JP2010522562A - 植物におけるストレス耐性の増強 - Google Patents

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Abstract

ユーカリプツス・ダンニイ(Eucalyptus dunnii)およびユーカリプツス・マカルツリ(Eucalyptus macarthurii)から単離された新規デヒドリンプロモーターは、低温誘導性であり、樹木が含まれる植物において、凍結温度または水ストレスに対する耐性を増強し、CBF遺伝子発現に関連する望ましくない効果を低減するように、CBF遺伝子を駆動するために用いることができる。

Description

優先権
本出願は、2007年3月29日に提出された米国特許仮出願第60/908,940号に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、植物の生物工学および形質転換植物における遺伝子発現の変更に関する。より具体的に、本発明は、所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、C-リピート結合因子(CBF)をコードする遺伝子の発現の調節によって、産業的に重要な植物におけるストレス耐性を増強する方法に関する。
発明の背景
低い温度のストレスは、植物が生長することができる地域を制限するのみならず、作物の品質および量に影響を及ぼす主要な環境因子である。毎年、低い温度の障害による作物生産の世界全体での損失はおよそ20億ドルにも上る。フロリダでは時に凍結が起こることから柑橘類の耕作地帯はさらに南に移動して、カリフォルニアでの柑橘作物はしばしば、冬季の凍結により、近年重度の障害を被ってきた。
植物を水ストレスに曝露すると、植物の膨圧を減損させて、葉の凋萎が起こり、光合成を減少させ、このように正常な生長を妨害して最終的には防止する。植物の遺伝子発現は、凋萎によって強く影響を受ける(Guerrero and Mullet, 1988)。霜または水ストレスの際の乾燥は、デンプンおよびタンパク質の加水分解の増加を引き起こし、その結果酵素活性が低減する。水喪失の損傷の程度は、土壌条件および大気の要因に依存する。
植物は、低い温度または水ストレスに耐える能力が非常に多様である、トウモロコシ、コメ、およびキャッサバなどの熱帯地方原産の植物は、干ばつの際に、またはたとえ凍結より上の温度であっても、低い温度に曝露されると、枯れるか、または重度の障害を受けうる。一方、温帯風土帯原産の植物は、水ストレスまたは凍結温度に対する感受性がより低い。
ユーカリ植物は、世界の熱帯および温帯地方において生長する800より多い種を含む。ユーカリは、高い生長速度を有し、広範囲の環境に適応して、昆虫の障害に対してほとんど感受性を示さない。その例外的な生長特性に加えて、ユーカリ樹木は、製紙産業にとって最大の繊維源を提供する。ユーカリなどの硬木種の繊維は一般的に、松などの軟木からの繊維よりかなり短い。ユーカリから産生されたより短い繊維によって、なめらかさおよび明るさが含まれる望ましい表面特徴を有するが、引裂強度または引張強度が低いパルプおよび紙が産生される。ユーカリの坑木は、合板およびパーティクルボードのために用いられ、挽き材は、家具および床材産業において経済学的に重要性を有し、薪の供給源、ならびに梁および柱などの装飾および建築材料の供給源を提供する。ユーカリの木材チップは、配向性ストランドボード(OSB)または中密度繊維板(MDF)などの多様な複合挽き材製品において用いることができる。生長の速い種として、ユーカリはまた、木炭のための、ならびにバイオ燃料および生物製品製造のための供給原料などの追加のエネルギー産生応用のための燃料木材として用いることができる。ユーカリはまた生長してマルチを産生し、美容および工業的応用のための防風林を提供する。ユーカリの精油も同様に、石けんおよび香料などの洗浄剤、化粧品と共に、医学目的のために用いられる。さらに、ユーカリの植林地は、カーボンニュートラルで再生可能なバイオ燃料を産生するために貴重であると考えられており、これは高価な化石燃料の代用物として用いることができる。ユーカリのバイオマスは、建築材料、紙、燃料、食品、動物飼料、ならびにワックスおよび洗浄剤のような植物由来化学物質などの他の製品に変換することができる。固形バイオマスはまた、プロセス加熱および電力を生成するためにも用いてもよい。バイオマスの加工を追加の生物精油所のために用いて、燃料、化学物質、新しい生物に基づく材料および電力を産生してもよい。バイオ燃料は、急速な熱分解プロセス、すなわち再生可能なバイオマスを空気の非存在下で450℃〜600℃へと急速に加熱する熱化学生物変換法を用いてユーカリ樹木から産生することができる。
ユーカリは、世界において最も一般的に植えられる硬木である。しかし、ユーカリ種は、その低い温度に対する高い感受性および水ストレスの抵抗能が限定的であるために、主として温帯地域に限定される。ユーカリのいくつかの種は、低い温度に対する曝露に対して他の種より耐性であるが、突然の重度の霜は、全てではないがほとんどのユーカリ種の生存にとって大きい脅威となる。低温馴化として知られる進行性のより低い温度に対する耐性の誘導は、光の強度と昼間の長さの減少を伴う硬化低温処置に対する曝露後に限って得られる可能性があるが、その成否は、種およびその起源、硬化期間の長さ、ならびに樹木の健康状態が含まれるいくつかの要因に依存する。ほとんどのユーカリ種が水ストレスに抵抗する能力もまた、非常に限定的である。過度の水の喪失によって、生長の一般的な減少および葉面積比、特異的葉面積および葉対根面積比の有意な低減が起こる。
凍結ストレスおよび水ストレスが含まれるストレスに対してより抵抗性である植物を、大きい範囲の地理的地域で生長させることができれば、その作物はより少ない環境リスクに供されるであろう。しかし、持続的な努力にも関わらず、従来の育種は、より良好なストレス耐性を作物植物に付与することにおいてごく限定的な成功を収めているに過ぎない。
植物の遺伝子工学は、商業的に重要な植物種の改善のために非常に有望である。近年、製紙および燃料産業における応用のための木材の品質を改善するために、樹木の遺伝子工学が用いられている。ポプラ属の種は、樹木の遺伝子工学のモデルとして役立ち(Kim et al. 1997)、昆虫抵抗性および殺虫剤耐性などの様々な形質が樹木種に工学操作されている(Klopfenstein et al. 1993, De Block 1990)。
近年、いくつかの研究グループが、ストレス調節遺伝子の同定、および植物におけるストレス耐性の原因となるメカニズムにおけるその機能に対する研究に重点を置いている。植物における低温処置の際に誘導される遺伝子は、集合的に低温調節遺伝子(COR)と命名されている。シロイヌナズナ(Arabidopsis)において、低温馴化は、CRT(C-リピート)/DRE(脱水応答エレメント)DNA調節エレメントと呼ばれる低温および脱水応答性のDNA調節エレメントによって媒介されるCOR遺伝子の誘導に関連している。CBF1、CBF2、およびCBF3、またはDREB1b、DREB1c、およびDREB1aとして知られる低温応答性転写活性化因子の小さいファミリーはそれぞれ、低温および脱水応答遺伝子のプロモーター領域に存在するCRT(C-リピート)/DRE配列を認識する。CRT/DRE配列に結合する転写活性化因子であるシロイヌナズナCBF1の発現の増加は、COR遺伝子発現を誘導し、非馴化シロイヌナズナ植物の凍結耐性を増加させる。CBF遺伝子は、低い非凍結温度に対する植物の曝露後15分以内に誘導され、2時間以内に、「CBFレギュロン」として知られるCRT/DRE調節エレメントを含有する低温調節遺伝子の誘導が起こり、それによって翌数日間のあいだに植物において凍結耐性の増加が起こる(Jaglo-Ottosen et al., 1998)。CBFレギュロン発現はまた、干ばつおよび高塩ストレスに対する耐性も増加させる(Stockinger et al., 1997;Fowler and Thomashow, 2002;Kasuga et al., 1999;Haake et al., 2002)。
CBF遺伝子は、トウモロコシ、ダイズ、コムギ、コメ、オオムギ、トマト、アルファルファ、キャノーラが含まれるいくつかの作物種と共に、ブラシカ・ナプス(Brassica napus)などの野菜および樹木において見いだされている。CBF遺伝子の存在は、ユーカリの異なる四つの種において証明されている:ユーカリプツス・グランディス(Eucalyptus grandis)(ArborGen、egCBFl、およびegCBF3);ユーカリプツス・ダンニイ(Eucalyptus dunnii)(ArborGen、ed7.1、およびed8.1);ユーカリプツス・グンニイ(Eucalyptus gunnii)(GenBankアクセッション番号ABB51638);およびユーカリプツス・グロブルス(Eucalyptus globulus)(GenBank、アクセッション番号ABF70207)。
ここ数年のあいだに、改善されたストレス耐性を有するトランスジェニック植物の開発が大きく注目されている。しかし、トランスジェニック植物におけるシロイヌナズナCBF1の発現は、低温、干ばつ、および塩分の負荷に対する耐性を改善するものの、通常の生長条件での植物の生長および収量に対して負の効果を伴っている。CBF/DREB1の発現はまた、シロイヌナズナおよびトマトにおいて矮性体を産生すると報告されている(Gilmour et al., 2000;Hsieh et al., 2002b;Kasuga et al., 1999;Liu et al., 1998)。コムギDREB2A相同体遺伝子をコメ植物に導入しても、矮性体が得られる(Shen et al., 2003)。
このように、ユーカリ、柑橘類、アボカド、パパイヤ、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバなどの熱帯の樹木が含まれる、商業的に重要な樹木および植物において、植物におけるストレス耐性を調節する複雑なメカニズムに関連する望ましくない効果を低減しながら、CBF1などの転写活性化因子を過剰発現させることによってストレス応答ならびに低温および水喪失の耐性に関係する遺伝子の発現を改変させる、凍結および水喪失の耐性が含まれるストレス耐性を改善するためのよりよい技術を開発することが直ちに必要である。
本発明の目的は、植物におけるストレス耐性を増加させるように操作される可能性がある遺伝子を提供することである。
同様に本発明の目的は、植物におけるストレス耐性を増加させる遺伝子の発現を駆動するプロモーター配列を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、同じ種の非形質転換植物と比較して改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック植物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、そのストレス耐性を変更することによって植物の表現型を改変するための方法を提供することである。
本発明のなおもう一つの目的は、改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック植物から木材を作出する方法を提供することである。
本発明のなおもう一つの目的は、改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック植物から構造挽き材(structure lumber)を作出する方法を提供することである。
本発明のなおもう一つの目的は、改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック植物からバイオ燃料を作出する方法を提供することである。
これらおよび他の目的を成就するために、本発明は、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、乾燥、低温、または高塩条件によって誘導した場合に、植物におけるCBF遺伝子またはCBF相同遺伝子の発現を引き起こす、ストレス関連プロモーター配列に機能的に連結したSEQ ID NO:1、3、5、または7によって表されるCBF遺伝子配列またはCBF相同遺伝子配列を含むDNA構築物を提供する。
一つの態様において、本発明は、ストレス関連遺伝子シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)プロモーターRD29Aに機能的に連結したシロイヌナズナCBF2遺伝子を含むDNA構築物によって形質転換された樹木細胞を提供する。
もう一つの態様において、本発明は、同じ種の非形質転換植物におけるCBF2の発現と比較して、CBF2の発現の増加を示し、同じ種の非形質転換植物の表現型と比較してストレス耐性の増加を特徴とする表現型を有するトランスジェニック植物を提供する。トランスジェニック植物は、双子葉植物または単子葉植物であってもよい。好ましくは、トランスジェニック植物は、被子植物である。より好ましくは、トランスジェニック植物は、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバが含まれる硬木の熱帯の樹木である。葉、茎、花、子房、果実、種子、およびカルスを含むトランスジェニック植物の器官も同様に、本発明の態様に含まれる。
追加の態様において、本発明は、形質転換樹木細胞を産生するために、シロイヌナズナRD29Aプロモーターに機能的に連結したシロイヌナズナCBF2遺伝子を含むDNA構築物によって樹木細胞を形質転換する段階;および同じ種の非形質転換樹木と比較して改善されたストレス耐性を示す樹木の生長を促進する条件で形質転換樹木細胞を培養する段階を含む、トランスジェニック樹木を産生するための方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、形質転換樹木細胞を産生するために、シロイヌナズナRD29Aプロモーターに機能的に連結したシロイヌナズナCBF2遺伝子を含むDNA構築物によって樹木細胞を形質転換する段階;ならびにAtCBF2遺伝子によってコードされるポリペプチドが形質転換樹木細胞において発現され、樹木が同じ種の非形質転換樹木と比較して改善された低温耐性を示すトランスジェニック樹木である、樹木の生長を促進する条件で形質転換樹木細胞を培養する段階を含む、樹木における凍結耐性を増強するための方法を提供する。
さらにもう一つの態様において、本発明は、形質転換樹木細胞を産生するために、シロイヌナズナRD29Aプロモーターに機能的に連結したシロイヌナズナCBF2遺伝子を含むDNA構築物によって樹木細胞を形質転換する段階;AtCBF2遺伝子によってコードされるポリペプチドが形質転換樹木細胞において発現され、樹木が、同じ種の非形質転換樹木と比較して改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック樹木である、樹木の生長を促進する条件で形質転換樹木細胞を培養する段階を含む、トランスジェニック樹木から木材および木材パルプを作出するための方法を提供する。
なおもう一つの態様において、本発明は、SEQ ID NO:9もしくは10によって表されるデヒドリンプロモーター配列、またはSEQ ID NO:9もしくは10を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種を提供する。
もう一つの態様において、本発明は、プロモーターが、所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に植物における所望の遺伝子の発現を駆動する、SEQ ID NO:9もしくは10によって表されるデヒドリンプロモーター配列、またはSEQ ID NO:9もしくは10を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種、に機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物を提供する。好ましくは、ストレス条件は、0℃〜-30℃の凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は、水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。
もう一つの態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に、植物におけるCBF相同遺伝子の発現を駆動する、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子の核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種、を含むDNA構築物を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。本発明の核酸配列には、一つまたは複数の塩基の欠失、置換、挿入、および/または付加が含まれてもよい。
さらなる態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に植物におけるCBF相同遺伝子の発現を駆動する、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子の核酸配列を含む単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種、を含むDNA構築物によって形質転換された植物細胞を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は、1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。
もう一つの態様において、本発明は、同じ種の非形質転換植物におけるストレス耐性レベルと比較して、増加したストレス耐性を示すトランスジェニック植物を提供する。好ましくは、ストレス条件は、0℃〜-30℃の凍結温度である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏である。トランスジェニック植物は、双子葉植物または単子葉植物であってもよい。好ましくはトランスジェニック植物は被子植物である。より好ましくは、トランスジェニック植物は、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバが含まれる硬木の熱帯の樹木である。葉、茎、花、子房、果実、種子、およびカルスを含むトランスジェニック植物の器官も同様に、本発明の態様に含まれる。
追加の態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に、植物におけるCBF相同遺伝子の発現を駆動する、形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子の核酸配列を含む単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種、を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;および同じ種の非形質転換植物と比較して改善された低温耐性を示す植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階を含む、トランスジェニック植物を産生するための方法を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。
