JP2011000871A - 表面反応性支持体、それを用いた配線基板及びそれらの製造方法 - Google Patents

表面反応性支持体、それを用いた配線基板及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性に優れる表面反応性支持体を提供する。
【解決手段】HS-R-SiX3-nで示されるアルコキシシリル基含有チオール化合物やアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の支持体表面に付着させてなる表面反応性支持体。該表面反応性支持体を、積層材として用いた配線基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面反応性支持体、それを用いた配線基板及びそれらの製造方法に関する。
アルコキシシリル基含有化合物は、アルコキシシリル基の無機物表面のOH基との反応性を有するため、シランカップリング剤としてすでに広く使用されている。一方、チオール化合物も金属や樹脂との反応性に特徴がある(特許文献1、2)。
近年では、金属、セラミックス、樹脂及び無機物等の多種材料間の結合に使用しうる表面処理剤として、トリアジンジチオールが知られているものの、それ以外の系ではあまり知られていない(特許文献3、4、5)。
したがって、金属と表面処理樹脂との接着、金属と表面処理セラミックスとの接着、表面処理セラミックスと樹脂との接着等、異種材料間の接着を実現しうる新たな表面処理剤が所望されている。
最近では、接着界面に、有機物、金属及び無機物の三者が共存する場合もあり、多種の材料間に結合を発生させて機能を発揮するナノ機能物質の実現が待たれているのが現状であった。
特開平6−177535号公報 特開平6−177536号公報 特開2007−134525号公報 特開2007−131580号公報 特開2006−213677号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、金属材料、有機材料及び無機材料表面に反応性を付与することが可能な新規分子構造を有する化合物を用いた表面反応性支持体を提供することを目的とする。
本発明は、支持体表面に反応性官能基を導入する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記表面反応性支持体を、積層材として用いた配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1):
HS−R−SiX3−n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及び
HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の支持体表面に付着させてなる表面反応性支持体であり、
前記一般式(1)において、
前記Rは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、又は−CHCHCHCHCHCH−であり、
前記Xは、CH−、C−、n−C−、i−C−又はt−C−であり、
前記Yは、CHO−、CO−、n−CO−、i−CO−、n−CO−又はt−CO−である該表面反応性支持体であり、
支持体が、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体である該表面反応性支持体であり、
スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体が、銅表面を100℃以上に加熱処理することにより形成される該表面反応性支持体であり、
下記一般式(1):
HS−R−SiX3−n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及び
HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の表面に付着させる工程を含む表面反応性支持体の製造方法であり、
前記支持体表面に付着させる工程は、前記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶液に、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体を浸漬する工程を含む、該製造方法であり、
前記支持体表面に付着させる工程は、前記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶液を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体に噴霧する工程を含む、該製造方法であり、
支持体が、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体である該製造方法であり、
スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体が、銅表面を100℃以上に加熱処理することにより形成される該製造方法であり、
前記溶液中のアルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上の濃度が0.0001g/l以上500g/l以下の範囲である該製造方法であり、
該表面反応性支持体を、積層材として用いた配線基板であり、
下記一般式(1):
HS−R−SiX3−n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及び
HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の表面に付着させる工程と、
前記支持体を積層して配線基板とする工程とを含む配線基板の製造方法であり、
支持体が、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体である該配線基板の製造方法であり、
スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体が、銅表面を100℃以上に加熱処理することにより形成される該配線基板の製造方法である。
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体表面に付着させることにより、金属、無機材料、樹脂のいずれに対しても反応性を有し、接着性に優れる表面反応性支持体を製造することができる。
上記配線基板は、積層される材料間の密着性に優れるため、高温高湿下の耐久性等が改良され、高品質で信頼性の高い電子部品を製造することができる。
本発明によれば、金属と表面処理樹脂との接着、金属と表面処理セラミックスとの接着、表面処理セラミックスと樹脂との接着等、異種材料間の界面に、原子団及び分子レベルでのナノスケールの界面相を形成させることができ、多様な応用分野に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る銅箔積層版の構成を説明するための断面を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係るビルドアッププリント配線板の構成を説明するための断面を示す概念図である。
以下、本発明に係る表面反応性支持体、表面反応性支持体の製造方法、表面反応性支持体を積層材として用いた配線基板、及び該配線基板の製造方法の一例を、実施形態として説明する。
<表面処理剤>
本実施形態において、次の表面処理剤を支持体の表面に付着させることにより、後述する表面反応性支持体を得ることができる。
表面処理剤とは、下記一般式(1):
HS-R-SiX3-n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及び
HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上からなる。
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上は、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料との反応性に優れるチオール基及びアルコキシシリル基を含有する。
