JP2010512333A - 塩酸パロノセトロンの結晶及び非晶質形 - Google Patents

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Abstract

X−線粉末回折パターン、熱特性、純度及び製造方法により特徴付けられうる塩酸パロノセトロンの非晶質及び同質異像が開示される。塩酸パロノセトロンのこれらの形態は溶液から又は固体状態相互転換により生成されうる。上記形態は医薬製剤中で使用されうる:これらの製剤の特に好ましい使用は化学療法又は手術後副作用から生ずる悪心及び嘔吐の予防及び治療においてである。上記形態は場合により結晶及び/又は非晶質形の混合物として使用されうる。

Description

先行出願との関係
本出願は(法の施行により放棄された)2006年12月7日出願の米国仮出願番号60/873,656について優先権を主張する。前記出願の内容を本明細書中に援用する。
発明の分野
本発明は塩酸パロノセトロンの結晶及び非晶質形、それらの混合物、それらの医薬組成物、及び上記形態及び組成物についての使用に関する。
発明の背景
抗癌化学療法及び放射線治療の悪心及び催吐性副作用は広い及び長年にわたる問題である。おそらく、化学療法について見られる効果に関連する生理学的機構を有しうる手術後悪心及び嘔吐はあまりよく知られていないが、かなり重要である。塩酸パロノセトロンは催吐性抗癌化学療法での使用のための高く効果的な抗悪心及び制吐薬として近頃出てきた。(Macciocchi, A., et al., “A Phase II dose−ranging study to assesses single intravenous doses of palonosetron for the prevention of highly emetogenic chemotherapy−induced nausea and vomiting,” Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 2002; Abstract 1480. Palonosetron also prevents postoperative nausea and vomiting. (Chelly, J., et al., “Oral RS−25259 prevents postoperative nausea and vomiting following laparoscopic surgery,” Anesthesiol., 85(Suppl. 21):abstract no. 2A(1996))。
パロノセトロンは5−ヒドロキシルトリプタミン3受容体前駆体(5−HT3受容体)についてのアンタゴニストとして高いアフィニティを示し、及びドパミン受容体の如き他の受容体について低いアフィニティを示して、選択的である(Wong, E.H.F., et al., “The interaction of RS 25259−197, a potent and selective antagonist, with 5−HT3 receptors, in vitro,” Br. J. Pharmacol., 114:851−859(1995); Eglen, R.M., et al., “Pharmacological characterization of RS 25259−197, a potent and selective antagonist, with 5−HT3 receptors, in vivo,” Br. J. Pharmacol., 114:860−866(1995))。パロノセトロンは単一の異性体として存在する合成化合物であり、及び以下の構造:
Figure 2010512333
中に示されるような塩酸塩として投与される。
上記薬物についての公式化学名称は(3aS)−2−[(S)−1−アザバイシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−1−オキソ−1Hベンズ[de]イソキノリン塩酸塩(CAS番号119904−90−4)である;その実験式はC19242O・HClであり、及びその分子量は332.87である。上記化合物は約303℃の報告される融解又は分解温度を有する白色〜オフホワイトの結晶粉末である;それは水中で自由に溶解し、プロピレングリコール中で溶解し、及びエタノール及び2−プロパノール中でわずかに溶解する;それは米国特許第5,510,486号及び第5,567,818号中に報告されるように、後者の2の溶媒の熱い溶液を冷ます及び冷却することにより結晶化されている。
塩酸パロノセトロンの立体異性体もまた、以下の化学構造:
Figure 2010512333
を有して、しばしば塩酸パロノセトロンの製造プロセスからの不純物として存在する。この立体異性体の化学名称は(3aR)−2−[(S)−1−アザバイシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−1−オキソ−1Hベンズ[de]イソキノリン塩酸塩であり、及びこの出願の目的のために上記化合物は塩酸パロノセトロンのヂアステレオマーと呼ばれるであろう。
また塩酸パロノセトロンの製造プロセスからの不純物としてしばしば見られる、塩酸パロノセトロンの還元されていない合成前駆体は以下の化学構造:
Figure 2010512333
を有する、2−[(3S)−1−アザバイシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]−2,4,5,6−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−1−オン塩酸塩である。
