図1を参照すると、コンデンサ充電回路10は、入力電圧源14、一次巻線18aおよび二次巻線18bを有する変圧器18、主スイッチ22、ダイオード24、および負荷30に電力を供給するために図に示されているように結合された出力コンデンサ26を備えている。回路10はフライバックトポロジーを有している。実例実施形態では、負荷30はカメラ閃光であり、したがって回路10は、閃光充電器または充電回路と呼ぶことができる。典型的な閃光電圧要件は300ボルト程度である。入力電圧源14には、たとえば、この実例実施形態では約1.8ボルトと5.0ボルトの間の範囲の電圧を提供するアルカリ電池、NiMH電池またはリチウム電池などの電池を使用することができる。
動作中、スイッチ22がオンであると、変圧器の一次巻線18aにエネルギーが蓄積される。この時間の間、ダイオード24は逆バイアスされ、出力コンデンサ26には電流は流れない。スイッチがターンオフすると、ダイオード24は順方向にバイアスされるようになり、変圧器二次巻線18bから出力コンデンサ26へエネルギーが伝達される。
コンデンサ充電回路10は、MOSFETデバイスであってもよいスイッチ22のための制御信号を生成するためのスイッチ制御回路28を備えている。この制御信号によって、コンデンサ26の両端間の出力電圧Voutが、図に示されている実施形態ではたとえば300ボルトである所望のレベルに、好ましくは固定周波数ではない適応速度で到達するまでスイッチがターンオンおよびターンオフする。出力電圧Voutが所望のレベルに到達すると、通常、閃光電球30を起動させることができる表示がカメラの使用者に提供される。使用者が閃光電球30を起動させると、出力コンデンサ26から負荷へエネルギーが伝達される。
スイッチ制御回路28は、分岐点38でスイッチ電圧Vswに結合されている反転入力および基準電圧Vref1に応答する非反転入力を有する第1の比較器32を備えている。フリップフロップすなわちラッチ36は、比較器32の出力信号によって提供されるセット入力を有している。第2の比較器34は、一次巻線電流を感知するために提供されている抵抗器42に結合された非反転入力、および基準電圧Vref2に応答する反転入力を有している。比較器34の出力は、ラッチ36のリセット入力に結合されている。ラッチ36の出力は、図に示されているようにスイッチ22のゲートに結合されている。
動作中、各スイッチサイクルのオン時間部分は、抵抗器42によって感知される一次巻線電流レベルによって制御される。詳細には、一次巻線電流が基準電圧Vref2によって確立される所定のレベルに到達すると、比較器34の出力がハイになり、それによりラッチ36がリセットされ、スイッチ制御信号がローになってスイッチ22が遮断される。基準電圧レベルVref2は、特定の入力電流制限が提供されるように選択される(また、実際、使用者が選択することができる)。スイッチ電圧Vswが基準電圧Vref1のレベルまで降下すると、比較器32の出力がハイになり、ラッチ出力がハイになってスイッチ22がターンオンする。
比較器32に提供される基準電圧Vref1は、連続/不連続の境界付近で回路を動作させ、それにより高いフライバック変換効率を達成するために、二次電流が不連続になると(つまりゼロアンペアを通過すると)スイッチ22がターンオンするように選択される。基準電圧Vref1のレベルは、いかなる特定の二次電流レベルにも相関していないが、唯一、二次電流が不連続になった後にのみ比較器32の出力が変化することが保証されるように選択される。実際、スイッチ電圧Vswが基準電圧Vref1のレベルに到達すると生じる二次電流レベルは、変圧器漏れインダクタンスおよび寄生容量を始めとする様々な要因に左右される。
スイッチ22を制御するための様々な代替スキームが可能であることは当業者には理解されよう。たとえば、上で参照した米国特許第6,518,733号には、感知された一次巻線電流に応答してスイッチオン時間が制御され、また、感知された二次巻線電流に応答してオフ時間が制御されるスイッチ制御スキームが記述されている。一次巻線電流に応答してオン時間が制御され、また、感知された出力コンデンサ電流に応答してオフ時間が制御される他の代替スキームについては、以下で、図4および5に関連して説明する。
本発明の一態様によれば、充電器10は、一般的に高出力電圧回路における二次側電圧感知に関連する高電力散逸を回避する場合に望ましいように、変圧器の一次側からコンバータ出力電圧Voutを感知するための出力電圧感知回路40を備えている。出力電圧感知回路40は、加算要素50、抵抗器54および58を含む抵抗器分割器の形態のレベルシフタ、スイッチ22のオフ時間の間、レベルシフトスイッチ電圧Vswを1サイクルにわたって平均化するための抵抗器64およびコンデンサ62、フィルタリングされた信号をサンプリングし、かつ、ホールドするためのダイオード66およびコンデンサ70、ならびにスイッチ74を備えており、これらはすべて図に示されているように結合されている。
加算要素50は、回路分岐点38に結合された非反転入力、入力電圧源Vinに結合された反転入力および抵抗器54に結合された出力を有している。抵抗器54および58の接続部(すなわち回路分岐点44)の電圧は、スイッチ22がオフである場合、出力電圧Voutに比例している。回路分岐点44の電圧は、スイッチ22がターンオフする際に回路分岐点38に生じる電圧スパイクの影響を除去するために、抵抗器64およびコンデンサ62によって平均化される。電圧スパイクは、変圧器の漏れインダクタンスおよびスイッチ22の寄生容量を介してリンギングする電流によって生じる。回路分岐点46のフィルタリングされた電圧は、スイッチ22がオフである場合に出力電圧Voutに比例し、また、スイッチ22がターンオフする際に回路分岐点38に生じる電圧スパイクの影響を受けない直流電圧Vsenseを提供するために、ダイオード66およびコンデンサ70によってサンプリングされ、かつ、ホールドされる。したがってコンポーネント64および62(また、同じくコンデンサ70)は、Vsense電圧が、漏れインダクタンスリンギングの影響が除去され、延いてはスイッチ電圧Vswに対する電圧スパイクが除去された正確な出力電圧Voutを指示するよう、分岐点44の電圧をフィルタリングまたは波形整形するように機能している。抵抗器64は、抵抗器54および58の組合せとして実現することができることは当業者には理解されよう。
Vsense電圧 は、基準電圧Vref3と比較し、出力電圧Voutが所望の完全充電レベルに到達したか否かを示す制御信号84を提供するための比較器82に結合されている。制御信号84によってラッチ88がセットされ、このラッチ88の出力によって、制御信号84の一方のエッジ、たとえば図に示されているように立上りエッジにのみ応答して、コンデンサが十分に充電状態であることを示すパルス形態の「充電完了」信号Vcd86が提供される。基準電圧Vref3は、出力電圧Voutが所望のレベルに到達するとVsense電圧が基準電圧より高くなるように選択される。
一実例実施形態では、出力電圧が所望のレベルに到達したことを充電完了信号Vcdが示すと充電器10が停止する。充電完了信号Vcdに応答して他の適切なアクションを取ることも可能であり、たとえば上で参照した米国特許第6,518,733号に記載されているようなリフレッシュ機能を実施することができることは理解されよう。
抵抗器64およびコンデンサ62、70の値は、分岐点44のレベルシフトスイッチ電圧が平均化され、それによりスイッチがターンオフする際に生じる電圧スパイクの少なくとも大半が除去されるように選択される。フィルタコンポーネントの値を選択する際に考慮すべき他の要因には、それらのいくつかを挙げると、公称出力電圧レベル、基準電圧Vref3のレベル、変圧器の巻数比、およびこれらのコンポーネントがディスクリートであるか、あるいは集積回路の中に組み込まれているか否か(後者の場合、コンデンサを小さい値に維持することが重要であるため)などがある。一実例実施形態では、Vref3に到達するための抵抗器54、58、64および並列に組み合わせたコンデンサ62、70によるRC時間周期は、公称スイッチオフ時間の1/4程度になるように選択される。
ピーク充電回路とも呼ばれるサンプルアンドホールドダイオード66およびコンデンサ70は、比較器82の速度に応じて削除することができる。比較器82の速度が十分に速い場合、分岐点46の時間可変平滑化信号を比較器の入力に直接結合することができる。しかしながら、好ましい実施形態では、図に示されているように、ピーク充電要素66および70を使用して比較器82の入力に直流Vsense電圧が提供される。
たとえばMOSFETデバイスであってもよいスイッチ74は、図に示されているようにコンデンサ70に並列に結合されている。スイッチ74は、(1)閃光電球30が起動されるか、あるいは(2)出力電圧Voutが、Vsense電圧が基準電圧Vref3より高くなることによって決定される所望のレベルに到達するかのうちのいずれか1つの状態が生じると、制御信号78によってターンオンされ、それによりコンデンサ70が放電する。
また、図1Aを参照すると、出力電圧Voutが所望のレベルに到達していない場合の電圧感知回路40の動作を示すための様々な波形が示されている。波形44は、回路分岐点44のレベルシフトスイッチ電圧を示しており、波形46は、回路分岐点46のフィルタリングされた電圧を示している。また、波形68は、分岐点68のピーク充電Vsense電圧を示している。また、Vsense電圧68より高い基準電圧Vref3が示されており、したがって出力電圧Voutが未だ所望のレベルに到達していないことを示している。したがって比較器82の出力の制御信号84は、論理ローレベルを維持している。
また、図1Bを参照すると、図1Aの波形と同じ波形が示されている。しかしながら、この場合、時間AでVref3電圧より高くなっているVsense電圧68によって示されているように、出力電圧Voutは所望のレベルに到達している。したがって制御信号84は、図に示されているように時間Aで論理ハイレベルに変化している。
