JP2010529127A - 受容体型チロシンキナーゼの阻害物質およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2008年3月24日に出願された米国特許仮出願第61/070,506号、2007年12月28日に出願された米国特許仮出願第61/009,482号、および2007年6月5日に出願された米国特許仮出願第60/933,238号に関連し、これらに対して優先権を主張する。上述の各出願の内容全体は、この参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与された、契約R01-AR 051448、R01-AR 051886、およびP50 AR054086のもとで政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
幹細胞因子(SCF)は、受容体型チロシンキナーゼKit(SCF受容体としても公知)に結合し活性化することによって様々な細胞応答を媒介するサイトカインである。Kitは、活性化され切断された形態の表面受容体を捕捉するネコレトロウイルス中の癌遺伝子として最初に発見された(Besmer et al. (1986) J Virol 60: 194-203(非特許文献1))。SCFは、マウスのsteel(SI)遺伝子座にコードされているのに対し、Kitは、マウスの優性白色スポット(W)遺伝子座にコードされている(Copeland et al. (1990) Cell 63: 175-183(非特許文献2); Huang et al. (1990) Cell 63: 225-233(非特許文献3); FlanaganおよびLeder (1990) Cell 63: 185-194.(非特許文献4); Tan et al. (1990) Science 247: 209-212(非特許文献5); Bernstein et al. (1990) Ciba Found Symp 148: 158-166;考察 166-172(非特許文献6))。SCFは、非共有結合性ホモ二量体として機能し、選択的RNAスプライシングおよびタンパク質分解プロセシングによって生成する膜アンカー型SCFおよび可溶型SCFの両方が説明されている(Ashman (1999) Int J Biochem Cell Biol 31:1037-1051(非特許文献7)に総説がある)。Kitは、PDGF受容体αおよびPDGF受容体β、CSF-1受容体(M-CSF受容体またはFmsとしても公知)、ならびにFlt3受容体(Flk2としても公知)も含む、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)のIII型ファミリーのメンバーである(UllrichおよびSchlessinger (1990) Cell 61: 203-212(非特許文献8); Blume-Jensen et al. (2001) Nature 411: 355-365(非特許文献9)に総説がある)。Kitは、単一の膜貫通(TM)ドメインによって細胞質内領域に連結されている、グリコシル化された細胞外リガンド結合ドメイン(外部ドメイン)から構成されている(Schlessinger (2000) Cell 103: 211-225(非特許文献10)に総説がある)。KitおよびIII型RTKの他のメンバーの外部ドメインはすべて、5個のIg様ドメインを含み、その内の第2および第3の膜遠位ドメインは、リガンド認識において役割を果たすことが示された(UllrichおよびSchlessinger (1990) Cell 61: 203-212(非特許文献8)に総説がある)。細胞外リガンド結合ドメインが複数のIg様リピートのみで構成される他のRTKには、VEGF受容体ファミリーのメンバー(7個のIg様)、CCK4受容体(7個のIg様)、およびFGF受容体(3個のIg様)が含まれる。Kitの細胞質内領域は、大きなキナーゼ挿入領域を有するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)ドメインを含む。これは、III型RTKの別の特徴である。SCFがKitに結合すると、受容体の二量体化、分子間の自己リン酸化、およびPTK活性化が起こる。Kitの第4のIg様ドメインが、一価または二価いずれかのSCF結合に応答したKit二量体化を担っていることが提唱された(Lev et al. (1992b) J Biol Chem 267: 15970-15977(非特許文献11); Blechman et al. (1995) Cell 80: 103-113(非特許文献12))。しかしながら、他の研究により、リガンドによって誘導されるKit二量体化が、SCFの二価結合によって推進されることが実証された(Philo et al. (1996) J Biol Chem 271: 6895-6902(非特許文献13); Lemmon et al. (1997) J Biol Chem 272: 6311-6317(非特許文献14))。
に結合する部分であり、
配列中、Lはロイシンであり、Rはアルギニンであり、Gはグリシンであり;X1は、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2は、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3は、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4は、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され;X5は、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され;X6は、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;かつ、X7は、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される。別の態様において、本発明の部分が結合するIg様ドメインは、III型受容体型チロシンキナーゼのD5ドメイン、例えば、ヒトKitのアミノ酸残基309〜413番または410〜519番である。特定の態様において、本発明の部分は、D5相互作用部位に由来する、保存されたアミノ酸からなるコンセンサス配列に結合し得る。
に結合し得る。特定の態様において、本発明の部分は、
からなる群より選択される、Kit受容体のアミノ酸残基の内の少なくとも1つ、または
からなる群より選択される、Kit受容体のアミノ酸残基の内の少なくとも1つに結合する。本発明の部分は、表4において特定するポケットもしくは窪みを形成する残基すべてに結合し得るか、または、それらはポケットもしくは窪みを形成する残基の一部に結合し得る。当業者は、いくつかの態様において、本発明の部分が、上に挙げた残基に対応する他のIII型RTK中の残基、例えば、同様のポケットもしくは窪みを形成する残基または構造アライメントもしくは配列アライメントによって同じ位置になる残基を容易に標的とできることを理解するであろう。
からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合する。同様の態様において、本発明の部分は、次のアミノ酸の群:
の内の1つより選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合し得る。先に示したように、本発明の部分は、表4において特定するポケットもしくは窪みを形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらはポケットもしくは窪みを形成する残基の一部に結合し得る。
。本発明の部分は、前述の第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらは第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成する残基の一部に結合し得る。
に結合する部分であり、
配列中、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Eはグルタミン酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Gはグリシンであり;X1は、グルタミン酸、アルギニン、およびグルタミンからなる群より選択され;X2は、アルギニンおよびトレオニンからなる群より選択され;X3は、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;かつ、X4は、グルタミン酸およびアラニンからなる群より選択される。
に結合し得る。特定の態様において、本発明の低分子は、
からなる群より選択される、Kit受容体のアミノ酸残基の内の少なくとも1つに結合する。関連する態様において、本発明の低分子は、
からなる群より選択される、Kit受容体のアミノ酸残基の内の少なくとも1つに結合する。当業者は、いくつかの態様において、本発明の低分子が、上に挙げた残基に対応する他のIII型RTK中の残基、例えば、同様のポケットもしくは窪みを形成する残基または構造アライメントもしくは配列アライメントによって同じ位置になる残基を容易に標的とできることを理解するであろう。
、またはIII型受容体型チロシンキナーゼのD4ドメインを整列させるか、もしくは比較することによって生じさせた他の部位を含んでよい。その他の態様において、本発明のペプチド分子は、ヒトKitのアミノ酸残基309〜413番に少なくとも80%同一である構造、またはヒトKitのアミノ酸残基410〜519番に少なくとも80%同一である構造を含む。ペプチド部分はまた、KitのD5ドメインをベースとして設計されてもよく、さらなる好ましい態様において、III型受容体型チロシンキナーゼのD5ドメインを整列させるか、または比較することによって生じさせたコンセンサス配列を含んでよい。代替の態様において、ペプチド分子は、変異D5ドメインの配列またはコンセンサス配列をベースとして設計されてもよい。
本発明は、ヒト受容体型チロシンキナーゼ、例えばIII型またはV型の受容体型チロシンキナーゼ、例えばヒトKit(SCF受容体としても公知)またはPDGFRαもしくはPDGFRβの外部ドメイン、例えば、Ig様ドメインまたはIg様ドメイン間のヒンジに結合する部分、例えば、抗体またはその抗原結合部、低分子、ペプチド分子、アプタマー、およびアドネクチンを提供する。本発明のこれらの部分は、受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを不活性状態に留め、それによって、受容体型チロシンキナーゼの活性を阻害する。本発明の1つの態様において、この部分は、受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを単量体の状態に留める。本発明の別の態様において、この部分は、受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインが二量体化するのを許容するが、2つの単量体のIg様ドメイン(例えば、III型受容体型チロシンキナーゼのD4-D4ドメインもしくはD5-D5ドメイン、またはV型受容体型チロシンキナーゼのD7-D7ドメイン)の位置付け、向き、および/またはそれらの間の距離に影響を及ぼし、それによって、受容体型チロシンキナーゼの活性を阻害する。言い換えると、この部分は、リガンドによって誘導される受容体型チロシンキナーゼ外部ドメインの二量体化を許容し得るが、細胞表面境界面における2つの外部ドメインの位置付けに影響を及ぼすか、または受容体型チロシンキナーゼの立体構造的変化を変更もしくは妨害し、それによって、受容体型チロシンキナーゼの活性を阻害し得る(例えば、受容体内在化の阻害および/もしくは受容体のチロシン自己リン酸化の阻害ならびに/または受容体が下流のシグナル伝達経路を活性化する能力の阻害)。本発明は、単量体型ならびにリガンドによって誘導されたホモ二量体型の両方の受容体型チロシンキナーゼKitの外部ドメイン全体の結晶構造の解読に少なくとも部分的に基づく。これらの結晶構造の解読により、本発明の部分が標的とし得るエピトープ、例えば、立体構造エピトープの同定が可能になった。
に結合する。当業者は、いくつかの態様において、本発明の部分が、他のIII型RTK中の対応する残基、例えば、同様のポケットもしくは窪みを形成する残基または構造アライメントもしくは配列アライメントによって同じ位置になる残基を容易に標的とできることを理解するであろう。
からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合する。同様の態様において、本発明の部分は、次のアミノ酸の群:
の内の1つより選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合し得る。先に示したように、本発明の部分は、表4において特定するポケットもしくは窪みを形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらはポケットもしくは窪みを形成する残基の一部に結合し得る。特定の態様において、エピトープ、例えば立体構造エピトープに結合する本発明の部分に言及する場合、その部分がエピトープ(例えば、表4において特定するポケットもしくは窪み)を構成する特異的残基のみに結合し、受容体の直線状アミノ酸配列中の他の残基には結合しないという趣旨であることを理解すべきである。
。本発明の部分は、前述の第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらは第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成する残基の一部に結合し得る。特定の態様において、エピトープ、例えば立体構造エピトープに結合する本発明の部分に言及する場合、その部分がエピトープ(例えば、表5において特定する特異的ペプチド)を構成する特定の残基のみに結合し、受容体の直線状アミノ酸配列中の他の残基には結合しないという趣旨であることを理解すべきである。
本発明の1つの局面において、ヒト受容体型チロシンキナーゼの外部ドメイン、例えばIg様ドメインまたはヒンジ領域に結合する部分は、抗体またはその抗原結合断片である。
本発明の抗体は、RTK、例えば、受容体型チロシンキナーゼのヒトIII型ファミリーのメンバーのIg様ドメインに特異的に結合する。好ましい態様において、本発明の抗体またはその抗原結合部がRTK単量体のIg様ドメインに結合すると、外部ドメインが不活性状態、例えば単量体の状態に留められ、したがって、RTKが二量体化して下流のシグナル伝達経路を活性化する能力が弱められる。例えば、抗体は、リガンドによって誘導される、受容体型チロシンキナーゼのチロシン自己リン酸化および/または受容体内在化を妨げ得る。
に結合する部分であり、
配列中、Lはロイシンであり、Rはアルギニンであり、Gはグリシンであり;X1は、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2は、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3は、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4は、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され;X5は、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され;X6は、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;かつ、X7は、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される。
に結合する部分であり、
