JP2011001947A - 始動制御装置 - Google Patents

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伸二 宇佐見
Yasuyuki Yoshida
泰之 吉田
Mitsuhiro Murata
村田  光広
Masami Niimi
正巳 新美
Hideya Noya
英弥 能谷
Kazunari Okumoto
和成 奥本
Akira Kato
章 加藤
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Abstract

【課題】独自の判断に従ってピニオンギヤの移動とスタータモータの駆動とを制御することができ、信号ケーブルによる伝達の影響を抑制し、アクチュエータやモータの状況に合わせて制御できる始動制御装置を提供する。
【解決手段】モータ15,出力軸18,ピニオンギヤ移動体17,電磁ソレノイド11,電磁スイッチ12を備えたスタータ10と、リングギヤ20またはピニオンギヤ移動体17の状態を検出するクランク角センサ60(検出手段)と、エンジンの始動の指令を行うECU50(始動手段)と、クランク角センサ60の信号とECU50の指令とに基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動させるとともに、スタータ10に直接的または間接的に取り付けられ、もしくはスタータ10とECU50との間に介在される集積回路体30とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくともスタータと始動手段とを備えており、特にアイドリングストップ後の始動を制御する始動制御装置に関する。
地球温暖化問題に起因する燃費向上のために、アイドリングストップを行う車両が増えている。アイドリングストップは、例えば走行中に運転者がブレーキペダルのみを操作して車両を停止させようとする場合などで行われる。とりわけ都市部では信号による車両の一時停止が多くなるため、アイドリングストップ後のエンジン(内燃機関)の始動回数が飛躍的に増加する。エンジンの始動に用いられるスタータは、通常はECU(エンジンコントロールユニット;制御装置)等からの指令に従って作動する。
従来では、スタータ側のピニオンギヤとエンジン側のリングギヤとの噛み合わせ騒音を低減することを目的とした技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。この技術では、ECUがエンジン回転数と回転方向とに基づいて噛み合わせ時期になると係合信号をロジックユニットに伝達し、当該ロジックユニットが二つの電流モジュールを作動させることによってピニオンギヤの移動とスタータモータの駆動とを行う。
特開2007−107527号公報(段落0023,図4)
しかし、特許文献1に記載されたロジックユニットは、ECUから伝達される信号(係合,スタート,位置)に基づく論理結合の結果に従って二つの電流モジュールを作動させる受動的役割を担うに過ぎない。あくまでもピニオンギヤの移動とスタータモータの駆動とを制御する主体はECUである。そのため、ロジックユニットは独自の判断に従ってピニオンギヤの移動とスタータモータの駆動とを制御することができない。
また、ECUは、エンジンの近傍に取り付けられるスタータよりも離れた位置に配置されることが多い。ECUとスタータとの間で接続される信号ケーブルが長くなるにつれて、信号伝達に時間を要したり、導体抵抗が経年劣化等の影響を受けてさらに増加する。そのため、ECUが始動用信号を出力しても、スタータが始動用信号を受信して実際に駆動し始めるのに時間が掛かったり、信号内容を伝達できない可能性がある。
さらに、スタータに備えるアクチュエータやモータが経年劣化等の影響を受けて作動が鈍くなると、ECUから伝達される信号に従って作動する場合にはピニオンギヤとリングギヤとの噛み合わせ騒音が発生しやすくなる。ECUから信号を出力するタイミングをずらせばよいが、ECUはスタータへの始動制御以外の様々な制御を行う。例えば、点火、燃料噴射(例えば噴射タイミング,噴射量,アイドル回転数等)、スロットル開度(例えばドライブ・バイ・ワイヤ)、過給器の過給圧、排ガス還元量、動弁(例えばバルブの開閉タイミングやリフト量等)などが該当する。スタータに信号を伝達するタイミングを変化させるには、ECUを交換するか、ECUに組み込まれたプログラムを変更すればよい。前者の交換はコストがかかり、後者のプログラム変更は時間を要する。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、独自の判断に従ってピニオンギヤの移動とスタータモータの駆動とを制御することができ、信号ケーブルによる伝達の影響を抑制し、アクチュエータやモータの状況に合わせて制御できる始動制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、回転力を発生するモータと、前記モータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、前記出力軸上を軸方向に移動可能なピニオンギヤ移動体と、前記ピニオンギヤ移動体のみをエンジンのリングギヤに噛み合わせる電磁ソレノイドと、前記モータのみに通電を行う電磁スイッチと、を備えたスタータと、前記リングギヤまたは前記ピニオンギヤ移動体の状態を検出する検出手段と、前記エンジンの始動(再始動を含む。)の指令を行う始動手段と、前記検出手段の信号と前記始動手段の指令とに基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って前記電磁ソレノイドと前記電磁スイッチとを個別に駆動させるとともに、前記スタータに直接的または間接的に取り付けられ、もしくは前記スタータと前記始動手段との間に介在される集積回路体と、を有することを特徴とする。
「検出手段」はリングギヤまたはピニオンギヤ移動体の状態(平面的位置や空間的位置に限らず、回転位置や回転数等を含む)を検出できれば任意であり、例えば回転位置センサ(レゾルバや光電検出器等)や接点スイッチ等が該当する。「始動手段」はエンジンの始動を指令可能であれば任意であり、例えばECUや他の制御装置等が該当する。「スタータと始動手段との間に介在される」とは、集積回路体がスタータと始動手段との間に接続すれば取り付ける位置や配置等の形態を問わない。「集積回路体」は、集積回路(例えばICやLSI等であり、ワンチップマイコンを含む)自体、集積回路や回路素子(例えば抵抗器,コンデンサ,コイル等)を配置した基板等が該当する。
この構成によれば、集積回路体が検出手段の信号と始動手段の指令とに基づいて独自に判断し、電磁ソレノイドと電磁スイッチとを個別に駆動してピニオンギヤ移動体の移動とスタータモータの駆動とを制御することができる。また、スタータと始動手段との間に集積回路体を配置するので、信号ケーブルによる伝達の影響を抑制することができる。さらに、集積回路体は検出手段の信号に基づいて始動するか否かを判定するので、スタータ(具体的にはアクチュエータやモータ)の状態に合わせて制御することができる。
請求項2に記載の発明は、回転力を発生するモータと、前記モータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、前記出力軸上を軸方向に移動可能なピニオンギヤ移動体と、前記ピニオンギヤ移動体のみをエンジンのリングギヤに噛み合わせる電磁ソレノイドと、前記モータのみに通電を行う電磁スイッチと、を備えたスタータと、前記リングギヤまたは前記ピニオンギヤ移動体の状態を検出する検出手段と、前記検出手段の信号に基づいて前記エンジンの始動の指令を行う始動手段と、前記始動手段の指令に基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って前記電磁ソレノイドと前記電磁スイッチとを個別に駆動させるとともに、前記スタータに直接的または間接的に取り付けられ、もしくは前記スタータと前記始動手段との間に介在される集積回路体と、を有することを特徴とする。
