JP2011001501A - 顔料微粒子の製造方法及びこれに用いられるリアクター - Google Patents
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Abstract
【課題】流路を有するリアクター中で顔料溶液と貧溶媒とを接触させて顔料のナノ粒子を析出させる製造方法において、目的の粒径を有するナノ粒子を制御して得る製造方法の提供。
【解決手段】実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路I、IIと1本以上の排出流路IIIとが一点で連結されたリアクターを用い、前記連結点ないしその周辺において、顔料を良溶媒に溶解した顔料溶液Iと、該良溶媒に相溶し前記顔料の貧溶媒となる溶媒IIとを合流させて前記顔料の微粒子を析出させるに当たり、前記顔料溶解液及び前記貧溶媒の一方が他方を挟み込んで合流するよう前記両液を流通させ、該合流時の前記顔料の過飽和度を調節して、生成する前記顔料微粒子の平均粒径を制御して析出させることを特徴とする顔料微粒子の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路I、IIと1本以上の排出流路IIIとが一点で連結されたリアクターを用い、前記連結点ないしその周辺において、顔料を良溶媒に溶解した顔料溶液Iと、該良溶媒に相溶し前記顔料の貧溶媒となる溶媒IIとを合流させて前記顔料の微粒子を析出させるに当たり、前記顔料溶解液及び前記貧溶媒の一方が他方を挟み込んで合流するよう前記両液を流通させ、該合流時の前記顔料の過飽和度を調節して、生成する前記顔料微粒子の平均粒径を制御して析出させることを特徴とする顔料微粒子の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、顔料微粒子の製造方法及びこれに用いられるリアクターに関する。
再析出法ないし再沈法とよばれる技術が開発され、ナノメートルサイズの微細な粒子(ナノ粒子)を効率良く得られるようになり、近年この技術が普及しつつある。この方法では、顔料等の一般には難溶性の化合物を特定の良溶媒に溶解し、これを良溶媒と相溶するが顔料等に対しては溶解性が低い貧溶媒と混合し、混合液中に顔料等を析出させる。これにより、上述のように極めて小さい粒子を均一にそろえて作製することが可能になってきた。しかし他方、この方法では要求に応じて適宜所望の粒径にそろえたものを作製することは難しく、例えば粒径を均一に保ったまま平均粒径を所定の幅だけ大きくするような変更は実際不可能であった。したがって、用途により最適な粒子サイズがあり、大なり小なり目的の粒子サイズにそろえたものが本来求められるところ、これまで提案されてきた再析出法ないし再沈法ではこれに十分に対応することができない。
特許文献1〜3には、上記再沈法において流路径が数十μm〜数百μmのマイクロリアクターを利用し、分散剤を用いたり反応液の混合時のpHの変化を利用したりしてナノ粒子を作製する技術が開示されている。しかし、得られる粒子のサイズの調節や制御については言及がない。
上述のように用途や要求特性等により顔料微粒子の粒子サイズを所望のものとすることが求められ、特に高精細な描画を可能とする高性能インクジェットインクや、高画質で高コントラストのカラーフィルタを作製する色材として用いることなどを考慮すると、その粒子サイズに対する要求ないしその指定は特に厳格になる。例えば、顔料微粒子のサイズが大きいと光の散乱が大きく影響し、着色性が落ちたり、透明性がなくなったりすることがある。逆に小さすぎると、耐熱性および耐候性がなくなる傾向が高い。また、粒子はサイズが小さくなればなるほど、粒子同士の相互作用が強くなり、その扱いが煩雑となる。場合によっては工業的な利用を考慮したときには、要求を超えて粒子径を小さくすることがかえってコストやプロセス効率において損失ともなる。
かかる状況に鑑み本発明は、流路を有するリアクター中で顔料溶液と貧溶媒とを接触させて顔料のナノ粒子を析出させる際に、該ナノ粒子の粒径を制御することができる製造方法の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結されたリアクターを用い、前記連結点ないしその周辺において、顔料を良溶媒に溶解した顔料溶液と、該良溶媒に相溶し前記顔料の貧溶媒となる溶媒とを合流させて前記顔料の微粒子を析出させるに当たり、前記顔料溶解液及び前記貧溶媒の一方が他方を挟み込んで合流するよう前記両液を流通させ、該合流時の前記顔料の過飽和度を調節して、生成する前記顔料微粒子の平均粒径を制御して析出させることを特徴とする顔料微粒子の製造方法。
(2)前記円管状流路の流路直径が1mmより大きいことを特徴とする(1)に記載の顔料微粒子の製造方法。
(3)前記析出させる顔料微粒子の平均粒径を5nm〜25nmの範囲で制御することを特徴とする(1)又は(2)に記載の顔料微粒子の製造方法。
(4)前記顔料溶解液及び前記貧溶媒が互いに異なるpHを有し、前記両液の接触によるpHの変化により前記顔料の過飽和度を調節することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
(5)前記リアクターの排出流路における前記顔料溶液と貧溶媒との混合液の流れの状態が乱流であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
(6)前記円管状流路の断面形状を真円もしくは楕円としたことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
(7)前記円管状流路の流路直径が10mmより大きいことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の微細粒子の製造方法。
(8)前記円管流路と排出流路とが実質的に同一の面上に配置され、かつその合計が6本であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の微細粒子の製造方法。
(9)(1)〜(8)の製造方法に用いられるリアクターであって、実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結され、前記円管状流路の流路直径が1mmより大きいことを特徴とするリアクター。
(1)実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結されたリアクターを用い、前記連結点ないしその周辺において、顔料を良溶媒に溶解した顔料溶液と、該良溶媒に相溶し前記顔料の貧溶媒となる溶媒とを合流させて前記顔料の微粒子を析出させるに当たり、前記顔料溶解液及び前記貧溶媒の一方が他方を挟み込んで合流するよう前記両液を流通させ、該合流時の前記顔料の過飽和度を調節して、生成する前記顔料微粒子の平均粒径を制御して析出させることを特徴とする顔料微粒子の製造方法。
(2)前記円管状流路の流路直径が1mmより大きいことを特徴とする(1)に記載の顔料微粒子の製造方法。
(3)前記析出させる顔料微粒子の平均粒径を5nm〜25nmの範囲で制御することを特徴とする(1)又は(2)に記載の顔料微粒子の製造方法。
(4)前記顔料溶解液及び前記貧溶媒が互いに異なるpHを有し、前記両液の接触によるpHの変化により前記顔料の過飽和度を調節することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
(5)前記リアクターの排出流路における前記顔料溶液と貧溶媒との混合液の流れの状態が乱流であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
(6)前記円管状流路の断面形状を真円もしくは楕円としたことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
