JP2010522593A - 組織工学のための3次元構造体を得る方法 - Google Patents

組織工学のための3次元構造体を得る方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、組織工学の分野に属し、特に、組織工学のための3次元構造体を得る方法、及び、該方法で得られた構造体に関する。本発明は、本発明の3次元構造体を用いた組織を生体外で再生する方法、及び、患者の再生される領域への移植のためにこのように処理された構造体の用途にも関する。

Description

発明の分野
本発明は、組織工学の分野に属し、特に、組織工学のための3次元構造体を得る方法、及び、該方法で得られた構造体に関する。本発明は、本発明の3次元構造体を用いた組織を生体外で再生する方法、及び、患者の再生されうる領域への移植のためにこのように処理された構造体の用途にも関する。
発明の背景
損傷を受けた組織又は器官を代用しうる新しい組織又は器官を得ることは、再生医療の目標の一つである。その目的のため、組織工学技術を用いる必要があり、このことは、残存している小さな正常組織から損傷を受けた組織又は器官を再構築することに基づく(Sipe J ら, Ann N. Y. Acad. Sci. 961: xiii-xiv, 2002)。生物体の他の組織の細胞から、若しくは多能胚細胞からさえも損傷を受けた組織又は器官を再構築することの可能性が、現在、この技術に加えられている。
細胞は、新しい組織の形成において、欠くことができない要素である。細胞は、組織の生きている成分を形成し、それらの生物的機能特性を果たすものである(例えば、肝細胞によるアルブミン生成、腎糸球体細胞によるろ過など)。細胞培養技術は、正常組織の断片に存在する少数の細胞から、これらの細胞が特徴を失うことなく対数比例でそれらの数を増加することを可能にする。場合によっては、それは、細胞を分化転換することもでき(例えば、脂肪細胞から骨細胞に)、未分化細胞をある組織の細胞に誘導することさえできる(例えば、胚細胞からインシュリン産生細胞に)。しかしながら、あらゆるこれらの開発された技術にも関わらず、組織を単離細胞で作製することができない。このような組織中では細胞が3次元構造で分布されており、この空間分布が器官又は組織の機能の発達にとって重要であるためである。この3次元構造は、組織の細胞外マトリックスによってもたらされる。このマトリックスは、細胞を支持するための構造体であるのみではなく、むしろ、細胞を適切に固定するように接着モチーフを有する。細胞外マトリックスは、器官又は組織自体を構成する細胞によって協調的に形成され、そして破壊される。このような理由から、ほとんどの組織工学モデルにおいて、予め培養された細胞に構造体または支持体(足場)を与えることが必要である。ひとたび細胞をそれらの中に導入して3次元に配置すると、細胞は可能な限り最も生理的な態様で振舞うためである(Godbey WT 及び Atala A. Ann N. Y. Acad Sci. 961: 10-26, 2002)。
残念なことに、成体組織の細胞外マトリックスと同等のものを生成できるほどの十分な技術はない。これらの3次元構造体、支持体、足場(scaffold)の探究は、組織工学分野において研究の最も重要な分野の一つである(Griffith L, Ann N. Y. Acad Sci, 961: 83-95, 2002)。
足場は、3次元構造をもたらすのみではならず、細胞がそれに対して接着することができることが必要である。足場の主成分生成物は、細胞に対して毒性がある物質を含んではならない。それは、機械的強度(再構築される器官又は組織に準じて変えられる)のようなほか特性や分解能力も必要とする。理想的な足場は、分解され、対応する組織の正常な細胞外マトリックスで置き換えることができなければならない。足場は、細胞がその中に入ることができる構造を有しなければならず、従って、これらの構造体のほとんどが、多孔質材料から製造される。多くの物質が、組織工学において足場として使われており、このことは、理想的な足場が有さざるを得ない複雑性についての見解をもたらす。
いくつかのバイオポリマーは、広く足場に用いられている。ポリグリコール酸 (PGA)、又は、ポリ-L-乳酸 (PLLA)、又は双方の物質の組合せ(PLGA)のようなポリ(アルファ-ヒドロキシ酸) (Kulkarny ら, Arch Surg, 93: 839-843, 1993)が、それらの中でよく用いられる。
