JP2010518841A - 新しい癌マーカー - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌における遺伝子プロモーターの高メチル化についての新規マーカーに関する。特に、本発明は、腫瘍が気道‐消化器系に発症しているか、又は対象がそのような腫瘍の治療後に再発しているかどうかの判定方法に関する。前記方法は、CNRIP1、MAL、FBN1、SPG20、SNCA、及びINAから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子のプロモーター領域である、最初のエクソン又はイントロン、の核酸配列内のCpG部位のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はメチル化状態を測定するステップを含んで成る。本発明は、気道‐消化管の腫瘍を検出するための診断キットにさらに関する。

Description

本発明は、癌における遺伝子プロモーターの高メチル化についての新規マーカーに関する。特に、本発明は、腫瘍が気道‐消化器系に発症しているか、又は対象がそのような腫瘍の治療後に再発しているかどうかの判定方法に関する。本発明の方法は、特定の遺伝子の1つ以上のプロモーター領域/配列内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んで成る。本発明は、このようなメチル化遺伝子の使用、及び癌を検出するための診断キットにさらに関する。
エピジェネティックな遺伝子調節障害は、ヒトの癌において遺伝子の突然変異と同じくらい一般的である。これらの機構は、癌性の形質転換をもたらす可能性がある選択的な増殖優位の原因となる定量的及び定性的な遺伝子の発現変化に通じる。転写不活性化に関連している遺伝子プロモーター内の異常な高メチル化CpGアイランドは、癌における最も多いエピジェネティックな変化の一つである。疾患の早期検出がほとんどのタイプの癌について臨床成果の改善をもたらし得るので、癌に関連した異常な遺伝子メチル化の同定が、有望な新規バイオマーカーに相当する。結腸直腸癌を含めた気道‐消化器系における癌に関しては、初期研究は、患者の血液及び糞便中の異常メチル化DNAの存在を同定した。良性腫瘍の中の、及びごく稀に正常粘膜において既に高頻度で異常に高メチル化された遺伝子は、危険性の高い腺腫、及び危険性の低い病期の癌腫の早期検出の潜在的な臨床的利益のため、診断バイオマーカーのふさわしい候補であるだろう。
しかしながら、一般的に、気道‐消化器系の癌についての既存の初期マーカーの感度と特異性は乏しいままであるので、これまで、メチル化について実際にスクリーニングされた遺伝子のいくつかだけが、かなり高い感度と特異性を示した。特異的な高メチル化は、MullerらとChenらによって報告されたVIM(ビメンチン)及びSFRP2において見られ、そして最近、NR3C1の高メチル化の頻度が著しく低かった一方で、Lindらからの報告において、ADAMTS1及びCRABP1が結腸直腸腫瘍において癌特異的な高頻度の高メチル化を持つことが示唆された。Lindらは、結腸直腸癌についての潜在的なマーカーとして18個の遺伝子をさらに同定した。Moriらによる研究では、Lindらによって議論された18個の候補遺伝子の中の1つである、T細胞分化タンパク質MALは、MALのメチル化頻度が6%のメチル化(2/34個のサンプル)にしか相当せず低かったので、気道‐消化管の癌についての適切な診断バイオマーカーではないだろうと結論づけられた。発明者によって行われた、18個の候補遺伝子のうちのいくつかのさらなる分析では、有望な結果をもたらさなかった:NDRG1は分析されたすべてのサンプルにおいてメチル化されず、NR3C1はメチル化されたが、非常に低い頻度においてのみであり、そして、その後のSDHAの配列分析では、この遺伝子の同一性を確認することが不可能であり、それが癌発生のマーカーとして不適当である状態にしていた。
結論として、Lindらによって議論された遺伝子のいずれかが、癌検出のための現在の技術に対していずれかの改善をもたらすだろうという形跡がなかった。その結果、各遺伝子が癌において高い頻度及び特異性で高メチル化される遺伝子パネルが必要である。特に、糞便サンプルの使用を伴う技術、又は血液若しくは粘液などの容易に得られるサンプル物質に対して使用できる技術などの非侵襲性技術において有用な遺伝子パネルが必要である。そのような遺伝子パネルは、これらの癌の早期検出の可能性を大いに改善するだろう。究極の目標は、2個又は3個といった、ほんのいくつかの高頻度の遺伝子マーカーの高メチル化を測定する診断試験を開発することだろう。
したがって、プロモーター領域内のCpGアイランドが癌において高頻度で高メチル化されるさらなる遺伝子の同定が望ましい。
本発明は、Lindらによって潜在的マーカーとして同定された遺伝子の特定のサブセットが、気道‐消化器の癌において並外れて高頻度でメチル化されるCpG部位を含んでいるという本発明者による認識に基づいている。
よって、癌、例えば、気道‐消化器系における癌、特に結腸癌及び結腸直腸癌、についての診断マーカーのパネルを提供することが、本発明の目的である。このマーカーのパネルは、知られている癌マーカーの大部分におけるメチル化の低い特異性及び頻度に関連した問題を解決する。
したがって、本発明の1つの側面は、対象が癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの判定方法であって、以下のステップ:
a)上述の対象から得たサンプル中の少なくとも1つの遺伝子のプロモーター領域、最初のエクソン又はイントロン、の核酸配列内のCpG部位のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はメチル化状態を測定する
を含んで成り、ここで、上記遺伝子が以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される前記方法に関する。
前記方法は、以下のステップ:
b)上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を基準と比較し;そして
c)上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上記基準のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又CpG部位のメチル化状態に比べて高ければ、上記対象が、癌を発症しやすいか、発症しているか、又は発症する可能性が高いか、あるいは、癌治療後に再発していると断定し、そして、上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の基準のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を下回っていれば、対象が、癌を発症しにくいか、発症していないか、又は発症する可能性が低いか、あるいは、癌治療後に再発していないと断定する
をさらに含むことができる。
本発明の他の側面は、対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの判定方法であって、以下のステップ:
a)対象からのサンプルのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定し;
b)健康人集団からのサンプルから得られた上記の少なくとも1つの遺伝子のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に関するパーセンタイル・プロットを作成し;
c)健康人集団で測定したメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態、及び癌に罹患している集団で測定したメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に基づくROC(受信者動作特性)曲線を作成し;
d)感度と特異性の所望の組み合わせをROC曲線から選択し;
e)決定した又は選択した特異性に相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態をパーセンタイル・プロットから決定し;そして
f)サンプル中の上述の少なくとも1つの遺伝子のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の感度/特異性の所望の組み合わせに相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に比べて等しいか、又はそれより高ければ、上記対象が癌に罹患している可能性が高いと予測し、そして、サンプルのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の感度/特異性の所望の組み合わせに相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に比べて低ければ、上記対象が癌に罹患している可能性が低いか又は罹患していないと予測する
を含んで成る前記方法に関する。
本発明は、癌の判定のための診断キットであって、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrezid23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から選択される遺伝子の核酸配列にそれぞれ相補的である1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又は1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマーのセットを含んで成る前記キットにさらに関係する。
本発明はまた、本発明によるマーカーの使用方法にも関係する。よって、本発明は:メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を、対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかに関する指標として評価する診断アッセイにおける、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
を含んで成る群から選択される1つ以上の遺伝子の使用方法にさらに関係する。
加えて、本発明は、メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を、対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの指標として評価する診断アッセイにおける、核酸配列の使用方法であって、上述の核酸が、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される核酸配列を含んで成る前記方法に関係する。
本発明は、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択されるメチル化核酸配列を認識する抗体をさらに提供する。
3つの正常粘膜のサンプル、3つの腺腫、及び3つの癌腫におけるMALの分析から生じる代表的なメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応を示す。レーンUの目に見えるPCR産物は、非メチル化対立遺伝子の存在を示すのに対して、レーンMのPCR産物は、メチル化対立遺伝子の存在を示す。略語:A、腺腫;C、癌腫;N、正常粘膜;POS、正常血液(非メチル化サンプルの対照)及び試験管内のメチル化DNA(メチル化サンプルの対照)から成る陽性対照;NEG、(鋳型として水を含む)陰性対照;U、非メチル化MSP産物のレーン;M、メチル化MSP産物のレーン。腺腫は別々のゲル上に流されたので、例証は2つのゲル・パネルをまとめたものである。 最初にメチル化された細胞株のエピジェネティック薬処理後の遺伝子発現の上方制御を示す。CNRIP1、INA、及びSPG20のmRNA発現の上方制御が、単独、及びデアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンAと組み合わせた、脱メチル化5−アザ−2’−デオキシシチジンを用いた処理後に大腸癌細胞株において見られた。パネルは、5−アザ−2’−デオキシシチジン(1uMと10uM)単独、トリコスタチンA単独、及び2つの薬物の組み合わせ(1μMの5−アザ−2’−デオキシシチジン単独と0.5μMのトリコスタチンA)を用いて処理した6つの大腸癌細胞株、HT29、SW48、HCT15、SW480、RKO、及びLS1034におけるCNRIP1、INA、及びSPG20それぞれ(均等目盛)の相対発現値を実証する。5−アザ−2’−デオキシシチジンの(低い及び高い)2つの用量は、3つの遺伝子のすべての相対発現値の同程度の増大をもたらす。これは、細胞株の脱メチル化が、低用量の5−アザ−2’−デオキシシチジンの存在下でそれらを培養することによって達成されることを意味し、上記低用量は、この薬物の細胞毒性を考慮すると有利である。CNRIP1とINAに関して、併用処置は、5−アザ−2’−デオキシシチジン単独及びトリコスタチンA単独による個々の処置に比べてより効果的であった。併用処置はまた、SPG20発現も増強したが、しかしながら、同様の又はより高い再活性化を、5−アザ−2’−デオキシシチジン処置単独で達成できた。予想されるように、デアセチラーゼ阻害剤トリコスタチンA単独での処置は、CNRIP1、INA、又はSPG20のいずれの遺伝子発現も増強しなかった。略語:AZA、5−アザ−2’−デオキシシチジン;TSA、トリコスタチンA。 最初にメチル化された細胞株のエピジェネティック薬処理後の遺伝子発現の上方制御を示す。CNRIP1、INA、及びSPG20のmRNA発現の上方制御が、単独、及びデアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンAと組み合わせた、脱メチル化5−アザ−2’−デオキシシチジンを用いた処理後に大腸癌細胞株において見られた。パネルは、5−アザ−2’−デオキシシチジン(1uMと10uM)単独、トリコスタチンA単独、及び2つの薬物の組み合わせ(1μMの5−アザ−2’−デオキシシチジン単独と0.5μMのトリコスタチンA)を用いて処理した6つの大腸癌細胞株、HT29、SW48、HCT15、SW480、RKO、及びLS1034におけるCNRIP1、INA、及びSPG20それぞれ(均等目盛)の相対発現値を実証する。5−アザ−2’−デオキシシチジンの(低い及び高い)2つの用量は、3つの遺伝子のすべての相対発現値の同程度の増大をもたらす。これは、細胞株の脱メチル化が、低用量の5−アザ−2’−デオキシシチジンの存在下でそれらを培養することによって達成されることを意味し、上記低用量は、この薬物の細胞毒性を考慮すると有利である。CNRIP1とINAに関して、併用処置は、5−アザ−2’−デオキシシチジン単独及びトリコスタチンA単独による個々の処置に比べてより効果的であった。併用処置はまた、SPG20発現も増強したが、しかしながら、同様の又はより高い再活性化を、5−アザ−2’−デオキシシチジン処置単独で達成できた。予想されるように、デアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンA単独での処置は、CNRIP1、INA、又はSPG20のいずれの遺伝子発現も増強しなかった。略語:AZA、5−アザ−2’−デオキシシチジン;TSA、トリコスタチンA。 最初にメチル化された細胞株のエピジェネティック薬処理後の遺伝子発現の上方制御を示す。CNRIP1、INA、及びSPG20のmRNA発現の上方制御が、単独、及びデアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンAと組み合わせた、脱メチル化5−アザ−2’−デオキシシチジンを用いた処理後に大腸癌細胞株において見られた。パネルは、5−アザ−2’−デオキシシチジン(1uMと10uM)単独、トリコスタチンA単独、及び2つの薬物の組み合わせ(1μMの5−アザ−2’−デオキシシチジン単独と0.5μMのトリコスタチンA)を用いて処理した6つの大腸癌細胞株、HT29、SW48、HCT15、SW480、RKO、及びLS1034におけるCNRIP1、INA、及びSPG20それぞれ(均等目盛)の相対発現値を実証する。5−アザ−2’−デオキシシチジンの(低い及び高い)2つの用量は、3つの遺伝子のすべての相対発現値の同程度の増大をもたらす。これは、細胞株の脱メチル化が、低用量の5−アザ−2’−デオキシシチジンの存在下でそれらを培養することによって達成されることを意味し、上記低用量は、この薬物の細胞毒性を考慮すると有利である。CNRIP1とINAに関して、併用処置は、5−アザ−2’−デオキシシチジン単独及びトリコスタチンA単独による個々の処置に比べてより効果的であった。併用処置はまた、SPG20発現も増強したが、しかしながら、同様の又はより高い再活性化を、5−アザ−2’−デオキシシチジン処置単独で達成できた。予想されるように、デアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンA単独での処置は、CNRIP1、INA、又はSPG20のいずれの遺伝子発現も増強しなかった。略語:AZA、5−アザ−2’−デオキシシチジン;TSA、トリコスタチンA。 正常結腸粘液サンプルと結腸直腸癌におけるMALプロモーターのメチル化状況を示す。メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応からの代表的な結果が示されている。レーンUの目に見えるPCR産物が、非メチル化対立遺伝子の存在を示す一方で、レーンMのPCR産物は、メチル化対立遺伝子の存在を示す。N、正常粘膜;C、癌腫;Pos、陽性対照(非メチル化反応:正常血液からのDNA、メチル化反応:試験管内メチル化DNA);Neg、陰性対照(鋳型としての水を含む);U、非メチル化MSP産物のレーン;M、メチル化MSP産物のレーン。 MALプロモーター内の部位特異的メチル化を示す。MALプロモーターの亜硫酸水素塩配列決定(Bisulfite sequencing)では、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応によって評価されるメチル化状況を検証している。図面の上部は、2つの分析亜硫酸水素塩配列決定断片のA(−68〜+168;右側へ)とB(−427〜−85;左側へ)によってうまく増幅されたCpG部位の図式表示である。転写開始部位は+1で表され、そして、縦棒は個々のCpG部位の位置を示す。2つの矢印はMSPプライマーの位置を示す。図面の下部に関して、黒丸はメチル化CpGsを表し;白丸は非メチル化CpGsを表し;そして、斜線の入った白丸は部分的にメチル化された部位(チミンに加え、約20〜80%のシトシンの存在)を表す。