(7)前記円管状流路の流路直径が10mmより大きいことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の微細粒子の製造方法。
(8)前記円管流路と排出流路とが実質的に同一の面上に配置され、かつその合計が6本であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の微細粒子の製造方法。
(9)(1)〜(8)の製造方法に用いられるリアクターであって、実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結され、前記円管状流路の流路直径が1mmより大きいことを特徴とするリアクター。
本発明の製造方法によれば、流路を有するリアクター中で顔料溶液と貧溶媒とを接触させて顔料のナノ粒子を析出させるに際し、該ナノ粒子を所望のサイズに制御して得ることができる。また、本発明のリアクターは、上記の製造方法における使用に特に適している。
本発明の製造方法においては、顔料を良溶媒に溶解した顔料溶液と、該良溶媒に相溶し前記顔料の貧溶媒となる溶媒とを接触させて前記顔料の微粒子を析出させるに当たり、特定のリアクターを用いて、前記顔料溶解液と前記貧溶媒とが合流するときに少なくとも一方が他方を挟み込む状態となるよう前記両液を前記リアクターの流路に導入する。そしてこの際、上記合流時の顔料の過飽和度を調節して、生成する前記顔料微粒子の平均粒径を制御して析出させることを特徴とする。
本発明において「過飽和度」とは、単なる溶解度の変化量を示すのではなく、瞬間的な過飽和度として時間に対する溶解度の変化量を示す。これを古典核形成理論(CNT)に基づけば以下のように説明することができる。すなわち、過飽和度の時間的変化が大きいほど、より多くの溶解分子が核形成過程に関わるといえる。とすれば逆に、成長にかかわる溶解分子が少なくなる。言い換えれば、過飽和度の時間的変化が大きいことは、核形成数を増加し、より微小な粒子を析出させることとなる。そして、代表的な過飽和度調節手段として貧溶媒のpHを変化させることが挙げられる。上記合流時の前記顔料の過飽和度を溶解度で表現するとすれば、飽和溶解時の溶解量に対し、5%以下の溶解度となるようにすることが好ましく、2%以下の溶解度となるように調節して析出する微粒子の粒径を制御することがより好ましい。
具体的な実施態様としては、顔料溶液と貧溶媒とのpHの差を利用して両液が接触したときのpHの変化により析出時の過飽和度を調節して系内の粒子の核形成の数を目的のものとすることができる。あるいは、両液及びその混合液の温度を変化させることにより同様に過飽和度を変化させたりすることで、析出粒子の粒径を制御することができる。顔料溶液中のアルカリ量はモル数で定義すると、顔料モル数に対し、1.0〜2.0倍となるよう調整することが好ましい。また、加える貧溶媒のpHに制限は特にないが、混合後の液のpHが12以下となるようにすることが好ましく、8以下となるようにすることがより好ましく、4以下となるよう貧溶媒のpHを調整することが特に好ましい。ただし、微粒子析出時におけるpHの影響を厳密にいえば、混合後のpHが核形成に直接影響するのではなく、界面で接触した貧溶媒のpHが直接影響するといえる。
本発明により、従来困難であった顔料微粒子の析出時の平均粒径を制御することができるようになったが、この制御性の作用機序には未解明の点がある。推定を含めていうと下記のとおりである。難溶性の高い顔料は、その溶解液と貧溶媒とが触れると、瞬時にして粒子として析出しはじめる。2液が接することで形成する界面の環境は粒子の生成において非常に重要である。とくに連続型のリアクターにより粒子形成のための界面を作り、その後の凝集体形成過程に移ることを考慮すると、その界面の状態は粒子の核の生成に重要な影響を与え、また、その後の流体の混合状態が粒子の成長に重要な影響を与えうる。本発明においては、このような瞬時におこる粒子の生成反応及び成長反応の制御を可能とした。例えば後述する特定の流路直径とした6方リアクターにおいて上記界面における2液のpHの変化等の調節が可能であり、さらにその後の流体の混合を均一に行い、しかもこの混合時のpH等の連続的な変化を所望のものとしうる。このように、上記の連続して移行する反応現象を的確に目的の条件内にすることにより、上述した析出顔料微粒子における粒子サイズの制御性が実現される。
本発明において上記顔料の過飽和度をさらに具体的に示すとすれば、AからBに溶液の溶解度が変化する時の溶解度の時間的な変化量をΔとして表現することができる。言い換えれば、時間に対する濃度勾配である。典型的には、貧溶媒を混合した後の溶解度は、飽和溶解に対して十分低いということが前提となる。本発明においては、この過飽和度Δとして、「0%〜5%の溶解度の変化を0.01ミリ秒〜10ミリ秒の範囲で達成する」よう、上記2液の混合条件等を調節することが好ましい。本発明の好ましい実施態様において過飽和度は、上述のように単位時間あたりあるいは瞬間的な溶解度の差Δと表現することができる。ただし、この場合、粒子形成を伴うため、「できるだけ溶解分子が成長に使われず、核形成に使われる」という概念を含めて評価できるものとすることが好ましい。すなわち、このことについて粒子サイズ制御を達成するために必要な操作として「瞬時過飽和度」を調節するといえる。
本発明の好ましい実施態様によれば、上述のとおり顔料の過飽和度を「0%〜5%の溶解度変化を0.01ミリ秒〜10m秒の範囲で達成する」よう混合条件等を調整することが好ましく、この範囲とすることで析出する顔料微粒子をナノメートルサイズの範囲で一層効果的に制御して調製することができる。
本発明においては、上記過飽和度を顔料溶液と貧溶媒とのpH変化により調節することが好ましい。顔料溶液及び貧溶媒の詳細について後述するが、通常再沈法に用いられる顔料溶液のpHは貧溶媒よりも高く、すなわち顔料溶液はアルカリ性である。上記過飽和度の好適な調節を考慮したときに、上記顔料溶液のpH(pHg)と貧溶媒のpH(pHh)の差(pHg−pHh)は、14以上であることが好ましく、10〜14であることがより好ましい。両液の接触によるpHの変化を顔料溶液のpH(pHg)と両液を接触させた後の混合液のpHでいうと、0〜14であることが好ましく、2〜14であることがより好ましい。本発明の好ましい実施態様によれば、この接触前後のpHの変化(pHg−pHk)を大きくすることで上記顔料の過飽和度を大きくすることができ、逆に小さくすることで上記顔料の過飽和度を小さくすることができる。
さらに具体的な実施態様に鑑み好ましい条件を述べれば、貧溶媒のpHhを0〜12の範囲で変化させることが好ましく、pHhを0〜8の範囲で変化させることがより好ましく、pHhを0〜4の範囲で変化させることが特に好ましい。また、貧溶媒のpHhを上げる(よりアルカリ性にする)ことにより析出微粒子の粒径を大きくする方向で制御することが好ましく、貧溶媒の変化を上記pHhの変化幅の好ましい範囲で調節して、析出微粒子を平均粒径5〜50nmの範囲で制御することが好ましく、平均粒径5〜30nmの範囲で制御することがより好ましく、平均粒径5〜25nmの範囲で制御することがさらに好ましく、平均粒径10〜25nmの範囲で制御することが特に好ましい。
さらに具体的な実施態様に鑑み好ましい条件を述べれば、貧溶媒のpHhを0〜12の範囲で変化させることが好ましく、pHhを0〜8の範囲で変化させることがより好ましく、pHhを0〜4の範囲で変化させることが特に好ましい。また、貧溶媒のpHhを上げる(よりアルカリ性にする)ことにより析出微粒子の粒径を大きくする方向で制御することが好ましく、貧溶媒の変化を上記pHhの変化幅の好ましい範囲で調節して、析出微粒子を平均粒径5〜50nmの範囲で制御することが好ましく、平均粒径5〜30nmの範囲で制御することがより好ましく、平均粒径5〜25nmの範囲で制御することがさらに好ましく、平均粒径10〜25nmの範囲で制御することが特に好ましい。
