JP2010539441A - 時計表示機構の修正デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、第1表示部材を含むタイプの、時計の表示機構によって与えられる時間表示を修正するデバイスに関し、このデバイスは、少なくとも1つの時間表示修正位置Aをとるように構成された巻真と、巻真に回転的に結合されたピニオンと、巻真が修正位置Aをとっているときにピニオンに機構的に連結される修正動作伝達部と、表示部材と係合し、修正動作伝達部によって作動される修正車組立体とを備える。本発明によると、修正動作伝達部は、内周および外周の少なくとも一方が少なくとも間接的に前記修正車組立体とかみ合う歯を備えた内周および外周を有するリングによって形成される。

Description

本発明は、時計学の分野に関する。より具体的には、日付、曜日、月などの時間表示を表示する機構を修正するデバイスに関する。
時間表示を表示する機構は、駆動機構によって回転作用を受ける円板またはリングなどの1つまたは複数の表示部材を含む。このような表示機構の修正デバイスは、当業者に既知である。この修正デバイスは、主に、少なくとも1つの時間表示修正位置をとるように構成された巻真と、巻真に回転しないように固定されたピニオンと、巻真が修正位置にあるときにピニオンとかみ合う中間車と、中間車によって作動させられ、第1表示部材と協働する修正車セットとを含む。このユニットは、通常、底板の上、文字板の側に取り付けられる。
表示機構が2つの表示部材を有するとき、ある修正位置から他の修正位置への変更が巻真の回転方向を逆にすることによって起こるように、修正車セットは、2つの修正位置の間に摺動可能に取り付けられる。したがって、修正車セットは、たとえば、中間車によって作動されるレバー上に取り付けられる。中間車、レバー、および修正車セットによって形成される組立体は、巻真の近く、3時のところに配置される。この組立体は相当量の空間を占め、そのため、他の部品が巻真の近くにある場合、組み込みに都合が悪くなる。これは、特に、クロノグラフのカウンター軸が巻真に近接して底板を貫通するときに起こる。したがって、表示機構修正デバイスに利用可能な空間は、非常に限定される。
この困難に対する1つの解決策は、様々なカウンターの軸を中心に自由に回転するように取り付けられた一連の中間車を使用して、レバー/修正車セットのユニットを底板の別の部分、たとえば9時のところまで動かすことである。この解決策は、底板の上のかなりの空間を占める。板が駆動機構によってすでに占有されている場合、実施は困難である。
本発明は、レバー/修正車セットのユニットが、板の9時、6時または12時の部分のうちの1つの部分まで動かされ、それによって板の有用な空間を解放する、表示機構の時間表示を修正するデバイスを提案することによって、この欠点を克服する。
より具体的には、本発明は、第1表示部材を含むタイプの時計の表示機構によって与えられる時間表示を修正するデバイスに関し、
少なくとも1つの時間表示修正位置をとるように構成された巻真と、
巻真に取り付けられ、巻真に回転しないよう固定されたピニオンと、
巻真が修正位置をとっているときに前記ピニオンに機構的に連結される中間修正車と、
表示部材と協働し、中間修正車によって作動される修正車セットとを有し、
中間修正車が、次のようなリングから形成される、すなわち、リングの内周および外周の少なくとも一方に、少なくとも間接的に修正車セットとかみ合う歯の設けられている、リングから形成されることを特徴とする。
そのリング形の幾何学形状のために、中間修正車は、その内周の内側の空間を開放しており、従って、当該空間中には、部品、たとえばカウンター軸を収容可能であることを意味する。さらに、中間修正車の直径が修正デバイスの他の部品と比較して大きい場合、レバー/修正車セットのユニットは、巻真の直近から離れるように動かされることができ、それによって、中間修正車の内側に相当量の空間を開放する。有利な一実施形態では、中間修正車は、すべてのカウンター軸を囲み、レバー/修正車セットのユニットを9時のところまで動かす。
本発明の他の特徴および利点は、本発明による表示機構修正デバイスの例示的な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになろう。この実施例は、添付の図面を参照して、非限定的な実例によってのみ与えられる。