さらなる態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を2時間〜72時間の範囲の期間ストレス条件に曝露した場合に、植物における植物転写因子の発現を駆動する、形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子の核酸配列を含む単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種、を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;および単離ポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドが形質転換植物細胞において発現され、植物が同じ種の非形質転換植物と比較して改善された低温耐性を示すトランスジェニック植物である、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階を含む、被子植物における凍結耐性を増強するための方法を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を有するデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくはストレス条件は、0℃〜-30℃までの凍結温度である。
なおもう一つの態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に、植物におけるCBF相同遺伝子の発現を駆動する、形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子の核酸配列を含む単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;ポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドが形質転換植物細胞において発現される、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階;およびトランスジェニック植物から木材を製造する段階を含む、トランスジェニック植物から木材および/または木材パルプを作出するための方法を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は、水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、植物は、同じ種の非形質転換植物と比較して改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック植物である。
さらにもう一つの態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に植物におけるCBF相同遺伝子の発現を駆動する、形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子の核酸配列を含む単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種、を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;ポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドが形質転換植物細胞において発現される、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階;およびトランスジェニック植物からベニヤおよび/またはトール油を製造する段階を含む、トランスジェニック植物からベニヤおよび/またはトール油を作出するための方法を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は、水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、植物は、同じ種の非形質転換植物と比較して改善されたストレス耐性を示すトランスジェニック植物である。
追加の態様において、本発明は、プロモーターが、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に、植物における植物転写因子の発現を駆動する、形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF2遺伝子配列もしくはCBF相同遺伝子配列を含む単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;ポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドが形質転換植物細胞において発現される、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階;およびトランスジェニック植物からバイオ燃料を産生する段階を含む、トランスジェニック植物からバイオ燃料を産生するための方法を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、トランスジェニック植物は、ストレス条件に曝露される前に低温馴化され、ストレス条件は0℃〜-30℃の凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は、1日〜10日、凋萎点までの範囲である、好ましくは、トランスジェニック植物の表現型は、同じ種の非形質転換植物と比較して増加したストレス耐性を特徴とする。
さらなる態様において、本発明は、核酸配列が核酸配列の発現を引き起こす一つまたは複数の適したプロモーターに機能的に連結している、SEQ ID NO:2、4、6もしくは8によって表されるアミノ酸配列を含むCBF活性を有するポリペプチド、またはSEQ ID NO:2、4、6もしくは8によって表されるアミノ酸配列と少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCBF活性を有するポリペプチド、をコードする核酸配列を含むDNA構築物を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。本発明のポリペプチドには、転写因子活性を変更しないアミノ酸置換、付加、および欠失が含まれてもよい。
もう一つの態様において、本発明は、CBF遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に、CBF相同遺伝子の発現がプロモーターによって駆動される、SEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるCBF相同遺伝子配列を含むポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、3、5、もしくは7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種、によってコードされるポリペプチドを発現する単離された植物細胞を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、ポリペプチドは、SEQ ID NO:2、4、6もしくは8によって表されるアミノ酸配列を含む、またはSEQ ID NO:2、4、6もしくは8によって表されるアミノ酸配列と少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCBF活性を有するポリペプチドである。
なおもう一つの態様において、本発明は、トランスジェニック植物が、同じ種の非形質転換植物の表現型とは異なる表現型を示し、およびCBF活性を有するポリペプチドの発現に関連する望ましくない効果を引き起こすことなく、植物をストレス条件に一定期間曝露した場合にポリペプチドの発現が駆動される、SEQ ID NO:2、4、6、もしくは8によって表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはSEQ ID NO:2、4、6、もしくは8によって表されるアミノ酸配列と少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCBF活性を有するポリペプチド、を発現するトランスジェニック植物を提供する。好ましくは、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は、水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、トランスジェニック植物は、同じ種の非形質転換植物と比較して改善されたストレス耐性を示す。
なおもう一つの態様において、本発明は、形質転換植物細胞を産生するために、所望の遺伝子の発現を引き起こす一つまたは複数の適したプロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;所望の遺伝子によってコードされるポリペプチドが形質転換植物細胞において発現され、植物が、同じ種の非形質転換植物の表現型とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階;およびトランスジェニック植物から木材を製造する段階を含む、トランスジェニック植物から木材および/または木材パルプを作出するための方法を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、トランスジェニック植物はストレス条件に曝露される前に低温馴化され、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、トランスジェニック植物は、同じ種の非形質転換植物と比較して改善されたストレス耐性を示す。
さらにもう一つの態様において、本発明は、形質転換植物細胞を産生するために、所望の遺伝子の発現を引き起こす一つまたは複数の適したプロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;所望の遺伝子によってコードされるポリペプチドが形質転換植物細胞において発現され、植物が、同じ種の非形質転換植物の表現型とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階;およびトランスジェニック植物からベニヤおよび/またはトール油を製造する段階を含む、トランスジェニック植物からベニヤおよび/またはトール油を作出するための方法を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、トランスジェニック植物はストレス条件に曝露される前に低温馴化され、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、トランスジェニック植物は、同じ種の非形質転換植物と比較して改善されたストレス耐性を示す。
追加の態様において、本発明は、形質転換植物細胞を産生するために、所望の遺伝子の発現を引き起こす一つまたは複数の適したプロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;所望の遺伝子の産物が形質転換植物細胞において発現され、植物が、同じ種の非形質転換植物の表現型とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、形質転換植物細胞を、植物の生長を促進する条件で培養する段階;およびトランスジェニック植物からバイオ燃料を産生する段階を含む、トランスジェニック植物からバイオ燃料を産生するための方法を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、トランスジェニック植物はストレス条件に曝露される前に低温馴化され、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、トランスジェニック植物の表現型は、同じ種の非形質転換植物と比較して増加したストレス耐性を特徴とする。
なおもう一つの態様において、本発明は、形質転換植物細胞を産生するために、所望の遺伝子の発現を引き起こす一つまたは複数の適したプロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階;所望の遺伝子の産物が形質転換植物細胞において発現され、植物が、同じ種の非形質転換植物の表現型とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、形質転換植物細胞を、植物の生長を促進する条件で培養する段階;およびトランスジェニック植物からバイオエネルギーを産生する段階を含む、トランスジェニック植物からバイオエネルギーを産生するための方法を提供する。好ましくは、プロモーターは、シロイヌナズナrd29AプロモーターまたはCaMV 35Sプロモーターである。より好ましくは、プロモーターは、SEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含むデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を含むデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種である。好ましくは、トランスジェニック植物はストレス条件に曝露される前に低温馴化され、ストレス条件は0℃〜-30℃までの凍結温度であり、期間は2時間〜72時間の範囲である。本発明の追加の好ましい局面において、ストレス条件は水の欠乏であり、期間は1日〜10日、凋萎点までの範囲である。好ましくは、トランスジェニック植物の表現型は、同じ種の非形質転換植物と比較して増加したストレス耐性を特徴とする。
pABCTE01(SEQ ID NO:12)のプラスミドマップの説明である。 ユーカリにおける低温耐性増強のためのCBF2遺伝子とリグニンを低減させるための遺伝子とを持つプラスミドpABCTE03B(SEQ ID NO:13)のマップの説明である。 AtCBF2を発現するrdCBF2-7シロイヌナズナ植物が、-10℃の凍結ストレスに8時間曝露後に、非形質転換シロイヌナズナ植物の0.0%生存率と比較して69%の生存率を示したことを説明する。 野生型シロイヌナズナ植物と比較して、CBF2-発現シロイヌナズナ株9例中8例が凍結温度に曝露後電解質漏出の減少を示したことを説明する。rdCBF2-5は、凍結温度より下で電解質漏出の増加を示す唯一のCBF2-発現シロイヌナズナ株であった。 凍結ストレスに曝露後の、AtCBF2遺伝子を持つトランスジェニックユーカリ植物と、野生型ユーカリ植物とを説明する。植物を1ガロンポットにおいて20日間生長させて、トランスジェニックフェンス区域に25日間馴化させた後、凍結ストレスに曝露した。凍結ストレス試験に関して、ポットをプラスチックバッグで覆って乾燥を防止し、Precision Low Temperature Growth Chamberに置いた。植物を-2℃〜-6℃までの範囲の凍結温度に48時間曝露して、4℃で8時間回復させた後、温室に移した。温室で5日後、凍結ストレスから生存した植物数を採点した。トランスジェニックフェンス区域に戻した後20日目に写真を撮影した。 凍結ストレスに曝露後のシロイヌナズナ植物の葉において行われた電解質漏出アッセイから得られた結果を説明する。pd35SegCBF1を発現するトランスジェニックシロイヌナズナ植物の葉は、非形質転換シロイヌナズナ植物の葉と比較して電解質漏出の減少を示した。 ユーカリプツス・ダンニイプロモーター(SEQ ID NO:9)を含有するpAGW14のプラスミドマップを説明する。 ユーカリプツス・マカルツリ(Eucalyptus macarthurrii)デヒドリンプロモーター(SEQ ID NO:10)を含有するpAGW15のプラスミドマップを説明する。 低い温度(4℃)に24時間曝露後のトランスジェニックシロイヌナズナ植物におけるユーカリプツス・ダンニイプロモーター(SEQ ID NO:9)またはユーカリプツス・マカルツリデヒドリンプロモーター(SEQ ID NO:10)の誘導を説明する。 pSrc-GUS(SEQ ID NO:11)のプラスミドマップを説明する。 pAGW16(SEQ ID NO:18)によって形質転換した二つのトランスジェニック株におけるユーカリプツス・ダンニイデヒドリンプロモーターの誘導倍率と、pAGW17(SEQ ID NO:19)によって形質転換した二つのトランスジェニック株におけるユーカリプツス・マカルツリデヒドリンプロモーターの誘導倍率を説明する。 低い温度(4℃)に24時間曝露後のトランスジェニックシロイヌナズナ植物におけるSrc2プロモーター(SEQ ID NO:11)の誘導を説明する。 CBF2遺伝子またはCBF相同遺伝子の発現を駆動するプロモーターを持つ四つのプラスミドのマップを説明する。図11Aは、CBF相同遺伝子ユーカリプツス・グンニイCBF1(SEQ ID NO:5)の発現を駆動するユーカリプツス・ダンニイプロモーター(SEQ ID NO:9)を持つプラスミドpAGSM23を示す。図11Bは、CBF相同遺伝子ユーカリプツス・ダンニイ8.1(SEQ ID NO:3)の発現を駆動するユーカリプツス・ダンニイプロモーター(SEQ ID NO:9)を持つプラスミドpAGSM24を示す。図11Cは、CBF相同遺伝子ユーカリプツス・グンニイCBF1(SEQ ID NO:5)の発現を駆動するSrcプロモーター(SEQ ID NO:11)を持つプラスミドpAGSM42を示す。図11Dは、シロイヌナズナCBF2遺伝子の発現を駆動するSrcプロモーター(SEQ ID NO:11)を持つプラスミドpAGSM47を示す。 プラスミドpAGW16(SEQ ID NO:18)のマップを説明する。 プラスミドpAGW17(SEQ ID NO:19)のマップを説明する。 低い温度に対する曝露に応答してユーカリCBF相同体edC7.1およびedC8.1の発現の増加を示すDNAゲルを表す。ポット植えのIPB1植物3株を1ガロンポットにおいて、約2フィートの高さまで生長させて、低い温度(4℃)に0.5時間、1時間、2時間、または4時間曝露した。それぞれの時点で、若葉を試料採取して、全RNA抽出のために直ちに処理した。葉の試料はまた、低温に対する曝露の前にも植物から採取して、これをゼロ時点での試料とした。ポリ(A)RNAおよび対応する一本鎖cDNA(sscDNA)を、それぞれの葉の試料から調製した全RNAから合成した。sscDNA 10 ngおよび二つの遺伝子特異的プライマー10 pmolを25 μlのPCR反応において用いた。PCR後、各反応物10μlをDNAゲルにおいて泳動させた。 水ストレスに曝露する前の異なる二つの1ガロンポットにおいて生長させたトランスジェニック株TUH000427およびTUH000435からのユーカリIPB1の若い植物を説明する。それぞれのポットは、一つのトランスジェニック植物と一つの野生型(WT)植物とを含有した。 異なる二つの1ガロンポットにおいて生長させたトランスジェニック株TUH000427およびTUH000435からのユーカリIPB1の若い植物およびWT植物において、8日間水を与えなかった場合の凋萎の程度を説明する。それぞれのポットは、一つのトランスジェニック植物と一つの野生型(WT)植物とを含有した。 異なる二つの1ガロンポットにおいて生長させたトランスジェニック株TUH000427およびTUH000435からのユーカリIPB1の若い植物およびWT植物の、植物に水を与えなかった8日間の後に、植物に規則正しく水を与えた10日間の終了時の回復状態を説明する。それぞれのポットは、一つのトランスジェニック植物と一つの野生型(WT)植物とを含有した。 水ストレスに曝露する前の異なる二つの1ガロンポットにおいて生長させたトランスジェニック株TUH000427およびTUH000435からのユーカリIPB1の若い植物を説明する。それぞれのポットは、一つのトランスジェニック植物と一つの野生型(WT)植物とを含有した。 異なる二つの1ガロンポットにおいて生長させたトランスジェニック株TUH000427およびTUH000435からのユーカリIPB1の若い植物およびWT植物の、8日間水を与えなかった場合の凋萎の程度を説明する。それぞれのポットは、一つのトランスジェニック植物と一つの野生型(WT)植物とを含有した。 異なる二つの1ガロンポットにおいて生長させたトランスジェニック株TUH000427およびTUH000435からのユーカリIPB1の若い植物およびWT植物の、植物に水を与えなかった8日間の後に、植物に規則正しく水を与えた10日間の終了時の回復状態を説明する。それぞれのポットは、一つのトランスジェニック植物と一つの野生型(WT)植物とを含有した。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、植物におけるストレス耐性を遺伝子操作するためのプロセス、および増加したストレス耐性を示すトランスジェニック植物に関する。
