JP2011202081A - 微粒子状複合有機顔料の分散物及びその微粒子状複合有機顔料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3種以上の有機顔料を粒子成分として有する微粒子状複合有機顔料の分散物であって、前記複合有機顔料が、前記3種以上の有機顔料を良溶媒に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とを接触させて析出生成させたナノメートルサイズの顔料微粒子である複合有機顔料分散物。
【選択図】なし
Description
(1)3種以上の有機顔料を粒子成分として有する微粒子状複合有機顔料の分散物であって、前記複合有機顔料が、前記3種以上の有機顔料を良溶媒に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とを接触させて析出生成させたナノメートルサイズの顔料微粒子であることを特徴とする複合有機顔料分散物。
(2)前記微粒子状複合有機顔料が黒色有機顔料であることを特徴とする(1)に記載の分散物。
(3)前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料において色相角差異が60度以上となる有機顔料の組合せを含むことを特徴とする(1)に記載の分散物。
(4)前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料の混合比において、もっとも多い粒子成分が80質量%未満であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の分散物。
(5)前記微粒子状複合顔料の体積平均粒径(Mv)を100nm以下としたことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の分散物。
(6)前記微粒子状複合顔料の体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)との比(Mv/Mn)を2.0以下としたことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの1項に記載の分散物。
(7)前記微粒子状複合顔料の有機顔料成分のひとつとしてフタロシアニン顔料を用いることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の分散物。
(8)前記微粒子状複合顔料の分散物成分のひとつとして無金属フタロシアニン顔料PB−16を用いることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の分散物。
(9)3種以上の有機顔料を良溶媒に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とを接触させて、前記3種以上の有機顔料を粒子成分として有する微粒子状の複合有機顔料を析出させることを特徴とする微粒子状複合有機顔料の製造方法。
(10)前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料の混合比において、もっとも多い粒子成分を80質量%未満とすることを特徴とする(9)に記載の製造方法。
(11)前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料の色相角差異が60度以上はなれた色の組合せを含むことを特徴とする(9)又は(10)に記載の製造方法。
(12)前記混合有機顔料溶液が前記3種以上の有機顔料をアルカリまたは酸で溶解させた溶液として調製することを特徴とする(9)〜(11)のいずれか1項に記載の製造方法。
(13)前記微粒子状複合有機顔料の体積平均粒径(Mv)を100nm以下とすることを特徴とする(9)〜(12)のいずれか1項に記載の製造方法。
(14)前記微粒子状複合有機顔料の体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)との比(Mv/Mn)を2.0以下としたことを特徴とする(9)〜(13)のいずれか1項に記載の製造方法。
(15)前記混合有機顔料溶液と水性媒体とをマイクロリアクターの流路内で接触させることを特徴とする(9)〜(14)のいずれか1項に記載の製造方法。
(16)前記マイクロリアクターの流路の等価直径を1mm以下とすることを特徴とする(15)に記載の製造方法。
(17)前記混合有機顔料溶液と水性媒体とを層流過程で接触させることを特徴とする(9)〜(16)のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明に用いられる有機顔料は、色相ないし構造について特に限定されるものではなく、例えば、ペリレン化合物顔料、ペリノン化合物顔料、キナクリドン化合物顔料、キナクリドンキノン化合物顔料、アントラキノン化合物顔料、アントアントロン化合物顔料、ベンズイミダゾロン化合物顔料、ジスアゾ縮合化合物顔料、ジスアゾ化合物顔料、アゾ化合物顔料、インダントロン化合物顔料、インダンスレン化合物顔料、キノフタロン化合物顔料、キノキサリンジオン化合物顔料、金属錯体アゾ化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、トリアリールカルボニウム化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、アミノアントラキノン化合物顔料、ジケトピロロピロール化合物顔料、ナフトールAS化合物顔料、チオインジゴ化合物顔料、イソインドリン化合物顔料、イソインドリノン化合物顔料、ピラントロン化合物顔料、イソビオラントロン化合物顔料などが挙げられる。なかでも、フタロシアニン化合物顔料(特に無金属フタロシアニン顔料 PB−16が好ましい)、キナクリドン化合物顔料(特にPR−122が好ましい)、縮合アゾ化合物顔料(PY−128)、ジスアゾ化合物顔料(PY−14が好ましい)、ナフトール化合物顔料(PR−170)を用いることが好ましい。