この下部の右側のU、M、及びU/Mの列には、MSP分析を使用して我々によって評価されたそれぞれの細胞株のメチル化状況を列挙している。略語:MSP、メチル化特異的なPCR法;s、センス;as、アンチセンス;U、非メチル化;M、メチル化;U/m、非メチル化バンドとメチル化バンドの両方の存在。 MALプロモーターの「亜硫酸水素塩配列決定」を示す。大腸癌細胞株のMALプロモーターの代表的な亜硫酸水素塩配列決定の電気泳動図。転写開始部に対して+11〜+15のCpG部位の範囲にわたる亜硫酸水素塩配列決定の電気泳動図の小区分。CpG部位内のシトシンが黒い矢印で示されている一方で、チミンに変換されたシトシンには赤で下線が引かれている。ここで例証されたMALプロモーター配列決定の電気泳動図は、非メチル化V9P細胞株、並びに高メチル化ALA及びHCT116からのものである。 癌細胞株と結腸直腸癌におけるMAL発現を示す。MALのプロモーター高メチル化は、試験管内モデルにおける遺伝子発現の減少又は喪失に関連した。MALの定量的遺伝子発現レベルは、(様々なスプライス変異体を検出する)2つのMALアッセイの平均値と、2つの内在性対照、GUSBとACTBの平均値の間の比として表示される。その値に1000という因数を掛けた。各サンプルの下部に、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応によって評価される、それぞれのメチル化状況が示されている。黒丸はMALのプロモーター高メチル化を表し、白丸は非メチル化MALを表し、そして、斜線の入った白丸は非メチル化対立遺伝子とメチル化対立遺伝子の両方の存在を表す。結腸直腸癌は、非メチル化群(n=3)と、高メチル化群(n=13)に分割され、そして、発現中央値がここに表示されている。個別細胞株の起源の組織を、表1の中に見ることができる。 薬物処置後のMAL発現の上方制御を示す。大腸癌細胞株におけるmRNA発現の上方制御が後に続いたMALのプロモーター・メチル化の減少は、単独及びデアセチラーゼ阻害剤トリコスタチンAと組み合わせた脱メチル化5−アザ−2’−デオキシシチジンによる処置後に見られた。上側のパネルは、5−アザ−2’−デオキシシチジン単独、トリコスタチンA単独、及び組み合わせた2つの薬物で処置した2種類の結腸癌細胞株HT29とHCT15におけるMALの相対発現値(均等目盛)を実証している。下側のパネルは、同じサンプルに関するMALのMSPの結果を例証する。レーンUの目に見えるPCR産物は、非メチル化対立遺伝子の存在を示している一方で、レーンMのPCR産物は、メチル化対立遺伝子の存在を示している。略語:AZA、5−アザ−2’−デオキシシチジン;TSA、トリコスタチンA;Pos、陽性対照(非メチル化反応:正常血液からのDNA、メチル化反応:試験管内メチル化DNA);Neg、(鋳型として水を含む)陰性対照;U、非メチル化MSP産物のレーン;M、メチル化MSP産物のレーン。 結腸直腸癌におけるMAL発現を示す。MALの陽性細胞質染色は、腎臓細管(A)で見られ、そして、染色は心筋(B)では観察されず、以前の報告に合致している(Marazuela M, et al J Histochem Cytochem 2003, 51: 665−674)。結腸直腸癌の上皮細胞はMAL陰性であった(C、D)が、その一方で、正常結腸組織において、MALの細胞質発現が上皮と結合組織の両方で見つけられた(E、F)。全画像は、40×レンズ(400×の倍率)を使用して記録された。
本発明は、これから、以下にさらに詳細に説明されるだろう。
定義
別段の規定がない限り、本明細書中に使用されるすべての技術用語及び学術用語は、本願発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持っている。本明細書中に記載したものと同様又は同等のいずれかの方法及び材料が本発明の実施又は試験に使用できるが、好ましい方法及び材料が説明されている。本発明の目的のために、次の用語が規定される。
エピジェネティックなもの(Epigentics)
メチル化は、細胞分裂を通して引き継がれる非配列ベースの変化と規定されるエピジェネティックな変化(epigentic change)である。
メチル化
「高メチル化」は、このような文脈において、基準メチル化を上回るメチル化である。基準メチル化は、健康被験者又は正常組織からのサンプル中の遺伝子のメチル化である。よって、正常組織で非メチル化であるところのメチル化遺伝子は、高メチル化に分類されるだろう。「メチル化状態」は、少なくとも1つの核酸配列内の1つ以上のCpG部位におけるメチル修飾の存在又は不存在の程度である。1つ以上のCpG部位のメチル化状態が着目する特定遺伝子の複数のコピーにおいて好ましくは測定されることを理解すべきである。
「メチル化レベル」は、着目の遺伝子又は核酸配列の1以上のコピーにおけるメチル化の量の表現である。メチル化レベルは、着目の遺伝子又は核酸配列内のメチル化の絶対尺度として計算できる。また、「相対メチル化レベル」は、存在するDNAの総量に対するメチル化DNAの量として、あるいは、核酸配列又は遺伝子の総コピー数に対する着目の遺伝子又は核酸配列のメチル化コピー数として、測定することができる。加えて、「メチル化レベル」は、着目のDNA範囲の中のメチル化されたCpG部位のパーセンテージとして測定できる。
メチル化レベルという用語はまた、例えば、プロモーター領域内の1つ以上のCpG部位がメチル化されているが、メチル化の量が増幅閾値を下回っている状況も網羅する。よって、メチル化レベルは、着目の遺伝子におけるメチル化量の推定値であってもよい。
本発明は、どのような形であっても、本発明による遺伝子のメチル化状況又はメチル化レベルを測定するための特定のタイプのアッセイに限定されない。
1つの態様において、着目の遺伝子のメチル化レベルが15%〜100%であれば、50%〜100%、より好ましくは60%〜100%、より好ましくは70%〜100%、より好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%などである。よって、本発明の1つの態様において、本発明による遺伝子のメチル化レベルは、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。
CpG
「CpG部位」は、その長さに沿って直鎖塩基配列のグアニン・ヌクレオチドの隣にシトシン・ヌクレオチドが現れるDNA領域である。「CpG」は、リン酸によって隔てられたシトシンとグアニンを表し、そのリン酸がDNA内で2つのヌクレオシドを結びつけている。「CpG」表記法は、グアニンと塩基対を形成するシトシンと、シトシンとそれに続くグアニンを区別するのに使用される。
CpGアイランドは、G:C含量が少なくとも50%であり、且つ、観察されるCpG頻度を期待頻度で割った比が0.6を超える、少なくとも200塩基対のDNAの隣接ウィンドウと規定できる。しかしながら、それらはまた、少なくとも55%のG:C含量を有し、且つ、少なくとも0.65の観察されたCpG頻度を期待されるCpG頻度で割った比を有する500塩基対のウィンドウといった、よりストリンジェントな定義を規定することもできる。
プロモーター領域又は配列
「プロモーター領域又は配列」は、所定の遺伝子の転写開始部位から1000bp上流に伸びる連続した核酸配列、及び転写開始部位から300塩基対川下に伸びる連続した核酸配列を含んで成る。配列リストでは、上流配列が小文字で示されているのに対して、下流配列は大文字で示されている。配列の3’部分では、イントロン配列が小文字で示されている。
転写開始部位
「転写開始部位」は、転写が開始される地点を説明するために現在の発明と関連して使用される。転写は、遺伝子内の1以上の部位において開始でき、そして、1つの遺伝子が複数の転写開始部位を持つことができ、そのいくつかが特定の細胞型又は組織における転写に特異的であり得る。
核酸配列のメチル化
遺伝子は、ポリペプチド鎖の産生及び調整に関与するDNA領域である。遺伝子には、イントロン、エクソン、プロモーター、イニシエーター、エンハンサー、ターミネーター、マイクロRNAs、及び他の調節エレメントを含めたコード部分と非コード部分の両方が含まれる。本明細書中に使用される、「遺伝子」は、少なくとも遺伝子の一部を意味するものである。よって、例えば、「遺伝子」は、本発明の目的のためのプロモーターであると考えることができる。したがって、本発明の1つの態様において、遺伝子のパネルの少なくとも1つのメンバーは、全遺伝子の中の非コード部分を含んで成る。特定の態様において、遺伝子の非コード部分はプロモーターである。他の態様において、遺伝子の中の全パネルのすべてのメンバーが、これだけに制限されることなく、イントロンなどの、遺伝子の非コード部分を含んで成る。他の特定の態様において、遺伝子の中のメンバーの非コード部分はプロモーターである。本発明の他の態様において、遺伝子の中のパネルの少なくとも1つのメンバーは、その遺伝子のコード部分を含んで成る。他の態様において、遺伝子の中の全パネルのすべてのメンバーは、遺伝子のコード部分を含んで成る。
「核酸配列」という用語は、一本鎖の形態か、又は二本鎖の形態のいずれかのデオキシリボヌクレオチドの重合体を指す。
「部分配列」は、配列全体の中のいずれかの部分である。よって、部分配列は、アミノ酸の、又はより長い配列の核酸(例えば、ポリヌクレオチド)の一部であるところの核酸の連続した配列を指す。
「配列の同一性」という用語は、等しい長さの2つの核酸配列の間の相同性の度合いの定量的尺度を示す。比較されるべき2つの配列が等しい長さのものでなければ、それらは、ギャップの挿入を可能にするか、又はその代わりに、ポリペプチド配列若しくはヌクレオチド配列の末端部における切断を可能にする、実現し得る最高の適合をもたらすようにアラインメントされなければならない。配列の同一性は、以下の:
Figure 2010518841
{式中、Ndifが、アラインメントしたときの2つの配列の中で同一でない残基の総数であり、そして、Nrefが、1本の配列内の残基数である。}として計算される。故に、DNA配列AGTCAGTCは、配列AATCAATCと75%の配列同一性を有するだろう(Ndif=2とNref=8)。ギャップは、特異的残基の中で同一でないとみなされる、すなわち、DNA配列AGTGTCは、DNA配列AGTCAGTCと75%の配列同一性を有するだろう(Ndif=2とNref=8)。
ヌクレオチド配列に関する発明のすべての請求項に関して、1つ以上の配列の間の配列同一性のパーセンテージもまた、既定の設定を用いたclustalWソフトウェア(http:/www.ebi.ac.uk/clustalW/index.html)を使用したアラインメントに基づくことができる。ヌクレオチド配列アラインメントのための、これらの設定は、以下のとおりである:Alignment=3Dfull、Gap Open 10.00、Gap Ext. 0.20、Gap separation Dist. 4、DNA weight matrix:identity(IUB)。あるいは、配列はプログラムDNASIS Maxを使用することで分析でき、そして、配列の比較はwww.paralian.orgにておこなうことができる。このサービスは、Smith−Waterman(SW)及びParAlignと呼ばれる2つの比較アルゴリズムに基づいている。最初のアルゴリズムは、SmithとWaterman(1981)によって確立され、そして、2つの配列の最適な局所アラインメントを見つける十分に確立された方法である。もう片方のアルゴリズムであるParAlignは、配列アラインメントのための発見的方法である;その方法に関する詳細は、Rognes et alにより発表されている。スコア・マトリックス及びギャップペナルティ、並びにE値の既定の設定が使用された。
本発明との関連において、「相補的」は、互いに2つのヌクレオチド配列の間の正確な対合の容量を指す。例えば、オリゴヌクレオチドの特定の位置のヌクレオチドが、DNA分子の対応する位置においてヌクレオチドと水素結合が可能であれば、その時、上記オリゴヌクレオチドと上記DNAは、その位置において互いに相補的であると考えられる。オリゴヌクレオチド内の十分な数のヌクレオチドが、安定な複合体の形成を可能にする、標的DNA内の対応するヌクレオチドとの水素結合を形成できるとき、DNA鎖は互いに相補的であると考えられる。
本関係において、「相補配列」又は「相補体」といった表現は、そのため、ストリンジェント条件下、本発明の核酸分子にアニールするヌクレオチド配列も指す。
「ストリンジェント条件」という用語は、高い、弱い、又は低いストリンジェンシーの全体的な条件を指す。
「ストリンジェンシー」という用語は、当該技術分野で周知であり、核酸ハイブリダイゼーションが行われる条件(温度、イオン強度、及び有機溶剤などの他の化合物の存在)に関して使用される。「高ストリンジェンシー」条件により、「弱い」又は「低い」ストリンジェンシー条件と比べて、高頻度の相補的塩基配列を持つ核酸断片の間にだけ核酸塩基対合が起こるだろう。試験ハイブリダイゼーションのための好適な条件は、5×SSC中への予浸と20%のホルムアミド、5×デンハート液、50mMのリン酸ナトリウム、pH6.8、及び50mgの変性させた超音波処理仔ウシ胸腺DNAの溶液中、〜40℃にて1時間のプレハイブリダイズ、それに続く100mMのATPを補った同じ溶液中、〜40℃にて18時間のハイブリダイゼーション、それに続く、2×SSC、0.2%のSDS中、40℃にて(低ストリンジェンシー)、好ましくは50℃にて(中程度のストリンジェンシー)、より好ましくは65℃にて(高ストリンジェンシー)、より一層好ましくは〜75℃にて(非常に高いストリンジェンシー)30分間の3回のフイルター洗浄を含む。ハイブリダイゼーション方法に関するさらなる詳細は、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor,1989の中で見られる。

「癌」は、細胞が攻撃的(通常の制限に関係なく増殖し、そして、分裂する)、侵襲的(周囲の組織に浸潤し、そして、破壊する)、そして、時々、転移的(体内の他の場所に拡散する)である疾患群である。癌のこれらの3つの悪性特性が、増殖において自己限定的であり、且つ、通常、浸潤又は転移しない良性腫瘍とそれらを区別する。
癌は、通常、癌細胞が起こった組織、並びにそれらが最も類似している正常細胞型により分類される。確定診断は、通例、病理学者による組織生検材料の組織学的検査を必要とする。癌患者の予後は、癌のタイプ、並びに病期又は疾患の範囲によって最も影響を受ける。早めの診断は、通常、よりうまくいく治療と高い生存率に関連する。
「腫瘍サプレッサ遺伝子」は、多くの場合、癌細胞において不活性化されている遺伝子であり、正確なDNA複製、細胞周期の制御、組織内の配向と接着、及び免疫系の保護細胞との相互作用などのそれらの細胞の正常な機能の喪失をもたらす。結腸直腸癌を含めた数種類の癌では、いくつかの腫瘍サプレッサ遺伝子が、CpGアイランド・プロモーターの高メチル化によってエピジェネティックに不活性化されることが確認された。
腫瘍は異常な腫脹、しこり、又は腫瘤であり得るが、しかしながら、その用語が本明細書中の解釈であるので、その用語は新生物、特に充実性新生物を意味する。新生物は、遺伝子操作された細胞の異常増殖と規定される。新生物は、良性であっても、悪性であってもよい。悪性新生物又は悪性腫瘍は、ここでは癌として理解される。良性新生物又は良性腫瘍は、通常、それ自身によって増殖を止め、そして、他の組織に浸潤せず、且つ、転移を形成しない腫瘍(充実性新生物)である。しかしながら、良性腫瘍は悪性になり得る。
周辺組織に浸潤する腫瘍は、本明細書中では癌として理解される。前悪性腫瘍、前癌状態、又は前侵襲性腫瘍は、侵襲性でないが未処置で残されれば、癌(侵襲性になる)に進行する可能性を持つ新生物として本明細書中では理解される。
本発明による方法は、重症度、すなわち、Dukesシステム、Astler−Collerシステム、及びTNM病期分類AJCC(対癌米国合同委員会)などの病期、を決定するのに使用できる。Dukesシステムは、腫瘍の程度に基づいてAからDまで結腸直腸癌を分類する4クラス病期分類システムである:A、腸壁内への穿通、しかし貫通なし;B、腸壁を貫く穿通;C、腸管壁穿通の程度にかかわらずリンパ節転移;D、遠隔臓器、例えば、肝臓及び肺への癌の拡散。この分類法の多くの変法が存在している、例えば、TNM病期分類。
バイオマーカー
バイオマーカーは、その検出が特定の病状を示す物質であってもよい。バイオマーカーはまた、疾患の危険性若しくは進行、又は所定の処置に対する疾患の感受性と相関するタンパク質の発現又は状況の変化も示し得る。優れたバイオマーカーは、個人の疾患の危険性、疾患の存在を診断するか、又は個人の疾患に対する個別化治療に使用できる。バイオマーカー及びマーカーといった用語は、本文脈の中で互換的に使用される。
癌マーカー、腫瘍マーカー、及び本文脈中のメチル化マーカーは、腫瘍、及び/又は癌を検出するためのマーカーである。マーカーは、対象体内の癌、及び/又は腫瘍、又は発症する癌、及び/又は腫瘍の存在を検出するのに、あるいは、対象が癌、及び/又は腫瘍を発症しやすいか又は再発しているかどうかを検出するのに使用できる。
本発明による遺伝子は、それぞれ、マーカー、バイオマーカー、癌マーカー、又は腫瘍マーカーであり得る。
腫瘍の進行
対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかを判定することに加えて、本発明による方法は、対象における癌の進行を検出するのにも使用できる。これは、異なる時点における対象の1つ以上の遺伝子のメチル化状況又はレベルを測定し、次に、経時的に1つ以上の遺伝子のメチル化状態又はレベルで相違を測定することによっておこなわれ得る。経時的なメチル化状態又はレベルの相違は、対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの指標となり得る。
本発明はまた、ヒト癌患者において疾患経過に関する予後の作成方法を提供する。本願発明の目的のために、「予後」という用語は、疾病進行、特に腫瘍再発、転移拡散、及び疾患再発の予測及び見込み分析を網羅するものとする。本発明の予後方法は、治療的介入、疾患病期分類及び疾患モニタリングなどの診断基準、並びに新生物疾患の転移又は再発の監視を含めて、治療様式に関する決定をする際に臨床的に使用されるものとする。治療は、本明細書中では、予防的治療と治癒的治療の療法として理解される。
本発明はまた、テスト又はスクリーニング方法などの前述の方法によって得られた結果又は兆候の確認方法も提供する。
よって、「癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすい、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうか」という語句は、本明細書中では、癌の現在の存在、将来的な出現、又は将来的な再発の見込みの推定又は判定などの判定、及び/又は予測を網羅する。