植物は、凍結温度および水ストレスから生存する能力が非常に多様である。熱帯地方原産のほとんどの植物は、凍結温度に対する耐性が非常に低く、極端な水ストレスに抵抗する能力が限られているが、温帯地方の草本植物の多くの種は、種に応じて、水ストレスおよび-5℃〜-30℃の範囲の温度での凍結から生存することができる。低温耐性は、植物をおよそ10℃より下の低い温度に曝露することによって誘導される可能性があり、これは、「低温馴化」として知られる現象である(Hughes and Dunn, 1996;Thomashow, 1999)。
経済的に重要な植物におけるストレス耐性の改善は、水ストレスおよび凍結温度が、作物および園芸植物を生長させるために適した地理的立地を制限する主要な要因であり、植物の生産性の有意な損失の周期的な原因となることから、有意な実用的応用である。
いくつかの場合において、水ストレスの数サイクルに対する曝露によって植物を条件付けすると、水の欠乏に対する植物の感受性が減少する。植物は、ストレス耐性の増加に至る多数の生化学メカニズムを活性化することによって馴化に応答する。シロイヌナズナ植物を低い温度に曝露すると、C-リピート(CRT)結合因子(CBFl、CBF2、およびCBF3)、または脱水応答エレメント(DRE)結合因子(DREB1b、DREB1c、およびDREB1a)として知られる転写活性化因子をコードする小さい遺伝子ファミリーが急速に誘導される。CBFの発現は、低温調節遺伝子(COR)を活性化し、これが次に低温耐性の増加に至る多数の事象のカスケードを開始する。
トランスジェニック植物におけるCBF遺伝子の発現は、干ばつ、高塩、および低い温度ストレスに対する耐性を改善することが知られているが、これはまた、通常の生長条件での生長の遅れおよび矮性などの望ましくない効果を伴う(Ito et al. Plant and Cell Physiology 47(1): 141-153 (2006);Lee et al. Plant, Cell & Environment 26(7): 1181-90 (2003))。
トランスジェニック植物におけるCBF遺伝子の発現に関するこれまでの研究は、CBF遺伝子およびCBF相同遺伝子が、CBF発現に関連する望ましくない効果を低減しながらトランスジェニック植物において発現される可能性があるという本発明者らの発見を予測することができなかった。
したがって、植物、植物細胞、および植物組織におけるストレス耐性を改善するための方法が提供される。本発明のこの局面に従って、植物細胞および植物全体をCBFまたはCBF相同遺伝子によって形質転換して、これを植物細胞または植物全体において発現させると、CBF発現に関連する既に報告されているいかなる望ましくない効果も引き起こすことなく、ストレス耐性の増加を引き起こす。好ましい態様において、CBFまたはCBF相同遺伝子によって形質転換された植物または植物細胞は、被子植物である。好ましくは、CBFまたはCBF相同遺伝子によって形質転換された植物または植物細胞は、ユーカリ植物である。
本明細書において用いられる全ての技術的用語は、生化学、分子生物学、および農学において一般的に用いられる用語であり、本発明が属する当業者によって理解されうる。技術用語は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., vol. 1-3, ed. Sambrook and Russell, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 2001;Current Protocols in Molecular Biology, ed. Ausubel et al., Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience, New York, 1988(定期的な更新版を含む);Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 5th ed., vol. 1-2, ed. Ausubel et al., John Wiley & Sons, Inc., 2002;Genome Analysis: A Laboratory Manual, vol. 1-2, ed. Green et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1997において見いだされうる。植物生物学の技術を必要とする方法論は、本明細書において記述され、Methods in Plant Molecular Biology: A Laboratory Course Manual, ed. Maliga et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1995などの論文において詳細に記述されている。PCRを用いる様々な技術は、Innis et al., PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press, San Diego, 1990、およびDieffenbach and Dveksler, PCR Primer: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 2003において記述されている。PCRプライマー対は、その目的に関して意図されるコンピュータープログラムPrimer, Version 0.5, 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MAを用いるような公知の技術によって公知の配列から誘導することができる。核酸の化学合成のための方法は、たとえばBeaucage and Caruthers, 1981, Tetra. Letts. 22: 1859-1862、およびMatteucci and Caruthers, 1981 J. Am. Chem. Soc. 103: 3185において考察されている。
制限酵素消化、リン酸化、ライゲーション、および形質転換は、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. (1989), Cold Spring Harbor Laboratory Pressにおいて記述されるとおりに行った。細菌細胞の生長および維持のために用いられる試薬および材料は全て、特に明記していなければAldrich Chemicals(Milwaukee, WI)、DIFCO Laboratories(Detroit, MI)、Invitrogen(Gaithersburg, MD)、またはSigma Chemical Company(St. Louis, MO)から得た。
「コードする(encoding)」および「コードする(coding)」という用語は、それによって遺伝子が転写および翻訳のメカニズムを通して細胞に情報を提供して、そこから一連のアミノ酸が特異的アミノ酸配列にアセンブルされて活性な酵素を産生するプロセスを指す。遺伝子コードの縮重のために、DNA配列における一定の塩基の変化はタンパク質のアミノ酸配列を変化させない。したがって、転写因子をコードするDNA配列においてタンパク質の機能的特性に実質的に影響を及ぼさない改変が企図されると理解される。
「発現」という用語は、遺伝子によってコードされるタンパク質産物の産生を指す。「過剰発現」という用語は、正常または非形質転換生物における産生レベルを超えてトランスジェニック生物において遺伝子産物が産生されることを指す。
C-リピート結合因子配列
「CBF遺伝子」という句は、COR(低温調節)と呼ばれる遺伝子が含まれる、多くの低温および干ばつ誘導型遺伝子のプロモーターに存在するCRT(C-リピート)/DRE(脱水応答エレメント)DNA調節エレメントに結合する転写活性化因子をコードする遺伝子を指す。「相同なCBF遺伝子」という句は、CBF遺伝子と高い配列同一性または類似性を共有し、CBF機能を有する遺伝子を指す。
本説明において、「CBF遺伝子配列」および「CBF相同遺伝子配列」という句は、ストレス関連植物C-リピート結合因子(CBF)活性を付与する任意の核酸、遺伝子、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、mRNA、またはcDNA分子を指す。この範疇の例は、CBF活性を示すポリペプチドをコードするSEQ ID NO:1、3、5、または7によって表される配列を含むポリヌクレオチドである。
本発明にとって適したCBFまたは相同なCBFポリヌクレオチド配列は、CBF遺伝子の存在を特徴とする無数の植物から同定されてもよい。前述のヌクレオチド配列は本明細書において開示されるが、それらは本発明の制限であるととるべきではない。CBF DNA配列は、本明細書において開示されるDNAまたはタンパク質配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブを用いて任意の適した植物種からのcDNAまたはゲノムDNAとして単離されてもよい。CBF遺伝子が単離される可能性がある植物種の特異的な例には、ウリ科(Cucurbitaceae)、ナス科(Solanaceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、カブ科(Rutaceae)、アルファルファおよびササゲ(Vigna unguiculata)などのマメ科(Papilionaceae)、アオイ科(Malvaceae)、キク科(Asteraceae)、ポプラなどのマルピギアセア(Malpighiaceae)、ユーカリなどのフトモモ科(Myrtaceae)などの双子葉植物;ならびにコムギ、オオムギ、およびトウモロコシが含まれるイネ科(gramineae)などの単子葉植物が含まれる。本発明の目的に関して、CBF遺伝子は好ましくは、シロイヌナズナから単離され、CBF相同遺伝子は、好ましくはユーカリから単離される。
本説明において、「CBFポリヌクレオチド配列」および「CBF相同ポリヌクレオチド配列」という句はまた、本明細書において開示される任意の配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができ、本明細書においてSEQ ID NO:2、4、6、または8において開示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドと同等のストレス関連転写因子活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する任意の核酸分子を指す。この句にはまた、SEQ ID NO:1、3、5、または7によって表されるヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、またはSEQ ID NO:7と交叉ハイブリダイズする配列が含まれる。本発明のヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、またはSEQ ID NO:8によって表されるアミノ酸配列を含む本明細書において開示されるポリペプチドに対して相同であるポリペプチドをコードしてもよい。さらに、本発明のヌクレオチド配列には、SEQ ID NO:2、4、6、または8として本明細書において開示されるアミノ酸配列と少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するストレス関連転写因子活性を有するポリペプチドをコードする配列が含まれる。
本明細書において言及される「ストリンジェントな条件」は、CBF遺伝子配列またはCBF相同遺伝子配列によってコードされる転写因子と同等のストレス関連転写因子活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列のみが、特異的CBFまたはCBF相同配列とハイブリッド(特異的ハイブリッドと呼ばれる)を形成し、およびそのような同等の活性を有しないポリペプチドをコードする塩基配列が、特異的配列とハイブリッド(非特異的ハイブリッドと呼ばれる)を形成しない条件を意味する。当業者は、ハイブリダイゼーション反応および洗浄プロセスの際の温度、またはハイブリダイゼーション反応および洗浄プロセスの際の塩濃度を多様にすることによってそのような条件を容易に選択することができる。特異的な例には、ハイブリダイゼーションを3.5×SSC、1×デンハルト溶液、25mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)、0.5%SDS、および2mM EDTAにおいて65℃で18時間行った後、2×SSC、0.1%SDSにおいてフィルターの65℃で20分間の洗浄を4回、および最後に0.5×SSC、0.1%SDS、またはより大きいストリンジェンシーに関して0.3×SSCおよび0.1%SDS、ならびにさらにより大きいストリンジェンシーに関して0.1×SSC、0.1%SDSにおいて20分までの最終的な洗浄を行う条件が含まれるがこれらに限定されるわけではない。0.5×SSCの最終洗浄を用いて、本明細書において提供されるストリンジェンシーと等しいストリンジェンシーの程度が得られる限り、他の条件を置換してもよい。
加えて、CBF相同遺伝子配列には、ストレス関連転写因子活性を有するポリペプチドをコードする、一つまたは複数の塩基が欠失、置換、挿入、または付加された、SEQ ID NO:1または3、5または7によって表されるポリヌクレオチドの断片および変種が含まれる。本明細書において言及される「一つまたは複数の塩基が欠失、置換、挿入、または付加された塩基配列」は、一般的にその生理活性を有するタンパク質のアミノ酸配列が、一つまたは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、または付加されている場合であっても生理活性を保留することが、当業者によって広く知られている。たとえば、ポリAテールまたは5'もしくは3'末端非翻訳領域を欠失してもよく、アミノ酸が欠失する程度に塩基を欠失してもよい。塩基も同様に、フレームシフトが起こらない限り、置換してもよい。塩基はまた、そのような改変によってストレス関連転写因子活性の喪失が起こらない限り、「付加」されてもよい。この文脈における改変DNAは、特異的部位でのアミノ酸が、Zoller & Smith, 1982, Nucleic Acid Res. 10: 6487-6500において記述されるように、部位特異的変異誘発によって置換、欠失、挿入、または付加されるように本発明のDNA塩基配列を改変することによって得ることができる。
プロモーター
本発明は、形質転換植物において改善されたストレス耐性を引き起こす核酸分子を提供する。本発明の重要な局面は、その正常な発達または生理学に不当に影響を及ぼすことなく、形質転換植物におけるストレス耐性を改善するために、CBF遺伝子配列または相同なCBF遺伝子ヌクレオチド配列が、構成的に、もしくは一定の細胞タイプ、器官、もしくは組織においてCBF遺伝子配列もしくはCBF相同遺伝子配列の発現を駆動する、または水ストレスおよび低い温度などのストレスに対する曝露に応答してCBF遺伝子配列またはCBF相同遺伝子の一時的な発現を駆動する一つまたは複数のプロモーターに機能的に連結しているDNA構築物を用いることである。
選択されたプロモーターは、宿主植物細胞または宿主植物においてストレス耐性を改変するために、本発明に従ってCBF遺伝子またはCBF相同遺伝子の発現を引き起こすべきである。
適したプロモーターは、カリフラワーモザイクウイルスCaMV 35S、トウモロコシAdhl-に基づくpEmu、コメAct1、およびトウモロコシUbiプロモーターなどの構成的プロモーター;シロイヌナズナrd29Aプロモーターなどのストレス応答性プロモーター;ならびにSEQ ID NO:9、10、もしくは11によって表される核酸配列を含む本明細書において開示されるデヒドリンプロモーター、またはSEQ ID NO:9、10、もしくは11を有するデヒドリンプロモーターと少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、および好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの核酸配列を含むその断片もしくは変種によって説明されるが、これらに限定されない。他の適したプロモーターは、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,380,459号、米国特許出願第10/702319号、米国特許出願第10/717897号、および米国特許出願第10/703091号において開示される。
遺伝子工学操作のための植物
本発明は、好ましくは先に記述したプロモーターの制御下でCBF遺伝子またはCBF相同遺伝子の発現を駆動することによって、ストレス耐性を増強するために、植物の遺伝子操作を包含する。結果は増強されたストレス耐性である。
「植物」という用語は、分化、または未分化植物細胞、プロトプラスト、植物全体、植物組織、もしくは植物器官、または葉、茎、根、蕾、塊茎、果実、根茎等などの植物の任意の成分が含まれるがこれらに限定されるわけではない遺伝子操作することができる任意の繊維含有植物材料を指す。