本発明の微粒子状複合有機顔料は、前記3種以上の有機顔料を良溶媒に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とを接触させて析出生成させたものである。まず、上記混合有機顔料溶液の調製について説明する。
混合有機顔料溶液を調製するときに用いる良溶媒は、溶解する有機顔料が溶解すればどのようなものでもよいが、例えば、非プロトン性溶剤が挙げられ、水に対する溶解度が5質量%以上であるものが好ましく用いられ、さらには水に対して自由に混合するものが好ましい。具体的には、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶剤として挙げられる。中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトン又はアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。3種以上の顔料によりそれぞれ溶解性が異なるようであれば、最も多い量を用いる主成分顔料に併せて上記良溶媒種を選定することができる。このことは以下に述べる溶解条件についても同様である。
使用する塩基の量は特に限定されないが、無機塩基の場合、顔料に対して1.0〜30モル当量であることが好ましく、2.0〜25モル当量であることがより好ましく、3〜20モル当量であることが特に好ましい。有機塩基の場合は、顔料に対して1.0〜100モル当量であることが好ましく、5.0〜100モル当量であることがより好ましく、20〜100モル当量であることが特に好ましい。
使用する酸の量は特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、顔料に対して3〜500モル当量であることが好ましく、10〜500モル当量であることがより好ましく、30〜200モル当量であることが特に好ましい。
本発明において、水性媒体とは、水単独または水に可溶な有機溶媒の混合溶媒である。このとき有機溶媒の添加は、顔料や分散剤を均一に溶解するために水のみでは不十分な場合、および流路中を流通するのに必要な粘性を得るのに水のみで不十分な場合などに用いることが好ましい。有機溶媒として例えば、アルカリ性の場合はアミド系溶媒または含イオウ系溶媒であることが好ましく、含イオウ系溶媒であることがより好ましく、ジメチルスルホキシド(DMSO)であることが特に好ましい。酸性の場合はカルボン酸系溶媒、イオウ系溶媒、またはスルホン酸系溶媒であることが好ましく、スルホン酸系溶媒であることがより好ましく、メタンスルホン酸であることが特に好ましい。なお、水性媒体には必要に応じて無機化合物塩や後述する分散剤等を溶解させてもよい。
本発明においては、有機顔料を均一に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とをそれぞれ長さのある流路に、その同じ長手方向に送りこみ、その流路を通過する間に両液を接触させ微粒子状複合有機顔料を析出させることが好ましい。このとき懸濁液を投入すると粒子サイズが大きくなったり、粒子分布が広い顔料微粒子になったりし、場合によっては流路を閉塞してしまう。本発明において「均一に溶解」とは、可視光線下で観測した場合にほとんど濁りが観測されない溶液であり、1μm以下のミクロフィルターを通して得られる液相の状態、換言すれば1μmのフィルタを通した場合に濾過される物を液相中に含まない状態と定義する。
本発明においては、微粒子状複合有機顔料として共沈法により析出させたものを用いることが好ましく、有機顔料溶液および/または水性媒体中に分散剤を添加し、両者を接触させて形成したものであることが好ましい。分散剤は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細な顔料粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。このような分散剤として、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の、低分子または高分子分散剤を使用することができる。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
本発明の分散物に含有させた微粒子状複合有機顔料の粒径(本発明において粒径とは粒子の直径をいう。)及び単分散性は特に限定されないが、平均粒径がナノメートルサイズ(1μm未満)であり、100nm以下であることが好ましく、5〜80nmであることがより好ましく、5〜50nmであることが特に好ましい。単分散性については、その指標である体積平均粒径(Mv)を個数平均粒径(Mn)で除した値(Mv/Mn)を用い、その値が2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましく、1.5以下であることが特に好ましい。本発明において上記平均粒子径及び単分散度は特に断らない限り後記実施例に記載された方法で求めた値をいう。なお本発明において「分散物」とは、所定の微粒子を媒体に分散させた組成物をいい、その形態は特に限定されず、液状の組成物(分散液)、ペースト状の組成物、及び固体状の組成物を含む意味に用いる。本発明の分散物において、微粒子状複合有機顔料の含有率は特に限定されないが、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