本発明においては、上記とはまた別の実施態様として、上記過飽和度を顔料溶液と貧溶媒との温度の変化により調節することが好ましい。例えば顔料溶液の温度(Tg)と貧溶媒の温度(Th)の差(Tg−Th)は、10〜50℃であることが好ましく、15〜25℃であることがより好ましい。両液の接触による温度の変化を顔料溶液の温度(Tg)と両液を接触させた後の混合液の温度(Tk)の差(Tg−Tk)でいうと、20〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。本発明の好ましい実施態様によれば、この接触前後の温度の変化(Tg−Tk)を大きくすることで上記顔料の過飽和度を大きくすることができ、逆に小さくすることで上記顔料の過飽和度を小さくすることができる。
さらに具体的な実施態様に鑑み好ましい条件を述べれば、貧溶媒の温度Thを5〜25℃の範囲で変化させることが好ましく、温度Thを5〜15℃の範囲で変化させることがより好ましく、温度Thを5〜10℃の範囲で変化させることが特に好ましい。また、貧溶媒の温度Thを下げることにより析出微粒子の粒径を大きくする方向で制御することが好ましく、貧溶媒の変化を上記温度Thの変化幅の好ましい範囲で調節して、析出微粒子を上記の範囲で制御することが好ましい。また、上記品溶媒のpHの調節と温度の調節とを組み合わせてさらに高次の析出微粒子の制御することも好ましい。
さらに具体的な実施態様に鑑み好ましい条件を述べれば、貧溶媒の温度Thを5〜25℃の範囲で変化させることが好ましく、温度Thを5〜15℃の範囲で変化させることがより好ましく、温度Thを5〜10℃の範囲で変化させることが特に好ましい。また、貧溶媒の温度Thを下げることにより析出微粒子の粒径を大きくする方向で制御することが好ましく、貧溶媒の変化を上記温度Thの変化幅の好ましい範囲で調節して、析出微粒子を上記の範囲で制御することが好ましい。また、上記品溶媒のpHの調節と温度の調節とを組み合わせてさらに高次の析出微粒子の制御することも好ましい。
[顔料微粒子]
微粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがある。本発明においては、特に断りのない限り、平均粒径とは数平均径をいう。本発明においては顔料微粒子(一次粒子)の平均粒径を上記の範囲で制御することが好ましい。顔料微粒子の平均粒径を上記上限値以下とすることが先に述べたとおり先端デバイスやその部品等に適用される高機能性色材として極めて有用であり好ましい。
微粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがある。本発明においては、特に断りのない限り、平均粒径とは数平均径をいう。本発明においては顔料微粒子(一次粒子)の平均粒径を上記の範囲で制御することが好ましい。顔料微粒子の平均粒径を上記上限値以下とすることが先に述べたとおり先端デバイスやその部品等に適用される高機能性色材として極めて有用であり好ましい。
粒子の均一性(単分散性)を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明において顔料微粒子(一次粒子)の単分散性(本発明において、単分散性とは粒径が揃っている度合いをいう。)、つまりMv/Mnは1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。顔料微粒子の単分散性を上記上限値以下とすることで不必要に小さい粒子を作らず、再分散が困難な硬い凝集体を作ったり、逆に不必要に大きな粒子を作ることで、望まない光散乱の発生を抑えたりすることができる。
有機粒子の粒径の測定方法としては、顕微鏡法、質量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズ(いずれも商品名)などが挙げられる。
本発明において顔料分散体に含まれる顔料微粒子の濃度は特に限定されないが、顔料微粒子を析出させた後の上記混合液が分散体であるとき、1〜30質量%であることが実際的である。この濃度は適用される用途や求められる機能によって適宜調節すればよく、例えばインクジェットインクやカラーフィルタ用の色材としての利用を考慮すると、5〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
[顔料]
本発明に用いられる顔料としては例えば、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン化合物顔料、またはそれらの混合物などが挙げられる。中でも、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、アゾ、フタロシアニン、ジオキサジン、アントラキノン、ジケトピロロピロール化合物顔料が好ましく、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニン、ジオキサジン化合物顔料がより好ましい。また、これらの有機顔料は、単独で用いても、または2種類以上併用して用いてもよい。
本発明に用いられる顔料としては例えば、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン化合物顔料、またはそれらの混合物などが挙げられる。中でも、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、アゾ、フタロシアニン、ジオキサジン、アントラキノン、ジケトピロロピロール化合物顔料が好ましく、キナクリドン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニン、ジオキサジン化合物顔料がより好ましい。また、これらの有機顔料は、単独で用いても、または2種類以上併用して用いてもよい。
[再沈法]
本発明においては、良溶媒(第1溶媒)に顔料を溶解させた溶液を貧溶媒(第2溶媒)と接触させて、顔料の微粒子を生成させることが好ましい。このとき顔料を溶解させる良溶媒と貧溶媒との相溶性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。良溶媒の貧溶媒に対する溶解量に特に上限はないが、任意の割合で混じり合うことが実際的である。
本発明においては、良溶媒(第1溶媒)に顔料を溶解させた溶液を貧溶媒(第2溶媒)と接触させて、顔料の微粒子を生成させることが好ましい。このとき顔料を溶解させる良溶媒と貧溶媒との相溶性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。良溶媒の貧溶媒に対する溶解量に特に上限はないが、任意の割合で混じり合うことが実際的である。
良溶媒としては、特に限定されないが、有機酸(例えば、ギ酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸等)、有機塩基(例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、ナトリウムメトキシド等)、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等)、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホラン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル等)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、オクタン等)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン等)、イオン性液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶
