JP2010521134A - セルラーゼを含まない酵素組成物及びこれを生成するための宿主細胞 - Google Patents

セルラーゼを含まない酵素組成物及びこれを生成するための宿主細胞 Download PDF

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    • C12N15/75Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora for Bacillus

Abstract

本発明は洗剤添加タンパク質を生成するための組み換え細菌細胞を提供する。ある実施の態様においては、細胞はバチルス(Bacillus)属である。更なる実施の態様では、細胞は少なくとも一つの分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸並びに不活性化されたbglCを遺伝子を含むゲノムを含む。ある好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質はプロテアーゼである。本発明はまた少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を含むセルラーゼを含まない組成物及び少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を生成する細菌細胞を用いる方法を提供する。


【選択図】図3

Description

本発明は洗剤添加タンパク質を生成するための組み換え細菌細胞を提供する。ある実施の態様においては、細胞はバチルス(Bacillus)属である。更なる実施の態様では、細胞は少なくとも一つの分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸並びに不活性化されたbglCを遺伝子を含むゲノムを含む。ある好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質はプロテアーゼである。本発明はまた少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を含む、セルラーゼを含まない組成物及び少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を生成する細菌細胞を用いる方法を提供する。
外因性ポリペプチドの発現及び組み換えによる生成は広く用いられている技術である。所望のポリペプチドを大量に発現させ生成するために、関心の対象となる外因性ポリペプチドをコードする核酸によって細胞を形質転換することができることは良く知られている。ある応用形態においては、この方法は由来する組織体によって天然に生成されるものよりも大量のポリペプチドを生成するのに用いられる。事実、外因性配列の過剰発現のみならず、外因性核酸配列の発現は近年のバイオ技術において広く用いられている。
あるケースでは、望ましくない製品が関心の対象となるタンパク質と同時に生成される。例えば、組み換え酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ等)の生成において、他の望ましくない(例えば、セルラーゼ)酵素も生成されることがある。
分子生物学及びタンパク質工学が進歩しているにもかかわらず、その様な望ましくない活性を除去しないまでも、減少させる方法及び組成物に対する要望がある。
本発明は洗剤添加タンパク質を生成するための組み換え細菌細胞を提供する。ある実施の態様においては細胞はバチルス属である。更なる実施の態様では、細胞は少なくとも一つの分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸並びに不活性化されたbglC遺伝子を含むゲノムを含む。ある好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質はプロテアーゼである。本発明はまた少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を含む、セルラーゼを含まない組成物のみならず少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を生成する細菌細胞を用いる方法を提供する。
本発明は、不活性化されたbglC遺伝子を含むゲノムを含む組み換えバチルス(Bacillus)種宿主細胞を提供し、前記細胞は更に分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸を含む。ある実施の態様においては、不活性化されたbglC遺伝子は欠失、挿入、置換又は再配置を含む。ある他の好ましい実施の態様においては、バチルス種細胞は、バチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス クラウシ (Bacillus clausii)、バチルス アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)又はバチルス ハロジュランス(Bacillus halodurans)細胞である。さらに好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質は、プロテアーゼ、アミラーゼ、ペクチン酸リアーゼ及びリパーゼから選択される酵素である。ある特に好ましい実施の態様においては、酵素はプロテアーゼである。ある更に特に好ましい実施の態様においては、プロテアーゼはスブチリシンである。更に好ましい実施の態様においては、bglC遺伝子は配列番号2と配列が少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードする。
本発明はまた培地及び不活性化されたbglC遺伝子を含むゲノムを含む組み換えバチルス(Bacillus)種宿主細胞を含む細胞の培養物を提供し、前記細胞は更に分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸を含む。ある好ましい実施の態様においては、不活性化されたbglC遺伝子は欠失、挿入、置換又は再配置を含む。ある他の好ましい実施の態様においては、バチルス(Bacillus)種細胞はバチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス スブチリス (Bacillus subtilis)、バチルス クラウシ (Bacillus clausii)バチルス アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)又はバチルス ハロジュランス(Bacillus halodurans)細胞である。更に好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質はプロテアーゼ、アミラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、アシル トランスフェラーゼ、アリールエステラーゼ及びリパーゼから選択される酵素である。ある特に好ましい実施の態様においては、酵素はプロテアーゼである。ある更に特に好ましい実施の態様においてはプロテアーゼはスブチリシンである。更に好ましい実施の態様においては、bglC遺伝子は、配列番号2と配列が少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードする。
本発明は更に、分泌された洗剤添加タンパク質の生成のために適した条件下で細胞の培養物を維持することを含む方法を提供する。ある実施の態様においては、前記方法は更に培地から得られる分泌された洗剤添加タンパク質を回収することを含む。更に新たな実施の態様においては、前記方法は更に分泌された洗剤添加タンパク質を洗濯洗剤と組み合わせることを含む。更に好ましい実施の態様においては、洗剤添加タンパク質はスブチリシン プロテアーゼである。
本発明はまた、本明細書に記載の方法により生成されるセルラーゼを含まないタンパク質又は酵素組成物を提供する。ある好ましい実施の態様においては、前記組成物はバチルス種により生成される分泌された洗剤添加タンパク質を含み、前記組成物は検出されうるセルラーゼ活性を持たないと言う特徴がある。
本発明はさらに、本明細書に記載の方法により生成される分泌された洗剤添加タンパク質を含む、セルラーゼを含まない洗濯洗剤を提供する。ある実施の態様においては、セルラーゼを含まない洗濯洗剤はセルロース系ポリマーを含む。
本発明はまた、宿主細胞を生成する方法を提供し、その方法は組み換え核酸が細胞のbglC遺伝子と再結合するように第一の組み換え核酸をバチルス種に導入し、第二の組み換え核酸を、分泌された洗剤添加タンパク質の発現をさせる細胞に導入することを含む。ある好ましい実施の態様においては、核酸はbglC遺伝子に挿入される。ある他の好ましい実施の態様においては、核酸はbglC遺伝子の少なくとも一部を欠失させる。更に好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質はスブチリシンである。