本発明の分散物に含有させる微粒子状複合有機顔料は、マイクロリアクターの流路中で形成したものであることが好ましく、その好ましい態様として、(i)マイクロリアクターの流路の等価直径を1mm以下(好ましくは0.01〜0.5mm)にする態様、(ii)マイクロリアクターの流路中に層流を形成する態様が挙げられる。層流下で粒子形成を行うと、核生成から核成長の過程が安定化し粒子サイズが小さくかつ粒子分布が狭い微粒子を形成することができ、透明性が高く濁りのない顔料分散液が効率良く得られ、好ましい。とりわけ、層流過程で、しかも上述のようにpHを変化させながら顔料微粒子を析出させた分散液は、粒子サイズ、その分布、分散安定性、および生産性に優れ、特に好ましい。
Re<2300 層流
Re>3000 乱流
3000≧Re≧2300 過渡状態
これにより、液体Aは供給ブロック11の貫通孔18から外側環状溝16を経て合流ブロック12の貫通孔25を通り、長尺放射溝21の供給流路を流れる。その4つの分割流が合流部20に至る。一方、液体Bは供給ブロック11の貫通孔17から内側環状溝15を経て合流ブロック12の貫通孔26を通り短尺放射溝22の供給流路を流れる。その4つの分割流が合流部20に至る。合流部20において液体Aの分割流と液体Bの分割流とがそれぞれの運動エネルギーを有して合流した後、90°流れ方向を変えてマイクロ流路23に流入する。
本発明の分散物に含有させる微粒子状複合有機顔料は、重合性化合物の重合体が微粒子に固定化されているものであることが好ましい。固定化とは、含有する重合性化合物のすべて(あるいはその一部)が単独重合、あるいは共重合した状態で該微粒子状複合有機顔料と接している状態をいう。このとき重合体は、微粒子状複合有機顔料の表面上及び内部のいずれに存在していてもよく、重合体のすべて(あるいはその一部)が該微粒子状複合有機顔料と接している状態であればよく、分散物中での移動によっても脱離しないように接着していることが好ましい。ここで重合体とは、重合性化合物2分子以上が重合した結果生じた化合物をいい、微粒子上のすべての重合性化合物が重合反応に関与している必要はなく、未反応の重合性化合物が残存していてもよい。重合性化合物としては、例えば、特開2008−201914号公報の段落[0051]〜[0062]に記載の化合物を用いることができ、その使用方法も参照することができる。微粒子状複合有機顔料の堅牢性等を上げる目的で、紫外線吸収剤や酸化防止剤、香料、防カビ剤、表面張力調整剤、水溶性樹脂、殺菌剤、pH調整剤、尿素などの添加剤を併用してもよい。これらはその添加時期や方法は特に限定されない。
本発明の微粒子状複合有機顔料を含有する分散物は、インクジェットインク、自動車用塗料、筆記具用、捺染用水性塗料として好適に利用することができる。これらのインクもしくは塗料とするときに、上記再沈法で得られた分散物ないしその濃縮物を用いてもよいが、一度濃縮もしくは乾燥粉末として、それぞれのアプリケーションに応じた所定のバインダーや媒体に再分散させて用いることが好ましい。本発明の微粒子状複合有機顔料は所望の色味に調色されており、たとえば要求に応じて良好な色味を呈するものとしたオーダーメード顔料として提供することができる。特に、カーボンブラックに代替し、さらにそれでは実現できない黒色度と透明性(低ヘイズ)とを両立する色材として提供することもでき、濃度の低い塗料としても黒もしくはグレーの着色性に優れており工業用塗料として有用である。なお、本発明において黒とは、後記実施例に記載の測定方法により求めたO.D.(optical density:色濃度)値及びL*値(JIS−Z−8730 3.3 L*a*b*表示系参照)により定められる。
赤顔料(PR−122)15.38g 色相角343度と、黄色顔料(PY−128)8.1g 色相角94度と、青顔料(PB−16)4.96g 色相角226度とを、ジメチルスルホキシド(DMSO:有機溶剤)1.22 lにテトラメチルアンモニウムを25%溶解させた良溶媒68.2gで溶解させた。このとき、分散剤としてアクアロンKH−10(アニオン性界面活性剤)22.7gとポリビニルピロリドンK15(水溶性高分子分散剤)5.4gとを混合顔料溶解液に加えた。この混合顔料溶解液と水とを下記構造のマイクロリアクター内で接触混合させることで微細かつ単分散な混合ナノ顔料を得た。マイクロリアクター装置として、図1の中心衝突型マイクロリアクター装置を使用した。
(i)供給流路本数(n)・・・2種類の反応液それぞれについて5本に分割(合計10本の流路が合流する。なお図1の装置は各4本合計8本流路が合流する装置である。ただし、下記の符号は図1に記載のものに沿って示した。)
(ii)供給流路21、22の幅(W)・・・各400μm
(iii)供給流路21、22の深さ(H)・・・各400μm
(iv)合流領域20の直径(D)・・・800μm
(v)マイクロ流路23の直径(R)・・・800μm
(vi)合流領域20において各供給流路21、22とマイクロ流路23との中心軸同士の交差角度…90°
(vii)装置の材質・・・ステンレス(SUS304)
(viii)流路加工法・・・マイクロ放電加工で行い、供給ブロック11、合流ブロック12、反応ブロック13の3つのパーツの封止方法は鏡面研磨による金属面シールで行った。二つの入り口に長さ50cm、等価直径1mmのテフロン(登録商標)チューブ2本をコネクターを用いて接続し、その先にそれぞれ顔料溶解液と水とを入れたシリンジをそれぞれ繋ぎ、ポンプにセットした。コネクターの出口には長さ1.5m、等価直径2mmを有するテフロン(登録商標)チューブを接続した。
混合顔料溶解液を図1のa部分より150mL/min、水を図1のb部分より600mL/minの送液速度にて送り出し、複合顔料分散液を得た。この顔料分散液を限外濾過装置(アドバンテック東洋社製、UHP−25K、分画分子量5万)により液量を保持するよう蒸留水を加えながら精製・顔料濃度調整処理をした。得られた複合有機顔料分散物試料における、微粒子の粒径及び単分散度、分散安定性、ペーパークロマトによる色にじみ、および普通紙へ塗布したサンプルの底色、色相角再現性について下記表1に示した。
