JP2010522266A - 親水性ポリマー鎖を有するシリコーン含有プレポリマー - Google Patents

親水性ポリマー鎖を有するシリコーン含有プレポリマー Download PDF

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Abstract

本発明は、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む新規クラスのシリコーン含有プレポリマーを提供する。このクラスのシリコーン含有プレポリマーを化学線架橋することで、硬化後の表面処理なしに、親水性表面を有するシリコーンヒドロゲル材料を形成することが可能である。本発明はまた、このクラスのシリコーン含有プレポリマーから作製されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、および該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを作製するための方法に関するものである。

Description

本発明は、あるクラスのシリコーン含有プレポリマーおよびその使用に関するものである。特に本発明は、このクラスのシリコーン含有プレポリマーから調製されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関するものである。
近年、ソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、その高い酸素透過率および快適さが理由で人気になっている。「ソフト」コンタクトレンズは目の形状に緊密に一致し得るため、酸素はレンズを容易に取り囲むことができない。ソフトコンタクトレンズは、周囲空気からの酸素(すなわち酸素)が角膜に到達することを可能にしなければならない。これは、角膜が、他の組織のようには血液供給を酸素から受け取らないためである。十分な酸素が角膜に到達しない場合、角膜肥厚が生じる。長期間の酸素欠乏は、角膜中の血管の望ましくない増大を引き起こす。高い酸素透過率を有することで、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、十分な酸素が、レンズを透過して角膜に達し、かつ、角膜の健康に対する有害作用を最小限に抑えることを可能にする。
しかしながら、すべての市販のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、使い捨てのプラスチック型ならびにモノマーおよび/またはマクロマーの混合物の使用を包含する通常のキャスト成形技術に従って製造される。そのような通常のキャスト成形技術にはいくつかの不利益が存在する。例えば、伝統的なキャスト成形製作プロセスは、有機溶媒を用いて未重合モノマーをレンズから除去しなければならない、レンズ抽出を含む必要がある。そのようなレンズ抽出により、製造コストは増加し、製造効率は減少する。さらに、使い捨てプラスチック型は、本質的に寸法の変化を避けられない。これは、プラスチック型の射出成形中に、製造プロセス中の変動(温度、圧力、材料特性)の結果として型の寸法の変動が生じ得るためであり、また、得られた型が射出成形後に不均一な収縮を経ることがあるためである。型のこれらの寸法変化は、製造されるコンタクトレンズのパラメータの変動(ピーク屈折率、直径、基本曲線、中心厚さなど)、および複雑なレンズ設計の複製における低い忠実性をもたらすことがある。
通常のキャスト成形技術において遭遇する上記の不利益は、(1)モノマーを実質的に含まず、エチレン性不飽和基を有する実質的に精製されたプレポリマーを含む、レンズ形成組成物、(2)高精度で製造される再利用可能な型、ならびに(3)米国特許第5,508,317号、第5,583,463号、第5,789,464号、および第5,849,810号に記載の、化学線(例えば紫外線)の空間的制限下の硬化を包含する、いわゆるLightstream Technology(商標)(CIBA Vision)の使用により克服可能である。高い一貫性、および本来のレンズ設計に対する高い忠実性を有するレンズを、Lightstream Technology(商標)に従って比較的低いコストで製造することができる。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製にLightstream Technology(商標)を完全に利用するには、所望のバルク特性および表面特性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをLightstream Technology(商標)に従って作製するために好適な新規な化学線架橋性プレポリマーが依然として必要である。
一局面では、本発明は化学線架橋性プレポリマーを提供する。本発明のプレポリマーは、プレポリマーのコポリマー鎖に、(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基を有する少なくとも1種の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、プレポリマーから得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含み、プレポリマーを1種以上のモノマーの非存在下で化学線架橋することでシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成することが可能である。
別の局面では、本発明はソフトコンタクトレンズを提供する。本発明のソフトコンタクトレンズは、型中のレンズ形成材料を硬化することで得られるシリコーンヒドロゲル材料を含み、レンズ形成材料は化学線架橋性または化学線重合性プレポリマーを含み、プレポリマーは(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;および(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、ソフトコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む。
さらなる局面では、本発明は、ソフトコンタクトレンズの製造方法を提供する。本方法は、下記の工程:ソフトコンタクトレンズを作製するための型を設ける工程であって、型が、コンタクトレンズの前面を規定する第1の成形面を有する第1の型半、およびコンタクトレンズの後面を規定する第2の成形面を有する第2の型半を有し、該第1の型半および該第2の型半が、該第1の成形面と該第2の成形面との間に空洞が形成されるように互いを受け止めるように構成されている工程;空洞にレンズ形成材料を導入する工程であって、レンズ形成材料が、1種以上の化学線架橋性プレポリマーを含み、ビニルモノマーおよび/または架橋剤を実質的に含まないものであり、該1種以上のプレポリマーがそれぞれ(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、ソフトコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む工程;ならびに型中の組成物に化学線照射することで該1種以上の架橋性プレポリマーを架橋し、それによりコンタクトレンズを形成する工程を含む。
別途定義されない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。一般に、本明細書で使用する命名法、および実験室手順は当技術分野で周知であり、一般的に使用されている。当技術分野および各種一般的参考文献において例えば与えられるこれらの手順には、慣用的方法が使用される。用語が単数形で与えられる場合、本発明者らはその用語の複数形も想定している。本明細書で使用する命名法、および下記の実験室手順は、当技術分野で周知であり、一般的に使用されているものである。
本明細書で使用する「眼科装置」とは、眼または眼球近傍の上または周辺で使用される、コンタクトレンズ(ハードまたはソフト)、眼内レンズ、角膜アンレー、他の眼科装置(例えばステント、緑内障シャントなど)を意味する。
「コンタクトレンズ」とは、着用者の目の上または内側に配置可能な構造を意味する。コンタクトレンズは、使用者の視力を矯正、向上、または改変させることができるが、そうである必要はない。コンタクトレンズは、当技術分野で公知であるか、または後に開発される、任意の適切な材料に由来するものであり得るものであり、ソフトレンズ、ハードレンズ、またはハイブリッドレンズであり得る。「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」とは、シリコーンヒドロゲル材料を含むコンタクトレンズを意味する。
「ヒドロゲル」または「ヒドロゲル材料」とは、それが完全に水和した際に少なくとも10重量パーセントの水を吸収可能なポリマー材料を意味する。
「シリコーンヒドロゲル」とは、少なくとも1種のシリコーン含有モノマー、または少なくとも1種のシリコーン含有マクロマー、または少なくとも1種の架橋性シリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物の共重合により得られるシリコーン含有ヒドロゲルを意味する。
本明細書で使用する「親水性」とは、脂質に対するよりも水に対してより容易に結合する材料またはその一部を表す。
「モノマー」とは、重合可能な低分子量化合物を意味する。典型的には、低分子量とは700ダルトン未満の平均分子量を意味する。
「化学線重合性モノマー」とは、化学線で重合可能なモノマーを意味する。本発明によれば、化学線重合性モノマーは、ビニルモノマー、または2個のチオール基を含む化合物であり得る。2個のチオール基を有する化合物は、ポリマーを形成するための、ビニル基を有するモノマーとのチオール−エン逐次ラジカル重合に関与し得る。全体として参照により本明細書に組み入れられる、「PRODUCTION OF OPHTHALMIC DEVICES BASED ON PHOTO-INDUCED STEP GROWTH POLYMERIZATION」と題する、2006年12月13日出願の、共同所有される同時係属の米国特許出願第60/869,812号に記載の通り、逐次ラジカル重合をコンタクトレンズの作製に使用することができる。
「シロキサン含有モノマー」とは、式:
Figure 2010522266
[式中、RおよびRは独立して、ヒドロキシ基、一級、二級、もしくは三級アミン基、カルボキシ基、またはカルボン酸を含み得る、一価のC〜C10アルキル基、C〜C10エーテル基、C〜C10フルオロアルキル基、C〜C10フルオロエーテル基、またはC〜C18アリール基であり;nは4以上の整数である]で示される二価の基を含むモノマーを意味する。
本明細書で使用する「ビニルモノマー」とは、エチレン性不飽和基を有しており、化学線または熱で重合可能な、モノマーを意味する。
「オレフィン性不飽和基」または「エチレン性不飽和基」という用語は、本明細書では広い意味で使用され、>C=C<基を含有する任意の基を包含するよう意図されている。例示的なオレフィン性不飽和基は、アクリロイル、メタクリロイル、アリル、ビニル、スチレニル、または他のC=C含有基を含むが、それだけに限定されない。
重合性組成物、プレポリマー、または材料の硬化、架橋、または重合に関して本明細書で使用する「化学線で」とは、硬化(例えば架橋および/または重合)が、化学線照射、例えば紫外線照射、電離放射線(例えばγ線またはX線照射)、マイクロ波照射などにより行われることを意味する。熱硬化または化学線硬化の方法は当業者に周知である。
本明細書で使用する「流体」という用語は、材料が液体のように流れることが可能なことを示す。
「親水性モノマー」とは、重合することにより、水溶性であるか、または少なくとも10重量パーセントの水を吸収可能であるポリマーを形成できるモノマーを意味する。
本明細書で使用する「疎水性モノマー」とは、重合することにより、水に不溶性であり、10重量パーセント未満の水を吸収可能であるポリマーを形成するビニルモノマーを意味する。
「マクロマー」とは、重合および/または架橋が可能な中分子量または高分子量化合物を意味する。典型的には、中分子量および高分子量とは、700ダルトンを超える平均分子量を意味する。
「化学線重合性マクロマー」とは、化学線で重合可能なマクロマーを意味する。本発明によれば、化学線重合性マクロマーは、ラジカル連鎖重合またはチオール−エン逐次ラジカル重合のいずれかに関与可能な、1個もしくは複数のエチレン性不飽和基または2個以上のチオール基を有するマクロマーであり得る。好ましくは、マクロマーは、エチレン性不飽和基を含み、かつ化学線または熱で重合可能である。
「プレポリマー」とは、複数の化学線架橋性基を含み、かつ、化学線での硬化(例えば架橋)によって出発ポリマーよりはるかに高い分子量を有する架橋ポリマーを得ることが可能な、出発ポリマーを意味する。
「化学線架橋性基」とは、エチレン性不飽和基またはチオール基を意味する。
「シリコーン含有プレポリマー」とは、シリコーンを含み、かつ、化学線架橋によって出発ポリマーよりはるかに高い分子量を有する架橋ポリマーを得ることができる、プレポリマーを意味する。
本明細書で使用する、ポリマー材料(モノマー材料またはマクロマー材料を含む)の「分子量」とは、具体的に別途記述されない限り、または試験条件が別途示さない限り、数平均分子量を意味する。
「ポリマー」とは、1種以上のモノマーの重合により形成される材料を意味する。
コポリマーまたは化合物に関して本明細書で使用する「エチレン性官能化」という用語は、1個以上の化学線架橋性基が、コポリマーまたは化合物に、コポリマーまたは化合物のペンダント官能基または末端官能基を介して、カップリングプロセスに従って共有結合していることを表すことを意図している。
本明細書で使用する「複数」という用語は、少なくとも2、好ましくは少なくとも3を意味する。
本明細書で使用する「予め形成された架橋性の親水性ポリマー」とは、1個以上の架橋性基を含み、かつ、本発明のプレポリマーの作製用の反応混合物中に加えられる前に調製または取得される、親水性ポリマーを意味する。
本発明のプレポリマーに関する「ダングリング親水性ポリマー鎖」という用語は、プレポリマーが、単一の共有結合(好ましくは親水性ポリマー鎖の末端のうち1つの位置にある)を介してプレポリマーの主鎖にそれぞれ固定されている親水性ポリマー鎖を含むということを表すことを意図している。
「光開始剤」とは、光の使用によりラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を意味する。適切な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Darocure(登録商標)型、およびIrgacure(登録商標)型、好ましくはDarocure(登録商標)1173およびIrgacure(登録商標)2959を含むが、それだけに限定されない。
「熱開始剤」とは、熱エネルギーの使用によりラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を意味する。適切な熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などを含むが、それだけに限定されない。好ましくは、熱開始剤は2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)である。
「化学線の空間的制限」とは、光線の形態のエネルギー線が、例えばマスクもしくはスクリーンまたはその組み合わせによって、明確に規定された周辺境界を有する区域上に、空間的に制限された様式で入射するように方向づけられる、作用またはプロセスを意味する。例えば、米国特許第6,627,124号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)の図1〜9に模式的に示すように、紫外線不透過性領域(マスク領域)に取り囲まれる透明領域または開放領域(非マスク領域)を有するマスクまたはスクリーンを用いることで、紫外線の空間的制限を実現することができる。非マスク領域は、非マスク領域との明確に規定された境界を有する。架橋に使用されるエネルギーは、放射線エネルギー、特に紫外線、γ線、電子線、または熱放射線であり、一方で良好な制約を実現し、他方でエネルギーの効率的使用を実現するには、放射線エネルギーは実質的に平行なビームの形態であることが好ましい。
レンズに関する「可視ティント」とは、レンズ保管容器、レンズ消毒容器、またはレンズ洗浄容器内の透明溶液中にレンズを使用者が容易に位置づけることを可能にするためのレンズの染色(または発色)を意味する。レンズの可視ティントに染料および/または顔料を使用できることは、当技術分野で周知である。
「染料」とは、溶媒に可溶性であり、また色を付与するために使用される物質を意味する。染料は、典型的には半透明であり、光を吸収するが散乱させない。任意の適切な生体適合性染料を本発明で使用できる。
「顔料」とは、それが不溶性である液体中に懸濁する粉末状物質を意味する。顔料は、蛍光顔料、燐光顔料、真珠光沢顔料、または通常の顔料であり得る。任意の適切な顔料を使用できるが、顔料は耐熱性であり、無毒であり、水溶液に可溶性であることが本発明では好ましい。