パロノセトロンの合成はB.A. Kowalczyk and C.A. Dvorak in “Total synthesis of the 5−HT3 receptor antagonist Palonosetron,” Synthesis, 7:816−818(1996)により報告された。Kowalczyk及び共同研究者は米国特許第5,202,333号;第5,510,486号;第5,567,818号;及び第5,576,434号中でパロノセトロン及び関連化合物の特性、合成及びヂアステレオマー分離のさらなる詳細を説いた。
異なる結晶構造で存在する化合物の能力は同質異像として知られる。同質異像は同じ化学組成を有するが、それらはパッキング及び幾何学配置において異なり、及び融点、形、色、密度、硬さ、変形性、安定性、溶解等の如き異なる物理的特性を示す。それらの温度安定性の関係に因り、2の同質異像はモノトロピー的(単変的)又はエナンチオトロピー的(互変的)のいずれかでありうる。モノトロピー系について、温度が変えられるとき上記2の固体相の間の相対的安定性は変わらないままである。対照的に、エナンチオトロピー系においては上記2の相の安定性が逆転する転移温度が存在する。(Theory and Origin of Polymorphism in “Polymorphism in Pharmaceutical Solids”(1999)ISBN:)−8247−0237)。
塩酸パロノセトロンの追加の同質異像及び他の結晶形は製造又は他の適用において商業的価値を有しうる。それゆえ塩酸パロノセトロンの新規同質異像及び他の形態を提供することは本発明の目的である。
塩酸パロノセトロンの同質異像及び他の形態の調製及び単離についての新規方法を提供することは他の目的である。
塩酸パロノセトロン同質異像及び塩酸パロノセトロンの他の形態の治療的使用を提供することは本発明のまた他の目的である。
塩酸パロノセトロン同質異像及び塩酸パロノセトロンの他の形態の医薬製剤を提供することは追加の目的である。
発明の要約
X−線粉末回折パターン、熱特性、純度、及び製造方法により互いに区別されうる塩酸パロノセトロン(PH)の1の非晶質形及び2の結晶形が提供される。PHのこれらの形態学的形態は相互転換可能でありうる、及び多くの医薬組成物において使用されうる。
それゆえ、1の態様において、本発明は303℃超の大気圧での融点を有する、I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物を含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物を提供する。
他の態様において、本発明は0.5wt.%以下のヂアステレオマーを含む、I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物を含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物を提供する。
また他の態様において、本発明はI型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物、及び1wt.%以下のヂアステレオマーを含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物を提供し、ここで前記組成物は303℃未満の融点を有する。
さらなる態様において、本発明は上記PH結晶形及び結晶形の混合物の新規作出方法を提供する。
また他の態様において、本発明は上記PH結晶形のいずれか1又は結晶形の混合物を含む又はそれらから作出される医薬組成物を提供する。
またさらなる態様において、本発明はPONV、CINV及びRINVを含む、嘔吐の治療における上記PH結晶形のいずれか1又は結晶形の混合物の使用方法を提供する。
本発明の追加の態様及び利点は部分的には以下の説明において示されるであろう、及び部分的には上記説明から明らかであろう又は本発明の実施により知られうる。本発明の態様及び利点は付属の請求項中で特に示される要素及び組み合わせの手段により実現され及び達成されるであろう。上記一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は例示及び説明のためのみであり、及び請求されるように、本発明の限定ではないことが理解されるべきである。
図面の説明
本明細書の部分に含まれる及び本明細書の部分を構成する付属の図面は本発明のいくつかの態様を例示し、及び説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
図1は純粋なI型としての塩酸パロノセトロンのDSC(「ディファレンシャルスキャニングカロリメトリー」)スキャンのグラフ図であり、313℃の内温を有する。 図2は純粋なII型としての塩酸パロノセトロンのDSCスキャンのグラフ図であり、311.7℃の内温を有する。 図3は純粋な非晶質塩酸パロノセトロンのDSCスキャンのグラフ図であり、約40℃のガラス転移内温、約155℃で開始する結晶化外温、約163℃の第一外温最大、約172℃のより小さな外温最大外温ピーク、約178℃で本質的に完了する結晶化、及び310℃を超える最大値を有する結晶融解内温を有する。 図4は純粋なI型結晶としての塩酸パロノセトロンについての粉末XRDP(「X−線回折パターン」)のグラフ図であり、角度位置(2シータ):10.38°±0.1°、12.04°±0.1°、14.40°±0.1°、15.74°±0.1°、16.89°±0.1°、17.16°±0.1°、19.62°±0.1°、20.88°±0.1°、23.70°±0.1°、24.02°±0.1°、24.73°±0.1°及び25.31°±0.1°の特徴的最大値を有する。 図5は純粋なII型結晶としての塩酸パロノセトロンについての粉末XRDPのグラフ図であり、角度位置(2シータ):9.92°±0.1°、11.35°±0.1°、12.98°±0.1°、15.38°±0.1°、16.14°±0.1°、17.51°±0.1°、25.08°±0.1°、28.89°±0.1°、29.66°±0.1°及び32.39°±0.1°の特徴的最大値を有する。 図6は純粋な非晶質物質としての塩酸パロノセトロンについての粉末XRDPのグラフ図であり、角度位置(2シータ):16°±0.3°及び21°±0.3°の放散した低い強度のピークとしての特徴的最大値(2シータ)を有する。
