JP2010535328A - 高感度イムノアッセイおよび生物学的な目的ペプチドおよびタンパク質の測定用キット - Google Patents

高感度イムノアッセイおよび生物学的な目的ペプチドおよびタンパク質の測定用キット Download PDF

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Abstract

本発明は、当該技術分野の状態の分析法より高い感度で試料中のポリペプチドを検出することができるイムノアッセイに関する。本発明は、該イムノアッセイを行うのに必要な成分を提供するキットにも関する。

Description

本発明は、試料中のペプチドおよびタンパク質の検出を可能にしかつ当該技術分野の状態のアッセイより高感度を提供するイムノアッセイの分野に関する。本発明は、上記イムノアッセイを行うのに必要な構成要素を提供するキットにも関する。
発明の背景
アルツハイマー病(AD)は、進行性で増大する記憶喪失に続いて四肢および身体機能の制御を喪失し、最終的には死にいたることを特徴とする中枢神経系の進行性の退行性疾患である。これは、65歳の年齢を超えるヒトの1〜6%および80歳を越えるヒトの10〜20%が罹っている痴呆の極めてよく見られる原因である。
ADは、ニューロン間の細胞外空隙における老人斑が患者の脳に徐々に出現するなどの幾つかの病理学的特徴によって他の種類の痴呆と区別される。これらの斑は、主として退行神経炎およびグリア細胞で取り囲まれたアミロイドβペプチド(Aβ)と呼ばれる40〜42アミノ酸ペプチドの原繊維によって形成されたアミロイド沈着物の中心コアを有する。このペプチドは、βアミロイド前駆体タンパク質(βAPP)と呼ばれる前駆体タンパク質のタンパク分解プロセシングにより生じる。βAPPは、βAPPをコードする遺伝子の一次転写産物の選択的スプライシングにより誘導される様々なアイソフォームとして生体に見出される。これらのアイソフォームは、主としてBAPP−695、BAPP−751およびBAPP−770であり、ここで数字はアミノ酸の数を表す。βAPP遺伝子はヒトでは染色体21に見出され、その三染色体性(ダウン症候群)は患者の脳においてタンパク質の過剰発現およびアミロイド斑の早期出現を生じる(Selkoe D.J. (2001) Physiol. Rev. 81, 741-766)。βAPPは膜貫通タンパク質であり、様々なタンパク分解酵素(セクレターゼ)によって処理して様々な産物を生じることができる。通常は、βAPPはその細胞外領域におけるαセクレターゼによって開裂を受け、長い可溶性の分泌断片とC83と呼ばれる短い膜結合断片とを生じ、後者は更にγ−セクレターゼによって更に開裂を受けてp3ペプチド(p340またはp342)と57または59ペプチドを産生し、これは更に他のプロテアーゼによって分解される。βAPPがβ−セクレターゼによって開裂されるときには、可溶性分泌断片(sBAPP−β)とC99断片を生じ、これはγ−セクレターゼで開裂してアミロイドペプチドAβと膜に結合した57または59アミノ酸ペプチドを得ることができる(Selkoe D.J. (2001) Physiol. Rev. 81, 741-766)。
ADは、早期発症(60歳を未満の年齢)および後期発症(60歳を上回る年齢)のような出現の年齢によって、家族性(familiar)ADまたは散発性ADのような常染色体(autosomic)優性遺伝の存在によって分類することができる。早期発症する家族性の型のADは、βAPP、プレセニリン1およびプレセニリン2(それぞれ染色体21、14および1に配置されている)をコードする遺伝子で知られている突然変異に関連付けることができる。これらの分類は、相互に相容れないものではない。最も頻繁に見られる型は、散発性の後期発症型である。
臨床応用では、ADの診断は、ニューロイメージング法および血液分析を用いる典型的な臨床上の特徴の存在および他の種類の痴呆の除外に基づく臨床基準を用いて行われる。これらの基準を用いると、診断上の信頼性は許容可能なものであるが、脳生験を用いて行った研究によれば、ADであると診断された患者の10〜20%は別の疾患に罹っていた。更に、神経変性過程が進行して患者が重度の痴呆に罹っておりかつ脳の損傷が広範囲であり治療方法が限定されるときには、最新の診断方法しか行うことができない。最終的診断には、死後の脳組織の病理学的検査が必要である。
従って、感受性が高く特異的でありかつ年齢による認識障害を過程の初期症状と関連したものから区別し、並びにADによる変化と他の変性疾患による変化とを区別することができるADの早期診断のためのバイオマーカーを同定する必要がある。Growdon et al. (Neurobiol. Aging, 1998, 19:109-116)によれば、ADの理想的マーカーは、下記の
− 神経病理学の基本的特徴を検出し、
− 疾患の神経病理学的に確認された症例で実証され、
− ADの検出に少なくとも80%の感度を示し、
− ADを他の型の痴呆から区別するのに少なくとも80%の特異性を有し、
− 信頼性が高く、再現性があり、非侵襲性であり、実施が容易であり、費用がかからない
という要件を満たすものでなければならない。
患者の脳またはCSFに存在するバイオマーカーのレベルを検出することによるADの診察方法は、従来技術で知られている。測定をCSFで行う様々なバイオマーカーが報告されている。CSFは中枢神経系の細胞外間隙の組成を直接半円しており、従ってバイオマーカーとして一層高い濃度を提供する。しかしながら、CSFは腰椎穿刺(lumbar punction)によってのみ採取することができ、痴呆に罹っている患者には容易に受け容れられる日常的診断法ではないのであり、ましてや記憶障害の患者にとってはそうである。従って、身体から非侵襲的に採取することができる試料で検出することができるADバイオマーカーが必要とされている。
従来技術で報告されておりかつ血漿で検出することができるADバイオマーカーとしては、(i)アミロイド斑由来のマーカー、(ii)AβまたはβAPPに対する自己抗体、(iii)IL−6、その受容体またはgpl30、C−反応性タンパク質、または酸化ストレス(イソプロスタン)のような炎症マーカー、(iv)脂質代謝のマーカー(apoE、オキシステロール)、および(v)脈管疾患マーカー(ホモシステイン、リポプロテインb Clq)が挙げられる(Scheuner D et al. (1996) Nature Med 2, 864-870)。
しかしながら、AβがAD患者の脳に蓄積し、ADの病因の中心的要素であることを考慮すれば、このタンパク質はADバイオマーカーとして最も好適な候補であると考えられた。しかしながら、AβをADの血漿バイオマーカーとしての使用は、血清中のAβペプチド(Aβ(1−40)およびAβ(1−42))の濃度は極めて低いため、上記ペプチド種の信頼性のある検出を行うのに十分な感度がある分析法はない。
Scheuner et al (Nature Med., 1996, 2:864-870)は、プレセニリン1、プレセニリン2またはβAPPの細胞外濃度が家族性(familiar)ADに関連した突然変異を有する家族由来の患者で増加するかどうかを検出する目的で予備検討を行った。高レベルのAβ1−42(43)がFAD関連PS1(P<0.0001)、PS2N1411(P=0.009)、APPK670N,M671L(P<0.0001)およびAPPV7171(1被験者)突然変異を有する被験者の血漿で観察されたが、これらの研究は血清中のAβペプチド濃度がずっと低い散発性ADの分析については確認されなかった。この文献で用いた分析キットはSuzuki, N. et al. (Science, 1994, 264:1336-1340)によって以前に報告されたELISAサンドイッチ分析法であり、これは捕捉抗体とペルオキシダーゼ接合検出抗体である。
Aβレベルと散発性ADとの間に相関はないことが示唆されている。従って、Tamaoka A et al. (J Neural Sci, 1996, 141, 65-68)は、28名の散発性ADの患者と、40名の別の神経学的経過の見られる痴呆の患者、および40名の健康な対照の血漿中のAβレベルを測定した。著者らは、Aβ40およびAβ42の血漿レベルは対照被験者と散発性ADの患者とで同様であると結論した。同様な結果は、Kosaka et al.によって得られている (Neurology, (1997) 48, 741-745)。Tamaokaと協同研究者らが用いた分析法は、血漿中のAβ1−40の測定についてWO200722015号明細書にも記載されている。この分析法はELISAサンドイッチ分析法であって、Aβ40およびAβ42ペプチドは1A10モノクローナル抗体(mAb)を用いて固形支持体上に捕捉され、ペルオキシダーゼ接合14F1 mAbを用いて検出される。この分析法は、1桁のpg/mlの範囲の感度レベルを提供する。
Vanderstichele H et al. (Amyloid, 2000, 7, 245-258)は、12名の健康な対照、39名のAD患者および6名のレヴィー小体痴呆の患者、10名の他の型の痴呆患者および9名の痴呆を示さない他の神経学的病因を有する患者のCSF、血漿および尿中のAβ(1−42)のレベルを測定したが、Aβ(1−42)レベルと診断、性別またはMMSE結果との間には相関は見られなかった。この検討については、ELISAサンドイッチ分析法に基づくINNOTEST β−アミロイド(1−42)試験が用いられ、Aβ(1−42)はAβ(1−42)のN末端領域を認識する21F12 mAbを用いて固形支持体に捕捉され、Aβ(42)のC末端領域とHRPに結合したストレプトアビジンを認識するビオチン化3D6 mAbを用いて検出される。