本発明に従って操作することができる植物には、ユーカリ種およびそのハイブリッド(E.アルバ(E. alba)、E.アルベンス(E. albens)、E.アンプリフォリア(E. amplifolia)、E.アミグダリナ(E. amygdalina)、E.アロマフロイア(E. aromaphloia)、E.バイレヤナ(E. baileyana)、E.バラドニエンシス(E. balladoniensis)、E.ベンジェンシス(E. benjensis)、E.ベンタミイ(E. benthamii)、E.ビコスタタ(E. bicostata)、E.ボトリオイデス(E. botryoides)、E.ブラキアンドラ(E. brachyandra)、E.ブラシアナ(E. brassiana)、E.ブレビスチリス(E. brevistylis)、E.ブロクワイ(E. brockwayi)、E.カルマルジュレンシス(E. calmaldulensis)、E.セラセア(E. ceracea)、E.クロエジアナ(E. cloeziana)、E.コキフェラ(E. coccifera)、E.コルダタ(E. cordata)、E.コルヌタ(E. cornuta)、E.コルチコサ(E. corticosa)、E.クレブラ(E. crebra)、E.クロアジンゴレンシス(E. croajingolensis)、E.クルチシイ(E. curtisii)、E.ダルリンプレアナ(E. dalrympleana)、E.デグルプタ(E. deglupta)、E.デレガテンシス(E. delegatensis)、E.デリカタ(E. delicata)、E.ディベルシカラー(E. diversicolor)、E.ディベルシフォリア(E. diversifolia)、E.ディベス(E. dives)、E.ドリコカルパ(E. dolichocarpa)、E.ドリゴエンシス(E. dorrigoensis)、E.ダンダシイ(E. dundasii)、E.ダンニイ、E.エラタ(E. elata)、E.エリスロコリス(E. erythrocorys)、E.エリスロフロイア(E. erythrophloia)、E.エウデスモイデス(E. eudesmoides)、E.ファルカタ(E. falcata)、E.ガモフィラ(E. gamophylla)、E.グラウシナ(E. glaucina)、E.グロブルス、E.グロブルス亜種ビコスタタ(E. globulus subsp. bicostata)、E.グロブルス亜種グロブルス(E. globulus subsp. globulus)、E.ゴンジロカルパ(E. gongylocarpa)、E.グランディス(E. grandis)、E.グランディスxウロフィラ(E. grandis x urophylla)、E.ギルフォイレイ(E. guilfoylei)、E.グンニイ、E.ハリイ(E. hallii)、E.ハウセアナ(E. houseana)、E.ジャクソニイ(E. jacksonii)、E.ランスダウネアナ(E. lansdowneana)、E.ラティシネンシス(E. latisinensis)、E.ロイコフロイア(E. leucophloia)、E.ロイコキシロン(E. leucoxylon)、E.ロキエリ(E. lockyeri)、E.ルカシイ(E. lucasii)、E.マカルツリ(E. macarthurii)、E.マイデニイ(E. maidenii)、E.マルギナタ(E. marginata)、E.メガカルパ(E. megacarpa)、E.メリオドラ(E. melliodora)、E.ミカエリナ(E. michaeliana)、E.ミクロコリス(E. microcorys)、E.ミクロテカ(E. microtheca)、E.ミュエレリアナ(E. muelleriana)、E.ニテンス(E. nitens)、E.ニチダ(E. nitida)、E.オブリカ(E. obliqua)、E.オブツシフロラ(E. obtusiflora)、E.オクシデンタリス(E. occidentalis)、E.オプチマ(E. optima)、E.オバタ(E. ovata)、E.パキフィラ(E. pachyphylla)、E.パウキフロラ(E. pauciflora)、E.ペリタ(E. pellita)、E.ペリニアナ(E. perriniana)、E.ペチオラリス(E. petiolaris)、E.ピルラリス(E. pilularis)、E.ピペリタ(E. piperita)、E.プラチフィラ(E. platyphylla)、E.ポリアンテモス(E. polyanthemos)、E.ポプルネア(E. populnea)、E.プレイシアナ(E. preissiana)、E.プソイドグロブス(E. pseudoglobulus)、E.プルチェラ(E. pulchella)、E.ラディアタ(E. radiata)、E.ラディアタ亜種ラディアタ(E. radiata subsp. radiata)、E.レグナンス(E. regnans)、E.リスドニイ(E. risdonii)、E.ロベルトソニイ(E. robertsonii)、E.ロドワイ(E. rodwayi)、E.ルビダ(E. rubida)、E.ルビギノサ(E. rubiginosa)、E.サリグナ(E. saligna)、E.サルモノフロイア(E. salmonophloia)、E.スコパリア(E. scoparia)、E.ジーベリ(E. sieberi)、E.スパツラタ(E. spathulata)、E.スタエリ(E. staeri)、E.ストアテイ(E. stoatei)、E.テヌイペス(E. tenuipes)、E.テヌイラミス(E. tenuiramis)、E.テレチコルニス(E. tereticornis)、E.テトラゴナ(E. tetragona)、E.テトロドンタ(E. tetrodonta)、E.チンダリアエ(E. tindaliae)、E.トルクアタ(E. torquata)、E.ウンブラ(E. umbra)、E.ウロフィラ(E. urophylla)、E.ベルニコサ(E. vernicosa)、E.ビミナリス(E. viminalis)、E.ワンドー(E. wandoo)、E.ウェタレンシス(E. wetarensis)、E.ウィリシイ(E. willisii)、E.ウィリシイ亜種ファルシフォルミス(E. willisii subsp. falciformis)、E.ウィルシイ亜種ウィルシイ(E. willisii subsp. willisii)、E.ウッドワルディイ(E. woodwardii));ポプラ種およびそのハイブリッド(P.アルバ(P. alba)、P.アルバx P.グランディデンタタ(P. alba x P. grandidentata)、P.アルバx P.トレムラ(P. alba x P. tremula)、P.アルバx P.トレムラ変種グランデュローサ(P. alba x P. tremula var. glandulosa)、P.アルバx P.トレムロイデス(P. alba x P. tremuloides)、P.バルサミフェラ(P. balsamifera)、P.バルサミフェラ亜種トリコカルパ(P. balsamifera subsp. trichocarpa)、P.バルサミフェラ亜種トリコカルパx P.デルトイデス(P. balsamifera subsp. trichocarpa x P. deltoides)、P.キリアタ(P. ciliata)、P.デルトイデス(P. deltoides)、P.エウフラチカ(P. euphratica)、P.エウラメリカナ(P. euramericana)、P.キタカミエンシス(P. kitakamiensis)、P.ラシオカルパ(P. lasiocarpa)、P.ラウリフォリア(P. laurifolia)、P.マキシモウィクジイ(P. maximowiczii)、P.マキシモウィクジイx P.バルサミフェラ亜種トリコカルパ(P. maximowiczii x P. balsamifera subsp. trichocarpa)、P.ニグラ(P. nigra)、P.ジボルディイx P.グランディデンタタ(P. sieboldii x P. grandidentata)、P.スアベオレンス(P. suaveolens)、P.スゼチュアニカ(P. szechuanica)、P.トメントサ(P. tomentosa)、P.トレムラ(P. tremula)、P.トレムラx P.トレムロイデス(P. tremula x P. tremuloides)、P.トレムロイデス(P. tremuloides)、P.ウィルソニイ(P. wilsonii)、P.カナデンシス(P. canadensis)、P.ユナネンシス(P. yunnanensis));テーダマツ(Pinus taeda)、スラッシュマツ(Pinus elliotii)、ポンデローサマツ(Pinus ponderosa)、ロッジポールマツ(Pinus contorta)、およびモントレーマツ(Pinus radiata);ベイマツ(Pseudotsuga menziesii);アメリカツガ(Tsuga canadensis);ベイトウヒ(Picea glauca);セコイア(Sequoia sempervirens)などの針葉樹;ヨーロッパモミ(Abies amabilis)およびバルサムモミ(Abies balsamea)などのモミの木;ベイスギ(Thuja plicata)、およびアラスカヒノキ(Chamaecyparis nootkatensis)などのヒノキ;シトロン(C. medica)、ライム(C. aurantifolia)、C.ラティペス(C. latipes)、レモン(C. limon)、C.レティキュラタ(C. reticulata)、オレンジ(C. sinensis)、グレープフルーツ(C. paradisi)、ダイダイ(C. aurantium)、ラフレモン(C. jambhiri)、ブンタン(C. grandis)、C.インディカ(C. indica)、C.イチャンゼンシス(C. ichangensis)、タチバナ(C. tachibana)、C.ミクランサ(C. micrantha)などの柑橘種、およびパレスチナスイートライム、ベルガモット、およびボルカマー(Volkamer)レモン、ラングプアライム、およびラフレモンが含まれる柑橘類のハイブリッド;アボカド(Persea americana Mill)、パパイヤ(Carica papaya)、ナツメグ(Myristica insipida)、ピスタチオ(Pistacio vera)、キーウィ(Actinidia deliciosa A. Chev.)、およびホホバ(Simmondsia chinensis)などの樹木が含まれるがこれらに限定されるわけではない。
繊維産生植物もまた、本発明の文脈に含まれる。例示的な作物は、ワタ(Gossipium spp.)、亜麻(Linum usitatissimum)、イラクサ(Urtica dioica)、ホップ(Humulus lupulus)、リンデン(Tilia cordata, T. x. europaeaおよびT. platyphyllus)、レダマ(Spartium junceum)、ラミー(Boehmeria nivea)、カジノキ(Broussonetya papyrifera)、ニュージーランドアサ(Phormium tenax)、バシクルモン(Apocynum cannabinum)、アヤメ種(I. douglasiana、I. macrosiphon、およびI. purdyi)、トウワタ(Asclepia species)、パイナップル、およびバナナである。
「トランスジェニック植物」という句は、宿主植物ゲノムに通常存在しない遺伝子、RNAに通常転写されない、もしくはタンパク質に翻訳(「発現」)されないDNA配列、または非形質転換植物に通常存在するが遺伝子操作されているもしくは発現が変更されている任意の他の遺伝子もしくはDNA配列が含まれるがこれらに限定されるわけではないDNA配列を組み入れた植物を指す。「トランスジェニック植物」という句は、形質転換植物細胞(R0植物)から得られたカルスから再生された一次形質転換体と共に、その種子由来R1およびR2子孫、ならびにR0植物、R1およびR2子孫の栄養繁殖派生物を包含する。本発明はまた、R0、R1、またはR2植物を親として用いるハイブリッドの産生も企図する。
いくつかの場合において、トランスジーンの安定な導入を通して本発明のトランスジェニック植物のゲノムが増大されるであろうと企図される。しかし、他の場合において、導入された遺伝子は、内因性の配列を交換するであろう。この点に関して、本発明に従って好ましい遺伝子は、CBF遺伝子またはCBF相同遺伝子である。
DNA構築物
本発明の一つの局面に従って、CBF遺伝子またはCBF相同遺伝子配列は、植物の形質転換にとって適したDNA構築物に組み入れられる。そのようなDNA構築物は、先に記述したように、植物におけるCBF発現を改変するために用いることができる。
したがって、構築物が宿主植物細胞においてRNAを生成することができるように、先に言及した任意のプロモーターなどのプロモーターの制御下でCBF遺伝子配列またはCBF相同遺伝子配列を含むDNA構築物が提供される。
標準的な技術を用いて組み換え型DNA構築物を作出してもよい。たとえば、適切なセグメントを切り出すために該配列を含有するベクターを制限酵素によって処置することによって、転写のためのDNA配列を得てもよい。転写のためのDNA配列はまた、合成オリゴヌクレオチドをアニールおよびライゲーションすることによって、またはそれぞれの末端で適した制限部位を生じるためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において合成オリゴヌクレオチドを用いることによって、生成されてもよい。次に、DNA配列を上流のプロモーターおよび下流のターミネーター配列を含有するベクターにクローニングする。
本発明の発現ベクターはまた、mRNAの転写が終了して、ポリA配列が付加されるように、本発明の核酸分子の下流に配置される終止配列を含有してもよい。そのようなターミネーターの例は、カリフラワーモザイクウイルスCaMV 35Sターミネーターおよびノパリンシンターゼ遺伝子Tnosターミネーターである。発現ベクターはまた、エンハンサー、開始コドン、スプライシングシグナル配列、およびターゲティング配列を含有してもよい。
本発明の発現ベクターはまた、それによって形質転換植物細胞を培養において同定することができる選択マーカーを含有してもよい。マーカーは、異種核酸分子、すなわちプロモーターに機能的に連結した遺伝子に会合してもよい。本明細書において用いられるように、「マーカー」という用語は、マーカーを含有する植物または植物細胞の選択またはスクリーニングを許容する形質または表現型をコードする遺伝子を指す。通常、マーカー遺伝子は、抗生物質または除草剤抵抗性をコードするであろう。これによって、形質転換またはトランスフェクトされてない細胞の中から形質転換細胞を選択することができる。
適した選択マーカーの例には、アデノシンデアミナーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、ヒグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼ、チミジンキナーゼ、キサンチン-グアニンホスホ-リボシルトランスフェラーゼ、グリホサートおよびグルホシネート抵抗性およびアミノグリコシド3'-O-ホスホトランセラーゼ(カナマイシン、ネオマイシン、およびG418抵抗性)が含まれる。これらのマーカーには、G418、ヒグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシン、およびゲンタミシンに対する抵抗性が含まれる。構築物はまた、アンモニウムグルホシネートなどの除草剤ホスフィノトリシン類似体に対する抵抗性を付与する選択マーカー遺伝子Barを含有してもよい(Thompson et al., 1987, EMBO J. 9: 2519-2523)。他の適した選択マーカーは当業者に公知である。
細菌またはウイルス起源の複製配列も同様に、ベクターを細菌またはファージ宿主においてクローニングさせるために含めてもよい。好ましくは、広い宿主範囲の原核細胞複製開始点を用いる。所望の構築物を担う細菌細胞の選択を可能にするために、細菌に関する選択マーカーを含めてもよい。適した原核細胞選択マーカーにはまた、カナマイシンまたはテトラサイクリンなどの抗生物質に対する抵抗性が含まれる。
追加の機能をコードする他のDNA配列も同様に、当技術分野において公知であるようにベクターに存在してもよい。例として、アグロバクテリウム(Agrobacterium)が宿主である場合、植物染色体へのその後の移入および組み込みを容易にするために、T-DNA配列が含まれてもよい。
植物の形質転換
本発明に従う構築物は、適した形質転換技術を用いて、任意の植物細胞を形質転換するために用いてもよい。単子葉および双子葉被子植物または裸子植物細胞の双方を、当技術分野において公知の様々な方法によって形質転換してもよい。たとえば、Klein et al., 1993, Biotechnology 4: 583-590;Bechtold et al., 1993, C. R. Acad. Sci. Paris 316: 1194-1199;Bent et al., 1986, Mol. Gen. Genet. 204: 383-396;Paszowski et al., 1984, EMBO J. 3: 2717-2722;Sagi et al., 1994, Plant Cell Rep. 13: 262-266を参照されたい。
A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)およびA.リゾゲネス(A. rhizogenes)などのアグロバクテリウム種は、たとえばNagel et al., 1990, Microbiol Lett 67: 325に従って用いることができる。アグロバクテリウムを、電気穿孔によって植物発現ベクターによって形質転換した後、周知の葉ディスク法によってアグロバクテリウムを植物細胞に導入してもよい。追加の方法には、粒子銃衝突、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレングリコール融合、開きかけの花粉粒への移入、直接形質転換(Lorz et al., 1985, Mol. Genet. 199: 179-182)、および当技術分野において公知の他の方法が含まれるがこれらに限定されるわけではない。カナマイシン抵抗性などの選択マーカーを用いることによって、形質転換に成功した細胞を迅速に同定することができる。
先に考察したアグロバクテリウム形質転換法は、双子葉植物を形質転換するために有用であることが知られている。アグロバクテリウムを用いて穀類単子葉植物を形質転換する場合には、その全てが参照により本明細書に組み入れられる、de la Pena et al., 1987, Nature 325: 274-276;Rhodes et al., 1988, Science 240: 204-207;およびShimamato et al., 1989, Nature 328: 274-276を参照されたい。同様にアグロバクテリウム媒介形質転換のために真空浸潤を用いることを示すBechtold, et al., 1994, C.R. Acad. Sci. Paris 316も参照されたい。
たとえば当技術分野において周知の方法に従って細胞が首尾よく形質転換またはトランスフェクトされているか否かを決定するために、特定の細胞におけるタンパク質、ポリペプチド、または核酸分子の存在を測定することができる。
ストレス耐性
本発明のトランスジェニック植物は増加したストレス耐性を特徴とする。「増加したストレス耐性」という句は、水ストレスもしくは凍結ストレスに対する曝露から生存して、および水ストレスもしくは凍結ストレスから生存することができないか、または有意な水の喪失もしくは凍結障害を示す野生型もしくは同じ種の非形質転換植物と比較した場合に、生存後、その通常の表現型を維持するトランスジェニック植物を指す。「硬化」または「馴化」という用語は、最適下の水供給条件で生長した植物を指す。「低温馴化」または「低温馴化した」という用語は、光の強度および昼間の長さを減少させながら、植物を凍結温度より上の低い温度に曝露することからなる低温硬化処置に5〜25日曝露した植物を指す。「水ストレス」という句は、非硬化植物を、乾燥状態(水の欠乏)に1〜10日までまたは凋萎点まで曝露した後、水を与えて室温で24時間の回復期間の後、22℃の温室に移動させることを示す。「乾燥条件」または「水の欠乏」という句は、非可逆的な凋萎を引き起こすことなく、葉の初期、一時的、または永続的な凋萎を引き起こす可能性がある状態を指す。「初期凋萎」という句は、容易に気づくことができない葉の凋萎段階を指す。「一時的凋萎」という句は、昼間のあいだの葉の目に見えるしおれを特徴とするが、そこから夜間に植物が回復する凋萎段階を指す。「永続的な凋萎」という句は、一晩のあいだに植物が回復しない凋萎段階を指す。永続的に凋萎した植物は、土壌に水を加えると回復する可能性がある。凋萎に加えて、葉は巻く、包む、縮れる、辺縁部が褐変する(赤褐色になる)、黄変する、褐変する、および/または樹木から落葉する可能性がある。「持続的な永続的な凋萎」という句は、植物が凋萎点に達して、水を加えても回復しない段階を指す。「凋萎点」という用語は、植物が非可逆的にしおれないために必要な土壌水分の最少点を指し、その点またはそれより下では植物がしおれて、飽和大気に12時間おいてもその膨張を回復することができない水分減少の限界を示す。水ストレス耐性の増加は、野生型または同じ種の非形質転換植物の数と比較して、温室において10日後の水ストレスから生存したトランスジェニック植物の数を採点することによって査定される。水ストレス耐性の増加はまた、水ストレスに曝露後の苗条および葉の凋萎の程度を採点することによっても査定することができる。