配列中、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Eはグルタミン酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Gはグリシンであり;X1は、グルタミン酸、アルギニン、およびグルタミンからなる群より選択され;X2は、アルギニンおよびトレオニンからなる群より選択され;X3は、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;かつ、X4は、グルタミン酸およびアラニンからなる群より選択される。
に結合し得る。
からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合する。同様の態様において、本発明の抗体またはその抗原結合部は、次のアミノ酸の群:
の内の1つより選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合し得る。先に示したように、本発明の抗体は、表4において確認するポケットもしくは窪みを形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらはポケットもしくは窪みを形成する残基の一部に結合し得る。特定の態様において、エピトープ、例えば立体構造エピトープに結合する本発明の抗体に言及する場合、その抗体がエピトープ(例えば、表4において特定するポケットもしくは窪み)を構成する特異的残基のみに結合し、受容体の直線状アミノ酸配列中の他の残基には結合しないという趣旨であることを理解すべきである。
。
本発明の方法に従って調製した抗体のVH配列および/またはVL配列を、改変抗体を操作するための出発材料として用いてよく、この改変抗体は、出発抗体から変化した特性を有し得る。抗体は、一方または両方の元の可変領域(すなわち、VHおよび/またはVL)内、例えば、1つもしくは複数のCDR領域内および/または1つもしくは複数のフレームワーク領域内の1個または複数個の残基を改変することによって操作することができる。さらにまたはその代わりに、抗体は、例えば、抗体のエフェクター機能を変更するために、定常領域内の残基を改変することによって操作することもできる。
。このアプローチは、PrestaによるPCT公報WO 00/42072においてさらに記載されている。さらに、FcγR1、FcγRII、FcγRIII、およびFcRnに対するヒトIgG1上の結合部位は、マッピングされており、かつ結合の改善された変種が説明されている(Shields, R.L.et al. (2001) J. Biol. Chem. 276:6591-6604を参照されたい)。256位、290位、298位、333位、334位、および339位の特異的変異は、FcγRIIIへの結合を改善することが示された。さらに、次の組み合せ変異体は、FcγRIII結合を改善することが示された:T256A/S298A、S298A/E333A、S298A/K224A、およびS298A/E333A/K334A。
本発明は、従来の抗体に限定されず、抗体断片および抗体ミメティックを用いて実践することができる。
下記に詳述するように、多種多様の抗体断片および抗体ミメティックの技術が現在開発されており、当技術分野において公知である。ドメイン抗体、Nanobody(ナノボディ)、およびUniBody(ユニボディ)などのいくつかのこれらの技術は、従来の抗体構造物の断片を利用するか、または従来の抗体構造物に対する他の改変を利用するのに対し、Adnectin、Affibody、DARPin、Anticalin、Avimer、およびVersabodyなどの代替の技術もあり、これらは、従来の抗体結合を模倣するが、異なるメカニズムによって生成し機能する結合構造物を使用する。これらの代替構造体のいくつかは、GillおよびDamle (2006) 17: 653-658に総説がある。
RTKのIg様ドメインに結合する本発明の抗体は、様々な物理的特性に基づいてさらに特徴付けすることができる。様々なアッセイ法が、これらの物理的特性に基づいて様々なクラスの抗体を検出および/または区別するのに使用され得る。
本発明のポリクローナル抗体は、当技術分野において周知の様々な技術によって作製することができる。ポリクローナル抗体は様々なB細胞株に由来し、したがって、同じ抗原上の複数のエピトープを認識することができる。ポリクローナル抗体は、典型的には、適切な哺乳動物を関心対象の抗原、例えば、RTKのIg様ドメイン、例えばヒトKitのD4ドメインもしくはD5ドメインまたはヒトVEGFのD7ドメインで免疫化することによって作製される。ポリクローナル抗体の作製のためにしばしば使用される動物は、ニワトリ、ヤギ、モルモット、ハムスター、ウマ、マウス、ラット、ヒツジ、および最も一般にはウサギである。下記の実施例14では、Kitの第4(D4)もしくは第5(D5)のIg様ドメインまたはKitの外部ドメイン全体でウサギを免疫化することによって、ポリクローナル抗Kit抗体を作製した。ポリクローナル抗体を作製するための標準的な方法は、当技術分野において広く公知であり、本発明の方法と組み合わせることができる(例えば、research.cm.utexas.edu/bkitto/Kittolabpage/Protocols/Immunology/PAb.html;米国特許第4,719,290号、同第6,335,163号、同第5,789,208号、同第2,520,076号、同第2,543,215号、および同第3,597,409号。これらの内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本発明のモノクローナル抗体(mAb)は、従来のモノクローナル抗体方法、例えばKohlerおよびMilstein (1975) Nature 256:495の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術を含む、様々な技術によって作製することができる。体細胞ハイブリダイゼーション手順が好ましいが、原理的には、モノクローナル抗体を作製するための他の技術、例えばBリンパ球のウイルス形質転換または癌性形質転換を使用することができる。抗体(モノクローナルもしくはポリクローナル)またはその抗原結合部は、RTKのIg様ドメイン、より好ましくはヒトKit RTKのD4ドメインもしくはD5ドメイン上の任意のエピトープに対して、または本明細書において考察するコンセンサス配列に対して、または本明細書において説明する任意の立体構造エピトープ、不連続エピトープ、もしくは直線状エピトープに対して産生され得ることに留意すべきである。
本発明のヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製するために、免疫化マウス由来の脾細胞および/またはリンパ節細胞を単離し、かつ、マウス骨髄腫細胞株のような適切な不死化細胞株に融合させることができる。結果として生じるハイブリドーマを、抗原特異的な抗体の産生についてスクリーニングすることができる。例えば、免疫化マウス由来の脾臓リンパ球の単細胞懸濁液を、50%PEGを用いて、6分の1の数のP3X63-Ag8.653非分泌性マウス骨髄腫細胞(ATCC、CRL 1580)に融合させてよい。あるいは、免疫化マウス由来の脾臓リンパ球の単細胞懸濁液を、Cyto Pulse大チャンバー細胞融合エレクトロポレーター(Cyto Pulse Sciences, Inc., Glen Burnie Maryland)を用いて、電場に基づく電気融合法によって融合させることもできる。約2×105個の細胞を平底マイクロタイタープレート中に播種し、続いて、20%胎仔クローン血清、18%「653」順化培地、5%オリゲン(origen)(IGEN)、4mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、5mM HEPES、0.055mM 2-メルカプトエタノール、50ユニット/mlペニシリン、50mg/mlストレプトマイシン、50mg/mlゲンタマイシン、および1×HAT(Sigma; HATは融合後24時間目に添加する)を含む選択培地中で2週間インキュベーションする。約2週間後、細胞は、HATをHTに交換した培地中で培養してよい。次いで、個々のウェルを、ELISAにより、ヒトモノクローナルIgM抗体およびIgG抗体についてスクリーニングすることができる。大規模なハイブリドーマ増殖が一度起こったら、通常10〜14日後に培地を観察してよい。抗体を分泌するハイブリドーマを再度播種し、再びスクリーニングしてよく、かつ、ヒトIgGについて依然として陽性である場合は、モノクローナル抗体を限界希釈によって少なくとも2回サブクローニングすることができる。次いで、安定なサブクローンをインビトロで培養して、特徴付けのために組織培養培地中で少量の抗体を生成させることができる。
本発明の抗体はまた、例えば、当技術分野において周知の組換えDNA技術および遺伝子トランスフェクション方法の組み合せ(例えば、Morrison, S.(1985) Science 229:1202)を用いて、宿主細胞トランスフェクトーマ(あるタイプのハイブリドーマ)において産生させることもできる。
本発明の抗体は、例えば、標準的なELISAによって、外部ドメイン、例えば、RTKのIg様ドメイン(または本明細書において考察するコンセンサス配列のような任意の選択された領域)に対する結合について試験することができる。手短に言えば、マイクロタイタープレートを0.25μg/mlのPBS中精製Ig様ドメイン(または好ましい受容体ドメイン)でコーティングし、次いでPBS中5%ウシ血清アルブミンでブロッキングする。抗体の希釈物(例えば、免疫化マウス、例えば、ヒトKitのD4ドメインまたはD5ドメインで免疫化したマウスに由来する血漿の希釈物)を各ウェルに添加し、かつ37℃で1〜2時間インキュベートする。これらのプレートをPBS/Tweenで洗浄し、次いで、アルカリ性ホスファターゼに結合させた二次反応物(例えば、ヒト抗体に対しては、ヤギ抗ヒトIgG Fc特異的ポリクローナル反応物)と共に、37℃で1時間インキュベートする。洗浄後、これらのプレートをpNPP基質(1mg/ml)を用いて発色させ、かつ405〜650のODで解析する。好ましくは、最も高い力価を示すマウスが、融合に使用される。
本発明の別の局面において、ヒト受容体型チロシンキナーゼの外部ドメイン、例えばIg様ドメインまたはヒンジ領域に結合する部分は、低分子である。
LX1RX2X3X4X5X6X7G
に結合する低分子であり、
配列中、Lはロイシンであり、Rはアルギニンであり、Gはグリシンであり;X1は、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2は、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3は、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4は、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され;X5は、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され;X6は、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;かつX7は、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される。
に結合する低分子であり、
配列中、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Eはグルタミン酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Gはグリシンであり;X1は、グルタミン酸、アルギニン、およびグルタミンからなる群より選択され;X2は、アルギニンおよびトレオニンからなる群より選択され;X3は、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;X4は、グルタミン酸およびアラニンからなる群より選択される。
に結合し得る。当業者は、いくつかの態様において、本発明の低分子が、他のIII型RTK中の対応する残基、例えば、同様のポケットもしくは窪みを形成する残基または構造アライメントもしくは配列アライメントによって同じ位置になる残基を容易に標的とできることを理解するであろう。
からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合する。同様の態様において、本発明の低分子は、次のアミノ酸の群:
の内の1つより選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合し得る。先に示したように、本発明の低分子は、表4において特定するポケットもしくは窪みを形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらはポケットもしくは窪みを形成する残基の一部に結合し得る。特定の態様において、エピトープ、例えば立体構造エピトープに結合する本発明の低分子に言及する場合、その低分子がエピトープ(例えば、表4において特定するポケットもしくは窪み)を構成する特異的残基のみに結合し、受容体の直線状アミノ酸配列中の他の残基には結合しないという趣旨であることを理解すべきである。
。本発明の低分子は、前述の第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらは第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成する残基の一部に結合し得る。特定の態様において、エピトープ、例えば立体構造エピトープに結合する本発明の低分子に言及する場合、その低分子がエピトープ(例えば、表5において特定する特異的ペプチド)を構成する特異的残基のみに結合し、受容体の直線状アミノ酸配列中の他の残基には結合しないという趣旨であることを理解すべきである。
本発明の別の局面において、ヒト受容体型チロシンキナーゼの外部ドメイン、例えばIg様ドメインまたはヒンジ領域に結合する部分は、ペプチド分子である。
に結合するペプチド分子であり、
配列中、Lはロイシンであり、Rはアルギニンであり、Gはグリシンであり;X1は、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2は、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3は、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4は、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され;X5は、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され;X6は、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;X7は、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される。
に一致する配列を含むか、またはそれからなるペプチド分子であり、
配列中、Lはロイシンであり、Rはアルギニンであり、Gはグリシンであり;X1は、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2は、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3は、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4は、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され;X5は、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され;X6は、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;X7は、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される。