このため、当該アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を用いて、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料といった、支持体表面を処理することにより、支持体表面に当該チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上が付着し、これによって、接着又は密着等される任意の材料に対して高い表面反応性を有する支持体を得ることができる。
このため、支持体と被接着物の種類が異なる場合、つまり、金属と表面処理樹脂との接着、金属と表面処理セラミックスとの接着、表面処理セラミックスと樹脂との接着等の場合において異種材料間を強固に接着することが可能となる。
<表面反応性支持体>
本実施形態において、表面反応性支持体は、下記一般式(1):
HS-R-SiX3-n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及び
HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体表面に付着させることにより形成される。
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上は、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料との反応性に優れるチオール基及びアルコキシシリル基を含有する。
このため、当該アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を用いて、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体表面に、当該チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上が付着する。これによって、接着又は密着等する任意の材料に対して高い表面反応性を有する支持体を得ることができる。
このため、金属と表面処理樹脂との接着、金属と表面処理セラミックスとの接着、表面処理セラミックスと樹脂との接着等の場面において異種材料間を強固に接着することが可能となる。
<アルコキシシリル基含有チオール化合物>
上記式(1)において、Rはアルキレン鎖である。
は、例えば、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、又は-CHCHCHCHCHCH-である。
上記の中でも、-CHCHCH-等のプロピレン基が、効果が大きい点で、好ましい。
上記式(1)において、Xはアルキル基である。
Xは、例えば、CH-、C-、n-C-、i-C-又はt-C-である。
上記の中でも、メチル基が、効果が大きい点で、好ましい。
上記式(1)において、Yはアルコキシ基である。
Yは、例えば、CHO-、CO-、n-CO-、i-CO-、n-CO-又はt-CO-である。
上記の中でも、メトキシ基が、効果が大きい点で、好ましい。
上記式(1)において、化合物構造の主鎖に対して、Yのアルコキシ基の炭化水素鎖長が長すぎないため、アルコキシ基の反応性が抑制されず、反応性付与の目的の達成が容易である。Yのアルコキシ基に対して、Xの炭化水素鎖長が長すぎず、よって嵩張りが大きすぎないため、Yのアルコキシ基の反応性が抑制されず、支持体表面に反応性を付与することが容易である。
上記式(1)において、nは1、2又は3である。
反応性付与の点で、n=3の場合が好ましい。一方、保存安定性の点で、n=1の場合が好ましい。
<アルコキシオリゴマー>
上記HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマーとは、その側鎖又は末端のアルキル基の一部が、無機物と反応するアルコシキ基、樹脂と反応する反応性有機基、樹脂との相溶化や濡れを改良する相溶性有機基に置換されている構造を有する。
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を具体的に例示すると、メルカプトメチルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、1分子内にメルカプト基と加水分解性アルコキシ基を含有したアルコキシオリゴマー(信越化学工業社製 X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810)等が挙げられる。
上記の中でも、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び/又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが、効果が大きい点で、好ましい。
<支持体>
本実施形態において、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上が付着され、反応性を付与される支持体は、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種である。
これらの中では、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅が、高温高湿環境下で長期間放置しても、強度が低下しにくい点で、好ましい。スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことにより、本発明の効果を有する。
本発明の(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅とは、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金等で形成される、所謂バリヤ層や安定剤層と呼ばれるような金属薄膜層が表面に存在しない銅を用いて、表面を酸化処理して酸化銅被膜が形成された銅をいう。ここで銅の表面を酸化処理して酸化銅被膜を形成させる方法は特に制限はなく、銅表面を脱脂後、酸化性溶液と接触させる方法や、空気等の酸化雰囲気下で加熱処理する方法等が用いられる。酸化性溶液としては過酸化水素−希硫酸水溶液、過マンガン酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が好ましく用いられる。酸化雰囲気下で加熱処理する条件としては、空気中、20℃〜300℃の温度で、1分〜60分まで加熱する加熱処理が好ましい。接着性の点で、50℃〜200℃の温度が好ましく、100〜180℃がより好ましく、120〜160℃が最も好ましい。特に、100℃以上、5〜20分が好ましい。
このような方法により形成される酸化銅被膜は樹脂状或いは団塊状に成長した酸化銅被膜であり、この形態が接着性の向上に有効である。なお、自然に発生する非樹脂状層或いは非団塊状層の酸化銅被膜は本発明の範囲には入らない。表面処理剤で処理した銅を、表面に酸化銅被膜を形成するために酸化処理した銅は、効果が小さいので、除外した方が好ましい。
本発明の(2)金は、金箔でも、蒸着で得られる薄膜であっても、メッキで得られるものであっても、何ら制限はない。
本発明の(3)アルミニウムは、アルミニウム箔でも、蒸着で得られる薄膜であっても、メッキで得られるものであっても、何ら制限はない。
本発明の(4)高分子材料としては、高分子であれば特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
支持体は、例えば、配線板を構成する積層材に好ましく用いられる。配線板を構成する積層材として用いる場合、支持体の材料は、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化被膜が形成された銅が好ましい。配線板を構成する積層材として用いる場合、支持体の材料は、エポキシ樹脂も好ましい。
<表面反応性支持体の製造方法>
本実施形態に係る表面反応性支持体の製造方法は、
下記一般式(1):
HS-R-SiX3-n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及び
HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体表面に付着させる工程を含む。
例えば、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を含む溶液を調製し、これに(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体を浸漬すると、支持体の表面の水酸基等の官能基とアルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上のアルコキシシリル基或いはチオール基が反応して、アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上が支持体表面に化学的に固定される。
上記支持体表面に付着させる工程は、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を含有する溶液に、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体を浸漬する工程を含む。
上記支持体表面に付着させる工程は、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を含有する溶液を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体に噴霧する工程を含む。
この際、アルコキシシリル基或いはチオール基のいずれが、支持体表面の官能基と反応するかについては定かではない。支持体表面に、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上が固定されることにより、アルコキシシリル基或いはチオール基に由来する反応性が支持体表面に付与される。
このような反応性を有する支持体表面は、材料と反応するため、金属と高分子材料等の異種材料の接着、高分子材料表面の金属化、処理した無機材料と高分子材料との反応による高分子材料への補強性付与等の応用展開が可能となる。
<溶剤>
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を希釈して用いる場合には、溶剤が使用される。
この溶剤は、特に限定されず、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を溶解する溶剤であれば何でも使用することができる。
溶剤としては、例えば、n−ヘキサンやトルエン等の炭化水素系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、カルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶剤、及び、これらの混合溶媒等が挙げられる。とくに、アルコール系溶剤や炭化水素系溶剤、特にn−ヘキサンやエタノール等が好ましく用いられる。
溶剤としては、エタノールやn−ヘキサン及びメチルエチルケトンが、効果が大きい点で、好ましい。
上記表面処理用溶液中のアルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上の濃度は、特に制限はないが、0.0001g/l以上500g/l以下の範囲内が好ましく、0.01g/l以上200g/l以下の範囲内がより好ましい。
アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上の濃度が0.0001g/l以上であれば、反応性付与に時間がかかりすぎず、200g/l以下であれば、濃度が高すぎないため扱いが比較的容易である。
上記方法において、処理温度は0℃以上100℃以下の範囲が好ましく、10℃以上80℃以下の範囲内がより好ましく、15℃以上35℃以下の範囲内が最も好ましい。
処理温度が0℃以上であれば冷却操作が付与であり、100℃以下であれば試料の扱いが比較的容易である。
処理時間は、1分間から24時間の範囲が好ましく、2時間から24時間の範囲がより好ましく、2時間から6時間の範囲が最も好ましい。
処理支持体の温度を冷却等が必要なときに温度を一定に保つ場合や、処理液中のアルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上の濃度が高い場合は、長い時間を必要とせず、少なくとも1分間の処理時間が必要である。処理液中のアルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上の濃度が低い場合は、長い処理時間が必要となり、24時間程度が適当となる。
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上による表面処理の後、支持体を乾燥するが、このとき常温下でも加熱下でもいずれの温度条件で乾燥して構わない。
窒素気流下でも空気下で乾燥しても、いずれでも構わない。好ましくは窒素気流下にて常温で乾燥するのがよい。
上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上による表面処理の後に、処理後の支持体を溶剤で洗浄することが好ましい。
このときの溶剤は、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を溶解する溶剤であれば特に制限はなく、上記に挙げた溶剤を用いることができる。
洗浄に用いる溶剤としては、エタノールやn−ヘキサン及びメチルエチルケトンが、効果が大きい点で、好ましい。
溶剤で洗浄することにより、支持体表面に物理的に吸着された過剰のアルコキシシリル基含有チオール化合物及び/又はアルコキシオリゴマーが除去され、化学的に固定されたアルコキシシリル基含有チオール化合物及び/又はアルコキシオリゴマーのみが支持体表面に残留するようになる。
上記のようにして反応性を付与された支持体の利用分野としては、接着、転写、補強及び離型等の分野が挙げられる。
例えば、プラスチックメッキにおけるプラスチックと生成銅メッキとの接着のように、化学的に成長した銅原子とプラスチックの接着において、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上を用いることで、化学的に成長した銅原子とプラスチックの接着が可能となる。
例えば、未粗化エポキシ樹脂表面を、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で処理して、エポキシ樹脂表面に反応性を付与し、引き続いてこれをパラジウム触媒に浸漬すると、チオール基がPdメルカプチド化した反応性付与エポキシ樹脂表面が得られる。その後、これをプラスチックメッキ用還元性銅水溶液に浸漬すると、樹脂表面に銅が析出し、樹脂面が高い接着力の銅で被覆される。
無機材料を、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上の溶液に浸漬して処理すると、表面がチオール基で被覆された無機材料が得られる。これを還元性金属イオン溶液(金、銅、銀、ニッケル、鈴、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の金属塩と、亜燐酸、ホルマリン、リチウムボロンハイドライド、ヒドラジン等の還元剤)に浸漬すると、表面が金属で被覆された無機材料が得られる。
金属、セラミックス等の無機物や樹脂との反応性に優れるチオール基及びアルコキシシリル基を含有する上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で支持体を表面処理することにより、支持体表面に当該チオール化合物が付着し、これによって高い表面反応性を支持体に付与することができる。このため、金属と表面処理樹脂との接着、金属と表面処理セラミックスとの接着、表面処理セラミックスと樹脂との接着等異種材料間を強固に接着することが可能となる。
<配線基板及びその製造方法>
本実施形態に係る配線基板は、
下記一般式(1):
