JP2008251900A - フレキシブル基板用積層体及びその製造方法 - Google Patents

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秀和 三瓶
Koen O
宏遠 王
Katsufumi Hiraishi
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Abstract

【課題】放熱性に優れ、導体層と絶縁層との実用的接着強度を有し、更にフレキシブル配線基板として使用しうる耐屈曲性の良好なフレキシブル基板用積層体及びその製造方法の提供。
【解決手段】ポリイミド樹脂層の片面又は両面に導体層を有するフレキシブル基板用積層体において、前記ポリイミド樹脂層が導体層に直接形成され、かつ、ポリイミド樹脂層中に熱伝導性フィラーを30〜80wt%含有させる。ポリイミド樹脂層は、熱伝導性フィラーを含有するポリアミック酸溶液を導体層上に直接塗布し、乾燥及び硬化して形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、放熱性に優れた、フレキシブル回路基板に好適なフレキシブル基板用積層体とその製造方法に関するものである。
近年、携帯電話に代表される電子機器の小型化、軽量化に対する要求は益々高まってきており、機器の小型化、軽量化に有利なフレキシブル回路基板は電子技術分野において広く使用されるようになってきている。そして、その中でもポリイミド樹脂を絶縁層とするフレキシブル回路基板は、その耐熱性、耐薬品性などが良好なことから従来から広く用いられている。最近では電子機器の小型化により、回路の集積度は上がってきており、情報処理の高速化とも相まって、機器内に生じる熱の放熱手段が注目されている。
そこで、放熱性に優れたフレキシブル回路基板を提供するために、絶縁層を構成するポリイミドフィルムに関し、厚み方向の熱伝導率を0.1W/m以上とする検討がなされている(特許文献1参照)。また、熱伝導性フィラーを含有する熱伝導性ポリイミドフィルムに関して、シロキサンジアミンから誘導されるポリイミドに熱伝導性フィラーが分散されたポリイミドフィルム複合材料が特許文献2に記載されている。
しかし、これらのポリイミドフィルムを銅箔などの導体層に積層しフレキシブル基板用積層体としようとする場合、通常、エポキシ系接着剤や熱可塑性樹脂を接着剤として用いる必要がある。この接着層の介在は、導体層に生じる熱の放熱を阻害する要因になるばかりでなく、フレキシブル基板として求められる屈曲性などの諸特性の低下を招くため、接着剤を用いず、かつ、導体層と絶縁層との実用的接着強度を有するフレキシブル基板用積層体の提供が望まれていた。
特開2006−274040号公報 特開2006−169533号公報
本発明は、導体層に直接熱伝導性フィラーを含有するポリイミド樹脂層が設けられた、放熱性に優れ、導体層と絶縁層との実用的接着強度を有し、更にフレキシブル配線基板として使用しうる耐屈曲性の良好なフレキシブル基板用積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために検討を重ねた結果、本発明者等は、ポリイミド樹脂層中に、熱伝導性フィラーを含有させ、かつ、このポリイミド樹脂層を導体層に直接形成することで、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂層の片面又は両面に導体層を有するフレキシブル基板用積層体において、前記ポリイミド樹脂層が導体層に直接形成され、かつ、ポリイミド樹脂層中に熱伝導性フィラーを30〜80wt%含有することを特徴とするフレキシブル基板用積層体である。
また、本発明は、導体層上に熱伝導性フィラーを含有するポリアミック酸溶液を直接塗布し、乾燥及び硬化して導体層上に前記熱伝導性フィラーを30〜80wt%含有するポリイミド樹脂層を形成することを特徴とするフレキシブル基板用積層体の製造方法でもある。
本発明によれば、放熱性に優れ、フレキシブル回路基板に好適に用いられるフレキシブル基板用積層体を提供することができる。このフレキシブル基板用積層体は、接着層を有さず、良好な放熱性を示し、屈曲性にも優れることから、これらの特性が求められる携帯電話や、ノートパソコンなどの小型電子機器に好適に用いることができる。
以下、本発明のフレキシブル基板用積層体について詳細に説明する。
本発明のフレキシブル基板用積層体は、ポリイミド樹脂層の片面又は両面に導体層を有する積層体である。導体層としては、銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、亜鉛およびそれらの合金等の導電性金属箔を挙げることができ、これらの中でも銅箔又は銅を90%以上含む合金銅箔が好ましく用いられる。導体層の好ましい厚み範囲は、5〜50μmであり、8〜35μmの範囲がより好ましい。
