JP2010509291A - アルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの製造方法並びに該方法によって得られる新規の物質及びカップリング剤としての使用 - Google Patents

アルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの製造方法並びに該方法によって得られる新規の物質及びカップリング剤としての使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種の硫黄含有成分と少なくとも1種のアルコキシ及び/又はハロシランとの反応によって得られる少なくとも1種の(ポリ)チオアルコキシ及び/又はハロシランの製造に関する。本発明に従えば、硫黄含有成分のアルコキシ及び/又はハロシランへのイオン付加は、熱及び/又は化学線活性化によって実施するのが好ましい。本発明はさらに、特にシリカタイプの白色フィラーを含むエラストマー組成物中のカップリング剤として有用な、式(III.2)の新規のポリチオアルコキシ及び/又はハロシランに関する。式(III.2)において、例えばR1.1及びR1.3=メチル且つR1.2=エトキシである。

Description

本発明は、アルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの新規の合成ルートに関する。
本発明はまた、それ自体新規のある種のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドであって、例えばこの新規の合成ルートによって得ることができるものにも関する。
目指す最終生成物は、より特定的には2個のアルコキシル化シラン単位が(ポリ)スルフィドブリッジを介して結合したアルコキシジシランである。これらのアルコキシシランは、白色フィラー、特にケイ質材料を補強用フィラーとして含むエラストマー組成物における白色フィラー/エラストマーカップリング剤として特に有用であることができる。
本発明はまた、斯かるカップリング剤を含むエラストマー組成物、及びこれらの組成物の1つをベースとする物品をも対象とする。
本発明のカップリング剤は、様々な応力(例えば温度変化、動的条件下における高振動数荷重変動、高い静荷重又は動的条件下における高い曲げ疲労)を加えられるエラストマー製物品の製造に特に有用であることができる。このタイプの物品の例は、履き物ソール、タイヤ、コンベアーベルト、動力伝達ベルト、撓みパイプ、膨張ジョイント、家庭用電気器具シール、エンジン振動を抽出する働きをする支持台(金属補強材又はエラストマー内の作動液を有するもの)、ケーブル、ケーブルシース又は空中ケーブル(ケーブルウエイ、索道)ローラーから成る。
このような物品の製造に適したエラストマー組成物は、好ましくは次の特性を示すべきである:
・良好なレオロジー特性(例えば、特に押出及びカレンダー加工操作に関して、製造される未硬化混合物の加工が非常に容易であるためのできるだけ低い粘度によって示されるもの);
・短い加硫時間(特に優れた加硫設備生産性を達成するため);及び/又は
・フィラーによって付与される非常に良好な補強特性(例えば引張弾性率及び引張強さについての最適値)。
斯かる目的を達成するための試みにおいて、多くの解決策が提唱されており、これらは本質的に、補強用フィラーで変性されたエラストマーを使用することに傾注している。一般的に、フィラーによって付与される最適補強特性を得るためには、エラストマーマトリックス中にできるだけ微細に粉砕された最終形態及びできるだけ均質に分布された最終形態の両方の形態でフィラーを存在させるのが賢明であることが知られている。実際は、斯かる条件は、一方でフィラーがエラストマーとの混合の際にマトリックス中に非常に良好に組み込まれ且つ解凝集されることができ、他方でエラストマーマトリックス中に均質に分散されることができる場合にだけ、達成できる。
周知のように、カーボンブラックはこれらの能力を示すことができるフィラーであるが、一般的に白色フィラーの場合にはそうではない。白色補強用フィラーを単独で、特に補強用シリカを単独で用いるだけでは、得られるフィラー含有エラストマー組成物のある種の特性が低レベルのものとなり、その結果としてこれらの組成物を用いた物品のある種の品質が低レベルのものとなるため、適切ではないことが証明されることがある。というのも、相互親和性の理由で、白色フィラー(特にシリカ)の粒子は一般的に、エラストマーマトリックス中で互いに凝集する傾向があるからである。これらのフィラー/フィラー相互作用は、フィラメントの分散を抑制し、従って補強特性を、混合操作の際に作り出せる可能性があるすべての白色フィラー−エラストマー結合が実際に得られた場合に理論的に達成可能なものより実質的に低いレベルに抑制するという有害な結果を有する。さらに、これらの相互作用はまた、未硬化状態のエラストマー組成物の粘度を増大させ、従ってそれらを加工するのがカーボンブラックの存在下の場合より困難なものにする傾向もある。
特にエラストマーマトリックス内の白色フィラーの分散を容易にしつつこの白色フィラーの粒子の表面とエラストマーとの間の結合を提供する機能を有するカップリング剤(結合剤とも称される)を用いることが一般的に必要であることは、当業者に周知である。
用語「白色フィラー−エラストマーカップリング剤」とは、周知のように、白色フィラーとエラストマーとの間の満足できる化学的及び/又は物理的結合を作ることができる添加剤を意味するものとする。かかるカップリング剤は、少なくとも二官能性であり、例えば簡略化された一般式「Y−B−X」を有する。ここで、
・Yは白色フィラーに物理的及び/又は化学的に結合することができる官能基(Y官能基)を表わし、この結合は例えばカップリング剤のケイ素原子と白色フィラーの表面ヒドロキシル(OH)基(例えばシリカの場合には表面シラノール)との間で作られることができ;
・Xはエラストマーに物理的及び/又は化学的に結合することができる官能基(X官能基)、例えば硫黄原子を表わし;
・BはYとXとを結合させることができる炭化水素基を表わす。
前記カップリング剤は特に、単純な白色フィラー被覆剤と混同してはならない。後者は周知のように白色フィラーに対して活性なY官能基を含むことができるがしかしエラストマーに対して活性なX官能基は持たない。
カップリング剤、特にシリカ−エラストマーカップリング剤は数多くの文献に記載されており、最もよく知られているのは、Y官能基としてのオルガノシリル官能基少なくとも1個及びX官能基としての特にポリスルフィド官能基のようなエラストマーと反応し得る官能基少なくとも1個を有する二官能性オルガノオキシシランである。
例えば、オルガノオキシシランポリスルフィドとして、アルコキシシランポリスルフィド、特にビス(トリ(C1〜C4)アルコキシルシリルプロピル)ポリスルフィド、例えば数多くの特許又は特許出願明細書(例えば仏国特許第2149339号明細書、仏国特許第2206330号明細書、米国特許第3842111号明細書、米国特許第3873489号明細書及び米国特許第3997581号明細書)に記載されたようなものを用いることが提唱されている。これらのポリスルフィドの中では、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略記される)を特に挙げることができる。これは一般的に今日、フィラーとしてのシリカを有する加硫物に、スコーチ安全性、加工し易さ及び補強力に関して最も良好な折衷点をもたらす物質であると依然としてみなされている(例えば米国特許第5652310号明細書、米国特許第5684171号明細書及び米国特許第5684172号明細書)。しかしながら、TESPTの使用に関連する欠点の1つは、その製造にある。というのも、TESPTは、ヒドロクロロシランをベース出発原料として用いて3つの合成段階で得ることができるのだが、この反応成分は安全性の理由で取扱いが極めて難しいのである。さらに、ヒドロクロロシランを用いる反応は貴金属で触媒されるヒドロシリル化反応であるが、その選択性は低く、副生成物が生成する。
補強用白色フィラーの粒子とオルガノオキシシランポリスルフィドタイプのカップリング剤とを含むエラストマー組成物の調製の際に、例えば慣用の密閉式ミキサー中での混練工程の際に、シランのオルガノオキシ部分と白色フィラーの表面OH基(例えばシリカの場合の表面シラノール)とが関与する化学反応が起こることがある。文献(A. Hunsche et al., Kautschuk Gummi, Kunststoffe, 80, 881 (1997)、及びKautschuk Gummi, Kunststoffe, No. 7-8, 525 (1998))に記載されたように、シリカとTESPTの場合には、この化学反応は縮合反応であり、かなりの量のエタノールを放出することによって達成される。より特定的には、この化学反応は、TESPTのようなケイ素に結合したエトキシ官能基を3個有するオルガノオキシシランを用いた場合には、シラン1モル当たり3モルまでのエタノールを放出する。この放出されたアルコールは一般的に、続いてのエラストマー組成物の加工の際の技術上の問題の原因、例えば、特に該組成物の押出の際の望ましくない多孔の発現及び/又はエラストマー自体の中での望ましくない気泡の形成といった問題の原因となる。さらに、アルコールの放出を減少させることは、環境上及び健康上の理由でも望ましい。
欧州特許第1043357号公報には、通常用いられるカップリング剤と比較してケイ素が有するオルガノオキシ官能基(例えばエトキシ官能基)の数が少ないオルガノオキシシランポリスルフィドカップリング剤、例えばエトキシ官能基を3個有するビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(TESPDと略記される)を用いることによってアルコールの放出を減らすことが提唱されている。例えばビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド(MESPD)は、TESPDと比較して放出されるアルコールの量を減らすことができるが、しかし得られる加硫物において特に一部の機械的特性の有意の劣化をもたらす。
国際公開WO02/083719号パンフレットには、次式F:
Figure 2010509291
(ここで、記号R1、R2及びR3は一価炭化水素基であり、xは3±0.1〜5±0.1の範囲の数である)
のプロピレン結合用単位(プロピレンから成る結合用単位)を有するモノオルガノオキシシランポリスルフィドが記載されている。これらの化合物は、ケイ質材料のような白色フィラーを補強用フィラーとして含むジエンゴム組成物中の白色フィラー−エラストマーカップリング剤として用いることができる。
仏国特許第2149339号明細書 仏国特許第2206330号明細書 米国特許第3842111号明細書 米国特許第3873489号明細書 米国特許第3997581号明細書 米国特許第5652310号明細書 米国特許第5684171号明細書 米国特許第5684172号明細書 欧州特許第1043357号公報 国際公開WO02/083719号パンフレット
A. Hunsche et al., Kautschuk Gummi, Kunststoffe, 80, 881 (1997) Kautschuk Gummi, Kunststoffe, No. 7-8, 525 (1998)
本発明の1つの目的は、アルコキシシラン及びハロシラン、特にモノアルコキシシランポリスルフィド、特に上で対象とした式(F)で規定されるものへの別のアクセスルートを提供することにある。
本発明の別の目的は、このアルコキシシランポリスルフィドの合成のための別ルートであって実施するのが簡単で経済性のよいものを提供することにある。
