JP2010528042A - キノリノン系非定型抗精神病薬剤の組成物、合成、及び使用方法 - Google Patents

キノリノン系非定型抗精神病薬剤の組成物、合成、及び使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害、及び鬱病等の関連の精神病を治療するのに有利に用いられ得る新規なキノリノン誘導体を提供するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、キノリノン誘導体の組成物、キノリノン誘導体の合成、及びキノリノン誘導体の使用方法に関する。より詳細には、本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病のような関連の精神病の薬理的治療に有用であるキノリノン系化合物の合成、組成物及び使用方法に関する。
精神病性障害を治療するのに用いられる医薬品は抗精神病薬と呼ばれる。定型の抗精神病薬(従来型抗精神病薬と呼ばれることもある)は第一世代抗精神病薬物の群であり、統合失調症を含めた精神病を治療するのに用いられる。定型の抗精神病薬としては、クロルプロマジン(THORAZINE(登録商標))、フルフェナジン(PROLIXIN(登録商標))、ハロペリドール(HALDOL(登録商標))、チオチキセン(NAVANE(登録商標))、トリフルオロペラジン(STELAZINE(登録商標))、ペルフェナジン(TRILAFON(登録商標))、及びチオリダジン(MELLARIL(登録商標))が挙げられる。1990年代に導入された第二世代抗精神病薬は非定型抗精神病薬と呼ばれる。第一世代抗精神病薬に比較すると、非定型抗精神病薬は、幻覚や妄想のような陽性症状を軽減するのに同じように効果があるが、感情鈍磨、引きこもり、感情低下等のような統合失調症の陰性症状を緩和するのには定型の抗精神病薬よりも優れていると思われる。現時点において臨床使用にある非定型抗精神病薬としては、アリピプラゾール(ABILIFY(登録商標))、クロザピン(CLOZARIL(登録商標))、リスペリドン(RISPERDAL(登録商標))、オランザピン(ZYPREXA(登録商標))、クエチアピン(SEROQUEL(登録商標))、及びジプラシドン(GEODON(登録商標))が挙げられる。
非定型抗精神病薬は、錐体外路症状(EPS)及び遅発性異常運動症(TD)を引き起こす傾向が定型抗精神病薬よりも低い。非定型抗精神病薬に伴うさらなる効果としては、陰性症状のより優れた治療、より良好なコンプライアンス、認知機能障害に対する効果の可能性、及びより低い再発率が挙げられる。非定型抗精神病薬の群の中では、しかしながら、効果と副作用のいずれにおいても差が存在する。クロザピンはEPSを引き起こすことはなく、今日までにヒトで使用された他のすべての抗精神病薬よりも明らかにより効果がある。しかしながら、この薬物には副作用があること及び一部の国では顆粒球減少症についての継続した医学的監視が必要であることから、この薬物は、生活を激変させる薬物となっている。このことは、その使用を著しく限定されたものにしている。有効性データが最も大量にある他の非定型抗精神病薬はリスペリドン及びオランザピンである。今日ではこれらの薬物は最も広く使われている第一選択の抗精神病薬である。このことは、これらの薬物は定型の薬物よりも臨床的により効果があること、及びクロザピンよりも使用がずっと容易であることから、もっともなことである。しかしながら、リスペリドン及びオランザピンはいずれも、副作用により限定的なものとなっている。リスペリドンは、プロラクチンの上昇、用量依存EPS及びある程度の体重増加を引き起こす。オランザピンの使用には、脂質及びグルコース異常に加えて、はるかにより大きい体重増加が伴う。クエチアピン及びジプラシドンはリスペリドン及びオランザピンのより安全な代替薬であり得るが、これらの薬物は、他の非定型抗精神病薬と同じくらいに臨床的に効果があるようには思えない。アリピプラゾールは、2002年11月にFDAによって統合失調症の治療用に認可された新世代の非定型抗精神病薬物(Satyanarayana,C.らの特許文献1;Tsujimori,H.らの特許文献2;Salama,P.らの特許文献3;Wikstorm,H.らの特許文献4)の一つである。これは、急性躁病並びに双極性障害に伴う混合型エピソードの治療用に、2005年3月に認可された。治療応答、有効性及び許容性に関しては、アリピプラゾールは、他の非定型抗精神病薬とは大きくは異ならない。
非定型抗精神病薬は、さまざまな精神病態の理由で小児及び青年にますます使われている。非定型抗精神病薬が処方される病態としては、双極性障害、心因性鬱病、統合失調症、広汎性発達障害、注意欠陥/多動障害(ADHD)、反抗挑戦性障害(ODD)、及び行為障害が挙げられる。非定型抗精神病薬は、症状に応じて、発作的激怒、不眠症、及び食欲不振を治療するのにも使われる。若い患者は、非定型抗精神病薬の治療に伴う副作用のリスクがより高いと思われる。
一般には、非定型抗精神病薬は、鎮静、静座不能、体重増加、錐体外路症状(EPS)、神経悪性症候群、及び遅発性異常運動症を含め、定型の抗精神病薬の副作用の多くを共有しているが、この薬での長い経験から、代謝症候群及びQTc間隔延長のような、新規なリスクが考慮されなければならないことが明らかになっている。QTc間隔延長は、致命的なトルサード・ド・ポアント(TdP:Torsades de Pointes;多形性心室頻拍)の心臓不整脈を生じるという障害の可能性があることが知られている。体重増加、脂質異常、さらには真正糖尿病のような薬物誘発有害代謝作用は、さまざまな疾病障害の主なリスク因子となっていることが明らかにされており、これが、非定型抗精神病薬で治療した精神病患者における羅病率及び死亡率の増加の一部の原因となっているのかもしれない。
標的外薬理作用及び薬物対薬物相互作用が、非定型抗精神病薬に伴う多くの有害副作用の、主な原因である。統合失調症及び関連の精神病性障害の治療に現時点で使われているすべての非定型抗精神病薬物の治療標的選択性はよくない。例えば、最も多く処方されている非定型抗精神病薬の一つであるオランザピン、及び最も効果がある非定型抗精神病薬物であるクロザピンは、13以上の受容体、例えばドーパミン(D、D、D及びD)、セロトニン(5−HT2A、5−HT2C、5−HT、及び5−HT)、アドレナリン(アルファ1及びアルファ2)、ヒスタミン(H)、ムスカリン(M)、ドーパミン輸送体(DAT)及びノルエピネフリン輸送体(NET)受容体に対して有意な活性があることが報告されている(非特許文献1)。同様に、リスペリドン及びアリピプラゾールのような他のFDA認可非定型抗精神病薬も、上記した受容体の10以上に対して有意な活性があることが報告されている。現時点での研究では、ドーパミン(D)及びセロトニン(5−HT1A及び5−HT2A)受容体に対して活性を呈する化合物は、目標とする抗精神病作用を有している可能性があること(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)が示唆されているが、セロトニン(5HT2C)、ヒスタミン(H)、及びアドレナリン(アルファ1)のような他の受容体に対して活性を呈する化合物は、心臓不整脈等の有害副作用を引き起こす可能性があることが示唆されている。
アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン及びクロザピンのような最も広く使われている非定型抗精神病薬は、標的選択性がよくないことに加えて、体内でチトクロームP450(CYP 450)仲介肝代謝を受けることが知られている(非特許文献5)。肝代謝は、ある与えられた薬物が、臨床的に有意な薬理動態的薬物相互作用に含まれるかどうかについての可能性の重要な有意な決定因子でもある。研究によれば、アリピプラゾールはCYP 450イソ酵素3A4及び2D6によって代謝され、クロザピン及びオランザピンは主にCYP1A2によって代謝され、リスペリドンはCYP 2D6によって代謝されることが示唆されている。CYPイソ酵素については患者間において際立った多型があり、この多型は、このような非定型抗精神病薬の血漿濃度を実質的に増大させることが明らかにされている。例えば、白色人種人口のおよそ10%はCYP2D6イソ酵素がない。一般病院の患者、老人患者、老人精神病患者及び精神病患者は、一般人口の患者と比較すると、CYP2D6によって代謝される少なくとも1種の薬物でより頻繁に治療される。精神病患者、老人精神病患者及び老人患者の、およそ50%は、彼等がもっている精神病性適応症以外のために、CYP2D6によって代謝される少なくとも1種の薬物を摂取している(非特許文献6)。つまり、非定型抗精神病薬物の代謝を担っている特定のCYPイソ酵素がないプア・メタボライザー(poor metabolizer)は、特に、有害な薬物相互作用に曝され得る。
現時点で臨床使用にある非定型抗精神病薬(アリピプラゾール、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、及びジプラシドン)は、統合失調症をもつ人々の治療で有意な進展を示しているものの、安全性プロファイルが改善された新規な向精神性薬物に対してはニーズが存在する。
したがって、好ましくは体内で非CYP仲介代謝を有意に受ける、及び/又は現時点で利用可能な治療薬よりも治療標的選択性が改善された新規な非定型抗精神病薬の開発は、統合失調症並びに関連の精神病性障害を治療するための、効果的でより安全な医薬をもたらすことだろう。
国際公開第2006/030446号パンフレット 国際公開第2004/063162号パンフレット 国際公開第2004/099152号パンフレット 国際公開第2003/064393号パンフレット
Miyamoto et al., Molecular Psychiatry, 2005, 10, 79 Snyder, S. H., Nature 2008, 452, 38-39 Di Pietro, N. C., Seamans, J. K., Pharmacopsychitry 2007, 40(S1), S27-S33 Stark, A. D. et al., Psychopharmacology 2007, 190, 373-382 Conley, R. R. and Kelly, D. L. Psychopharmacol Bull. 2007, 40(1), 77-97 Mulder H. et al. Ann Pharmacother. 2007, 41(3), 408-13
本発明は、キノリノン誘導体である化合物、該化合物の合成、該化合物を用いた組成物、さらには統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病のような関連の精神病を治療するための該化合物の使用方法を提供する。本発明は、そのようなキノリノン化合物の合成方法を提供する。本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病のような関連の精神病を治療するための、キノリノン系非定型抗精神病薬の使用方法、及びキノリノン系非定型抗精神病薬の組成物を提供する。
本発明の主題である化合物は、統合失調症の治療に特に効果がありまたより安全である次世代型の新規な非定型抗精神病薬をもたらすものである。本発明の化合物は、そのきわめて望ましい代謝プロファイル、薬理動態プロファイル及び薬理生理プロファイルの点で有利である。本発明の化合物は、
1)ドパミンD受容体に対して親和性を呈するよう;
2)セロトニン5−HT1A及び5−HT2A受容体に対して親和性を呈するよう;
3)ヒト体内で非酸化的又は非CYP酵素仲介代謝を有意に受けるよう;
4)ヒト体内でエステラーゼ及び/又はペプチダーゼのような加水分解酵素によって有意に代謝されるよう;
5)治療薬として不活性又は最低活性の代謝産物を生成するよう;
設計されている。
本発明の主題である化合物における非チトクロームP450酵素仲介代謝及び治療薬として不活性又は最低活性の代謝産物のような特徴は、薬物−薬物相互作用由来の有害副作用を軽減し得る。したがって、このような特徴があるので、本発明の化合物は、慢性疾患、例えば、慢性疼痛、糖尿病、心血管疾患、痴呆、及び喘息のために複数の薬物治療にあって、肝臓及び腎臓の機能がよくない患者も含めたヒトにおける統合失調症の治療により効果がありまたより安全である。
1つの態様で、本発明は、構造式(I):
Figure 2010528042
[式中、
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は(CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、nは、1〜7の整数であり;
、R、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、又はスルホンアミドであるように独立に選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5又は6員の環を形成していることもあり、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよい]
で表される化合物(但し、この化合物は、置換基R、R、R、R、R、及びRのうちの1つに直接又はスペーサーを介して共役もしくは挿入されたソフト部分構造を含む)を含むキノリノン誘導体又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病のような関連の精神病を治療するのに有用であるキノリノン誘導体の合成、その組成物及びそれを用いる方法に関するものである。本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害、及び鬱病のような関連の精神病を薬理的治療するための化合物、組成物及び方法を提供するものである。
本明細書及び特許請求の範囲も含めたこの出願で使われている以下の用語は、後に記載される定義を有する。注意すべきこととして、本明細書及び添付の特許請求の範囲中で使われる場合、文脈がそうでないと明確に表わしていない限り、単数形には複数形も含まれる。標準的な化学用語の定義については、Carey and Sundberg (1992) "Advanced Organic Chemistry 3rd Ed." Vols. A and B, Plenum Press, New Yorkを含めた、参考書物に見出すことができる。本発明の実施には、そうでないと記載されていない限り、当技術分野の技術範囲内にある、通常の質量分光分析、タンパク質化学、生化学、組み換えDNA手法及び薬理学の手法が用いられるものとする。本明細書に記載されている組成物及び製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (Easton, Pennsylvania: Mack Publishing Company, 1990)に記載されている薬学的に許容される賦形剤及び塩を用いて実施され得る。
「本発明の化合物」とは、本明細書に開示されている構造式(I)〜(X)によって包含される化合物を言う。本発明の化合物は、その化学構造及び/又は化学名によって識別され得る。化学構造と化学名が対立する場合は、化学構造が、その化合物の素性を決定するものとする。本発明の化合物は1又は複数のキラル中心及び/又は二重結合を含有し得るので、立体異性体、例えば二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、エナンチオマー又はジアステレオ異性体として存在し得る。したがって、本明細書に図示されている化学構造体には、立体異性的に純粋な形(例えば、幾何的に純粋、エナンチオマー的に純粋又はジアステレオ異性的に純粋)並びにエナンチオマー混合物及び立体異性体混合物を含めて、図示されている化合物のあらゆる考えられるエナンチオマー及び立体異性体が包含される。エナンチオマー混合物及び立体異性体混合物は、当業者にはよく知られている分離手法又はキラル合成手法を用いてその要素成分エナンチオマー又は立体異性体に分割され得る。本発明の化合物は、エノール形、ケト形及びこれらの混合物を含めたいくつかの互変異性形でも存在し得る。したがって、本発明に図示されている化学構造体には、図示されている化合物のあらゆる考えられる互変異性形が包含される。本発明の化合物には、1又は複数個の原子が、自然界に通常見出される原子質量とは異なる原子質量を有する同位体標識化合物も含まれる。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、限定するものではないが、H、H、13C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clが挙げられる。さらに、理解しておくべきこととして、本発明の化合物の部分構造体が図示されているところでは、腕木の線記号は、分子の残部へのその部分構造体の結合の点を示している。
「本発明の組成物」とは、少なくとも1種の本発明の化合物と、該化合物と一緒に患者に投与される薬学的に許容されるビヒクルとを指す。患者に投与される場合、本発明の化合物は、単離された形態で投与されるが、これは、合成有機反応混合物からは分離されていることを意味する。
「アルキル」とは、親アルカン、アルケン又はアルキンの単体炭素原子から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される飽和もしくは不飽和、分枝、直鎖又は環状一価炭化水素基を言う。典型的なアルキル基としては、限定するものではないが、メチル;エタニル、エテニル、エチニル等のエチル;プロパン−1−イル、プロパン−2イル、シクロプロパン−1−イル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロパ−1−エン−1イル、シクロプロパ−2−エン−1イル、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル等のようなプロピル類;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1、3−ジエン−1−イル、ブタ−1、3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イル等のようなブチル類が挙げられる。
用語「アルキル」は、特に、任意の飽和の度数又は程度を有する基、すなわち、もっぱら一重炭素−炭素結合を有する基、1又は複数の二重炭素−炭素結合を有する基、1又は複数の三重炭素−炭素結合を有する基、及び一重、二重並びに三重炭素−炭素結合の混合物を有する基を含むものとする。特定の飽和の程度が意図されているところでは、表現句「アルカニル」、「アルケニル」、及び「アルキニル」が使われる。好ましくは、アルキル基は、1から20個まで(より好ましくは1から10個まで)の炭素原子を含む。
「アルカニル」とは、親アルカンの単体炭素原子から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される飽和分枝、直鎖又は環状アルキル基を言う。典型的なアルカニル基としては、限定するものではないが、メタニル;エタニル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イル等のようなプロパニル類;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(s−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イル等のようなブタニル等が挙げられる。
「アルケニル」とは、親アルケンの単体炭素原子から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和分枝、直鎖又は環状アルキル基を言う。この基は、その二重結合に関してシス又はトランス配置にあり得る。典型的なアルケニル基としては、限定するものではないが、エテニル;プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、プロパ−2−エン−2−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イル、シクロプロパ−2−エン−1−イルのようなプロペニル類;ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチ−プロパ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル等のようなブテニル類が挙げられる。
「アルキニル」とは、親アルキンの単体炭素原子から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和分枝、直鎖又は環状アルキル基を言う。典型的なアルキニル基としては、限定するものではないが、エチニル;プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル等のようなプロピニル類;ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン3−イル、ブト−3−イン−1−イル等のようなブチニル類が挙げられる。
「アシル」とは、基−C(O)R[ここで、Rは、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニル等が挙げられる。
「アシルオキシアルキルオキシカルボニル」とは、基−C(O)OCR’R’’OC(O)R’’’[ここで、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−C(O)OCHOC(O)CH、−C(O)OCHOC(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)OC(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)OC(O)C等が挙げられる。
「アシルアルキルオキシカルボニル」とは、基−C(O)OCR’R’’C(O)R’’’[ここで、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−C(O)OCHC(O)CH、−C(O)OCHC(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)C(O)CHCH、−C(O)OCH(CH)C(O)C等が挙げられる。
「アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ」とは、基−NRC(O)OCR’R’’OC(O)R’’’[ここで、R、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−NHC(O)OCHOC(O)CH、−NHC(O)OCHOC(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)OC(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)OC(O)C等が挙げられる。
「アシルアルキルオキシカルボニルアミノ」とは、基−NRC(O)OCR’R’’C(O)R’’’[ここで、R、R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−NHC(O)OCHC(O)CH、−NHC(O)OCHC(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)C(O)CHCH、−NHC(O)OCH(CH)C(O)C等が挙げられる。
「アシルアミノ」とは、本発明に定義されている「アミド」を言う。
「アルキルアミノ」とは、基−NHR[ここで、Rは、本明細書に定義されているアルキル、又はシクロアルキル基を表わし、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を意味する。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルアミノ、エチルアミノ、1−メチルエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等が挙げられる。
「アルコキシ」とは、基−OR[ここで、Rは、本明細書に定義されているアルキル、又はシクロアルキル基を表わし、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
「アルコキシカルボニル」とは、基−C(O)−アルコキシ[ここで、アルコキシは、本明細書に定義されているとおりである]を言う。
「アルコキシカルボニルアルコキシ」とは、基−OCR’R’’C(O)−アルコキシ[ここで、アルコキシは、本明細書に定義されているとおりである。同様に、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−OCHC(O)OCH、−OCHC(O)OCHCH、−OCH(CH)C(O)OCHCH、−OCH(C)C(O)OCHCH、−OCH(CH)C(O)OCHCH、−OC(CH)(CH)C(O)OCHCH等が挙げられる。
「アルコキシカルボニルアルキルアミノ」とは、基−NRCR’R’’C(O)−アルコキシ[ここで、アルコキシは、本明細書に定義されているとおりである。同様に、R、R’、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−NHCHC(O)OCH、−N(CH)CHC(O)OCHCH、−NHCH(CH)C(O)OCHCH、−NHCH(C)C(O)OCHCH、−NHCH(CH)C(O)OCHCH、−NHC(CH)(CH)C(O)OCHCH等が挙げられる。
「アルキルスルホニル」とは、基−S(O)R[ここで、Rは、アルキル、又はシクロアルキル基であり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等が挙げられる。