図2を参照すると、代替コンデンサ充電回路80が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。したがって回路80は、入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、スイッチ制御回路28(ここでは図面を分かり易くするために単純化されている)、ダイオード24および出力コンデンサ26を備えている。この充電回路80は、回路80が、コンバータ出力電圧Voutを変圧器の一次側から感知する代替出力電圧感知回路110を備えている点で図1の充電器10とは異なっている。
回路80は、さらに、出力コンデンサ26と接地の間に直列に結合された、出力コンデンサ26を通って流れる電流Icap132を感知するための抵抗器36を備えている。抵抗器36の両端間の電圧は、コンデンサ電流Icapに比例している。コンデンサ電流Icapは、以下で説明するように出力電圧感知回路110が使用するために感知される。
出力電圧感知回路110は、加算要素90、および抵抗器92、94からなる抵抗器分割器の形態のレベルシフタを備えている。加算要素90は、回路分岐点38に結合された非反転入力、入力電圧源Vinに結合された反転入力および抵抗器92に結合された出力を有している。抵抗器92および94の接続部(すなわち分岐点130)の電圧は、スイッチ22がオフである場合、出力電圧Voutに比例している。
出力電圧感知回路110は、さらに、抵抗器92および94の接続部で分岐点130に結合された非反転入力および基準電圧Vref1に応答する反転入力を有する第1の比較器114を備えている。比較器114の出力信号134は、ANDゲート118の入力に結合されている。比較器114は、出力電圧Voutが所望のレベルにいつ到達するかを感知する。したがって基準電圧Vref1は、変圧器巻数比および抵抗器分割器比率(抵抗92および94の)を介して所望の完全充電コンデンサ電圧に対応するように選択される。一実例実施形態では、所望の出力電圧は300ボルトであり、また、基準電圧Vref1は5ボルトまたはVinである。
第2の比較器122は、図に示されているように、電流感知抵抗器36に結合された反転入力および基準電圧Vref2に応答する非反転入力を有しており、また、ANDゲート118の入力に結合された出力信号136を提供している。比較器122は、コンデンサ電流Icap132が極めて小さくなったこと、たとえばそのピーク値の約10%になったことを感知している。そのために、基準電圧Vref2は、通常、伝搬遅延または他の望ましくない影響を考慮するために、接地より上の抵抗器36の抵抗によって数十ミリアンペア倍されている。
ANDゲート118の出力信号112は、出力電圧Voutが基準電圧Vref1によって確立される所望の電圧レベルに到達し、かつ、抵抗器36によって感知されるコンデンサ電流が不連続になることによって決定される所与のスイッチサイクルの間に出力コンデンサが完全充電された状態の両方が真になると、出力電圧Voutが所望のレベルに到達したことを示す制御信号を提供する。詳細には、制御信号112は、比較器114および比較器122の両方の出力がハイである場合にのみハイになる。制御信号112はラッチ116をセットし、このラッチ116の出力によって、制御信号112の各立上りエッジでパルス形態の充電完了信号Vcd138が提供される。この充電完了信号を使用して充電器80を停止させることができる。
また、図2Aを参照すると、出力電圧Voutが所望のレベルに到達していない場合の電圧感知回路110の動作を示すために、回路80に関連するいくつかの波形が示されている。詳細には、波形130は分岐点130のレベルシフトスイッチ電圧を示しており、波形132はコンデンサ電流Icapを示している。波形134は比較器114の出力信号を示しており、波形136は比較器122の出力信号を示している。また、波形112は、ANDゲート118の出力における制御信号112を示している。
また、スイッチ22がターンオフする際に生じる電圧スパイクが散逸した後のレベルシフトスイッチ電圧130より高い基準電圧Vref1が示されており、したがって出力電圧Voutが未だ所望のレベルに到達していないことを示している。しかしながら、電圧スパイクのピークの一部は実際に基準電圧Vref1より高くなり、したがって図に示されているように、比較器114の出力信号134はそれに応じて変化する。コンデンサ電流132が極めて小さくなると、比較器122の出力信号136がハイになる。しかしながら、比較器114の出力信号134はローであるため、制御信号112はローを維持し、これは、出力電圧Voutが所望のレベルに到達していないため、望ましい。
また、図2Bを参照すると、図2Aの波形と同じ波形が示されている。しかしながら、この場合、基準電圧Vref1より高いスイッチ電圧130で示されているように、出力電圧は所望のレベルに到達している。したがって、比較器114の出力信号134は、時間Aで電圧スパイクに応答して変化した後、電圧スパイクが散逸してもハイを維持する。もっと後の時間、ここでは時間Bで、コンデンサ電流Icap132が小さい値に減少し、比較器122の出力信号136がハイになる。時間Bでは比較器114の出力信号134もハイであるため、図に示されているようにANDゲート118の出力信号112がハイになる。
この構造によれば、スイッチ22がターンオフする際に一般的にはスイッチ電圧Vswに生じる電圧スパイクによる制御信号112および充電完了信号Vcd138に対する影響が防止される。これは、コンデンサ電流が極めて小さくなり、その頃には電圧スパイクの原因になるリンギングが散逸し終えることになる場合にのみ、制御信号112を出力電圧が所望のレベルに到達したことを示すハイにすることができることによるものである。したがって、スイッチ電圧130に対する電圧スパイクによって、出力電圧が所望のレベルに到達していない時点で比較器114の出力信号134がハイになったとしても、コンデンサ電流132が所望の小さい値に到達していないことになるため、制御信号112はハイにはならない。
回路110は抵抗器36の両端間の電圧に応答しているが、出力コンデンサ電流すなわち二次巻線電流を感知するための他のスキームを使用して、コンデンサ電流が所望の小さい値に減少したことを決定するための入力を比較器122に提供することも可能であることは理解されよう。
図3を参照すると、代替コンデンサ充電回路実施形態140が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。したがって回路140は、入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、スイッチ制御回路28(同じく図面を分かり易くするために単純化されている)、ダイオード24および出力コンデンサ26を備えている。回路140は、回路140が他の代替出力電圧感知回路144を備えている点で図2の充電器80とは異なっている。それぞれ図1および2の出力電圧感知回路40および110と同様、回路144は、スイッチ22がターンオフする際にスイッチ電圧Vswに生じる電圧スパイクに応答して不適切な感知が生じないことを保証する方法で変圧器18の一次側から出力電圧を感知している。
出力電圧感知回路144は、加算要素162、および抵抗器164、168からなる抵抗器分割器の形態のレベルシフタを備えている。加算要素162は、回路分岐点38に結合された非反転入力、入力電圧源Vinに結合された反転入力および抵抗器164に結合された出力を有している。抵抗器164および168の接続部(すなわち分岐点142)の電圧は、スイッチ22がオフである場合、出力電圧Voutに比例している。
出力電圧感知回路144は、さらに、抵抗器164と168の間の接続部で分岐点142に結合された非反転入力および基準電圧Vref1を受け取るように適合された反転入力を有し、かつ、出力信号150を提供する第1の比較器148を備えている。基準電圧Vref1は、変圧器巻数比を介して、出力電圧Voutに対する所望の十分な充電レベルに対応するように選択される。一実例実施形態では、所望の出力電圧は300ボルトであり、また、基準電圧Vref1は5ボルトまたはVinに等しい。比較器出力信号150は、比較器出力信号を遅延させ、ANDゲート156に遅延信号158を提供する遅延要素152に結合されている。
第2の比較器160は、図に示されているように、抵抗器164と168の間の接続部で分岐点142に結合された反転入力および第2の基準電圧Vref2を受け取るように適合された非反転入力を有しており、また、ANDゲート156の第2の入力に出力信号162を提供している。ANDゲート156の出力信号164は、図3Aおよび3Bを考察すれば明らかになるように、(a)出力電圧Voutが基準電圧Vref1によって確立される所望のレベルに到達したために遅延が生じた状態、および(b)遅延要素152と基準電圧Vref2の組合せによって確立される所与のスイッチサイクルの間にコンデンサ26が完全充電された状態の両方が真になると、出力電圧Voutが所望のレベルに到達したことを示す制御信号164を提供する。制御信号164はラッチ154をセットし、このラッチ154の出力によって、制御信号164の一方のエッジ、たとえば立上りエッジにのみ応答して、コンデンサが完全充電状態に充電されたことを示すパルス形態の「充電完了」信号Vcd166が提供される。一実例実施形態では、充電完了信号Vcd166がコンデンサ26が完全充電されたことを示すハイになると、充電器140が停止する。
図3Aを参照すると、出力電圧Voutが所望のレベルに到達していない場合の電圧感知回路144の動作を示すために、回路140に関連する特定の波形が示されている。波形142は、分岐点142のレベルシフトスイッチ電圧Vswを基準電圧Vref1およびVref2との関係で示したものである。波形150は比較器148の出力信号を示したものであり、波形158は遅延要素152の出力信号を示したものである。波形162は比較器160の出力信号を示したものであり、また、波形164はANDゲート156の出力である制御信号を示したものである。
動作中、分岐点142のレベルシフトスイッチ電圧が基準電圧Vref1のレベルに到達すると、比較器出力信号150がハイになる。ここでは、スイッチがターンオフすると、出力電圧Voutが所望のレベルに到達していないにもかかわらず分岐点142に電圧スパイクが生じ、そのために、図に示されているように比較器148の出力信号150が何度か変化している。