本発明の別の目的は、特定的なアルキレン(好ましくはイソプロピレン)結合用単位を有する新規のアルコキシシラン(特にモノアルコキシシラン)ポリスルフィドであって、ポリスルフィド単位を介し且つこの「ポリスルフィド」ブリッジの両側の2個の特定のアルキレン(好ましくはイソプロピレン)結合用単位を介して互いに結合した少なくとも2個のアルコキシシランポールを含むものを提供することにある。
本発明の別の目的は、特定的なアルキレン結合用単位(好ましくはイソプロピレン結合用単位)を有する新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィド、特にモノアルコキシシランポリスルフィドであって、特に補強用フィラーとして白色フィラー、特にケイ質材料を含むエラストマー組成物中で白色フィラー−エラストマーカップリング剤として用いることができるものを提供することにある。これらの新規のカップリング剤は、有利なことに効果的であり且つ経済的である。
これらの目的及び他の目的は、本発明によって達成される。本発明は、第1の主題事項において、少なくとも1種のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの製造方法に関するものであり、この方法は、イオン付加メカニズムに従って少なくとも1種の硫黄含有反応成分(Rs)と次式(I)の少なくとも1種のアルコキシ−及び/又はハロシランとを反応させることを本質的に含むことを特徴とする。
Figure 2010509291
{ここで、
記号R1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ次のもの:
・1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基;
・6〜18個の炭素原子を有するアリール基;
・−OR2アルコキシ基(ここで、R2は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基に相当する);
・アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基(C6〜C18アリール、C1〜C20アルキル);
・ヒドロキシル(−OH)基;又は
・ハロゲン、好ましくは塩素:
を表わし、
これらの基R1の少なくとも1つは−OR2、−OH又はハロゲンを表わし、そしてさらに、これらの基R1はヒドロキシルでもハロゲンでもない場合には随意に少なくとも1個のハロゲン化基を有していてもよく、
記号Yは一価の有機官能基、好ましくは少なくとも1個のエチレン性及び/又はアセチレン性不飽和を含む「感受性(sensitive)」官能基R3から選択される一価の有機官能基、特に
・2〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルケニル基R3.1
・2〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキニル基R3.2、及び
・5〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状−(アルケニル−アルキニル)若しくは−(アルキニル−アルケニル)基R3.3
から選択される一価の有機官能基を表わし、R3.1基であるのが特に好ましく、
Yはさらに随意に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく且つ/又は1個以上の芳香族基を有していてもよい。}
好ましくは、式(I)のシランは、基R1の少なくとも1個(より一層好ましくは1個だけ)が−OR2であるようなものである。
本発明はまた、第2の主題事項において、次式(III)の新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドに関する。
Figure 2010509291
{ここで、
記号R1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ次のもの:
・1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基;
・6〜18個の炭素原子を有するアリール基;
・アルコキシ基−OR2(ここで、R2は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基に相当する);
・アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基(C6〜C18アリール、C1〜C20アルキル);
・ヒドロキシル(−OH)基;又は
・ハロゲン、好ましくは塩素:
を表わし、
これらの基R1の少なくとも1つは−OR2、−OH又はハロゲンを表わし、そしてさらに、これらの基R1はヒドロキシルでもハロゲンでもない場合には随意に少なくとも1個のハロゲン化基を有していてもよく、
記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
記号R6、R7及びR8は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし、
記号nは1以上、好ましくは1又は2、より一層好ましくは1(後者の場合、式(III)は式(III.1)を表わす)に相当し、
記号xは一般的に1〜10の範囲、好ましくは1〜5の範囲、より一層好ましくは1.5〜5の範囲、特に2〜5の範囲、特別には3〜5の範囲、さらに現実的には3.5〜4.5の範囲又は3.8〜4.2の範囲(これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数に相当する。}
式(III)、特に式(III.1)のこれらの新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドは、本発明の方法に従って得ることができ、この方法によって得られたものが好ましい。
本発明はまた、第3の主題事項において、エラストマー組成物中、好ましくは少なくとも1種のジエンエラストマー及び補強用フィラーとしての白色フィラー(特に沈降シリカ)を含むエラストマー組成物中における白色フィラー−エラストマーカップリング剤としての、式(III)(特に式(III.1))の少なくとも1種のアルコキシ−及び/又はハロシランポリスルフィド、特にイソプロピレン結合用単位を有する式(III.1)の少なくとも1種のシランポリスルフィドの使用にも関する。この組成物は、例えば、ジエンエラストマーから作られた物品を製造するためのものである。
第4の主題事項において、本発明は、補強用白色フィラーと有効量の式(III)(特に式(III.1))の少なくとも1種のアルコキシ−及び/又はハロシランポリスルフィド(特別にはイソプロピレン結合用単位を有する式(III.1)のモノオルガノオキシシランポリスルフィド)とを含むエラストマー(特にジエンエラストマー)組成物に関する。
第5の主題事項において、本発明は、上で対象としたエラストマー組成物を調製するための方法にも関する。
第6の主題事項において、本発明は、上で対象としたエラストマー組成物をベースとするエラストマーから作られた物品に関する。
本発明の第1の主題事項
本発明者らは、アルコキシシランポリスルフィドを調製するための既知の合成ルートとは根本的に異なる新規の合成ルートを提供するという功績をあげた。このルートは、アルコキシシランと硫黄含有反応成分とを反応させることから成る。
これとは対照的に、本発明は官能化アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)、好ましくはアルケニル化アルコキシ−及び/又はハロシラン、例えばアリル末端を有するアルコキシ−及び/又はハロシランと硫黄含有反応成分(Rs)とを反応させることを提唱する。
本発明に従う新規のルートは、イオン付加メカニズムに基づくものであり、実施するのが容易であり且つ経済的である。
(Rs)と(I)とを、イオン付加メカニズムに従って反応させる。
さらに、全く驚くべきことに、そして予期しなかったことに、このイオン付加メカニズムは(半)自発的である。活性化、特に化学線活性化(光子活性化:例えばUVランプ、特にHg−HPタイプのものの下の容器)及び/又は熱活性化及び/又は超音波活性化及び/又は電子衝撃による活性化は、必要としない。
しかしながら、本発明の別形態に従えば、このような活性化、特に化学線活性化(光子活性化:例えばUVランプ、特にHg−HPタイプのものの下の容器)及び/又は熱活性化及び/又は超音波活性化及び/又は電子衝撃による活性化を構想することも完全に可能である。実際、熱活性化を用いるのが好ましく、この熱活性化は一般的に、反応媒体を標準大気圧について周囲温度〜120℃の範囲、好ましくは50〜110℃の範囲の温度にすることから成る。
この新規の合成ルートは、簡単であり且つ工業上の制約がない。
このような合成ルートは、新規のアルコキシシラン及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドを得ることを可能にする。
本発明に従う方法によって得られるシランポリスルフィド、特に新規のシランポリスルフィドは、補強用フィラーとして白色フィラー(例えばケイ質フィラー)を含むエラストマー(特にジエンエラストマー)組成物中の白色フィラー−エラストマーカップリング剤としての用途を特に有する。これらの組成物は例えば、エラストマー(特にジエンエラストマー)から作られた物品、特に履き物ソールやタイヤのような物品の製造用に予定されるものである。
斯かるカップリング剤は好ましくは、それらが添加されるフィラーとしてのケイ質材料を含むエラストマーに良好な機械的特性を付与する。
加硫前のそれらのレオロジー特性に関しても同じである。
加硫後の良好な機械的特性は、高いレベルの強引張弾性率、引裂強さ、補強指数及び/又は硬度(ショアー硬度他)によって反映され得る。
従ってこれらは、加硫前のレオロジー特性及び加硫後の機械的特性に関して、良好な折衷点を与える。
本発明に従う方法によって得られるアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドは、ポリスルフィド単位[S]xを含むのが有利である。
本発明の好ましい特徴に従えば、Yは、次式(II)に相当する。
Figure 2010509291
{ここで、
記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
記号R5はCH2又はCR67を表わし、ここで、記号R6及びR7は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし、メチルであるのが特に好ましく;
記号nは1以上、好ましくは1又は2、より一層好ましくは1(後者の場合、式(II)は式(II.1)を表わす)に相当する。}
本発明のより一層好ましい特徴に従えば、Yは、次式(II.1)に相当する。
Figure 2010509291
(ここで、
記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
記号R5はCH2又はCR67を表わし、ここで、記号R6及びR7は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし、メチルであるのが好ましい。)
本発明の方法の出発物質を構成するアルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のY官能基は、得られるアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィド中の硫黄含有単位にケイ素を結合させる結合用単位の前駆体となることが示された。
本発明の方法の第1の実施形態に従えば、R4がHに相当し且つR5がCH2に相当して、(Rs)の(イオン)付加が前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のβ炭素上で行われるようにする。
