JP2010527761A5 - - Google Patents

Description

ガスフィルタインサート

本発明は、ガスフィルタインサート、特に内燃機関の新気システムのためのエアフィルタインサートに関する。本発明はさらに、この種のフィルタインサートを備えたガスフィルタに関する。

特許文献１には、フィルタ部材及び接続部を有するガスフィルタインサートが開示されている。フィルタ部材は、内部室の周囲にて「Ｕ」字状に延びている。接続部は、内部室に連通していて、フィルタ部材における開放された前側面に配置されている。

周知のガスフィルタインサートでは、フィルタ部材は、その両側側端において、フィルタ部材の長手方向に対して横方向にシールされて、該フィルタ部材を形成している折り畳まれたシート材料が、これら側端の近傍において空気を通さないようになされている（例えば各側端の角部が溶着されている）。上記周知のガスフィルタインサートでは、フィルタ部材の両側側端における内部室に隣接する側の角部がシールされており、このシールが、アセンブリ状態においてハウジングと協働して、該ハウジング内を未浄化室と浄化室とに区画するように構成されている。

独国特許出願公開第１０３２８００２号明細書

本発明は、先に述べたタイプのガスフィルタインサートを改良した、又はそれとは異なる少なくとも一つの実施形態を提供するにあたっての問題に対処するものであり、上記改良した又は異なる実施形態は、その簡易性と経済性とに特徴を有している。

上記課題は、本発明の独立クレームの特定事項によって解決される。より有利な実施形態は、従属クレームの特定事項である。

本発明は、フィルタ部材の両側側端を、端板によって、フィルタ部材の長手方向に対して横方向にシールするという思想に基づいている。フィルタ部材を形成している各フィルタ材料は、このような端板によって、該端板側の側端の全体がシールされる。これにより、フィルタの比較的高価なシール処理を、たとえ該側端の近傍だけであっても、不要にすることができる。例えば、フィルタ材料の全ての角部が、各端板が設けられる各側端にてシールされる。フィルタ部材の各側端におけるシールは、例えば、フィルタ部材を、該側端に位置する端板のプラスチックに嵌め込むか、又は、適切な接着剤を介して端板に接着するか、若しくは、端板に溶着することで実現することができる。フィルタ部材の両側側端の端板を用いて、フィルタインサートの安定性をさらに改善することができる。そして、それは結果的に、フィルタインサートのアセンブリ状態におけるシールに関して信頼性を向上させる。

上記各端板は、少なくとも上記ガスフィルタインサートのアセンブリ状態で、上記フィルタ部材の各側端上で内部室を閉塞するように構成される。この構造によれば、フィルタ部材又は各端板に付加的に取り付けられるシール部材を廃止することができる。このような方法によれば、アセンブリ状態にあるガスフィルタのハウジングと協働することなく、フィルタインサートによって、浄化室と未浄化室とを実質的に且つ排他的に区画することができる。これは、大量生産を行っても、ガスフィルタの作動信頼性を向上させる。

本発明のさらなる重要な特徴及び効果は、従属クレーム、図面、及び関連する図面の説明において見出すことができる。

上述した特徴及び後述する特徴は、上述した特定の組合せばかりでなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、他の組合せや独立した実施形態も可能である。

本発明の好ましい実施形態は、図面に示されて、以下の説明において、同じ構成要素、又は機能的に同じ若しくは類似の構成要素に同じ符号を付してさらに詳細に記載されている。

ガスフィルタインサートを簡略化して示す、図２のＩ−Ｉ線に対応する長手方向に沿って切断した断面図である。 ガスフィルタインサートの、図１のII-II線に沿って切断した断面図である。 ガスフィルタインサートを、図１及び図２のIII方向から見た図である。 ガスフィルタインサートの端板を示す拡大図である。 他の実施形態及び／又は断面を示す図４相当図である。 他の実施形態及び／又は断面を示す図５相当図である。 図２に示した断面図のうち接続部のみを示す図である。 他の実施形態を示す図７相当図である。 ガスフィルタの、図１と同様の長手方向に沿って切断した断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。

図１〜図９に示すように、ガスフィルタインサート１は、フィルタ部材２と接続部３とを備える。フィルタ部材２は、内部室５の周囲にて実質的に「Ｕ」字状に、図１の一点鎖線で示される長手方向４に延びている。フィルタ部材２は、ジグザグに折り曲げるか又はヒダを付けることができる適切なフィルタ材料６からなることが好ましい。フィルタ部材２は、その「Ｕ」字状に起因して、開放された前側面７を有している。