HS-R-SiX3-n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及びHS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体表面に付着させてなる表面反応性支持体を積層材として用いた配線基板である。
本実施形態に係る配線基板の製造方法は、
下記一般式(1):
HS-R-SiX3-n・・・(1)
[式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
及びHS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体表面に付着させる工程と、
前記支持体を積層して配線基板とする工程とを含む配線基板の製造方法である。
本実施形態に係る表面反応性支持体、及びその製造方法の利用分野として、プリント配線板やビルドアッププリント配線板における導体金属と絶縁材料の樹脂の接着性の改良が挙げられる。
プリント配線板やビルドアッププリント配線板において、導体金属として、銅等が、絶縁材料として、エポキシ樹脂、イミド樹脂等の耐熱性熱硬化性樹脂や耐熱性熱可塑性樹脂等が、用いられる。これらの金属と絶縁材料の間の接着性を改良するために、例えば、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅を、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で処理することにより、銅表面に反応性を付与する。この銅の上にエポキシ樹脂等の絶縁材料を積層することにより、銅と絶縁材料の密着性が高まり、高温高湿下での耐久性等が改良される。
エポキシ樹脂等の絶縁材料を上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で処理して絶縁材料の表面に反応性を付与し、この絶縁材料の上に銅等の金属を積層しても、同様の効果が得られる。
<エポキシ樹脂>
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAのノボラック型等が挙げられる。
これらの中では、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型及びビスフェノールAノボラック型のノボラックエポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種以上が、光硬化性やはんだ耐熱性の点で、好ましい。
エポキシ樹脂を、光硬化性の点で、エチレン性不飽和結合にて変性することが好ましい。エチレン性不飽和結合にて変性する場合、光硬化性の点で、(メタ)アクリル変性することが好ましい。
<接着剤>
本発明の表面反応性支持体を接着させるのに適した物質としては、ソルダーレジストが挙げられる。ソルダーレジストとしては、効果が大きい点で、部分アクリル変性ノボラックエポキシ樹脂が好ましい。
本発明の表面反応性支持体を接着させるのに適した接着剤としては、常温硬化型二剤接着剤が挙げられる。常温硬化型二剤接着剤としては、重合性ビニルモノマー、重合開始剤、硬化促進剤、エラストマー成分を含有する接着剤が好ましい。リン酸塩、パラフィン類、重合禁止剤を含有しても良い。常温硬化型二剤接着剤の使用方法としては、第一剤と第二剤に分け、第一剤に少なくとも重合開始剤と重合禁止剤を含有し、第二剤に、少なくとも硬化促進剤とリン酸塩を含有することが好ましい。
重合性ビニルモノマーとしては、その種類及び構造等特に制限はないが、反応性及び接着性の点で、(メタ)アクリルモノマーが好ましい。これらの中では、接着性の点で、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含有するものが好ましく、以下<1>又は<2>がより好ましい。
<1>アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートを含有する(メタ)アクリルモノマー。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートやジシクロペンテニルオキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートの使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部中、質量比で、アルキル(メタ)アクリレート:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート:ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート=30〜90:40〜80:5〜40が好ましく、40〜80:10〜30:10〜30がより好ましい。
<2>ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシ基を含有する(メタ)アクリレート及びビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する(メタ)アクリルモノマー。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。
フェノキシ基を含有する(メタ)アクリレートとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンが好ましい。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシ基を含有する(メタ)アクリレート及びビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートの使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部中、質量比で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート:フェノキシ基を含有する(メタ)アクリレート:ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート=25〜50:20〜70:2〜20が好ましく、35〜60:35〜60:5〜15がより好ましい。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物が好ましく、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましい。
硬化促進剤は、前記重合開始剤と反応し、ラジカルを発生するものであれば使用できる。硬化促進剤としては、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び金属塩等が挙げられる。
第3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。金属塩としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
硬化促進剤の使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
エラストマー成分としては、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリレート共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MMA−BD−ST共重合体)、並びにアクリロニトリル−ブタジエンゴム(AN−BDゴム)、線状ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びブタジエンゴム等の各種合成ゴム、天然ゴム、スチレン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン−EPDM合成ゴムといったオレフィン系熱可塑性エラストマー、並びにカプロラクトン型、アジペート型及びPTMG型といったウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールマルチブロックポリマーといったポリエステル系熱可塑性エラストマー、ナイロン−ポリオールブロック共重合体といったポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、並びに塩ビ系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマー成分は相溶性が良ければ、1種又は2種以上使用しても良い。