以下に詳細に記載されているある特徴は添付図面を参照することにより最も良く理解される。通常行われている様に、図面の種々の特徴は原寸に従ったものではないことは留意すべきである。反対に、種々の特徴を示す寸法はそれらを明確にするため任意に拡大又は縮少されている。図面には以下の図を含む:
図1Aは不活性化されたbglC遺伝子を含むバチルス宿主細胞を構築するために使用される戦略示す。
図1Bは不活性化されたbglC遺伝子を含むバチルス宿主細胞を構築するために使用される戦略を示す。
図2は不活性化されたbglC遺伝子を持つ2つのバチルス スブチリス株(すなわち、「宿主A」及び「宿主B」)及び不活性化されたbglS遺伝子を持つ2つのバチルス スブチリス株(すなわち、「宿主C」及び「宿主D」)の培養上清での粘度アッセイの結果を示すグラフである。流体粘度はセンチポワズ(すなわち、cP)で測定された。
図3は組み換えスブチリシンを生成する2つのバチルス スブチリス株の培養上清上の粘度アッセイの結果を示すグラフである。
MDT-05-28株は不活性化されたbglC遺伝子を持ち、MTD-04-250株は野生型bglC 遺伝子を持つ。
発明の詳細な説明
本発明は洗剤添加タンパク質を生成するための組み換え細菌細胞を提供する。ある実施の態様においては、細胞はバチルス属である。更なる実施の態様では、細胞は少なくとも一つの分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸並びに不活性化されたbglC遺伝子を含むゲノムを含む。ある好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質はプロテアーゼである。本発明はまた少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を含む、セルラーゼを含まない組成物及び少なくとも一つの洗剤添加タンパク質を生成する細菌細胞を用いる方法を提供する。
断らない限り、本発明においては分子生物学、微生物学、タンパク質精製、タンパク質工学、タンパク質及びDNA配列決定、及び組み換えDNA分野で通常用いられる従来の技術を用いて実施され、これらは当業者の常識の範囲である。その様な技術は当業者に知られており、数多くの教科書及び参考文献に記載されている(例えば、Sambrook 他、「分子クローン:実験室マニュアル」(Molecular Cloning: A Laboratory Manual),第2版 (Cold Spring Harbor), [1989]); 及び Ausubel他、「分子生物学における今日の手順」(Current Protocols in Molecular Biology [1987])を参照願いたい)。本明細書に記載の全ての特許、特許出願、論文及び刊行物は、すでに記載のもの、以下に記載するものを問わず、参照により本明細書に組み入れられる。
更に、本明細書に記載の表題は、明細書を全体として参照して把握される本発明の種々の特徴又は実施の態様を限定するものではない。この様に以下に続けて定義する用語は明細書を全体として参照することによってより適切に規定される。しかしながら、本発明の理解を容易にするために多くの用語を以下に定義する。
定義
他に断らない限り、本明細書で用いられる技術及び科学上の用語は、本発明が関係する分野の当業者により通常理解されるものと同様の意味を持つ。例えば、Singleton及びSainsburyの「微生物学及び分子生物学辞典」(Dictionary of Microbiology and Molecular Biology)第2版、John Wiley and Sons, NY (1994); 及びHale及びMarhamの 「Harper Collins 生物学辞典」(The Harper Collins Dictionary of Biology), Harper Perennial, NY (1991)は当業者に、本明細書で使用される多くの用語についての一般的辞書を提供する。本明細書に記載の方法及び材料と同様の又は同等の方法及び材料は本発明の実施のために使用されるが、好ましい方法及び材料が本明細書に記載される。したがって、以下に定義される用語は明細書を全体として参照することによってより的確に規定される。また、本明細書で用いる単数形冠詞(a an)及び定冠詞(the)は、文意より明らかに他の意味に解される場合を除き、その複数の場合を含む。したがって、例えば、単数形の「宿主細胞」(a host cell)は「宿主細胞」の複数形を含む。同様に、単数形「遺伝子」(a gene)はその様な候補因子の複数形を含み、定冠詞を付した細胞(the cell)を言う場合、一以上の細胞及び当業者に知られている同等物についても言及するものとする。これらはその他の事象について言う場合も同様に適用されるものとする。
数値範囲は範囲を規定される数値を含むものとする。事実、本明細書を通じて各最大の限界値は各最小の限界値が明らかに記載されているかの様に、各最小の限界値を含む。本明細書を通じて各最小の限界値はより大きい限界値が明らかに記載されているかの様に、各最大の限界値を含む。本明細書を通じて各数値の範囲は、その様なより狭い数値範囲が明らかに本明細書に記載されているかの様に、その様な広い数値範囲に入る、各々のより狭い数値範囲を含む。範囲の値が示されている場合、文意より明らかに異なると了解される場合を除き、その範囲の上限及び下限の間において、各中間値はその下限の単位の十分の一で具体的に開示されていると了解される。これらの小さい範囲の上限及び下限は各独立にその範囲に含まれ又はその範囲から除外され、そして一方の、又は何れでもなく、又はその両方の限界が小さい範囲に含まれる場合の各範囲もまた本発明の範囲に含まれる。ただし規定された範囲において特に除外することもあり得るものとする。規定された範囲が一方又は両方の限界を含む場合、これらの含まれる限界のいずれか又は両方を除いた範囲もまた本発明に含まれる。
引用される文献のすべては、その関連する部分について参照により本明細書に組み入れられ、文献の引用により、その様な文献が本発明との関係において先行技術であることを承認ものと理解してはならない。本明細書に記載のいずれの内容も、先行発明が公開されたことを理由に、本発明が公開よりも先行する技術であることを主張することはできないと解してはならない。その様な特許及び公開刊行物はそこに開示される全ての配列を含み、本明細書で参照される全ての特許及び公開刊行物は参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載の方法及び材料と類似又は同等の任意の好適な方法及び材料は本発明の実施又は試験に用いられるが、本明細書では代表的及び好ましい方法及び材料を使用した場合について記載している。
特に断らない限り、核酸は左から右ヘ、5’末端 から3’末端方向に、アミノ酸配列は左から右ヘ、アミノ基からカルボキシ基方向へ各々記載される。本明細書に掲げる表題は、明細書を全体として参照することにより理解される本発明の種々の特徴又は実施の態様を限定するものではない。当業者により用いられる状況により種々異なるため、本発明は特定の方法論、手順、及び掲載された試薬に限定されるものではない。したがって、以下に続いて定義される用語は明細書を全体として参照することにより、より適正に規定される。
本明細書で用いる「組み換え」(recombinant)の用語は宿主細胞では天然に発生しないポリヌクレオチド又はポリペプチドを指す。組み換え分子は天然に生じない方法でリンクされている2以上の自然発生配列を含むこともある。組み換え細胞は組み換えポリヌクレオチド又はポリペプチドを含む。
本明細書で用いる「異種の」(heterologous)の用語は通常お互いに関連しない要素を言う。例えば、もし宿主細胞が異種のタンパク質を生成する場合、通常そのタンパク質はその宿主細胞によっては生成されないタンパク質である。同様に、異種のコード配列に動作可能にリンクされているプロモータは、通常野生型宿主細胞中では動作可能にリンクされていないコード配列に、動作可能にリンクされているプロモータである。
本明細書で用いる「相同の」(homologous)の用語はポリヌクレオチド又はタンパク質との関係で用いられる場合は、宿主細胞中で自然発生するポリヌクレオチド又はタンパク質を指す。
本明細書では「タンパク質」(protein)及び「ポリペプチド」(polypeptide)の用語は相互交換的に使用される。
本明細書で用いる「シグナル配列」(signal sequence)の用語は、細胞の外において成熟した形のタンパク質の分泌を容易にするためのタンパク質のN末端部分に存在するアミノ酸配列である。シグナル配列の定義は機能的なものである。成熟した形の細胞外タンパク質は分泌プロセスに於いて切り取られるシグナル配列を欠いている。
