材4の先端部との間に形成される充填室8には、ペーストが充填される。そして、プランジャー部材4の先端近傍の外周には、環状凹溝9が形成されている。
図4に示すように、環状凹溝9は、底面9bと該底面9bの前後を隔てて、底面9bから直角方向に立ち上がる前面9aと後面9cとが形成されている。環状凹溝9の底面9bの直径は、一般的に3〜7mmであり、本実施形態では、5mmである。また、環状凹溝9の幅(前面9aから後面9cまでの距離)は、一般的に5〜10mmであり、本実施形態では3.5mmである。
環状凹溝9の底面9bには、エア抜き通路としてのエア抜き溝14が形成されている。エア抜き溝14は、底面9bに且つ底面9bの前後方向に向けて形成され、底面9bと後面9cの境界部から前方に形成し、O−リング10が環状凹溝9の後面9cを密接した位置で、本実施形態では前面9aに至らない長さに形成している。エア抜き溝9を形成するための条件は、O−リング10が環状凹溝9の後面9cを密接した位置で、O−リング10の下方を前後に貫いて形成されていることが必要である。
エア抜き溝14の形状は、直線形状であってもよいし、図4に示すように、中間部の2箇所を直角に曲がるように形成したクランク(若しくは階段)形状であってもよい。
エア抜き溝14の具体的な大きさについて、幅が0.1〜0.5mmであり、深さが0.1〜0.5mmであることが好ましく、本実施形態ではクランク形状のエア抜き溝14の一端から他端までを均等に0.2mmの幅に形成している。
この環状凹溝9には、環状部外径がシリンダ部材1の口径と同一か極僅かに上回る大きさであり、プランジャー部材4を該シリンダ部材1に挿嵌すると、半径方向外側外周縁がシリンダ部材1の内周壁に当接する形態の弾性のシール用O−リング10が装着されている。O−リング10の材質は、シリコーン樹脂、フッ素系エラストマー等の合成樹脂からなる弾性材料が好ましい。また、これらの弾性材料は、一般にはショア硬度が100以下、より好適には40〜100のものが使用される。
O−リング10の厚さ(紐径:プランジャー部材4の前後方向における厚さ)は、環状凹溝9の前後方向の幅よりも小さく、O−リング10は、環状凹溝9を前後方向に位置を変えることができる(図6のA〜Dを参照)。
ペースト注出器20は、O−リング10が配設されている部位より先端側と、O−リング10よりも後端側のシリンダ部材1とプランジャー部材4との間隙空間18との間が、O−リング10により封鎖されており、シリンダ部材1の充填室8に充填されるペーストは、充填室8から間隙空間18へ流出するのを防止するようにしている。
しかしながら、図5に示すように、O−リング10が環状凹溝9の前後方向における中間位置、すなわちO−リング10が後面9cと離れた状態で、且つエア抜き溝14の先端よりも後側に位置するときは、充填室8の空気はエア抜き溝14を通り、間隙空間18へ流出されるようにしている。また、図6のA又はDに示すように、O−リング10が環状凹溝9の前面9a又は後面9cに密接して位置するときは、原則としてエア抜き溝14による通路内のエアの流れを遮断する。
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
本発明のペースト注出器20に充填するペーストとしては、歯牙修復材ペーストであるのが好ましい。これら歯牙修復材ペーストの具体例としては、コンポジットレジンと呼ばれる欠損した歯牙の充填修復材料、歯髄保護のための裏層材料、および小窩裂溝封鎖に適した充填修復材料などが挙げられる。これらは、化学重合により硬化するタイプであっても良いし、光重合により硬化するタイプであっても良いが、後者の方がより好ましい。
本実施形態において、ペースト注出器20に充填するペーストは、特に制限されるものではないが、ペースト注出口からのペーストの切れを良くする本発明の効果を顕著に発揮される観点からは、低粘度のものが好ましく、粘度が10〜10,000ポイズ、より好適には50〜5,000ポイズであることが好ましい。
シール用O−リングを装着したペースト注出器20では、シリンダ部材1にペーストを注入するときには、図6のAに全体を図示せず先端の充填ノズル17と本体の一部のみを示すペースト充填器16にセットする。そして、抽出ノズル17を抽出口12に差し込むときは、抽出ノズル17と押し込み棒15が干渉しないように、プランジャー部材4を注出口11から離した位置に配置する。従来では、充填室8の残留空気が最小限になるように、できるだけプランジャー部材4を前側に位置させるようにしたが、本発明では必ずしもその必要がなくなる。ペースト充填器16から充填室8にペーストが充填されると、ペースト及び残留空気の圧力によって、プランジャー部材4を後方側へ押圧する。
ここで、O−リング10の移動について説明すると、図6のAのように、当初プランジャー部材4を充填時の初期位置に移動した後は、O−リング10の位置は、通常、環状凹溝9の前面9aに密接しているか、あるいは後面9cに密接(図6のAに示す状態)しているかのいずれかである。O−リング10が環状凹溝9の前面9aに位置しているときは、ペーストの注入時ではそのままO−リング10が前面9aに密接したままプランジャー部材4が後方へ移動するので、充填室8は常に密閉状態が維持される。