「凍結ストレス」という句は、低温馴化植物を0℃〜-30℃の範囲の温度で2〜72時間曝露した後に、4℃で4〜8時間の回復期間の後、22℃の温室に移すことを示す。低温耐性の増加は、野生型または同じ種の非形質転換植物の数と比較して、温室で1〜5日後に凍結ストレスから生存したトランスジェニック植物の数を採点することによって査定される。低温耐性の増加はまた、凍結ストレスに曝露後の葉および苗条に対する凍結障害を採点することによっても査定することができる。
CBF遺伝子またはCBF相同遺伝子配列を含むDNA構築物を得るための方法と共に、植物形質転換体を産生するために、アグロバクテリウムによって標的遺伝子を導入するための方法に関する特異的な例を以下に表す。これらの例は、例示的であり、本発明に対する制限として意味するのではない。
実施例1
シロイヌナズナCBF2遺伝子を含有するDNA構築物の調製
シロイヌナズナCBF2(AtCBF2)遺伝子(GenBankアクセッション番号AF074601)およびAtCBF2の発現を駆動するシロイヌナズナrd29Aプロモーターを含有するプラスミドpMEN068を、Mendel Biotechnology, Incから得た。pMEN68プラスミドにおけるrd29A::CBF2::E9ter断片をArborGen骨格pWVR5にクローニングした。骨格ベクターpWVR5は、35SプロモーターGUS配列が除去されて、NOSプロモーターがシロイヌナズナからのUBQ10プロモーターに交換されているpBI121ベクター(Clontech laboratories, Palo Alto CA)である(Sun, C. W & Callis, J (1997) Plant J., 11 :101-111)。次にpABTV14プラスミドを得た。次に、rd29A::CBF2::E9ter配列をKpn I//Pst IによってpABTV14プラスミドから消化して、pAGF243プラスミド(米国特許出願第10/946622号)にサブクローニングして、ArborGen花粉対照カセットPRMC2::バルナーゼH102E(米国特許出願第10/946622号)を持つpABCTE01プラスミド(図1A、SEQ ID NO: 12)を得た。4CL RNAi配列をNot IによってpARB599(米国特許出願第11/229856号)プラスミドから消化して、pABCTE01プラスミド(SEQ ID NO: 12)にサブクローニングして、pABCTE03Bプラスミド(図1B、SEQ ID NO: 13)を得た。このプラスミドは三つのカセット:rd29A::CBF2配列、花粉対照カセット、および4CLRNAiカセットを含有した。二つのプラスミドpABCTE01およびpABCTE03Bを、ユーカリの形質転換のために用いた。
実施例2
CBF2遺伝子を発現するトランスジェニックシロイヌナズナ植物は、増強された凍結耐性を有する
シロイヌナズナ植物を、Green P. J. Plant Physiol. 119: 331-342 (1999)によって記述されるように真空浸潤を用いて、rd29AプロモーターおよびAtCBF2遺伝子を含有するプラスミドpMEN068によって形質転換した。トランスジェニックシロイヌナズナ植物のT2種子を、室温においてペトリ皿において1×MS塩および0.5%蔗糖プラスカナマイシン(35μg/ml)を含有する寒天上で発芽させた。野生型対照シロイヌナズナ種子が発芽した寒天にはカナマイシンを加えなかった。一定の光の下で22℃で21日間生長させた後、ペトリ皿の寒天上で生長する新しい苗木を光をあてて4℃で20時間インキュベートしてrd29Aプロモーターを誘導した後、-10℃の暗所に8時間曝露した。凍結ストレス後、植物を回復させるために生長室(22℃)に移した。凍結ストレスから生存した植物の数を、22℃で2日間回復させた後に採点した。
rd29A::AtCBF2配列を含有するpMEN068を持つシロイヌナズナトランスジェニック植物9例中8例が、増強された凍結耐性を示した。特に、rdCBF2-7植物は、凍結ストレス後もその正常な表現型を維持して、最善の生存率を示し、凍結耐性を示す個々の植物の69%であった。対照的に、野生型シロイヌナズナ植物の0.0%が凍結ストレスから生存した(図2を参照されたい)。表1は結果を要約する。
(表1)AtCBF2遺伝子を持つトランスジェニックシロイヌナズナ植物は、増強された凍結耐性を有する
Figure 2010522562
* トランスジェニック植物の総数は、ペトリ皿(150×100 mm)1枚から収集したが、WTの総数はペトリ皿2枚から収集した。
加えて、rd29A::AtCBF2配列を含有するpMEN068を持つシロイヌナズナトランスジェニック植物9例中8例が、凍結温度に曝露された際に、野生型シロイヌナズナ植物と比較して電解質漏出の減少を示した。rdCBF2-5は、凍結温度で電解質漏出の増加を示した唯一のCBF2-発現シロイヌナズナ株であった(図3を参照されたい)。
実施例3
ユーカリIPB1クローンの形質転換
ユーカリIPB1クローンを、米国特許出願第10/981742号において記述されるプロトコールに従って、プラスミドpABCTE01(SEQ ID NO: 12)およびpABCTE03B(SEQ ID NO: 13)によって形質転換した。
実施例4
CBF2遺伝子を発現するトランスジェニックユーカリ植物は、増強された凍結耐性を有する
pABCTE01プラスミドを持つユーカリ植物を、その凍結耐性の増強に関して試験した。AtCBF2遺伝子を持つトランスジェニックユーカリ植物および野生型ユーカリ植物を1ガロンポットにおいて20日間生長させた。植物をトランスジェニックフェンス区域に25日間馴化させた後、凍結ストレスに曝露した。凍結ストレス試験に関して、ポットをプラスチックバッグで覆って乾燥を防止して、Precision Low Temperature Growth Chamberに入れた。植物を-2℃〜-6℃の範囲の凍結温度に48時間曝露して、4℃で8時間回復させた後、温室に移した。凍結ストレスから生存する植物数ならびに葉および苗条の凍結障害を、温室において5日後に採点した。図4は、非形質転換ユーカリ植物と比較して増強された凍結耐性を示すトランスジェニックユーカリ植物を説明する。
AtCBF2遺伝子を含有するpABCTE01プラスミドを持つユーカリトランスジェニック植物42例中31例が、試験条件下で増強された凍結耐性を示した。全体でCBF2遺伝子を持つトランスジェニックユーカリ植物の74%が増強された凍結耐性を示した。対照的に、GUSまたは野生型ユーカリ対照植物は、有意な障害を受けた。表2は、試験の結果を要約する。
(表2)AtCBF2遺伝子を持つトランスジェニックユーカリ植物は、増強された凍結耐性を有する
Figure 2010522562
トランスジェニックユーカリ植物における凍結耐性のランクは、凍結ストレス試験の際に記録された結果および観察に基づく。++印は、凍結ストレス期間の際に全く障害がないかまたはわずかな障害を示す。+印は、試験の際に有意な障害を示すが、対応する対照植物より少ない障害を示す。-印は、植物が対照植物と同じ障害を受けて、凍結耐性が欠如していることを示す。
実施例5
ユーカリ植物からのCBF遺伝子相同体の単離および同定
CBF相同遺伝子Ed7.1(SEQ ID NO:1)およびEd8.1(SEQ ID NO:3)を、酵母One-Hybridシステム(Clonetech Matchmaker Yeast One-Hybrid Kit(プロトコール番号PT1031-1、バージョンPR71132);Clontech、カタログ番号K1603-1)を用いて、干ばつ応答エレメント(DRE)配列をおとりとしてユーカリプツス・ダンニイから単離した。一次クローン30個をシステムから回収した。これらの中で20個が、4×DREレポーターとの1:1相互作用において確認された。配列およびBlast分析を用いて、シロイヌナズナおよびトマトのCBF転写因子、ならびにEd7.1およびEd8.1遺伝子に対して有意な相同性を示すクローン20個中9個が同定された。
CBF相同遺伝子EgCBFl(SEQ ID NO: 5)およびEgCBF2 (SEQ ID NO: 7)を、米国特許仮出願第60/742926号において用いられるプロトコールに従って、単離ポリヌクレオチド配列が、他の植物種からの公知の配列に対する類似性に基づいてCBF相同体をコードするとして同定されるという修正を加えてユーカリプツス・グランディスから単離した。この方法を用いて単離されたEgCBF1 cDNAは切断型であり、EgCBF1タンパク質のN-末端でアミノ酸13個をコードする39塩基対が欠失していた。オリゴヌクレオチド(SEQ ID NO:14およびSEQ ID NO:15)を合成して、PCR技術を用いて完全長のEgCBF1 cDNA(SEQ ID NO:5)を得た。完全長のEgCBF3 cDNA(SEQ ID NO:7)もまた、PCR技術ならびにSEQ ID NO:16およびSEQ ID NO:17を有するオリゴヌクレオチドを用いて合成した。
次に、PCR産物を制限酵素Sal IおよびNot Iによって消化して、CaMV 35Sプロモーター(Mendel Biotechnologyによって提供される)を含有するpMEN203に直接クローニングして、構築物pd35SEgCBFlおよびpd35SEgCBF3を生じた。これらの二つの構築物は、ユーカリではなくて、シロイヌナズナの形質転換にとって適していた。pd35SEgCBF3によって運ばれる断片35S::EgCBF3を、制限酵素Pst Iを用いて切断して、得られた断片を、pWVR5骨格(実施例1を参照されたい)を用いて、PRAG1プロモーター(米国特許出願第10/946,622号)およびMichigan Technology Universityから得たRNS2 cDNAを付加することによって作出されたプラスミドであるpWVCZ2にクローニングして、pAB35SegCBF3を生じ、これはユーカリの形質転換にとって適している。
実施例6
ユーカリプツス・カルマルジュレンシスクローンの形質転換
ユーカリプツス・カルマルジュレンシスクローンを、米国特許出願第09/153,320号において記述されるプロトコールを用いて、プラスミドpAB35SegCBF3によって形質転換した。
実施例7
ユーカリからのCBF遺伝子相同体はシロイヌナズナおよびユーカリにおいて凍結耐性を増強する
Green Plant Physiol. 119: 331-342 (1999)において記述される方法を用いて形質転換された、pdS35EgCBF1プラスミド(35S::EgCBF1)を持つトランスジェニックシロイヌナズナ植物を、凍結耐性の増強に関して試験した。T2種子をペトリ皿における寒天上で発芽させて、苗木を実施例2において記述されるように凍結耐性に関して試験した。
pdS35EgCBF1プラスミドを持つシロイヌナズナトランスジェニック植物は、増強された凍結耐性を示した。特に、egcbf1-5およびegcfb1-6植物は、最善の生存率を示し、個々の植物の43%が凍結ストレスから生存した。対照的に、野生型シロイヌナズナ植物では凍結ストレスから生存したのは0.0%であった。表3は結果を要約する。
(表3)EgCBF1遺伝子を持つトランスジェニックシロイヌナズナ植物は、増強された凍結耐性を有する
Figure 2010522562
加えて、凍結ストレスに対する曝露後にシロイヌナズナ植物の葉について行われた電解質漏出アッセイは、pd35SegCBF1を発現するトランスジェニックシロイヌナズナ植物からの葉が、非形質転換シロイヌナズナ植物の葉と比較して電解質漏出の減少を示すことを示した(図5を参照されたい)。
実施例6において記述されたように形質転換されてpAB35SegCBF3を組み入れるトランスジェニックユーカリプツス・カルマルジュレンシス植物を、実施例4における記述にいくつかの軽微な変化を加えて、その増強された凍結耐性に関して試験した。植物に-3.5℃で24時間ストレスを与えて、回復させるために温度を終夜4℃に上昇させた後、温室に移した。温室に移した3日後に結果を記録して、表4に示す。
結果は、EgCBF3遺伝子を過剰発現するトランスジェニックE.カルマルジュレンシス植物6例中4例(67%)が、非形質転換対照植物またはGUS対照植物と比較した場合に増強された低温耐性を有することを示した。
(表4)
Figure 2010522562
実施例8
ユーカリCBF遺伝子ed8.1の過剰発現は、トランスジェニックシロイヌナズナにおいて凍結耐性を増強する
プラスミドpABTV20(rd29A::ed8.1)を含有するT2種子をペトリ皿において寒天上で発芽させて、苗木を、実施例2において記述されるように凍結耐性の増強に関して試験した。試験したトランスジェニック株10例中6例が野生型(WT)と比較した場合に、凍結ストレス後の生存植物数によって示されるように、より良好な凍結耐性を有した。非形質転換(WT)シロイヌナズナ植物は全て、同じ凍結ストレス条件下で枯れた(表5)。
(表5)ed8.1を発現するトランスジェニックシロイヌナズナ植物は、増強された凍結耐性を有する
Figure 2010522562
実施例9
ユーカリCBF遺伝子ed8.1の過剰発現は、トランスジェニックユーカリにおける凍結耐性を増強する
実施例3において記述されるように形質転換され、プラスミドpAGSM24(図11B)を組み入れるトランスジェニックIPB1植物を、実施例4における記述に軽微な変化を加えて、その凍結耐性の増強に関して試験した。植物に-5℃のストレスを24時間与えて、終夜4℃に移した後、温室に移動させた。温室において5日後に、凍結ストレスから生存する植物数ならびに葉および苗条の凍結障害を採点した。結果は、チャンバーにおいて試験したトランスジェニック株13例中4例(31%)が増強された凍結耐性を有することを示した(表6)。
(表6)pAGSM24を持つIPB1植物における増強された凍結耐性に関するチャンバー試験の結果
Figure 2010522562
実施例10
低温に応答したユーカリにおけるユーカリCBF相同体edC7.1、edC8.1、egCBF1、およびegCBF3の発現
これらの実験は、低温に応答したユーカリにおけるユーカリCBF相同体edC7.1、edC8.1、egCBF1、およびegCBF3の発現を調査するために設定した。三つのポット植えのIPB1植物を1ガロンポットにおいて高さ約2フィートになるまで生長させた後、低い温度(4℃)に0.5時間、1時間、2時間、または4時間曝露した。それぞれの時点で、若葉を採取して全RNA抽出のために直ちに処理した。葉の試料はまた、低温に曝露する前にも植物から採取して、これをゼロ時点での試料とした。ポリ(A)RNAおよび対応する一本鎖cDNA(sscDNA)を、それぞれの葉の試料から調製した全RNAから合成した。sscDNA 10 ngおよび二つの遺伝子特異的プライマー10 pmolを25μlのPCR反応において用いた。PCR後、それぞれの反応物10μlをDNAゲルにおいて泳動させた(図13を参照されたい)。この実験を2回繰り返した。PCR産物の予想される大きさを以下に記載する。
Figure 2010522562
(表7)低温処置に応答したIPB1植物におけるユーカリCBF相同体の発現
Figure 2010522562
* -、ゲル上に可視化可能なPCR産物はない;+/-、ゲル上に微量のPCR産物が観察される;+、ゲル上に低レベルのPCR産物が観察される;++、ゲル上に中等度のレベルのPCR産物が観察される;+++、ゲル上に高レベルのPCR産物が観察される;++++、ゲル上に非常に高レベルのPCR産物が観察される。
結果は、ユーカリCBF相同体edC7.1およびedC8.1が低い温度に対して応答性であり、その発現が低温によって誘導されたことを示している。低温誘導は、30分もの初期に観察され、低温に対する4時間の曝露まで観察された。egCBF1およびegCBF3遺伝子は低い温度によって誘導されない。
実施例11
ユーカリ植物からのデヒドリンプロモーターの単離および同定
全RNAを、無処置の、または低い温度の馴化処置に供した後に凍結温度ストレスに曝露したユーカリプツス・ダンニイおよびユーカリプツス・マカルツリ実生の葉から抽出した。低い温度の馴化処置レジームは、11℃の明所で8時間および2.5℃の暗所で16時間を5日間行うことからなった。この5日間の期間の終了後、植物に-5℃で2時間凍結ストレスを与えた。植物材料を、異なる四つの種/処置の組み合わせから収集して、液体窒素において瞬間凍結し、RNA抽出前に保存するために-80℃に移した。全RNAを標準的な技術を用いて植物材料から抽出した。
全RNA調製物を用いて、それぞれのユーカリ種に関する低温誘導遺伝子に関して濃縮されたcDNAライブラリを生成した。本明細書において定義される低温誘導遺伝子は、低い温度(4℃)に植物を曝露した結果としてアップレギュレートされる遺伝子である。Clontech PCR-Select cDNAサブトラクションキット(カタログ番号637401、Clontech Laboratories Inc, Mountain View CA, a division of Takara Bio Inc)を用いてサブトラクト済みcDNAライブラリを作製した。双方の種のユーカリ植物に関する無処置対低い温度処置植物から得たcDNAライブラリの比較によって、低い温度に対する植物の曝露によって影響を受けない、双方の処置群に対して一般的な遺伝子のcDNAライブラリからのサブトラクションが可能となった。次に、遺伝子に富むプールにおける残りのcDNA分子を高コピープラスミドにクローニングして、低温誘導遺伝子に関して異なるようにスクリーニングした。
それぞれのユーカリライブラリに関して、コロニー100個を選択して、プラスミドDNAを単離した。DNA調製物から1試料あたり2個ずつのドットブロットを作出した。96ウェルドットブロット装置を用いて、各DNA試料のアリコートをナイロンメンブレンフィルターにブロットした。それぞれのDNA試料を二つの個々のメンブレンフィルターに適用した。ブロットをプロービングする前にUV-クロスリンクによってDNAをメンブレンフィルターに固定した。それぞれの試料に関して一つのメンブレンフィルターを、無処置試料から単離したcDNAライブラリによってプロービングして、第二のメンブレンフィルターを低い温度に供した植物から得たcDNAライブラリによってプロービングした。この示差的スクリーニングプロセスによって、低温誘導される遺伝子が同定および単離された。低い温度処置植物から得られたcDNAライブラリと強くハイブリダイズするが、無処置植物から単離されたcDNAライブラリとはハイブリダイズしない遺伝子は、おそらく低温誘導であると見なされた。低い温度処置および無処置植物の双方からのcDNAライブラリに対して等しく良好にハイブリダイズする遺伝子は、低い温度処置によって影響を受けず、したがって重要ではないと見なされた。無処置植物のcDNAライブラリに強くハイブリダイズするが、低い温度処置植物から得たcDNAライブラリに強くハイブリダイズしない遺伝子は、低温処置によってダウンレギュレートされ、したがって重要ではないと見なされた。それぞれの種に関して、推定の低温誘導遺伝子を含有するクローンおよそ10〜15個をさらなる分析のために選んだ。
