JP2010507180A - 不揮発性記憶素子における部分的な消去と消去の検証 - Google Patents

不揮発性記憶素子における部分的な消去と消去の検証 Download PDF

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Abstract

メモリセルの集合を、この集合の諸部分を個々に消去することによって消去し、これで、各メモリセルの消去特性を正規化し、また、より一致した消去速度とすることが可能である。セルの第1のグループを消去されるようにバイアスし、第2のグループを消去抑止するようにバイアスした状態で、消去電圧パルスをこのメモリセルの集合に印加することが可能である。次に、第2のグループを消去されるようにバイアスし、第1のグループを消去抑止するようにバイアスした状態で、第2の消去電圧パルスを印加することが可能である。これらのグループは、第1のパルスの間では第1の部分集合中のセルに対する消去電位がほぼ等しくなるように、また、第2のパルスの間では第2の部分集合中のセルに対する消去電位がほぼ等しくなるように、さらに、第1の部分集合のセルに対する消去電位が、第2の部分集合のセルに対する消去電位とほぼ同じになるように選ばれる。一つの実施形態では、個々の消去のそれぞれの間のストリングに対するバイアス条件が、集合のすべてのメモリセルが、隣接するトランジスタから同様の静電結合を受けるように選択される。

Description

本発明は、半導体技術に関する。特に、不揮発性メモリデバイスを消去する技術に関する。
半導体メモリデバイスは、さまざまな電子装置内で、ますます多く使用されるようになっている。例えば、不揮発性半導体メモリは、携帯電話、デジタルカメラ、パーソナルデジタルアシスタント、モバイルコンピューティング装置、非モバイルコンピューティング装置、およびその他の装置の中で使用されている。フラッシュEEPROM、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)を含め、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)は、特に普及している不揮発性半導体メモリである。
フラッシュメモリシステムの一例では、NAND型の構造を使用する。NAND型フラッシュメモリ構造では、2つの選択ゲートの間に複数のトランジスタが直列に配置されている。直列のトランジスタと選択ゲートは、NANDストリングと呼ばれる。図1は、1つのNANDストリングを示す上面図である。図2は、その等価回路である。図1および図2に示すNANDストリングは、直列の4つのトランジスタ100、102、104、106を備え、第1の選択ゲート120と第2の選択ゲート122との間に挟まれている。選択ゲート120は、NANDストリングをビット線126に接続する。選択ゲート122は、NANDストリングをソース線128に接続する。選択ゲート120は、選択線SGDを介して制御ゲート120CGに適切な電圧を印加することによって制御される。選択ゲート122は、選択線SGSを介して制御ゲート122CGに適切な電圧を印加することによって制御される。トランジスタ100、102、104、106のそれぞれは、メモリセルのゲート素子に形成されている制御ゲートと浮遊ゲートを含んでいる。例えば、トランジスタ100は、制御ゲート100CGと浮遊ゲート100FGを有する。トランジスタ102は、制御ゲート102CGと浮遊ゲート102FGとを有する。トランジスタ104は、制御ゲート104CGと浮遊ゲート104FGを有する。トランジスタ106は、制御ゲート106CGと浮遊ゲート106FGを有する。制御ゲート100CGは、ワード線WL3に接続されている。制御ゲート102CGは、ワード線WL2に接続されている。制御ゲート104CGは、ワード線WL1に接続されている。制御ゲート106CGは、ワード線WL0に接続されている。
図1および図2では、NANDストリング内に4つのメモリセルを示しているが、4つのトランジスタの使用する構成は、一例であることに留意されたい。NANDストリングは、4つ未満のメモリセルを有していてもよく、又は、4つを超えるメモリセルを有していてもよい。例えば、一部のNANDストリングは、8つのメモリセル、16のメモリセル、32のメモリセルなどを含むことができる。本明細書における説明では、NANDストリング内のメモリセルの数は、いかなる特定の数にも限定されない。
