JP2010533362A - 回路用基板 - Google Patents

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Abstract

絶縁樹脂層を含む回路用基板であって、前記絶縁樹脂層はポリイミドと粘土鉱物とを含み、前記絶縁樹脂層の450℃での弾性率が0.3GPa以上30GPa以下であり、前記絶縁樹脂層の厚みを20μmとしたときの波長650nmにおける光線透過率が40%以上である回路用基板を提供可能とする。

Description

本発明は、回路用基板に関する。
ポリイミドは、力学的強度、熱的性質及び電気的性質が優れているため、フィルム、回路基板絶縁樹脂層などの用途として、電気・電子機器類等の分野で広く使用されている。今後も耐熱性が要求される分野へ幅広く用いられることが期待され、優れたポリイミドが開発されている。
たとえば、プリント配線板を使用した電子機器が小型化、高機能化、高密度化されるに伴い、部品・素子の高密度実装が可能なポリイミドフィルムの回路用基板材料としての利用が増大している。特に、電子材料用途としては、熱、水に対する寸法安定性や高透明性による作業性の向上が望まれている。
従来、ポリイミドの熱特性、機械特性を向上させるため、ポリイミドに無機物を添加することが知られている。しかしながら、粘土鉱物などの無機物をそのままポリイミドに添加する場合、粘土鉱物とポリイミドとの親和性が低いことから、粘土鉱物がポリイミド中に均一に分散せず、ポリイミドの特性が向上しないなどの問題があった。
特許文献1には、熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性樹脂に対し、あらかじめ化学修飾(有機化)をして樹脂との親和性を高めた層状珪酸塩を添加することが開示されている。
特開2006−57099号公報
しかし、上記特許文献1では、有機化処理された粘土鉱物は、耐熱性の低いアルキルアンモニウムを含んでいるため、ポリイミドフィルムの耐熱性、機械特性が低下したり、変色したりする課題を有していた。
本発明の目的は、耐熱性の低い有機化合物を含まずに、透明性と高温時弾性率との両立に優れた絶縁樹脂層を有する回路用基板を提供することである。
本発明によれば、絶縁樹脂層を含む回路用基板であって、前記絶縁樹脂層はポリイミドと粘土鉱物とを含み、前記絶縁樹脂層の450℃での弾性率が0.3GPa以上30GPa以下であり、前記絶縁樹脂層の厚みを20μmとしたときの波長650nmにおける光線透過率が40%以上であることを特徴とする回路用基板が提供される。
本発明により、透明性と高温時弾性率との両立に優れた絶縁樹脂層を有する回路用基板が提供される。
以下、本発明の回路用基板の絶縁樹脂層として用いられるフィルムについて説明する。
フィルムの弾性率は、450℃で、0.3GPa以上であることが好ましい。こうすることにより、高温時での弾性に優れ、寸法安定性が良好となる。また、フィルムの弾性率は、450℃で、30GPa以下であることが好ましい。弾性率が高すぎることによるフィルムの柔軟性の低下を防止できる。
フィルムの光線透過率は、フィルムの厚みを20μmとしたとき、波長650nmにおいて、40%以上であることが好ましく、さらに45%以上であることが好ましい。こうすることにより、このようなフィルムからなる絶縁樹脂層を介在した視認による作業が可能となり、より作業の精度を向上できる。なお、フィルムの厚み20μmとしたときの光線透過率とは、厚みが15〜25μmのフィルムの光線透過率から、以下の式(3)を用いて厚み20μmに換算した光線透過率である。
吸光度(E)=logI/I=kCL ・・・(3)
強度Iの単色光がモル濃度C、試料の厚さLを通過して得られた強度Iの光について、上記式(3)のような関係が成り立つ。I/Iの百分率は光線透過率(%T)、logI/Iは吸光度、kはモル吸光係数を表している。特に、試料が希薄溶液である場合について上記式(3)を適用したものはランベルトベールの法則と呼ばれる。
高温時における高い弾性率と高光線透過率とを両立した絶縁樹脂層を用いて回路用基板などの半導体装置を得ることは従来困難であった。これに対し、本発明は、たとえば、粘土鉱物をポリイミド中での分散性を向上させることにより、こうした課題を解決している。分散性を向上させる方法としてはたとえば、ポリイミド前駆体溶液と有機化処理をしていない粘土鉱物の分散液との混合溶液を作製し、混合溶液から溶媒を乾燥させてフィルムを得ることができる。詳細については、後述する。
フィルムの厚みは、特に制限はないが、通常5〜150μmの範囲内であり、好ましくは8〜50μmの範囲内のものが一般に用いられる。
フィルムの吸湿膨張係数は、相対湿度20〜60%において、吸湿膨張係数が5ppm/%RH以上20ppm/%RH以下であることが好ましく、さらに5ppm/%RH以上15ppm/%RH以下であることが好ましい。こうすることにより、乾燥時と吸湿時とにおける変形が少なく、寸法安定性が維持される。たとえば、回路基板の小型化・高精密化への適用も可能となる。