「アルキルスルフィニル」とは、基−S(O)R[ここで、Rは、アルキル、又はシクロアルキル基であり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等が挙げられる。
「アルキルチオ」とは、基−SR[ここで、Rは、アルキル又はシクロアルキル基であり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等が挙げられる。
「アミドもしくはアシルアミノ」とは、基−NR’C(O)R’’[ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、ホルミルアミノアセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチルカルボニル−アミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「アミノ」とは、基−NHを言う。
「アリール」とは、親芳香族環系の単体炭素原子から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される一価芳香族炭化水素基を言う。典型的なアリール基としては、限定するものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フッ素、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等から誘導される基が挙げられる。好ましくは、アリール基は、6〜20個の炭素原子、より好ましくは、6〜12個の炭素原子を含む。
「アリールアルキル」とは、非環式アルキルであって、炭素原子(典型的には末端もしくはsp炭素原子)に結合している水素原子のうちの1つがアリール基で置き換えられている非環式アルキルを言う。典型的なアリール基としては、限定するものではないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル等が挙げられる。特定のアルキル部分構造が意図されているところでは、アリールアルカニル、アリールアルケニル及び/又はアリールアルキニルが使われる。好ましくは、アリールアルキル基は、(C〜C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分構造が(C〜C10)であり、アリール部分構造が(C〜C20)であるもの、より好ましくは、アリールアルキル基が(C〜C20)アリールアルキルであるもの、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分構造が(C〜C)であり、アリール部分構造が(C〜C12)であるものである。
「アリールアルコキシ」とは、−O−アリールアルキル基[ここで、アリールアルキルは、本明細書に定義されているとおりであり、これは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「アリールアルコキシカルボニルアルコキシ」とは、基−OCR’R’’C(O)−アリールアルコキシ[ここで、アリールアルコキシは、本明細書に定義されているとおりである。同様に、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−OCHC(O)OCH、−OCH(CH)C(O)OCH、−OCH(C)C(O)OCH、−OCH(CH)C(O)OCH、−OC(CH)(CH)C(O)OCH等が挙げられる。
「アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ」とは、基−NRCR’R’’C(O)−アリールアルコキシ[ここで、アリールアルコキシは、本明細書に定義されているとおりである。同様に、R、R’、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−NHCHC(O)OCH、−N(CH)CHC(O)OCH、−NHCH(CH)C(O)OCH、−NHCH(C)C(O)OCH、−NHCH(CH)C(O)OCH、−NHC(CH)(CH)C(O)OCH等が挙げられる。
「アリールオキシカルボニル」とは、基−C(O)−O−アリール[ここで、アリールは、本明細書に定義されており、これは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「アリールオキシカルボニルアルコキシ」とは、基−OCR’R’’C(O)−アリールオキシ[ここで、アリールオキシは、本明細書に定義されているとおりである。同様に、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−OCHC(O)OC、−OCH(CH)C(O)OC、−OCH(C)C(O)OC、−OCH(CH)C(O)OC、−OC(CH)(CH)C(O)OC等が挙げられる。
「アリールオキシカルボニルアルキルアミノ」とは、基−NRCR’R’’C(O)−アリールオキシ[ここで、アリールオキシは、本明細書に定義されているとおりである。同様に、R、R’、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、−NHCHC(O)OC、−N(CH)CHC(O)OC、−NHCH(CH)C(O)OC、−NHCH(C)C(O)OC、−NHCH(CH)C(O)OC、−NHC(CH)(CH)C(O)OC等が挙げられる。
「カルバモイル」とは、基−C(O)NRR[ここで、各R基は、独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「カルバマート」とは、基−NR’C(O)OR’’[ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルカルバマート(−NHC(O)OCH)、エチルカルバマート(−NHC(O)OCHCH)、ベンジルカルバマート(−NHC(O)OCH)等が挙げられる。
「カルボナート」とは、基−OC(O)OR[ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルカルボナート(−C(O)OCH)、シクロヘキシルカルボナート(−C(O)OC11)、フェニルカルボナート(−C(O)OC)、ベンジルカルボナート(−C(O)OCH)等が挙げられる。
「カルボキシ」とは、基−C(O)OHを意味する。
「シアノ」とは、基−CNを意味する。
「シクロアルキル」とは、置換又は非置換の環状アルキル基を言う。特定の飽和の程度が意図されているところでは、名称「シクロアルカニル」又は「シクロアルケニル」が使われる。典型的なシクロアルキル基としては、限定するものではないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等から誘導される基が挙げられる。好ましい実施形態においては、シクロアルキル基は、(C〜C10)シクロアルキル、より好ましくは(C〜C)シクロアルキルである。
「シクロヘテロアルキル」とは、飽和もしくは不飽和環状アルキル基であって、1又は複数個の炭素原子(及び関連の水素原子)が独立して同じ又は異なるヘテロ原子で置き換えられている基を言う。炭素原子を置き換える典型的なヘテロ原子としては、限定するものではないが、N、P、O、S、Si等が挙げられる。特定の飽和の程度が意図されているところでは、名称「シクロヘテロアルカニル」又は「シクロヘテロアルケニル」が使われる。典型的なシクロヘテロアルキル基としては、限定するものではないが、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジン等から誘導される基が挙げられる。
「シクロヘテロアルコキシカルボニル」とは、基−C(O)−OR[ここで、Rは、本明細書に定義されているシクロヘテロアルキルであり、これは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「ジアルキルアミノ」とは、基−NRR’[ここで、R及びR’は、独立して、アルキル又はシクロアルキル基を表わし、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を意味する。典型的な例としては、限定するものではないが、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(1−メチルエチル)アミノ、(シクロヘキシル)(メチル)アミノ、(シクロヘキシル)(エチル)アミノ、(シクロヘキシル)(プロピル)アミノ等が挙げられる。
「薬物から誘導された」とは、そのような薬物に構造的に関係しているフラグメントを言う。フラグメントの構造は、ヘテロ原子(N又はO)に結合された水素が別の基(典型的には、プロ部分構造(promoiety))への共有結合で置き換えられていること以外はその薬物のものと同じである。薬物が、カルボン酸、ホスホン酸又はリン酸の塩形態である場合は、そのような薬物から誘導される対応する構造体フラグメントは、プロトン化された酸形態から誘導されているとみなされることに注意されたい。
「薬物」とは、患者又は哺乳動物に有効量で投与された場合に治療及び/又は予防及び/又は診断利用能を呈する化合物を言う。
「エステル」とは、基−C(O)OR[ここで、Rは、本明細書に定義されているアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、アリール、置換された アリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。典型的な例としては、限定するものではないが、メチルエステル(−C(O)OCH)、シクロヘキシルエステル(−C(O)OC11)、フェニルエステル(−C(O)OC)、ベンジルエステル(−C(O)OCH)等が挙げられる。
「エーテル」とは、基−OR[ここで、Rは、本明細書に定義されているアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。
「ヘテロアルコキシ」とは、−O−ヘテロアルキル基[ここで、ヘテロアルキルは、本明細書に定義されているとおりであり、これは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル」とは、それぞれ、アルキル、アルカニル、アルケニル及びアルキニル基であって、その炭素原子(及び関連の水素原子)の1又は複数個がそれぞれ独立に同じ又は異なるヘテロ原子基で置き換えられている基を言う。典型的なヘテロ原子基としては、限定するものではないが、−O−、−S−、−O−O−、−S−S−、−OS−、−NR’−、=N−N=、−N=N−、−N=N−NR’−,−PH−、−P(O)−、−O−P(O)−、−S(O−、−S(O)−、−SnH−等が挙げられる[式中、R’は、水素、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール又は置換されたアリールであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]。
「ヘテロアリール」とは、親へテロ原子環系の単体原子から1個の水素原子を取り除くことによって誘導される一価へテロ芳香族基を言う。典型的なヘテロアリール基としては、限定するものではないが、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン等から誘導される基が挙げられる。好ましくは、ヘテロアリール基は、5〜20員のヘテロアリールであり、5〜10員のヘテロアリールが特に好ましい。好ましいヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール及びピラジンから誘導されるものである。
「ヘテロアリールオキシカルボニル」とは、基−C(O)−OR[ここで、Rは、本明細書に定義されているヘテロアリールであり、これは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「ヘテロアリールアルキル」とは、炭素原子(典型的には末端もしくはsp炭素原子)に結合されている水素原子のうちの1つがヘテロアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を言う。特定のアルキル部分構造が意図されているところでは、名称ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル及び/又はヘテロアリールアルキニルが使われる。好ましくは、ヘテロアリールアルキル基は、6〜30炭素員ヘテロアリールアルキル、例えばヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分構造が1〜10員であり、ヘテロアリール部分構造が5〜20員のヘテロアリールであるもの、より好ましくは、6〜20員ヘテロアリールアルキル、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分構造が1〜8員であり、ヘテロアリール部分構造が5〜12員のヘテロアリールであるもの。
「ヒドロキシ」とは、基−OHを意味する。
「オキソ」とは、二価基=Oを意味する。
用語「患者」には、本明細書中で使われる場合、哺乳動物並びに非哺乳動物が包含される。哺乳動物の例としては、限定するものではないが、哺乳動物の類に属するあらゆる構成員、すなわち、ヒト、チンパンジーのような非ヒト霊長類、さらには他の類人猿及び猿の種;農場家畜、例えば、牛、馬、羊、山羊、豚;屋内動物、例えば、兎、犬、及び猫;ラット、マウス及びモルモットのようなげっ歯類動物を含めた実験動物等が挙げられる。非哺乳動物の例としては、限定するものではないが、鳥、魚等が挙げられる。この用語には、特定の齢又は性は意味されていない。
「薬学的に許容される」とは、動物で、さらにはより特定的にはヒトで使用することが、連邦又は州政府の規制当局によって認可されている又は認可可能であること、又は米国薬局方又は他の公に認められている薬局方に掲載されていることを意味する。
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、親化合物の所望薬理活性を保持している、本発明の化合物の塩を言う。そのような塩としては、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等のような無機酸と形成される酸付加塩;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、三メチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等のような有機酸と形成される酸付加塩;又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアルミニウムイオンによって置き換えられたときに形成される塩;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン等のような有機塩基と配位しているときに形成される塩が挙げられる。
「薬学的に許容されるビヒクル」とは、本発明の化合物と一緒に投与される希釈剤、補佐剤、賦形剤又は担体を言う。
「ホスファート」とは、基−OP(O)(OR’)(OR’’)[ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「ホスホナート」とは、基−P(O)(OR’)(OR’’)[ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「予防する」又は「予防」とは、疾患又は障害の獲得リスクの低減を言う(すなわち、疾患に曝された又は罹り易くされたかも知れないがまだその疾患の症状を経験又は呈示していない患者においてその疾患の臨床症状の少なくとも1つが進展しないようにすること)。
「プロドラッグ」とは、薬物分子の誘導体であり、これは、その活性薬物を放出するための体内での変換を必要とする。プロドラッグは、多くの場合、(必ずではないが)親薬物に変換されるまでは薬理的に不活性である。
「プロ部分構造(promoiety)」とは、保護基の一形態であり、これは、薬物分子内の官能性基をマスクするのに使われると、その薬物をプロドラッグに変換する。典型的には、プロ部分構造は、インビボ酵素的もしくは非酵素的手段によって開裂される結合を介して薬物に取り付けられるものである。
「保護基」とは、分子中の反応性基に取り付けられるとその反応性をマスク、低減又は防護する原子集団を言う。保護基の例は、Green et al., "Protective Groups in Organic Chemistry", (Wiley, 2nd ed. 1991)、及びHarrison et al., "Compendium of Synthetic Organic Methods", vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996)に見出され得る。代表的なアミノ保護基としては、限定するものではないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、t−ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「SES」)、トリチル及び置換されたトリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシ−カルボニル(「FMOC」)、ニトロベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)等が挙げられる。代表的なヒドロキシル保護基としては、限定するものではないが、ヒドロキシル基がアシル化か又はアルキル化されるもの例えばベンジル、さらにはトリアルキルシリル及びアリルエーテルが挙げられる。
「ラセミ化合物」とは、キラル分子のエナンチオマーの等モル混合物を言う。
「ソフト部分構造」とは、本発明による化合物に組み込まれ得る加水分解可能結合を含有している部分構造を言い、そのようなものとしては、限定するものではないが、アミド(−NHC(O)−)、エステル(−C(O)O−)、カルボナート(−OC(O)O−)、ホスファート(−OP(O)O−)、スルファート(−OS(O)(O)O−)、カルバマートつまりウレタン(−NHC(O)O−)、グリコシドや、加水分解酵素によって開裂され得る他の結合が挙げられる。グリコシド部分構造は、糖基がそのアノマー炭素を通して別の基に酸素を介して(O−グリコシド結合として)又はイオウを介して(S−グリコシド結合として)共役することによって形成される。
「スペーサー」とは、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル及びヘテロアリール基を言い、これは、場合により、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルッキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールロキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、スルホンアミドによって置換されており、及び/又はアルキルのケースでは、O、S及びN(R51)のうちの1つ以上によって場合により中断されている。R51は、H、低級アルキル、さらには置換された低級アルキルであり得る。
「置換された」とは、基中の1個以上の水素原子がそれぞれ独立して同じ又は異なる置換基によって置き換えられている基のことを言う。典型的な置換基としては、限定するものではないが、−X、−R54、−O−、=O、−OR54、−SR54、−S、=S、−NR5455、=NR54、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)O−、−S(O)OH、−S(O)OR54、−OS(O)31、−OS(O)54、−P(O)(O−)、−P(O)(OR14)(O31)、−OP(O)(OR54)(OR55)、−C(O)R54、−C(S)R54、−C(O)OR54、−C(O)NR5455、−C(O)O−、−C(S)OR54、−NR56C(O)NR5455、−NR56C(S)NR5455、−NR57C(NR56)NR5455、及び−C(NR56)NR5455が挙げられる[ここで、各Xは、独立して、ハロゲンであり;各R54、R55、R56及びR57は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、−NR5859、−C(O)R58もしくは−S(O)58であるか又は場合によりR58及びR59は、それらのいずれもが結合されている原子と一緒にシクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成しており;R58及びR59は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルである]。
「スルファート」とは、基−OS(O)(O)OR[ここで、Rは、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「スルホンアミド」とは、基−S(O)(O)NR’R’’[ここで、R’及びR’’は、独立して、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよく、又は、場合によってはR’及びR’’は、それらのいずれもが結合されている原子と一緒にシクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成している]を言う。代表的な例としては、限定するものではないが、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、4−(NR’’’)−ピペラジニル又はイミダゾリル基が挙げられ、これらの基は、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい。R’’’は、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい。
「スルホナート」とは、基−S(O)(O)OR[ここで、Rは、本明細書に定義されている水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
「チオ」とは、基−SHを意味する。
「チオエーテル」とは、基−SR[ここで、Rは、本明細書に定義されているアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは、本明細書に定義されている1又は複数個の置換基によって場合により置換されていてもよい]を言う。
任意の疾患又は障害についての「治療する」又は「治療」とは、一実施形態においては、その疾患又は障害が改善されること(すなわち、その疾患又はそれの少なくとも1つの臨床症状の進展が停止又は低減すること)を言う。別の実施形態では「治療する」又は「治療」とは、患者が認識できないかも知れない少なくとも1つの物理パラメーターが改善されることを言う。なお別の実施形態においては、「治療する」又は「治療」とは、物理的に(例えば、認識できる症状の安定化)、生理的に(例えば、物理パラメーターの安定化)、又はこれらの両者によって疾患又は障害を抑制することを言う。なお別の実施形態においては、「治療する」又は「治療」とは、疾患又は障害の始まりを遅延させることを言う。
「治療有効量」とは、疾患を治療するために患者に投与された場合、そのような疾患の治療に効果を及ぼすのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、その化合物、その疾患及びその重症度、さらには治療されるべき患者の年齢、体重ほかに応じて変わるものであり、当業者によって不要な実験を行うことなく決定され得るものである。
次に本発明の好ましい実施形態についての説明を詳細に行う。本発明を好ましい実施形態との関連で説明するが、本発明をそのような好ましい実施形態に限定しようとするものではないことは理解されるだろう。逆に、添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の精神及び範囲の中に包含され得る代替形態、改変形態、及び等価形態を網羅することが意図されている。
本発明の化合物
本発明は、構造式(I):
Figure 2010528042
[式中、
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように独立に選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5又は6員の環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよい]
で表される化合物(但し、本発明の化合物は、置換基R、R、R、R、R、及びRのうちの1つに直接又はスペーサーを介して共役もしくは挿入されたソフト部分構造を含む)又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む、キノリノン系の抗精神病薬剤を提供するものである。
本発明の1つの態様で、構造式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物が記載される:
Figure 2010528042
[式中、
Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよく;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであるように選択され;R及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成しており;