Fukomotoと協同研究者ら(Arch. Neurol. 2003, 60, 958-964)は、146名のAD患者、37名の軽度の認識障害の患者および96名のパーキンソン病の患者における血漿Aβ40およびAβ42レベルの様々な臨床、人口および遺伝学的変数に関する相関を検討した。これらの結果は、年齢と共に有意な増加があるが、診断、家族経歴、ApoE遺伝子型、またはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤またはスタチンのような様々な薬剤による治療に関しては差はないことを示していた。測定は、Aβのアミノ酸11−28を認識するmAb(BNT77)およびAβ40およびAβ42を特異的に認識するHRP結合mAb(BA27およびBC05 mAb)を用いるELISAサンドイッチ分析法を用いて行った。
Mehta et al. (Arch. Neural. 57, 2000, 100-105)は、78名のAD患者および61名の健康な対照における血漿およびCSF Aβ40およびAβ42レベルを測定し、Aβ40血漿レベルはApoE4対立遺伝子を持たない対照群よりも上記対立遺伝子を有するAD患者で高く、Aβ42レベルはAD患者と対照との間で同様であり、セックス・オ・ミニ・メンタル・ステート・検査(sex o mini mental state examination; MMSE)スコアに関しては差はなかった。測定は、捕捉抗体としての抗Aβ mAb 6E10およびAβ42およびAβ40に特異的なペプチドに対して生じたビオチン化抗血清を用いるELISAサンドイッチ分析法を用いて行った。
Mayeux, R. et al. (Ann Neural. 1999, 46, 412-416)は、Mehta et al. (Arch. Neural. 57, 2000, 100-105)と同じELISA分析法を用いて被験者(530名)のコホートおよび18ヶ月後(307名の被験者)における血漿Aβ40およびAβ42レベルを測定した。上記著者らは、ADを発症した被験者が検討中にADを発症しなかった被験者より高いAβ42レベルを有することを観察した。Aβ42レベルは、AD診断の確定の3年後に減少した。AD表現型に関しては、差は見られなかった。
Lanz, T.A and Schacthter, J.B. (J. Neuroscience Methods, 2006, 157:71-81)は、Aβペプチドの総含量またはAβ40およびAβ42ペプチドの個々の量を検出する目的で比色および蛍光ELISAサンドイッチ分析法を報告している。Aβペプチドの総量の検出には、Aβペプチドの捕捉に6E10 mAbを用い、次いでビオチン化4G8およびユーロピウム接合ストレプトアビジンまたはHRP−ストレプトアビジンを用いて検出する。Aβ40およびAβ42ペプチドの量の検出には、6E10 mAbを捕捉抗体として、および断片のそれぞれに特異的なビオチン化ウサギポリクローナル抗体に続いてユーロピウム接合ストレプトアビジンまたはHRP−ストレプトアビジンを用いる。しかしながら、この方法の最低検出限界は10pg/mlであり、脳抽出物中のAβの測定のみに用いられた。
WO200750359号には、Aβ42の多重結合形態を検出するためのイムノアッセイであって、多重結合形態に特異的なポリクローナル抗体を用いるAβ42由来ペプチドの捕捉およびmAbおよびHRP接合抗マウスIgGを用いて結合したペプチドの量の検出を含むイムノアッセイが記載されている。しかしながら、この分析法の検出限界は、1000〜3000pMであり、4000pg/mlに相当する。
WO0162801号には、コーティング抗体として3D6 mAb抗N末端および検出のための成熟Aβのアミノ酸15〜24を認識するmAbを用いるAβを測定するためのELISAサンドイッチ分析法が記載されているが、100〜200pg/mlの範囲内のAβ濃度値の測定にのみ用いられる。
WO0315617号には、成熟Aβペプチドのアミノ酸13〜28を認識するが、250〜400pg/mlの範囲の上記ペプチドの濃度のみを検出することができ、従って家族性ADの血漿中のAβの測定のみに好適である抗体を用いる血漿中のAβ40およびAβ42を測定するためのELISA分析法が記載されている。
WO0246237号には、捕捉抗体としてAβ42のアミノ酸13〜28に特異的なmAbおよびAβ42ペプチドのN末端領域に特異的なビオチン化3D6 mAbに続いてペルオキシダーゼに接合したストレプトアビジンを用いる脳ホモジェネートの総Aβ種(Aβ40およびAβ42)を測定するためのELISAサンドイッチ分析法が記載されている。この明細書には、捕捉抗体としてAβ42のアミノ酸33〜42に特異的なmAb 21F12および検出抗体としてビオチン化3D6 mAbを用いるAβ42特異的ELISAサンドイッチ分析法も記載されている。しかしながら、これらの分析法は感度レベルが低く、総Aβ分析法については50ng/mlであり、Aβ42特異的分析法については125mg/mlであり、血漿または血清中の総AβまたはAβ42の測定には不適である。
WO0413172号明細書には、検出抗体としてmAb 3D6および捕捉抗体として成熟Aβペプチドの様々な領域に特異的なポリクローナル抗体を用いるギ酸脳抽出物およびCSF中のβ−アミロイド(1−42)を測定するためのELISAサンドイッチ分析法が記載されている。
しかしながら、これまでに知られている総てのELISAに基づく分析法は最小検出限界が高々1桁のpg/mlであり、CSF中のAβ40およびAβ42の検出並びに家族性ADの患者の血漿中の上記種の検出には十分であるが、散発性ADの患者の血漿中のAβ42の検出には不適であり、Aβ42血漿濃度はずっと低いのである。特に、INNOTEST βアミロイド(1−42)試験の最小検出限界は20pg/mlであり、家族性ADの患者のCSF並びに血漿測定におけるAβ42の検出は可能であるが、血漿中のAβ42がずっと低いレベルである散発性ADの患者におけるAβ42の検出には感度が十分でない。このキットは、CSF中のAβペプチドレベルの測定にしか勧められない。この提案は、CSF中のペプチドレベルが血漿中より100〜1000倍高いことが示されているINNOTEST β−アミロイド(1−42)を用いる最近の研究によっても確認されている(Lewczuk, P et al. (2004) Neurobiol. Aging 25, 273-281)。
もう一つの市販のキットは、Biosource βアミロイド(1−40)およびβアミロイド(1−42)キットである。これらのキットは、ペプチドを成熟ペプチドのアミノ末端に対して指定されたmAbを用いて支持体に捕捉し、成熟βペプチドのC末端領域と反応するウサギポリクローナル抗体および抗ウサギIgGペルオキシダーゼを用いて検出するELISAサンドイッチ分析法を提供する。このキットは、製造業者によれば10pg/ml未満の感度を有するが、15.6−1000pg/mlの範囲のAβ濃度の検出に用いられる。Biosourceキットは、血清、CSFおよび細胞培養物中のAβペプチドの検出に製造業者によって推奨されている。しかしながら、散発性AD患者の血清中の平均Aβ40およびAβ42レベルはこれらの分析法の最小検出限界を下回っており、それらを血清中の測定に用いることはできないと思われる。
カナダ国特許出願(CA2585148)であって、国際特許出願WO200646644号に対応する明細書には、最小検出限界が0.5pg/mlであるAβペプチド分析法のみが記載されている。この明細書で用いられている分析法は、電気化学発光(ECL)サンドイッチ分析法であって、mAb 21F12(Aβ42のアミノ酸33−42を認識する)を磁性ビーズに結合させた後、Aβ42を含む試料中のAβ42ペプチドの捕捉に用い、更にルテニウム錯体に結合した3D6 mAbと接触させる方法である。次に、結合した3D6抗体の量を、電気エネルギーを加えたときにルテニウム錯体によって放射されるルミネッセンスによって検出する。この分析法を用いて、発明者らはAβ42標準を0.5pg/ml程度まで検出することができる。しかしながら、同じ分析法を用いてAD患者および健康な対照由来の血漿試料中のAβ42を比較すると、2つの組の患者には有意差は見られないことから、血清中の完全なAβ42の量は分解によって極めて低いと結論され、最小感度レベルがng/mlの範囲となる21F12 mAbを用いる競合ELISA分析法に変更した。
従って、特に、散発性ADの患者の血漿で高い信頼性でAβペプチドを検出するのに十分な感度を有する当該技術分野で知られている方法およびキットの問題点を解決するAβ由来のペプチドを検出するための改良された免疫学的分析法およびキットが当該技術分野で求められている。
第一の態様では、本発明は、Aβ42、Aβ40およびそれらの混合物の群から選択されるターゲットポリペプチドの検出用キットであって、
(i) 上記ターゲットポリペプチドを認識する、第一の抗体または抗体の組合せ、
(ii) 第一の抗体または抗体の組合せによって認識される領域以外のターゲットポリペプチドの領域を認識する、第二の抗体または抗体の組合せ、
(iii) 結合対の第一の成員に結合している第二の抗体にアフィニティーを示す試薬、および
(iv) 検出可能タグに結合した結合対の第二の成員
を含んでなる、キットに関する。
第二の態様では、本発明は、試料中のターゲットポリペプチドを測定または検出し並びに被験者の神経変性疾患の診断のための本発明のキットの使用に関する。
第三の態様では、本発明は、試料中のAβ42、Aβ40およびそれらの混合物の群から選択されるターゲットポリペプチドの量を測定または検出する方法であって、
(i) 試料中に含まれるターゲットポリペプチドを、ターゲットポリペプチドに特異的に結合する第一の抗体または抗体の組合せで捕捉し、