足場の開発で用いられる生物由来の他の物質は、ヒアルロナート(Itay S ら, Clin Orthop, 220: 234-300, 1987)、貝殻のキチン誘導体(キトサン)(Prasitsilp ら, J Mat Sci: Mat in Med, 11: 773-778, 2000)、又は、アルギナート(Fragonas ら, Biomaterials 21: 795-801, 2000)である。
足場のそのほかの可能性ある供給源は、哺乳類において細胞外マトリックスの主成分の化合物であり、最も明確な例は、組織工学モデルを発展させるためのコラーゲンI型ゲルの使用である(Maraguchiら, Plast Reconstr Surg, 93: 537-544, 1994)。足場として非常によく用いられるそのほかの物質は、血漿中に存在するフィブリノーゲンである(Gurevitch O.ら, Tissue Engineering 8: 661-672, 2002, Meana et al., Burns 621-630, 1998)。
治療学で広く用いられる生物学的生成物は、アルブミンである。ヒトアルブミン、又は、その他の哺乳類種からのアルブミンは、血漿から得られる。アルブミンは、通常静脈接着に用いられるが、アルデヒド、一般的にはグルタルアルデヒドを含む架橋生成物と混合することで、生物学的接着剤としても用いられている。治療に用いられるこの混合物は、手術で用いられ、かつ、出願WO 2005/00925に記載されている組織接着剤をつくりだす。アルブミン-グルタルアルデヒドをベースとする3次元構造体の形態のモデルも記載されており、これは、ファイバー及び/又は他の成分の含有物によって強化され、生物体に移植できる(WO 00/70018)。本分野で知られているこのモデルのその他の用途は、薬の徐放用のマイクロビーズとしての用途である(US 4349530)。しかしながら、組織工学技術用の足場又は支持体としてのこの構造体の使用は、該構造体が内部に細胞が入りこむことができるような細孔が無い固体構造体であるので、可能ではない。その上、グルタルアルデヒドは、培養細胞に適したマトリックスの作製において適した生成物ではない。それは、グルタルアルデヒドが、マトリックスを不完全に分解し、かつ、細胞接着に必要なタンパク質を阻害する傾向があるためである(Biopolymer methods in Tissue Engineering, Hollander P and Haltton PV ed., pg. 11, Humana Press, 2004)。構造体中に残ったグルタルアルデヒドは、細胞に対して非常に毒性があり、そして、アルブミン-グルタルアルデヒド化合物の表面に播種された細胞は、不完全に結合し、及び/又は、死滅する。そこに配置する細胞における一つの可能性は、架橋溶液の使用前に細胞とアルブミンとを混合することであるが、このことも上述した毒性に起因して可能ではない。本分野の到達水準において、カルシウムカルボナート型粒子との混合物(WO 00/70018)のように該構造体を多孔質にすることは可能だが、これは、粒子を除くための酸溶液で混合物を処理することを余儀なくし、そして、残留グルタルアルデヒドが残り、この生成物は、毒性があり、組織工学技術の"インビトロ"開発のための足場としてあまり推奨されるものではない。
アルブミンのような球状タンパク質からの組織工学のための足場又は支持体の開発は、架橋物質の毒性を除き、多孔質構造体を提供し、かつ、もし可能であれば、その中で細胞の固定に有利に働くモチーフを含む他の系が必要である。
本発明の第一の対象は、架橋剤(好ましくはグルタルアルデヒド)による架橋された血漿球状タンパク質(すなわちアルブミン)から、組織工学モデルを開発するための非毒性の3次元構造体を得る方法である。タンパク質架橋剤混合物は、凍結され、次に凍結乾燥される。一度凍結乾燥すると、抵抗性及び弾性を有するように、得られた生成物を水和しなければならない。水和は、次第に低下させた濃度のエタノールを用いることによって行われる。最終的に過剰なエタノールを増殖培地又は生理的食塩水で洗浄する。このようにして、壊れることなく簡単に切断できる多孔質で柔らかい支持体を作り出す。
本発明の第二の対象は、上述の方法によって得られうる3次元構造体又は足場である。
