JP2010527675A - アレー刺激器 - Google Patents

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Abstract

アレー刺激器は、複数の電極対を形成するアレー(22)内の複数の電極と、電極のための信号を生成する信号生成器(18)とを備え、経皮的に又は移植によって刺激器が取り付けられた患者の体内で電気パルスを生成する。これらの電気パルスは、患者内で合成パルスを形成し、これが患者の神経系を刺激する。合成パルスは、4μs〜1500μsの期間と、刺激器が移植される場合、2V〜50V、経皮的に適用される場合、15V〜500Vの最大電圧を有する。電気パルス自体は、合成パルスより期間が非常に短く、したがって、この電気パルスでは、合成パルスに比べて、患者の神経系への刺激が非常に小さく、又は全くない。
【選択図】図8

Description

本発明は、電極から様々な距離にある神経及び他の興奮性組織の挙動に影響を与える電流を生成するように設計された電気デバイスに関し、及びこのようなデバイスの応用のための装置及び方法を提供する。
神経の電気刺激は、治療目的のために、40年以上も使用されている。
例えば、「Melzack and Wall 1965」は、他の求心性線維のいずれも忠実に追従できない周波数である100Hzで、Aβ線維を刺激した場合、どのようにして鎮痛効果が得られるかを説明している。「Wall 1986」は、患者の神経に挿入されたニードルに電流を流すことによって、このような効果を実現した。Wallは、このすぐ後に、ニードルの挿入による合併症の可能性を回避するために、表面電極を採用し、経皮的末梢神経電気刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:TENS)を導いた。
典型的なTENS装置は、振幅を0〜50mAに増加でき、周波数が1〜250Hzの範囲にある電流を用いて、パルス幅を50〜250μ秒に変更できるパルスを発生する。パルス幅は、低電圧でAβ線維を興奮させるために十分な長さの期間を有し、無痛のうずき(painless tingling)及びGABAを放出する介在ニューロンの刺激を引き起こす。「Johnson et al 1991」は、Aβ線維を動員(recruit)するように振幅が十分に増加された「高強度刺激」は、脊髄におけるメチオニンエンケファリンの放出を促し、これにより、より一般的なAβ線維の「低強度刺激」によって生成されるGABAの放出の場合に比べて、より長期の鎮痛効果が得られることを示した。「Salar et al 1981」は、その発火が鋭い疼痛に関連するAβ線維を直ちに動員する40〜60Hzの周波数、40〜80mAの振幅の信号でTENSを実行した場合、脳脊髄液にオピオイドがゆっくり放出されたことを観測した。
TENS鎮痛は、主に皮膚の求心性線維の活性化によって引き起こされると一般に信じられている。しかしながら、「Radkarishnan et al 2005」は、皮膚及び深部組織の一次求心性線維を差動的にブロックすることによって、皮膚の求心性線維ではなく、深部の体組織からの大きな直径の一次求心性線維がTENS鎮痛に重要な役割を果たしていることを示した。
したがって、TENS刺激の有効性の潜在的制限は、電極の直下にあるAδ線維及びC線維の活性化から生じる疼痛によって、刺激の強度が制限されているということであると考えることもできる。
組織のインピーダンスは、容量性であるので、このインピーダンスは、周波数が高くなるにつれて低くなる傾向がある。信号は、組織透過性を高めるために、各電気信号の間隔が、刺激を必要とする線維の不応期より短い周波数で提供してもよい。活動電位を生成するために、このような信号は、変調され、干渉又は中断によって、周波数が低い刺激を提供する。
中周波電流(medium frequency current)を適用する干渉法は、「Nemec US2622601 "Electrical Nerve Stimulator"、 Griffith US3096768 "Electrotherapy System" (Firmtron Inc)」及び他の多くの文献に例示されている。2つの信号源は、それぞれ電極の対に接続される。これらは、以下の通り、組織内に、干渉電流(interferential current)と呼ばれる振幅変調された中周波信号を生成できる。第1の信号源は、中周波搬送波(通常4.0kHz)を用い、他方の信号源は、僅かに異なる周波数(通常4.1kHz)で動作する。これらの表面電極のそれぞれの対は、2つの振動電流が深部組織で交差し、低周波域、典型的には、100Hzのうなり周波数で干渉が生成されるように、体に取り付けられる。この干渉が、深部にあるAβ線維を刺激し、鎮痛が達成されると考えられている。
但し、活動電位を生成するために、うなり周波数が必要であるか否かについては、意見が分かれている。「Palmer et al 1999」は、干渉周波数がない場合、すなわち、患者が両方の信号生成器から4kHzで電流を受け取り、この周波数が振幅変調されていない場合であっても、感覚(sensation)が発生することを発見した。更に、この手法において4kHzで生成される感覚の閾値は、100Hz未満の低周波信号によって生成された振幅より小さい振幅となる。全ての個々の線維が1:1の関係で応答できる周波数より高い周波数で制御された信号は、次の信号の近傍において、偶然に不応でなくなったいずれかの軸索突起に生じた活動電位の結果として、神経幹に非同期的な斉射(asynchronous volley)を引き起こす。
経皮刺激デバイスにおける組織透過性を改善する他の方法は、「Carter and Siff US7130696 "Percutaneous electrode array"」に開示されており、ここでは、皮膚の外側の層を貫通することを意図する微小なピンのアレーで電極を構成し、これによって、これらの層の電気的インピーダンスを克服する。
「Macdonald and Coates US5776170 "Electrotherapeutic apparatus" (1995)」では、電流のパスに存在する辺縁線維の興奮膜にある電位依存性チャネル(voltage gated channel)が、信号に応答して、膜閾値に到達し、活動電位を生成するための十分な時間がない程にパルス幅が非常に短い、典型的には4μsの電気信号を適用する効果が調べられている。この形式の電気療法は、表面電極が脊髄上に配置されれば、鎮痛効果及び向精神効果(mood altering effect)を生じる。「Macdonald and Coates 1995」では、この手法をTSE(Transcutaneous Spinal Electroanalgesia:経皮脊髄電気鎮痛)と呼んでいる。
「Littlewood et al GB2414410 "Electrotherapy Apparatus" (Bioinduction Ltd、 2005)」は、治療目的で短い高パワー電気療法波形を使用する効果について検討し、パルス幅と
活動電位の生成との間の関係を説明し、組織内の電流は、患者によって知覚される感覚のレベルから独立して制御できることを示している。
TENS法は、患者らに合理的に受け入れられているが、TENS法により得られる鎮痛の効果は、比較的持続期間が短く、領域も局所化される傾向がある。この理由は、電極が存在する部位における疼痛によって生じる刺激強度に関する上述した制約及び各電極が電極の直近にあるAβ線維のみしか刺激しないことであると考えられる。したがって、複数の領域に亘る疼痛がある患者では、この方法を改善して、より持続的で、包括的な形式の鎮痛が望まれている。
1967年に、Norman Shealy教授(Shealy et al 1967, 1971)によって、より多くのAβ線維を活性化するために、中枢神経系、特に脊柱(Aβ線維が脊髄を上下に通る線維路)を刺激するように、電極が脊椎管に移植された。現在、脊髄電気刺激法(Spinal Cord Stimulation:SCS)と呼ばれているこの手法では、周波数が通常100Hz以下で、パルス幅が50μsを超える反復性の低周波パルスが使用される。SCSが有効である場合、体の疼痛領域において、うずき感覚(知覚異常)が知覚される。
ShealyによるSCSの本発明以来、電気刺激によって慢性の疼痛を制御するための移植デバイスに多くの改善が加えられている。また、このようなデバイスの応用領域は、鎮痛のために移植された脳深部電気刺激法を含むように、また、例えば、パーキンソン病等の様々な疾患を治療するように拡張されている。
経皮刺激器(transcutaneous stimulator)は、数個、多くの場合、1対又は2対のみの電極を使用することが通常であるが、4対、8対又はこれ以上の電極を有する移植刺激器(implanted stimulator)も当分野では周知である。初期の具体例として、「Timm and Bradley US3646940 "Implantable Electronic Stimulator Electrode and Method" (1969)」は、筋肉を刺激するための装置を開示し、この装置は、複数の電極を含み、(近い電極対の間を流れる電流によって生じる)二次的組織刺激が排除されるようにタイミングが調節された刺激パルスのシーケンスが電極に適用される。
利便性のために、複数の電極接点が単一のキャリアに結合されることも多く、これらの電極のアレーは、今日、脊髄刺激器において広く用いられている。例えば、「Borkan Savino and Waltz "Multi-electrode catheter assembly for spinal cord stimulation" US4379462 (Neuromed Inc, 1980)」は、カテーテル電極組立体の外周に沿って、直線的に離間された4つの電極の線形アレーを開示している。この種の電極の利点は、ニードルによって、硬膜外腔に挿入しやすい点である。これらの電極は、今日、使用される導入方法のために、「経皮電極」と呼ばれている。
今日、8つの接点を有する経皮電極が多く使用され、2組を硬膜外腔に挿入し、16出力の刺激器に接続することもできる。医師は、無線テレメトリを介して電極の異なる組合せをプログラミングし、所望の治療結果を得るために、組織の特定の領域を刺激する。また、電極のアレーは、移動に対するある程度の保護を提供し、移植されたアレーにおける僅かな移動を補償し、外科的処置なしで、組織の特定のターゲット領域の刺激を継続するように電極の組合せを再構成することもできる。
他の典型的なリード構成は、「Hull Cross and Langley "Method of using a spinal cord stimulation lead" US5417719 (Medtronic Inc, 1993)」に開示されている。ここでは、リードパドル上に位置する電極のアレーを含むリードの端部の形状のために「パドル電極」と呼ばれる種類の電極が説明されている。各電極は、個別に選択可能であり、これにより、必要に応じて脊髄を刺激できる。
近年、医師及び/又は患者によって組織の特定の領域を刺激する能力を向上させるための開発が試みられている。「Gord "Programmable current output stimulus stage for implantable device" US6181969 (Advanced Bionics Inc, 1999)」は、移植可能な刺激器内で使用されるプログラミング可能な出力電流源を開示しており、ここでは、例えば、16個の個別の電流源を使用して、電極のアレーにおける電流のフローを制御することができる。「Woods et al "Implantable generator having current steering means" US6909917 (Advanced Bionics Inc, 2003)」は、例えば、ジョイスティックの動きを電極のアレー上の電流レベルに変換する方向性プログラミング技術(directional programming technique)によって、所望の電極刺激パターンを決定する手段を開示している。この技術の目的は、刺激される組織の領域について、個々の電極の物理的位置によって提供される制御を超える精密な制御を提供することである。この手法の短所は、16個の電流制御出力を有する刺激デバイスの複雑性と、線形電子回路設計において一般的であるように、中間範囲の電流出力において、効率が劣っており、この結果、インプラントのバッテリ寿命が短くなるという点である。
また、多くのパワーエレクトロニクス用途に亘って適用されている技術であるパルス幅変調を使用して、効率を向上させる手法も知られている。例えば、「MacDonald "Pulsewidth Electrical Stimulation" US7054686 (Biophan Technologies Inc, 2002)」は、一連の個々のパルスを使用して、(例えば)心臓ペーシングの効率を向上させる装置を開示している。
求心性線維内に活動電位を生成するために、刺激装置は、十分な期間及び振幅のパルス又は複数のパルスを生成しなければならない。活動電位を引き起こすために必要な振幅は、電極構成に依存し、及び電極と組織との間の接触の質にも依存する。振幅は、電圧、電流、電荷又はエネルギで表現してもよい。電極は、皮膚に付着させてもよく、移植してもよいが、採用される接触の方式にかかわらず、求心神経を活性化するパルスの最小振幅は、パルス幅が広くなるにつれて小さくなる。
本発明では、電極のアレーに接続されたパルス発生器を備える装置は、神経又は他の興奮性組織を刺激し、又はこれらの領域の挙動に影響を与えるように、患者の皮膚に取り付けでき、又は体内に移植することができる。各電極から隣接する組織に流れる電流が短期間のものとなるように、電極アレーの電極又はその電極のサブセットは、短期間、順番に励起される。アレー又はそのサブセットで覆われた組織のターゲット領域では、これらの短い期間の「成分パルス(component pulse)」が順番に加えられ、より長い期間(又はより高い振幅)の「合成パルス(composite pulse)」と呼ばれる刺激パルスを形成する。
定義
本明細書では、以下の定義を適用する。
電極−組織に電流を流すために使用され、皮膚に付着され、又は体内に移植される導電性素子。
電極アレー−オプションとして、移植デバイス(implanted device)の導電性筐体を含む複数の電極。
電極対−電気刺激が適用される1つのアノードと1つのカソード(二相性波形の場合、逆になることもある。)の組合せ。アノード及びカソードは、それぞれ、アレーからの1つ以上の電極から構成され、2つ以上の電極がアノード及びカソードのいずれかを構成する場合、これらの電極は、互いに電気的に接続される。それぞれの組合せが一義的であれば、1つ以上の電極対において、アノード又はカソードの間で個々の電極を共有してもよい。
パルス−ゼロボルト又はゼロ振幅ラインからの単一の乖離であり、理想的には、急峻な立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを有し、略々矩形の形状を有することが望ましい。
合成パルス−神経を刺激し、又はこの他の手法で興奮性組織の挙動に影響を与えるパルスの所望の形式であり、電極対への適用の前に、複数の順次的な成分パートに細分化されることが意図され、通常、4μs〜1500μs、好ましくは、20μs〜1000μsの総期間を有する。