ポリイミド樹脂層中には、熱伝導性フィラーを一定割合で含有する。熱伝導性フィラーとしては、高熱伝導性のフィラーが好ましく、具体的には、アルミニウム、銅、ニッケル、シリカ、ダイヤモンド、アルミナ、マグネシア、ベリリア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素が挙げられるが、これらの中でも、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及びマグネシアから選ばれる少なくとも1種類以上の球状フィラーであることが好ましい。ポリイミド樹脂層中の熱伝導性フィラーの平均粒子径は、0.3〜15μmの範囲にあることが好ましく、1〜8μmの範囲にあることがより好ましい。熱伝導性フィラーの平均粒子径が0.3μmに満たないと、個々のフィラー内部での熱伝導が小さくなり、結果としてポリイミド樹脂層の熱伝導率が向上しない。また、粒子同士が凝集を起こしやすくなり、均一に分散させることが困難となる。一方、15μmを越えると、ポリイミド樹脂層への可能な充填率が低下し、かつフィラー界面によりポリイミド樹脂層が脆くなる傾向にある。
ポリイミド樹脂層中における熱伝導性フィラーの含有割合は30〜80wt%の範囲であることが必要であり、40〜70wt%の範囲であることが好ましい。熱伝導性フィラーの含有割合が、30wt%に満たないと、フレキシブル回路基板とした際の放熱特性が十分でなく、また、80wt%を超えると屈曲性などの低下が顕著となり、また、ポリイミド樹脂層の強度も低下する。
本発明では、ポリイミド樹脂層中に熱伝導性フィラーを含有させ、更にポリイミド樹脂層が導体層に直接形成されていることが必要である。このような構造体は、フィラーを含有するアミック酸溶液を、導体層上に直接塗布し、乾燥及び硬化することによって得ることができる。導体層上へのポリアミック酸溶液の塗布は、公知の方法で行うことが出来、例えば、バーコード方式、グラビアコート方式、ロールコート方式、ダイコート方式等から適宜選択して採用することができる。
塗布された上記ポリアミック酸溶液は、140℃以下の温度で乾燥し、一定以上の溶媒を除去した後、更に高温で硬化(イミド化)のための熱処理を行いポリイミド樹脂層とすることができる。硬化のための熱処理条件は、150℃〜360℃で、段階的に15〜20分程度行うことが好ましい。
本発明において、導体上に塗布されるフィラーを含有するポリアミック酸溶液は、例えば、予め重合した溶媒を含むポリアミック酸溶液に上記熱伝導性フィラーの中から適宜選択された少なくとも1種の熱伝導性フィラーを一定量添加し、攪拌装置などで分散させることで調製する方法や、溶媒中に上記熱伝導性フィラーの中から適宜選択された少なくとも1種の熱伝導性フィラーを分散させながらジアミンと酸無水物を添加し重合を行い調製する方法が挙げられる。熱伝導性フィラーの分散性の観点からは、後者の溶媒中に熱伝導性フィラーを分散させた後、攪拌させながらポリイミド原料であるジアミンと酸無水物を添加し反応を進行させる方法が望ましい。
ポリアミック酸溶液は、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合して製造することができる。用いられる溶媒には、N,N−ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリジノン、2−ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用することもできる。
用いられるジアミンとしては、例えば、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3’−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノジベンゾフラン、1,5−ジアミノフルオレン、ジベンゾ−p−ジオキシン−2,7−ジアミン、4,4’−ジアミノベンジルなどが挙げられる。
また、酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2”,3,3”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3”,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1, 2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