は、アルキル、置換されたアルキルであるように選択されるか又はR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成している]。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(III):
Figure 2010528042
[式中、
Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよく;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであるように選択され;R及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成しており;
は、アルキル、置換されたアルキルであるように選択されるか又はR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成している]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(IV):
Figure 2010528042
[式中、
Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R、及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよく;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであるように選択され;R及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成しており;
は、アルキル、置換されたアルキルであるように選択されるか又はR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成している]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(V):
Figure 2010528042
[式中、
Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることもあり;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであるように選択され;R及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成しており;
は、アルキル、置換されたアルキルであるように選択されるか又はR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成している]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(VI):
Figure 2010528042
[式中、
Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよく;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであるように選択され;R及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成しており;
は、アルキル、置換されたアルキルであるように選択されるか又はR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、これは、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、カルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよく;又は、Rと一緒になって、アルキル、ハロ、ヒドロキシル又はカルボニルから選択される1又は複数個の置換基で場合により置換されていてもよい5もしくは6員ラクトン及びラクタムを形成している]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(VII):
Figure 2010528042
[式中、
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよい]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(VIII):
Figure 2010528042
[式中、
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよい]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(IX):
Figure 2010528042
[式中、
Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよい]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本発明の別の態様では、化合物は、構造式(X):
Figure 2010528042
[式中、
SPは、スペーサーであり;
「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、CH−S−C(O)−CH−CH−であるように選択され、n=1〜7であり;
、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドであるように選択され;場合によっては、R及びRは、同じ炭素上に存在していることがあり;場合によってはR及びRは、一緒になって、O、N、又はSから選択される1又は複数個のヘテロ原子を含有していてもよい5もしくは6員環を形成しており、この環は、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、及びカルボニルから選択される置換基で場合により置換されていてもよい]
又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む。
本明細書に記載されている本発明の化合物は、以下の特徴又は特性の1つ以上を有し得る:
(a)本発明の化合物は、ドパミンD受容体に対して親和性を有し得る;
(b)本発明の化合物は、セロトニン5−HT1A受容体に対して親和性を有し得る;
(c)本発明の化合物は、セロトニン5−HT2A受容体に対して親和性を有し得る;
(d)本発明による化合物は、加水分解酵素によって非酸化的に開裂され得る少なくとも1つの加水分解可能結合を含有している;
(e)この化合物の一次代謝産物は非酸化的代謝経路から生じる;
(f)この一次代謝産物は、親薬物の電気的生理特性に関係なく、血漿中親化合物の通常治療濃度では無視できる程度のHERG(ヒトエーテルアゴーゴー関連遺伝子)カリウムチャネルにおける阻害活性を有する(例えば、HERGカリウムチャネルにおける活性が観測される前は、この代謝産物の濃度は、親化合物の通常治療濃度よりも少なくとも5倍高いはずである);
(g)他の薬物と共投与された場合、本発明の化合物、並びにその代謝産物は、代謝性薬物−薬物相互作用(DDI)の発生を引き起こさない、又はそれが減少している;
(h)単独で投与された場合、本発明の化合物、並びにその代謝産物は、実質的に肝機能検査(LFT)値を上昇させない;
(i)この化合物の経口バイオアベイラビリティは、標準的薬理生理性経口製剤を用いた経口投与と整合性が取れたものであるが、この化合物、並びにその組成物は、時間に関して一定及び制御可能な血液濃度をもたらすいずれの送達システムを用いても投与され得る。
1つの態様では、本発明は、上記で確認された特徴又は特性のうちの任意の2つ以上を有する化合物を提供する。別の態様では、本発明は、上記で確認された特徴又は特性のうちの任意の3つ以上を有する化合物を提供する。なお別の態様では、この化合物、並びにその組成物は、上記で確認された特徴又は特性のうちの4〜7つの任意の組み合わせを有する。好ましくは、本発明の化合物は、9つの特徴又は特性の全部を有する。
好ましくは、本発明化合物の一次代謝産物は、親薬物の電気的生理特性に関係なく、血漿中その薬物の通常治療濃度では無視できる程度のHERGカリウムチャネルにおける阻害活性を有する。言い換えると、HERGカリウムチャネルにおける活性が観測される前は、この代謝産物の濃度は、親化合物の通常治療濃度よりも少なくとも5倍高くあり得る。好ましくは、HERGカリウムチャネルにおける活性が観測される前は、この代謝産物の濃度は、親化合物の通常治療濃度よりも少なくとも10倍高くあり得る。
本発明による化合物は、その構造体中に工作された加水分解可能結合を経由して内生の加水分解酵素によって主に代謝される。この代謝経路から生じる一次代謝産物は水溶性であり、他の医薬(薬物)と共投与された場合、DDIの発生がまったくない、又は低減された発生を示す。本発明に従って化合物中に組み込まれ得る加水分解可能な結合の非限定的な例としては、アミド、エステル、カルバマート、カルボナート、ホスファート、スルファート、尿素、グリコシドや、加水分解酵素によって開裂され得る他の結合が挙げられる。
本明細書に開示されている化合物のさらなる改変は当業者によって容易になされ得る。つまり、例示された化合物の類似体及び塩は、本発明主題の範囲内にある。本発明主題の化合物についての知識があれば、当業者なら、公知の手法を用いて、入手可能な基剤からそのような化合物を合成することができる。用語「類似体」とは、本出願で使われる場合、実質的に別の化合物と同じであるが、例えば、さらなる側基を加えることによって改変されている可能性がある化合物を言う。本出願で使われる用語「類似体」は、実質的に別の化合物と同じであるが、化合物のいくつかの箇所において原子又は分子置換がある化合物を言う場合もある。
本発明の主題は、さらに、エナンチオ異性体として単離された化合物、及びその化合物を含む組成物にも関する。本発明の化合物のうちの単離されたエナンチオ異性体は、もう1つのものを実質的に含まない(すなわち、エナンチオ異性体過剰にある)。言い換えると、この化合物の「R」体は、この化合物の「S」体を実質的に含まない、つまり「S」体のエナンチオ異性体過剰にある。反対に、この化合物の「S」体は、この化合物の「R」体を実質的に含まない、つまり、「R」体のエナンチオ異性体過剰にある。本発明の一実施形態においては、単離されたエナンチオ異性体化合物は、少なくとも約80%エナンチオ異性体過剰である。つまり、例えば、この化合物は、少なくとも約90%エナンチオ異性体過剰、好ましくは少なくとも約95%エナンチオ異性体過剰、より好ましくは少なくとも約97%エナンチオ異性体過剰、又はさらにもっと好ましくは、少なくとも99%又は99%よりも多いエナンチオ異性体過剰である。
本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、スキーム1〜9に図示されている合成方法により得られ得る。当業者なら、本発明の化合物への好ましい合成ルートは、式(I)〜(X)で表されるキノリノンにソフト部分構造を結合させる又は組み込むことからなるものであることを解るであろう。いくつかの方法が、キノリノン誘導体の合成の技術分野では記載されている(例えば、Rajendran,C.らの国際公開第2006/038220号パンフレット、Chava,S.らの国際公開第2006/030446号パンフレット、Paul,S.らの国際公開第2004/099152号パンフレット、Oshiro, Y. et al., J. Med. Chem. 1998, 41, 658-667を参照されたい)。インダノンの合成の技術分野では、当業者なら容易に利用できる他の方法が知られている。スペーサーに結合されたソフト部分構造は市販されており、また確立された手法(例えば、Green et al., "Protective Groupes in Organic Chemistry,"(Wiley , 4th ed., 2006);Harrison et al "Compendium of Synthetic Organic Methods," vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996);"Beilstein Handbook of Organic Chemistry, Frankfurt, Germany;Feiser et al, "Reagents for Organic Synthesis," Volumes 1-45, Karger, 1991; March , Advanced Organic Chemistry," Wiley Interscience, 4th ed., 1991;Larock "Comprehensive Organic Transformations," Wiley-VCH Publishers, 2nd ed., 1999;Paquette, "Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis," John Wiley and Sons, 1st ed., 1995を参照されたい)によっても調製され得る。
したがって、本発明の化合物及びその中間体を調製するのに有用な出発物質は市販されているか又は周知の合成方法によっても調製され得る。本明細書に記載されているキノリノンの他の合成方法は、当該技術分野で記載されているか、又は上記に提供されている参考文献を鑑みると当業者には容易に明らかなものであり、それらを用いることにより本発明の化合物は合成され得る。したがって、本明細書のスキームに提供されている方法は、理解のためというよりむしろ例示のためである。
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリノン誘導体をスキーム1に記載されている1つの方法で調製した。出発ビルディングブロック7−(ヒドロキシル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(1)をSigma−Aldrichから購入した。マイルドな塩基である炭酸カリウム(KCO)/無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の存在下におよそ70℃にてキノリノン1を1,4−ジブロモブタンで処理し、対応するアルキル化されたキノリノン3を70%超の収率で得た。このキノリノン3を、市販の(Sigma−Aldrichから購入)1−(2−メトキシフェニル)ピペラジンヒドロクロリド4とジイソプロピルエチルアミン(ジエア)/アセトニトリルの存在下におよそ60℃にて12時間反応させて、キノリノン5を良好な収率で得た。メトキシフェニル置換キノリノン5を塩化アルミニウムでエタンチオール/ジクロロメタン(DCM)の存在下に処理し、対応するキノリノン6を得た。得られたキノリノンを、末端エステル基7を有する適切なアルキルハライドで炭酸セシウム/DMFを用いた標準的なアルキル化条件下にておよそ70℃でさらに処理し、エステル基を有する対応するキノリノン8をほぼ定量の収率で得た。一般構造7を含む末端エステル基を有するアルキルハライドは市販供給元から購入したか、又は文献で入手可能な周知の方法により調製した。末端エステル基7a〜eを有するアルキルハライドの5つの例をスキーム1に示す。キノリノン8を室温にて塩化水素(HCl)/DCMの2Mエーテル溶液で処理することによってキノリノン8のヒドロクロリド塩9を良好な収率で調製した。
スキーム1
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリノン誘導体をスキーム2に記載されている別の方法で調製した。出発2−ヒドロキシフェニル置換ピペラジン10をSigma−Aldrichから購入した。ピペラジン10を60℃にてジ−t−ブチルカルボナート(BOC)/テトラヒドロフラン(THF)で6時間処理することによりN−BOC保護ピペラジン12を92%超の収率で調製した。このN−BOC保護ピペラジンを、末端エステル基を有する適切なアルキルハライドで、スキーム1に図示されているキノリノン8の合成で記載したようにしてアルキル化し、対応するピペラジン13を良好な収率で得た。室温にてトリフルオロ酢酸(TFA)のDCM中溶液で処理することによる標準的な条件下でBOC基を定量の収率で除去した。得られた遊離塩基中間体をこのあとDIEA/アセトニトリルの存在下に約60℃にてブロモアルコキシ−キノリノン3で処理し、キノリノン誘導体14を良好な収率で得た。キノリノン14をHCl/DCMで処理し、対応するヒドロクロリド塩15を得た。
スキーム2
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリノン誘導体をスキーム3に記載されている別の方法で調製した。適しているN−フェニル置換ピペラジン4を、DIEA/アセトニトリルの存在下に約60℃にて適切なブロモアルキルカルボン酸エステル16でアルキル化し、対応するカルボン酸エステル誘導体17を得た。スキーム3に図示されている標準的な条件下でエステル17を鹸化することによって対応するカルボン酸18をほぼ定量の収率で得た。塩基N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)/DCMの存在下にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いる標準的なエステル又はペプチド結合生成条件下でカルボン酸18を7−ヒドロキシキノリノン1とカップリングさせて、対応するキノリノン19を良好な収率で得た。このキノリノン19をHCl/DCMで処理し、そのヒドロクロリド塩20を生成させた。
スキーム3
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリン誘導体をスキーム4に記載されている別の方法で調製した。エステル官能基を有する適当なピペラジン誘導体17を、還流温度でナトリウムボロヒドリド(NaBH)/エタノール(EtOH)を用いる標準的な還元条件に付し、カルビノール21を良好な収率で得た。このカルビノール21を、DMAP/THFの存在下にDCCを室温で用いる標準的なカップリング条件下でカルボン酸22とカップリングさせて、対応するキノリノン23を良好な収率で生成させた。キノリノン23をHClで処理し、そのHCl塩24を良好な収率で生成させた。
スキーム4
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリン誘導体をスキーム5に記載されている別の方法で調製した。適切なN−BOC保護ピペラジン誘導体13(スキーム2)を室温にてトリフルオロ酢酸/DCMで処理し、対応するピペラジン誘導体25をほぼ定量の収率で得た。このピペラジン25を、塩基DIEA/アセトニトリルの存在下に約60℃にて3−ブロモプロパノール26でアルキル化してカルビノール27を得、これをスキーム4に図示されているキノリノン23の合成に対して記載したようにしてキノリノン22とカップリングさせて、対応するキノリノンエステル28を良好な収率で得た。
スキーム5
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリン誘導体をスキーム6に記載されている別の方法で調製した。キノリノン35を、ベータ−アラニンエチルエステルヒドロクロリド29から出発する6つのステップで合成した。ジ−t−ブチルオキシカルボニルを標準条件下で用いてアミノ酸エステル29をt−ブトキシカルボニル部分構造で保護し、N−BOC誘導体30を得た。ナトリウムボロヒドリド/エタノールを用いた標準的な還元条件にこの化合物30を付して、カルビノール31を良好な収率で得た。このカルビノール31を、塩基ピリジン/DCMの存在下にp−トルエンスルホニルクロリドと反応させて、対応するトシラート32を良好な収率で得た。このトシラート32を、置換されたピペラジン4/(DIEA/N,N−ジメチルホルムアミド[DMF])で処理し、ピペラジン誘導体33を良好な収率で得た。TFA/DCMを用いてこのピペラジン誘導体33上のBOC保護基を開裂させてアミン34を得、これを標準的な反応条件下でキノリノンカルボン酸22とカップリングさせてキノリノンアミド誘導体35を得た。
スキーム6
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリノン誘導体をスキーム7に記載されている別の方法で調製した。エタノール及び触媒量の濃硫酸を用いる標準的なエステル化条件下でこのキノリノンカルボン酸22をそのエチルエステル36に良好な収率で変換させた。このキノリノンエステル36を、ナトリウムボロヒドリド(NaBH)/エタノールを用いる標準的な還元条件に付してカルビノール37を得た。DMAP/THFの存在下にDCCを用いる標準的なカップリング条件下でこのカルビノール37をカルボン酸部分構造を有する適切なピペラジン誘導体18とカップリングさせ、対応するキノリノン38を良好な収率で得た。このキノリノン38をさらにHCl/DCMで処理してそのヒドロクロリド塩39を生成させた。
スキーム7
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む選択されたキノリノン誘導体をスキーム8に記載されている別の方法で調製した。適切なピペラジンカルビノール(n=1、R12=OMe、R13=H)21をスキーム4に図示されているようにして合成した。このカルビノール21をメタンスルホニルクロリド/(トリエチルアミン/DCM)と反応させて対応するメタンスルホニルエステル40を良好な収率で得、これを、塩基ナトリウムヒドリド/THFの存在下におよそ50℃にてカルビノール37とカップリングさせて対応するキノリノン41を得た。
スキーム8
Figure 2010528042
スキーム9
Figure 2010528042
式(I)〜(X)を含む化合物の合成に使用した出発キノリノンカルボン酸22ビルディングブロックをスキーム9に記載されている1つの方法で調製した。発煙硝酸を用いる標準的な条件下で市販の4−ブロモ安息香酸42をニトロ化して4−ブロモ−3−ニトロ安息香酸43を95%超の収率で得た。DMF中、酢酸パラジウム触媒及びリガンドトリフェニルホスフィンの存在下に塩基としてトリエチルアミンを用いてこの安息香酸43をエチルアクリラート44とカップリングさせ、対応するニトロ置換安息香酸誘導体45を90%超の収率で得た。およそ50psi圧力の水素雰囲気下で触媒として活性炭担持パラジウムを用いる水素化条件下でこの化合物45を還元環化してキノリノンカルボン酸22を95%超の収率で得た。
構造式化合物の治療使用
本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病等の関連の精神病を治療するのに有用であるキノリノン系化合物の合成、組成物及び使用方法に関するものである。本発明は、そのようなキノリノン系抗精神病薬の合成方法を提供するものである。本発明は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病等の関連の精神病を治療するためのキノリノン系抗精神病薬剤の使用方法及びキノリノン系抗精神病薬剤の組成物も提供するものである。
本発明によれば、構造式(I)〜(X)の化合物を含有する化合物及び/又は組成物は、統合失調症を病む患者(好ましくはヒト)に投与される。さらに、いくつかの実施形態においては、本発明の化合物及び/又は組成物は、急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病に対する治療又は予防手段として患者(好ましくはヒト)に投与される。
つまり、当業者なら、抗精神病薬が望まれている疾病状態を治療するための構造式(I)〜(X)の化合物及び/又はそれを含有する組成物を容易にアッセイして使用することができる。
治療的/予防的投与
構造式(I)〜(X)の化合物及び/又は該化合物を含有する組成物は、有利には、ヒト医療に使用され得る。ここまでに上記で詳細に述べたように、構造式(I)〜(X)の化合物を含有している化合物及び組成物は、統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病等の関連の精神病を治療するのに有用である。
上記疾患又は障害を治療又は予防するために用いられる場合、本発明の化合物及び/又は組成物は、単独で、他の薬剤との組み合わせで投与又は適用され得る。本発明の化合物及び/又は組成物は、単独で、本発明の他の化合物及び/又は組成物も含めた他の薬学的活性薬剤との組み合わせでも投与又は適用され得る。
本発明は、本発明の組成物及び/又は化合物の治療有効量を患者に投与することによる治療及び予防の方法を提供するものである。患者は、動物であってよく、より好ましくは哺乳動物、さらには最も好ましくはヒトである。
1種以上の本発明の化合物及び/又は組成物を含む、本発明の化合物及び/又は組成物は、好ましくは、経口で投与される。本発明の化合物及び/又は組成物は、他のいずれの都合のよい経路によっても、例えば、注入又はボーラス注射によって、上皮層又は粘膜層(例えば、口内粘膜、直腸粘膜、腸粘膜等)を通した吸収によって投与され得る。投与は全身的又は局所的であり得る。本発明の化合物及び/又は組成物を投与するために用いられ得るさまざまな送達システムが知られている(例えば、リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセル、カプセル等の中へのカプセル化)。投与の方法としては、限定するものではないが、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜上、経口、舌下、鼻内、脳内、膣内、経皮、経直腸、吸入により、又は局所的(特に耳、鼻、目又は皮膚に)が挙げられる。
特に、好ましい実施形態においては、本発明の化合物及び/又は組成物は、持続放出システム経由で、好ましくは経口持続放出システム経由で送達され得る。一実施形態においては、ポンプが用いられ得る(Langer, supra; Sefton, 1987, CRC Crit. Ref Biomed. Eng. 14:201;Saudek et al., 1989, N. Engl. J. Med. 321:574を参照されたい)。