(ii) 段階(a)で形成した免疫複合体を、第一の抗体または抗体の組合せによって認識される領域とは異なるターゲットポリペプチドの領域を認識する第二の抗体または抗体の組合せと接触させ、
(iii) 段階(ii)で形成した複合体を、第二の抗体にアフィニティーを示しかつ結合対の第一の成員に結合している試薬と接触させ、
(iv) 段階(iii)で形成した複合体を、検出可能タグに結合している結合対の第二の成員と接触させ、
(v) 結合対の第二の成員に結合した検出可能タグの活性または量を検出しまたは測定する
段階を含んでなる、方法に関する。
第四の態様では、本発明は、被験者の変性疾患の診断方法であって、患者の試料中のAβ40またはAβ42の量を本発明による方法を用いて測定し、被験者の試料中の一方または両方のペプチドの濃度を変性疾患の外観を有する健康な個体由来の試料中のペプチドまたはペプチド類の濃度に関して相関させることを含んでなる、方法に関する。
ELISAサンドイッチ分析法の標準滴定曲線であって、450nmにおける吸光度の値をAβ40の標準調製物の既知濃度(pg/ml)に対してプロットしたもの。 ELISAサンドイッチ分析法の標準滴定曲線であって、450nmにおける吸光度の値をAβ42の標準調製物の既知濃度(pg/ml)に対してプロットしたもの。
発明の具体的な説明
本発明者らは、驚くべきことに、特許請求の範囲の請求項1に記載の成分を有するキットを用いることによって、Aβ40およびAβ42のレベルを最小検出限界が0.1 pg/mlで測定することができることを見出した。このキットにより、血漿濃度が極めて低く、信頼性のある測定はこれまでは可能ではなかった任意の被験者の任意の試料、特に散発性ADに罹っていることが疑われる被験者の血漿中の上記分子種を高い信頼性で定量することができる。
従って、第一の態様では、本発明は、Aβ42、Aβ40およびそれらの混合物の群から選択されるターゲットポリペプチドの測定または検出用キットであって、
(i) 上記ターゲットポリペプチドを認識する、第一の抗体または抗体の組合せ、
(ii) 第一の抗体または抗体の組合せによって認識される領域以外のターゲットポリペプチドの領域を認識する、第二の抗体または抗体の組合せ、
(iii) 結合対の第一の成員に結合している第二の抗体にアフィニティーを示す試薬、および
(iv) 検出可能タグに結合した結合対の第二の成員
を含んでなる、キットに関する。
任意の特定の理論によって束縛しようとするものではないが、感度の向上は検出抗体から生じるシグナルを増幅することができる試薬(iii)の使用によると思われる。
本明細書で用いられる「Aβ42」は、アミノ酸672−713(配列番号4)に対応しかつβ−およびγ−セクレターゼによるアミロイド前駆体タンパク質(配列番号6)の逐次タンパク分解開裂によって生成する42アミノ酸ペプチドに関する。
本明細書で用いられる「Aβ40」は、アミノ酸672−711(配列番号5)に対応しかつβ−およびγ−セクレターゼによるアミロイド前駆体タンパク質(配列番号6)の逐次タンパク分解開裂によって生成する40アミノ酸ペプチドに関する。
本発明において、第一の抗体は「捕捉抗体」と呼ばれ、この抗体は、試料からこの抗体が特異的に結合する総ての分子種を回収するのに用いられることを意味する。Aβ40および/またはAβ42に特異的な少なくとも1個の抗原結合部位を含む限り捕捉抗体として用いることができる抗体の種類に関しては、実際上制限はない。従って、捕捉抗体としての使用に好適な抗体分子としては、下記のものを包含する:
− 抗原結合可変領域並びに軽鎖定常ドメイン(CL)および重鎖定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含んでなる「完全な」抗体、
− 完全な抗体のパパイン消化により生じかつ単一の抗原結合部位とCLおよびCH1領域とを含んでなる「Fab」断片、
− 完全な抗体のペプシン消化によって生じかつ2個の抗原結合部位を含む「F(ab’)」断片、
− 「Fab’」断片は、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)を含みかつ1個の抗原結合部位だけを有する。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの1個以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に小数の残基が付加している点でFab断片とは異なる。
− 「Fv」は、完全な抗原認識および抗原結合部位を有する最小抗体断片である。この領域は、タイトな非共有的会合での1個の重鎖と1個の軽鎖可変ドメインとの二量体からなっている。それぞれの可変ドメインの3個の超可変領域(CDR)が相互作用してVH−VL二量体の表面上に抗原結合部位を画定するのは、この配置である。集合的には、6個の超可変領域は抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3個の超可変領域だけを含んでなるFvの半分)であっても抗原を認識して結合する能力を有するが、全結合部位よりアフィニティーは低い。
− 一本鎖FVまたは「scFv」抗体断片は、抗体のドメインVLおよびVHを含んでなり、これらのドメインは一本のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、VLおよびVH領域は、scFvが抗原結合に対して所望な構造を形成できるようにするポリペプチドリンカーによって結合されている。
− 「ジアボディー」は、短すぎて同一鎖上の2個のドメインが対を形成することができないペプチドリンカーによって結合した同一ポリペプチド鎖(VH−VL)上の軽鎖可変ドメイン(VL)に連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含んでなる。これにより、別の鎖の相補性ドメインと対が形成され、2個の官能性抗原結合部位による二量体分子の集合が促進される。
− 「二重特異性抗体」(BAb)は、2個の異なる特異的抗原結合部位を有する単一の二価抗体(または免疫治療上有効なその断片)である。2個の抗原部位は、化学的にまたは当該技術分野で知られている遺伝子工学の方法によって互いに結合させることができる。
これら総ての抗体断片は、当該技術分野で知られている通常の手法を用いて、例えば、当該技術分野で知られている(複数の)アミノ酸欠失、挿入、置換、付加および/または組換え(および/または任意の他の修飾(例えば、グリコシル化およびリン酸化のような翻訳後および化学修飾)を用いることによって更に修飾することができる。免疫グロブリン鎖のアミノ酸配列の基礎となるDNA配列に上記のような修飾を導入する方法は、当業者には周知であり、例えば、Sambrook et al.; 「分子クローニング: 実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」; Cold Spring Harbor Laboratory Press, 第2版 1989年および第3版2001年を参照されたい。
捕捉抗体として好適な抗体としては、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方が挙げられる。ポリクローナル抗体の産生には、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ、ヒト、トリなどの様々な宿主に、免疫原性を有するAβ40またはAβ42の断片に相当するペプチドを投与することによって免役することができる。宿主の種によっては、様々なアジュバントを用いて、免疫応答を増加させることができる。このようなアジュバントとしては、フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムのような無機ゲル、リゾレシチン、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション、KLHおよびジニトロフェノールのような界面活性物質が挙げられるが、これらに限定されない。ヒトで用いられるアジュバントの中では、BCG (bacilli Calmette-Guerin)およびCorynebacterium parvumが特に好ましい。抗原がペプチドである場合には、免疫を行う種において免疫原性であるタンパク質に接合させるのが有用であることがある。例えば、抗原は、二官能価または誘導体形成剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介して接合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介して接合)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸またはSOClを用いてキーホール・リンペット・ヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanin; KLH)、ブルー・キャリヤー(Blue Carrier; Concholepas concholepasから単離されるヘモシアニン)、ウシチログロブリンまたは大豆トリプシン阻害剤に接合させることができる。