本明細書で使用する「表面変性」とは、物品の形成の前後に表面処理プロセス(または表面変性プロセス)で処理されている物品であって、(1)コーティングが物品の表面上に適用されているか、(2)化学種が物品の表面上に吸着されているか、(3)物品の表面上の化学基の化学的性質(例えば帯電)が改変されているか、または(4)物品の表面特性が別途変性されている、物品を意味する。例示的な表面処理プロセスは、イオン化ガスが物品の表面に適用されるプラズマプロセス(例えば、全体として本明細書に組み入れられる米国特許第4,312,575号および第4,632,844号を参照);プラズマ以外のエネルギー(例えば静電荷、放射線、または他のエネルギー源)による表面処理;化学処理;物品の表面上に対する親水性モノマーまたはマクロマーのグラフト化;米国特許第6,719,929号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に開示のモールドトランスファーコーティングプロセス;米国特許第4,045,547号、第4,042,552号、第5,198,477号、第5,219,965号、第6,367,929号、および第6,822,016号、第7,279,507号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)で提案されている、コンタクトレンズ作製用のレンズ調合物に対する湿潤剤の取り込み(すなわち、重合前の表面処理);PCT特許出願公開第WO2007/146137号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に開示の強化モールドトランスファーコーティング;ならびに米国特許第6,451,871号、第6,719,929号、第6,793,973号、第6,811,805号、第6,896,926号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に記載の方法に従って得られるレイヤーバイレイヤーコーティング(「LbLコーティング」)を含むが、それだけに限定されない。
例示的なプラズマガスおよびプラズマ処理条件は、米国特許第4,312,575号および第4,632,844号に記載されている。プラズマガスは、低級アルカンと窒素、酸素、または不活性ガスとの混合物であることが好ましい。
本明細書で使用する「LbLコーティング」とは、コンタクトレンズまたは型半に共有結合しておらず、該レンズまたは型半上のポリイオン性(荷電)材料および/または非荷電材料のレイヤーバーレイヤー(「LbL」)堆積を通じて得られる、コーティングを意味する。LbLコーティングは1つ以上の層から成ることができる。
本明細書で使用する「ポリイオン性材料」とは、複数の荷電基またはイオン性基、例えば高分子電解質、p型およびn型ドープ導電性ポリマーを有する、ポリマー材料を意味する。ポリイオン性材料は、ポリカチオン性材料(正電荷を有する)とポリアニオン性材料(負電荷を有する)との両方を含む。
コンタクトレンズまたは型半上でのLbLコーティングの形成は、例えば米国特許第6,451,871号、第6,719,929号、第6,793,973号、第6,811,805号、第6,896,926号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に記載のいくつかの手段で行うことができる。
シリコーンヒドロゲル材料またはソフトコンタクトレンズに関する「硬化後の表面処理」とは、型中でのヒドロゲル材料またはソフトコンタクトレンズの形成(硬化)後に行われる表面処理プロセスを意味する。
シリコーンヒドロゲル材料またはコンタクトレンズに関する「親水性表面」とは、シリコーンヒドロゲル材料またはコンタクトレンズが、約90度以下、好ましくは約80度以下、より好ましくは約70度以下、さらに好ましくは約60度以下の平均水接触角を有することを特徴とする表面親水性を有することを意味する。
「平均接触角」とは、少なくとも3つの個々のコンタクトレンズの測定値を平均することで得られる水接触角(ウィルヘルミープレート法で測定される前進角)を意味する。
本明細書で使用する「抗菌剤」とは、その用語が当技術分野で公知である通り、微生物の増殖の減少または除外または阻害が可能な化学物質を意味する。
「抗菌性金属」とは、そのイオンが抗菌作用を有する金属であって、生体適合性である金属のことである。好ましい抗菌性金属はAg、Au、Pt、Pd、Ir、Sn、Cu、Sb、Bi、およびZnを含み、Agが最も好ましい。
「抗菌性金属含有ナノ粒子」とは、1マイクロメートル未満のサイズを有し、その酸化状態のうち1つ以上において存在する少なくとも1種の抗菌性金属を含む、粒子を意味する。
「抗菌性金属ナノ粒子」とは、抗菌性金属から本質的に作製され、1マイクロメートル未満のサイズを有する、粒子を意味する。抗菌性金属ナノ粒子中の抗菌性金属は、その酸化状態のうち1つ以上において存在し得る。例えば、銀含有ナノ粒子は、その酸化状態のうち1つ以上における銀、例えばAg、Ag1+、およびAg2+を含み得る。
「安定化抗菌性金属ナノ粒子」とは、それらの調製中に安定剤により安定化される抗菌性金属ナノ粒子を意味する。ナノ粒子の調製用の溶液中に存在し、かつ得られるナノ粒子を安定化することができる材料(またはいわゆる安定剤)に大いに依存する形で、安定化抗菌性金属ナノ粒子は、正に荷電もしくは負に荷電しているか、または中性であるかのいずれかであり得る。安定剤は任意の公知の適切な材料であり得る。例示的な安定剤は、正に荷電したポリイオン性材料、負に荷電したポリイオン性材料、ポリマー、界面活性剤、サリチル酸、アルコールなどを含むが、それだけに限定されない。
本明細書で使用するレンズの「酸素伝達率」とは、酸素が特定の眼科レンズを通過する割合のことである。通常、酸素伝達率Dk/tはbarrer/mm単位で表され、tは測定中の面積に対する材料の平均厚さ[mm単位]であり、「barrer/mm」は下記定義の通りである:
[(cm酸素)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−9
レンズ材料の固有の「酸素透過率」Dkはレンズの厚さに依存しない。固有の酸素透過率とは、酸素が材料を通過する割合のことである。通常、酸素透過率はbarrer単位で表され、「barrer」は下記定義の通りである:
[(cm酸素)(mm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−10
これらは当技術分野で一般的に使用される単位である。したがって、当技術分野での使用との整合性を有するために、単位「barrer」は上記定義の意味を有する。例えば、90barrerのDk(「酸素透過率barrer」)および90ミクロン(0.090mm)の厚さを有するレンズは、100barrer/mmのDk/t(酸素伝達率barrer/mm)を有すると考えられる。本発明によれば、材料またはコンタクトレンズに関する高い酸素透過率は、実施例に記載の電量分析法に従って厚さ100ミクロンのサンプル(フィルムまたはレンズ)を用いて測定される、少なくとも40barrer以上の見掛けの酸素透過率を特徴とする。レンズの「イオン透過率」は、イオノフラックス拡散係数とイオノトンイオン透過係数との両方に相関している。
イオノフラックス拡散係数を、フィックの法則を下記のように適用することで決定する:
D=−n’/(A×dc/dx)
(式中、n’=イオン輸送速度[モル/分]
A=レンズの露出面積[mm
D=イオノフラックス拡散係数[mm/分]
dc=濃度差[モル/L]
dx=レンズの厚さ[mm])
次に、イオノトンイオン透過係数Pを下記の等式に従って決定する:
ln(1−2C(t)/C(0))=−2APt/Vd
(式中、C(t)=受容セルの時間tでのナトリウムイオンの濃度
C(0)=供与セルのナトリウムイオンの初期濃度
A=膜の面積、すなわちセルに露出するレンズ面積
V=セルコンパートメントの容積(3.0ml)
d=露出区域での平均レンズ厚さ
P=透過係数)
約1.5×10−6mm/分を超えるイオノフラックス拡散係数Dが好ましいが、約2.6×10−6mm/分を超えることがより好ましく、約6.4×10−6mm/分を超えることが最も好ましい。
良好な涙交換を確実にし、最終的には良好な角膜の健康を確実にするためには、レンズの眼上運動が必要であるということが知られている。イオン透過率は眼上運動を予測するものである。これは、イオン透過率が水透過率に直接比例すると思われるためである。
一般に、本発明は、ダングリング親水性ポリマー鎖を有する、あるクラスの化学線架橋性シリコーン含有プレポリマーに関するものである。そのようなプレポリマーは、特にLightstream Technology(商標)(CIBA Vision)に従ったシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの調製に使用できる。シリコーンヒドロゲル材料が、疎水性(非湿潤性)である、表面またはその表面の少なくとも一部の区域を典型的に有するということが知られている。疎水性の表面または表面各区域は、眼環境から脂質またはタンパク質を取り込み、また眼に付着することがある。したがって、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズのキャスト成形後に典型的に行われる表面変性を一般に必要とする。
しかしながら、本発明のプレポリマーを使用することで、硬化後の表面処理なしに、高酸素透過率および親水性表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを調製することができる。本発明のプレポリマーの溶液をコンタクトレンズ製造用の型に導入する場合、型とプレポリマー溶液との間の界面にプレポリマーのダングリング親水性ポリマー鎖が吸着されることが好ましいものと思われる。ダングリング親水性ポリマー鎖がプレポリマー中に十分な量で存在する場合、ダングリング親水性ポリマー鎖から本質的に成り立ち、十分な厚さを有する界面フィルムを、硬化(重合)前に型−溶液界面に形成し、続いて硬化後に保存することができる。したがって、いかなる硬化後の表面処理も行わずに、その上に親水性界面フィルムを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを作製できる。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製における本発明のプレポリマーの使用に関連するいくつかの潜在的な独特の特色が存在する。第一に、本発明のプレポリマーは秒単位の時間尺度で化学線硬化が可能である。第二に、レンズ形成調合物(重合性組成物)は、実質的に精製された(すなわちプレポリマー作製用の出発材料が実質的に除去された)プレポリマーの溶液であり得る。レンズの硬化後のレンズ抽出は必要ではない。第三に、レンズの硬化前に表面修飾が生じる。硬化後の表面処理は必要ではない。第四に、本発明のプレポリマーは、比較的低いコスト、ならびに高い一貫性および本来のレンズ設計に対する高い忠実性をもって、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの作製においてLightstream Technology(商標)が与える利点を完全に利用することができる。
一局面では、本発明は化学線架橋性プレポリマーを提供する。本発明のプレポリマーは、プレポリマーのコポリマー鎖に、(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基を有する少なくとも1種の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、プレポリマーから得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、かつ、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含み、プレポリマーを1種以上のモノマーの非存在下で化学線架橋することでシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成することが可能である。
本発明のプレポリマーは、エチレン性不飽和基およびチオール基からなる群から選択される複数の化学線架橋性基を含む。
本発明のプレポリマーの架橋がラジカル連鎖重合の機構に基づいている場合、プレポリマーは、少なくとも3個のエチレン性不飽和基を含むことが好ましい。
本発明のプレポリマーの架橋がチオール−エン逐次ラジカル重合の機構に基づいている場合、プレポリマーの化学線架橋性基は、少なくとも3個のチオール基または少なくとも3個のエン含有基を含むことが好ましい。「エン含有基」は、カルボニル基(−CO−)、窒素原子、または酸素原子に直接結合していない、炭素−炭素二重結合を含む一価または二価の基を表すことを意図しており、式(I)〜(III):
Figure 2010522266
[式中、Rは水素またはC〜C10アルキルであり;RおよびRは、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19(式中、R18はC〜C10二価アルケン基であり、Xはエーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−N)、尿素結合、エステル結合、アミド結合、またはカルボニルであり、R19は水素、単結合、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C〜C12アミノアルキル基、C〜C18アルキルアミノアルキル基、C〜C18カルボキシアルキル基、C〜C18ヒドロキシアルキル基、C〜C18アルキルアルコキシ基、C〜C12アミノアルコキシ基、C〜C18アルキルアミノアルコキシ基、C〜C18カルボキシアルコキシ基、またはC〜C18ヒドロキシアルコキシ基であり、aおよびbは互いに独立して0または1である)であり、但し、RおよびRのうち1個のみが二価の基であり;R〜Rは、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19であり、場合によっては、RとRとは二価アルケン基を通じて結合して環を形成し、但し、R〜Rのうち少なくとも1個は二価の基であり;nおよびmは互いに独立して0〜9の整数であり、但し、nとmとの合計は2〜9の整数であり;R10〜R17は、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19であり、pは1〜3の整数であり、但し、R10〜R17のうち1個または2個のみが二価の基である]のうちいずれか1つにより定義されることが好ましい。
プレポリマーが複数のエン含有基を含む場合、これらの基は、2個以上のチオール基を有する逐次架橋剤により提供され得るチオール基の存在下でのチオール−エン逐次ラジカル重合を経る。同様に、プレポリマーが複数のチオール基を含む場合、これらの基は、2個以上のエン含有基を有する逐次架橋剤により提供できるエン含有基の存在下でのチオール−エン逐次ラジカル重合を経る。
本発明によれば、プレポリマーのダングリング親水性ポリマー鎖は、いずれも任意の化学線架橋性基を含まない。ダングリング親水性ポリマー鎖は、プレポリマーの硬化により得られるシリコーンヒドロゲル材料に、硬化後の表面処理なしに親水性表面を付与するために十分な量で、プレポリマー中に存在する。
プレポリマーのダングリング親水性ポリマー鎖は、1個の単独の架橋性基を有する少なくとも1種の予め形成された親水性ポリマーから誘導される。単独の架橋性基は、下記の共有結合的カップリング反応に関与可能な任意の官能基、または中間コポリマーを調製するための下記の重合に関与可能な任意の化学線架橋性基であり得る。1個の単独の架橋性基を有する予め形成された親水性ポリマーは、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量を有する。予め形成された親水性ポリマーの分子量が高すぎる場合、予め形成された親水性ポリマーをプレポリマーに共有結合的に組み入れることは、特にラジカル重合におけるカップリングにおいて効率的でないであろうと思われる。非架橋の予め形成された親水性ポリマーは、プレポリマーの限外濾過中に除去される。さらに、1個の単独の架橋性基を有する予め形成された親水性ポリマーは、プレポリマーから得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに約90度以下、好ましくは約80度以下、より好ましくは約70度以下、さらに好ましくは約60度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、かつ、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する。本発明によれば、予め形成された親水性ポリマーの分子量は約500ダルトン〜約20,000ダルトン、好ましくは約1000ダルトン〜約10,000ダルトン、より好ましくは約2000ダルトン〜約6000ダルトンである。
本発明のプレポリマーは、約15重量%〜約70重量%、好ましくは約25%〜約80%の1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;約10重量%〜約80重量%、好ましくは約15重量%〜45重量%の1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに約2重量%〜約30重量%、好ましくは約4重量%〜約20重量%の1種以上の予め形成された架橋性の親水性ポリマーから誘導されるダングリング親水性ポリマー鎖を含む。
本発明によれば、本発明のプレポリマーは、ペンダント官能基または末端官能基およびダングリング親水性ポリマー鎖を有する中間コポリマーから、任意の共有結合的カップリング方法に従って、ペンダント官能基または末端官能基を通じて中間コポリマーに化学線架橋性基を共有結合させることで得ることができる。
公知のカップリング反応条件、例えば酸化還元条件、脱水縮合条件、付加条件、置換(substitution)(または置換(displacement))条件、ディールス−アルダー反応条件、カチオン性架橋条件、およびエポキシ硬化条件で一対の釣り合った反応性基が共有結合(covalent bond or linkage)を形成できることは、当技術分野で周知である。例えば、アミノ基はアルデヒド基と反応することで、さらに還元可能なシッフ塩基を形成し;アミノ基は酸クロリドと反応することでアミド結合(−CO−N−)を形成し;アミノ基はイソシアネートと反応することで尿素結合を形成し;ヒドロキシルはイソシアネートと反応することでウレタン結合を形成し;ヒドロキシルはエポキシと反応することでエーテル結合(−O−)を形成し;ヒドロキシルは酸クロリドと反応することでエステル結合を形成する。