分岐点142のレベルシフトスイッチ電圧が第2の基準電圧Vref2未満まで降下すると、図に示されているように比較器160の出力信号162がハイになる。ANDゲート156の出力信号164がハイになるのは、遅延信号158および比較器出力信号162の両方がハイのときのみである。ここでは、遅延信号158および比較器出力信号162の両方が同じ時間にハイではないため、制御信号164はローを維持し、したがって出力電圧Voutが所望の電圧レベルに到達していないことを正確に示している。
また、図3Bを参照すると、図3Aの波形と同じ波形が示されている。しかしながら、この場合、出力電圧Voutは所望のレベルに到達している。したがって比較器148の出力信号150は、スイッチ電圧に対する、基準電圧Vref1を交差する電圧スパイクによって何度か変化した後、電圧スパイクが散逸するとハイを維持する。しかしながら、ここでは、スイッチ電圧が降下して基準電圧Vref2を交差すると、そのために比較器160の出力信号162がハイになり、延いては、図に示されているようにANDゲート156の出力信号164が同じくハイになり、したがって出力電圧Voutが所望のレベルに到達したことを正確に示している。
遅延要素152によって提供される遅延は、少なくとも、分岐点142のレベルシフトスイッチ電圧がそのプラトーから基準電圧Vref2まで降下するのに要する時間に対応するように選択される。しかしながら、この遅延は、分岐点142の電圧スパイクによる誤ったコンデンサ完全充電の表示が防止されるだけの十分な短さでなければならない。一実例実施形態では、遅延要素152は、たとえば100ナノ秒などの60ナノ秒と150ナノ秒の間の程度の遅延を提供している。従来の回路シミュレーション技法を使用して最適遅延を洗練させることができる。
図4を参照すると、他の代替コンデンサ充電回路170が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。回路170は、図に示されているように、入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、ダイオード24および負荷30に結合されたコンデンサ26を備えている。回路170は、スイッチ分岐点38に結合された、例としてそれぞれ図1、2および3の回路40、110および144のうちの任意の形態を取ることができる出力電圧感知回路176を備えている。
充電器170は、さらに、コンデンサ26に直列に結合された、コンデンサ電流Icapを感知するための抵抗器178およびスイッチ制御回路174を備えている。スイッチ制御回路174は、図1に関連して上で説明した回路28に代替スイッチ制御スキームを提供している。ここでは、感知された一次巻線電流に応答して各スイッチサイクルのオン時間部分が制御され、また、感知された出力コンデンサ電流Icapに応答してオフ時間部分が制御される。出力コンデンサ電流は、図に示されているように出力コンデンサ26と接地の間に結合された抵抗器178を使用して感知される。
出力コンデンサ電流Icapは、スイッチ制御回路174によって使用される以外の他の理由またはそれと他の何らかの理由で感知することも可能であることは当業者には理解されよう。このような理由の1つは、たとえば図2に関連して説明し、かつ、示したように出力電圧感知回路が使用するためである。コンデンサ電流を感知するもう1つの理由は、以下で説明するようにコンデンサの充電速度を速くするための図6の回路が使用するためである。
スイッチ制御回路174は、基準電圧Vref1を受け取るように適合された反転入力および抵抗器190に結合された非反転入力を有する第1の比較器182を備えている。抵抗器190の両端間の電圧は一次巻線電流Ipriに比例する。したがって一次巻線電流Ipriが基準電圧Vref1によって設定される第1の所定の電流レベルより大きい場合、比較器182の出力信号はハイ論理レベルにあり、また、一次巻線電流Ipriが第1の所定のレベルより小さい場合はロー論理レベルにある。
スイッチ制御回路174は、さらに、図に示されているように、基準電圧Vref2を受け取るように適合された非反転入力および抵抗器178に結合された反転入力を有する第2の比較器184を備えている。したがって出力コンデンサ電流Icapが基準電圧Vref2によって設定される第2の所定の電流レベルより大きい場合、比較器184の出力信号はロー論理レベルにあり、また、出力コンデンサ電流Icapが第2の所定のレベルより小さい場合はハイ論理レベルにある。
図に示されているように、比較器182の出力信号は、フリップフロップすなわちラッチ188のリセット入力に結合されており、また、比較器184の出力信号はラッチ188のセット入力に結合されている。ラッチ188の出力信号は、スイッチ22のゲートに制御信号を提供している。
動作中、一次巻線電流Ipriが基準電圧Vref1によって確立される第1の所定のレベルに到達すると、ラッチ188がリセットされてスイッチ22がターンオフする。出力コンデンサ電流Icapが基準電圧Vref2によって確立される第2の所定のレベル未満まで降下すると、ラッチ188がセットされてスイッチ22がターンオンする。基準電圧Vref2を適切に選択することにより、連続動作と不連続動作の間の境界条件で回路170を動作させることができる。
上で説明したスイッチ制御回路174は、とりわけ、広範囲にわたる電圧が負荷によって要求される実例閃光充電器アプリケーションにおける容量性負荷30を充電するための有効なスキームを提供している。さらに、このスキームは、現在使用されている回路よりも単純な回路で有効な性能を達成している。これは、出力コンデンサ26に結合された抵抗器178を使用してコンデンサ電流を感知していることによるものである。上で参照した米国特許第6,518,733号の場合、感知抵抗器を通って流れる二次電流の方向のため、負の電圧が基準電圧と比較されている。
また、図5を参照すると、代替充電回路実施形態200が示されており、同様の参照番号は同様のコンポーネントを表している。したがって、回路200は、図に示されているように結合された入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、ダイオード24および出力コンデンサ26を備えている。また、同じく出力電圧感知回路176が示されている。
充電回路200は、さらに、出力コンデンサ26と接地の間に結合された抵抗器178を備えており、この抵抗器178の両端間に、出力コンデンサを通って流れる電流Icapを表す電圧が提供される。この場合も、図4の実施形態と同様、出力コンデンサ電流は、スイッチ制御回路が使用するために感知される。
この充電回路200は、図4の回路170とはスイッチ制御回路202が異なっている。スイッチ制御回路202は、スイッチ制御回路174と同じタイプの適応速度制御を達成しているが、抵抗器190(図4)は不要である。したがって、この場合も、感知された一次巻線電流Ipriに応答して各スイッチサイクルのオン時間部分が制御され、また、感知された出力コンデンサ電流Icapに応答してオフ時間部分が制御される。スイッチ22がオンである場合、抵抗器178の両端間の電圧は、一次巻線電流Ipriを表している。これは、スイッチ22がオンである場合は二次電流が流れず、したがって抵抗器178を通って流れる電流は一次電流Ipriのみであることによるものである。一方、スイッチ22がオフである場合、抵抗器178の両端間の電圧は出力コンデンサ電流Icapを表している。
スイッチ制御回路202は、図に示されているように、基準電圧Vref1を受け取るように適合された反転入力および抵抗器178に結合された非反転入力を有する第1の比較器204を備えている。したがって、一次巻線電流Ipriが基準電圧Vref1によって設定される第1の所定のレベルより大きい場合、比較器204の出力信号はハイ論理レベルにあり、また、一次巻線電流が第1の所定のレベルより小さい場合はロー論理レベルにある。
スイッチ制御回路202は、さらに、図に示されているように、基準電圧Vref2を受け取るように適合された非反転入力および抵抗器178に結合された反転入力を有する第2の比較器208を備えている。したがって、出力コンデンサ電流Icapが基準電圧Vref2によって設定される第2の所定のレベルより大きい場合、比較器208の出力信号はロー論理レベルにあり、また、出力コンデンサ電流が第2の所定のレベルより小さい場合はハイ論理レベルにある。
比較器204の出力信号は、フリップフロップすなわちラッチ212のリセット入力に結合されており、また、比較器208の出力信号はセット入力に結合されている。ラッチ212の出力信号は、図に示されているようにスイッチ22のゲートに結合されている。
動作中、一次巻線電流が基準電圧Vref1によって確立される第1の所定のレベルに到達すると、ラッチ212がリセットされてスイッチ22がターンオフする。出力コンデンサ電流Icapが基準電圧Vref2によって確立される第2の所定のレベル未満まで降下すると、ラッチ212がセットされてスイッチ22がターンオンする。
図6を参照すると、他の代替コンデンサ充電回路220が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。したがって充電器220は、図に示されているように、入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、スイッチ制御回路28(ここでは図面を分かり易くするために単純化されている)、ダイオード24および負荷30に結合されたコンデンサ 26を備えている。スイッチ制御回路28には、別法として、それぞれ図4および5に関連して説明した回路174および202のうちの1つを提供することができることは理解されよう。
回路220は、さらに、ここではMOSFETデバイスとして提供されている補助スイッチ224および関連する、ダイオード24の逆回復時間を短くし、かつ、二次巻線寄生容量の放電速度を速くするために提供される回路を備えている。また、図6には、補助スイッチ224の利点を示すために、変圧器18の寄生要素を含んだフライバック変圧器18のモデルが示されている。詳細には、変圧器磁化インダクタンス18c、実効寄生容量18dおよび漏れインダクタンス18eが示されている。