モノクローナル抗体の産生には、通常の手法を用いることができる。例えば、モノクローナル抗体は、Ausubel, F. M. et al. (「分子生物学の最新のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons Inc; 輪綴版, 2003)のユニット11.4-11.11に詳細に記載されている手順を用いるKohler et al, Nature, 256:495 (1975)によって最初に報告されたハイブリドーマ法を用いて作製することができる。あるいは、モノクローナル抗体は、McCafferty et al., Nature, 348:552- 554 (1990)に記載の手法を用いて生成した抗体ファージライブラリーから組換えDNA法によって単離することができる。Clacksoii et al., Nature, 352:624-628 (1991)およびMarks et al., J. MoI. Biol, 222:581-597 (1991)には、ファージライブラリーを用いるそれぞれネズミおよびヒト抗体の単離が記載されている。下記の公表文献には、鎖シャフリング(Marks et al., Bio/Technology, 10:779-783 (1992))、並びに極めて大きなファージライブラリーを構築する方法として組合せ感染およびイン・ビボ組換え(Waterhouse et al., Nucl. Acids. Res., 21 :2265-2266 (1993))による高アフィニティー(nM範囲)ヒト抗体の産生が記載されている。従って、これらの手法は、モノクローナル抗体の単離を目的とする伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ法の実行可能な代替法である。
ポリクローナル抗体は、出血およびフィブリンクロットの除去後に免疫した宿主から得られる抗血清として直接用いることができる。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養物の上清としてまたは適当な宿主の腹膜腔にハイブリドーマを移植した後の腹水として直接用いることができる。あるいは、免疫グロブリン分子は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれでも、それらの使用前に、Aβ40またはAβ42由来のペプチドを用いるアフィニティー精製、非変性ゲル精製、HPLCまたはRP−HPLC、サイズ排除、プロテインAカラムでの精製、またはこれらの手法の任意の組合せなどの通常の手段によって精製することができる。
好ましい態様では、捕捉抗体はAβ40およびAβ42に共通の領域を認識するので、両種を単一の抗体種で同時に捕捉することができる。原則として、Aβ40とAβ42との両方の配列に共通の領域に特異的な任意の抗体を、捕捉抗体として用いることができる。捕捉抗体によってターゲットとすることができる好ましいエピトープとしては、Aβ40またはAβ42のアミノ酸1〜16、1〜17、13〜28、15〜24、1〜5および1〜11中に配置されたエピトープが挙げられる。更に好ましい態様では、捕捉抗体はC末端領域とは異なるAβ40および/またはAβ42の領域に対して指定される。更に一層好ましい態様では、捕捉抗体はAβ40およびAβ42ペプチドのN末端領域のエピトープに対して指定される。更にもう一つの好ましい態様では、捕捉抗体はモノクローナル抗体である。更に一層好ましい態様では、捕捉抗体はAβペプチドのアミノ酸1〜16に対応する領域を認識する。更に一層好ましい態様では、捕捉抗体として用いられるモノクローナル抗体はKim, K.S. (Neuroscience Res. Comm. 1988, 2:121- 130)に記載されている6E10 mAbである。
本発明のキットの第二の成分は、第一の抗体または抗体の組合せによって認識される領域以外の異なるターゲットポリペプチドの領域を認識する抗体または抗体の組合せに相当する。本発明に関して、第二の抗体は、捕捉抗体によって保持されていた抗原の量を検出するのに用いられるので、この抗体は「検出抗体」と呼ばれる。
捕捉抗体の場合と同様に、検出抗体として用いることができる抗体の種類に関しては事実上制限はない。しかしながら、当業者であれば、検出抗体は、捕捉抗体によって捕捉された抗原に結合している抗体を検出することができるようにするには、(i)捕捉抗体によってカバーされない抗原の領域に結合しなければならず、かつ(ii)抗原結合部位のみならず、上記抗体に高アフィニティー結合を示す試薬によって特異的に検出することができる追加領域または複数の領域をも含まなければならないことを理解するであろう。好ましくは、上記試薬が特異的に結合することができる上記追加領域は、免疫グロブリン分子の定常領域に相当する。
好適な検出抗体としては、完全な抗体、Fab、F(ab’)、Fab’およびFv断片、一本鎖FV抗体、ジアボディー、二重特異性抗体などが挙げられ、これらの化合物は上記で定義した通りである。捕捉抗体の場合と同様に、検出抗体は、捕捉抗体について記載したのと同じ手順を用いてポリクローナルまたはモノクローナル、天然または翻訳後修飾した純粋または抗原結合分子が強化されたものであることができる。当業者であれば、検出抗体を用いるには、これを適当な作業濃度まで希釈しなければならず、かつ上記希釈物は抗体のそれぞれのバッチについて日常的に決定することができることを理解するであろう。更に、適当な作業希釈物は、抗血清を用いるか、あるいは精製IgG画分を用いるかどうかによって異なることは明らかである。典型的な希釈物は、1/1000、1/2000、1/3000、1/4000、1/5000、1/6000、1/7000、1/8000、1/9000、1/10000などである。
好ましい態様では、検出抗体は、
(i) Aβ40またはAβ43と実質的交差反応を全く行うことなくAβ42に特異的に結合するAβ42ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製した、ポリクローナル抗体、
(ii) Aβ42、Aβ39、Aβ38、Aβ41またはAβ43と実質的交差反応を全く行うことなくAβ40に特異的に結合するAβ40ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製した、ポリクローナル抗体、および
(iii) Aβ40およびAβ42の両方のC末端領域を同時に認識する、抗体、および
(iv) (i)および(ii)に記載の抗体の組合せ
の群から選択される任意のポリクローナル抗体を含んでなる。
更に好ましい態様では、Aβ42に特異的な抗体を調製するのに用いたAβ42ペプチドのC末端領域に対応するペプチドは、配列番号1または配列番号2に記載のペプチドである。もう一つの好ましい態様では、Aβ40に特異的な抗体を調製するのに用いたAβ40ペプチドのC末端領域に対応するペプチドは、配列番号3に記載のペプチドである。Aβ40およびAβ42に特異的な抗体およびそれらの調製方法は、WO2004024770号およびWO2004098631号に詳細に記載されており、上記特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用されている。
当業者であれば、この方法を用いて、この方法で用いた捕捉および検出抗体の種類によってAβ40、Aβ42または両種を同時に検出することができることを理解されるであろう。
Aβ40を特異的に検出しまたは測定するには、捕捉抗体はAβ40(およびAβ42)のN末端領域を認識する抗体であることができ(両ペプチドは同一のN末端領域を有するからである)、検出抗体はAβ42と交差反応を全く行うことなくAβ40のC末端領域を特異的に認識する抗体であることができる。あるいは、Aβ40はAβ42と交差反応を全く行うことなくAβ40のC末端領域を認識する捕捉抗体およびAβ40およびAβ42の両方に共通であるAβ40の領域、好ましくはAβ42/Aβ40のN末端領域を認識する検出抗体を用いて特異的に検出することができる。
Aβ42を特異的に検出または測定するには、捕捉抗体はAβ42(およびAβ40)のN末端領域を認識する抗体であることができ(両ペプチドは同一のN末端領域を有するからである)、検出抗体はAβ40と交差反応を全く行うことなくAβ42のC末端領域を特異的に認識する抗体であることができる。あるいは、Aβ42はAβ42のC末端領域を認識する捕捉抗体およびAβ42およびAβ40の両方に共通であるAβ42の領域を認識する検出抗体を用いて特異的に検出することができる。
Aβ42およびAβ40を同時に検出または測定するには、捕捉抗体はAβ42およびAβ40に共通のN末端領域を認識する抗体であることができ、検出抗体は少なくとも2種類の抗体の組合せであることができ、第一の抗体がAβ40と交差反応を全く行うことなくAβ42のC末端領域を特異的に認識し、第二の抗体がAβ42と交差反応を全く行うことなくAβ40のC−末端領域を特異的に認識するものである。あるいは、捕捉抗体はAβ42およびAβ40に共通のN末端領域を認識する抗体であることができ、検出抗体はAβ40およびAβ42の両方のC−末端領域を認識する抗体であることができる。あるいは、Aβ42およびAβ40は、捕捉抗体としてAβ40と交差反応を全く行うことなくAβ42のC末端領域を特異的に認識する第一の抗体とAβ42と交差反応を全く行うことなくAβ40のC末端領域を特異的に認識する第二の抗体を含んでなる少なくとも2個の抗体の混合物と、Aβ42およびAβ40の両方に共通のN末端領域を認識する検出抗体を用いて同時に検出することができる。あるいは、Aβ42およびAβ40は、捕捉抗体として およびAβ42の両方のC末端領域を認識する抗体と、Aβ42およびAβ40の両方に共通のN末端領域を認識する検出抗体とを用いて同時に検出することができる。
好ましい態様では、第一および/または第二の抗体または抗体の組合せは、それらの調製に用いたポリペプチドの配列を含んでなるポリペプチドを用いてアフィニティー精製した。