一対の架橋性基の間で形成される例示的な共有結合(covalent bonds or linkage)は、エステル、エーテル、アセタール、ケタール、ビニルエーテル、カルバメート、尿素、ウレタン、アミン、アミド、エナミン、イミン、オキシム、アミジン、イミノエステル、カーボネート、オルトエステル、ホスホネート、ホスフィネート、スルホネート、スルフィネート、スルフィド、スルフェート、ジスルフィド、スルフィンアミド、スルホンアミド、チオエーテル、アリール、シラン、シロキサン、複素環、チオカーボネート、チオカルバメート、およびホスホンアミドを含むが、それだけに限定されない。
例示的な反応性基はヒドロキシル基、アミン基、アミド基、無水物基、スルフヒドリル基、−COOR(RおよびR’は水素またはC〜Cアルキル基である)、ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物)、塩化アシル、イソチオシアネート、イソシアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、モノハロゲンもしくはジハロゲン置換ピリジン、モノハロゲンもしくはジハロゲン置換ジアジン、ホスホルアミダイト、マレイミド、アジリジン、ハロゲン化スルホニル、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、アキシドニトロフェニル基、アジド、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミド、グリオキサール、アルデヒド、エポキシを含む。
カップリング剤が使用可能であることが理解される。例えば、カルボキシルとアミンとのカップリングにカルボジイミドを使用することで、カップリング対象の分子間のアミド結合を形成することができる。カルボジイミドの例は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、またはその混合物である。望ましくは、カルボジイミド(例えばEDC)が仲介するカップリング反応にN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはN−ヒドロキシスルホスクシンイミドを包含させることで、カップリング(共役)効率を向上させることができる。EDCはNHSをカルボキシルにカップリングすることで、分子上にNHSで活性化された部位が得られる。形成されたNHSエステルは、アミンと反応することでアミドを形成できる。
中間コポリマーの官能基は、ヒドロキシル基(−OH)、一級アミノ基(−NH)、二級アミノ基(−NHR)、カルボキシル基(−COOH)、エポキシ基、アルデヒド基(−CHO)、アミド基(−CONH)、酸ハライド基(−COX、X=Cl、Br、またはI)、イソチオシアナト基、イソシアナト基、ハロゲン化物基(−X、X=Cl、Br、またはI)、酸無水物基、およびその組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
本発明における中間コポリマーとしては、シロキサン含有モノマーまたはマクロマーから誘導されるシロキサン単位、コポリマー鎖中の親水性モノマーまたはポリマーから誘導される親水性単位、ダングリング親水性ポリマー鎖、およびペンダント官能基または末端官能基を含む任意のコポリマーを使用できる。そのようなコポリマーは、水、有機溶媒、水と少なくとも1種の有機溶媒との混合物、または有機溶媒の混合物に可溶性であるべきである。
中間コポリマーは(a)2個の第1または第2の末端官能基を有する(すなわち、2つの反対する末端のそれぞれに1個ずつ2つの官能基を有する)少なくとも1種の線状シロキサン含有化合物、(b)2個の第1または第2の末端官能基を有する少なくとも1種の線状親水性モノマーまたはポリマー、(c)1個のみの第1または第2の官能基を有する少なくとも1種の親水性ポリマー、および(d)互いに独立して、3個以上の第1または第2の官能基を有する有機化合物である1種以上の分岐剤を含む混合物の共重合により得ることができ、第1および第2の官能基は互いに異なり、アミン基、ヒドロキシル、カルボキシ、イソシアナト、エポキシ、および酸ハライド基からなる群から選択されるものであり、第1および第2の官能基は互いに異なるが、カップリング剤の存在下または非存在下で互いに共反応することでウレタン、尿素、エーテル、およびアミドからなる群から選択される共有結合を形成可能であり、混合物中の第1の官能基対第2の官能基または第2の官能基対第1の官能基のモル当量比は約1.1〜約20、好ましくは約1.1〜約5、より好ましくは1.1〜約3である。
第1の官能基がアミン基であり、第2の官能基がイソシアナト基である場合、得られる中間コポリマーはアミンでキャップされたポリ尿素である。
第1の官能基がイソシアナト基であり、第2の官能基がアミン基である場合、得られる中間コポリマーはイソシアナトでキャップされたポリ尿素である。
第1の官能基がヒドロキシ基であり、第2の官能基がイソシアナト基である場合、得られる中間コポリマーはヒドロキシでキャップされたポリウレタンである。
第1の官能基がイソシアナト基であり、第2の官能基がヒドロキシ基である場合、得られる中間コポリマーはイソシアナトでキャップされたポリウレタンである。
第1の官能基がアミン基であり、第2の官能基が酸ハライド基である場合、得られる中間コポリマーはアミンでキャップされたポリアミドである。
第1の官能基がアミン基であり、第2の官能基がカルボキシル基である場合、EDCの存在下で得られる中間コポリマーはアミンでキャップされたポリアミドである。
第1の官能基がカルボキシル基であり、第2の官能基がアミン基である場合、EDCの存在下で得られる中間コポリマーはカルボキシルでキャップされたポリアミドである。
第1の官能基がヒドロキシ基であり、第2の官能基がエポキシ基である場合、得られる中間コポリマーはヒドロキシでキャップされたポリエーテルである。
アミノ基、ヒドロキシル基、酸クロリド基、およびエポキシ基からなる群から選択される2個の末端官能基を有する例示的な線状シロキサン含有化合物は、二官能基末端ポリシロキサン、例えばポリ(ジアルキルシロキサン)、ポリ(ジアリールシロキサン)、ポリアリールアルキルシロキサン、異なるジアルキルシロキサンのコポリマー、ジアルキルシロキサンとジアリールシロキサンまたはアリールアルキルシロキサンとのコポリマーなどである。シロキサン含有化合物は二官能基末端ポリジメチルシロキサンであることが好ましい。各種の二官能基末端官能性ポリシロキサンは、商業的供給業者(例えばGelest, IncまたはFluorochem)から得ることができる。そうでなければ、当技術分野で公知であり、Journal of Polymer Science - Chemistry, 33, 1773 (1995)(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている手順に従って、そのような二官能基末端ポリシロキサンをどのようにして調製するかを当業者は承知しているであろう。
アミノ基、ヒドロキシル基、酸クロリド基、およびエポキシ基からなる群から選択される2個の末端官能基を有する例示的な親水性モノマーまたは親水性マクロマーは、二官能基末端ポリ(エチレングリコール)(PEG)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの二官能基末端ブロックコポリマー(PEG/PPGブロックコポリマー、例えばポロキサマーまたはポロキサミン)、二官能基末端ポリマーポリアルキルアクリルアミド、二官能基末端ポリアルキルメタクリルアミド、二官能基末端ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと1種以上のビニルモノマー(例えばジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、またはその混合物)との二官能基末端コポリマー、ジアミン末端またはジカルボキシル末端ポリビニルアルコール(官能基末端ポリ酢酸ビニルのメタノリシスまたは加水分解により誘導される)、ならびに酢酸ビニルと1種以上のビニルモノマー(例えばジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、またはその混合物)との二官能基末端コポリマー(メタノリシスまたは加水分解に供することが好ましい)である。
各種のアミン末端PEG、ヒドロキシル末端PEG、およびエポキシ末端PEGは、PolyscienceおよびShearwater Polymers, inc.などの商業的供給業者から得ることができる。
本発明によれば、一級アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基、またはエポキシ基を有さない任意の親水性ビニルモノマーを、二官能基末端前駆体ポリマーまたはコポリマーの調製に使用可能である。そのような親水性ビニルモノマーの例は、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン(NVP)、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレートを含む。好ましい二官能基末端親水性ポリマーまたはコポリマーの例は、二官能基末端ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)(ポリ(DMA))、二官能基末端ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVP)、二官能基末端DMA/NVPコポリマー、NVP/ジメチルアミノエチル−メタクリレートの二官能基末端コポリマー、二官能基末端DMA/N−オクチルアクリルアミドコポリマー、二官能基末端NVP/N−オクチルアクリルアミドコポリマー、ジアミン末端ポリビニルアルコール、ジカルボキシル末端ポリビニルアルコール、ジアミン末端酢酸ビニル/NVPコポリマー(メタノリシスまたは加水分解に供することが好ましい)、ジカルボキシル末端酢酸ビニル/NVPコポリマー(メタノリシスまたは加水分解に供することが好ましい)、ジアミン末端酢酸ビニル/DMAコポリマー(メタノリシスまたは加水分解に供することが好ましい)、ジカルボキシル末端酢酸ビニル/DMAコポリマー(メタノリシスまたは加水分解に供することが好ましい)などを含む。
ジヒドロキシ末端またはジアミン末端前駆体ポリマーまたはコポリマーは、全体として参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,218,508号に記載の手順に従って調製できる。例えば、一級アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基、カルボキシル、またはエポキシ基を有さない1種以上の親水性ビニルモノマー、および連鎖移動剤(例えば2−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール、2−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、または他のヒドロキシメルカプタン、アミノメルカプタン、もしくはカルボキシル含有メルカプタン)と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、またはアミン基を有するビニルモノマーとを、開始剤の存在下で(熱または化学線で)共重合する。そのような前駆体ポリマーまたはコポリマーを調製するための重合性混合物は、架橋剤(すなわち2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物)を実質的に含まないことが好ましい。
アミン基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基を有する連鎖移動剤を使用することで、得られるポリマーまたはコポリマーの分子量を制御し、得られるポリマーまたはコポリマーを続いて官能化するための官能基(アミン基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基)を与えることができる。連鎖移動剤は、得られる親水性ポリマーまたはコポリマーの末端を形成し、ヒドロキシル基、アミン基、またはカルボキシル基は、得られるポリマーまたはコポリマーに末端ヒドロキシル基、アミン基、またはカルボキシル基を与える。ヒドロキシル含有、カルボキシル含有、またはアミン含有ビニルモノマーは、得られるポリマーまたはコポリマーに別の末端ヒドロキシル、カルボキシル、またはアミノ官能基を与える。
一般に、連鎖移動剤対1種以上の親水性ビニルモノマーのモル比は約1:5〜約1:100であり、一方、連鎖移動剤対ヒドロキシル基またはアミノ基を有するビニルモノマーのモル比は1:1である。連鎖移動剤対一級アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基、またはエポキシ基を有さない親水性ビニルモノマー(例えばDMA、NVP)のモル比は、好ましくは約200〜約4,000ダルトン、より好ましくは約500〜約2,500ダルトンの分子量を有するポリマーまたはコポリマーが得られるように選択される。得られるポリマーまたはコポリマーをジイソシアネートの存在下で重合することで、より大きい分子量および2個の末端ヒドロキシル基またはアミン基を有する新規のポリマーまたはコポリマーを得ることができるということが理解される。任意のアルキルまたはアリールジイソシアネートをそのような目的に使用できる。好ましいジイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチル−1,6−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレン4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,3−ビス−(4,4’−イソシアネートメチル)シクロヘキサン、およびシクロヘキサンジイソシアネートを含む。
1種以上の親水性ビニルモノマーの上記で得られたジヒドロキシ末端またはジアミン末端ポリマーまたはコポリマーに、エポキシ基、イソシアナト基、または酸クロリド基を任意の公知の手順に従って共有結合させることで、1種以上の親水性ビニルモノマーのジエポキシ末端、ジイソシアナト末端、またはジ酸クロリド末端前駆体ポリマーまたはコポリマーを調製することができる。
アミノ基、ヒドロキシル基、酸クロリド基、カルボキシル基、およびエポキシ基からなる群から選択される1個の末端官能基を有する例示的な親水性前駆体ポリマーまたはコポリマーは、一官能基末端ポリ(エチレングリコール)(PEG)、一官能基末端PEG/PPGブロックコポリマー、一官能基末端ポリアルキルアクリルアミド、一官能基末端ポリアルキルメタクリルアミド、一官能基末端ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと1種以上のビニルモノマー(例えばジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、またはその混合物)との一官能基末端コポリマー、一官能基末端ポリビニルアルコール(官能基末端ポリ酢酸ビニルのメタノリシスまたは加水分解により誘導される)、ならびに酢酸ビニルと1種以上のビニルモノマー(例えばジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、またはその混合物)との一官能基末端コポリマー(メタノリシスまたは加水分解に供することが好ましい)を含む、一官能基末端親水性ポリマーである。
各種の一官能基末端PEGをShearwater Polymers, Inc.から得ることができる。好ましい一官能基末端PEGは、1個のアミノ基、ヒドロキシル基、酸クロリド基、またはエポキシ基を一端に有し、メトキシ基またはエトキシ基を他端に有するそのようなPEGである。
一官能基末端前駆体ポリマーまたはコポリマーは、全体として参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,218,508号に記載の手順に従って調製できる。例えば、官能基(例えば一級アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基、カルボキシル基、またはエポキシ基)を有さない1種以上の親水性ビニルモノマー、および連鎖移動剤(例えば2−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール、2−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、または他のヒドロキシメルカプタン、アミノメルカプタン、もしくはカルボキシル含有メルカプタン)を、開始剤の存在下で(熱または化学線で)共重合することで、モノヒドロキシ末端、モノカルボキシル末端、またはモノアミン末端親水性ポリマーまたはコポリマーを得る。一般に、連鎖移動剤対1種以上の親水性ビニルモノマーのモル比は約1:5〜約1:100である。連鎖移動剤対官能基を有さない親水性ビニルモノマー(例えばDMA、NVP)のモル比は、約500〜約20,000ダルトン、好ましくは約1000〜約10,000ダルトン、より好ましくは約2000〜約6000ダルトンの分子量を有するポリマーまたはコポリマーが得られるように選択される。1種以上の親水性ビニルモノマーの上記で得られたモノヒドロキシ末端またはモノアミン末端ポリマーまたはコポリマーに、エポキシ基、イソシアナト基、または酸クロリド基を任意の公知の手順に従って共有結合させることで、1種以上の親水性ビニルモノマーのモノエポキシ末端、モノイソシアナト末端、またはモノ酸クロリド末端ポリマーまたはコポリマーを調製することができる。高分子量を有する一官能基末端ポリマーまたはコポリマーの使用により、本発明のプレポリマーから作製されるシリコーンヒドロゲル材料またはレンズ上の界面フィルムが十分な厚さおよび被覆面積を有することを確実にすることができる。