集積回路体は、請求項1に記載の発明では検出手段の信号を直接的に受信するのに対し、この構成では始動手段の指令に含まれる検出手段の信号を間接的に受信する。よって、検出手段の信号を受信する経路が異なるのみであるので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記集積回路体は、前記エンジン回転数が降下しているとき、前記電磁ソレノイドに通電して前記ピニオンギヤ移動体を回転中の前記リングギヤに噛み合わせ、前記電磁スイッチを作動させて前記モータを駆動させることを特徴とする。この構成によれば、集積回路体は、エンジン回転数が降下しているときにピニオンギヤ移動体とリングギヤとを噛み合わせる。その後に始動の指令を受信すると、電磁スイッチを作動させてモータを駆動する。このときピニオンギヤ移動体とリングギヤとは既に噛み合っているので、スムーズにエンジンを始動させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記集積回路体は、全部または一部の素子を交換可能に構成することを特徴とする。この構成によれば、集積回路体は、全部(すなわち集積回路体の全体)が交換可能か、もしくは一部の素子(すなわち基板上のICやROM等)が交換可能である。単に集積回路体を交換するだけで、スタータの状態に合わせた制御を行うことができる。したがって、ECUの交換等に比べてコストを低く抑えられ、プログラムの変更は予め行えるので時間を要しない。
請求項5に記載の発明は、前記検出手段は、前記スタータのハウジングに取り付ける回転位置センサであることを特徴とする。この構成によれば、回転位置センサはスタータのハウジングに取り付けられるので、リングギヤまたはピニオンギヤ移動体の状態を確実に検出することができる。
請求項6に記載の発明は、回転力を発生するモータと、前記モータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、前記出力軸上を軸方向に移動可能なピニオンギヤ移動体と、前記ピニオンギヤ移動体のみをエンジンのリングギヤに噛み合わせる電磁ソレノイドと、前記モータのみに通電を行う電磁スイッチと、を備えたスタータと、前記リングギヤまたは前記ピニオンギヤ移動体の状態を検出する検出手段と、前記検出手段の信号に基づいて前記エンジンの始動の指令を行う始動手段と、前記始動手段の指令に基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って半導体リレーを作動させて前記電磁ソレノイドと前記電磁スイッチとを個別に駆動させるとともに、前記スタータに直接的または間接的に取り付けられるリレー集積回路と、を有することを特徴とする。この構成によれば、リレー集積回路に備わる半導体リレーを作動させるだけでスタータ(具体的には電磁ソレノイドおよび電磁スイッチ)を作動させることができる。半導体リレーを用いると、コイルと接点とを有する機構的なリレー(以下では機構的なリレーを単に「リレー」とも呼ぶ。)に比べて配線が容易になり、大きさが小さくなるのでスタータへの組み付け性が向上する。
請求項7に記載の発明は、前記リレー集積回路は複数の前記半導体リレーを備え、各半導体リレーは前記始動手段に設けられた始動制御部によって出力される駆動信号に従って作動が個別に制御されることを特徴とする。この構成によれば、複数の半導体リレーと始動手段とが一体として作動することになり、エンジンの特性に対応した制御が行え、車両全体制御の自由度が増す。また、始動手段は半導体リレーを備えたスタータの制御を確実に行えるようになるので、始動手段の標準化が容易になる。
請求項8に記載の発明は、前記電磁ソレノイドに通電するタイミングよりも前記電磁スイッチを作動させるタイミングを遅らせる遅延回路を有することを特徴とする。この構成によれば、ピニオンギヤ移動体とリングギヤとが確実に噛み合ってから回転させるので、これらの摩耗や欠損等を防止することができる。
請求項9に記載の発明は、前記始動手段は、前記エンジンに対する制御を行うエンジンECUと、前記スタータに対する制御を行うアイドリングストップECUとで構成され、前記アイドリングストップECUは、前記エンジンECUの指令に基づいて前記スタータの作動を制御することを特徴とする。この構成によれば、エンジンECUはエンジンの種類や型式等に応じた制御を行うことができる。また、アイドリングストップECUはエンジンECUとは別個に備えられるので、スタータの始動(アイドリングストップに伴う始動を含む)に特化させた標準化が容易になる。
始動制御装置の第1構成例を示す模式図である。 第1構成例の電気的な接続例を示す回路図である。 始動制御処理の手続き例を示すフローチャートである。 エンジン回転数の変化例を示すグラフ図である。 集積回路体の具体的な構成例を示す回路図である。 始動制御装置の第2構成例を示す模式図である。 第2構成例の電気的な接続例を示す回路図である。 始動制御処理の手続き例を示すフローチャートである。 集積回路体の具体的な構成例を示す回路図である。 集積回路体の具体的な構成例を示す回路図である。 始動制御装置の第3構成例を示す模式図である。 集積回路体の具体的な構成例を示す回路図である。 始動制御装置の第4構成例を示す模式図である。 リレー集積回路を取り付けたスタータの正面図および側面図である。 始動制御装置の第5構成例の電気的な接続例を示す回路図である。 始動制御装置の第6構成例の電気的な接続例を示す回路図である。 リレー集積回路および絶縁部の構成例を示すブロック図である。 リレー集積回路を取り付けたスタータの正面図である。 集積回路体の具体的な構成例を示す回路図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、単に「接続」という場合には、特に明示しない限り電気的な接続を意味する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は、位置検出手段の信号と始動手段の指令とに基づいてピニオンギヤ移動体の移動とスタータモータの駆動とを制御する例であって、図1〜図5を参照しながら説明する。図1には始動制御装置の第1構成例を模式図で示す。図2には第1構成例の電気的な接続例を回路図で示す。図3には始動制御処理の手続き例をフローチャートで示す。図4にはエンジン回転数の変化例をグラフ図で示す。図5には集積回路体の具体的な構成例を回路図で示す。
図1に示す始動制御装置は、スタータ10,クランク角センサ60,ECU50,集積回路体30などを有する。まず、スタータ10の構成例について簡単に説明する。図中に一部断面図で示すスタータ10は、電磁ソレノイド11,電磁スイッチ12,モータ15,クラッチ16,ピニオンギヤ移動体17,出力軸18,シフトレバー19等を有する。
電磁ソレノイド11は「アクチュエータ」に相当し、通電の有無に従って進退運動をするロッド11aを有する。ロッド11aにはシフトレバー19の端部が結合される。ロッド11aが進退運動をすると、シフトレバー19は揺動運動する。電磁スイッチ12は、端子13aに接続されるバッテリ40と、端子13bに接続ケーブル14を介して接続されるモータ15との接点を開閉する。すなわち接点を閉じればモータ15への通電を行い、接点を開ければモータ15への通電を行わない。電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とは、軸方向に直列的に配置して一体的に構成するが、作動は集積回路体30によって個別に制御される。