成分パルス−合成パルスの細分化に対応するパルスであり、特定の電極対に適用され、通常、2μs、4μs、10μs、20μs又は50μsの最大継続時間を有する。全ての成分パルスの幅の合計は、合成パルスの幅と等しいはずであるであるが、成分パルス間に間隔を空けて成分パルスを適用する場合、又は成分パルスが重なり合う場合、全ての成分パルスを供給するための合計時間は、合成パルス幅と同じではないこともある。
副成分パルス−成分パルスを更に細分化したものであり、特定の電極対に適用するためのより短いパルスの列に対応し、順次的に又は他の電極対に適用される副成分パルスにインタリーブされて適用される。
変調−成分パルス又は副成分パルスのパルス幅の低減であり、そのパルスに使用可能な時間のパーセンテージとして表現され、合成パルスを適切な成分パートに分割することによって導出される。
デューティサイクル−成分パルスの期間又はパルス幅(又はその副成分パルス幅の合計)の、合成パルスのパルス幅に対する割合。
波形−合成パルス、成分パルス又は副成分パルス列の1つ以上の組合せで形成されるパターンであり、通常、周期的に繰り返されることが意図される順方向及び逆方向の要素からなる。
周期−周期的に、通常、0.5Hz〜2,000Hz又は10,000Hzで繰り返されることが意図される、特定のアレーに適用される全ての波形の組合せ。
第1の側面においては、本発明は、電気パルスを患者に適用する装置であり、この装置は、アレー内に構成された複数の電極と、電極への信号を生成し、電気パルスを形成する信号生成器とを備え、信号生成器は、信号が、周期内で、連続する電極対に順次的に供給され、各電極対が、異なる時刻に対応する信号を受信するように、又はこれに代えて、信号の全てが同じ時刻に開始及び終了しないように、電極対が信号を受信するように信号を生成し、及び、信号が4μs〜1500μs、より好ましくは、20μs〜1000μsの期間と、以下のような最大電圧とを有するように、電極によって、合成パルスを生成する。
(a)移植デバイスでは、最大電圧は、2V〜50Vとし、より好ましくは、5V〜20Vとし、更に好ましくは、10V〜15Vとする。
(b)経皮デバイスでは、最大電圧は、15V〜500Vとし、より好ましくは、50V〜250Vとする。
好ましい実施の形態では、合成パルスは、電極に順次的に適用される信号によって発生され、これは、0.1又は0.5μsの最小のパルス幅、2μs、4μs、10μs、20μs又は50μsの最大パルス幅を有する単一のパルス又はパルス列のいずれかである。これらのパルス列は、電極の対に、アレー内の電極の他の対に適用される列とインタリーブして適用してもよく、順次的に供給してもよい。
第2の側面においては、本発明は、電気パルスを患者に適用する装置を提供し、この装置は、アレー内に構成された複数の電極と、信号生成器とを備え、信号生成器には、電源と、所望の刺激波形を形成する合成刺激パルスを生成又は供給するように構成されたコントローラとが組み込まれている。そして、装置は、高速スイッチング素子のネットワークを用いて、合成刺激パルスを順次的な成分パルスに変換するように構成された変換器を有し、成分パルスは、アレー内の電極の対に順次的に供給され、連続する電極対は、周期内で、各成分パルスを生成するように構成されている。合成刺激パルスは、4μs〜1500、より好ましくは、20μs〜1000μsの期間を有する。成分は、2μs、4μs、10μs、20μs又は50μsの最大パルス幅を有する
この変形例として、合成刺激パルスは、コントローラにおいて、数学的モデル又は数値的な近似値で表現してもよく、成分パルスは、電源及びアレー内の電極に接続された高速スイッチング素子のネットワークを用いて、直接的に合成してもよい。
成分パルスは、合成刺激パルスの期間の如何なる時点においても電極の少なくとも1つの対がアクティブとなるように、順次的に導出してもよく、又は、成分パルス間には、好ましくは、20μs未満、最大でも200μsまでの数マイクロ秒のギャップがあってもよく、この場合、成分パルス幅の合計が合成パルス幅に等しく、成分パルスの総期間が合成パルス幅と成分パルスのギャップの合計に等しい。
移植刺激装置では、アレー内の1つ以上の電極は、オプションとして、信号生成器及びバッテリ供給を収容する刺激デバイスの筐体によって提供してもよい。
第3の側面においては、本発明は、電気パルスを患者に適用する装置を提供し、この装置は、アレー内に構成された複数の電極と、電極(オプションとして、信号生成器筐体によって提供される更なる電極)への信号を生成し、電気パルスを形成する信号生成器と、アレーの領域内の人間又は動物組織について数学的又は経験的に導出された、「概念的刺激フィールド」と呼ばれるモデルにおける所望の概念的な電圧、電流、電荷又はエネルギ分布を制御し、表現し又は保存するように構成されたコントローラとを備える。この装置は、概念的刺激フィールドを、それぞれがデューティサイクル及び/又は振幅を有する一連の成分パルスに換算し、これらが電極間の電流のフローのモデルにおいて所望の概念的刺激フィールドを生成するようにする変換要素を有し、刺激器は、これらの成分パルスを電極のアレーに適用するように構成されている。成分パルスは、連続する電極対が周期内で各成分パルスを生成するように、又はこれに代えて、各成分パルスの全てが同じ時刻に開始及び終了しないように、異なる時刻に電極に順次的に供給される。これらの成分パルスは、1つ以上の信号生成器デバイスによって生成される。信号生成器の数がアレー内の電極より少ない場合、信号生成器の出力をアレー内の電極の対に向ける高速スイッチング素子のネットワークを設ける。数学的モデルは、周囲の組織の様々な電気的特性を含む複雑なものであってもよく、或いは、例えば、1次元又は2次元の均質な抵抗媒体を仮定する単純なものであってもよい。経験的モデルは、数学的に表現してもよく、相互間を補間可能な複数の基準刺激パターンとして表現してもよく、一連のルックアップテーブル又は規則として表現してもよい。
概念的刺激フィールドの特性は、刺激の所望のフィールドの中心及びオプションとしてカバレッジ範囲の制御を提供するオペレータインタフェースを用いて、患者、医師又は他のオペレータが制御してもよい。
この変形例として、信号生成器ユニットから独立したコンピュータシステムによって、人間又は動物組織のモデルにおける所望の電流、電荷又はエネルギ分布を算出する手段を提供してもよく、所望の刺激フィールド及び/又は成分波形のパラメータを信号生成器ユニットに送信してもよい。
第4の側面においては、本発明は、電気パルスを患者に適用する装置を提供し、アレー内に構成された複数の電極と、電極への信号を生成する信号生成器とを備え、この信号は、電極の対に適用される短い成分パルスであり、ここで、成分パルスは、周期内に、連続する電極対によって発生され、パルスの振幅及び期間は、これらのパルスが1つ以上の電極に隣接する求心性線維を殆ど又は全く活性化しないが、1つ以上の電極から離れている組織のターゲット領域のパルスの合計が、線維における活動電位、又はこの部位の興奮性細胞における他の生理的影響を引き起こすために十分となるように設定される。
この効果は、個別には、神経軸索上の電位依存性チャネルを活性化するにはエネルギが不十分である成分パルスのパルス幅と振幅の組合せによって、成分パルスの合計が、これらのチャネルを活性化させる閾値レベルを満たす十分なエネルギを提供し、この結果、活動電位を発生させることによって生じる。この効果は、成分パルスの期間が1μs〜4μs程度であり、合成パルスが10〜40個の成分パルスを含み、これらの期間が10μs〜160μsとなる場合に特に顕著である。
この変形例として、成分パルスは、電極に隣接した組織に直接的に活動電位を引き起こすと共に、成分パルスの合計が、電極からの離れた位置において、更なる活動電位を生成するために十分であるような期間及び振幅を有していてもよい。
第5の側面においては、本発明は、電気パルスを患者に適用する装置を提供し、この装置は、アレー内に構成された複数の電極と、電極への信号を生成する信号生成器とを備え、この信号は、電極の対に適用される短い成分パルスであり、成分パルスの相対的なパルス幅及び極性は、互いに変更され、及びオプションとして、使用される電極対の数も変更され、これによって、刺激される組織の領域の位置及びカバレッジ範囲が変更される。
第6の側面においては、本発明は、電気パルスを患者に適用する装置を提供し、この装置は、アレー内に構成された複数の電極と、電極への信号を生成する信号生成器とを備え、この信号は、電極の対に適用される短い成分パルスであり、電極のあらゆる所与の対における又は移植刺激器のケース又はグラウンド電極に関する個々の電極の成分パルス幅は、各電極対の振幅限界又は同様にプログラミングされた振幅において知覚される刺激が同じになるように、各電極について感覚を正規化するように互いに決定される。
これにより、アレー内の電極の領域における組織又は接触抵抗の違いに起因する刺激強度の明らかな変化を最小化しながら、刺激される組織の領域の位置及びカバレッジ範囲を滑らかに変更できる。成分パルスのための相対的なパルス幅は、コントローラのハウジングに関する各接点における感覚の開始又は他の感覚の基準レベルを順番に測定することによって、又は幾つかの電極を測定して、補間によって他の電極のための推定値を得ることによって決定してもよい。
また、上述した第1乃至第6の側面は、患者上又は患者内の電極アレーを介して、患者に電気パルスを適用する方法も提供できる。
すなわち、例えば、第1の側面は、方法を提供してもよく、ここで、信号は、周期内で、連続する電極対に順次的に供給され、各電極対が、異なる時刻に対応する信号を受信するように、又はこれに代えて、信号の全てが同じ時刻に開始及び終了しないように、電極対が信号を受信するように生成され、電極アレー内の連続する電極の対に順次的に供給され、4μs〜1500μs、より好ましくは、20μs〜1000μsの期間と、以下のような最大電圧とを有する合成パルスを患者の体内に生成する。
(a)移植デバイスでは、最大電圧は、2V〜50Vとし、より好ましくは、5V〜20Vとし、更に好ましくは、10V〜15Vとする。
(b)経皮デバイスでは、最大電圧は、15V〜500Vとし、より好ましくは、50V〜250Vとする。
同様に、第2の側面は、方法を提供してもよく、ここでは、合成パルスは、連続する成分パルスに変換された後、アレー内の電極の対に順次的に向けられ、連続する電極対は、周期内で、各成分パルスを生成するように構成されている。合成刺激パルスは、4μs〜1500、より好ましくは、20μs〜1000μsの期間を有する。成分は、2μs、4μs、10μs、20μs又は50μsの最大パルス幅を有する
第3の側面では、方法を提供してもよく、ここでは、アレーの領域内の人間又は動物組織について数学的又は経験的に導出されたモデルにおける所望の概念的な電圧、電流、電荷又はエネルギ分布を「概念的刺激フィールド」と呼ぶ。概念的刺激フィールドは、それぞれがデューティサイクル及び/又は振幅を有する一連の成分パルスに換算され、これらが電極間の電流のフローのモデルにおいて所望の概念的刺激フィールドを生成するようにされ、及びこれらの成分パルスは、電極のアレーに適用される。成分パルスは、連続する電極対が周期内で各成分パルスを生成するように、又はこれに代えて、各成分パルスの全てが同じ時刻に開始及び終了しないように、異なる時刻に電極に順次的に供給される。
第4の側面においては、方法は、電極の対に適用される短い成分パルスである信号を患者に適用し、ここで、成分パルスは、周期内に、連続する電極対によって発生され、パルスの振幅は、これらのパルスが1つ以上の電極に隣接する求心性線維を殆ど又は全く活性化しないが、1つ以上の電極から離れている組織のターゲット領域のパルスの合計が、線維における活動電位、又はこの部位の興奮性細胞における他の生理的影響を引き起こすために十分となるように設定される。
同様に第5の側面では、成分パルスの相対的なパルス幅及び極性が互いに変更され、及びオプションとして、使用される電極対の数も変更され、これによって、刺激される組織の領域の位置及びカバレッジ範囲が変更される。
同じく、第6の側面では、電極のあらゆる所与の対における又は移植刺激器のケース又はグラウンド電極に関する個々の電極の最大成分パルス幅は、各電極対の振幅限界において知覚される刺激が同じになるように、各電極について感覚を正規化するように互いに決定される。
上述の側面のいずれにおいても、成分パルスは、これらの成分パルスが同じ時点で開始及び終了しない限り、互いに対して時間的に変更して、数マイクロ秒間離間させ、又は重複させてもよい。成分パルス間のスペーシングを変更することによって、供給される所与の総電荷に対する求心神経活性化のレベル及び知覚される位置が変化する。スペーシングは、最小のバッテリ放電で知覚される刺激のレベルを最大にするように最適化してもよい。スペーシングは、最小をゼロとし、最大を20μs、50μs又は200μsとしてもよい。
本発明の上の側面のいずれにおいても、成分パルスは、以下のいずれであってもよい。
(a)個々のパルス、すなわち、各合成パルスに関して電極の各対に適用される1つの成分パルス。
(b)各成分パルスが、各パルス間に空間が設けられた副成分パルスの列に分割され、各列内の各副成分パルスの幅の合計が、同等な各成分パルスのパルス幅に等しく、各列が、電極の各対に順次的に供給される副成分パルスの列。
(c)各成分パルスが、列に分割され、これらのパルスの列が、他の各電極対に適用される他のパルスの列にインタリーブされ、これにより、第1の列からの第1の副成分パルスが、電極の第1の対に適用され、第2の列からの第2の副成分パルスが電極の第2の対に適用され、以下同様に、全ての副成分パルスが供給されるまで周期が繰り返される副成分パルスの列。
好ましい構成は、(a)及び(c)であり、合成パルスの長さ及び通常、2μs、4μs、10μs、20μs又は50μsである成分又は副成分パルスの所望の最大期間によって、これらの2つのうちのいずれかが選択される。
成分パルスの相対的なデューティサイクル及び/又は振幅は、所望の刺激フィールドが生成されるように決定し、適切な電極対に向けてもよい。更に、パルスの有効な振幅を制御するために、各成分パルス又は副成分パルスは、パルスに割り当てられるタイムスライスのパーセンテージによってパルスを短くすることによって変調してもよい。
本発明の他の側面では、移植刺激装置は、刺激デバイス及び電極リードを備え、電極リードは、埋め込まれた温度センサ、好ましくは、プラチナ測温抵抗体又は熱電対を含む。刺激デバイスは、高精度な電圧及び/又は電流測定機能を有し、これを用いて、電極アレー及び/又はリードの温度を測定し、これにより、画像診断スキャナ、電気手術設備等によって引き起こされる誘導電流に起因する刺激装置又は周囲組織の加熱を検出することができ、オペレータ又は医師は、移植刺激器組立体の領域に意図しない組織の損傷が生じる前に、処置を変更又は終了することができる。また、装置は、移植されたリード上で引き起こされる電磁干渉を監視する手段を備えていてもよく、これにより、潜在的加熱効果を最小化させる措置を講じることができ、例えば、スキャナと移植刺激器リードとの間のカップリングが最小となるように、磁気共鳴画像スキャナ内で、患者の向きを変更することができる。埋め込まれた温度センサが設けられていないリードを用いる場合、電極加熱効果を推定できるように、装置は、更に、リード内で誘導された電磁干渉を監視してもよい。更に、リード上の電磁干渉を検出する監視回路は、温度読取値の取得を、干渉が小さい期間、例えば、磁気共鳴画像の実行時において、無線周波数サブシステムが送信を行っておらず、傾斜磁場コイルが通電されていない期間に同期させてもよい。また、装置は、プラチナ測温抵抗体への2つのワイヤ接続を採用して、電極温度の絶対値ではなく、変化を検出してもよい。なお、埋め込まれた温度センサを用いるこの側面は、上述した第1〜第6の側面の何れか又は全てに組み合わせて用いてもよい。