媒、またはこれらの混合物などが好適に挙げられる。
媒、またはこれらの混合物などが好適に挙げられる。
これらの中でも、有機酸、有機塩基、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、またはこれらの混合物がより好ましく、有機酸、有機塩基、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、またはこれらの混合物が特に好ましい。
顔料微粒子を析出させるときの調製条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
顔料を、良溶媒中に均一に溶解するとき、一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリ性が、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子を分子内に多く有するときは酸性が用いられることが好ましい。例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合化合物顔料は、アルカリ性で、フタロシアニン化合物顔料は酸性で溶解することができる。
アルカリ性で溶解するときに用いられる塩基として、前記有機塩基以外に、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどの無機塩基を用いることも可能である。使用する塩基の量は特に限定されないが、無機塩基の場合、顔料に対して1.0〜30モル当量であることが好ましく、1.0〜25モル当量であることがより好ましく、1.0〜20モル当量であることが特に好ましい。有機塩基の場合、顔料に対して1.0〜100モル当量であることが好ましく、5.0〜100モル当量であることがより好ましく、20〜100モル当量であることが特に好ましい。
酸性で溶解するときに用いられる酸として、前記有機酸以外に、硫酸、塩酸、燐酸などの無機酸を用いることも可能である。使用する酸の量は特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多く、顔料に対して3〜500モル当量であることが好ましく、10〜500モル当量であることがより好ましく、30〜200モル当量であることが特に好ましい。
無機塩基または無機酸を有機溶媒と混合して、顔料の良溶媒として用いる際は、アルカリまたは酸を完全に溶解させるため、若干の水や低級アルコールなどのアルカリまたは酸に対して高い溶解度をもつ溶剤を、有機溶媒に添加することができる。水や低級アルコールの量は、顔料溶液全量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコールなどを用いることができる。
顔料溶液の粘度は0.5〜100.0mPa・sであることが好ましく1.0〜50.0mPa・sであることがより好ましい。
顔料溶液は、良溶媒に上記顔料と必要により他の成分を含んでいても構わない。
他の成分としては、特に限定されないが、酸(酸性基を有する有機化合物など)、塩基(塩基性を有する有機化合物など)が好適に挙げられる。なかでも本発明においては、塩基の存在化で顔料を溶解することが好ましく、該塩基が有機塩基であることがより好ましい。
他の成分としては、特に限定されないが、酸(酸性基を有する有機化合物など)、塩基(塩基性を有する有機化合物など)が好適に挙げられる。なかでも本発明においては、塩基の存在化で顔料を溶解することが好ましく、該塩基が有機塩基であることがより好ましい。
上記に挙げた以外にも特開2007−9096号公報や特開平7−331182号公報等に記載の顔料誘導体を挙げることができる。ここで言う顔料誘導体とは、親物質としての有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される顔料誘導体型の化合物、あるいは化学修飾された顔料前駆体の顔料化反応により得られる顔料誘導体型の化合物を指す。市販品としては、例えば、EFKA社製「EFKA6745(フタロシアニン誘導体))」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)」等を挙げることができる(いずれも商品名)。顔料誘導体を用いる場合、その使用量としては、顔料に対し0.5〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
貧溶媒は特に限定されないが、貧溶媒に対する顔料の溶解度は、0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。該顔料の貧溶媒への溶解度にとくに下限はないが、通常用いられるものを考慮すると0.0001質量%以上が実際的である。
貧溶媒としては、特に限定されないが、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等)、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホラン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル等)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、オクタン等)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン等)、イオン性液体(例えば、1−エチル−3
−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶媒、またはこれらの混合物などが好適に挙げられる。
これらの中でも、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、またはこれらの混合物がより好ましく、水性媒体、アルコール系溶媒、またはこれらの混合物が特に好ましい。
−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶媒、またはこれらの混合物などが好適に挙げられる。
これらの中でも、水系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、またはこれらの混合物がより好ましく、水性媒体、アルコール系溶媒、またはこれらの混合物が特に好ましい。
水性媒体とは、水単独または水と水に可溶な有機溶媒や無機塩の溶解液をいう、例えば、水、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
良溶媒の具体例として列挙したものと貧溶媒として列挙したものとで共通するものもあるが、良溶媒及び貧溶媒として同じものを組み合わせることはなく、前記顔料との関係で良溶媒に対する溶解度が貧溶媒に対する溶解度より十分高ければよく、顔料に関しては、例えば、その溶解度差が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。良溶媒と貧溶媒に対する溶解度の差に特に上限はないが、通常用いられる顔料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。
貧溶媒の状態は特に限定されず、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。顔料溶液の粘度は0.5〜100.0mPa・sであることが好ましく1.0〜50.0mPa・sであることがより好ましい。