ジアミン、酸無水物はそれぞれその1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。本発明では、ポリイミド樹脂層に熱伝導性フィラーを含有するため、ポリイミド樹脂の優れた耐熱性や寸法安定性を維持しながら、その機械的強度を保持させる必要がある。そのような観点から、ジアミン成分に2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルを主成分とし、これに1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選択される少なくとも1種のジアミンを併用し、酸無水物にピロメリット酸二無水物を主成分として用いることが好ましい。
ポリイミド絶縁層は、熱伝導性フィラーを含有するポリアミック酸状態で金属箔上に直接塗布して形成することが好ましく、この際、重合された樹脂粘度を5,000cPs〜50,000cPsの範囲とすることが好ましい。このように製造されたフレキシブル基板用積層体は導体層を片面のみに有する片面フレキシブル基板用積層体としてもよく、また、導体層を両面に有する両面フレキシブル基板用積層体とすることもできる。これら配線基板用積層体において、導体層に銅箔を使用したものは、それぞれ片面銅張積層板、両面銅張積層板と呼ばれている。両面配線基板用積層体は、片面配線基板用積層体を形成後、導体層となる金属箔を熱プレスにより圧着する方法、2枚の片面配線基板用積層体間に熱可塑性の接着性樹脂や熱可塑性ポリイミドフィルムを挟み熱プレスにより圧着する方法等によって得ることができるが、本発明においては、この場合においても導体層と熱伝導性フィラーを含有するポリイミド樹脂層とが直接接していることが重要である。
ポリイミド樹脂層の好ましい厚みは、10〜50μmの範囲であり、15〜40μmの範囲がより好ましい。ポリイミド樹脂層の厚みが10μmに満たないと、放熱性が十分でなく、50μmを超えると耐屈曲性が低下する傾向にある。また、ポリイミド樹脂層の熱伝導率を厚み方向で0.2W/mK以上、平面方向で0.3W/mK以上とすることでより放熱特性に優れたフレキシブル基板用積層体とすることができる。ポリイミド樹脂層の熱伝導率を高めるためには、溶媒中に熱伝導性フィラーを分散させた後、攪拌させながらポリイミド原料であるジアミンと酸無水物を添加し反応を進行させる方法で熱伝導性フィラーの分散性を高めることが好ましい。この場合には、ポリイミド層形成後のポリイミド樹脂層中の熱伝導性フィラー含有率が30〜80wt%となるようにポリアミック酸溶液を調製する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
本実施例に用いた略号は以下の化合物を示す。
m−TB:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
TPE−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
3,4’−DAPE:3,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
実施例1
攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを超音波装置の水浴に浸し、このフラスコに平均粒子径が3μmの球状アルミナフィラーとDMAcを加えて窒素雰囲気下、超音波を照射しながら2時間撹拌した。次に、ジアミン成分としてm−TB、TPE−R及び3,4’−DAPE(モル比率:67/20/13)を加え溶解させた後、超音波照射を止め攪拌を維持したまま、酸無水物成分としてPMDAを加えて窒素雰囲気下、室温で3.5時間重合反応を行い、樹脂成分であるポリアミック酸とフィラーとの合計量に対して、フィラーを40wt%含有するポリアミック酸溶液(溶液粘度:9,600cP)を得た(このフィラーの含有割合の算出において溶媒は除外される。以下同様。)。
得られたフィラー含有ポリアミック酸溶液を、厚み18μm、表面粗さRz 0.7μmの銅箔上に、硬化後の厚みが約30μmとなるように塗布し、140℃未満で5分間乾燥し溶媒を除去し、150〜360℃の温度範囲で、段階的に18分かけて昇温加熱してフレキシブル基板用積層体を得た。このフレキシブル基板用積層体について、表1に示す銅箔引剥し強度、熱分解温度及び耐折性、絶縁層の体積抵抗率と熱伝導率をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
なお、表中の各特性については、下記評価方法に従った。
[銅箔引剥し強度]
フレキシブル基板用積層体の銅箔層を幅1.0mm、長さ180mmの長矩形にパターンエッチングし、そのパターンが中央になるように、幅20mm、長さ200mmに試験片を切り抜き、IPC−TM−650.2.4.19により180°引剥し試験を行った。
[熱分解温度]