本発明は、従来の技術のある制約又は短所を解決する。
各電極に隣接する経皮神経刺激に比較的短い期間の成分パルスを適用することによって、Aδ線維及びC線維等の皮膚求心性線維の活性化の結果としての疼痛を引き起こすことなく、皮膚により大きな電流を適用することができる。
「Radkarishnan et al 2005」は、(例えば、膝の急性関節炎において、)深部にある線維が刺激された場合のみ、TENS信号が鎮痛作用を生じることを示している。Radkarishnanが深部組織に局部麻酔薬を注入した場合、TENSによる鎮痛作用は減少した。これは、多くの人にとって耐え難い量のうずきを生成する、深部組織に入り込む十分高い振幅を我慢して、患者がTENSを使用した場合のみ、TENSが有効である場合もあるという、人体におけるTENSに関する異なるレポートを説明すると考えることでもきる。電流がより深く組織に入り込むと、電流密度が減衰するので、TENSにおける課題は、意識がある個人において、表面電極をどのように使用すれば、最初に、表面組織において、より高い電流密度、すなわち、多くの場合、耐え難い苦痛を生じる電流密度を生じさせることなく、深部組織内に存在する軸索突起を興奮させるために十分な電流密度を得るかである。本発明は、皮膚求心性線維の苦痛を伴う刺激を引き起こすことなく、深部組織において、高い電流密度を達成する方法を提供する。
経皮的刺激及び移植による刺激の両方について、各アレー内で使用される電極の数、これらの電極のペアリング、及び各電極に適用される成分パルス幅を変更することによって、刺激電流の位置及びカバレッジ範囲を制御することができ、電極アレーによって覆われた組織の領域に亘って、円滑に変化させることができる。刺激位置及びカバレッジ範囲は、好ましくは、グラフィカルインタフェース及びポインティングデバイス(例えば、コンピュータマウス、ジョイスティック、トラックボール又はタッチスクリーン)を介して制御され、これにより、医師又は患者が、直感的な手法で電極アレーを制御することによって、コンピュータがアレー内の電極に適用されるペアリング、相対的なパルス幅等を自動的に決定することできる。
また、各電極に適用される比較的短い期間の成分パルスは、神経刺激パルスの振幅を数マイクロ秒も減衰させる組織のキャパシタンスの効果を低減できる。この垂下(droop)は、電圧源において、組織内のキャパシタンスの充電に起因する、パルスが維持される間の電流の垂下として発生する。電極のアレーに成分パルスを適用することによって、電極にとって局所的な組織のキャパシタンスは、個々の成分パルスのみによって充電される。したがって、本発明は、潜在的に、単一の広いパルスを生成するデバイスと比べて深部組織の電流を増加させる。
本発明の他の利点は、多くの出力を有する刺激器の設計を簡素化できる点であり、これは、特に、移植刺激器に適用した場合に顕著である。従来の技術では、複数の出力を有する刺激器は、各出力毎に個別の電圧又は電流源を備え、又は出力の数より少ない数の電圧又は電流源、及びこれらの電圧又は電流源を出力に多重化するための比較的帯域幅が狭い手段を備える。前者の場合、各出力の個別の制御は、概念的刺激フィールドのマッピングにおける柔軟性を提供し、これは、任意の数の使用可能な電極を組み合わせて所望の刺激を生成することによって実現できる。但し、複数(通常、16個又は17個)の出力を提供する複雑性のために、空間要求を最小化し、移植の容易さのために移植体が小型化に向かう現在のトレンドを満たすために、電圧又は電流源は、通常、アナログ電子部品を用いて組み立てられる。アナログ的手法は、チップ上に実装でき、したがって、コンパクトであるという利点を有するが、効率が悪く、バッテリ電力を浪費するという短所がある。幾つかの電圧又は電流源が複数の出力に多重化されるケースでは、スイッチモード電源等のスイッチング電子部品を用いて、僅かな電圧又は電流源を構築すればよい。これは効率的であるが、各供給毎に外部のインダクタ又はキャパシタが必要であるので、嵩張る。この手法は、個別に制御できる電極の数が、使用可能な電流又は電圧源の数によって制約されるという短所がある。
本発明は、最も簡単な物理的な実現例では、所望の合成パルスを生成するために単一の電流、電圧、電荷又はエネルギ源のみを必要とし、この合成パルスは、高速スイッチングネットワークに供給され、高速スイッチングネットワークは、合成パルスを成分パルスに分割し、これらの成分パルスが各電極対に適用される。成分パルスのパスは、組織内で交差し、合成パルスを再構築する。この方法の利点は、単一の効率的なスイッチング電源を用いながら、アレー内の各電極に適用される電流又は電圧を個別に制御できるという点である。このような装置は、従来の技術に開示されているアナログ電流源に比べて、より効率的にすることができ、これによって、バッテリ寿命を長くすることができ、これは、移植デバイスにおいて特に重要である。また、このような構成は、単一のスイッチング電源を、電源又はバッテリから直接的に動作するように設計することができるので、非常にコンパクトであるという利点がある。
理想的には、スイッチング電源の帯域幅は、各パルスの期間に亘って成分パルスの振幅を制御するために十分に広い必要があり、各パルスの期間は、1マイクロ秒程度であることもある。出力側に最小のエネルギ蓄積を有する広帯域電流源又は電源の出力に保存された過剰なエネルギを消散し又はバッテリに再生する手段が望ましいが、実際には、スイッチング周波数が非常に高いために、実現が困難である。
より単純なオプションは、移植デバイスにおいて、電圧が固定された、例えば、典型的には15Vの所望の最大出力電圧で固定された電源であり、ここでは、各成分パルスにおける平均電圧は、スイッチングネットワークにおけるスイッチング期間を制御することによって、各成分パルスが使用可能な総期間のパーセンテージとして、各成分パルスに割り当てられるタイムスライス(すなわち、パルス幅)のパーセンテージを変調することによって変更される。成分パルスの適用の間に流れる電流のフィードバックを用いて、この変調を制御することによって、パルスの間に供給される平均電流を制御してもよい。
これによって得られる改善は、帯域幅が比較的狭く、この結果、スイッチング周波数が比較的低く、これにより、成分パルスの期間の間、電圧が実質的に固定される可変電圧電源が提供されることである。そして、各成分パルスの有効な振幅は、上述のように、成分パルス幅を調節して、1パルスあたりの所望の平均電流レベル、電圧又は電荷を実現することによって調整される。
更なる変形例では、可変振幅電源、例えば、電圧源及び各成分又は副成分パルスの電流及び/又は電圧を(パルス全体に亘ってこれらを平均することによって、又は1回又は複数回これらをサンプリングすることによって)測定する1又は複数のセンサを使用し、このデータをフィードバックして、成分パルスの相対的なデューティサイクルを変更し、各電極対の間で所望の平均電流、電圧、電荷又はエネルギ分布を達成し、及び電源の総合的な振幅を変更して、全体として、合成パルスにおける所望の平均電流、電圧、電荷又はエネルギを達成する。フィードバックループは、各デューティサイクルに実時間で補正を適用することによって、又は前の周期からのデータに基づいて次の周期に補正を適用することによって周期毎に補正を適用することによって、従来の手法で実現できる。周期毎の手法は、各周期間の時間において、性能が比較的低いマイクロプロセッサを用いて補正を算出できる利点を有し、一方、実時間の手法は、アナログフィードバック又は高速デジタルプロセッサの何れかを必要とする。周期毎のフィードバック法は、刺激パルスの期間に亘って生じる負荷インピーダンスにおける変化を補償することできないが、実際には、インピーダンスは、比較的緩やかに変化するのみであるので、これは、重要な短所ではない。
上の2つの段落で説明した方式の組合せは、特に、装置が、制限されたダイナミックレンジ内で振幅が可変の電源を有する場合に適切である。例えば、電圧源では、ゼロ電圧まで下げるのではなく、バッテリ供給電圧と最大出力電圧との間で、出力電圧を変更することが有益である。バッテリ電圧を下回る振幅が必要である場合、成分又は副成分パルスは、適用されるパルスの有効な振幅を低減させるようにパルス幅変調される。
他のオプションは、スイッチング技術に基づいて、可変電圧電源を設けることであり、これは、アナログ電流源を提供し、電流は、スイッチングマトリクスに供給され、スイッチングマトリクスは、必要に応じて適切な電極対を順番に接続することによって、成分パルス又は副成分パルスを直接的に合成する。この手法の利点は、可変電圧源が、アナログ電流源を良好に制御するために十分なヘッドルーム電圧のみを提供するので、電気的に効率的であるという点である。スイッチモード可変電圧電源とアナログ電流源との組合せは、アナログ出力段が提供できる広帯域及び低雑音を実現すると共に、電力効率と電子回路の複雑性との間の優れた妥協策である。
他の選択肢には、スイッチングマトリクスのパルス幅変調を伴う固定電流電源、若しくは、固定又は可変の電圧、電流、エネルギ又は電荷制御の他の組合せが含まれる。
典型的な二相性矩形波であるTENS波形及び図2に示す線形アレー内の電極A〜Eのそれぞれに適用される成分波形A〜Eの具体例を示す図である。 線形アレー内に構成されたA〜Eとラベルされた5つの電極を有する経皮電極アレーを示す図である。 図2に基づく2つの直線的な電極アレーが四肢の両側に経皮的に取り付けられた、概念的な均質の四肢の断面を介する組織内の電流パスを示す図である。 一方が中央前腕の前面、他方がその後面に取り付けられた50mm×50mmの正方形の電極を介して経皮的に適用された、最初の感覚の開始におけるピークパルス電流と、100Hzで繰り返される矩形波パルスのパルス幅の間の関係を示す図である。 経皮的に適用された電圧パルスにおけるパルスの間の電流垂下を示す図である。 50μs期間の典型的な二相性矩形波パルス及び2μsの成分パルスのパルス列からなる成分波形A〜Eの具体例を示す図である。 合成された低振幅再チャージパルスを伴う順方向矩形波合成パルス及びこの結果の成分波形の具体例を示す図である。 移植刺激器及び電極組立体を示す図である。 従来の技術における、遠位端側に共通の電極構成を有する典型的な移植電極リード構成の具体例を示す図である。 リードが刺激デバイスに挿入されている状態の典型的な刺激器コネクタ構成の平面断面図である。 線形アレー内の2つのカソード及び2つのアノード、並びに基本成分波形を用いて、合成パルスによって生成されるフォーカスされた刺激フィールドの具体例を示す図である(低振幅再チャージパルス又は戻りパルスは、図を明瞭にするために省略している)。 副成分パルスの列からなる高周波成分波形を含む、図10aの具体例に関連する成分パルスの代替的な構成を示す図である。 拡大されたパルス間スペーシングを有する成分波形を含む上の代替的構成を示す図である。 拡大されたパルス間スペーシングを有する高周波成分波形を含む上の代替的構成を示す図である。 重複する成分波形を含む上の代替的構成を示す図である。 横に並べられた16個の接点のアレーを基本成分波形と共に示す図である(低振幅再チャージ又は再チャージパルスは、実際の縮尺では示していない)。 16個の接点の移植されたアレーからの6つの電極(3つの電極対)を用いた合成パルスによって生成されるフォーカスされた刺激フィールドの具体例を関連する成分波形と共に示す図である(パルス間の空間実際の縮尺では示していない)。 図12aに示す構成のための交互の高周波成分波形を示す図である(パルス間の空間は、実際の縮尺では示していない)。 10個の電極(5個の電極対)を有する図12aと同様の移植されたアレーにおいて、図12aより拡散された合成刺激フィールドを生成するように活性化された状態を示す図である。 アレーの左側の電極E1上に中心が合わせられた合成刺激フィールドを示す図である。 順次的に活性化されるグループ1:E1−E2、D1−F2、F1−D2及びグループ2:F1−F2、E1−G2、G1−E2の電極の2つのグループによって生成される刺激フィールドを示す図である。 刺激装置のためのコンピュータベースのプログラミングシステムにおけるタッチ画面の例示的レイアウトを示す図である。 2次元の均質の抵抗媒体における電圧分布を示す電流フローの有限要素モデルを示す図である。 図17aの電圧分布に関連する電流ベクトルを示す図である。 装置のブロック図である。 埋め込まれた温度センサを有するパドルリードを示す図である。 埋め込まれた温度センサを有する経皮リードの総合的な構成を示す図である。 埋め込まれた温度センサを有する経皮リードの電極接点の断面図である。 2ワイヤ測温抵抗体インタフェースを示す図である。
本発明は、経皮刺激器及び移植刺激器への本発明の適用例を検討することによって、説明することができる。電極アレーを示す図面は、臨床状況又は適切な成分波形を導出するために用いられる、組織の対応する数学的モデルのいずれを代表しているともみなすことができる。図示するパルスは、刺激デバイスが使用する制御の方法に応じて、電流、電圧、電荷又はエネルギのいずれを表しているともみなすことができる。
図1を参照して説明すると、波形01は、例えば、経皮神経刺激用途において、興奮性組織の挙動に影響を与えるために必要な合成波形である。この具体例の波形は、バランスがとられた順方向及び逆方向の合成パルスからなり、順方向パルスは、期間tfp(典型的には、50μs、100μs、500μs又は1000μsであってもよい。)を有し、逆方向パルスは、期間trpを有し、tfp=trpであり、これにより、組織を流れる正味電流は、ゼロである。ゼロの正味電流フローは、皮膚反応を引き起こすおそれがある電極間のイオン輸送を最小にするために好ましい。順方向パルス及び逆方向パルスは、パルス間スペーシングtipによって分離してもよく、これは、ゼロであってもよい。合成波形01は、A〜Eのラベルが付された5つの成分波形に細分化される。この具体例では、全ての2対の電極間の抵抗が等しいと仮定し、成分波形の各成分パルスの所望の振幅が等しく、この結果、各成分パルスは、期間が等しい。各成分波形は、tcp=tfp/5として、tcpμs期間の順方向パルスを有し、これに続いて、このtfp+tipμs(リーディングエッジ間で測定)後に、tcpμs期間の逆方向パルスを有する。各成分波形は、前の成分波形の開始からtcpμsだけ遅れている点を除いて、同じである。成分波形A〜Eを足し合わせると、元の合成波形01になる。
図2は、この具体例では、20mmのピッチで、絶縁性の裏当てシート04に取り付けられた5つの電極03からなる直線的な電極アレーを示している。このアレーの各電極には、図1の成分波形に対応するA〜Eのラベルを付している。
図3は、図2に示すタイプの2つの直線的な電極アレー06、07の具体的な適用例を示している。各電極アレーは、成分波形A〜Eが、電極対A1−A2等に亘って適用されるように、四肢08のいずれかの側に取り付けられる。各電極対についての組織を介する各電流パスは、例えば、太線で示す電流パスE1−E2等のように、点線で概略的に示している。