このようにして設計された構造体又は足場は、損傷を受けた組織又は器官を生体外で再生する方法において、様々な細胞型を播種した後に用いられ得る。該細胞はこの構造体に接着し、そして、増殖及び/又は分化でき、細胞外マトリックスタンパク質合成をはじめられる。
最後に、その中に細胞を含む本発明の足場は、生体に移植することができ、その中で、免疫応答が足場の段階的再吸収を引き起こし、細胞が組織の正常な細胞外マトリックスを作りだすことができる。
最終的な結果は、組織工学によって損傷を受けた器官又は組織の修復でありうる。
(左)が、走査型顕微鏡(×500)で観察した20%アルブミンから作製した本発明の支持体又は足場を示すイメージであり、(右)が、その組織的断面を示すイメージである。 ヒト血漿から直接作製された支持体又は足場へのヒト線維芽細胞の接着を示す。(右)が、これらの線維芽細胞によるI型コラーゲン(真皮の最も主要な細胞外タンパク質)の発現を示す。 ウサギ血清から直接作製された構造体に播種された、ウサギ皮下脂肪から抽出された前駆脂肪細胞を示す。45日間、オーブンで、脂肪形成培地(左、オレイン酸(red oil)染色)にて、及び、骨形成培地(右、フォンコッサ(Von Kossa)染色)にて、細胞を培養した。 走査型電子顕微鏡(×200)で観察した本発明の3次元構造体を示す。(右)が、5%アルブミンから作製した支持体、(左)が、20%アルブミンから作製した支持体を示す。 走査型顕微鏡(×4000)で撮影したイメージを示す。様々な支持体の表面であり、上部の(左)が、20%アルブミンから、上部の(右)が、血清から直接作製された支持体を、下部が、血漿から作製された支持体を示す。 内部が血漿及び線維芽細胞を主成分とする人工真皮である本発明の支持体のプロトタイプを図示したものである。支持体は、それらの移植を促進する濃度でフィブリン及び線維芽細胞を主成分とする真皮をもたらす。 3層皮膚の構造である:(下層部)が、本発明の足場で分化した脂肪細胞、(中層部)が、血漿ゲル中の線維芽細胞、(上層部)が、ケラチノサイトを示す。
まず、本発明は、(a) アルブミン源及び架橋剤を混合し、得られうる構造体の形状に対応する型にその混合物を導入する工程、(b) a)で得られた固体構造体を緩やかに漸次凍結する工程、(c) b)の構造体を凍結乾燥する工程、(d) c)の構造体を漸次再水和する工程を含む組織工学のための3次元構造体を得る方法に関する。
本発明において、アルブミン源は、精製アルブミン調製物とすることができ、又は、細胞を含む構造体又は足場が移植されうる実際の患者の血清又は血漿から直接得られたアルブミンとすることができる。患者自身の血清又は血漿を用いることは、免疫的移植拒絶反応を最小限にできる点で有益である。さらに、アルブミン調製物と比べて患者の血清又は血漿を使用することは、後に本発明の構造体に播種されうる細胞への結合又は足場のより多くのモチーフが得られる点で有益である。なぜなら、アルブミン特有のモチーフを有するだけではなく、血液中に存在する残りのタンパク質のモチーフも有するためである。
本発明の3次元構造体を調製するために用いられるアルブミン濃度は、それが用いられうる用途、すなわち、再生されうる組織の種類によって決められうる。1〜50%のアルブミンの濃度が通常用いられうる。
架橋剤としては、アルブミン分子を変性し、架橋する効果をもたらすいずれかの架橋剤を用いることができるが、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドのようなアルデヒド型薬剤の使用が好ましい。グルタルアルデヒドが特に好ましい。アルブミン源を含む混合物中で用いられる架橋剤の濃度は、0.1〜9%とすることができ、好ましくは0.5〜7.5%とすることができる。
予め決められた形状に対応する型でのアルブミン-架橋剤混合物の反応により、得られる構造体が固体になるときに型の形状となることが可能になる。構造体の形状を、このように、治療されうる欠陥部又は再生されうる損傷を受けた組織に適合することができる。
得られた3次元構造体の緩やかな漸次的な凍結、好ましくは-70℃の温度まで1℃/分の速度での凍結の後、本発明の主要な工程が行われる。この工程は、架橋及び凍結の後に得られた固体構造体を、凍結乾燥させることを意味する。該凍結乾燥によって、足場の全水分が取り除かれるので、架橋剤の毒作用を解毒するが、更に、非常に多孔質な材料を作り出す(同時に球状タンパク質に結合しない架橋剤を取り除く)。