に結合するペプチド分子であり、
配列中、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Eはグルタミン酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Gはグリシンであり;X1は、グルタミン酸、アルギニン、およびグルタミンからなる群より選択され;X2は、アルギニンおよびトレオニンからなる群より選択され;X3は、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;X4は、グルタミン酸およびアラニンからなる群より選択される。
に一致する配列を含むか、またはそれからなるペプチド部分であり、
配列中、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Eはグルタミン酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Gはグリシンであり;X1は、グルタミン酸、アルギニン、およびグルタミンからなる群より選択され;X2は、アルギニンおよびトレオニンからなる群より選択され;X3は、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;X4は、グルタミン酸およびアラニンからなる群より選択される。
に結合し得る(またはそれを含み得るか、もしくはそれからなり得る)。本発明のペプチド部分は、表4において特定するポケットもしくは窪みを形成するアミノ酸残基すべてに結合し得る(またはそれを含み得るか、もしくはそれからなり得る)か、または、それらはポケットもしくは窪みを形成する残基の一部に結合し得る(またはそれを含み得るか、もしくはそれからなり得る)。当業者は、いくつかの態様において、本発明のペプチド分子が、他のIII型RTK中の対応する残基、例えば、同様のポケットもしくは窪みを形成する残基または構造アライメントもしくは配列アライメントによって同じ位置になる残基を容易に標的とできることを理解するであろう。
からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合する。同様の態様において、本発明のペプチド分子は、次のアミノ酸の群:
の内の1つより選択される2個以上のアミノ酸から構成される立体構造エピトープに結合し得る。
。本発明のペプチド部分は、前述の第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成するアミノ酸残基すべてに結合し得るか、または、それらは第1のペプチドおよび第2のペプチドの群を形成する残基の一部に結合し得る。
。
を含むいくつかのペプチド主鎖改変が公知である。上記で使用した命名法では、Ψはアミド結合がないことを示す。アミド基と入れ替わる構造体が、角括弧内に明記されている。
本明細書において説明するアッセイ法および当技術分野において周知であるアッセイ法のいずれかを用いて、本発明の部分をRTK阻害活性についてスクリーニングすることができる。例えば、受容体内在化、受容体自己リン酸化、および/またはキナーゼシグナル伝達を測定できるアッセイ法を用いて、標的RTK、例えばKit受容体の活性化を妨害する部分を同定することができる。新しい阻害物質部分のスクリーニングは、当技術分野において公知の標準的方法を用いることによって、例えば、RTKまたは下流の分子のリン酸化状態を判定するホスホELISA(商標)手順(Invitrogenで利用可能)を使用することによって、遂行することができる。受容体、例えば、Kit受容体のリン酸化状態は、例えば、C-Kit [pY823] ELISA KIT、HU (BioSource(商標);カタログ番号KHO0401); c-KIT [TOTAL] ELISA KIT、HU (BioSource(商標);カタログ番号KHO0391)などの市販されているキットを用いて判定することができる。本発明の抗体、低分子、および他の部分をこのようなキットを用いてスクリーニングして、それらのRTK阻害活性を判定することができる。例えば、適切なリガンドおよび本発明の部分で処理した後、ホスホELISA(商標)を実施して、リン酸化状態、およびしたがって関心対象のRTKの活性化状態を判定することができる。本発明の部分は、RTK活性化を妨害する部分として同定され得る。下記の実施例15および16では、抗ホスホチロシン抗体を用いたRTK活性化の検出を含むアッセイ法を説明する。下記の実施例20では、ホスホELISA(商標)システムを用いた、受容体活性化を検出するための1つの考え得るアッセイ法を説明する。実施例22〜25(それらに関する方法および導入を含む)では、RTKの活性化状態を判定するために本明細書において使用されるその他の方法を説明する。
。
別の局面において、本発明は、本発明の部分(例えば、本発明のモノクローナル抗体もしくはその抗原結合部、抗体ミメティック、低分子、またはペプチド分子)の1つまたは組み合せを含み、薬学的に許容される担体と合わせて調剤された組成物、例えば薬学的組成物を提供する。このような組成物は、本発明の1つまたは組み合せの(例えば、2つ以上の異なる)抗体、または免疫複合体、低分子、もしくはペプチド分子を含んでよい。例えば、本発明の薬学的組成物は、標的RTK上の異なるエピトープに結合するか、または相補的活性を有する抗体および低分子の組み合せ、例えば、III型RTKのD4ドメインに結合するモノクローナル抗体と一緒にされた、III型RTKのD3-D4ヒンジ領域に結合する低分子を含んでよい。
別の局面において、本発明は、対象においてRTKに関連した疾患を治療するための方法であって、治療的有効量の本発明の部分を対象に投与する段階を含む方法を提供する。本発明の抗RTK部分、例えば、抗体、低分子、またはペプチド分子は、受容体型チロシンキナーゼに関連した疾患の診断および治療を含むインビトロおよびインビボでの診断的有用性および治療的有用性を多数有する。本発明の結合部分は、培養中の細胞にインビトロもしくはエクスビボで、またはヒト対象に例えばインビボで投与して、受容体型チロシンキナーゼに関連した疾患を治療、予防、および診断することができる。
実施例1〜19への導入
幹細胞因子(SCF)は、Kitの外部ドメインに結合し、チロシンキナーゼ活性化を結果として生じることによって、多数の細胞応答を開始する。下記の実施例の内のいくつかにおいて、SCF刺激前および後のKit外部ドメイン全体の結晶構造を説明する。これらの構造から、Kit二量体化は、2つのKit分子を結び付けることが唯一の役割であるSCF結合によって推進されることが示される。受容体二量体化に続いて、2つのKit分子の膜近位Ig様ドメインD4とD5との側面相互作用を可能にする立体構造的変化が起こる。培養細胞を用いた実験から、Kit活性化が、D4-D4相互作用に決定的に重要なアミノ酸の点変異によって損なわれることが示される。さらに、様々な発癌性変異がD5-D5境界面にマッピングされている。Kit構造の重要な特徴、すなわちリガンドによって誘導される受容体二量体化およびD4-D4境界面の決定的に重要な残基は他の受容体で保存されているため、本報告書で明らかにするKit刺激のメカニズムは、他の受容体活性化に応用され得る。このことから、これらの境界面を標的とする薬物または生物製剤を治療薬として使用できることが示唆される。
をコードする)、またはKit mRNAの変種2のGenbank参照配列 NM_001093772.1(タンパク質NP_001087241.1;
をコードする)が含まれる。上記のタンパク質は、標準的な1文字のアミノ酸記号で表される。
D1、D2、D3、D4、およびD5と呼ばれる5つのIg様ドメインから構成されるKitの外部ドメイン全体を、バキュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞において発現させた。精製したKit外部ドメイン単量体、またはSCFによって誘導されたKit外部ドメインホモ二量体(SCF-Kit 2:2複合体)を、結晶成長および最適化のために徹底的なスクリーニングにそれぞれ供し、続いてそれらの結晶構造を決定した。
C末端にポリヒスチジンタグを含む可溶性Kit外部ドメイン(アミノ酸1〜519)を、バキュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞(Sf9)において発現させた。Niキレート、続いてサイズ排除クロマトグラフィー(Superdex200,GE Healthcare)によって、Kit外部ドメインを精製した。エンドグリコシダーゼF1を用いて部分的に脱グリコシル化した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(MonoQ, GE Healthcare)によって外部ドメインをさらに精製した。以前に説明されているようにして(Langley et al. (1994) Arch Biochem Biophys 311: 55-61; Zhang et al. (2000) Proc Natl Acad Sci U S A 97: 7732-7737)、SCF(1〜141)を発現させ、リフォールディングさせ、精製した。
10%FCSおよび10%CSをそれぞれ添加したDMEM中でHEK細胞およびNIH3T3細胞を培養した。SCF刺激前に、以前に説明されているようにして(Kouhara et al. (1997) Cell 30: 693-702)、細胞を無血清培地中で一晩飢餓状態にした。製造業者の取扱い説明書に従い、Lipofectamin (Invitrogen)を用いてトランスフェクションを実施した。完全長KitのcDNAを、一過性トランスフェクションのためにRK5発現ベクター中にサブクローニングし、安定な発現のためにpBABE/puroベクター中にサブクローニングした(Kouhara et al. (1997) Cell 30: 693-702)。組換えKit外部ドメインでウサギを免疫化することによって抗Kit抗体を生成させた。イムノブロッティングのためにモノクローナル抗Kit抗体(Santa Cruz)を使用した。抗ホスホチロシン(抗pTyr)抗体は、Upstate Biotechnologyから購入した。
Kit外部ドメインのみの試料、またはSCFと複合体を形成したKit外部ドメインの試料を、結晶成長および最適化のために徹底的なスクリーニングに供した。適切な寸法、0.12×0.1×0.05mm、の脱グリコシル化外部ドメイン結晶を、4°で沈殿剤としてポリエチレングリコール(PEG)を用いてリン酸緩衝液中で得た(0.1M Na-Pi緩衝液pH 6.0、0.2M KCl、12% PEG400)。結晶はすべて、5〜18%グリセロールを添加した貯蔵溶液に数秒間浸し、急速冷却し、データ収集の間、100°K、窒素気流中で保存した。結晶は、単位格子寸法は六方格子設定でa=162.4Åおよびc=67.1Åであり、非対称単位当たり1分子を有する菱形空間群R3に属した。277Kで数秒間〜10日間、0.1mM〜50mMの濃度範囲の重原子反応物を含む貯蔵溶液に結晶を浸すことによって、Kitの白金誘導体、臭素誘導体、およびヨウ素誘導体を調製した。
実験位相は、異常分散を考慮した多重同型置換法(MIRAS)および多波長異常回折法(MAD)を用いて分解能3.0Åまで算出した(表1A)。結果として得られる電子密度マップから、βサンドイッチ構造の連続的な電子密度および明瞭な溶媒-タンパク質境界面が示された。単量体Kit外部ドメインの分子モデルを実験の電子密度マップに手動で組み込んだ。結晶R因子25.4%および自由R因子29.6%に対するネイティブデータセットを用いて、分解能3.0Åまで構造を精密化した(表1B)。SCF-Kit 2:2複合体の構造は、本報告書で説明されている単量体型の構造およびSCFの構造(Zhang et al. (2000) Proc Natl Acad Sci U S A 97: 7732-7737;記号1EXZでProtein Data Bankから取得可能)を検索モデルとして用いて、分子置換によって解析した。結晶R因子24.9%および自由R因子29.5%に対するネイティブデータセットを用いて、分解能3.5Åまで構造を精密化した(表1Aおよび1B)。Pymol (pymol.sourceforge.net)ソフトウェアおよびCCP4MGソフトウェア(Potterton et al. (2004) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 60: 2288-2294)を用いて分子イメージを作成した。Kit単量体およびSCF-Kit複合体の原子座標および構造因子は、Protein Data Bank (rcsb.org/pdb)に寄託されており、アクセッションコードはそれぞれ2EC8および2E9Wである。
括弧内の値は、最も高い分解能シェルの統計値を示す。(a)完全性=(独立した反射の数)/(理論上の反射の総数)。(b)Rmerge=Σ|li-<l>|/Σli、ここでliは観察された強度であり、<li>は対称性に関連した反射の複数の観察結果から得られる平均強度である。(c)Riso=Σ||Fph|-|Fp||/Σ|Fp|、(d)Rcullis=Σ|Fh-(Fph-Fp)/Σ|Fph-Fp|、(e)位相調整力=(|Fh|/E)の二乗平均平方根(r.m.s)、それぞれ、FphおよびFpは誘導体および天然型の構造因子振幅であり、Fhは重原子構造振幅である。Eは閉鎖不足の残差(residual lack of closure error)である。(f)<FOM>は、平均性能指数である。
(a)Rcryst=Σ|Fobs-Fcalc|/ΣFobs(FobsおよびFcalcはそれぞれ、観察された構造因子および算出された構造因子である)。(b)Rfreeは、精密化の前に除去された5%の反射から算出される。(c)R.m.s.d.は二乗平均平方根偏差である。
外部ドメイン構造の一般的解析
Kit外部ドメインは、およその寸法が170×60×50Åである細長い曲がりくねった形状を示す(図1A)。KitのD1ドメイン、D2ドメイン、D3ドメイン、D4ドメイン、およびD5ドメインは、2つの逆平行βシートからなるβサンドイッチに組み立てられる、ABCC'DEFGと呼ばれる8つのβ鎖から構成された典型的な免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)フォールドを示す(図1A)。D1、D2、D3、およびD5はそれぞれ、B5およびF5(それぞれB鎖およびF鎖の5番目のアミノ酸);2つのβシートを架橋して、Ig様フォールドの疎水性コアの中心を形成する位置に、ジスルフィド結合で連結された保存されたシステイン残基を含む(HarpazおよびChothia (1994) J Mol Biol 238: 528-539)。D2およびD5は2つのジスルフィド結合を含み、D4はシステイン残基を1つも含まないが、それでもなお、D4のIg様フォールドの完全性は、B5およびF5の保存されたシステイン残基がそれぞれバリン残基およびフェニルアラニン残基で置換されても、維持される。
(1)HarpazおよびChothia, 1994によって明確にされた、20個の重要なフィンガープリント残基の位置および各フィンガープリント残基の典型的な特徴を最初の列および最後の列に示す。
Kit D1。D1フォールドは、2つのβシートから構成されるβサンドイッチである。1つ目のシートは3つの鎖、A、B、およびE、によって形成されており、第2のシートは、5つの鎖、A'、G、F、C、およびC'、から構成されている(ABE/A'GFCC')。第1の鎖は、Pro41におけるシス配座によって妨害されて、より短い2つの鎖AおよびA'に分かれ、これらはそれぞれB鎖およびG鎖と対になる。B5のCys58をF5のCys97と連結するジスルフィド結合により、2つのβシートが架橋される。かなり長いC'鎖はC鎖と相互に作用し、E鎖に直接連結されているD1の上側にポリペプチド鎖のC末端を誘導する。Ig様ドメイン命名法に基づくと、D1はIgSFのI2サブセットに属する(Casasnovas et al. (1998) Proc Natl Acad Sci USA 95: 4134-4139)。