本発明の方法の第2の実施形態に従えば、R4がアルキル基(好ましくはメチル又はエチル基)に相当し且つR5がCH2に相当して、(Rs)の付加が前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のβ炭素上で行われるようにする。
一般的に、本発明の方法によるアルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のβ炭素への付加は、新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドをもたらす。
本発明の方法の第3の実施形態に従えば、R4がHに相当し且つR5がCR67に相当し、R6及びR7が−CH3を表わして、(Rs)の(イオン)付加が前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のγ炭素上で行われるようにする。
特に有利なことに、そして驚くべきことに、本発明に従うシラン(I)の式(II)(好ましくは式(II.1))のアルケニル末端Yの(イオン)付加は、完全なレジオ選択性及び例えば90%超の高い単離収率という利点を示す。この完全なレジオ選択性とは、基Yの二重結合が副反応なしで硫黄含有反応成分(Rs)と反応することを意味する。
本発明の方法において用いられる式(I)のアルコキシシラン又はハロシランは、少なくとも1種のハロ−及び/又はアルコキシシランと少なくとも1種のハロゲン化有機化合物(好ましくはハロゲン化アルキル)とを、Mg、Na、Li、Ca、Ba、Cd、Zn、Cu、それらの混合物及びそれらの合金より成る群から選択される少なくとも1種の金属(好ましくはマグネシウム)の存在下で、エーテル性有機溶剤及び/又はアセタールタイプの溶剤の存在下で、Barbier反応に基づくメカニズムに従って反応させることによって、得ることができる。
式(I)の出発アルコキシ−及び/又はハロシランの別の合成ルートは、より一層慣用のルート、特に、ハロマグネシウムグリニャール試薬、即ちMeMgClを用いるグリニャールタイプの反応メカニズムに従って、ハロゲン化アルキル基で官能化されたトリアルコキシシラン及び/又はトリハロシランを用いるものであることができる。この合成ルートは特に特開2002−179687号公報及び国際公開WO03/027125号パンフレットに記載されている。
本発明の方法の別の有利な形態に従えば、硫黄含有反応成分(Rs)は、HSxH、O,O’−ジアルキル(好ましくはO,O’−ジエチル)ジチオホスフェート(HSPS)、M'2x(M'はアルカリ金属である)、xS、H−Sx及びそれらの混合物(ここで、記号xは整数又は分数、好ましくは1〜10の範囲の数、より一層好ましくは1〜5の範囲、特に1.5〜5の範囲の数であり、これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)より成る群から選択される。
これらの反応成分(Rs)は、廉価であり、入手が容易である。
ポリスルファン(HSxH)タイプの反応成分(Rs)は例えば、文献、特にW. Post et al., J. Org. Chem., 24 (1959), 492、及びE. Mular et al., Can. J. Chem., 46 (1968), 2341に記載された手順に従って調製することができる。
実施に当たっては、塩Na2xと希HClとを周囲温度において次の一般反応に従って反応させることができる。
Figure 2010509291
沈降による分離の後に、無臭の黄色オイルが得られ、その1H−NMR及びラマン分析により構造が確認される。
(Rs)がM'2xタイプのものである場合、この金属ポリスルフィドは、例えば結晶水を含む硫化アルカリM'2Sと元素状硫黄とを反応させることによって調製することができ、この操作は、真空下で且つ有機溶剤の不在下で、60〜300℃の範囲の温度において実施される。
(Rs)がO,O’−ジアルキル(好ましくはO,O’−ジエチル)ジチオホスフェート(HSPS)又はHSHに相当する本発明の別の実施形態に従えば、(I)と(Rs)との反応生成物を、Sx及び/又はX1S−SX2より成る群から選択される第2の硫黄含有反応成分(Rs2)と反応させる。ここで、記号xは上で規定した通りであり、X1及びX2はハロゲン、好ましくは塩素を表わし、この第2の硫化は、塩基性媒体中、例えばK2CO3、Na2CO3、K3PO4、EtONa又はそれらの混合物を塩基として含む媒体中で実施するのが有利である。
この別形態においては、(I)と(Rs)との反応生成物はモノシランスルフィドであり、これを第2の硫黄含有反応成分(Rs2)を用いてジシランポリスルフィドに転化させることができる。
シラン(I)及び硫黄含有反応成分(Rs)の性状に関する質的局面に加えて、本発明の方法はまた、有利な量的局面も取り入れる。かくして、(I)/(Rs)モル比は特に5〜0.1の範囲、好ましくは3〜0.5の範囲、より一層好ましくは2〜0.7の範囲である。
別形態に従えば、本発明の方法の(イオン)付加は、溶剤、好ましくは非反応性炭化水素溶剤、特にカルボニル又はヒドロキシル官能基を持たない芳香族炭化水素から選択される溶剤の存在下で、実施することができる。
本発明に従う方法は、例えば大気圧において実施することができる。
例えば50〜70℃の範囲で(Rs)を(I)上に流し込むことができる。
得られた反応媒体を、可能性としての残留硫黄を濾別し、ヘプタンのような有機溶剤で洗浄し、次いで濾液を水溶液、特にpH7〜8の水溶液で洗浄することによって処理することができる。ヘプタンのような有機溶剤は、次いで減圧下で除去することができる。
本発明に従う方法は、アルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの−OR2に相当する基R1の少なくとも1個をヒドロキシル(−OH)に転化させることができる少なくとも1回の加水分解工程を含むことができる。
本発明の第2の主題事項
上記の本発明の第1の主題事項において提供される新規の合成ルートはまた、新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドを得ることを可能にするという点で、非常に有利である。
本発明は、第2の主題事項において、本発明の第1の主題事項に従う方法によって得られるものであるか否かに拘らず、式(III)の新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドを対象とする。
より特定的には、本発明は、その第2の主題事項において、本発明の第1の主題事項に従う方法によって得られるものであるか否かに拘らず、式(III.1)の新規のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドを対象とする。
Figure 2010509291
{ここで、
記号R1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ次のもの:
・1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基;
・6〜18個の炭素原子を有するアリール基;
・アルコキシ基−OR2(ここで、R2は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基に相当する);
・アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基(C6〜C18アリール、C1〜C20アルキル);
・ヒドロキシル(−OH)基;又は
・ハロゲン、好ましくは塩素:
を表わし、
これらの基R1の少なくとも1つは−OR2、−OH又はハロゲンを表わし、そしてさらに、これらの基R1はヒドロキシルでもハロゲンでもない場合には随意に少なくとも1個のハロゲン化基を有していてもよく、
記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
記号R6、R7及びR8は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
記号xは一般的に1〜10の範囲、好ましくは1〜5の範囲、より一層好ましくは1.5〜5の範囲、特に2〜5の範囲、特別には3〜5の範囲、さらに現実的には3.5〜4.5の範囲又は3.8〜4.2の範囲(これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数に相当する。}
式(III)の物質、特に式(III.1)の物質はさらに、本発明に従う好ましい調製方法によって差別化することができる。これらは、シラン(I)のY基(式(II)、特に式(II.1))のβ炭素への(Rs)のイオン付加の結果として得られるものであるのが有利である。
式(III)、特に式(III.1)のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドは、好ましくは、本発明の方法によって{特にシラン(I)のY基(式(II)、特に式(II.1))のβ炭素への(Rs)のイオン付加によって}調製することができる。
好ましい実施形態において、2個の末端ケイ素の内の少なくとも一方のR1置換基の内の2個がアルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、CH3O−CH2−及びCH3O−CH(CH3)CH2−基(例えばメチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル基)、又はアリール基、例えばフェニル基であり、これらの2個のR1置換基はメチルであるのが好ましく;第3のR1置換基は−OR2アルコキシ、特にR2がメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、CH3O−CH2−又はCH3O−CH(CH3)CH2−(例えばメチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピル)に相当するものであるのが好ましい。
本発明が特に対象とする式(III)、特に式(III.1)の物質は、アルコキシシラン(ポリ)スルフィド、より特定的には式(III.2)のアルコキシシラン(ポリ)スルフィドである。
Figure 2010509291
{ここで、記号R1.1、R1.2及びR1.3は互いに同一であっても異なっていてもよく、R1について上の説明で与えた定義の内の1つに相当し;R1.1及びR1.3は好ましくはアルキル(有利にはメチル又はエチルに相当し且つR1.2は好ましくはアルコキシ(有利にはメトキシ又はエトキシ)に相当し、
記号xは一般的に1〜10の範囲、好ましくは1〜5の範囲、より一層好ましくは1.5〜5の範囲、特に2〜5の範囲、特定的には3〜5の範囲、さらに現実的には3.5〜4.5の範囲又は3.8〜4.2の範囲(これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数に相当する。}
本発明は、例えば次式の化合物に関する。
Figure 2010509291
{ここで、記号xは1.5〜5の範囲、特に2〜5の範囲、特定的には3〜5の範囲、例えば3.5〜4.5の範囲又は3.8〜4.2の範囲(これらの範囲の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数に相当する。}
本発明に従う特に好ましい化合物は、次式を示すものである:
Figure 2010509291
{ここで、記号xは1.5〜5の範囲、好ましくは2〜5の範囲、特に3〜5の範囲、例えば3.5〜4.5の範囲又は3.8〜4.2の範囲(これらの範囲の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数に相当する};特にビス(モノエトキシジメチルシリルイソプロピル)テトラスルフィド(MESiPrTと略記される)を挙げることができる。