あるいは、1種以上の親水性モノマーを、ヒドロキシル含有、アミン含有、またはカルボキシル含有ラジカル開始剤の存在下、約1:30〜約1:700の開始剤対親水性モノマーのモル比で重合することで、一官能基末端前駆体ポリマーまたはコポリマーを調製することができる。アミン基、ヒドロキシル基、またはカルボキシ基を有する開始剤の例は、アゾ開始剤、例えば2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、または2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物などである。
好ましいモノエチレン性官能化親水性ポリマーの他の例は、モノ(メタ)アクリレート末端ポリオキサゾリン;モノ(メタ)アクリレート末端ポリ(メタクリレート−コ−モノ(メタ)アクリレートPEG);モノ(メタ)アクリレート末端ポリ(グリセリンメタクリレート);モノ(メタ)アクリレート末端ポリ(ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート);モノ(メタ)アクリレート末端ポリ(ジメチルアクリルアミド);モノ(メタ)アクリルアミド末端ポリ(ジメチルアクリルアミド);および短いダングリングPEG鎖(すなわち約400ダルトン未満の分子量を有するPEG)を有するモノエチレン性官能化親水性ポリマーを含むが、それだけに限定されない。
一官能基または二官能基末端親水性前駆体ポリマーまたはコポリマーがポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールコポリマーである場合、末端官能基はアミン基またはカルボキシル基であることが好ましい。一般に、イソシアナト基は、ヒドロキシル基の存在下であってもアミン基と最初に反応すると考えられる。また、アミン基またはカルボキシ基はEDCが仲介するカップリング反応に関与するが、ヒドロキシル基はそうではない。
好ましいトリアミンまたはポリアミンの例は、ジエチレントリアミン、N−2’−アミノエチル−1,3−プロピレンジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−アミン、N,N−ビス(6−アミノヘキシル)アミン、およびトリエチレンテトラミンを含むが、それだけに限定されない。
好ましいトリイソシアネートの例は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートトリマー、2,4,6−トルエントリイソシアネート、p,p’,p’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートの三官能性トリマー(イソシアヌレート)を含むが、それだけに限定されない。好ましくは、ポリイソシアネートは、4〜6個のイソシアナト基、ならびに酸素および窒素からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、C〜C45脂環式または脂肪族−脂環式化合物である。
有機トリオールまたはポリオールの例は、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールもしくはトリペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトール、ジソルビトール、またはマンニトール、およびその組み合わせである。
好ましい三酸またはポリ酸ハライド(すなわち塩化ジカルボニルまたはポリカルボニル)は、三酸クロリド、三酸ブロミド、二酸クロリド、および二酸ブロミドである。三酸クロリドの例は、塩化トリメソイル、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボニルクロリド、トリマー酸クロリドなどである。
トリエポキシ化合物およびポリエポキシ化合物の例は、Nagaseが供給するDENACOLシリーズ化合物、およびトリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)である。
好ましい一態様では、分岐剤は3個の官能基を含む有機化合物であり、官能基はアミノ基、ヒドロキシル基、酸クロリド基、およびエポキシ基からなる群から選択される。
本発明によれば、本発明のプレポリマーは、ペンダント官能基または末端官能基を有するがダングリング親水性ポリマー鎖を有さない中間コポリマーから、任意の共有結合的カップリング方法に従って、ペンダント官能基または末端官能基を通じて中間コポリマーに化学線架橋性基および少なくとも1種の一官能基末端親水性ポリマーを共有結合させることで得ることもできる。
本発明によれば、本発明のプレポリマーは、複数の化学線架橋性基およびペンダント官能基または末端官能基を有するがダングリング親水性ポリマー鎖を有さないプレポリマーから、任意の共有結合的カップリング方法に従って、ペンダント官能基または末端官能基を通じて中間コポリマーに少なくとも1種の一官能基末端親水性ポリマーを共有結合させることでさらに得ることができる。
当業者に公知のように、中間コポリマーを調製するための混合物は、溶融物(無溶媒)、またはすべての必要成分が不活性溶媒(すなわち混合物中の反応物間の反応に干渉すべきではない)、例えば水、有機溶媒、もしくはその混合物に溶解している溶液であり得る。
有機溶媒の例は、テトラヒドロフラン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸i−プロピル、塩化メチレン、2−ブタノール、2−プロパノール、メントール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、およびexo−ノルボルネオール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、2−ノナノール、2−デカノール、3−オクタノール、ノルボルネオール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、2−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−2−オクタノール、2−メチル−2−ノナノール、2−メチル−2−デカノール、3−メチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−メチル−4−ヘプタノール、3−メチル−3−オクタノール、4−メチル−4−オクタノール、3−メチル−3−ノナノール、4−メチル−4−ノナノール、3−メチル−3−オクタノール、3−エチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−エチル−4−ヘプタノール、4−プロピル−4−ヘプタノール、4−イソプロピル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−2−ペンタノール、1−メチルシクロペンタノール、1−エチルシクロペンタノール、1−エチルシクロペンタノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブテン、4−ヒドロキシ−4−メチル−1−シクロペンタノール、2−フェニル−2−プロパノール、2−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、2−フェニル−2−ブタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、および3−エチル−3−ペンタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メチル−2−プロパノール、t−アミルアルコール、イソプロパノール、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリジノン、ならびにその混合物を含むが、それだけに限定されない。
反応温度は反応の種類に応じて異なり得る。例えば、アミン−イソシアナトまたはアミン−酸クロリド反応では、温度は−20〜85℃、好ましくは−10〜50℃、最も好ましくは−5〜30℃の範囲であり得る。反応時間は広い範囲内で異なり得るものであり、約1〜10時間、好ましくは2〜8時間、最も好ましくは2〜3時間という時間が実行可能であることがわかっている。
反応時間は広い範囲内で異なり得る。反応に関与する1個以上の官能基の消費を監視することで反応を監視することができる。
いくつかの反応を触媒の存在下で行うことが好ましいということが理解される。例えば、ヒドロキシ−イソシアナト反応は触媒の存在下で行うことが有利である。これは、反応時間を著しく短縮できるためである。例えば、適切な触媒は、金属塩、例えば有機カルボン酸のアルカリ金属塩もしくはスズ塩、または三級アミン、例えば(C〜C−アルキル)N(トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン)、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルピペリジン、ピリジン、または1,4−ジアザ−ビシクロオクタンである。スズ塩、特にカルボン酸のアルキル−スズ塩、例えばジブチルスズジラウレート(DBTDL)およびスズジオクトエートが特に有効であることがわかっている。
あるいは、1個以上のエチレン性不飽和基またはチオール基を有する成分を含む成分の重合性混合物を化学線または熱で重合することで、ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーを調製することもできる。
好ましい一態様では、ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーは、(1)少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマー(すなわち1個の単独のエチレン性不飽和基を有する)、(2)少なくとも1種の親水性ビニルモノマー(すなわち1個のエチレン性不飽和基を有する)、(3)1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、またはその2種以上の組み合わせ、(4)場合によって、少なくとも1種のジエチレン性もしくは多エチレン性官能化親水性ポリマー、および/または700ダルトン未満の分子量を有する少なくとも1種の親水性架橋剤(すなわち2個以上のエチレン性不飽和基を有する);ならびに(5)場合によって、少なくとも1種の疎水性ビニルモノマーを含み、但し、成分(2)〜(4)のうち少なくとも1つが、得られたコポリマーに化学線架橋性基(エチレン性不飽和基またはチオール基)がそれを通じて共有結合可能な少なくとも1個の官能基をさらに含む、化学線重合性組成物の共重合により得られる。
別の好ましい態様では、ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーは、(1)少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマー(すなわち1個の単独のエチレン性不飽和基を有する)、(2)少なくとも1種の親水性ビニルモノマー(すなわち1個のエチレン性不飽和基を有する)、(3)1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、またはその2種以上の組み合わせ、(4)場合によって、少なくとも1種のジエチレン性もしくは多エチレン性官能化親水性ポリマー、および/または700ダルトン未満の分子量を有する少なくとも1種の親水性架橋剤(すなわち2個以上のエチレン性不飽和基を有する);(5)場合によって、少なくとも1種の疎水性ビニルモノマー、ならびに(6)得られたコポリマーに化学線架橋性基(エチレン性不飽和基またはチオール基)がそれを通じて共有結合可能な官能基を有する少なくとも1種の連鎖移動剤を含む、組成物の共重合により得られる。
本発明によれば、一官能化、二官能化、または多官能化された親水性前駆体ポリマーまたはコポリマー(すなわち1個以上の官能基を有する)の官能基(例えばアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアナト基、エポキシ基)に1個以上のエチレン性不飽和基を共有結合させることで、モノエチレン性、ジエチレン性、または多エチレン性官能化親水性ポリマーを調製することができる。カップリング剤(例えばEDC、ジイソシアネート、または二酸クロリド)の存在下または非存在下でポリマーまたはコポリマーのイソシアナト基、アミン基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、またはエポキシ基と共反応可能な、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、酸クロリド基、イソシアナト基を有する任意のビニルモノマーを、前駆体ポリマーまたはコポリマーのエチレン性官能化に使用することができる。そのようなビニルモノマーの例は、末端ヒドロキシ基との反応に関して、2−イソシアナトエチルメタクリレート、メタクリル酸無水物、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、塩化アクリロイル、または塩化メタクリロイル、グリシジルメタクリレート;末端アミン基との反応に関して、2−イソシアナトエチルメタクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリル酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、塩化アクリロイル、または塩化メタクリロイル;EDCの存在下での末端カルボキシ基との反応に関して、ビニルアミン、2−アミノエチルメタクリレート、または3−アミノプロピルメタクリルアミドを含むが、それだけに限定されない。上記リストは包括的なものではなく、例示的なものである。エチレン性親水性前駆体ポリマーまたはコポリマーを官能化するためにどのようにして官能基を有するビニルモノマーを選択するかを、当業者は承知しているであろう。
モノエチレン性、ジエチレン性、または多エチレン性官能化親水性ポリマーの例は、1個の末端アクリロイル基:
Figure 2010522266
またはビニル基を有する親水性ポリマーまたはコポリマー;2個の末端アクリロイル基、メタクリロイル基、またはビニル基を有する親水性ポリマーまたはコポリマー;および複数(例えば3個以上)のアクリロイル基、メタクリロイル基、またはビニル基を有する親水性ポリマーまたはコポリマーを含むが、それだけに限定されない。親水性ポリマーまたはコポリマーは、PEG;PEG/PPGブロックコポリマー;ポリアルキルアクリルアミド;ポリアルキルメタクリルアミド;ポリビニルピロリドン;N−ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレート(例えばジメチルアミノエチルアクリレート)、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート(例えばジメチルアミノエチルメタクリレート)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、またはその混合物とのコポリマー;ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルから誘導される);酢酸ビニルとジアルキルアミノアルキルアクリレート(例えばジメチルアミノエチルアクリレート)、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート(例えばジメチルアミノエチルメタクリレート)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、またはその混合物とのコポリマーからなる群から選択されることが好ましい。
モノエチレン性官能化PEGまたはブロックPEG/PPGコポリマー、およびジエチレン性官能化PEGまたはブロックPEG/PPGコポリマーは、市販されているか、あるいは、一官能基末端PEG、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの一官能基末端ブロックコポリマー、および二官能基末端PEG、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの二官能基末端ブロックコポリマーにアクリロイル基、メタクリロイル基、またはビニル基を共有結合させることで調製することができる。
「モノエチレン性官能化」ポリマーまたはコポリマーとは、ポリマーまたはコポリマーが単一のエチレン性不飽和基を有することを意味する。「ジエチレン性官能化」ポリマーまたはコポリマーとは、ポリマーまたはコポリマーが2個のみのエチレン性不飽和基を有することを意味する。
モノエチレン性またはジエチレン性官能化ポリアルキルアクリルアミド、ポリアルキルメタクリルアミド、ポリビニルピロリドン;N−ビニルピロリドンと1種以上のビニルモノマーとのモノエチレン性またはジエチレン性官能化コポリマー、モノエチレン性またはジエチレン性官能化ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルから誘導される)、あるいは酢酸ビニルと1種以上のビニルモノマーとのモノエチレン性またはジエチレン性官能化コポリマーは、それらの対応する上記の一官能基末端前駆体ポリマーまたはコポリマーから調製することができる。
一官能基または二官能基末端親水性前駆体ポリマーまたはコポリマーがポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールコポリマーである場合、末端官能基はアミン基またはカルボキシル基であることが好ましい。一般に、イソシアナト基は、ヒドロキシル基の存在下であってもアミン基と最初に反応すると考えられる。また、アミン基またはカルボキシ基はEDCが仲介するカップリング反応に関与するが、ヒドロキシル基はそうではない。