これらの中では、効果が大きい点で、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及び/又はアクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましく、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を併用することがより好ましい。
エラストマー成分の使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。
リン酸塩としては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン酸塩の使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
パラフィン類としては、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデリラろう等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、パラフィンが好ましい。
パラフィン類の使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部に対して、0.1〜5質部が好ましく、0.3〜2.5質量部がより好ましい。
本発明の表面反応性支持体を接着させるのに適した接着剤としては、光硬化型接着剤が挙げられる。光硬化型接着剤としては、表面硬化性及び硬化後の硬度の点で、ポリエン、ポリチオール及び光重合開始剤を含有するものが好ましい。
ポリエンとしては、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能性の化合物をいう。ポリエンとしては、アリルアルコール誘導体、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類、ウレタン(メタ)アクリレート及びジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
アリルアルコール誘導体としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル及びソルビトールジアリルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類の中で、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。
これらの中では、ポリチオールとの反応性の点で、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート及びマレイン酸ジアリルからなる群から選ばれる1種以上のものが好ましく、マレイン酸ジアリルがより好ましい。
ポリチオールとしては、1分子中に2個以上のチオール基を有する多官能性の化合物をいう。ポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類の中で、メルカプトカルボン酸としては、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸及びβ−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類の中で、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。
脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類としては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール及びキシレンジチオール等が挙げられる。
これらの中では、臭気が少ない点で、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類が好ましい。
本実施形態に係る光硬化型接着剤において、ポリチオールを併用した場合のポリエンとポリチオールの使用割合は、ポリエン中の炭素−炭素二重結合基とポリチオール中のチオール基とが、モル比で5:1〜1:5であることが好ましく、1:1であることがより好ましい。
本発明に用いる光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、イソプロピルチオキサントンやジエチルチオキサントン等のチオキサントンアシルホスフィンオキサイド、ベンジル、カンファーキノン、アントラキノン並びにミヒラーケトン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中では、耐黄変性の点で、ベンゾインエーテル系光重合開始剤が好ましく、ベンゾインエチルエーテルがより好ましい。
光重合開始剤の使用量は、ポリエンとポリチオールの合計100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
上記接着剤については、被着体との親和性の点で、シランカップリング剤を使用しても良い。
シランカップリング剤としては、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランからなる群のうちの1種以上が好ましい。
シランカップリング剤の使用量は、光硬化型接着剤100質量部中、0.01〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましい。
上記接着剤については、貯蔵安定性の面で、重合禁止剤を使用しても良い。
重合禁止剤としては、N−ニトロソフェニル・ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェノ−ル、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−タ−シャリー−ブチルフェノール)、ヒドロキノン及びモノメチルエーテルが挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、N−ニトロソフェニル・ヒドロキシルアミンアンモニウム塩及び/又は2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)が好ましい。
常温硬化型二剤接着剤の場合、重合禁止剤の使用量は、(メタ)アクリルモノマー100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜1.5質量部がより好ましい。
光硬化型接着剤の場合、重合禁止剤の使用量は、光硬化型接着剤100質量部中、0.0001〜0.02質量部が好ましく、0.0005〜0.005質量部がより好ましい。
上記接着剤については、被着体との親和性の点で、応力減少剤を使用しても良い。
応力減少剤としては、1−ジメチルアミノ−2−プロピン、1−ジエチルアミノ−2−プロピン、1−ジエチルアミノ−4−ヒドロキシ−2−プロピン、1−ジエチルアミノ−4−ヒドロキシ−2−プロピン等のアミノアセチレン化合物、2−ブチン−1,4−ジオール、プロパギルアルコール、2−ブチン−1,4−ジオールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加した化合物、プロパギルアルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加した化合物、アリールスルホン酸ナトリウム、プロパルギルスルホン酸ナトリウム、3,3−チオジプロピオニトリル、ホルマリン及びアミノアセチレンアルコール等が挙げられる。
応力減少剤の使用量は、光硬化型接着剤100質量部中、0.01〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましい。