一方、図6のAに示すように、O−リング10が後面9cに密接しているときは、O−リング10は、摺動抵抗によってその位置に留まろうとするため、図6のBに示すように、後面9cから離れて前面9aに密接する。そのO−リング10が後面9cから離れた瞬間には、一旦、エア抜き溝14によって、O−リング10を介してO−リング10の前後が連通し、充填室9と間隙空間18とが連通するが、僅かな時間でO−リング10と前面9aとが密接するので、この連通時における空気の抜けは僅かである。
図6のCに示すように、プランジャー部材4がペーストによって、さらに後方へ移動すると、プランジャー部材4がシリンダ部材1の内面を後方へ移動する際の摺動抵抗は大きく、さらに、O−リングによって充填室8は密閉状態であるので、さらにペースト充填器16によってペーストが充填室8に供給されると、残留空気は、ペーストによってO−リング10側へ押され内部圧力が大きくなるが、O−リング10が依然前面9aに密接した状態であるので、空気は残留したままである。
図7に示すように、ペーストが所定量充填されると、ペースト充填器16の後端にある、ストッパー部材としての押さえ板19にプランジャー部材4の後端にある係指部7が当接する。すると、プランジャー部材4の後方への移動が規制され、この際、O−リング10には押圧力が負荷され、後方側へ移動し前面9aと離間する。
O−リング10が後方へ移動すると当初密閉状態を維持し続けるが、図5(ペーストは省略してある)に示すように、O−リング10がエア抜き溝14の先端位置よりも後方へ移動すると、エア抜き溝14が充填室8とシリンダ部材1の後方側と連通し、エア抜き溝14を介して、空気がO−リング10の下部を抜けて排出される。しかしながら、O−リング10の後面9cへの移動が迅速であり、未だ空気が残留した状態である。そして、さらにペーストが供給されることによって残留空気が押圧され、さらに内部圧力が大きくなる。O−リング10が後面10cに密接している状態では、エア抜き溝14の後端はO−リング10の背面側まで連通しており、O−リング10の背面側に潜り込んだ圧縮空気がO−リング10の背面を押圧し、空気がO−リング10の背面に圧力を負荷することによって、矢印aに示すようにO−リング10の背面と後面9cとの間に空気圧による隙間が生じ、この隙間を通ってシリンダ部材1の後端側へ排出される。
空気がエア抜き溝14を介して抜けると、ペーストがエア抜き溝14に浸入する。エア抜き溝14は、面積を小さく形成することによって、空気は通すがペーストを通しにくい大きさにすることによって、空気が抜けた後に、ペースト自体によってエア抜き溝14の開口を塞げるようにすることが好ましい。ただし、多少のペーストの漏れがあっても差し支えはない。ペーストがエア抜き溝14に詰まるようにするには、図4に示すように、エア抜き溝14をクランク形状のように複雑な形状に形成することによって、流通抵抗を大きくし、エア抜き溝14をペーストで、さらに閉塞しやすくすることができる。また、ペーストの粘性が大きいときも、エア抜き溝14を閉塞しやすくすることができるので、効果的である。その後、図6のDに示すように、ペーストの所定量が、充填室8に充填されることによって、ペーストの注入作業が終了する。
ペーストを患部へ注出するときは、プランジャー部材4を前方に押圧する。この時におけるO−リング10の位置は、後面9cに接触した状態であるので、O−リング10がエア抜き溝14による空気の流通を阻止し、充填室8の気密性は常時、維持されている。ペーストは、エア抜き溝14に詰まった状態にあるので、密閉性が維持される。
ペーストの患部への注出が終了し、プランジャー部材4への押圧力が解除されると、O−リング10は、弾性変形をもとの形状に戻す(若しくは近くなろうとする)復元力と摺動抵抗による撓みをもとに戻そうとする復元力が生じる。したがって、プランジャー部材4を後方側へ押し返す力が働き、実際に、プランジャー部材4が後方へ押し戻される。こうして、プランジャー部材4が押し戻されることによって、シリンダ部材4内の充填室8側にペーストが押し戻され、ノズル2内の先端に残されていたペーストも後方へ押し戻される。その結果ノズル2からペーストが漏れることが防止される。充填室8内には、上述したように、空気抜きがされているので、効果的にプランジャー部材4を後方へ押し戻すことができる。
詳しくは、ペーストの注出後において、ペースト注出器20の注出口11を上方に向けて静置したが、注出口11よりのペーストの漏れ出しは認められなかった。
なお、シリンダ部材1内から空気を排除することによって、ペースト注出器20の本来の目的であるペースト注出器20の操作者が、シリンダ部材1の先端方向に所望程度に押すと、その充填室8に充填されるペーストの内圧が高まり、それに応じて、必要量のペーストを注出口11から押し出すための操作性の効果を、より高めることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、環状凹溝9のエア抜き溝14は、ペーストがエア抜き溝14の通路をペーストで塞ぎやすくするために、クランク形状に形成したが、例えば、S字形状やジクザク形状、その他の形状によって、エア抜き溝14の流通抵抗を大きくするようにしてもよい。又は、エア抜き溝14の通路の一部の断面積(幅、深さ)を小さくして、流体を詰まらせるようにしてもよい。
また、エア抜き溝14は、環状凹溝9の底部に1箇所形成するようにしたが、2箇所以上に形成してもよい。ただし、エア抜き溝9の溝の大きさを適宜変更する必要がある。