フィルムの線膨張係数は、温度380〜430℃において、10〜100ppm/℃の範囲内であることが好ましい。こうすることにより、温度変化に対する変形が少なく、寸法安定性が維持される。たとえば、回路基板の実装工程において、加熱による反りや剥がれがおさえられる。
フィルムの吸水率は、0%以上2%以下であることが好ましく、さらに1.5%以下であることが好ましい。こうすることにより、吸水による誘電率などの電気特性の低下を防止し、寸法安定性を良好にする。
このようなフィルムからなる絶縁樹脂層は、透明性と高温時弾性率との両立に優れているため、電気・電子機器類等の分野などへ広く応用が可能である。
たとえば、回路用基板、さらに金属層を含むフレキシブル回路基板、チップ・オン・フィルム基板(COF基板)などの絶縁樹脂層として用いることができる。これらの回路用基板は、絶縁樹脂層を少なくとも一層以上有していればよく、特に制限はない。
本発明において、ポリイミドの前駆体としては、特に制限はなく、公知のジアミン化合物と酸二無水物とを用いて合成されたポリイミド重合体および/またはポリアミド酸共重合体を含むポリイミド前駆体が用いられる。
ポリイミド前駆体は、一種以上のジアミン化合物と一種以上のテトラカルボン酸二無水物とから合成されたポリイミド重合体および/またはポリアミド酸共重合体を含むことが好ましい。
本発明において、ポリイミド重合体および/またはポリアミド酸共重合体の原料として用いられるジアミン化合物としては、例えば、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3−ジアミノベンゾフェノン、p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダイン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−エチルベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)−5−sec−ブチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)−4−tert−ブチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,3−ジメチルベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−3−n−ブチルベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
これらのジアミン化合物を、一種または二種以上使用しても良い。
また、ジアミン化合物の少なくとも一つとして、下記一般式(1)
Figure 2010533362

(式(1)中、X、Xはそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、Yはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ニトロ基、およびハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、nは0〜8の整数を表す)で表される化合物を用いることが好ましい。
とくに、ジアミン化合物の少なくとも一つが、下記一般式(2)
Figure 2010533362

で表される化合物を用いることが好ましい。
さらに、二種以上使用する場合には、少なくとも一種以上が、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれることがより好ましい。
本発明において、ポリイミド重合体および/またはポリアミド酸共重合体の原料として用いられる酸二無水物としては、特に制限はなく、公知のものが使用可能である。
酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらの中から、テトラカルボン酸二無水物を一種または二種以上使用しても良い。テトラカルボン酸二無水物として、特に、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が好ましい。ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、0.75〜1.25の範囲である。
本発明においては、ポリイミド重合体および/またはポリアミド酸共重合体に、その目的に応じて他のいかなる成分を含有しても構わない。