サンプル
サンプルは、これだけに制限されることなく、治療される新生物の一部などの組織切片又は生検検体であり、又はそれは周囲の正常組織の一部であってもよい。サンプルは、好ましくは、これだけに制限されることなく、血液、大便(糞便(feaces))、尿、胸膜液、胆汁、気管支液、うがい液(oral washings)、組織生検、腹水、膿、脳脊髄液、穿刺液(aspitate)、卵胞液、組織又は粘液である。サンプルは、アッセイされる前に処理されてもよい。例えば、サンプルは、希釈されるか、濃縮されるか、又は精製されてもよく、及び/又は内部標準などの少なくとも1つの化合物が、サンプルに加えられてもよい。別々のサンプルを扱う手順は、当業者に知られている。本発明によるすべての方法が、好ましくは、サンプルの試験管内分析に関係することを理解すべきである。
サンプルのメチル化頻度
用語「サンプルのメチル化頻度」は、本明細書中では、メチル化されているサンプルの定量的測定、すなわち、着目の遺伝子がメチル化されているサンプルの相対数と規定される。例として、表3から明らかであるように、結腸細胞株からの20個のサンプルのうちの20個がメチル化されている、CNRIP1のサンプルのメチル化頻度は100%である。メチル化されているサンプルの相対量は、感度とそれぞれの遺伝子の特異性に基づいて見積もられる基準又はカットオフ・レベルと比較される。
基準
対象が癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、癌治療後に対象が再発しているかどうか判定するために、基準、基準レベル又は基準値が定められなければならない。基準はまた、アッセイ及び方法の変化、キットの変化、取り扱いの変化、互いの若しくは他の公知のマーカーとのマーカーの組み合わせに関連する変化、及び直接的又は間接的にメチル化に関連しないその他の変化を計算に入れることも可能にする。
本発明との関連において、「基準」という用語は、検量線などの他の値又は特徴を比較し得る、量、質、又はタイプと関連する標準に関する。
基準又は基準レベルは、この関係において、健康対照集団と知られている癌に罹患している集団の両方のパラメーター(メチル化状態又はメチル化レベル)を計測することによって決定された値又はレベルと理解すべきであり、それによって、健康対照者集団と癌患者集団のパラメータ値と知られている臨床データとの関係の分析に基づく所定の特異性又は所定の感度のいずれかを用いて癌集団を特定する。
当業者によって広く理解されているように、癌のスクリーニング方法は、比較による意志決定の過程である。あらゆる意志決定の過程において、癌に罹患している対象若しくは着目の病状、及び/又は癌に罹患していない対象若しくは着目の病状に基づく基準値、基準レベル、又はカットオフ・ポイントが必要である。基準レベル(又はカットオフ・ポイント若しくはカットオフ・レベル)は、さらなる観血的な診断検査を続ける条件を満たした対象の数、さらなる診断検査を続けるすべての対象に対する、例えば、癌の罹患、及び/又は発症に関する平均危険率、患者固有の危険性が(団体又は個々の対象のスクリーニングによって規定される)400分の1若しくは1:250などの特定の危険性レベルより高いすべての対象がさらなる観血的な診断検査を続けるべきであるという決定を含めたいくつかの基準、あるいは、当業者に知られているその他の基準を考慮に入れて確立される。
基準レベルは、それだけに制限されることなく、試験された個人の特定の群などのいくつかの基準に基づいて調整され得る。例として、カットオフ・レベルは、免疫不全を患っている人及び活動性疾患に進行する危険性が高い患者においてより低く設定でき、基準レベルは、活動性疾患を発症する危険性の低いその他の健常人の群においてより高く設定できる。
基準レベルは、疾患の様々な病期(例えば、良性腫瘍若しくは悪性腫瘍)、正常な粘液の起源(癌に罹患していない人からに対して癌患者から)、又は血液と糞便の起源に関して異なり得る。加えて、基準レベルは、疾患を患いやすい対象、又は疾患の治療から再発している対象に関して異なり得る。
基準レベルは、固有の感度又は特異性を受け入れるようにカスタマイズされ得る:当業者が高感度を有するテストを所望するなら、基準レベルは低く設定できる。当業者が高特異性を有するテストを求めるなら、基準レベルは高く設定できる。
疾患の有病率又は予測有病率の存在に依存して、基準レベルは、疾患の重症度と、患者がその試験に関して陽性であるか若しくはその試験に関して陰性であるかを判定する因果関係に依存して、望まれる位に少ない偽陽性、又は少ない偽陰性しか得ないように調整され得る。
メチル化の測定方法、マーカー遺伝子のプロモーター領域を含んで成る核酸配列の選ばれた部分、又は他のパラメーターは、本明細書中の教示に従って測定され得る他の基準値をもたらすだろう。
症状のある単身の患者が診断されなければならない、又は試験が集団内の多数の人のスクリーニングで使用されるのであれば、基準レベルは異なり得る。
基準レベルは、これだけに制限されることなく、CNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、INA、MAL、ADAMTS1、VIM、SFRP1、及び/又はSFRP2などの異なったマーカーの複合メチル化状態又はレベル測定値に基づくことができる。化合物の基準レベルは、本発明の教示に従って測定され得る他の値をもたらし得る。
メチル化のレベルは、対象は癌の危険性又は見込みが高いかどうか判定するために、1セットの、カットオフ値などの基準データ又は基準レベルと比較される。
特異性と感度
いずれかの所定のスクリーニング試験の感度は、その試験によって正しく特定又は診断される、病態を有する人の割合であり、例えば、所定の病態を有するすべての人が陽性の試験であれば、感度は100%である。所定のスクリーニング試験の特異性は、その試験によって正しく特定又は診断される、病態を有さない人の割合であり、例えば、病態を有さないすべての人に陰性の試験結果を得れば、100%の特異性がある。
よって、感度は、(真の陽性試験結果の数)/(真の陽性の数+偽陰性試験結果の数)と規定される。
特異性は、(真の陰性結果の数)/(真の陰性の数+偽陽性結果の数)と規定される。
本願による遺伝子は、高感度(癌に罹患している対象からの着目のメチル化遺伝子を含んで成るサンプルの相対量が高い)と高特異性(癌に罹患していない対象からの着目のメチル化遺伝子を含んで成るサンプルの相対量が低い)を有することを特徴とする。
癌のための優れたマーカーは、対象が癌に罹患しているときには、ほとんどすべてのサンプルでメチル化されていて、且つ、癌に罹患していない対象からのサンプルにおいては、メチル化されない遺伝子である。
本発明による方法の特異性は、好ましくは70%〜100%、例えば、75%〜100%などであり、より好ましくは80%〜100%であり、より好ましくは90%〜100%である。よって、本発明の1つの態様において、本発明の特異性は、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。
本発明による方法の感度は、好ましくは80%〜100%であり、より好ましくは85%〜100%であり、より好ましくは90%〜100%である。よって、本発明の1つの態様において、本発明の感度は、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。
本発明によるマーカーは、本発明による方法において組み合わせて使用できることを理解すべきである。数個のマーカーを組み合わせて使用することは、単一マーカーの使用を伴うアッセイと比較してアッセイの特異性、及び/又は感度を増強することが多い。数個のマーカーが組み合わせて使用されるとき、そのため、それぞれのマーカーの特異性と感度が先に指定されているよりも低いことが許容され得る。
表3で例証された例として、遺伝子CNRIP1は、大腸癌細胞株からのすべてのサンプルの20個中の20個(100%)、そして、腺腫サンプルの48個中の45個(94%)でメチル化されている‐すなわち、この遺伝子は、疾患検出の確率がそれぞれのサンプルから100と94%である高感度を有する。正常組織からのサンプルにおける同じ遺伝子のメチル化は、21個中の0個であり、よって、その遺伝子には、偽陽性を検出する機会が0であるので、すべての癌に罹患していない人が検出される高特異性がある。癌患者からの正常な粘膜からのサンプルは、21サンプル中の9サンプルでメチル化を示し、癌が腫瘍から離れて検出されることを示した。
受信者動作特性
診断試験の精度は、その受信者動作特性(ROC)によって最もよく説明される(特にZweig,M. H.,and Campbell,G.,Clin.Chem.39(1993)561−577を参照のこと)。ROCグラフは、観察されたデータの全範囲にわたる基準レベルの連続的な変化に起因する感度/特異性対のプロットである。
実験室試験の臨床成績は、その診断精度、又は臨床的に関連するサブグループに対象を正しく分類する能力に依存する。診断精度は、調査される対象の2つの異なる状態を正確に識別する、その試験が有する能力を査定する。そのような状態は、例えば、健康と疾患、潜伏感染若しくは最近の感染対感染なし、又は良性疾患対悪性疾患である。
それぞれの場合において、ROCプロットは、感度対1−決定閾値の全範囲についての特異性をプロットすることによって2つの分布の間の重複を示す。Y軸は感度であり、それは、罹患したサブグループから完全に計算される。x軸は偽陽性画分又は1−特異性であり、それは、罹患していないサブグループから完全に計算される。
2つの異なったサブグループからの試験結果を使用することによって、感度と特異性が完全に別々に計算されるので、ROCプロットは、サンプルにおける疾患の有病率と無関係である。ROCプロットの各ポイントは、特定の決定閾値に相当する感度/特異性対を示す。(結果の2つの分布に重複がない)完全な識別を有する試験は、真の陽性画分が1.0若しくは100%(完全な感度)であり、且つ、偽の陽性画分が0(完全な特異性)である左上隅を貫通するROCプロットを持つ。識別のない試験の理論上のプロット(2つの群に関する同一の結果分布)は、左下隅から右上隅への45°の対角線である。ほとんどのプロットが、これらの両極端の間に入る。(ROCプロットが45°の対角線の下に完全に入るならば、これは、「陽性」の判断基準を「より多い」から「より少ない」に、又はその逆に逆転することによって容易に矯正される。)質的に、プロットが左上隅に近ければ近くほど、試験の全般的な精度はより高い。
実験室試験の診断精度を定量に対する1つの都合のよい目標は、その実行を1つの数によって表現することである。最も一般的な大域尺度(global measure)は、ROCプロット下の面積である。慣例により、この領域は、常に≧0.5である(でなければ、当業者はそれをそのようにしている意思決定原則を覆すことができる)。値は、1.0(2群の試験値の完全な分離)〜0.5(2群の試験値の間の見かけ上の分布の相違がない)の範囲に及ぶ。面積は、90%の特異性にて対角線又は感度に最も近いポイントなど、プロットの特定の部分だけに依存するのではなく、プロット全体に依存する。これは、ROCプロットがどれくらい完全なもの(面積=1.0)に近いかの定量的な、描写的表現である。
新規癌マーカー遺伝子の臨床有用性は、所定の癌のための他のマーカーとの比較により、又はそれらと組み合わせて評価できる、例えば、新規癌マーカーCNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、INA、及びMALの臨床有用性は:例えば、これだけに制限されることなく、ADAMTS1、VIM、SFRP1、SFRP2、及びCRABP1などの、対応する若しくは確立されたメチル化マーカー発現レベルを計測する、確立された診断手段との比較により評価した。
危険性評価とカットオフ
対象が、例えば、癌を発症する危険性が高いかどうか判定するために、陽性試験のカットオフ制限が確立されなければならない。このカットオフは、実験室によって、医師によって、又は各対象に基づいて個別的に確立され得る。
あるいは、カット・ポイントは、(例えば、癌に罹患していない)陰性対照群の平均値、中央値、又は幾何平均値+/−1つ以上の標準偏差又は標準偏差に由来する値として決定され得る。
本発明による陽性試験結果のカットオフ制限は、メチル化が癌の指標となるメチル化状態又はレベルである。
別のカットオフ・ポイントは、メチル化されていると判定される遺伝子のメチル化される必要があるCpG部位の量であってもよい。
本発明者は、新しい癌マーカーを首尾よく同定した。CNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、INA、及びMALから選択される遺伝子の核酸配列のCpG部位のメチル化状態又はプロモーター領域のメチル化レベルは、癌に罹患している対象で増強されるため、これらの遺伝子は、例えば、癌の検出のための効果的なマーカーである。
カットオフ・ポイントは、これだけに制限されることなく、疾患を患う危険性、職業、地理的な住所、又は照射線量などの試験された人の具体的条件に基づいて異なる。
カットオフ・ポイントは、これだけに制限されることなく、年齢、性別、遺伝的背景(すなわち、HLAタイプ)、獲得性又は遺伝性の免疫機能不全(例えば、HIV感染、糖尿病、腎又は肝不全を患っている患者、これだけに制限されることなく、コルチコステロイド、化学療法、TNF−α遮断薬、有糸分裂阻害薬などの免疫修飾薬を用いた治療中の患者)などの試験された人の具体的条件に基づいて異なる。
よって、決定又はカットオフ制限の調節の実行は、存在しているなら、癌を検出する試験感度を、又はこの制限を下回る場合に、癌又は疾患を除外するその特異性を決定するだろう。そして、原理は、カットオフ・ポイントを上回る値が高い危険性を示し、そして、カットオフ・ポイントを下回る値が低い危険性を示すということである。
発現
いくつかの腫瘍サプレッサ遺伝子が、CpGアイランド・プロモーターのメチル化によって不活性化されることが確認された。例としては、転写開始点の約200塩基対上流の限られた数のCpG部位の高メチル化が遺伝子発現の欠如と不変的に相関するMLH1遺伝子がある。
いくつかの組織からの癌細胞株の本分析は、MALの転写開始点付近の限られた領域の高メチル化が、遺伝子発現の低下又は喪失に関連することを示唆している。エピジェネティック薬療法の前後に分析された大腸癌細胞株からの定量的遺伝子発現の結果はまた、これがSPG20、INA、及びCRNIP1にも当てはまることを示唆している。
よって、着目の遺伝子のメチル化状態又はレベル、加えて、その発現の測定は、前記方法の特異性と感度を増強する。
方法
本発明は、結腸直腸癌などの癌において並外れて高い頻度で高メチル化される遺伝子が、Lindらによって先に議論された21種類の遺伝子から選択される6種類の遺伝子の特定サブセットの中で見つけられたという知見に基づく。これらの非常に好適な高メチル化マーカーには、CNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、INA、及びMALが含まれる。例えば、MALに関する知見は、MALの高メチル化が結腸直腸癌において低頻度でしか見られない先の報告に反している。
本発明の最初の側面において、対象が癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの判定方法であって、以下のステップ:
a)上述の対象から得たサンプル中の少なくとも1つの遺伝子のプロモーター領域、最初のエクソン又はイントロン、の核酸配列内のCpG部位のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はメチル化状態を測定する、
を含んで成り、ここで、上記遺伝子が以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される前記方法に関する。
1つの態様において、癌は、(良性の又は悪性の)気道‐消化器系における腫瘍などの腫瘍である。
前記方法は、以下のステップ:
b)上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を基準と比較し;そして
c)上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上記基準のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又CpG部位のメチル化状態に比べて高ければ、上記対象が、癌を発症しやすいか、発症しているか、又は発症する可能性が高いか、あるいは、癌治療後に再発していると断定し、そして、上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の基準のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を下回っていれば、対象が、癌を発症しにくいか、発症していないか、又は発症する可能性が低いか、あるいは、癌治療後に再発していないと断定する
をさらに含むことができる。
他の側面において、本発明は、対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの判定方法であって、以下のステップ:
a)対象からのサンプルのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定し;
b)健康人集団からのサンプルから得られた上記の少なくとも1つの遺伝子のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に関するパーセンタイル・プロットを作成し;
c)健康人集団で測定したメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態、及び癌に罹患している集団で測定したメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に基づくROC(受信者動作特性)曲線を作成し;
d)感度と特異性の所望の組み合わせをROC曲線から選択し;
e)決定した又は選択した特異性に相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態をパーセンタイル・プロットから決定し;そして
f)サンプル中の上述の少なくとも1つの遺伝子のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の感度/特異性の所望の組み合わせに相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に比べて等しいか、又はそれより高ければ、上記対象が癌に罹患している可能性が高いと予測し、そして、サンプルのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の感度/特異性の所望の組み合わせに相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に比べて低ければ、上記対象が癌に罹患している可能性が低いか又は罹患していないと予測する
