JP2010527869A - エレベータ駆動装置の電気駆動部 - Google Patents

Abstract

本発明は、回転子（２４）および固定子（１０、２２）を備え、固定子および／または回転子（２４）の巻線が単一歯巻線として設けられる、エレベータ駆動装置の電気駆動部に関する。

Description

本発明は、エレベータ駆動装置の電気駆動部、つまり電気駆動セクションに関する。本発明はまた、エレベータ駆動装置の電気駆動部の巻線の巻回を装着する、つまり挿入する方法に関する。

エレベータ駆動装置に関しては、通常、エレベータ駆動装置の電気駆動部を構成する電気モータが使用される。この電気駆動部は、たとえば回転子および固定子を有する同期モータとして設けられ、通常は外部電源に接続され、電流が回転子および／または固定子の巻線に磁界を生成し、その磁界が互いを反発させ、または引き寄せて、回転子を回転させる。さらに、回転子に永久磁石が使用されることが知られている。

エレベータ駆動装置の電気駆動部では、使用可能な空間が限られているため、空間要件が小さいモータ、したがって小さいサイズのモータを使用することが特に重要である。

文献ＷＯ９９／４３５９０から、永久磁石モータを有するエレベータ・システムが知られている。このエレベータは、モータと協働する巻上ロープによって動作する。このロープは、非金属材料からなるケーシング内に含まれた少なくとも１つの荷重運搬要素を備える。モータは、巻上ロープを駆動し、そして巻上ロープは、エレベータ・シャフト内でエレベータかごを移動させる。モータは、回転子を備え、この回転子は、部分的に永久磁石を有するように形成される。このモータに関しては、空間要件が比較的大きいことが不利であると考えられる。

文献ＷＯ９９／４３５８９から、エレベータかごと、エレベータ・シャフトの側壁との間に配置された駆動モータを有するエレベータ・システムが知られている。この明細書では、やはりエレベータ・シャフト内に配置されたカウンタウエイトが、さらに設けられている。駆動モータは、少なくとも１つの平坦なロープを介してエレベータかごに連結されている。このモータも、大きい空間を必要とする。

文献ＷＯ０２／１０３８８３Ａ１には、エレベータ駆動装置用に特別に設けられた電気モータが記載されている。このモータは、固定子および回転子を備え、その固定子および／または回転子は、それぞれハウジングまたは本体の役割を果たす少なくとも１つのプラスチック部分を備え、その中に固定子および／または回転子の電磁石および／または永久磁石の機能要素が、少なくとも部分的に埋め込まれている。

ＷＯ９９／４３５９０ ＷＯ９９／４３５８９ ＷＯ０２／１０３８８３

本発明によるエレベータ駆動装置の電気駆動部は、回転子および固定子を備え、固定子および／または回転子の巻線が、単一歯巻線として、すなわち、集中巻線として設けられる。各巻線が１つの歯（すなわちコグ）の周囲に巻き付けられた状態をとるこの単一歯巻線は、折り返し端部の小さい巻線を使用できることによって、所要スペースが小さくなり、効率が高いモータの製造を可能にする。

一実施形態では、コイルは、少なくとも部分的に、なるべくは完全に、封入形成（エンキャプスレーション）されたものであり、通常はプラスチック・コンパウンドが封入形成に使用される。コイルの封入形成には、封入形成それ自体が、支持または耐荷重機能を有するという利点がある。巻線の固定によって、たとえば、構成要素の機械的前処理および／または後処理が不要になるため、こうしたモータの製造は、従来技術のモータよりもかなり簡単になる。

提供される封入形成はまた、より良好な熱伝導および均一な熱分布を実現するため、熱的にかなり有利である。

単一歯巻線と、巻線の封入形成との組合せにより、単一歯巻線の高い効率および熱放散の向上に起因して、パワー密度の著しい向上がもたらされる。封入形成用のコンパウンドとして、たとえば、多様なフィラー材料およびフィラー成分を有するエポキシ材料を使用することができる。

単一歯巻線は、集中巻線としても知られており、１層または２層巻線として設けることができる。２層巻線は、２つの巻線が各溝に設けられ、得られるディテント（緩和）・トルクに関して有利である。また、効率も上がる。

本発明によるエレベータ駆動装置の電気駆動部は、ハウジング付きで、または、ハウジングなしで構成することができる。ハウジングなし、つまりハウジングレスの実施形態では、固定子パッケージは、開放状態で設置される。ハウジングレスの実施形態は、表面の放熱がさらにいっそう良好であり、さらなるコスト節減になる。

また、内部回転子モータまたは外部回転子モータとして本発明による電気駆動部を設けることもできる。

冷却に関して、自動通風と、自己通風と、動力通風による冷却システムの違いは、通風器が個別のモータで駆動されることである。

本発明は、永久磁石同期モータに特に適しており、この永久磁石同期モータでは、たとえば回転子の磁石の機能要素が、永久磁石として設けられる。また、円筒形の空隙を有する「通常の」モータとして、または円板形状の空隙を有するディスク・ロータとしてモータを設けることもできる。

一実施形態では、２層巻線に交互の上層および下層が提供される。各相が順次に取り付けられ、または挿入されることが好ましい。

巻線を挿入する際には、異なる相の巻線は、中間絶縁材料を介在させてのみ、１つの溝に挿入するように慎重に行わなければならない。というのは、巻線自体の絶縁が十分でないからである。この理由から、通常は絶縁紙が使用される。

個々の相の巻線が交互の上層および下層で挿入される２層巻線の場合、巻線の特定の配置構成により、自動的なまたは自動化された方法および巻線の自動的な取り付けが簡単になる。中性点またはスター点を除いて、こうした巻線を接続する必要を伴わずに巻線を挿入することも可能である。

