JP2010533356A - 放射線を測定するためのx線源 - Google Patents

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Abstract

大きな検出器アレイを持つコーンビームCTスキャナは、増加された散乱放射線に苦しむ。この放射線は、激しい画像アーチファクトをもたらす場合がある。本発明の例示的な実施形態によれば、散乱放射線を直接測定する検査装置が提供される。この測定は、アノードディスクの5つの標的領域512に配置されるスリット510を有するアノードディスク500に含まれるX線管を用いて実行される。スリット開口部は、第2のアノード550からX線555の第2の源を交互に作成するためにX線管のカソードから電子ビーム580により少なくとも部分的に透過されるよう構成される。これにより、第2の源はX線検出器の散乱防止グリッドの焦点領域の外側に配置される。コーンビームCTスキャナは、コーンビームアーチファクトに苦しむ場合もある。スキャンデータの追加的なセットを測定するのに役立つあるX線管が説明される。

Description

本発明は、断層撮影撮像の分野に関する。特に、本発明は、アノードディスク、X線管、注目対象物の検査に関する検査装置、注目対象物の検査方法、コンピュータ可読媒体及びプログラム要素に関する。
散乱放射線は、特に大きな検出器に対して、画像信号を劣化させる場合がある。なぜなら、散乱放射線が直接放射線と重なるからである。散乱放射線が、激しい画像アーチファクトを生じさせる場合がある。散乱放射線から生じる画像アーチファクトを減らすため、2次元又は1次元の散乱除去グリッド(ASG)が使用されることができる。ASGは、散乱放射線が検知器ユニットのセルに到達することができる空間角度を制限し、従って、散乱放射線の直接放射線に対する比を改善する。散乱放射線は、直接放射線と比較して低い空間周波数を持ち、従ってうまく区別されることができる。
散乱放射線の測定のため、X線源の焦点は、ASGにより規定される集束範囲の外へ移動されることを必要とする。集束範囲は、焦点が検知器ユニットに対して直接放射線を最大限送信することができる限界の範囲である。散乱放射線を測定するための移動は、検知器ユニット上で散乱放射線の空間パターンを測定するためのオプションを更に持つことにより制限される。診断CTシステムで使用されるとき、人体への追加的な線量の悪影響は通常、増加された画像品質及び診断値によるオフセット以上のものである。
X線源のアノード焦点スポットをASGの集束範囲の周辺部に時間的に変位させることが望ましい場合がある。
上記散乱問題に加えて、異なる目的に関する異なるシーケンスの間、スキャンデータの追加的なセットを測定する、即ちコーンビームアーチファクトを測定することが望ましい場合がある。
本発明の例示的な実施形態によれば、後に回転アノードX線管の散乱放射線を測定するためのアノードディスクが提供される。アノードディスクは、アノードディスクの標的領域に配置されるスリットを有する。スリット開口部は、X線管のカソードの電子ビームにより少なくとも部分的に透過されるよう構成される。本実施形態の1つの側面において、スリットの幅は、0.9mm〜3mmの間の範囲にある。2mmのスリット幅が、良好な選択であることが証明された。
更なる実施形態において、アノードディスクは、複数のスリットを有する。スリットは、回転アノードディスクの焦点軌道でアノードディスクへとカットされる。
別の側面において、アノードディスクは、キャビティを更に有する。キャビティは、スリットを組み込み、例えば電子ビームがアノードディスク、正確にはスリットを透過するとき遷移効果を回避するよう、形作られる。言い換えると、電子は、スリットを通過する前にノッチに落ち、こうしてX線源を去ることができない。複数のスリットに対して、同じ数のノッチが提供されることができる。本発明の更に別の側面において、スリット及びノッチの存在又はこれらの複数の存在が原因で失われたアノード物質が、カソードから離れて面するアノードディスクの側にある追加的な物質で平衡化されることができる。
カソードの入射電子ビーム(アノードディスクの焦点軌道)の標的領域にあるスリットを介してアノードディスクに対してアノードディスクが回転することにより、焦点が移動されたとき、散乱データが取得されることができる。従って、アノードディスクを移動させることにより、2つの異なるデータセットが取得されることができる。主に直接放射線からの画像データと、スリットが電子ビームにより透過されるディスクの位置での散乱データとである。この散乱データは、画像修正のために使用されることができる。
更なる実施形態において、上記アノードディスクを有するX線管が、固定アノードを更に有する。アノードディスクは、X線源のカソードと固定アノードとの間に配置される。作動中、電子ビームは、ビーム焦点のビーム中心とは異なる所定のビーム角の下でスリットを通過し、固定アノード又は代替的に固定目標にぶつかる。固定アノードは、検出されることができる散乱放射線の量を少なくとも部分的に表すことができる第2の焦点を作成する。本発明のある側面によれば、ビーム角又はビーム角形成β、及びアノードディスクでの第1の焦点スポット領域の平面と固定アノードにおける第2の焦点スポット領域の平面との間の距離hは、以下のような関係にある。即ち、第2の焦点のビーム中心に対するオフセットΔdoffが、ASGの集束範囲FRASGより大きく、
Δdoff=(tanβ)/h>FRASG (1)