発明の詳細な説明
本発明は本発明の好ましい態様の以下の詳細な説明及びその中に含まれる実施例を引用してより容易に理解されうる。
用語の定義及び使用
この明細書中で及び以下の請求項中で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに別段のように規定しない限り、複数の指示物を含む。したがって、例えば、「an ingredient(1の成分)」の引用は成分の混合物を含み、「an active pharmaceutical agent(1の活性医薬剤)」の引用は1超の活性医薬剤を含む等。
疾患の「治療すること」又は「治療」は(1)上記疾患にかかりやすくされうるが上記疾患の症状をまだ経験しない又は示さない動物において上記疾患が起こるのを予防すること、(2)上記疾患を阻害すること、すなわち、その発展を止めること又は(3)上記疾患を緩和すること、すなわち、上記疾患の退行を引き起こすことを含む。
本明細書中で使用されるとき、用語「結晶純度」は塩酸パロノセトロンの結晶形について使用されるとき、参照される組成物中の塩酸パロノセトロンの他の結晶形又は非晶質形に比較した結晶形の割合をいう。したがって、例えば、95%の結晶純度を有するI型塩酸パロノセトロンを含む組成物は95重量部分のI型塩酸パロノセトロン及び5重量部分のPHの他の結晶/非晶質形を含むであろう。
本明細書中で使用されるとき、用語「単離された」は医薬化学者の間で周知の化学的状態をいい、ここで再引用される医薬成分は、それが比較的純粋な状態(典型的に95wt.%、97wt.%又は98wt.%超の純粋)に作出された媒質から分離されており、その後それは他の医薬成分と混合される。
「アンプル」は1回のみ使用される薬剤の小さな密閉された容器を意味し、及び壊すことができる及び壊すことができないガラスアンプル、壊すことができるプラスティックアンプル、小型スクリュー蓋ジャー、及び1ユニット用量のみのパロノセトロン(典型的に約5mls.)を含むことができる大きさの他の型の容器を含む。
本出願の目的についての「嘔吐」は通常の辞書の定義より広い意味を有するであろう、及び吐くことだけでなく、悪心及びむかつきをも含む。
「中程度の催吐性化学療法」は催吐可能性がカルボプラチン、シスプラチン≦50mg/m2、シクロフォスファミド<1500mg/m2、ドクソルビシン>25mg/ms、エピルビシン、イリノテカン又はメトトレキセート>250mg/m2の催吐可能性に匹敵する又は同等である化学療法をいう。
「高催吐性化学療法」は催吐可能性がシスプラチン≧60mg/m2、シクロフォスファミド>1500mg/m2又はデカルバジンの催吐可能性に匹敵する又は同等である化学療法をいう。
「医薬として許容される」は一般的に安全な、非毒性の及び生物学的にもそれ以外でも所望されないものでない医薬組成物の調製において有用であるものを意味し、及び獣医学的使用及びヒトの医薬使用のために許容されるものを含む。
「治療的に有効な量」は疾患の治療のために動物に投与されるとき、上記疾患のためのそのような治療に影響するのに十分である量を意味する。
議論
X−線回折パターン、熱特性、純度、及びそれらが作出される方法によりPHの他の形態又は相から区別されうる、塩酸パロノセトロン(PH)の2の新規結晶同質異像形及び非晶質形が提供される。PHのこれらの結晶及び非晶質形はPHの製造における中間体として使用されうる又は医薬組成物に調合され及び悪心及び嘔吐の予防及び治療に使用されうる。PHの新規結晶同質異像形及び非晶質形は温度及び他の研究条件の制御により容易に形成され及び相互転換可能である。
第一の態様において、それゆえ、本発明は本発明に係る精製PH結晶に関し、及び303℃超の大気圧での融点を有する、I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物を含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物を提供する。塩酸パロノセトロンは全て本明細書中により詳細に示されるようなI型、II型又は非晶質でありうる。第二の態様において、本発明は本発明に係る精製PH結晶に関し、及び0.5wt.%以下の塩酸パロノセトロンのヂアステレオマーを含む、I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物を含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物を提供する。また他の態様において、本発明はI型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物、及び1.0wt.%以下のヂアステレオマーを含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物を提供し、ここで前記組成物は303℃未満の融点を有する。