このようにして得られた生成物は、非常にもろく、かつ、使用するの十分な機械的強度を示さない。これらの特性を改良するために、この凍結乾燥した生成物を水和化しなければならない。この水和化は、好適には、壊れることを防ぐために緩やかに漸次行われなければならない。この水和化は、次第に低下する強度のアルコール中で処理されることによって行われることができ、好ましくは、無水アルコール、96°、90°、80°、70°、及び、50°アルコール中での浸漬によって行うことができる。水和化の後に得られた構造体を増殖培地又は生理的食塩水で洗浄し、まだ存在しうる残りのアルコールを除去することができる。
本発明の対象でもあるこの方法で最終的に得られたものは、本発明の足場に結合できる培養細胞が播種されうる3次元で、多孔質で、弾性のある、非毒性構造体(図1)である。
本発明の以下の対象は、細胞に接着する3次元構造体のこの能力の結果として生じる。この対象は、a)上述の3次元構造体に細胞を播種する工程;b) 構造体が患者に移植されうる時まで、オーブン又はバイオリアクター内部で、増殖培地にて細胞を定温培養する工程を含む組織を生体外で再生する方法である。
攪拌、断続的攪拌、又は、バイオリアクター内のいずれかによって、内部に播種されるこれらの細胞を含む3次元構造体又は足場は、"インビトロ"にて、細胞培養オーブン中、又は、バイオリアクター中に保持されうる。この期間、細胞は、増殖し続けることができ、生理学的に振舞うことができ(図2)、そして増殖培地中に存在する成長因子または分化因子によって、播種された細胞株、又は、異なる組織の細胞型に分化しうる細胞株の完全なフェノタイプを発現させることができる(図3)。本発明の足場の構造の一部の分解が確認されずに、"インビトロ"での6ヵ月までの培養期間にもかかわらず、この増殖及び/又は分化が生じる。本発明の好適な形態において、播種して培養する、及び/又は、分化する細胞は、骨芽細胞、前駆脂肪細胞、軟骨細胞、又は、真皮線維芽細胞である。
最後に、本発明の対象でもあるこのようにして処理された本発明の生成物は、生体(生きているヒト)に移植することができ、その生体内で、アルブミンの架橋によって生じた構造体は、個体の免疫系によって分解されることができ、供給された細胞は、初期タンパク質構造に緩やかに置き換わることができる細胞外マトリックスの生成を続けることができる。この移植の結果、最終生成物として、損傷部に置き換わることができる新規の組織又は器官、組織工学処理の最終的な対象物を生み出すことができる。
発明の態様
本発明の生成物の主成分は、アルデヒド型物質と架橋した血漿球状タンパク質である。アルブミンは、血漿タンパク質の主成分であり、生成物の構造上の基礎であり、様々な構造上の完成形に応じて異なる濃度で用いることができる(50-4%)(図4)。架橋物質、例えばグルタルアルデヒドも、異なる濃度(アルブミンの体積に対して0.5-7.5%)で用いることができる。
混合の後、それを型に投入すると、直ちに固化が始まる。生成物を型から外し、緩やかに漸次凍結させる。一度生成物が凍結すると、それを凍結乾燥させ、これが終わると、本発明の生成物は、多孔の外観を有するが、非常にもろくて、最小限の力で破壊してしまう。支持体又は足場として使用可能な生成物を完成するために、それを水和させなければならない。水和は、生成物の物理的特性に激しい変化を引き起こし、該生成物が、弾性を有し、かつ、処理に対し抵抗性を有するようにする。この生成物を急激に水和した場合、構造の一部が壊れる可能性があり、それ故に、それを漸次的な水和させることが適切である。この目的のために、生成物を無水エチルアルコール中に(構造物の大きさに応じて1〜8時間)投入し、次にそれを96°、90°、及び、80°アルコール中に、同じ期間投入する。80°アルコールにさらした後に、生成物の物理的特性が変化し、生成物は、より弾性を有し、細孔がさらに多く見られ、それを薄いシートに切断することができる。生成物の水和を続け、それを70°アルコールに24時間放置し、50°アルコールに放置し、ここから、増殖培地(DMEM、RPMIなど)又は等張生理食塩水に放置する。生理食塩水を少なくとも3回交換して、全ての存在する残りのアルコールを取り除く。最終生成物は、弾性があるスポンジ状であり、その中に細孔をはっきりと確認できる。この生成物を増殖培地で数ヵ月、その機能を失うことなく保存することができる。