実施例1と同一顔料種で、添加割合を替えた、赤顔料(PR−122)11.9g黄色顔料(PY−128)11.9g、青顔料(PB−16)3.1g、を原料として、実施例1と同じ製法により、分散物を得た。結果を下表1に示した。
用いる顔料として赤顔料(PR−170)(色相角 10度)、黄色顔料(PY−14)(色相角93度)、青顔料(PB−16)とした以外は、実施例1と同じ製法により、分散物を得た。結果を下表1に示した。
実施例1と同じ組成の混合顔料溶解液を水を張って、攪拌したビーカーに滴下する方法で粒子形成を行い、その後、実施例1と同じ製法により分散物を得た。結果を下表1に示した。
・PY−128:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CROMOPHTAL YELLOW 8GNP(商品名)
・PB−16:東京化成工業(株)社製
・PR−122:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、Jet
Magenta DMQ(商品名)
・PR−170:クラリアント社製、 Graphtol Red F3RK70
・PY−14:クラリアント社製、 Graphtol Yellow GXS
・アクアロンKH−10:商品名、第一工業製薬(株)社製
・ポリビニルピロリドンK15:商品名、東京化成工業(株)社製
・25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液:商品名、和光純薬工業(株)社製
実施例1に対して3種の顔料を同時に良溶媒に溶解するのではなく、それぞれ溶解した顔料溶解液を調製した。これら3つの顔料溶解液を水と上記マイクロリアクターにより接触させ顔料微粒子分散物をそれぞれ得た。この3色の顔料微粒子分散物をビーカー内で混合し混色した分散物試料を得た。上記実施例1と同様に各項目について評価した結果を下表1に示す。ペーパークロマトにおいてY,M,C3色に分離した色が10cm以上の部位に観察された。
実施例1で用いた3種の顔料固体20質量%、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(分子量10000、酸価160)15質量%、グリセリン10質量%、イオン交換水55質量%で混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填したビーズミルを用いて40℃で8時間粉砕した。これを水で希釈して顔料濃度が5質量%であるブレークダウン顔料分散物を得た。この分散物を実施例1と同じ限外ろ過精製処理を行い、分散物を得た。上記実施例1と同様に各項目について評価した結果を下表1に示す。
特開2008−201914号公報(特許文献4)の実施例1を参考にして分散物を作成した。ピグメントイエロー128(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、CROMOPHTAL YELLOW 8GNP(商品名),最大吸収波長(λmax)=410nm)40g、ピグメントオレンジ13(東京化成(株)社製)0.8g、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬(株)社製)37g、アクアロンKH−10(商品名)(第一工業製薬(株)社製)32g、N−ビニルピロリドン(和光純薬(株)社製,減圧蒸留にて精製して使用)8g、ポリビニルピロリドンK30(商品名)(東京化成工業(株)社製)4gをジメチルスルホキシド600mLに室温で溶解し、これを混合顔料溶解液とした。実施例1と同様に処理を行い、分散物を得た。上記実施例1と同様に各項目について評価した結果を下表1に示す。
色相角h=tan−1(b*/a*)の関係より、色相角hを求めた。測定試料の作成方法は顔料分散物をバーコータNo.3で普通紙に塗布して作成した。本塗布サンプルを色相計「SpectroEye」(グレタグ社製)で測定。測定条件は観測光源D65、観測視野角10°とした。
[平均粒子径及び単分散度]
日機装(株)社製、商品名:ナノトラックUPAを用いて動的講散乱法による体積平均粒子径(Mv)及び単分散度(Mv/Mn)を求めた。
[分散安定性評価]
上記の分散体試料を60℃で240時間加熱保存処理した後の体積平均粒子サイズMvの変化率で評価した。Mv変化率4%未満を○、4%以上10%未満を△、10%以上を×とした。
[にじみ性評価]
ペーパークロマトグラフィー法で水を展開液として実施し、15cm展開したときの色分離性を目視評価した。結果を以下のとおりに区別し評価した。
○:原点から15cmまでにおいて色にじみがまったく観察されないもの
△:YMCの単色のうち、1色が色にじみとして観察されるもの
×:YMCの単色が2色以上が色にじみとして観察されるもの
[底色]
分散物試料を顔料濃度0.01質量%に調整し、普通紙にバーコータNO.3で塗布し乾燥後に目視により評価した。
[黒色度]
分散物試料を顔料濃度15質量%に調整し、塗布サンプルの測色計(グレタグ社製、商品名:SpectroEye)で色度を測定した。O.D.値が2.0以上でありかつL*値が2以下である場合に良好な黒であると判定した。
[色相角再現性]
同一処方・製法で5回繰り返し8%質量%分散物を作成し、それぞれの分散物塗布サンプルについて上記記載の方法で色相角を算出し、色相角度の変化幅より評価した。
○:色相角変化幅 5°未満
△:色相角変化幅 5°以上 20度未満
×:色相角変化幅 20度以上
11 供給ブロック
12 合流ブロック
13 反応ブロック
16 外側環状溝
15 内側環状溝
17、18 供給ブロックの貫通孔