Kitの5つのIg様ドメインのドメイン間相互作用は、Kit外部ドメイン単量体の全体的なトポロジーの維持を担っている(図1)。D2に対するD1の向きは、これら2つのIg様ドメイン間の多数の相互作用が原因で生じる大規模な埋もれた表面領域によって決定される(図1B)。D1-D2境界面の1240Å2の埋もれた表面領域は、500〜800Å2の間の範囲であるKit外部ドメインの他の3つのIg様間境界面を含む、棒状のマルチドメインIgSF構造体の大半のIg様ドメイン間境界面の埋もれた表面領域よりはるかに大きい(Su et al. (1998) Science 281: 991-995)。この境界面は、主に、D1のA'鎖およびG鎖、ループEFおよびループCC'とD2のA鎖のN末端領域、B鎖のC末端、ループBCおよびループDEとの疎水性相互作用および静電的相互作用によって形成される(図1B)。さらに、D1のG鎖、D1およびD2を連結するリンカー領域、ならびにD2のBCループに由来するアミノ酸を含む、D1-D2境界面の多くの残基は、様々な種に由来するKitで保存されている(図1B)。
D1-D2境界面。D1の残基Ile47、Ile70、Leu71、Ala89、Tyr108、およびPhe110とD2のLeu119、Pro137、Leu138、Pro141、Pro166、およびLys167の側鎖との疎水性相互作用により、ドメイン間相互作用が安定化される(図1B)。疎水性部分を取り囲む領域には、D1のArg112とD2のAsp140の相互作用、およびD1のAsp72とD2のArg135の相互作用を含む2つの主な静電的相互作用がある(図1B)。
SCF-Kit複合体の構造は2:2の化学量論比を示し、非対称単位中の2セットの1:1複合体が非結晶学的二回転対称によって関連している(図2)。結晶格子中でSCF-Kit 2:2複合体が観察されることは、二量体SCFリガンドによってKit二量体化が推進されることを実証する実験と一致している (Philo et al. (1996) J Biol Chem 271: 6895-6902; Lemmon et al. (1997) J Biol Chem 272: 6311-6317)。Kit外部ドメインおよびSCF分子の2つのセットは、さかさまの文字「A」に似ており、およその寸法は170×130×70Åである(図2Aおよび図9)。
SCFは、SCFの4つのヘリックスバンドルがD1、D2、およびD3の長軸に対して垂直に向き、かつSCFおよびKitのC末端が向かい合わせの方向で面している立体配置で、KitのD1、D2、およびD3によって形成される窪んだ表面に結合する(図2、3、および図9)。Kitと各SCFプロトマーの間の境界面に埋もれた、溶媒に接近可能な表面領域は約2060Å2であり、公知のリガンド受容体境界面の範囲内にある埋もれた表面領域である。SCF-Kit境界面を3つの結合部位に分類することが可能である(図3A、B、表2、および表3)。部位IはD1上に位置し、部位IIはD2中およびD2-D3リンカー領域中に位置し、部位IIIはD3中に位置する。部位I、II、およびIIIの埋もれた表面領域はそれぞれ約280Å2、770Å2、および1010Å2である。
SCFのαC-β2ループは、図3Cに示すように、D1のC'鎖に対して垂直に並ぶ。D1のAsp72、Glu73、およびThr74ならびにSCFのLys99'、Ser101'、およびPhe102'は、6〜8ÅのCα距離で接近して位置していることから、これらの残基はD1とSCFの相互作用に関与し得ることが示される。αC-β2ループの側鎖電子密度は十分ではないため、特異的な相互作用を明確にすることはできない。
SCF結合は、大半は、Kit上の帯電した表面の相補的な静電的相互作用に媒介される(図3A、B、D)。塩橋は、Kitの塩基性アミノ酸Arg122、Arg181、Lys203、およびArg205とSCF上のアミノ酸Asp54'、Asp77'、Asp84'、およびGlu88'の間で形成される。Arg122の立体構造は、KitのGlu198とSCFのAsp54'の間の塩橋によって安定化される。図3Dは、D2上の主な相互作用残基の内の3つであるTyr125、Arg181、およびLys203が、同じ平面上に整列し、SCFのαBおよびαCのAsp77'、Asn81'、Asp84'、Ser53'、およびThr57'と水素結合を形成することを示す。D2のSer123およびIle201とSCFのVal50'およびThr57'の間のファンデルワールス接触もまた、リガンド-受容体複合体の形成に寄与する。しかしながら、他の種に由来するKitおよびSCFの部位IIの残基は著しく異なる(図3、図8、および図10)。Arg181およびLys203は哺乳動物において塩基性アミノ酸として不変であるが、マウスおよびラットではTyr125がフェニルアラニンに置換されており、これは水素結合の減少をもたらす可能性が高い。KitのArg205は高度に保存されたアミノ酸であるのに対し、マウスおよびラットでは、Glu88'がそれぞれロイシン残基およびアラニン残基に置換されている。さらに、ヒトのKitのArg122およびSCFのAsp54'は、マウスおよびラットでは、それぞれロイシンまたはバリンに置換されている。これらの置換が、ヒトKitに対するげっ歯動物SCFの親和性が低いことの原因であり得る(Lev et al. (1992b) J Biol Chem 267: 15970-15977)。
SCFのN末端セグメントは、D3のD鎖と相互作用する(図3A、E)。水素結合は、SCFのAsn10'の側鎖とD3上のSer261の主鎖のアミド基およびカルボニル基、ならびにAsp260およびTrp262の側鎖との間で形成される。さらに、SCFのThr9'およびAsn11'は、それぞれKitのSer261およびHis263の側鎖および主鎖アミドに結合する。SCFの変異解析により、Asn10'がアラニン残基またはグルタミン酸残基で置換されると、SCFのKitに対する結合親和性が約10倍低下すること、およびAsn10'(または他の種ではAsp)が生物活性に必要であることが示された(Hsu et al. (1998) Biochemistry 37: 2251-2262)。様々な種に由来するSCFの受容体結合境界面の比較により、Asn10'(またはAsp)が高度に保存された残基であることが示される(図8)。その他の重要な相互作用は、KitのD3上のTyr259、Thr269、Ser240、Val242、Ser241、Ser244とのファンデルワールス接触を介して、SCFのAsn6'およびArg7'によって媒介される
(1)水素結合および塩橋ならびに(2)ファンデルワールス接触の距離範囲は、それぞれ2.5〜3.6Åおよび4.0Å以内である。
Kitのリガンド結合ドメインは、SCF結合に対する態勢が整っている(poised)
Kit単量体型の個々のD1、D2、およびD3の構造を、SCFによって誘導されたホモ二量体型の対応する構造と重ね合わせると、D1、D2、およびD3中の82個、92個、および100個の整列されたCα残基の二乗平均平方根偏差の値がそれぞれ0.5Å、0.8Å、および1.1Åであることが明らかになる。同様に、Kit単量体のD1-D2-D3領域全体の構造をSCF-Kit 2:2複合体の対応する構造と重ね合わせると、D1-D2-D3領域の274個の整列されたCα残基の二乗平均平方根偏差が1.1Åであることが明らかになる。珍しいことに、KitのSCF結合ポケットの構造において顕著な主鎖の変化はない(図3および図11)。しかしながら、いくつかの軽微な構造変化が、SCF結合の際に、SCFの結合するへこみで検出された。構造変化は、SCF結合後に、D2のG鎖、F鎖、およびC鎖(アミノ酸167〜187および143〜166)の上半分で認められる(図1A、2A)。これらの鎖は、SCFが結合する境界面と反対側に位置しており、SCFとの任意の直接接触の媒介に関与していない。総合的に、Kit単量体の構造をSCFに占有されたKit二量体の構造と比較すると、KitのD1-D2-D3領域が、SCF結合、続いて二量体SCF分子によって推進される後続のKit二量体化に対する態勢が整っている機能的単位とみなされ得ることが示される。
Kitに結合されたSCFの全体的構造は、遊離SCFの構造に類似しているが、これら2つのプロトマーの間の角度、結合ループの立体構造、および分子の柔軟なN末端の構造には注目すべき差がある(図4)。SCF二量体の公表されている構造(Protein Data Bankのアクセッションコード1EXZおよび1SCF)の比較により、遊離SCFホモ二量体のこれら2つのプロトマーの間の角度(αCヘリックス間の角度)は、構造が異なると2度〜6度異なり得ることが示され、ある程度の柔軟性がSCF二量体に存在することが示唆される。Kitに結合したSCFプロトマー間の角度と遊離SCFの角度の差の範囲は、3〜9度の増加であった。図4は、SCFプロトマー間の角度が5度増加した、Kitに結合したSCF構造体を示す。
Kit単量体型の個々のD1、D2、D3、D4、およびD5の構造体を、SCFによって誘導されるホモ二量体型の対応する個々のIg様ドメインと重ね合わせると、SCF結合後のKit Ig様ドメイン構造の軽微な変化が明らかになる。一方、Kit単量体型のD3-D4-D5領域をホモ二量体型の対応する領域と重ね合わせると、D4およびD5の互いに対する向きおよびKitのリガンド結合領域に対する向きの大規模な構造変化が明らかになる(図5Aおよび図12)。単量体Kitの個々のドメインD3、D4、およびD5をそれぞれ、SCFに占有されたKit中の対応物と重ね合わせることができ、D3、D4、およびD5の98個、101個、および85個のCa原子に対する二乗平均平方根偏差の値はそれぞれ0.9Å、0.9Å、および1.9Åである。しかしながら、Kit単量体のD3構造体を、リガンドに占有されたホモ二量体型のD3構造体と重ね合わせると、SCFに結合されたKitにおいてD4およびD5の向きが劇的に移動していることが明らかになる(図5A)。リガンド結合領域に対するD4およびD5の再配向は、D3-D4境界面およびD4-D5境界面をそれぞれ通り抜ける(図5A)、D3をD4に連結するリンカー中の軸に沿った回転、およびD4をD5に連結するリンカー中の軸に沿った回転によって起こる。遊離Kitおよびリガンドに結合されたKitの比較により、リガンドに占有されたKitのD4はD3を基準として22度回転し、リガンドに占有されたKitのD5はD4を基準として27度回転する(図5A)。SCFに占有されたKitにおいてD4およびD5が再配列した結果、隣接する2つのKit分子のD4-D4相互作用およびD5-D5相互作用によって媒介される受容体間相互作用が起こる(図5B)。D5のDEループの立体構造は、SCFに占有された外部ドメインにおいて変化している。受容体二量体化によって推進されるD4およびD5の再配により、D5のDEループに新しい立体配置が課される(図5A)。
隣接する2つのKit分子のD4間の同型相互作用は、SCF-Kit 2:2複合体中のD4-D4境界面によって媒介される。D4-D4境界面は、各KitプロトマーのD4のABED鎖によって形成されたβシート2つによってもたらされ、各プロトマーのArg381が互いに向かい合って306A2の埋もれた表面領域を生じるほぼ平面の配置をなしている。図6Aは、Arg381およびGlu386が、Kit二量体の二回軸(two-fold axis)を横切って塩橋およびファンデルワールス接触を形成することを示す。さらに、各プロトマーのArg381の側鎖は、隣接するKit分子の対応する残基の主鎖カルボニルと水素結合を形成する。
図2Bおよび図5B、6Cは、SCF-Kit 2:2複合体において、隣接するD5プロトマーが平行で互いの極めて近くにあり、かつ、細胞膜に対して直角である可能性が高い向きで存在することを示す。D5のβシートトポロジーは、A鎖がA鎖およびA'鎖に分かれている大半のIセットIgSFとは異なる非定型的な配置に従う。D5のA鎖はB鎖と対になって、ABED/CFGのβシートトポロジーを結果として生じる。その結果として、2つのβシート(ABED/CFG)の端に位置するA鎖およびG鎖はほぼ平行であり、互いのCαの距離は6.5〜11.5Åである。さらに、1つのプロトマーのA鎖およびG鎖は、隣接するD5のA鎖およびG鎖と二回転対称の関係で向きあう。隣接する2つのKitプロトマーのAsn505の側鎖は互いから約4.2Å離れているが、これら2つのアスパラギンの間接的相互作用を媒介し得る水または金属イオンは、電子密度の少ないこの領域では検出することができない。付加的なD5-D5相互作用は、隣接する2つのKit分子のTyr418によって媒介される(図6C)。隣接するTyr418側鎖のヒドロキシル基間の相互作用は、水分子によって媒介され得る。また、隣接するD5ドメインの相対的位置が、隣接するプロトマーのTyr418およびAsn505によってもたらされる間接的相互作用によってもたらされることも示唆される。D5のG鎖は、短いリンカーを介して、Kitの膜貫通ドメインに連結される。
Kit外部ドメイン単量体およびSCFによって誘導された二量体の構造から、Kitおよび細胞外ドメイン中に5個または7個のIg様ドメインを含む他のRTKのリガンドによって誘導される活性化のメカニズムに関して新規な洞察が得られる。Kit外部ドメイン単量体のD1、D2、およびD3の構造を、SCFによって誘導される外部ドメイン二量体中の対応する領域と比較すると、SCF結合後、SCF結合ポケットならびにD1、D2、およびD3の他の部分のごくわずかの構造変化が示される。それらの独特な生化学的機能に基づいて、本発明者らはKitの外部ドメインを3つの独立した機能単位に分類した。第1の単位は、3つの膜遠位Ig様ドメインD1、D2、およびD3から構成される。D1-D2-D3領域は、特異的なSCF結合単位として機能する別個の(separate)モジュールの役割を果たす。SCF結合単位は、柔軟な継ぎ目(D3-D4境界面)によってD4に連結され、D4は、別の柔軟な継ぎ目(D4-D5境界面)によってD5に連結されている第2の独立した単位であり、D5は第3の独立した単位と定義される。D4およびD5の機能は、隣接する2つのKit外部ドメインの膜近位領域間の相互作用を統合および安定化するD4-D4およびD5-D5の側面相互作用をそれぞれ媒介することである。
様々なヒト疾患が、Kit遺伝子の変異によって引き起こされる。ヒトでは、Kit外部ドメインの機能喪失型変異は、まだら状の形質を引き起こす(Fleischman et al. (1996) J Invest Dermatol 107: 703-706; Murakami et al. (2005) J Invest Dermatol. 124: 670-672)。Kit遺伝子座のこれらのエキソン-2点変異およびエキソン-3点変異の結果、Cys136がアルギニン残基によって置換され、Ala178がトレオニン残基によって置換される。どちらの変異も、Kit上のSCF結合部位の決定的に重要な構成要素であるD2において起こる(図7A)。まだら状になるCys136Arg変異は、D2の構造および機能の完全性、およびしたがって、SCFを認識する能力を維持する際に決定的に重要な役割を果たす重要なジスルフィド結合の損失を引き起こす。Ala178は、D2-D3境界面の極めて近くのD2のEFループ中に位置している(図7A)。まだら状になるAla178Thr変異は、D2-D3境界面の完全性を維持するために不可欠な相互作用、ならびにSCFへのD2および/またはD3の結合に必要とされる相互作用を混乱させ得る(図7A)。