を含んで成る前記方法を提供する。
具体的には、先に記載の方法には、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んで成る方法が含まれる。
先に記載の方法はまた、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される追加遺伝子の核酸配列内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んでもよい。
他の態様において、本発明の方法は、MALのプロモーター領域内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んで成る。この態様によると、前記核酸配列は、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
である。
配列識別子1〜16は、先に触れた遺伝子の核酸配列を表す。当業者が認識するように、これらの配列内、並びにそれらの相補配列内のCpG部位のメチル化状態を分析することは、本発明の範囲内にある。以下の表には、本発明による遺伝子、並びに対応するID番号、配列識別子、及び別名を列挙されている。
Figure 2010518841
本発明による核酸配列が、配列表に列挙されている。各配列は、言及の順序で、且つ、5’から3’の方向で:転写開始部位の上流1000bp領域内に位置するの核酸残基の連続した配列(小文字で示す)と、それに続く転写開始部位の下流に位置する核酸残基の連続した配列(大文字で示す)及び核酸残基のイントロン配列(小文字で示す)を含んで成る。
本発明の方法は、先の項目C)で示唆されるとおり、特定の部分配列を分析することに向けられ得る。これらの態様によると、C)の部分配列には、少なくとも8核酸残基の長さがあり、例えば、少なくとも9核酸残基、少なくとも10核酸残基、少なくとも11核酸残基、少なくとも12核酸残基、少なくとも13核酸残基、少なくとも14核酸残基、少なくとも15核酸残基、少なくとも20核酸残基、少なくとも25核酸残基、少なくとも30核酸残基、少なくとも35核酸残基、少なくとも40核酸残基、少なくとも45核酸残基、少なくとも50核酸残基、少なくとも70核酸残基ほどの長さ、又は、少なくとも90核酸残基ほどの長さがある。その方法の感度が十分に高いことを保証するために特定の長さの配列に対して分析を進めることが一般に望ましい。
実用的な目的のために、本発明の方法におけるメチル化研究を受ける部分配列の長さを最小にすることもまた望ましい。したがって、前述のC)の部分配列が最長で10核酸残基の長さ、例えば、最長で13核酸残基、最長で14核酸残基、最長で15核酸残基、最長で20核酸残基、最長で25核酸残基、最長で30核酸残基、最長で35核酸残基、最長で40核酸残基、最長で45核酸残基、最長で50核酸残基、最長で70核酸残基、最長で90核酸残基、最長で110核酸残基、最長で150核酸残基ほどの長さ、又は、例えば、最長で200核酸残基ほどの長さを持つことが望ましい。
より特に、C)の部分配列が、8〜200核酸残基の長さ、例えば、8〜150核酸残基、8〜100核酸残基、8〜75核酸残基、8〜50核酸残基ほどの長さ、9〜200核酸残基の長さ、例えば、9〜150核酸残基、9〜100核酸残基、9〜75核酸残基、9〜50核酸残基ほどの長さ、例えば、10〜200核酸残基、10〜150核酸残基、10〜100核酸残基、10〜75核酸残基、10〜50核酸残基ほどの長さ、例えば、11〜200核酸残基、11〜150核酸残基、11〜100核酸残基、11〜75核酸残基、11〜50核酸残基ほどの長さ、あるいは、例えば、12〜200核酸残基ほどの長さ、例えば、12〜150核酸残基、12〜100核酸残基、12〜75核酸残基ほどの長さ、又は、例えば、12〜50核酸残基ほどの長さを持つことが望ましい。
本発明による遺伝子のプロモーター領域が、以下の表に列挙されている:
Figure 2010518841
先に触れた遺伝子のそれぞれについて、本発明者は、本発明の方法で特に有用である部分配列を同定した。したがって、MALに関して、C)の部分配列は、配列番号17によって指定される配列とその相補配列、配列番号18によって指定される配列とその相補配列、配列番号19によって指定される配列とその相補配列、配列番号20によって指定される配列とその相補配列、及びこれらの配列のいずれかの部分配列から成る配列の群から選択され得る。
フィブリリン1遺伝子に関して、C)の部分配列は、好ましくは、配列番号22によって指定される配列若しくはその相補配列、又はこれらのうちの1つの部分配列である。
第2染色体オープン・リーディング・フレーム32、(CNRIP1)に関して、C)の部分配列は、好ましくは、配列番号23によって指定される配列若しくはその相補配列、又はこれらのうちの1つの部分配列である。
痙性対麻痺20、スパルチン(トロイヤー症候群)に関して、C)の部分配列は、好ましくは、配列番号25によって指定される配列若しくはその相補配列、又はこれらのうちの1つの部分配列である。
シヌクレイン、アルファ(アミロイド前駆体の非A4成分)に関して、C)の部分配列は、好ましくは、配列番号29によって指定される配列とその相補配列、配列番号30によって指定される配列とその相補配列、及びこれらの配列のいずれかの部分配列から成る配列の群から選択される。
インターネキシン・ニューロン中間線維タンパク質、アルファに関して、C)の部分配列は、好ましくは、配列番号32によって指定される配列若しくはその相補配列、又ははこれらのうちの1つの部分配列である。
本発明において有効なものはまた、これだけに制限されることなく、以下の:筋細胞エンハンサー因子2C(配列番号24)、C3orf14/14HT021(配列番号21)、ユビキチン・タンパク質リガーゼE3A(配列番号26、27、及び28)、脳が発現した、X連鎖1(X−linked 1)(配列番号31)、若しくはそれらの相補配列、又はこれらのうちの1つ部分配列から成る群から選択される追加遺伝子のプロモーター領域を含んで成る核酸でもあり得る。
これまでのわずかな遺伝子しか、プロモーター領域のメチル化事象に基づく癌の早期検出のために有用であることが分かっていない。しかしながら、癌において高メチル化に関する、公知のマーカーのプロモーター領域におけるメチル化状況又はレベルの分析を前記方法に含むことは、本発明の範囲内にある。そのため、本発明のさらに態様において、前記方法は、1種類以上の遺伝子のプロモーター領域/配列内のCpG部位のメチル化状況又はレベルを測定するステップを含んで成り、上述の1種類以上の遺伝子が以下の:
トロンボスポンジン・タイプ1モチーフを有するアダム・メタロペプチダーゼ(ADAMTS1、C3−C5、KIAA1346、METH1);
ビメンチン(VIM);
分泌型Frizzled関連タンパク質1(SFRP1);及び
分泌型Frizzled関連タンパク質2(SFRP2)、
から成る群から選択される。
これらの遺伝子のプロモーター領域は、配列識別子35〜38によって表される。したがって、本発明の方法は、以下の:
i)配列番号33、配列番号34、配列番号35、及び配列番号36のいずれかによって規定される核酸配列;
ii)i)で規定された配列に相補的な核酸配列;
iii)i)又はii)で規定された核酸配列の部分配列;
iv)i)、ii)、又はiii)で規定された配列に対して、少なくとも75%同一である、例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%ほど同一である核酸配列
から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んでもよい。
当業者は、様々なプロモーター領域がある程度の縮重を示すことをさらに認識するだろう。したがって、先の項目D)の下で示したように、特定の遺伝子のいずれかに対するプロモーター配列は、配列識別子1〜16によって表される1つの配列と完全に同一というわけではない配列であり得る。特定の態様において、D)の核酸配列は、A)、B)、又はC)で規定された配列に対して少なくとも80%同一である、例えば、A)、B)、又はC)で規定された配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%ほど、又は、例えば、少なくとも99.5%ほど同一である。
本発明による遺伝子の特異性と感度は非常に高いので、それぞれ遺伝子を本発明の方法に含んでもよい。
1つの態様において、前記方法は、以下の:
I)配列番号1〜4から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列、及びその関連配列、並びに
II)前の段落で規定された1つ、2つ、又は3つの核酸配列
の中のプロモーター領域内の核酸配列におけるメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
1つの態様において、前記方法は、以下の:
I)配列番号6から成る配列を含んで成る核酸配列、及びその関連配列、並びに
II)前の段落で規定された1つ、2つ、又は3つの核酸配列
の中のプロモーター領域内の核酸配列におけるメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
1つの態様において、前記方法は、以下の:
I)配列番号7から成る配列を含んで成る核酸配列、及びその関連配列、並びに
II)前の段落で規定された1つ、2つ、又は3つの核酸配列
の中のプロモーター領域内の核酸配列におけるメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
1つの態様において、前記方法は、以下の:
I)配列番号9から成る配列を含んで成る核酸配列、及びその関連配列、並びに
II)前の段落で規定された1つ、2つ、又は3つの核酸配列
の中のプロモーター領域内の核酸配列におけるメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
1つの態様において、前記方法は、以下の:
I)配列番号13〜14から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列、及びその関連配列、並びに
II)前の段落で規定された1つ、2つ、又は3つの核酸配列
の中のプロモーター領域内の核酸配列におけるメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
1つの態様において、前記方法は、以下の:
I)配列番号16から成る配列を含んで成る核酸配列、及びその関連配列、並びに
II)前の段落で規定された1つ、2つ、又は3つの核酸配列
の中のプロモーター領域内の核酸配列におけるメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
本発明による方法は、気道‐消化器系の範囲内の、腫瘍などの癌を検出又は診断することを目的としている。「気道‐消化器系」又は「気道‐消化管」には、肺や胃腸管:食道(esophageus)、胃、膵臓、肝臓、胆嚢/胆管、小腸、並びに結腸及び直腸を含めた大腸が含まれる。具体的には、腫瘍は、以下の:結腸直腸の腫瘍、(小細胞肺癌、及び/又は非小細胞肺癌を含めた)肺の腫瘍、食道の腫瘍、胃の腫瘍、膵臓の腫瘍、肝臓の腫瘍、胆嚢、及び/又は胆管の腫瘍、小腸の腫瘍、並びに大腸の腫瘍から成る群から選択され得る。
よって、本発明の1つの態様において、癌は、以下の:結腸直腸の腫瘍、(小細胞肺癌、及び/又は非小細胞肺癌を含めた)肺の腫瘍、食道の腫瘍、胃の腫瘍、膵臓の腫瘍、肝臓の腫瘍、胆嚢、及び/又は胆管の腫瘍、小腸の腫瘍、並びに大腸の腫瘍から成る群から選択される。
前述のプロモーター領域/配列内のメチル化されたCpG部位の数、CpG部位のメチル化状態、又はメチル化レベルを測定するために、本発明による方法は、特定の対象から単離された十分な量のDNAを必要とする。当業者は、必要とされる量及び質でDNAを単離し、そして、精製するための好適な技術を知っているだろう。ほとんどの目的のために、DNAは、前述の対象からの血液サンプル、糞便サンプル、組織サンプル、又は肺からの粘液のサンプルから単離できる。一般的に、これが可能であるときはいつでも、非侵襲様式で本発明による方法を実施することが望ましい:消化管癌に関して、糞便サンプルからDNAを回収することが、多くの場合、実用的であり、且つ、簡便である。肺の腫瘍と関連して、肺からの粘液のサンプルからDNAを単離するが、DNAの非侵襲的な採取への簡便なアプローチを提供できる。肝臓や膵臓の腫瘍を含めた他の腫瘍に関して、その後のDNAの分離のために組織サンプルを採取することが好ましい。
よって、1つの態様において、サンプルは、血液、大便、尿、胸水、胆汁、気管支液、うがい液、組織生検、腹水、膿、脳脊髄液、穿刺液、卵胞液、組織、又は粘液から得られる。
本発明による方法が、単に、気道‐消化器系の癌又は腫瘍の存在を判定するだけの目的に使用されるとき、特にそこでは「yes/no」型の結果が求められる。前記方法が2〜4種類の遺伝子のプロモーター領域内のCpG部位のメチル化レベル又はメチル化状態の分析に制限され得る場合には、それが望ましい。これには、癌の発生及び進行中に、遺伝子に非常に高頻度の高メチル化があることが明らかに必要である。
よって、単純な診断目的のために、ほんのわずかな遺伝子内のプロモーター領域の分析に限定することが最も好ましい。先に触れたように、これには、高メチル化に関するマーカーのパネルを利用できることが必要であり、そこでは、各マーカーは高い感度と特異性を有する。しかしながら、他のより微妙な目的のために、より多くのマーカー遺伝子内のプロモーター領域のメチル化状態又はレベルを分析する必要があり得る。本発明による方法は、そのため、対象の腫瘍発生、及び/又は進行の危険性レベルを判定するために、請求項1で規定された少なくとも1種類の遺伝子を含めた、少なくとも2種類の遺伝子、少なくとも3種類ほどの遺伝子、少なくとも4種類ほどの遺伝子、少なくとも5種類ほどの遺伝子、少なくとも7種類の遺伝子、少なくとも8種類の遺伝子、少なくとも9種類の遺伝子、少なくとも10種類の遺伝子、少なくとも11種類の遺伝子、少なくとも12種類の遺伝子、少なくとも13種類の遺伝子、少なくとも14種類の遺伝子、少なくとも15種類の遺伝子、少なくとも16種類の遺伝子、少なくとも17種類の遺伝子、少なくとも18種類の遺伝子、少なくとも19種類の遺伝子、又は少なくとも20種類ほどの遺伝子のプロモーター領域/配列の核酸配列内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んでもよい。
先に説明したことに従って、本発明の方法は、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、少なくとも5種類、少なくとも6種類、少なくとも7種類、少なくとも8種類、少なくとも9種類、少なくとも10種類、少なくとも11種類、少なくとも12種類、少なくとも13種類、少なくとも14種類、少なくとも15種類、少なくとも16種類、少なくとも17種類、少なくとも18種類、少なくとも19種類ほど、又は少なくとも20種類ほどの先に規定された追加核酸配列若しくはそれらの関連配列内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップをさらに含んで成る。
よって、大部分の目的のために、1種類の遺伝子のプロモーター領域のCpG部位のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はメチル化状態を分析するのでは、不十分であるだろう。本発明による方法は、そのため、少なくとも1種類の遺伝子が先に規定された遺伝子から成る群から選択されるような少なくとも2種類の遺伝子、少なくとも3種類ほどの遺伝子、少なくとも4種類ほどの遺伝子、少なくとも5種類ほどの遺伝子、少なくとも7種類ほどの遺伝子、少なくとも8種類の遺伝子、少なくとも9種類の遺伝子、少なくとも10種類の遺伝子、少なくとも11種類の遺伝子、少なくとも12種類の遺伝子、少なくとも13種類の遺伝子、少なくとも14種類の遺伝子、少なくとも15種類の遺伝子、少なくとも16種類の遺伝子、少なくとも17種類の遺伝子、少なくとも18種類の遺伝子、少なくとも19種類の遺伝子、又は少なくとも20種類ほどの遺伝子のプロモーター領域/配列の核酸配列内のCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んでもよい。
よって、他の側面において、本発明は、少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が測定される方法に関係する。
ここで、少なくとも1種類の追加マーカーが、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの;
MAL、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000172005によって特定されるもの
から成る群から選択される。
マーカー遺伝子の組み合わせ
よって、先に説明した理由のために、メチル化レベル又はメチル化状態は、1種類以上の他のマーカーの測定値に組み合わせられ、そして、複合基準レベルと比較され得る。計測されたマーカー・レベルは、足し算、引き算、掛け算などの算術演算、並びにパーセンテージ、平方根、累乗法、及び対数関数の計算操作によって組み合わせることができる。レベルはまた、様々なモデル、例えば、ロジスティック回帰及び最尤推定を使用した操作に従って組み合わせることもできる。様々なバイオマーカー組み合わせ、及び組み合わせられた基準値の様々な計算手段が、技術を有する受信者(skilled addressee)に知られている手段によって実施され得る。
よって、本発明の他の態様は、少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル又はメチル化状態が測定される、前述の主張のいずれかに記載の方法に関係する。
少なくとも1種類の追加マーカーは、これだけに制限されることなく、CNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、INA、MAL、ADAMTS1、VIM、SFRP1又はSFRP2、CRABP1であってもよい。マーカーは、対象が癌に罹患しているか、又は癌を発症する危険性が高いかどうか判定するために、1セットの基準データと比較され得る。