上記態様のいずれかにおいて、上記組成物は好ましくは完成された投与形態に構成されうる粉末の形態であり、及び好ましくは約5.0、3.0、2.0又は1.0%以下の重量の不純物及び/又は分解生成物しか含まない。上記態様のいずれかに再び適用する代替の態様において、上記組成物は好ましくは約1.0又は0.5以下の重量の(両方とも上記に示されるような)PHのヂアステレオマー、PHの非還元合成前駆体(単数又は複数)又はそれらの組み合わせしか含まない。高い程度の純度を有する塩酸パロノセトロンの特に好ましい作出方法は低アルコール(すなわち、C1-4)中の塩酸パロノセトロンの溶液から塩酸パロノセトロンを再結晶化することである。好ましい態様において、上記溶液はエタノール又はイソプロパノールである。特に好ましい態様において、上記アルコールは事実上又は完全に水を含まない(すなわち、水を全く含まない又は約2.0、1.0、0.5、0.1又は0.05wt.%又はそれ以下の水しか含まない)。
上記態様のいずれかにおいて、上記組成物は結晶純度の実質的な程度によりさらに特徴付けられうる。したがって、例えば、上記組成物は60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%超の結晶純度を有するI型PH、II型PH又は非晶質PHを含みうる。そのような様式で、上記組成物は代替の態様において303℃、305℃、308℃、310℃又は312℃超である融点により特徴付けられうる。
他の態様において、本発明は本発明に係るPH組成物から完成した投与形態を作出するためのプロセスに、及び上記プロセスにより作出された完成した投与形態に関する。例示的なプロセスは塩酸パロノセトロンの組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含み、及び事実上本明細書中のどこかに示されるいずれの投与形態を作出するためにも使用されうる。好ましい態様において、本発明に係る完成した投与形態の作出方法はさらに前記医薬製剤を1以上の医薬投与形態に混合することを含む。好ましい投与形態は滅菌注射液であり、及び好ましい医薬として許容される担体は水である。他の好ましい投与形態はカプセル又は液体充填カプセルであり、ここで好ましい医薬として許容される担体はここでも水又は油中水エマルジョンの水相中である。上記PHは前記水中で溶液又は懸濁物として存在しうる。
I型塩酸パロノセトロン
全ての同質異像のように、I型PH結晶は、図4中に示されるように、それらが粉末X−線結晶学にかけられるときに示す粉末回折パターンにより特徴付けられうる。図4中に示される、I型PHの粉末X−線回折パターンにおける特徴的なピークの角度位置(2シータ)は:10.38°±0.1°、12.04°±0.1°、14.40°±0.1°、15.74°±0.1°、16.89°±0.1°、17.16°±0.1°、19.62°±0.1°、20.88°±0.1°、23.70°±0.1°、24.02°±0.1°、24.73°±0.1°及び25.31°±0.1°である。もちろん、各上記ピークはII型からI型を区別するので、いずれの1の又は組み合わせの上記ピークも特にI型を特徴付けるために使用されうることが理解されるであろう。ピーク強度が考慮に入れられるとき、表1中に与えられるいずれの1の又は組み合わせのピークもI型を特徴付けるために使用されうることもまた理解されるであろう。好ましい特徴的なピークは10.38°±0.1°、12.04°±0.1°、及び15.74°±0.1°、及びそれらの組み合わせを含む。
I型PH結晶はまたそれらの融点及び/又は融解熱によっても特徴付けられうる。したがって、I型PHはまた本明細書中に示される方法にしたがって試験されるとき、大気圧で約310〜約315℃、約312℃〜約314℃又は約313℃の融点を有するPHの結晶形として特徴付けられうる。
I型PH結晶はまたそれらを得るために使用される方法(単数又は複数)によっても特徴付けられうる。したがって、例えば、I型PHはII型PH結晶又はI型及びII型結晶の混合物を、II型結晶がI型に転換するのに十分な温度(好ましくは約25℃)で及び時間(典型的に1〜7日間)で水性エタノール又はイソプロパノール中に懸濁することにより得られるPH結晶として定義されうる。理論に拘泥することなく、この転移はゆるやかな溶解及び再結晶化プロセスにより又はゲスト溶媒分子を含む一過性の結晶形成により促進される固体状態再形成により起こると考えられる。
I型PHはまたPHの非晶質形を低い熱及び高い相対湿度に何日間か暴露することにより得られるPH結晶としても定義されうる。II型PH結晶を得る方法は本明細書中に示される;I型及びII型結晶の混合物を得る方法は、例えば、米国特許第5,510,486号中に示される。
II型塩酸パロノセトロン
II型PHはPHの他の同質異像であり、及びこれもまた、図5中に示されるように、それが粉末X−線結晶学にかけられるとき示す粉末回折パターンにより特徴付けられうる。図5中に示される、II型PHの粉末X−線回折パターンにおける特徴的なピークの角度位置(2シータ)は:9.92°±0.1°、11.35°±0.1°、12.98°±0.1°、15.38°±0.1°、16.14°±0.1°、17.51°±0.1°、25.08°±0.1°、28.89°±0.1°、29.66°±0.1°及び32.39°±0.1°である。もちろん、各上記ピークはI型からII型を区別するので、いずれの1の又は組み合わせの上記ピークも特にI型を特徴付けるために使用されうることが理解されるであろう。ピーク強度が考慮に入れられるとき、表3中に与えられるいずれのピークもII型を特徴付けるために使用されうることもまた理解されるであろう。好ましい特徴的なピークは9.92°±0.1°、12.98°±0.1°、15.38°±0.1°、16.14°±0.1°及び17.51°±0.1°、及びそれらの組み合わせを含む。