粘土鉱物としては、特に限定されないが、層状粘土鉱物が好ましい。リザーダイト、アメサイト、クリソタイル、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイトなどの蛇紋石―カオリン系粘土鉱物;サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライトなどのスメクタイト系粘土鉱物;3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライトなどのバーミキュライト系粘土鉱物;膨潤性マイカ、金雲母、イライト、白雲母、パラゴナイトなどの雲母(マイカ)系粘土鉱物などが挙げられる。とくに、スメクタイト系粘土鉱物、または膨潤性マイカ、バーミキュライト、およびハロサイトからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。こうすることにより、高温時での弾性率が向上する。さらに好ましくは、スメクタイト系粘土鉱物のうちモンモリロナイトが挙げられる。高温時高弾性率や寸法安定性への効果がより大きくなる。
これらの粘土鉱物を、一種または二種以上使用しても良い。
粘土鉱物の含有量は、特に限定されないが、絶縁樹脂層全体を100重量部としたとき、好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは2.5重量部以上である。こうすることにより、耐熱性、高温時の弾性率が向上する。また、絶縁樹脂層全体を100重量部としたとき、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。こうすることにより、粘土鉱物は透明性と高温時弾性率とのバランスに優れ、たとえば回路用基板などに用いたときに視認による作業に適し、寸法安定性に優れた材料を提供することができる。
回路用基板は、以下のようにして作製される。
(A)ポリイミド前駆体を第一の溶媒に溶解させた溶液と、(B)有機化処理をしていない粘土鉱物を第二の溶媒に分散させて得られた分散液とを相溶させて混合溶液とし、得られた混合溶液を、金属箔もしくは絶縁層などの基材上に展開し、溶媒を乾燥させることにより、回路用基板の絶縁樹脂層として用いられるフィルムまたはシートが作製できる。上記乾燥後、さらに、熱処理をおこなってもよい。
回路用基板は、上述のようにして得られた絶縁樹脂層を少なくとも一層を有し、絶縁樹脂層は何層重ねてもよい。さらにその他の絶縁層や金属層が積層されていてもかまわない。
また、回路用基板は、絶縁樹脂層に、金属箔および/または積層体を熱圧着することで作製しても良い。この場合にも、絶縁樹脂層の上に、さらにその他の絶縁層や金属層が積層されてもよい。
絶縁樹脂層は、金属箔上に直接積層されても良いし、接着層上に作製されても良い。また、回路用基板が多層となっている場合は、層中の何層目でも良く、さらに、何回用いても良い。
回路用基板の絶縁樹脂層の製造方法の概要について説明する。
本実施形態における絶縁樹脂層として用いられるフィルムの製造方法は、以下の工程を含む。
(A)ポリイミド前駆体を第一の溶媒に溶解させる工程
(B)有機化処理をしていない粘土鉱物を第二の溶媒に分散させる工程
(C)前記(A)工程で得られた溶液と、前記(B)工程で得られた分散液とを相溶させて混合溶液とする工程
(D)前記(C)で得られた混合溶液を、基材上に展開し、溶媒を乾燥させてフィルム化する工程
次に、工程(A)〜(D)について詳細に説明する。
(A)ポリイミド前駆体を第一の溶媒に溶解させる工程
ポリイミド前駆体を第一の溶媒に溶解させて溶液を得る。溶解する方法は、特に限定されず公知の方法で行うことができる。
第一の溶媒とは、ポリイミド前駆体を溶解する溶媒であり、かつ第二の溶媒と溶解する溶媒である。また、第一の溶媒に含まれる官能基とポリイミド前駆体とが反応しない溶媒が好ましい。第一の溶媒としては、たとえば、ピリジン、トリアルキルアミン、β−ピコリン、アルキルピペリジンなどの塩基性溶媒、又は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上を混合して用いてもよい。
下記(B)工程の第二の溶媒が水のみからなる場合には、塩基性溶媒が好ましく、ピリジン、トリアルキルアミン、β−ピコリン、アルキルピペリジンなどが挙げられる。
(B)有機化処理をしていない粘土鉱物を第二の溶媒に分散させる工程
有機化処理とは、化学処理を粘土鉱物に施し、樹脂との親和性を高め、溶液中での粘土鉱物同士の凝集を防止して樹脂中に粘土鉱物を均一に分散させるための処理をいう。たとえば、粘土鉱物に含まれるナトリウムイオンなどをアルキルアンモニウムで置換する処理などが挙げられる。有機化処理をしていない粘土鉱物とは、このような処理を施していない粘土鉱物である。