本発明による方法は、巻線を挿入する役割を果たし、各相の巻線を次々に挿入することができる。これは、個々の相の巻線が交互の上層および下層として挿入される場合に、特に可能である。

２層巻線として単一歯巻線を提供すれば、損失が低減され、トルク・リプルが低減されることによって、パワー密度を上げることができる。巻線の特定の配置構成によって、中性点を接続するだけでよくなるため、時間集約的な接続作業を伴わない巻線の自動的な挿入が可能になる。

さらに、他の機能グループ（主にモジュラー設計）と対にすることができる接続リングが設けられ、それによって、封入形成にとってシーリングが不要になり、多様な全長に対して１つの型しか必要でなくなるため、簡単な封入形成が可能になる。

一実施形態では、モジュラー構造が提供され、有利なことに、リングも封入形成される。こうすると、エレベータ駆動装置の電気駆動部を簡単に交換することができる。

本発明のさらなる利点および実施形態については、説明および添付の図から理解できるであろう。

上記の特徴、および以下で論じる特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に開示された組合せだけでなく、他の組合せでも、または単独でも使用可能であるということを理解されたい。

本発明について、図において実施形態の例を用いて概略的に示し、それらの図を参照しながら以下で詳細に説明する。

本発明によるエレベータ駆動装置の電気駆動部が使用されている固定子を示す図である。 本発明による電気駆動部の可能な一実施形態を示す図である。

図１に、２層巻線を有する３つの相Ｕ、Ｖ、およびＷを備える固定子１０が示されている。２層巻線に関連する問題は、下層と上層に起因して通常は２つの巻付け工程への分離が必要とされることである。

第１の巻付け：下層（溝の底部）

第２の巻付け：上層（空隙の方向）

相を互いに接続するだけでなく、相内のコイルも接続しなければならないことに留意されたい。２４の溝の２層巻線の場合、接続の総数は、２１＋スター点である。これは、かなりの時間の消費を招く。したがって、十分に低いコストの製造が可能とは思われない。

前記数は、図で示した実施形態だけに有効であることに留意されたい。また、異なる数の溝を有する他の実施形態も可能である。

次に、巻線が２工程ではなく、３工程で、すなわち各相ごとに取り付けられると想定する。したがって取り付けは、下層と上層ではなく、３つの相Ｕ、Ｖ、Ｗに分割または分離される。図では、取り付けられる相Ｕが第１の相、相Ｖが第２の相、相Ｗが第３の相である。

したがって、複数のコイルまたはコイルのグループの面倒で複雑な接続を完全に省くことができる。スター点だけを接続すればよい。したがって、２１個の接続を減らすことができ、それによって、製造中の消費時間を大幅に低減することができる。

相のコイルが交互の上層および下層として取り付ける方法が、図に示されている。この図では、相を次々に取り付けることができる。また、絶縁材料を異なる相の層相互の間に挿入しなければならないことにも留意されたい。

たとえば相Ｕの巻線は、下層として溝２４および溝１に挿入される。溝１と溝２の間で下層から上層への転換が行われる。相Ｖに関しては、溝２から溝３へ渡る取り付けのために、また溝３から溝４へ渡る取り付けにより、下層と上層の転換が行われる。各相のコイルのこの特定のタイプの取り付けにより、コイルの簡単な自動化された取り付けが可能になる。

また、フライヤ巻線技法を使用できることにも留意されたい。

図２に、エレベータ駆動装置の電気駆動部の一実施形態が示されており、その全体が参照番号２０で示されている。この電気駆動部２０は、固定子２２および回転子２４を備え、内部回転子モータとして設けられている。

また、中性インターフェースが設けられており、それによって、図で示した電気駆動部２０を簡単な方法で任意の駆動装置に挿入することや、任意の駆動装置用に使用することができる。この図では、電気駆動部２０の寸法を小さくすることができる。これは特に、利用されている単一歯巻線を用いて行われる。２相巻線は、ディテント・トルクの向上をもたらす。したがって記載の電気駆動部は、エレベータ駆動装置に関連する用途に特に有用である。

１０、２２ 固定子； ２４ 回転子。

Claims (12)

1. 回転子（２４）および固定子（１０、２２）を備え、前記固定子および／または回転子（２４）の巻線が単一歯巻線として設けられる、エレベータ駆動装置の電気駆動部。
2. 前記巻線が少なくとも部分的に封入形成される、請求項１に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
3. 前記巻線が２層巻線として設けられる、請求項１または請求項２に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
4. いくつかのセグメントに分割され、インバータが各セグメントに割り当てられている、請求項１から３のいずれか一項に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
5. ハウジングなしで設けられる、請求項１から４のいずれか一項に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
6. 内部回転子モータとして設けられる、請求項１から５のいずれか一項に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
7. 外部回転子モータとして設けられる、請求項１から５のいずれか一項に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
8. 各相（Ｕ、Ｖ、Ｗ）の前記巻線を交互の上層および下層として挿入することができる、請求項１から７のいずれか一項に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
9. ３つの相（Ｕ、Ｖ、Ｗ）の巻線が、交互の上層および下層として、３工程、すなわち各相（Ｕ、Ｖ、Ｗ）に自動的に挿入可能である、請求項８に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
10. 前記相（Ｕ、Ｖ、Ｗ）が、次々に挿入できるように配置される、請求項８または請求項９に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
11. モジュラー構造を備える、請求項１から１０のいずれか一項に記載のエレベータ駆動装置の電気駆動部。
12. 前記各相（Ｕ、Ｖ、Ｗ）の巻線が交互の上層および下層として挿入される、２層巻線を有するエレベータ駆動装置の電気駆動部（２０）の巻線を取り付ける方法。

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