II型PH結晶はまたそれらの融点及び/又は融解熱によっても特徴付けられうる。したがって、II型PHはまた本明細書中に示される方法にしたがって試験されるとき、大気圧で約309〜約314℃、約310又は311〜約312℃又は約311.7℃の融点を有するPHの結晶形として特徴付けられうる。
II型PH結晶はまたそれらの作出方法(単数又は複数)によっても特徴付けられうる。したがって、例えば、II型PH結晶は溶解されたPHの熱い(すなわち、40、50又は60℃超の)低分子量アルコール(すなわち、C1-4、好ましくはエタノール)溶液からの結晶化により得られるPH結晶として定義されうる。あるいは、II型PH結晶はパロノセトロン塩基が低分子量アルコール(すなわち、C1-4、好ましくはエタノール)溶液から塩酸で沈殿されるとき得られるPHの結晶形として定義されうる。
非晶質塩酸パロノセトロン
非晶質PHは定義上、非結晶性であるPHの他の形態である。図6中に示されるように、上記形態はx−線回折により分析されるとき、放散した低い強度のピークが16°±0.3°、及び21°±0.3°の角度位置(2シータ)で起こるが、真の特徴的なピークが欠落することにより特徴付けられる。
非晶質PHのDSCサーモグラムは図3として示され、それはこの相についてのガラス転移温度は40℃の範囲内であること、及び上記物質は約155℃の外温開始、約163℃の第一外温最大値、約172℃のより小さな外温最大値を伴う二方式の進行で結晶化し、及び上記結晶化は約178℃で本質的に完了することを示す。結晶融解内温最大値は310℃を超える。
非晶質形PHはまたそれを得るための方法によっても特徴付けられうる。したがって、例えば、非晶質PHはPHの水溶液を凍結乾燥することにより得られる生成物として特徴付けられうる。あるいは、別の結晶物質の非晶質形のように、非晶質PHは融解されたPHが約40又は50℃未満まで急冷され、それによりI又はII型PHへの転移をバイパスするとき得られる生成物として特徴付けられうる。
医薬組成物
本明細書中に示されるPHの結晶及び非晶質形を利用するさまざまな医薬組成物が開発されうる。上記組成物は液体又は固体形で、どんな適切な経路によっても、例えば、経口で、非経口で又は静脈内に投与されうる。悪心又は嘔吐のための上記化合物の好ましい用量は(ベースの重量に基づいた)単一の固定用量で約0.3〜90μg、より好ましくは約0.01mg〜約10.0mg、約0.1mg〜約2.0mg又は約0.2mg〜約1.0mg/体重kgの範囲内である。理想的には、上記活性成分は約0.1〜100ng/ml、好ましくは約1.0〜50.0ng/ml、及び最も好ましくは約5〜20ng/mlの上記活性化合物の最大血漿濃度を達成するよう投与されるべきである。
上記活性化合物の好ましい投与様式は注射及び経口である。これらの組成物は一般的に不活性希釈剤又は食用担体を含むであろう。それらは(経口使用のために)ゼラチンカプセル中に封入され又は(経口又は頬の使用のために)錠剤に圧縮され又は(頬の使用のために)トローチに調合されうる。これらの目的のために、上記活性化合物は賦形剤と混合され及び錠剤、トローチ又はカプセルの形態で使用されうる。医薬として適合する結合剤、及び/又は補助材料は上記組成物の一部として含まれうる。
錠剤、ピル、カプセル、トローチ等は以下の成分又は同様の性質の化合物のいずれでも含みうる:微晶質セルロース、トラガカントガム又はゼラチンの如き結合剤;デンプン又はラクトースの如き賦形剤、アルギン酸、Primogel又はトウモロコシデンプンの如き崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム又はSterotesの如き潤滑剤;コロイド状二酸化シリコンの如き滑走剤;スクロース又はサッカリンの如き甘味剤;又はペッパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香味の如き香味剤。上記投与単位形態がカプセルであるとき、それは上記型の材料に加えて、脂肪性油の如き液体担体を含みうる。さらに、投与単位形態は上記投与単位の物理的形態を改変するさまざまな他の材料、例えば、糖のコーティング、セラック又は他の腸溶剤を含みうる。
上記化合物はエリキシル剤、懸濁物、シロップ、ウエハース、経口崩壊フィルム、経口崩壊錠剤、チューイングガム等の成分として投与されうる。シロップは上記活性化合物に加えて、甘味剤としてのスクロース及びある保存剤、色素及び着色剤及び香味剤を含みうる。
注入のために使用される溶液又は懸濁物は以下の成分:注入のための水、塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒の如き滅菌希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベンの如き抗菌剤;アスコルビン酸又は重硫酸ナトリウムの如き抗酸化剤;エチレンヂアミン四酢酸の如きキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩の如き緩衝剤及び塩化ナトリウム、マンニトール及びデキストロースの如き張性の調節のための剤を含みうる。注射調製物はアンプル、ディスポーザブルシリンジ又はガラス若しくはプラスティックでできた複数用量のバイアル中に封入されうる。注射溶液の容器は好ましくは70、80、90又は100℃超、及び150又は120℃未満のプロセッシング温度で終末に滅菌される。