別の実施形態においては、高分子材料が用いられ得る("Medical Applications of Controlled Release," Langer and Wise (eds.), Wiley, New York (1984);Ranger and Peppas, 1983, J. Macromol. Sci. Rev. Macromol Chem. 23:61を参照されたい;Levy et al., 1985, Science 228:190;During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351;Howard et al, 1989, J. Neurosurg. 71:105も参照されたい)。好ましい実施形態においては、高分子材料が経口持続放出型送達に用いられる。好ましい高分子としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースが挙げられる(最も好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)。他の好ましいセルロースエーテルが当該技術分野では記載されている(Bamba et al., Int. J. Pharm., 1979, 2, 307)。
別の実施形態においては、腸溶コート調製物が経口持続放出投与に用いられ得る。好ましいコート用材料としては、pH依存溶解性の高分子(すなわち、pH制御放出)、遅行性又はpH依存性膨潤、溶解もしくは侵蝕速度の高分子(すなわち、時間制御放出)、酵素によって分解される高分子(すなわち、酵素制御放出)、及び圧力の増加によって破壊される堅固層を形成する高分子(すなわち、圧力制御放出)が挙げられる。
さらに別の実施形態においては、浸透型送達システムが経口持続放出投与に用いられる(Verma et al., Drug Dev. Ind. Pharm., 2000, 26:695-708)。好ましい実施形態においては、OROS(登録商標)浸透送達システムが経口持続放出型送達デバイスに対して用いられる(例えば、Theeuwesらの米国特許第3,845,770号明細書;及びTheeuwesらの米国特許第3,916,899号明細書を参照されたい)。
なお別の実施形態においては、制御放出システムが、本発明の化合物及び/又は組成物の標的の近傍に配置され得、したがって全身用量のほんの一部分のみが必要とされる(例えば、Goodson, "Medical Applications of Controlled Release," supra, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照されたい)。Langer, 1990, Science 249:1527-1533に記載されている他の制御放出システムも用いられ得る。
本発明構造式(I)〜(X)の化合物を含有している化合物(及び/又は組成物)は、化学的及び/又は酵素的に開裂され得る。哺乳動物の胃、腸管腔、腸組織、血液、肝臓、脳又は任意の他の適している組織に存在している1種以上の酵素が本発明の化合物及び/又は組成物を酵素的に開裂させ得る。
本発明の組成物
本組成物は、患者に適切に投与するための剤形を作るための薬学的に許容される、適切な量のビヒクルと一緒に、治療有効量の、好ましくは精製された形態の本発明の1種以上の化合物を含有している。患者に投与される場合、本発明の化合物及び薬学的に許容されるビヒクルは、好ましくは、無菌とする。本発明の化合物が静脈内投与される場合は水が好ましいビヒクルである。生理食塩水及びデキストロース並びにグリセロール水溶液も液体ビヒクルとして、特に注射用溶液に用いられ得る。適している医薬ビヒクルとしては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、コメ、メリケン粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールほかのような賦形剤も挙げられる。このような賦形剤、あるいはpH緩衝剤、さらには、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑剤、着色剤も用いられ得る。
本発明の化合物を含む医薬組成物は、通常の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造練和、さらには乳化、カプセル化、包含化又は凍結加工により製造され得る。医薬組成物は、通常の方法で、1種以上の生理的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又は補助剤を用いて(これらは、医薬品として使われ得る調製物への本発明化合物の加工を容易にする)製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与の経路によって決まるものである。
本組成物は、溶液剤、懸濁液剤、エマルジョン剤、錠剤、ピル、ペレット、さらにはカプセル(液体、粉末、持続放出型製剤、座剤、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁液を内臓しているカプセル)、あるいは使用するのに適している任意の他の剤形の形態を取り得る。一実施形態では、医薬として許容されるビヒクルはカプセルである(例えば、Grosswaldらの米国特許第5,698,155号明細書を参照されたい)。適している医薬用ビヒクルの他の例は、当該技術分野に記載されている(Remington's Pharmaceutical Sciences, Philadelphia College of Pharmacy and Science, 17th Edition, 1985を参照されたい)。本発明の好ましい組成物は、経口送達用に、特には経口持続放出投与用に、製剤化される。
例えば、経口送達用の組成物は、錠剤、ドロップ、水性もしくは油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ又はエリキシルの形態であり得る。経口投与される組成物は、1種以上の場合による添加剤、例えば、フルクトース、アスパルテーム又はサッカリンのような甘味剤;医薬として美味な調製物を作るためのペパーミント、ウインターグリーン油等の香味剤あるいはサクランボ色着色剤さらには保存剤を含有していてよい。さらに、錠剤又はピルの剤形では、胃腸管での崩壊及び吸収を遅延させ、それによって長時間に亘っての持続した作用をもたらすために、組成物は、コートされていてもよい。浸透活性推進性化合物を取り囲む選択的透過性膜も経口投与される本発明の化合物には適している。この後者のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの液体が推進性化合物によって吸い込まれ、これが膨潤して、薬剤又は薬剤組成物を開き口から追い出す。このような送達プラットフォームは、速放性製剤のスパイク状プロファイルに対抗する本質的にゼロ次の送達プロファイルをもたらし得る。モノステアリン酸グリセロールやステアリン酸グリセロールのような時間遅延材料も用いられ得る。経口用組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウム サッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムほかのような標準的なビヒクルを含んでいてよい。そのようなビヒクルは、好ましくは、医薬等級のものとする。
例えば、懸濁液剤、エリキシル剤及び溶液剤のような経口液体調製物に適している担体、賦形剤又は希釈剤としては、水、生理食塩水、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)油、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)油、アルコール、pH4〜pH6の弱酸性緩衝液(例えば、約mM〜約50mMの酢酸、クエン酸、アスコルビン酸)等が挙げられる。さらには、香味剤、保存剤、着色剤、胆汁酸塩、アシルカミチン等が加えられてもよい。
他の経路を経ての投与用の組成物も想到され得る。経頬投与には、本組成物は、通常の方法で製剤化された錠剤、ドロップ剤等の形態を取り得る。ネブライザーや液体スプレーデバイスさらにはEHDエアロゾルデバイスで用いるのに適している液体薬物製剤は、典型的には、薬学的に許容されるビヒクルと一緒に本発明の化合物を含むものである。好ましくは、薬学的に許容されるビヒクルは、アルコール、水、ポリエチレングリコール又はペルフルオロ炭素のような液体とする。場合によっては、本発明化合物の溶液又は懸濁液のエアロゾル特性を変えるために別の物質が加えられてもよい。好ましくは、この物質は、アルコール、グリコール、グリセロール又は脂肪酸のような液体である。エアロゾルデバイスで使用するのに適している液体薬物溶液又は懸濁液を製剤化する他の方法は当該業者に知られている(例えば、Biesalskiの米国特許第5,112,598号明細書;Biesalskiの米国特許第5,556,611号明細書を参照されたい)。本発明の化合物は、例えば、カカオ、バター又は他のグリセリドのような通常の座剤基剤を含有している座剤又は貯留浣腸剤等の直腸用又は膣用組成物にも製剤化され得る。ここまでに記載した製剤に加えて、本発明の化合物は、デポー調製物にも製剤化され得る。そのような長期作用性製剤は、埋め込みによって(例えば、皮下的又は筋肉内的に)あるいは筋肉内注射によって投与され得る。つまり、例えば、本発明の化合物は、適している高分子性つまり疎水性材料で製剤化され得るし(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)、あるいは微溶解性の誘導体として(例えば、微溶解性の塩として)製剤化され得る。
本発明の化合物が酸性である場合は、上述した製剤のいずれの中にもその遊離酸、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物として、それは含まれ得る。塩基との反応によって調製され得る薬学的に許容される塩は、実質的にその遊離酸の活性を保持し、対応する遊離酸形よりも、水性溶媒及び他のプロトン性溶媒に、より溶解性である傾向にある。
使用の方法及び用量
本発明の化合物(又はその組成物)は、通常、意図する目的を達成するのに効果がある量で用いられるものである。統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病等の関連の精神病を治療するのに用いるためには、式(I)〜(X)の化合物及び式(I)〜(X)の化合物を含有する組成物は、治療有効量で投与又は適用される。
本明細書に開示されている特定の障害又は病態の治療で効果があるであろう本発明化合物の量は、その障害又は病態の特質によって左右されるものであり、またこれまでに報告されている当技術分野で知られている標準的な臨床手法によっても決定され得るものである。加えて、最適用量範囲を明らかにするのに役立たせるために、インビトロ又はインビボアッセイが場合により用いられ得る。投与される本発明化合物の量は、当然、数ある要因の中でも、治療されている対象、並びに対象の体重、病の重症度、投与の方式さらには処方する医師の判断によって左右されるものである。用量は、例えば、医薬組成物で1回の投与によって、複数回の適用又は制御放出によって送達され得る。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、経口持続放出投与によって送達される。好ましくは、この実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり2回、またより好ましくは、1日当たり1回、投与される。投薬は間欠的に繰り返され得るし、単独であるいは他の薬物との組み合わせで提供され得るし、疾患状態又は障害の効果的な治療に必要とされる限り続けられ得る。
統合失調症並びに急性躁病、双極性障害、自閉性障害及び鬱病等の関連の精神病を薬理的に治療するための構造式(I)〜(X)の化合物及び/又は該化合物を含有する組成物は、1日当たり1又は複数の用量で与えられる0.1mg〜500mg好ましくは1mg〜100mgの範囲で、より好ましくは1日当たり5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、35mg又は50mg、最も好ましくは25mg投与され得る。
本発明の化合物は、ヒトで使用する前に、所望治療又は予防活性について、インビトロ及びインビボで好ましくはアッセイされる。動物モデル系を用いても、本発明の化合物は、効果がありまた安全であることが示され得る。
好ましくは、本明細書に記載されている本発明の化合物の治療有効用量は、実質的に害を生じることなく治療効果をもたらすものとする。本発明の化合物の有害性は標準的な薬学手順を用いて決定され得るものであり、当業者なら容易に確かめることができるものである。有害効果と治療効果間の用量比が治療指数である。疾患及び障害の治療では、本発明の化合物は、好ましくは、特に高い治療指数を呈するものとする。本明細書に記載されている本発明の化合物の用量は、好ましくは、害がほとんど又はまったく無い有効容量を含む循環濃度範囲内のものにする。
組み合わせ療法
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1種の他の治療剤との組み合わせ療法で使用され得る。本発明の化合物及び他の治療剤は、相和的に、又はより好ましくは、相乗的に作用し得るものにする。好ましい実施形態では、本発明の化合物を含む組成物は、同じ組成物の一部分であり得る別の治療剤の投与と並行して投与される。別の実施形態では、本発明の化合物を含む組成物は、別の治療剤の投与の前又は後に投与される。
本発明の化合物並びに組成物の調製及び本発明の化合物及び組成物を用いることについてのアッセイを詳細に説明する以下の実施例により本発明をさらに画定する。当然、当業者には、材料及び方法のいずれに対しても多くの改変が、本発明の範囲から逸脱することなく実施され得ることは明らかであろう。
以下の実施例では、以下の略記号は、記載されている意味を有する。略記号が定義されていない場合は、それは、その一般的に受け入れられている意味を有する。
Atm= 気圧
DCM= ジクロロメタン
DMAP= 4−N,N−ジメチルアミノピリジン
DMF= N,N−ジメチルホルムアミド
g= グラム
h = 時間
L= リットル
LC/MS=液体クロマトグラフィー/質量分光分析
M= モル濃度
mL= ミリリットル
mmol= ミリモル
nM= ナノモル濃度
μM= マイクロモル濃度
MTBE= メチルt−ブチルエーテル
rt= 室温
TEA= トリエチルアミン
THF= テトラヒドロフラン
TFA= トリフルオロ酢酸
(実施例1)
7−(4−ブロモブトキシ)−3,4−ジヒドロキノリノン−2(1H)−オン(3)(スキーム1)
無水炭酸カリウム(KCO)(10.50g、0.075mol)の100mL無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中撹拌懸濁液に7−ヒドロキシキノリノン1(10.00g、0.06mol)、続いて1,4−ジブロモブタン2(25.91g、0.12mol)を加えた。得られた混合物を60℃で12h加熱した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)法により追跡した。室温まで冷却させた後、反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、その沈殿物を酢酸エチル(25mL×2)で洗浄した。合わせた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。この残留物を250mLの酢酸エチルで希釈し、水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。この残留物をヘキサンで粉砕し、次いでその沈殿物を濾過して、不純物を含まない表題の化合物3を得た。白色の固形物、12.88g(72%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.92-1.97 (m, 2H); 2.05-2.10 (m, 2H); 2.64 (t, J = 9.2 Hz, 2H); 2.92 (t, J = 9.2 Hz, 2H); 3.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.98 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 6.37 (d, J = 3.2 Hz, 1H); 6.50-6.54 (m, 1H); 7.04 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 8.61 (broad s, 1H)。
(実施例2)
7−(4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(5)(スキーム1)
アイスバス温度にある7−(4−ブロモブトキシ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(3)(13g、0.0437mol)及び市販の(Sigma−Aldrichから購入)1−(2−メトキシ−フェニル)ピペラジンヒドロクロリド(4)(0.0437mol)の60mL無水アセトニトリル中混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(19mL、0.11mol)を加えた。得られた混合物を一晩(12h)還流した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、その残留物をジクロロメタン(150mL)に溶解させ、水(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この残留物をメチルt−ブチルエーテル(MTBE)で粉砕し、濾過して、対応するキノリノン5を得た。白色の固形物、12.4g(70%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.64-1.86 (4H, m); 2.55 (t, J = 9.2 Hz, 2H); 2.63 (t, J = 9.2 Hz, 2H); 2.75 (broad s, 4H); 2.91 (t, J = 9.2 Hz, 2H); 3.16 (broad s, 4H); 3.88 (s, 3H); 3.98 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 6.32 (d, J = 2.8 Hz, 1H); 6.53 (dd, J = 3.2, 11.2 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 10 Hz, 1H); 6.94-7.06 (m, 4H), 7.83 (broad s, 1H)。MS (ESI):m/z = 410.3 (M+H+)。
(実施例3)
7−(4−(4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(6)(スキーム1)
アイスバス温度に冷却された7−(4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(5)(6.3g、0.015mol)の24mLジクロロメタン+24mLエタンチオール中溶液に塩化アルミニウム(6.15g、0.046mol)を少しずつ加えた。得られた混合物を室温にて12h撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物をデカントし、その粘着性の塊を1h撹拌することによって水に溶解させた。2M水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を加えることによって得られた水溶液のpHをpH=7に調整した。おびただしい量のアセトンを加え、得られた濃厚なペースト状物を濾過し、アセトン、続いてジクロロメタンで洗浄し、合わせた濾液を蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの残留物を精製して、不純物を含まないキノリノン6を得た。白色の固形物、1.3g(20%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.52-1.59 (m, 2H); 1.66-1.73 (m, 2H); 2.32-2.40 (m, 4H), 2.47 (broad s, 4H), 2.75 (t, J = 8 Hz, 2H); 2.90 (broad s, 4H), 3.89 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 6.41 (d, J = 2.4 Hz, 1H); 6.46 (dd, J = 2.4, 8 Hz, 1H); 6.67-6.84 (m, 4H); 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 8.88 (s, 1H); 9.96 (s, 1H)。MS (ESI): m/z = 396.5 (M+H+)。
(実施例4)
エチル4−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート(8a)(スキーム1)
7−(4−(4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(6)(0.2g、0.0005mol)、ハライド7b(0.0005mol)及び炭酸セシウム(0.16g、0.0005mol)の10mL無水DMF中混合物を60℃で12h加熱した。この反応混合物を50mL酢酸エチルで希釈し、濾過し、その沈殿物を酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を水(250mL×2)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、蒸発させて、対応するO−アルキル化化合物8aを得、これを、ヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、不純物を含まない化合物8aを得た。無色の油状物(0.25g、98%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.22-1.26 (m, 3H); 1.79 (broad s, 4H); 2.14 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.53-2.75 (m, 6H); 2.85 (broad s, 4H); 2.87 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 3.16 (broad s, 4H); 3.95 (t, J = 5.2 Hz, 2H); 4.02 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.07-4.16 (m, 2H); 6.34-6.40 (m, 1H); 6.46-6.52 (m, 1H); 6.82-6.84 (m, 1H); 6.90-6.97 (m, 3H); 7.01-7.03 (m, 1H); 8.70 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 510.2 (M+H+)。
(実施例5)
8a(実施例4)の合成に対して記載したのと同じプロトコルに従うことによりイソプロピル4−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート(8b)(スキーム1)を化合物6及びハライド7cから調製した。無色の油状物(0.2g、76%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.19 (d, J = 6.4 Hz, 6H); 1.66-1.71 (m, 2H); 1.75-1.80 (m, 2H); 2.12 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.43-2.51 (m, 6H); 2.56-2.67 (m, 6H); 3.08 (broad s, 4H); 3.93 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.00 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.98 (quintet, J = 6.4 Hz, 1H); 6.35 (d, J = 2.8 Hz, 1H); 6.49 (dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H); 6.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 6.87-6.95 (m, 3H); 6.70 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 8.59 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 524.30 (M+H+)。
(実施例6)