ダイオード逆回復時間を短くすることが望ましい理由は、逆回復時間の間、寄生容量およびダイオードを通って流れる、一次側へ反射した電流(つまり、スイッチ22がオフであるため、この電流は主として磁化インダクタンス18cを通って流れる)によって、負の電流が磁化インダクタンス18cを通って流れ(図6の18cおよび18aループを時計方向に流れる電流)、したがってスイッチ22がターンオンする際に負の初期スイッチ電流が流れることによるものである。負の一次電流スイングの大きさは、出力電圧に伴って大きくなる。負のスイッチ電流は、最小スイッチサイクルを制限し、したがってコンデンサ26の充電速度が遅くなる。ダイオード逆回復時間を短くすることにより、負の初期電流が小さくなり、また、スイッチングサイクルがより短くなるため、コンデンサ26が他の可能な方法よりも速く充電される。たとえば、補助スイッチ224を使用することにより、コンデンサの充電時間を6%〜8%程度短くすることができる。
補助スイッチ224は、主スイッチ22に並列に結合されており、したがってスイッチ224のドレインはスイッチ22のドレインに結合され、また、スイッチ224のソースはスイッチ22のソースおよび接地に結合されている。スイッチ224がオンの場合、スイッチ分岐点38は、スイッチ224を介して接地に結合される。スイッチ224がオフの場合、スイッチ224は、スイッチ分岐点38から分離される。スイッチ224のゲートは、比較器228の出力に結合されている。スイッチ224は、スイッチ22より速い応答を有するために、主スイッチ22より大きいスイッチオン抵抗および主スイッチ22より小さい容量を有するように選択される。
比較器228は、図に示されているように、出力コンデンサ電流感知抵抗器178に結合された反転入力および接地に結合された非反転入力を有している。出力コンデンサ電流Icapがゼロアンペア未満に減少すると、比較器228の出力がハイになり、それにより補助スイッチ224がターンオンする。これがダイオード回復間隔の開始である。
スイッチ224がオンである場合、ダイオード回復時間のため、変圧器の二次巻線18bを通って流れる電流から反射した電流Ipriは、スイッチ224を通って接地へ流れる。そのために分岐点38のスイッチ電圧Vswがより速く減少し、したがって次のスイッチサイクルをより短い遅延で開始することができるため、コンデンサ26の総充電時間を短くすることができる。
図6Aを参照すると、図6の回路220と同様であるが補助スイッチ224が除去された回路の動作を示すことによって補助スイッチ224の利点を示すために様々な波形が提供されている。つまり、図6Aの波形38、232、234および238は、補助スイッチ224が使用されていない回路220の動作を示している。詳細には、波形38は分岐点38のスイッチ電圧Vswを示しており、波形232は出力電圧Voutを示している。波形234は、変圧器漏れインダクタンス18eを通って流れる一次電流Ipriを示しており、また、波形238は二次電流Isecを示している。
明らかなように、二次電流Isec238が時間Aでゼロアンペアに到達し、スイッチ22がターンオンすると、正の一次電流が流れ始めることができるよう、ダイオード24が回復し、したがって分岐点38のスイッチ電圧が時間Bで入力電圧レベルまで降下するためには114ナノ秒程度の時間が必要である。各サイクルの間のこの114ナノ秒の逆回復間隔プラス一次電流Ipriが負のピーク電流からゼロまでランプするための時間が、最小スイッチサイクルあるいは最大スイッチング周波数を制限しており、延いては出力コンデンサ26の充電速度を遅くしている。回路220からスイッチ224を除去することにより、コンデンサ26を完全充電するために要する時間は76μs程度になる。
また、図6Bを参照すると、波形38、232、234および238は、上で説明したように機能する補助スイッチ224を備えた回路220の動作を示している。詳細には、波形38は分岐点38のスイッチ電圧を示しており、波形232は出力電圧を示している。波形234は、変圧器漏れインダクタンス18eを通って流れる一次電流Ipriを示しており、また、波形238は二次電流Isecを示している。上で説明したように動作する補助スイッチ224を使用することにより、二次電流238が時間Aでゼロアンペアに到達すると、補助スイッチ224が十分な速さでターンオンする。二次巻線を通って流れる回復電流の大きさが大きいほど回復時間が短くなり、したがってスイッチ分岐点電圧がより速く減少し、また、負の一次電流のスイングがより小さくなる。詳細には、一次電流がより小さい負の電流から流れ始めることができるよう、ダイオード24が回復し、したがって分岐点38の電圧が時間Bで入力電圧レベルまで降下するために要する時間は、たったの58ナノ秒程度である。したがって、補助スイッチ224によって各スイッチサイクルが短くなり、それにより補助スイッチがない回路と比較するとコンデンサ26の充電に要する時間が短縮される。この構造によれば、コンデンサ26がより速く充電され、たとえば一実例実施形態では6%〜8%程度速く充電される。回路220に補助スイッチ224を使用することにより、コンデンサ26を完全充電するために要する時間はたったの70μs程度になる。
図7を参照すると、代替コンデンサ充電回路250が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。コンデンサ充電回路250は、上で説明した回路と同じ汎用フライバックトポロジーの回路であり、したがって、入力電圧すなわち電池電圧を提供する、ここではVBATのラベルが振られている入力電圧源14、一次巻線18aおよび二次巻線18bを有する変圧器18、スイッチ22、スイッチ制御回路28、ダイオード24、およびカメラ閃光などの負荷を両端間に結合することができる出力コンデンサ26を備えている。スイッチ制御回路28は様々な形態を取ることができる。たとえば、スイッチ制御回路は、図2に関連して説明した、一次電流レベルに応答してスイッチオン時間が制御され、また、スイッチ電圧VSWのレベルに応答してスイッチオフ時間が制御されるタイプの回路であっても、あるいは図4に関連して説明した、一次巻線電流に応答してオン時間が制御され、また、感知された出力コンデンサ電流に応答してオフ時間が制御されるタイプの回路であってもよい。別法としては、スイッチ制御回路28は、一次電流レベルに応答してスイッチオン時間が制御され、また、スイッチ電圧の勾配の極性変化を検出することによってスイッチオフ時間が制御される図11の回路406の形態を取ることも可能である。
回路250は、本発明の一態様による「リフレッシュ」機能を実施するための出力電圧感知回路254を備えている点で、上で説明したコンデンサ充電回路とは異なっている。出力電圧Voutが所望のレベルに到達すると、コンデンサの充電が終了してスイッチ22がターンオフし、それにより電力が節約される。コンデンサが充電されている間の時間間隔(すなわちスイッチがターンオンおよびターンオフする時間間隔)は、本明細書においては「充電モード」と呼ばれている。コンデンサ26を実質的に完全充電の状態に維持するためには、出力電圧レベルを検出し、コンデンサを完全充電状態に維持する必要性に応じてコンデンサを再充電する(つまりリフレッシュすなわち補給する)ことが望ましい。
上で説明した出力電圧感知回路と同様、回路254は、一般的に高出力電圧回路における二次側電圧感知に関連する高電力散逸を回避するためには望ましいように、変圧器18の一次側から出力電圧Voutを感知しており、また、スイッチ22がターンオフする際にスイッチ電圧VSWに生じる電圧スパイクに応答した不適切な感知を防止する方法で変圧器18の一次側から出力電圧Voutを感知している。
有利には、出力電圧感知回路254は、充電モードが終了した後でも出力電圧Voutを連続的に検出する。したがって、回路254は、充電モードの間増加する出力電圧として、また、充電モードが終了すると徐々に減少する出力電圧の両方としての出力電圧の一次側反射に基づいて出力電圧Voutを検出している。この構造によれば、充電モードは、検出した出力電圧Voutがコンデンサの電荷を補給しなければならないことを示すまで開始されないため、充電モードは不必要に開始されない。
出力電圧感知回路254は、差電圧発生器256および減衰器258を含むために図7にはブロック図の形で示されている。これらの要素は、たとえば図1に関連して上で説明した加算要素50および抵抗器54、58からなるレベルシフタなどの同様の要素に類似している。したがって差電圧発生器256は一次巻線18aの両端間に電圧を提供し、減衰器258は差電圧のレベルをシフトダウンしている。したがって減衰器の出力電圧VAは、スイッチ22がオフである場合、出力電圧Voutに比例している。減衰器258の出力部分には、減衰電圧VAを平均化すなわち平滑化するためのフィルタ(図8、10および10Aに示されている)を提供することができる。
サンプルアンドホールド回路260は減衰電圧VAに応答し、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHを提供している。サンプルアンドホールド回路260は様々な形態を取ることができる。たとえば、図8の実施形態では、サンプルアンドホールド回路は、スイッチがオフしている時間の間、減衰電圧をサンプリングし、かつ、その後にサンプリングした電圧をホールドするように動作している。図10の実施形態では、サンプルアンドホールド回路は、減衰電圧VAのピークまでコンデンサを充電しており、したがってピーク充電器として記述することも可能である。また、図10Aでは、サンプルアンドホールド回路は使用されていない。
出力電圧感知回路254は、さらに、出力コンデンサ26の放電特性を複製し(つまり、より一般的には、出力コンデンサ放電特性に対して所定の関係を有する放電特性を示す)、かつ、充電モード制御回路270に調整電圧VREGを提供する出力複製回路264を備えている。調整電圧VREGは、出力電圧が上昇する際の出力電圧Voutを追跡し(つまり出力電圧の正の勾配を追跡し)、そして重要なことに、出力電圧が降下する際の出力電圧も追跡する(つまり出力電圧の負の勾配も追跡する)。以下で説明するように、充電モードは調整電圧VREGに基づいて開始され(つまりコンデンサ26が補給され)、したがって測定された出力電圧降下の指示に基づいて開始される。この構造によれば、必要な充電モードの開始に先立つ不必要な充電モードの開始が回避されるため、電力が節約される。