成分波形の電流パスは、シェーディングで示す領域内の組織で交差することがわかる。シェーディングした領域の求心神経又は他の興奮性組織は、図1の合成波形01と同様の期間の合成波形の影響を受ける傾向があり、このシェーディングした領域の外の領域の求心神経又は他の興奮性組織は、個々の成分波形(図1の02)の影響を、これに対応するより短い期間、受ける傾向がある。
もちろん、この図は、四肢の断面が均質であると仮定した理想的なケースを示しており、臨床状況では、電流は、異なる組織、骨等の相対的な導電率によって左右されるパスを流れる。いずれの場合も、電流パスは、2つの電極対の間を横断する場合、電極対の構成によって定義される開始点及び終了点を結ぶ。ここに示す交差構成は、深部組織内の刺激波形の焦点を提供し、代替となる非交差構成(各電極対が梯子の横木のように向かい合う構成)では、より分散された刺激の領域が提供される。また、成分波形の相対的なデューティサイクル及び電極のペアリングを変更することによって、刺激の領域の形状及びこの領域の中心を変更することもできる。
感覚閾値に対するパルス幅の効果を図4のグラフに示す。このグラフは、感覚の閾値におけるパルス幅によるピークパルス電流の変化を示している。被験者が最初の感覚の開始を検出した振幅における1対の電極間のパルス電流を記録した。ここでは、50mm×50mmの正方形の2つの電極を用い、一方を中央前腕(mid forearm)の前面、他方をその後面に取り付け、100Hzで繰り返される矩形波電圧パルスを経皮的に適用した。この具体例は、成人男子の1人の被験者のものである。なお、電流は、被験者及び電極のタイプ及び配置によって異なる。特に、移植された電極では、表皮抵抗がなく、通常、接触面積が小さく、この結果、電極においてより高い電流密度が提供されるため、より小さい電流で感覚が引き起こされる。いずれも、曲線の包括的な形状は、同じであり、パルス幅が大きくなるに従って、刺激電流は、略々指数関数的に減衰する。
経皮的な用途の場合、深部組織内で電流が足し合わされるように、成分パルス幅及び刺激強度、並びにアレー電極の配置を適切に選択することによって、皮膚求心性線維を活性化することなく、深部組織内に活動電位を生成することができる。
但し、個別には、神経上の電位依存性チャネルを活性化するためのエネルギが不十分であるために、活動電位を生成するための十分なエネルギを有していない短いパルスの列が、加算されることによって、皮膚求心性線維が活性化される可能性がある。アレー内における電極セグメントの近接性のために、隣接するセグメントからのパルスは、互いに加算されることがある。皮膚求心性線維の活性化を最小限にする目的を有する経皮刺激器の設計では、図3の電極は、如何なる2つの隣接するセグメントも連続して活性化されないことを確実にする順序で活性化される。図1における成分波形のラベル及び図2、図3における対応する電極は、このような順序の具体例である。更に、図2に示すアレーの各セグメントは、数mm分離することが望ましい。
この具体例では、電極セグメントの直下の組織が曝されるパルス幅は、合成パルス期間の1/5に過ぎない。これは、特定の刺激強度では、皮膚求心性線維を活性化するためには、不十分である。一方、より深い組織では、適用された信号は、同じ組織を流れる傾向がある。個々の短いパルスは、順番に足し合わされ、図1の合成波形01の形式のより長いパルスが再構築される。これにより、電極アレーの直下の組織を直接刺激しないで、電極の配置の箇所から離れた領域に分布する神経を刺激することができる興味深い効果が得られる。
更に、図1に示すようなバランスがとられている順方向パルス及び逆方向パルスを含むシステムでは、(所定の振幅及び期間の)順方向パルス及び逆方向パルスの間の間隔は、刺激強度に影響する。知覚される刺激強度は、間隔がゼロから約20μsに広くなるにしたがって増加し、約200μsまでは、比較的一定のままであり、間隔が更に広くなるにしたがって減少する。この効果は、数μsの期間、例えば、1〜20μsの典型的な成分パルス期間のパルスにおいて最も顕著である。したがって、ゼロの正味電流フローを有するが、皮膚線維の最小量の活性化を必要とするシステムでは、逆方向パルスを順方向パルスから適切な時間分離し、又は順方向パルスの直後に、連続して発生させることが望ましい。逆方向の成分パルスは、順方向パルスから、少なくとも合成パルスの期間(リーディングエッジ間で測定)分離しなければならないので後者は、実現が困難である。したがって、合成パルス繰返し率が100Hzである典型的なシステムでは、順方向パルスと順方向パルスの中間、すなわち、順方向パルスのリーディングエッジの5000μs後にバランスをとる逆方向パルスが発生するような間隔をあけることが好ましい。代替となる手法は、順方向パルス間に、緩やかな逆方向の電荷によって、バランスをとる逆方向の電荷を供給することである。典型的な神経刺激波形の低いマーク/スペース比のために、このバランスをとる逆方向の電荷は、求心性線維が活性化するレベルより十分に小さい振幅で発生するように構成することができる。
上述した5電極アレーの1つの応用例では、2つの電極アレーが、疼痛のある領域、例えば、負傷した膝の直上に配置され、刺激強度は、患者が最大の快適なレベルであると判断するまで増加される。5電極アレーによる最大の快適なレベルでは、通常、皮膚求心性線維及び深部求心性線維の両方が発火する。ここに説明するアレーデバイスと、同等な面積の電極を有する標準のTENSデバイスとの比較では、ユーザは、皮膚求心性線維及び深部求心性線維によって生成された感覚を容易に区別できないことが示された。幾人かの被験者は、アレーデバイスの方が「より深く入り込んでいる(more penetrating)」と答えたが、2つのデバイス間の感覚の差は、顕著ではない。但し、同等な最大の快適なレベルでは、アレーデバイスから組織を流れる電流は、典型的には、標準のTENSデバイスの3倍である。したがって、この方法の利点は、痛覚閾値は、適用された電流に関して測定した場合、高くなり、この具体例では、3倍になるという点である。
この方法の他の利点は、組織の容量性効果が低減される点である。図5は、2μsの短いパルスについて、これらの効果を示している。組織のキャパシタンスのために、矩形の電圧パルスは、パルス時に垂下(droop)する電流を生成し、電圧の除去によって、戻り電流パルスが発生する。パルス幅が、50〜100μsの典型的な合成パルス長に拡張されるにしたがって、この効果は、パルス時に輸送される電荷に著しい低減を生じさせる。成分パルスは、合成パルスより短いので、例えば、従来のTENSデバイスが生成するような、従来の手法によって導出された広い期間のパルスに比べて、より深い組織の電流をより高いレベルで維持できる。
この観点における更なる利益は、成分パルスを副成分パルスの列に細分化することによって得ることができる。これを図6に示し、ここでは、等しい50μs期間の順方向パルス及び逆方向パルスを有し、パルス間スペーシングがゼロである合成波形10を、それぞれが10μs毎に繰り返される2μsの副成分パルス11の列を含む5つの成分波形12、A〜Eに細分化している。本明細書と共に用いる図面の多くでは、説明を明瞭にするために、基本的な(すなわち、単一のパルスの)成分波形を示しているが、成分パルスが所望の最大期間を超える可能性がある長い合成パルス期間については、より周波数が高いパルス列形式が望ましい。好ましい実施の形態では、全ての副成分パルスの最小のパルス幅が0.1〜0.5μsとなり、最大のパルス幅が2〜20μsとなるように副成分パルス列が導出される。
パルス列波形は、深部求心性線維を優先して、皮膚求心性線維の活性化を更に減少させると予想されるかもしれない。これは事実であるが、実際には、この効果は図4のグラフの精査から予想されるほど顕著ではなく、その理由は、上述した加算プロセスの結果、一連の非常に短いパルスから、短いパルスのみでは、通常、活性化を引き起こすことが期待されない活動電位が生成されるためである。なお、この方法では、電極の周りに不快感を生じさせることなく、より高い電流を皮膚に適用することができる。
上述した経皮構成では、アレー内の電極の数、刺激デバイスの複雑性、及び各電極アレーを刺激器に接続するケーブルの重みの間での妥協が不可避である。ケーブルの重みを克服する一手法は、電極アレーの背面のフレキシブル基板上に、スイッチングマトリクスを構築することである。これは、刺激器からの2つのワイヤ供給を使用し、合成パルスの開始からのそれぞれの時間に基づいて、アレーへの信号を多重化し、又は刺激器からの個別のクロック信号を有する3つのワイヤ供給を使用することによって動作させることができる。
先の具体例では、合成パルスは、バランスがとられた、同じ振幅及び期間の順方向パルス及び逆方向パルスを含む。本発明に必要な特徴ではないが、電極間でのイオン輸送を防止するために、順方向及び逆方向の電荷の合計は、ゼロであることが望ましく、但し、順方向パルス及び逆方向パルスの形状は、同じである必要はない。図7は、このような具体例を示しており、ここでは、順方向パルス13は、図1に示すものと同じであるが、順方向パルス間の緩やかな再チャージ14によって、正味電荷をゼロにしている。典型的には、総周期期間における順方向パルスの割合は、1%以下であり、したがって、逆方向の再チャージは、神経を活性化する振幅よりかなり小さい振幅で、順方向パルス間の比較的長い休止期間(quiet period)に行うことができる。
逆方向の再チャージパルスは、単に、適切な信号生成器によって所望の順方向パルスを生成し、直列コンデンサを介して、これを組織にカップリングすることによって実現できるが、再チャージは、更なる複雑性を導入しないように、他の成分パルスによって干渉されないように制御することが好ましい。
これに代えて、及び好ましい手法として、逆方向パルスは、バイポーラ出力を有する信号生成器によって、又は出力側に適切なスイッチングマトリクスを有するモノポーラ信号生成器によって明示的に生成することができる。図7は、このようなシステムの理想化された電流波形を示しており、所望の合成刺激パルス13は、曲線14の下の同じ面積を有する逆方向再チャージパルスによってバランスがとられている。順方向刺激パルスは、通常、負に進む(すなわち、カソード)。説明を明瞭にするために、図面に示す正の戻り再チャージパルスは、順方向パルスの5倍の期間と、1/5の振幅を有する。但し、実用的な実現例では、戻りパルスの振幅は、順方向パルスの振幅の数パーセントに過ぎず、この結果、順方向パルス間のより長い期間を占め、休止期間の大部分を占めることもある。出力側に直列コンデンサがない装置では、出力段は、各電極における順方向及び逆方向の電流フローを積算し、正味電流フローがゼロに維持されていることを再確認する回路を備えることが好ましい。この積算器からのエラーは、各チャネルにおける戻りパルスの期間を変更するためにシステムにフィードバックされる。
各順方向成分パルス16は、上述したように、所望の刺激フィールドに基づいて導出される(この具体例では、全ての成分パルスは、等しい振幅を有するが、本発明はこれに限定されるわけではない)。逆方向の成分の再チャージパルス17は、順方向成分パルスと同じ正味電荷を有するように算出され、ここに説明したように、順番に供給される。成分波形15は、図2及び図3を用いて説明したように、電極アレーに供給してもよく、必要ならば、アノードがより大きい1つの電極を構成し、カソード側のみにアクティブアレーを設けてもよい(すなわち、負の順方向に進む成分波形を供給する)。これにより、刺激装置内の電極アレー及び出力電子回路が簡素化される。
図8は、移植刺激器(implanted stimulator)の典型的な構成を示している。移植刺激器は、刺激デバイス18を備え、刺激デバイス18は、典型的には、密封されたチタンシェルである筐体19内に電子回路、バッテリ、チャージ電子回路及び信号生成器を含む。このデバイスの上部にあるコネクタアセンブリは、1つ以上のリード21(図では、短縮して示している。)への接続を提供し、リード21の終端部には、1つ以上の電極アレー22が設けられている。筐体19は、導電体で形成されている場合、電極として用いてもよく、オプションとして、使用可能な電極のアレーの一部を構成してもよい。現代の典型的な移植刺激器には、複数の電極接点、通常、2組の各8個の出力として構成された16個の電極接点が設けられている。移植刺激器の用途は、電極を硬膜外腔に移植する脊髄電気刺激法、及び電極を脳に移植する脳深部電気刺激法を含む。
図9aは、脊髄電気刺激法のための既知の移植用のリードのタイプの複数の具体例を示しており、それぞれがアレー内に複数の電極接点を有している。リードタイプは、経皮リード23を含み、これは、フレキシブルリード上に規則的に又は不規則に離間して設けられた一列の複数の接点24を有する。経皮リードは、中空針の誘導器(hollow needle introducer)をガイドとして用いて容易に移植できることから命名されている。リードの他のタイプは、パドルリード25を含み、これは、その形状から命名されている。このタイプのリードは、移植の際により侵襲的であるが、一旦移植されると、ずれにくいという利点がある。更に多くの異なるタイプのパドルリードが存在し、これらには、予め定義されたアレー内に複数の電極が構成されているタイプ26、2つ以上の別個のパドルが共通のリードに接続されたタイプ27等が含まれる。いずれの場合も、個々の接点は、それぞれ、刺激デバイスへの電気的接続を提供する、絶縁スリーブに包まれた小さい直径のワイヤを有する。特定の組織又は神経領域をカバーするために、1つのリードを移植してもよく、2つ以上のリードを移植してもよい。経皮リード(図9aの23)のための中空針の誘導器の使用を容易にするために、刺激デバイスへのコネクタの直径は、リードと同じであることが理想的である。
典型的な刺激器コネクタ構成を図9bに示す。この図は、刺激デバイスに挿入されるリード32を示している。張力緩和部(strain relief)31は、刺激器からの出口点におけるリードの曲がりを緩和する。一連のバネによって付勢された接点30は、電極と刺激器出力との電気的接続を提供する。クランプ29は、リードを固定するために止めネジによって調整される。クランプは、必要であれば、更なる接点として用いてもよい。
ターゲット組織領域がどこであっても、移植を正確に行うことは困難であり、したがって、接点の多様性によって、神経外科医は、組織の特定の領域を広く覆い、アレー内の電極の異なる組合せによる試行錯誤によって、所望の治療効果を実現することができる。時間の経過に伴って、リードが移動し、又は移植された電極の周りに瘢痕組織が蓄積されるために接触インピーダンスが変化するため、時間の経過に伴って、電極の組合せについて再プログラミングが必要となることもある。更に、電極間隔は、刺激される組織の領域と比較して、物理的に大きい場合があり、したがって、電極のピッチより高い分解能で刺激のポイントを変化させることができる、励起を制御する手段を設けることが望ましい。医師(又は患者)が多くのパラメータを制御して、刺激パターンを最適化できるようにする必要があり、これらのパラメータには、適用される刺激の振幅(絶対電流、電圧、電荷、エネルギ、若しくは、接触インピーダンス又は知覚された感覚に基づいて正規化されたこれらの値)、合成パルスのパルス幅、パルスの繰返し周波数、刺激の領域の中心位置、刺激パターンを中心の周囲に密にフォーカスするか、又は組織内により広く分散させるか等が含まれる。