治療方法
またさらなる態様において、本発明は治療的に有効な量の本明細書中に示されるPHの結晶/非晶質形のうちの1を投与することによる嘔吐の治療方法を提供する。嘔吐は急性相嘔吐(すなわち、嘔吐誘発事件の約24時間以内に経験される嘔吐)又は遅延嘔吐(すなわち、急性相の後であるが、嘔吐誘発事件の7、6、5又は4日以内に経験される嘔吐)でありうる。嘔吐は中又は高催吐性化学療法からの化学療法誘発悪心及び嘔吐(「CINV」)、放射線治療誘発悪心及び嘔吐(「RINV」)又は手術後悪心及び嘔吐(「PONV」)を構成しうる。
さらに、本明細書中に示されるPHの形態学的形態は抗悪心及び抗嘔吐効力を高める目的のためにデキサメタゾンの如き予防的コルチコステロイドと共に(連続して又は同時に)又は交互に投与されうる。それらはまたデキストロース及び塩溶液を含む、さまざまな点滴溶液と共に(連続して又は同時に)投与されうる。
実施例
以下の実施例はどのようにして本明細書中に請求される化合物が作出され及び評価されるかの完全な開示及び説明を当業者に提供するために示され、及び純粋に本発明の例示であると意図され、及び発明者が彼らの発明としてみなすものの範囲を限定するとは意図されない。数字(例えば、量、温度等)についての正確さを確実にするために努力をはらったが、いくらかの誤差及びずれは考慮に入れられるべきである。別段の定めなき限り、パーツは重量でのパーツであり、温度は℃であり又は室温であり、及び圧は大気圧又はおよそ大気圧である。全ての試験についての塩酸パロノセトロン出発物質は、別段の定めなき限り、米国特許第5,510,486号中に示されるように実質的に得られうる。
実施例1−同質異像及び非晶質PHの調製
I型同質異像を1週間環境温度(約25℃)に保たれた塩酸パロノセトロンのエタノール溶液からの上記化合物の結晶化により調製した。上記結晶をろ過し及び乾燥させた。
II型同質異像を塩酸パロノセトロンの熱いエタノール溶液からの上記化合物の結晶化により調製した。上記結晶を室温までの冷却に際して即座にろ過し、及び乾燥させた。
非晶質形を水中の上記化合物の溶液の凍結乾燥により調製した。
実施例2−結晶形の特徴付け方法
出発物質−全ての試験についての塩酸パロノセトロンの同質異像及び非晶質形は、別段の定めなき限り、実質的に上記実施例中に示されるように得られた。塩酸パロノセトロンは82%RHまでの湿度に非吸湿性であり、及び93%RHで8日後に液化する。
器械−粉末x−線回折パターンはファインフォーカスx−線管及び回折ビーム単色光分光器で装備されたNicolet X−線ディフラクトメーターで得られた。スキャン角度は1秒間当たり0.05°で3°〜30°2θであった。全てのサンプルを計測前に乳鉢及び乳棒で細かくひいた。
ディファレンシャルスキャニングカロリメトリー(DSC)サーモグラムをPerkin−Elmer DSC−7システムで記録した。加熱速度は1分間当たり10℃であり、及び感度範囲は5mcal/秒であった。窒素流をランの間ずっと維持した。
熱重量分析(TGA)をPerkin−Elmer TGS−2熱重量分析バランスで行った。加熱は1分間当たり2.5℃であった。窒素パージを各ランの間ずっと維持した。
顕微鏡観察をLeitz Ortholux II POL−BK偏光顕微鏡を用いて行った。保温顕微鏡をMettler FP5コントロールユニットで装備されたMettler FP 52ホットステージを伴う偏光顕微鏡で行った。転移温度を計測するために使用された加熱速度は1分間当たり10℃であった。
物理的安定性決定−上記同質異像の物理的安定性を水で上記粉末を湿らせ、エタノール、酢酸エチル中に懸濁し、及びそれらを93%相対湿度(RH)及び26%RHに暴露することにより決定した。DSCサーモグラム及びx−線回折パターンを相変化が起こったかどうかを決定するために数日後に得た。上記非晶質相の物理的安定性をサンプルを40℃、75%RHで2週間平衡化することにより決定した。
吸湿性計測−20〜30mgの上記化合物のサンプルを計ってすりガラス蓋を伴う小計量瓶に入れた。上記瓶を60℃のオーブン内で30分間乾燥させた。上記サンプルを無水CaSO4を含む乾燥器中で冷却し、及びその後飽和塩溶液で一定の相対湿度に維持された湿度チャンバーに移した。上記サンプルを平衡が達せられるまで異なる時間間隔で計量した。
ある時間で吸収されたパーセント水分を以下のように計算した:
%重量変化=((W1−W0)/W0)×100
ここでW1は示される相対湿度への暴露後のある時間のサンプル重量であり、及びW0は開始サンプル重量である。
特徴的粉末X−線回折パターンピーク位置−XRDP位置は±0.1°の許容可能な変動性内の角度位置(2シータ)によって結晶形について報告される。この許容可能な変動性はUS Pharmacopeia,pages 1843−1844(1995)により明記される。±0.1°の変動性は2の粉末X−線回折パターンを比較するとき使用されると意図される。実際には、1のパターンからの回折パターンピークが計測されたピーク位置±0.1°である角度位置(2シータ)の範囲に割り当てられ、及び他のパターンからの回折パターンピークが計測されたピーク位置±0.1°である角度位置(2シータ)の範囲に割り当てられる場合、及びそれらのピーク位置の範囲が重なり合う場合、上記2のピークは同じ角度位置(2シータ)を有すると考えられる。例えば、1のパターンからの回折パターンピークが5.20°のピーク位置を有すると決定される場合、比較の目的のために、上記許容可能な変動性は上記ピークが5.10°〜5.30°の範囲内の位置に割り当てられることを許容する。他の回折パターンからの比較ピークが5.35°のピーク位置を有すると決定される場合、比較の目的のために、上記許容可能な変動性は上記ピークが5.25°〜5.45°の範囲内の位置に割り当てられることを許容する。上記2のピーク位置範囲の間で重なりがあるので、比較される2のピークは同じ角度位置(2シータ)を有すると考えられる。