接続部３は、内部室５に連通していて、フィルタ部材２における開放された前側面７に配置される。

フィルタ部材２は、その長手方向４に対する横方向の側端８を有する。フィルタ部材２は、両側側端８において、両側側端８に設けられた端板９によりそれぞれシールされる。

フィルタ部材２の各側端８における、各端板９によるシールは、フィルタ部材２における側端８に沿う部分を、各端板９のプラスチックに嵌め込むことで実現される。或いは、フィルタ部材２を、各側端８にて端板９にそれぞれ溶着又は接着するようにしてもよい。

ここで示される好ましい実施形態において、各端板９は、閉塞部材として構成されている。このことによって、内部室５がフィルタ部材２の各側端８上で閉塞され、これにより、追加的なシール処理を省略することができる。ガスは、内部室５に達することが可能なように又は内部室５から除去することが可能なように、閉塞端板９が設けられたフィルタ部材２を通過する必要がある。図４に示す閉塞端板９は、少なくとも一つの開口部１０を含む。しかしながら、ガスフィルタインサート１のアセンブリ状態（組立完了状態）では、上記開口部は、締結部材１１によるシールにより閉塞される。締結部材１１は、ここでは、シール円板１２によって端板９に支持されたネジにより形成され、このことにより、開口部１０をシールすることができる。

さらに又はこれに代えて、図５に示すように、各端板９は、少なくとも一つの脚部１３を有する。この脚部１３は、内部室５に突出しているとともに、フィルタ部材２の各側端８の近傍に開口部を有している。この開口部は、図５の符号「１４」によって示されている。脚部１３は、例えば、一方の端板９を、ハウジング又は他方の端板９に直接、又は、図５に示すように、他方の端板９における対応する脚部１３を介して、支持するために使用することができる。脚部１３は、ガスフィルタインサート１を、アセンブリ状態で、開口部１０を介して締結部材１１により固定するためにも用いることができる。ガスフィルタインサート１の安定性は支持脚部１３の使用によってかなり改善されるであろう。

各端板９は、アセンブリ前の状態では、開口部１０や該開口部１０を含む脚部１３が存在するために、内部室５を完全に閉塞することはできないが、アセンブリ状態では、開口部１０が締結部材１１によって閉塞されるため、内部室５を十分に気密状にシールすることができる。

各端板９の安定性は、図６に示すように、リブ１５の形成によって向上させることもできる。これらリブ１５は、各端板９の内部室５とは反対の背面側に位置する凹部１６内に形成され且つ各端板９の残りの外表面と実質的に同一面上に位置することが好ましい。

少なくとも図１〜図３に対応する好ましい実施形態においては、接続部３は、フロントプレート１７に配設されている。このフロントプレート１７は、フィルタ部材２の開放された前側面７に配置される。フロントプレート１７は、フィルタ部材２に取り付けられる。フロントプレート１７は、フィルタ部材２と共に又はフィルタ部材２の材料によって、フィルタ部材２の「Ｕ」ブラケットの前端に連結される。例えば、フロントプレート１７は、フィルタ部材２及び端板９に上記前側面で接着させることができる。同様に、フロントプレート１７を各端板９及び/又はフィルタ部材２に、溶着するか、又はプラスチックに嵌め込むことで連結することも原理的には可能である。

接続部３は、例えば射出成形品として、フロントプレート１７と一体形成することが好ましい。

図１〜図３に示される実施形態に関して、フロントプレート１７は、各端板９に留め具を介して取り付けられている。端板９に設けられる留め具は、符号「１８」によって示されている。フロントプレート１７は、各端板９に留め具により留められるだけではなく、該各端板９及びフィルタ部材２に接着されている。本実施形態では、その製造の単純性に特徴がある。接着材を硬化処理する間、適切な位置固定、及び、各フロントプレート１７の各端板９及びフィルタ部材２への押し付けがなされる。接着剤の硬化後は、留め具自体がもはや必要ではなくなる。

図７は、接続部３又はフロントプレート１７が、発泡剤を介してフィルタ部材２及び各端板９の前側面に取り付けられた状態を示す。該発泡剤は、図７において符号「１９」によって示されている。発泡剤１９は、例えば密閉気孔を有することができ、例えば、ポリウレタンで構成することができる。

図８は、フロントプレート１７と両端板９のうちの少なくとも一方とが一体形成された実施形態を示す。例えば、端板９及びフロントプレート１７は、共通の構成要素として一つの射出成形型により射出成形されるものであってもよい。フロントプレート１７及び各端板９は、特に一体成形ヒンジ２０によって互いに連結することができる。このようにして、射出成形プロセス又はそれに必要なツールを単純化することができる。この一体構成は、アセンブリに関しても有利である。

