JP2010511790A - 複合組織鋼及びその熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、複合組織鋼及びその熱処理方法に関する。本発明は、重量%基準で、C:0.5以下、Mn:15超過35以下、Co、Ti、Al、及びWのうちのいずれか1つ以上の合計:3以下、Cr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVのうちのいずれか1つ以上の合計:10以下、残りはFe、及びその他のやむをえずに添加される不純物からなる残留オーステナイト及びHCPマルテンサイト組織が混合された複合組織鋼及びその熱処理方法を提供する。本発明によれば、常温でオーステナイトが残留し、マルテンサイトプレートの大きさが微細で、複合組織鋼の靭性及び強度が向上する効果がある。

Description

本発明は、複合組織鋼及びその熱処理方法に関する。より詳細には、常温でオーステナイトが残留し、マルテンサイトプレートの大きさが微細で、靭性及び強度が向上した残留オーステナイト及びHCPマルテンサイト組織が混合された複合組織鋼及びその熱処理方法に関する。
常温残留オーステナイトを利用する代表的な鋼としては、TRIP鋼(TRansformation Induced Plasticity)が知られている。
TRIP鋼は、主に低炭素鋼領域でフェライト(Ferrite)及びベイナイト(Bainite)の相変態によって基地に固溶された炭素を残留オーステナイトに濃縮させることによって常温で安定した残留オーステナイトを製造する方法によって得られる。
また、最近注目されているQuenching&Partitioning法によれば、マルテンサイト変態開始温度(M)及び変態終了温度(M)の間で急冷後に1段または2段に等温維持して生成されたマルテンサイト相の内部に存在する炭素を残留オーステナイトに移動させて、常温で安定した状態で炭素を濃縮させることによって、常温で強度及び靭性が優れている鋼を製造することができる。
しかし、この場合、常温以上のできるだけ高い温度でパティショニングを行うことによってのみ炭素の移動が促進されるので、鋼の製造過程中に鋼を加熱維持する設備が必要であり、加熱維持に所定の時間がかかるので、生産性の増加に制約があり、製造費用が増加する問題がある。
他方で、ニッケル(Ni)やクロム(Cr)などが多量に添加された高合金鋼を利用して常温で残留オーステナイトを含む鋼を製造した研究事例が多数あるが、実際には、常温で残留オーステナイトを残留させるために高価な合金元素を多量に添加しなければならないので、製造費用が増加して、経済性が低下する問題がある。
本発明は、このような問題を解決するために発明されたものであって、マンガン(Mn)を除く他の合金成分の含有量を制限する代わりに、マルテンサイト逆変態を利用して、マルテンサイト変態開始温度を低くして、常温でオーステナイトが残留し、マルテンサイトプレートの大きさが微細で、靭性及び強度が向上した複合組織鋼を提供することを第1目的とする。
そして、本発明は、前記複合組織鋼を熱処理する方法を提供することを第2目的とする。
前記第1目的を達成するための本発明の一実施例によれば、複合組織鋼は、重量%基準で、C:0.5以下、Mn:15超過35以下、Co、Ti、Al、及びWのうちのいずれか1つ以上の合計:3以下、Cr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVのうちのいずれか1つ以上の合計:10以下、残りはFe、及びその他のやむをえずに添加される不純物からなる。
前記複合組織鋼は、残留オーステナイト及びHCPマルテンサイト組織が混合されたものである。前記複合組織鋼は、前記合金成分の含有量が「MS=260−330C+2Al+7Co−14Cr−13Cu−19(Mn−15)−5Mo−4Nb−13Ni−7Si+3Ti−4V」であるMS式を満たし、前記MS式の値は50乃至120である。C、Mn、Si、Ni、P、及びSの含有量は重量%で各々約0.30、約20.50、約0.18、約0.02、約0.003、及び約0.0017であり、MS値は約53.44である。