上記接着剤については、被着体との接着性の点で、酸性リン酸化合物を使用しても良い。
酸性リン酸化合物としては、10−(メタ)アクリロイルオキシデカメチレンリン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート・モノエタノールアミンハーフソルト、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等が挙げられる。
これらの中では、効果が大きい点で、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
酸性リン酸化合物の使用量は、光硬化型接着剤100質量部中、0.05〜10.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましい。
プリント配線板やビルドアッププリント配線板における適用例として、具体的には次のものが挙げられる。
例えば、図1に示すような銅張積層版1では、銅箔2とプリプレグ3との積層プレスにより加熱加圧して積層接着を行っているが、銅箔2の片面は粗面化されており、この面とプリプレグ3が接着される。図1の銅張積層版1はコア層4を備えている。
銅箔2を、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅を用い、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で処理することにより、プリプレグ3との密着性が向上し、耐久性が高まるとともに、銅箔1の粗面を平坦化することができ、電気特性が改善できる。
多層プリント配線板の内層の導体パターンとプリプレグの樹脂との接着においても、導体表面を粗化しているが、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅を用い、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で導体表面を処理することにより、プリプレグとの密着性が向上し、耐久性が高まるとともに、導体表面の粗面を平坦化することができ、電気特性が改善できる。
例えば、図2に示すようなビルドアッププリント配線板5において、アディティブ法では、ビルドアップ層6の樹脂面に無電解メッキを行い導通化し、その表面に導体パターンを作製する。このとき無電解メッキの密着性を高めるため、通常、樹脂表面は微細に粗面化されるが、樹脂表面を上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で処理することにより、無電解メッキとの密着性が向上され耐久性が高まるとともに、樹脂表面の粗面を平坦化することができ、電気特性が改善できる。図2の銅張積層版5はコア層7を備えている。
ビルドアッププリント配線板5において導体層と絶縁層の積み上げ工程を繰り返した後に、或いはプリント配線版において絶縁層の上に導体パターンを形成させた後に、後処理として導体パターンの完成したプリント基板上に、絶縁性維持や半田9の付着防止、導体の保護等を目的にソルダーレジスト層8を形成させる。
この際、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で、ソルダーレジスト層8が積層される基材(導体層(なお導体層はスズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅で形成される)、絶縁層)6の表面を処理することにより、その上に形成されるソルダーレジスト層8との密着性が高まるため、高温高湿下での耐久性等が改良される。
本実施形態において、支持体を、アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上で処理する方法として、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選択される1種以上の溶液に支持体を浸漬する方法の他に、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及び/又はアルコキシオリゴマーの溶液を支持体に噴霧することも可能であるし、液状のアルコキシシリル基含有チオール化合物及び/又はアルコキシオリゴマーの場合は、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及び/又はアルコキシオリゴマーそのものに支持体を浸漬したり、上記アルコキシシリル基含有チオール化合物及び/又はアルコキシオリゴマーそのものを支持体に噴霧したりすることも可能である。
以上説明したように、本発明に係る表面反応性支持体は、高い表面反応性を有し、異種材料間を強固に接着することができるという効果を奏するため、様々な分野で用いることができ、特にプリント配線基板等の電子部品の製造に好適に用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。特記しない限り、実施例及び比較例は27℃の温度で実施した。常温硬化型二剤接着剤及び光硬化型接着剤の配合量は、表1〜3に示した。
[溶液浸漬処理法]
(実施例1)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−803)0.196gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1mM(0.196g/l)溶液を調製した。
10%硫酸処理済み銅箔に140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成したものを、上記溶液に2時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例2)
実施例1と同様の溶液を調製した。
10%硫酸処理済み銅箔に140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成したものを、上記溶液に24時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例3)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−803)196gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1M(196g/l)溶液を調製した。
10%硫酸処理済み銅箔に140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成したものを、上記溶液に2時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例4)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−803)原液を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、溶液浸漬処理済銅箔を作製した。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
[噴霧処理法1]
(実施例5)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−803)10gに対し、メチルエチルケトン100mlを加え、10%(100g/l)溶液を調製した。
これを100mlビーカー内に20ml充填し、10%硫酸処理済銅箔に140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成したもの10cm×10cmを張付けた密閉ガス置換ボックス内にて、エアーポンプにより大気バブリングを6時間実施した。
その後、銅箔をn−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、噴霧処理済銅箔とした。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例6〜11)
実施例1同様に銅箔を調製し、各種被着体との接着に使用した。条件は表4に従った。銅箔については、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例12)