C末端に付加的な5つのヒスチジン残基を含むヒトKitのアミノ酸1〜519番をコードするDNA構築物(Lemmon et al. (1997) J Biol Chem 272: 6311-6317)をpFastBac1 (Invitrogen, Inc.)に連結した。Bac-to-Bac取扱い説明マニュアル(Invitrogen)に記載されている手順に従って、外部ドメインKitタンパク質を発現するバキュロウイルスを調製した。昆虫Sf9細胞を、Wave Bioreactor (Wave Biotech, LLC, System 20/50)を用いて、10%熱失活ウシ胎仔血清を添加したグレース昆虫用培地15リットル中で2〜3×106細胞/mlまで増殖させ、次いで、Kit外部ドメイン遺伝子を有する組換えバキュロウイルスに感染させた。外部ドメインKitはヒトKit由来のシグナル配列を含んだが、タンパク質は外に分泌されずに昆虫細胞中に蓄積された。72時間後、細胞を回収し、氷上で20分間、200mM NaCl、10%グリセロール、1%NDP-40、および2mM PMSFを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8)1.4リットル中で溶解した。遠心分離およびろ過後、Ni-NTAビーズを用いたアフィニティークロマトグラフィーとそれに続くSuperdex 200を用いたゲルろ過によって、Kitの外部ドメインを精製した。25mM NaClおよび1%グリセロールを含む25mM Tris緩衝液(pH8.5)に溶解した精製したKit外部ドメインを、4℃で12時間、Kit溶液に最終比率10:1(w/w)で添加した組換えエンドグリコシラーゼF1で処理した。次いで、エンドヌクレアーゼF1で処理したKit外部ドメインを、予め平衡化した16/10 Mono Q カラムに載せ、400mM NaClおよび1%グリセロールを含むTris緩衝液(pH8.5)のゆるい勾配を用いて溶出させた。脱グリコシル化されたKit外部ドメインの画分を集め、回転濃縮装置を用いて35mg/mlまで濃縮した。部分的に脱グリコシル化されたKit外部ドメインの精製調製物を一定量に分割し、液体窒素中で急速冷凍した。このアプローチを用いて、培養細胞15リットルから、部分的に脱グリコシル化されたKit外部ドメイン約10mgを精製した。以前に説明されているようにして(Zhang et al. (2000) Proc Natl Acad Sci U S A 97: 7732-7737)、SCF(1〜141)を発現させ、リフォールディングさせ、精製した。Kit外部ドメイン(アミノ酸1〜514)もまた、以前に説明されているようにして(Lemmon et al. (1997) J Biol Chem 272: 6311-6317)、バキュロウイルス系を用いてSf9昆虫細胞において分泌型として発現させ、精製した。
Kit外部ドメイン単量体の結晶の多波長異常回折法(MAD)および異常分散を考慮した多重同型置換法(MIRAS)の組み合せを用いて、実験位相を決定した。CNSプログラム一式(Brunger et al. (1998) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 54: 905-921)およびSHARPプログラム一式(Bricogne et al. (2003) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 59: 2023-2030)を用いて、重原子探索および位相決定を実施した。白金誘導体(K2Pt(NO2)4)の場合は大きな部位1つおよび小さな部位2つが検出され、ヨウ素に浸した結晶の場合は大きな部位1つおよび小さな部位5つが検出された。CNSを用いて3種の波長で、白金誘導体に対して分解能3.3ÅまでMAD位相を算出した。CNSおよびSHARPを用いて、白金誘導体およびヨウ素誘導体に対して分解能3.0ÅまでMIRAS位相を算出した。溶媒フリッピング(Solvent flipping)密度改変の結果、連続的な電子密度および非常に明瞭な溶媒-タンパク質境界面を有する、解釈可能な品質の電子密度マップが得られた。MIRAS位相決定およびMAD位相決定によって算出した電子密度マップを比較することによって、D2のF鎖、G鎖、およびC鎖の上半分ならびにCDループ、ならびにD5のCDループ、D鎖、DEループおよびEFループならびにF鎖の下半分を含む、電子密度の質が良くない領域を確認した。収集データおよび位相決定統計値を表1Aおよび1Bに要約する。COOT(EmsleyおよびCowtan (2004) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 60: 2126-2132)を用いて、実験の電子密度マップにKitの分子モデルを手動で組み込んだ。自由R因子を算出するために、精密化の間にデータの5%を除外した。CNSを用いて、ネイティブデータに対して分解能3.0Åまで精密化を実施した。精密化の最終段階で、TLSMDウェブサーバーを用いて作成した3つのTLSグループを用いるCCP4プログラム一式(Painter et al. (2006) J Appl Cryst 39: 109-111)のRefmac5 (Murshudov et al. (1997) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 53: 240-255)によって、トランスレーション/ライブレーション/スクリュー(translation/libration/screw)(TLS)精密化を実施した。
製造業の取扱い説明書に従ってIodo-Gen Iodination Tube(Pierce)を用いて、ヒトSCF(10μg)を1mCiの125I(PerkinElmer) で標識した。置換結合アッセイ法のために、野生型KitまたはKit変異体を発現する3T3細胞を、10% FCSを含むDMEM中で増殖させた。10mM HEPES PH7.4および0.1%BSAを含むDMEM(DMEM-BSA)で細胞を3回洗浄し、次いで、濃度を漸増させた天然SCFの存在下、125Iで標識したSCF 2ngと共に室温で1時間インキュベートした。次いで、冷DMEM-BSAで細胞を3回洗浄し、室温で1時間、0.5M NaOH 0.5ml中で溶解し、細胞溶解物100μlをOpti-Fluorシンチレーション溶液(Perkin Elmer)10mlに添加して、細胞に結合した放射能をLS6500 Scintillation Counter (Beckman Coulter)を用いて測定した。
ヒトSCFおよびKitのアミノ酸配列をクエリーとして使用して、PSI-BLAST(Altschul et al. (1990) J Mol Biol 215: 403-410)を用いて、相同配列を求めて非重複性のデータベース(nr)を検索した。SCF配列またはKit配列においてClustalW(Higgins (1994) Methods Mol Biol 25: 307-318)を用いて配列アラインメントを実施し、次いで、Kit Ig様ドメイン中の20種の主要な残基に関するIgSFフォールドの制限(restrain)に基づいて手動で調整した。SCF-Kit複合体結晶構造によって明らかにされたアミノ酸配列のアライメントをConsurf 3.0サーバー(Landau et al. (2005) Nucleic Acids Res 33: W299-302)での処理にまわして、分岐の速度が遅いことが高い配列保存に対応しているアライメントの各位置に関して、最尤法で標準化した進化速度を算出した。Consurfの結果と同様に、持続的保存スコアは、可視化するために9階級(bin)の個別の尺度に分けられる。その際、階級9が最も保存性の高い位置(えび茶色)を含み、階級1が最も可変性が高い位置(青緑色)を含むように分けられる。
PCR反応を用いて、ヒトKitの第4のIg様ドメイン(残基309〜413番;Kit D4)をコードするDNAを完全長ヒトKitのcDNAから増幅した。Kit D4の合成を指示する細菌発現ベクター(pET-NusAヒスチジンタグ付き)でBL21(DE3)大腸菌コドンプラス細胞を形質転換し、続いて、16℃で一晩インキュベーションした。金属キレート化アフィニティーカラム(Ni-NTA;QIAGEN)を用いて、BL21溶解物からKit D4-NusA融合タンパク質を精製し、続いて、陰イオン交換クロマトグラフィー(Source Qカラム; GE Healthcare)を用いてさらに精製した。次いで、NusAおよびヒスチジンタグをD4から切断するために、TEVプロテアーゼと共に4℃で一晩、Kit D4-NusAをインキュベートした。ゲルろ過クロマトグラフィー(Superdex 200カラム; GE Healthcare)を用いて、Kit D4の追加の精製段階を実施した。
ヒトKitを発現する3T3細胞を、単離されたKit組換えD5に対して作製したウサギポリクローナル抗体の濃度を漸増させたものを含む緩衝溶液と共にインキュベートした(図14)。対照として、SCFに対するウサギポリクローナル抗体またはバキュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞中で産生させたKit外部ドメイン全体に対するウサギポリクローナル抗体で細胞を処理した。細胞溶解物を、抗Kit抗体を用いた免疫沈降、続いてSDS-PAGEおよび抗Kit抗体または抗pTyr抗体のいずれかを用いたイムノブロッティングに供した(図14)。
Kitを発現する3T3細胞を、大腸菌において発現させ精製した組換えD4の濃度を漸増させたものと共に23℃で10分間インキュベートし、続いてSCFとインキュベートした。刺激されていない細胞または刺激された細胞の溶解物を、抗Kit抗体を用いた免疫沈降、続いてSDS-PAGEおよび抗Kit抗体または抗pTyr抗体のいずれかを用いたイムノブロッティングに供した(図15)。
ヒトKitを発現する3T3細胞を、10%仔ウシ血清を含むDMEM中で増殖させた。SCF刺激前に、Yuzawa et al (2007) Cell, 130: 323で説明されているようにして、細胞を無血清培地中で一晩飢餓状態にした。飢餓状態にした細胞を、10mM HEPES(pH 7.4)および0.1% BSAを含む冷DMEMで3回洗浄し、続いて、図14または図15に示すように、濃度を漸増させた抗体またはKit-D4と共に23℃で10分間、インキュベートした。23℃で10分間、100ng/mL SCFで細胞を刺激し、冷PBSで3回洗浄した。刺激されていない細胞またはSCFで刺激された細胞の溶解物を、抗Kit抗体を用いた免疫沈降、続いてSDS-PAGEおよび抗Kit抗体または抗p-Tyr抗体を用いたイムノブロッティングに供した。
野生型PDGFRβまたはD4中の決定的に重要なアミノ酸の点変異体(Kit外部ドメインX線結晶構造におけるD4-D4境界面との配列類似性に基づく)のいずれかを発現するPDGFR-/-マウスに由来するマウス胎仔線維芽細胞(MEF)を用いて、R385またはE390の変異により、PDGFによって誘導される受容体活性化(図16A)またはPDGFによって誘導されるMAPキナーゼ応答およびAkt刺激(図16B)が妨害されることを実証した。さらに、共有結合架橋剤を用いた架橋実験によって、本発明者らは、E390A点変異は、PDGFによって誘導される受容体二量体化に干渉しないことを実証する。しかしながら、活性化状態で細胞表面に存在する共有結合的に架橋した二量体である野生型PDGFRβとは違って、E390A変異体の共有結合的に架橋した二量体は不活性である(図16C)。この実験から、D4中の決定的に重要なE390残基の変異によって、PDGFR活性化に不可欠なD4-D4相互作用が妨害されることが示される。しかしながら、PDGFによって誘導されるPDGFR二量体化は、受容体活性化を妨害するD4の点変異の影響を受けないことから、D4-D4が、PDGFRのチロシンキナーゼドメインの活性化が可能になるように外部ドメインの膜近位領域の位置付けを取り持つ際に重要な役割を果たすことが示される。
本明細書において説明するSCF結合の前および後のKit外部ドメイン全体の結晶構造を決定することにより、SCFによって誘導される受容体二量体化に続いて、隣接する2つのKit分子の膜近位Ig様ドメインD4およびD5の間で同型側面相互作用が起こることが実証された。D4およびD5の同型相互作用により、隣接する2つの受容体の細胞質チロシンキナーゼドメインが、チロシン自己リン酸化およびキナーゼ活性化を可能にする距離および向きに位置付けられる。また、D4 同型相互作用のために決定的に重要な単一のアミノ酸残基が変異すると、SCFによって誘導されるKit活性化およびPDGFによって誘導されるPDGF受容体活性化が損なわれることも本明細書において実証される(実施例22〜25を参照されたい)。
いくつかの窪みが、外部ドメイン単量体構造体のD3-D4境界面に散在している。窪みを画定するのに関与しているアミノ酸を表4に要約する。2つのKit受容体間の同型相互作用が成立すると、D3-D4ヒンジ領域は変化して、次の残基:D3由来のK218、S220、Y221、L222、およびD4由来のF340、P341、K342、N367、E368、S369、N370、I371、Y373によって作り出される浅い窪みを形成する。図17は、占有されていない単量体(図17A)およびSCFに結合された二量体(図17B)のD3-D4ヒンジ領域のリボンダイアグラムならびにD3-D4ポケットのメッシュ図を示す。
小さな窪みが、Kit単量体のD4のABループおよびEFループ、D4-D5を連結するリンカー、ならびにD5のDEループおよびFGループの一部分によって形成されている。前述の窪みを画定する残基を表4に要約する。窪みの形状および大きさは、Kit外部ドメイン二量体構造体において変化している。D4のEFループおよびG鎖、D4-D5リンカー、ならびにD5のB鎖およびDEループによって形成される大きな窪みは、D4のEFループ;D4同型境界面の形成のために決定的に重要な領域の下に位置する。未結合のKit構造および占有されたKit構造の両方の電子密度の質が低いことから明らかであるように、窪みの近くに位置しているD5のDEループの方が、高い柔軟性を有し得ることに留意されたい。図18は、占有されていない単量体(図18A)およびSCF二量体(図18B)のリボンダイアグラムならびにD4-D5ヒンジ領域の周辺の浅い窪みのメッシュ図を示す。
Kit D4のCDループおよびEFループによって形成される窪んだ表面は、D4同型境界面の真上に位置している。D4由来の残基Y350、R353、F355、K358、L379、T380、R381、L382、E386、およびT390は、外部ドメイン二量体構造体中の窪んだ表面に対して、約130A2の表面積を与える。D4同型境界面において重要な役割を果たすGlu386の側鎖は、表面の中心に向かって突き出ている。窪んだ表面の特徴的な特性は、帯電した残基(Glu386およびLys358)によって取り囲まれた小さな疎水性部分である。表面の大きさおよび接近容易性は、D4:D4同型相互作用の際に変化し、CDループの立体構造に変化が起こり、ドメイン先端へと上向きにフォールディングされる。窪んだ表面の形成に関与する残基を表4に要約する。図19Aは、リガンドで占有されたKit D4(図示せず)上に重ねた占有されていないKitのD4ドメイン(金色)のリボンダイアグラムを示し、リガンドで占有された外部ドメイン構造体(緑色)と占有されていない外部ドメイン構造体(赤色)とではCDループおよびEFループの立体構造が異なっている。D4:D4相互作用のために決定的に重要な残基を棒モデルの形態で示す。図19Bおよび19Cは、占有されていないKit構造(図19B)およびSCFで占有されたKit構造(図19C)のリボンダイアグラムならびにD4同型境界面の上の浅い窪みのメッシュ図を示す。
浅く窪んだ表面は、D2ドメインおよびD3ドメインのリガンド結合表面の一部分に位置している。小さなポケットに関与する残基は、KitのD2ドメイン由来のY125、G126、H180、R181、K203、V204、R205、P206、およびF208、ならびにKitのD3ドメイン由来のV238、S239、S240、S241、H263、G265、D266、F267、N268、およびY269である。ポケットは、親水性残基に取り囲まれた小規模な疎水性部分によって作り出される。占有されていないKit構造とSCFに占有されたKit構造とでは、大きな変化はなく、埋もれた表面積を合計すると約500A2である。図20Aおよび20Bは、占有されていないKit(A)およびSCFに結合されたKit(B)のリボンダイアグラムならびにD2-D3ポケットのメッシュ図を示す。