8a(実施例4)の合成に対して記載したのと同じプロトコルに従うことによりエチル3−(2−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)−アセトアミド)プロパノアート(8c)(スキーム1)を化合物6及びハライド7dから調製した。無色の油状物(0.1g、36%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.15 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.35-1.43 (m, 2H); 1.64-1.74 (m, 2H); 1.78-1.83 (m, 2H); 2.52 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 2.58 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 2.69 (broad s, 4H), 2.86 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 3.09 (broad s, 4H); 3.55 (q, J = 6.8 Hz, 2H); 3.94 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.19 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.57 (s, 2H); 6.38 (d, J = 2.4 Hz, 1H); 6.49 (dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H); 6.89-6.92 (m, 1H); 6.98-7.03 (m, 3H); 7.49-7.69 (m, 1H); 8.34 (t, J = 6.0 Hz, 1H); 9.00 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 553.30 (M+H+)。
(実施例7)
8a(実施例4)の合成に対して記載したのと同じプロトコルに従うことによりエチル2−(4−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)−ブタンアミド)アセタート(8d)(スキーム1)を化合物6及びハライド7eから調製した。無色の油状物(0.1g、35%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.35-1.45 (m, 2H); 1.61-1.71 (m, 2H); 1.75-1.80 (m, 2H); 2.14 (quintet, J = 6.6 Hz, 2H); 2.42-2.50 (m, 4H); 2.55 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 2.65 (broad s, 4H); 2.83 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.08 (broad s, 4H); 3.90-3.92 (m, 2H); 4.04 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 4.18 (t, J = 7.0 Hz, 2H); 6.36 (d, J = 2.0 Hz, 1H); 6.47 (dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H); 6.82-6.99 (m, 5H); 8.95 (broad s, 2H)。MS (ESI): m/z = 567.30 (M+H+)。
(実施例8)
エチル4−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアートヒドロクロリド(9a)(スキーム1)
遊離塩基8a(0.1〜0.3g)の2mLジクロロメタン中溶液に4mL 2M HCl溶液/ジエチルエーテルを加えた。この混合物を室温にて30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕し、そうして沈殿した固形物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、対応するヒドロクロリド(HCl)塩9aを得た。この化合物9aは、納得のゆく1H NMRデータを示した。オフホワイトの固形物、0.24g(83%)。MS (ESI): m/z = 510.20 (M+H+)。
(実施例9)
化合物9a(実施例8)に対して記載したのと同じプロトコルに従うことによりイソプロピル4−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアートヒドロクロリド(9b)(スキーム1)を8bから調製した。この化合物9bは、納得のゆく1H NMRデータを示した。オフホワイトの固形物、0.015g(17%)。MS (ESI): m/z = 524.30 (M+H+)。
(実施例10)
化合物9a(実施例8)に対して記載したのと同じプロトコルに従うことによりエチル3−(2−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)−アセトアミド)プロパノアート(9c)(スキーム1)を8cから調製した。この化合物9cは、納得のゆく1H NMRデータを示した。オフホワイトの固形物、0.063g(59%)。MS (ESI): m/z = 553.3 (M+H+)。
(実施例11)
化合物9a(実施例8)に対して記載したのと同じプロトコルに従うことによりエチル2−(4−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)−ブタンアミド)アセタートヒドロクロリド(9d)(スキーム1)を8dから調製した。この化合物9dは、納得のゆく1H NMRデータを示した。茶色の固形物、0.036g(34%)。MS (ESI): m/z = 567.3 (M+H+)。
(実施例12)
t−ブチル4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(12)(スキーム2)
室温にて1−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン(10)(1.78g、0.01mol)の20mLテトラヒドロフラン(ガスバブラーが装着された丸底フラスコ中)中撹拌懸濁液にジ−t−ブチルカルボナート11(2.62g、0.012mol)の10mLテトラヒドロフラン中溶液を加えた。まもなくこれは透明の溶液となり、ガスが出だした。得られた混合物を60℃で6h加熱した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。溶媒を蒸発させ、その残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、水(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、蒸発させた。この残留物をMTBEで粉砕し、濾過して、化合物12を得た。白色の固形物、2.5g(92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.49 (s, 9H); 2.81(t, J = 4.8 Hz, 4H); 3.58 (t, J = 4.8 Hz, 4H); 6.84-6.88 (m, 1H); 6.94-6.99 (m, 1H); 7.06-7.12 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 279.50 (M+H+)。
(実施例13)
t−ブチル4−(2−(2−オキソエトキシ)フェニルピペラジン−1−カルボキシラート(13a)(スキーム2)
t−ブチル4−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(12)(0.5g、0.0018mol)、ハライド7a(0.0035mol)及び炭酸セシウム(0.59g、0.0018mol)の10mL無水DMF中混合物を60℃で12h加熱した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物を50mLの酢酸エチルで希釈し、濾過し、その沈殿物を酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を水(50mL×2)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、蒸発させた。この残留物を、ヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、不純物を含まない化合物13aを得た。無色の油状物、0.4g(61%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.43 (s, 9H); 3.01 (t, J = 4.8 Hz, 4H); 3.56 (t, J = 4.8 Hz, 4H); 4.19 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 4.62 (s, 2H); 6.72-6.75 (m, 1H); 6.86-6.93 (m, 3H)。MS (ESI): m/z = 365.50 (M+H+)。
(実施例14)
化合物13a(実施例13)の合成に対して記載したのと同じプロトコルに従うことにより(S)−t−ブチル4−(2−(2−(1−エトキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルアミノ)−2−オキソエトキシ)フェニル)−ピペラジン−1−カルボキシラート(13b)(スキーム2)を化合物12及びハライド7fから合成した。無色の油状物、0.37g(45%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.83 (d, J = 7.0 Hz, 6H); 0.90 (d, J = 7.0 Hz, 3H); 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 1.47 (s, 9H); 2.08-2.17 (m, 1H); 2.90-3.12 (m, 4H); 3.60-3.70 (m, 4H); 4.15-4.22 (m, 2H); 6.91-6.93 (m, 1H); 6.98-7.04 (m, 2H); 7.50-7.56 (m, 1H)。MS (ESI): m/z = 464.50 (M+H+)。
(実施例15)
エチル2−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)アセタート(14a)(スキーム2)
N−BOC保護ピペラジン13a(0.0015mol)の1:1 トリフルオロ酢酸及びジクロロメタン(15mL)中溶液を室温にて8h(TLCにより追跡)撹拌した。TFA及びDCMを蒸発させた後、その残留物を5mLの無水アセトニトリルに溶解させ、そうしてそのあと、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.5mL、0.003mol)、続いて化合物3(0.45g、0.0015mol)を加えた。得られた混合物を70℃で6h加熱した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。溶媒を蒸発させ;残留物を50mLジクロロメタンで希釈し、水(25mL×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、対応するN−アルキル化生成物14aを、ヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、不純物を含まない化合物14aを得た。無色の油状物、0.2g(28%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.23 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.41-1.72 (m, 2H); 1.75-1.80 (m, 2H); 2.45 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.58 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 2.65 (broad s, 4H); 2.86 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.14 (broad s, 4H); 3.93 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.24 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 4.65 (s, 2H); 6.36 (d, J = 2.4 Hz, 1H); 6.49 (dd, J = 2.8, 8.4 Hz, 1H); 6.75-6.78 (m, 1H); 6.89-6.95 (m, 2H); 7.00 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 7.49-7.69 (m, 1H); 8.91 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 482.20 (M+H+)。
(実施例16)
化合物14a(実施例15)に対して記載したプロトコルを従うことにより(S)−エチル3−メチル−2−(2−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)アセトアミド)ブタノアート(14b)(スキーム2)を化合物3及び13bから合成した。無色の油状物、0.27g(58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.83 (d, J = 7.0 Hz, 3H); 0.90 (d, J = 7.0 Hz, 3H); 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.60-1.69 (m, 2H); 1.74-1.79 (m, 2H); 2.13 (quintet, J = 6.4 Hz, 1H); 2.43 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.55 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.65 (broad s, 4H); 2.82 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.01-3.13 (m, 4H); 3.90 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 4.05 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 4.53-4.56 (m, 1H); 4.60 ( two s, 2H); 6.39 (d, J = 2.4 Hz, 1H); 6.45-6.47 (m, 1H); 6.84-6.87 (m, 1H); 6.92-6.95 (m, 3H); 7.56 (d, J = 9.2 Hz, 1H); 9.46 (broad s, 2H)。MS (ESI): m/z = 581.30 (M+H+)。
(実施例17)
エチル2−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)アセタートヒドロクロリド(15a)(スキーム2)
化合物14a(0.2−0.3g)の2mLジクロロメタン中溶液に4mL 2M HCl溶液/ジエチルエーテルを加えた。この混合物を室温にて30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をMTBEで粉砕し、そうして沈殿した固形物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、対応するヒドロクロリド15aを得た。このヒドロクロリド塩15aは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。オフホワイトの固形物、0.14g(65%)。MS (ESI): m/z = 482.2 (M+H+)。
(実施例18)
化合物15a(実施例17)に対して記載したプロトコルに従って(S)−エチル3−メチル−2−(2−(2−(4−(4−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルオキシ)ブチル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)−アセトアミド)ブタノアート(15b)(スキーム2)を化合物14bから調製した。このヒドロクロリド塩15bは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。オフホワイトの固形物、0.24g(88%)。MS (ESI): m/z = 581.3 (M+H+)。
(実施例19)
エチル3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアート(17a)(スキーム3)
アイスバス温度にあるエチル3−ブロモプロピオナート(16)(5.6mL、0.0437mol)及び1−(2−メトキシフェニル)ピペラジンヒドロクロリド(4a)(0.0437mol)の60mL無水アセトニトリル中混合物に N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(19mL、0.11mol)を加えた。得られた混合物を60℃で一晩撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、その残留物をジクロロメタンに溶解させ、水で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、対応する表題の化合物17aを得、これを、ヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物、12.1g(95%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.23 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 2.51 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.65 (broad s, 4H); 2.74 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.06 (broad s, 4H); 3.83 (s, 3H); 4.11 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.81-6.98 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 293.40 (M+H+)。
(実施例20)
17a(実施例19)に対して記載したプロトコルに従ってエチル3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアート(17b)(スキーム3)をエチル3−ブロモプロピオナート16及びピペラジン4(R12=R13=Cl)から合成した。オフホワイトの固形物、1.6g(11%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 2.51 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.62 (broad s, 4H); 2.73 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.01 (broad s, 4H); 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.89-6.92 (m, 1H); 7.08-7.11 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 331.40 (M+H+)。
(実施例21)
17a(実施例19)に対して記載したプロトコルに従ってエチル4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(17c)(スキーム3)をエチル4−ブロモブタノアート16及びピペラジン4(R12=OMe、R13=H)から合成した。茶色の油状物、9.6g(99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.23 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.82 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.35 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.43 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.63 (broad s, 4H); 3.07 (broad s, 4H); 3.84 (s, 3H); 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.83-6.99 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 307.50 (M+H+)。
(実施例22)
17a(実施例19)に対して記載したプロトコルに従ってエチル4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(17d)(スキーム3)をエチル4−ブロモブタノアート16及びピペラジン4(R12=R13=Cl)から合成した。黄色の油状物、3.2g(93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.83 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.34 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.42 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.61 (broad s, 4H); 3.03 (broad s, 4H); 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.90-6.96 (m, 1H); 7.09-7.14 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 345.40 (M+H+)。
(実施例23)
3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン酸(18a)(スキーム3)
エチル3−(4−(メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアート17a(1.17g、0.004mol)の8mLエタノール中溶液に4mL 2N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物を減圧下のロータリーエバポレーターで濃縮し、その残留物をアイスバス中で冷却させた。フラスコに数片の砕いた氷を導入し、そのあと1N HCl溶液で酸性化した。この反応混合物をNaClで飽和させ、ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、蒸発させて、表題のカルボン酸18aを得、これを、さらに精製することなく次のステップに持って行った。無色の油状物、0.5g(47%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.57 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 2.94 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 3.01 (broad s, 4H); 3.21 (broad s, 4H); 3.83 (s, 3H); 6.87 (d, J = 7.6 Hz, 1H); 6.92 (d, J = 4.0 Hz, 2H); 7.01-7.05 (m, 1H)。MS (ESI): m/z = 265.40 (M+H+)。
(実施例24)
化合物18a(実施例23)に対して記載したプロトコルに従って3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン酸(18b)(スキーム3)をエステル17bから合成した。白色の固形物、1.12g(93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.59 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 2.91 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 2.95 (broad s, 4H); 3.18 (broad s, 4H); 6.96 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H); 7.15-7.23 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 303.30 (M+H+)。