選択されたクローンを配列分析に供して、配列データを用いて類似の配列に関してEntrezデータベースを検索した。クローンは、いくつかの異なる遺伝子と類似であることが見いだされた。特に、クローンのいくつかの配列は、デヒドリン遺伝子の配列と相同であった。デヒドリン遺伝子は低温誘導性であることが知られていることから、これは、特に重要であった。ユーカリプツス・ダンニイ(SEQ ID NO:9)およびユーカリプツス・マカルツリ(SEQ ID NO:10)から単離されたデヒドリン相同性断片は、ヌクレオチドレベルで互いに極めて高レベルの同一性(>98%)を示したが、それらは100%同一ではなかった。それぞれの種からの一つのクローンをさらなる分析のために選択した。
それぞれの種から単離されたデヒドリン相同性DNAクローンについて行われたゲノム歩行(genome walking)により、およそ600 bpのプロモーター断片がクローニングされた。異なる二つのユーカリ種からのDNA断片は、互いに非常に高い程度の同一性を示し、両者のあいだにはごく時に1塩基の差があるのみであった。DNA断片はまた、保存された二つのCBF-結合モチーフを含有し、プロモーターが低温誘導性である可能性が高いことを示唆している。
実施例12
ユーカリプツス・ダンニイおよびユーカリプツス・マカルツリデヒドリンプロモーターの活性は、低い温度に対する曝露によってトランスジェニックシロイヌナズナおよびユーカリ植物において誘導される
推定のデヒドリンプロモーターの活性を調べるために、実施例6において記述されたように得られたプロモーター断片をpBlueScript II SK(+)骨格(Stratagene, La Jolla, CA)においてGUS遺伝子の上流にクローニングした。次に、これらのプロモーター::GUSINカセットを、pMEN203 35S-CBF2(Mendelから得られた;プロモーター::GUSINカセットを35S::CBF2カセットに交換した)においてE9terの上流にクローニングして、ユーカリプツス・ダンニイ(SEQ ID NO:9)から単離されたプロモーターを含有するシロイヌナズナ発現ベクターpAGW14(図6A)と、ユーカリプツス・マカルツリ(SEQ ID NO:10)から単離されたプロモーターを含有するpAGW15プラスミド(図6B)とを作製した。これらのベクターをアグロバクテリウムに形質転換して、アグロバクテリウムクローンを用いてシロイヌナズナを形質転換した。
T1植物、T1種子、T2植物、およびT2種子を、pAGW14またはpAGW15プラスミドDNAのいずれかを持ついくつかの株から生成した。T2種子を発芽させて、得られた実生を9"×4"ポットに移した。このようにして得られた苗木を用いて、推定のデヒドリンプロモーターの活性を調べた。
pAGW14のトランスジェニック株9例とpAGW15のトランスジェニック株10例を、低い温度によるプロモーター活性の誘導に関して分析した。それぞれのトランスジェニック株の個々のポットを4℃に24時間曝露した。個々の植物を土壌の高さで根から切断して、チューブに入れて、液体窒素中で瞬間凍結して、さらなる分析のために-80℃で保存した。低い温度処置に曝露されていない植物も同様に採取して保存して、対照として用いた。
収集した組織試料におけるGUS発現を、リアルタイム逆転写酵素QRT-PCR分析によって、キットの製造元の説明書に従って(Stratagene Brilliant QPCR Master Mix、カタログ番号600549;Stratagene, La Jolla CA)TaqMan化学を用いて決定した。反応を以下のサイクリング条件でStratagene Mx3000P Real Time PCR機器において行った:95℃で2分間を1サイクルの後に(95℃で10秒間+58℃で30秒間)を40サイクル。
トランスジェニック株全てにおいて、単離された二つのデヒドリンプロモーターの活性は、低い温度によって誘導された。低い温度で処置されたトランスジェニックシロイヌナズナ植物において、無処置のトランスジェニック植物と比較すると、ユーカリプツス・ダンニイから単離されたデヒドリンプロモーターの活性は、10倍〜194倍増加して、ユーカリプツス・マカルツリから単離されたデヒドリンプロモーターの活性は3倍〜50倍増加した(図7を参照されたい)。これらの結果は、単離されたデヒドリンプロモーター断片が低温誘導活性を有することを明らかに示した。
ユーカリプツス・ダンニイおよびユーカリプツス・マカルツリからのデヒドリンプロモーターも同様に、実施例6において記述されるプロトコールを用いてプラスミドpAGW16(SEQ ID NO:18)およびpAGW17(SEQ ID NO:19)をユーカリプツス・カルマルジュレンシスに形質転換することによって、ユーカリにおいて試験した。pAGW16およびpAGW17は、pABTV16におけるGUSIN::E9terの上流でデヒドリンプロモーター断片をクローニングして、このように、rd29A::GUSinカセットのrd29Aプロモーターをデヒドリンプロモーターに交換することによって作製した。
pAGW16またはpAGW17のいずれかを持つE.カルマルジュレンシス植物それぞれについて2株を、18℃で9時間光を当てた後に4℃で15時間光を当てないことを含む馴化条件に5日間供した。
葉の試料を、低温馴化処置の開始直前と共に5日の実験期間の終了時に各株に関して収集した。標準的な技術を用いて葉からRNAを単離した。先に記述したようにTaqMan化学を用いて、GUS発現レベルをQPCRによって分析した。
それぞれのトランスジェニック株に関して、GUS発現の基礎レベル(すなわち、非低温処置試料におけるGUS発現レベル)に1の値を割付して、株の低温処置試料の誘導倍率を1に対して計算した。pAGW16(SEQ ID NO:18)によって形質転換した調べた2株は、ユーカリプツス・ダンニイデヒドリンプロモーターの24および57倍誘導を有し、pAGW17(SEQ ID NO:19)によって形質転換した2株は、ユーカリプツス・マカルツリデヒドリンプロモーターの19および18倍誘導を有した(図9を参照されたい)。
実施例13
ポプルス・デルトイズ(Populus deltoids)Src2プロモーターの活性はトランスジェニックシロイヌナズナにおいて低い温度に曝露されることによって誘導される
SRC2相同プロモーター配列PdSrc(SEQ ID NO:11)をハコヤナギ(ポプルス・デルトイズ)クローンWV94からPCRによって単離して、GUS配列に融合させた。得られたカセットPdSrc::GUSプラスミドDNAをサブクローニングして、pSrc-GUSベクターを得た。このベクターをシロイヌナズナの形質転換のために用いた。
pSrc-GUSベクターを含有する二つのシロイヌナズナトランスジェニック株を低い温度(4℃)に24時間曝露した。Src2プロモーターの活性は、低い温度にトランスジェニック植物を曝露することによって増強された(図10を参照されたい)。
実施例14
AtCBF2遺伝子を持つトランスジェニックユーカリ植物は圃場において増強された低温耐性を示す
AtCBF2遺伝子を持つトランスジェニックユーカリIPB1株植物(pABCTE01)44例、GUSベクターを持つIPB1株植物2例、およびいくつかの非トランスジェニックIPB1植物を、2005年11月にアラバマ州ロクスレーの圃場に定植した。それぞれのトランスジェニックおよび非トランスジェニック株に関する複製物8例を試験に含めた。
凍結温度に対する曝露によって引き起こされた障害を2005〜2006年の冬の季節に査定した。2005年12月14日に行った最初の実地踏査では、全ての植物、トランスジェニックおよび非トランスジェニック植物が十分に確立されているように見え、新しい苗条および葉を生長させていた。植物の高さは7〜15インチの範囲であった。植物はまだ低い温度に曝露されていなかったことから、いずれの植物も低温障害の徴候を示さなかった。
2005年11月15日から2006年2月15日のあいだに、試験圃場における温度計は、その際の周囲温度が0℃(32°F)に等しいかまたはそれより低い凍結事象21回を記録した。最も長い凍結事象は11時間持続し、最も短い凍結事象は0.25時間持続した。これらの事象の3回のあいだに、周囲温度はまた、全体で10.25時間のあいだ、-3.89℃(25°F)より低いかまたはそれに等しいが-6.67℃(20°F)より上であったと記録され、最長で5時間持続し、最短で1時間持続した。全体で、凍結事象21回のあいだの累積凍結時間は113.75時間であった。2006年2月15日以降、凍結事象は記録されなかった。Weather Undergroundのウェブサイトによれば、2005年11月15日から2006年2月15日のあいだ、アラバマ州のモービル空港で平均気温が12℃(53.6°F)未満の日が52日であった。空港は、圃場試験場所から西に約15マイルに位置した。0℃〜12℃(32.0°〜53.6°)のあいだの気温は、寒冷ストレスを与えるが、凍結ストレスは与えない。
2006年3月3日に行われた第二の実地踏査において、全ての非トランスジェニック植物およびAtCBF2遺伝子を持つIPB1植物のいくつかは、立ち枯れ(枝枯れ、dieback)、すなわち主茎の上部で枯れた部分を持っていた。以下の表8は2006年3月3日の低温障害に関する実地踏査から得た結果を要約する。
(表8)
Figure 2010522562
Figure 2010522562
* 枝枯れ百分率は、土壌から植物の苗条の先端までの全高に対する植物における主茎の上部の枯れた部分の百分率を指した。枝枯れ百分率の平均値は、複製物8個の平均値であった。一定の植物株に関する枝枯れ百分率の平均値に関して100という値は、トランスジェニック株の植物8例全てが実地踏査時に枯れていたことを意味する。
** 非トランスジェニックIPB1株とトランスジェニックIPB1株のあいだの枝枯れ百分率の平均値の比較を、平均値に関する対応のある二つの試料のt-検定を用いて統計学的に分析した。複製物1例が試料に存在しない場合、等分散を仮定して二つの試料に関するt-検定によって分析を行った。トランスジェニック植物株の枝枯れ百分率の平均値の値が非トランスジェニックIPB1株の値より大きい場合、t-検定を適用せず、試料には「na」(適用なし)と印した。
2005〜2006年の冬の季節の圃場試験から得られた結果は、AtCBF2遺伝子を持つユーカリIPB1株植物が、寒冷および/または凍結温度に曝露した場合に増強された耐性を有することを強く示唆している。先に記述した冬の条件において、AtCBF2遺伝子を持つユーカリIPB1株植物の66%(44例中29例)が非トランスジェニックIPB1株と比較した場合に、主な苗条の枝枯れの非常に有意な(p≦0.01)低減を示し、59%(44例中26例)が枝枯れの非常に高い有意な(p≦0.001)低減を示した。AtCBF2遺伝子を持ついくつかのユーカリIPB1株植物は、完全に枝枯れがなかったのに対し、非トランスジェニックIPB1植物の100%が圃場において枝枯れを持っていた。
さらに21ヶ月後に上記の株の5例を再度分析した。2006年3月から2007年12月のあいだに、試験圃場の温度計は、その際の周囲温度が0℃(32°F)に等しいまたはそれより低い凍結事象37回を記録した。最も長い凍結事象は14.75時間持続して、最も短い凍結事象は0.25時間持続した。これらの事象の5回のあいだ、周囲温度はまた、全28時間のあいだ、-3.89℃(25°F)より低いまたはそれに等しいが-6.67℃(20°F)より上であると記録され、最長で10.75時間持続し、最短で2.25時間持続した。全体的に、凍結事象37回のあいだの累積凍結時間は197時間であった。
以下の表9は、2007年12月に査定したトランスジェニック株5例と対照株の生存、高さ、および生長データを要約する。
(表9)
Figure 2010522562
上記の株5例を2006年7月および8月にアラバマ州ロクスレーの同じ場所に別の二つのポットに定植して、2007年12月に生存および生長を分析した。3月から8月のあいだには凍結事象は記録されなかったことから、記録された凍結事象は、アラバマ州ロクスレーにおいて2006年3月〜2007年12月の期間について先に記載された事象と同じである。
以下の表10(2006年7月に定植)および表11(2006年8月に定植)は、2007年12月において査定されたトランスジェニック株および対照株の生存、高さ、および生長データを要約する。
(表10)
Figure 2010522562
(表11)
Figure 2010522562
これらの結果は、アラバマ州ロクスレーで経験した条件での生存が対照およびトランスジェニック植物の双方にとって良好であったが、先に記述したように、非トランスジェニック植物では枝枯れがより大きかったことを示している、
同じ株を、温度がより低下して、このようにより大きい凍結ストレスに出遭う他の多数の場所でも試験した。ルイジアナ州ワシントンにおいて、2006年7月〜2007年11月まで温度のデータをLSU Agセンターからダウンロードしたところ、その際の周囲温度が0℃(32°F)に等しいかまたはそれより低い凍結事象20回が記録された。最も長い凍結事象は11.5時間持続し、最も短い凍結事象は0.5時間持続した。これらの事象の3回のあいだ、周囲温度はまた、全19時間のあいだ、-3.89℃(25°F)より低いまたはそれに等しいが-6.67℃(20°F)より上であると記録され、最長で8時間持続し、最短で3時間持続した。これらの事象の1回のあいだ、周囲温度はまた、全2時間のあいだ、-6.67℃(20°F)より低いまたはそれに等しいが-9.44℃(15°F)より上であると記録された。全体的に、凍結事象20回のあいだの累積凍結時間は108時間であった。
以下の表12は、2007年11月に査定したトランスジェニック株5例と対照株の生存、高さ、および生長データを要約する。
(表12)
Figure 2010522562
サウスカロライナ州サマービルにおいて、先に試験した同じ株を、2006年7月に定植して、2007年12月に査定した。2006年7月〜2007年12月のあいだに、試験圃場の温度計は、その際の周囲温度が0℃(32°F)に等しいまたはそれより低い凍結事象27回を記録した。最も長い凍結事象は16.25時間持続して、最も短い凍結事象は0.5時間持続した。これらの事象の3回のあいだ、周囲温度はまた、全21.5時間のあいだに、-3.89℃(25°F)より低いまたはそれに等しいが、-6.67℃(20°F)より上であると記録され、最長で11.5時間持続し、最短で2時間持続した。これらの事象の1回のあいだ、周囲温度はまた、全5.5時間のあいだに、-6.67℃(20°F)より低いまたはそれに等しいが、-9.44℃(15°F)より上であると記録された。全体的に、凍結事象27回のあいだの累積凍結時間は188.75時間であった。
以下の表13は、2007年12月に査定したトランスジェニック株5例と対照株の生存、高さ、および生長データを要約する。
(表13)
Figure 2010522562
サウスカロライナ州バーチファイバーファームにおいて、先に試験した同じ株を2006年7月に定植して2007年11月に査定した。2006年7月から2007年11月のあいだに、試験圃場の温度計は、その際の周囲温度が0℃(32°F)に等しいまたはそれより低い凍結事象47回を記録した。最も長い凍結事象は15.25時間持続して、最も短い凍結事象は0.25時間持続した。これらの事象の18回のあいだ、周囲温度はまた、全94時間のあいだに、-3.89℃(25°F)より低いまたはそれに等しいが、-6.67℃(20°F)より上であると記録され、最長で14.25時間持続し、最短で1.5時間持続した。これらの事象の5回のあいだ、周囲温度はまた、全27.25時間のあいだに、-6.67℃(20°F)より低いまたはそれに等しいが、-9.44℃(15°F)より上であると記録され、最長で11.75時間持続し、最短で2.25時間持続した。これらの事象の1回のあいだに、周囲温度はまた、全4.25時間のあいだに-9.44℃(15°F)より下であるか、またはそれに等しいと記録された。全体的に、凍結事象47回のあいだの累積凍結時間は327時間であった。
以下の表14は、2007年11月において査定したトランスジェニック株5例と対照株の生存、高さ、および生長データを要約する。
(表14)
Figure 2010522562
圃場試験から得られた結果は、AtCBF2遺伝子を持つユーカリIPB1株植物が、寒冷および/または凍結温度に曝露されても、増強された生存を有することを強く示唆している。
実施例15
ポット植えのユーカリ植物の寒冷ストレスは、ユーカリ種が異なるレベルの寒冷耐性を有することを明らかにした
寒冷ストレスは、0℃〜12℃の低い温度のストレスを指す。凍結耐性に関してユーカリ種に差はないことから、異なるユーカリ種に対する凍結よりむしろ寒冷の効果を調べるために寒冷ストレスを行った。ポット植えの植物に0℃で6日間のストレスを与えた後、温室に戻した。調べた種はE.マカルツリ、E.ダンニイ、E.グランディス、およびE.カマルジュレンシス(E. camaldulensis)であった。それぞれのポットは植物2または3株を含有した。実験結果は、0℃で6日間のストレス条件下で寒冷障害または損傷が観察されたことを示した。全ての場合において、E.カマルジュレンシス植物は大きい障害を受けたが、E.マカルツリおよびE.ダンニイは同じ条件で障害を示さなかった(表15を参照されたい)。E.グランディスの寒冷耐性はE.カマルジュレンシスよりよいが、E.ダンニイより悪い。
(表15)
Figure 2010522562
実施例16
CBF2遺伝子を発現するトランスジェニックユーカリ植物は水ストレスに対して増強された耐性を有する
CBF2遺伝子を発現するトランスジェニックIPB1ユーカリ植物を水ストレスに対する耐性に関して試験した。二つのトランスジェニック株、TUH000427およびTUH000435を試験した。一つのトランスジェニックIPB1の若い植物および一つの野生型(WT)IPB1の若い植物を1ガロンポットにおいて生長させた(図14を参照されたい)。試験時に、ポットの植物は高さ約3フィートであった。温度および相対湿度をそれぞれ、70°Fおよび65%に維持した。植物には8日間水を与えなかった。8日間の終了時、ポットの植物は、植物における全ての葉の凋萎によって示されるように、重度に乾燥していた(図15を参照されたい)。トランスジェニック植物とWT植物のあいだに有意差は観察されなかった。ポットにおける土壌は非常に乾燥していた。次に植物に水を与えた、水を与えた24時間後、有意な植物の回復はなく、WT植物とトランスジェニック植物のあいだに差は検出されなかった。次にポットを温室に移して、規則正しく10日間水を与えた。10日間の終了時、TUH000427トランスジェニック株植物は、水ストレスから完全に回復して大きく生長した。対照的に同じポットのWT植物は、異なるポットにおいて生長させたTUH000435トランスジェニック株植物と共に枯れた(図16を参照されたい)。
同じ植物の二つより多いポットについて実験を繰り返した(図17を参照されたい)。植物に8日間水を与えなかった。8日間の終了時、植物は凋萎していた(図18を参照されたい)。次に、植物に水を与えて、24時間後に温室に移した。同じポットにおいて生長したTUH000427トランスジェニック植物およびWT植物はストレスから生存して回復した。TUH000427トランスジェニック植物は、同じポットにおけるWT植物より速やかに回復して、葉に受けた障害はより少なかった(図19を参照されたい)。同じポットにおいて生長させたTUH000435トランスジェニック植物とWT植物は10日後に枯れたが、トランスジェニック植物の葉は、より長い期間緑色のままであり、WT植物と比較すると凋萎の徴候を遅れて有した(図19を参照されたい)。