前述したようにして、KITチロシンキナーゼの構造解析を行った。この解析から、本発明の部分の標的となり得る連続エピトープおよび不連続エピトープの両方が明らかになった。表5において、エピトープ1、4、5、6、8、12〜16、19、22〜23、および31〜39は、連続エピトープである。これらのエピトープは、KITタンパク質中の連続したアミノ酸から構成される。表5のエピトープ2、3、7、9〜11、17、18、20、21、24〜30、および40〜43は、KITタンパク質のフォールディングによって近付けられる、KITタンパク質の少なくとも2つのペプチドから構成される不連続な立体構造エピトープである。
関心対象のRTKを含む細胞を、受容体に対する活性化リガンドおよび本発明の部分に曝露させる。関心対象のRTKは、標準的な分子生物学方法(例えば抗体精製)によって単離することができる。精製後、RTKに結合する抗体(本発明の部分ではなく、精製に使用される場合は単に構造的な結合物)を96ウェルのマイクロタイタープレートに予めコーティングする。次いで、RTKおよび調整された標準物質を、RTKタンパク質を捕捉する場である別々のウェルに添加する。次に、リン酸部位に特異的であり得る検出抗体を添加する(例えば、c-Kit pY823または活性化の際にリン酸化されるKitの他の残基;ホスホELISA(商標)系ではウサギ抗体を使用する)。抗体-Kit複合体は、標識、または比色基質を用いて追跡される酵素(例えば、ホスホELISA(商標)系では西洋ワサビペルオキシダーゼが使用される)に結合された二次抗体(例えば、ウサギに由来する一次抗体を検出するための抗ウサギAb)を用いて検出する。次いで、停止液を添加し、(例えば、450nm光源および検出器を用いて)プレートを読み取る。ホスホELISA(商標)の詳細なプロトコールは、Invitrogenから入手可能である(invitrogen.com/content.cfm?pageid=11655; invitrogen.com/downloads/F1027_BN_pELISA1006.pdf; invitrogen.com/downloads/F1028_BN_pELISA1006.pdf C-KIT [pY823] ELISA KIT, HU (BioSource(商標)) カタログ番号 KHO0401; c-KIT [TOTAL] ELISA KIT, HU (BioSource(商標)) カタログ番号KHO0391)。
関心対象のRTKを発現する細胞を、適切なリガンドと共に最初にインキュベートして(例えば、Kit発現細胞をSCFとインキュベートする)、受容体内在化を誘導する。細胞を冷PBS中で洗浄することによって、受容体内在化のプロセスを停止する。次いで、リガンドを分離させるのに十分な塩濃度および/またはpHレベルを有する溶液中で細胞を洗浄することによって、残存する表面に結合したリガンドを除去する。次いで、適切な緩衝液に細胞を再懸濁する。この時点で、これらの細胞は、内在化された受容体を含み、したがって、細胞表面に残存する受容体の量は減少している。
受容体型チロシンキナーゼ(RTK)活性化の一般に認められているメカニズムは、リガンドによって誘導された受容体二量体化により、触媒コアの活性化ループ中の決定的に重要な調節性チロシン残基のトランス自己リン酸化;チロシンキナーゼ活性化に不可欠な段階、が促進されるというものである。これに続いて、動員および/またはチロシンリン酸化されると、調節された様式で様々な細胞内区画にシグナルを伝達する様々なシグナル伝達タンパク質のSH2(Src homology 2)ドメインまたはPTB(phosphotyrosine binding)ドメインに対する結合部位として役立つ、細胞質内ドメイン中の複数のチロシン残基が自己リン酸化される(Schlessinger, J. (2000) Cell 103, 211-225; Pawson, T.およびNash, P. (2003) Science 300, 445-452;ならびにHunter, T. (2000) Cell 100, 113-127)。
配列アラインメントおよびホモロジーモデリング
CONSEQサーバー(Berezin, C., et al. (2004) Bioinformatics 20, 1322-1324)を用いて、かつ、IgSFフォールドの特徴(Harpaz, Y.およびChothia, C. (1994) Journal of Molecular Biology 238, 528-539)ならびにヒトKit構造のD4のIgフォールドのコア残基(Yuzawa, S., et al. (2007) Cell 130, 323-334)に照らして、アミノ酸配列アラインメントを実施した。各配列のアクセッションコードは、PDGFRαヒト(P16234)、マウス(P26618)、ニワトリ(Q9PUF6)、カエル(P26619)、およびフグ(Q8AXC7);PDGFRβヒト(P09619)、イヌ(Q6QNF3)、マウス(P05622)、フグ(P79749)、およびKitヒト(Q96RW7)である。WHAT IF サーバーを用い(Rodriguez, R., et al. (1998) Bioinformatics 14, 523-528)、D4 Kit構造(PDBコード:2E9W)に基づいて、PDGFRβのD4の相同性モデルを作製した。PyMOL (Delano, W.L.; pymol.org)を用いて図を作成した。
L-ヒスチジノールおよび抗flag抗体は、Sigmaから購入した。MAPK、ホスホ-MAPK、Akt、ホスホ-Akt、およびホスホリパーゼCγに対する抗体は、Cell Signaling Technologyから購入した。抗ホスホチロシン(4G10)抗体は、Upstate Technologyから入手した。抗ユビキチン抗体(P4D1)は、Santa Cruzeから入手した。PDGFRβに対する抗体は、PDGFRβの細胞質内ドメインに由来する合成ペプチドでウサギを免疫化することによって作製した。PDGF BB cDNAは、Stuart Aaronsonから得た。PDGF BBはInvitrogenから購入し、以前に説明されているようにして細菌において作製した(Hoppe, J., et al. (1990) European Journal of Biochemistry 187, 207-214)。125I放射性核種はPerkin Elmerから購入した。ボルトンハンター試薬およびIODO-GENで予めコーティングしたヨウ素化チューブはPieceから入手した。FITC-ファロイジンはInvitrogenから購入した。
PDGFRαおよびPDGFRβ(PDGFRα/β)の両方を欠損したマウス胎仔に由来する線維芽細胞は、Philip SarianoおよびAndrius Kazlauskasによって提供された。PDGFRβ cDNAは、Daniel DeMaioによって提供された。PDGFRβ cDNAをpLXSHDレトロウイルスベクター中にサブクローニングし、flagタグを受容体のC末端に付加した。D4の変異体はすべて、製造業者の取扱い説明書(Stratagen)に従い、部位特異的変異誘発によって作製した。野生型PDGFRβおよび変異PDGFRβをコードするレトロウイルスを293GPG細胞において作製した(Ory, D. S., et al. (1996) Proc. Nat. Acad. Sci. 93, 11400-11406)。感染後、L-ヒスチジノールを用いて細胞を選択し、選択した細胞のプールを実験で使用した。
刺激されていない細胞またはPDGFで刺激された細胞を、50mM Hepes、150mM NaCl、1mM EDTA、1% Triton X-100、25mMフッ化ナトリウム、1mMオルトバナジン酸、1mMフッ化フェニルメチルスルホニル、5μgのアプロチニンおよびロイペプチンを含む緩衝液(pH7.5)に溶解した。等量の細胞溶解物を指定の抗体で免疫沈降し、免疫沈殿物をSDS-PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜に移した。膜を様々な抗体で免疫ブロットした。デンシトメーター(Amersham)を用いてフィイルムをスキャンし、Imagequantソフトウェア(Molecular dynamics)を用いて定量した。
細胞を16時間血清飢餓状態にし、150mM NaCl、50mM Hepes(pH7.4)、1mM EDTA、25mM NaF、0.1mMオルトバナジン酸ナトリウム、5μg/mlのロイペプチンおよびアプロチニン、1mM PMSF、ならびに1% NP40を含む溶解緩衝液中で可溶化(solubalized)した。溶解物を抗PDGFRβ抗体で免疫沈降し、50mM Hepes(pH7.4)、1mM ATP、および10mM MgCl2を含む反応緩衝液中で、室温で5分間、免疫沈殿物をインキュベートした。インキュベーション後、SDS-PAGEとそれに続く抗ホスホチロシン抗体を用いたイムノブロッティングによって沈殿物を解析した。膜から抗体を除去し(stripped off)、PDGFR βの合計レベルを決定するために抗Flagタグ抗体で再ブロットした。
コンフルエンシーが80%に達するまで150mmプレート中で細胞を増殖させ、16時間血清飢餓状態にした後、50mM Hepes(pH7)を含むDMEMに溶解した指定濃度のPDGFと共に4℃でインキュベーションした。90分後、細胞をPBS(pH 7.4)で徹底的に洗浄した。プレートを室温に移し、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)を最終濃度が0.5mMになるまで添加した。10mM Tris緩衝液と共に15分間インキュベーションし、続いてPBSで徹底的に洗浄することによって、30分後に架橋反応を停止した。50mM Hepes、150mM NaCl、1mM EDTA、1% Triton X-100、25mMフッ化ナトリウム、1mMオルトバナジン酸ナトリウム、1mMフッ化フェニルメチルスルホニル、5μg/mlアプロチニン、および5μg/mlロイペプチン(pH7.4)に溶解した細胞溶解物を抗PDGFR抗体で免疫沈降し、SDS-PAGEによって分離した。flagタグに対する抗体または抗ホスホチロシン(4G10)抗体を用いてニトロセルロース膜をイムノブロットして、受容体の合計レベルおよびリン酸化受容体の合計レベルをそれぞれ検出した。
MEFをカバーガラス上でサブコンフルエンシーになるまで24時間培養し、続いて一晩、血清飢餓状態にした。2分、5分、10分、もしくは30分間、50ng/ml PDGFで細胞を処理するか、または未処理のままとした。PBSに溶解した4%パラホルムアルデヒド中で細胞を固定し、PBS中0.1% Tritonで透過処理し、1% BSAを含むPBSに溶解したFITC-ファロイジン(Sigma)で30分間染色した。Prolong Antifade封入剤(Invitrogen)と共にカバーガラスを載せ、Nikon蛍光顕微鏡を用いて画像を取得した。各カバーガラス上の細胞約400個を解析し、アクチンリング形成を示している細胞の比率を算出し、直線的に示した。
製造業者の取扱い説明書に従って、ボルトンハンター(Bolton-Hunter)試薬(Pierce)を用いてPDGFを標識した後、Iodo-gen Iodinationチューブ(Pierce)を用いてヨウ素化した。24ウェルプレートに細胞を播種し、10%ウシ胎仔血清を添加したDMEM中で80%コンフルエンシーになるまで増殖させた。20mM Hepes(pH7.4)および0.1% BSAを含む冷DMEM中で細胞を2回洗浄した。量を漸増させた天然PDGFの存在下で、5ng/mlの125I-PDGFと共に三つ組のウェルをインキュベートした。25℃で1時間、結合を進行させた。次いで、冷PBS中で細胞を洗浄し、0.5M NaOH中に可溶化した。LS6500シンチレーションカウンター(Beckman Coulter)を用いて、試料の放射含有量を測定し、PRISMソフトウェア(GraphPad)によってデータを解析した。
図21Aに示すアミノ酸配列アライメントから、PDGFRのEFループ中のArg385およびGlu390が、隣接するKit受容体の間のD4同型相互作用を媒介するのを担っているKitのArg381とGlu386の間で形成される塩橋に類似したD4同型相互作用を媒介し得ることが実証される。同様のメカニズムがPDGFRβによって使用されるかどうかを調査するために、Arg385およびGlu390、それぞれの単独(R385A、E390A)、または組み合せ(R385E390/AA)をアラニン残基で置換した。また、ループ領域中のその他の保存されたLys387残基も、PDGFによって誘導されるPDGFRβ活性化を制御する際の潜在的な役割を検査するために、アラニン残基で置換した(R385K387E390/AAA)。野生型PDGFRβおよび変異PDGFRβを、PDGFRαおよびPDGFRβ両方を欠損したマウス胎仔由来線維芽細胞(MEF)において安定に発現させた(Soriano, P. (1994) Genes Dev. 8, 1888-1896; Soriano, P. (1997) Development 124, 2691-2700;およびAndrews, A., et al. (1999) Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 40, 2683-2689)。発現レベルを一致させた野生型PDGFRβまたは変異PDGFRβを発現するMEFを後述の実験で使用した。刺激されていない細胞またはPDGFで刺激された細胞に由来する細胞溶解物を、抗PDGFR抗体を用いた免疫沈降、続いて、抗ホスホチロシン抗体を用いたイムノブロッティングに供した。
受容体二量体化は、受容体型チロシンキナーゼ活性化の根底にある決定的に重要なメカニズムとして確立されているため、本発明者らは、PDGF刺激に応答して変異PDGFRβのチロシン自己リン酸化が減少するのは、受容体二量体化を欠くことが原因であるかどうかを調査した。生細胞の細胞表面の野生型EGF受容体および様々なEGF受容体変異体を含む、いくつかの細胞膜受容体のリガンドによって誘導される二量体化をモニターおよび追跡するために、化学架橋剤が以前に使用された(Cochet, C., et al. (1988) J Biol Chem 263, 3290-3295)。この実験では、野生型PDGFRβまたはE390A変異体を発現する細胞を一晩血清飢餓状態にし、続いて、4℃で90分間、PDGFとインキュベーションした。数回洗浄して未結合のPDGFを除去し、PBSに溶解した0.5mMスベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)と共に細胞を25℃で30分間インキュベートした。刺激されていない細胞またはPDGFで刺激された細胞の細胞溶解物を、抗PDGFR抗体を用いた免疫沈降、続いてSDS-PAGE、およびPDGFR二量体化の状態をモニターするための抗flag抗体またはPDGFR活性化の状態をモニターするための抗ホスホチロシン抗体のいずれかを用いたイムノブロッティングに供した(図23)。
PDGF刺激に応答した細胞シグナル伝達に与えるPDGFR D4変異の影響を検査した。野生型PDGFRまたはPDGFR D4変異体のいずれかを発現する、刺激されていない細胞またはPDGFで刺激された細胞の溶解物を、抗ホスホリパーゼCγ(抗PLCγ)抗体を用いた免疫沈降、続いて、SDS-PAGE、および抗PLCγ抗体または抗pTyr抗体のいずれかを用いたイムノブロッティングに供した。図24Aに示す実験から、PLCγのチロシンリン酸化が、R385A PDGFR変異体、E390A PDGFR変異体、RE/AA PDGFR変異体、またはRKE/AAA PDGFR変異体を発現する細胞においてひどく損なわれていることが示される。PDGFによって誘導されるその他の細胞応答の刺激の障害が、PDGFR D4変異体を発現する細胞において観察される。図24Bに示す実験から、MAP-キナーゼ応答およびAkt刺激が、野生型PDGFRを発現するMEFにおいてPDGFによって誘導される同様の応答と比べて、R385A PDGFR変異体、E390A PDGFR変異体、R385E390/AA PDGFR変異体、またはR385K387E390/AAA PDGFR変異体を発現する細胞において大きく損なわれていたことが示される。総合的には、約10倍高い濃度のPDGFが、E390A PDGFR変異体、R385E390/AA(すなわち、RE/AA)PDGFR変異体、またはR385K387E390/AAA(すなわち、RKE/AAA)PDGFR変異体を発現する細胞において同様のレベルのMAPキナーゼ応答およびAkt刺激を得るために必要とされた。