(実施例25)
18a(実施例23)に対して記載した標準的なプロトコルに従って4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン酸(18c)(スキーム3)をエステル17cから調製した。白色の固形物、0.9g(49%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.87 (quintet, J = 5.6 Hz, 2H); 2.60 (t, J = 5.6 Hz, 2H); 2.76 (t, J = 5.6 Hz, 2H); 2.96 (broad s, 4H); 3.20 (broad s, 4H); 3.85 (s, 3H); 6.85-6.92 (m, 3H), 7.00-7.05 (m, 1H)。
(実施例26)
18a(実施例23)に対して記載した標準的なプロトコルに従って4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン酸18d(スキーム3)をエステル17dから調製した。白色の固形物、1.4g(99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.88 (quintet, J = 5.6 Hz, 2H); 2.63 (t, J = 5.6 Hz, 2H); 2.78 (t, J = 5.6 Hz, 2H); 2.95 (broad s, 4H); 3.18 (broad s, 4H); 6.96 (dd, J = 1.6 Hz, 7.6 Hz, 1H); 7.14-7.21 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 317.30 (M+H+)。
(実施例27)
2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(19a)(スキーム3)
4−(4−(メトキシ−フェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン酸(18a)(0.0012mol)及び7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(1)(0.2g、0.0012mol)の25mLジクロロメタン中混合物にジシクロヘキシルカルボジイミド(0.25g、0.0012mol)、続いて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.15g、0.0012mol)を加えた。得られた混合物を3時間還流させた。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を濾過し、その沈殿物をジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を100mL水(50mL×2)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で蒸発させて、表題の化合物19aを得、これを、溶離液として酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物、0.1g(19%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.94 (quintet, J = 8.0 Hz, 2H); 2.48 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 2.56-2.60 (m, 4H); 2.66 (broad s, 4H); 2.89 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.07 (broad s, 4H); 3.82 (s, 3H); 6.59-6.61 (m, 1H); 6.66-6.70 (m, 1H); 6.38-6.98 (m, 4H); 7.03-7.10 (m, 1H)。MS (ESI): m/z = 424.10 (M+H+)。
(実施例28)
19a(実施例27)に対して記載した手順に従って2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(19b)(スキーム3)を化合物18bから合成した。白色の固形物、0.37g(25%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.81 (quintet, J = 8.0 Hz, 2H); 2.39-2.62 (m, 10H); 2.85 (t, J = 9.2 Hz, 2H); 2.97 (broad s, 4H); 6.59 (d, J = 2.8 Hz, 1H); 6.65 (dd, J = 2.8, 11.2 Hz, 1H); 7.08-7.17 (m, 2H); 7.27-7.29 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 462.2 (M+)。MS (ESI): m/z = 462.10 (M+H+)。
(実施例29)
2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアートヒドロクロリド(20a)(スキーム3)
2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル4−(4−(メトキシ−フェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(19a)(0.1g)の2mLジクロロメタン中溶液に4mL 2M HCl溶液/ジエチルエーテルを加えた。この混合物を室温にて30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕し、そうして沈殿した固形物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアートヒドロクロリド20aを得た。このヒドロクロリド塩20aは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.106g(98%)。MS (ESI): m/z = 424.1 (M+H+)。
(実施例30)
化合物20a(実施例29)に対して記載したプロトコルに従って2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアートヒドロクロリド(20b)(スキーム3)を化合物19bから調製した。このヒドロクロリド塩20bは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.11g(98%)。MS (ESI): m/z=462.1 (M+)。
(実施例31)
3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール21a(スキーム4)
エチル3−(4−(メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアート(17a)(0.0048mol)及びナトリウムボロヒドリド(5.4g、0.14mol)の100mL無水エタノール中混合物を一晩(12h)還流させた。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液(25mL×2)及び水(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、3−(4−(メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール(21a)を得、これを、酢酸エチル/メタノールの0〜50%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。白色の固形物、0.6g(50%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.75 (quintet, J = 5.2 Hz, 2H); 2.69 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.74 (broad s, 4H); 3.08 (broad s, 4H); 3.82 (t, J = 5.2 Hz, 2H); 3.85 (s, 3H); 5.35 (broad s, 1H); 6.84-6.86 (m, 1H); 6.90-6.93 (m, 2H); 6.97-7.02 (m, 1H)。MS (ESI): m/z = 251.40 (M+H+)。
(実施例32)
21a(実施例31)に対して記載したプロトコルに従って3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール(21b)(スキーム4)を17bから合成した。白色の固形物、0.96g(69%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.76 (quintet, J = 5.2 Hz, 2H); 2.70 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.73 (broad s, 4H); 3.05 (broad s, 4H); 3.83 (t, J = 5.2 Hz, 2H); 5.25 (broad s, 1H); 6.93 (dd, J = 2.4, 6.8 Hz, 1H); 7.11-7.16 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 289.30 (M+H+)。
(実施例33)
21a(実施例31)に対して記載したプロトコルに従って4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン−1−オール(21c)(スキーム4)を17cから合成した。無色の油状物、0.8g(93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.59-1.66 (m, 4H); 2.41-2.43 (m, 2H); 2.68 (broad s, 4H); 3.08 (broad s, 4H); 3.54-3.55 (m, 2H); 3.81 (s, 3H); 5.76 (broad s, 1H); 6.79-6.97 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 265.40 (M+H+)。
(実施例34)
21a(実施例31)に対して記載したプロトコルに従って4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタン−1−オール(21d)(スキーム4)を17dから合成した。無色の油状物、1.0g(77%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.60-1.67 (m, 4H); 2.42-2.44 (m, 2H); 2.66 (broad s, 4H); 3.04 (broad s, 4H); 3.54-3.56 (m, 2H); 5.76 (broad s, 1H); 6.89-6.93 (m, 1H); 7.06-7.12 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 303.40 (M+H+)。
(実施例35)
3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート23a(スキーム4)
2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸(22)(0.43g、0.0022mol)、3−(4−(メトキシ−フェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール(21a)(0.6g、0.0022mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.45g、0.0022mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.27g、0.0022mol)の15mL THF中混合物を40℃で一晩(12h)撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を蒸発させ、その残留物をDCMで希釈し、濾過して尿素を除去し、DCMで洗浄し、合わせた濾液及び洗浄液を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、対応する表題の化合物23aを得、これを、酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。オフホワイトの固形物、0.21g(31%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.00 (quintet, 6.8 Hz, 2H); 2.58 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.65 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.67 (broad s, 4H); 3.02 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 3.09 (broad s, 4H); 3.85 (s, 3H); 4.39 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 6.84-7.01 (m, 4H); 7.22-7.27 (m, 1H); 7.44 (s, 1H); 7.66 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H); 8.26 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 424.20 (M+H+)。
(実施例36)
化合物23a(実施例35)に対して記載したプロトコルに従って3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート(23b)(スキーム4)を化合物21b及びカルボン酸22から合成した。白色の固形物、0.29g(28%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.00 (quintet, 6.8 Hz, 2H); 2.59 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.66 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.68 (broad s, 4H); 3.02 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 3.06 (broad s, 4H); 4.41 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 6.93-6.95 (m, 1H); 7.11-7.16 (m, 2H); 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 7.46 (d, J = 1.2 Hz, 1H); 7.67 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H); 8.32 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 462.10 (M+H+)。
(実施例37)
化合物23a(実施例35)に対して記載したプロトコルに従って4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブチル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート(23c)(スキーム4)を化合物21c及びカルボン酸22から合成した。オフホワイトの固形物、0.085g(13%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.66-1.72 (m, 2H); 1.78-1.84 (m, 2H); 2.47 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.63-2.67 (m, 6H); 3.01 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.09 (broad s, 4H); 3.84 (s, 3H); 4.34 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 6.83-7.00 (m, 4H); 7.21 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 7.47 (s, 1H); 7.66 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H); 8.61 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 438.20 (M+H+)。
(実施例38)
化合物23a(実施例35)に対して記載したプロトコルに従って4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブチル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート(23d)(スキーム4)を化合物21d及びカルボン酸22から合成した。白色の固形物、0.26g(29%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.63-1.69 (m, 2H); 1.77-1.82 (m, 2H); 2.47 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.62-2.66 (m, 6H); 3.00 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.04 (broad s, 4H); 4.20 (t, J = 5.6 Hz, 2H); 6.92 (dd, J = 3.2, 6.4 Hz, 1H); 7.08-7.12 (m, 1H); 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 7.49-7.52 (m, 1H); 7.64 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H); 7.69 (dd, J = 3.2, 6.0 Hz, 1H); 8.88 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 476.40 (M+H+)。
(実施例39)
3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラートヒドロクロリド(24a)(スキーム4)
遊離塩基23a(0.1g)の2mLジクロロメタン中溶液に4mL 2M HCl溶液/ジエチルエーテルを加えた。この混合物を室温にて30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕し、そうして沈殿した固形物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、対応するヒドロクロリド24aを得た。このヒドロクロリド塩24aは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.1g(92%)。MS (ESI): m/z = 424.2 (M+H+)。
(実施例40)
化合物24a(実施例39)に対して記載したプロトコルに従って3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラートヒドロクロリド(24b)(スキーム4)を23bから調製した。このヒドロクロリド塩24bは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.1g(93%)。MS (ESI): m/z=462.1 (M+)。
(実施例41)
化合物24a(実施例39)に対して記載したプロトコルに従って4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブチル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラートヒドロクロリド(24c)(スキーム4)を23cから調製した。このヒドロクロリド塩24cは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。オフホワイトの固形物、0.04g(43%)。MS (ESI): m/z = 438.2 (M+H+)。
(実施例42)
化合物24a(実施例39)に対して記載したプロトコルに従って4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブチル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラートヒドロクロリド(24d)(スキーム4)を化合物23dから調製した。このヒドロクロリド塩24dは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.1g(93%)。MS (ESI): m/z = 476.4 (M+)。
(実施例43)
化合物13a(スキーム2、実施例13)に対して記載したのと同じプロトコルに従ってt−ブチル4−(2−(4−エトキシ−4−オキソブトキシ)フェニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(13c)(スキーム5)を化合物12及び7bから合成した。無色の油状物、1.6g(99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.46 (s, 9H); 2.13 (quintet, J = 6.8 Hz, 2H); 2.51 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.98 (t, J = 4.4 Hz, 4H); 3.57 (t, J = 4.4 Hz, 4H); 4.02 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 4.11 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.82-6.97 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 393.50 (M + H+)。
(実施例44)
エチル4−(2−(ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート(25)(スキーム5)
t−ブチル4−(2−(4−エトキシ−4−オキソブトキシ)フェニル)ピペラジン−1−カルボキシラート13c(0.5g)の1mL DCM中溶液に1mLトリフルオロ酢酸を加えた。得られた混合物をrtにて1h撹拌した。反応混合物の色が黒くなり、ガスが出だした。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、その残留物を、砕いた氷と重炭酸ナトリウム(NaHCO)の混合物に注ぎ入れた。この水層をDCMで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、エチル4−(2−(ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート25を得た。この化合物25を、さらに精製することなく次のステップに持って行った。茶色の油状物、0.37g(99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 2.13 (quintet, J = 6.8 Hz, 2H); 2.51 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.08 (broad s, 8H); 4.02 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 4.11 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.82-6.97 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 293.50 (M + H+)。
(実施例45)
エチル4−(2−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート(27)(スキーム5)