顔料溶液と貧溶媒とを混合する際、両者のどちらを添加して混合してもよいが、顔料溶液を貧溶媒に噴流して混合することが好ましく、その際に貧溶媒が撹拌された状態であることが好ましい。撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。さらに供給管を介してポンプで液中に連続供給することが好ましい。供給管の内径は0.1〜200mmが好ましく0.2〜100mmがより好ましい。供給管から液中に供給される速度としては1〜10000ml/minが好ましく、5〜5000ml/minがより好ましい。
顔料溶液と貧溶媒との混合に当り、レイノルズ数を調節することにより、析出生成させる顔料ナノ粒子の粒子径を制御することができる。ここでレイノルズ数は流体の流れの状態を表す無次元数であり次式で表される。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは顔料溶液の密度[kg/m3]を表し、Uは顔料溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度[m/s]を表し、Lは顔料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径[m]を表し、μは顔料溶液の粘性係数[Pa・s]を表す。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは顔料溶液の密度[kg/m3]を表し、Uは顔料溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度[m/s]を表し、Lは顔料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径[m]を表し、μは顔料溶液の粘性係数[Pa・s]を表す。
等価直径Lとは、任意断面形状の配管の開口径や流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径をいう。等価直径Lは、配管の断面積をA、配管のぬれぶち長さ(周長)または流路の外周をpとすると下記数式(2)で表される。
L=4A/p ・・・ 数式(2)
配管を通じて顔料溶液を貧溶媒に注入して粒子を形成することが好ましく、配管に円管を用いた場合には等価直径は円管の直径と一致する。例えば、液体供給口の開口径を変化させて等価直径を調節することができる。等価直径Lの値は特に限定されないが、例えば、上述した供給口の好ましい内径と同義である。
L=4A/p ・・・ 数式(2)
配管を通じて顔料溶液を貧溶媒に注入して粒子を形成することが好ましく、配管に円管を用いた場合には等価直径は円管の直径と一致する。例えば、液体供給口の開口径を変化させて等価直径を調節することができる。等価直径Lの値は特に限定されないが、例えば、上述した供給口の好ましい内径と同義である。
顔料溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度Uは、両者が出会う部分の面に対して垂直方向の相対速度で定義される。すなわち、例えば静止している貧溶媒中に顔料溶液を注入して混合する場合は、供給口から注入する速度が相対速度Uに等しくなる。相対速度Uの値は特に限定されないが、例えば、0.5〜100m/sとすることが好ましく、1.0〜50m/sとすることがより好ましい。
顔料溶液の密度ρは、選択される材料の種類により定められる値であるが、例えば、0.8〜2.0kg/m3であることが実際的である。また、顔料溶液の粘性係数μについても用いられる材料や環境温度等により定められる値であるが、その好ましい範囲は、上述した顔料溶液の好ましい粘度と同義である。
レイノルズ数(Re)の値は、小さいほど層流を形成しやすく、大きいほど乱流を形成しやすい。例えば、レイノルズ数を60以上で調節して顔料ナノ粒子の粒子径を制御して得ることができ、100以上とすることが好ましく、150以上とすることがより好ましい。レイノズル数に特に上限はないが、例えば、100000以下の範囲で調節して制御することで良好な顔料ナノ粒子を制御して得ることができ好ましい。あるいは、得られるナノ粒子の平均粒径が60nm以下となるようにレイノルズ数を高めた条件としてもよい。このとき、上記の範囲内においては、通常レイノルズ数を高めることで、より粒径の小さな顔料ナノ粒子を制御して得ることができる。
顔料溶液と貧溶媒との混合比は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。有機微粒子を析出させた場合の液中の粒子濃度は特に制限されないが、溶媒1000mlに対して有機粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。また、微粒子を生成させる際の調製スケールは、特に限定されないが、貧溶媒の混合量が10〜2000Lの調製スケールであることが好ましく、50〜1000Lの調製スケールであることがより好ましい。
[分散剤]
本発明においては、顔料分散組成物に分散剤を添加してもよい。用いることのできる分散剤として、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料誘導体の、低分子または高分子の分散剤を使用することができる。中でも本発明においては後述する高分子化合物を分散剤として用いることが好ましい。少なすぎると顔料粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、多すぎると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生しやすくなる。分散剤の添加量は顔料や分散剤の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、分散組成物中に10質量%以上1000質量%以下が好ましく、10質量%以上200質量%以下がより好ましい。
本発明においては、顔料分散組成物に分散剤を添加してもよい。用いることのできる分散剤として、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料誘導体の、低分子または高分子の分散剤を使用することができる。中でも本発明においては後述する高分子化合物を分散剤として用いることが好ましい。少なすぎると顔料粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、多すぎると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生しやすくなる。分散剤の添加量は顔料や分散剤の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、分散組成物中に10質量%以上1000質量%以下が好ましく、10質量%以上200質量%以下がより好ましい。
[リアクター]
本発明においては、同一面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結されリアクターを用い、前記連結点において顔料溶液と貧溶媒となる溶媒とを合流接触させて前記顔料の微粒子を析出させる。ここで円管状流路とは、流路内面の断面形状において真円ないし楕円のものや面取りされた矩形の形状を有する流路を指す。流路を構成する部材の外形は特に限定されず、筒状の流路部材だけではなく、一対のプレートに掘り込まれた断面半円管状部材を貼り合わせたものや、1つの基材に上記形状の流路を形成したものであってもよい。また、3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが筒状の流路であり、それらが放射状に延びたコネクタタイプのものであってもよい。なお、本発明において「実施的に同一の面上」とは1つの平面方向に伸びることはもとより、リアクターの製造誤差や連結のしやすさ等により連結部に屈曲があったり、ゆるやかに湾曲していたりすることは含む意味である。連結部に屈曲や湾曲があるときの平面方向からのずれは屈曲角度は50°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、55°以下、65°以上である。