より詳細には、出力コンデンサ26は、容量および該容量と結合した漏れ抵抗を有している。この漏れ抵抗は、説明を目的として個別の抵抗器要素27で示されている。出力複製回路264は、図8、10および10Aの実施形態に示されているRC回路網を形成する抵抗器およびコンデンサを備えていることが好ましい。RC回路網のRC時定数は、出力コンデンサ26の容量および漏れ抵抗に関連するRC時定数に対して所定の関係を有している。たとえば、回路264のRC時定数は、出力コンデンサ26のRC時定数に実質的に等しくすることができる。したがって、この場合、調整電圧VREGは、出力電圧Voutと同じ速度で上昇および降下すなわち減少することになる。別法としては、出力コンデンサ26のRC時定数より小さくなるように回路264のRC時定数を選択することも可能であり、その場合、調整電圧VREGは、出力電圧より速く上昇および降下することになる。この構造は、場合によっては、出力電圧をより緊密に調整することが望ましいアプリケーションに有利である。また、回路264のRC時定数は、出力コンデンサのRC時定数より大きくすることも可能である。
調整電圧VREGが出力電圧に対して所定の速度で減少することを保証するためには、回路264および出力コンデンサ26が同様の温度変化に遭遇するよう、それらを近接して配置することが有利である。実例閃光充電器アプリケーションの場合、コンポーネントをカメラの内側に収納することができるため、それらを十分に近接した間隔で配置することができる。また、出力コンデンサ26およびRC回路網264のコンデンサには、いずれも電解コンデンサなどの同じタイプのコンデンサを使用することが利点である。出力複製回路264は、本明細書においてはRC回路網として記述されているが、LR回路網などの代替回路を使用して出力コンデンサを複製することも可能であり、詳細には、電圧が減少する速度すなわち放電特性に関して複製することができることは当業者には理解されよう。
充電モード制御回路270は、図に示されているように、調整電圧VREGおよび減衰電圧VA(または点線で示されている、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSH)に応答し、スイッチ制御回路28にイネーブル信号VENを提供している。イネーブル信号VENがたとえばハイ論理レベルなどの第1の論理レベルにある場合、スイッチ制御回路28がイネーブルされてスイッチ22がターンオンおよびターンオフする(すなわち充電モードがイネーブルされる)。一方、イネーブル信号VENがたとえばロー論理レベルなどの第2の論理レベルにある場合、スイッチ制御回路がディセーブルされ、したがってスイッチのターンオンおよびターンオフが妨げられ、充電モードが終了する(すなわち充電モードがディセーブルされる)。
また、図8を参照すると、図7の出力電圧感知回路254の一実施形態274が示されている。出力電圧感知回路274は、利得Aを有する演算増幅器276の形態の差電圧発生器を備えている。したがって増幅器276の出力は、スイッチがオフしている時間の間、出力電圧Voutに比例する一次巻線電圧の減衰バージョンである。一実例実施形態では、公称出力電圧は300ボルト程度であり、公称入力電圧は1.5ボルトないし10ボルト程度であり、変圧器巻数比は10程度であり、また、増幅器の利得Aは1/26程度であり、公称増幅器出力電圧は1.2ボルト程度である。
フィルタ278は、演算増幅器276の出力に結合されており、ここでは抵抗器280およびコンデンサ282を含んだRCフィルタの形態で提供されている。フィルタ278は、図1のフィルタに関連して上で説明したように、反射した電圧を平均化すなわち平滑化し、スイッチがターンオフする際に生じる電圧スパイクの少なくとも大半を除去している。ここでは減衰電圧VAであるフィルタの出力電圧は、回路分岐点290に提供される。
フィルタ278は、ここでは比較器284、スイッチ286およびコンデンサ288からなるサンプルアンドホールド回路に結合されている。比較器284は、フィルタ278に結合された非反転入力、コンデンサ288に結合された反転入力、およびスイッチ286の制御端子に結合された出力を有している。スイッチ286は、フィルタ278とコンデンサ288の間に直列に結合されている(つまり回路分岐点290と、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHが提供される回路分岐点292との間に直列に結合されている)。
動作中、分岐点290の電圧が分岐点292の電圧よりもスイッチ286の順電圧降下を上回る分だけ高くなると、比較器284の出力がハイになってスイッチ286がターンオンし、それによりコンデンサ288が分岐点290の減衰電圧VAのレベルまで充電される(つまり反射した出力電圧がサンプリングされる)。他の時間では比較器の出力はローであり、スイッチ286は導通しないため、予めサンプリング済みの電圧がホールドされることになる。この方法によれば、回路分岐点292の電圧VSHは、出力電圧Voutの正の勾配を追跡する。
サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHはバッファ294に結合されており、バッファ294は、ここでは抵抗器302およびコンデンサ304からなるRC回路網300の形態の出力複製回路網に結合されている。この構造によれば、RC回路網300は、RC回路網300の両端間の調整電圧VREGが出力電圧の正の勾配を追跡するよう、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHを使用して充電される。したがってサンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHは、充電モードがイネーブルされ、出力コンデンサが充電される際の調整電圧VREGに実質的に等しい。バッファ294は、RC回路網300の両端間の調整電圧VREGがコンデンサ288を介して放電されるのを防止している。これは、ローになるイネーブル信号VEN326に応答してオープンコレクタ出力を提供するトライステートバッファの形態のバッファ294を提供することによって達成される。したがって、バッファ294は、イネーブル信号VEN326がローになると(つまり充電モードが終了すると)、RC回路網300をサンプルアンドホールド回路から解放する。バッファ294は、さらに、スイッチ286が閉じると、コンデンサ304を充電するための電流充電機能を提供している。
充電モード制御回路は、バッファ294、「完全充電」比較器310、「低充電」比較器314およびフリップフロップ318を備えている。フリップフロップ318の出力は、スイッチ制御回路28(図7)にイネーブル信号VEN326を提供している。比較器310は、ここではサンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHに結合された非反転入力である第1の入力、およびここでは基準電圧Vref1 312に結合された反転入力である第2の入力を有している。比較器310の出力は、フリップフロップ318にリセット信号VR320を提供している。動作中、出力電圧Voutが所望の完全充電レベルに到達すると、比較器310の出力がハイになってフリップフロップ318がリセットされ、それによりイネーブル信号VEN326がローになって充電モードが終了する。したがってリセット信号VRは、完全充電インジケータ信号と呼ぶことができる。基準電圧Vref1は、出力電圧Voutが所望の完全充電レベルに到達すると、完全充電状態であることを指示するよう比較器310の出力が変化するように選択される。
比較器314は、ここではRC回路網300の両端間の調整電圧VREG296に応答する反転入力である第1の入力、およびここでは第2の基準電圧Vref2 316に結合された非反転入力である第2の入力を有している。比較器314の出力は、フリップフロップ318にセット信号VS322を提供している。動作中、出力電圧Voutが許容不可能な低レベルまで降下すると、比較器314の出力がハイになってフリップフロップ318がセットされ、それによりイネーブル信号VENがハイになって充電モードが開始される。したがってセット信号VS322は、低充電インジケータ信号または許容不可充電インジケータ信号と呼ぶことができる。ここでは、第2の基準電圧Vref2は、第1の基準電圧Vref1の百分率、たとえば90%になるように選択される。しかしながら、より一般的には、基準電圧Vref2 316は、出力電圧がコンデンサの電荷を補給する必要がある許容不可能なレベルまで降下するとセット信号VS322がハイになるように選択される。したがって、出力電圧Voutが許容不可能なレベルまで降下するとイネーブル信号VEN326がハイになって充電動作モードが開始され、また、出力電圧が望ましい完全充電レベルまで上昇するとイネーブル信号VEN326がローになって充電モードが終了する。
図9を参照すると、図7および8のコンデンサ充電回路に関連する実例波形が示されている。詳細には、図に示されているスイッチ電圧VSW波形の第1のサイクルには、スイッチ22がターンオンおよびターンオフする(それぞれtonおよびtoffのラベルが振られている)「充電モードイネーブル」のラベルが振られたインターバルが含まれている。また、このスイッチ電圧VSW波形には、スイッチ22がオフを維持する「充電モードディセーブル」インターバルが含まれている。
また、図9には実例出力電圧Vout波形が示されている。出力電圧Voutは、スイッチ22がターンオフし、その時点で、一次巻線18aから二次巻線に、また、二次巻線から出力コンデンサ26に電荷が引き渡される毎に上昇している。図9には、出力電圧Voutと関連して、FCのラベルが振られた完全充電レベルおよびUCのラベルが振られた許容不可充電レベルが示されている。FCレベルは、コンデンサ26が完全に充電されていると見なされる所望の電圧レベルを表しており、また、UCレベルは、それ未満では出力電圧を許容することができない電圧レベルであり、したがってそれ未満では、コンデンサの電荷を補給しなければならない電圧レベルである。典型的な閃光充電器アプリケーションの場合、UCレベルは、FCレベルよりも10パーセントないし20パーセント程度低い。