モータ15は「スタータモータ」に相当し、通電によって出力軸18(主軸)を回転させる。クラッチ16は、出力軸18の外周にヘリカルスプライン嵌合する。ピニオンギヤ移動体17は、出力軸18上を軸方向(矢印D1方向)に移動可能に構成される。電磁ソレノイド11(具体的にはロッド11a)が励磁されてシフトレバー19が動くと、ピニオンギヤ移動体17が噛合方向(図面左方向)に押し出される。押し出されて移動した位置では、ピニオンギヤ移動体17とエンジンのリングギヤ20とが噛み合う。一方、電磁ソレノイド11が消磁されてシフトレバー19が動くと、ピニオンギヤ移動体17は解除方向(図面右方向)に移動して元の位置に戻り、リングギヤ20との噛み合いを解消する。これらのクラッチ16およびピニオンギヤ移動体17は一体に構成される。
クランク角センサ60は「位置検出手段」に相当し、リングギヤ20との間で回転力を伝達可能に結合(すなわち機構的に接続)されるクランク軸(図示せず)の状態を検出する。クランク軸の状態は、例えばエンジン回転数や、クランク軸自体の回転角(回転位置)などが該当する。クランク軸はエンジンに備えられ、リングギヤ20とは直接的または間接的に結合される。間接的な結合例としては、リングギヤ20とクランク軸との間に動力伝達機構(例えばワンウェイクラッチやトルクコンバータ等)が介在される。
ECU50は「始動手段」に相当し、クランク角センサ60から伝達される検出信号C2に基づいてエンジンの始動の指令を出力する始動制御を行うほかに、エンジンに関する様々な制御を行う。例えば、点火、燃料噴射(例えば噴射タイミング,噴射量,アイドル回転数等)、スロットル開度(例えばドライブ・バイ・ワイヤ)、過給器の過給圧、排ガス還元量、動弁(例えばバルブの開閉タイミングやリフト量等)などの制御が該当する。
集積回路体30は、スタータ10とECU50との間に介在させれば任意の位置に取り付けてよい。図1に示す例ではスタータ10(具体的にはエンドハウジング)に直接的に取り付けている。構成は、集積回路(例えばICやLSI等であり、ワンチップマイコンを含む)自体としてもよく、集積回路や回路素子(例えば抵抗器,コンデンサ,コイル等)を配置した基板等としてもよい。機能は、クランク角センサ60の検出信号C2とECU50の始動指令信号C1とに基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って上述した電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動する役割を担う。なお、集積回路体30は、全部または一部の素子(例えばCPUや、基板上のIC、ROM等のようなプログラムを記録した記録媒体など)を交換可能に構成するのが望ましい。
上述した始動制御装置にかかる回路例について、図2を参照しながら説明する。バッテリ40と電磁ソレノイド11との間にはリレー21が接続される。この接続と並列して、バッテリ40とモータ15との間には電磁スイッチ12が接続される。また、集積回路体30の出力端を、リレー21のコイルと、電磁スイッチ12のコイルとに接続する。集積回路体30は、リレー21のコイルに通電して電磁ソレノイド11を駆動させる制御と、電磁スイッチ12のコイルに通電して駆動させる制御とを個別に行う。
図2の例では集積回路体30からリレー21に通電して接点が閉じ、バッテリ40の電力が電磁ソレノイド11に供給されてロッド11aが引っ込み、シフトレバー19によってピニオンギヤ移動体17がリングギヤ20と噛み合う位置まで移動している。また、電磁スイッチ12には通電していないので、モータ15は回転しない。一方、集積回路体30からリレー21に通電しない場合は二点鎖線で示すように接点が開くので、バッテリ40の電力が電磁ソレノイド11に供給されず、図1に示すようにピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とが噛み合っていない状態となる。また、電磁スイッチ12に通電すると、バッテリ40の電力がモータ15に供給されて回転する。
上記第1構成例の始動制御装置において、集積回路体30で行う制御例について図3および図4を参照しながら説明する。図3に示す始動制御処理は、集積回路体30で行われる処理の一つである。まず、クランク角センサ60から伝達される検出信号C2を受信し(ステップS10でYES)、かつ当該検出信号C2に基づくエンジン回転数が所定範囲内であれば(ステップS11でYES)、リレー21に通電して電磁ソレノイド11を駆動し〔ステップS12〕、ステップS13に進む。
エンジン回転数の所定範囲は任意に設定可能であるが、一例として図4に示す回転数R1(例えば100[RPM])から回転数R2(例えば400[RPM])の範囲が該当する。図4の例では、車両が走行中の回転数R3(例えば2000[RPM])で時刻t1にブレーキ操作が行われて回転数が低下し始め、時刻t3には回転数R2に達し、時刻t4には回転数R1に達する。その後もブレーキ操作が続くと、正回転と逆回転が交互に現れ、時刻t5に回転数がゼロとなって停止する。
例えば、回転数R2に達する時刻t2にステップS11が実行されると、次のようになる。すなわち、電磁ソレノイド11が駆動(励磁)されてロッド11aが動き、シフトレバー19を介してピニオンギヤ移動体17が噛合方向(図面左方向)に押し出される。この押し出しによって、図4に示すようにピニオンギヤ移動体17がリングギヤ20と噛み合う。なお、回転数が下降し始めてから回転数R2に達する前、例えば時刻t2にアクセル操作が行われると、二点鎖線で図示するようにエンジン回転数が増加する。この場合はエンジン回転数が下降していないので、上述したステップS11は実行されない。
図3に戻って、クランク角センサ60から検出信号C2を受信しない場合や(ステップS10でNO)、当該検出信号C2を受信してもエンジン回転数が所定範囲外であれば(ステップS11でNO)、何も行わずにステップS13に進む。
次に、車両のイグニッションスイッチ70(図5を参照)が操作される等によって、ECU50から伝達される始動指令信号C1を受信すると(ステップS13でYES)、電磁スイッチ12に通電してモータ15を駆動し〔ステップS14〕、始動制御処理をリターンする。モータ15の駆動に伴って出力軸18に結合されたピニオンギヤ移動体17が回転し、ピニオンギヤ移動体17と噛み合うリングギヤ20も回転する。さらにリングギヤ20の回転はクランク軸に伝達され、最終的にエンジンを始動する。一方、ECU50から始動指令信号C1を受信しないときは(ステップS13でNO)、何も行わずに始動制御処理をリターンする。
ここで、上述した集積回路体30をハードウェアで構成する例を図5に示す。図5では、図示を簡単にするために接地(アース)への接続を省略する(後述する図9,図10,図12,図19でも同様である)。図5に示す集積回路体30は、半導体リレー31、半導体遅延回路32などを有する。半導体リレー31は半導体で形成されたリレーであって、制御側と継電側とに接続端子を有する。制御側は、図面右側に示す一端子であり、機構的なリレーのコイル側に相当する。継電側は、図面左側に示す二端子であり、機構的なリレーの接点側に相当する。半導体リレーは、コイルが無いので誘導起電力が発生せず、接点も無いのでノイズ対策が不要になり、高速に応答できる等の利点がある。この半導体リレー31の制御側に信号(または電圧)が入力されると継電側が導通状態になり、入力されなければ継電側は非導通状態になる。半導体遅延回路32は半導体で形成された「遅延回路」に相当し、入力した時間から遅延期間(例えば数十〜数百ミリ秒間)遅らせて出力する機能を有する。なお、遅延期間の長さを後に変更できる構成とするのが望ましい。
集積回路体30の入力端子Pi1は、出力端子Po1と、半導体遅延回路32とに接続される。半導体遅延回路32の出力側は、半導体リレー31の制御側と、出力端子Po3とに接続される。半導体リレー31の継電側は、入力端子Pi1と、出力端子Po2とに接続される。
