JP2004169030A - 層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法 - Google Patents

層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高アスペクト比層状珪酸塩をナノスケールまで分散させることができる高アスペクト比層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法を提供するものであって、更に、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト等の高アスペクト比層状珪酸塩をポリイミド樹脂に混合し、ナノスケールまで微分散させる方法を提供する。
【解決手段】 層間化合物を含有しない層状珪酸塩を分散させた分散液に超音波を加えてあらかじめ層状珪酸塩を微分散させる工程(1)と、ポリイミド樹脂前駆体又は可溶性ポリイミド樹脂と工程(1)で得られた層状珪酸塩分散液を混合する工程(2)を有する層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明の目的は、ポリイミド樹脂と高アスペクト比層状珪酸塩を混合する方法を提供するものであって、更に、高アスペクト比クレイをナノスケールまで分散させることができる高アスペクト比層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法を提供することである。
特許文献1にエポキシ化合物と層状珪酸塩を混合した後、超音波を加え分散させる技術が開示されている。非特許文献1にも合成樹脂に層状珪酸塩を混合させた後、超音波を加え分散させる技術が開示されている。特許文献2にポリイミド樹脂を合成するに際して、反応溶液中に粘土鉱物を分散させておき、生成樹脂中に層状珪酸塩を分散させる技術が開示されている。文献等で層状珪酸塩の分散性を向上させるために4級アンモニウム塩を中心とした層間化合物が使われていることが開示されている。
しかし、モノマー又はモノマーが溶解した溶液中に層状珪酸塩を分散させておき、超音波をかけて層状珪酸塩を分散させる場合や、樹脂が溶解した溶液中に層状珪酸塩を分散させておき、超音波をかけて層状珪酸塩を分散させる場合には以下のような問題が挙げられる。
(1)モノマー又はモノマーが溶解した溶液中に層状珪酸塩を分散させる場合には、分散後の重合過程において、通常は、モノマー同士の衝突で重合が進行していくが、層状珪酸塩が存在する場合は、モノマーの衝突を阻害し、その結果重合を阻害することがある。
(2)モノマーや溶解した樹脂が超音波により分解してしまう場合がある。
4級アンモニウム塩からなる層間化合物を有する層状珪酸塩を用いた場合、層間化合物の耐熱性がおよそ200℃〜300℃とポリイミド樹脂の合成温度より低い。
その結果、合成時に層間化合物が熱分解し、分散が不十分となったり、得られた樹脂組成物の平滑性などの外観が悪くなることがあるといった問題がある。
特に、高アスペクト比層状珪酸塩の存在は、ポリイミド樹脂の合成においてポリイミド前駆体の重合を阻害する恐れがあり、重合段階で高アスペクト比層状珪酸塩を存在させることは好ましくない。従って、高アスペクト比層状珪酸塩はポリイミド樹脂に混合する段階でナノスケールまで分散させる必要があった。しかし、ポリイミド樹脂に高アスペクト比層状珪酸塩を単に混合するだけではナノスケールまで分散させることは困難であった。
特表平10−505871号公報 特許2872756号 Chemical Material 1994,6,1719−1725
高アスペクト比層状珪酸塩をナノスケールまで分散させることができる高アスペクト比層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法を提供することである。更に、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト等の高アスペクト比層状珪酸塩をポリイミド樹脂に混合し、ナノスケールまで微分散させる方法を提供することである。
請求項1記載の発明では、層間化合物を含有しない層状珪酸塩を分散させた分散液に超音波を加えてあらかじめ層状珪酸塩を溶液中に微分散させる工程(1)と、ポリイミド樹脂前駆体又は可溶性ポリイミド樹脂と工程(1)で得られた層状珪酸塩分散液を混合する工程(2)を有する工程を経て、層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を製造する。
請求項2記載の発明では、層間化合物を含有する層状珪酸塩を分散させた分散液に超音波を加えて層状珪酸塩をあらかじめ溶液中に微分散させる工程(3)と、可溶性ポリイミド樹脂と工程(3)で得られた層状珪酸塩分散液を混合する工程(4)を有する工程を経て層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を製造する。
本発明で用いるポリイミド樹脂は、好ましくは分子量が4、000程度のオリゴマーから分子量が100、000程度のポリマーである。
本発明で用いる層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト及びノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、膨潤性マイカ、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。なかでも、モンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカ、及び、バーミキュライトからなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
請求項1及び請求項2に記載の発明に用いられる層状珪酸塩のアスペクト比は特に限定されない。