式(III)、(III.1)及び(III.2)並びに上記の式の記号xは、これらの式の分子中に存在する硫黄原子の数を表わす整数又は分数である。
この数は、懸案下の化合物を合成するためのルートが単一のタイプのポリスルフィド化合物のみを与えることができる場合には、硫黄原子の正確な数であることができる。
実際には、選択した合成ルートが異なる数の硫黄原子をそれぞれが有するポリスルフィド物質の混合物をもたらす限りにおいて、懸案下の化合物1分子当たりの硫黄原子の数を意味する。この場合、合成されるポリスルフィド化合物は実際、上に挙げた一般領域内にある平均モル値(記号xの値)を中心値として、モノスルフィド又はジスルフィドS2から重質ポリスルフィド(例えばS5以上)の範囲の分布を持ったポリスルフィドから成る。有利には、合成されるモノオルガノオキシシランポリスルフィドは、(S3+S4)を40%以上、好ましくは50%以上;及び(S2+S5以上) を60%以下、好ましくは50%以下のモル割合で含む分布を持ったポリスルフィドから成る。さらに、S2のモル割合は30%以下であるのが有利であり、20%以下であるのが好ましい。すべての境界値は(NMRによる)測定精度内で与えられ、ほぼ±1.5の絶対誤差がある(例えば示された最後の割合については20±1.5%)。
上で述べたように、これらの新規の物質は、白色フィラー(例えばケイ質材料、例えば沈降シリカ)を補強用フィラーとして含むエラストマー組成物、特にジエンエラストマー組成物中におけるこのような白色フィラーとエラストマーとの間のカップリング剤として、特に有利な用途を見出す。これらは、従来のカップリング剤の代替品を構成する。これらの新規の化合物(III)、特に化合物(III.1)、特定的に化合物(III.2)は、加硫前のレオロジー特性と加硫後の機械的及び/又は動的特性との非常に満足できる折衷点を提供する。
本発明の第3の主題事項
第3の主題事項において、本発明は、式(III)、好ましくは式(III.1)、特に式(III.2)の少なくとも1種のシランポリスルフィドを、エラストマー組成物、例えばジエンエラストマー組成物{特に少なくとも1種のジエンエラストマー及び補強用フィラーとしての白色フィラー(特に沈降シリカ)を含むもの}の中の白色フィラー−エラストマーカップリング剤として、使用することに関する。この組成物は、例えばエラストマー製、特にジエンエラストマー製の物品の製造用に予定されるものである。
本発明の第4の主題事項
第4の主題事項に従えば、本発明は、補強用白色フィラー及びカップリング剤としての(有効量の)式(III)、好ましくは式(III.1)、特に式(III.2)の少なくとも1種のシランポリスルフィドを含むエラストマー組成物、特にジエンエラストマー組成物にある。
より特定的には、これらの組成物は、ジエンエラストマー100部当たり
・10〜200部、好ましくは20〜150部、より一層好ましくは30〜100部の補強用白色フィラー、及び
・1〜20部、好ましくは2〜20部、より一層好ましくは2〜12部のカップリング剤
を含む(部は重量によって与えられる)ことができる。
有利には、カップリング剤の量は、特に上記の範囲内で選択され、補強用白色フィラーに対して0.5〜20%、好ましくは1〜15%、より一層好ましくは1〜10%を占めるように決定される。
本発明において、式(III)の化合物、好ましくは式(III.1)の化合物、特に式(III.2)の化合物はさらに、このような式(III)の化合物(好ましくは式(III.1)の化合物、特に式(III.2)の化合物)及び補強用白色フィラーを含むエラストマー組成物(特にジエンエラストマー組成物){例えばエラストマー製(特にジエンエラストマー製)の物品の製造用に予定されるもの}中の加硫活性剤として通常用いられる亜鉛又は亜鉛誘導体(例えばZnO)の存在を完全に又はほぼ完全に不要にすることができる。
本発明に従う前記エラストマー組成物は、例えば(ジエン)エラストマー100部当たり0.75部未満、特に0.5部未満の亜鉛を含むことができる。
当業者であれば、前記カップリング剤を(特にそのアルコキシシリル官能基、例えばエトキシシリル官能基を介して)前もって補強用白色フィラーにグラフトさせることができることを理解するだろう。こうして「予備カップリングされた」この白色フィラーは、次いで遊離のポリスルフィド官能基を介してエラストマーに結合させることができる。
本明細書において「補強用白色フィラー」とは、特に、天然ゴム及び/又は合成ゴムタイプのエラストマーから成る組成物を、カップリング剤以外の手段なしで単独で補強することができる白色フィラーを規定することが意図される。
補強用白色フィラーが呈する物理的状態は重要ではなく、即ち該フィラーは例えば粉体、微小球又は顆粒の形を呈することができる。
好ましくは、前記補強用白色フィラーは、シリカ、アルミナ又はこれらの2種の混合物から成る。
より一層好ましくは、補強用白色フィラーはシリカから成る。
本発明において用いることができるシリカとしては、すべての沈降シリカ又は熱分解法シリカ、特に450m2/g以下のBET比表面積を示すものが特に好適である。
特に有利な別形態に従えば、沈降シリカが用いられ、これは慣用のもの又は好ましくは高分散性のものであることができる。
用語「高分散性シリカ」とは、ポリマーマトリックス中で非常に高い解凝集及び分散力(薄い区画に対して特に電子顕微鏡又は光学顕微鏡によって観察することができる)を有する任意のシリカを特に意味するものとする。
例えば、450m2/g以下、特に50〜350m2/gの範囲のCTAB比表面積を示す高分散性シリカを用いることができる。
欧州特許公開第0520862号公報、国際公開WO95/09127号パンフレット、国際公開WO95/09128号パンフレット、国際公開WO98/54090号パンフレット及び国際公開WO03/016215号パンフレットの1つに従うシリカを用いることができる。
分散性シリカの非限定的な例としては、Akzo社のシリカPerkasil KS 430、Degussa社のシリカBV3380及びUltrasil 7000、Rhodia社のシリカZeosil 1165 MP及び1115 MP、PPG社のシリカHi-Sil 2000並びにHuber社のシリカZeopol 8741及び8745を挙げることができる。
また、欧州特許公開第0735088号、欧州特許公開第0762992号及び欧州特許公開第0762993号の各公報に記載されたアルミニウム含有シリカのような被処理沈降シリカも好適である。
より特定的には、
・100〜240m2/gの範囲、例えば110〜180m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・100〜250m2/gの範囲、例えば110〜190m2/gの範囲のBET比表面積、
・随意に300ミリリットル/100gより低い、例えば200〜295ミリリットル/100gの範囲のDOP油吸収、及び
・随意に1.0〜1.6の範囲のBET比表面積/CTAB比表面積比
を有する沈降シリカが非常に好適である。
用語「シリカ」はまた、異なるシリカのブレンドをも意味するものとする。
CTAB比表面積は、NF法T45007(1987年11月)に従って決定される外側表面である。BET比表面積は、「The Journal of the American Chemical Society」, vol. 60, page 309 (1938)に記載されたBrunauer - Emmett - Teller方法{NF規格T45007(1987年11月)に対応}に従って測定することができる。DOP油吸収は、フタル酸ジオクチルを用いることによってISO規格787/5に従って測定することができる。
補強用アルミナとしては、
・30〜400m2/gの範囲、例えば60〜250m2/gの範囲のBET比表面積、
・最大500nm、例えば最大200nmの平均粒子寸法、及び
・高い割合のAl−OH反応性表面官能基
を有する分散性アルミナ(例えば欧州特許公開第0810258号公報に記載されたもの)を用いることができる。
補強用アルミナの非限定的な例としては、特にBaikowski社のアルミナA125、CR125及びD65CRを挙げることができる。
本発明の第4の主題事項に従う組成物に用いることができるジエンエラストマーとは、より特定的には次のものを意味するものとする。
(1)4〜22個の炭素原子を有する共役ジエンモノマー(例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン又は2,4−ヘキサジエン)の重合によって得られるホモポリマー;
(2)少なくとも2種の前記共役ジエン同士の共重合、又は1種以上の前記共役ジエンと次のものから選択される1種以上のエチレン性不飽和モノマーとの共重合によって得られるコポリマー:
・8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、o−、m−若しくはp−メチルスチレン、「ビニル-トルエン」市販混合物、p−t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレン;
・3〜12個の炭素原子を有するビニルニトリルモノマー、例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリル;
・アクリル酸又はメタクリル酸と1〜12個の炭素原子を有するアルカノールとから誘導されるアクリル酸エステルモノマー、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル又はメタクリル酸イソブチル
(これらのコポリマーは、ジエン単位99〜20重量%及びビニル芳香族、ビニルニトリル及び/又はアクリル酸エステル単位1〜80重量%を含むことができる);
(3)エチレンと3〜6個の炭素原子を有するα−オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えばエチレンとプロピレンと上記のタイプの{特に1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエン(EPDMエラストマー)のような}非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマー;
(4)天然ゴム;
(5)イソブテンとイソプレンとの共重合によって得られるコポリマー(ブチルゴム)並びにこれらのコポリマーのハロゲン化物、特に塩素化又は臭素化物;
(6)上記(1)〜(5)のいくつかのエラストマーのブレンド。
好ましくは、次のものから選択される1種以上のエラストマーを用いる:
(1)ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン[又はポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン)];(2)ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)、ポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−スチレン)又はポリ(ブタジエン−アクリロニトリル);(4)天然ゴム;(5)ブチルゴム;(6)上記エラストマー(1)、(2)、(4)及び(5)同士のブレンド;(6')主要量(51〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%の範囲)のポリイソプレン(1)及び/又は天然ゴム(4)と少量(49〜0.5重量%、好ましくは30〜1重量%の範囲)のポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレン)及び/又はポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)とを含むブレンド。