本発明による修正デバイスの上面図である。 デバイスのAA軸に沿った断面図である。 デバイスのBB軸に沿った断面図である。 デバイスのCC軸に沿った断面図である。 本発明による修正デバイスの変形例である。 本発明による修正デバイスの変形例である。
図1は、時計の底板10を表し、この底板の上に、一方の側には、クロノグラフ機構を備えた機械的または電気機械的なムーブメント(図示せず)が取り付けられ、他方の側には、時間表示の表示機構12およびその修正デバイス14が取り付けられる。時表示部材および分表示部材(図示せず)を支持する中心軸15、ならびに、4時および8時のところにそれぞれ位置し、クロノグラフ機構の分カウンターおよび時カウンターに属する2つの軸16および18が、底板10を貫通する。
時間表示の表示機構12は、従来のタイプのものである。この機構12は、内歯24を備えたリング22からなるデジタル日車20を有する。日車20は、カレンダー板26の上に取り付けられており、カレンダー板26は板10にネジ留めされ、この目的のために設けられた凹部28を有する。日車20は、ジャンパーばね29によって角度をもって配置され、カレンダー板26に固定された保持板30によって軸方向に保持されて回転可能に案内される。表示機構12はまた、図1では見えない、針などの日表示部材を含む。日表示部材は、板10の中央に取り付けられ、日星形車34および修正星形車36から形成される車セット32に固定される。
日車20および日表示部材は、11時のところに位置し、相互に回転しないよう固定された車42およびつめ44から形成される駆動車セット40を含む駆動機構38によって回転駆動される。つめ44は、歯24と協働し、日星形車34とも協働する。車42は、板10を貫通する軸によってムーブメントに機構的に連結されたピニオン46によって駆動される。
このように説明された表示機構12は、文字板(図示せず)の裏に配置される。表示機構12は、文字板に作られた第1開口を介して日付を表示でき、文字板に固定された日表示部と協働する日針によって、対応する曜日を表示できる。
ここで、断面AA、BBおよびCCに沿って見た修正デバイス14を示す図2〜図4を参照する。表示機構12の修正デバイス14は、従来の方式のように、板10において回転可能に案内されが巻真50を有する。摺動ピニオン52は、巻真50に回転しないように固定され、修正位置Aと巻き位置Bとの間で動くことができる。修正位置Aでは、摺動ピニオン52は第1中間車54とかみ合い、第1中間車54は、板10上で自由に回転するように取り付けられ、カレンダー板26上で自由に回転するように取り付けられた第2中間車56とかみ合う。
第2中間車56は、内歯62を有するリング60から形成された中間修正車58とかみ合う。中間修正車58は、その外周がカレンダー板26上で回転できるよう案内される。この目的のために、凹部63がカレンダー板26に設けられる。中間修正車58は、また、周囲に角度的に分散された3つの肩付きねじ64a、64b、64cによって、軸方向に保持される。中間修正車58の直径は日車20の直径に近く、中間修正車58は、おおよそ中央位置で、駆動機構38および修正デバイス14の様々な要素の軸15、16および18の周囲に配置される。
中間修正車58は、カレンダー板26の9時のところに取り付けられ、レバー70上に取り付けられた修正車セット68から形成される複式修正部66を作動させる。レバー70は、底板10に直角である枢軸XXを中心に、それぞれA’およびB’である第1修正位置と第2修正位置との間に、枢動的に取り付けられる。レバー70は、回転軸が枢軸XXと合致し、中間修正車58とかみ合う制御車74に取り付けられた板72を含む。制御車74は、また、摩擦ばね76によって部分的に板72に固定される。ピニオン78が、板72上に取り付けられ、制御車74に回転しないうよう固定され、修正車セット68とかみ合う。修正車セットは、第1修正位置A’では日車20の歯24とかみ合い、第2修正位置B’では、修正星形車36とかみ合う中間星形車80とかみ合う。この実施形態の変形例では、修正車セット68は、当業者に既知の技術によって、カレンダー板26に作られた長円形の穴に滑動可能に取り付けられる。