PDGF内在化、PDGFR分解、およびPDGFRユビキチン化に対するPDGFR D4変異の影響もまた、検査した。野生型PDGFRまたはPDGFR D4変異体を発現するMEFを、4℃で90分間、5ng/mlの125I標識PDGFで処理し、続いて、PBS (pH7.4)で短時間洗浄して、培地中の過剰なリガンドを除去した。予め標識した細胞を37℃まで温めて、最長4時間までの様々な時間間隔で、リガンド-受容体複合体のエンドサイトーシスを開始させた。細胞表面に結合された125I-PDGF、細胞内125I-PDGF、および培地中の分解した125I-PDGFを採取し、シンチレーションカウンターを用いて定量し、4℃で90分間インキュベーション後(t=0)の細胞に結合した全125I-PDGF放射能に対するパーセントとして示した(平均値±SD)。図26Aに示す実験から、野生型PDGFRを発現するMEFに結合された125I標識PDGFの内在化の動態が、E390A PDGFR変異体、R385A PDGFR変異体、またはR385E390/AA PDGFR変異体を発現する細胞に結合された125I標識PDGFの内在化の動態よりはるかに速いことが示される。30分後、約75〜80%の125I-PDGFが細胞表面から移動して、野生型受容体を発現する細胞の内部に蓄積したのに対し、変異受容体を発現する細胞では50%未満であった。
PDGFRα、PDGFRβ、CSF1R、Flt3、およびKitを含むIII型RTKの全メンバーの細胞外ドメインは、5つのIg様ドメインから構成されており、この内の最初の3つは、結合した際に受容体二量体化および活性化を刺激する二量体リガンド分子に対する結合部位として機能する。分子構成としては、III型RTKのリガンド結合特性および受容体二量体化メカニズムは高度に保存されており、SCF刺激前および後のKit外部ドメイン全体の結晶構造によって明らかにされる、SCFによって誘導されるKit活性化のメカニズムは、すべてのIII型RTKの活性化の一般的メカニズムに相当する。さらに、細胞外ドメイン中にIg様ドメインを含むRTKの系統学的解析によって、III型RTKおよびIV型RTK;VEGFR1(Flt1)、VEGFR2(KDR)、およびVEGFR3(Flt4)を含むファミリーの進化上の起源が共通であることが示される。さらに、VEGFおよびPDGFの両方とも、同じシステインノットファミリーに属し、類似したトポロジー、サイズ、および受容体結合戦略を共有するホモ二量体増殖因子である。したがって、細胞外ドメインのX線構造解析によって明らかにされたKit活性化の目立った特徴(本明細書において初めて開示される)はまた、リガンドによって誘導されるV型RTKの活性化にも当てはまり得る。
野生型(WT)KIT、D5のAla502およびTyr503が重複している発癌性KIT変異体(D5リピート変異体)、またはD5のAla502およびTyr503(D5リピート)の重複に加えて、D4のGlu386がAla残基で置換された付加的な点変異を伴うKIT変異体(D5リピート/E386A変異体)を安定に発現するマウス3T3細胞を、37℃で5分間、1ng/ml、5ng/ml、または10ng/mlのSCFで刺激した。
この実施例では、以下の3種の異なるKIT抗原に対してウサギポリクローナル抗体を産生させた:
1. ヒトKITの完全長細胞外ドメイン(アミノ酸1〜510)。
2. アミノ酸308〜411から構成されるKIT Ig様ドメイン4(D4)(KIT D4)。
3. KLHに結合されたKIT D4のシグネチャーモチーフ
を含む、アミノ酸375〜391に対応する17量体ペプチド。
当業者は、日常的な実験法を用いるだけで、本明細書において説明した本発明の個々の態様の多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されると意図される。
Claims (126)
- ヒト受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインに結合する部分(moiety)であって、該受容体型チロシンキナーゼの該外部ドメインを不活性状態に留め、それによって、該受容体型チロシンキナーゼの活性に拮抗する部分。
- ヒト受容体型チロシンキナーゼのIg様ドメインに結合する、請求項1記載の部分。
- Ig様ドメインが受容体型チロシンキナーゼに対するリガンドの結合に関与しない、請求項2記載の部分。
- Ig様ドメインが受容体型チロシンキナーゼに対するリガンドの結合に関与する、請求項2記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼと該受容体型チロシンキナーゼのリガンドの相互作用を妨げない、請求項1記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼと該受容体型チロシンキナーゼのリガンドの相互作用を妨げる、請求項1記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼの二量体化を妨害しない、請求項1記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼの二量体化を妨害する、請求項1記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼの各プロトマーに由来する外部ドメインの膜近位領域間の相互作用を妨害する、請求項1記載の部分。
- 相互作用が同型である、請求項9記載の部分。
- 相互作用が異型である、請求項9記載の部分。
- 外部ドメインの膜近位領域が、III型受容体型チロシンキナーゼのD4ドメイン、III型受容体型チロシンキナーゼのD5ドメイン、III型受容体型チロシンキナーゼのD3-D4ヒンジ領域、III型受容体型チロシンキナーゼのD4-D5ヒンジ領域、V型受容体型チロシンキナーゼのD6-D7ヒンジ領域、およびV型受容体型チロシンキナーゼのD7ドメインからなる群より選択される、請求項9記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼの各プロトマーに由来する外部ドメインの膜近位領域を、20Åを超える距離だけ離れさせる、請求項9記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼがIII型受容体型チロシンキナーゼである、請求項1記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼが、Kit、PDGFRα、PDGFRβ、CSF1R、およびFlk2からなる群より選択される、請求項14記載の部分。
- Ig様ドメインがIII型受容体型チロシンキナーゼのD4ドメインである、請求項2記載の部分。
- D4相互作用部位の次のコンセンサス配列:
に結合する部分であって、
配列中、Lがロイシンであり、Rがアルギニンであり、Gがグリシンであり;X1が、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2が、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3が、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4が、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され; X5が、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され; X6が、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;かつ、X7が、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される、請求項16記載の部分。 - Ig様ドメインがIII型受容体型チロシンキナーゼのD5ドメインである、請求項2記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、部分が該ヒトKit受容体のアミノ酸残基309〜413番に結合する、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、部分が該ヒトKit受容体のアミノ酸残基410〜519番に結合する、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、部分が該ヒトKit受容体のアミノ酸残基381Argおよび386Gluに結合する、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、部分が該ヒトKit受容体のアミノ酸残基418Tyrおよび505Asnに結合する、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、部分が該ヒトKit受容体の変異D5ドメインに結合し、該変異D5ドメインが、Thr417、Tyr418、Asp419、Leu421、Arg420、Tyr503、およびAla502からなる群より選択されるアミノ酸残基に点変異を含む、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、部分が表4に挙げるアミノ酸残基からなる群より選択される1個または複数個のアミノ酸残基に結合する、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがPDGFRαまたはPDGFRβである、請求項14記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがPDGFRβであり、ヒトPDGFRβのアミノ酸残基385Argおよび390Gluに結合する、請求項27記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼ上の立体構造エピトープに結合する、請求項1記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼ上の立体構造エピトープに結合する、請求項14記載の部分。
- 立体構造エピトープが、受容体型チロシンキナーゼのD4ドメインおよび/またはD5ドメイン中の2個以上の残基から構成される、請求項30記載の部分。
- 立体構造エピトープが、受容体型チロシンキナーゼのD2-D3ヒンジ領域、D3-D4ヒンジ領域、および/またはD4-D5ヒンジ領域中の2個以上の残基から構成される、請求項30記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、立体構造エピトープが、表4に挙げるアミノ酸残基からなる群より選択される2個以上の残基から構成される、請求項30記載の部分。
- 立体構造エピトープが、Y125、H180、R181、K203、V204、R205、P206、V238、S239、S240、H263、G265、D266、F267、N268、およびY269からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、P206、F208、V238、およびS239からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、K127、A207、F208、およびT295からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、L222、A339、F340、K342、E368、S369、N370、I371、およびY373からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、L222、L223、E306、V308、F312、E338、F340、およびI371からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、R224、V308、K310、G311、F340、P341、およびD398からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、K218、A219、S220、N367、E368、およびS369からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、K218、A220、E368、およびS369からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、G384、T385、T411、K412、E414、およびK471からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、Y408、F433、G470、K471、およびL472からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、F324、V325、N326、およびN410からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、D327、N410、T411、K412、およびV497からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、G384、G387、V409、およびK471からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、L382、G387、V407、およびV409からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、Y125、G126、H180、R181、K203、V204、R205、P206、F208、V238、S239、S240、S241、H263、G265、D266、F267、N268、およびY269からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、P206、F208、V238、およびS239からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、K218、S220、Y221、L222、F340、P341、K342、N367、E368、S369、N370、I371、およびY373からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、G384、G387、G388、Y408、V409、T411、F433、F469、G470、およびK471からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、D327、T411、K412、E414、A431、G432、およびK471からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、Y350、F355、K358、L379、T380、R381、L382、E386、およびT390からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- 立体構造エピトープが、Y350、R353、およびF355からなる群より選択される2個以上のアミノ酸から構成される、請求項34記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体であり、立体構造エピトープが、表5に挙げるペプチドより選択される2個以上のアミノ酸残基から構成される、請求項30記載の部分。