本明細書で用いる「コード配列」(coding sequence)は、ポリペプチドをコードするDNAセグメントである。
本明細書で用いる「不活性化された遺伝子」(inactivated gene)は、その不活性化される前はタンパク質を生成することのできたゲノムの中心である(すなわち、完全長さのポリペプチドを生成するために翻訳することのできるRNAに転写することができる)。酵素をコードする遺伝子は、転写せず及び完全長の触媒活性を持つタンパク質に翻訳されない場合、不活性である。遺伝子はその転写のために必要な配列を変えることにより、例えば、RNAプロセスのために必要な配列を変えることにより(例えば、ポリAテール(tail)の追加)又は翻訳のために必要な配列を変えることにより不活性にすることができる。不活性化された遺伝子の例には、欠失遺伝子、欠失領域を含む遺伝子、再配置領域を含む遺伝子、不活性化点突然変異又はフレームシフトを持つ遺伝子、及び挿入を持つ遺伝子を含むがこれに限定されるものではない。さらに、遺伝子はまたアンチセンス、又はその遺伝子の発現を無効にする任意の方法を用いて不活性化しても良い。
本明細書で用いる「核酸」(nucleic acid)の用語は、単鎖であるか又は二重鎖であるかを問わずDNA、RNAを含み、及び化学的に修飾されたDNA、RNAを含む。用語「核酸」(nucleic acid)及び「ポリヌクレオチド」(polynucleotide)は相互交換的に使用される。
本明細書で用いる「ベクター」(vector)の用語は一以上の宿主細胞に核酸を導入する様に設計されたポリヌクレオチドを言う。ある好ましい実施の態様においては、ベクターは異なる宿主細胞中で自己複製する。この用語は、クローンベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、カセット等を含む意味で用いるがこれに限定されるものではない。
本明細書で用いる「発現ベクター」(expression vector)の用語は、好適な宿主細胞でタンパク質を発現させることのできる好適な制御配列に動作可能にリンクされているタンパク質コード領域を含むDNA構築体を言う。ある実施の態様においては、その様な制御配列は転写を行うプロモータ、mRNAを生成するために転写を制御する任意のオペレータ配列、mRNA上の好適なリボソーム結合部位をコードする配列及びエンハンサー及び転写及び翻訳の終了を制御する配列を含む。
本明細書で用いる「プロモータ」(promoter)の用語は下流の核酸の転写を開始する調節配列を言う。
本明細書で用いる「動作可能にリンクされている」(operably linked)の用語はそれらの要素が機能的に関連することを可能にする要素の配置を言う。例えば、プロモータは、もしそれが配列の転写を制御する場合、プロモータはコード配列に動作可能にリンクされていると言う。
本明細書で用いる「選択マーカー」(selective marker)の用語は導入された核酸又はベクターを含むこれらの宿主の選択を容易にする宿主中で発現をさせることのできるタンパク質を言う。選択マーカーの例には抗菌剤(例えば、ヒグロマイシン、ブレオマイシン又はクロラムフェニコール)及び/又は宿主細胞で栄養的利益の様な代謝上の利益を与える遺伝子を含むがこれに限定されるものではない。
本明細書で用いる「由来する」(derived)の用語は「から生ずる」(originated from)、「得られた」(obtained)、又は「から得られる」(obtainable from)、及び「から分離された」(isolated from)を含む。
本明細書で用いる「非病原性の」(nonpathogenic)有機体の用語はヒト及び/又は他の動物に対して病原性でない有機体を言う。
本明細書で用いる「回収された」(recovered)、「単離された」(isolated)及び「分離された」(separated)の用語はそれが天然に関連している少なくとも一つの成分から取り出されたタンパク質、細胞、核酸又はアミノ酸について言う。
本明細書で用いる「軽質転換された」(transformed)、「安定的に形質転換された」(stably transformed)及び「トランスジェニック」(transgenic)の用語は、細胞に関して言う場合、細胞がゲノムに統合された又は複数世代にわたり維持されたエピソーム プラスミドとして非天然(例えば、異種の)核酸配列を持つ細胞を言う。
本明細書で用いる「発現」(expression)の用語は遺伝子の核酸配列に基づき生成されるポリペプチドの生成プロセスを言う。このプロセスは転写及び翻訳を含む。
本明細書で用いる「導入する」(introduced)の用語は核酸配列を細胞に挿入する場合について言う場合、「トランスフェクション」(transfection)、「形質転換」(transformation)、又は「軽質導入」(transduction)を意味し、核酸配列を真核細胞又は原核細胞に組み入れることに関する場合を含み、その場合核酸配列は細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、プラスチド、又はミトコンドリアDNA)に組み入れられ、自律複製単位に変換され又は一時的に発現される(例えば、トランスフェクトされたmRNA)。
本明細書で用いる「ハイブリッドする」(hybridization)の用語は技術分野で知られている塩基対合を通して一つの核酸のラセン構造が相補的ラセン構造と一体になるプロセスを言う。2つの配列が中程度から高ストリンジェンシーなハイブリッド条件及び洗浄条件で互いに特異的にハイブリッドする場合、核酸は対応核酸配列に「選択的にハイブリッドすることが可能」(selectively hybridizable)であると考えられる。中程度から高ストリンジェンシーなハイブリッド条件は当業者に良く知られている(Ausubel他, 「分子生物学における簡単な手順の紹介」(Short Protocols in Molecular Biology)第3版, Wiley & Sons, Hoboken, NJ [1995]; 及び Sambrook他、「分子のクローニング」(Molecular Cloning)、実験室マニュアル, 第3版, Cold Spring Harbor, NY [2001]を参照)。高ストリンジェンシーなハイブリッド条件の例には50% ホルムアルデヒド中約42°Cで, 5X SSC, 5X Denhardt溶液, 0.5% SDS 及び100 ug/ml 非変性担体 DNAでハイブリッド化させ、続いて室温で2X SSC及び0.5% SDSで2度洗浄し、そして42°C の0.1 X SSC 及び0.5% SDS中で更に2度洗浄することを含む。
本明細書で用いる「セルロース系ポリマー」(cellulosic polymer)の用語は少なくとも一つの1,4‐ベータ‐D‐グルコシド結合を持つセルロース、ヘミセルロース又は改質セルロース又はヘミセルロースポリマーを言う。
本明細書で用いる「セルロース」(cellulose)の用語はベータ‐1,4‐結合により連結されたグルコース残基を含む多糖ポリマーを言う。
本明細書で用いる「ヘミセルロース」(hemicellulose)の用語はベータ‐(1,4)‐結合により連結された非グルコース単糖残基(例えば、キシロース、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、ウロン酸、又はガラクトウロン酸、又はキシラン)を少なくとも一つ含む多糖ポリマーを言う。ヘミセルロースには、キシラン、グルクロンオキシラン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン、グルコマンナン、キシログロカン及びガラクトマンナンを含む。
本明細書で用いる「セルラーゼ」(cellulase)の用語はセルロース、地衣類、及び穀類ベータ‐(1,4)‐グルカンにおいて1,4‐ベータ‐D‐グルコシド結合を加水分解する酵素を言う。本明細書で用いるセルラーゼはIUMBM 酵素命名法によりEC 3.2.1.4と分類される活性を持つ。本明細書に記載のセルラーゼの系統名はl,4-(l,3;l ,4)-β-D-グルカン 4-グルカノヒドロラーゼ(l,4-(l,3;l ,4)-beta-D-glucan 4-glucanohydrolase)である。
本明細書で用いるバチルス(Bacillus)種(例えば、バチルス宿主細胞)の用語はバチルス属の任意の種を言い、バチルス スブチリス (Bacillus subtilis)、バチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス レンツス (Bacillus lentus)、バチルス ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス アミロリケファシエンス(Bacillus amylloliquefaciens)、バチルス クラウシ(Bacillus clausii)、バチルス ハロジュランス(Bacillus halodurans)、バチルス メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス シルクランス(Bacillus circulans)、バチルス ランツス(Bacillus lantus)及びバチルス ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)及びそれらの亜種を含むが、これに限定されるものではない。