が成り立つ。
本実施形態の別の側面によれば、ビームサイズは、第1の焦点で最小となるようにすることができ、固定アノードの第2の焦点で最大となるまで増加されることができる。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、注目する対象物の検査に関する検査装置が、注目対象物に電磁放射線を放出するよう構成されるX線管と、注目する対象物から画像データ及び散乱データを検出するよう構成される検知器ユニットと、電磁放射線をフィルタリングするよう構成される散乱除去グリッドとを有する。散乱除去グリッドが、第1の焦点が検知器ユニットに直接放射線を送信することができる集束範囲を規定する。検知器ユニットに対する電磁放射線の第1の焦点の画像データは、第1の時間期間に検出される。電磁放射線の第2の焦点の散乱データが、第1の時間期間よりかなり短い第2の時間期間に検出される。第1の焦点は、X線管のアノードディスクにより作成される。第2の焦点が、X線管の固定アノードにより作成される。
こうして、検知器ユニットから検出される散乱データは直接放射線データをわずかしか含まないか、全く含まないとすることができる。
本発明の別の例示的な側面によれば、散乱除去グリッドは、1次元散乱除去グリッドである。
これは、ASGの簡単な製造を提供することができる。更に、これは、ステレオチューブデザインといった進歩的なCTシステムの概念に対する用途を可能にすることができる。
本発明の別の側面によれば、第1の焦点の空間角度は、第2の焦点の空間角度より小さい。
本発明の別の例示的な側面によれば、第2の焦点は、散乱除去グリッドの集束範囲の外にある。
本発明の別の例示的な側面によれば、第1の時間期間及び第2の時間期間が、検出シーケンスに対応する。
本発明の別の例示的な側面によれば、この検査装置は、手荷物検査装置、医療用途装置、物質検査装置及び物質科学解析装置からなるグループの1つとして構成される。本発明の応用分野は、物質科学解析とすることができる。なぜなら、本発明の規定された機能は、物質の安全な、信頼性が高い及び非常に正確な解析を可能にすることができるからである。
本発明の例示的な別の側面によれば、注目対象物の検査方法が、回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、上記X線管の固定アノードにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、第1の時間期間に第1の焦点から画像データを検出するステップと、第2の時間期間に第2の焦点の散乱データを検出するステップとを有する。固定アノードは簡単に、チューブの金属フレームとすることができる。このフレームは、X線生成導電物質で覆われることができる。アノードは、流体により冷却されることができる。
本発明の別の例示的な側面によれば、第2の時間期間は、5μsから40μsの間の範囲にある。
本発明の別の例示的な側面によれば、注目する対象物の検査のコンピュータープログラムが格納されるコンピュータ可読媒体が、プロセッサにより実行されるとき、回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、X線管の固定アノードにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、第1の時間期間に第1の焦点から画像データを検出するステップと、第2の時間期間に第2の焦点の散乱データを検出するステップとを実行するよう構成される。
本発明の別の例示的な側面によれば、注目する対象物の検査のプログラムであって、プロセッサにより実行されるとき、回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、X線管の固定アノードにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、第1の時間期間に第1の焦点から画像データを検出するステップと、第2の時間期間に第2の焦点の散乱データを検出するステップとを実行するよう構成される。
このプログラムは好ましくは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされることができる。こうしてデータプロセッサは、本発明の方法の例示的な実施形態を実行する機能が備え付けられることができる。コンピュータープログラムは、例えば、C++といった任意の適切なプログラミング言語で書かれることができ、例えばCD−ROMといったコンピュータ可読媒体に格納されることができる。また、コンピュータープログラムは、例えばワールドワイドウェブといったネットワークから利用可能とすることもできる。このネットワークから、プログラムは画像処理ユニット又はプロセッサ又は任意の適切なコンピュータにダウンロードされることができる。
上記の構成によれば、散乱データは、比較的少ない量の直接放射線だけを含むことができる。従って上記第2の時間期間の間、言い換えると、散乱測定の間、検出器に達する直接放射線の量がかなり減らされることができる。従って、結果として生じる測定(散乱データ)は、基本的に散乱した光子だけを含むことができる。斯かる測定は、撮像測定への散乱貢献の良好な推定を提供することができる。