本発明では、刺激の中心の位置を制御するために、合成波形を2つ以上の成分波形に分離する。成分波形のパルスのデューティサイクル及び動員される電極の数は、成分波形が組織内で再結合し、所望のカバレッジ範囲内の所望の位置で、合成波形を形成する合成パルスを再構築するように制御される。
最も簡単な具体例は、例えば、経皮リード又はパドルリード(図9aの23及び25)等の線形アレーである。図10aは、A〜Hのラベルが付された丸印で示されている8個の接点を有する線形アレーを基本成分波形と共に示しており、ここでは、図を明瞭にするために、上述した低振幅再チャージパルス又は戻りパルスは、示していない。
このようなアレーでは、刺激の領域の中心は、アレーの上から下まで、シームレスに制御できることが望ましい。図10aでは、中心点は、電極Fから電極Eまでの距離の約3/10にあり、これを、望ましい刺激の中心を示す×印33によって示している。実際には、刺激は、シェーディング34によって示す拡散された領域(「刺激フィールド」)上で知覚される。多くの場合、神経刺激に好適な電極は、カソードである(但し、感覚は、カソード及びアノードのいずれにも生じることがある)。この具体例は、カソードから供給される順方向パルス(図10aでは、電極E及び電極F上のマイナス記号によって示している)と、振幅が小さい逆方向の電荷とを有する図7に示すタイプの波形を使用し、逆方向の電荷は、図10aでは示していないが、図7に示すものと同様である。
図10aのアノードは、プラス記号によってマークされたアレー内の電極H及び電極Cである。所望の合成刺激波形は、矩形波パルス35である。成分波形36及び37を導出するために、組織の電気的特性に関する、ある仮定が必要である。最も単純なケースでは、例えば、刺激が知覚される点が2つのカソードE及びFのデューティサイクルに比例すると、合理的に仮定できる。したがって、図10aにおける成分波形36、37は、それぞれ順方向刺激パルス時間tfpの30%、70%の間、アクティブにされる。
図10bは、成分波形39、40が、同じ30%、70%のデューティサイクルを有する、より周波数が高いパルス列に細分化された高精度化を示している。上述したように、この手法は、長い合成パルスでは、組織のキャパシタンスの効果を低減させる傾向があり、電極E及び電極Fの領域の神経が、2つの成分波形を1つの波形として知覚することを確実にするため、成分パルスの適用に適した方法である。この具体例では、成分波形39は、アノードC及びアノードHの両方をアクティブにすることによって、カソードEに適用され、成分波形40もアノードC及びHによって、カソードFに適用される。アノードの選択は、アレーの領域内の電流パス及び電流密度に影響し、ある場合には、刺激器の筐体をアノードとして用いて、又はアレー内の他の1つの電極のみを用いて、より密に制御された電流パスを提供することが適切であることもある。
この構成を用いて、各電極に適用される相対的なデューティサイクルを制御することによって、刺激フィールドの中心33をアレーの上下に滑らかに変更することができる。また、更なるカソードD、Gを動員し、4つの電極間でデューティサイクルを共有することによって、より広い領域を覆うより拡散した刺激フィールドを提供することもできる。また、この方法を拡張し、直線状に移植された複数の電極をカバーすることも可能である。
図10cは、成分波形の更なる変形例を示しており、ここでは、成分パルスの供給をパルス間の期間tipによって遅延させている。上述の具体例と同様に、成分パルス幅42、43の合計(tcp1+tcp2)は、順方向合成パルスtfp41の全長に等しく、相対的なデューティサイクルは、同じである。パルス間スペーシングtipの効果は、所定の合成パルス期間及び振幅について、神経活性化のレベルを増加させることである。この効果は、最大でtip≒20μsまで増加し、知覚される感覚の特定のレベルにおいて、刺激器のバッテリ寿命を増加させるために有効である。
また、この手法は、上述した、各成分パルスがパルス列に細分化される周波数が高められたケースにも適用でき、これにより得られる副成分パルスのパルス幅が、1μs〜5μsの範囲にあれば、この範囲内では、パルス間スペーシングを大きくする効果が最大であるため、特に有利である。これを図10dに示し、ここで、高周波成分波形44、45は、それぞれ、図10cに示すそれぞれのパルス幅の1/3のパルス幅を有し、パルス間スペーシングは、tip/3まで短縮され、これによって、同じ総期間の周期を実現している。
図10eは、成分波形の適用における更なる変形例を示している。この具体例では、概念的な合成刺激波形46は、上述の具体例と同じであり、成分波形47、48は、同じ期間及び振幅を有するが、これらは、同じ時刻に開始され、異なる時刻に終了する順序で供給される。
他の変形例では、デューティサイクルを固定し、パルスの振幅を変更して、各電極間で、合成パルスの電荷又はエネルギの望ましい共有を実現する。この手法は、複数の電源又は非常に帯域幅が広い電源が必要であるという短所がある。
図10a〜図10e、及び後述する図11では、簡潔さのために、逆方向パルスを示していないが、このような逆方向パルス、例えば、図7に示すような小振幅パルス又は図1に示すようなバランスをとる逆方向パルスは、通常、波形の一部を構成する。
図11は、各8個の2組の電極が横に並べられた、他の電極の構成を示している。この構成は、例えば、脊髄電気刺激法の用途において、両側性の疼痛の治療として有用である。この具体例では、(刺激波形50のパーセンテージとして)E1が35%、F1が35%、E2が15%、F2が15%のデューティサイクルで、4つのカソードE1、F1、E2、F2を使用している。この結果、左の電極のより高いデューティサイクルに向かうバイアスによって、4つのカソードの幾何的中心から中央左に位置する刺激中心を有する刺激フィールドが生成される。この具体例では、アノードの選択は、知覚される刺激パターンへの影響が小さく、アノードは、C1、C2、H1、H2であり、刺激デバイス内のスイッチングマトリクスによって並列接続されている。成分波形51、52、53、54は、4つのカソードに順次的に適用される。この具体例では、並列に接続されたE1及びF1に70%のデューティサイクル波形を適用し、E2及びF2に30%のデューティサイクル波形を適用することによっても同様の結果を達成できることがわかる。実際の応用例では、所望の刺激パターン及び刺激の中心が与えられた場合、成分波形及び電極のペアリングについて、解決策が一義的であることは希である。
上述のように、先の図面は、順方向の負のパルスと、低振幅の再チャージパルスを有する波形の仮定に基づいている。代替となる手法は、先に説明し、図1及び図6に示すような、等しい順方向パルス及び逆方向パルスからなる双方向のバランスがとられた波形を用いることである。これらの場合、アノード及びカソードは、半周期毎に有効に逆にされる。好ましくは、波形は、逆方向パルス及び順方向パルスが時間的に等間隔になるように選択されるパルス間スペーシング(図1のtip)を含む。バランスがとられている二相性波形では、好ましい方法は、一度に複数のアノードを並列に接続するのではなく、電極の対又は小さなグループをカップリングすることである。これにより、電極間の電流パスをより正確に定義でき、したがって、合成波形の位置及びカバレッジ範囲をより良好に制御できる。図12〜図15は、それぞれが8個の電極からなる2つの列から構成されるアレーによって実現された、このようなシステムの具体例を示している。
図12では、刺激フィールドの中心55を×印で示している。所望の合成刺激波形56は、3つの成分波形57、58、59に細分化される。上述したように、これらの波形は、刺激器において使用される出力ドライバのタイプに応じて、電流、電圧、エネルギ又は電荷を表すことができる。成分波形は、電極対D1−F2、E1−E2、F1−D2のそれぞれに供給される。組織のターゲット領域は、シェーディング領域60によって示している。図12aに示す成分波形は、それぞれが合成パルスの33%を占める3つのパルスである。実際には、上述したように、成分波形は、図12bに示すように、一列に供給される同じ総デューティサイクルを有する一連のより短いパルスに更に細分化することが望ましい。
図12は、アレー全体で覆われた組織の面積に対する割合として比較的小さいカバレッジ範囲を有するフォーカスされた刺激フィールドを示している。
これよりフォーカスされていない刺激フィールドが適切である場合は、図13に示すように、2つの更なる電極対C1−G2及びG1−C2を動員する。これによって、概念的刺激フィールドは、縦軸に沿って広がる。この場合、図13に示す5つの成分波形66は、合成波形65から導出され、5つの電極対D1−F2、E1−E2、F1−D2、C1−G2、G1−C2に適用される。
ここで、図12の刺激フィールドの中心を左に位置変更する必要があると仮定する。図14は、図12と同様の3つの成分波形を示しているが、1つの電極(E1)が、3つの成分波形の全ての電極ペアリングの一部である点が前の2つの図面と異なっている。この結果、この電極は、合成パルス68の全期間の電流を搬送し、他の3個のアクティブ電極D2、E2、F2は、それぞれ全期間の33%だけ電流を搬送する。
図12、図13及び図14は、3つの「基準」刺激パターンであるとみなすことができ、これらは、それぞれ、アレーの中間線にフォーカスされた刺激、アレーの中間線から分散された刺激、及びアレーの片側にフォーカスされた刺激の3つの特定のケースを代表している。
実際には、医師又は患者は、刺激パターンを生成するために用いられる特定の電極及び成分波形を考慮しなくてもよいことが望ましい。これらは、直感的なユーザインタフェースを用いた、刺激フィールドの所望の位置及びカバレッジ範囲のハイレベルな入力から自動的に導出されることが望ましい。
先の幾つかの図面に示したように、成分パルスを順次的に供給する場合、図12、図13及び図14に示す様々な基準刺激フィールドを互いに加え、又は補間して、中間的ケースを表す所望のフィールドを生成することができると仮定することは合理的である。
図15は、このような中間的ケースの1つを示している。この具体例では、医師は、刺激の中心73を、アレーの中線に沿って、矢印74によって示されている方向に位置変更することを指示している。これは、先に図12に示した6つの電極のグループ(電流パスを示す点線によって結ばれている電極対D1−F2、E1−E2、F1−D2)を、電極のアレーにおいて1ピッチの距離だけ下方(すなわち、電流パスを示す破線によって結ばれている電極対E1−G2、F1−F2、G1−E2)にコピーすることによって実現してもよい。そして、これらの2つの各グループの間で、所望の刺激の中心の移動に比例させて、デューティサイクルを分割する。これにより、図15に示す6つの成分波形75が得られる。なお、上述の具体例と同様、1つの電極が1つ以上のペアリングの一部を構成して、所望の刺激フィールドを生成してもよい。更に、上述のように、いずれかの成分波形が最大の望ましいパルス幅(通常2μs、4μs、10μs、20μs又は50μs)を超えるパルスを含む場合、図12bに示すように、各成分を、同じデューティサイクルの同等な副成分パルス列に分割することによって、これらを更に細分化することが好ましい。
先の図面では、電極アレーの1つの構成及びそのアレー内の電極をペアリングする限られた数の手法のみを説明してきた。他の組合せも可能であり、例えば、電流パスは、図12〜図15に示すように交差させる必要はなく、例えば、D1−D2、E1−E2、F1−F2等の梯子状の電極対から構成してもよい。更に、幾つかの実例では、電極対の一方として、刺激器の筐体(図8の19)を用いることが望ましいこともある。これは、電極の位置から更に入り込む傾向がある刺激フィールドを生成し、この結果、移植されたアレーから、幾らかの距離だけ離れた組織を刺激することができる。成分波形によって刺激フィールドを制御する上述した方法は、この構成にも同様に適用できる。
また、刺激器筐体は、使用可能であれば、接触インピーダンスを測定するためにも有用な電極となる。接触インピーダンスは、通常、筐体に既知の電流又は電圧を適用し、各電極について、順番に、対応する電圧又は電流を測定することによって測定される。同様に、電極の特定の対の間のインピーダンスも測定できる。インピーダンスを検出するための1つの電極として筐体を用いる1つの利点は、この1つの出力上で高精密電流センサを実現でき、他の複数の出力にこれをコピーする必要がない点である。アレーにおいて筐体が用いられない場合、オプションとして、高い値の感知抵抗器を用いてもよい。また、筐体出力は、正弦波又は矩形波のAC検出電流を使用してもよい。これにより、筐体及び電極接点の金属によって電極電位が異なることに起因する計測誤差をなくすことができる。
接触インピーダンスは、瘢痕組織が移植された電極の周囲に形成されるにしたがい、時間に伴って変化することがある。図面では、成分波形は、各電極と組織との接点が同じ品質であるという仮定に基づいている。接触インピーダンスにバリエーションが観測され、特に、合成パルスが電圧出力である場合、電極出力に適用されるデューティサイクルの比率を変更して、インピーダンスの違いを補償することが適切な場合がある。この処理は、正規化と呼ばれる。
正規化の更なる適用は、感覚に関連する。電流制御システム及び電圧制御システムの両方において、筐体電極に対して各電極を較正し、全ての電極が、最大出力において、同様のレベルに知覚される感覚を生成するようにすることが望ましい。これを達成するために、各出力を順番にアクティブ化し、患者が、出力を調整して、この出力が他と同様に感じられるようにし、これらの相対的設定を保存及び使用して、成分波形のデューティサイクルの比率に重みを与えることによって、システムを正規化する。
使用中の電極アレーを相対的位置でグラフィカルに表現するコンピュータベースのプログラミングシステムを医師に提供することが好ましい。プログラミングシステムは、デバイスのセットアップを容易にするために、一連のページを含む必要があり、これらには、少なくとも、セットアップページ、診断ページ、刺激ページ、プログラム作成ページが含まれる。
セットアップページでは、パルスタイプの選択(例えば、バランスがとられた順方向パルス及び逆方向パルス、又は緩やかな再チャージを有する順方向パルス)、刺激器筐体の電極としての使用、及びアレーの構成(例えば、ライン内に一重、ライン内に二重、並列、広い又は狭い間隔及び様々なタイプのパドルリード構成)等の基本的パラメータを構成設定することができる。
診断ページは、例えば、バッテリ状態、エラーログ、シリアル番号等のパラメータを含む刺激デバイスの状態を報告する。これにより、刺激器筐体又は他の何らかの基準電極のグループに対する接触インピーダンスを測定できる。この測定は、筐体に電流又は電圧を供給し、検討中の電極における対応する電圧又は電流を測定することによって実行してもよい。
また、診断ページは、上述した感覚正規化テストモードを含む。1つの方法は、刺激器筐体をアノードとして機能させて、各電極接点に順番に基準波形を適用することである。そして、患者が信号を知覚するようになるまで、基準波形の振幅を徐々に増加する。この後、必要であれば、刺激の間、各電極上の相対振幅を使用して、デューティサイクルを調整し、各電極からの感覚のレベルを正規化することができるようになる。バイポーラのバランスがとられた波形のための第2の方法は、刺激パターンを確立するために用いられる電極の適切な対の間に基準波形を適用することである。この第2の方法では、より正確な結果が得られるが、電極の対が多くなることがある。