本発明によれば、多エチレン性官能化親水性ポリマーは、複数のペンダント官能基および/または末端官能基(例えば−NH、−COOH、−OH)を含む親水性前駆体ポリマーまたはコポリマーから誘導される。そのような親水性前駆体コポリマーの例は、N−ビニルピロリドン、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、またはジアルキルアミノアルキルアクリレートと、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシルアルキルアクリレート、ヒドロキシメタクリレート、アミノアルキルアクリレート、およびアミノアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の官能基含有ビニルモノマーとのコポリマーである。官能基含有ビニルモノマーから誘導される単位の割合は、好ましくは約15重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、さらに好ましくは約5重量%未満である。
本発明によれば、モノエチレン性官能化親水性ポリマーは約500〜約20,000ダルトン、好ましくは約1000〜約10,000ダルトン、より好ましくは約2000〜約6000ダルトンの分子量を有する。
1種以上のモノエチレン性官能化親水性ポリマーと1種以上のジエチレン性官能化親水性ポリマーとの混合物を、本発明のプレポリマーの前駆体である中間コポリマーの調製において有利に使用できるということが理解される。
ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーを調製するための化学線重合性組成物において、ほぼあらゆる親水性ビニルモノマーを使用することができる。適切な親水性ビニルモノマーは、ヒドロキシル置換C〜Cアルキルアクリレートおよびメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、C〜Cアルキルアクリルアミド、C〜Cアルキルメタクリルアミド、エトキシル化アクリレート、エトキシル化メタクリレート、ヒドロキシル置換C〜Cアルキルアクリルアミド、ヒドロキシル置換C〜Cアルキルメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル−4,4’−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−および4−ビニルピリジン、合計3〜5個の炭素原子を有するビニル性不飽和カルボン酸、アミノ(低級アルキル)(「アミノ」という用語は四級アンモニウムも含む)、モノ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)、およびジ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)アクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコール、N−ビニルアルキルアミド、N−ビニル−N−アルキルアミドなどであるが、これは包括的リストではない。
好ましい親水性ビニルモノマーとしては、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリレート塩酸塩、アミノプロピルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、グリセリンメタクリレート(GMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、アクリル酸、200〜1500の重量平均分子量を有するC〜C−アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メタクリル酸、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アリルアルコール、およびN−ビニルカプロラクタムがある。
ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーを調製するための化学線重合性組成物において、ほぼあらゆる疎水性ビニルモノマーを使用することができる。適切な疎水性ビニルモノマーは、C〜C18−アルキルアクリレートおよび−メタクリレート、C〜C18−アルキルアクリルアミドおよび−メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニル−C〜C18−アルカノエート、C〜C18−アルケン、C〜C18−ハロ−アルケン、スチレン、C〜C−アルキルスチレン、アルキル部分が1〜6個の炭素原子を有するビニルアルキルエーテル、C〜C10−ペルフルオロアルキル−アクリレートおよび−メタクリレート、または対応する部分フッ化アクリレートおよびメタクリレート、C〜C12−ペルフルオロアルキル−エチル−チオカルボニルアミノエチル−アクリレートおよび−メタクリレート、アクリルオキシおよびメタクリルオキシ−アルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸のC〜C12−アルキルエステルなどを含むが、それだけに限定されない。例えば、3〜5個の炭素原子を有するビニル性不飽和カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、または最大5個の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルが好ましい。
好ましい疎水性ビニルモノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ペルフルオロヘキシルエチル−チオ−カルボニル−アミノエチル−メタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロ−イソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリス−トリメチルシリルオキシ−シリル−プロピルメタクリレート、3−メタクリルオキシプロピル−ペンタメチル−ジシロキサン、およびビス(メタクリルオキシプロピル)−テトラメチル−ジシロキサンを含む。
ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーを調製するための化学線重合性組成物において、1個以上のエチレン性不飽和基を有する任意の公知の適切なシロキサン含有モノマーまたはマクロマーを使用することができる。そのようなモノマーまたはマクロマーの好ましい例は、様々な分子量のモノメタクリル化またはモノアクリル化ポリジメチルシロキサン(例えばモノ−3−メタクリルオキシプロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン、またはモノ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン);様々な分子量のジメタクリル化またはジアクリル化ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ポリジメチルシロキサン;様々な分子量のビニル末端ポリジメチルシロキサン;メタクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン;アクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン;アクリレート末端ポリジメチルシロキサン;メタクリレート末端ポリジメチルシロキサン;ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン;ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマー;米国特許第5,760,100号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に記載のマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC、およびマクロマーDからなる群から選択されるシロキサン含有マクロマー;グリシジルメタクリレートとアミノ官能性ポリジメチルシロキサンとの反応生成物;ヒドロキシル官能化シロキサン含有モノマーまたはマクロマー;米国特許第6,762,264号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に開示のシロキサン含有マクロマーである。ポリジメチルシロキサンおよびポリアルキレンオキシドからなるジブロックおよびトリブロックマクロマーも有用であり得る。例えば、酸素透過率を増大させるために、メタクリレートエンドキャップポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン−ブロック−ポリエチレンオキシドを使用できることがある。適切な一官能性ヒドロキシル官能化シロキサン含有モノマーおよび適切な多官能性ヒドロキシル官能化シロキサン含有モノマーは、ペンシルベニア州MorrisvilleのGelest, Incから市販されている。
官能性連鎖移動剤は、得られるコポリマーの分子量を制御するために、またチオール基、エン含有基、ケイ皮酸部分、ジアルキルマレイミド部分を続いて加えるための官能基を与えるために使用される。連鎖移動剤は、1個以上のチオール基、例えば2個、最も好ましくは1個のチオール基を含み得る。適切な連鎖移動剤は、さらなる官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、カルボキシを有する有機一級チオールもしくはメルカプタン、またはその適切な誘導体を含む。連鎖移動剤は、中間コポリマーを作製するための重合性組成物中に、例えば全重合性成分の合計重量に対して約0.5〜約5重量%、好ましくは約1〜約4重量%、特に約1.5〜約3.5重量%の量で存在し得る。
ペンダント官能基または末端官能基を有する中間コポリマーを調製するための化学線重合性組成物において、少なくとも1個の官能基を含む任意の公知の適切なビニルモノマーを使用することができる。そのようなビニルモノマーの好ましい例は、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、HEMA、HEA、メタクリル酸無水物、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド(NHMA)、2−ブロモエチルメタクリレート、およびビニルベンジルクロリドを含む。
ペンダント官能基または末端官能基を有するシリコーン含有ポリマーを調製するための化学線重合性組成物における親水性ビニルモノマーと官能化用ビニルモノマーの両方として、ビニルモノマーを使用できることを理解すべきである。好ましくは、親水性ビニルモノマーは官能基を含まない(例えばDMA、NVP)。
当業者に公知のように、中間コポリマーを調製するための化学線重合性組成物は、溶融物、すべての必要成分が好ましくは1種以上のブレンド用のビニルモノマーの存在下で共にブレンドされる無溶媒液体、またはすべての必要成分が不活性溶媒(すなわち混合物中の反応物間の反応に干渉すべきではない)、例えば水、有機溶媒、もしくはその混合物に溶解している溶液であり得る。溶媒の例は上記の通りである。
1種以上のブレンド用ビニルモノマーは、化学線重合性組成物の親水性成分と疎水性成分との両方を溶解させるために十分な量で存在する。「ブレンド用ビニルモノマー」とは、化学線重合性組成物の親水性成分と疎水性成分との両方を溶解させるための溶媒と、重合してシリコーンヒドロゲル材料を形成する重合性成分の一つとの両方として機能し得るビニルモノマーを意味する。ブレンド用ビニルモノマーは、化学線重合性組成物中に約5重量%〜約30重量%の量で存在することが好ましい。
本発明の重合性組成物の親水性成分と疎水性成分との両方を溶解させることで溶液を形成することが可能な、任意の適切なビニルモノマーを、本発明で使用することができる。ブレンド用ビニルモノマーの好ましい例は、芳香族ビニルモノマー、シクロアルキル含有ビニルモノマーを含むが、それだけに限定されない。それらの好ましいブレンド用モノマーは、それらの好ましいブレンド用モノマーを含む重合性組成物の硬化により調製されるシリコーンヒドロゲル材料の主なガラス転移温度を増加させることができる。
好ましい芳香族ビニルモノマーの例は、スチレン、2,4,6−トリメチルスチレン(TMS)、t−ブチルスチレン(TBS)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、ベンジルメタクリレート、ジビニルベンゼン、および2−ビニルナフタレンを含む。これらのモノマーのうち、スチレン含有モノマーが好ましい。本明細書では、スチレン含有モノマーは、フェニル基に直接結合するビニル基を含むモノマーであって、フェニル基が縮合環以外で、例えば上記のように1〜3個のC〜Cアルキル基で置換可能であるモノマーであると定義される。スチレンそれ自体[HC=CH−C]が特に好ましいスチレン含有モノマーである。
本明細書では、シクロアルキル含有ビニルモノマーは、最大3個のC〜Cアルキル基で置換可能なシクロアルキルを含むビニルモノマーであると定義される。好ましいシクロアルキル含有ビニルモノマーは、最大3個のC〜Cアルキル基で置換可能なシクロペンチルまたはシクロヘキシルまたはシクロヘプチルをそれぞれ含むアクリレートおよびメタクリレートを含むが、それだけに限定されない。好ましいシクロアルキル含有ビニルモノマーの例は、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどを含む。
中間コポリマーを調製するための重合性組成物の共重合は、光化学的に、または好ましくは熱により誘発可能である。適切な熱重合開始剤は当業者に公知であり、例えば過酸化物、ヒドロペルオキシド、アゾ−ビス(アルキルまたはシクロアルキルニトリル)、ペルスルファート、ペルカルボナート、またはその混合物を含む。例は、過酸化ベンゾイル、過酸化tert−ブチル、ジ−tert−ブチル−ジペルオキシフタレート、tert−ブチルヒドロペルオキシド、アゾ−ビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、1,1−アゾジイソブチルアミジン、1,1’−アゾ−ビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾ−ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などである。重合は、上記溶媒中にて、高温、例えば25〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度で好都合に行われる。反応時間は広い範囲内で異なり得るが、好都合には例えば1〜24時間、好ましくは2〜12時間である。重合反応で使用する成分および溶媒を予め脱気し、不活性雰囲気下、例えば窒素またはアルゴン雰囲気下で該共重合反応を行うことが有利である。共重合により、光学的に透明である明確なコポリマーを得ることができ、これを例えば抽出、沈殿、限界濾過、および同様の技術を用いて通常の様式で精製することができる。
中間コポリマーを調製するための重合性組成物は、少なくとも1種のシリコーン含有ビニルモノマーを含むことが好ましい。好ましいシリコーン含有ビニルモノマー(すなわち1個の単独のエチレン性不飽和基を有する)の例は、3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、ビス(メタクリルオキシプロピル)テトラメチル−ジシロキサン、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド、およびトリストリメチルシリルオキシシリルプロピルメタクリレート(TRIS)、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド(「TSMAA」)、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド(「TSAA」)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバメート、シリコーン含有炭酸ビニルまたはカルバミン酸ビニルモノマー(例えば1,3−ビス[4−ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン;3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチル−シロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート、t−ブチルジメチル−シロキシエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、およびトリメチルシリルメチルビニルカーボネート)を含む。好ましいシリコーン含有モノマーは、3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランと呼ばれ、CAS No.17096−07−0で表されるTRISである。「TRIS」という用語は、3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのダイマーも含む。
より好ましくは、本発明の中間コポリマーは、約15重量%〜約80重量%、好ましくは約25%〜約70%の1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;約10重量%〜約80重量%、好ましくは約15重量%〜60重量%の1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;約1%〜約30%、好ましくは約5%〜約25%の1種以上のシリコーン含有ビニルモノマーから誘導されるシリコーン含有単位;ならびに約2重量%〜約30重量%、好ましくは約4重量%〜約20重量%の1個の単独のエチレン性不飽和基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導されるダングリング親水性ポリマー鎖を含む。