上述のように構成された集積回路体30は、入力端子Pi1にリレー21の接点側を接続する。出力端子Po1には電磁ソレノイド11を接続する。出力端子Po2には電磁スイッチ12の接点側を接続する。出力端子Po3には電磁スイッチ12のコイル側を接続する。この電磁スイッチ12のコイル側には、出力端子Po3に代えて(あるいは加えて)、二点鎖線で図示するようにECU50に接続してもよい。リレー21のコイル側には、ECU50,クランク角センサ60およびイグニッションスイッチ70を接続する。すなわち、ECU50から出力される始動指令信号C1、クランク角センサ60から出力される検出信号C2、イグニッションスイッチ70から出力される始動指令信号STのいずれかによってリレー21が作動し、バッテリ40の電力が入力端子Pi1に入力される。
入力端子Pi1に入力されたバッテリ40の電力は、そのまま出力端子Po1に出力されるので電磁ソレノイド11が駆動(励磁)し、上述したようにピニオンギヤ移動体17がリングギヤ20と噛み合う。
一方、入力端子Pi1に入力されたバッテリ40の電力は、別個に半導体遅延回路32を経て、半導体リレー31の制御側に入力される。この入力に伴って半導体リレー31の継電側が導通状態になり、入力端子Pi1に入力されたバッテリ40の電力が出力端子Po2に出力されるので、モータ15が駆動してピニオンギヤ移動体17およびリングギヤ20が回転する。なお、半導体遅延回路32によってモータ15の駆動が噛み合わせよりも遅延するので、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合った後に回転し始める。したがって、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合っていない状態で回転させる場合に生じる摩耗や欠損等を確実に防止できる。
上述した実施の形態1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1に対応し、スタータ10と、リングギヤ20の状態を検出するクランク角センサ60(検出手段)と、エンジンの始動の指令を行うECU50(始動手段)と、クランク角センサ60の検出信号C2とECU50の始動指令信号C1とに基づいて始動するか否かを判定し(図3のステップS10,S11,S13を参照)、当該判定結果に従って電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動させる集積回路体30とを備える構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、集積回路体30がクランク角センサ60の検出信号C2とECU50の始動指令信号C1とに基づいて独自に判断し、電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動し、ピニオンギヤ移動体17の移動とモータ15(スタータモータ)の駆動とを制御することができる。また、スタータ10とECU50との間に集積回路体30を配置するので、信号ケーブルによる伝達の影響を抑制することができる。
請求項3に対応し、集積回路体30は、エンジン回転数が降下しているとき、電磁ソレノイド11に通電してピニオンギヤ移動体17を回転中のリングギヤ20に噛み合わせ、始動指令信号C1に基づいて電磁スイッチ12を作動させてモータ15を駆動させる構成とした(図3,図4を参照)。この構成によれば、エンジン回転数が降下しているときにピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とを噛み合わせる。エンジン停止(アイドリングストップを含む。)後に始動指令信号C1を受信すると、電磁スイッチ12を作動させてモータ15を駆動する。このときピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とは既に噛み合っているので、スムーズにエンジンを始動させることができる。
請求項4に対応し、集積回路体30は、全部または一部の素子を交換可能に構成とした。この構成によれば、単に集積回路体30の全部または一部の素子を交換するだけで、スタータ10の状態に合わせた制御を行うことができる。したがって、ECU50の交換等に比べてコストを低く抑えられ、プログラムの変更は予め行えるので時間を要しない。
請求項6に対応し、電磁ソレノイド11に通電するタイミングよりも電磁スイッチ12を作動させるタイミングを遅らせる半導体遅延回路32を備える構成とした(図5を参照)。この構成によれば、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とが確実に噛み合ってから回転させるので、これらの摩耗や欠損等を防止することができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、始動手段の指令に基づいてピニオンギヤ移動体の移動とスタータモータの駆動とを制御する例であって、図6〜図10を参照しながら説明する。図6には始動制御装置の第2構成例を模式図で示す。図7には第2構成例の電気的な接続例を回路図で示す。図8には図3に代わる始動制御処理の手続き例をフローチャートで示す。図9,図10には集積回路体の具体的な構成例を回路図で示す。なお、始動制御装置の構成等は実施の形態1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示す第2構成例は第1構成例に代わる構成であり、次の二点で相違する。第1点は、集積回路体30がECU50を通じてクランク角センサ60の検出信号C2を間接的に受信する。言い換えれば、ECU50から伝達される始動指令信号C1には、図示するCAN,LIN(Ne信号)や、検出信号C2の内容を含む。第2点は、集積回路体30をスタータ10に間接的に取り付ける。例えばエンドハウジング近傍の空間が狭くて直接的に取り付けることができない場合等があり、エンドハウジングに固定した取付プレートAx(取付部材)に集積回路体30を取り付ける。
図7に示す回路例についても図6と同様である。すなわち、集積回路体30は検出信号C2の内容を含む始動指令信号C1をECU50から受信し、リレー21のコイルに通電して電磁ソレノイド11を駆動させる制御と、電磁スイッチ12のコイルに通電して駆動させる制御とを個別に行う。
上記第2構成例の始動制御装置において、集積回路体30で行う制御例について図8を参照しながら説明する。図8に示す始動制御処理は図3に代わる手続き例である。ECU50はクランク角センサ60や他のセンサから伝達される信号を受信し、所要の処理を行って始動指令信号C1を出力する。この始動指令信号C1には、クランク角センサ60から伝達される検出信号C2の内容を含む。
そこで、ECU50から伝達される始動指令信号C1を受信すると(ステップS20でYES)、当該始動指令信号C1の内容に噛合指令(すなわちピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とを噛み合わせる指令)を含むならば(ステップS21でYES)、実施の形態1におけるステップS11,S12の処理を行う。具体的には、エンジン回転数が所定範囲内のとき、リレー21に通電して電磁ソレノイド11を駆動する。一方、始動指令信号C1を受信しなければ(ステップS20でNO)、始動制御処理をリターンする。また、始動指令信号C1の内容に噛合指令を含まなければ(ステップS21でNO)、何も行わずにステップS22に進む。
次に、ステップS20で受信した始動指令信号C1の内容に始動指令(すなわちエンジンの始動を行う指令)を含むならば(ステップS22でYES)、実施の形態1におけるステップS14の処理を行い、始動制御処理をリターンする。具体的には、モータ15の回転力をピニオンギヤ移動体17,リングギヤ20,クランク軸等を通じてエンジンに伝達して始動する。一方、始動指令信号C1の内容に始動指令を含まなければ(ステップS22でNO)、始動制御処理をリターンする。したがって、図8の始動制御処理は、実質的に図3の始動制御処理と同様の作動制御を行う。