本発明においては、同一面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結されリアクターを用い、前記連結点において顔料溶液と貧溶媒となる溶媒とを合流接触させて前記顔料の微粒子を析出させる。ここで円管状流路とは、流路内面の断面形状において真円ないし楕円のものや面取りされた矩形の形状を有する流路を指す。流路を構成する部材の外形は特に限定されず、筒状の流路部材だけではなく、一対のプレートに掘り込まれた断面半円管状部材を貼り合わせたものや、1つの基材に上記形状の流路を形成したものであってもよい。また、3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが筒状の流路であり、それらが放射状に延びたコネクタタイプのものであってもよい。なお、本発明において「実施的に同一の面上」とは1つの平面方向に伸びることはもとより、リアクターの製造誤差や連結のしやすさ等により連結部に屈曲があったり、ゆるやかに湾曲していたりすることは含む意味である。連結部に屈曲や湾曲があるときの平面方向からのずれは屈曲角度は50°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、55°以下、65°以上である。
上記円管状流路の流路直径は1mmより大きいことが好ましく、10mmより大きいことが好ましい。この上限は特に限定されないが、5mm以下であることが実際的である。円管状流路の流路直径を上記上限値以下とすることで拡散混合を迅速に進める効果的な縮流を形成し、混合時における十分な顔料の過飽和度を実現することができる。他方、上記下限値以上とすることで流路径をミリサイズながら、合流場では縮流による薄層化、言い換えればマイクロ空間とすることができ、いわゆるマイクロリアクターの効果を発現することが可能であり、かつ生産的な観点からも低圧力損失および、高流量送液とすることができる。
本発明においては、特に断らない限り、流路直径は等価直径(equivalent diameter)で表す。等価直径とは相当(直)径、とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意断面形状の配管(流路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の断面積、p:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて:deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、一辺aの正四角形管では:deq=4a2/4a=a、一辺aの正三角形管では:deq=a/√3、流路(チャンネル)高さhの平行平板間の流れでは:deq=2hとなる(例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)参照)。
本発明においては排出流路での混合液の流れは、特に規定せず、層流でも乱流でもよい。なお、流れが層流になるか乱流になるかは流れの様子を示す無次元数であるレイノルズ数(Reynolds number)が、ある臨界値以下であるか否かによって決まる。レイノルズ数が小さいほど層流を形成しやすい。管内の流れのレイノルズ数Reは次式で表される。
Re=D<υx>ρ/μ
Dは管の等価直径、<υx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。この式からわかるように等価直径が小さいほどレイノルズ数は小さくなるので、μmサイズの等価直径の場合は安定な層流を形成しやすくなる。また、密度や粘度の液物性もレイノルズ数に影響し、密度が小さく、粘度が大きいほどレイノルズ数は小さくなるので層流を形成しやすいことがわかる。工業的には、流量のより高い状況が好ましいため、乱流となる。
Re=D<υx>ρ/μ
Dは管の等価直径、<υx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。この式からわかるように等価直径が小さいほどレイノルズ数は小さくなるので、μmサイズの等価直径の場合は安定な層流を形成しやすくなる。また、密度や粘度の液物性もレイノルズ数に影響し、密度が小さく、粘度が大きいほどレイノルズ数は小さくなるので層流を形成しやすいことがわかる。工業的には、流量のより高い状況が好ましいため、乱流となる。
流れが変化する臨界値のレイノルズ数を臨界レイノルズ数(critical Reynolds number)と呼ぶ。臨界レイノルズ数は必ずしも一定とはいえないが、凡そ次の値が基準となる(荻野文丸総編集、「化学工学ハンドブック」、p37、2004年、朝倉書店参照)。
Re<2300 層流
Re>4000 乱流
4000≧Re≧2300 過渡状態
Re<2300 層流
Re>4000 乱流
4000≧Re≧2300 過渡状態
○六方リアクター
本発明においては、一実施態様として図1に示したような六方リアクター(六方型流路を有する反応装置)を用いることが好ましい。図1はその反応装置10を模式的に示した平面図である。本態様の装置においては、例えばコネクター接続部11およびチューブフェルール固定部12で固定されたチューブから、2種類の流体Iと流体IIが導入流路13、14にそれぞれ供給される。6方リアクターの流路形状は点対称が好ましく、それぞれの連結角度は60度がよい。これは、アンシス・ジャパン株式が市販する汎用熱流体解析ソフトウェア「FLUENT」(商品名)にて、6方リアクターの2流体混合の解析を行った結果による(図5参照。解析条件としては2液の単相流の混合の解析(乱流)とした。乱流モデルは乱流解析で汎用的なK−ωを使用した。)。また、連結部の空間の広さは他の流路と同じがよい。この理由は、広さに差があると、空間内で滞留部ができやすく、リアクター連続混合による粒子形成の特徴を阻害するためである。また、長さに関しては、圧力損失の観点で考えると短いほうがより好ましいが、短すぎると合流場で出会った流体の混合が終了しないまま、出口配管より、出てくる恐れがある。そのため、合流点から出口までの長さは、少なくとも5mm以上にすることが好ましい。
本発明においては、一実施態様として図1に示したような六方リアクター(六方型流路を有する反応装置)を用いることが好ましい。図1はその反応装置10を模式的に示した平面図である。本態様の装置においては、例えばコネクター接続部11およびチューブフェルール固定部12で固定されたチューブから、2種類の流体Iと流体IIが導入流路13、14にそれぞれ供給される。6方リアクターの流路形状は点対称が好ましく、それぞれの連結角度は60度がよい。これは、アンシス・ジャパン株式が市販する汎用熱流体解析ソフトウェア「FLUENT」(商品名)にて、6方リアクターの2流体混合の解析を行った結果による(図5参照。解析条件としては2液の単相流の混合の解析(乱流)とした。乱流モデルは乱流解析で汎用的なK−ωを使用した。)。また、連結部の空間の広さは他の流路と同じがよい。この理由は、広さに差があると、空間内で滞留部ができやすく、リアクター連続混合による粒子形成の特徴を阻害するためである。また、長さに関しては、圧力損失の観点で考えると短いほうがより好ましいが、短すぎると合流場で出会った流体の混合が終了しないまま、出口配管より、出てくる恐れがある。そのため、合流点から出口までの長さは、少なくとも5mm以上にすることが好ましい。
この装置によれば、顔料溶解液を両側から貧溶媒溶液で挟み込むため、顔料溶解液は圧力を受け、薄層化することができる。これにより、拡散が迅速に進むことになる。なお、拡散に要する時間は、距離の2乗に反比例するため、薄層化が進めば、それだけ、混合時間が短くなる。言い換えれば、薄層化することで、貧溶媒との接触面積が増加するため、ということである。なお、これは顔料粒子形成に限らず、液−液混合全般に適用できる。