図8の回路分岐点290に提供される減衰電圧VAは、Vref1電圧およびVref2電圧に関連して示されている。Vref1電圧は、完全充電されたコンデンサ電圧レベルに対応するように選択され、また、Vref2電圧は、低コンデンサ電圧レベルすなわち許容不可コンデンサ電圧レベルに対応するように選択されることを思い出されたい。
また、調整電圧VREG296も、Vref1電圧およびVref2電圧に関連して示されている。調整電圧VREGは、減衰電圧VAが、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHよりスイッチ286の微小電圧降下だけ高くなると大きくなることを思い出されたい。したがって、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHは、充電モードの間、実質的にVREG電圧296に等しい。より詳細には、ここでは、減衰電圧VAは、サンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSHよりスイッチ286の順方向降下を超えて高くなっており、それにより、t1、t2、t6およびt8のラベルが振られた時間でスイッチ286が閉じ、VREG電圧が上昇している。調整電圧VREGは、時間t2より少し後の時間t3でVref1電圧より高くなり、それによりリセット信号VR320がハイになって出力電圧Voutが所望の完全充電レベルに到達したことを示す。リセット信号VR320がハイになると、イネーブル信号VEN326がローになり、それにより、図に示されているように充電モードがディセーブルされる。
充電モードがディセーブルされると、出力電圧Voutが徐々に減少すなわち降下する。この実例実施形態では、負荷が存在しない場合、出力電圧Voutは、主として漏れ抵抗27のため、出力コンデンサ26をゼロボルトから約300ボルトの完全充電まで充電するのに要する時間と比較すると、極めて緩やかに減少する。たとえば、出力コンデンサが10μfのコンデンサであり、電池電圧が1.8ボルトないし10ボルト程度である一実例実施形態では、出力コンデンサをゼロボルトから300ボルトまで充電するのに要する時間は1s程度であり、また、出力電圧がその完全充電レベルの90%まで減少するのに要する時間は22s程度である。図面を分かり易くするために、コンデンサ放電の時間スケールは、図9では短縮されている。一般に、調整電圧VREGをVoutからVTまで放電させるために要する時間は、T=R・C・ln(Vout/VT)で与えられる。時間t4では、出力電圧は、完全充電レベルより若干高いレベルから完全充電レベルまで降下し、また、調整電圧VREGはVref1レベルまで降下しており、リセット信号VR320をローにしている。
重要なことには、出力電圧Voutが減少する速度は、図に示されているように、調整電圧VREGが減少する速度に実質的に等しい。最も一般的には、所定の関係は、出力電圧Voutが減少する速度と調整電圧VREGが減少する速度との間に存在していることを思い出されたい。図9の実施例の場合、これらの速度は同じである。上で言及したように、いくつかの実施形態では、出力電圧をより厳格に調整するための方法として、場合によっては、出力コンデンサに関連する時定数より短くなるように回路網300のRC時定数を設定することが望ましい。
出力電圧Voutは、図に示されているように、時間t5までには許容不可能なレベルUCまで減少している。調整電圧VREGは、その若干後にVref2電圧レベル未満まで降下し、それによりセット信号VS322がハイになってフリップフロップ318がセットされ、したがってイネーブル信号VEN326がハイになって充電モードが開始される。
充電モードがイネーブルされると、出力電圧Voutが再び上昇を開始し、時間t6までには許容不可能な充電レベルUCより高くなる。調整電圧VREGは、その若干後の時間t7でVref2電圧より高くなり、セット信号VS322がローになる。図に示されているように、各スイッチオフ時間の間、出力電圧は上昇し続け、また、調整電圧VREGは出力電圧の上昇を追跡する。
また、図10を参照すると、図7の出力電圧感知回路250の代替実施形態350が示されている。本質的には、この出力電圧感知回路350は、以下で説明するように、図8の回路274とはサンプルアンドホールド回路が異なっている。したがって、出力電圧感知回路350は、図8の演算増幅器276と同様の、スイッチがオフしている時間の間、出力電圧に比例する一次巻線電圧の減衰バージョンを提供する演算増幅器354を備えている。回路350は、さらに、図8のフィルタ278と同様の、反射した電圧を円滑にし、スイッチがターンオフする際に生じる電圧スパイクの大半を除去するフィルタ356を備えている。
出力電圧感知回路350は、抵抗器372およびコンデンサ374を備えた出力複製RC回路網370を備えている。この場合も、抵抗器372およびコンデンサ374は、出力コンデンサ26のRC時定数に対して所定の関係を有するRC時定数を有するRC回路網370が提供されるように選択される。
ここでは減衰電圧VAである分岐点362の電圧は、比較器364およびスイッチ366を備えたサンプルアンドホールド回路に結合されている。比較器364の第2の入力は調整電圧VREG368に応答し、また、比較器の出力はスイッチ366の制御端子に結合されている。スイッチ366は、図に示されている電池電圧VBATなどの電圧源とRC回路網370の間に結合されている。
動作中、減衰電圧VA362が調整電圧VREG368より高くなると、比較器364の出力が論理ハイレベルに変化してスイッチ366が導通する。スイッチ366がオンになると、電池電圧VBATによってコンデンサ374が充電される。したがって、比較器364およびスイッチ366は、VREG電圧368を減衰電圧VA362のピークに維持するためのピーク充電器として動作しており、したがってサンプリングされ、かつ、ホールドされた電圧VSH(図7)は、図10の実施形態の調整電圧VREGに等しい。出力電圧Voutが降下し始めると、比較器364の出力は論理ローレベルを維持することになり、したがってスイッチ366はオフを維持することになり、それにより、調整電圧VREG368を出力電圧に対して所定の望ましい関係で降下させることができる。スイッチ366に印加される、コンデンサ374を充電するための電圧には、スイッチ366が導通した場合に、十分な電荷をコンデンサに提供することができる適切な任意の電圧を使用することができ、電池電圧VBATはその一例であることは当業者には理解されよう。
充電モード制御回路は、第1の完全充電比較器380、第2の低充電比較器384およびフリップフロップ390を備えている。フリップフロップ390の出力は、充電モードをイネーブルおよびディセーブルするためのイネーブル信号VEN392をスイッチ制御回路に提供している。比較器380は、ここでは回路分岐点362の減衰電圧VAに結合された非反転入力である第1の入力、およびここでは基準電圧Vref1 382に結合された反転入力である第2の入力を有している。比較器380の出力は、フリップフロップ390にリセット信号VR376を提供している。動作中、出力電圧Voutが所望の完全充電レベルに到達すると、比較器380の出力がハイになり、フリップフロップ390がリセットされる。したがって出力信号VRは、完全充電インジケータ信号と呼ぶことができる。
比較器384は、ここではRC回路網370の両端間の調整電圧VREG368に応答する反転入力である第1の入力、およびここでは第2の基準電圧Vref2 386に応答する非反転入力である第2の入力を有している。比較器384の出力は、フリップフロップ390にセット信号Vs378を提供している。動作中、出力電圧Voutが許容不可能な低レベルまで降下すると、比較器384の出力がハイになってフリップフロップ390がセットされ、それによりイネーブル信号VEN394がハイになって充電モードがイネーブルされる。したがってセット信号VS378は、低充電インジケータ信号または許容不可充電インジケータ信号と呼ぶことができる。この場合も、第2の基準電圧Vref2は、第1の基準電圧Vref1の百分率、たとえば90%になるように選択される。しかしながら、より一般的には、基準電圧Vref2 386は、出力電圧がコンデンサの電荷を補給する必要がある許容不可能なレベルまで降下するとセット信号VS378がフリップフロップ390をセットするように選択される。したがって、出力電圧Voutが許容不可能なレベルまで降下するとイネーブル信号VEN394がハイになって充電動作モードが開始され、また、出力電圧が望ましい完全充電レベルまで上昇するとイネーブル信号VEN394がローになって充電モードが終了する。
図10の出力電圧感知回路350に関連する波形は、図9に示されているような図8の出力電圧感知回路274に関連する同様の波形と実質的に同じである。
また、図10Aを参照すると、図7の出力電圧感知回路250の他の代替実施形態392が示されている。この出力電圧感知回路392は、以下で説明するようにサンプルアンドホールド回路が除去されている点で図10の回路350とは異なっている。したがって、出力電圧感知回路392は、スイッチがオフしている時間の間、出力電圧に比例する一次巻線電圧の減衰バージョンを提供する演算増幅器354を備えている。回路392は、さらに、反射した電圧を円滑にする、スイッチがターンオフする際に生じる電圧スパイクの大半を除去するフィルタ356を備えている。
出力電圧感知回路392は、抵抗器372およびコンデンサ374を備えた出力複製RC回路網370を備えている。この場合も、抵抗器372およびコンデンサ374は、出力コンデンサ26のRC時定数に対して所定の関係を有するRC時定数を有するRC回路網370が提供されるように選択される。