これらの結果は、CBF2遺伝子を発現するIPB1ユーカリ植物が、水ストレスに対して増強された耐性を有することを示している。

Claims (159)

  1. プロモーターと所望の遺伝子とを含むDNA構築物であって、樹木をストレス条件に曝露した場合に、プロモーターが、樹木における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、樹木における所望の遺伝子の発現を駆動する、DNA構築物。
  2. 所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項1記載のDNA構築物。
  3. プロモーターがシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)rd29Aプロモーターである、請求項1記載のDNA構築物。
  4. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターであり、所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項1記載のDNA構築物。
  5. 樹木が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項1記載のDNA構築物。
  6. プロモーターと所望の遺伝子とを含むDNA構築物を含む単離された樹木細胞であって、樹木をストレス条件に一定期間曝露した際に、プロモーターが、樹木における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、樹木における所望の遺伝子の発現を駆動する、単離された樹木細胞。
  7. 所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項6記載の単離された樹木細胞。
  8. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項7記載の単離された樹木細胞。
  9. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターであり、所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項6記載の単離された樹木細胞。
  10. ストレス条件が凍結温度である、請求項6記載の単離された樹木細胞。
  11. ストレス条件が約0℃〜約-30℃の凍結温度であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項6記載の単離された樹木細胞。
  12. 樹木が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項6記載の単離された樹木細胞。
  13. 請求項6記載の単離された樹木細胞を含むトランスジェニック樹木。
  14. ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項13記載のトランスジェニック樹木。
  15. 請求項13記載のトランスジェニック樹木から得られた木材パルプ。
  16. 請求項13記載のトランスジェニック樹木から得られたベニヤ。
  17. 請求項13記載のトランスジェニック樹木から得られたトール油。
  18. 請求項13記載のトランスジェニック樹木から得られたバイオ燃料。
  19. 以下の段階を含む、請求項13記載のトランスジェニック樹木を産生するための方法:(a)形質転換樹木細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって樹木細胞を形質転換する段階であって、プロモーターが、所望の遺伝子の発現を駆動し、樹木における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減する、段階;(b)樹木の生長を促進する条件で形質転換樹木細胞を培養する段階であって、所望の遺伝子の産物が、形質転換樹木細胞において発現され、樹木が、ストレス条件に一定期間曝露された際に、同じ種の非形質転換樹木とは異なる表現型を示すトランスジェニック樹木である、段階。
  20. 所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項19記載の方法。
  21. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項19記載の方法。
  22. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターであり、所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項19記載の方法。
  23. (c)ストレス条件に曝露する前にトランスジェニック樹木を低温馴化させる段階をさらに含む、請求項19記載の方法。
  24. ストレス条件が凍結温度である、請求項19記載の方法。
  25. ストレス条件が約0℃〜約-30℃の凍結温度であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項19記載の方法。
  26. 樹木が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項19記載の方法。
  27. トランスジェニック樹木が、同じ種の非形質転換樹木と比較した場合に低温耐性の増加を特徴とする表現型を示す、請求項19記載の方法。
  28. 以下の段階を含む、樹木における凍結耐性を増強する方法:(a)形質転換樹木細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって樹木細胞を形質転換する段階であって、プロモーターが、所望の遺伝子の発現を駆動して、樹木における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減する、段階;(b)トランスジェニック樹木を産生するために、樹木の生長を促進する条件で形質転換樹木細胞を培養する段階;(c)トランスジェニック樹木を低温馴化に供する段階;(d)トランスジェニック樹木を一定期間凍結温度に曝露する段階;および(e)トランスジェニック樹木の生長を促進する条件でトランスジェニック樹木を回復させる段階。
  29. 所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項28記載の方法。
  30. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項28記載の方法。
  31. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターであり、所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項28記載の方法。
  32. 凍結温度が約0℃〜約-30℃であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項28記載の方法。
  33. 樹木が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項28記載の方法。
  34. トランスジェニック樹木が、同じ種の非形質転換樹木と比較した場合に低温耐性の増加を特徴とする表現型を示す、請求項28記載の方法。
  35. (a)トランスジェニック樹木の木材から樹皮を除去する段階;(b)木材におけるセルロース繊維を分離する段階;および(c)木材におけるリグニンを溶解して木材パルプを得る段階を含む、請求項13記載のトランスジェニック樹木から木材パルプを作出する方法。
  36. (d)木材パルプを漂白して紙を産生する段階をさらに含む、請求項35記載の方法。
  37. (a)トランスジェニック樹木を丸太に切断する段階;(b)トランスジェニック樹木の丸太から樹皮を除去する段階;(c)丸太を高湿度に48時間曝露する段階;および(d)丸太からベニヤをスライスして、スライスされたベニヤを得る段階を含む、請求項13記載のトランスジェニック樹木からベニヤを作出する方法。
  38. (a)水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムによって加圧下で木材を消化する段階;(b)揮発ガスを凝縮して硫酸テルペンチンを生じる段階;(c)このようにして得られたパルプ状の溶液(pulping solution)を濃縮して、不溶性石けんを表面からすくい取る段階;および(d)すくい取った石けんを酸性化して粗トール油を産生する段階を含む、請求項13記載のトランスジェニック樹木からトール油を作出する方法。
  39. トランスジェニック樹木のバイオマスを燃料に変換する段階を含む、請求項13記載のトランスジェニック樹木からバイオ燃料を産生する方法。
  40. SEQ ID NO:9の核酸配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  41. 少なくとも30個の隣接ヌクレオチドの、SEQ ID NO:9と少なくとも50%同一である核酸配列を含む、請求項40記載の単離されたポリヌクレオチドの単離された断片または変種。
  42. SEQ ID NO:10の核酸配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  43. 少なくとも30個の隣接ヌクレオチドの、SEQ ID NO:10と少なくとも50%同一である核酸配列を含む、請求項42記載の単離されたポリヌクレオチドの単離された断片または変種。
  44. SEQ ID NO:9およびSEQ ID NO:10からなる群より選択される核酸配列またはSEQ ID NO:9およびSEQ ID NO:10からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である少なくとも30個の隣接ヌクレオチドのヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種に機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物であって、核酸配列、その断片または変種が、植物をストレス条件に一定期間曝露した際に、植物における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物における所望の遺伝子の発現を駆動する、DNA構築物。
  45. ストレス条件が凍結温度である、請求項44記載のDNA構築物。
  46. ストレス条件が約0℃〜約-30℃の凍結温度であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項44記載のDNA構築物。
  47. 所望の遺伝子が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される樹木において発現される、請求項44記載のDNA構築物。
  48. 所望の遺伝子がユーカリ樹木において発現される、請求項44記載のDNA構築物。
  49. 所望の遺伝子がユーカリプツス・ダンニイ(Eucalyptus dunnii)において発現される、請求項48記載のDNA構築物。
  50. 所望の遺伝子がユーカリプツス・マカルツリ(Eucalyptus macarthurii)において発現される、請求項48記載のDNA構築物。
  51. 所望の遺伝子がポプラ属の樹木において発現される、請求項44記載のDNA構築物。
  52. 所望の遺伝子がポプルス・デルトイズ(Populus deltoids)において発現される、請求項51記載のDNA構築物。
  53. プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7からなる群より選択される配列を含む少なくとも一つの単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、もしくはSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種を含むDNA構築物であって、単離ポリヌクレオチド、断片、または変種がCBFポリペプチドをコードし、植物をストレス条件に一定期間曝露した際に、プロモーターが、植物におけるCBFポリペプチドの発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物におけるCBFポリペプチドの発現を駆動する、DNA構築物。
  54. ストレス条件が凍結温度である、請求項53記載のDNA構築物。
  55. ストレス条件が約0℃〜約-30℃の凍結温度であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項53記載のDNA構築物。
  56. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項53記載のDNA構築物。
  57. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項53記載のDNA構築物。
  58. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項53記載のDNA構築物。
  59. 請求項53記載のDNA構築物を含む、単離された植物細胞。
  60. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項59記載の単離された植物細胞。
  61. プロモーターが、CaMV 35Sプロモーターである、請求項59記載の単離された植物細胞。
  62. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項59記載の単離された植物細胞。
  63. 植物が、シロイヌナズナ、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項59記載の単離された植物細胞。
  64. 請求項59記載の単離された植物細胞を含むトランスジェニック植物。
  65. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項64記載のトランスジェニック植物。
  66. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項64記載のトランスジェニック植物。
  67. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、核酸配列を含むその断片もしくは変種である、請求項64記載のトランスジェニック植物。
  68. シロイヌナズナ、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項64記載のトランスジェニック植物。
  69. (a)形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7からなる群より選択される配列を含む少なくとも一つの単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、もしくはSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階であって、単離ポリヌクレオチド、断片、または変種が、植物転写因子をコードし、プロモーターが、植物における転写因子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合に植物における植物転写因子の発現を駆動する、段階;(b)植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階であって、転写因子が形質転換植物細胞において発現され、植物が、一定期間ストレス条件に曝露された場合に、同じ種の非形質転換植物とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、段階を含む、請求項64記載のトランスジェニック植物を産生するための方法。
  70. ストレス条件に曝露される前にトランスジェニック植物が低温馴化される、請求項69記載の方法。
  71. 表現型が凍結耐性であり、ストレス条件が凍結温度である、請求項69記載の方法。
  72. 凍結温度が約0℃〜約-30℃であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項69記載の方法。
  73. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項69記載の方法。
  74. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項69記載の方法。
  75. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項69記載の方法。
  76. トランスジェニック植物が、シロイヌナズナ、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項69記載の方法。
  77. (a)トランスジェニック植物の木材から樹皮を除去する段階;(b)木材におけるセルロース繊維を分離する段階;および(c)木材におけるリグニンを溶解して木材パルプを得る段階を含む、請求項64記載のトランスジェニック植物から木材パルプを作出する方法。
  78. (d)木材パルプを漂白して紙を産生する段階をさらに含む、請求項77記載の方法。
  79. (a)トランスジェニック樹木を丸太に切断する段階;(b)トランスジェニック樹木の丸太から樹皮を除去する段階;(c)丸太を高湿度に48時間曝露する段階;および(d)丸太からベニヤをスライスして、スライスされたベニヤを得る段階を含む、請求項64記載のトランスジェニック植物からベニヤを作出する方法。
  80. (a)水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムによって加圧下で木材を消化する段階;(b)揮発ガスを凝縮して硫酸テルペンチンを生じる段階;(c)このようにして得られたパルプ状の溶液を濃縮して、不溶性石けんを表面からすくい取る段階;および(d)すくい取った石けんを酸性化して粗トール油を産生する段階を含む、請求項64記載のトランスジェニック植物からトール油を作出する方法。
  81. トランスジェニック樹木のバイオマスを燃料に変換する段階を含む、請求項64記載のトランスジェニック植物からバイオ燃料を産生する方法。
  82. (a)形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7からなる群より選択される配列を含む少なくとも一つの単離ポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、もしくはSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階であって、単離ポリヌクレオチド、その断片、または変種が、植物転写因子をコードし、プロモーターが、植物における転写因子の発現に関連する望ましくない効果を低減しながら、植物をストレス条件に曝露した場合に植物における植物転写因子の発現を駆動する、段階;(b)トランスジェニック植物を産生するために、植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階;(c)トランスジェニック植物を低温馴化に供する段階;(d)トランスジェニック植物を一定期間凍結温度に曝露する段階;ならびに(e)トランスジェニック植物の生長を促進する条件でトランスジェニック植物を回復させる段階を含む、植物における凍結耐性を増強する方法。