上記実施形態では、ペースト注出器に充填する材料として、歯牙修復材ペーストを例にあげたが、水などの液体や歯科材料以外のその他流体であってもよい。
さらに、本実施形態では、後面9cに空気抜き溝を形成しなかったが、後面9cにO−リングを密閉させることを前提として、後面9cとO−リング10の密接部に形成してもよい。
1 シリンダ部材
2 ペースト注出口
4 プランジャー部材
9 環状凹溝
9a 前面
9b 底面
9c 後面
10 O−リング
11 注出口
14 エア抜き溝(エア抜き通路)
20 ペースト注出器

Claims (2)

  1. 前端において流体の注出口が形成されているシリンダ部材と、
    該シリンダ部材の後端開口部から挿嵌され、流体の充填室を形成するプランジャー部材と、
    該プランジャー部材の前端近傍の外周に形成された環状凹溝と、
    該環状凹溝の底面に装着され、半径方向外周縁がシリンダ部材の内周壁との間を気密にし、前記充填室側と前記後端開口部側への流体の流通を遮断するシール用のO−リングとを備え、
    前記環状凹溝の底面の前後に隔てて配設されている該環状凹溝の前面から後面に至る溝幅が前記O−リングの厚さよりも大きく形成されている注出器において、
    前記環状凹溝の底面にエア抜き通路を形成し、前記O−リングが前記環状凹溝の後面に密接した位置で、前記環状凹溝が前記O−リングの下方を前後に貫いて形成され、
    前記O−リングが前記環状凹溝の後面に当接した位置で、充填室のエア圧力が大きくなると、エア抜き通路を介してO−リングと前記後面との間の密閉状態を解除し、充填室のエアを排出するようにしたことを特徴とする注出器。
  2. 前記エア抜き通路は前記環状凹溝の底面を後面側から前面側へ向かって、非直線形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の注出器。
JP2009148267A 2009-06-23 2009-06-23 ペースト注出器 Active JP5317845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009148267A JP5317845B2 (ja) 2009-06-23 2009-06-23 ペースト注出器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009148267A JP5317845B2 (ja) 2009-06-23 2009-06-23 ペースト注出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011004775A true JP2011004775A (ja) 2011-01-13
JP5317845B2 JP5317845B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=43562183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009148267A Active JP5317845B2 (ja) 2009-06-23 2009-06-23 ペースト注出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5317845B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014050550A1 (ja) 2012-09-28 2014-04-03 株式会社ジーシー 歯科用シリンジ
JP2016077629A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 株式会社トクヤマデンタル 注出器

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101850885B1 (ko) * 2017-08-14 2018-04-20 비스코덴탈아시아 주식회사 치과용 레진 주입장치
CN110937648B (zh) 2019-12-25 2021-03-30 浙江工业大学 一种连续化处理高浓度有机废水的工艺及装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04243573A (ja) * 1991-01-24 1992-08-31 Cemedine Co Ltd 押出ガン
JPH0579457A (ja) * 1991-09-13 1993-03-30 Ishimaru Gosei Jushi Kk 減圧容器
JP2001057987A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Gc Corp 歯科用粘性材料用容器の押出し部構造
JP2006102076A (ja) * 2004-10-05 2006-04-20 Shiseido Co Ltd 粘性化粧料用容器及び粘性化粧料用容器への粘性化粧料の充填方法
JP2006204628A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Tokuyama Corp ペースト注出器
JP2009011341A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Yuka Denshi Co Ltd ペースト状材料充填容器