本発明で用いる層間化合物とは、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩等があげられる。なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に疎水化できることから、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有する、炭素数6以上のアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩が好適に用いられる。上記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩、芳香環を有する4級アンモニウム塩、トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が好適である。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩、(ホルミルメチル)トリフェニルホスホニウム塩、テトラフェニルホスホニウム塩、テトラオクチルホスホニウム塩、エチルトリフェニルホスホニウム塩、ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、フェナシルトリフェニルホスホニウム塩、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウム塩、シナミルトリフェニルホスホニウム塩、トリオクチルエチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、トリフェニルメチルトリフェニルホスホニウム塩、ヘキサデシルトリフェニルホスホニウム塩、4−フタルイミドブチルトリフェニルホスホニウム塩、p−キシリレンビス(トリフェニルホスホニウム塩)等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリイミド樹脂前駆体又は可溶性ポリイミド樹脂に層状珪酸塩を分散させるには、まずポリイミド樹脂と混合する工程が必要である。従って、ポリイミド樹脂前駆体を合成した反応溶液と層状珪酸塩を混合する場合は、ポリイミド前駆体の重合を開始してから1時間以上経過している反応溶液に混合することが望ましい。また、ポリイミド樹脂前駆体と前記工程(1)で得られた層状珪酸塩分散液を混合した混合液は、200rpm以上の速度で攪拌することが望ましい。またナノスケールまで層状珪酸塩を分散させるには1時間以上かけて攪拌することが望ましい。
請求項3で用いられるアスペクト比が100以上のアスペクト比が高い層状珪酸塩としては、例えばモンモリロナイトや天然、合成のマイカ等を挙げることができる。
ポリイミド樹脂にアスペクト比が高い層状珪酸塩を分散させるには、ポリイミド樹脂と混合する必要がある。従ってポリイミドを合成する反応液と層状珪酸塩を混合する場合は、ポリイミドの重合を開始してから1時間以上経過している反応溶液に混合することが好ましい。
またポリイミド樹脂と前記工程(3)で得られた層状珪酸塩分散液を混合した混合溶液は、200rpm以上の速度で攪拌することが望ましい。また、ナノスケールまで層状珪酸塩を分散させるには1時間以上かけて攪拌することが望ましい。すなわち、超音波を加えるにあたっては、次の条件で行うことが好ましい。(1)超音波を加える時間は10分以上(2)超音波の周波数は1kHz以上、特に18〜22kHz(3)超音波の出力は200W前後である。
本発明の製造方法では、凝集した層状珪酸塩を剥がすために超音波を用いているが、100Hz以下の低い周波数範囲では層状珪酸塩を引き剥がすための力が足りず、効果がほとんどないと考えられる。また、100kHz以上の高い周波数範囲では逆に層状珪酸塩が壊れてしまう恐れがあるので、100Hzを超え100kHz未満の周波数範囲が好ましい。
上記層状珪酸塩は、ポリイミド樹脂中に、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下であるように分散していることが好ましい。上記平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下であるように層状珪酸塩が分散していることにより、樹脂と層状珪酸塩との界面面積は充分に大きく、かつ、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離は適度なものとなり、高温物性、力学的物性、耐熱性、寸法安定性等において分散による改善効果を充分に得ることができる。上記平均層間距離の好ましい上限は5nmである。5nmを越えると、層状珪酸塩の結晶薄片が層毎に分離して相互作用が無視できるほど弱まるので、高温での束縛強度が弱くなり、充分な寸法安定性が得られないことがある。なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の薄片状結晶を層とみなした場合における層間の距離の平均を意味し、X線回折ピークを利用した広角X線回折測定法により算出することができるものである。上記一部又は全部の積層体が5層以下であるように層状珪酸塩が分散しているとは、具体的には、層状珪酸塩の薄片状結晶間の相互作用が弱められて薄片状結晶の積層体の一部又は全部が分散していることを意味する。好ましくは、層状珪酸塩の積層体の10%以上が5層以下にして分散されており、層状珪酸塩の積層体20%以上が5層以下にして分散されていることがより好ましい。
なお、5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合は、樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により5万〜10万倍に拡大して観察し、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層体の全層数X及び5層以下の積層体として分散している積層体の層数Yを計測することにより、下記式(1)から算出することができる。
5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合(%)=(Y/X)×100