本発明の更なる側面によれば、検出シーケンスは、事前規定のものとすることができる。すると、データ取得の間、焦点スポットは、所定の検出又は切換シーケンスに基づきアノードディスクでの第1の位置と固定アノードでの第2の位置(それぞれ、画像データ及び散乱データの取得のため)との間で機械的に切替えられる。散乱が空間領域においてゆっくり変化することができるので、散乱測定は、画像取得において(所定の検出シーケンスに基づき)散発的にのみ交互に実行されることができる。
本発明の別の側面によれば、いわゆる円取得及びいわゆる線取得に関してコスト効率の良いX線管がクレームに記載される。好ましくは、X線管は、軸方向コーンビーム・コンピュータ断層撮影に使用されることができる。円取得は軸方向CTモードで行われる。その場合、CT装置のガントリは回転軸周りを回転している。一方、注目する対象物、即ち患者は、患者テーブル上に静止するか、又はガントリの回転軸に平行な方向に沿って変位させられる(ヘリカルスキャン)。円取得の間、動く対象物、即ち、患者の拍動する心臓が測定されることができる。
線取得の間、コーンビームアーチファクト生成物質が、CT装置により測定されることができる。上記側面による例示的な実施形態において、線取得の間、固定アノードが使用される。上記側面による更なる例示的な実施形態において、第2のディスクアノードが使用されることができる。カソードと固定アノード又は第2のディスクアノードでの焦点スポットとの間の距離が増加又は減少するよう、固定アノード又は第2のディスクアノードが移動される。スリットを通り飛行し、固定アノード又は下にある第2のディスクアノード上の焦点スポット領域にぶつかる電子ビームの変化する距離が原因で、結果として生じるX線ビームは、スリットアノードディスクに関してシフトさせられる。ある実施形態において、固定アノード又は第2のディスクアノードの移動は、スリット化されたディスクアノードの回転軸の軸方向に指向されることができる。更に、固定アノード、又は代替的に第2のディスクアノードの移動は、上記軸方向と移動方向との間に広がる数度の小さな角度で別の方向に実行されることができる。上記角度は、0°から40°の間の範囲から選択されることができる。
代替的に、固定アノード又は第2のディスクアノードの移動の方向は、スリット化されたディスクアノードの上記回転軸に垂直な方向においてすることができる。更に、静止したカソード、又は代替的に第2のディスクアノードの移動は、上記軸方向に対する法線と移動方向との間にひろがる数度の小さな角度で実行されることができる。従って、上記角度は、0°から40°の間の範囲から選択されることができる。
更に、固定アノード又は、第2のディスクアノードは、アノード電力定格を強化するため長軸方向及び側面方向に移動されることができる。本発明の他の実施形態によれば、固定アノード又は第2の回転ディスクアノードの有効なアノード角度は、アノードの線形運動の間変化されることができる。従って、電子ビームの機械的傾斜及び再フォーカスが可能にされる。固定アノード又は第2のディスクアノードの運動は、連続的に実現されることができる。運動の間のアノード角度のこの機械的調整は、X線ビームを介して充分な検出器範囲を維持しつつ、特定の熱負荷を減らすことができる。
追加的な側面によれば、X線管は、開口デバイスを有する。この開口デバイスが、少なくともカソード電子ビームの軸方向において移動可能である。この移動開口は、線取得の間、アノードディスクの放出X線ビームをブロックするか、又は中心の取得の間、固定アノード又は第2のディスクアノードの放出X線ビームをブロックすることを可能にする。好ましくは、開口移動は、ガントリの回転軸の方向(z方向)において、又はスリット化されたディスクアノードの回転軸の方向において、実行される。後者の方向は、カソード電子ビームの方向と同じとすることができる。
本発明の別の側面によれば、X線管は移動可能な固定アノード又は第2のディスクアノードを含むボリューム変化デバイスを有することができる。この場合ボリューム変化デバイスは、X線管の真空を維持するよう構成される。ある実施形態において、ボリューム変化デバイスは、ベローズデバイス(bellows device)である。
更に別の側面によれば、固定アノード又は第2のディスクアノードの移動は、線形アクチュエータにより実行されることができる。更に、上記移動は、回転軸の周りでアノードを移動することにより実行されることができる。更に、アノードの移動及び開口デバイスの移動は、適切なリンクデバイスにより機械的に連結されることができる。
注目する対象物を検査する1つの好ましい方法は、回転アノードX線管のスリット化されたアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線、即ちX線を放出するステップと、X線管の固定アノード又は第2の回転ディスクアノードにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、第1の時間期間に第1の焦点から画像データを検出するステップと、第2の時間期間に第2の焦点の散乱データ又は画像データを検出するステップとを有する。
上記方法の1つの側面において、複数の第2の時間期間の第1のシーケンス(線取得)の間、第2の焦点が、電子ビーム方向に沿って動く。
ある実施形態において、この方法は、複数の第1の時間期間の第2のシーケンスの間、固定アノード又は第2の回転ディスクアノードの放出電磁放射線をブロックするステップを更に有する。
本発明の更に別の側面によれば、カソードビームがスリット化されたアノードディスクの1つのスロットを通過する場合、カソードビームエネルギーが最大に達するよう、カソードの放出電磁放射線は、高電圧パルシングにより変調されることができる。この変調は、回転アノードディスクの電力負荷を減らすのに役に立つことができる。