生成物を作るためのアルブミン濃度を、広い範囲で変更できることは上述したとおりである。低アルブミン濃度(4%)を用いる場合、生成物は、20%アルブミンの生成物と比べてわずかに抵抗性が低かった。しかしながら、低アルブミン濃度を用いる場合、その生成物は依然として安定で、弾性を有する。ヒト血漿は3〜5%アルブミンを含み、それ故にこの足場はヒト血漿から直接作製することができる。足場の作製において血漿又は血清を直接用いることは、後にそれが移植されうる患者の血液から直接生じさせた3次元構造体を製造することを可能とする。この目的のために、静脈穿刺によって、抗凝血剤を含まない培地(血清)中で、又はそれを含む培地(血漿)中で、再構築されうる組織によって決まる少量の全血を患者から抽出しうる(10〜100ml)。それを遠心分離して、全血の細胞成分を取り除き、グルタルアルデヒドと混合し、それを型に置き、生成物が固まるまで放置する。その後に、緩やかに凍結し、凍結乾燥および漸次的な水和を続けて行う。最終的に得られたものは、低濃度のアルブミンで作製された生成物と外見上は同じ生成物であり、哺乳類細胞を播種することができる3次元構造体である。この支持体は、完全にその毒性を失っている。血漿又は血清から作り出した支持体/足場は、全血中に通常存在するその他のタンパク質が、それらの中にも存在するため、アルブミン濃縮物から直接作り出したものとは明らかに異なる。この差異も、足場の機能において重要な変化を引き起こし、このことは、以下の段落で説明する。
3次元構造体が完成してから、細胞を播種する。ほとんどの予め設計された足場の最も重大な問題の一つは、足場が、支持体へのそれらの固定を促進するために必要なシグナルを供給しないことである。これは、細胞-支持体相互作用が、細胞が好適な表面を認識し、そして一度物理的接触を開始すると、細胞がタンパク質を結合している特異的細胞外マトリックスを合成し始めるという動的処理であるためである。本発明の足場で行われる前実験によって、細胞がアルブミン足場に直接結合する能力を制限されていることが分かっているが、血清又は好ましくは血漿で直接作製された足場が用いられる場合に、この能力は、少なくとも10倍程度になるまで増強することができる。走査電子顕微鏡法によって行われた構造上の研究は、これらの構造の表面が全く異なることを明らかにしている(図5)。これらの明らかな差異は、精製アルブミン調製物中よりも、血清中及び血漿中の方がより多くのタンパク質を有し、これらのタンパク質の一部は、内部のアルブミン及び架橋剤の間で生じる架橋で捕獲されうるという事実によるものである。
これは、以下のストラテジーによって決めることができ、細胞の更なる増殖(好ましくは細胞が接着でより増殖する)、又は、細胞の更なる分化のいずれか重要なことであるかによって様々な足場を用いることができる。
一度足場が完成すると、それは、その特性を失うことなく、増殖培地中でそれを放置して保存することができ、又は、それを用いることができる。この目的のために、再生しうる組織の特有の細胞を播種する。様々なストラテジー(攪拌機、断続的攪拌機、バイオリアクターなど)を、播種のために行うことができる。
細胞成分を播種した足場は、次に、オーブン中又はバイオリアクター中で、移植の時間までおくことができる。この期間は、用いる細胞型、及び、細胞によって要求される分化の度合いに従って広範囲に変更することができる。この期間、細胞がどのように足場に固定され、そして、それらがどのように成体組織の特異的タンパク質を生産し始めるかを観察することができる。例えば、線維芽細胞を本発明における足場に播種し、それを一般的な増殖培地(例えばDMEM、10%ウシ仔牛血清)中に放置して、それが、数日後播種された線維芽細胞がどのようにコラーゲンI型を合成するのか観察する(図2)。例えば、骨移植片から培養した細胞をこの足場に播種し、そして、これらの細胞を骨形成培地に放置した場合、数日後細胞がどのように足場上にカルシウム塩を沈殿し、アルカリホスファターゼ酵素を発現するかを観測する。培養された軟骨細胞を播種し、足場を軟骨分化培地においた場合、コラーゲンII型の生成が観察されうる。より多数の未分化細胞を播種した場合、播種と足場との間でインターバルに必要な期間を、長くすることができる。例えば、皮下脂肪生検材料から得られた間充織胚細胞が播種されて、骨形成培地に放置された場合、"生体外"培養には15-20日間より多い期間が骨に特有のタンパク質の発現を確認できるために必要である。このように期間が延長したにもかかわらず、本発明の足場は、分解されず(又は最小限に分解され)そして、播種後、6ヵ月まで"生体外"培養中で変性することなく3次元構造体を保存できる。