本明細書で用いる「セルラーゼを含まないバチルス種」(cellulase-free Bacillus sp.)の用語は遺伝子操作されたバチルス種宿主細胞であって検出可能量のセルラーゼを分泌しないものを言う。
以下に更に詳細に検討するが、ある実施の態様においては、セルラーゼを含まないバチルス株は、不活性化されたbglC 遺伝子を含んでも良い。
本明細書で用いる「同等の改変されていないバチルス種株」(equivalent unaltered Bacillus sp. strain)は、bglC 遺伝子が改変されていない(すなわち、野生型)ことを除いては、セルラーゼを含まないバチルス種株と同一である。
本明細書で用いる「培養する」(culturing)の用語は液体又は固体媒体において好適な条件下で微生物細胞の個体群を成長させることを言う。ある実施の態様においては、培養することには関心の対象となる外因性タンパク質又は他の所望の最終製品を醗酵組み換えにより(典型的には、容器又は反応器において)生成することを言う。
本明細書で用いる「洗剤添加タンパク質」(detergent-additive protein)の用語は洗濯用洗剤に添加されるタンパク質を言う。洗剤添加タンパク質は酵素であっても良い(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リアーゼペクチン酸塩、リパーゼ、アシルトランスフェラーゼ、アリルエステラーゼ、又は酵素活性を持たないタンパク質)。ある特に好ましい実施の態様においては、ベータ‐グルカン ヒロドラーゼ(すなわち、IUMBM 酵素命名法によりEC 3.2.1.8, EC 3.2.1.32, EC 3.2.1.72, EC 3.2.1.136として表される活性を持つ酵素)は「洗剤添加タンパク質」の用語から除かれる。さらに特に好ましい実施の態様においては、キシラナーゼ(すなわち、IUMBM 酵素命名法によりEC 3.2.1.75と表される活性を持つ酵素)はまた「洗剤添加タンパク質」から除かれる。
用語の他の定義は本明細書の各所に規定されている。
代表的な実施の態様を詳細に説明するに先立ち、実施の態様は変わりうるため、本発明は特定の実施の態様に限定されるものではないことは了解されるべきである。また本明細書で用いている用語は特定の実施の態様を説明するために用いられているものであり、その用語の意味を限定することを意図するものではない。
宿主細胞
上で示した様に、本発明は低減した(例えば、検出されない)レベルのセルラーゼを生成するバチルス種宿主細胞を提供する。一般的に、本発明のバチルス種宿主細胞は通常同等の野生型バチルス種宿主細胞のセルラーゼの約50%未満(例えば、約40%未満、約%30未満、約20%未満、又は約10%未満)を生成する。ある実施の態様においては、本発明の細胞は同等のバチルス種宿主細胞のセルラーゼの約5%未満を生成する。ある特に好ましい実施の態様においては、セルラーゼは検出されない(すなわち、バチルス種宿主細胞はセルラーゼを含まないバチルス種宿主細胞である)。セルラーゼ活性は、例えば、セルラーゼ含有LP寒天プレートをコンゴ赤(例えば、Wolf 他、「微生物学」(Microbiol.), 141:281-290 [1995];及び Carder, Anal. 「バイオ化学」(Biochem.), 153:75-9 [1986]を参照)で染色する、及び/又は以下に更に詳細に記載する様に粘度アッセイによるなどの好適な任意の方法により評価することを意図している。
ある実施の態様においては、低減した量のセルラーゼを生成するバチルス種宿主細胞は細胞により生成されるbglC遺伝子の発現を低減することにより生成される。その様な実施の態様においては、bglCの発現は、アンチセンス分子、又は例えば、リボザイムを使用する方法を含む任意の好適な方法を用いて低減されるが、その方法はこれに限定されるものではない。ある好ましい実施の態様においては、bglCの発現は細胞中でbglC遺伝子を不活性にすることにより低減される。
幾つかのバチルス種bglC遺伝子及びこれらの遺伝子によりコードされるタンパク質のDNA配列が決定され、NCBI(全米バイオテクノロジー情報センター)遺伝子バンク データベースに記録された。配列は以下の通りである:

Figure 2010521134
以下は配列番号2でコードされるアミノ酸配列である:
Figure 2010521134
更にセルラーゼ酵素の幾つかの保存ドメイン、多くの保存アミノ酸が同定され、更にバチルス種bglC遺伝子及びタンパク質がバイオインフォマティクス法による同定が可能となった。
ある実施の態様においては、バチルス種bglC遺伝子は、NCBIの遺伝子バンク データベースに記録され及び上の配列番号1として表されるbglC配列と少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%の)同一の配列を持つ。更なる実施の態様においては、バチルス種bglC遺伝子はストリンジェントな条件でNCBIの遺伝子バンク データベースに記録され、又は配列番号1で表されるbglC配列にハイブリッドする。更なる実施の態様においては、バチルス種bglC遺伝子は、NCBIの遺伝子バンク データベースに記録され又は配列番号2として表されるbglC配列と少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%)の配列同一性を持つポリペプチドをコードする。NCBIの遺伝子バンク データベースに記録されている典型的なbglCタンパク質及びヌクレオチド配列は:GID:3100136 (バチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)), GID:52348343 (バチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)), GID:42491106 (バチルス アミロリケファシエンス(Bacillus amylloliquefaciens))及びGID:50812243 (バチルス スブチリス (Bacillus subtilis))を含む。上の遺伝子データバンクの記録は、その核酸及びそのタンパク質配列及びこれらの配列の注記を含みその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
ある好ましい実施の態様においては、バチルス種宿主細胞は以下の任意の種であっても良い:
バチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス レンツス (Bacillus lentus)、バチルス スブチリス (Bacillus subtilis)、バチルス アミロリケファシエンス(Bacillus amylloliquefaciens)、バチルス ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス シルクランス(Bacillus circulans)、バチルス プミルス (Bacillus pumilus)、バチルス ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス クラウシ(Bacillus clausii)、又はバチルス メガテリウム(Bacillus megaterium)。
バチルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞は、米国特許第5,264,366号 及び米国特許第4,760,025号 (RE 34,606)並びに1A6 (ATCC 39085), 168 (1AOl), SB19, W23, Ts85, B637, PB1753からPB1758, PB3360, JH642, 1A243 (ATCC 39,087), ATCC 21332, ATCC 6051、MIl 13, DElOO (ATCC 39,094), GX4931 , PBT110、及びPEP21l株 (例えば、 Hoch他、「遺伝学」(Genetics) 73:215-228 [1973]を参照);米国特許第4,450,235号;米国特許第4,302,544号; 及びEP 0134048 (また Palva 他、「遺伝子」(Gene)19:81-87 [1982]; 及びFahnestock 及びFischer, 刊行物「微生物学」(J. Bacteriol.)、 165:796-804 [1986];及びWang 他、「遺伝子」(Gene)69:39-47 [1988]を参照)。