本発明の更なる側面によれば、カソードの電磁放射線を放出するための高電圧は、第2のシーケンス(円取得)と比較して、第1の放出シーケンス(線取得)の間、上昇させられる。従って、画像のコントラスト分解能は改善されることができる。なぜなら、コーンビームアーチファクトを作成する高コントラスト対象物が、線取得モードの間、好ましく測定されるからである。
本発明の他の側面によれば、固定アノード又は第2のディスクアノードの時間に対する運動トラックの任意の形状が、線取得の間可能である。従って、z方向に対する画像データ密度を最適化するため、運動トラックは、少なくとも部分的に線形、シヌソイド又は三角形とすることができる。
更に別の側面では、検出器で十分な光子を集める必要がある限り、線取得が実行されることができる点に留意されたい。
本発明の例示的な実施形態による、検査装置の簡略化された概略表現を示す図である。 本発明による例示的な方法のフローチャートを示す図である。 本発明による方法の例示的な実施形態を実行するための、本発明による画像処理デバイスの例示的な実施形態を示す図である。 断層撮影装置のビームジオメトリを示す図である。 アノードディスク及び固定アノードを備えるアノード構成を断面側面表示で示す図である。 アノードディスクの別の実施形態を概略的に示す図である。 X線の量を示す図である。 カソード、スリットを備える回転ディスクアノード、及び移動する固定アノードを示す図である。 移動する固定アノードを持つ回転アノードの上部表示を示す図である。 ベローズシステムにおいて回転アノード及び移動する固定アノードを持つチューブエンベロープの部分的な側面表示を示す図である。 2つの異なるパルシングモード(線取得及び円取得)のパルシングスキームを示す図である。 移動する固定アノードの焦点スポット位置と共に、更なるパルシングスキームを示す図である。
本発明のこれら及び他の側面は、本書において述べられる実施形態から明らかとなり、及び実施形態を参照して説明されることになる。
本発明の例示的な実施形態が、以下の図面を参照して以下に説明されることになる。
図面における説明は、概略的なものである。異なる図面において、同様な又は同一の要素は、同じ参照符号を用いて提供される。
図1は、コンピュータ断層撮影装置として構成される本発明の例示的な実施形態による検査装置を示す。この例示的な実施形態を参照して、本発明は、医療撮像における用途に関して説明されるだろう。しかしながら、本発明はこの用途に限定されず、手荷物検査又は例えば物質検査といった他の産業応用の分野において適用されることもできる点に留意されたい。
図1に表されるコンピュータ断層撮影装置100は、コーンビームCTスキャナである。図1に表されるCTスキャナは、回転軸102の周りで回動可能なガントリ101を有する。ガントリ101は、モータ103を用いて駆動される。参照符号104は、例えばX線源といった放射線源を表す。
参照符号105は、放射線源から放出される放射線ビームを円錐形放射線ビーム106へと形成する開口システムを表す。ガントリ101の中央に、即ちCTスキャナの検査領域に配置される注目対象物107を透過し、検出器108へと衝突するよう、コーンビーム106は向けられる。図1から分かるように、検出器108は放射線源104の反対側のガントリ101上に配置され、その結果、検出器108の表面がコーンビーム106により覆われる。図1に表される検出器108は、複数の検出器要素123を有する。各検出器要素は、注目対象物107を透過したX線又は個別の光子を空間分解する態様で検出することが可能である。
注目対象物107のスキャンの間、放射線源104、開口システム105及び検出器108は、矢印116により示される方向においてガントリ101に沿って回転される。放射線源104、開口システム105及び検出器108と共にガントリ101を回転させるため、モータ103は運動制御ユニット117に接続される。この制御ユニットは、計算又は訂正ユニット118に接続される。
図1において、注目対象物107は、コンベヤーベルト119に配置される患者又は手荷物のアイテムとすることができる。注目対象物107のスキャンの間、ガントリ101は手荷物のアイテム107の周りを回転するが、コンベヤーベルト119はガントリ101の回転軸102に平行な方向に沿って注目対象物107を変位させる。これにより、注目対象物107は、ヘリカルスキャンパスに沿ってスキャンされる。コンベヤーベルト119は、単一スライスを測定するため、スキャンの間止められることもできる。コンベヤーベルト119を提供する代わりに、例えば、注目対象物107が患者であるような医療用途においては、可動テーブルが使用されることができる。しかしながら、上述したすべての場合において、源−検出器構成の周波数の2倍で前後に周期的にテーブルを動かすことにより、例えばサドル軌跡といった他のスキャンパスを実行することも可能である点に留意されたい。
検出器108は、計算又は訂正ユニット118に接続されることができる。訂正ユニット118は、検出結果、即ち検出器108の検出器要素123からの読み出しを受信することができ、この読み出しに基づきスキャン結果を決定することができる。更に、訂正ユニット118は、モータ103を用いてガントリ101の運動を、モータ120を用いてコンベヤーベルト119の運動を調整するため、運動制御ユニット117と通信する。