本発明に従う組成物にはさらに、エラストマー及び/又はゴム組成物の分野において通常用いられるその他の成分及び補助添加剤の全部又は一部を含ませることができる。例えば、次のその他の成分及び添加剤の全部又は一部を用いることができる。
●顆粒系に関しては、例えば次のものを挙げることができる:
・硫黄又は硫黄ドナー化合物(例えばチウラム誘導体)から選択される加硫剤;
・例えばグアニジン誘導体又はチアゾール誘導体のような顆粒促進剤;
・例えば酸化亜鉛、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛のような加硫活性剤;
●その他の添加剤に関しては、例えば次のものを挙げることができる:
・カーボンブラックから成る慣用の補強用フィラー;すべてのカーボンブラック、特にHAF、ISAF又はSAFタイプのものが、カーボンブラックとして好適である;非限定的な例として、N115、N134、N234、N339、N347及びN375カーボンブラックを挙げることができる;一般的に、カーボンブラックの量は、用いられる補強用白色フィラーが白色フィラー+カーボンブラックの組合せの50重量%超を占め且つ補強用フィラー(白色フィラー+カーボンブラック)の合計量が組成物の重量構成に関連して補強用白色フィラーについて上に示した値の範囲内にとどまるように決定される;
・非補強性又は弱補強性の慣用の白色フィラー、例えばクレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリン、二酸化チタン又はこれらの混合物;
・酸化防止剤又はオゾン分解防止剤、例えばN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン;
・可塑剤及び加工助剤。
加工助剤に関しては、本発明に従う組成物には、例えばY官能基だけを含む補強用フィラー用のカバー剤であって、周知の態様でエラストマーマトリックス中におけるフィラーの分散性を改善し且つ組成物の粘度を低下させることによって未硬化状態の組成物の加工特性を改善することができるものを含ませることができる。このような添加剤は、例えばアルキルアルコキシシラン(特にアルキルトリエトキシシラン)、ポリオール、ポリエーテル(例えばポリエチレングリコール)、第1、第2若しくは第3アミン(例えばトリアルカノールアミン)又はα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンから成る。このような加工助剤を用いる場合、これは補強用白色フィラー100部当たり1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部の割合で用いられる。
本発明の第5の主題事項
補強用白色フィラー及び少なくとも1種のカップリング剤を含むジエンエラストマー組成物の調製方法は、慣用の1段階手順又は2段階手順に従って実施することができる。
1段階プロセスに従えば、加硫剤並びに随意としての加硫促進剤及び/又は加硫活性剤を除くすべての必要成分を慣用の密閉式ミキサー、例えばバンバリータイプ又はブラベンダータイプのミキサー中に導入して混練する。この最初の混合段階の結果物を次いで外部ミキサー、一般的に開放型ミル上に取り出し、次いでこれに加硫剤並びに随意としての加硫促進剤及び/又は加硫活性剤を添加する。
ある種の物品の調製のためには、2段階プロセスであって両段階が密閉式ミキサー中で実施されるものを用いるのが有利であり得る。第1段階において、加硫剤並びに随意としての加硫促進剤及び/若しくは加硫活性剤を除くすべての必要成分を導入して混練し、又は同じ除外規則が適用された必要成分の内の一部を導入して混練する。それに続く第2段階の目的は本質的に、第1段階からのブレンド(同じ除外規則を適用しつつ欠けている必要成分を添加することによって随意に補ったもの)を追加の加熱処理に付すことである。この第2工程の結果物も次いで外部ミキサーに取り出され、これに加硫剤並びに随意としての加硫促進剤及び/又は加硫活性剤が添加される。
密閉式ミキサーの作業段階は、一般的に80〜200℃の範囲、好ましくは80〜180℃の範囲の温度で実施される。この第1の作業段階の次に、外部ミキサー中での第2の作業段階が行われ、この操作はそれより低い温度、一般的に120℃未満、好ましくは20〜80℃の範囲の温度において実施される。
得られる最終組成物は、次いでエラストマー製物品の製造用に用いることができるシート、板又は形材の形でカレンダー加工される。
加硫(又は硬化)は、周知の方法で、一般的に130〜200℃の範囲の温度において、随意に加圧下で、充分な時間(これは特に硬化温度、用いる加硫系及び懸案下の組成物の加硫速度に応じて5〜90分の時間で変化し得る)実施される。
もちろん、第4の主題事項の本発明は未硬化状態(即ち硬化前)及び硬化済状態(即ち架橋又は加硫の後)の両方における上記のエラストマー組成物に関する。
本発明の第6の主題事項
本発明に従うエラストマー組成物は、前記の組成物を含む物体を有するエラストマー製完成品又は半完成品を調製するのに用いることができる。これらの組成物は例えば、履き物ソール、タイヤ(特にタイヤの踏面(treads)、キャタピラー)、コンベアーベルト、動力伝達ベルト、撓みパイプ、膨張ジョイント、家庭用電気器具用シール、エンジン支持台、ケーブル、ケーブルシース又は空中ケーブルローラーより成る物品の製造に有用である。
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を例示するものである。
29Si−NMR、1H−NMR及び13C−NMR分析は、以下の条件下で実施した。
29Si−NMR
装置:
一次元ケイ素−29NMR分析を、Bruker AMX 300分光計及び10mm選択的29Siプローブを用い、59MHzのケイ素観察振動数で操作して、実施した。
化学シフト(δ)はppmで表わされる;1H及び29Si化学シフトについての外部参照物質として、テトラメチルシランを用いた。温度は可変温度単位(±0.1°K)により制御した。NMRスペクトルは300°Kにおいて記録した。
プロトン−デカップリングケイ素−29NMRスペクトルを得るために、「逆ゲート式」タイプ(WALTZ-16)のプロトンデカップリングについてのアキュムレーションシーケンスを用いた。ケイ素−29パルス角度は45゜とし、2つのケイ素パルスの間の時間は4.5秒に設定した。4096のアキュムレーションの後に、自由歳差信号(FID)を得た。スペクトル幅は10870Hzであり、自由歳差信号を規定する点の数は32768だった。
サンプルの調製:
一次元ケイ素NMRスペクトルの記録を必要とするサンプルについて、約2ミリリットルのケイ素含有化合物を、2.5×10-2モル/リットルのFe(acac)3(acac=アセチルアセトネート)を含ませた重水素化クロロホルム溶液7ミリリットル中に、溶解させる。
1H−NMR及び13C−NMR
装置:
サンプルの調製:CDCl30.5ミリリットル中にサンプル0.1ミリリットル
分光計:Bruker AMX 300
プローブ:QNP5mm(1H、13C、31P、19F)
NMRスペクトルを300°K(±0.1°K)において測定する。
1H−NMR分析:
シンプル取得シーケンスを、30°のパルス角度、4.6秒のパルス間時間及び256のアキュムレーションで、利用した。スペクトル幅は4500Hzであり、数学的処理は行わなかった。観察振動数は300MHzだった。
13C−NMR分析:
プロトンデカップリング(WALTZ-16)と共にアキュムレーションシーケンスを、30°のパルス角度、3秒のパルス間時間及び8192のアキュムレーションで、利用した。スペクトル幅は20000Hzであり、フーリエ変換の前に信号を指数関数で処理した。観察振動数は75MHzだった。
重水素化溶剤(CDCl3)は、磁界中の可能性としてのドリフトを補填するための役割を果たし、スペクトルを化学シフトに対してキャリブレートすることを可能にする。
例1は、ポリスルファンの合成である。
例2〜9は、ビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィドの合成である。
例10は、アリルジメチルエトキシシランへのチオリン化合物の付加の例示である。
例11は、メタリルジメチルエトキシシランへのポリスルファンの付加である。
例12は、ビストリクロロシランポリスルフィドを得ることを可能にするβ付加を例示する。
例13は、ビストリエトキシシランポリスルフィドを得ることを可能にするβ付加を例示する。
例14は、出発アリルジメチルエトキシシラン(I)のアリル基Yのγ位の炭素へのポリスルファンの付加のためのルートを例示する。
例15及び16は、本発明の方法に従って得られたアルコキシシランポリスルフィドの任意の加水分解段階を例示する。
例17は、エラストマー組成におけるカップリング剤用途を例示する。
例1
1リットルの反応器中に、100.20gのNa24(575.2ミリモル)及び151gの水を導入する。次いで500ミリリットルの37%HClを添加する。次いでHClを流し込み終わった後に1時間、温度を約−20〜−15℃に保つ。この混合物を次いで周囲温度に戻す。沈降分離によって39gの黄色オイルが回収され、その分析は、x=1/2/3/4/5/6のモル分布が4/2/26/12/29/27(%)であるHSxHタイプの構造を示した。この構造は、ラマン分析によっても確認された。
この混合物を次いで周囲温度に戻す。
β位の付加(例2〜13)
例2
10ミリリットルのポリエチレン反応器中にアルゴン下で1.00g(6.94ミリモル)のアリルジメチルエトキシシラン、1ミリリットルのトルエン及び0.459g(3.53ミリモル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。25℃において16時間反応させる。
冷却を実施し、次いで生成した硫黄を濾別し、トルエンを蒸発させる。反応成分が完全に転化する。4〜5の平均数xを示す下記の誘導体がほぼ定量的収率で得られた。1H−NMR分析及びラマン分析で、その分子構造が確認された。収率は95%超だった。
Figure 2010509291
例3
40ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブ中にアルゴン下で1.08g(7.54ミルモル)のアリルジメチルエトキシシラン及び0.90g(6.98ミルモル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。この反応器を16時間120℃にする。
冷却を行う。生成した硫黄を濾別して、854mgの淡黄色液体が回収された。この液体は、例2の結果として得られた生成物のものと同じ構造を有していた。
例4
40ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブ中にアルゴン下で1.03g(7.21ミルモル)のアリルジメチルエトキシシラン及び0.80g(6.21ミルモル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。この反応器を16時間100℃にする。
冷却を行う。生成した硫黄を濾別して、538mgの淡黄色液体が回収された。この液体は、例2の結果として得られた生成物のものと同じ構造を有していた。
例5
40ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブ中にアルゴン下で1.04g(7.26ミルモル)のアリルジメチルエトキシシラン及び0.90g(6.98ミルモル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。この反応器を16時間100℃にする。
冷却を行う。生成した硫黄を濾別して、683mgの淡黄色液体が回収された。この液体は、例2の結果として得られた生成物のものと同じ構造を有していた。
例6
40ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブ中にアルゴン下で1.09g(7.59ミルモル)のアリルジメチルエトキシシラン及び0.91g(7.01ミルモル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。この反応器を16時間100℃にする。
冷却を行う。生成した硫黄を濾別して、734mgの淡黄色液体が回収された。この液体は、例2の結果として得られた生成物のものと同じ構造を有していた。
例7
ポリエチレン反応器中にアルゴン下で1.01g(7.07ミルモル)のアリルジメチルエトキシシラン及び1.04g(7.99ミルモル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。
この反応器をランプ(HP−Hg)で150分間照射する。
生成した硫黄を濾別して、743mgの淡黄色液体が回収された。この液体は、例2の結果として得られた生成物のものと同じ構造を有していた。
例8
40ミリリットルのステンレス鋼製オートクレーブ中にアルゴン下で20g(0.134モル)のアリルジメチルエトキシシラン及び19.6g(0.137モル)の例1で調製したポリスルファンを導入する。この反応器を16時間150℃にする。
冷却を行う。生成した硫黄を濾別して、27.5gの淡黄色液体が回収された。この液体は、例2の結果として得られた生成物のものと同じ構造を有していた。収率は95%だった。
例9
油浴及び電磁式撹拌機を備えた40ミリリットルのハステロイオートクレーブ中に自生圧力下で20.01gのアリルジメチルエトキシシラン(129.2ミリモル、1当量)及び18.16gの例1で調製したポリスルファン(132.2ミリモル、1.02当量)を導入する。これら2種の反応成分は不混和性だった。反応器を閉じ、次いで撹拌下に置き、150℃に16時間加熱する。
冷却を行い、25.65gの黄色オイルが得られた。その分析により、下記の単一の構造が確認された。単離収率は約90%で、純度は98%超だった。
例2〜9において得られたビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィド生成物は、次の一般式を示した。
Figure 2010509291
この単一の構造は、次のNMR分析によって確認された。
1H−NMR分析
Figure 2010509291
13C−NMR分析
Figure 2010509291
Figure 2010509291
硫黄含有単位の分布(13C−NMRスペクトルの研究)
Figure 2010509291
例10
電磁式撹拌機、温度プローブ、油浴及び還流冷却管を備えた25ミリリットルの乾いた三つ口フラスコ中にアルゴン下で1.681gのアリルジメチルエトキシシラン(11.67ミリモル、1当量)及び2.40gのO,O’−ジエチルジチオホスフェート(11.70ミリモル、1当量)を導入する。僅かに黄色の半透明混合物を60℃に3時間加熱する。3.65gのオイルが得られ、そのNMR及びIR分析により、下記の誘導体だけの生成が確認された。単離収率は約90%だった。純度は98%超だった。
Figure 2010509291
例11
電磁式撹拌機及び油浴を備えた40ミリリットルのハステロイオートクレーブ中に自生圧力下で3.01gのメタリルジメチルエトキシシラン(17.53ミリモル、1当量)及び2.37gの例1で調製したポリスルファン(18.23ミリモル、1.04当量)を導入する。これら2種の物質は不混和性だった。撹拌しながら150℃に20時間加熱する。
周囲温度まで冷却する。反応器を開いた際に、硫黄粒子を濡らす不安定なオレンジ色の液体が存在するのが見出された。濾過を行い、3.038gの重量が得られた(収率78%)。NMR分析により、生成した物質が下記の構造を有することが示され、モル純度は97%超だった。
Figure 2010509291
例12
Cl3Si−CH2−CH−(CH3)−Sx−(CH3)−CH−CH2−SiCl3の合成
電磁式撹拌機及び油浴を備えた40ミリリットルのハステロイ反応器中にアルゴン雰囲気下で自生圧力下で以下のものを導入する:
・1.0gのトリクロロアリルシラン(5.41ミリモル)及び
・0.78gの一般式HSyH(yの平均数5〜6)のポリスルファン(5.41ミルモル)。
これら2種の液体は不混和性だった。反応器を閉じ、21時間110℃にする。
冷却を行い、次いで反応器を開く。反応器は硫黄が混じった液体を含んでいた。濾過を実施し、黄色オイルが得られた。
1H及び13C−NMR分析により、次の構造の物質が86%の単離モル収率で生成したことが確認された。
Cl3Si−CH2−CH−(CH3)−Sx−(CH3)−CH−CH2−SiCl3
(xの平均数3〜5)
例13
(C25O)3Si−CH2−CH−(CH3)−Sx−(CH3)−CH−CH2−Si(OC25)3の合成
電磁式撹拌機及び油浴を備えた40ミリリットルのハステロイ反応器中にアルゴン雰囲気下で自生圧力下で以下のものを導入する:
・1.36gのトリエトキシアリルシラン(6.47ミリモル)及び
・0.853gの一般式HSyH(yの平均数5〜6)のポリスルファン(6.85ミルモル)。
これら2種の液体は不混和性だった。反応器を閉じ、16時間150℃にする。
冷却を行い、次いで反応器を開く。反応器は硫黄が混じった液体を含んでいた。濾過を実施し、黄色オイルが得られた(945mg)。
1H及び13C−NMR分析により、次の構造の物質が64%の単離モル収率で生成したことが確認された。
(EtO)3Si−CH2−CH−(CH3)−Sx−(CH3)−CH−CH2−Si(OEt)3(xの平均数3〜5).
γ位における付加(例14)
例14
電磁式撹拌機及び油浴を備えた40ミリリットルのハステロイオートクレーブ中に自生圧力下で1.50gのジメチルエトキシイソプレニルシラン(8.72ミリモル、1当量)及び1.16gの例1で調製したポリスルファン(8.92ミリモル、1.02当量)を導入する。これら2種の物質は不混和性だった。加熱しながら150℃に20時間加熱する。
周囲温度まで冷却する。反応器を開いた際に、1.68gの重量の茶色オイル(収率81%)が存在するのが見出された。NMR分析により、下記の物質だけの存在が確認された。
Figure 2010509291
例15
例9で得られたビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィドの、水−アセトニトリル混合物中での酸触媒作用による加水分解
Figure 2010509291
100ミリリットルの一口フラスコに、2g(0.0046モル、1モル当量)の例9で得られたビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィド及び次いで20ミリリットルのCH3CN(不混和性油性相)を装填する。次いで2M水性酢酸(前記混合物とは不混和性)14ミリリットル(0.028モル、6当量)を周囲温度において素早く導入する。
周囲温度において30分間撹拌を実施する。この反応物を40ミリリットルのジエチルエーテルで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、真空下で濾過し、次いで回転式蒸発器を用いて蒸発乾固させる。黄色オイルがほぼ90%の収率で得られた。そのNMR分析により、次のモル組成が示された。
Figure 2010509291
Figure 2010509291
環化生成物2モル%。
例16
例9で得られたビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィドの純水中での加水分解
Figure 2010509291
100ミリリットルの一口フラスコ中に、例9で得られた1g(0.0023モル、1モル当量)のビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィド及び次いで25ミリリットルのH2O(不混和性)を装填する。
この反応物を周囲温度において24時間撹拌する。最終物質を次いで60ミリリットルのジエチルエーテルで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、真空下で濾過し、次いで回転式蒸発器を用いて蒸発乾固させる。黄色オイルが95%超の流率で得られた。そのNMR分析により次のモル組成が示された。
Figure 2010509291
Figure 2010509291
例17
温度プローブ及び機械式撹拌機を備え、窒素で不活性にした1リットルのジャケット付き反応器中に、35gのMg削り屑(1.53当量)、198.5gの無水ジブチルエーテル及び70mgのヨウ素を導入する。Mgを130℃において活性化させる。反応物の色がなくなったら、140gのジエトキシジメチルシランを依然として130℃において導入する。次いで、88gの塩化アリル(1.22当量)を212gの無水ジブチルエーテル中に希釈したものを静かに注ぐ(約5.5時間の期間)。この反応媒体を130℃に16時間保つ;95%超の転化度が得られた。この反応物を次いで減圧(最小圧力350ミリバール)下で60cm充填カラムを用いて戻り及び還流比1/10で蒸留する。蒸留後に、アリルジメチルエトキシシランの単離収率は79%であり、ビスアリルジメチルシランの生成はなかった。
例18
1リットルの反応器中に500ミリリットルの37%HCl及び151gの水を導入する。次いで0℃の全体温度を保ちながら100.20gのNa24(575.2ミリモル)を添加する。Na24を流し込み終えた後に、次いで温度を約0℃に1時間保つ。この混合物を次いで周囲温度に戻す。沈降分離によって39gの黄色オイル(下相)が回収され、その分析は、x=1/2/3/4/5/6のモル分布が4/2/26/12/29/27(%)であるHSxHタイプの構造を示した(1H−NMRによる測定)。この構造は、ラマン分析によっても確認された。
例19
β位における付加
不活性にした100ミリリットルの反応器中に例17で調製したアリルジメチルエトキシシラン(22.5g)を導入する。この反応媒体の温度を60℃にし、次いで撹拌しながら例18で調製したポリスルファン(23.8g)をゆっくり添加する(全体温度は80℃を超えてはならない)。この反応媒体を20℃の温度において20時間撹拌し続ける。反応の終わりに、固体を濾別する。濾液をn−ヘプタン(48g)で希釈する。次いで有機相を緩衝液(Na2CO3/NaHCO3)で3回洗浄する。溶剤を部分真空下での蒸発によって有機相から除去する。最後に最終生成物を濾過して不溶性物質を除去する。下記の誘導体か得られた(62g)。この誘導体は、4〜5の平均数xを示した。1H−NMR及びラマン分析で、この分子構造が確認された。
Figure 2010509291
例20
この例は、補強用フィラーとしてシリカを含む工業用ゴム組成物中のカップリング剤としての、本発明に従うアルコキシシランポリスルフィド[この場合には例9で得られたビス(モノエトキシジメチルシラン)ポリスルフィド{即ちビス(モノエトキシジメチルシリルイソプロピル)テトラスルフィド(MESiPrT)}]の使用及び挙動を例示する。
1.エラストマー組成物の構成
ブラベンダータイプの密閉式ミキサー中で、下記の第1表に示した構成(成分含有率は重量部で表わされる)の組成物を調製する。
Figure 2010509291
(1)Lanxess社より販売されているBuna VSL5025-1タイプの溶液状のスチレン−ブタジエンコポリマー{50%(±4%)のビニル単位、25%(±2%)のスチレン単位、約−20℃のTg、SBR100部当たり37.5重量%(±2.8%)のオイルで希釈}
(2)Rhodia社より販売されている沈降シリカZ1165MP
(3)Dow Corning社よりZ-6940の名称で販売されている式(C25O)3Si−(CH2)3−S4−(CH2)3−Si(OC25)3のビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドから成るシリカ/ゴムカップリング剤