キットの第三の要素は、検出抗体にアフィニティーを示しかつ結合対の第一の成員に結合する試薬に相当する。この抗体結合試薬は抗体または抗体断片の(複数の)特定の種類、(複数の)特定のクラスおよび/または(複数の)特定のサブクラスに非共有的に結合することができる。あるいは、抗体結合試薬は、特定の抗原に特異的な抗体に非共有的に結合することができる。幾つかの態様では、抗体結合試薬は検出抗体のFc領域またはF(ab)領域に非共有的に結合する。好ましい抗体結合試薬としては、プロテインA、プロテインG、プロテインV、プロテインL、抗Fc抗体または抗体結合断片、およびFc受容体(FcR)またはその抗体結合断片が挙げられる。検出抗体に非共有的に結合することができる抗体の非限定的例としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、一本鎖Fvs(scFv)一本鎖抗体、Fab断片、F(ab′)断片、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、細胞内発現抗体、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体、および上記のいずれかのエピトープ結合断片が挙げられる。Fc受容体の比限定的例としては、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIAa、FcγRIIIB、FcεRIa、FcεRIξおよびFcγRIIIAξが挙げられる。
本発明のキットの第四の要素は、検出可能タグに結合する結合対の第二の成員に相当する。好適な結合対としては、
− ハプテンまたは抗原/抗体、例えばジゴキシンおよび抗ジゴキシン抗体、
− ビオチンまたはビオチン類似体(例えば、アミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン)/アビジンまたはストレプトアビジン、
− 糖/レクチン、
− 酵素および補助因子、
− 葉酸/葉酸塩、
− タンパク質に選択的に結合する二本鎖オリゴヌクレオチド、転写因子、
− 核酸または核酸類似体/相補性核酸、
− 受容体/リガンド、例えば、ステロイドホルモン受容体/ステロイドホルモン
が挙げられる。
結合対の「第一」および「第二」の成員という用語は総体的なものであり、上記成員のそれぞれを結合対の第一または第二の成員として見ることができることが理解されるであろう。好ましい態様では、結合対の第一の成員はビオチンまたは機能的に同等なその変異体であり、結合対の第二の成員はアビジン、ストレプトアビジンまたは機能的に同等なその変異体である。
好ましい態様では、結合対の第二の成員はストレプトアビジンである。
好適な検出可能タグとしては、蛍光残基(例えば、フルオレセイン、ローダミン、フィコスリトリン、クマリン、オキサジン、レゾルフィン、シアニン、およびそれらの誘導体)、発光残基(例えば、Qdot(商品名) Quantum Dot Corporation製ナノ粒子, パロアルト, カリフォルニア)が挙げられるが、これらに限定されない。検出可能タグが酵素である場合には、この酵素は、例えば、賦活剤、基質、増幅剤などの添加により検出可能なシグナルを生成することができなければならない。本発明の検出可能タグとして好適な酵素および対応する基質としては、下記のものを包含する:
− アルカリホスファターゼ:
・色素産生基質:p−ニトロフェニルホスフェート(p−NPP)、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム(BCIP/NPT)、ファストレッド(Fast−Red)/ナフトール−AS−TSホスフェートを基剤とする基質、
・蛍光産生基質:4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)、2−(5’−クロロ−2’−ホスホリルオキシフェニル)−6−クロロ−4−(3H)−キナゾリノン(CPPCQ)、3,6−フルオレセインジホスフェート(3,6−FDP)、ファストブルー(Fast Blue)BB、ファストレッドTR、またはファストレッドバイオレットLBジアゾニウム塩、
− ペルオキシダーゼ:
・2,2−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)、o−フェニレンジアミン(OPT)、3,3’,5,5&−テトラメチルベンジジン(TMB)、o−ジアニシジン、5−アミノサリチル酸、3−ジメチルアミノ安息香酸(DMAB)および3−メチル−2−ベンゾチアゾリンヒドラゾン(MBTH)、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)−および3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩(DAB)を基剤とする、色素産生基質、
・蛍光産生基質:4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル酢酸、還元型フェノキサジンおよび還元型ベンゾチアジン、例えばAmplex(商標) Red試薬、Amplex UltraRedおよび還元型ジヒドロキサンテン、
− グリコシダーゼ:
・色素産生基質:β−D−ガラクトシダーゼに対するo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシド(o−NPG)、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシドおよび4−メチルウンベリフェニル−β−D−ガラクトシド(MUG)、
・蛍光産生基質:レゾルフィンβ−D−ガラクトピラノシド、フルオレセインジガラクトシド(FDG)、フルオレセインジグルクロニド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド、カルボキシウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシドおよびフッ素化クマリンβ−D−ガラクトピラノシド、
− オキシドレダクターゼ(ルシフェラーゼ):
・発光基質:ルシフェリン
が挙げられる。
好ましい態様では、検出可能タグはホースラディッシュペルオキシダーゼであり、検出試薬はTMBである。
好ましい態様では、キットは固形支持体をさらに含んでなる。本明細書で用いられる「支持体」または「表面」という用語は、ストリップ、棒、粒子、例えばラテックス粒子、磁性粒子、微小粒子、ビーズ、膜、マイクロタイターウェルおよびプラスチックチューブのような多数の形状のいずれか1つを有することができる多孔性または非多孔性の水不溶性材料である固相を表す。原則として、十分な量の捕捉抗体を結合することができるという条件で、任意の材料は固形支持体として好適である。従って、固相材料の選択は、所望なアッセイフォーマット性能特性(assay format performance characteristics)に基づいて決定される。固形支持体に好適な材料としては、ポリマー材料、特にセルロース材料およびセルロース由来の材料、例えば濾紙、クロマトグラフィー紙、ガラス繊維紙などの繊維含有紙、合成または修飾した天然に存在するポリマー、例えばニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、架橋デキストラン、アガロース、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリビニルブチレートなど単独でまたは他の材料と共同で用いられるもの、ガラス、例えば、生体ガラス、セラミック、金属などとして利用可能なガラスが挙げられる。スチレンおよびカルボキシル化スチレンまたはアミノ、ヒドロキシル、ハロなどのような他の活性基で官能化したスチレンの非架橋ポリマーが好ましい。幾つかの場合には、置換スチレンとブタジエンのようなジエンとのコポリマーが用いられる。
固形支持体と捕捉抗体は、別々にキットに提供してもよく、あるいは支持体は予め捕捉抗体をプレコーティングして送達することができる。この場合には、支持体は捕捉抗体の結合の後にブロッキング溶液で処理したものでよい。支持体をプレコーティングする場合には、支持体を濃縮したトレハロース溶液で処理し、乾燥させることができ、この場合には乾燥トレハロースは支持体上にハロー(halo)を形成する。乾燥トレハロースを含むこれらの支持体は非常に安定であり、4℃で暗所に保管するときには2年間まで保管することができる。
キットの追加要素としては、
分析を行う試料を患者から採取する手段、
ターゲットペプチドの標準曲線を作成するのに要する緩衝剤および溶液、
分析中に固形支持体を洗浄してブロッキングする緩衝剤および溶液、
固形支持体をコーティング抗体でコーティングするための緩衝剤および溶液、
検出可能タグから着色または蛍光産生シグナルを発生させるための試薬、
検出可能タグ(例えば、1N H2SO4)から着色または蛍光産生生成物の形成を停止するための試薬、
ペプチドを折り畳まれていない状態に保持するための手段(例えば、濃グアニジニウム塩酸)
Aβ40またはAβ42ペプチド、またはそれらの組合せの原液を含む試料
を挙げることができる。