複合マーカーに基づく診断試験の構築方法は、計算操作(例えば、足し算)によって2種類以上の個々のマーカーのメチル化レベル又はメチル化状態(又はこれに由来する値)を組み合わせることによって達成できる。異なるマーカーのメチル化レベル又はメチル化状態に多様性があるので、例えば、メチル化のレベル又は状況、における相違とは無関係に組み合わせが達成されるように、測定値を比較検討することに関連している。これは、標準物質からの中央値又は平均値からの単純な標準化によって実行され得る。
相乗効果
本発明による異なるマーカー遺伝子の組み合わせによって、相乗効果を達成できる。
具体的には、本明細書中では、相乗効果は、一緒に作用するいくつかのマーカーが、別々のマーカーの感度又は特異性のみを知ることによって予測されたものと比べて、診断のためのより高い感度又は特異性を有する「複合マーカー・シグナル」を生み出す現象を指す。
よって、本発明の1つの態様において、少なくとも1種類の追加マーカー(例えば、CNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、INA、MAL)の併用は、感度、及び/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1とINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1とSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1とFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1とSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINAとSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINAとFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINAとSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーSNCAとFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーSNCAとSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーFBN1とSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1とMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーSPG20とMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーFBN1とMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーSNCAとMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINAとMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、及びFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、INA、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、INA、及びFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SNCA、及びFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーSNCA、SPG20、及びFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINA、SPG20、及びFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINA、SNCA、及びFBN1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINA、SPG20、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、SPG20、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、INA、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、INA、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、FBN1、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、FBN1、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、FBN1、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、FBN1、及びCNRIP1の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、CNRIP1、及びSNCAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、CNRIP1、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、CNRIP1、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、FBN1、SNCA、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーSPG20、FBN1、SNCA、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SNCA、INA、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、FBN1、INA、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、FBN1、SNCA、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、FBN1、SNCA、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、MAL、SNCA、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、FBN1、MAL、及びSPG20の併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、FBN1、SNCA、及びMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーINA、FBN1、SNCA、及びMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、INA、SNCA、及びMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、FBN1、INA、及びMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーMAL、SPG20、FBN1、SNCA、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、MAL、FBN1、SNCA、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、MAL、SNCA、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、FBN1、MAL、及びINAの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
本発明の他の態様において、マーカーCNRIP1、SPG20、FBN1、SNCA、及びMALの併用は、感度/又は特異性に関して相乗効果をもたらす。
よって、1つの態様において、本発明による方法は、以下の:
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、CNRIP1のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
よって、1つの態様において、本発明による方法は、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、SPG20のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
よって、1つの態様において、本発明による方法は、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、FBN1のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
よって、1つの態様において、本発明による方法は、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、SNCAのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
よって、1つの態様において、本発明による方法は、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;及び
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの
から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、INAのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る。
亜硫酸水素塩(Bisulphite)処理とメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応
本発明は、遺伝子又は遺伝子パネルのメンバーのメチル化状態を評価するために使用されるアッセイのタイプによって制限されない。実際には、遺伝子又は遺伝子パネルのメチル化状況又はレベルを測定するために用いられるあらゆるアッセイが、本発明の目的のために十分であるべきである。
プロモーター領域内のCpGアイランドのメチル化状況を測定するための実際のアプローチは、亜硫酸水素塩でプロモーター配列を処理するステップを含み得る。DNAの亜硫酸水素塩処理は、非メチル化として配列変動を引き起こすが、メチル化シトシンはウラシルに変換されない。亜硫酸水素塩処理と、それに続く配列分析が、非メチル化シトシンがチミジンとして現れる一方で、5−メチル・シトシンがシトシンとして最終的な配列に現れる、亜硫酸水素塩修飾後の遺伝子プロモーター内の5−メチル・シトシンの陽性ディスプレイを可能にする。本発明の特定の態様において、前述のプロモーター領域/配列のメチル化状態は、そのため、核酸配列決定法(亜硫酸水素塩配列決定法)によって測定される。
本発明のさらなる態様において、前述のプロモーター領域/配列のメチル化されたCpG部位の数、CpG部位のメチル化状態、又はメチル化レベルは、メチル化特異的PCRによって測定される。本願に関する実施例では、1セットの好適なPCR条件とプライマー設計が与えられている。しかしながら、一般に、当業者は、彼らがPCR分析のための適切な条件とプライマー設計を決定することができるのに必要な知識を持つだろう。
当業者が知るように、リアルタイム蛍光は、PCR産物の検出に対する簡便で迅速なアプローチを提供し、そして、それは、高速大量処理が必要である診断手順に容易に適用できる。本発明の現在好ましい態様において、前述のメチル化特異的PCRは、よって、PCR産物のリアルタイム蛍光検出を含んで成る。
その他のほとんどのPCR手順に関して、本発明の方法は、サイズに従って産物を分離するステップを含むことができる。具体的には、本発明の方法は、ゲル又はキャピラリー電気泳動によって得られたPCR産物を分離するステップを含むことができる。
分析の一部として、得られたPCR産物は、蛍光標識、化学発光標識、及び放射性標識から成る群から選択される標識の使用によって検出できる。安全性と実際上の理由から、非放射性標識がほとんどの目的のために好まれる。
前述のプロモーター領域/配列のメチル化状態又はレベルはまた、パイロシークエンシング(pyrosequencing)によって、質量分析によって、又はメチル化特異的制限酵素の使用によって測定することができる。
メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態は、これだけに制限されることなく、亜硫酸水素塩配列決定法、定量的、及び/又は定性的なメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)、パイロシークエンシング、サザンブロッティング、制限酵素ランドマーク・ゲノム・スキャニング(RLGS)、単一ヌクレオチド・プライマー伸長法、CpGアイランド・マイクロアレイ、SNUPE、COBRA、質量分析法、メチル化特異的な制限酵素の使用、前述の遺伝子の発現レベルの計測、又はその組み合わせによって測定される。
好ましい態様において、本発明の方法に使用されるメチル化特異的PCRは、2つのCpG部位、及びCpG部位内にないシトシン残基を含んで成る核酸配列にハイブリダイズすることができる核酸プライマーの使用を含んで成る。メチル化されないそのようなシトシン残基の包含は、非亜硫酸水素塩変換DNAと亜硫酸水素塩変換DNAをよりうまく区別するために所望される。メチル化された配列のためのプライマーは、亜硫酸水素塩変換後にCpGのままで残っている部位であるところのメチル化されたCpG部位に相変わらず結合するだろう。変化していないDNAの存在下、これは、メチル化状況とは無関係にCpG部位を含むだろう、そして、次に、メチル化特異的プライマーが変化していないDNAに結合し、偽陽性を生み出すだろう。プライマーによって標的とされた領域内のCpG部位にない「C」の包含は、変換されたDNAが同じ部位に「T」を含むのに対して、このDNAが「C」を含むので、プライマーが変換されていないDNAに結合することを妨げる。
より一層さらなる態様において、メチル化特異的PCRは、2つのCpG部位、及びCpG部位内にないシトシン残基を含んで成る核酸配列にハイブリダイズすることができる核酸プライマーの使用を含んで成る。
本発明による方法は、癌に関するその他の公知のパラメーターと組み合わせることもできる。よって、本発明の遺伝子のメチル化レベル又は状況は、これだけに制限されることなく、癌に関する以下のパラメーター:遺伝子DNA完全性アッセイ、倍数性(ploidi)、遺伝子の突然変異状態、ゲノム変異、融合遺伝子、スプライシング変異、発現の相違、miRNAsのいずれかと組み合わせることができる。
使用
本発明によるマーカーは、それらの高い感度と特異性のため、癌のマーカーとしての使用に非常に好適である。よって、本発明のもう一つの側面は、対象が癌を発症したか、発症しているか、又は癌を発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかに関する指標として、メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が評価される診断アッセイにおける、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によってを特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される1種類以上の遺伝子の使用に関係する。
他の態様は、対象が癌を発症したか、発症しているか、又は癌を発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかに関する指標として、メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が評価される診断アッセイにおける、前述の核酸が、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的な核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)又はC)で規定された配列に対して少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される核酸配列を含んで成る、核酸配列の使用に関係する。
抗体
本発明はまた、メチル化された配列に対する抗体に関係する。よって、本発明の他の態様は、以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的な核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)又はC)で規定された配列に対して少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択されるメチル化された核酸配列を認識する抗体に関係する。
診断キット
好ましい側面において、本発明は、それぞれ、以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID で2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から選択される遺伝子の核酸配列に相補的である、1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー、又は1セット以上のオリゴヌクレオチド・プライマーを含んで成る癌を判定するための診断キットを提供する。
本発明の第2の側面は、それぞれ、1以上の遺伝子のプロモーター領域/配列内の核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又は1セット以上のオリゴヌクレオチド・プライマー、例えば、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上ほどの、又は20以上ほどのオリゴヌクレオチド・プライマー又はオリゴヌクレオチド・プライマーのセットを含んで成る診断キットであって、上述の1以上の遺伝子が以下の:
CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID で2200によって特定されるもの;
SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
から成る群から選択される前記診断キットを提供する。
具体的には、本発明のこの側面によるキットは、それぞれ以下の:
A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的な核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列に対して少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又はオリゴヌクレオチド・プライマーのセットを含んで成る。
特定の態様において、前記キットは、それぞれ、以下の:
トロンボスポンジン・タイプ1モチーフを有するアダム・メタロペプチダーゼ(ADAMTS1、C3−C5、KIAA1346、METH1);
ビメンチン(VIM);
分泌型Frizzled関連タンパク質1(SFRP1);及び
分泌型Frizzled関連タンパク質2(SFRP2)、
MAL(T細胞分化タンパク質);
第3染色体オープン・リーディング・フレーム(C3orf14/14HT021);
ユビキチン・タンパク質リガーゼE3A(UBE3A、AS、ANCR、E6−AP、FLJ26981);
脳が発現した、X連鎖1(BEX1);
筋細胞エンハンサー因子2C、MEF2c
から成る群から選択される遺伝子のプロモーター領域/配列内の核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又は1セット以上のオリゴヌクレオチド・プライマーを含んで成る。
本発明の他の側面において、キットは、それぞれ、以下の:
A)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号15のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的な核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列に対して少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる1以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又はオリゴヌクレオチド・プライマーのセットを含んで成る。
これらの態様によると、前記キットは、それぞれ、以下の:
i)配列番号33、配列番号34、配列番号35、及び配列番号36のいずれかによって規定される核酸配列;
ii)i)で規定された配列に相補的な核酸配列;
iii)i)又はii)で規定された核酸配列の部分配列;
iv)i)、ii)、又はiii)で規定された配列に対して少なくとも75%同一である、例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%ほど同一である核酸配列
から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又は1セット以上のオリゴヌクレオチド・プライマーを含んで成る。
癌に関するマーカーとしてのMALの非常に高い特異性を考慮すると、前記キットは、それぞれ、以下の:
A)配列番号1のいずれかによって規定される核酸配列;
B)A)で規定された配列に相補的な核酸配列;
C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
D)A)、B)、又はC)で規定された配列に対して少なくとも75%同一である核酸配列
から成る群から選択される核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又は1セット以上のオリゴヌクレオチド・プライマーを含んで成る。
本発明のキットのために様々なデザインを想定できる。1つの態様において、前述のプライマー又はプライマーのセットのそれぞれは、別々のコンテナ内にある。これは、キットの最終使用者が異なる目的のために異なるプライマー混合物を調製することを可能にするだろう。しかしながら、他の態様によると、プライマー又はプライマーのセットは、混合物の状態で供給され得る。
伝統的な診断目的などの特定の使用のために、診断キットは、少数のプライマー又はプライマーのセットを含み得る。具体的には、これは、例えば、キットが腫瘍又は癌腫が気道‐消化器系で発症しているかどうかを判定するために単に使用される場合などの、「yes/no」型の結果が求められる適用にキットが使用される場合に関連することである。このような目的のために、キット内のプライマー又はプライマーのセットの数を、2〜4に制限することができ、ここで、少なくとも1のプライマー又はプライマーのセット、例えば、少なくとも2、少なくとも3、若しくは少なくとも4のプライマー又はプライマーのセットは、配列番号1〜16による核酸配列、又は先の項目C)及びD)で規定されたとおり、それらに相補的であるか若しくは一部同一である配列に相補的である/ハイブリダイズする。
先に議論したとおり、しかしながら、本発明の方法と関連して、本発明のマーカー遺伝子のCpGアイランドのメチル化状態はまた、対象の腫瘍の発生、及び/又は進行に関する危険性レベルを判定するためのような、より複雑な分析に使用できる。
このような態様において、本発明の診断キットは、典型的には、より多くのマーカー遺伝子を標的とすることができるプライマー又はプライマーのセットを含むだろう。このような目的のためのキットは、典型的には、5以上のプライマー又はプライマーのセットを含む必要があり、ここで、少なくとも1つのプライマー又は1セットのプライマー、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15ほど、又は少なくとも16ほどのプライマー又はプライマーのセットが、本発明によるマーカー遺伝子の核酸配列に相補的である/ハイブリダイズすることができる。
本発明による診断キットは、例えば、PCR分析(例えば、特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)配列分析法、亜硫酸水素塩処理、亜硫酸水素塩(bisulphate)配列決定法、電気泳動、パイロシークエンシング、質量分析法、及び制限消化による配列分析など)、定量的、及び/又は定性的なメチル化など(例えば、パイロシークエンシング、サザンブロッティング、制限酵素ランドマーク・ゲノム・スキャニング(RLGS)、単一ヌクレオチド・プライマー伸長法、CpGアイランド・マイクロアレイ、SNUPE、COBRA、質量分析法、メチル化特異的な制限酵素の使用、又は前述の遺伝子の発現レベルの計測など)の必要な分析を実施するために必要とされるあらゆる試薬又は培地をさらに含んでもよい。具体的には、前記キットは:デオキシリボヌクレオシド三リン酸、バッファー、安定化剤、熱安定性DNAポリメラーゼ、(メチル化特異的エンドヌクレアーゼを含めた)制限エンドヌクレアーゼ、及び(蛍光標識、化学発光標識、及び放射活性標識を含めた)標識から成る群から選択される1種類以上の成分をさらに含んでもよい。本発明による診断アッセイは、DNAの分離に必要である1種類以上の試薬をさらに含んでもよい。
本発明の側面の1つとの関連で記載された態様及び特徴はまた、本発明の他の側面にも適用されることを、留意すべきである。
本発明による対象、あるいは、その特性又は特徴の1つが単数形で言及されているとき、これはまた、上記対象、その特性又は特徴を複数形でも言及している。例として、「ポリペプチド(a polypeptide)」に言及するとき、それは1つ以上のポリペプチドに言及していると理解すべきである。
本明細書を通して、単語「含んで成る(comprise)」又は、例えば、「含んで成る(comprises)」若しくは「含んでいる(comprising)」などの変化形は、述べられた要素、整数、若しくはステップ、又は要素、整数、若しくはステップの群の包含を意味するが、いかなる他の要素、整数、若しくはステップ、又は要素、整数、若しくはステップの群の排除を意味するわけではないことが理解されるだろう。
本願に引用されたすべての特許文献及び非特許文献は、全体を本明細書中に援用する。
本発明は、以下の制限されることのない実施例においてここにより詳細に記載されるだろう。
実施例1:
亜硫酸水素塩処理とメチル化特異的PCR
細胞株及び結腸直腸癌からのDNAを、先に記載のとおり亜硫酸水素塩で処理した(Grunau et al.及びFraga et al.)。それに対して、腺腫からのDNAを、CpGenome(商標)DNA修飾キット(Intergen、Boston, MA)のプロトコールに従って亜硫酸水素塩処理した(Smith−Sorensen et al.)。MAL、C3orf14、FBN1、MEF2c、CNRIP1、SPG20、UBE3A、SNCA、BEX、及びINAのプロモーター・メチル化状況を、それに続いて、非メチル化対立遺伝子とメチル化対立遺伝子の区別を可能にする方法であるメチル化特異的PCR(MSP)によって分析した(Herman et al.及びDerks et al.)。すべてのプライマーを、MethPrimer(Li及びDahiya)又はMethyl Primer Express(Applied Biosystems)を用いて設計した。それらの配列を、各PCR法についての産物断片長、プライマー位置、及びアニーリング温度と共に表1に列挙する。その断片を、HotStarTaq DNA Polymerase(QIAGEN Inc.、Valencia, CA)を使用して増幅し、そして、すべての結果物をMSPの独立した第2週目で確認した。
Figure 2010518841
亜硫酸水素塩配列決定法
すべての断片をHotStarTaq DNA Polymeraseを用いて増幅し、そして、MinEluteゲル抽出キット(QIAGEN)によって2%のアガロースゲルから溶出した。それに続いて、サンプルを、3730シーケンサ(Applied Biosystems)によりdGTP BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Kit(Applied Biosystems、Foster City,CA)を使用して配列決定した。様々な断片のそれぞれのCpG部位のメチル・シトシンの概算量を、Melkiらによって以前に記載されているとおり、シトシン・シグナルのピークの高さと、シトシン及びチミン・シグナルのピークの高さの合計を比較することによって算出した。
Figure 2010518841
メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)分析によって分析すると、MALの高メチル化を、悪性(83%、48個の癌腫のうち40個)、並びに良性の大腸腫瘍(73%、59個の腺腫のうち43個)に共通して非常に高い頻度で観察した(図1)。
実施例2:
メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)を、遺伝子:MAL、C3orf14、FBN1、SPG20、SNCA、BEX1、INA、CNRIP1、UBE3A、MEF2Cについて実施した。
各サンプル(大腸癌細胞株、結腸直腸癌、腺腫、及び正常粘膜)に関しては、l.3ugのDNAを、製造業者のプロトコールに従ってEpiTect亜硫酸水素塩キット(Qiagen Inc.、Valencia, CA)を使用して亜硫酸水素塩処理した。修飾DNAを、40ulの(キットに含まれている)溶出バッファーで溶出した。亜硫酸水素塩修飾が配列の相違につながるので、一方が非メチル化鋳型に特異的であり、もう片方がメチル化鋳型に特異的である2組のプライマーを使用して、各遺伝子を増幅した(実施例1のプライマー・リストを参照のこと)。25μlのPCR混合物には、1×PCRバッファー、0.75ulの亜硫酸水素塩処理した鋳型、1.5〜2.0mMのMgCl、20pmolの各プライマー、200μMのdNTP、及び0.625〜1UのHotStarTaq DNA Polymerase(Qiagen)が含まれた。試験管内でSssIメチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs Inc.、Beverly,MA,USA)を用いて処理したヒト胎盤DNA(Sigma Chemical Co、St.Louis,MO,USA)をメチル化MSP反応の陽性対照として使用し、それに対して、正常リンパ球からのDNAを非メチル化対立遺伝子の陽性対照として使用した。水を、両反応の陰性PCR対照として使用した。
PCRプログラムは、95℃にて15分間の変性と、それに続く95℃にて30秒間、アニーリング温度にて30秒間、そして、72℃にて30秒間の35サイクルから成る。最後の伸長は、72℃にて7分間実施した。
これまでに試験したそれぞれの遺伝子についてのアニーリング温度とMgCl濃度:
MAL:56℃、1.5mMのMgCl
C3orf14:53℃、1.5mMのMgCl
FBN1:48℃、非メチル化反応について1.7mMのMgCl、及びメチル化反応について2.0mMのMgCl
SPG20:56℃、1.5mMのMgCl
SNCA:53℃、1.5mMのMgCl
BEX1:51℃、1.5mMのMgCl
INA:55℃、1.5mMのMgCl
CNRIP1:52℃、1.5mMのMgCl
結果:MAL、UBE3A、MEF2C、FBN1、C3orf14、BEX1、INA、SNCA、SPG20、及びCNRIP1のメチル化
メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)により得られた結果を、以下の表3の中に提示する:
Figure 2010518841
Figure 2010518841
ここで分析したマーカー遺伝子は、全般的に、結腸直腸癌細胞株及び結腸直腸癌において非常に高い頻度でメチル化されていると同時に、癌ではない提供者からの正常粘膜においてメチル化頻度は低かった。これらの結果は、気道‐消化器における腫瘍の診断、及び腫瘍発症のモニタリングにおける前記マーカー遺伝子の有用性を裏付けている。
具体的には、MALは癌ではない提供者からの正常粘膜サンプルの1/23個(4%)で、原発性腫瘍から離れて採取した正常粘膜サンプルの2/21個(10%)で、腺腫の45/63個(71%)で、癌腫の49/61個(80%)で、及び結腸癌細胞株の19/20個(95%)でメチル化されている。MALに関して観察したメチル化頻度が、実施例1で見られたものからわずかに逸脱していることに留意する。この逸脱は、主として、分析したサンプルのパネルが拡大されたという事実による。
FBN1及びINAもまた、癌ではない提供者からの正常粘膜サンプル、及び原発性腫瘍から離れて採取した正常粘膜サンプルの両方では稀にしかメチル化されていなかった(FBN1については、それぞれ、1/19、5%、及び2/21、10%;INAに関しては、それぞれ、0/21、0%、及び2/20、10%)。同時に、FBN1及びINAの両方が、癌腫(それぞれ、40/49、82%、及び33/48、69%)、並びに腺腫(それぞれ、37/59、58%、及び31/59、53%)において頻繁にメチル化されている。正常粘膜サンプルの両コホートの低いメチル化頻度、並びに両方の良性及び悪性腫瘍における高いメチル化頻度は、FBN1及びINAが発症初期の腫瘍の検出に関して特に見込みがあることを示唆している。同時に、これら2種類のマーカーを含んで成る試験は、高い特異性を有する可能性が最も高いだろう。
SNCA、SPG20、及びCNRP1は、全般的に、後者の群に比べて、癌腫において(それぞれ、37/48(77%)、44/49(90%)、及び45/48(94%))、並びに腺腫において(それぞれ、42/61(69%)、48/58(83%)、及び52/59(88%))より高いメチル化頻度を有する。非侵襲性試験におけるこれらのマーカーを含めると、感度が高まる可能性がある。癌ではない提供者からの正常粘膜サンプルにおける低いメチル化頻度を有することに加えて、これらのマーカーは、原発性腫瘍から離れて採取した正常粘膜サンプルにおいて比較的に高いメチル化頻度を有する(それぞれ、14/21(67%)、(29%〜90%)、及び9/21(43%))。これは、腫瘍の周りの「場の効果」を示すことができ、ここで、腫瘍のすぐ近くの正常な出現細胞(appearing cells)もまた、これらの3種類の遺伝子のメチル化を保持する。そのような場の効果の存在は、SNCA、SPG20、及び/又はCNRP1のメチル化を保持するより多くの細胞が結腸の管腔内に剥がれ落ち、そして、糞便と共に排泄されるので、非侵襲性の糞便(feacal)ベースの試験の感度を増強するかもしれない。
実施例3:
異なるサンプル中のマーカー遺伝子のメチル化
DNAを大便から精製し、そして、MSPを、先の実施例に記載のとおり、以下の遺伝子MAL、FBN1、CNRIP1、INA、SPG20、及びSNCAに関して実施した。
10個の糞便サンプルからのDNAの精製を、6種類の遺伝子すべてに関して分析した。対応する原発性腫瘍のメチル化状況は、4〜5種類の対応する腫瘍から知られていた。
また、加えて、糞便サンプルを得た10人の患者のうちの9人で、血液サンプルも採取し、そして、結果を表5の中で比較した。
DNAを、QIAamp DNA大便キット(QIAGEN)を使用して250mgの糞便から分離した。
異なるサンプルからの遺伝子におけるメチル化状態の結果を、以下の表4の中に示す:
Figure 2010518841
MAL及びFBN1を除いて、大便からサンプル中のすべてのマーカーにおいてメチル化を検出した。血液サンプルでは、FBN1を除いて、全ての遺伝子でメチル化を検出した。全般的に、サンプル・メチル化頻度は、血液サンプルからの全ての遺伝子について高かった。特に、SNCA及びCNRIP1を含んで成る血液サンプルにおけるサンプル・メチル化頻度が、非常に高かった。これらのマーカーが、血液サンプルなどの非侵襲的な手順により試験され得るので、それらが癌マーカーとして特によく適しているように思える。
DNAを(標準的なフェノール/クロロホルム法を使用して)血液から精製し、そして、MSPを、先の実施例に記載のとおり、以下の遺伝子MAL、CNRIP1、INA、FBN1、SPG20、及びSNCAについて実施した。
DNAを、6種類の遺伝子すべてからメチル化された対応する原発性腫瘍を患っている患者からの14個の血液サンプルから精製した。
Figure 2010518841
この実施例は、血液サンプル中の遺伝子の高いサンプル・メチル化頻度を裏付け、そして、特に、CNRIP1及びSNCAが癌について又は癌の発症についての診断、及び/又はスクリーニングのための非常に好適なマーカーである。
SPG20もまた、血液サンプル・スクリーニングのための非常に有望なマーカーと思われる。
実施例4:
異なる細胞株におけるINA、SNCA、CNRIP1、SPC20、又はFBN1の組織特異的サンプル・メチル化頻度
各サンプル(乳房、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、子宮、及び胃由来の細胞株)について、実施例2に記載のとおり、DNAを、MSP前に亜硫酸水素塩処理した。