ある実施の態様においては、宿主細胞は発現カセット(例えば、プロモータ、洗剤添加タンパク質をコードするポリヌクレオチド、及び転写テーミネーター)を含む組み換え核酸を含み、その発現カセットはバチルス種宿主細胞による洗剤添加タンパク質の生成にとっては十分である。ある実施の態様においては、組み換え核酸は宿主細胞のゲノムに組み入れられ、一方他の実施の態様においては、組み換え核酸はゲノムから自己複製するベクター中に存在する。ある実施の態様においては、洗剤添加タンパク質をコードするポリヌクレオチドはバチルス種宿主細胞中でタンパク質を発現させるために最適化されたコドンである。
ある特に好ましい実施の態様においては、バチルス種宿主細胞はタンパク質の発現を最大にするように操作される。この様に、ある実施の態様においては、宿主細胞は次の遺伝子、degU, degS, degR 及び/又はdegQの少なくとも一つにおいて不活性化する変性を含む(Msadek他、J. Bacteriol., 172:824- 834 [1990]; 及びOlmos他、 Mol. Gen. Genet., 253:562-567 [1997]を参照)。ある特に好ましい実施の態様においては、宿主細胞はdegU32(Hy)変異体を持つバチルス スブチリス (Bacillus subtilis)である。ある更なる実施の態様においては、バチルス宿主細胞はscoC4(Caldwell他、J. acteriol,.183:7329-7340 [2001]を参照); spoIIE(Arigoni 他、MoI. Microbiol., 31 :1407-1415 [1999]を参照)、oppA又はopp オペロン中の他の遺伝子 (Perego他、MoI. Microbiol., 5:173-185 [1991]を参照)において変異及び/又は欠失を含む。事実、oppA中に変異として同じ表現型(phenotype)を起させるopp オペロン中の変異はいずれも本発明の改変バチルス株のある実施の態様において用いることができることが意図されている。ある実施の態様においては、これらの変異は単独で起こり、他の実施の態様においては、変異は組み合わせで存在する。ある実施の態様においては、本発明の改変バチルスは上記の一以上の遺伝子への変異を既に含むバチルス宿主株から得られる。ある他の実施の態様においては、本発明の改変バチルスは更に上記の一以上の遺伝子の変異を含む様に操作される。
任意の便宜な方法を用いて構築されたバチルス種宿主細胞は、本発明で用いることができ、遺伝子中での挿入、欠失、置換、フレームシフト、点変異、及び/又は再配置を用いて細胞のbglC遺伝子配列を変えることにより構築された細胞を含み本発明で使用することができる。ある実施の態様においては、改変される遺伝子の部分はコード領域内にあり、又はコード領域の発現に必要な調節要素である。ある実施の態様においては、遺伝子の調節又は制御配列はそのプロモータ配列又はその機能部分である(すなわち、遺伝子の発現に必要な部分である)。その様な遺伝子を不活性化する方法は当業者に知られている(Wolf他、「微生物学」(Microbiol), 141 :281-290 [1995]を参照)。
ある実施の態様においては、宿主細胞は以下の様に構築される:組み換え核酸が細胞ゲノムのbglC遺伝子と再結合するよう、組み換え核酸をバチルス種宿主細胞に導入し、そして分泌された洗剤添加タンパク質を発現させるために細胞内に第二の組み換え核酸を導入する。ある実施の態様においては、核酸はbglC遺伝子に挿入され、他の実施の態様においては、それはbglC遺伝子の少なくとも一部分を取除く。
バチルス細胞にポリヌクレオチド配列を導入する好適な方法は当業者に良く知られている(例えば、Ferrari他、「遺伝学」(Genetics)、Harwood他、編纂 Bacillus, Plenum Publishing Corp. [1989], 57-72ページ; またSaunders 他、刊行物「細菌学」(J. Bacteriol), 157:718-726 [1984]; Hoch他、刊行物「細菌学」(J. Bacteriol), 93: 1925-1937 [1967]; Mann 他、「今日の微生物学」(Curr. Microbiol), 13:131-135 [1986]; 及び Holubova, Folia 「微生物学」(Microbiol), 30:97 [1985]; Chang他、Mol. Gen. Genet, 168:11-1 15; [1979]; Vorobjeva他、 「FEMS微生物学」(FEMS Microbiol)、Lett., 7:261-263 [1980]; Smith他、「微生物学」(Appl. Env. Microbiol), 51 :634 [1986]; Fisher他、「微生物学」(Arch. Microbiol), 139:213-217 [1981]; 及びMcDonald, 刊行物「一般微生物学」(J. Gen. Microbiol), 130:203 [1984]を参照)。事実、プロトプラスト形質転換を含む形質転換、会合、形質導入及びプラスト融合の様な方法は良く知られており、本発明の使用に適している。
上で述べた様に、セルラーゼのレベルを低減させることに加え、本発明は分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸を更に含むバチルス種宿主細胞を提供し、分泌された洗剤添加タンパク質は、細胞から分泌されたタンパク質(例えば、酵素)であり洗濯洗剤に加えられる。典型的な洗剤添加タンパク質には、プロテアーゼ(例えば、スブチリシン)、アルファーアミラーゼ、マンナーゼ、セルラーゼ、リアーゼ、アシルトランスフェラーゼ、アリ−ルエステラーゼ及びリパーゼなどを含むがこれに限定されるものではない。ある実施の態様においては、洗剤添加タンパク質は洗剤添加タンパク質が由来する株と同じ株により発現させても良い。
酵素
スブチリシン(例えば、細胞外アルカリ性 セリン プロテアーゼ)は特に関心の対象となる。任意の好適なスブチリシンは本発明で用いることができる(例えば、Siezen, Protein Sci.、6:501 -523 [1997]; Bryan,Biochim. Biophys、Acta, 1543:203-222 [2000]; Maurer, Curr. Op, Biotechnol., 2004 15:330-334 [2004];及びGupta, Appl. Microbiol. Biotechnol., 59:15-32 [2002]を参照)。ある実施の態様においては、関心の対象であるスブチリシンはIUMBM酵素命名法によるEC 3.4.4.16として表される活性を持つ。
ある実施の態様においては、その様なスブチリシンは野生型ゲノムに見出されるアミノ酸配列(すなわち、スブチリシンが天然のスブチリシンである)を持ち、他の実施の態様においては、スブチリシンは天然のスブチリシンの変異体である。ある好ましい実施の態様においては、変異体のスブチリシンは野生型ゲノムによりコードされるスブチリシンと少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%配列が同一のアミノ酸配列を持つ。典型的なスブチリシンはALCANASE(登録商標) (Novozymes), FNA(登録商標)(Genencor), SAVINASE(登録商標) (Novozymes)、PURAFECT(登録商標)(Genencor), KAP(登録商標)(Kao), EVERLASE(登録商標)(Novozymes), PURAFECT OxP(登録商標)(Genencor), FN4(登録商標)(Genencor), BLAP S(登録商標)(Henkel), BLAP X(登録商標)(Henkel), ESPERASE(登録商標)(Novozymes), KANNASE(登録商標)(Novozymes)及びPROPERASE(登録商標)(Genencor)を含むがこれに限定されるものではない。
更なる実施の態様においては、スブチリシンはスブチリシン 168, スブチリシン BPN', スブチリシン Carlsberg, スブチリシン DY, スブチリシン 147又はスブチリシン 309 (例えば、EP414279B; WO89/06279; 及びStahl他、J. Bacteriol., 159:81 1-818 [1984]を参照)を含むが、これに限定されるものではない。本発明で使用することのできる他のスブチリシン及び他のプロテアーゼはWO 99/20770、WO 99/20726、WO 99/20769、WO 89/06279、 RE 34,606、米国特許第4,914,031号、 米国特許第4,980,288号、 米国特許第5,208,158号、 米国特許第5,310,675号、 米国特許第5,336,611号、 米国特許第5,399,283号、 米国特許第5,441,882号、 米国特許第5,482,849号、 米国特許第5,631,217号、 米国特許第5,665,587号、 米国特許第5,700,676号、 米国特許第5,741,694号、 米国特許第5,858,757号、 米国特許第5,880,080号、 米国特許第6,197,567号、及び米国特許第6,218,165号に記載されるものを含むがこれに限定されるものではない。