訂正ユニット118は、散乱データに基づき画像データを訂正するよう構成されることができる。本発明の側面によれば、画像データは、第1の時間期間の間検出され、散乱データは、第2の時間期間の間検出される。
訂正ユニット118は、検出器108の検出器要素123からの読み出しを処理するデータプロセッサにより実現されることができる。
更に、図1から分かるように、訂正ユニット118は、例えば、手荷物107のアイテムにおいて疑わしい物質を検出する場合には自動的に警報を出力するため、ラウドスピーカ121に接続されることができる。
注目対象物107の検査のためのコンピュータ断層撮影装置100は、行列状の態様で配置される散乱除去グリッド(ASG)123の下に複数の検出要素を持つ検出器108を含む。各検出要素は、X線を検出するよう構成される。更に、コンピュータ断層撮影装置100は、注目対象物107の画像を再構成するよう構成される決定ユニット又は再構成ユニット118を有する。
コンピュータ断層撮影装置100は、注目対象物107にX線を放出するよう構成されるX線源104を有する。電磁放射線源104と散乱除去グリッド(ASG)123の下の検出要素との間に提供されるコリメータ105は、コーンビームを形成するため、電磁放射線源104から放出される電磁放射線ビームを平行化するよう構成される。散乱除去グリッド(ASG)123の下の検出要素は、マルチスライス検出器アレイ108を形成する。コンピュータ断層撮影装置100は、医療撮像装置又は手荷物検査装置として構成されることができる。
図2は、ここでは図示省略されたアノードディスクの1つの回転の間、散乱放射線を直接測定し、この測定を用いて汚染された画像データを訂正するための、本発明による例示的な方法のフローチャートを示す。この方法は、回転アノードX線管のアノードディスクにより、第1の焦点内で電磁放射線を放出するステップ1で始まる。更に、従来のCTスキャンが実行される。
ステップ2において、第1の時間期間に関する第1の焦点からの画像データが検出される。
次に、ステップ3において、電子ビームがアノードディスクのスリットを透過し、固定アノードにぶつかり、その結果、X線管の固定アノードにより第2の焦点内に電磁放射線が作成されるよう、従来のデータ取得は、アノードディスクを回転させることによる散乱測定と交互に実行される。言い換えると、短い時間期間の間に、ASGの集束範囲の外に第2の焦点スポットが作成される。このことは、CTシステムの集積化期間の1つの間に散乱放射線を測定することを可能にする。第2の焦点スポットは、アノードディスクの回転速度と同期的に(synchronically)放射を行う。この速度は、例えば100m/sである。
更にステップ4では、第2の時間期間に関する第2の焦点の散乱データが検出される。散乱データを測定することは、例えば、1次元散乱除去グリッド及び電子焦点スポット移動機能を備えるX線管を利用することにより実行される。
従来の1次元散乱除去グリッドは、ファン方向における散乱を減らすため、Z方向に沿って散乱除去ラメラを持つことができる。
次に、ステップ5において、ローパスフィルタリングが、散乱測定に関して実行されることができる。
その後、画像データは、散乱データに基づき訂正ユニットにより訂正されることができる。この訂正は、訂正された投射を生成するため撮像測定から散乱測定を減算することにより実行されることができる。
次に、ステップ7において、訂正された投射を用いて再構成が実行されることができる。結果、注目する対象物の訂正された画像が生じる。
本発明は、散乱放射線が通常、非常に小さな空間変動しか持つことができないという事実を利用する。散乱測定のためのアノードディスクでの位置から固定アノードの位置への焦点スポットの比較的小さな移動は、撮像測定と比較して散乱に関してごくわずかな影響しか与えない。従って、撮像測定は、散乱測定と交互に実行されることができる。散乱は空間領域においてゆっくり変化する(very)ことができるので、散乱測定は、(例えば所定のシーケンスに基づき)画像取得において散発的に交互に実行されることができる。
図3は、本発明による方法を実行するデータ処理デバイス400の例示的な実施形態を表す。図3に表されるデータ処理デバイス400は、例えば患者又は手荷物のアイテムといった注目対象物を表す画像を格納するメモリ402に接続される中央処理ユニット(CPU)又は画像処理プロセッサ401を有する。データプロセッサ401は、複数の入力/出力ネットワーク又は例えばCTデバイスといった診断デバイスに接続されることができる。データプロセッサ401は更に、データプロセッサ401において計算又は構成される情報又は画像を表示するための例えば、コンピュータモニタといった表示デバイス403接続されることができる。オペレータ又はユーザはキーボード404及び/又は図3には表されない他の出力デバイスを介してデータプロセッサ401と対話することができる。
更に、例えば、注目する対象物の運動を監視するモーションモニタに画像処理及び制御プロセッサ401をバスシステム405を介して接続することも可能である。例えば、患者の肺が撮像される場合、モーションセンサは呼気センサとすることができる。心臓が撮像される場合、モーションセンサは心電図とすることができる。