第二の溶媒とは、有機化処理をしていない粘土鉱物を分散する溶媒であり、かつ第一の溶媒と溶解する溶媒である。第二の溶媒としては、水を用いることができる。ポリアミド酸の溶媒が、塩基性溶媒でない場合には、粘土鉱物を水に分散した後、ポリアミド酸を溶解できる溶媒を水100に対して50〜1000程度加えた混合溶媒が好ましい。例えば、加える溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリアルキルアミン、β−ピコリン、アルキルピペリジンなどが挙げられる。粘土鉱物を分散した水溶液に、ポリアミド酸を溶解できる溶媒を加えた場合に、粘土鉱物が沈殿する場合には、沈殿した粘土鉱物を遠心分離により取り除いてから使用することが好ましい。
分散とは、粘土鉱物の間に溶媒分子が入り込み、粘土鉱物が溶媒中に均一に散在していることをいう。分散方法は、特に限定されないが、たとえば、マグネチックスターラー、メカニカルスターラー、ホモジナイザーなどを用いて溶液を攪拌する方法などが挙げられる。このようにして得られた溶液を分散液とする。
(C)前記(A)工程で得られた溶液と、前記(B)工程で得られた分散液とを相溶させて混合溶液とする工程
混合溶液とは、(A)工程で得られた溶液と、(B)工程で得られた分散液とが相溶して均一に混ざり合った溶液をいう。ポリイミド前駆体は溶液中に溶解した状態が保たれ、かつ粘土鉱物は凝集せず、溶液中に均一に分散した状態が保たれている。こうすることにより、粘土鉱物がポリイミド中に均一に分散することができる。
本実施形態においては、(A)工程で得られた溶液と(B)工程で得られた分散液とを別々に調製するため、溶媒の選択や調製時間などの条件の自由度が向上し、調製条件を最適化することができる。これにより、混合溶液の分散安定性を向上させることができる。
(A)工程と(B)工程の順序はとくに限定されず、(A)工程の後に(B)工程を行ってもよく、また(B)工程の後に(A)工程を行ってもよい。また、(A)工程と(B)工程は同時に行ってもよい。
(D)前記(C)で得られた混合溶液を、基材上に展開し、溶媒を乾燥させてフィルム化する工程
フィルム化する方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。混合溶液を基材上に展開し、溶媒を乾燥させることにより、一定の膜厚のフィルムが得られればよい。混合溶液の濃度、溶媒の種類などにより、公知の方法を適宜選択して利用できる。
(D)工程のあと、さらに、熱処理をしてもよい。加熱温度は、特に限定されないが、100℃〜500℃で行われる。脱水イミド化により、ポリイミドを含むフィルムを得ることができる。
基材の種類は、特に限定されないが、たとえば、ガラス、金属、プラスチックなどが挙げられる。また乾燥には、特に限定されず、たとえば、送風、熱風、熱窒素、遠赤外線および高周波等による公知の方法を用いることができる。
フレキシブル回路基板として使用する場合に用いられる金属としては、特に制限なく使用可能であり、好ましい例として銅、ニッケル、コバルト、クロム、亜鉛、アルミニウム及びステンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を挙げることができ、より好ましくは、銅及び銅合金、ステンレス鋼、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等である。さらに好ましくは銅及び銅合金である。
金属層の厚みは、テープ状に利用できる厚みであれば制限はないが、0.1μm以上150μm以下が好ましく、好ましくは2μm以上105μm以下であり、更に好ましくは3μm以上35μm以下である。厚みはこの範囲から適宜選択でき、例えば、ファインパターンの配線加工を必要とする用途には薄い箔を、剛性が必要な配線や大電流用途には厚い箔を適宜使用することが好ましい。
本発明に用いる絶縁樹脂層としてのフィルムは、透明性、高温での弾性率、寸法安定性(低線膨張率)、に優れている。このため、回路用基板は、このような絶縁樹脂層を少なくとも一層以上有することで、高温、高圧でのチップ実装時にも、基板の変形が少なく、配線ずれや、沈み込み、剥離、メッキの染み込みなどの問題が起こらなくなるという顕著な効果を有するものである。
本発明の絶縁樹脂層を、TAB(Tape Automated Bonding)テープ加工ラインで広く使用されているチップ・オン・フィルム基板に用いる場合、絶縁樹脂層は、実装温度に近い温度での弾性率が高いことにより、作業がしやすく寸法安定性に優れる。実装温度に近い温度とは、250℃以上500℃以下、好ましくは300℃以上450℃以下、より好ましくは350℃以上450℃以下である。
本発明の絶縁樹脂層は透明であるため、上記のような回路加工後に、絶縁樹脂層を通して、金属配線を画像認識でき、インナーリードボンダでのチップ実装時の位置決めが可能となる。
本発明によれば、従来のポリイミドと粘土鉱物の複合物からなる成型品では得られていなかった透明性と高温時高弾性率を両立することにより、ポリイミド・粘土鉱物複合体のフィルム、回路用基板などへの応用が可能となる。さらに、ポリイミド・粘土鉱物複合体は、透明であることにより視認による作業性が向上し、加熱による弾性低下が防止されることにより、電気・電子機器などの小型化・高精密化にも適用しうる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。なお、実地例中の略語は以下のものを意味する。