JP2010022422A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Gc Corp シリンジ型容器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04243573A (ja) * 1991-01-24 1992-08-31 Cemedine Co Ltd 押出ガン
JPH0579457A (ja) * 1991-09-13 1993-03-30 Ishimaru Gosei Jushi Kk 減圧容器
JP2001057987A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Gc Corp 歯科用粘性材料用容器の押出し部構造
JP2006102076A (ja) * 2004-10-05 2006-04-20 Shiseido Co Ltd 粘性化粧料用容器及び粘性化粧料用容器への粘性化粧料の充填方法
JP2006204628A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Tokuyama Corp ペースト注出器
JP2009011341A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Yuka Denshi Co Ltd ペースト状材料充填容器
JP2010022422A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Gc Corp シリンジ型容器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014050550A1 (ja) 2012-09-28 2014-04-03 株式会社ジーシー 歯科用シリンジ
JP5873561B2 (ja) * 2012-09-28 2016-03-01 株式会社ジーシー 歯科用シリンジ
JPWO2014050550A1 (ja) * 2012-09-28 2016-08-22 株式会社ジーシー 歯科用シリンジ
US9775685B2 (en) 2012-09-28 2017-10-03 Gc Corporation Dental syringe
JP2016077629A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 株式会社トクヤマデンタル 注出器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5317845B2 (ja) 2013-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2050509B1 (en) Viscous material pouring dispenser
US10143535B2 (en) Container for storing and dispensing a liquid
JP5752115B2 (ja) 吐出器具及び吐出器具の充填材料の充填方法
JP5317845B2 (ja) ペースト注出器
JP5873561B2 (ja) 歯科用シリンジ
US20160296962A1 (en) A device for dispensing a composition and methods of dispensing a composition
JP2009011341A (ja) ペースト状材料充填容器
JP2006204628A (ja) ペースト注出器
JP2012521235A (ja) 単一使用のための注射器
JPH04200672A (ja) 液体ディスペンサーのシリンジ用プランジャー
JP6403610B2 (ja) 注出器
JP6334975B2 (ja) 注出器及び注出器へのペースト材の充填方法
JP6403536B2 (ja) 注出器
JPWO2008059909A1 (ja) 液体材料の吐出方法および装置
US8998610B2 (en) Dispensing device for a dental substance
KR101779113B1 (ko) 디스펜서
EP2289457A1 (en) Dental cartridge
JP2010099135A (ja) 薬剤塗布装置及び薬剤塗布装置用カートリッジ
JP5795252B2 (ja) 射出成形装置
US723822A (en) Syringe for dental or other uses.
JP2011126109A (ja) 閉塞部材、パンク修理器具
JP5242469B2 (ja) 粘性材料の注出用ディスペンサー
JP2005041561A (ja) シリンジ用液状樹脂充填装置
JP2019006468A (ja) 液体充填方法および液体充填装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120301

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130621

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5317845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250