以上に説明した修正デバイス14は、従来のデバイスと比較して2つの重要な利点を有する。第1に、中間修正車58のリング形の幾何学形状が、その中央部の空間を開放する。この空間は、駆動機構38、修正デバイス14に属する部品、ならびに軸15、16および18によって占められる。第2に、中間修正車58が、日車20の直径に近い直径、すなわち底板10の直径の3分の2程度の直径を有するので、中間修正車58は、分カウンター軸16が4時のところにあるために巻真50の近傍に取り付けることができない複式修正部66を動かして配置できる。本発明の場合では、複式修正部66は、9時のところへ動かして配置されているが、6時もしくは12時のところ、または複式修正部66を受けるために空いている底板10上の任意の他の場所であってもよい。さらに、前記板上のいかなる有用な空間も失うことなく、複式修正部66を底板10に対して動かし得る。修正デバイス14のこの構成は、軸の位置に事実上関係なく、複数の軸を突き通される底板10にとって有利である。修正デバイス14の他の構成が特定の軸位置に対して考えられ得ることが、以下において理解されるであろう。
修正デバイス14の操作は以下の通りである。摺動ピニオン52が修正位置Aにある状態で巻真50が時計回りに作動されると、第1中間車54が逆時計回りに駆動され、したがって第2中間車56を時計回りに駆動する。車56は、時計回りに回転している中間修正車58とかみ合い、中間修正車58は、レバー70の制御車74を時計回りに駆動する。中間修正車セット68が日車20とかみ合うまで、制御車74は、摩擦車76の影響の下で板72を枢動する。次に、制御車74が板72から外され、ピニオン78を介して修正車セット68を作動させる。修正車セット68は、日車20を逆時計回りに回転させることによって日車20を修正する。摺動ピニオンが修正位置Aにある状態で、巻真50が逆時計回りに作動されると、中間車54、56、58のセットが以前の方向とは反対の方向に回転し、修正車セット68が中間星形車80とかみ合うまで、レバー70が逆時計回りに枢動する。中間星形車80は修正星形車36を時計回りに駆動し、したがって日表示部材の修正ができるようになる。
次に、本発明による修正デバイス14の変形例を示す図5および6を参照する。
中間修正車58の直径が日車20の半径より小さい点において、および3時から6時の間の15分間を本質的に占めるように、中間修正車58の直径が底板10に対して中心から外れている点において、図5に示す修正デバイス14は、図1〜図4に示すデバイスとは異なる。車58の中央に開放された空間は、分カウンター軸16によって本質的に占められる。上記の実施形態とは異なり、底板10の中央にある軸15は、この空間から除かれるていことに注目されたい。複式修正部66は、6時のところ、すなわち分カウンター軸16と時カウンター軸18との間に位置する。さらに、中間修正車58の歯24が、その内周ではなく外周に位置し、車58を回転案内するのは内周である。この構成は、中心軸15、ならびに、それぞれ4時および8時のところにある、2つの中心を外れた軸16および18で突き通される底板10に適する。
最後に、図6に示す修正デバイス14は、中間修正車58の直径が、日車20の直径より小さいが、日車20の半径より大きい点において、上記のデバイスとは異なる。中間修正車58は、また、9時から3時の間からなる30分間を本質的に占めるように、底板10に対して中心から外れている。中心軸15は、中間修正車58の中央の開放された空間の中に含まれる。上記の例のように、歯24は外歯であり、内歯ではない。このように説明された構成は、それぞれ中心、4時、8時および6時のところに位置する4つの軸15、16、18、82で突き通される板に適する。
他の修正デバイスの構成が、必要条件に適するように考案可能である。これらすべての構成は、共通して、その周囲の一方によって回転案内される内歯または外歯の付いたリング形の中間修正車を有する。
当然ながら、本発明による修正デバイスはここで説明された実施形態には限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な単純な変更例および変形例が当業者によって企図され得るであろう。
特に、上記の説明では、中間修正車58が、その外周または内周によって回転可能に案内されることに注目されよう。変形例では、中間修正車58は、たとえば、カレンダー板26に作られた溝に係合される円形の隆条部の付いたリング60から形成されてもよい。
図5および6に示される変形例では、修正デバイス14は、第2中間車56を含まないことにまた注目されよう。同様に、第1中間車54は、修正デバイス14に不可欠ではなく、中間修正車58は、摺動ピニオン52と直接かみ合い可能であることが明らかであろう。
10 底板; 12 表示機構; 14 修正デバイス; 15,16,18 軸;