好ましい態様では、捕捉抗体は固形支持体上に固定されている。固定は、検出を行うターゲットポリペプチドの結合の前にまたはペプチド/タンパク質が捕捉抗体に結合したときに行うことができる。いずれにせよ、固形支持体を用いる場合には、測定を行うターゲットポリペプチドを含む試料の添加前に支持体上の過剰のタンパク質結合部位をブロックするのが好都合である。好ましくは、支持体上のペプチド結合部位のブロッキングまたはクエンチングは、それぞれの結合反応の後に複合体の洗浄に用いる約0.05%〜10%、好ましくは1〜5%、更に好ましくは約3%の濃度の高分子化合物(例えば、ウシ血清アルブミン、脱脂粉乳、ウェスタンブロッキング試薬、カゼイン、ラクトアルブミン、オボアルブミン)を捕捉した同じ緩衝剤(例えば、50mM Tris−HCl,pH 8、PBSまたはTBS、場合によってはTween 20を含んでなる)を用いて行う。固定した捕捉抗体を含んでなる支持体をかなり長い時間保管しなければならない場合には、支持体を濃縮したトレハロース溶液で処理して乾燥させるのが好ましく、この場合には乾燥トレハロースは支持体上にハロー(halo)を形成する。乾燥トレハロースを含むこれらの支持体は非常に安定であり、4℃で暗所に保管するときには2年間まで保管することができる。
本発明のキットは、キットの第一および第二の抗体構成要素によって特異的に認識されるポリペプチドを高感度で検出または測定することができる。従って、もう一つの態様では、本発明は、試料中のタンパク質またはタンパク質を検出するための本発明のキットの使用に関する。好ましい態様では、キットは、試料中のAβ40、Aβ42およびそれらの組合せの群から選択されるペプチドを検出するのに用いられる。
本発明で理解される「試料」としては、組織培養物、血漿、血清、唾液、精液、痰、脳脊髄液(CSF)、涙、粘液、汗、乳、脳抽出物などのいずれかが挙げられる。好ましい態様では、試料は血漿試料である。
任意の試料中のAβ40およびAβ42の濃度の高感度測定を行うための本発明のキットの能力を考慮すれば、これはいずれかの細胞流体または組織のこれら2種類のペプチドのいずれかの濃度に変化が見られる任意の疾患、特に変性疾患、更に詳細には神経変性疾患の診断に用いることができる。Aβ40および/またはAβ42のレベルの変化の出現に基づいて診断することができる変性疾患の非制限的例としては、
骨減少症、骨軟化症、骨粗鬆症、オステオミエローマ、骨形成異常症、バジェット病、骨形成不全症、骨硬化症、形成不全製骨疾患、体液性高カルシウム血症性骨髄腫、多発性骨髄腫および転移後の骨低粘稠化のような骨変性疾患、
ゴーラム−スタウト症候群、関節炎性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、リウマチ様疾患および骨粗鬆症のような軟骨変性疾患
筋ジストロフィー、筋萎縮症、鬱血性閉塞性肺疾患、筋消耗性症候群、筋肉減弱、悪液質のような筋変性疾患、
虚血による心細胞死、臓器移植拒絶による組織および器官の死、自家中毒による聴力喪失などの心変性疾患、
色素性網膜炎のような網膜変性疾患、
アレキサンダー病、アルパー病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、毛細血管拡張性運動失調、バッテン病、ウシ海綿状脳症(BSE)、キャナバン病、コケーン症候群、皮質基底核変性症、クロイツフェルト−ヤーコプ病、ハンチングトン病、HIV関連性痴呆ケネディー病、クラッベ病、レヴィー小体痴呆、マチャド−ジェゼフ病(脊髄小脳性運動失調3型)、多発性硬化症、多系統萎縮症、神経ボレリア症、パーキンソン病、ペリツェーウス−メルツバッヒャー病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、レフサム病、ザントホフ病、シルダー病、統合失調症、シュピールマイヤー−フォークト−シェーグレン−バッテン病(バッテン病としても知られる)、脊髄小脳性運動失調、脊髄性筋萎縮症、スティール−リチャードソン−オルスゼフスキー病、背側癆のような神経系の変性疾患
が挙げられる。好ましい態様では、本発明のキットを用いて診断される神経変性疾患は、アルツハイマー病である。
起こり得る疾患を決定するのに必要とされるパラメーターは、絶対的Aβ40およびAβ42濃度だけでなく、これらの値の組合せから誘導されるパラメーター、例えば比Aβ40/Aβ42またはAβ42/Aβ40、総Aβペプチドに対するAβ42およびAβ40の百分率、またはAβ42およびAβ40の濃度の和でもあることが理解されるであろう。
好ましい態様では、診断し得る疾患はアルツハイマー病であり、更に詳細には、健康な個体から得た同じ起源の生物学的試料中の上記ペプチドまたはペプチド類の量より低いAβ40および/またはAβ42ペプチド濃度のAD患者の試料の外観に基づく散発性ADである。
使用においては、本発明のキットにより、試料中のAβ42、Aβ40およびそれらの組合せの群から選択されるターゲットポリペプチドの量を検出するための5段階法を行うことができる。本発明のもう一つの目的である上記方法は、
試料中のAβ42、Aβ40およびそれらの混合物の群から選択されるターゲットポリペプチドの量を測定または検出する方法であって、
(i) 試料中に含まれるターゲットポリペプチドを、上記ターゲットポリペプチドに特異的に結合する第一の抗体または抗体の組合せで捕捉し、
(ii) 段階(a)で形成した免疫複合体を、第一の抗体または抗体の組合せとは異なるターゲットポリペプチドの領域を認識する第二の抗体または抗体の組合せと接触させ、
(iii) 段階(ii)で形成した複合体を、第二の抗体にアフィニティーを示しかつ結合対の第一の成員に結合している試薬と接触させ、
(iv) 段階(iii)で形成した複合体を、検出可能タグに結合している結合対の第二の成員と接触させ、
(v) 結合対の第二の成員に結合した検出可能タグの活性を検出する
段階を含んでなる。
好ましい態様では、検出されるペプチドは上記ペプチドの非オリゴマー形態に相当し、更に好ましくはAβ40およびAβ42のモノマー形態に相当する。
この方法のそれぞれの段階で用いられる試薬は、上記で詳細に説明した。
本発明による方法の第一の段階では、Aβ40および/またはAβ42ペプチドを含む試料を第一の抗体と接触させて、第一の免疫複合体を形成させる。
第一の結合段階を行った後に、複合体を洗浄して、元の試料に見られる捕捉抗体に結合しなかった過剰のタンパク質/ペプチドを除去することができる。本発明に関して用いることができる好ましい洗浄緩衝剤としては、場合によっては塩(例えば、150mM NaCl)を含んでなりかつ場合によっては低濃度の洗剤(例えば、0.05% Tween−20)を含んでなる生理的に近いpHの任意の緩衝剤(例えば、50mM Tris−HCl)が挙げられる。
第二段階では、捕捉抗体と試料のAβペプチドまたはペプチド類との間で形成された複合体を次に第二の抗体と接触させて、「サンドイッチ型」免疫複合体を形成させる。
第二段階を行った後、免疫複合体を上記と本質的に同じ緩衝剤および手順を用いて非特異的に結合した抗体を除去することができる。
第三段階では、本発明の方法は、捕捉したペプチドまたはペプチド類と検出抗体との間に形成された複合体を検出抗体にアフィニティーを示しかつ結合対の第一の成員に結合する試薬と接触させることを含む。
第四段階では、本発明の方法は、抗体結合試薬と検出抗体との間に形成された複合体を検出可能タグに結合する結合対第二の成員と接触させることを含む。
本発明による方法の第五段階では、この方法は、検出可能タグの検出を含む。本発明による方法の第五段階では、この方法は、検出可能タグの検出を含む。検出可能タグの検出および/または定量はタグの性質によって変化し、当該技術分野で知られていることが理解されるであろう。完全な基質または検出可能タグが発光または色素成分を含むときには、検出はUV トランスイルミネーターで視覚観察により、またはUVを用いる電荷結合素子(CCD)カメラ検出システム、レーザーを用いるゲルスキャナー、キセノン−アークを用いるCCDカメラ検出システム、UV−トランスイルミネーターと組み合わせたポラロイドカメラ、並びにルミネッセンスの検出に用いられる他の様々な装置を用いることによって、行うことができる。検出可能タグが酵素であるときには、本発明による方法の第五段階は、タグで標識した免疫複合体(例えば、検出可能タグで標識した捕捉したペプチド、検出抗体および試薬)を検出可能タグとして用いる酵素の活性剤、基質または増幅剤に暴露することを含む。検出可能なシグナルを生じることができる公知の検出可能タグとしては、酵素標識した抗体が挙げられる。この目的に周知の代表的酵素としては、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびグリコシダーゼ、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼが挙げられる。一例として、検出抗体に特異的に結合する試薬を、ホースラディッシュペルオキシダーゼで標識することができる。捕捉残基−検出抗体−試薬複合体が形成されたならば、次に検出可能タグとして用いられる酵素の広範囲の周知の基質のいずれかを用いて検出を行うことができる。
もう一つの態様では、本発明は、神経変性疾患の診断方法であって、上記疾患を有することが疑われる被験者の試料におけるAβ40および/またはAβ42のレベルを測定し、上記被験者の試料中の一方および/または両方のペプチドの濃度を神経変性疾患の外観を有する健康な個体由来の試料における上記ペプチドまたはペプチド類の濃度に相関させることを含んでなる、方法に関する。
好ましい態様では、神経変性疾患はアルツハイマー病であって、上記試料中のペプチドAβ40、Aβ42またはそれらの組合せの量が健康な個体からの試料における上記ペプチドまたはペプチド類の量より少なければ、この被験者はアルツハイマー病に罹っていることを示している。好ましくは、測定は血漿または血清で行われる。