20 合流部(合流領域)
21 長尺放射状溝
22 短尺放射状溝
23 反応ブロックの貫通孔(マイクロ流路からなる液体混合空間)
25、26 合流ブロックの貫通孔
Claims (17)
- 3種以上の有機顔料を粒子成分として有する微粒子状複合有機顔料の分散物であって、前記複合有機顔料が、前記3種以上の有機顔料を良溶媒に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とを接触させて析出生成させたナノメートルサイズの顔料微粒子であることを特徴とする複合有機顔料分散物。
- 前記微粒子状複合有機顔料が黒色有機顔料であることを特徴とする請求項1に記載の分散物。
- 前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料において色相角差異が60度以上となる有機顔料の組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の分散物。
- 前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料の混合比において、もっとも多い粒子成分が80質量%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散物。
- 前記微粒子状複合顔料の体積平均粒径(Mv)を100nm以下としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の分散物。
- 前記微粒子状複合顔料の体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)との比(Mv/Mn)を2.0以下としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの1項に記載の分散物。
- 前記微粒子状複合顔料の有機顔料成分のひとつとしてフタロシアニン顔料を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の分散物。
- 前記微粒子状複合顔料の分散物成分のひとつとして無金属フタロシアニン顔料PB−16を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の分散物。
- 3種以上の有機顔料を良溶媒に溶解した混合有機顔料溶液と水性媒体とを接触させて、前記3種以上の有機顔料を粒子成分として有する微粒子状の複合有機顔料を析出させることを特徴とする微粒子状複合有機顔料の製造方法。
- 前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料の混合比において、もっとも多い粒子成分を80質量%未満とすることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
- 前記微粒子状複合有機顔料の粒子成分となる該3種類以上の有機顔料の色相角差異が60度以上はなれた色の組合せを含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の製造方法。
- 前記混合有機顔料溶液が前記3種以上の有機顔料をアルカリまたは酸で溶解させた溶液として調製することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記微粒子状複合有機顔料の体積平均粒径(Mv)を100nm以下とすることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記微粒子状複合有機顔料の体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)との比(Mv/Mn)を2.0以下としたことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記混合有機顔料溶液と水性媒体とをマイクロリアクターの流路内で接触させることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記マイクロリアクターの流路の等価直径を1mm以下とすることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
- 前記混合有機顔料溶液と水性媒体とを層流過程で接触させることを特徴とする請求項9〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
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JP2010072365A Pending JP2011202081A (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | 微粒子状複合有機顔料の分散物及びその微粒子状複合有機顔料の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014214244A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | 顔料組成物及び顔料樹脂混合物 |
JP2016074773A (ja) * | 2014-10-03 | 2016-05-12 | Jsr株式会社 | 着色組成物、着色硬化膜、並びに表示素子及び固体撮像素子 |
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2010
- 2010-03-26 JP JP2010072365A patent/JP2011202081A/ja active Pending
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