特徴的なピークを本明細書中に示される同質異像形に割り当てるとき、表1及び3中に再引用されるどの1以上のピークも、どんな組み合わせでも、上記結晶形を特徴付けるために使用されうることが理解されるであろう、ただし好ましくは1の結晶形についての少なくとも1のピークは他の形からのピークのいずれとも重なり合わない。図中に示されるXRPDパターンにおいて、Cu Kalph2は消去され、d値の計算は波長1.5406Åで行われる。35°2シータまでの顕著なピークのみが列挙される。
実施例3−I型塩酸パロノセトロンの特徴付け
I型は刃形の又はプレート様の複屈折結晶から成る。DSCサーモグラムは結晶の融解のために約313℃の内温を示す(図1)。図4及び表1中に示されるように、I型はその粉末X−線回折パターンにおいて以下の角度位置(2シータ)の特徴的ピークを示す:10.38°±0.1°、12.04°±0.1°、14.40°±0.1°、15.74°±0.1°、16.89°±0.1°、17.16°±0.1°、19.62°±0.1°、20.88°±0.1°、23.70°±0.1°、24.02°±0.1°、24.73°±0.1°及び25.31°±0.1°。
Figure 2010512333
I型は水、エタノール又は酢酸エチル中の懸濁物として安定であった。この型は93%比較湿度で環境温度(約25℃)で2週間後に溶解した。
吸湿性研究の結果は表2中に要約される。I型は82%までの湿度では吸湿性ではなく、8日後に0.5%の水を吸収した。93%RHで、上記薬物は8日後に26%水分を吸収し、ペーストになった。上記薬物はこれらの条件下に2週間保たれた後液化した。
Figure 2010512333
実施例4−II型塩酸パロノセトロンの特徴付け
II型同質異像はI型結晶と同様の特性を示す。DSCサーモグラムは約311.7℃の融解内温のみを示す(図2)。相IIの粉末X−線回折パターンは図5及び表3中に示される。図5及び表3中に示されるように、II型はその粉末X−線回折パターンにおいて以下の角度位置(2シータ)の特徴的ピークを示す:9.92°±0.1°、11.35°±0.1°、12.98°±0.1°、15.38°±0.1°、16.14°±0.1°、17.51°±0.1°、25.08°±0.1°、28.89°±0.1°、29.66°±0.1°及び32.39°±0.1°。
Figure 2010512333
II型結晶はエタノール中に1週間環境温度(約25℃)で懸濁されたときI型に転換された。
実施例5−非晶質塩酸パロノセトロンの特徴付け
DSCサーモグラムは、この相についてのガラス転移温度は約40℃の範囲内であること、及び上記物質は二方式の進行で結晶化し、約155℃の外温開始、約163℃の第一外温最大、172℃のより小さな外温最大外温ピークを有し、及び上記結晶化は熱分析の条件下で約178℃で本質的に完了したことを示す;上記結晶の融解内温はしたがって310℃超のピークを形成した(図3)。凍結乾燥の非加熱生成物のX−線粉末回折パターンは非晶質物質の特徴である(図6)、すなわち、XRDピーク最大値は分散し、及び低い強度である;ここで、特徴的な角度位置(2シータ)は16°±0.3°及び21°±0.3°である。
上記非晶質形は26%RHで2週間後に非晶質のままであった。しかしながら、この物質は、それが乾燥器から除去され及び環境湿度に暴露された直後に溶解し、及びそれは続いてII型として結晶した。対照的に、40℃、75%RHで2週間で上記非晶質形はI型に転換された。
実施例6−代表的なGelcap製剤
表4は0.25、0.50及び0.75mgのパロノセトロンを含むgelcap固体経口投与形態についての代表的な製剤を示す。
Figure 2010512333
実施例7−代表的な注射製剤
以下の表5はパロノセトロンを含む代表的な注射製剤を示す。
Figure 2010512333
この明細書をとおして、さまざまな出版物が引用される。本発明が属する分野の状態をより完全に示すために、これらの出版物の開示をそれらを全体として本明細書中に援用する。さまざまな改変及び変形が本発明の範囲又は本質から離れることなく本発明においてなされうることが当業者に明らかであろう。本発明の他の態様は本明細書の考慮及び本明細書中に開示される本発明の実施から当業者に明らかであろう。明細書及び実施例は例示としてのみ考えられるべきであり、本発明の真の範囲及び本質は以下の請求項により示されることが意図される。

Claims (38)

  1. 303℃超の大気圧での融点を有する、I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物を含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物。
  2. 0.5wt.%以下のヂアステレオマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 1.0wt.%以下の不純物及び分解生成物を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 本質的にI型PH、II型PH又はそれらの混合物から成る、請求項1に記載の組成物。
  5. 約80wt.%超の結晶純度を有するI型PH、及び0.5wt.%以下のヂアステレオマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 約95wt.%超の結晶純度を有するI型PHを含む、請求項1に記載の組成物。