フレキシブル基板用積層体のCu層をエッチングして得たポリイミドフィルムを試料として熱重量分析装置(装置名 ;セイコーインスツルメンツ社製TG−DTA220)によりTG/DTA測定(昇温速度;10℃/min)を行い、試料の重量が5%減少する温度を熱分解温度とみなした。
[耐折性]
フレキシブル基板用積層体の銅箔層をエッチングして得たポリイミドフィルムを幅5mm、長さ30mmの矩形に切り出した。この試験片に対して長さ方向の両端を合わせて輪を作り、続いて元の矩形状に戻す操作を20回繰り返し、可視範囲で試験片に折れ目や裂け目が生じるかどうかを調べた。20回の繰り返し操作で外観に全く変化が認められなかったものを○、20回の繰り返し操作の途中で裂け目が生じたものを△、1回目で折れたものを×とした。
[体積抵抗率]
測定対象のポリイミド樹脂フィルムを10×10mmのサイズに切り出し、ASTM D257により体積抵抗率を測定した。
[熱伝導率]
測定対象のポリイミド樹脂フィルムを30×30mmのサイズに切り出し、周期加熱法による厚み方向の熱拡散率、DSCによる比熱、水中置換法による密度をそれぞれ測定し、これらの結果をもとに熱伝導率を算出した。
実施例2〜4
樹脂成分であるポリアミック酸とフィラーとの合計量に対して、球状アルミナフィラーの配合割合が50〜70wt%となるように、フィラー量を10wt%ずつ増加させた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1
攪拌装置を備えたセパラブルフラスコにDMAcと実施例1と同じジアミン及び酸無水物を加え、窒素雰囲気下、室温で3.5時間重合反応を行い、フィラーを含有しないポリアミック酸溶液(溶液粘度:48,400cP)を得た。
得られたポリアミック酸溶液を用いて、実施例1と同様にして銅箔上にポリイミド層を形成しフレキシブル基板用積層体を得、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
樹脂成分であるポリアミック酸とフィラーとの合計量に対して、球状アルミナフィラーの配合割合が10wt%となるように、フィラー量を配合した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例3
樹脂成分であるポリアミック酸とフィラーとの合計量に対して、球状アルミナフィラーの配合割合が85wt%となるように、フィラー量を配合した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示したが、耐折性が著しく悪く、実用的でなかったため他の評価項目については評価を行わなかった。
Figure 2008251900
本発明のフレキシブル基板用積層体は放熱性に優れ、導体層と絶縁層との実用的接着強度を有し、屈曲性にも優れることから、これらの特性が求められる携帯電話や、ノートパソコンなどの小型電子機器に好適に用いることができる産業上の利用可能性の高いものである。

Claims (7)

  1. ポリイミド樹脂層の片面又は両面に導体層を有するフレキシブル基板用積層体において、前記ポリイミド樹脂層が導体層に直接形成され、かつ、ポリイミド樹脂層中に熱伝導性フィラーを30〜80wt%含有することを特徴とするフレキシブル基板用積層体。
  2. ポリイミド樹脂層の厚みが10〜50μmの範囲にあり、熱伝導率がポリイミド樹脂層の厚み方向で0.2W/mK以上である請求項1記載のフレキシブル基板用積層体。
  3. 熱伝導性フィラーがシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及びマグネシアから選ばれる少なくとも1種類以上の球状フィラーであり、平均粒子径が0.3〜15μmの範囲にある請求項1又は2記載のフレキシブル基板用積層体。
  4. 導体層上に熱伝導性フィラーを含有するポリアミック酸溶液を直接塗布し、乾燥及び硬化して導体層上に熱伝導性フィラーを30〜80wt%含有するポリイミド樹脂層を形成することを特徴とするフレキシブル基板用積層体の製造方法。
  5. フィラーを含有するポリアミック酸溶液が、溶媒中にフィラーを分散させながらジアミンと酸無水物とを添加するものである請求項4のフレキシブル基板用積層体の製造方法。
  6. ポリイミド樹脂層の厚みが10〜50μmの範囲にあり、熱伝導率がポリイミド樹脂層の厚み方向で0.2W/mK以上である請求項4又は5記載のフレキシブル基板用積層体の製造方法。
  7. 熱伝導性フィラーがシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及びマグネシアから選ばれる少なくとも1種類以上の球状フィラーであり、平均粒子径が0.3〜15μmの範囲にある請求項4〜6いずれか記載のフレキシブル基板用積層体の製造方法。
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