図4は、断層撮影装置300のビームジオメトリを概略的に示す。矢印は、注目対象物308により生成される散乱放射線302を示す。散乱放射線302は、特に大きな検出器304に対する画像信号を劣化させる(detoriate)。なぜなら、散乱放射線が、直接放射線306と重なるからである。散乱除去グリッド(ASG)310は、散乱放射線が検知器ユニット304の検出器セルに到達することができる空間角度を制限し、従って、直接放射線306に対する散乱放射線302の比を改善する。散乱放射線302の測定のため、アノードの焦点スポット310は、ASG集束範囲312FRASGから位置314又は316へと移動される必要がある。ASG集束範囲は、焦点スポットが検知器ユニット304に直接放射線306を送ることができる範囲として規定される。
図5は、アノードディスク500及び固定アノード550を備えるアノード構成を概略的な断面側面表示で示す。アノードディスク500は、アノードディスク500の円形標的領域512の中に配置されるスリット510を有し、2mmの幅を持つ。スリット開口部は、アノード追跡速度が100m/sである場合20μsの時間の間、ここでは図示省略されたX線管のカソードの電子ビーム580により少なくとも部分的に透過されるよう構成される。従って、フルビーム出力の下でさえ、スリット510を通る通過時間は、第2の焦点555における目標550が溶けることから保護するのに十分であるくらい短い。
電子ビーム580が角度βの下でスリット510を通過するとき、このビームは、固定アノード550にぶつかり、第2の焦点スポット555を作成する。
ビーム角β、及びアノードディスク510での第1の焦点スポット514の領域の平面513と固定アノード550における第2の焦点スポット555の領域の平面556との間の距離hは、以下のような関係にある。即ち、第2の焦点のビーム中心に対するオフセットΔdoffが、ASGの集束範囲FRASGより大きく、
Δdoff=(tanβ)/h>FRASG312
が成り立つ。光線580のビームサイズが第1の焦点514で最小であるので、第2の焦点555は通常より大きい。望ましくない遷移効果は、スリットの適切な形状により回避される。第2の焦点555及び第1の焦点514の間のオフセットが通常、アジマス方向においても存在する。従ってこの構成は一般に、1次元及び2次元ASGの両方に関して適用できる。
図6は、矢印により示される方向601において回転するアノードディスク600の別の実施形態を上部断面表示620及び部分的な側面の断面表示630で概略的に示す。アノードディスクは、ノッチ640に配置されるスリット610を有する。また、ビーム680のビーム方向も示され、これは、矢印と第1の焦点690及び第2の焦点670の位置とにより示される。電子ビームがアノードディスク600の開口601を進むとき、ノッチ又はキャビティ640は遷移効果を回避するために役に立つ。望ましくない遷移効果は、2つのX線放出領域(「焦点スポット」)が同時に存在することである。
図7は、時間tにわたる1つのCT集積化期間730の間、アノードディスクの第1の焦点から作成されるX線の量710と、図5に示されるアノードディスクの第2の焦点から作成されるX線の量720とを概略的な図で示す。回転アノードディスクの回転当たり1つのパルス722が、固定アノードから生成される。
図8は、カソード810、1つのスリット822を備える回転ディスクアノード820、及び移動する固定アノード830を持つX線管構成800を示す。回転方向823は、矢印により示される。矢印は、カソード810により放出される電子ビーム840を示す。電子ビーム840は、線取得モードの間スリット822を通過し、固定アノード830の目標表面835のX線焦点スポット831で衝突する。上記線取得モードの間、アクチュエータ(図示省略)は、軸方向(図1のz方向)において、固定アノード830を移動させる。軸可動方向839は、実線矢印により示される。更に、固定アノード830は、追加的な(将来の)位置838に示される。実線で示される焦点スポットと将来の位置における焦点スポット(破線)との間の距離は、固定アノード830の放出されたX線の複数の中間測定後に得られるだろう。
図9は、移動する固定アノード930を下に備える回転ディスクアノード920の上部表示を示す。黒丸は、矢印で示される電子ビーム924のトラック922を示す。更に、スリット926が示される。2つの矢印は、ディスクアノード920の回転方向928を示す。電子ビームは、カソード(図示省略)から放出され、上部からスリット926を通り飛行し、固定アノード930の焦点スポット934にぶつかる。
図10は、部分的に示されたチューブエンベロープ1010を備えるX線管1000の部分的な側面表示を示す。更に、X線管1000は、ベローズ(bellows)システムの形式でボリューム変化デバイス1020を有する。ベローズシステムは、移動可能な固定アノード1030を含み、X線管1000の真空を維持するよう構成される。更に、ベローズシステムは、ここでは図示省略される線形アクチュエータを含む。電子ビーム1050が、カソード(図示省略)から回転ディスクアノード1042のスリット1040を通り飛行し、下にある固定アノード1030の焦点スポット1038にぶつかる。スリットは、電子ビームを切り、それを固定アノードの方へパルス状に進ませる。電子ビームパルスは、回転アノードの回転周期と比べると短い。結果として生じるX線ビーム1032は、破線の三角形により示される。固定アノードの追加的な中間位置1034が、図10の左側に示される。この位置は、軸方向移動1036を介して線取得の間に到達される。円取得の間、結果として生じるX線ビーム1046は、ディスクアノード1042により放出される。矢印は、電子ビーム1050に整列する固定アノードの焦点スポットから検出器デバイス(図示省略)への一定の距離rを示す。開口デバイス1060は、第1のシーケンス(線取得)の間、アノードディスクの放出X線をブロックするため、少なくともカソード電子ビームの軸方向において移動可能である。