最終的に、構造体及び望ましい細胞分化が"生体外"で完了してから、本発明の足場を、移植することができる。
移植の後に、足場は常に体内の異物として振る舞い、免疫応答を生じうる。この応答は穏やかで、かつ、異物の分解を徐々にコントロールして生じさせなければならない。本発明の足場に関する"in vivo"実験では、移植領域において、重度の炎症を確認することなく、非常に穏やかな分解を示す。もとの足場の構造を分解している間に、該足場に播種された細胞によって生成された新しい細胞外マトリックスの融合が生じ、最初に損傷を受けた組織の機能を再生できる新しい組織を生じうる。
要約すれば、本発明の足場は、本分野において既知であることから明らかに差異が認められる多くの有利な点を可能とする:
−それは、細胞のための3次元構造体を提供し、それだけでなく同時に接着シグナルを提供する。これにより、該生成物を組織工学モデルの開発において理想的な組成物にもたらす。
−それは、3次元構造を失うことなく長期間(6ヵ月まで)"インビトロ"培養が可能な足場である。これは、"インビトロ"分化モデルの開発を可能とする。
−それは、臨床診療で広く用いられる生物的材料である。
−もとの生成物は、非常に簡単に得られる(アルブミン濃縮物)又は全血(静脈穿刺)である。
−少量の全血から組織工学のための支持体を構築することの可能性は、自己移植生物的生成物、いわゆる、移植をなされる患者自身から得られた生成物から出発するこれらの構造体を得る可能性をもたらす。
以下の実施例は、再生医療におけるこの足場の使用を説明するが、それらは、本発明の範囲に関して制限しうることを意図しない。
<実施例1>大腿骨幹における関節を修復するための20%アルブミンを含む足場の調製
大腿骨幹における偽関節用の標準足場は、おおよその寸法直径3cmで、高さ2cmを有するものとした。その準備段階において、出発物質は、注入用に臨床診療で一般的に用いられるタイプの10mlの20%ヒトアルブミンだった。アルブミンを1mlの25%グルタルアルデヒドと混合し、その後直ちにそれを前述の寸法の型に導入した。混合物を室温で30〜45分間放置して固めて、次にそれを電気冷凍機中で-80℃にて18〜24時間放置した。凍結させてしまってから、足場を型から外し、融解させることなく、サンプルが完全に凍結乾燥するまでそれを凍結乾燥機に投入しておいた。この過程を終わらせてしまってから、該サンプルを無水エチルアルコール中で2時間放置した。次に、足場を96%エタノールに移し、さらに2時間放置した。96%エタノールを80%エタノールに取り替えて、次に70%エタノールに取り替えて、その中で、それを室温で24時間放置した。この定温放置の後、足場を50%エタノール中に2時間投入し、滅菌純水中に投入し、そして最終的に等張PBS型溶液、Ham溶液、又は、同じようなRPMI又はDMEM型増殖培地中に投入した。足場を、数回この溶液で洗浄し、生成物中に存在しうる全てのエタノールの残りを取り除いた。この定温放置の後、足場の最小サンプルを細菌学的管理下におき、用いるまで足場を生理的食塩水中に放置した。
<実施例2>関節軟骨を修復するための患者からの血漿を含む足場の調製
患者自身からの血漿を、膝関節軟骨の急性損傷を修復するために直接用いた。まず、ラジオグラフィー法(核磁気共鳴)によって、より好ましくは損傷を受けた膝の関節鏡検査の間に、修復される軟骨損傷をおおよそ測定した。同時に、この関節鏡検査では、これらの細胞の培養及び生体外での増殖のために、正常な関節軟骨の最小限の生体組織検査をすることができた。
このとき、10mlの血液もEDTAで抽出し、この血液を例えば3000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離の後、血漿を回収して、3mlのこの血漿を300μlの25%グルタルアルデヒドと混合し、直径35mmのペトリ皿に置き、混合物が固まるまで放置し(30-60分間)、そして、電気冷凍機中に-80℃で次の日まで置いた。それを融解することなく型から外し、生成物が完全に凍結乾燥するまで凍結乾燥機に置いた。その後、それを2時間無水エタノール中に導入し、96%、80%、及び、70%エタノールに移動させ、その中で、18-24時間そのままにした。