NAND構造を用いたフラッシュメモリシステムの一般的なアーキテクチャは、いくつかのNANDストリングを含んでいる。例えば、図3は、メモリアレイに含まれる多数のNANDストリングのうちの3つのNANDストリング202、204、206を示している。図3の各NANDストリングは、2つの選択トランジスタまたはゲートと4つのメモリセルを含んでいる。例えば、NANDストリング202は、選択トランジスタ220及び230、並びにメモリセル222、224、226及び228を含んでいる。NANDストリング204は、選択トランジスタ240及び250、並びにメモリセル242、244、246及び248を含んでいる。各ストリングは、一つの選択ゲート(例えば選択ゲート230と選択ゲート250)によってソース線に接続されている。選択線SGSは、ソース側選択ゲートを制御するために用いられる。さまざまなNANDストリングが、選択線SGDによって制御されている選択ゲート220、240などによってそれぞれのビット線に接続されている。他の実施形態では、選択線は、必ずしも共有である必要はない。ワード線WL3は、メモリセル222と242の制御ゲートに接続されている。ワード線WL2は、メモリセル224とメモリセル244の制御ゲートに接続されている。ワード線WL1は、メモリセル226とメモリセル246の制御ゲートに接続されている。ワード線WL0は、メモリセル228とメモリセル248の制御ゲートに接続されている。図示されるように、ビット線とそれぞれのNANDストリングが、メモリセルのアレイを含む列を構成している。ワード線(WL3、WL2、WL1およびWL0)は、アレイの行を備えている。各ワード線は、行における各メモリセルの制御ゲートを接続する。例えば、ワード線WL2は、メモリセル224、244および252の制御ゲートに接続されている。
各メモリセルは、データ(アナログデータまたはデジタルデータ)を記憶することが可能である。1ビットのデジタルデータを記憶する場合には、このメモリセルの可能な閾値電圧の範囲は2つの範囲に分割され、これらの範囲に論理データ「1」と「0」が割り当てられる。NANDタイプのフラッシュメモリの一例では、この閾値電圧は、メモリセルが消去された後では負の値となり、論理「1」と定義される。プログラム操作後の閾値電圧は、正の値となり、論理「0」と定義される。閾値電圧が負の状態で制御ゲートに0ボルトを印加することによって読み出しが試みられた場合、メモリセルはオンとなり、論理「1」が記憶されていることを示す。閾値電圧が正の状態で制御ゲートに0ボルトを印加することによって読み出しが試みられた場合、メモリセルはオンにならず、論理「0」が記憶されていることを示す。メモリセルはまた、複数のレベルの情報、例えば、デジタルデータの複数のビットを記憶することが可能である。複数のレベルのデータを記憶する場合、可能な閾値電圧の範囲は、このデータのレベルの数に分割される。例えば、4つのレベルの情報を記憶する場合、4つの閾値電圧範囲が存在し、これらがデータ値「11」、「10」、「01」、「00」に割り当てられる。NANDタイプのメモリの一例では、消去動作の後の閾値電圧は負の値となり、論理「11」と定義される。3つの異なる正の閾値電圧は「10」、「01」、「00」という状態に対して用いられる。
NANDタイプのフラッシュメモリおよびそれらの動作に関連する例は、以下の米国出願/特許出願に記載されている。米国特許第5,570,315号、米国特許第5,774,397号、米国特許第6,046,935号、米国特許第6,456,528号、米国特許出願09/893,277号(公報第US2003/0002348号)。これらの引用文献は、その全体を参照することにより本明細書に援用される。
フラッシュメモリセルをプログラミングするとき、プログラム電圧を(選択されたワード線を介して)制御ゲートに印加して、ビット線を接地する。pウェルからの電子は浮遊ゲートに注入される。電子が浮遊ゲートに蓄積されると、浮遊ゲートは負に帯電し、セルの閾値電圧が上昇する。フローティングゲートの電荷及びセルの閾値電圧は、記憶されたデータに対応するある特定の状態を示すことがある。
NAND型フラッシュメモリのメモリセルを消去するためには、各メモリセルの浮遊ゲートから電子をウェルと基板に移行させる。一般的には、所定の電圧(例えば約16〜20V)の消去パルスを1つ以上ウェル領域に印加して、各メモリセルの浮遊ゲートから電子をウェル領域に引きつける。各メモリセルのワード線は接地され、または0Vの電圧が印加されて、トンネル酸化物領域の両端に高い電位差を発生させて、電子を引きつける。NANDストリングの各メモリセルが消去電圧パルスを印加しても消去されなければ、各メモリセルが消去されるまで、このパルスの大きさを増加してこのNANDストリングに再度印加すればよい。この消去電圧をパルスごとに増加させる値は、一般的に、消去電圧のステップサイズと呼ばれる。