充電モード制御回路は、第1の完全充電比較器380、第2の低充電比較器384およびフリップフロップ390を備えている。フリップフロップ390の出力は、充電モードをイネーブルおよびディセーブルするイネーブル信号VEN392をスイッチ制御回路に提供している。比較器380は、ここでは回路分岐点362の減衰電圧VAに結合された非反転入力である第1の入力、およびここでは基準電圧Vref1 382に結合された反転入力である第2の入力を有している。比較器380の出力は、フリップフロップ390にリセット信号VR376を提供している。動作中、出力電圧Voutが所望の完全充電レベルに到達すると、比較器380の出力がハイになってフリップフロップ390がリセットされる。したがって出力信号VRは、完全充電インジケータ信号と呼ぶことができる。
比較器384は、ここではRC回路網370の両端間の調整電圧VREG368に応答する反転入力である第1の入力、およびここでは第2の基準電圧Vref2 386に応答する非反転入力である第2の入力を有している。比較器384の出力は、フリップフロップ390にセット信号Vs378を提供している。
第3の基準電圧Vref3 398を提供している基準電圧源398は、バッファ396に結合されている。バッファ396の出力は、図に示されているように、調整電圧VREG368を提供するRC回路網370に結合されている。バッファ396は、ローになるイネーブル信号VEN326に応答してオープンコレクタ出力を提供するトライステートバッファである。したがって、イネーブル信号VEN394 がハイになると(つまり充電モードの間)、バッファ396は、コンデンサ374を充電するための電流充電機能を提供する。また、イネーブル信号VEN394がローになると(つまり充電モードが終了すると)、バッファ396は、基準電圧Vref3 398からRC回路網370を解放する。充電モードの間、コンデンサ374を充電する第3の基準電圧Vref3 398には、コンデンサに十分な電荷を提供することができる適切な任意の電圧を使用することができ、電池電圧VBATはその一例である。
動作中、出力電圧Voutが許容不可能な低レベルまで降下すると、比較器384の出力がハイになってフリップフロップ390がセットされ、それによりイネーブル信号VEN394がハイになって充電モードがイネーブルされる。したがってセット信号VS378は、低充電インジケータ信号または許容不可充電インジケータ信号と呼ぶことができる。この場合も、第2の基準電圧Vref2は、第1の基準電圧Vref1の百分率、たとえば90%になるように選択される。しかしながら、より一般的には、基準電圧Vref2 386は、出力電圧がコンデンサの電荷を補給する必要がある許容不可能なレベルまで降下するとセット信号VS378がフリップフロップ390をセットするように選択される。したがって、出力電圧Voutが許容不可能なレベルまで降下するとイネーブル信号VEN394がハイになって充電動作モードが開始され、また、出力電圧が望ましい完全充電レベルまで上昇するとイネーブル信号VEN394がローになって充電モードが終了する。
図10Aの出力電圧感知回路392に関連する波形は、図9に示されている図8の出力電圧感知回路274に関連する同様の波形と実質的に全く同じである。図11を参照すると、代替コンデンサ充電回路400が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。したがって回路400は、入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、ダイオード24および出力コンデンサ26を備えている。コンデンサ充電回路400は、さらに、たとえば図1、3、8および10に関連して上で説明した回路などの様々な形態を取ることができる出力電圧感知回路402を備えている。出力電圧感知回路402は、完全コンデンサ充電の指示を単純に提供することができる。追加または別法として、出力電圧感知回路402は、それぞれ図7、8、10および10Aの出力電圧感知回路250、274、350および392の方法でリフレッシュ機能を実施することも可能である。
本発明の一態様によれば、コンデンサ充電回路400は、ゼロ(または少なくともほぼゼロ)電圧スイッチングスキームを実施し、それにより、スイッチング損失を小さくする場合に望ましいように、スイッチ電圧がゼロボルトまで降下した時点でスイッチ22をターンオンさせるために、スイッチ電圧VSWの勾配の極性変化の検出に応答してスイッチオフ時間を制御するためのスイッチ制御回路406を備えている。ここでは、スイッチ制御回路406は、一次巻線18aを通って流れる電流Ipriのレベルに応答してスイッチオン時間を制御している。
感知スイッチ410は、スイッチ22のドレインに結合され、したがってスイッチ電圧VSWに結合されたドレイン端子、接地に結合されたソース端子、および信号Vci424が提供されるゲート端子を有している。コンデンサ412は、感知スイッチ410のドレイン端子とゲート端子の間に示されている。ダイオード414、416および抵抗器418は、感知スイッチ410のゲート端子と接地の間に結合されている。感知スイッチ410のゲート端子は、図に示されているように、ここでは非反転入力である比較器420の入力に結合されている。ここでは反転入力である比較器420の第2の入力は、たとえば−0.3ボルト程度にすることができる小さい負のオフセット電圧−Veに応答している。比較器420の出力は、Q出力にスイッチ制御信号を提供しているフリップフロップ430にセット入力信号Vs422を提供している(Dフリップフロップ428およびORゲート432を介して)。以下で説明するように、通常、セット信号Vs422がハイになると、スイッチ22がターンオンする。コンデンサ412は、感知スイッチ410に対して個別のコンポーネントとして示されているが、別法として、スイッチ410の固有のミラー容量によってコンデンサを提供することも可能であることは当業者には理解されよう。
より詳細には、動作中、スイッチ電圧VSWが上昇または降下すると、コンデンサ412がそれぞれ充電または放電される。結果として得られる比較器入力電圧Vciには、それぞれスイッチ電圧の上昇時間および降下時間に対応する正および負のパルスが含まれている。また、スイッチ電圧VSWが一定である場合(つまり実質的にゼロ勾配を有している場合)、比較器入力信号Vciはゼロボルトである。この実例実施形態では、−Veオフセット電圧は、図12に示されているように、スイッチ電圧VSWの勾配が負の勾配から正の勾配に変化する場合を除き、比較器出力信号Vciがハイであるように選択される。
上で指摘したように、ここでは一次電流Ipriに応答してスイッチオン時間が制御される。そのために、図に示されているように、スイッチ22のソースと接地の間に抵抗器444が結合されており、また、比較器438は、該抵抗器に結合された、ここでは非反転入力である入力を有している。ここでは反転入力である比較器438の第2の入力は、一次電流Ipriが基準電圧Vrefによって確立される所定のレベルに到達すると、比較器438の出力がハイになってフリップフロップ430がリセットされ、スイッチ22がターンオフするように該基準電圧Vrefに応答している。
ワンショット446は、スイッチ22がターンオフする際にスイッチ電圧VSWに出現する電圧スパイクの結果として早期にスイッチ22がターンオンするのを防止するために、比較器438の出力とDフリップフロップ428のリセット入力の間に結合されている。比較器420の出力は、Dフリップフロップ428のクロック入力に結合されており、このクロック入力は、そのD入力上の論理ハイ電圧レベルに応答している。フリップフロップ428のQ出力信号VQ434は、同様にタイマ436に応答するORゲート432の第1の入力に結合されている。この構造によれば、クロック信号入力(つまりセット信号Vs422)がハイになり、かつ、リセットされるまでハイを維持すると、ここではワンショット446によって提供されるリセット信号448の立上りエッジでフリップフロップ428のQ出力がハイになる。リセット信号448はハイを維持し、それによりワンショットインターバルの間、フリップフロップ428のQ出力がハイになるのを防止している。この方法によれば、ワンショットは、一次電流Ipriが所定のレベルに到達した後の所定の時間の間、比較器420の出力信号を空白にする。ワンショットインターバルは、少なくとも、スイッチ電圧VSW上の電圧スパイクの継続時間の長さになるように選択される。ORゲート432およびタイマ436は、回路400のパワーアップに引き続いてスイッチ22が確実にターンオンすることを保証するために提供されている。より詳細には、スイッチ22がターンオンしてから所定の時間が経過すると、タイマの出力がハイになってスイッチがターンオンする。図に示されているように、ORゲート432の出力は、フリップフロップ430にセット入力信号を提供しており、そのフリップフロップ430は、スイッチ22のためのゲート駆動信号をそのQ出力に提供している。
図11の感知スイッチ410は、個別のディスクリートスイッチとして提供することができることは当業者には理解されよう。別法としては、スイッチ22を形成しているアレイの1つまたは複数のスイッチによって感知スイッチを提供することも可能である。通常、感知スイッチ410は、スイッチ22と同じタイプ(たとえばDMOS)のスイッチである。
他の代替として、スイッチ22自体によって感知スイッチの機能を提供することも可能である。したがって、この場合、スイッチ22のドレイン端子とゲート端子の間に結合された個別のコンデンサ、あるいはスイッチ22の固有ミラー容量は、ゲートからスイッチ電圧VSWの勾配を検出するための機構を提供することができる。したがって、一例として、感知スイッチ410およびコンデンサ412を除去し、スイッチ22のゲートを比較器420の非反転入力に結合し、かつ、スイッチ22のドレイン端子とゲート端子の間にコンデンサを提供することによってこの構造を提供することができる。このスキームを実施するためには、場合によってはゲートをフローティングにし、かつ、ダイオードによってクランプする必要がある。そのためには、特殊な構造のデバイス幾何構造が必要である。