本発明によれば、中間コポリマーの官能基(例えばアミン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアナト基、エポキシ基)にエチレン性不飽和基を共有結合させることで、中間コポリマーのエチレン性官能化を行うことができる。カップリング剤(例えばEDC、ジイソシアネート、または二酸クロリド)の存在下または非存在下で中間コポリマーのイソシアネート基、アミン基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、またはエポキシ基と共反応可能な、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、酸クロリド基、イソシアネート基を有する任意のビニルモノマーを、中間コポリマーのエチレン性官能化に使用することができる。そのようなビニルモノマーの例は、末端ヒドロキシ基との反応に関して、2−イソシアネートエチルメタクリレート、メタクリル酸無水物、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、塩化アクリロイル、または塩化メタクリロイル、グリシジルメタクリレート;末端アミン基との反応に関して、2−イソシアナトエチルメタクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリル酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、塩化アクリロイル、または塩化メタクリロイル;EDCの存在下での末端カルボキシ基との反応に関して、ビニルアミン、2−アミノエチルメタクリレート、または3−アミノプロピルメタクリルアミドを含むが、それだけに限定されない。上記リストは包括的なものではなく、例示的なものである。エチレン性中間コポリマーを官能化するためにどのようにして官能基を有するビニルモノマーを選択するかを、当業者は承知しているであろう。
本発明のプレポリマーは、高い酸素透過率(少なくとも40barrer、好ましくは少なくとも約60barrer、さらに好ましくは少なくとも80barrerの見掛けの酸素透過率を特徴とする)および親水性表面(約90度以下未満、好ましくは約80度以下、より好ましくは約70度以下、さらに好ましくは約60度以下の平均水接触角を有することを特徴とする)を有する、シリコーンヒドロゲルまたはコンタクトレンズを、好ましくは任意の親水性ビニルモノマーの非存在下で形成可能である。シリコーンヒドロゲル材料またはコンタクトレンズは、高いイオン透過率(約1.5×10−6mm/分を超え、好ましくは約2.6×10−6mm/分を超え、より好ましくは約6.4×10−6mm/分を超えるイオノフラックス拡散係数Dを特徴とする)を有することが好ましい。シリコーンヒドロゲル材料またはコンタクトレンズは、約2.0MPa以下、好ましくは約1.5MPa以下、より好ましくは約1.2MPa以下、さらに好ましくは約0.4MPa〜約1.0MPaの弾性率を有することが好ましい。シリコーンヒドロゲル材料またはコンタクトレンズは、完全に水和した場合に好ましくは約18重量%〜約55重量%、より好ましくは約20重量%〜約38重量%の含水率を有することが好ましい。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの含水率は米国特許第5,849,811号で開示のバルク技術に従って測定できる。
本発明で使用するプレポリマーは、それ自体公知の様式、例えば、アセトンなどの有機溶媒による沈殿、濾過および洗浄、適切な溶媒での抽出、透析、または限外濾過で予め精製されていることが好ましく、限外濾過が特に好ましい。その精製プロセスにより、非常に純粋な形態、例えば、塩などの反応生成物、および例えば非ポリマー構成要素などの出発原料を含まないか、または少なくとも実質的に含まない、濃厚溶液の形態でプレポリマーを得ることができる。本発明に係るプロセスで使用するプレポリマー用の好ましい精製プロセスである限外濾過は、それ自体公知の様式で行うことができる。限外濾過を繰り返し、例えば2回〜10回行うことが可能である。あるいは、選択される純度に達するまで限外濾過を連続的に行ってもよい。選択される純度は原則としてできるだけ高いことが望ましい。例えば、純度の適切な尺度は、公知の様式だけで決定可能な、副生成物として得られる溶解塩の濃度である。したがって、重合後には、装置は、未重合マトリックス形成材料の引き続く精製、例えば高価でかつ複雑な抽出を必要としない。さらに、プレポリマーの架橋は溶媒の非存在下または水溶液中で行われ得るものであり、これにより引き続く溶媒交換工程または水和工程は必要でなくなる。
別の局面では、本発明はソフトコンタクトレンズを提供する。本発明のソフトコンタクトレンズは、型中のレンズ形成材料を硬化することで得られるシリコーンヒドロゲル材料を含み、レンズ形成材料は化学線架橋性または化学線重合性プレポリマーを含み、プレポリマーは(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;および(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、ソフトコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、かつ、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む。
本発明によれば、レンズ形成材料は、約20℃〜約85℃の温度で溶液または溶融物であり得る組成物である。レンズ形成材料は、本発明の少なくとも1種のプレポリマーおよび他の望ましい成分の、水もしくは有機溶媒、または水と1種以上の有機溶媒との混合物中の溶液であることが好ましい。
少なくとも1種のプレポリマーの溶液は、当業者に公知である任意の適切な溶媒にプレポリマーおよび他の成分を溶解させることで調製できる。好適な溶媒の例は上記の通りである。
本発明のプレポリマーの上記の各種態様はいずれも本発明のこの局面で使用できる。
レンズ形成材料は、1種以上のビニルモノマーおよび/または1種以上の架橋剤(すなわち、2個以上のエチレン性不飽和基および700ダルトン未満の分子量を有する化合物)を場合によって含むことができるが、それを含まないことが好ましい。しかしながら、最終的な眼科装置が許容できないレベルの未重合モノマーおよび/または架橋剤を含まないようにするには、これらの成分の量を少なくすべきである。許容できないレベルの未重合モノマーおよび/または架橋剤の存在のために、それらを除去するための抽出が必要になり、これにより高価かつ非効率な追加の工程が必要になる。しかし、レンズ形成材料は、ビニルモノマーおよび架橋剤を実質的に含まない(すなわち、好ましくは約2重量%以下、より好ましくは約1重量%以下、さらに好ましくは約0.5重量%以下のビニルモノマーと架橋剤との組み合わせ)ことが好ましい。
レンズ形成材料が、当業者に公知の各種成分、例えば重合開始剤(例えば光開始剤または熱開始剤)、視界着色剤(例えば染料、顔料、またはその混合物)、紫外線遮断(吸収)剤、光増感剤、阻害剤、抗菌剤(例えば好ましくは銀ナノ粒子または安定化銀ナノ粒子)、生理活性物質、浸出性潤滑剤、充填剤なども含み得ることを理解すべきである。
重合の技術分野での使用に関して周知である材料から例えば選択される開始剤を、重合反応の促進および/または速度増加のためにレンズ形成材料に包含させることができる。開始剤は、重合反応を開始可能な化学薬剤である。開始剤は光開始剤または熱開始剤であり得る。
光開始剤は、光の使用によりラジカル重合および/または架橋を開始できる。好適な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ならびにDarocur型およびIrgacur型、好ましくはDarocur 1173(登録商標)およびDarocur 2959(登録商標)である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;およびビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドを含む。例えばマクロマーに組み入れ可能であるか、または特殊なモノマーとして使用できる、反応性光開始剤も適切である。反応性光開始剤の例は、全体として参照により本明細書に組み入れられる欧州特許出願第632329号に開示のものである。次に、化学線、例えば光、特に、好適な波長の紫外線により重合を開始させることができる。適切な場合、好適な光増感剤を加えることでスペクトル要件を相応に制御できる。
好適な熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などを含むが、それだけに限定されない。好ましくは、熱開始剤はアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。
好ましい顔料の例は、医療用装置において許容され、FDAにより承認された任意の着色剤、例えばD&CブルーNo.6、D&CグリーンNo.6、D&CバイオレットNo.2、カルバゾールバイオレット、ある種の銅錯体、ある種の酸化クロム、各種の酸化鉄、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、二酸化チタンなどを含む。本発明で使用可能な着色剤のリストについてはMarmiom DM Handbook of U.S. Colorantsを参照。顔料のより好ましい態様は(C.I.はカラーインデックスNo.である)、青色ではフタロシアニンブルー(ピグメントブルー15:3、C.I.74160)、コバルトブルー(ピグメントブルー36、C.I.77343)、Toner cyan BG(Clariant)、Permajet blue B2G(Clariant);緑色ではフタロシアニングリーン(ピグメントグリーン7、C.I.74260)および三二酸化クロム;黄色、赤色、褐色、および黒色では各種の酸化鉄;PR122、PY154、紫色ではカルバゾールバイオレット;黒色ではMonolith black C-K(CIBA Specialty Chemicals)を含むが、それだけに限定されない。
ポリマーマトリックスに組み入れられる生理活性物質は、眼の疾患を予防するかまたは眼の疾患の症状を減少させることができる任意の化合物である。生理活性物質は、薬物、アミノ酸(例えばタウリン、グリシンなど)、ポリペプチド、タンパク質、核酸、またはその任意の組み合わせであり得る。本明細書において有用な薬物の例は、レバミピド、ケトチフェン、オラプチジン(olaptidine)、クロモグリコレート(cromoglycolate)、シクロスポリン、ネドクロミル、レボカバスチン、ロドキサミド、ケトチフェン、またはその薬学的に許容できる塩もしくはエステルを含むが、それだけに限定されない。生理活性物質の他の例は、2−ピロリドン−5−カルボン酸(PCA)、α−ヒドロキシル酸(例えばグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、およびクエン酸、ならびにその塩など)、リノール酸およびγ−リノール酸、ならびにビタミン(例えばB5、A、B6など)を含む。
浸出性潤滑剤の例は、ムチン様材料、および非架橋性親水性ポリマー(すなわちエチレン性不飽和基を有さない)を含むが、それだけに限定されない。例示的なムチン様材料は、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、およびゼラチンを含むが、それだけに限定されない。
いかなるエチレン性不飽和基も有さない任意の親水性ポリマーまたはコポリマーを浸出性潤滑剤として使用できる。非架橋性親水性ポリマーの好ましい例は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ビニルラクタムのホモポリマー、1種以上のビニルモノマーの存在下または非存在下での少なくとも1種のビニルラクタムのコポリマー、アクリルアミドまたはメタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミドまたはメタクリルアミドと1種以上の親水性ビニルモノマーとのコポリマー、ポリエチレンオキシド(すなわちポリエチレングリコール(PEG))、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ2エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖、多糖、およびその混合物を含むが、それだけに限定されない。
非架橋性親水性ポリマーの分子量は、好ましくは約20,000〜約1,500,000ダルトン、より好ましくは約50,000〜1,200,000ダルトン、さらに好ましくは100,000〜1,000,000ダルトンである。
本発明によれば、型が形成する空洞にレンズ形成材料を任意の公知の方法に従って導入(分配)することができる。
コンタクトレンズを作製するためのレンズ型は当業者に周知であり、例えばキャスト成形またはスピンキャスティングにおいて使用される。例えば、型(キャスト成形用)は少なくとも2つの型区分(もしくは部分)または型半、すなわち第1および第2の型半を一般に含む。第1の型半は第1の成形(または光学)面を規定し、第2の型半は第2の成形(または光学)面を規定する。第1および第2の型半は、第1の成形面と第2の成形面との間にレンズ形成空洞が形成されるようにお互いを受け止めるよう構成されている。型半の成形面は型の空洞形成面となり、レンズ形成材料と直接接触する。
一般に、コンタクトレンズをキャスト成形するための型区分を製造する方法は当業者に周知である。本発明のプロセスは、型を形成する任意の特定の方法に限定されない。事実、型を形成する任意の方法を本発明で使用することができる。第1および第2の型半は、射出成形または旋盤加工などの各種技術を通じて形成できる。型半を形成するための適切なプロセスの例は、やはり参照により本明細書に組み入れられる、Schadに対する米国特許第4,444,711号;Boehmらに対する米国特許第4,460,534号;Morrillに対する米国特許第5,843,346号;およびBonebergerらに対する米国特許第5,894,002号に開示されている。
型の作製用として当技術分野で公知の実質的にすべての材料を使用することで、眼用レンズの調製用の型を作製することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、環状オレフィンコポリマー(例えばドイツ・フランクフルトおよびニュージャージー州SummitのTicona GmbHによるTopas(登録商標)COC;ケンタッキー州LouisvilleのZeon Chemicals LPによるZeonex(登録商標)およびZeonor(登録商標))などのポリマー材料を使用することができる。紫外線透過を可能にする他の材料、例えば石英、ガラス、CaF、およびサファイアが使用可能なことがある。
好ましい一態様では、レンズ形成材料の重合性成分がプレポリマーから本質的に成る場合、再利用可能な型を使用できる。石英またはガラスから作製される再利用可能な型の例は、全体として参照により組み入れられる米国特許第6,627,124号に開示のものである。この局面では、2つの型半からなる型にレンズ形成材料を注入する。2つの型半は互いに接触していないが、環状設計の薄い間隙がそれらの間に配置されている。間隙は型空洞に接続され、それにより過剰量のレンズ形成材料が間隙に流入可能になっている。1回しか使用できないポリプロピレン型の代わりに、再利用可能な石英、ガラス、サファイア型を使用可能である。これは、レンズの製造後に、これらの型を水または適切な溶媒で迅速かつ有効に洗浄することで未反応材料および他の残渣を除去することができ、その型を風乾させることができるためである。再利用可能な型は、環状オレフィンコポリマー、例えばドイツ・フランクフルトおよびニュージャージー州SummitのTicona GmbHによるTopas(登録商標)COCグレード8007-S10(エチレンとノルボルネンとの透明非晶質コポリマー)、ケンタッキー州LouisvilleのZeon Chemicals LPによるZeonex(登録商標)およびZeonor(登録商標)で作製することもできる。型半の再利用可能性を理由として、非常に高い精度および再現性を有する型を得るためにそれらを製造する時は比較的高い出費がなされることがある。製造されるレンズの領域、すなわち空洞または実際の型面では型半は互いに接触しないため、接触の結果としての損傷は排除される。これにより型の長い耐用寿命が確保され、それによって、製造されるコンタクトレンズの高い再現性、およびレンズ設計に対する高い忠実性も特に確保される。
レンズ形成材料を型に分配後、それを重合することでコンタクトレンズを製造する。例えば紫外線照射などの化学線、電離放射線(例えばγ線またはX線照射)を用いて、架橋を型中で開始することができる。本発明のプレポリマーがレンズ形成材料の重合性成分である場合、レンズ形成材料を含む型を空間的に制限された化学線に露出することでプレポリマーを架橋することができる。
本発明に係る架橋は、非常に短い時間、例えば60分以内、有利には20分以内、好ましくは10分以内、最も好ましくは5分以内、特に好ましくは1〜60秒、最も特殊には1〜30秒で行うことができる。
本発明に係るコンタクトレンズは、本発明の1種以上の放射線硬化性プレポリマーから、先行技術に比べて非常に単純かつ効率的な手段で製造可能である。これは多くの要因に基づいている。他方で、出発原料を安価に取得または製造することができる。第二に、プレポリマーが驚くべきことに安定しているという利点が存在し、そのため、プレポリマーは高度の精製を経ることが可能である。引き続く精製、例えば特に、レンズ硬化後の未重合構成要素の複雑な抽出の実際的な必要性は存在しない。さらに、この新規重合方法を使用することで、望ましい機械特性および物理特性を有するコンタクトレンズを製造することができる。最後に、光重合を短時間で行い、それにより、この観点からでも非常に経済的な手段で、本発明に係るコンタクトレンズの製造方法を設定することができる。