DMAc:ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
m−BP:4,4'−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
ODA:4,4'−オキシジアニリン(4,4'−ジアミノジフェニルエーテル)
PPD:p−フェニレンジアミン
BTDA:3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:無水ピロメリット酸
APB−BMI:1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン
また、実施例中の各評価は下記のように行った。
(粘弾性測定:450℃での貯蔵弾性率の測定)
弾性率の評価はレオメトリックス社製RSA−IIを使用して、引張変形モードにおける温度分散測定を実施した。測定には、温度範囲30〜500℃、昇温速度3℃/min、Auto−Strain制御下、歪み0.02%、周波数1Hzの条件を用いた。また、試料の寸法は、長さ20mm、幅5mmのものを用い、450℃での貯蔵弾性率E'を求めた。
(線膨張率測定)
熱機械分析計(TMA−50、島津製作所製)を用いて、フィルムの両端に一定の荷重をかけ、温度を変化させた際の伸び(縮み)を測定する引っ張り法により50〜500℃の範囲で測定し、100〜250℃および380〜430℃の範囲における平均の線膨張率(CTE)を求めた。
(光線透過率の測定)
紫外可視分光光度計(UV2200、島津製作所製)を用いて、表1に示した厚さのフィルムの光線透過率を測定し、波長650nmの光線透過率を得た。フィルムの膜厚と光線透過率から、式(3)を用いて厚み20μmに換算して光線透過率を算出した。
吸光度(E)=logI/I=kCL ・・・(3)
強度Iの単色光がモル濃度C、フィルムの厚さLを通過して得られた強度Iの光について、I/Iの百分率は光線透過率(%)、logI/Iは吸光度、kはモル吸光係数を表している。
(粘土鉱物の分散状態の確認)
作製したポリイミド/粘土鉱物複合フィルムをウルトラミクロトームLeica製ウルトラカットUCTを用い薄く切り出した。作製した切片を200メッシュの銅グリッド上に取り、透過電子顕微鏡(TEM)(フィリップス社製CM300−FEGTEM)を用いて加速電圧300kVで粘土鉱物の分散状態を観察した。
(吸湿膨張係数測定)
湿度コントロールユニットを装備した熱機械分析計(TMA−2200S、島津製作所製)を用いて、相対湿度20、40、60%におけるフィルムの長さを測定した。測定したフィルム長を相対湿度に対してプロットし、線形近似することで直線の傾き、すなわち吸湿膨張係数(CHE)(ppm/%RH)を求めた。
(吸水率測定)
温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に1週間以上保管したフィルムの吸水率を、加熱気化水分測定装置(HiranumaSangyo社製)を用いて250℃の条件で測定した。
合成例1
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc261.0gを加え、これにODA20.44g、m−BP16.12gを加え20〜30℃で撹拌して溶解させた。その後、PMDA30.84gを加え、11.0gのDMAcでフラスコ内部に付着した原料を洗い落とし、50〜60℃に加熱し約1時間撹拌を行った後、さらに、PMDA0.44gを加え60℃に温度を保ちながら約4時間撹拌を行い、(a)ワニスを得た。次に、別の撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてNMP263.0gを加え、PPD19.62gを加え20〜30℃で撹拌して溶解させた。その後、BPDA37.0g、PMDA11.06gを加え、10.0gのNMPにてフラスコ内部に付着した原料を洗い落とし、50〜60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、(b)ワニスを得た。最後に、別の撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、(b)ワニスと(a)ワニスを77:23の重量比で混合し50〜60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液とした。得られたポリアミック酸溶液はポリアミック酸の含有率が20重量%であり、25℃でのE型粘度は30000mPa・sであった。
(実施例1)