また診断画面は、プログラミングシステム、患者用コントローラ又は刺激器に保存されている、インピーダンス及び感覚正規化データの履歴を表示する能力を有する必要がある。これにより、時間の経過に伴う変化を追跡でき、この情報を用いて、例えば、電極の周囲の瘢痕組織の形成を特定することができる。
刺激ページにより、患者又は医師は、刺激フィールド及び他のキーパラメータを実時間で制御できる。例示的なプログラミング画面を図16に示す。これは、例えば、一列及び並列等、移植されたアレーの構成に一致するように変化するアレーのグラフィカル表現を含む。また、このページによって、頻繁に使用されるパラメータ、例えば、振幅、合成パルス幅、パルスレート及びカバレッジ範囲を制御することができる。
医師又は患者は、ポインティングデバイス、例えば、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック又は他のこれらに類するデバイスを操作し、スライダ78を用いて、アレーのグラフィカル表示上で、刺激フィールド77の中心を指示する。ここに示す具体例は、主に、タッチスクリーン上で使用するように設計されているが、専用の物理的コントローラ、例えば、ジョイスティックを、ディスプレイと共に、又はディスプレイなしで、使用してもよい。システムは、一連の刺激ポイント79を保存する手段を提供し、これらは、後に、プログラム作成ページを用いて、所望の治療結果を達成するための刺激ポイントの特定のセット及び順序を定義するプログラムに組み込まれる。
このインタフェースは、刺激フィールド80のグラフィカル表現を提供し、どの電極がアクティブ電極81であるかを示す。オプションとして、グラフィカルな表示は、アレーの位置及び近隣の組織構造のために、外部のデータソースを使用してもよく、例えば、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)等の画像診断システムから生成された脊椎骨及び実際の移植された電極の画像を使用してもよい。
プログラミングページにより、刺激ポイントを治療プログラムに組み込むことができ、治療プログラムには、好ましくは、患者毎に意味がある名称を与える。
一旦、プログラミングが完了すると、小型LCD又はOLED、若しくは他の小型のディスプレイ画面を備える患者用コントローラによって、移植刺激器を制御できるようになり、患者用コントローラは、例えば、名称によるプログラムの選択、及び刺激の振幅の制御等の基本制御しか提供できなくてもよい。プログラミングユニット及び患者用コントローラは、無線テレメトリを介して、刺激デバイスと通信する。好ましい実施の形態では、患者用コントローラ(又は移植のための充電装置)は、プログラミングユニットコンピュータにプラグインされるUSBインタフェースを備える。そして、患者用コントローラ(又は充電装置)は、移植刺激器ユニットへの無線ブリッジを提供する。プログラムは、患者用コントローラに格納してもよく、刺激デバイスに格納してもよい。好ましい実施の形態では、プログラムは、患者用コントローラに格納され、必要に応じて、実行のために刺激デバイスにダウンロードする。
成分波形は、医師又は患者がプログラミングシステムに入力したデータから導出される。ユーザが入力する主なパラメータは、合成パルス幅、刺激フィールドの中心、刺激フィールドのカバレッジ、必要とされる波形のタイプ(すなわち、バランスがとられている順方向パルス及び逆方向パルス、又は緩やかな逆方向の再チャージ)、電極アレーの構成、刺激器筐体電極の使用(又は不使用)である。更に、プロセスは、組織の電気的特性に関して立てられるべき仮定を必要とする。
成分波形の算出の複雑性は、電極の数及びアレーの物理的構成によって異なり、最も簡単なものは、図10aに示す線形アレーであり、この場合、順方向パルスだけを考慮すればよい。この場合、組織が均質であると仮定すれば、成分波形の導出は、容易なタスクである。
図3に示す経皮アレー及び図11及び図12に示す移植アレーでは、複雑性が高まる。より複雑なケースでは、特定の入力のセットに対して、解決策が一義的に定まらないこともある。
上述したように、成分波形を算出する1つの方法では、図12、図13及び図14における並列のアレーについて説明したように、一組の基準刺激フィールドを用い、これらを足し合わせ、又は互いに補完して、中間的ケースを表す所望のフィールドを生成する。この方法は、演算オーバヘッドが非常に小さく、例えば、上述したプログラミングシステムの刺激セットアップページに要求される刺激フィールドの実時間制御において、理想的である。
基準刺激フィールドを用いる方法の拡張として、アレーの電極からの電流パスを検討し、医師によって入力されたパラメータに最も適合するパスの組合せを導き出すこともできる。電流パスは、2次元又は3次元の組織の有限要素モデルを用いて算出してもよい。
一例として、電極対とパルスの順次的な供給との組合せのための有限要素法を以下に説明する。最も簡単な有限要素モデルは、要素の辺に抵抗素子を有し、及びn*mの頂点におけるノードを有する一連の正方形又は三角形として構成された任意の値の抵抗器の2次元ネットワークからなる。アレー内の各電極対に定格電流を適用し、アレー内のアクティブ電極を表す頂点を例外として、各頂点に流れ込み、及び各頂点から流れ出る電流の総和がゼロであるという仮定に基づいて、繰返しによって生成される2次元電流分布を得る。繰返しによるこの解決策は、n*mのマトリクスを生成し、これは、特定の電極対について、マトリクス内の各点における電流ベクトルを含む電流分布マップである。
この視覚的な具体例を図17a及び図17bに示す。図17aは、要素間の境界に単位抵抗を有し、端部の要素と外部の世界との間に無限の抵抗を有する20×20の要素モデルに基づいて、+1及び−1(それぞれ、82及び83)の単位電圧を2つの電極に適用した場合の2つの電極の間の電圧分布を示している。図17bは、マトリクス内の電流フローのベクトルプロットを示しており、各ベクトルは、各要素の中心において予測された電流の方向及び振幅を表す。2つの電極は、符号84、85によって示している。
使用できる各ペアリングを表す各電極アレーについて、マトリクスのライブラリを生成する。これらのマトリクスは、医師又は患者が刺激の中心を移動させている間に、実時間で算出する必要はなく、予め算出して、プログラミングシステムコンピュータに保存しておくことができる。成分波形は、所望の刺激フィールドに最も適合する使用可能なマトリクスの加重和を定義する係数の値を発見することによって導出される。例えば、所望の刺激フィールドを定義するn*m次元のマトリクスを[dij]とし、可能な電極ペアリングにおける電流分布マップを定義するm*nマトリクスを[bij][aij]等として、以下の式を満足させる係数x、x等の値を発見する。
[dij]≒x[aij]+x[bij]+x[cij]・・・
それぞれの対応する成分波形のために用いられる係数x、x等は相対的なデューティサイクル又は振幅を表す。現在のマイクロコンピュータは、実時間で、発見的手法を用いてこれを解決するための十分な能力を有する。
この方法は、各組合せについて電流分布マトリクスが生成される限り、複数の電極の組合せに適用でき、例えば、単一のカソード及び複数のアノードの場合にも、複数の電極アレーが共に使用される場合、例えば、1つのラインに2つの線形アレーが移植される場合にも適用できることがわかる。また、上述した方法は、成分パルスのための解を発見するために使用することができる多くの分析的手法及び数値的手法のうちの1つに過ぎないことは明らかである。
上述のように、プログラミングシステムには、診断画面を設ける。診断システムからの1つの出力は、刺激器筐体に対する電極接触インピーダンスである。電荷又は電流の閉ループ制御がないシステムでは、各電流分布マップの算出に接触インピーダンスを含ませてもよく、これらのマップは、刺激セットアップページのロード時に、プログラミングシステムによって算出される。
また、診断画面では、各接点上の感覚の正規化も行われる。上述したように、この情報を使用して、必要であれば、各電極対が生成する感覚レベルを正規化するために、様々なデューティサイクルを変更することができる。代替となる手法は、この情報を用いて、マトリクスを変更し、マトリクスが、電流分布マップではなく、「感覚マップ」を表すようにすることである。
有限要素は、純粋な抵抗性ではなく、例えば、組織の分極の効果を含むように適応化してもよい。これにより得られる成分波形は、隣接する対が交互の極性で励起されて、所望の電流パスにフォーカスされた刺激パターンを生成できる。
有限要素モデルは、2次元又は3次元における組織の電気的特性の解剖モデルを含むように更に拡張できることは明らかである。これは、モデルの各要素に組織の電気的特性をマッピングすることによって達成される。
図18は、本発明に基づく典型的な移植装置(implanted apparatus)のブロック図を示している。この装置は、3つのサブシステム、すなわち、移植刺激器デバイス86、患者用コントローラ87及び構成システム88から構成される。
刺激デバイス86は、マイクロプロセッサシステム90によって制御される電源89を備える。電源は、バッテリ108からエネルギが供給され、マイクロプロセッサ90によって制御されて、適切な電流パルス又は電圧供給を生成して、所望の合成パルス107を生成する(この具体例では、ユニポーラ電源からの電流を示している)。電源は、単極性出力電源であってもよく(例えば、電流源又は電圧源)、又はシンク電流及びソース電流を流すことができる両極性出力電源であってもよい。移植デバイスの好ましい実施の形態では、電源は、公称電圧3.6Vの充電式のリチウムイオンバッテリから動作し、電流又は電圧のいずれかの制御出力を生成するスイッチモード回路である。電流供給の場合、マイクロプロセッサは、電源に対し、合成電流パルスを生成するよう指示し、この振幅は、典型的には、最大値を20mAとして、可変であってもよいが、これは15Vの最大出力電圧によって制限される。電圧供給の場合、マイクロプロセッサは、電源に対し、電圧を生成するように指示し、この電圧は、典型的には、最大値を15Vのピークまでとする可変振幅を有していてもよいが、これは、20mAの最大出力電流によって制限される。電圧を制御する場合、電圧自体は、パルスする必要はなく、合成パルス107は、出力段によって引かれる全ての電流の合計によって形成される電流パルスである。いずれの場合も、マイクロプロセッサは、電源の出力にその所望の合成刺激パルスが現れるように、電源及び出力段を制御する。
成分パルス94を形成するために、複数の出力段(例えば、91、92、93)を設ける。典型的には、16個又は17個の出力を設けるが、この図では、3個のみを示している。16個の出力(これは全て同じであるが、図では、2つの出力92、93のみを示している。)は、刺激デバイス上の2つの8端子コネクタを介して16個の電極コンタクトを駆動するために使用され、17番目の出力91は、刺激器筐体を駆動するために使用される。各出力段は、ハイ側及びロー側のスイッチング素子(「トーテムポール」出力と呼ばれる)95、96を備え、これらは、マイクロプロセッサによって制御され、トライステート出力を提供し、すなわち、パルス発生器に接続され、グラウンドに接続され、又は両方のスイッチング素子がオフの場合、高インピーダンスに接続される。
刺激器が単極性パルス発生器を備える場合、ハイ側及びロー側のスイッチは、電流を一方向のみに流せばよく、したがって、それぞれは、単一のトランジスタのみから構成してもよい。双方向の両極性電源が使用される場合、スイッチは、電流を双方向に流す必要があり、したがって、背面接続されたPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタから構成してもよい。
双方向性の電源を用いる場合、刺激器筐体のための17番目のトーテムポール出力91は、不要である。これに代えて、筐体は、低域通過又は帯域阻止フィルタ10、及び単一のスイッチング素子を介して接続され、これにより、必要であれば、高インピーダンスにしてもよい。
出力ドライバ(91、92、93)は、マイクロプロセッサ90の制御の下で、適切な極性で適切な電極対を順番に接続して、合成刺激パルス107を連続して電極対に供給することによって、成分波形94を合成する。個々の成分パルスは、好ましくは、短く、最大50μs又は20μsとし、より好ましくは、10μs、4μs又は2μs未満とし、したがって、高速なスイッチング素子95、96が必要である。
それぞれのスイッチング素子を介して出力に適用される電流I及び電圧Vのレベルは、パルス発生器回路89内の電圧及び電流センサによって測定され、マイクロプロセッサにフィードバックされる。マイクロプロセッサは、使用時に、常時、電極対を制御するので、このデータを用いて、接触インピーダンスの算出、ワイヤの断線の特定等を行うことができる。また、このデータを用いて、順方向電流フローと逆方向電流フローとが一致していることを確認してもよく、これは、DC接続刺激デバイスにおいて、重要な安全機能である。上述したように、双方向の波形のバランスがとられていないと、組織内で、1つの電極へのイオンの望ましくない移動が生じ、更に、これは、長期間かけて電極を分解する作用に寄与する。なお、バランスのとられた順方向電荷及び逆方向電荷が望ましいが、本発明は、所望の信号にDCオフセットがあるケースにも同様に適用できる。
各出力段は、オプションとして、出力センサ97を備え、出力センサ97は、出力電流I及び出力電圧Vを測定し、これをマイクロプロセッサにフィードバックする。通常、出力センサは、出力に直列に接続された低抵抗抵抗器と、抵抗器における電圧降下を測定して、これにより、電流を導出する高精度アナログ/デジタル変換器(A/D)とを備える。小型化のために、A/Dは、通常、複数の出力チャネルに亘って多重化される。
更に、出力センサ回路は、各出力における正味の電流又は電荷を測定する積算器又はサンプルアンドホールド回路を備えていてもよい。この回路は、成分パルス毎に一回以上、離散的な読取値を取得し、又は各周期に亘って電荷を累加し、マイクロプロセッサからの直接サンプリングによって容易に達成可能な分解能より高い分解能で、供給された順方向及び逆方向の電荷の振幅を記録する。
このような手法で、アナログ電子回路を用いて電流又は電荷を測定することは、データを高速に取得するためのマイクロプロセッサからの要求をなくすことができるため、有用である。そして、マイクロプロセッサは、各波形の間の比較的長い期間において、周期の最後に各出力からデータを取得することができる。このデータを用いて、電流又は電荷を制御し、若しくは順方向パルス及び逆方向パルスのデューティサイクルを調整して、長期間に亘る正味の電荷供給が正しくなることを保証することができる。代替となる手法(図示せず)は、各出力に直列コンデンサを配設することである。
独立した出力センサについて、より小型化された代替例は、全ての出力ドライバの共通のグラウンド接続に単一のグラウンド電流センサ98を設けることである。グラウンド電流センサは、アクティブな電極対の戻りパスを流れる電流を常時測定する。グラウンド電流センサの利点は、各出力に回路をコピーすることなく、1つだけを設ければよいという点である。測定エラーを防止するために、パルス発生器、及びグラウンド又は出力の両方において、電流センサのサンプリングを同期させることが望ましい。幾つかの成分パルスは、期間が短い(サブマイクロ秒)ため、サンプリングは、各パルスのリーディングエッジの直後に行われるように同期させることが理想的である。このデータは、デジタル的にサンプリング及び保存してもよく、この場合、高速なサンプリング及び変換が必要であり、或いはマルチプレクサを用いて、アナログ的にデータを保存し、マイクロプロセッサによって後に変換してもよい。