流体Iおよび流体IIが混合された後の流体IIIが、流体合流点Gから排出流路15を経て、流出され、捕集される。本実施態様の装置を用いて、例えば流体Iとして有機顔料を溶解した液体を供給し、液体IIとして貧溶媒を供給する。これにより、両者が互いに合流点で挟み込まれるようにして混合し、顔料微粒子を生成させた分散液を流体IIIとして捕集することができる。その他に流体の導入における好ましい組み合わせがありましたらご加入ください。このとき、排出流路15において混合された液体が乱流となるように流速や粘度を設定することが好ましい。
○4方リアクター
次に、別の好ましい実施態様として用いられる、4方リアクターについて説明する。
図2に示すリアクター20は、液体A(図中、液体をその流れの方向を示す矢印で示している。このことは液体B,Cについても同様である。)を供給する1本の供給流路21の途中から分岐して液体Aを2つに分割できるようにした2本の分割供給流路21A,21Bと、液体Bを供給する分割していない1本の供給流路22と、溶液Aと溶液Bとの反応を行う流路23とが、1つの合流領域24で連通するように形成されるものである。また、これら分割供給流路21A,21B、供給流路22、及び流路23は、実質的に同一の平面内で合流領域24の周りに90°の等間隔で配置される。即ち、各流路21A,21B,22、23の中心軸(一点鎖線)は合流領域24において十文字状(交差角度α=90°)に交差する。尚、図2では液体Bに比べて供給量を多くできるよう液体Aの供給流路21のみを分割したが、液体Bの供給流路22も複数に分割してもよい。また、合流領域24の周りに配置する各流路21A,21B,22,23の交差角度αは、90°に限らず適宜設定できる。また、供給流路21、22の分割数は、特に限定されるものではないが、数が多すぎてリアクターの構造が複雑になるときには、分割数を2〜10とすることが好ましく、2〜5とすることがより好ましい。
次に、別の好ましい実施態様として用いられる、4方リアクターについて説明する。
図2に示すリアクター20は、液体A(図中、液体をその流れの方向を示す矢印で示している。このことは液体B,Cについても同様である。)を供給する1本の供給流路21の途中から分岐して液体Aを2つに分割できるようにした2本の分割供給流路21A,21Bと、液体Bを供給する分割していない1本の供給流路22と、溶液Aと溶液Bとの反応を行う流路23とが、1つの合流領域24で連通するように形成されるものである。また、これら分割供給流路21A,21B、供給流路22、及び流路23は、実質的に同一の平面内で合流領域24の周りに90°の等間隔で配置される。即ち、各流路21A,21B,22、23の中心軸(一点鎖線)は合流領域24において十文字状(交差角度α=90°)に交差する。尚、図2では液体Bに比べて供給量を多くできるよう液体Aの供給流路21のみを分割したが、液体Bの供給流路22も複数に分割してもよい。また、合流領域24の周りに配置する各流路21A,21B,22,23の交差角度αは、90°に限らず適宜設定できる。また、供給流路21、22の分割数は、特に限定されるものではないが、数が多すぎてリアクターの構造が複雑になるときには、分割数を2〜10とすることが好ましく、2〜5とすることがより好ましい。
図3は、図2の平面型のリアクターの別の態様であり、供給流路32の中心軸に対して分割供給流路31A,31Bの中心軸の成す交差角度βは図2の90°よりも小さく45°に形成される。また、分割供給流路21A,21Bの中心軸に対して流路23の中心軸の成す交差角度αが135°になるように形成される。
図4は、図3の平面型のリアクターの更に別の態様であり、液体Bが流れる供給流路42の中心軸に対して液体Aが流れる分割供給流路41A,41Bの中心軸の成す交差角度βは図2の90°よりも大きく135°に形成される。また、分割供給流路41A,41Bの中心軸に対して流路43の中心軸の成す交差角度αが45°になるように形成される。供給流路42、分割供給流路41A,41B、及び流路43の互いの交差角度α、βは適宜設定できるが、合流された液体Bと液体Aの全ての液体の厚み方向の断面積の総和をS1とし、流路43の径方向の断面積をS2としたときに、S1>S2を満足するように交差角度α、βを設定することが好ましい。これにより、液体A,B同士の接触面積の一層の増大と拡散混合距離の一層の縮小を図ることができるので、より瞬時混合が生じ易くなるからである。
本発明の製造方法により得られる顔料微粒子は各種の色材として用いることができる。例えば、高精細な印画を可能とするインクジェットインクや高画質で高コントラストのカラーフィルタの色材として用いることができ、各用途や要求特性に応じた所定の平均粒径のものとして作り分け供給することができる。例えば、1nm刻みにして作りわけ、しかもいずれの平均粒径の区分においても単分散度を1.0〜1.7の範囲にして提供することができ、精密機器や特殊印刷などにおけるシビアな要求にも好適に対応することができる。
以下に、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
水分散液試料A−1〜A−6の調製
ピグメントレッド254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGAPHOR RED BT−CF(商品名))6.00gを、25%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水酸化(和光純薬(株)社製)6.3mL、ジメチルスルホキシド78.40g、アクアロンKH−10(商品名)(第一工業製薬(株)社製)4.80g、N−ビニルピロリドン(重合性化合物)((和光純薬(株)社製)1.20g、ポリビニルピロリドンK30(商品名)(東京化成工業(株)社製)0.30g、と共に室温で溶解した。これをA液と称する。A液のpHは測定限界(pH14)を超えており、測定不能であった。
水分散液試料A−1〜A−6の調製
ピグメントレッド254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGAPHOR RED BT−CF(商品名))6.00gを、25%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水酸化(和光純薬(株)社製)6.3mL、ジメチルスルホキシド78.40g、アクアロンKH−10(商品名)(第一工業製薬(株)社製)4.80g、N−ビニルピロリドン(重合性化合物)((和光純薬(株)社製)1.20g、ポリビニルピロリドンK30(商品名)(東京化成工業(株)社製)0.30g、と共に室温で溶解した。これをA液と称する。A液のpHは測定限界(pH14)を超えており、測定不能であった。
上記A液に対し、6方リアクターにて貧溶媒を加え、析出を促し微粒子を作成する。貧溶媒は、塩酸にてpHを下表1のように調整したものを用いた。これをB液と称する。
リアクターには6本流路が1点で交差するリアクターを用いた。流路断面はすべて円形とし、その直径はφ2mmとした。A液、B液は、図1,5に示したI液及びII液に対応する流路からそれぞれ送液した。つまり、A液を2つの流路から供給し、B液を3つの流路から供給した。流量については、貧溶媒(B液)をA液に対して体積割合で10倍量をリアクターで混合させ再沈液を得るよう、A液の総流量を200ml/minとし、B液の総流量を2000ml/minとした。なお、粒子のサイズは動的光散乱計により評価した。得られた再沈液のpHと析出した微粒子のサイズを表2にまとめた。