・・・式(1)
また、層状珪酸塩の積層体における積層数としては、層状珪酸塩の分散による効果を得るためには5層以下であることが好ましく、より好ましくは3層以下であり、更に好ましくは1層である。
本発明の製造方法により得られる層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂では、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下である層状珪酸塩が分散しているものとすることにより、樹脂と層状珪酸塩との界面面積が充分に大きくなって、樹脂と層状珪酸塩の表面との相互作用が大きくなり、溶融粘度が高まり成形性が向上することに加え、常温から高温までの広い温度領域で弾性率等の力学的物性が向上し、樹脂のTg又は融点以上の高温でも力学的物性を保持することができ、高温時の線膨張率も低く抑えることができる。かかる理由は明らかではないが、Tg又は融点以上の温度領域においても、微分散状態の層状珪酸塩が1種の疑似架橋点として作用していたり、層状珪酸塩が樹脂を拘束しているためにこれら物性が発現すると考えられる。また、樹脂中には板状の層状珪酸塩が分散していることから、低吸水性やガスバリア性も発現する。一方、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離も適度なものとなるので、燃焼時に、層状珪酸塩の薄片状結晶が移動して難燃被膜となる焼結体を形成しやすくなる。この焼結体は、燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスをも遮断することができ、本発明の製造方法により得られる層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂は優れた難燃性を発現する。
本発明の製造方法では、層状珪酸塩の分散液を超音波分散したのち、層状珪酸塩を含有するポリイミド樹脂とする工程を経るのでナノスケールに分散された高アスペクト比層状珪酸塩を含有するポリイミド樹脂を得ることが出来る。モノマーではなく、既に高分子化したポリイミド樹脂前駆体や、可溶性ポリイミド樹脂と層状珪酸塩を混合するために、重合阻害を起こすことがなく、さらに、樹脂前駆体、樹脂と混合する前に、層状珪酸塩分散液に超音波をかけることで、樹脂の分解や劣化を引き起こすことがない。
また、モノマー中に層状珪酸塩を分散させる方法では、重合阻害の問題から層状珪酸塩を高濃度で含有させることはできないが、本発明では、高濃度に分散させることができ、かつナノスケールまで分散させることができる。
また、層間化合物を含有しない層状珪酸塩に関しては、本方法を用いると、ポリイミド前駆体からイミド化する高温の合成工程においても熱分解する層間化合物がないため、外観良好なポリイミド樹脂、層状珪酸塩複合体を得ることができる。層間化合物がある層状珪酸塩では、樹脂との親和性が高まっているために、可溶性ポリイミド樹脂と複合することで、高アスペクト比層状珪酸塩を含有するポリイミド樹脂を製造することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を具体的に説明する。
(参考例1:ポリアミド樹脂前躯体「ポリアミック酸」の合成)
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(Mw410.5)を5.0423g量りとりナスフラスコに入れた。これに溶媒としてジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」と略す)を21g入れた。
ついで、窒素置換したナスフラスコに3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物(Mw322.2)を3.9577g入れ、さらにDMAcを20g入れた。モータ駆動の攪拌装置を使用して150rpmの攪拌速度で3時間攪拌を行い、ポリアミック酸を重合した。
(実施例1)
層間化合物を含まない合成スメクタイト(アスペクト比100μm、コープケミカル社製、商品名「ルーセンタイトSWN」、以下SWNと略す)を1.0g量りとり、ナスフラスコに入れた。これに分散媒としてジメチルアセトアミド(DMAc)を19.0g入れた。そして、合成スメクタイトとDMAcとの混合液をモータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で1時間攪拌した。攪拌終了後周波数20kHz、出力18Wの超音波を30分加えた。(装置:装置名「ULTRASONIC HOMOGENIZER UH−600」、設定条件「constant30、output7」)
得られた合成スメクタイト分散液を参考例1で得たポリアミック酸の重合反応液に9.0g入れ、モータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で2時間攪拌を行った後、段階的に350℃まで昇温してイミド化並びに脱溶媒を行い、層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を得た。
(比較例1)
参考例1と同様にしてポリアミック酸を重合した後、段階的に350℃まで昇温してイミド化並びに脱溶媒を行い、層状珪酸塩を含まないポリイミド樹脂を得た。
(比較例2)
層間化合物を含まない合成スメクタイトイト(SWN)0.45gと、DMAcを8.55gナスフラスコに入れて、モータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmで1時間攪拌を行った分散液を作り、そこに参考例1と同様にして得られたポリアミック酸の重合反応溶液を混ぜた。その後モータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で2時間攪拌を行った後、実施例1同様にして層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を得た。