(4)例9において調製された本発明に従うカップリング剤
(5)加硫活性剤
(6)N−1,3−ジメチルブチル−N−フェニル−p−フェニレンジアミン(Flexsysより販売されているSantoflex 6-PPD)
(7)ジフェニルグアニジン(Bayer社より販売されているVulkacit D)
(8)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(Lanxess社より販売されているRhenogran CBS-80)
(9)テトラベンジルチウラムジスルフィド(Flexsys社より販売されているPerkacit TBzTD)
(10)加硫剤
2.組成物の調製
各ゴム組成物の調製方法は、2つの連続段階で実施される。
第1の「非生産的」段階は、高温熱機械的作業(130〜160℃の範囲の最高温度まで)を可能にする。次の第2の「生産的」段階は110℃より低い温度における機械的作業であり、この段階によって加硫系の導入が可能になる。
第1段階は、混合装置、この場合にはブラベンダーブランドの密閉式ミキサー(70ミリリットルの容量)を用いて実施される。充填率は0.75である。出発温度及び回転子速度は、それぞれの場合において130〜160℃付近で混合物の温度低下が達成されるように設定する。これはここでは2回のパス(通過)に細分される。
これは、1回目のパスにおいてエラストマーを添加し、次いでシリカから成る補強用フィラー(分割導入)をカップリング剤及びステアリン酸と共に添加することを可能にする。このパスについては、時間は2〜10分である。
ブレンドを冷却(100℃より低い温度)した後に、2回目のパスが酸化亜鉛及び酸化防止剤6-PPDを添加することを可能にする。このパスについては、時間は2〜5分の範囲である。
ブレンドを冷却(100℃より低い温度)した後に、第2段階で加硫系(硫黄、DPG、CBS及びTBzTD)の導入が可能になる。これは予め50℃に加熱された開放型ミルを用いて実施される。この段階の時間は5〜10分の範囲である。
均質化後に、最終組成物を次いで厚さ2〜3mmのシートの形にカレンダー加工する。
未硬化状態のこれらの組成物について、レオロジー特性を測定する。これは特に加硫時間及び温度を最適化することを可能にする。
最適に加硫させた組成物の機械的及び動的特性を次いで測定する。
3.レオロジー特性
この測定は、未硬化状態の組成物について実施される。
DIN規格53529に従ってMonsanto 100 S ODRレオメーターを用いて160℃において実施したレオロジー試験に関する結果を、下記の第2表に与える。
この試験に従えば、160℃の温度に調節された試験チャンバー中に試験組成物を30分間入れ、試験チャンバー中に含まれた双円錐形回転子の低振幅振動(3°)に対する組成物の抵抗トルクを測定する。組成物はチャンバーを完全に充填する。
時間の関数としてのトルクの変化のカーブから、以下が決定される:
・最小トルク(Tm)(これはその温度における組成物の粘度を反映する)、
・最大トルク(TM)、
・Δトルク(ΔT=TM−Tm)(これは架橋系の作用及び必要ならばカップリング剤の作用によって引き起こされる架橋の度合いを反映する)、
・完全な加硫の90%に相当する加硫状態を得るために必要な時間T90(この時間は加硫の最適条件とされる)、
・スコーチ時間Ts2{これは検討温度(160℃)における最小トルクより2ポイント高くなるのに必要な時間に相当し、加硫を開始させることなくこの温度において未硬化ブレンドを加工することが可能な時間を反映する}。
Figure 2010509291
(*)最大架橋速度(時間の関数としてのトルクのカーブから誘導)
本発明に従うカップリング剤は、未硬化ブレンド(最小トルクが同じもの)の粘性を損なうことなく、参考用組成物と比較して対応する組成物の加硫速度(Rcross_max又はT90−Ts2)を改善することができるということがわかった。
本発明に従うカップリング剤を使用することにより、加工性を損なうことなく、最終的な硬化時間を節約することができる。
4.加硫させた組成物の機械的特性
この測定は、160℃の温度について最適に加硫させた組成物(t98)に対して実施される。
NF規格T46−002の指示に従い、H2タイプの試験片について、Instron 5564装置を用い、500mm/分の速度で、一軸引張試験を実施する。
x%モジュラスは、x%の引張歪みにおいて測定される応力に相当する。
破断エネルギー(これは、カーブの下の領域を表わし、ジュールで表わされる)を測定することができる。
加硫物のショアーA硬度の測定は、ASTM規格D2240の指示に従って実施される。与えられる値(ポイント)は15秒において測定したものである。
測定された特性を下記の第3表にまとめる。
Figure 2010509291
本発明に従うカップリング剤を含む組成物Iは、最終特性が劣化することなく且つ非常に満足できる硬度と共に、機械的特性の良好な折衷点を示す。
5.加硫させた組成物の動的特性
この測定は、160℃の温度について最適に加硫させた組成物(t98)に対して実施される。
動的特性は、ASTM規格D5992に従ってMetravib VA3000粘度分析器を用いて測定される。
5.1:
95mm2の断面積及び14mmの高さを有する円筒形試験片の形で提供された加硫させた試験片に対して、損失係数(tanδ)及び圧縮動的複素弾性率(E*)の値を記録する。各サンプルに最初に10%逆歪みを加え、次いで±2%の交互圧縮で正弦的な歪みを加える。60℃で10Hzの振動数で測定を実施する。
結果を第4表に示す。
Figure 2010509291
5.2:
8mm2の断面積及び7mmの高さを有する平行六面体形試験片の形で提供される加硫させた試験片に対して、損失係数(tanδ)及び動的剪断弾性率(ΔG')の振幅の値を記録する。各サンプルに二重交互正弦剪断歪みを40℃の温度及び10Hzの振動数で加える。0.1%から50%まで及び次いで50%から0.1%までの戻りの往復サイクルに従って歪み振幅掃引プロセスを実施する。
下記の第5表に示された結果は戻り歪み振幅掃引から得られたものであり、損失係数の最大値(tanδ最大戻り)及び0.1%歪みにおける値と50%歪みにおける値との間の弾性率の振幅(ΔG')に関する(Payne効果)。
Figure 2010509291
本発明に従うカップリング剤を含む組成物Iは、動的特性において非常に満足できる折衷点を示す。
実際、40℃及び60℃において、本発明に従うカップリング剤を含む組成物Iの損失係数(tanδ)の値(これは挙げられた試験条件下において歪みを加えた時に加硫物が吸収又は貯蓄するエネルギーを反映する)は参考用組成物Rのものと類似しており、動的応力のモードとは無関係であることがわかった。
また、本発明に従うカップリング剤を含む組成物Iについては、Payne効果に関連して40℃において非線形性の低下も見出された。
従って、組成物Iは参考用組成物Rと比較して劣化しないヒステリシス特性を示す。

Claims (28)

  1. 少なくとも1種のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの製造方法であって、
    イオン付加メカニズムに従って少なくとも1種の硫黄含有反応成分(Rs)と次式(I)の少なくとも1種のアルコキシ−及び/又はハロシランとを反応させることを本質的に含むことを特徴とする、前記方法。
    Figure 2010509291
    {ここで、
    記号R1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ次のもの:
    ・1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基;
    ・6〜18個の炭素原子を有するアリール基;
    ・アルコキシ基−OR2(ここで、R2は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基に相当する);
    ・アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基(C6〜C18アリール、C1〜C20アルキル);
    ・ヒドロキシル基;又は
    ・ハロゲン、好ましくは塩素:
    を表わし、
    これらの基R1の少なくとも1つは−OR2、−OH又はハロゲンを表わし、そしてさらに、これらの基R1はヒドロキシルでもハロゲンでもない場合には随意に少なくとも1個のハロゲン化基を有していてもよく、
    記号Yは一価の有機官能基を表わし、好ましくは少なくとも1個のエチレン性及び/又はアセチレン性不飽和を含む官能基R3から選択される一価の有機官能基、特に
    ・2〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状又は環状アルケニル基R3.1
    ・2〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキニル基R3.2、及び
    ・5〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状又は環状−(アルケニル−アルキニル)又は−(アルキニル−アルケニル)基R3.3
    から選択される一価の有機官能基を表わし、R3.1基であるのが好ましく、
    Yはさらに随意に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく且つ/又は1個以上の芳香族基を有していてもよい。}
  2. 基R1の少なくとも1個、好ましくは基R1の1個だけが−OR2であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. Yが次式(II):
    Figure 2010509291
    (ここで、
    記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
    記号R5はCH2又はCR67を表わし、ここで、記号R6及びR7は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし、メチルであるのが好ましく;
    記号nは1以上の整数、好ましくは1又は2に相当する)
    に相当することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. Yが次式(II.1):
    Figure 2010509291
    (ここで、
    記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
    記号R5はCH2又はCR67を表わし、ここで、記号R6及びR7は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし、メチルであるのが好ましい)
    に相当することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 4がHに相当し且つR5がCH2に相当すること、並びに(Rs)のイオン付加が前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のβ炭素上で行われることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 4がアルキル基、好ましくはメチル又はエチル基に相当し且つR5がCH2に相当すること、並びに(Rs)のイオン付加が前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のβ炭素上で行われることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