次にそれを、2時間、50%エタノール中に置き、PBS型生理的食塩水中又は増殖培地中に置いた。サンプルを、このように調製された足場の細菌学的管理下においた。それを少なくとも3回生理的食塩水で洗浄し、エタノールの残りを除去した。この相において、足場のサイズを、例えば、外科用メスでそれを切断することで軟骨損傷のサイズに調整した。足場を細胞播種できるよう準備した。
<実施例3>歯科インプラントのための上顎骨の再生
歯科インプラントが必要で、かつ、十分な骨量を有しない患者から、10mlの全血を抽出し、再生されるべき欠陥部と非常に類似した型を用いた以外は、実施例2の方法と同様の方法を実施した。同時に、いくらかの小さな海綿状断片を上顎から採取した。材料を凍結し、凍結乾燥し、そして、水和した後、細胞を播種するため、かつ、移植するための足場を確保した。患者の骨断片を、細胞培養フラスコの上に外植技術によって播種し、そこに存在する生存能力のある細胞が増殖するまで待機した。増殖した後、別の既述の方法に従って、細胞を継代培養した。骨細胞が十分な細胞数に達してから、それらを足場に播種し、細胞が結合でき、かつ、再構築させる領域に移植されるように、オーブンで一定期間放置した。足場は緩やかに分解され、その中に含まれる細胞が、骨の成体マトリックスを形成した。
<実施例4>歯科インプラントのための上顎骨の再生
実施例3と同様の他のストラテジーを、他の患者に行った。骨断片を採取する代わりに、小さな皮下脂肪生検材料を、細胞源として用いた。脂肪は、コラゲナーゼで分解され、細胞は、増殖培地(DMEM、10%ウシ仔牛血清)が入った細胞培養フラスコ中に、播種された。臨界質量が達成されてから、培養された前駆脂肪細胞を足場に播種し、骨芽細胞への分化の兆候が継続観察によって確認されるまで骨分化培地で放置した。次に、足場とそこに含まれる細胞を、再生させる上顎欠陥部に移植した。
<実施例5>耳たぶの奇形の再生
患者からの血清の足場を用いることで耳たぶの奇形を修復した。その材料と方法は、耳軟骨の構造を再形成するための型で足場を固めたこと以外は、実質的に実施例2で用いたものとした。同時に、患者の耳軟骨の少量の正常サンプルを取得した。一方、実施例2に記載した方法に従って、足場を凍結し、凍結乾燥し、水和した。一方、軟骨を、タンパク質分解酵素にそれをさらすことで、分解し、得られた軟骨細胞を、足場に播種するのに十分な細胞数が得られるまで培養した。播種した後に、軟骨細胞を、オーブンで培養すること(25-45日間)によって再分化処理を施し、最終的に損傷した領域に移植した。
これと同じストラテジーは、耳軟骨を修復するために、軟骨の源の出所を変えることで行うこともできる。
<実施例6>皮下脂肪組織の再生
全血を患者から採取し、実施例2で記載したように足場を作製し、患者の脂肪組織生検材料から培養した前駆脂肪細胞をそれに播種した。足場に播種してしまってから、播種された細胞がその中でトリグリセリドを蓄積し始めるまで、脂肪分化培地中でオーブンにそれを放置して培養した。次に、それを再生されうる領域に移植した。
この同じストラテジーを乳癌による乳房切除の後に行うことができる。
<実施例7>骨再構築
骨損傷を再構築するための足場を実施例1のように作り出すことができた。しかしながら、いくらかの骨損傷では、血漿又は血清をベースにした場合よりも高い足場のコンシステンシーを要しうるため、ヒトアルブミンの割合を患者の血漿又は血清に加えて、細胞固定特性を維持するために、構造体を増強した。最後に、この足場に、骨生検材料から抽出した、又は、実施例4のように皮下脂肪から抽出した、患者の細胞を播種できた。
<実施例8>やけど後の真皮の再生
この処理の基礎は、患者自身の真皮線維芽細胞から播種され、かつ、損傷部位に移植される、本発明の足場の薄いシートの作製から構成された。この方法において、線維芽細胞が免疫学的拒絶反応を起こす力が低い細胞であることから、該線維芽細胞は、他の健康な患者から得ることができた。真皮線維芽細胞を加えたシートの形態での足場のプロトタイプは、バリア効果をもたらし、かつ、感染の可能性から創傷及び移植片を保護するシリコーン型膜に結合することができた。
このストラテジーのタイプは、他の皮膚損傷(潰瘍、糖尿病足外科的切断)において用いることができる。
<実施例9>増強構造