図11は、2つの異なるパルシングモード(線取得及び円取得)のパルシングスキームを示す。円取得の間、対象物は、軸方向CTモード(ガントリは回転し、患者は休んだ状態にある)で測定される。即ち関心領域に平行なz方向にX線源を移動させることにより、コーンビームアーチファクト生成物質を測定するのに線取得が使用される。この測定にとっては、x方向における時間的及び空間的分解能は重要でない。z方向における分解能及び検出器に対する焦点スポット距離は共に、ASGの焦点が原因で一定のままでなければならない。図11の上部半分には、線取得の間のX線パルスが示される。4つのスリットを持つアノードディスクが本実施形態において使用される点に留意されたい。従って、90°毎に20μsの長さのパルスが、動く固定アノードの焦点スポットに衝突される。時が進むにつれ、固定(非回転)アノードの焦点スポットと、ディスクアノードの焦点スポット(図12の上部半分)との間の距離が大きくなる。図11の下部半分には、円取得の間のX線パルスが示される。各々が1250μsの長さのパルスを持つアノードディスクが、ディスクアノードの焦点スポットトラックに800Hzの周波数で衝突される点に留意されたい。時が進むにつれ、固定(非回転)アノードの焦点スポットと、ディスクアノードの焦点スポット(図12の上部半分)との間の距離が大きくなる。上部半分における最初の2つのX線パルスと、下部半分における残り2つのX線パルス(破線)とは、動く開口(図10)が原因でキャンセルされる点に留意されたい。
図12は、動く固定アノードの焦点スポット位置(上部半分)と共に、追加的なパルシングスキーム(下部半分)を示す。最初の0.15秒では、円取得モードが適用される。0.15sから0.9sまでは、その短いパルス幅を持つ線取得モードが適用される。
線取得の間の距離の増加は、図12の上部半分に示される。距離対時間図において、ディスクアノードの焦点スポットは、最初の150ms(実線太線)における円取得モードでの0cmの所にある。焦点スポットは、動く開口によりX線ブロック/通過の変化が原因で、2cmへと切り替えられる。
注目する対象物の検査に関する方法が、図2に示される。最初ステップ1において、回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線が放出される。ステップ2において、X線管の固定アノード又は第2の回転ディスクアノードにより、第2の焦点内に電磁放射線が放出される。
このステップの間、第1の時間期間(即ち図11における1250μs)に関する第1の焦点からの画像データ及び第2の時間期間(即ち図11における20μs)に関する第2の焦点の画像データが生成される。第2の焦点は、複数の第2の期間(図11における20μs)の第1のシーケンス(0.75s)の間、カソード電子ビームの方向に沿って移動する。これは、いわゆる線取得である。この移動の間、アノードディスクの放出電磁放射線が、移動可能な開口によりブロックされる。線取得が行われる前又は後に、複数の第1の時間期間の第2のシーケンス(円取得、即ち0.15s)の間、固定アノード又は第2の回転ディスクアノードの放出電磁放射線は、動く開口によりブロックされる。
「comprising」という単語は、他の要素又はステップを除外するものではない点、及び「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない点に留意されたい。また、異なる実施形態に関連して記載される要素は、結合されることができる。追加的なステップ3〜7は、追加的な取得ステップ及び画像プリプロセスステップに関連する場合がある。
また、請求項における参照符号は、請求項の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない点に留意されたい。

Claims (22)

  1. 回転アノードX線管の散乱放射線を測定するため又は注目対象物に電磁放射線を放出するためのアノードディスクであって、
    少なくとも1つのスリットを有し、
    前記スリットが、前記アノードディスクの標的領域に配置され、前記スリットの開口部は、前記X線管のカソードの電子ビームにより少なくとも部分的に透過されるよう構成される、アノードディスク。
  2. 前記スリットの幅が、0.9mmから10mmの間、又は0.4mmから30mmの間の範囲にある、請求項1に記載のアノードディスク。
  3. 前記アノードディスクが、少なくとも1つのキャビティを更に有し、
    前記キャビティは、前記スリットを組み込む、請求項1又は2に記載のアノードディスク。
  4. 請求項1乃至3の一項に記載のアノードディスクを有するX線管であって、
    固定アノード又は第2の回転ディスクアノードと、
    カソードとを更に有し、
    前記アノードディスクが、前記カソードと前記固定アノード又は前記第2の回転ディスクアノードとの間に配置される、X線管。
  5. 前記カソードと前記固定アノード又は前記第2のディスクアノードでの焦点スポットとの間の距離が可変であるよう、前記固定アノード又は前記第2のディスクアノードが移動可能である、請求項4に記載のX線管。