合成例1で製造されたポリアミック酸をメタノールで再沈殿し、イミド化後のポリイミドの重量で10wt%になるようにピリジンに溶解し、ポリアミック酸/ピリジン溶液を得た。これを第一の溶液とした。
これとは別に、有機化処理を施していないモンモリロナイト(クニピアG:クニミネ工業社製)1.6gを水78.4gに加え、ホモジナイザーで10,000rpmで1時間攪拌して、2%分散液を得た。これを8倍に水で希釈し、0.25%分散液とし、これを第二の溶液とした。第一の溶液20gに、第二の溶液20.51gを、マイクロチューブポンプを用いて30分かけて徐々に加え均一な溶液を得た。この均一溶液をガラスシャーレに移し、室温・窒素気流下で1週間乾燥後、イナートオーブン中で、200、250、300、350℃でそれぞれ1時間熱処理し、膜厚15〜20μmの複合フィルムを得た。得られた複合フィルムをTEMで観察したところ、粘土鉱物が1から数層単位で均一に分散していることが確認された。また、得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(実施例2,3)
ポリイミドに対する粘土鉱物の含量が表1の条件になるよう、実施例1と同様な操作で複合フィルムを作製した。得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(実施例4〜6)
実施例1の第2の溶液のクニピアGを合成スメクタイト(スメクトンSA、クニミネ工業社製)に変え、ポリイミドに対する粘土鉱物の含量が表1の条件になるよう、実施例1と同様な操作で複合フィルムを作製した。得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(実施例7)
合成例1で製造されたポリアミック酸溶液にNMPを加え、イミド化後のポリイミドの重量が10wt%になるように調製した。これを第一の溶液とした。
これとは別に、有機化処理を施していないモンモリロナイト(クニピアG:クニミネ工業社製)1.6gを水78.4gに加え、ホモジナイザーで10,000rpmで1時間攪拌して、2%分散液を得た。これに、NMP80gを加え、1%分散液とし、これを第二の溶液とした。第一の溶液20gに、第二の溶液10.53gを、徐々に加えて均一な溶液を得た。この均一溶液をガラス基板に塗工し、イナートオーブン中で、50℃〜200℃まで昇温速度5℃/分で乾燥後、200、250、300、350℃でそれぞれ1時間熱処理し、膜厚15〜20μmの複合フィルムを得た。得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(実施例8)
ポリイミドに対する粘土鉱物の含量が表1の条件になるよう、実施例7と同様な操作で複合フィルムを作製した。得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(比較例1)
合成例1の条件で作製したポリアミック酸をガラス基板に乾燥膜厚が15〜21μmになるように塗工し、イナートオーブン中で50〜180℃まで昇温速度3℃/分で乾燥後、イミド化しポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示す。
(比較例2)
合成例1で製造されたポリアミック酸にNMPを加え、イミド化後のポリイミドの重量が19wt%になるように調製した。これを第一の溶液とした。
これとは別に、有機化処理を施していないモンモリロナイト(クニピアG:クニミネ工業社製)1.6gをNMP78.4gに加え、マグネチックスターラーで1時間攪拌した後、超音波洗浄機で1時間処理し、分散液を得た。この分散液を第二の溶液とした。第一の溶液20gに、第二の溶液4.87gを、加え均一な溶液を得た。この均一溶液をガラス基板に塗工し、イナートオーブン中で、50℃〜200℃まで昇温速度5℃/分で乾燥後、200℃で5時間熱処理し、膜厚15μmの複合フィルムを得た。得られたフィルムは、モンモリロナイトが凝集しており均一なフィルムとならなかった。
(比較例3,4)
ポリイミドに対する粘土鉱物の含量がそれぞれ5wt%,8wt%の条件になるよう、比較例2と同様な操作で複合フィルムを作製した。得られたフィルムは、どちらの場合もモンモリロナイトが凝集しており均一なフィルムとならなかった。
(比較例5)
合成例1で製造されたポリアミック酸にNMPを加え、イミド化後のポリイミドの重量が19wt%になるように調製した。これを第一の溶液とした。
これとは別に、ジメチルジステアリルアンモニウムで処理された有機化モンモリロナイト(エスベンNX、ホージュン社製)1.6gをNMP78.4gに加え、超音波処理を施しながら1時間攪拌し、2%分散液を得た。この分散液を第二の溶液とした。第一の溶液20gに、第二の溶液4.87gを、加え均一な溶液を得た。この均一溶液をガラス基板に塗工し、イナートオーブン中で、50℃〜200℃まで昇温速度5℃/分で乾燥後、200℃で5時間熱処理し、膜厚16μmの複合フィルムを得た。また、得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(比較例6,7)