前記第2目的を達成するための本発明の一実施例によれば、重量%基準で、C:0.5以下、Mn:15超過35以下、Co、Ti、Al、及びWのうちのいずれか1つ以上の合計:3以下、Cr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVのうちのいずれか1つ以上の合計:10以下、残りはFe、及びその他のやむをえずに添加される不純物からなる複合組織鋼を熱間圧延して、鋼材を製造する段階、そして前記鋼材を加熱して焼入れして、マルテンサイト組織を含むように急冷する1次焼入段階を行う。その後、前記焼入れした鋼材を加熱した後で焼入れして、逆変態されたオーステナイト結晶粒の大きさを微細化する2次焼入段階を行う。次に、前記2次焼入段階後に前記鋼材を急冷する急冷段階を行うことによって、複合組織鋼を熱処理する。
前記複合組織鋼を熱処理するために、急冷段階後に前記鋼材を常温に維持する段階をさらに含む。前記鋼材を製造するための前記複合組織鋼は、残留オーステナイト及びHCPマルテンサイト組織が混合されたものである。
前記複合組織鋼は、前記合金成分の含有量が「MS=260−330C+2Al+7Co−14Cr−13Cu−19(Mn−15)−5Mo−4Nb−13Ni−7Si+3Ti−4V」であるMS式を満たし、前記MS式の値は約50乃至約120である。C、Mn、Si、Ni、P、及びSの含有量は重量%で各々約0.30、約20.50、約0.18、約0.02、約0.003、及び約0.0017であり、MS値は約53.44である。
前記2次焼入段階で、前記1次焼入段階で焼入れされた鋼材は、オーステナイト逆変態開始温度(A)以上約800℃以下の範囲で加熱される。
前記2次焼入段階後に前記鋼材を急冷する段階は、常温(25℃)以下の冷媒を使用する。
本発明によれば、常温でオーステナイトが残留し、マルテンサイトプレートの大きさが微細で、複合組織鋼の靭性及び強度が向上する効果がある。
本発明の実施例による複合組織鋼の最終微細組織を示した写真である。 比較例1による複合組織鋼の最終微細組織を示した写真である。 比較例2による複合組織鋼の最終微細組織を示した写真である。 比較例3による複合組織鋼の最終微細組織を示した写真である。
以下、本発明の実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付ける際には、同一な構成要素に対してはたとえ異なる図面上に表示されていてもできるだけ同一な符号を付けるようにした。また、本発明を説明する際には、関連する公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにすると判断される場合には、その詳細な説明は省略した。
本発明の実施例による複合組織鋼は、C、Mn、Co、Ti、Al、W、Mo、Ni、Nb、Si、V、残りはFe、及びやむをえずに添加される不純物からなる合金成分を含む。
より具体的に、本発明の実施例による複合組織鋼は、重量%基準で、C:0.5以下、Mn:15超過35以下、Co、Ti、Al、及びWのうちのいずれか1つ以上の合計:3以下、Cr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVのうちのいずれか1つ以上の合計:10以下、残りはFe、及びその他のやむをえずに添加される不純物からなる。
特に、本発明の実施例による複合組織鋼において、合金成分の重量%での含有量を変数にして計算されるMS値は、下記の式1で示される。
MS=260−330C+2Al+7Co−14Cr−13Cu−19(Mn−15)−5Mo−4Nb−13Ni−7Si+3Ti−4V−−−−−(式1)
ここで、式1はイシダらが提案したマルテンサイト生成温度式に基づいてマンガン(Mn)の影響を調査し、これを補正して導き出された式である。
一方、マルテンサイト変態開始温度(M)は、組成の影響だけでなく、オーステナイト結晶粒の大きさの影響も受ける。
つまり、オーステナイト結晶粒の大きさが微細になれば、マルテンサイト変態開始温度が低くなるが、これは、オーステナイト結晶粒の微細化による母相強化効果によって、鋼がマルテンサイト変態する時に必須の剪断変形に必要なエネルギーが増加するので、これを補充するために変態に必要な駆動力が追加的に要求されるためである。
一方、本発明の実施例においては、組成を制限するためのパラメータとしてだけ式1を使用した。