測定を行う試料と増加かつ既知濃度の測定を行う化合物を有する多数の試料とを平行して用いて、この方法の様々な段階を行うことが好ましい。Aβ40および/またはAβ42を測定しようとする場合には、それぞれのペプチドについての標準曲線を増加濃度を用いて調製しなければならない。標準曲線は、(i) シグナルがターゲットペプチドの濃度と共に直線的に増加する濃度範囲を画定し、(ii) 試験試料で得たシグナルを曲線に内挿することによって試験試料中のペプチドの濃度を測定して濃度値を得るという2つの目的を行っている。本発明の分析法が高感度であることを考慮すれば、試験試料の好ましい濃度は、例えば3.125、6.25、12.5、25、50、100および200pg/mlである。標準曲線を得るのに用いた試料の濃度はそれぞれの試験基質に対して変化することが理解されるであろう。しかしながら、この分析法の直線範囲の測定は、通常の手段によって熟練実施者であれば容易に決定することができる。家族性ADの患者のCSF試料並びに血清試料中のAβ42およびAβ40ペプチドの量が散発性ADの患者の血清と比較して高いことを考慮すれば、本発明のキットを家族性ADの患者のCSFまたは血清試料のAβペプチドの測定に用いる場合には、Aβ40/Aβ42の最終濃度が分析の直線範囲内になるようにこれらを希釈するのが好ましい。
下記の実施例は例示のために提供されるものであり、本発明の範囲を制限するためのものを解釈すべきではない。
実施例1
ビオチン-ストレプトアビジン増幅を有する比色ELISAサンドイッチ
感度を高めるために、シグナルをビオチン−ストレプトアビジンを用いて増幅することができる。アミロイドAβ40およびアミロイドAβ42ペプチドの両方におけるアミノ酸1−17を認識する6E10 mAb捕捉抗体を用いて、プレートをコーティングした。コーティングは、100mM炭酸塩/重炭酸塩緩衝液,pH=9.6中にて5μg/mlの濃度で4℃で一晩行った。次いで、プレートを、ブロッキング溶液(50mM Tris−HCl,pH 8,0,2% Tween−20,0,5%BSA)300μlを用いて振盪しながら室温にて3時間または37℃にて2時間ブロックした。必要ならば、ブロッキング後にプレートを20mg/mlトレハロースを含む50mM Tris−HCl,pH8溶液100μlで処理することができる。トレハロースに特有の白色ハローが現れるまで、プレートを蒸発させた。このように処理したプレートは、アルミニウム箔でカバーして4℃で保持することができ、2年間安定である。
標準曲線の試料は、6E10 mAbをコーティングしてトレハロースで処理したプレート上でペプチドAβ40およびAβ42の200pg/ml貯蔵溶液から調製した。これらの溶液から、SDBで連続希釈1:2を行い、200、100、50、25、12.5、6.25および3.125pg/mlの濃度を得た。それぞれの希釈または未希釈試料100μlをSDB(1/1.000.000)の希釈または未希釈で加え、4℃にて一晩(または37℃にて2時間)インキュベーションする。
検出抗体(Aβ42ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製したポリクローナル抗体またはAβ40ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製したポリクローナル抗体、Aβ42またはAβ40を検出しようとするかどうかによって変化)をSDBで希釈して加えた。100μlをそれぞれのウェルに加えた後、室温にて1時間インキュベーションした。
次いで、ビオチン標識した抗ウサギIgG抗体(SIGMA)のSDB中での1/5000希釈物100μlを加え、室温で振盪しながら1時間インキュベーションした。次に、HRP結合ストレプトアビジン(SIGMA製)のSDB中での1/4000希釈物100μlをそれぞれのウェルに加え、室温で1時間インキュベーションした。
プレートを展開するため、色素産生基質TMB(ZEU Inmunotec)100μlを加え、暗所で15−30分間インキュベーションした。停止溶液として1N HSO50μlをウェル当たりに加えた。450nmでの吸光度を、プレートリーダーSynergy HT (BioTek Instruments)で読んだ。
それぞれの段階の間に、毎回5回のすすぎを行うように設定された自動プレート洗浄機(E1x50 Bio Tek Instruments)を用いてプレートを洗浄した。洗浄溶液は50mM Tris−HCl pH 8、0.05% Tween−20および150mM NaCl(使用前に濾過)を含んでいた。
実施例2
蛍光ELISAサンドイッチ分析法
プレートを、重炭酸塩緩衝液の6E10(5μg/ml)で4℃にて一晩コーティングした。次いで、プレートを室温にて振盪しながら3時間ブロックした(300μl/ウェル)。次に、試験および標準曲線試料をプレートに加え、4℃にて一晩インキュベーションした。検出抗体(抗Aβ40または抗Aβ42血清)の1/4000希釈物をそれぞれのウェルに加え、室温にて振盪しながら1時間インキュベーションした。FITC結合抗−抗体の連続希釈物(希釈倍率1/1000、1/5000、1/10000)を加えて、暗所にて室温で1時間インキュベーションした。蛍光は、485nmの励起波長および528の発光波長を用いていた。
あるいは、分析は、ELISA分析の感度を高めるQuanta-Blu (PIERCE)蛍光基質を用いて行う。最大励起波長は325nmであり、最大発光波長は420nmである。それは、315−340 nmの励起範囲および370−470nmの発光範囲で検出することができる。QuantaBlu Working Solutionは、QuantaBlu Substrate Solution 9部をQuantaBlu Stable Peroxidase Solution 1部と混合することによって調製される(溶液は室温で24時間安定)。これを室温で1.5分間−90分間インキュベーションすることができ、反応を停止してまたは停止せずに読み取ることができる(青色が生じる)。
プレートを、重炭酸塩緩衝液の6E10(5μg/ml)で4℃にて一晩コーティングした後、室温にて振盪しながら3時間ブロックした(300μl/ウェル)。次いで、下記のAβ42およびAβ40ペプチドの濃度で、様々な標準曲線を調製した。
1000、500、250、125、62.5、31、25および15.65pg/ml、
200、100、50、25、12.5、6.25および3.125pg/ml、
25、12.5、6.25、3.125、1.56、0.78および0.39pg/ml、
10、5、2.5、1.25、0.625、0.3125および0.156pg/ml
5、2.5、1.25、0.625、0.3125、0.156および0.078pg/ml、
1、0.5、0.25、0.125、0.0625、0.03125および0.0156pg/ml。
検出抗体(抗Aβ40または抗Aβ42血清)を、室温にて振盪しながら1時間加える(1/4000倍に希釈)。次に、HRP結合抗ウサギIgG 1/1000を加え、室温にて振盪しながら1時間インキュベーションする。反応を発現するため、Quanta-Blue Working Solution 100μlを加えた後、暗所にて室温で30分、60分および90分間インキュベーションする。次に、30分、60分および90分後に、反応を停止せずにまたはSTOP溶液で反応を停止して、蛍光を読み取る(励起: 360/40nm;発光: 460/40nm)
実施例3
Aβ40およびAβ42標準曲線の調製
Aβ40標準曲線を調製するために、ヒトAβ40の凍結乾燥試料を10μg/mlに再構成した。貯蔵溶液から、下記の濃度(pg/ml)を含む試料を調製した:25,000pg/ml、2,500pg/ml、25pg/ml、12.5pg/ml、6.25pg/ml、3.125pg/ml、1.56pg/ml、0.78pg/ml。試料は、プロテアーゼ阻害剤AEBSF 1 mMの存在下にて調製した。次に、試料を、上記実施例に記載の方法に準じて処理した。結果を、図1に示す。
Aβ42標準曲線を調製するために、ヒトAβ42の凍結乾燥試料を10μg/mlに再構成した。貯蔵溶液から、下記の濃度(pg/ml)を含む試料を調製した: 25,000pg/ml、2,500pg/ml、25pg/ml、12.5pg/ml、6.25pg/ml、3.125pg/ml、1.56pg/ml、0.78pg/ml。試料は、プロテアーゼ阻害剤AEBSF 1mMの存在下にて調製した。次に、試料を、上記実施例に記載の方法に準じて処理した。結果を、図2に示す。
実施例4
AD診断とAβ40/Aβ42レベルとの相関
Aβ40およびAβ42レベルを、上記実施例に記載のELISAサンドイッチ分析法を用いて対照被験者のコホートおよびADと診断された患者のコホートからの血漿試料でミニ・メンタル・ステート・検査(MMSE)スコアを用い、カットオフ値を24として測定した。pg/mlで表したAβ40およびAβ42の濃度を、表1に示す。
Figure 2010535328
平均値を計算し、結果を表2に示す。
Figure 2010535328

Claims (45)

  1. Aβ42、Aβ40およびそれらの混合物の群から選択されるターゲットポリペプチドの検出用キットであって、
    (i) 上記ターゲットポリペプチドを認識する、第一の抗体または抗体の組合せ、
    (ii) 第一の抗体または抗体の組合せによって認識される領域以外のターゲットポリペプチドの領域を認識する、第二の抗体または抗体の組合せ、
    (iii) 結合対の第一の成員に結合している第二の抗体にアフィニティーを示す試薬、および
    (iv) 検出可能タグに結合した結合対の第二の成員
    を含んでなる、キット。
  2. 第一の抗体または抗体の組合せが、C末端領域とは異なるAβ40および/またはAβ42における領域を認識する、請求項1に記載のキット。
  3. 第一の抗体が、Aβ42およびAβ40ペプチドのN末端領域を認識する、請求項1に記載のキット。
  4. 第一の抗体が、Aβ40およびAβ42のアミノ酸1〜16内に配置されたエピトープに対して指定される、請求項3に記載のキット。