また、図11Aを参照すると、代替コンデンサ充電回路50が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。したがって回路450は、入力電圧源14、変圧器18、スイッチ22、ダイオード24および出力コンデンサ26を備えている。回路450は、さらに、代替スイッチ制御回路454を備えている。図11のスイッチ制御回路406と同様、スイッチ制御回路454は、ゼロ(または少なくともほぼゼロ)電圧スイッチングスキームを実施し、それにより、スイッチング損失を小さくする場合に望ましいように、スイッチ電圧がゼロボルトまで降下した時点でスイッチ22をターンオンさせるために、スイッチ電圧VSWの勾配の極性変化の検出に応答してスイッチオフ時間を制御している。この場合も、スイッチ制御回路454は、一次巻線18aを通って流れる電流Ipriのレベルに応答してスイッチオン時間を制御している。
スイッチ制御回路454は、感知スイッチ410が除去され、また、コンデンサ458がDMOSデバイス幾何構造に固有のミラーまたはCgd容量ではなく、ディスクリートコンデンサである点を除き、図11のスイッチ制御回路406に類似している。コンデンサ458は、高いスイッチ電圧VSWに耐えることができなければならない。出力電圧が315ボルト程度であり、また、変圧器巻数比が10である一実例実施形態では、コンデンサ458は、許容誤差および電圧スイッチングスパイクに対する余裕を持って少なくとも31.5ボルトを隔離しなければならない。この実施形態の場合、コンデンサ458の定格は80ボルトであり、一方、テクノロジーのゲート酸化物の定格は8ボルトにすぎない。したがって、コンデンサ458は、スイッチ22のドレインに結合され、したがってスイッチ電圧VSWに結合された第1の端子、および信号Vci424がここでは非反転入力である比較器420の入力に提供される第2の端子を有している。ダイオード414、416および抵抗器418は、コンデンサ458と接地の間に結合されている。ここでは反転入力である比較器420の第2の入力は、たとえば−0.3ボルト程度にすることができる小さい負のオフセット電圧−Veに応答している。比較器420の出力は、Q出力にスイッチ制御信号を提供しているフリップフロップ430にセット入力信号Vs422を提供している(Dフリップフロップ428およびORゲート432を介して)。以下で説明するように、通常、セット信号Vs422がハイになると、スイッチ22がターンオンする。
動作中、スイッチ電圧VSWが上昇または降下すると、コンデンサ458がそれぞれ充電または放電される。結果として得られる比較器入力電圧Vciには、それぞれスイッチ電圧の上昇時間および降下時間に対応する正および負のパルスが含まれている。また、スイッチ電圧VSWが一定である場合(つまり実質的にゼロ勾配を有している場合)、比較器入力信号Vciはゼロボルトである。この実例実施形態では、−Veオフセット電圧は、図12に示されているように、スイッチ電圧VSWの勾配が負の勾配から正の勾配に変化する場合を除き、比較器出力信号Vciがハイであるように選択される。
図11の場合と同様、抵抗器444および比較器438は、一次電流レベルを感知するために提供されており、したがって一次電流Ipriが基準電圧Vrefによって確立される所定のレベルに到達すると、比較器438の出力がハイになってフリップフロップ430がリセットされ、スイッチ22がターンオフする。比較器438の出力とDフリップフロップ428のリセット入力の間に結合されているワンショット446は、スイッチ22がターンオフする際にスイッチ電圧VSWに出現する電圧スパイクの結果として早期にスイッチ22がターンオンするのを防止している。比較器420の出力は、Dフリップフロップ428のクロック入力に結合されており、このクロック入力は、そのD入力上の論理ハイ電圧レベルに応答している。フリップフロップ428のQ出力信号VQ434は、同様にタイマ436に応答するORゲート432の第1の入力に結合されている。この構造によれば、上で説明したように、ワンショットは、一次電流Ipriが所定のレベルに到達した後の所定の時間の間、比較器420の出力信号を空白にする。ORゲート432およびタイマ436は、同じく上で説明したように回路400のパワーアップに引き続いてスイッチ22が確実にターンオンすることを保証するために提供されている。図に示されているように、ORゲート432の出力は、フリップフロップ430にセット入力信号を提供しており、そのフリップフロップ430は、スイッチ22のためのゲート駆動信号をそのQ出力に提供している。
他の代替コンデンサ充電回路460が示されており、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。図11のスイッチ制御回路406および図11Aのスイッチ制御回路454と同様、スイッチ制御回路464も、ゼロ(または少なくともほぼゼロ)電圧スイッチングスキームを実施し、それにより、スイッチング損失を小さくする場合に望ましいように、スイッチ電圧がゼロボルトまで降下した時点でスイッチ22をターンオンさせるために、スイッチ電圧VSWの勾配の極性変化の検出に応答してスイッチオフ時間を制御している。この場合も、スイッチ制御回路464は、一次巻線18aを通って流れる電流Ipriのレベルに応答してスイッチオン時間を制御している。
スイッチ制御回路464は、ダイオード414および416が除去されている点を除き、図11Aのスイッチ制御回路454に類似している。ダイオードを除去することの意味について、図12の波形に関連して説明する。図11Aの回路は、ダイオード414および416が除去されていること以外は、すべて図11の回路と同様である。
また、図12を参照すると、それぞれ図11、11Aおよび11Bのスイッチ制御回路406、454および464に関連する実例波形が示されている。詳細には、スイッチサイクルの間、スイッチ電圧VSWおよび一次電流Ipriが示されている。一次電流Ipriは、スイッチがオンしている時間の間、ランプ上昇している。一次電流は、時間t1で所定のレベルより大きくなり、それにより比較器438の出力がハイになってフリップフロップ430がリセットされ、スイッチ22がターンオフする。また、比較器438の出力がハイになると、ワンショット446がトリガされ、それによりフリップフロップ428の出力信号VQ434は、少なくとも空白期間の間、ローを維持する。
スイッチ22がターンオフすると、時間t1とt2の間、スイッチ電圧VSWが上昇する。この期間の間、図11のコンデンサ412または図11Aおよび11Bのコンデンサ458などのコンデンサが充電され、それにより比較器入力信号Vci424が上昇する。図11の回路400および図11Aの回路450では、比較器入力信号Vci424は、ダイオード414に関連する正のクランプ電圧Vdのレベルまで上昇し、一方、図11Bの回路460では、クランピングダイオードが除去されているため、比較器入力信号Vci424は、より高いレベルまで上昇する(点線で示されている)。スイッチ電圧VSWの勾配が時間t2でゼロまで漸減すると、信号Vciはゼロボルトまで降下する。
スイッチ電圧VSWは、時間t3で、二次電流(図示せず) がゼロアンペアまで低下するため、降下を開始する。スイッチ電圧VSWは、ダイオード24の逆回復のためにスイッチ電圧VSWがその極性を変える時間t4の少し前まで降下し続ける。スイッチ電圧VSWが降下を開始すると、図11のコンデンサ412または図11Aおよび11Bのコンデンサ458などのコンデンサが放電され、それにより比較器入力信号Vci424が負になる。図11の回路400および図11Aの回路450では、比較器入力信号Vci424は、ダイオード416に関連する負のクランプ電圧−Vdのレベルまで降下し、一方、図11Bの回路460では、クランピングダイオードが除去されているため、比較器入力信号Vci424は、より低いレベルまで降下する(点線で示されている)。入力信号Vci424は、スイッチ電圧勾配がゼロに復帰し、それにより信号Vciがゼロボルトに復帰する時間t4まで負を維持する。
比較器420は、入力信号Vci424と−Veオフセット信号を比較しているため、比較器出力信号Vs422は、入力信号Vciが−Veオフセット信号未満まで降下する時間t3の少し後までハイを維持する。その後、比較器出力信号Vsは、図に示されているように、入力信号Vciが−Veオフセット信号より高くなる時間t4の少し後までローを維持する。
フリップフロップ428のQ出力VQ434は、時間t1で信号448を空白にすることによってリセットされる。フリップフロップ428の出力は、図に示されているように、Vs信号がほぼ時間t4でハイになるまでローを維持する。フリップフロップ428のQ出力VQがハイになると、ORゲート432の出力がハイになり、それによりフリップフロップ430がセットされ、延いてはスイッチ22がターンオンして次のスイッチサイクルが開始される。
スイッチ制御回路406は、スイッチ電圧VSWが上昇を開始する前にゼロボルトに到達しないアプリケーションにとりわけ有利であることは当業者には理解されよう。それは、勾配極性の変化を検出することにより、任意の特定の電圧レベルに対する電圧比較の必要性が除去されることによるものである。
また、本発明による回路および技法は、本明細書においてはコンデンサ充電回路に関連して記述されているが、このような回路および技法は、他の様々なアプリケーションのためのコンバータに使用することができることは理解されよう。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、それらの概念を組み込んだ他の実施形態を使用することができることは当業者には明らかであろう。
たとえば、コンデンサ充電回路に使用するために、本明細書において記述されている本発明の異なる特徴を組み合わせることが可能であり、あるいは別法として、それらを選択的または個別に使用することができることは当業者には理解されよう。たとえば、それぞれ図1、2および3の出力電圧感知回路40、110および144は、他の従来のコンデンサ充電回路に単独で使用することも、あるいは別法として、本明細書において説明されている、たとえば図4〜6に関連して説明されている本発明の他の概念を同じく組み込んだ充電回路に使用することも可能である。
また、本発明の概念を説明するために特定の回路要素について説明し、さらには論理信号レベルについて説明したが、開示されている実施形態に本発明の実施形態を限定してはならず、本発明は、特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ制限されるものであることは理解されよう。