  7. 約80wt.%超の結晶純度を有するII型PH、及び0.5wt.%以下のヂアステレオマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 約95wt.%超の結晶純度を有するII型PHを含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 約80wt.%超の結晶純度を有する非晶質PHを含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 約305℃超の大気圧での融点を有する、請求項1に記載の組成物。
  11. 約308℃超の大気圧での融点を有する、請求項1に記載の組成物。
  12. 0.5wt.%以下のヂアステレオマーを含む、I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物を含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物。
  13. I型PH、II型PH、非晶質PH又はそれらの混合物、及び1wt.%以下のヂアステレオマーを含む塩酸パロノセトロンの単離された組成物であって、303℃未満の融点を有する組成物。
  14. 請求項1に記載の組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含むプロセスにより作出される固体経口投与形態。
  15. 液体充填カプセルの形態の、請求項1に記載の投与形態。
  16. 前記医薬として許容される担体は水である、請求項1に記載の投与形態。
  17. 請求項1に記載の組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含む固体経口投与形態の作出方法。
  18. 前記投与形態は液体充填カプセルである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記医薬として許容される担体は水である、請求項18に記載の方法。
  20. 嘔吐で苦しむ又は嘔吐にかかりやすい患者に請求項1に記載の組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含むプロセスにより作出される固体経口投与形態を投与することを含む嘔吐の治療方法。
  21. 前記投与形態は液体充填カプセルである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記医薬として許容される担体は水である、請求項20に記載の方法。
  23. 請求項1に記載の組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含む医薬製剤の製造方法。
  24. 前記医薬として許容される担体は水であり、及び前記製剤は滅菌静脈内溶液である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記医薬として許容される担体は水であり、及び前記製剤は滅菌静脈内溶液であり、さらに80℃超の温度で前記製剤を最終的に滅菌することを含む、請求項23に記載の方法。
  26. 請求項12に記載の組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含む医薬製剤の製造方法。
  27. 前記医薬として許容される担体は水であり、及び前記製剤は滅菌静脈内溶液である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記医薬として許容される担体は水であり、及び前記製剤は滅菌静脈内溶液であり、さらに80℃超の温度で前記製剤を最終的に滅菌することを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 請求項13に記載の組成物及び医薬として許容される担体を混合することを含む医薬製剤の製造方法。
  30. 前記医薬として許容される担体は水であり、及び前記製剤は滅菌静脈内溶液である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記医薬として許容される担体は水であり、及び前記製剤は滅菌静脈内溶液であり、さらに80℃超の温度で前記製剤を最終的に滅菌することを含む、請求項29に記載の方法。
  32. II型塩酸パロノセトロンをI型塩酸パロノセトロンに転換することを含む、I型塩酸パロノセトロンの製造方法。
  33. 前記転換はエタノール又はイソプロパノール中に懸濁されるII型塩酸パロノセトロンを、前記II型塩酸パロノセトロンをI型塩酸パロノセトロンに転換するのに十分な温度で及び時間で保持することを含む、請求項32に記載の方法。
  34. a)少なくとも約40℃の温度を有する低分子量アルコール中に塩酸パロノセトロンを溶解すること;及び
    b)前記塩酸パロノセトロンを再結晶化すること
    を含むII型塩酸パロノセトロンの製造方法。
  35. 前記低分子量アルコールはエタノールである、請求項34に記載の方法。
  36. 非晶質塩酸パロノセトロン。
  37. 非晶質塩酸パロノセトロンを含む組成物。
  38. a)塩酸パロノセトロンの水溶液を調製すること;及び
    b)上記溶液を凍結乾燥すること
    を含む、非晶質塩酸パロノセトロンの製造方法。
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