洗剤及び洗剤添加タンパク質
ある実施の態様においては、宿主細胞がタンパク質組成物及び洗濯洗剤を生成するために使用され、ある好ましい実施の態様においては洗剤は少なくとも一つのセルロース系ポリマーを含む。
ある実施の態様においては、宿主細胞はその細胞がその中で成長する成長培地に少なくとも一つの分泌洗剤添加タンパク質を提供するために培養される。ある特に好ましい実施の態様においては、分泌された洗剤添加タンパク質は任意の好適な方法を用いて成長培地から回収される(例えば、沈殿、遠心分離、親和力を用いる方法、ろ過又は当業者に知られた他の任意の方法)。例えば、親和性クロマトグラフィー(Tilbeurgh他、FEBS Lett., 16:215 [1984]); 高分解能持つ材料を用いるイオン交換(例えば、Medve他、J. Chromatogr. A 808:153 [1998])を含むイオン交換クロマトグラフ法 (Goyal他、Bio. Technol., 36:37 [1991]; Fliess 他、Eur. J. Appl. Microbiol. Biotechnol., 17:314 [1983]; Bhikhabhai他、J. Appl. Biochem., 6:336 [1984]; 及びEllouz他、Chromatogr., 396:307 [1987]);疎水性相互作用クロマトグラフィー(Tomaz 及びQueiroz, J. Chromatogr. A 865:123 [1999]); 2相分割(Brumbauer他、Bioseparation 7:287 [1999]); エタノール沈殿; 逆相HPLC; シリカ又はDEAEの様なカチオン交換樹脂上のクロマトグラフィー;クロマト分画;SDS-PAGE; 硫酸アンモニウム沈殿、及びゲルろ過(例えば、SEPHADEX(登録商標)G-75)を使用することができる。
ある好ましい実施の態様においては、洗剤添加タンパク質は培地の他の成分から精製することなく用いられる。これらの実施の態様の幾つかでは、培地は単に濃縮し、さらに成長培地の成分からさらにタンパク質を精製することなく使用される。他の実施の態様においては、培地は更に改質することなく用いられる。
宿主細胞を用いて生成されたタンパク質組成物は、非改変(例えば、野生型)bglC遺伝子を含む同等のバチルス宿主細胞に比べて通常セルロースの含有量が少ない。
ある実施の態様においては、組成物中のセルラーゼ含有量は、溶液に組成物を添加すると同時にセルロース系ポリマー溶液(例えば、1%カルボキシメチルセルロース(CMC)を含む溶液)の粘度の変化を測定することにより評価する。その様な方法は良く知られている(例えば、Manning, Biochem. Biophys. Meth., 5:189-202 [1981];及びSheperd, Biochem. J., 193:67-74 [1981]を参照)。本発明で用いることのできる典型的な粘度アッセイの一つを以下の実施例に記載する。
本発明のタンパク質組成物を含むある実施の態様においては、前記組成物はセルロース性材料の溶液の粘度を、非変性bglC遺伝子を持つバチルス細胞を用いて生成された同等のタンパク質組成物により低減させた場合に比べて、80%未満(例えば、50%未満、30%未満、20%未満、又は10%未満)減少させることができる。ある実施の態様においては、前記タンパク質組成物はセルロース性材料の溶液の粘度を検出可能な程には減少させず、その場合タンパク質組成物は「セルラーゼを含まない」タンパク質組成物と考えられる。
セルラーゼを含まないタンパク質組成物は種々の用途に使用され、洗濯洗剤、特にセルロース系ポリマーを含む洗剤において使用されるがこれに限定されるものではない。ある実施の態様においては、本発明のセルラーゼを含まないタンパク質組成物を含む洗濯洗剤は界面活性剤を(重量で)約1%から80%(例えば、5%から50%)含む。ある実施の態様においては、界面活性剤は非イオン界面活性剤であり、他の実施の態様においては、カチオン性界面活性剤であり、更なる実施の態様においては、アニオン性界面活性剤である、更なる実施の態様においては、両イオン性化合物であり、更なる実施の態様においては、界面活性剤はこれらの任意の混合物である(例えば、アニオン性及び非イオン性界面活性剤の混合物である)。典型的な界面活性剤には、線状アルキル ベンゼン スルホン酸塩を含むアルキル ベンゼン スルホン酸塩(ABS)及び線状アルキル スルホン酸ナトリウム、アルキル フェノキシ ポリエトキシ エタノール(例えば、ノニル フェノキシ エトキシレート又はノニルフェノール)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモノエタノールアミンを含むがこれに限定されるものではない。洗濯洗剤で使用される界面活性剤の更なる特徴については米国特許第3,664,961号, 米国特許第3,919,678号, 米国特許第4,222,905号及び米国特許第4,239,659号に記載されている。
本発明のセルラーゼを含まない洗濯洗剤は任意の形(例えば、固体、液体、ゲル等)で使用することができる。ある実施の態様においては、洗濯洗剤はさらに炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、又は洗剤ビルダーの様な緩衝材、漂白剤、漂白活性剤、酵素、酵素安定剤、石鹸水の泡促進剤、抑制剤、抗変色剤、防食剤、土壌懸濁剤、防汚剤、殺菌剤、pH調整剤、非ビルダーアルカリ性ソース、キレート剤、有機又は無機充填剤、溶媒、ヒドロトロープ、蛍光増白剤、染料又は香水を含む。
上で述べた様に、ある実施の態様においては、洗濯洗剤はセルロース系ポリマー(例えば、セルロースポリマー)又は修飾されたセルロースポリマーを含む。好適なセルロース系ポリマーはアニオン修飾されたセルロース、非イオン修飾されたセルロース、カチオン修飾されたセルロース、両イオン修飾されたセルロース及びこれらの混合物、並びにセルロース、セルロースのエーテル、セルロースのエステル、セルロースアミド、メチルセルロース、カルボキシメチル セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エステルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの任意の混合物を含むがこれに限定されるものではない。ある実施の態様においては、修飾されたセルロース エーテル ポリマー(例えば、米国特許第6,833,347号を参照)又は他のセルロース系ポリマー(例えば、米国特許第5,009,800号及び米国特許第4,661,267号を参照)は本発明で使用することができる。ある実施の態様においては、洗濯洗剤は重量で約0.1%から8% (例えば、約0.5%から4% 又は約1%から3%のセルロース系ポリマー)を含む。
実施例
以下の実施例は本発明が如何に発明されまた本発明を如何に使用するかの完全な開示及び記述を提供するが、これは発明者が発明と考えているものの範囲を限定することを意図するものでもなく、また以下の実験は実施された実験の全て又は唯一のものであることを示すことを意図しているものでもない。用いられる数字(例えば、量、温度など)に関して出来るだけ正確なものにする様に務めているがある実験上の誤り及び誤差は避けることはできないことは了解すべきである。断らない限り、部分は重量部分であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧又はそれに近いものである。
以下の実験による開示では以下の略記号が使用される:℃(摂氏温度);rpm (分当たり回転数); H2O (水); aa (アミノ酸); bp (塩基対); kb (キロベース対); kD (キロダルトン); gm (グラム); μg 及びug (ミクログラム); mg (ミリグラム); ng (ナノグラム); μl 及びul (ミクロリットル); ml (ミリリットル); mm (ミリメーター); nm (ナノメーター); μm 及びum (ミクロメーター); M (モルの); mM (ミリモルの); μM及びuM (ミクロモルの); U (ユニット); V (ボルト); MW (分子量); sec (秒); min(s) (分); h(s)及びhr(s) (時間); OD280 (280 nmの光学密度); OD405 (405 nmの光学密度); OD600(600 nmの光学密度); PAGE (ポリアクリルアミドゲル電気泳動); LAS (ラウリルスルホン酸ナトリウム); SDS (ドデシル硫酸ナトリウム); 及びTris(トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン) (tris(hydroxymethyl)aminomethane)。