  7. 4がHに相当し且つR5がCR67に相当し、R6及びR7がそれぞれ−CH3を表わすこと、並びに(Rs)のイオン付加が前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(I)のγ炭素上で行われることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
  8. (Rs)がHSxH、O,O’−ジアルキル(好ましくはO,O’−ジエチル)ジチオホスフェート(HSPS)、M'2x(M'はアルカリ金属である)、xS、H−Sx及びそれらの混合物より成る群から選択され、ここで、記号xは、好ましくは1〜10の範囲、特に1〜5の範囲、特定的には1.5〜5の範囲の整数又は分数であり、これらの幅の境界は±0.2以内で与えられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. (Rs)がO,O’−ジアルキル(好ましくはO,O’−ジエチル)ジチオホスフェート(HSPS)又はHSHに相当すること、及び(I)と(Rs)との反応生成物を、Sx及び/又はX1S−SX2より成る群から選択される第2の硫黄含有反応成分(Rs2)と反応させること(ここで、X1及びX2はハロゲン、好ましくは塩素を表わし、記号xは好ましくは1〜10の範囲、特に1〜5の範囲、特定的には1.5〜5の範囲の整数又は分数であり、これらの幅の境界は±0.2以内で与えられ、この第2の硫化は有利には塩基性媒体中で実施される)を特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. (I)/(Rs)のモル比が5〜0.1の範囲、好ましくは3〜0.5の範囲、より一層好ましくは2〜0.7の範囲であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記イオン付加を、不活性雰囲気下において且つ/又は溶剤、好ましくは非反応性炭化水素溶剤、特にカルボニル又はヒドロキシル官能基を持たない芳香族炭化水素から選択される溶剤の存在下で、実施することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記アルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィドの−OR2に相当する基R1の少なくとも1個をヒドロキシルに転化させることができる少なくとも1回の加水分解工程を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 式(III)のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィド。
    Figure 2010509291
    {ここで、
    記号R1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ次のもの:
    ・1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基;
    ・6〜18個の炭素原子を有するアリール基;
    ・アルコキシ基−OR2(ここで、R2は1〜8個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基に相当する);
    ・アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基(C6〜C18アリール、C1〜C20アルキル);
    ・ヒドロキシル基;又は
    ・ハロゲン、好ましくは塩素;
    を表わし、
    これらの基R1はヒドロキシルでもハロゲンでもない場合には随意に少なくとも1個のハロゲン化基を有していてもよく、
    記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
    記号R6、R7及びR8は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
    記号nは1以上の整数、好ましくは1又は2に相当し;
    記号xは好ましくは1〜10の範囲、より一層好ましくは1〜5の範囲、特に1.5〜5の範囲、特定的には2〜5の範囲、例えば3〜5の範囲(これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数である。}
  14. 式(III.1)のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィド。
    Figure 2010509291
    {ここで、
    記号R1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ次のもの:
    ・1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基;
    ・6〜18個の炭素原子を有するアリール基;
    ・アルコキシ基−OR2(ここで、R2は1〜8個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基又は6〜18個の炭素原子を有するアリール基に相当する);
    ・アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基(C6〜C18アリール、C1〜C20アルキル);
    ・ヒドロキシル基;又は
    ・ハロゲン、好ましくは塩素:
    を表わし、
    これらの基R1はヒドロキシルでもハロゲンでもない場合には随意に少なくとも1個のハロゲン化基を有していてもよく、
    記号R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
    記号R6、R7及びR8は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素又は1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルキル基及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状若しくは環状アルコキシアルキル基から選択される一価炭化水素基を表わし;
    記号xは好ましくは1〜10の範囲、より一層好ましくは1〜5の範囲、特に1.5〜5の範囲、特定的には2〜5の範囲、例えば3〜5の範囲(これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数である。}
  15. 2個の末端ケイ素の内の少なくとも一方のR1置換基の内の2個がアルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、CH3O−CH2−若しくはCH3O−CH(CH3)CH2−基、又はアリール基、例えばフェニル基であり、これらの2個のR1置換基は好ましくはメチルであり;第3のR1置換基がアルコキシ−OR2、好ましくはR2がメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、CH3O−CH2−又はCH3O−CH(CH3)CH2−に相当するアルコキシ−OR2である、請求項13に記載の式(III)又は請求項14に記載の式(III.1)のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィド。
  16. 式(III.2)に相当する、請求項13〜15のいずれかに記載のアルコキシ−及び/又はハロシラン(ポリ)スルフィド。
    Figure 2010509291
    {ここで、記号R1.1、R1.2及びR1.3は互いに同一であっても異なっていてもよく、R1について与えた定義の内の1つに相当し;R1.1及びR1.3は好ましくはアルキル、特にメチル又はエチルに相当し且つR1.2は好ましくはアルコキシ、特にメトキシ又はエトキシに相当する。}
  17. 次式:
    Figure 2010509291
    {ここで、記号xは1.5〜5の範囲、特に2〜5の範囲、特定的には3〜5の範囲(これらの幅の境界は±0.2以内で与えられる)の整数又は分数である}
    を示し、好ましくはビス(モノエトキシジメチルシリルイソプロピル)テトラスルフィドである、請求項16に記載の化合物。
  18. 少なくとも1種のエラストマー、特にジエンエラストマーと補強用フィラーとしての白色フィラーとを含み、例えばエラストマー製、特にジエンエラストマー製の物品の製造用に予定されるエラストマー組成物中の白色フィラー−エラストマーカップリング剤としての、請求項13〜17のいずれかに記載の式(III)、(III.1)又は(III.2)の少なくとも1種の化合物の使用。
  19. 少なくとも1種のエラストマー、特にジエンエラストマーと補強用フィラーとしての白色フィラーとを含み、例えばエラストマー製、特にジエンエラストマー製の物品の製造用に予定されるエラストマー組成物中の白色フィラー−エラストマーカップリング剤としての、請求項13〜17のいずれかに記載の式(III)、(III.1)又は(III.2)のプロピレン結合用単位を有する少なくとも1種のシランポリスルフィドの使用。
  20. 補強用白色フィラー及びカップリング剤としての請求項13〜17のいずれかに記載の式(III)、(III.1)又は好ましくは(III.2)の少なくとも1種の化合物を含むエラストマー組成物、特にジエンエラストマー組成物。
  21. 補強用白色フィラー及びカップリング剤としての請求項13〜17のいずれかに記載の式(III)、(III.1)又は好ましくは(III.2)の少なくとも1種のアルコキシシランポリスルフィドを含むエラストマー組成物、特にジエンエラストマー組成物。
  22. ジエンエラストマー100部当たり
    ・10〜200部の補強用白色フィラー、及び
    ・1〜20部のカップリング剤
    を含む(部は重量によって与えられる)ことを特徴とする、請求項20又は21に記載の組成物。
  23. ジエンエラストマー100部当たり0.75部未満、特に0.5部未満の亜鉛を含むことを特徴とする、請求項20〜22のいずれかに記載の組成物。
  24. 前記補強用白色フィラーがシリカ、アルミナ又はこれら2種の混合物から成ることを特徴とする、請求項20〜23のいずれかに記載の組成物。
  25. 前記補強用白色フィラーが沈降シリカであることを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の組成物。
  26. 請求項20〜25のいずれかに記載の組成物の製造方法であって、
    1段階又は2段階で、加硫剤並びに随意としての加硫促進剤及び/又は加硫活性剤を除くすべての必要成分を慣用の密閉式ミキサー中に導入して混練し、その際、操作を80〜200℃の範囲の温度において実施し;
    こうして得られたブレンドを次いで外部ミキサー上に取り出し、次いでこれに加硫剤並びに随意としての加硫促進剤及び/又は加硫活性剤を添加し、その際、操作をより低い温度、特に120℃より低い温度において実施する:
    ことを特徴とする、前記方法。
  27. 請求項20〜25のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする、エラストマー製物品。
  28. 履き物ソール、タイヤ、コンベアーベルト、動力伝達ベルト、撓みパイプ、膨張ジョイント、家庭用電気器具用シール、エンジン支持台、ケーブル、ケーブルシース又は空中ケーブルローラーより成る群から選択される、請求項27に記載の物品。
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