異なるサンプル中の遺伝子のサンプル・メチル化頻度の結果を、以下の表6に示す:
Figure 2010518841
INA、SNCA、CNRIP1、SPG20、及びFBN1のプロモーター・メチル化状況を、MSPを用いて分析した。胃細胞株からのすべてのサンプルで、試験した遺伝子がメチル化されていたので、メチル化頻度は試験したすべての遺伝子について(100%)であった。全般的に、INAは、すべての試験した組織のうちの少なくとも1個のサンプルにおいてメチル化されていた。この遺伝子について最も高いサンプル・メチル化頻度は、胃3/3(100%)から、乳房4/6(66%)から、及び前立腺1/1(100%)からの細胞株において見られた。すべての他の組織からの細胞株について、サンプル・メチル化頻度は50%であった。SNCAは、卵巣を除いて、すべての試験した組織からの細胞株においてメチル化されていた。最も高いサンプル・メチル化頻度は、胃3/3(100%)から、乳房6/7(85%)から、膵臓4/6(66%)から、及び前立腺1/1(100%)からの細胞株であった。子宮に関して、サンプル・メチル化頻度は50%であった。CNRIP1のサンプル・メチル化頻度は、胃3/3(100%)、及び6個のサンプルのうち5個がメチル化された膵臓(83%)において高かった。SPG20は、膵臓の細胞株6個のうちの4個(66%)、及び子宮細胞株4個ののうちの2個(50%)でメチル化されていた。FBN1は、乳癌細胞株6個のうちの4個でメチル化され、そして、子宮から細胞株において、サンプル4個のうち2個(50%)がメチル化されていた。
全般的に、胃細胞株からのサンプルにおいて、すべての遺伝子がメチル化されており、したがって、サンプル・メチル化頻度はすべての遺伝子について高かった。加えて、乳房細胞株において、全ての遺伝子がメチル化されていたが、頻度は遺伝子の中で異なっていた。さらに、膵臓からサンプルにおいて、全ての遺伝子がメチル化されていて、そして、FBN1(33%)以外の全ての遺伝子に関して、頻度は50%以上であった。
この実験は、様々な癌組織からの細胞株において、本発明による遺伝子がメチル化されており、したがって、様々な癌についての癌マーカーとして使用できるであろうことを明確に示唆している。本発明による遺伝子のそれぞれが検出される癌のタイプに依存して異なった形で組み合わせられることは、当業者にとって明白である。よって、乳房細胞株において最良の結果を示した遺伝子が、乳癌を検出する場合に、マーカーとして選定されるだろう。
MALの組織特異的サンプル・メチル化頻度の結果を、表8に列挙する。
実施例5:
定量的遺伝子発現解析を、以下の遺伝子:SPG20、INA、及びCNRIP1について実施した。
遺伝子発現を、6種類の結腸癌細胞株についてエピジェネティック薬での処理前後に計測した。大腸癌細胞株(n=6)におけるSPG20、INA、及びCNRIP1の相対発現レベルを計測した。発現レベルを、基準として未処理サンプルを使用したデルタデルタCT法から算出した倍数変化として表示する。ACTBとGUSBの平均発現を、内在性対照として使用した。
以前に記載されているとおり、TaqManリアルタイム蛍光検出(Applied Biosystems、Foster city,CA)を、大腸癌細胞株におけるmRNAレベルを定量化するのに使用した[Gibson et al.及びHeid et al.]。cDNAを、製造業者のプロトコールに従って、ランダム・プライマーを含むHigh−Capacity cDNA Archiveキット(Applied Biosystems)を使用して、5μgの全RNAから作り出した。着目の遺伝子(SPG20、INA、及びCNRIP1)、並びに内在性対照(ACTB及びGUSB)からのcDNAを、供給業者によって推薦されるプロトコールに従って、7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)によって別々に増幅した。すべてのサンプルを、三重反復試験で分析した。発現レベルを、基準として未処理サンプルを使用したデルタデルタCT法を使用して倍数変化として計算した。各PCRにおけるcDNA投入量の可能性のある可変量を調整するために、我々は、ハウスキーピング遺伝子ACTB及びGUSBを用いて標的遺伝子の発現量を標準化した。
SPG20、INA、及びCNRIP1に関して、遺伝子発現は、5−アザ−2’−デオキシシチジンとトリコスタチンAの併用処置によって引き起こされたプロモーターの脱メチル後の最初にメチル化された大腸癌細胞株の大部分で有意に上方制御された(図2、3、及び4)。INA及びCNRIP1に関して、併用処置は、5−アザ−2’−デオキシシチジン単独とトリコスタチンA単独の個々の処置に比べて、より効果的であった。併用処置はまた、SPG20発現も増強したが、しかしながら、5−アザ−2’−デオキシシチジン処置単独で、同様、又はより高い再活性化を実現できるだろう。デアセチラーゼ阻害剤トリコスタチンA単独を用いた処置は、SPG20、INA、又はCNRIP1のいずれの遺伝子発現も増強しなかった。ここで試験した5−アザ−2’−デオキシシチジンの2種類の用量(1uMと10uM)は、同程度の効果を与えた。これは、細胞株の脱メチル化が低用量の5−アザ−2’−デオキシシチジンの存在下でそれらを培養することによって達成されることを意味し、この薬物の細胞毒性を考慮すれば、それは利点である。
SPG20、INA、及びCNRIP1のメチル化状況と発現との間には、明確な相関があった。よって、例えば、MSPによって、メチル化状況又はレベルをメチル化計測するステップ、そして、その結果を対応遺伝子の発現レベルと組み合わせるステップは、本発明の方法の感度と特異性を増強するかもしれない。
実施例6:
MALの高メチル化
64人の患者からの65個の結腸直腸癌(36個がマイクロサテライト安定;MSS、及び29個がマイクロサテライトの不安定性を有する;MSI)、52人の患者からサイズ中央値8mm、範囲5〜50mm(61個がMSS及び2個がMSI)である63個の腺腫、21人の大腸癌患者からの21個の正常粘膜サンプル(原発癌の遠位部位から採取)、並びに22人の癌に罹患していない人からの23個の正常な結腸直腸粘膜サンプルと、それに加えて、20個の大腸癌細胞株(11個がMSS及び9個がMSI)、及び様々な組織からの29個の癌細胞株(乳房、胃、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、及び子宮;表9)を含めた218個の新しい凍結サンプルからの患者及び細胞株DNAをメチル化分析にかけた。診断における平均年齢は、癌腫を患っている患者については70歳(33〜92歳の範囲)、腺腫を患っている人については67歳(62〜72歳の範囲)、正常粘膜提供者の第1群については64歳(24〜89歳の範囲)、そして、正常粘膜提供者の第2群については54歳(33〜86歳の範囲)であった。結腸直腸癌、及び癌患者からの正常サンプルを、ノルウェーの東南地区に位置する7つの病院から回収した任意抽出の見込みのあるシリーズから入手した。腺腫を、結腸直腸癌に関する集団ベースのS字結腸鏡スクリーニング・プログラムに参加した人から得た。癌に罹患していない人からの正常粘膜サンプルを死亡者から入手し、そして、正常なサンプルの全体集合の大部分(27/44)は粘液だけから成ったが、残りのサンプルを腸壁から採取した。現在の腫瘍シリーズのための追加的な臨床病理データには、性別及び腫瘍位置、並びにポリープ・サイズ、及び腺腫シリーズについて個人あたりのポリープの総数が含まれる。
すべてのサンプルが、承認された研究バイオ・バンクに属し、且つ、国家のガイドラインにより承認された研究プロジェクトの一部である(バイオ・バンク;ノルウェーの公衆衛生研究所にて登録されている。プロジェクト:地域倫理委員会及び国立データ検査局)。
6種類の大腸癌細胞株、HCT15、HT29、SW48、SW480、RKO、及びLS1034を、脱メチル化薬の5−アザ−2’−デオキシシチジン(1μMにて72h及び10uMにて72h)、ヒストン・デアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンA(0.5μMにて12h)、及び両方の組み合わせ(1μMの5−アザ−2’−デオキシシチジンで72h、0.5μMのトリコスタチンAを最後の12hに加えた)での処理を加えた。
亜硫酸水素塩処理とメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)
原発性腫瘍及び正常粘膜サンプルからのDNAを、以前に記載したとおり、亜硫酸水素塩処理した。大腸癌細胞株からのDNAを、EpiTect亜硫酸水素塩キット(Qiagen Inc.、Valencia,CA,USA)を使用して亜硫酸水素塩処理した。全遺伝子のプロモーターのメチル化状況を、HotStarTaq DNAポリメラーゼ(Qiagen)を使用したメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)によって分析した。すべての結果を、独立した第2ラウンドのMSPで確認した。試験管内においてSss1メチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs Inc.、Beverly,MA,USA)で処理したヒト胎盤DNA(Sigma Chemical Co、St.Louis,MO,USA)をメチル化MSP反応の陽性対照として使用し、それに対して、正常リンパ球からのDNAを非メチル化対立遺伝子の陽性対照として使用した。水を、両反応の陰性対照として使用した。MethPrimer及びMethyl Primer Expressを用いてプライマーを設計し、それらの配列を表7に列挙する。
Figure 2010518841
略語:MSP、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応;BS、亜硫酸水素塩基配列決定法;M、メチル化特異的プライマー;U、非メチル化特異的プライマー;Frg.サイズ、断片サイズ;An.Temp、(摂氏温度による)アニーリング温度。断片位置は、NCBI(RefSeq ID NM 002371)、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/mapview/map/search cgによって提供された転写開始点に対するそれぞれの断片の(塩基対単位の)開始点及び終止点を列挙している。
亜硫酸水素塩配列決定法
すべての大腸癌細胞株(n=20)を、MALプロモーターの直接亜硫酸水素塩配列決定法にかけた。2つの断片:A断片、(我々のMSP産物と重複する)転写開始点に対してポイント−68〜168塩基に及ぶ、及び断片B、−427〜−23塩基に及ぶ、を増幅した。A断片は、全体で24個のCpG部位を対象とし、そして、それをHotStarTaq DNAポリメラーゼを使用して、35PCRサイクルで増幅した。断片Bは、全体で32個のCpG部位を対象とし、同じポリメラーゼを使用して、36PCRサイクルで増幅した。プライマー配列を、表8に列挙する。余分なプライマー及びヌクレオチドを、製造業者のプロトコールに従ってExoSAP−IT処理で取り除いた(GE Healthcare,USE Corporation、Ohio,USA)。精製した産物を、それに続いて、AB Prism 3730シーケンサ(Applied Biosystems)によりdGTP BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reactionキット(Applied Biosystems、Foster City,CA,USA)を使用して配列決定した。それぞれのCpG部位のメチル・シトシンの概算量を、以前に記載したとおり、シトシン・シグナルのピークの高さを、シトシン及びチミン・シグナルのピークの高さの合計と比較することによって計算した。0〜0.20の範囲の比を有するCpG部位を非メチル化と分類し、そして、0.21〜0.80の範囲内のCpG部位を部分的メチル化と分類し、そして、0.81〜1.0の範囲のCpG部位を高メチル化と分類した。
cDNAの調製とリアルタイム定量的遺伝子発現
全RNAを、Trizol(Invitrogen、Carlsbad CA, USA)を使用して、細胞株(n=46)、腫瘍(n=16)、及び正常組織(n=3)から抽出し、そして、RNA濃度を、ND−1000 Nanodrop(NanoDrop Technologies、Wilmington,DE,USA)を使用することで測定した。各サンプルに関して、全RNAを、ランダムプライマーを含むHigh−Capacity cDNA Archiveキット(Applied Biosystems)を使用してcDNAに変換した。MAL(Hs00242749 m1及びHs00360838 m1)、内在対照ACTB(Hs99999903 m1)、及びGUSB(Hs99999908 m1)を、推奨されるプロトコール(Applied Biosystems)に従って、96ウェル・ファースト・プレート内で別々に増幅し、そして、7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)によってリアルタイム定量的遺伝子発現を計測した。すべてのサンプルを、三重反復試験で分析し、そして、中央値をデータ分析に使用した。(10種類の異なる細胞株からのRNAの混合物を含む;Stratagene)ヒト普遍的基準RNAを、検量線を作成するために使用し、そして、得られたMALの定量的な発現レベルを、2つの内在性対照の平均値に対して標準化した。
組織マイクロアレイ
結腸直腸癌におけるタンパク質発現のその場検出において、組織マイクロアレイ(TMA)を、以前に記載した技術に基づいて構築した。TMAに埋め込まれているのは、281人に由来するエタノール固定し、そして、パラフィン包埋した腫瘍サンプルからの(直径0.6mmの)292個の円筒組織コアである。同じ患者シリーズからのサンプルを、様々な生物学的変数及び臨床的エンドポイントについて調べた。加えて、そのアレイは、対照として腎臓、肝臓、脾臓、及び心臓からの正常組織を含む。結腸直腸癌に関して知られている病歴のない4人からのエタノール固定した正常な結腸組織を別々に得た。
免疫組織化学的in situタンパク質発現解析
TMAブロックの5μm厚切片を、免疫組織学的分析のためにガラス・スライド上に移した。切片を、キシレン・バス内において10分間脱パラフィンで処理し、そして、一連の段階的なエタノール・バスにより再水和した。熱誘発エピトープ修復を、0.05%のTween−20を含む10mMのクエン酸バッファーpH6.0中に浸漬しながら、電子レンジにより最大効果(850W)にて15分間加熱し、それに続いて、100Wにて5分間加熱することによって実施した。室温に冷ました後に、DAKO Envision+(商標) K5007キットのプロトコールに従って、免疫組織化学的染色を実施した。
一次抗体であるマウス・クローン6D9抗MALを、1:5000の希釈にて使用し、それは、陽性対照として腎臓細管の染色を可能にする一方で、心筋組織を陰性対照として未染色で残した。スライドを、ヘマトキシリンによって2分間対比染色し、次に、漸増する度数のエタノール、そして、最終的にキシレンで脱水した。免疫組織化学からの結果を、作者及び基準病理学者のうちの1人による独立スコアリングによって得た。
統計
SPSS13.0ソフトウェア(SPSS、Chicago, IL, USA)を使用した両側統計的検定からすべてのP値を得た。フィッシャーの直接確率検定を、2×2分割表を分析するのに使用した。2×3表とカイ2乗検定を、MALの定量的遺伝子発現とプロモーターのメチル化状況の間の潜在的な関連を分析するために使用した。サンプルを、それらの遺伝子発現レベルにより2つのカテゴリに分けた:低発現には、すべての細胞株又はすべての腫瘍にわたる中央値に比べて、遺伝子発現が同等又は低いサンプルが含まれ、高発現には、中央値に比べて、高い遺伝子発現を有するサンプルが含まれた。メチル化状況を、3つのカテゴリ:非メチル化、部分的メチル化、及び高メチル化、に分けた。
組織及び細胞株におけるMALのプロモーター・メチル化状況
MALのプロモーター・メチル化状況を、MSPを用いて分析した(図5)。23個の癌ではない提供者からの正常粘膜サンプルのうちの1つ(4%)、及び21個の原発性腫瘍から離れて採取された正常粘膜サンプルのうちの2つ(10%)がメチル化されていたが、ゲル電気泳動後に陽性対照と比較して、低い強度バンドだけが示された。63の腺腫のうちの45個(71%)及び49/61個の癌腫(80%)が、プロモーターの高メチル化を示した。20個の結腸癌細胞株のうちの19個(95%)、及び様々な組織(乳房、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、及び子宮)からの癌細胞株の15/26個(58%)が、高メチル化されていた(表9は組織特異的な頻度を列挙している)。
Figure 2010518841
個々の細胞株のプロモーター・メチル化状況を、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)によって評価した。メチル化頻度は、各組織からのメチル化した(M及びU/M)サンプルの数を反映する。略語:U、非メチル化;M、メチル化。
正常サンプルにおいて見られた高メチル化頻度は、腺腫(P<0.0001)及び癌腫(P<0.0001)におけるものに比べて、有意に低かった。MALプロモーターの高メチル化は、MSI状況、性別、又は年齢に関連せず、悪性腫瘍若しくは良性腫瘍にも関連しなかった。癌腫に共通して、腸管の遠位にある腫瘍(左側及び直腸)は、近位にある腫瘍に比べて、頻繁に高メチル化されたが、統計的に有意ではなかった(P=0.088)。腺腫に共通して、MALのプロモーター・メチル化状況とポリープ・サイズ又は数の間に有意な関係を見出すことはできなかった。
MALのプロモーター・メチル化状況の亜硫酸水素塩配列決定による検証
MALプロモーターの2つの重複断片を、20種類の大腸癌細胞株において亜硫酸水素塩配列決定した。結果を図6にまとめ、そして、代表的な生データは図7に見ることができる。そして、高い関連性は、MSPによって評価されるメチル化状況と、重複断片Aの亜硫酸水素塩配列決定の間で見られた。しかしながら、断片Bでは、MSPデータとの低い関連性しかなかった。転写開始点に対してより上流に位置しているこの断片に関して、いくつかの連続したCpG部位が、高い頻度で非メチル化であるか、及び/又は部分的にメチル化されていた。これはまた、転写開始点の周りで重度にメチル化されることが示された細胞株においても当てはまった(断片A;図6)。
リアルタイム定量的遺伝子発現