20 日車; 22 リング; 24 歯; 26 カレンダー板;
28 凹部; 29 ジャンパーばね; 30 保持板; 32 車セット;
34 日星形車; 36 修正星形車; 38 駆動機構; 40 駆動車セット;
42 車; 44 つめ; 46 ピニオン; 50 巻真; 52 摺動ピニオン;
A 修正位置;: B 巻き位置; 54 第1中間車; 56 第2中間車;
58 中間修正車; 60 リング; 62 内歯; 63 凹部;
64a、64b、64c 肩付きねじ; 66 複式修正部; 68 修正車セット; 70 レバー; 72 板; 74 制御車; 76 摩擦ばね; 78 ピニオン; 80 中間星形車。

Claims (13)

  1. 第1表示部材(20)を含むタイプの、時計の表示機構(12)によって与えられる時間表示を修正するデバイス(14)であって、
    少なくとも1つの時間表示修正位置(A)をとるように構成された巻真(50)と、
    前記巻真(50)に取り付けられ、前記巻真(50)に回転しないように固定されたピニオン(52)と、
    前記巻真(50)が前記修正位置(A)をとっているときに前記ピニオン(52)に機構的に連結される中間修正車(58)と、
    前記表示部材(20)と協働し、前記中間修正車(58)によって作動される修正車セット(68)とを含むデバイスにおいて、
    前記中間修正車(58)が、内周および外周の少なくとも一方が少なくとも間接的に前記修正車セット(68)とかみ合う歯(62)の付いた内周および外周を備えたリング(60)から形成されることを特徴とするデバイス。
  2. 前記中間修正車(58)が、前記中間修正車(58)の前記内周または外周の一方によって回転案内されることを特徴とする、請求項1に記載の修正デバイス。
  3. 前記中間修正車(58)が、前記リング(60)に固定された隆条部によって回転案内されることを特徴とする、請求項1に記載の修正デバイス。
  4. 前記中間修正車(58)が、複数の軸(15、16、18)が貫通する底板(10)の上に取り付けられること、および、前記中間修正車(58)が、前記軸の少なくとも1つ(16)の周囲で回転的に移動可能であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の修正デバイス。
  5. 前記底板(10)が、1つの軸(15)が前記底板(10)に対して中心に置かれ、他の2つの軸(16、18)が中心から外れた、3つの軸(15、16、18)によって通り抜けられること、および、前記中間修正車(58)が、前記3つの軸(15、16、18)の周囲で回転的に移動可能であることを特徴とする、請求項4に記載の修正デバイス。
  6. 前記表示部材(20)が、リング(22)から形成されること、および、前記中間修正車(58)の直径が、前記表示部材(20)の直径に近いことを特徴とする、請求項5に記載の修正デバイス。
  7. 前記修正車セット(68)が、前記底板(10)上のおよそ9時のところに配置されることを特徴とする、請求項6に記載の修正デバイス。
  8. 前記中間修正車(58)が、中心を外れた1つの軸(16)の周囲で回転的に移動可能であることを特徴とする、請求項4に記載の修正デバイス。
  9. 前記表示部材(20)がリング(22)から形成されること、および、前記中間修正車(58)の直径が、前記表示部材(20)の直径に近いことを特徴とする、請求項8に記載の修正デバイス。
  10. 前記修正車セット(68)が、前記底板(10)上のおよそ6時のところに配置されることを特徴とする、請求項9に記載の修正デバイス。
  11. 前記修正車セット(68)が、前記第1表示部材(20)と協働する第1位置(A’)と、第2表示部材と少なくとも間接的に協働する第2位置(B’)との間に摺動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の修正デバイス。
  12. 前記修正車セット(68)が、レバー(70)上に取り付けられることを特徴とする、請求項11に記載の修正デバイス。
  13. 前記修正車セット(68)が、長円形の穴の中に摺動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項11に記載の修正デバイス。
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