(比較例3)
層間化合物を含まない合成スメクタイトイト(SWN)0.45gと、DMAcを8.55gナスフラスコに入れて、モータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmで1時間攪拌を行った分散液を作り、そこに参考例1と同様にして得られたポリアミック酸の重合反応溶液を混ぜた。その後モータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で2時間攪拌を行った後、周波数20kHz、出力18Wの超音波を30分加えた。(装置:装置名「ULTRASONIC HOMOGENIZER UH−600」、設定条件「constant30、output7」)その後、実施例1と同様にして層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を得た。
(実施例2)
層間化合物として4級アンモニウム塩を含有する合成マイカ(アスペクト比約10000、コープケミカル社製、商品名「ソマシフ MEE」)を1.0g量りとり、ナスフラスコに入れた。これに分散媒として1−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)を19.0g入れた。そして、合成マイカと分散媒との混合液をモータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で1時間攪拌した。
攪拌終了後周波数20kHz、出力18Wの超音波を30分加えた。(装置:装置名「ULTRASONIC HOMOGENIZER UH−600」、設定条件「constant30、output7」)
得られた合成マイカ分散液中に可溶性ポリイミド樹脂ワニス(新日本理化株式会社製、商品名「リカコートEN20」)を30g加え、モータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で2時間攪拌を行った後、180℃まで加熱して脱溶媒して層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を得た。
(比較例4)
可溶性ポリイミド樹脂ワニス(新日本理化株式会社製、商品名「リカコートEN20」)をそのまま脱溶媒し、層状珪酸塩を含まないポリイミド樹脂を得た。
(比較例5)
合成マイカ(コープケミカル社製、商品名「ソマシフ MEE」)1.0gと、NMPを19.0gナスフラスコに入れてモータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmで1時間攪拌を行った後、可溶性ポリイミド樹脂ワニス(新日本理化株式会社製、商品名「リカコートEN20」)を30g加え、更にモータ駆動の攪拌装置を使用して300rpmの攪拌速度で2時間攪拌を行った。その後、脱溶媒して層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂を得た。
実施例1,2及び比較例1〜5で得られたポリイミド樹脂について下記(1)、(2)の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
(評価方法)
(1)層状珪酸塩の分散状態はTEM観察により評価。測定装置は「1200EX」、測定条件は倍率5000,Acc.Volt120kVである。
(2)樹脂の吸水率は浸漬により評価。350℃で30分乾燥し重量測定、続いて23℃水の中に24時間浸漬し重量測定し、重量増加分を吸水率とした。
Figure 2004169030
実施例、比較例から層間化合物がない層状珪酸塩(アスペクト比は関係ない)に対しては、分散性は分散液中で超音波をかけたものがかけなかったものと比較して向上していることが解る。更に分散液中での層状珪酸塩の分散が良くなっているため沈降速度も格段に遅くなった。層間化合物を含有しない合成スメクタイト(SWN)分散液において、超音波をかけないと分散が充分でないため2日後には大半が沈降したが、超音波を30分かけると1月後にもあまり沈降は見られなかった。
層間化合物を含有する層状珪酸塩に関しては、低アスペクト比の層状珪酸塩でもある程度は分散されている。しかし、高アスペクト比の層状珪酸塩では、超音波を加えることにより分散が良好となり、吸水率も低くなる。また樹脂と層状珪酸塩を混ぜて超音波をかけた場合よりも分散が良好であるため、吸水率も低くなった。
本発明によれば、高アスペクト比層状珪酸塩をナノスケールまで分散させた高アスペクト比層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法を提供することができる。更に、本発明によれば、スメクタイト等の高アスペクト比層状珪酸塩をポリイミド樹脂に混合し、ナノスケールまで分散させる方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 層間化合物を含有しない層状珪酸塩を分散させた分散液に超音波を加えてあらかじめ層状珪酸塩を微分散させる工程(1)と、ポリイミド樹脂前駆体又は可溶性ポリイミド樹脂と工程(1)で得られた層状珪酸塩分散液を混合する工程(2)を有することを特徴とする層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法。
  2. 層間化合物を含有する層状珪酸塩を分散させた分散液に超音波を加えて層状珪酸塩をあらかじめ微分散させる工程(3)と、可溶性ポリイミド樹脂と工程(3)で得られた層状珪酸塩分散液を混合する工程(4)を有することを特徴とする層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法。
  3. 層状珪酸塩のアスペクト比が100以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の層状珪酸塩含有ポリイミド樹脂の製造方法。
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