- 立体構造エピトープが、第1のペプチドより選択される1個または複数個のアミノ酸残基および第2のペプチドより選択される1個または複数個のアミノ酸から構成され、該第1のペプチドおよび該第2のペプチドが、表5に挙げるペプチドの群より選択される、請求項30記載の部分。
- 第1のペプチドがAla219〜Leu222であり、第2のペプチドがThr304〜Val308である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAsp309〜Gly311であり、第2のペプチドがArg224〜Gly226である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがThr303〜Glu306であり、第2のペプチドがAla219〜Leu222である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAsn367〜Asn370であり、第2のペプチドがSer217〜Tyr221である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAla339〜Pro343であり、第2のペプチドがAsn396〜Val399である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAla339〜Pro343であり、第2のペプチドがGlu368〜Arg372である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがLys358〜Tyr362であり、第2のペプチドがVal374〜His378である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAsp357〜Glu360であり、第2のペプチドがLeu377〜Thr380である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがMet351〜Glu360であり、第2のペプチドがHis378〜Thr389である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがHis378〜Thr389であり、第2のペプチドがVal323〜Asp332である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがVal409〜Ile415であり、第2のペプチドがAla493〜Thr500である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがVal409〜Ile415であり、第2のペプチドがAla431〜Thr437である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがVal409〜Ile415であり、第2のペプチドがPhe469〜 Val473である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがVal409〜Ile415であり、第2のペプチドがVal325〜Asn330である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがVal409〜Ile415であり、第2のペプチドがArg381〜Gly387である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがGly466〜Leu472であり、第2のペプチドがGly384〜Gly388である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがVal325〜Glu329であり、第2のペプチドがTyr494〜Lys499である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがThr411〜leu416であり、第2のペプチドがVal497〜Ala502である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがIle415〜Leu421であり、第2のペプチドが Ala502〜Ala507である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAla502〜Ala507であり、第2のペプチドがLys484〜Thr488である、請求項57記載の部分。
- 第1のペプチドがAla502〜Ala507であり、第2のペプチドが Gly445〜Cys450である、請求項57記載の部分。
- 受容体型チロシンキナーゼがVEGF受容体ファミリーのメンバーである、請求項1記載の部分。
- VEGF受容体ファミリーのメンバーが、VEGFR-1(Flt1)、VEGFR-2(Flk1)、およびVEGFR-3(Flt4)からなる群より選択される、請求項79記載の部分。
- VEGF受容体ファミリーのメンバーのD7ドメインに結合する、請求項79記載の部分。
- リガンドによって誘導される受容体型チロシンキナーゼのチロシン自己リン酸化を妨げる、請求項1記載の部分。
- リガンドによって誘導される受容体型チロシンキナーゼの内在化を妨げる、請求項1記載の部分。
- 単離された抗体またはその抗原結合部である、請求項1記載の部分。
- 抗体またはその抗原結合部が、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、およびキメラ抗体からなる群より選択される、請求項85記載の部分。
- 抗体またはその抗原結合部が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、およびIgEの定常領域からなる群より選択される重鎖定常領域を含む、請求項86記載の部分。
- 抗体重鎖定常領域がIgG1である、請求項87記載の部分。
- 抗体またはその抗原結合部が、Fab断片、F(ab')2断片、単鎖Fv断片、SMIP、アフィボディ、アビマー、ナノボディ、および単一ドメイン抗体からなる群より選択される、請求項85記載の部分。
- 抗体またはその抗原結合部が、1×10-7Mまたはそれ未満、より好ましくは5×10-8Mまたはそれ未満、より好ましくは1×10-8Mまたはそれ未満、より好ましくは5×10-9Mまたはそれ未満からなる群より選択されるKDで受容体型チロシンキナーゼのIg様ドメインに結合する、請求項85記載の部分。
- 請求項85〜請求項90のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部を産生するハイブリドーマ。
- 低分子である、請求項1記載の部分。
- 表4に挙げるアミノ酸残基からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基に結合する、請求項92記載の部分。
- K218、S220、Y221、L222、F340、P341、K342、N367、E368、S369、N370、I371、およびY373からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基に結合する、請求項92記載の部分。
- Y350、R353、F355、K358、L379、T380、R381、L382、E386、およびT390からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基に結合する、請求項92記載の部分。
- ペプチド分子である、請求項1記載の部分。
- ペプチド分子が受容体型チロシンキナーゼのIg様ドメインに基づいて設計される、請求項96記載の部分。
- ペプチド分子がヒトKit受容体のD4ドメインに基づいて設計される、請求項97記載の部分。
- ペプチド分子が次の構造:
を含む部分であって、
配列中、Lがロイシンであり、Rがアルギニンであり、Gがグリシンであり;X1が、トレオニン、イソロイシン、バリン、プロリン、アスパラギン、またはリジンからなる群より選択され;X2が、ロイシン、バリン、アラニン、およびメチオニンからなる群より選択され;X3が、リジン、ヒスチジン、アスパラギン、およびアルギニンからなる群より選択され;X4が、グリシン、バリン、アラニン、グルタミン酸、プロリン、およびメチオニンからなる群より選択され; X5が、トレオニン、セリン、グルタミン酸、アラニン、グルタミン、およびアスパラギン酸からなる群より選択され; X6が、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびグルタミンからなる群より選択され;かつ、X7が、グリシン、セリン、アラニン、リジン、アルギニン、グルタミン、およびトレオニンからなる群より選択される、請求項96記載の部分。 - ペプチド分子が、ヒトKit受容体のアミノ酸残基309〜413番に少なくとも80%同一である構造を含む、請求項98記載の部分。
- ペプチド分子がヒトKit受容体のD5ドメインに基づいて設計される、請求項97記載の部分。
- ペプチド分子が、ヒトKit受容体のアミノ酸残基410〜519番に少なくとも80%同一である構造を含む、請求項101記載の部分。
- ペプチド分子が少なくとも1つのD-アミノ酸残基を含む、請求項96記載の部分。
- アドネクチンである、請求項1記載の部分。
- ヒトKit受容体のIg様ドメインまたはヒンジ領域上の立体構造エピトープに結合する部分であって、該部分が該ヒトKit受容体の外部ドメインを不活性状態に留めてそれにより該ヒトKit受容体の活性に拮抗し、かつ、該立体構造エピトープが表4に挙げるアミノ酸残基からなる群より選択される2個以上の残基から構成される、部分。
- ヒトKit受容体のアミノ酸残基309〜413番および/または410〜519番に結合し、それによって、該ヒトKit受容体の外部ドメインを不活性状態に留め、かつ、該ヒトKit受容体の活性に拮抗する、部分。
- 請求項1〜請求項90または請求項92〜請求項106のいずれか一項記載の部分と薬学的に許容される担体と、を含む薬学的組成物。
- 請求項1〜請求項90または請求項92〜請求項106のいずれか一項記載の部分の有効量を対象に投与し、それによって疾患を治療または予防する段階を含む、対象において受容体型チロシンキナーゼに関連した疾患を治療または予防する方法。
- 受容体型チロシンキナーゼに関連した疾患が、癌、加齢黄斑変性症(AMD)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、および疼痛に関連した疾患からなる群より選択される、請求項108記載の方法。
- 癌が、GIST、AML、およびSCLCからなる群より選択される、請求項109記載の方法。
- ヒトIII型受容体型チロシンキナーゼのD2-D3ヒンジ領域、D3-D4ヒンジ領域、および/またはD4-D5ヒンジ領域に結合する部分であって、該受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを不活性状態に留め、それによって、該受容体型チロシンキナーゼの活性に拮抗する部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼが、Kit、PDGFRα、PDGFRβ、CSF1R、およびFlk2からなる群より選択される、請求項111記載の部分。
- III型受容体型チロシンキナーゼがヒトKit受容体である、請求項112記載の部分。
- 単離された抗体またはその抗原結合部、低分子、ペプチド分子、およびアドネクチンからなる群より選択される、請求項111記載の部分。
- 請求項111〜請求項114のいずれか一項記載の部分と薬学的に許容される担体と、を含む薬学的組成物。
- 請求項111〜請求項114のいずれか一項記載の部分の有効量を対象に投与し、それによって疾患を治療または予防する段階を含む、対象において受容体型チロシンキナーゼに関連した疾患を治療または予防する方法。
- 受容体型チロシンキナーゼに関連した疾患が、癌、加齢黄斑変性症(AMD)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、および疼痛に関連した疾患からなる群より選択される、請求項116記載の方法。
- 癌が、GIST、AML、およびSCLCからなる群より選択される、請求項116記載の方法。
- 受容体型チロシンキナーゼのIg様ドメインに結合し、該受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを不活性状態に留める部分を同定するための方法であって、以下の段階を含む方法:
受容体型チロシンキナーゼを候補部分と接触させる段階;
該受容体型チロシンキナーゼを該受容体型チロシンキナーゼのリガンドと同時または逐次的に接触させる段階;および
該部分が、該リガンドによって誘導される二量体受容体型チロシンキナーゼのIg様ドメインの位置付け、向き、および/またはそれらの間の距離に影響を及ぼすかどうかを判定することによって、該受容体型チロシンキナーゼのIg様ドメインに結合し、かつ該受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを不活性状態に留める部分を同定する段階。 - III型受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを不活性状態に留める部分を同定するための方法であって、以下の段階を含む方法:
III型受容体型チロシンキナーゼを候補部分と接触させる段階;
該受容体型チロシンキナーゼを該受容体型チロシンキナーゼのリガンドと同時または逐次的に接触させる段階;ならびに
該部分が、該リガンドによって誘導される二量体受容体型チロシンキナーゼのD4-D4ドメインまたはD5-D5ドメインの位置付け、向き、および/またはそれらの間の距離に影響を及ぼすかどうかを判定し、それによって、該III型受容体型チロシンキナーゼの外部ドメインを不活性状態に留める部分を同定する段階。 - ヒトKit受容体のIg様ドメインまたはヒンジ領域上の立体構造エピトープに結合する単離された抗体またはその抗原結合部であって、該抗体またはその抗原結合部が、該ヒトKit受容体の外部ドメインを不活性状態に留めてそれにより該ヒトKit受容体の活性に拮抗し、かつ、該立体構造エピトープが、表4に挙げるアミノ酸残基からなる群より選択される2個以上の残基から構成される、単離された抗体またはその抗原結合部。
- ヒトKit受容体のアミノ酸残基309〜413番および/または410〜519番に結合し、それによって、該ヒトKit受容体の外部ドメインを不活性状態に留め、かつ、該ヒトKit受容体の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合部。
- ヒトKit受容体のK218、S220、Y221、L222、F340、P341、K342、N367、E368、S369、N370、I371、およびY373 からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基に結合し、それによって、該ヒトKit受容体の外部ドメインを不活性状態に留め、かつ、該ヒトKit受容体の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合部。
- ヒトKit受容体のY350、R353、F355、K358、L379、T380、R381、L382、E386、およびT390からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基に結合し、それによって、該ヒトKit受容体の外部ドメインを不活性状態に留め、かつ、該ヒトKit受容体の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合部。
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