本発明の実施例において、MS値が50〜120の範囲に該当するように組成を制限したのは、マルテンサイト逆変態によるオーステナイト結晶粒の微細化によって、実際のマルテンサイト変態開始温度を式1より約10〜40℃程度低くした状況で、適当な分率のHCP残留オーステナイトを製造するためである。
MS値が50以下である場合には、十分な量のマルテンサイトを生成することができないので、鋼の強度が低くなる。
反面、MS値が120を超える場合には、オーステナイト結晶粒の微細化によって、実際のマルテンサイト変態開始温度(M)を低くしても、常温で残留する残留オーステナイトの量が非常に少なくなるので、十分な靭性増加効果を得ることができない。
炭素(C)の含有量は0.5重量%以下程度に制限すればよく、それより多く含まれる場合には、他の合金元素の含有量を調節しても、本発明の目的である複合組織鋼を製造するのが難しい。
また、炭素が多く含まれる場合には、積層欠陥エネルギー(Stacking Fault Energy)が増加するので、熱処理後にHCPマルテンサイトでなくBCTマルテンサイトが生成されるおそれがある。
一方、マンガン(Mn)の含有量が15重量%を超えるように制限した理由は、常温でHCP構造のマルテンサイトを生成するためである。
一方、マンガンの含有量は35重量%以下であるのが好ましい。
つまり、HCPマルテンサイトは、一種の準安定相(Metastable Phase)であって、応力によってBCCまたはBCT構造に変態するので、靭性の向上に大きく寄与するが、結晶粒の微細化を考慮すれば、マンガン(Mn)の含有量が15重量%以下である場合には、HCP構造のマルテンサイトが十分な量に生成されずに、靭性増加効果が微小である。
一方、前記数値は、Fe−Mn−C系合金及びFe−Mn−C−(少量のNi、Cr)系合金に対する実験結果から推定された値である。
合金成分であるCr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVの各含有量を合計した総含有量を10重量%以下に制限した理由は、下記の通りである。
ニッケル(Ni)やクロム(Cr)などの合金成分を多く含む高合金鋼でない一般鋼において、マルテンサイト変態開始温度(M)は常温から非常に上側に上がっている。したがって、常温でオーステナイト及びマルテンサイト組織が混合された複合組織鋼を製造するためには、合金元素を添加して、マルテンサイト変態開始温度(M)を低くしなければならない。つまり、前記合金元素を多量に含めば、本発明で提案したMS値の範囲に合わせることができ、常温で残留オーステナイトを製造することはできるが、本発明が目的とする組織である残留オーステナイト及びHCPマルテンサイトの複合組織鋼を製造することはできない。
また、前記合金元素は大部分が高価であるので、これらを多量に含む場合には、経済性が低下する問題が付加的に発生する。
次に、本発明の実施例による複合組織鋼の熱処理方法について説明する。
本発明の実施例による常温残留オーステナイト及びHCPマルテンサイトの複合組織鋼は、溶融されて溶鋼に製造され、連続鋳造されてスラブ(slab)に鋳造された後、加熱炉で再加熱されて熱間圧延によって板材に製造される。
また、その後、必要に応じて冷間圧延及び焼鈍熱処理、板金工程を経て製品の形状に製造される。
まず、前記鋼を焼入熱処理炉に維持した後、冷却媒(冷却水、冷却油など)を利用して急冷して、焼入れ熱処理する。この過程でマルテンサイト組織が生成され、このように処理された鋼材を再びオーステナイト逆変態開始温度(A)以上800℃以下で焼入れする。このように焼入及び急冷後に逆変態させるのは、マルテンサイト状態での逆変態によって、逆変態されたオーステナイトの結晶粒の大きさを微細化させるためである。
マルテンサイト組織は、内部に多数のプレート(plate)境界及び電位を含む組織であって、サブグレインバウンダリー(Sub−grain boundary)に相当する核生成部が多量に存在するので、逆変態時に結晶粒の大きさが微細になる。
また、逆変態時に再焼入温度を逆変態開始温度(A)以上800℃以下に維持する理由は、逆変態されたオーステナイト組織を製造しても、微細な結晶粒が焼入れ途中に成長するのをできるだけ防止して、微細な結晶粒を維持するためである。