細胞株(n=46)、原発性結腸直腸癌(n=16)、及び正常粘膜(n=3)におけるMAL mRNA発現のレベルを、定量的なリアルタイムPCR法によって評価した。細胞株共通して、MALプロモーターの高メチル化と、遺伝子発現の減少又は喪失との間に強い関連性があった(P=0.041;図8)。さらに、MALの遺伝子発現は、5−アザ−2’デオキシシチジンとトリコスタチンAの併用処理によって誘発したプロモーターの脱メチル後の大腸癌細胞株において上方制御された(図9)。デアセチラーゼ阻害剤のトリコスタチンA単独での処理がMAL発現を増強しなかったのに対して、DNAを脱メチルする5−アザ−2’デオキシシチジンでの処理は、HT29細胞において高発現を引き起こしたが、HCT15細胞においてより緩やかなレベルを引き起こした(図9)。原発性結腸直腸癌に共通して、MALのプロモーター高メチル化を保持するもの(n=13)は、非メチル化腫瘍(n=3)と比較して、ややより低いレベルのMAL mRNAしか発現しなかったが、統計的に有意ではなかった(図8)。
MALタンパク質の発現は、結腸直腸癌において失われている。
MALの免疫組織化学分析を評価するために、腎臓及び心筋の組織が、それぞれ、陽性対照及び陰性対照として含まれた(図10A〜B)。231個のスコアラブルな(scorable)結腸直腸組織コア、すなわち、悪性結腸直腸上皮組織を含むものから、198個がMAL染色に関して陰性であった(図10C〜D)。これらのうちの29個には、同じ組織コア内の非上皮組織成分に、主にニューロン及び血管に陽性染色があった(未掲載)。それに対し、正常結腸組織のすべての切片には、上皮細胞におけるMALの陽性染色が含まれていた(図10E〜F)。
これらの実験は、転写開始点に近いMALプロモーターは、メチル化されていない正常な腸粘膜細胞サンプルと対照的に、悪性の大部分、並びに良性の結腸直腸腫瘍において高メチル化されているという結論を出し、そして、我々は、依然として、MALが早期の結腸直腸の腫瘍形成に関する有望な診断バイオマーカーであると主張する。加えて、高メチル化MALは、乳房、腎臓、卵巣、及び子宮からの癌細胞株において見られた。
定量的メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)による、MALの高メチル化は、結腸癌腫のわずかな部分(6%、2/34)においてのみ存在していることが他者によって以前に示された(Mori et al.)。対照的に、出願人は、良性及び悪性の結腸直腸腫瘍の両方でMALの有意に高いメチル化頻度(腺腫において71%、そして、癌腫において80%)をここで実証している。本報告とMoriらによる以前の研究の間のメチル化頻度の矛盾は、おそらく、研究設計の結果である。大腸癌細胞株の直接的な亜硫酸水素塩配列決定から、我々は、MALのDNAメチル化がそのプロモーターのCpGアイランド内に不均一に分布していることをここで示した(図6)。CpGアイランドは、多くの場合、遺伝子プロモーターの1キロベースよりも広範囲にわたり、そして、この領域内のメチル化状況は、時々、均一に分布していると誤って認識されている。MSP分析の結果は、亜硫酸水素塩処理DNAに対する非メチル化及びメチル化プライマー配列のマッチ又はミスマッチに依存するので、当業者は、プライマーが遺伝子プロモーター内の関連CpG部位にアニーリングすることを確実にするべきである。本研究では、出願人は、遺伝子の転写開始点の近にMSPプライマーを設計し(−72〜+70)、そして、MSPによって評価されるMALの全体的なメチル化状況と、我々のMSPプライマー・セットによって対象とされる個々のCpG部位のメチル化状況の間の一致を、亜硫酸水素塩配列決定によって得た(図6)。CpGアイランドのこの部分は、大腸癌細胞株の大部分(95%)で高メチル化されていた。我々はまた、これらの細胞株、並びに他の組織のものが、定量的なリアルタイム分析からMAL RNA発現の損失を示し、そして、5−アザ−2’デオキシシチジンとトリコスタチンAの併用処理によるDNA高メチル化の除去が、結腸癌細胞株におけるMALの発現を再誘発することを示すことがわかった(図9)。さらに、タンパク質免疫組織化学によって大規模シリーズの臨床的に代表的なサンプルを分析することによって、我々は、MALの発現が、正常粘膜と比較して、悪性結腸直腸上皮細胞において失われていることを確認した。
本発明者は、転写開始点の上流の−206〜−126塩基対に位置している、Moriらと同じMALプロモーター領域をさらに分析した。直接的な亜硫酸水素塩配列決定により、我々は、Moriアンチセンス・プライマーによって対象とされている少数のCpG部位のみが、転写開始点の周りで重度にメチル化されていた19種類の結腸癌細胞株においてメチル化されていることを示した(図6)。そのため、我々は、結腸癌腫におけるMALに関して最初に報告された非常に低い(6パーセント)メチル化頻度(Mori et al.)は、プライマー設計、及び調査するCpG部位の選択の影響による可能性が最も高いという結論を出した。
MALプロモーターの高メチル化の不活性化はまた、他の癌型にも一般的であるかもしれない。本研究では、高メチル化MALを、乳房、腎臓、卵巣、及び子宮からの癌細胞株において見つけ出した。
7種類の組織からの癌細胞株に関する本分析は、MALの転写開始点付近の限られた領域の高メチル化が遺伝子発現の減少又は喪失に関連することを示唆している。
結腸直腸癌についての高感度の非侵襲性スクリーニング・アプローチは、患者のために臨床成果を著しく改善するだろう。そのような診断試験は、原則として、単一バイオマーカーの状況を計測するだろう。
MALプロモーターの高メチル化は、前癌状態の結腸直腸病巣の中の高い頻度で高メチル化した遺伝子を表し、そして、それは、正常な腸粘膜細胞における低いメチル化頻度と同時に生じる。前癌組織におけるこのようなエピジェネティックな変化の存在はまた、癌の化学的予防のための意味も持つかもしれない。これらのエピジェネティックな変化を抑制するか又は逆転することによって、悪性表現型への進行が予防されるかもしれない(Kopelovich et al.)。MALのプロモーター高メチル化が、依然として、結腸直腸腫瘍の早期検出のための最も有望な診断バイオマーカーの1つである。
参考文献
Figure 2010518841
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Claims (19)

  1. 対象が癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの判定方法であって、以下のステップ:
    a)上述の対象から得たサンプル中の少なくとも1つの遺伝子のプロモーター領域、最初のエクソン又はイントロンの核酸配列内のCpG部位のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はメチル化状態を測定する
    を含んで成り、ここで、上記遺伝子が、以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    から成る群から選択される前記方法。
  2. 以下のステップ:
    b)前記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を基準と比較し;そして
    c)前記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上記基準のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又CpG部位のメチル化状態と比べて高ければ、上記対象が、癌を発症しやすいか、発症しているか、又は発症する可能性が高いか、あるいは、癌治療後に再発していると断定し、そして、上記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の基準のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を下回っていれば、対象が、癌を発症しにくいか、発症していないか、又は発症する可能性が低いか、あるいは、癌治療後に再発していないと断定する
    をさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  3. 対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの判定方法であって、以下のステップ:
    a)対象からのサンプルのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定し;
    b)健康人集団からのサンプルから得られた上記の少なくとも1つの遺伝子のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に関するパーセンタイル・プロットを作成し;
    c)健康人集団で測定したメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態、及び癌に罹患している集団で測定したメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に基づくROC(受信者動作特性)曲線を作成し;
    d)感度と特異性の所望の組み合わせをROC曲線から選択し;
    e)決定した又は選択した特異性に相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態をパーセンタイル・プロットから決定し;そして
    f)サンプル中の上述の少なくとも1つの遺伝子のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の感度/特異性の所望の組み合わせに相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に比べて等しいか又はそれより高ければ、上記対象が癌に罹患している可能性が高いと予測し、そして、サンプルのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態が、上述の感度/特異性の所望の組み合わせに相当するメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態に比べて低ければ、上記対象が癌に罹患している可能性が低いか又は罹患していないと予測する
    を含んで成る前記方法。
  4. 少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化したCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記の少なくとも1種類の追加マーカーが、以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの;
    MAL、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000172005によって特定されるもの
    から成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 以下の:
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、CNRIP1のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る、請求項4に記載の方法。
  7. 以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、SPG20のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る、請求項4に記載の方法。
  8. 以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、FBN1のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る、請求項4に記載の方法。
  9. 以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、SNCAのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る、請求項4に記載の方法。
  10. 以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;及び
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの
    から成る群から選択される少なくとも1種類の追加マーカーのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップと組み合わせて、INAのメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を測定するステップを含んで成る、請求項4に記載の方法。
  11. 前記のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を、亜硫酸水素塩配列決定法、定量的、及び/又は定性的なメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)、パイロシークエンシング、サザンブロッティング、制限酵素ランドマーク・ゲノム・スキャニング(RLGS)、単一ヌクレオチド・プライマー伸長法、CpGアイランド・マイクロアレイ、SNUPE、COBRA、質量分析法、メチル化に特異的な制限酵素の使用、前述の遺伝子の発現レベルの計測、あるいは、その組み合わせによって測定する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記メチル化特異的PCRが、2つのCpG部位、及びCpG部位内にないシトシン残基を含んで成る核酸配列にハイブリダイズすることができる核酸プライマーの使用を含んで成る、請求項11に記載の方法。
  13. 前記癌が、以下の:結腸直腸の腫瘍、(小細胞肺癌、及び/又は非小細胞肺癌を含めた)肺の腫瘍、食道の腫瘍、胃の腫瘍、膵臓の腫瘍、肝臓の腫瘍、胆嚢及び/又は胆管の腫瘍、小腸の腫瘍、並びに大腸の腫瘍から成る群から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記サンプルが、血液、大便、尿、胸水、胆汁、気管支液、うがい液、組織生検、腹水、膿、脳脊髄液、穿刺液、卵胞液、組織、又は粘液から得られる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 以下の:
    A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
    B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
    C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
    D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
    から成る群から選択される配列を含んで成る核酸配列内のメチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状況を測定するステップを含んで成る、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 癌の判定のための診断キットであって、以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrezid23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    から選択される遺伝子の核酸配列にそれぞれ相補的である1つ以上のオリゴヌクレオチド・プライマー又は1セット以上のオリゴヌクレオチド・プライマーを含んで成る前記キット。
  17. 対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかに関する指標として、メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を評価する診断アッセイにおける、以下の:
    CNRIP1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000119865、entrez ID 25927によって特定されるもの;
    SPG20、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000133104、entrez ID 23111によって特定されるもの;
    FBN1、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000166147、entrez ID 2200によって特定されるもの;
    SNCA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000145335、entrez ID 6622によって特定されるもの;及び
    INA、例えば、ensembl遺伝子ID ENSG00000148798、entrez ID 9118によって特定されるもの
    を含んで成る群から選択される1種類以上の遺伝子の使用方法。
  18. 対象が、癌を発症したか、発症しているか、又は発症しやすいか、あるいは、対象が癌治療後に再発しているかどうかの指標として、メチル化レベル、メチル化されたCpG部位の数、又はCpG部位のメチル化状態を評価する診断アッセイにおける核酸配列の使用方法であって、上述の核酸が、以下の:
    A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
    B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
    C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
    D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
    から成る群から選択される核酸配列を含んで成る前記方法。
  19. 以下の:
    A)配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号14、及び配列番号16のいずれかによって規定される核酸配列;
    B)A)で規定された配列に相補的である核酸配列;
    C)A)又はB)で規定された核酸配列の部分配列;
    D)A)、B)、又はC)で規定された配列と少なくとも75%同一である核酸配列
    から成る群から選択されるメチル化核酸配列を認識する抗体。
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