ここで、上述した集積回路体30をハードウェアで構成する例を図9,図10に示す。図9に示す集積回路体30は、半導体リレー31,33、半導体遅延回路32などを有する。図10に示す集積回路体30は、図9に示す集積回路体30に比べて、さらに制御IC(あるいは制御回路)34を有する。制御IC34は、入力端子Pi2,Pi3に入力された信号に基づいて、半導体リレー33と、半導体遅延回路32を介して接続される半導体リレー31との駆動を制御する。半導体リレー33は半導体リレー31と同様の機能を有し、図5に集積回路体30外に備えたリレー21に代わるものである。
図9において、半導体リレー33について、制御側は入力端子Pi2に接続され、継電側は入力端子Pi1と出力端子Po1とにそれぞれ接続される。半導体リレー31について、制御側は半導体遅延回路32の出力側に接続され、継電側は入力端子Pi1と出力端子Po2とにそれぞれ接続される。半導体遅延回路32のもう一つの出力側は出力端子Po3に接続され、入力側は入力端子Pi3に接続される。このように構成された集積回路体30は、入力端子Pi1にバッテリ40を接続する。入力端子Pi2には、ECU50とイグニッションスイッチ70との接続点を接続する。一方、出力端子Po1に電磁ソレノイド11を接続し、出力端子Po2に電磁スイッチ12の接点側を接続し、出力端子Po3に電磁スイッチ12のコイル側を接続する。この電磁スイッチ12のコイル側には、出力端子Po3に代えて(あるいは加えて)、二点鎖線で図示するようにECU50に接続してもよい。
図10の接続は図9の接続と比べて、次の点で異なる。第1点は、半導体リレー33の制御側と、半導体遅延回路32の入力側とは、いずれも制御IC34の出力端子に接続される。第2点は、制御IC34の入力端子は、入力端子Pi2と入力端子Pi3とにそれぞれ接続される。このように構成された集積回路体30は、入力端子Pi1にバッテリ40を接続する。入力端子Pi2にはECU50を接続し、入力端子Pi3にはイグニッションスイッチ70を接続する。一方、出力端子Po1に電磁ソレノイド11を接続し、出力端子Po2に電磁スイッチ12の接点側を接続し、出力端子Po3に電磁スイッチ12のコイル側を接続する。この電磁スイッチ12のコイル側には、出力端子Po3に代えて(あるいは加えて)、二点鎖線で図示するようにECU50に接続してもよい。
上述した構成において、まずECU50から出力される始動指令信号C1によって半導体リレー33の継電側が導通状態になり、電磁ソレノイド11が駆動(励磁)する。よって、ピニオンギヤ移動体17がリングギヤ20と噛み合う。
その後、ECU50から始動指令信号C1が出力されるか、あるいはイグニッションスイッチ70から始動指令信号STが出力されると、いずれかの信号は半導体遅延回路32を経て、半導体リレー31の制御側に入力される。この入力に伴って半導体リレー31の継電側が導通状態になり、入力端子Pi1に入力されたバッテリ40の電力が出力端子Po2に出力されるので、モータ15が駆動してピニオンギヤ移動体17およびリングギヤ20が回転する。なお、半導体遅延回路32によってモータ15の駆動が噛み合わせよりも遅延するので、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合った後に回転し始める。したがって、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合っていない状態で回転させる場合に生じる摩耗や欠損等を確実に防止できる。
上述した実施の形態2によれば、請求項2に対応し、スタータ10と、リングギヤ20の状態を検出するクランク角センサ60(検出手段)と、エンジンの始動の指令を行うECU50(始動手段)と、ECU50の始動指令信号C1に基づいて始動するか否かを判定し(図8の始動制御処理を参照)、当該判定結果に従って電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動させる集積回路体30とを備える構成とした(図6,図7を参照)。この構成によれば、集積回路体30がECU50の始動指令信号C1に基づいて独自に判断し、電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動し、ピニオンギヤ移動体17の移動とモータ15の駆動とを制御することができる。また、スタータ10とECU50との間に集積回路体30を配置するので、信号ケーブルによる伝達の影響を抑制することができる。なお、他の構成については実施の形態1と同様であるので、請求項3および請求項4に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、位置検出手段の信号と始動手段の指令とに基づいてピニオンギヤ移動体の移動とスタータモータの駆動とを制御する例であって、図11,図12を参照しながら説明する。図11には始動制御装置の第3構成例を模式図で示す。図12には集積回路体の具体的な構成例を回路図で示す。なお、実施の形態3では実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付す。
図11に示す第3構成例は第1構成例に代わる構成であり、クランク角センサ60の代わりに回転位置センサ22を用いる。回転位置センサ22はスタータ10のハウジングに直接的に取り付けられ、例えばレゾルバや光電検出器等を用いる。この回転位置センサ22は、リングギヤ20またはピニオンギヤ移動体17の状態を直接的に検出する。すなわち、リングギヤ20およびピニオンギヤ移動体17の一方または双方について、位置(平面的位置や空間的位置を問わない)、回転位置、回転数等を検出する。
回路例については、図2に示すクランク角センサ60の代わりに回転位置センサ22を適用すればよい。手続き例については、図3に示すステップS10でクランク角センサ60から伝達される検出信号C2の代わりに、回転位置センサ22から伝達される検出信号C3を適用すればよい。よって、クランク角センサ60の代わりに回転位置センサ22を用いる点を除けば、実施の形態1と同様の構成になる。
上述した実施の形態3によれば、請求項1に対応し、スタータ10またはリングギヤ20やピニオンギヤ移動体17の状態を検出する回転位置センサ22(検出手段)と、エンジンの始動の指令を行うECU50(始動手段)と、回転位置センサ22の検出信号C3とECU50の始動指令信号C1とに基づいて始動するか否かを判定し(図3のステップS10,S11,S13を参照)、当該判定結果に従って電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動させる集積回路体30とを備える構成とした(図11,図2を参照)。この構成によれば、集積回路体30が回転位置センサ22の検出信号C3とECU50の始動指令信号C1とに基づいて独自に判断し、電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動し、ピニオンギヤ移動体17の移動とモータ15(スタータモータ)の駆動とを制御することができる。また、スタータ10とECU50との間に集積回路体30を配置するので、信号ケーブルによる伝達の影響を抑制することができる。さらに、集積回路体30はリングギヤ20またはピニオンギヤ移動体17の状態を直接的に検出する回転位置センサ22の検出信号C3に基づいて始動するか否かを判定するので、スタータ10(具体的には電磁ソレノイド11やモータ15等)の状態に合わせて制御することができる。
なお、他の構成については実施の形態1と同様であるので、請求項3および請求項4に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。また、図11に二点鎖線で示すように回転位置センサ22から出力する検出信号C3をECU50が受信し、当該検出信号C3の内容を含む始動指令信号C1を集積回路体30に伝達する構成としてもよい。この構成では、クランク角センサ60の代わりに回転位置センサ22を用いる点を除いて実施の形態2と同様の構成になるので、当該実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、上述した集積回路体30をハードウェアで構成する例を図12に示す。図12に示す集積回路体30は、半導体リレー31,33などを有する。半導体リレー31,33の機能は図9,図10と同様である。ただし、遅延回路80は集積回路体30の外部に備える。言い換えれば、図5に示す半導体遅延回路32と同等の機能を有する遅延回路80を、集積回路体30の外部に備える構成である。遅延回路80は、半導体遅延回路32と同様に半導体で構成してもよく、回路素子(例えば抵抗器,コイル,コンデンサ等)を用いて構成してもよい。