他の方法も可能であり、例えば、各トーテムポールのグラウンドレッグにセンサを設けてもよく、これは、感知抵抗器が出力内の感知抵抗器の場合のように浮動せず、グラウンドを基準にするという利点がある。
また、マイクロプロセッサは、各出力センサ又はグラウンドセンサにおいて測定された電流(及び電圧)を、信号生成器によって生成されたものと比較する。これは、このシステムが正しく動作しているかについてのクロスチェックを提供し、この結果、患者のための安全のレベルが更に高められる。
なお、16個の出力、例えば、電極アレーを駆動する出力92、93と、刺激器筐体を駆動する単一の出力91とは、異なり、後者は、出力に直列に接続された低域通過又は帯域阻止フィルタ109を有する。これは、磁気共鳴画像(MRI)スキャナが生成する無線周波数(RF)信号、例えば、1.5テスラのMRIの場合64MHz、3テスラのMRIの場合128MHzと同じ周波数の信号に対して高いインピーダンスを有する受動レゾナントフィルタである。MRIのRF信号は、刺激器リードに沿って電圧を発生させ、これは、フィルタがなければ、移植された電極アレーと刺激器ケースとの間に電流フローを誘導する。これらの電流は、電極アレーの領域内の組織を、米国食品医薬品局が許容する2℃の制限を大きく超えて、加熱する程の大きさになる可能性がある。出力内に設けられるフィルタに対するこのフィルタの利点は、出力毎ではなく、刺激器毎に1つだけ設ければよいという点である。但し、装置の変形例では、MRIの際に、2つのリードの間にも電流が誘導されないように、8端子の電極コネクタの一方を他方から分離するための更なる出力フィルタを設ける。
また、刺激デバイスは、バッテリ108と、バッテリ制御回路99とを備える。このバッテリが充電可能な場合、この回路は、外部の充電ユニットが移植デバイスに供給する磁気エネルギ、電磁エネルギ又は直接的な電気エネルギからのエネルギを用いて、充電シーケンスを制御する。外部の充電装置は、図には示していないが、独立したユニットであってもよく、患者用コントローラ87の一部を構成してもよい。
患者用コントローラは、好ましくは、ポケットサイズであり、通常、ユーザに提供される意図的に制限された機能を有する。小型のLCD又はOLEDディスプレイ及びキーパッド100により、患者は、予め定義された複数の治療プログラムの1つを選択し、治療を開始及び停止し、刺激の総合的な振幅を制御し、及び移植デバイスのバッテリ状態をチェックすることができる。患者用コントローラは、無線インタフェース101を備え、これは、刺激デバイス102内の同様のインタフェースと通信できる。無線インタフェースは、医療用移植片との通信のために確立された規格である体内植込型医療用データ伝送サービス(Medical Implant Communications Service:MICS)に準拠することが好ましい。MICSは、移植された医療デバイスにデータを送信し、及びこれらからデータを受信するための低電力無線サービスである。好ましい実施の形態では、治療プログラムは、患者用コントローラプロセッサ103に保存され、必要な場合にのみ、刺激デバイスに送信され、これにより、刺激デバイス内のファームウェアを簡素化して、信頼性を高めている。
構成システム88は、PCベースのシステムであり、診断及びプログラミング機能、例えば、上述した治療プログラムの作成のための機能を医師及び/又は患者に提供するグラフィカルユーザインタフェース105を備える。構成システムは、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus:USB)104を介して、患者用コントローラと通信する。構成を簡潔にするため、患者用コントローラは、移植デバイスと直接的に通信を行う唯一のデバイスである。構成システムから移植体への全ての指示は、患者用コントローラのマイクロプロセッサ103によって解釈された後、無線インタフェースを介して送信される。
なお、図18に示す装置は、本発明に基づく、全ての範囲のパルスを提供することはできない。この装置は、図10eに示すような、重なり合う成分パルスを生成できず、このような場合は、重なり合う成分パルス毎に1つの独立した信号生成器を有する装置が好ましい。各出力毎に専用の独立した信号生成器を設けることが、最も柔軟な構成であるが、これは、サイズの制約のために、移植デバイスにとって好ましい手法ではない。但し、サイズがそれほど重要でない外部の刺激器の場合は、このような構成も許容されることがある。図18の装置は、移植用途において電源が1つだけでよいという利点を有し、これは、一回のステップでバッテリ電圧を高め、合成パルスを同期させるように設計することができる。電源及び信号生成器の組合せは、エネルギ効率が高いスイッチモード技術を用いて構成することができる。
上述したように、電源については、多くのオプションがある。要約すれば、これらには、以下のようなものが含まれる。
(a)各パルスに使用可能なデューティサイクルの割合として、成分パルス又は副成分パルスのパルス幅の変調による出力振幅の制御を伴う固定電圧又は固定電流。
(b)可変電圧又は可変電流
(c)例えば、ダイナミックレンジが制限され、比較的帯域幅が狭い可変電源に、成分パルスの変調及び/又はこれらのパルスの相対的なデューティサイクルの変更を組み合わせた、(a)及び(b)の組合せ。
(d)(a)、(b)及び(c)のユニポーラ又はバイポーラバージョン。
空間が貴重な移植デバイスの場合、理想的な広帯域スイッチモード電流源は、容易には実現できない。
実用的な妥協策は、帯域幅が比較的狭い電圧可変スイッチモード電源を、成分パルス又は副成分パルスのパルス幅の変調と共に用いて、各パルスの有効な振幅の制御の帯域幅を広げることである(上述のオプション(c))。このシステムは、周期の特定の時点(通常、リーディングエッジの直後)で電流をサンプリングすること、又は積算器によって、パルスに亘る平均電流を累加することによる、各成分パルス又は副成分パルスにおいて流れる電流のフィードバックを含む。後者の方が好ましく、これは、上述したように、出力センサ97で実行してもよく、電源89で実行してもよく、グラウンド電流センサ98で実行してもよい。代替例は、アナログ広帯域電流源を駆動するスイッチモード電圧源である。スイッチモード電圧源は、効率的であり、帯域幅が比較的狭く、アナログ電流源に最小の電圧ヘッドルームのみを提供し、アナログ電流源は、使用可能なヘッドルーム電圧の範囲内で、広帯域の安定した出力を提供できる。
小型の装置では、各出力毎に電流の感知を複製することは、実用的でない場合があり、このため、出力センサ97を設けず、電源及びパルス発生器89に組み込まれている入力センサに対してクロスチェックされるグラウンド電流センサ98に置換してもよい。これにより、出力インピーダンスの変化を補償するためのパルス毎の電流制御が実現する。また、これにより、接触インピーダンスを継続的に測定することができ、このデータは、刺激デバイスに保存され、プログラミングシステムにフィードバックしてもよく、又はこれを用いて、特定の接点に関してインピーダンスが急激に変化した場合、警報を発してもよい。
上述の実施の形態の電源は、ユニポーラ電源であり、出力スイッチングマトリクスは、必要に応じて、出力の極性を逆にする。ユニポーラ電源のために、各トーテムポール出力ドライバは、マイクロプロセッサからレベル変換回路を介して駆動されるハイ及びロー側のMOSFETのみから構成する必要がある。このような構成は、最小の部品数で実現される。これは、図10bに示すような、順次的に供給される重複しない成分パルスを提供できる。また、これは例えば、図10cに示すような、パルス間スペーシングを有する成分パルスも生成する。信号生成器は、電圧調整によって、成分パルスとそのパルス間スペーシングとの合計に等しい期間に亘って、所望の出力電圧を維持する。
電圧が制御される電源の帯域幅は、各成分パルスの振幅を変更するために十分な広さを有する必要はないが、各周期毎に振幅を変更でき、周期毎に電流又は電荷を制御でき、及び図7に示すような小さな振幅の逆方向再チャージパルスを生成できるように、出力振幅を低減するために十分であるべきである。
図18に戻って説明すると、MRIは、非常に有効な診断技術であるが、多くの移植刺激器用途では、過度の電極加熱が永久的な障害又は致命傷を引き起こすことが知られているため、禁忌的である。更に、電極加熱の程度は、リードワイヤの物理的構成、刺激ユニットの配置、電極の周囲の組織の特性、磁気及びRF電磁波に対する患者の向き及び他の多くの因子によって変化するため、予測が困難である。MRIの適合性が最重要であると考えられる場合、正確な電流又は電圧制御を行うパルス発生器89を、出力センサ97又はこの他の電流及び電圧の高精度検出と共に、MRI撮像の間に電極温度を測定するように特別に構成された電極リードと組み合わせて用いることができる。
標準の8端子リードとのコネクタ互換性を維持するために、特別に構成された温度感知リードの一実施の形態は、電極出力の数が少なく、刺激ユニットからの残りの出力を温度感知専用に使用する点が、標準の8端子リードと異なる。例えば、パドル状リードでは、電極接点は4個であってもよい。各電極は、プラチナ−イリジウム等の不活性な生体適合性を有する材料から形成される。1つ以上の電極は、絶縁基板、通常、セラミック材料上に接合される。基板の裏側の表面には、プラチナの薄膜が蒸着され、この薄膜は、フォトリソグラフィー技術を用いて、細かく蛇行する形状にパターン化され、これにより抵抗温度検出器(resistance temperature detector:RTD)が形成される。RTDは、プラチナの温度に対する電気抵抗の変化に依存する。典型的には、プラチナは、0℃の公称抵抗値が例えば100Ωとなるようにレーザトリミングされる。RTDは、約0.4Ω/℃の抵抗値変化を示すが、この関係は、完全に線形というわけではなく、37℃の体温において、114.382Ωの公称抵抗値を生じる。このようにして形成されるRTDは、既知の生体適合性材料のみを用いて構成できるという利点を有する。
このようなリード及びその刺激ユニットへのインタフェースの具体例を図19に示す。4つの電極112のそれぞれは、セラミック基板111を有し、この背面には、薄膜プラチナRTD110が形成されている。RTDは、湿気の侵入を防ぐために、適所に溶接されたセラミック又はガラス被覆層(図示せず)によって、密封されている。この図では、電極接点の組織に接触する面は、下向きになって隠れており、各接点から刺激ユニットへの4本のワイヤは、図面を明瞭にするために省略している。
RTDは、4つの電極の1つのみに設けてもよく、或いは、この図に示すように、各電極上に繰返し設け、ワイヤリンク114を用いて相互に接続して、4つの電極の平均温度を測定してもよい。パドル電極組立体は、輪郭を示す柔軟な絶縁キャリア113によって共に保持される。
リードワイヤ115は、(図示していない4つの電極接点ワイヤを含む)8つの個別の絶縁ワイヤを含む。各抵抗器R1、R2、R3、R4は、通常、3〜4Ωである感知リードの抵抗を表している。
電極加熱の安全な限界は、2℃であるため、精密な温度測定が望まれる。RTDを刺激ユニットに接続するワイヤの抵抗を補償し、且つこれらの2つの間の接続における接触抵抗を補償するために、この具体例でRTDへの4本のワイヤ接続を使用している。4本のワイヤの構成では、2本のワイヤを用いて、電流源117が提供する感知電流を供給し、2本の更なるワイヤを用いて、アナログ/デジタル変換器116によって、センサ素子に亘る電圧を測定する。感知電流は、通常、1mA以下であり、電流をこれより大きくすると、センサに自己加熱が生じる。1mAの感知電流によるセンサにおける電圧変化は、小さく、(0℃におけるRTDの公称抵抗値を100Ωと仮定すると)37℃から38℃への1℃の変化に対して、公称値では、386μVである。
図18に示すように、出力段97に、又は電源89に、電圧及び/又は電流の測定(好ましくは、両方の同期された取得)のための、好ましくは、16ビット又はより高い分解能を有する高精度アナログ/デジタル変換器を組み込むことによって、使用可能な刺激出力を用いて、温度感知リードによって測定を行うことができる。但し、これは、パルス発生器からの出力電流又は電圧の精密制御が望まれることを意味し、これによって、複雑性が高まることもある。
自己加熱が最小となるよう、読取値が取得される都度、電流が数マイクロ秒のみ適用される場合であれば、分解能を高めるために、感知電流を10mA以上まで高めてもよい。
ワイヤが巻回されたプラチナRTDも移植されたリードのための適切な温度センサである。これらのセンサでは、非常に微細なプラチナワイヤをガラスロッドに巻回し、又はコイルを予め形成し、セラミックチューブ内に挿入し、湿気の侵入を防止するために密封する。センサは、図9aの符号23で示すような経皮リードの端部の内径に挿入できるくらいに小さい直径に形成してもよい。
MRIのRFサブシステムからの高周波雑音(例えば、1.5Tにおける64MHz)及び傾斜磁場コイルからのより低い周波数の雑音(例えば、エッジレートがより高い略々可聴周波数の繰返し率を有する雑音)によって、RTDをパルス発生器に接続するワイヤに電圧が発生することがある。したがって、アナログ/デジタル変換器への入力にローパスフィルタを設け、これらの高周波成分を除去することが望ましい。
検出する必要があるセンサの抵抗の変化が小さいため、及びMRIシステムからの電磁干渉のレベルが高いため、更なる手法として、RFバースト間の、傾斜磁場コイルがアクティブではない休止期間だけで読取値を取得してもよく、或いは継続的にサンプリングを行うが、このような雑音のために不正確であることが明らかな読取値を無視してもよい。すなわち、刺激デバイスは、MRI撮像の間、電極リード上の誘導電圧を監視し、周期的に電圧をサンプリングし、休止期間の間のみ、温度読取値を取得する。各サンプリングにおいて一連の読取値を取得することにより、平均化を行うことができ、及び深刻な電磁干渉がないことをクロスチェックすることができる。刺激ユニットは、無線テレメトリを介して、患者用コントローラに温度情報を送信し、又は特定のタイムアウト期間が経過しても読取が可能でない場合、エラーメッセージを送信する。患者用コントローラは、電極温度を表示し、又はMRIオペレータが見ることができる他のデバイスにこの情報を送信する。電極温度が危険なレベルに上昇した場合、アラームを鳴らしてもよく、MRI撮像を終了し、この手順の中断によって、移植された電極を安全温度に冷却することができ、又は、MRIのRF電磁波とリードとの間のカップリングが最小となるように、スキャナ内で患者の位置を変更できる。
上述したように、単一のRTDセンサについて、4本のワイヤによって、最高の精度が提供される。典型的には、特別に構成された温度感知リードは、非感知リードとの互換性のために、刺激器コネクタに8個の接点を有するが、このうち、電極接点は、4個のみであり、4本のワイヤは、センサのために確保されている。更に、クランプ接点(図9bの29)を利用することによって5番目のワイヤを提供できる。5つのリードを使用可能にすることによって、直列に接続された2つのRTDを個別にサンプリングすることができる。これらを用いて、アレー内の4個の電極のうちの2個の温度を測定することができ、又は各電極接点の背面に配設された4個の直列接続されたRTDを使用し、刺激デバイスによって、それぞれ2個の電極を含む2つのグループの平均温度を感知してもよい。