ポリイミドに対する粘土鉱物の含量が表1の条件になるよう、比較例5と同様な操作で複合フィルムを作製した。得られた複合フィルムの物性を表1に示す。
(実施例9)
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド855gを加え、これに1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン69.16gを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物75.84gを加え、60℃において撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。ポリアミック酸の含有率が15重量%であった。得られたポリアミック酸溶液500gを量り取り、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン11.3gを加え、室温にて2時間攪拌を行い、ビスマレイミド化合物含有ポリアミド酸溶液を得た。
上記の方法により得られたビスマレイミド化合物含有ポリアミド酸溶液をスピンコーターにより乾燥後の厚さで3μmになるように、実施例3で得られたフィルムに塗布した。塗布したフィルムを、イナートオーブン中で窒素気流下、昇温速度6℃/分で室温から240℃まで加熱後、240℃で15分熱処理し、片面が熱可塑性ポリイミド樹脂層である絶縁フィルムを得た。その後、市販の電解銅箔(古河サーキットフォイル社製F1−WS 12μm)と絶縁フィルムを熱プレスにより貼り合わせ、ポリイミド金属積層体を得た。
得られたポリイミド金属積層体を用いて、IPC−TM−650method 2.4.9にしたがって90°剥離試験を行った結果、0.3kN/mであった。
Figure 2010533362

Claims (8)

  1. 絶縁樹脂層を含む回路用基板であって、
    前記絶縁樹脂層はポリイミドと粘土鉱物とを含み、
    前記絶縁樹脂層の450℃での弾性率が0.3GPa以上30GPa以下であり、
    前記絶縁樹脂層の厚みを20μmとしたときの波長650nmにおける光線透過率が40%以上であることを特徴とする回路用基板。
  2. 請求項1に記載の回路用基板であって、
    前記絶縁樹脂層の相対湿度20〜60%における吸湿膨張係数が5ppm/%RH以上20ppm/%RH以下であることを特徴とする回路用基板。
  3. 請求項1または2に記載の回路用基板であって、
    前記絶縁樹脂層の吸水率が2%以下であることを特徴とする回路用基板。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の回路用基板であって、
    前記ポリイミドの前駆体が、ジアミン化合物を用いて合成され、
    前記ジアミン化合物の少なくとも一つが、下記一般式(1)
    Figure 2010533362

    (式(1)中、X、Xはそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、Yはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ニトロ基、およびハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、nは0〜8の整数を表す)で表される化合物であることを特徴とする回路用基板。
  5. 請求項4に記載の回路用基板であって、
    前記ジアミン化合物の少なくとも一つが、下記一般式(2)
    Figure 2010533362

    で表される化合物であることを特徴とする回路用基板。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の回路用基板であって、
    前記絶縁樹脂層に含まれる前記粘土鉱物が、スメクタイト系粘土鉱物、または膨潤性マイカ、バーミキュライト、およびハロサイトからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする回路用基板。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の回路用基板であって、
    前記回路用基板がさらに金属層を含むフレキシブル回路基板であることを特徴とする回路用基板。
  8. 請求項1乃至6いずれかに記載の回路用基板であって、
    前記絶縁樹脂層を用いたチップ・オン・フィルム基板であることを特徴とする回路用基板。
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