図12において、半導体リレー33の制御側は入力端子Pi2に接続され、継電側は入力端子Pi1と出力端子Po1とにそれぞれ接続される。また半導体リレー31の制御側は入力端子Pi3に接続され、継電側は入力端子Pi1と出力端子Po2とにそれぞれ接続される。
上述のように構成された集積回路体30は、入力端子Pi1にバッテリ40を接続する。入力端子Pi2には、イグニッションスイッチ70、ECU50および回転位置センサ22の接続点を接続する。入力端子Pi3には遅延回路80の出力側を接続する。遅延回路80の入力側には、ECU50とイグニッションスイッチ70とを接続する。一方、出力端子Po1に電磁ソレノイド11を接続し、出力端子Po2に電磁スイッチ12の接点側を接続し、出力端子Po3に電磁スイッチ12のコイル側を接続する。この電磁スイッチ12のコイル側には、出力端子Po3に代えて(あるいは加えて)、二点鎖線で図示するようにECU50に接続してもよい。
まず、ECU50から始動指令信号C1が出力されるか、あるいは回転位置センサ22から検出信号C3が出力されると、半導体リレー33の継電側が導通状態になり、電磁ソレノイド11が駆動(励磁)する。よって、ピニオンギヤ移動体17がリングギヤ20と噛み合う。
その後、ECU50から始動指令信号C1が出力されるか、あるいはイグニッションスイッチ70から始動指令信号STが出力されると、各信号は遅延回路80を経て、半導体リレー31の制御側に入力される。この入力に伴って半導体リレー31の継電側が導通状態になり、入力端子Pi1に入力されたバッテリ40の電力が出力端子Po2に出力されるので、モータ15が駆動してピニオンギヤ移動体17およびリングギヤ20が回転する。なお、遅延回路80によってモータ15の駆動が噛み合わせよりも遅延するので、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合った後に回転し始める。したがって、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合っていない状態で回転させる場合に生じる摩耗や欠損等を確実に防止できる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は、位置検出手段の信号と始動手段の指令とに基づいてピニオンギヤ移動体の移動とスタータモータの駆動とを制御する例であって、図13を参照しながら説明する。図13には始動制御装置の第4構成例を模式図で示す。なお、実施の形態4では実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付す。
図13に示す第4構成例は第1構成例に代わる構成であり、集積回路体30をスタータ10とECU50との間で介在させる適切な部位に直接的または間接的に取り付ける。適切な部位は、例えば車体ボディや、ボンネット、スタータ10の近傍に配置される部品(具体的にはバッテリ,ラジエータ,エアクリーナ等)などが該当する。電磁ソレノイド11および電磁スイッチ12までの配線経路を短くして的確に作動させるため、できるだけスタータ10に近い位置に取り付けるのが望ましい。図2の回路例と図3の手続き例(始動制御処理)とをそのまま適用できるので、実質的には実施の形態1と同等の構成になる。したがって、実施の形態1と同等の作用効果を得ることができる。
また、図13に二点鎖線で示すようにクランク角センサ60がECU50にのみ検出信号C2を伝達し、集積回路体30がECU50から伝達される始動指令信号C1のみを受信するように構成してもよい。この構成では、図7の回路例と図8の手続き例(始動制御処理)とをそのまま適用できるので、実質的に実施の形態2と同等の構成になる。したがって、実施の形態2と同等の作用効果を得ることができる。
〔実施の形態5〕
実施の形態5は、複数の半導体リレーを備えるリレー集積回路を用いて構成する例であって、図14〜図18を参照しながら説明する。図14にはリレー集積回路を取り付けたスタータの外観を示し、図14(A)には正面図を示し、図14(B)には図14(A)の右側から見た側面図を示す。図15には、始動制御装置の第5構成例の電気的な接続例を回路図で示す。図16には、始動制御装置の第6構成例の電気的な接続例を回路図で示す。図17には、リレー集積回路および絶縁部の構成例をブロック図で示す。図18には、リレー集積回路を取り付けたスタータの外観を正面図で示す。なお、実施の形態5では実施の形態2と異なる点について説明し、実施の形態1〜4で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付す。
図14(A)および図14(B)に示すスタータ10は、実施の形態2に示す集積回路体30(図7を参照)に代えて、リレー集積回路90,絶縁部91などを有する。リレー集積回路90は、少なくとも複数の半導体リレーを備えた集積回路で構成される。半導体リレーの数は任意であるが、少なくとも電磁ソレノイド11や電磁スイッチ12等を作動させるのに必要な数を備えるのが望ましい。絶縁部91は、信号を伝達可能であればよいので、安価な素子や回路等からなる絶縁素子を適用できる。絶縁素子の例としては、フォトカプラ、磁気結合(例えばコイルやトランス等)、アイソレーションアンプ、抵抗器、容量性素子(例えばコンデンサ等)などが該当する。なお、本形態では複数のフォトカプラを絶縁部91に適用した例を説明する(図17を参照)。
リレー集積回路90は、電磁筐体(すなわち電磁ソレノイド11および電磁スイッチ12が収容された筐体)のエンドハウジング側に直接的に取り付けられている。取り付け方法は任意であるが、エンジンが発する熱の影響を受けない部位(例えば凹部内)に取り付けるのが望ましい。絶縁部91は、取付部材Ayを介して、モータ15のエンドハウジング側に間接的に取り付けられている。取付部材Ayは、図1等に示す取付プレートAxであってもよく、部品等を収容可能な筐体であってもよい。なお、図14等に示す取り付け位置は一例に過ぎず、スタータ10に取り付け可能な位置であれば任意である。
リレー集積回路90および絶縁部91は、上述した集積回路体30と同様に、スタータ10とECUとの間に介在させる。ECUは、図15に示すようにECU50であってもよく、図16に示すようにアイドリングストップECU50aであってもよい。アイドリングストップECU50aは、ECU50が有する機能のうちアイドリングストップに関連する機能を独立させたECUである。
リレー集積回路90に備える複数の半導体リレーは、ECUが出力する駆動信号に従って個別に作動する。例えば図15に示すECU50は、図3または図8に示す始動制御処理の機能を実現する始動制御部51が駆動信号を出力する(図3,図8のステップS12,S14を参照)。同様に図16に示すアイドリングストップECU50aは、エンジンECU50bから伝達される始動指令信号C1に基づいて、図3または図8に示す始動制御処理の機能を実現して駆動信号を出力する。駆動信号は半導体リレーを個別に駆動できれば任意であり、図15に示すように始動指令信号C1であってもよく、始動指令信号C1を含む信号であってもよく、始動指令信号C1とは別個の信号であってもよい。