代替的構成として、3ワイヤ構成があり、ここでは、2本のワイヤをRTDの一方に接続し、これを用いて、デバイスの反対側に接続されたワイヤが同様であるとの仮定に基づいて、ワイヤ抵抗を補正する。
他の代替的構成として、2ワイヤ構成があり、ここでは、同じ2本のワイヤを介して、感知電流を供給し、電圧を測定する。この手法の短所は、リード及び電気接点の抵抗が容易に補償されないので、電極チップ温度の絶対温度測定の信頼度が低いことである。但し、この回路は、リード及び接点抵抗が一定であると仮定すれば、MRI撮像の間、電極チップの温度の変化に関して分解能が高い情報を提供でき、この仮定は、検討される短期間においては、合理的な仮定である。2ワイヤ構成は、以下に説明する理由のために、好ましい実施の形態である。
上述したように、標準の8端子リードとのコネクタ互換性を維持することが好ましく、これにより、標準の刺激デバイスを感知リード及び非感知リードと共に使用できる。したがって、図9bに示す標準の非感知リードは、自由端が、1つの更なる接点を組み込むために十分長く構成される。
図20aは、2ワイヤ感知構成を有する温度センサが埋め込まれた経皮リードの具体例を示している。ここでは、9番目の接点であるRTD接続122がリードの端部に追加されている。クランプ121は、他のRTD接続として使用される。この結果、リードワイヤ123は、合計で10個の接続があり、刺激電極124のために、8個の接点が利用可能である。2個の更なるワイヤは、RTDインタフェースに専用に使用されるため、刺激ユニット内に内部の分離もスイッチング回路も不要である。
温度感知を行う経皮リードのこの具体例では、ワイヤ巻回プラチナRTD(wire wound platinum RTD)を採用している。図20bは、リードの端部の断面を示している。リードには、8本の電極線127と、2本のセンサワイヤ128とが埋め込まれている。リード自体は、中空であり、これにより、移植の間の位置決めを支援するための補強ガイドワイヤを挿入できる。リードの端部では、電極線(断面図では、これらの8個のうちの4個を示している。)は、各電極接点125の内部に溶接されている。コイル状のプラチナRTD126は、湿気の侵入から密封され、接点の加熱を測定できる良好な熱接触が実現されるように、電極アレー内に配設される。組立体全体の直径は、約1.3mmである。
MRI撮像に先立って、2つのワイヤRTD回路は、刺激ユニットの内部の他の温度センサに対して較正され、又は正常な体温は、安定しているとの仮定に基づいて、ゼロに合わせられ、又は医療従事者によって取得された体温の読出値に対して較正される。撮像の間、チップ温度が予め設定された量、典型的には2℃上昇した場合、RTD値の変化に基づいて、アラームをトリガする。この具体例のRTDは、8個の全ての電極の平均温度を測定するので、1つの電極において、他の電極より急速に温度が変化した場合のために、アラームをより低い値に設定してもよいが、全ての電極及びこれらに対応するワイヤは、外部の磁界に対して同様のカップリングを有するので、このような事態は、通常は発生しない。
図21は、刺激ユニット内のRTDセンサへのインタフェースの例示的な具体例を示している。この回路は、2つの電流源129を用いて、RTD130に亘って、順方向及び逆方向の両方に既知の感知電流を適用する。順方向の電圧と逆方向の電圧との差を求めることによって、低い周波数に誘発された雑音、及び例えば、コネクタ又は配線における異種の金属の接合に起因するDCオフセットが補償される。
この例示的な回路では、安定化された3.0V電源に接続された2つの高精度(0.1%)15kΩ抵抗器によって、2つの電流源を提供する。RTDは、0℃における500Ωの公称抵抗値を有し、これは、37℃における571.91Ωに対応する。RTDの電流の公称値は、193μAである。RTDの値は、1℃の上昇によって、1.932Ω変化し、これは、約110mVのDCレベルにおける約360μVの電圧変化に対応する。
トランジスタQ1がオフであり、Q2オンのとき、電流は、RTD130を介して「下向きに」流れる。トランジスタQ1がオンであり、Q2オフのときは、電流は、「上向きに」流れる。したがって、アナログ/デジタル変換器(analogue to digital converter:ADC)131において、両方の条件下で電圧を取得し、これらをデジタル的に加算することによって、回路内のあらゆるDCオフセット及びRTDリード内のあらゆる定常電流が除去される。
低域通過RCフィルタ(R1、C1及びR2、C2)は、MRIのRF及び傾斜磁場コイルに起因する高周波雑音の効果を低減する。ADC変換器131は、1LSBが約5.7μVに対応するように8個のプログラムされた入力利得を有する16ビットのデルタシグマデバイスである。
RF加熱及び同様の効果に起因する温度変化は、通常、比較的遅く(数秒又は数分程度)、したがって、温度読取値のためのサンプル取得レートは、通常、10Hz未満であってもよい。ADC内のデジタルフィルタリングは、主電源によって引き起こされる50Hz及び60Hzの領域のあらゆる雑音を除去するために使用される。
例えば、他のRTD材料又は熱電対等の他のタイプの温度センサも可能である。プラチナRTDは、長期間の安定性、相対感度及び生体適合性のために好ましい。
上述のように、刺激器システムは、刺激器リードにおいて電磁的に誘導された電流を感知することができ、このデータは、MRIオペレータに送信される。電磁干渉のために、中間的ストレージ及び/又はエラー訂正無線伝送プロトコルが必要である。オペレータは、この情報を用いて、MRIシステムと刺激器リードとの間のカップリングが最小となるように磁界内で患者を位置決めすることができる。更に、温度測定のために適応化されていないリードでは、刺激デバイスは、リードシステム上の電気雑音のレベルを監視し、これが電極加熱を引き起こすことが知られている限界を超えた場合、MRIオペレータに警告を発することによって、制限された形式の保護を患者に提供してもよい。
移植システムでは、本発明の実施の形態は、以下に説明する要素を含む。
グラフィカルユーザインタフェースを有するプログラミングシステムは、ユーザ及び医師に、8電極又は16電極のアレーに関して、所望の刺激パルスのカバレッジの位置及び領域を容易に制御するための使用方法を提供する。ユーザインタフェースは、電極間の感覚を正規化する方法を提供する。これは、1つの電極毎に、ユーザが最初の感覚を報告するまで、電極のサブセットにおける刺激出力を徐々に高めることによって達成できる。そして、このデータを自動的に補間して、全ての電極に関するデータを導出してもよい。
コントローラの変換要素(transformation element)は、グラフィカルユーザインタフェースから刺激パルスの所望の位置及びフォーカスが入力され、正規化データを考慮して、副成分パルスの一連の列について、各デューティサイクル及び電極ペアリングを算出する。各デューティサイクルを変更することによって、電極アレーについて知覚される刺激を正確に制御でき、アレーを巡って円滑に移動させることができるように、パルスは、その期間について、好ましくは、0.1μs又はこれ以上の分解能を有する必要がある。副成分パルスは、好ましくは、最長期間が10μs以下であり、最短期間0.5μs以下である定電流パルスである。好ましくは、ユーザが刺激フィールドを調整しながら、これを医師に報告できるように、刺激パターンの構成の間、成分パルスデータは、MICS無線チャネルを介して、移植デバイスにリアルタイムで送信される。
移植体は、可変電圧スイッチモード電源に電力を供給する充電可能なバッテリを有することが好ましく、可変電圧スイッチモード電源は、広帯域アナログ電流源に電力を供給する。続いて、広帯域アナログ電流源は、16個の電極の全て及び刺激器ケースを電源又はグラウンドに接続することができる一連の34個の出力スイッチに電力を供給する。出力スイッチは、最大振幅が20mA及び最大電圧が20Vの成分パルスを0.5μs以下の最小期間で生成できる高速素子である必要がある。高速プログラマブル論理デバイスに接続されたマイクロプロセッサは、スイッチングマトリクスを制御し、指示に応じて、副成分パルスを合成する。刺激パターンのリアルタイムの更新を実現するために、マイクロプロセッサは、プログラミングシステムからの変換要素のコピーを実装してもよく、これによって、電極アレー及び所望の刺激パルスのパラメータを記述するハイレベルの情報に基づいて、テーブルに格納された基準データからの補間によって、内部的に副成分パルスを導出する。好ましくは、副成分パルスは、重複しないように、且つ各パルスの間の間隙が0〜最大20μsとなるように、順次的に供給される。
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Claims (24)

  1. 電気パルスを患者に適用するための装置であって、患者に移植可能であるか、経皮的に適用可能な装置において、
    アレー内に構成された複数の電極であって、複数の電極対を形成し、前記各電極対が、前記アレーからの電気的に並列に接続された1つ以上の前記電極から構成されるアノード及びカソードを含む電極と、
    前記電極への信号を生成し、前記電気パルスを形成する信号生成器とを備え、
    前記信号生成器は、前記信号が、周期内で、連続する電極対に順次的に供給され、前記各電極対が、異なる時刻に対応する信号を受信するように、又はこれに代えて、前記信号の全てが同じ時刻に開始及び終了しないように、前記電極対が前記信号を受信するように前記信号を生成し、
    前記電気パルスは、加算によって、4μs乃至1500μsの期間、及び前記装置が移植可能である場合、2V乃至50V、前記装置が経皮的に適用可能である場合、15V乃至500vの最大電圧を有する合成パルスを形成する装置。
  2. 前記信号生成器は、前記合成パルスの期間に亘って、連続する電極対が対応する信号を受信するように前記信号を生成するように構成されている請求項1記載の装置。
  3. 前記信号生成器は、前記合成パルスの間、前記信号の間の間隔が200μsより短い期間となるように前記信号を生成するように構成されている請求項1記載の装置。
  4. 前記信号生成器は、前記信号が、それぞれが0.1μsの最小のパルス幅及び50μsの最大パルス幅を有するパルスの列となるように前記信号を生成するように構成されている請求項1乃至3いずれか1項記載の装置。
  5. 前記合成パルスは、20μs乃至1000μsの期間を有する請求項1乃至4いずれか1項記載の装置。
  6. 前記信号生成器は、前記電極の1つを構成するハウジングを有する請求項1乃至5いずれか1項記載の装置。
  7. 前記信号生成器は、複数の信号発生デバイスを有し、前記信号発生デバイスのそれぞれは、前記複数の電極の対応する1つに関連している請求項1乃至6いずれか1項記載の装置。
  8. 前記信号生成器は、少なくとも1つの信号発生デバイス及び高速スイッチング素子のネットワークを有し、前記高速スイッチング素子のネットワークは、前記少なくとも1つの生成デバイスの出力を前記電極対に向けるように構成されている請求項1乃至6いずれか1項記載の装置。
  9. 前記信号生成器は、前記合成パルスが概念的パルス幅、及び概念的電圧、電流又は電荷を有し、患者内の所望の位置及び領域の刺激フィールドを生成するように構成されるように、前記信号を生成するように構成されている請求項1乃至8いずれか1項記載の装置。
  10. 前記信号生成器は、前記信号の相対的デューティ信号を制御して、前記所望の位置及び
    及び領域を変更するように構成されている請求項9記載の装置。
  11. 前記信号生成器は、前記対応する信号を受信する電極対の数、分布及び/又は構成を制御するように更に構成されている請求項10記載の装置。
  12. 前記信号生成器を制御して前記所望の位置及び領域を変更するためのオペレータインタフェースを有する請求項10又は11記載の装置。
  13. 前記信号のそれぞれは、複数の副成分を含む請求項1乃至12いずれか1項記載の装置。
  14. 前記信号生成器は、前記副成分間のギャップ及び前記電気パルス間の更なるギャップができるように前記副成分を分離するように構成されており、前記ギャップ及び前記更なるギャップは、それぞれ、200μsより短い期間を有し、前記ギャップ及び前記更なるギャップを除く前記副成分の期間の合計は、前記合成パルスの期間に等しい請求項13記載の装置。
  15. 前記信号生成器は、前記電気パルスが10μsの最大パルス幅を有するように前記信号を生成するように構成されている請求項1乃至14いずれか1項記載の装置。
  16. 前記電気パルスは、2μsの最大パルス幅を有する請求項14記載の装置。
  17. 前記合成パルスは、20μs乃至1000μsの期間を有する請求項1乃至16いずれか1項記載の装置。
  18. 前記信号生成器は、電源と、前記合成パルスに対応する合成信号を生成するように構成されたコントローラと、高速スイッチング素子のネットワークを用いて、前記合成信号を前記信号に変換するように構成された変換器とを備える請求項1乃至17いずれか1項記載の装置。
  19. 前記信号生成器は、電源と、前記合成パルスを表すデータを保存するコントローラと、高速スイッチング素子のネットワークとを備え、前記コントローラは、前記電源及び前記高速スイッチング素子を制御して、前記信号を生成する請求項1乃至18いずれか1項記載の装置。
  20. アレーの領域内の人間又は動物組織について数学的又は経験的に導出されたモデルにおける所望の概念的な電圧、電流、電荷又はエネルギ分布を制御し、表現し又は保存するように構成されたコントローラを有し、前記信号生成器は、前記概念的な電圧、電流、電荷又はエネルギ分布を前記信号に換算する変換要素と、前記信号を電極のアレーに供給するように構成された刺激器とを含み、前記刺激器は、前記パルスの全てが同じ時刻に開始及び終了しないように、連続した電極対が周期内で前記パルスを生成し、又は前記信号を供給するように構成されるように、異なる時刻において、前記信号を前記電極に順次的に供給するように構成されている請求項1乃至19いずれか1項記載の装置。
  21. 前記コントローラは、前記概念的な電圧、電流、電荷又はエネルギ分布を選択的に制御するオペレータインタフェースを備える請求項20記載の装置。
  22. 前記信号生成器は、前記電気パルスが、求心性線維を殆ど又は全く活性化しないが、前記合成パルスが、このような線維に活動電位を引き起こすために十分となるように、前記信号を生成するように構成されている請求項1乃至21いずれか1項記載の装置。
  23. 前記信号生成器は、前記複数の電気パルスの相対的なパルス幅が互いに対して変化するように前記信号を生成するように構成されている請求項1乃至22いずれか1項記載の装置。
  24. 前記信号生成器は、各電極における感覚を正規化するように前記電気パルスの相対的なパルス幅が互いに対して決定されるように前記信号を生成するように構成されている請求項1乃至23いずれか1項記載の装置。
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