本発明の足場は、組織工学において既に用いられた他の材料の内部増強構造体のように用いることもできた。この応用の1つの例は、生存している線維芽細胞を含むプラズマシートに本明細書で記載したプロトタイプのシートを結合することである。この例において、線維芽細胞を含むヒト血漿を本発明の足場のシートに播種し、塩化カルシウムを添加して血漿を凝固させ、そして、足場を血漿の中に置いて、インターナルフレームとして働かせ、かつ、この人工真皮の移植を促進させた。また、ケラチノサイトをこの人工真皮上に播種した場合、剛性をもたらし、移植を促進する、人工皮膚(インターナルフレームを含む)が完成した。図6は、このプロトタイプを図示する。
<実施例10>人工皮膚プロトタイプ
このプロトタイプは、実施例9で定義された人工皮膚モデルに関連して、皮下脂肪を組み入れた培養3層皮膚を生み出すことができる。
この目的のために、細胞を、少量の脂肪生検材料から得て、その細胞を、展開培地(DMEM、10%ウシ血清)中で培養した。十分な数の細胞数に達したとき、細胞を本発明の足場に播種し、そして、含脂肪細胞への分化の培地中で培養した。細胞が脂肪分化の兆候を示したとき(図3、左)、真皮線維芽細胞、血漿を足場に添加し、固化して凝集を起こした。上皮ケラチノサイトは、その表面に播種し、コンフルエントになるまで培養した。得られうるモデルは、本発明の足場に結合した脂肪細胞を含む下層部、それに結合させた直接ヒト真皮と同様の線維芽細胞を含む血漿の上層部、及び、上層部における上皮層であり(図7)、いわゆるヒト皮膚(3層)は、異なるストラテジーで生み出したものと比較して、天然のものにより類似していた。

Claims (20)

  1. (a) アルブミン源及び架橋剤を混合し、得られうる構造体の形状に対応する型にその混合物を導入する工程、
    (b) a)で得られた固体構造体を緩やかに漸次凍結する工程、
    (c) b)の構造体を凍結乾燥する工程、
    (d) c)の構造体を漸次再水和する工程、
    を含む組織工学のための3次元構造体を得る方法。
  2. アルブミン源が、精製アルブミン調製物、血清、及び、血漿から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 架橋剤が、アルデヒドである請求項1に記載の方法。
  4. アルデヒドが、グルタルアルデヒドである請求項3に記載の方法。
  5. アルブミン源が、1%〜50%のアルブミン濃度を有する請求項1に記載の方法。
  6. アルブミン源が、3%〜5%の濃度を有する請求項5に記載の方法。
  7. 架橋剤が、0.1%〜9%の濃度を有する請求項1に記載の方法。
  8. 架橋剤が、0.5%〜7.5%の濃度を有する請求項7に記載の方法。
  9. 凍結が、-70℃の温度まで、-1℃/分の速度で行われる請求項1に記載の方法。
  10. 漸次的な再水和が、アルコール中での強度を次第に低下させる連続浸漬によって行われる請求項1に記載の方法。
  11. 漸次的な再水和が、無水アルコール、96°、90°、80°、70°、50°アルコール中での、そして、最終的に増殖培地中、又は、生理的食塩水中での連続浸漬によって行われる請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法によって得ることができる組織工学のための3次元構造体。
  13. 細胞に対して毒性がない請求項12に記載の3次元構造体。
  14. a) 請求項12又は13に記載の3次元構造体中に細胞を播種する工程;
    b) 移植時まで、オーブン又はバイオリアクターの内部で、増殖培地中にて細胞を培養する工程を含む組織を生体外で再生する方法。
  15. 播種する細胞が、骨芽細胞、前駆脂肪細胞、軟骨細胞、及び、真皮線維芽細胞から選択される請求項14に記載の方法。
  16. 細胞が、攪拌機、断続的攪拌機、バイオリアクターで播種される請求項14又は15に記載の方法。
  17. 培養が、
    培養される細胞型の増殖に適当な増殖培地を用いることによって分化させた組織の細胞増殖、又は、分化培地を用いることによる未分化組織の脱分化及び増殖を含みうる請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 間充織(皮下脂肪)の細胞を、骨形成培地を用いることによって骨細胞特有の細胞に脱分化する請求項17に記載の方法。
  19. 請求項14〜18のいずれかに記載の方法により得ることができる3次元構造体。
  20. 損傷を受けた器官又は組織を再生又は修復するための請求項19に記載の構造体。
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