この結果が示すように、本発明によれば顔料の過飽和度(貧溶媒のpH)の調節により、粒子サイズを変化させることができることが分かる。具体的には、貧溶媒のpHを高めることで得られる微粒子の粒径を大きくすることができ、これを検量線として、必要に応じ目的の粒径の顔料微粒子を均一な粒径でばらつきなく制御して作製することが可能であることが示された。
[表1]
−−−−−−−−−−−
貧溶媒 pH
−−−−−−−−−−−
A−1 7.0
A−2 2.2
A−3 1.8
A−4 1.4
A−5 1.2
A−6 0.9
−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−
貧溶媒 pH
−−−−−−−−−−−
A−1 7.0
A−2 2.2
A−3 1.8
A−4 1.4
A−5 1.2
A−6 0.9
−−−−−−−−−−−
[表2]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
顔料 試料 再沈液pH Mv Mv/Mn
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
PR254 A−1 12.6 23.5nm 1.70
PR254 A−2 10.6 19.5nm 1.40
PR254 A−3 8.4 18.5nm 1.37
PR254 A−4 7.1 16.3nm 1.47
PR254 A−5 5.5 14.3nm 1.42
PR254 A−6 2.6 12.0nm 1.48
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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顔料 試料 再沈液pH Mv Mv/Mn
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PR254 A−1 12.6 23.5nm 1.70
PR254 A−2 10.6 19.5nm 1.40
PR254 A−3 8.4 18.5nm 1.37
PR254 A−4 7.1 16.3nm 1.47
PR254 A−5 5.5 14.3nm 1.42
PR254 A−6 2.6 12.0nm 1.48
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(実施例2〜8、比較例1,2)
次に、上記分散液A−1〜A−6の調製条件に対して、下表3の項目を変えた以外同様にして、顔料微粒子分散液の調製を行った。比較例1,2については粒径を制御して得ることができなかった。これに対し、実施例1〜8ではいずれも単分散の顔料微粒子を目的の粒径に制御して作製することができた。また、流路の等価直径はマイクロメータオーダーよりミリメーターオーダーの方が生産効率が高く、また粒径の制御性が良好であった。
次に、上記分散液A−1〜A−6の調製条件に対して、下表3の項目を変えた以外同様にして、顔料微粒子分散液の調製を行った。比較例1,2については粒径を制御して得ることができなかった。これに対し、実施例1〜8ではいずれも単分散の顔料微粒子を目的の粒径に制御して作製することができた。また、流路の等価直径はマイクロメータオーダーよりミリメーターオーダーの方が生産効率が高く、また粒径の制御性が良好であった。
6方:図1に示した6方リアクター
4方:図2に示した4方リアクター
Y字:特開2006−104448号公報 図1に記載されたY字リアクター
<注2>
温度の調節は、配管をらせん状に巻き、これを恒温漕に沈め、配管出口で十分温度が一定になったことを確認して、リアクターに送液した。
10、20、30、40 リアクター
11 コネクター接続部
12 チューブフェルール固定部
13 導入流路(I液)
14 導入流路(II液)
15 排出流路
21(21A,21B)、22、23、31(31A,81B)、32、33、41(41A,41B)、42、43 流路
24、34、44 流体合流点
11 コネクター接続部
12 チューブフェルール固定部
13 導入流路(I液)
14 導入流路(II液)
15 排出流路
21(21A,21B)、22、23、31(31A,81B)、32、33、41(41A,41B)、42、43 流路
24、34、44 流体合流点
Claims (9)
- 実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結されたリアクターを用い、前記連結点ないしその周辺において、顔料を良溶媒に溶解した顔料溶液と、該良溶媒に相溶し前記顔料の貧溶媒となる溶媒とを合流させて前記顔料の微粒子を析出させるに当たり、前記顔料溶解液及び前記貧溶媒の一方が他方を挟み込んで合流するよう前記両液を流通させ、該合流時の前記顔料の過飽和度を調節して、生成する前記顔料微粒子の平均粒径を制御して析出させることを特徴とする顔料微粒子の製造方法。
- 前記円管状流路の流路直径が1mmより大きいことを特徴とする請求項1に記載の顔料微粒子の製造方法。
- 前記析出させる顔料微粒子の平均粒径を5nm〜25nmの範囲で制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の顔料微粒子の製造方法。
- 前記顔料溶解液及び前記貧溶媒が互いに異なるpHを有し、前記両液の接触によるpHの変化により前記顔料の過飽和度を調節することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
- 前記リアクターの排出流路における前記顔料溶液と貧溶媒との混合液の流れの状態が乱流であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
- 前記円管状流路の断面形状を真円もしくは楕円としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の顔料微粒子の製造方法。
- 前記円管状流路の流路直径が10mmより大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細粒子の製造方法。
- 前記円管流路と排出流路とが実質的に同一の面上に配置され、かつその合計が6本であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細粒子の製造方法。
- 請求項1〜8の製造方法に用いられるリアクターであって、実質的に同一の面上に配置された3本以上の円管状流路と1本以上の排出流路とが一点で連結され、前記円管状流路の流路直径が1mmより大きいことを特徴とするリアクター。
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JP2009147050A JP2011001501A (ja) | 2009-06-19 | 2009-06-19 | 顔料微粒子の製造方法及びこれに用いられるリアクター |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015110690A (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-18 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 有機顔料の製造方法 |
EP3970848A4 (en) * | 2019-05-16 | 2023-01-25 | Nisso Engineering Co., Ltd. | CHEMICAL REACTION SYSTEM AND DEVICE SUITABLE FOR LOW-FLOW REACTIONS |
-
2009
- 2009-06-19 JP JP2009147050A patent/JP2011001501A/ja active Pending
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