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−802)0.180gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1mM(0.180g/l)溶液を調製した。
10%硫酸処理済み銅箔に140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成したものを、上記溶液に24時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例13)
1分子内にメルカプト基と加水分解性アルコキシ基を含有したアルコキシオリゴマー(信越化学工業社製 X−41−1805)1.00gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1mM(0.100g/l)溶液を調製した。
10%硫酸処理済み銅箔に140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成したものを、上記溶液に24時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。この銅箔は、表面解析により、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在しないことが確認された。
(実施例14)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−803)0.196gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1mM(0.196g/l)溶液を調製した。
この溶液にAu箔を2時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済Au箔とした。
[溶液浸漬処理法]
(比較例1)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−803)0.196gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1mM(0.196g/l)溶液を調製した。
この溶液に10%硫酸処理済み銅箔を2時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。
(比較例2)
トリエチレングリコールジメルカプタン(丸善石油化学社製 DMDO)0.200gに対し、n−ヘキサン1000mlを加え、1mM(0.200g/l)溶液を調製した。これに140℃×10分間の加熱処理を施し、酸化被膜を形成した10%硫酸処理済み銅箔を2時間浸漬し、n−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、溶液浸漬処理済銅箔とした。
(比較例3)
浸漬時間を24時間とした以外は、比較例2と同様にして浸漬処理銅箔を作製した。
[噴霧処理法]
(比較例4)
トリエチレングリコールジメルカプタン(丸善石油化学社製 DMDO)10gに対し、メチルエチルケトン100mlを加え、10%(100g/l)溶液を調製した。
これを100mlビーカー内に20ml充填し、10%硫酸処理済銅箔10cm×10cmを張付けた密閉ガス置換ボックス内にて、エアーポンプにより大気バブリングを6時間実施した。その後、銅箔をn−ヘキサンにて3回洗浄実施後、窒素ガス乾燥を行い、噴霧処理済銅箔とした。
(比較例5〜6)
比較例1同様に銅箔を調製し、各種被着体との接着に使用した。
上記の処理済金属箔について、下記の通り各種物性を測定した。
[銅箔の表面解析]
上記方法により処理した金属箔は、フーリエ変換赤外分光法及びエネルギー分散型蛍光X線分析法により、その表面解析を実施した。
[銅箔の表面解析の結果]
フーリエ変換赤外分光法及びエネルギー分散型蛍光X線分析法測定により、銅箔の表面解析を実施した結果によれば、フーリエ変換赤外分光スペクトルから、何れの表面処理済み銅箔においても表面処理成分帰属のピーク(KBM−803、DMDO)が検出されていることがわかる。
一方、エネルギー分散型蛍光X線チャートから、KBM−803処理済銅箔のSKa、SiKa、OKa帰属のピーク増大が検出されたのに対し、DMDO処理済銅箔表面から、SKa帰属のピークは極微小にしか検出されなかった。これより、KBM−803が銅箔への表面処理能力が高いことがわかる。
[ピール強度測定及び破壊状態の観察]
上記方法により処理した金属箔(100mm×10mm×0.1mmt)とガラス(100mm×25mm×2.5mmt)をソルダーレジスト(部分アクリル変性ノボラックエポキシ樹脂)又は光硬化型接着剤にて接着し、90°引張試験(引張速度は10mm/min)を実施することにより、ピール強度を算出した。
HAST(温度130℃、相対湿度90%)50時間後のピール強度も同様に測定した。HAST50時間後のピール強度測定後、被着体の破壊状態を観察した。凝集破壊が存在することが、界面への水分等の浸入が抑制されており、接着力が大きい点で、好ましい。界面破壊は存在する場合、水分等が界面に浸入し、箔とソルダーレジストの接着力を低下するので、好ましくない。
ここで、実施例1〜7、12〜14及び比較例1〜4についてはソルダーレジストを用いた。
実施例1の溶液浸漬処理済銅箔に光硬化型接着剤[1]及び[2]を用いたものをそれぞれ実施例8及び9とし、実施例1の溶液浸漬処理済銅箔に常温硬化型二剤接着剤[3]及び[4]を用いたものをそれぞれ実施例10及び11とし、比較例2の溶液浸漬処理済銅箔に光硬化型接着剤[1]及び[2]を用いたものをそれぞれ比較例5及び6とした。
パラフィン類として、パラフィンを使用した。重合禁止剤として、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)を使用した。リン酸塩として、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートを使用した。2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンとして、新中村化学(株)NKエステルBPE−200を使用した。
常温硬化型二剤接着剤及び光硬化型接着剤は、表1〜3の配合量で各物質を混合して組成物を調製し、これらを用いて銅箔上に硬化物を作製後、ピール強度を測定した。
Figure 2011000871
Figure 2011000871

Figure 2011000871

ソルダーレジストは、表面処理済銅箔側に塗布し、ガラスと接合させ、60℃13分、65℃5分、70℃5分、75℃25分の順に加熱後、ガラス側よりFUSION社製UV照射機にて積算光量500mJ/cmを照射し仮硬化させ、その後、同社製UV照射機にて積算光量1250mJ/cmを照射、120℃30分、170℃60分の順に加熱し硬化させた。
常温硬化型二剤接着剤は、片側被着体に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後直ちにもう片側の被着体を重ね合わせて貼り合せ、23℃×50%RH(RHは相対湿度)×24時間養生したものを試料とした。
光硬化型接着剤は、FUSION社製UV照射機にて積算光量3000mJ/cmをガラス側から照射し、硬化させた。
Figure 2011000871
10%硫酸処理済銅箔は次のように調製した。即ち、窒素雰囲気下で10%硫酸水溶液中に銅箔を1分間浸漬した。続いて取り出した銅箔を窒素雰囲気下、純水で3回水洗し、その後窒素気流で風乾し、10%硫酸処理済銅箔を得た。
<実験の考察>
実施例1については、溶液浸漬処理法により、1mM(0.196g/l)KBM−803溶液処理を施した銅箔のフーリエ変換赤外分光スペクトルは、1088cm−1、2840cm-1(Si−O−C−結合)、及び2568cm−1(−SH結合)にKBM−803帰属の吸収ピークが観測されており、更にエネルギー分散型蛍光X線チャートでは、SKa、CKaに基づくピーク強度がそれぞれ2、2cpsから8、7cpsに増大し、更にSiKaに基づくピークが新規に10cpsの強度で発現した。