  5. 第一の抗体がモノクローナル抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキット。
  6. モノクローナル抗体が6E10 mAbである、請求項5に記載のキット。
  7. 第二の抗体が、
    (i) Aβ40と実質的交差反応を全く行うことなくAβ42に特異的に結合するAβ42ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製した、ポリクローナル抗体、
    (ii) Aβ42と実質的交差反応を全く行うことなくAβ40に特異的に結合するAβ40ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製した、ポリクローナル抗体、および
    (iii) Aβ40およびAβ42の両方のC末端領域を同時に認識する、抗体、および
    (iv) (i)および(ii)に記載の抗体の組合せ
    の群から選択される抗体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のキット。
  8. 第二の抗体の調製に用いるAβ42ペプチドのC末端領域が、配列番号1または配列番号2のペプチドである、請求項7に記載のキット。
  9. 第二の抗体の調製に用いるAβ40ペプチドのC末端領域が、配列番号3のペプチドである、請求項7に記載のキット。
  10. 第一および/または第二の抗体または抗体の組合せが、それらの調製に用いられるポリペプチドの配列を含んでなるポリペプチドを用いてアフィニティー精製されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のキット。
  11. 第二の抗体にアフィニティーを示す試薬が、抗IgG抗体、プロテインAもしくはプロテインG、または機能的に同等なそれらの変異体の群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキット。
  12. 結合対の第一の成員が、ビオチンである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のキット。
  13. 結合対の第二の成員が、アビジン、ストレプトアビジンまたは機能的に同等なそれらの変異体である、請求項12に記載のキット。
  14. 上記検出可能タグが、
    (i) 酵素、
    (ii) 蛍光分子
    の群から選択される、請求項1〜14のいずれか一項に記載のキット。
  15. 固形支持体をさらに含んでなる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のキット。
  16. 抗体の1つまたは抗体の組合せが、固形支持体に前もって結合している、請求項16に記載のキット。
  17. 第一の抗体が、固形支持体に前もって結合している、請求項16に記載のキット。
  18. トレハロースの濃縮溶液で処理され、乾燥させた、請求項17に記載のキット。
  19. Aβ40および/またはAβ42ペプチドを含む試料をさらに含んでなる、請求項1〜18のいずれか一項に記載のキット。
  20. 検出可能タグが酵素である場合には、上記酵素によって検出可能な産物に転換することができる基質をさらに含んでなる、請求項14に記載のキット。
  21. 測定または検出しようとするターゲットポリペプチドがAβ40、Aβ42またはそれらの混合物の群から選択される、試料中のポリペプチドを測定または検出するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載のキットの使用。
  22. 試料が血液、血漿、血清またはCSFの群から選択される、請求項21に記載の使用。
  23. 被験者における変性疾患の診断のための、請求項1〜20のいずれか一項に記載のキットの使用。
  24. 変性疾患が神経変性疾患である、請求項23に記載の使用。
  25. 神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項24に記載の使用。
  26. 試料中のAβ42、Aβ40およびそれらの混合物の群から選択されるターゲットポリペプチドの量を測定または検出する方法であって、
    (i) 試料中に含まれるターゲットポリペプチドを、ターゲットポリペプチドに特異的に結合する第一の抗体または抗体の組合せで捕捉し、
    (ii) 段階(a)で形成した免疫複合体を、第一の抗体または抗体の組合せによって認識される領域とは異なるターゲットポリペプチドの領域を認識する第二の抗体または抗体の組合せと接触させ、
    (iii) 段階(ii)で形成した複合体を、第二の抗体にアフィニティーを示しかつ結合対の第一の成員に結合している試薬と接触させ、
    (iv) 段階(iii)で形成した複合体を、検出可能タグに結合している結合対の第二の成員と接触させ、
    (v) 結合対の第二の成員に結合した検出可能タグの活性または量を検出または測定する
    段階を含んでなる、方法。
  27. 第一の抗体が、C末端領域とは異なるAβ40およびAβ42に共通の領域を認識する、請求項26に記載の方法。
  28. 第一の抗体が、Aβ42およびAβ40ペプチドのN末端領域を認識する、請求項27に記載の方法。
  29. 第一の抗体がAβ40およびAβ40のアミノ酸1〜16内に配置されているエピトープに対して指定される、請求項26〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 第一の抗体がモノクローナル抗体である、請求項26〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. モノクローナル捕捉抗体が6E10 mAbである、請求項30に記載の方法。
  32. 第二の抗体が、
    (i) Aβ40と実質的交差反応を全く行うことなくAβ42に特異的に結合するAβ42ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製した、ポリクローナル抗体、
    (ii) Aβ42と実質的交差反応を全く行うことなくAβ40に特異的に結合するAβ40ペプチドのC末端領域に対応するペプチドに対して調製した、ポリクローナル抗体、
    (iii) Aβ40およびAβ42の両方のC末端領域を同時に認識する、抗体、および
    (iv) (i)および(ii)に記載の抗体の組合せ
    の群から選択される抗体である、請求項26〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 第二の抗体の調製に用いるAβ42ペプチドのC末端領域が、配列番号1、配列番号2の群から選択されるペプチドである、請求項32に記載の方法。
  34. 第二の抗体の調製に用いるAβ40ペプチドのC末端領域が、ペプチド配列番号3の群から選択されるペプチドである、請求項32に記載の方法。
  35. 第一および/または第二の抗体が、それらの調製に用いたポリペプチドの配列を含んでなるポリペプチドを用いてアフィニティー精製されている、請求項26〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 第二の抗体にアフィニティーを示す試薬が抗IgG抗体、プロテインAまたはプロテインG、または機能的に同等なそれらの変異体の群から選択される、請求項26〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 結合対の第一の成員が、ビオチンである、請求項26〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 結合対の第二の成員が、アビジン、ストレプトアビジンまたは機能的に同等なそれらの変異体である、請求項37に記載の方法。
  39. 上記検出可能タグが、
    (i) 酵素、
    (ii) 蛍光分子
    の群から選択される、請求項26〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 生物学的試料が血液、血清、血漿およびCSFの群から選択される、請求項26〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 第一の抗体が固形支持体に予め固定されている、請求項26〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 被験者の変性疾患の診断方法であって、
    患者の試料中のAβ40またはAβ42の量を請求項26〜41のいずれか一項に記載の方法を用いて測定し、被験者の試料中の一方または両方のペプチドの濃度を、変性疾患の外観を有する健康な個体由来の試料中のペプチドまたはペプチド類の濃度に関して相関させることを含んでなる、方法。
  43. 変性疾患が神経変性疾患である、請求項42に記載の方法。
  44. 神経変性疾患がアルツハイマー病であり、試料中の量Aβ40および/またはAβ42ペプチドが健康な個体から得た同一起源由来の生物学的試料中の上記ペプチドまたはペプチド類の量より低い場合には、被験者はアルツハイマー病に罹っていることを示す、請求項43に記載の方法。
  45. Aβ40および/またはAβ42を検出しようとする試料が血漿または血清試料である、請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。
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