上述したリレー集積回路90および絶縁部91の構成例を図17に示す。当該図17に示す構成例は、ECU側に絶縁部91を接続し、スタータ10側にリレー集積回路90を接続する。絶縁部91は、ECUとの接続に用いる接続線の線数に応じた数(図17では4つ)のフォトカプラ92を備え、ECUから出力された信号をリレー集積回路90に伝達する。リレー集積回路90は、複数の半導体リレー31,33や半導体リレー33等で構成された集積回路であり、スタータ10に備える電磁ソレノイド11や電磁スイッチ12等を駆動する。集積回路は任意に構成してよく、例えば図5,図9,図10,図12に示す集積回路体30の構成例であってもよい。
上述した実施の形態5によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項6に対応し、スタータ10と、クランク角センサ60と、ECU50と、ECU50の指令とに基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って半導体リレー31,33を作動させて電磁ソレノイド11と電磁スイッチ12とを個別に駆動させるとともに、スタータ10に直接的に取り付けられるリレー集積回路90とを備える構成とした(図14,図15,図17を参照)。この構成によれば、半導体リレー31,33を作動させるだけでスタータ10(具体的には電磁ソレノイド11および電磁スイッチ12)を作動させることができる。半導体リレーを用いると、機構的なリレーに比べて配線が容易になり、大きさが小さくなるのでスタータ10への組み付け性が向上する。
請求項7に対応し、リレー集積回路90に備わる各半導体リレー31,33はECU50に設けられた始動制御部51によって出力される駆動信号に従って作動が個別に制御される構成とした(図16を参照)。この構成によれば、複数の半導体リレー31,33とECU50とが一体として作動することになり、エンジンの特性に対応した制御が行え、車両全体制御の自由度が増す。また、ECU50は半導体リレーを備えたスタータ10の制御を確実に行えるようになるので、ECUの標準化が容易になる。
請求項8に対応し、リレー集積回路90は、電磁ソレノイド11に通電するタイミングよりも電磁スイッチ12を作動させるタイミングを遅らせる半導体遅延回路32を備える構成とした(図17を参照)。この構成によれば、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とが確実に噛み合ってから回転させるので、これらの摩耗や欠損等を防止することができる。
請求項9に対応し、始動手段は、エンジンに対する制御を行うエンジンECU50bと、スタータ10に対する制御を行うアイドリングストップECU50aとで構成した(図16を参照)。また、アイドリングストップECU50aは、エンジンECU50bから出力(伝達)される始動指令信号C1に基づいてスタータ10の作動を制御する構成とした。この構成によれば、エンジンECU50bはエンジンの種類や型式等に応じた制御を行うことができる。また、アイドリングストップECU50aはエンジンECU50bとは別個に備えられるので、スタータ10の始動(アイドリングストップに伴う始動を含む)に特化させた標準化が容易になる。なお、ECU50をアイドリングストップECU50aとエンジンECU50bとで構成する形態は、上述した実施の形態1〜4にも同様に適用することができる。
上述した実施の形態5では、リレー集積回路90を直接的にスタータ10に取り付ける構成とした(図14を参照)。この形態に代えて、図18に例示するように、リレー集積回路90を間接的にスタータ10に取り付ける構成としてもよい。図18では、絶縁部91を備える取付部材Ayにリレー集積回路90を取り付けている。取り付け方法の相違に過ぎないので、上述した実施の形態5と同様の作用効果を得ることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜5に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
実施の形態1,3では集積回路体30をスタータ10(具体的にはハウジングやフレーム等)に直接的に取り付ける構成とした(図1,図11を参照)。実施の形態2では集積回路体30をスタータ10に間接的に取り付ける構成とした(図6を参照)。実施の形態4では集積回路体30をスタータ10とECU50との間に直接的または間接的に取り付ける構成とした(図13を参照)。実施の形態5ではリレー集積回路90をスタータ10とECU(ECU50またはアイドリングストップECU50a)との間に直接的または間接的に取り付ける構成とした(図15,図16を参照)。いずれの実施の形態によせ、他の実施の形態で用いた取り付け態様で集積回路体30またはリレー集積回路90を取り付けてよい。例えば、実施の形態1,3では実施の形態2や実施の形態4の取り付け態様で集積回路体30を取り付けてよく、実施の形態2では実施の形態1,3や実施の形態4の取り付け態様で集積回路体30を取り付けてよい。このように集積回路体30をどの位置に取り付けるかは任意であり、どの位置に取り付けるにせよ、実施の形態1〜5と同様の作用効果を得ることができる。
検出手段として、実施の形態1,2,4,5ではクランク角センサ60を適用し(図1,図7,図13,図15等を参照)、実施の形態3では回転位置センサ22を適用した(図11を参照)。これらのセンサに代えて、リングギヤ20またはピニオンギヤ移動体17の状態を検出可能な他のセンサ(例えば光センサ,磁気センサ,リミットスイッチ等のような接点スイッチなど)を適用してもよい。他のセンサを用いた場合でも、リングギヤ20またはピニオンギヤ移動体17の状態を的確に検出できるので、実施の形態1〜5と同様の作用効果が得られる。
実施の形態1〜5では、エンジンの始動の指令を行う始動手段としてECU50(あるいはアイドリングストップECU50aおよびエンジンECU50b)を適用した(図1,図6,図11,図13を参照)。この形態に代えて、エンジンの始動の指令を行える他の制御装置を適用してもよい。指令を行う対象が異なるだけであるので、実施の形態1〜5と同様の作用効果が得られる。
実施の形態1〜5では、始動時にはピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とを噛み合わせてモータ15の回転力をエンジンのクランク軸(図示せず)に伝達し、始動時以外ではピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とを噛み合わせないように構成した。この形態に代えて、始動時であるか否かにかかわらず、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とを常時噛み合わせる構成としてもよい。ただし、ピニオンギヤ移動体17およびリングギヤ20のいずれか一方にワンウェイクラッチを備えるか、クラッチ16をワンウェイクラッチタイプにする必要がある。この構成では、ピニオンギヤ移動体17の移動を行う必要がなくなる。よって、実施の形態1〜5と同様の作用効果が得られるだけでなく、電磁ソレノイド11,シフトレバー19,リレー21が不要になる分だけコストを低く抑えることができる。
実施の形態1では図5に示す構成例を適用し、実施の形態2では図9,図10に示す構成例を適用し、実施の形態3では図12に示す構成例を適用した。これらの形態に代えて、図5,図9,図10,図12に示す構成例は、適用していない実施の形態に適用してもよい。例えば、図5に示す構成例を実施の形態2,3に適用したり、図9,図10に示す構成例を実施の形態1,3に適用したり、図12に示す構成例を実施の形態1,2に適用する。いずれを適用するにせよ、半導体遅延回路または遅延回路によって、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合った後に、モータ15が駆動されて回転し始める。したがって、各実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