  83. 凍結温度が約0℃〜約-30℃であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項82記載の方法。
  84. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項82記載の方法。
  85. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項82記載の方法。
  86. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項82記載の方法。
  87. トランスジェニック植物が、シロイヌナズナ、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項82記載の方法。
  88. トランスジェニック植物が、同じ種の非形質転換植物と比較して、低温耐性の増加を特徴とする表現型を示す、請求項82記載の方法。
  89. プロモーターに機能的に連結した、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7からなる群より選択される配列を含むポリヌクレオチド、またはSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、もしくはSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種によってコードされる植物転写因子を発現する単離された植物細胞であって、植物転写因子の発現が、植物を一定期間ストレス条件に曝露した場合にプロモーターによって駆動され、プロモーターが、単離された植物細胞における転写因子の発現に関連する望ましくない効果を低減する、単離された植物細胞。
  90. ストレス条件が凍結温度である、請求項89記載の単離された植物細胞。
  91. ストレス条件が約0℃〜約-30℃の凍結温度であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項89記載の単離された植物細胞。
  92. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項89記載の単離された植物細胞。
  93. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項89記載の単離された植物細胞。
  94. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項89記載の単離された植物細胞。
  95. 植物転写因子が、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、もしくはSEQ ID NO:8のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種を含む、請求項89記載の単離された植物細胞。
  96. 請求項89記載の単離植物細胞を含むトランスジェニック植物。
  97. 植物が、シロイヌナズナ、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項96記載のトランスジェニック植物。
  98. (a)トランスジェニック樹木の木材から樹皮を除去する段階;(b)木材におけるセルロース繊維を分離する段階;および(c)木材におけるリグニンを溶解して木材パルプを得る段階を含む、請求項96記載のトランスジェニック植物から木材パルプを作出する方法。
  99. (d)木材パルプを漂白して紙を産生する段階をさらに含む、請求項98記載の方法。
  100. (a)トランスジェニック樹木を丸太に切断する段階;(b)トランスジェニック樹木の丸太から樹皮を除去する段階;(c)丸太を高湿度に48時間曝露する段階;および(d)丸太からベニヤをスライスして、スライスされたベニヤを得る段階を含む、請求項96記載のトランスジェニック植物からベニヤを作出する方法。
  101. (a)水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムによって加圧下で木材を消化する段階;(b)揮発ガスを凝縮して硫酸テルペンチンを生じる段階;(c)このようにして得られたパルプ状の溶液を濃縮して、不溶性石けんを表面からすくい取る段階;および(d)すくい取った石けんを酸性化して粗トール油を産生する段階を含む、請求項96記載のトランスジェニック植物からトール油を作出する方法。
  102. トランスジェニック樹木のバイオマスを燃料に変換する段階を含む、請求項96記載のトランスジェニック植物からバイオ燃料を産生する方法。
  103. SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、もしくはSEQ ID NO:8のアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるその変種もしくは断片を含む転写因子を発現するトランスジェニック植物であって、植物転写因子の発現が、植物細胞を一定期間ストレス条件に曝露した場合にプロモーターによって駆動され、プロモーターが、植物における転写因子の発現に関連する望ましくない効果を低減し、転写因子が、同じ種の非形質転換植物と比較してトランスジェニック植物に増強された凍結耐性を付与する、トランスジェニック植物。
  104. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項103記載のトランスジェニック植物。
  105. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項103記載のトランスジェニック植物。
  106. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項103記載のトランスジェニック植物。
  107. (a)トランスジェニック植物の木材から樹皮を除去する段階;(b)木材におけるセルロース繊維を分離する段階;および(c)木材におけるリグニンを溶解して木材パルプを得る段階を含む、請求項103記載のトランスジェニック植物から木材パルプを作出する方法。
  108. (d)木材パルプを漂白して紙を産生する段階をさらに含む、請求項107記載の方法。
  109. (a)トランスジェニック樹木を丸太に切断する段階;(b)トランスジェニック樹木の丸太から樹皮を除去する段階;(c)丸太を高湿度に48時間曝露する段階;および(d)丸太からベニヤをスライスして、スライスされたベニヤを得る段階を含む、請求項103記載のトランスジェニック植物からベニヤを作出する方法。
  110. (a)水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムによって加圧下で木材を消化する段階;(b)揮発ガスを凝縮して硫酸テルペンチンを生じる段階;(c)このようにして得られたパルプ状の溶液を濃縮して、不溶性石けんを表面からすくい取る段階;および(d)すくい取った石けんを酸性化して粗トール油を産生する段階を含む、請求項103記載のトランスジェニック植物からトール油を作出する方法。
  111. トランスジェニック植物のバイオマスを燃料に変換する段階を含む、請求項103記載のトランスジェニック植物からバイオ燃料を産生する方法。
  112. (a)形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階であって、プロモーターが、所望の遺伝子の発現を駆動し、植物における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減する、段階;(b)植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階であって、所望の遺伝子の産物が、形質転換植物細胞において発現され、植物が、一定期間ストレス条件に曝露された場合に同じ種の非形質転換植物とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、段階;および(c)トランスジェニック植物から木材を製造する段階を含む、トランスジェニック植物から木材を作出する方法。
  113. ストレス条件に曝露される前にトランスジェニック植物が低温馴化される、請求項112記載の方法。
  114. 表現型が凍結耐性であり、ストレス条件が凍結温度である、請求項112記載の方法。
  115. 凍結温度が約0℃〜約-30℃であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項112記載の方法。
  116. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項112記載の方法。
  117. プロモーターがCaMV 35Sプロモーターである、請求項112記載の方法。
  118. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項112記載の方法。
  119. 所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項112記載の方法。
  120. 所望の遺伝子が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7からなる群より選択される配列を含む単離ポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、もしくはSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種である、請求項112記載の方法。
  121. 所望の遺伝子が、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、もしくはSEQ ID NO:8のアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるその変種もしくは断片を含む転写因子をコードし、転写因子が、同じ種の非形質転換植物と比較してトランスジェニック植物に増強された凍結耐性を付与する、請求項112記載の方法。
  122. トランスジェニック植物が請求項13記載のトランスジェニック樹木である、請求項112記載の方法。
  123. トランスジェニック樹木が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項122記載の方法。
  124. トランスジェニック植物が、請求項64記載のトランスジェニック植物である、請求項112記載の方法。
  125. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項124記載の方法。
  126. トランスジェニック植物が、請求項96記載のトランスジェニック植物である、請求項122記載の方法。
  127. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項126記載の方法。
  128. トランスジェニック植物が、請求項103記載のトランスジェニック植物である、請求項112記載の方法。
  129. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項128記載の方法。
  130. トランスジェニック植物が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項112記載の方法。
  131. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項130記載の方法。
  132. (a)形質転換植物細胞を産生するために、プロモーターに機能的に連結した所望の遺伝子を含むDNA構築物によって植物細胞を形質転換する段階であって、プロモーターが、所望の遺伝子の発現を駆動し、植物における所望の遺伝子の発現に関連する望ましくない効果を低減する、段階;(b)植物の生長を促進する条件で形質転換植物細胞を培養する段階であって、所望の遺伝子の産物が形質転換植物細胞において発現され、植物が、一定期間ストレス条件に曝露された場合に、同じ種の非形質転換植物とは異なる表現型を示すトランスジェニック植物である、段階;および(c)トランスジェニック植物からバイオエネルギーを産生する段階を含む、トランスジェニック植物からバイオエネルギーを産生する方法。
  133. ストレス条件に曝露される前にトランスジェニック植物が低温馴化される、請求項132記載の方法。
  134. 表現型が凍結耐性であり、ストレス条件が凍結温度である、請求項132記載の方法。
  135. 凍結温度が約0℃〜約-30℃であり、期間が約2時間〜約72時間である、請求項132記載の方法。
  136. プロモーターがシロイヌナズナrd29Aプロモーターである、請求項132記載の方法。
  137. プロモーターが、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される核酸配列と少なくとも50%同一である、少なくとも30個の隣接ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個の隣接ヌクレオチドの、ヌクレオチド配列を含むその断片もしくは変種である、請求項132記載の方法。
  138. 所望の遺伝子がAtCBF2である、請求項132記載の方法。
  139. 所望の遺伝子が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7からなる群より選択される配列を含む単離ポリヌクレオチドであるか、またはSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、もしくはSEQ ID NO:7のヌクレオチド配列と少なくとも70%同一であるその断片もしくは変種である、請求項132記載の方法。
  140. 所望の遺伝子が、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、もしくはSEQ ID NO:8のアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるその変種もしくは断片を含む転写因子をコードし、転写因子が、同じ種の非形質転換植物と比較してトランスジェニック植物に増強された凍結耐性を付与する、請求項132記載の方法。
  141. トランスジェニック植物が、請求項13記載のトランスジェニック樹木である、請求項132記載の方法。
  142. トランスジェニック樹木が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項141記載の方法。
  143. トランスジェニック植物が、請求項64記載のトランスジェニック植物である、請求項132記載の方法。
  144. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項143記載の方法。
  145. トランスジェニック植物が、請求項96記載のトランスジェニック植物である、請求項132記載の方法。
  146. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項145記載の方法。
  147. トランスジェニック植物が、請求項103記載のトランスジェニック植物である、請求項132記載の方法。
  148. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項147記載の方法。
  149. トランスジェニック植物が、ユーカリ、ポプラ、柑橘類、パパイヤ、アボカド、ナツメグ、ピスタチオ、キーウィ、およびホホバからなる群より選択される、請求項132記載の方法。
  150. トランスジェニック植物が、トランスジェニックユーカリ樹木またはそのハイブリッドである、請求項149記載の方法。
  151. ユーカリが、ユーカリプツス・アンプリフォリア(Eucalyptus amplifolia)、ユーカリプツス・ベンジェンシス(Eucalyptus benjensis)、ユーカリプツス・ベンサミイ(Eucalyptus benthamii)、ユーカリプツス・カルマルジュレンシス(Eucalyptus calmaldulensis)、ユーカリプツス・ドリゴエンシス(Eucalyptus dorrigoensis)、ユーカリプツス・ダンニイ、ユーカリプツス・グロブルス(Eucalyptus globulus)、ユーカリプツス・グランディス(Eucalyptus grandis)、ユーカリプツス・グンニイ(Eucalyptus gunnii)、ユーカリプツス・マカルツリ、ユーカリプツス・ニテンス(Eucalyptus nitens)、ユーカリプツス・ウロフィラ(Eucalyptus urophylla)、ユーカリプツス・ビミナリ(Eucalyptus viminali)、ユーカリプツス・グランディス×ユーカリプツス・ウロフィラ(Eucalyptus grandis x Eucalyptus urophylla)、およびそのハイブリッドからなる群より選択されるユーカリ種である、請求項14記載のトランスジェニック樹木。
  152. ユーカリが、ユーカリプツス・アンプリフォリア、ユーカリプツス・ベンジェンシス、ユーカリプツス・ベンサミイ、ユーカリプツス・カルマルジュレンシス、ユーカリプツス・ドリゴエンシス、ユーカリプツス・ダンニイ、ユーカリプツス・グロブルス、ユーカリプツス・グランディス、ユーカリプツス・グンニイ、ユーカリプツス・マカルツリ、ユーカリプツス・ニテンス、ユーカリプツス・ウロフィラ、ユーカリプツス・ビミナリ、ユーカリプツス・グランディス×ユーカリプツス・ウロフィラ、およびそのハイブリッドからなる群より選択されるユーカリ種である、請求項68記載のトランスジェニック植物。
  153. ユーカリが、ユーカリプツス・アンプリフォリア、ユーカリプツス・ベンジェンシス、ユーカリプツス・ベンサミイ、ユーカリプツス・カルマルジュレンシス、ユーカリプツス・ドリゴエンシス、ユーカリプツス・ダンニイ、ユーカリプツス・グロブルス、ユーカリプツス・グランディス、ユーカリプツス・グンニイ、ユーカリプツス・マカルツリ、ユーカリプツス・ニテンス、ユーカリプツス・ウロフィラ、ユーカリプツス・ビミナリ、ユーカリプツス・グランディス×ユーカリプツス・ウロフィラ、およびそのハイブリッドからなる群より選択されるユーカリ種である、請求項97記載のトランスジェニック植物。
  154. ストレス条件が水ストレスであり、期間が約1日〜約10日、または凋萎点までである、請求項6記載の単離された樹木細胞。
  155. ストレス条件が水ストレスであり、期間が約1日〜約10日、または凋萎点までである、請求項19、69、112、または132記載の方法。
  156. ストレス条件が水ストレスであり、期間が約1日〜約10日、または凋萎点までである、請求項44または53記載のDNA構築物。
  157. ストレス条件が水ストレスであり、期間が約1日〜約10日、または凋萎点までである、請求項13記載のトランスジェニック樹木。
  158. ストレス条件が水ストレスであり、期間が約1日〜約10日、または凋萎点までである、請求項59または請求項89記載の単離された植物細胞。
  159. ストレス条件が水ストレスであり、期間が約1日〜約10日、または凋萎点までである、請求項64、96、または103記載のトランスジェニック植物。
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