一方、逆変態された鋼を常温(25℃)以下の氷水などの冷媒を使用して急冷させた後で常温に維持するのは、適当量のHCPマルテンサイトを生成して、常温で残留オーステナイトを保存するためである。一方、急冷時の冷媒の温度は、所望の強度水準によって調節することができる。もちろん、この時の延伸率は強度の増加によって減少するので、最終製品の特性に合わせ、これを勘案して、冷媒の温度を調節しなければならない。
以下、本発明の実施例を通して本発明をより具体的に説明する。
式1を満たす組成範囲の常温残留オーステナイト及びHCPマルテンサイトの複合組織鋼を溶解して鋳造した後、熱間圧延して、鋼板を製造した。
このように製造された熱延鋼板を利用して、幅100mm、長さ230mm、厚さ1mmの試片を製作した後、950℃に維持された焼入熱処理炉に10分間維持した後、冷却媒(冷却油)を利用して急冷して、焼入れ熱処理した。
そして、このように急冷してマルテンサイト組織を生成した後、この鋼材を再びオーステナイト逆変態開始温度(A)以上800℃下で焼入れした。一方、オーステナイト逆変態開始温度(A)は、鋼の組成及び加熱速度などの影響を受けるので、実測して決定した。
一方、本実施例においては、比較例との比較を容易にするために、780℃の同一な温度に維持して、20分間再焼入れした。
表1には、本発明の実施例及び各比較例の化学組成及びMS値が記載されている。
Figure 2010511790
一方、このように形成された鋼を氷及び塩を混合した水で急冷(塩氷冷)した後で常温に維持して微細組織を観察し、引張実験によって物性を測定して、その結果を図1、図2、及び表2に示した。
図1は本発明の実施例による複合組織鋼の最終微細組織を示した写真であり、図2乃至図4は比較例1乃至3による複合組織鋼の最終微細組織を示した写真である。
一方、表2には、本発明の実施例及び比較例1乃至3による複合組織鋼の引張実験の結果及び微細組織の構成が記載されている。
Figure 2010511790
以下では、図1、図2、及び表2を参照して、本発明の実施例及び比較例1乃至3による複合組織鋼の差異点について説明する。
まず、比較例1の場合、多量の炭素を含むので、熱処理直後の強度は非常に高くなるが、熱処理後に常温でBCT構造のマルテンサイト単相組織に構成されるので、壊れやすい。したがって、比較例1による複合組織鋼は、延伸率及び靭性が低い。
次に、比較例2の場合、多量のニッケル(Ni)を利用した高合金鋼を使用して、常温で目的としたオーステナイト組織を含む。しかし、この場合、微細組織がオーステナイト単相組織に構成されていて、多量のニッケル(Ni)の添加による固溶強化効果が大きいので、他のオーステナイト単相組織に比べて強度が高いが、マルテンサイト組織が複合された相に比べては相対的に強度が低い。
また、比較例2の場合、応力が作用する時に残留オーステナイトがマルテンサイトに応力有機変態することによって延伸率が向上する鋼(実施例及び比較例3)と比較すると、延伸率がそれほど高くない。
一方、比較例3の場合、適切な合金成分の含有量の選択によって、常温で目的としたオーステナイト及びマルテンサイトの複合組織を有する。
また、比較例3の強度及び延伸率をかけた値が比較例1及び2より優れている。
しかし、比較例3のように、マンガン(Mn)の含有量が本発明の組成範囲に比べて不足したり、マンガン(Mn)以外の合金元素の含有量が本発明の組成範囲を超過する場合には、常温で存在するマルテンサイトはBCC(またはBCT)マルテンサイトであり、残留オーステナイト及びBCC(またはBCT)マルテンサイトの複合組織は、本発明の実施例のような残留オーステナイト及びHCPマルテンサイトの複合組織に比べて延伸率が低い。
本発明の実施例によるHCPマルテンサイトの場合、応力が作用する時にBCCまたはBCT構造のマルテンサイトに変態するので、相対的に延伸率が高く、靭性が高いが、比較例3の場合、最初にBCC(またはBCT)構造のマルテンサイトに形成されるので、このような効果を有しにくく、本発明の実施例による効果を有することができない。
一方、図1を参照すれば、本発明の実施例による複合組織鋼の微細組織は、非常に微細なThin Plateマルテンサイト及びオーステナイトの複合組織から構成されている。したがって、このような微細組織の構成によって、本発明の実施例による複合組織鋼は強度が高い。