エチル4−(2−(ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート25(0.48g、0.0016mol)の60mLアセトニトリル中撹拌溶液にDIEA(0.56mL、0.0032mol)、続いて3−ブロモ−1−プロパノール26(0.14mL、0.0016mol)を加え、得られた混合物を60℃で6h撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を濃縮し、その残留物をDCM(50mL)で希釈した。反応混合物を水(50mL×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの残留物を精製して、不純物を含まないエチル4−(2−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート27を得た。茶色の油状物、0.39g(63%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 2.00 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.13 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.51 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.08 (broad s, 8H); 3.54 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.02 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.11 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 4.13-4.18 (m, 2H); 6.83-7.25 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 351.50 (M + H+)。
(実施例46)
3−(4−(2−(4−エトキシ−4−オキソブトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート(28)(スキーム5)
2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸22(0.21g、0.001mol)、エチル4−(2−(4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)ブタノアート27(0.38g、0.001mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.21g、0.001mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.12g、0.001mol)の20mL THF中混合物を室温にて12時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を蒸発させ;その残留物をDCM(25mL)で希釈した。濾液を飽和NaHCO水溶液(25mL×2)及び水(25mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの残留物を精製して、不純物を含まない3−(4−(2−(4−エトキシ−4−オキソブトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート28を得た。無色の油状物、0.075g(13%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.99 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.13 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.50-2.65 (m, 8H); 2.99 (t, J = 7.6 Hz, 4H); 3.08 (broad s, 4H); 4.01 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 4.38 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 6.81-6.89 (m, 4H); 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 7.50 (d, J = 1.6 Hz, 1H); 7.64 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H, 9.00 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 524.50 (M + H+)。
(実施例47)
エチル3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノアート(30)(スキーム6)
室温にて、アイスバス温度にあるβ−アラニンエチルエステルヒドロクロリド(29)(2g、0.01mol)の20mL THF中撹拌懸濁液にトリエチルアミン(2.8mL、0.02mol)、続いてジ−t−ブチルカルボナート(11)(2.62g、0.012mol)の10mL THF中溶液を加えた。得られた混合物を60℃で6h加熱した。反応混合物を濾過(トリエチルアミンヒドロクロリド塩を取り除くために)し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。その残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解させ、水(25mL×2)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、蒸発させて、不純物を含まない化合物30を得た。無色の油状物(2.8g、99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.19 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 1.36 (s, 9H); 2.43 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 3.48 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 4.07 (q, J = 7.2 Hz, 2H)。MS (ESI): m/z = 218.4 (M + H+)。
(実施例48)
化合物21a(スキーム4、実施例31)に対して記載したプロトコルに従ってt−ブチル3−ヒドロキシプロピルカルバマート(31)(スキーム6)を化合物30から調製した。無色の油状物(2.03g、90%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.36 (s, 9H); 1.59 (quintet, J = 6.0 Hz, 2H); 3.17-3.22 (m, 2H); 3.52-3.57 (m, 2H); 4.90 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 176.3 (M + H+)。
(実施例49)
3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル4−メチルベンゼンスルホナート(32)(スキーム6)
アイスバス温度にあるt−ブチル−3−ヒドロキシプロピルカルバマート31(2.03g、0.008mol)の20mLジクロロメタン中撹拌溶液にp−トルエンスルホニルクロリド(2.34g、0.012mol)、続いてピリジン(0.97mL、0.012mol)を加えた。得られた混合物を0℃で6h撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL×2)、水(25mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチルの勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの残留物を精製して、不純物を含まない化合物32を得た。無色の油状物(2.2g、57%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.37 (s, 9H); 1.80 (quintet, J = 6.0 Hz, 2H); 2.40 (s, 3H); 3.08-3.18 (m, 2H); 4.00-4.07 (m, 2H); 7.30-7.32 (m, 2H); 7.75 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 2H)。MS (ESI): m/z = 230.3 (M+ H+ - tBuCO2)。
(実施例50)
t−ブチル3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピルカルバマート(33)(スキーム6)
アイスバス温度にある3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル4−メチルベンゼンスルホナート(32)(0.5g、0.0015mol)の10mL無水DMF中溶液にDIEA(0.8mL、0.0045mol)、続いて1−(2−メトキシフェニル)ピペラジンヒドロクロリド(4)(0.35g、0.0015mol)を加えた。得られた混合物を室温まで到達させ、そのあと80℃に一晩(12h)加熱した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。この反応混合物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)、水(25mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、蒸発させた。この残留物を、ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、不純物を含まない化合物33を得た。無色の油状物(0.3g、57%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.42 (s, 9H); 1.68 (quintet, J = 6.8 Hz, 2H); 2.47 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 2.48 (broad s, 4H); 3.07 (broad s, 4H); 3.50-3.54 (m, 2H); 3.83 (s, 3H); 6.83-7.04 (m, 4H)。MS (ESI): m/z = 350.5 (M + H+)。
(実施例51)
化合物14a(スキーム2、実施例15)の調製の際の中間体に対して記載したプロトコルに従って3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−アミン(34)(スキーム6)を化合物33から調製した。無色の油状物(0.25g、90%)。MS (ESI): m/z = 250.4 (M + H+)。
(実施例52)
化合物23(スキーム4、実施例35)に対して記載したプロトコルに従ってN−(3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピル)−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキサミド(35)(スキーム6)を3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−アミン(34)及び2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸(22)から調製した。無色の油状物(0.1g、20%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.67 (quintet, J = 6.4 Hz, 2H); 1.73-1.78 (m, 2H); 2.62 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 2.70 (broad s, 4H); 3.05-3.08 (m, 5H); 3.47-3.49 (m, 2H); 3.85 (s, 3H); 4.21 (t, J = 5.6 Hz, 2H); 6.86 (d, J = 7.6 Hz, 1H); 6.92-6.95 (m, 2H); 6.98-7.03 (m, 1H); 7.35 (d, J = 1.2 Hz, 1H); 7.52 (dd, J = 6.0, 3.6 Hz, 1H); 7.70 (dd, J = 6.0, 3.6 Hz, 1H)。MS (ESI): m/z = 404.5 (M+ - H2O)。
(実施例53)
エチル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート(36)(スキーム7)
室温にて2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸(22)(6g、1mol)の120mL無水エタノール中懸濁液に1.2mL濃硫酸を加えた。得られた混合物を還流にて48h(懸濁液が透明な溶液となるまで)撹拌した。溶媒を蒸発させた。この残留物をジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、蒸発させた。残留物をMTBEで粉砕し、濾過して、不純物を含まないカルボキシラート36を得た。白色の固形物、5.7g(83%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.38 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 2.66 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 3.02 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 4.37 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 7.48 (s, 1H); 7.67 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H); 8.59 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 220.30 (M+H+)。
(実施例54)
7−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(37)(スキーム7)
エチル2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート(36)(4.8g、0.022mol)及びナトリウムボロヒドリド(12.5g、0.039mol)の250mLエタノール中混合物を一晩還流させた。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を蒸発させた。残留物をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液(25mL×2)及び水(25mL×2)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによりこの残留物を精製して、不純物を含まないヒドロキシメチルキノリノン37を得た。白色の固形物、0.85g(22%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.40 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.81 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 4.38 (d, J = 5.6 Hz, 2H); 5.11 (t, J = 5.6 Hz, 1H); 6.80-6.82 (m, 2H); 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 10.04 (s, 1H)。MS (ESI): m/z = 178.30 (M+H+)。
(実施例55)
(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアート(38a)(スキーム7)
7−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(37)(0.15g、0.0008mol)、カルボン酸18a(0.001mol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.2g、0.001mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.12g、0.001mol)の15mL THF中混合物を40℃で一晩(12h)撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を蒸発させた。残留物をDCMで希釈し、濾過してその沈殿物を除去し、飽和NaHCO水溶液(25mL)及び水(25mL×2)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で蒸発させて、対応する表題の化合物38aを得、これを、ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物、0.064g(18%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.55-2.60 (m, 4H); 2.64 (broad s, 4H); 2.76 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.93 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.02 (broad s, 4H); 3.72 (s, 3H); 5.05 (s, 2H); 6.81-6.84 (m, 2H); 6.88-6.90 (m, 2H); 6.95-6.98 (m, 2H); 7.07-7.12 (m, 1H); 9.14 (s, 1H)。MS (ESI): m/z = 423.50 (M+H+)。
(実施例56)
化合物38a(実施例55)に対して記載したプロトコルに従って(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアート(38b)(スキーム7)をカルビノール37及びカルボン酸18bから調製した。無色の油状物、0.39g(99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.55-2.60 (m, 4H); 2.62 (broad s, 4H); 2.78 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.93 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.00 (broad s, 4H); 5.05 (s, 2H); 6.83 (s, 1H); 6.90-6.93 (m, 1H); 6.98 (dd, J = 1.2, 7.6 Hz, 1H); 7.09-7.13 (m, 3H); 9.22 (broad s, 1H)。MS (ESI): m/z = 462.10 (M+H+)。
(実施例57)
化合物38a(実施例55)に対して記載したプロトコルに従って(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(38c)(スキーム7)をカルビノール37及びカルボン酸18cから調製した。無色の油状物、0.15g(41%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.84 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.38-2.54 (m, 4H); 2.58-2.60 (m, 6H); 2.95 (t, J = 8.4 Hz, 2H); 3.03 (broad s, 4H); 3.80 (s, 3H); 5.02 (s, 2H); 6.80-6.94 (m, 4H); 7.09 (d, J = 7.6 Hz, 1 H); 9.30 (m, 1H)。MS (ESI): m/z = 438.20 (M+H+)。
(実施例58)
化合物38a(実施例55)に対して記載したプロトコルに従って(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(38d)(スキーム7)をカルビノール37及びカルボン酸18dから調製した。白色の固形物、0.2g(50%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.85 (quintet, J = 7.2 Hz, 2H); 2.39-2.42 (m, 4H); 2.59-2.63 (m, 6H); 2.94 (t, J = 8.4 Hz, 2H); 3.01 (broad s, 4H); 5.04 (s, 2H); 6.83 (d, J = 1.6 Hz, 1H); 6.90-6.93 (m, 1H); 6.96 (dd, J = 1.2, 7.6 Hz, 1H); 6.97-7.13 (m, 3H); 9.29 (s, 1H)。MS (ESI): m/z = 476.10 (M+H+)。
(実施例59)
(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−プロパノアートヒドロクロリド(39a)(スキーム7)
遊離塩基38a(0.1g)の2mLジクロロメタン中溶液に 4mL 2M HCl溶液/ジエチルエーテルを加えた。この混合物を室温にて30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕し、そうして沈殿した固形物を濾過し、エーテルで洗浄し、空気乾燥させて、対応するヒドロクロリド39aを得た。このヒドロクロリド塩39aは、納得のゆく1H NMRスペクトルデータを示した。オフホワイトの固形物、0.03g(43%)。MS (ESI): m/z = 423.5 (M+)。
(実施例60)
化合物39a(実施例59)に対して記載したプロトコルに従って(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル3−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパノアートヒドロクロリド(39b)(スキーム7)を化合物38bから調製した。このヒドロクロリド塩39bは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.4g(93%)。MS (ESI): m/z = 462.1 (M+)。
(実施例61)
化合物39a(実施例49)に対して記載したプロトコルに従って(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル4−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアートヒドロクロリド(39c)(スキーム7)を化合物38cから調製した。このヒドロクロリド塩39cは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.05g(31%)。MS (ESI): m/z = 438.2 (M+H+)。
(実施例62)
化合物39a(実施例49)に対して記載したプロトコルに従って(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メチル4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブタノアート(39d )(スキーム7)を化合物38dから調製した。このヒドロクロリド塩39dは、納得のゆくH NMRスペクトルデータを示した。白色の固形物、0.1g(93%)。MS (ESI): m/z = 476.1 (M+)。
(実施例63)
3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピルメタンスルホナート(40)(スキーム8)
アイスバス温度にある3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール21(0.1g、0.0004mol)及び0.1mLのトリエチルアミンの10mL無水ジクロロメタン中撹拌溶液にメタンスルホニルクロリド(0.034mL、0.00044mol)を滴下で加えた。得られた混合物をゆっくり室温まで昇温させ、そこで3h撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーにより追跡した。この反応混合物を50mLの水で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL×2)、続いてブライン(25mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、蒸発させた。この残留物を、ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲル短カラムクロマトグラフィーにより精製して、不純物を含まない化合物40を得た。無色の油状物(0.1g、76%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.65 (quintet, J = 6.4 Hz, 2H); 3.05 (s, 3H); 3.10-3.20 (broad s, 4H); 3.30-3.40 (broad s, 4H); 3.83 (s, 3H); 4.18 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 4.38 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 6.83-6.91 (m, 3H); 6.99-7.04 (m, 1H)。MS (ESI): m/z = 329.4 (M + H+)。