型から成形品を取り外しできるような型の開口は、それ自体公知の様式で行われ得る。
成形コンタクトレンズを本発明に係る既に精製されたプレポリマーから無溶媒で製造する場合、成型レンズを取り外した後には、抽出などの精製工程を後で行うことは通常は必要ではない。これは、使用されるプレポリマーが低分子量のいかなる望ましくない構成要素も含まず、結果として、架橋生成物もそのような構成要素を実質的に含まず、引き続く抽出を省略できるためである。したがって、コンタクトレンズを、水和により通常の手段で、直ちに使用できるコンタクトレンズに直接変形させることができる。水和の適切な態様は当業者に公知であり、それにより、含水率が非常に異なる直ちに使用できるコンタクトレンズを得ることができる。コンタクトレンズは、例えば水中、塩水溶液、特に1000ml中約200〜450ミリオスモル(単位:mOsm/ml)、好ましくは約250〜350mOsm/l、特に300mOsm/lのオスモル濃度を有する塩水溶液中、または水もしくは塩水溶液と生理学的に相溶性の極性有機溶媒、例えばグリセリンとの混合物中で膨張させる。水中または塩水溶液中で物品を膨張させることが好ましい。
本発明に係る既に精製されたプレポリマーの水溶液から成形コンタクトレンズを製造する場合、架橋生成物はまた、いかなる厄介な不純物も含まない。したがって引き続く抽出を行う必要はない。架橋を本質的に水性の溶液中で行うため、引き続く水和を行うこともまた必要ではない。したがって、有利な態様によれば、この方法で得られるコンタクトレンズは、抽出なしのその意図される用途に適切であるという事実において注目に値する。意図される用途とは、この文脈ではコンタクトレンズがヒトの眼に使用できることであると理解される。
同様に、本発明に係る既に精製されたプレポリマーの溶媒溶液から成形コンタクトレンズを製造する場合、引き続く抽出を行う必要はないが、溶媒を交換するための水和プロセスを行う必要がある。
成形コンタクトレンズをさらなるプロセス、例えば表面処理、滅菌などにさらに供することができる。
本発明のコンタクトレンズは、好ましくは少なくとも約40barrer、より好ましくは少なくとも約60barrer、さらに好ましくは少なくとも約80barrerの酸素透過率を有する。本発明によれば、酸素透過率は、実施例に記載の手順に従った見掛けの(約100ミクロンの厚さを有するサンプルを試験する際に直接測定される)酸素透過率である。
本発明のコンタクトレンズは、約2.0MPa以下、好ましくは約1.5MPa以下、より好ましくは約1.2MPa以下、さらに好ましくは約0.4MPa〜約1.0MPaの弾性率を有する。
本発明のコンタクトレンズは、好ましくは少なくとも約1.5×10−6mm/分、より好ましくは少なくとも約2.6×10−6mm/分、さらに好ましくは少なくとも約6.4×10−6mm/分のイオノフラックス拡散係数Dをさらに有する。
本発明のコンタクトレンズは、完全に水和した場合に好ましくは約15重量%〜約55重量%、より好ましくは約20重量%〜約38重量%の含水率をさらに有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの含水率は米国特許第5,849,811号で開示のバルク技術に従って測定できる。
本発明のコンタクトレンズは、約90度以下、好ましくは約80度以下、より好ましくは約70度以下、さらに好ましくは約60度以下の平均水接触角を有することを特徴とする表面親水性を有する。
さらなる局面では、本発明は、ソフトコンタクトレンズを製造するための方法を提供する。本方法は、下記の工程:ソフトコンタクトレンズを作製するための型を設ける工程であって、型が、コンタクトレンズの前面を規定する第1の成形面を有する第1の型半、およびコンタクトレンズの後面を規定する第2の成形面を有する第2の型半を有し、該第1の型半および該第2の型半が、該第1の成形面と該第2の成形面との間に空洞が形成されるように互いを受け止めるように構成されている工程;空洞にレンズ形成材料を導入する工程であって、レンズ形成材料が、1種以上の化学線架橋性プレポリマーを含み、ビニルモノマーおよび/または架橋剤を実質的に含まないものであり、該1種以上のプレポリマーがそれぞれ(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、ソフトコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む工程;ならびに型中の組成物に化学線照射することで該1種以上の架橋性プレポリマーを架橋し、それによりコンタクトレンズを形成する工程を含む。
本発明のプレポリマーおよびコンタクトレンズの上記の各種態様はいずれも本発明のこの局面で使用できる。
これまでの開示により、当業者が本発明を実行することが可能になると考えられる。具体的な態様およびその利点に対する読者のよりよい理解を可能にするために、下記の非限定的な実施例に対する参照を提案する。しかしながら、下記の実施例を本発明の範囲を限定するものと判断すべきではない。
実施例1
表面親水性(湿潤性)試験
コンタクトレンズ上の水接触角は、コンタクトレンズの表面親水性(湿潤性)の一般的尺度である。特に、小さい水接触角はより親水性の高い表面に対応している。コンタクトレンズの平均接触角(前進角)はウィルヘルミープレート法を用いて測定する。
コーティング無傷性試験
コンタクトレンズの表面上のコーティングの無傷性は、下記のようにスダンブラック染色試験に従って試験可能である。コーティング(例えばLbLコーティング、プラズマコーティング、または任意の他のコーティング)を有するコンタクトレンズをスダンブラック染料溶液(ビタミンEオイル中スダンブラック)に浸す。スダンブラック染料は、疎水性であり、疎水性材料によって吸着されるか、または疎水性レンズ(例えばシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ)の疎水性レンズ表面、もしくは部分コーティングされた表面上の疎水性箇所の上に吸着される傾向が大きい。疎水性レンズ上のコーティングが無傷である場合、レンズ上またはレンズ中に染色箇所は観察されないはずである。試験下のすべてのレンズは完全に水和している。
コーティング耐久性試験
レンズを、Aquify(登録商標)多目的レンズケア溶液で30回デジタル摩擦し、次にSoftwear(登録商標)生理食塩水でリンスする。次にデジタル摩擦したレンズをSoftwear(登録商標)生理食塩水中に30分間浸漬させる。上記手順を所与の回数、例えば1〜30回(すなわち、洗浄および浸漬サイクルを模倣する連続したデジタル摩擦試験の数)繰り返す。次にレンズをスダンブラック試験(すなわち上記のコーティング無傷性試験)に供することで、コーティングが依然として無傷であるか否かを測定する。デジタル摩擦試験に合格する場合、染色箇所は著しく増加していない(例えば全レンズ表面の約5%を超えて被覆しない染色箇所)。
酸素透過率測定
レンズの酸素透過率およびレンズ材料の酸素伝達率を、いずれも全体として参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,760,100号およびWintertonらの論文(The Cornea: Transactions of the World Congress on the Cornea 111, H.D. Cavanagh Ed., Raven Press: New York 1988, pp273-280)に記載の技術と同様の技術に従って決定する。酸素フラックス(J)の測定を、Dk1000機器(ジョージア州NorcrossのApplied Design and Development Co.から入手可能)または同様の分析機器を用いて、ウェットセル中34℃(すなわちガス流を約100%相対湿度に維持する)で行う。公知の酸素割合(例えば21%)を有する気流が約10〜20cm/分の速度でレンズの一方の側を通過するようにし、一方、窒素流が約10〜20cm/分の速度でレンズの反対側を通過するようにする。サンプルを試験媒体(すなわち生理食塩水または蒸留水)中、所定の試験温度で、測定前の少なくとも30分間、ただし45分以下の間平衡化する。上層として使用する任意の試験媒体を、所定の試験温度で、測定前の少なくとも30分間、ただし45分以下の間平衡化する。撹拌モータの速度を、ステッパモータコントローラ上での指示設定400±15に対応して1200±50rpmに設定する。系を取り囲む気圧Pmeasuredを測定する。試験用に露出されている区域におけるレンズの厚さ(t)を、MitotoyaマイクロメータVL-50または同様の機器で約10地点を測定し、測定値を平均することで決定する。窒素流中の酸素濃度(すなわちレンズを通じて拡散する酸素)をDK1000機器で測定する。レンズ材料の見掛けの酸素透過率Dkappを下記式から決定する:
Dkapp=Jt/(Poxygen
(式中、J=酸素フラックス[マイクロリットルO/cm−分]
oxygen=(Pmeasured−Pwater 蒸気)=(気流中O%)[mmHg]=気流中の酸素の分圧
measured=気圧(mmHg)
water 蒸気=34℃で0mmHg(ドライセル中)(mmHg)
water 蒸気=34℃で40mmHg(ウェットセル中)(mmHg)
t=露出した試験区域におけるレンズの平均厚さ(mm))
(式中、Dkappはbarrer単位で表される)。材料の酸素伝達率(Dk/t)は、酸素透過率(Dkapp)をレンズの平均厚さ(t)で割ることで計算可能である。
イオン透過率測定
レンズのイオン透過率は、米国特許第5,760,100号(全体として参照により本明細書に組み入れられる)に記載の手順に従って測定する。下記の例で報告されるイオン透過率の値は、参照材料としてのレンズ材料Alsaconに対する相対イオノフラックス拡散係数(D/Dref)である。Alsaconは0.314×10−3mm/分のイオノフラックス拡散係数を有する。
実施例2A
中間コポリマー(YS−3203−028−1)の合成
メカニカルスターラー、冷却器、真空/N接続、サーモスタットを備えた2L加熱/冷却ジャケット反応器に、ビスアクリルアミド−ポリジメチルシロキサン(Mw約11,500)60.0gと1−プロパノール241.6グラムとの混合物を加える。溶液を8℃に冷却し、3サイクルの真空排気で15分間、15mbarまで脱気し、Nで洗う。反応の終わりまで系を窒素環境下に制御する。N,N,−ジメチルアクリルアミド25.83g、PEG−アクリレート(MM=454)11.07g、システアミン塩酸塩1.05g、および1−プロパノール140gを含むモノマー溶液を、脱気装置に接続したLCポンプにより反応器にゆっくりと加える。モノマー溶液の添加速度を約3.0mL/分に制御する。すべてのモノマー溶液を加えた後、混合物を1時間にわたって8℃から68℃までゆっくりと加熱する。反応温度が68℃に到達した時点で、AIBN 0.1gおよび1−プロパノール40.0gから成る開始剤溶液(3サイクルの真空排気で5分間、80mbarまで脱気し、Nで洗う)を反応混合物に注入する。システアミン塩酸塩1.95gおよび1−プロパノール198.4gを含む供給溶液を、脱気装置に接続したLCポンプを通じて2時間にわたって反応混合物中に加える。この供給溶液の添加速度を約2.25mL/分に制御する。すべての供給溶液を加えた後、さらに6時間、68℃で重合を行う。
反応混合物を室温に冷却後、混合物が水性乳濁液になるまで、ロータバップ上で、反応溶媒である1−プロパノールを、脱イオン水で徐々に置き換える。膜を用いる限外濾過で乳濁液を精製し、10KD分子量が減少する。中間コポリマーの収率は70%である。
実施例2B
プレポリマーの合成
実施例2Aからの精製乳濁溶液を約2Lに希釈し、メカニカルスターラーおよび温度計を備えた2L加熱/冷却ジャケット反応器に加える。緩衝塩のNaHCO 4.0gを加え、次に混合物を0℃に冷却する。溶液pHを20%NaOH(水性)で9.5に調製し、次に塩化アクリロイル5.8mLの2時間にわたる添加を開始し、その後撹拌をさらに1時間行う。アクリル化中、溶液pHを、静的pH制御装置により、20%NaOH(水性)で9.5に制御する。反応完了後、溶液pHを2N HCl(水性)で7.0に調整し、次に膜を用いる限外濾過で精製し、10KD分子量が減少する。精製乳濁液を凍結乾燥して、白色固体を得る。
実施例2C
調合およびレンズ加工
実施例2Bから得られるプレポリマーを溶媒である1−プロパノールに溶解させる。溶液を0.45μmフィルターを通じて加圧濾過し、続いて第1段階の濃縮を行い固形分を約30%にする。正確な固形分を確認後、0.25重量パーセントのDarocur(登録商標)2959(マクロモノマー含有量に対する)を加え、続いて固形分の最終割合が60%になるまでさらに濃縮する。調合物の粘度および硬化時間をフォトレオロジーで測定する。
調合物を5000rpmで10分間遠心分離して気泡を除去する。
調合物をポリプロピレン型に注型し、強度2.05mW/cm、310nmの紫外線により、フォトレオロジーの測定により得られる全等価エネルギーを与える硬化時間で硬化させる。
実施例3A
中間コポリマー(YS−3203−028−2)の合成
1)モノマー溶液がN,N,−ジメチルアクリルアミド26.215g、PEG−アクリレート(MM=454)11.24g、システアミン塩酸塩0.84gから成り、2)開始剤溶液がAIBN 0.15gおよび1−プロパノール40.0gから成り、3)供給溶液がシステアミン塩酸塩1.56gおよび1−プロパノール198.4gから成ることを除けば実施例2Aと同様にして、中間コポリマーを調製する。コポリマーの収率は60%である。
実施例3B
プレポリマーの合成
塩化アクリロイル4.7mLを使用することを除けば実施例2Bに記載の手順に従って、実施例3Aで調製した中間コポリマーのアクリル化を行う。乳濁溶液を精製および凍結乾燥した後、最終生成物は白色固体となる。
実施例3C
調合およびレンズ加工
実施例3Bにより得られるプレポリマーを調合し、次に実施例2Cに記載の手順に従ってレンズを製造する。
実施例4
実施例2Cおよび3Cで調製したレンズをPAA(ポリアクリル酸)溶液に浸す。PAA溶液で処理した後のすべてのレンズは、透明であり、所望の機械特性、イオン透過率、および酸素透過率を示す(表1のレンズ特性を参照。イオン透過率および酸素透過率の決定に好適な方法は実施例1に記載されている)。
Figure 2010522266

Claims (26)

  1. 化学線架橋性プレポリマーであって、プレポリマーのコポリマー鎖に、
    (1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;
    (2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;
    (3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する成分(2)以外の1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、プレポリマーから得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、かつ、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含み、
    プレポリマーを1種以上のモノマーの非存在下で化学線架橋することでシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成することが可能である、化学線架橋性プレポリマー。
  2. プレポリマーがエン含有基、エチレン性不飽和基、およびチオール基からなる群から選択される複数の化学線架橋性基を含み、エン含有基が式(I)〜(III):
    Figure 2010522266

    [式中、Rは水素またはC〜C10アルキルであり;RおよびRは、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19(式中、R18はC〜C10二価アルケン基であり、Xはエーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−N)、尿素結合、エステル結合、アミド結合、またはカルボニルであり、R19は水素、単結合、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C〜C12アミノアルキル基、C〜C18アルキルアミノアルキル基、C〜C18カルボキシアルキル基、C〜C18ヒドロキシアルキル基、C〜C18アルキルアルコキシ基、C〜C12アミノアルコキシ基、C〜C18アルキルアミノアルコキシ基、C〜C18カルボキシアルコキシ基、またはC〜C18ヒドロキシアルコキシ基であり、aおよびbは互いに独立して0または1である)であり、但し、RおよびRのうち1個のみが二価の基であり;R〜Rは、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19であり、場合によっては、RとRとは二価アルケン基を介して結合して環を形成し、但し、R〜Rのうち少なくとも1個は二価の基であり;nおよびmは互いに独立して0〜9の整数であり、但し、nとmとの合計は2〜9の整数であり;R10〜R17は、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19であり、pは1〜3の整数であり、但し、R10〜R17のうち1個または2個のみが二価の基である]のうちいずれか1つにより定義される、請求項1記載のプレポリマー。