実施の形態5では、エンジンECU50bから伝達される始動指令信号C1に基づいて、アイドリングストップECU50aが絶縁部91を介して駆動信号をリレー集積回路90に出力する構成とした(図16を参照)。この形態に代えて、エンジンECU50bから信号を受けることなく独立にアイドリングストップECU50aが作動するように構成してもよい。すなわち図16に二点鎖線で図示するように、クランク角センサ60から伝達される検出信号C2に基づいてアイドリングストップECU50aが駆動信号をリレー集積回路90に出力するように構成する。この構成によれば、アイドリングストップECU50aは、スタータ10の始動(アイドリングストップに伴う始動を含む)に特化させた標準化が容易になる。
実施の形態1〜4ではいずれも集積回路体30を備える構成とし(図1〜図13を参照)、実施の形態5ではリレー集積回路90を備える構成とした(図14〜図18を参照)。この形態に代えて、集積回路体30を備えずに構成してもよく、その構成例を図19に示す。図19に示す構成例は、図5,図9,図10,図12,図15,図16に示す各構成例に代わる。図19に示す構成例では、リレー21,23、遅延回路80などを有する。リレー21について、接点側は電磁ソレノイド11とバッテリ40とに接続し、コイル側はECU50とクランク角センサ60との接続点に接続する。リレー23について、接点側は電磁スイッチ12とバッテリ40とに接続し、コイル側は遅延回路80の出力側に接続する。遅延回路80の入力側には、ECU50とイグニッションスイッチ70とを接続する。
図19に示す構成によれば、ECU50から始動指令信号C1が出力されるか、あるいはクランク角センサ60から検出信号C2が出力されると、リレー21が駆動(励磁)する。このリレー21が駆動(励磁)すると、バッテリ40の電力が電磁ソレノイド11に供給され、電磁ソレノイド11もまた駆動(励磁)する。よって、ピニオンギヤ移動体17がリングギヤ20と噛み合う。
その後、ECU50から始動指令信号C1が出力されるか、あるいはイグニッションスイッチ70から始動指令信号STが出力されると、各信号は遅延回路80を経て、リレー23を駆動(励磁)する。さらにECU50から始動指令信号C1に従って電磁スイッチ12が駆動(励磁)されると、バッテリ40の電力がモータ15に供給され、ピニオンギヤ移動体17およびリングギヤ20が回転する。なお、遅延回路80によってモータ15の駆動が噛み合わせよりも遅延するので、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合った後に回転し始める。したがって、ピニオンギヤ移動体17とリングギヤ20とがしっかり噛み合っていない状態で回転させる場合に生じる摩耗や欠損等を確実に防止できる。
10 スタータ
11 電磁ソレノイド(アクチュエータ)
12 電磁スイッチ
15 モータ
17 ピニオンギヤ移動体
18 出力軸
19 シフトレバー
20 リングギヤ
22 回転位置センサ(検出手段)
30 集積回路体
31,33 半導体リレー
32 半導体遅延回路
34 制御IC(制御回路)
40 バッテリ(電源)
50 ECU(始動手段)
60 クランク角センサ(検出手段)
70 イグニッションスイッチ
80 遅延回路
90 リレー集積回路
91 絶縁部
92 フォトカプラ(絶縁素子)

Claims (9)

  1. 回転力を発生するモータと、前記モータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、前記出力軸上を軸方向に移動可能なピニオンギヤ移動体と、前記ピニオンギヤ移動体のみをエンジンのリングギヤに噛み合わせる電磁ソレノイドと、前記モータのみに通電を行う電磁スイッチと、を備えたスタータと、
    前記リングギヤまたは前記ピニオンギヤ移動体の状態を検出する検出手段と、
    前記エンジンの始動の指令を行う始動手段と、
    前記検出手段の信号と前記始動手段の指令とに基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って前記電磁ソレノイドと前記電磁スイッチとを個別に駆動させるとともに、前記スタータに直接的または間接的に取り付けられ、もしくは前記スタータと前記始動手段との間に介在される集積回路体と、
    を有することを特徴とする始動制御装置。
  2. 回転力を発生するモータと、前記モータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、前記出力軸上を軸方向に移動可能なピニオンギヤ移動体と、前記ピニオンギヤ移動体のみをエンジンのリングギヤに噛み合わせる電磁ソレノイドと、前記モータのみに通電を行う電磁スイッチと、を備えたスタータと、
    前記リングギヤまたは前記ピニオンギヤ移動体の状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段の信号に基づいて前記エンジンの始動の指令を行う始動手段と、
    前記始動手段の指令に基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って前記電磁ソレノイドと前記電磁スイッチとを個別に駆動させるとともに、前記スタータに直接的または間接的に取り付けられ、もしくは前記スタータと前記始動手段との間に介在される集積回路体と、
    を有することを特徴とする始動制御装置。
  3. 前記集積回路体は、前記エンジン回転数が降下しているとき、前記電磁ソレノイドに通電して前記ピニオンギヤ移動体を回転中の前記リングギヤに噛み合わせ、前記電磁スイッチを作動させて前記モータを駆動させることを特徴とする請求項1または2に記載の始動制御装置。
  4. 前記集積回路体は、全部または一部の素子を交換可能に構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の始動制御装置。
  5. 前記検出手段は、前記スタータのハウジングに取り付ける回転状態センサであることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の始動制御装置。
  6. 回転力を発生するモータと、前記モータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、前記出力軸上を軸方向に移動可能なピニオンギヤ移動体と、前記ピニオンギヤ移動体のみをエンジンのリングギヤに噛み合わせる電磁ソレノイドと、前記モータのみに通電を行う電磁スイッチと、を備えたスタータと、
    前記リングギヤまたは前記ピニオンギヤ移動体の状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段の信号に基づいて前記エンジンの始動の指令を行う始動手段と、
    前記始動手段の指令に基づいて始動するか否かを判定し、当該判定結果に従って半導体リレーを作動させて前記電磁ソレノイドと前記電磁スイッチとを個別に駆動させるとともに、前記スタータに直接的または間接的に取り付けられるリレー集積回路と、
    を有することを特徴とする始動制御装置。
  7. 前記リレー集積回路は複数の前記半導体リレーを備え、
    各半導体リレーは前記始動手段に設けられた始動制御部によって出力される駆動信号に従って作動が個別に制御されることを特徴とする請求項6に記載の始動制御装置。
  8. 前記電磁ソレノイドに通電するタイミングよりも前記電磁スイッチを作動させるタイミングを遅らせる遅延回路を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の始動制御装置。
  9. 前記始動手段は、前記エンジンに対する制御を行うエンジンECUと、前記スタータに対する制御を行うアイドリングストップECUとで構成され、
    前記アイドリングストップECUは、前記エンジンECUの指令に基づいて前記スタータの作動を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の始動制御装置。
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