また、結晶粒内の相境界(Phase boundary)またはマルテンサイトプレート(Plate)内部のバリアント境界(Variant boundary)、双晶境界(Twin boundary)、積層欠陥境界(Stacking fault boundary)などは、応力が作用する時に移動して応力エネルギーを吸収することによって、延伸率を増加させる役割を果たす。
本発明によれば、常温でオーステナイトが残留し、マルテンサイトプレートの大きさが微細で、複合組織鋼の靭性及び強度が向上する効果がある。
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。また、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈され、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈される。

Claims (11)

  1. 重量%基準で、
    C:0.5以下、
    Mn:15超過35以下、
    Co、Ti、Al、及びWのうちのいずれか1つ以上の合計:3以下、
    Cr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVのうちのいずれか1つ以上の合計:10以下、
    残りはFe、及びその他のやむをえずに添加される不純物からなる、複合組織鋼。
  2. 前記複合組織鋼は、残留オーステナイト及びHCPマルテンサイト組織が混合されたものである、請求項1に記載の複合組織鋼。
  3. 前記複合組織鋼は、前記合金成分の含有量が下記のMS式を満たし、前記MS式の値は50乃至120である、請求項1に記載の複合組織鋼。
    MS=260−330C+2Al+7Co−14Cr−13Cu−19(Mn−15)−5Mo−4Nb−13Ni−7Si+3Ti−4V
  4. C、Mn、Si、Ni、P、及びSの含有量は各々0.30、20.50、0.18、0.02、0.003、及び0.0017であり、MS値は53.44である、請求項3に記載の複合組織鋼。
  5. 重量%基準で、C:0.5以下、Mn:15超過35以下、Co、Ti、Al、及びWのうちのいずれか1つ以上の合計:3以下、Cr、Cu、Mo、Ni、Nb、Si、及びVのうちのいずれか1つ以上の合計:10以下、残りはFe、及びその他のやむをえずに添加される不純物からなる複合組織鋼を熱間圧延して、鋼材を製造する段階;
    前記鋼材を加熱して焼入れして、マルテンサイト組織を含むように急冷する1次焼入段階;
    前記焼入れした鋼材を加熱した後で焼入れして、逆変態されたオーステナイト結晶粒の大きさを微細化する2次焼入段階;及び
    前記2次焼入段階後に前記鋼材を急冷する急冷段階;
    を含む、複合組織鋼の熱処理方法。
  6. 前記急冷段階後に前記鋼材を常温に維持する段階をさらに含む、請求項5に記載の複合組織鋼の熱処理方法。
  7. 前記鋼材を製造するための前記複合組織鋼は、残留オーステナイト及びHCPマルテンサイト組織が混合されたものである、請求項5に記載の複合組織鋼の熱処理方法。
  8. 前記複合組織鋼は、前記合金成分の含有量が下記のMS式を満たし、前記MS式の値は50乃至120である、請求項5に記載の複合組織鋼の熱処理方法。
    MS=260−330C+2Al+7Co−14Cr−13Cu−19(Mn−15)−5Mo−4Nb−13Ni−7Si+3Ti−4V
  9. C、Mn、Si、Ni、P、及びSの含有量は各々0.30、20.50、0.18、0.02、0.003、及び0.0017であり、MS値は53.44である、請求項8に記載の複合組織鋼の熱処理方法。
  10. 前記2次焼入段階で、前記1次焼入段階で焼入れされた鋼材は、オーステナイト逆変態開始温度(A)以上800℃以下の範囲で加熱される、請求項5に記載の複合組織鋼の熱処理方法。
  11. 前記2次焼入段階後に前記鋼材を急冷する段階は、常温(25℃)以下の冷媒を使用する、請求項5に記載の複合組織鋼の熱処理方法。
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