  3. プレポリマーが約15重量%〜約80重量%の1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;約10%〜約80%の1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに約2%〜約30%の1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導されるダングリング親水性ポリマー鎖を含み、1種以上の予め形成された親水性ポリマーが約500ダルトン〜約20000ダルトンの分子量を有する、請求項2記載のプレポリマー。
  4. プレポリマーが、ペンダント官能基または末端官能基およびダングリング親水性ポリマー鎖を有する中間コポリマーから、ペンダント官能基または末端官能基を介して中間コポリマーに化学線架橋性基を共有結合させることで得られるものであり、ペンダント官能基または末端官能基がヒドロキシ基、アミノ基(−NH)、カルボキシル基(−COOH)、エポキシ基、アルデヒド基(−CHO)、アミド基(−CONH)、酸ハライド基(−COX、X=Cl、Br、またはI)、イソチオシアナト基、イソシアナト基、ハロゲン化物基(−X、X=Cl、Br、またはI)、酸無水物基、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項2記載のプレポリマー。
  5. 中間コポリマーが(a)2個の第1または第2の末端官能基を有する少なくとも1種の線状シロキサン含有化合物、(b)2個の第1または第2の末端官能基を有する少なくとも1種の線状親水性モノマーまたはポリマー、(c)1個のみの第1または第2の官能基を有する少なくとも1種の親水性ポリマー、および(d)互いに独立して、3個以上の第1または第2の官能基を有する有機化合物である1種以上の分岐剤を含む混合物の共重合により得られるものであり、第1および第2の官能基が互いに異なり、アミン基、ヒドロキシル、カルボキシ、イソシアナト、エポキシ、および酸ハライド基からなる群から選択されるものであり、第1および第2の官能基が互いに異なるが、カップリング剤の存在下または非存在下で互いに共反応することでウレタン、尿素、エーテル、およびアミドからなる群から選択される共有結合を形成可能であり、混合物中の第1の官能基対第2の官能基または第2の官能基対第1の官能基のモル当量比が約1.1〜約20である、請求項4記載のプレポリマー。
  6. 少なくとも1種の線状シロキサン含有化合物がポリ(ジアルキルシロキサン)、ポリ(ジアリールシロキサン)、ポリアリールアルキルシロキサン、異なるジアルキルシロキサンのコポリマー、ジアルキルシロキサンとジアリールシロキサンまたはアリールアルキルシロキサンとのコポリマー、およびその組み合わせからなる群から選択される二官能基末端ポリシロキサンである、請求項5記載のプレポリマー。
  7. 2個の第1または第2の末端官能基を有する少なくとも1種の線状親水性モノマーまたはポリマーが二官能基末端ポリ(エチレングリコール)(PEG)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの二官能基末端ブロックコポリマー、二官能基末端ポリマーポリアルキルアクリルアミド、二官能基末端ポリアルキルメタクリルアミド、二官能基末端ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと1種以上のビニルモノマーとの二官能基末端コポリマー、ジアミン末端またはジカルボキシル末端ポリビニルアルコール、あるいは酢酸ビニルと1種以上のビニルモノマーとのジアミン末端またはジカルボキシル末端コポリマーである、請求項5記載のプレポリマー。
  8. 1個のみの第1または第2の官能基を有する少なくとも1種の親水性ポリマーが一官能基末端ポリ(エチレングリコール)(PEG)、一官能基末端PEG/PPGブロックコポリマー、一官能基末端ポリアルキルアクリルアミド、一官能基末端ポリアルキルメタクリルアミド、一官能基末端ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと1種以上のビニルモノマーとの一官能基末端コポリマー、モノアミン末端またはモノカルボキシル末端ポリビニルアルコール、および酢酸ビニルと1種以上のビニルモノマーとのモノアミン末端またはモノカルボキシル末端コポリマーである、請求項5記載のプレポリマー。
  9. 1個のみの第1または第2の官能基を有する少なくとも1種の親水性ポリマーが約1000〜約10,000ダルトンの分子量を有する、請求項8記載のプレポリマー。
  10. 中間コポリマーが化学線重合性組成物AまたはBの共重合により得られるものであり、
    組成物Aが成分:(1)少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマー、(2)少なくとも1種の親水性ビニルモノマー、(3)1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、またはその2種以上の組み合わせ、(4)場合によって、少なくとも1種のジエチレン性もしくは多エチレン性官能化親水性ポリマー、および/または700ダルトン未満の分子量を有する少なくとも1種の親水性架橋剤;ならびに(5)場合によって、少なくとも1種の疎水性ビニルモノマーを含み、但し、成分(2)〜(4)のうち少なくとも1つが、得られた中間コポリマーに化学線架橋性基がそれを通じて共有結合可能な少なくとも1個の官能基をさらに含み;
    組成物Bが成分:(1)少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマー、(2)少なくとも1種の親水性ビニルモノマー、(3)1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、またはその2種以上の組み合わせ、(4)場合によって、少なくとも1種のジエチレン性もしくは多エチレン性官能化親水性ポリマー、および/または700ダルトン未満の分子量を有する少なくとも1種の親水性架橋剤;(5)場合によって、少なくとも1種の疎水性ビニルモノマー、ならびに(6)得られた中間コポリマーに化学線架橋性基がそれを通じて共有結合可能な官能基を有する少なくとも1種の連鎖移動剤を含む、請求項4記載のプレポリマー。
  11. 成分A1および成分B1が少なくとも1種のジエチレン性官能化親水性ポリマーおよび/または少なくとも1種の多エチレン性官能化親水性ポリマーを含む、請求項10記載のプレポリマー。
  12. 少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマーがPEG;PEG/PPGブロックコポリマー;ポリアルキルアクリルアミド;ポリアルキルメタクリルアミド;ポリビニルピロリドン;N−ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとのコポリマー;ポリビニルアルコール;酢酸ビニルとジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとのコポリマーからなる群から選択される、請求項10記載のプレポリマー。
  13. 少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマーが約1000〜約10,000ダルトンの分子量を有する、請求項10記載のプレポリマー。
  14. 成分A1および成分B1が少なくとも1種のジエチレン性官能化親水性ポリマーおよび/または少なくとも1種の多エチレン性官能化親水性ポリマーをさらに含む、請求項13記載のプレポリマー。
  15. 型中のレンズ形成材料を硬化することで得られるシリコーンヒドロゲル材料を含むソフトコンタクトレンズであって、レンズ形成材料が化学線架橋性または化学線重合性プレポリマーを含み、プレポリマーが(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;および(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、ソフトコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む、ソフトコンタクトレンズ。
  16. レンズ形成材料がビニルモノマーおよび架橋剤を実質的に含まない、請求項15記載のソフトコンタクトレンズ。
  17. ソフトコンタクトレンズが80度以下の平均水接触角、ならびに約2.0MPa以下の弾性率、少なくとも約40barrerの酸素透過率、1.5×10−6mm/分のイオノフラックス拡散係数D、完全に水和した場合の約15%〜約55%の含水率、およびその組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの特性を有する、請求項15記載のソフトコンタクトレンズ。
  18. プレポリマーがエン含有基、エチレン性不飽和基、およびチオール基からなる群から選択される複数の化学線架橋性基を含み、エン含有基が式(I)〜(III):
    Figure 2010522266

    [式中、Rは水素またはC〜C10アルキルであり;RおよびRは、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19(式中、R18はC〜C10二価アルケン基であり、Xはエーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−N)、尿素結合、エステル結合、アミド結合、またはカルボニルであり、R19は水素、単結合、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C〜C12アミノアルキル基、C〜C18アルキルアミノアルキル基、C〜C18カルボキシアルキル基、C〜C18ヒドロキシアルキル基、C〜C18アルキルアルコキシ基、C〜C12アミノアルコキシ基、C〜C18アルキルアミノアルコキシ基、C〜C18カルボキシアルコキシ基、またはC〜C18ヒドロキシアルコキシ基であり、aおよびbは互いに独立して0または1である)であり、但し、RおよびRのうち1個のみが二価の基であり;R〜Rは、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19であり、場合によっては、RとRとは二価アルケン基を介して結合して環を形成し、但し、R〜Rのうち少なくとも1個は二価の基であり;nおよびmは互いに独立して0〜9の整数であり、但し、nとmとの合計は2〜9の整数であり;R10〜R17は、互いに独立して水素、C〜C10二価アルケン基、C〜C10アルキル、または−(R18−(X−R19であり、pは1〜3の整数であり、但し、R10〜R17のうち1個または2個のみが二価の基である]のうちいずれか1つにより定義される、請求項15記載のソフトコンタクトレンズ。
  19. プレポリマーが約15重量%〜約80重量%の1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;約10%〜約80%の1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに約2%〜約30%の1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導されるダングリング親水性ポリマー鎖を含む、請求項18記載のソフトコンタクトレンズ。
  20. プレポリマーが、ペンダント官能基または末端官能基およびダングリング親水性ポリマー鎖を有する中間コポリマーから、ペンダント官能基または末端官能基を介して中間コポリマーに化学線架橋性基を共有結合させることで得られるものであり、ペンダント官能基または末端官能基がヒドロキシ基、アミノ基(−NH)、カルボキシル基(−COOH)、エポキシ基、アルデヒド基(−CHO)、アミド基(−CONH)、酸ハライド基(−COX、X=Cl、Br、またはI)、イソチオシアナト基、イソシアナト基、ハロゲン化物基(−X、X=Cl、Br、またはI)、酸無水物基、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項18記載のソフトコンタクトレンズ。
  21. 中間コポリマーが(a)2個の第1または第2の末端官能基を有する少なくとも1種の線状シロキサン含有化合物、(b)2個の第1または第2の末端官能基を有する少なくとも1種の線状親水性モノマーまたはポリマー、(c)1個のみの第1または第2の官能基を有する少なくとも1種の親水性ポリマー、および(d)互いに独立して、3個以上の第1または第2の官能基を有する有機化合物である1種以上の分岐剤を含む混合物の共重合により得られるものであり、第1および第2の官能基が互いに異なり、アミン基、ヒドロキシル、カルボキシ、イソシアナト、エポキシ、および酸ハライド基からなる群から選択されるものであり、第1および第2の官能基が互いに異なるが、カップリング剤の存在下または非存在下で互いに共反応することでウレタン、尿素、エーテル、およびアミドからなる群から選択される共有結合を形成可能であり、混合物中の第1の官能基対第2の官能基または第2の官能基対第1の官能基のモル当量比が約1.1〜約20である、請求項20記載のソフトコンタクトレンズ。
  22. 中間コポリマーが化学線重合性組成物AまたはBの共重合により得られるものであり、
    組成物Aが成分:(1)少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマー、(2)少なくとも1種の親水性ビニルモノマー、(3)1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、またはその2種以上の組み合わせ、(4)場合によって、少なくとも1種のジエチレン性もしくは多エチレン性官能化親水性ポリマー、および/または700ダルトン未満の分子量を有する少なくとも1種の親水性架橋剤;ならびに(5)場合によって、少なくとも1種の疎水性ビニルモノマーを含み、但し、成分(2)〜(4)のうち少なくとも1つが、得られた中間コポリマーに化学線架橋性基がそれを介して共有結合可能な少なくとも1個の官能基をさらに含み;
    組成物Bが成分:(1)少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマー、(2)少なくとも1種の親水性ビニルモノマー、(3)1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、1個のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、2個以上のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、またはその2種以上の組み合わせ、(4)場合によって、少なくとも1種のジエチレン性もしくは多エチレン性官能化親水性ポリマー、および/または700ダルトン未満の分子量を有する少なくとも1種の親水性架橋剤;(5)場合によって、少なくとも1種の疎水性ビニルモノマー、ならびに(6)得られた中間コポリマーに化学線架橋性基がそれを介して共有結合可能な官能基を有する少なくとも1種の連鎖移動剤を含む、請求項20記載のソフトコンタクトレンズ。
  23. 成分A1および成分B1が少なくとも1種のジエチレン性官能化親水性ポリマーおよび/または少なくとも1種の多エチレン性官能化親水性ポリマーを含む、請求項22記載のソフトコンタクトレンズ。
  24. 少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマーがPEG;PEG/PPGブロックコポリマー;ポリアルキルアクリルアミド;ポリアルキルメタクリルアミド;ポリビニルピロリドン;N−ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとのコポリマー;ポリビニルアルコール;酢酸ビニルとジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとのコポリマーからなる群から選択される、請求項22記載のソフトコンタクトレンズ。
  25. 少なくとも1種のモノエチレン性官能化親水性ポリマーが約1000〜約10,000ダルトンの分子量を有する、請求項23記載のソフトコンタクトレンズ。
  26. ソフトコンタクトレンズを製造するための方法であって、下記の工程:ソフトコンタクトレンズを作製するための型を設ける工程であって、型が、コンタクトレンズの前面を規定する第1の成形面を有する第1の型半、およびコンタクトレンズの後面を規定する第2の成形面を有する第2の型半を有し、該第1の型半および該第2の型半が、該第1の成形面と該第2の成形面との間に空洞が形成されるように互いを受け止めるように構成されている工程;空洞にレンズ形成材料を導入する工程であって、レンズ形成材料が、1種以上の化学線架橋性プレポリマーを含み、ビニルモノマーおよび/または架橋剤を実質的に含まないものであり、該1種以上のプレポリマーがそれぞれ(1)1種以上のシロキサン含有モノマーおよび/または1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されるシロキサン単位;(2)1種以上の親水性モノマーおよび/または1種以上の親水性マクロマーから誘導される親水性単位;ならびに(3)コポリマー鎖に共有結合しており、かつ、1個の単独の架橋性基をそれぞれ有する1種以上の予め形成された親水性ポリマーから誘導される、ダングリング親水性ポリマー鎖であって、ダングリング親水性鎖が化学線架橋性基を含んでおらず、予め形成された親水性ポリマーが、プレポリマーにそれを効率的および共有結合的に組み入れるために十分なほど低い分子量であるが、ソフトコンタクトレンズに約90度以下の水接触角を硬化後の表面処理なしに、プレポリマー中に約2重量%〜約30重量%の量で存在する場合に与えるために十分なほど高い分子量を有する、ダングリング親水性ポリマー鎖を含む工程;ならびに型中の組成物に化学線照射することで該1種以上の架橋性プレポリマーを架橋し、それによりコンタクトレンズを形成する工程を含む方法。
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