実施例1bglC::スペクチノマイシン株の構築
bglC遺伝子の欠失のための全体の戦略を図1A−Bの略図に表わす。簡潔に言えば、bglC遺伝子の側面に位置する上流及び下流DNAはPCRにより増幅されそしてベクター中で結紮された。挿入は制限エンドグルカナーゼによる消化により開かれ、そしてloxP部位が側面に位置するスペクチノマイシンカセットが結紮された。結果のプラスミドは制限エンドグルカナーゼによる消化により線状にされそしてバチルスに形質転換された。導入された抗菌性マーカー(スペクチノマイシン)による選択により、関心の対象となる遺伝子の置換は二重クロスオーバーにより達成された。bglCの場合、コード領域は、側面に位置するloxP部位を認識するCreリコンビナーゼを用いてループを作る(loop out)スペクチノマイシン耐性遺伝子により置換された。
DNA構築体はWO 03/083125に記載の戦略及び表1に記載されるプライマを用いてPCR技術により生成された。

Figure 2010521134
制限部位は以下の様に表される:XbalはTCTAGA (配列番号:20); BamHlはGGATCC (配列番号:21); SacIはGAGCTC (配列番号:22); Asp718はGGTACC (配列番号:23); PstIはCTGCAG (配列番号:24)及びHindIIIはAAGCTT (配列番号:25)である。
この方法では、100 μL PCR反応は84 μLの水, 10 μL PCR緩衝液, 1 μL の各プライマ(例えば、 BglC SacI UF及びBglC BamHl UR, 又はloxPBamHIF及びloxPBamH1R), 2 μLのdNTP, 1 μLのDNA テンプレート(例えば、野生型バチルス染色体 又は制御プラスミド), 及び1 μL のDNA ポリメラーゼを含む150 μLエッペンドルフ管で実施された。使用されたDNAポリメラーゼはTaq Plus Precisionポリメラーゼ及びハーキュラーゼ(Herculase)(Stratagene)を含んでいた。反応は以下のプログラムを用いてHybaid PCRExpress 熱サイクラー中で実施された。サンプルはまず94℃で5分加熱され、その後50℃に冷却された。この段階でDNAポリメラーゼが添加された。25サイクルの増幅は95℃で1分、50℃で1分及び72℃で1分からなる。最後に72℃で10分間保持することにより完全な伸張が確実なものとなった。サンプルは分析されるまで4℃で維持された。反応は側面に位置するDNAカセット(夫々約1kb)及び5’及び3’末端にBamHl制限部位を持つloxPスペクチノマイシンカセットを生成した。
PCRの終了後、バンドが正しサイズに存在するかをチェックするために各反応から採った10μLサンプルがInvitrogen 1.2%寒天Eゲル上60ボルトで30分電気泳動に付された。本明細書に記載の全てのゲル電気泳動法はこの条件を用いた。もしバンドが存在する場合は、反応管の残りの部分が製造者の指示に従いQiagen QIAQUICK(登録商標)PCR精製キットを用いて精製され、その後適当な制限酵素対により切断された。消化は9μLの水, 2μLの1OxBSA, 2μLの適当なNEB制限緩衝液(2000-01 NEBカタログ及び技術参考書による), 5μLのテンプレート及びlμLの各制限酵素よりなる20μLの反応物として37℃で1時間行われた。
例えば、bglC上流断片はNEB (New England BioLabs)制限緩衝液B中でSacI及び BamHIにより切断された。消化された断片はゲル電気泳動法及び製造者指示に従いQiagen QIAQUICK(登録商標)ゲル抽出キットを用いる抽出により精製された。
断片のプラスミドベクターへの結紮は、製造者指示に従いTakara結紮キット又はT4DNAリガーゼ(反応物内容:5μLの各挿入断片、1μLの切断pUC19プラスミド、 3μL T4 DNAリガーゼ緩衝液,及び1μL T4 DNAリガーゼ)を用いて2段階で行われた。まず、切断された上流及び下流断片はSacIにより消化され、そしてゲル精製されたpUC19プラスミド(Yanisch-Reman他、Gene 33:103-1 19 [1985]を参照)ポリリンカー中の独特の制限酵素認識部位に15℃で一夜で結紮され、円形プラスミドを再形成するために通常のBamHIに連結される。この再円形化されたプラスミドは、製造者の一回限り(one shot)の形質転換手順を用いてInvitrogenの有能な「トップ10」大腸菌細胞に形質転換された。
形質転換細胞はブルーホワイトスクリーニングのため1.5% 寒天(LA)プラスX-gal (Sigma)を含む50ug/mlカルベニシリンで凝固されたLuria-Bertani (LB)培養液上で選択された。クローンが選ばれ5mLの Luria-Bertani (LB)培養液プラス50ug/mlカルベニシリン中で37℃で一夜成長させ、そしてプラスミドがQiagenのQIAQUICK(登録商標)Mini-Prepキットを用いて分離された。SacIを用いた制限分析により2 kb 挿入が存在することが確認された。挿入を持つことが確認されたプラスミドは上に記載の様に(更に1μLの水が第二の制限酵素の変わりに加えられた)消化反応においてそれらを線状にするためBamHIにより切断され、円形化を防ぐために1 μLの子牛の腸又はエビのホスファターゼにより37℃で1時間処理され、loxP 部位が側面に位置しているBamHIにより消化されたスペクチノマイシン 抵抗カセットに結紮された。この結紮ミックスが大腸菌トップ10細胞に形質転換され、コロニーが100 ug/mlスペクチノマイシンを用いることを含みLAプレート上で選択された。分離されたプラスミドへのマーカー挿入の確認は上に記載の様にBamHIによる制限分析により行われた。バチルス スブチリス (Bacillus subtilis)への形質転換に先立ち、二重クロスオーバー事象を確認するためプラスミドがScaIにより線状化された。
実施例2
粘度アッセイ
細胞はスブチリシン生成に適した50 mLの成長培地を含む250 mlバッフルフラスコで成長させた(Christianson他、Anal. Biochem., 223:119-129 [1994]; 及びHsia他、Anal. Biochem., 242:221-227 [1996]を参照)。媒体は8時間培養した5mL培養物の50μLを植菌され、40時間37℃、250 RPMで振動させ成長させた。宿主 A (-bglC)、宿主 B (-bglC), 宿主 C (-bglS) 及び宿主 D (-bglS)の培養物を48時間成長させた。
1 mlサンプルが37時間で各振動フラスコから採られた。細胞は遠心分離により除去され60 ミクロリットルの浮遊物が粘度アッセイされた。粘度はt=0, t=22 時間及びt=l20時間で測定された。水がコントロールとして使用された。
粘度は以下の方法により測定された:各実験において2ml容量の1%セルロース性材料 (カルボキシメチル セルロース)が低温瓶に分配された。60ミクロリットルサンプルが2ml容量のセルロース性材料に加えられた。静かに混合した後、サンプルは適当な事前に選定された時間(例えば、20時間培養)に分析のため採られた。分析のため500ミクロリットルのサンプル及び基質が粘度計(25℃に設定したCP40温浴槽を持つBrookfield LV DVIII Cone & Plate粘度計)のサンプルコップにピペットで採られ、粘度計はSSN(設定速度)が16 RPM, 及びWTI(待ち時間)が30秒(Rheocalc software)になるようプログラムされた。30秒後、集計シートが表示された。
これらのアッセイの結果は図2に示す。実験の間1% セルロース系材料に接触させたコントロール, 宿主A(-bglC)、宿主B(-bgIC)サンプルは粘度の低下は観測されなかった。このことはサンプルにおいてセルラーゼ活性が見られなかったことを示す。
bglSゲノム配列が欠失した宿主株は、その粘度が低下していることから分かる様に極めて大きいセルラーゼ活性を示した。
実施例3
プロテアーゼを生成するbglC::スペクチノマイシン株の構築
以下の株がこの実験で使用された:スブチリシン プロテアーゼを生成するバチルス スブチリス株及び挿入によりbgICが不活性化された同じ株である。