(実施例64)
7−((3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロポキシ)メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(41)(スキーム8)
水素化ナトリウム(0.019g、0.0004mol)の5mL無水THF中撹拌懸濁液に アイスバス温度にある3−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)プロピルメタンスルホナート(40)(0.13g、0.0004mol)の5mL THF中溶液 、続いて7−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(37)(0.07g、0.0004mol)の5mL THF中溶液を滴下で加えた。添加が完了した後、得られた反応混合物を室温まで昇温させ、50℃で6h撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡した。反応混合物を蒸発させ、50mL酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO水溶液(25mL)、続いてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチルの0〜100%勾配を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの残留物を精製して、不純物を含まない化合物41を得た。無色の油状物(0.1g、62%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.88 (quintet, J = 6.8 Hz, 2H); 2.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.59 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.66 (broad s, 4H); 2.84 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.06 (broad s, 4H); 3.83 (s, 3H); 3.98 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 4.63 (s, 2H); 6.82-6.84 (m, 2H); 6.88-6.99 (m, 4H); 7.08-7.10 (m, 2H)。MS (ESI): m/z = 410.5 (M + H+)。
(実施例65)
4−ブロモ−3−ニトロ安息香酸(43)(スキーム9)
発煙硝酸(12.4mL、0.3mol)を0〜5℃にある濃硫酸(30.1mL、0.6mol)にゆっくり加えた。この冷却されたニトロ化用混合物を、機械式撹拌器及び添加用漏斗が装着されたビーカーに入れた。この混合物に4−ブロモトルイル酸42(40g、0.2mol)を、温度を0〜5℃に維持するような速度で少しずつ5時間かけて加えた。この反応混合物をさらなる2h室温にてさらに撹拌し、そのあと氷上に注いだ。分離した固形物を濾過し、酸がなくなるまで水で洗浄し、そのあと恒量まで空気乾燥させて、不純物を含まない化合物43を得た。白色の固形物(47.2g、96%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.85 (d, J = 12.0 Hz, 1H); 8.09 (d, J = 12.0 Hz, 1H); 8.48 (s, 1H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ 124.2, 132.1, 135.2, 138.0, 139.8, 159.8, 171.0。
(実施例66)
4−(3−エトキシ−3−オキソプロパ−1−エニル)−3−ニトロ安息香酸(45)(スキーム9)
4−ブロモ−3−ニトロ安息香酸(43)(30g、0.12mol)、酢酸パラジウム(II)(1.1g、49mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.27g、49mmol)/100mL DMFにトリエチルアミン(25.2mL、0.2mol)及びエチルアクリラート(44)(20mL、0.2mol)を加えた。この反応物を110℃で12h撹拌し、室温まで冷却させて、トルエン(150mL)が入っている分離漏斗に注ぎ入れた。この混合物を1N HCl(100mL)及び水(2×150mL)で洗浄した。この有機抽出物を濃縮して、不純物を含まない化合物45を得た。白色の固形物(29.5g、92%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 4.30 (q, J = 7.2 Hz, 2H); 6.45 (d, J = 14.4 Hz, 1H); 7.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 8.15 (d, J = 14.4 Hz, 1H); 8.35 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 8.75 (s, 1H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ 14.5, 62.0, 125.5, 126.0, 129.0, 131.2, 134.2, 135.4, 139.0, 148.2, 165.5, 169.0。
(実施例67)
2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸(22)(スキーム9)
窒素雰囲気下にある10%Pd/C(100mg)に4−(3−エトキシ−3−オキソプロパ−1−エニル)−3−ニトロ安息香酸(45)(29g、0.11mol)の75mLメタノール溶液を加え、50psi H雰囲気に12h保持した。この反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、その濾液を濃縮して、不純物を含まない化合物22を得た。オフホワイトの固形物(20.9g、96%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.44 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 2.90 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 7.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H); 7.44 (s, 1H); 7.47 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H); 10.22 (broad s, 1H); 12.85 (broad s, 1H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3): δ 24.8, 30.0, 115.1, 123.5, 127.8, 127.9, 129.0, 139.0, 167.5, 169.0。
(実施例68)
インビトロ薬理結果
本発明で述べ、上記で合成した、式(I)〜(X)を含むキノリノン誘導体をインビトロ薬理アッセイにより試験し、そのドパミンD2S、セロトニン5−HT1A及びセロトニン5−HT2A受容体に対する活性を評価した。このインビトロアッセイプロトコル及び参考文献をここに述べる。
ドパミンD2S(ヒト組み換え型)結合アッセイ:
材料及び方法:
受容体源:CHO細胞中に発現させたヒト組み換え型
放射性リガンド:[H]スピペロン(Spiperone)(20〜60Ci/mmol)
対照化合物:ハロペリドール(Haloperidol)
インキュベーション条件:
反応は、120mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl、1mM EDTA含有50mM TRIS−HCl(pH7.4)中で60分間25℃で行った。反応は、グラスファイバーフィルターへの急速真空濾過により停止させた。フィルターにトラップされた放射能を測定し、対照値と比較して、クローンドパミン−D短結合部位と試験化合物との相互作用を確定した(参考文献:Jarvis, K. R. et al. Journal of Receptor Research 1993, 13(1-4), 573-590;Gundlach, A. L. et al. Life Sciences 1984, 35, 1981-1988)。
セロトニン5HT1A(ヒト組み換え型)結合アッセイ:
材料及び方法:
受容体源:HEK−293細胞中に発現させたヒト組み換え型
放射性リガンド:[H]−8−OH−DPAT(221Ci/mmol)
対照化合物:8−OH−DPAT
インキュベーション条件:
反応は、10mM MgSO、0.5mM EDTA及び0.1%アスコルビン酸含有50mM TRIS−HCl(pH7.4)中室温で1時間行った。反応は、グラスファイバーフィルターへの急速真空濾過により停止させた。フィルターにトラップされた放射能を測定し、対照値と比較して、クローンセロトニン−5HT1A結合部位と試験化合物との相互作用を確定した(参考文献:Hoyer, D. et al. Eur. Journal Pharmacol. 1985, 118, 13-23;Schoeffter, P. and Hoyer, D. Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmac. 1989, 340, 135-138)。
セロトニン、5HT2A(ヒト)結合アッセイ:
材料及び方法:
受容体源:ヒト皮質
放射性リガンド:[H]−ケタンセリン(Ketanserin)(60〜90Ci/mmol)
対照化合物:ケタンセリン(Ketanserin)
インキュベーション条件:
反応は、50mM TRIS−HCl(pH7.6)中室温で90分間行った。反応は、グラスファイバーフィルターへの急速真空濾過により停止させた。フィルターにトラップされた放射能を測定し、対照値と比較して、セロトニン−5HT2A結合部位と試験化合物との相互作用を確定した(参考文献:Leysen, J. E. et al. Mol. Pharmacol. 1982, 21, 301-314;Martin, G. R. and Humphrey, P. P. A. Neuropharmacol. 1994, 33(3/4), 261-273)。
ドパミン−D2S及びセロトニン−5HT1Aについての放射性リガンド結合アッセイは6つの異なる濃度で行い、その試験濃度は1nM、5nM、10nM、50nM、100nM及び500nMであった。セロトニン−5HT2Aについての放射性リガンド結合アッセイは7つの異なる濃度で行い、その試験濃度は5nM、10nM、50nM、100nM、500nM、1uM、及び300uMであった。
放射性リガンド結合アッセイによる選択された化合物のインビトロ薬理活性を以下の表に報告する。
Figure 2010528042
好ましい実施形態及びさまざまな代替の実施形態により本発明を詳細に示しまた述べてきたが、当業者なら、本発明には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくさまざまな形態及び詳細の変更がなされ得ることを理解するだろう。本出願で引用された発行済みの特許及び文献は、すべて、ここにおいてこの言及によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (38)

  1. 構造式(I):
    Figure 2010528042
    [式中、
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもある]
    を含む化合物であって、ソフト部分構造を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  2. ソフト部分構造が、アミド、エステル、カルボナート、ホスファート、スルファート、又はカルバマートである、請求項1に記載の化合物。
  3. ソフト部分構造が、さらにスペーサーを含む、請求項2に記載の化合物。
  4. スペーサーが、O、S、アルキル、置換されたアルキル、アシル、アシルアミノ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、又はアルコキシカルボニルである、請求項3に記載の化合物。
  5. スペーサーがアルキル又は置換されたアルキルである、請求項4に記載の化合物。
  6. 構造式(II):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもあり;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;そして
    は、アルキル、置換されたアルキルであって、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を形成しており、又はR及びRは、一緒になって、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  7. スペーサーが、O、S、アルキル、置換されたアルキル、アシル、アシルアミノ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、又はアルコキシカルボニルである、請求項6に記載の化合物。
  8. スペーサーが、アルキル又は置換されたアルキルである、請求項7に記載の化合物。
  9. 及びRが、5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、請求項6に記載の化合物。
  10. 環が、O、N、又はSからなる群から選択されるヘテロ原子を含む、請求項9に記載の化合物。
  11. 環が、置換基で置換されている、請求項9に記載の化合物。
  12. 置換基が、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、又はカルボニルである、請求項11に記載の化合物。
  13. 及びRが、5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、請求項6に記載の化合物。
  14. 環が、O、N、又はSからなる群から選択されるヘテロ原子を含む、請求項13に記載の化合物。
  15. 環が、置換基で置換されている、請求項13に記載の化合物。
  16. 置換基が、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、ヒドロキシル、又はカルボニルである、請求項15に記載の化合物。
  17. 及びRが、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している、請求項6に記載の化合物。
  18. ラクトン又はラクタムが、置換基で置換されている、請求項17に記載の化合物。
  19. 置換基が、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、又はカルボニルである、請求項18に記載の化合物。
  20. 構造式(III):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもあり;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;そして
    は、アルキル、置換されたアルキルであって、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、又はR及びRは、一緒になって、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  21. 構造式(IV):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであることがあり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R、及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもあり;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;そして
    は、アルキル、置換されたアルキルであるように選択され、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、又はR及びRは、一緒になって、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  22. 構造式(V):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであり;そして
    は、アルキル、置換されたアルキルであって、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、又はR及びRは、一緒になって、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  23. 構造式(VI):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもあり;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキルであるように選択され;そして
    は、アルキル、置換されたアルキルであって、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、又はR及びRは、一緒になって、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  24. 構造式(VII):
    Figure 2010528042
    [式中、
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;そして
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもある]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  25. 構造式(VIII):
    Figure 2010528042
    [式中、
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;そして
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもある]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  26. 構造式(IX):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;そして
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもある]
    化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  27. 構造式(X):
    Figure 2010528042
    [式中、
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;そして
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもある]
    を含む化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  28. 化合物が、
    (a)ドパミンD受容体に対して親和性を有している;
    (b)セロトニン5−HT1A受容体に対して親和性を有している;
    (c)セロトニン5−HT2A受容体に対して親和性を有している;
    (d)加水分解酵素によって非酸化的に開裂され得る少なくとも1つの加水分解可能結合を有している;
    (e)非酸化的代謝経路から生じる一次代謝産物を有している;
    (f)血漿中親薬物の通常治療濃度では無視できる程度のHERG(ヒトエーテルアゴーゴー関連遺伝子)カリウムチャネルにおける阻害活性を有する一次代謝産物を有している;
    (g)他の薬物と共投与された場合に代謝性薬物−薬物相互作用(DDI)の発生がない又は減少している;
    (h)単独で投与された場合に肝機能検査(LFT)値を実質的に上昇させない;又は
    (i)経口バイオアベイラビリティを有している;
    ことによって特徴付けられる、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
  29. 患者の治療方法であって、
    式(II):
    Figure 2010528042
    [式中、
    Xは、O、S、NH又はNRであり;
    SPは、スペーサーであり;
    「A」は、−O−(CH−、−S−(CH−、−S(O)(O)−(CH−、−NH−(CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−CH−、−CH−S−(CH−、−(CH−S−CH−CH−、−CH−S(O)(O)−(CH−、−(CH−S(O)(O)−CH−CH−、−O−C(O)−(CH−、−S−C(O)−(CH−、−NH−C(O)−(CH−、−CH−C(O)−O−(CH−、−CH−C(O)−NH−(CH−、−CH−C(O)−S−(CH−、−(CH−C(O)−O−CH−CH−、−(CH−C(O)−NH−CH−CH−、−(CH−C(O)−S−CH−CH−、−CH−O−C(O)−(CH−、−CH−NH−C(O)−(CH−、−CH−S−C(O)−(CH−、−(CH−O−C(O)−CH−CH−、−(CH−NH−C(O)−CH−CH−、又は−(CH−S−C(O)−CH−CH−であり、nは、1〜7の整数であり;
    、R、R、R及びRは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、アシルアルキルオキシカルボニル、アシルオキシアルキルオキシカルボニル、アシルアルキルオキシカルボニルアミノ、アシルオキシアルキルオキシカルボニルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシカルボニルアルキルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールアルコキシカルボニルアルキルアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニルアルキルアミノ、カルボキシ、カルバモイル、カルバマート、カルボナート、シアノ、ハロ、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヒドロキシ、ホスファート、ホスホナート、スルファート、スルホナート、及びスルホンアミドからなる群から独立に選択され、R及びRは、場合により同じ炭素上に存在していることがあり、R及びRは、一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を場合により形成していることもあり;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;
    は、アルキル、置換されたアルキルであるか、R及びRが一緒になって、場合によりヘテロ原子を含有している5又は6員置換もしくは非置換の環を形成しているか、又はR及びRが一緒になって、5又は6員置換もしくは非置換のラクトン又はラクタムを形成している]
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物と、
    薬学的に許容される賦形剤と
    を含む医薬組成物を患者に投与することを含む方法。
  30. スペーサーが、O、S、アルキル、置換されたアルキル、アシル、アシルアミノ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、又はアルコキシカルボニルである、請求項29に記載の方法。
  31. 及びRが、5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、請求項29に記載の方法。
  32. 及びRが、5又は6員置換もしくは非置換の環を形成している、請求項29に記載の方法。
  33. 賦形剤が、経口、経粘膜、経直腸、非経口、経皮、又は皮下投与用のものである、請求項29に記載の方法。
  34. 疾患が、精神病、統合失調症、急性躁病、双極性障害、自閉性障害、又は鬱病である、請求項29に記載の方法。
  35. 疾患が、統合失調症である、請求項34に記載の方法。
  36. 疾患が、双極性障害である、請求項34に記載の方法。
  37. 疾患が、鬱病である、請求項34に記載の方法。
  38. 疾患が、急性躁病である、請求項34に記載の方法。
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