接続部３は、ここでは、ラジアルシール２１、特にＯリングシールを保持することができるように構成されている。この目的のために複数のフック２２が設けられており、該複数のフック２２は、円周方向に分散配置されていて、ラジアルシール２１をそのあるべき位置に保持するためにラジアルシール２１と径方向に係合している。

図９に示すように、ガスフィルタ２３は、ハウジング２４と、上述のタイプのガスフィルタインサート１とを備えている。ハウジング２４は、未浄化側の吸気口２５と浄化側の排気口２６とを有する。ガスフィルタインサート１は、アセンブリ状態でハウジング２４内に収容され、このことにより未浄化室と浄化室とを区画する。ここに示した例では、ガスフィルタインサート１の接続部３は排気口２６に接続されている。したがって、ハウジング２４の内部室２７は未浄化室を形成する。一方、フィルタインサート１の内部室５は浄化室を形成する。理論的には、逆方法の流れもあり得る。

上記ガスフィルタ２３又はガスフィルタインサート１は、内燃機関、特に自動車に配設される内燃機関の新気システムに使用されるエアフィルタ又はエアフィルタインサートに利用することができる。

Claims (8)

1. 内部室(５)の周囲にてＵ字状に延びるフィルタ部材(２)と、該内部室(５)に連通するとともに、該フィルタ部材(２)における開放された前側面(７)に配置される接続部(３)と、を有するガスフィルタインサートであって、
   上記フィルタ部材(２)は、両側側端(８)において端板(９)によりそれぞれシールされ、
   上記各端板(９)は、少なくとも上記ガスフィルタインサートのアセンブリ状態で、上記フィルタ部材(２)の各側端(８)上で上記内部室(５)を閉塞するように構成されており、
   上記両端板(９)は別部材からなり、
   上記各端板(９)は、上記内部室(５)に突出する少なくとも一つの脚部(１３)を有していて、該脚部(１３)によって、各端板(９)が他方の端板(９)に直接、又は該他方の端板(９)における脚部(１３)を介して、支持され、
   上記接続部(３)は、上記端板(９)とは別部材であるフロントプレート(１７)に設けられるか、又は、上記両端板(９)のうちの少なくとも一方に、一体成形ヒンジ(２０)を介して連結されていることを特徴とするガスフィルタインサート。
2. 請求項１記載のガスフィルタインサートにおいて、
   上記各端板(９)は、締結部材（１１）により上記アセンブリ状態でシールされる少なくとも一つの開口部(１０)を有していることを特徴とするガスフィルタインサート。
3. 請求項１又は２記載のガスフィルタインサートにおいて、
   上記各脚部(１３)は、上記フィルタ部材(２)の各側端(８)の側に開口していることを特徴とするガスフィルタインサート。
4. 請求項１乃至３のいずれか一項に記載のガスフィルタインサートにおいて、
   上記フィルタ部材(２)は、該フィルタ部材(２)の各側端(８)に位置する各端板(９)のプラスチックに嵌め込まれるか、又は、各端板(９)に溶着されるか若しくは接着されることを特徴とするガスフィルタインサート。
5. 請求項１乃至４のいずれか一項に記載のガスフィルタインサートにおいて、
   上記フロントプレート(１７)は、上記各端板(９)に留め具を介して取り付けられていることを特徴とするガスフィルタインサート。
6. 請求項１乃至５のいずれか一項に記載のガスフィルタインサートにおいて、
   上記フロントプレート(１７)は、上記フィルタ部材(２)及び上記各端板(９)に接着されていることを特徴とするガスフィルタインサート。
7. 請求項１乃至６のいずれか一項に記載のガスフィルタインサートにおいて、
   上記接続部(３)及び／又は上記フロントプレート（１７）は、上記各端板(９)及び上記フィルタ部材(２)に発泡剤を介して取り付けられていることを特徴とするガスフィルタインサート。
8. 未浄化側に吸気口(２５)を有し且つ浄化側に排気口(２６)を有するハウジング(２４)を備えたガスフィルタであって、
   請求項１乃至７のいずれか一項に記載のガスフィルタインサート(１)を更に備え、該ガスフィルタインサート(１)が、上記ハウジング(２４)内に収容されているとともに、該ガスフィルタインサート(１)の接続部(３)が、上記排気口(２６)又は上記吸気口(２５)に接続されていることを特徴とするガスフィルタ。