試験される株は以下の様に構築された。SC6株(spoIIE, amyE, aprE Pxyl:comK)がスブチリシン生成株から得られる染色体DNAにより形質転換された。形質転換細胞はクロラムフェニコール(5ミクログラム/ml)及び1.6%スキムミルクを含むL寒天プレート上で選択された。スブチリシンの存在がスキムミルクを含むプレート上でハローの生成により確認された。結果の生成された株、MDT04-250が、挿入によるbgIC遺伝子の不活性された株から得られる染色体DNAにより形質転換され、その形質転換細胞はスペクチノマイシン(100ミクログラム/ml)を含むL寒天プレート上で選択された。新しい株、MDT05-28、はクロラムフェニコール(5ミクログラム/ml)及びスペクチノマイシン(100ミクログラム/ml)に対し耐性があることが確認された。2つの株は、それらをクロラムフェニコール(10ミクログラム/ml)及びその後クロラムフェニコール(25ミクログラム/ml)を含むL寒天プレート上で逐次成長させることによりプロテアーゼのために増幅された。これらの増産された株は250mLバフルドフラスコ中に25mlのLB(Difco), グルコース(0.1%)及びクロラムフェニコール(25ミクログラム/ml)を含む振動フラスコ中で成長させた。振動フラスコを280 rpmで振動させ37℃で培養させ、550nmの光学濃度(OD550)が0.8、1mLの培養物が0.5 ml 30%グリセロールと混合され−70℃で冷凍された。30ミクロリットルの解凍された瓶が250mlフラスコ中で40mlのFNII媒体を植菌するのに使用された。各株ごとに2つのフラスコが使用された。振動フラスコは280rpmで振動しつつ37℃で数日培養された、浮遊物のサンプルが粘度試験及びスブチリシン分析のため回収された。
液体培養物の浮遊物が、成長させる間の異なる時間(例えば、16、48及び68時間)に採取され、0.1 M Tris 中、0.3mM N-スクシニル-L-Ala-L-Ala-L-Pro-L-Phe-p-ニトロアナライド(N-succinyl-L-Ala-L-Ala-L-Pro-L-Phe-p-nitroanalide)(Vega Biochemicals)を含むpH 8.6、25℃溶液中で上に記載の様にスブチリシンのアッセイが行われ(Estell他、J. Biol. Chem., 260:6518- 6521 [1985]を参照)。アッセイの結果、加水分解及びp-ニトロアナリン(p-nitroanaline)の放出のため410 nm/分の吸光度が増大しているのが測定された。これら株は同等速度で同等量のスブチリシンを生成した。
両方の親株の振動フラスコの浮遊物サンプル、MDT04-250 又はbglC: スペクチノマイシン株(MDT05-28)が、植菌の後16、48及び68時間に採取され、セルロース基質(4.5mlの5% CMC + 0.5mlの浮遊物)と共に1, 24又は48時間培養された。セルロース基質上のセルラーゼの活性が、上に述べた様に製造者の指示によるソフトウエアを用いて流量計で測定され、セルラーゼ基質の粘度が低下していることが測定された。データはコントロール(dH2O)の計量に対するパーセントとして示す。MDT05-28の振動フラスコから採ったサンプルはセルロース基質の粘度の減少を示さなかったが、MDT04-250の全てのサンプルは直ぐにセルロース基質の粘度を低減させた。このことはbglCの不活性化によりセルロース基質での活性化が防止されたことを示す。これらのアッセイの結果を図3に示す。これらの結果は、破壊されたbglC遺伝子を持つスブチリシンを発現させる宿主バチルス株から得られる培養浮遊物は本質的なセルラーゼ活性を示さないことを示す。
本明細書に記載の全ての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者のレベルを示すものである。本明細書に記載の全ての特許及び刊行物は、もし個々の刊行物が特定され及び個別に参照により本明細書に組み入れられることが。示されると同様の範囲において参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の好ましい実施の態様についての記載より、当業者であれば開示された実施の態様に種々の変更を加えることとできるため、したがって、その様な変更は本発明の範囲内にあるものである。
その技術分野の当業者であれば、本発明に固有のものに限らず、本発明を、本明細書に記載の目的を実施するために容易に改変されうることを、直ちに理解し、本明細書に記載の目的と利益を達成するであろう。本明細書に記載の組成物及び方法は好ましい実施の形態の代表例であり、本発明の範囲を限定するものと解してはならない。
本発明の範囲及び精神から離れることなく種々の置換、修飾を加えることは当業者にとって容易なことである。
本明細書に説明により記載された発明は、特にそこで記載されていない要素、限定が含まれていない場合においても適切に実施しうると考える。用いられた用語、及び表現は記載のために用いられるもので、限定の意味に解してはならない。そのようは用語及び表現は、その特徴を持つ同等物及びその部分を除外するものではない、しかし、本発明の特許請求の範囲内において種々の修飾が可能であることを認識すべきである。このように、本発明は、好ましい実施の形態及び任意選択された特徴により特に開示されたものであるが、本明細書に開示された概念の、修飾及び変形は当業者により実施が可能であり、したがって、そのような修飾及び変形は特許請求の範囲に記載された、本発明の範囲内であると解される。
本発明は、広く又一般的な表現により記載されている。一般的な開示に含まれるより狭い範囲の種類、亜属のグループの夫々もまた本発明の部分を構成する。したがって、これは、排除された材料が特に本明細書に記載されているか否かを問わず、その属からあるものを除外するという条件又は否定的限定を持つ本発明の一般的な記載についても同様に適用される。

Claims (20)

  1. 不活性化されたbglC遺伝子を含むゲノムを含む組み換えバチルス(Bacillus)種宿主細胞であり、前記細胞は分泌された洗剤添加タンパク質の生成のための組み換え核酸を更に含む、前記宿主細胞。
  2. 前記不活性化されたbglC遺伝子が欠失、挿入、置換又は再配置を含む請求項1の組み換えバチルス種宿主細胞。
  3. 前記バチルス種細胞がバチルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス スブチリス (Bacillus subtilis)、バチルス クラウシ (Bacillus clausii)、バチルス アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)又はバチルス ハロジュランス(Bacillus halodurans)細胞である請求項1の組み換えバチルス種宿主細胞。
  4. 前記分泌された洗剤添加タンパク質が、プロテアーゼ、アミラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、アシル トランスフェラーゼ、アリールエステラーゼ及びリパーゼから選択される酵素である請求項1の組み換えバチルス種宿主細胞。
  5. 前記酵素がプロテアーゼである請求項4の組み換えバチルス種宿主細胞。
  6. 前記プロテアーゼはスブチリシンである請求項5の組み換えバチルス種宿主細胞。
  7. 前記bglC遺伝子が配列番号2と配列が少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードする請求項1の組み換えバチルス種宿主細胞。
  8. 培地及び請求項1の組み換えバチルス種宿主細胞を含む細胞の培養物。
  9. 前記分泌された洗剤添加タンパク質の生成のために適した条件下で請求項8の細胞の培養物を維持することを含む方法
  10. 更に前記培地から前記分泌された洗剤添加タンパク質を回収することを含む請求項9の方法。
  11. 更に前記分泌された洗剤添加タンパク質を洗濯洗剤と組み合わせることを含む請求項10の方法。
  12. 前記分泌された洗剤添加タンパク質はスブチリシン プロテアーゼである請求項9の方法。
  13. 請求項9の方法により生成されたセルラーゼを含まないタンパク質組成物。
  14. 前記組成物がバチルス種により生成された分泌された洗剤添加タンパク質を含み、及び前記組成物は検出されうるセルラーゼ活性を持たない請求項13のセルラーゼを含まないタンパク質組成物。
  15. 請求項9の方法により生成された分泌された洗剤添加タンパク質を含む、セルラーゼを含まない洗濯洗剤。
  16. 前記洗剤がセルロース系ポリマーを含む請求項15のセルラーゼを含まない洗濯洗剤。
  17. 細胞を生成する方法であって、前記方法は
    a)組み換え核酸が前記細胞のbglC遺伝子と再結合するように第一の組み換え核酸をバチルス種に導入し、及び
    b) 第二の組み換え核酸を、分泌された洗剤添加タンパク質の発現をさせる前記細胞に導入することを含む、
    前記細胞を生成する方法。
  18. 前記核酸が前記bglC遺伝子に挿入される請求項17の方法。
  19. 前記核酸が前記bglC遺伝子の少なくとも一部を欠失させる請求項17の方法。
  20. 前記分泌された洗剤添加タンパク質がスブチリシンである請求項17の方法。
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