  6. 前記固定アノード又は前記第2のディスクアノードが、前記カソード電子ビームの前記軸方向に平行及び/又は垂直な方向において移動可能である、請求項4に記載のX線管。
  7. 開口デバイス有し、前記開口デバイスが、少なくとも前記カソード電子ビームの軸方向において移動可能である、請求項4乃至6の少なくとも一項に記載のX線管。
  8. 前記移動可能な固定アノード又は第2のディスクアノードを含むボリューム変化デバイスを有し、前記ボリューム変化デバイスが、前記X線管の真空を維持するよう構成される、請求項4乃至7の少なくとも一項に記載のX線管。
  9. 前記ボリューム変化デバイスが、ベローズデバイスである、請求項7に記載のX線管。
  10. 注目する対象物の検査に関する検査装置であって、
    前記注目対象物に電磁放射線を放出するよう構成される、請求項4乃至9の一項に記載のX線管と、
    前記注目する対象物から画像データ及び/又は散乱データを検出するよう構成される検知器ユニットと、
    前記電磁放射線を減衰させるよう構成される散乱除去グリッドとを有し、
    前記散乱除去グリッドが、第1の焦点が前記検知器ユニットに直接放射線を送信することができる集束範囲を規定し、
    前記検知器ユニットに対する前記電磁放射線の第1の焦点の前記画像データは、第1の時間期間に検出され、
    前記電磁放射線の第2の焦点の前記散乱データ又は画像データが、前記第1の時間期間よりかなり短い第2の時間期間に検出され、
    前記第1の焦点は、前記X線管の前記アノードディスクにより作成され、
    前記第2の焦点が、前記固定アノード又は前記X線管の前記第2のアノードディスクにより作成される、検査装置。
  11. 前記第2の焦点が、前記散乱除去グリッドの集束範囲の外側にある、請求項10に記載の検査装置。
  12. 前記散乱除去グリッドが、1次元散乱除去グリッド又は2次元散乱除去グリッドである、請求項10又は11に記載の検査装置。
  13. 前記第1の時間期間及び前記第2の時間期間が、検出シーケンスに対応する、請求項10乃至12の一項に記載の検査装置。
  14. 手荷物検査装置、医療用途装置、物質検査装置及び物質科学解析装置からなるグループの1つとして構成される、請求項10乃至13の一項に記載の検査装置。
  15. 注目対象物の検査方法において、
    回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、
    前記X線管の固定アノード又は第2の回転ディスクアノードにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、
    第1の時間期間に前記第1の焦点から画像データを検出するステップと、
    第2の時間期間に第2の焦点の散乱データ又は画像データを検出するステップとを有する、方法。
  16. 複数の第2の時間期間の第1のシーケンスの間、前記第2の焦点が、前記カソード電子ビーム方向に沿って動く、請求項15に記載の方法。
  17. 前記カソードと、前記固定アノード又は前記第2のディスクアノードでの焦点スポットとの間の距離が変化可能であるよう、前記固定アノード又は前記第2のディスクアノードを動かすステップを有する、請求項15に記載の方法。
  18. 前記第1のシーケンスの間、前記アノードディスクの前記放出電磁放射線をブロックするステップを更に有する、請求項15乃至17の一項に記載の方法。
  19. 複数の第1の時間期間の第2のシーケンスの間、前記固定アノード又は前記第2の回転ディスクアノードの前記放出電磁放射線をブロックするステップを更に有する、請求項15乃至18の一項に記載の方法。
  20. 前記第2の時間期間が、5μsから200μsの間、又は200μsから2000μsの間の範囲にある、請求項10に記載の方法。
  21. 注目する対象物の検査のコンピュータープログラムが格納されるコンピュータ可読媒体であって、プロセッサにより実行されるとき、前記コンピュータープログラムが、
    回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、
    前記X線管の固定アノード又は第2のアノードディスクにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、
    第1の時間期間に前記第1の焦点から画像データを検出するステップと、
    第2の時間期間に第2の焦点の散乱データ又は画像データを検出するステップとを実行するよう構成される、コンピューター可読媒体。
  22. 注目する対象物の検査のコンピュータープログラムであって、プロセッサにより実行されるとき、
    回転アノードX線管のアノードディスクにより第1の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、
    前記X線管の固定アノード又は第2のアノードディスクにより第2の焦点内に電磁放射線を放出するステップと、
    第1の時間期間に前記第1の焦点から画像データを検出するステップと、
    第2の時間期間に第2の焦点の散乱データ又は画像データを検出するステップとを実行するよう構成される、コンピュータープログラム。
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