実施例3については、溶液浸漬処理法により、1M(196g/l)KBM−803溶液処理を施した銅箔のフーリエ変換赤外分光スペクトルは、1088cm−1、2840cm-1(Si−O−C−結合)、及び2568cm−1(−SH結合)にKBM−803帰属の吸収ピークが観測されており、更にエネルギー分散型蛍光X線チャートでは、SKa、CKaに基づくピーク強度がそれぞれ2、2cpsから40、10cpsに増大し、更にSiKaに基づくピークが新規に55cpsの強度で発現した。
(比較例2)
これに対して、溶液浸漬処理法により、DMDO処理を施した銅箔のフーリエ変換赤外分光スペクトルは、2568cm−1(−SH)にDMDO帰属の吸収ピークが観測されているが、エネルギー分散型蛍光X線チャートでは、SKaに基づくピークは2cpsから4cpsと微少な増大にとどまり、更にCKaに基づくピーク強度は2cpsから増大しなかった。
表4に示した結果から分かるように、比較例のように、DMDOにより表面処理を実施した銅箔はHAST(温度130℃、相対湿度90%)50時間経過後にピール強度試験を行った場合、急激なピール強度の低下が観測された。
これに対し、実施例の、KBM−803により表面処理を実施した銅箔は、HAST試験後も良好なピール強度を保持していることがわかる。加えて、実施例の、KBM−803により表面処理を実施した銅箔は、ソルダーレジスト及び接着剤双方に対して良好なピール強度を示している。実施例は、高温高湿下で長時間放置しても、接着性が低下しにくい。
破壊状態を観察したところ、比較例の場合、銅箔界面破壊であったのに対して、実施例のようにKBM−803により表面処理を実施した銅箔は、凝集破壊/銅箔界面破壊混在であったことからも、後者が強固な接着力が得られることが分かる。
実施例の、KBM−803により表面処理を実施したAu箔でも強固な接着力が得られることが分かった。
酸化被膜を形成した銅箔についてのみ、HAST50時間後のピール強度保持率は高く、銅箔表面への酸化被膜の形成は接着耐久性に必須であることがわかった。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。しかし、この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 銅箔積層版
2 銅箔
3 プリプレグ
4 コア層
5 ビルドアッププリント配線板
6 ビルドアップ層
7 コア層
8 ソルダーレジスト層
9 半田バンプ
10 アンダーフィル材
11 シリコンチップ

Claims (14)

  1. 下記一般式(1):
    HS−R−SiX3−n・・・(1)
    [式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
    及び
    HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
    からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の支持体表面に付着させてなる表面反応性支持体。
  2. 前記一般式(1)において、
    前記Rは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、又は−CHCHCHCHCHCH−であり、
    前記Xは、CH−、C−、n−C−、i−C−又はt−C−であり、
    前記Yは、CHO−、CO−、n−CO−、i−CO−、n−CO−又はt−CO−である請求項1に記載の表面反応性支持体。
  3. 支持体が、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体である請求項1又は2記載の表面反応性支持体。
  4. スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体が、銅表面を100℃以上に加熱処理することにより形成される請求項3に記載の表面反応性支持体。
  5. 下記一般式(1):
    HS−R−SiX3−n・・・(1)
    [式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
    及び
    HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
    からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の表面に付着させる工程を含む表面反応性支持体の製造方法。
  6. 前記支持体表面に付着させる工程は、前記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶液に、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体を浸漬する工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記支持体表面に付着させる工程は、前記アルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶液を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)アルミニウム及び(4)高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体に噴霧する工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  8. 支持体が、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体である請求項5〜7のうちの1項に記載の製造方法。
  9. スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体が、銅表面を100℃以上に加熱処理することにより形成される請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記溶液中のアルコキシシリル基含有チオール化合物及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上の濃度が0.0001g/l以上500g/l以下の範囲である請求項5〜9のうちの1項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜4のうちの1項に記載の表面反応性支持体を、積層材として用いた配線基板。
  12. 下記一般式(1):
    HS−R−SiX3−n・・・(1)
    [式中、Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]で表されるアルコキシシリル基含有チオール化合物、
    及び
    HS−R−及び−Si−X3−nで表される構造を有するアルコキシオリゴマー[Rは、アルキレン鎖であり、Xはアルキル基であり、Yはアルコキシ基であり、nは、1から3までの整数を意味する]
    からなる群から選ばれる1種以上を、(1)スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅、(2)金、(3)及び高分子材料から形成される少なくとも1種の支持体の表面に付着させる工程と、
    前記支持体を積層して配線基板とする工程とを含む配線基板の製造方法。
  13. 支持体が、スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体である請求項12に記載の配線基板の製造方法。
  14. スズ、ニッケル、クロム、亜鉛、コバルト、インジウム、モリブデン、アルミニウム又はこれらの合金が表面に存在せず、かつ表面に酸化銅被膜が形成された銅から形成される支持体が、銅表面を100℃以上に加熱処理することにより形成される請求項13に記載の配線基板の製造方法。
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