従来技術を用いる一般的な消去動作では、NANDストリングのメモリセル間で消去速度に違いが発生しかねない。消去状態に達するための目標とされる閾値電圧に到達する時間が、一部のメモリセルでは、他のメモリセルより早くなったり遅くなったりする。このため、より早く消去されるメモリセルが過剰消去されかねないが、それは、これらのセルが、同じNANDストリングの遅速のメモリセルを十分に消去するために印加される消去電圧を長く印加されるからである。このため、消去速度がこのように異なると、メモリセル、またはNANDストリングのサイクル寿命が短くなりかねない。一般的な消去動作においてもまた、NANDストリングのメモリセルの閾値電圧がばらばらになりかねない。すなわち、NANDストリングの1つ以上のメモリセルは、1つ以上の消去電圧パルスを印加された後に、同じストリングまたはデバイスの他のメモリセルとは異なる閾値電圧を有することがある。この影響を克服するために、一般にソフトプログラミングと呼ばれる技術を用いて、消去後の1つ以上のメモリセルの閾値電圧を調整している。ソフトプログラミングは、実際のプログラミングで用いられるより低い比較的低電圧のプログラム電圧が1つ以上のメモリセルに印加されることを含んでいる。一般的に、ソフトプログラミングでは、プログラム電圧が、このプログラム電圧のパルスを印加するごとにステップサイズだけ大きさが増す一連のパルスとして、印加される。ソフトプログラミングによって、メモリセルの閾値電圧が上昇し、これによって、消去されるメモリセルの母集団の閾値電圧分布が狭くなるおよび/または上昇する。しかしながら、ソフトプログラミングをすると、プログラム時間と消去時間が長くなる。
加えて、従来式のソフトプログラミングでは、異なるメモリセル同士間の特性がばらばらになるという上記の影響を部分的に受けかねない。消去速度が遅いメモリセルは、ソフトプログラム速度も遅いことになる。このようなソフトプログラミング速度の遅いセルは、ソフトプログラミング終了時の消去閾値電圧が、同じNANDストリングの他のセルより低くなりかねない。
本明細書に記載する技術は、メモリセルが異なっても消去閾値電圧がより一致するように不揮発性メモリデバイスを消去する技術に関する。一つの実施形態によれば、メモリの選ばれた部分を、この選ばれた部分内のメモリセルの部分集合を個別に消去することによって消去し、これによって消去動作をより一致したものとさせるシステムが提供される。
一つの実施形態によれば、不揮発性記憶素子のうちの第1の部分集合を消去可能とし、不揮発性記憶素子のうちの第2の部分集合の消去を抑止した状態で、消去電圧を不揮発性記憶素子の集合に印加する工程と、第2の部分集合を消去可能とし、第1の部分集合の消去を抑止した状態で、この消去電圧を不揮発性記憶素子の集合に印加する工程と、第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加することおよび/または、不揮発性記憶素子の集合が消去されたと検証されない場合に、第2の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加することを繰り返す工程を備える、不揮発性記憶素子の消去方法が提供される。
一つの実施形態によれば、消去するように指定された不揮発性記憶素子のストリングを含んでいる消去要求を受信することを含んでいる不揮発性記憶素子の消去方法が提供される。このストリングには、このストリングの不揮発性記憶素子を形成する複数のトランジスタと、このストリングの第1および第2の選択ゲートが含まれることがある。このストリングは、この要求に応答して、このストリングに対して第1の消去電圧パルスを印加して、不揮発性記憶素子のストリングの第1の部分集合を消去することによって消去される。この第1の消去電圧パルスを印加することには、第1の部分集合内の各不揮発性記憶素子に第1の電圧条件を実施し、この第1の部分集合内の各不揮発性記憶素子に隣接する第1のトランジスタにこの第1の電圧状態を実施し、第2の部分集合内の各不揮発性記憶素子に隣接する第2のトランジスタに第2の電圧状態を実施する。この要求に応答してこのストリングを消去する際には、さらに、この不揮発性記憶素子集合の第2の部分集合を、このストリングに第2の消去電圧パルスを印加することによって消去することを含む。この第2の消去電圧パルスを印加する際には、第2の部分集合内の各不揮発性記憶素子に第1の電圧状態を実施し、この第2の部分集合内の各不揮発性記憶素子に隣接する第1のトランジスタにこの第1の電圧状態を実施し、第2の部分集合内の各不揮発性記憶素子に隣接する第2のトランジスタに第2の電圧状態を実施する。
一つの実施形態では、不揮発性記憶素子の集合と、この不揮発性記憶素子の集合と連通している管理回路を備えている不揮発性メモリシステムが提供される。この管理回路は、この不揮発性記憶素子の集合を消去する要求を受信し、この要求に応答して、この記憶素子の集合に1つ以上の第1の消去電圧パルスを印加して、第1の部分集合の消去を可能とし、第2の部分集合の消去を抑止し、また、この不揮発性記憶素子の集合に第1の消去電圧パルスを1つ以上印加して、第2の部分集合の消去を可能とし、第1の部分集合の消去を抑止することによって、この不揮発性記憶素子の集合を消去する。
一つの実施形態では、不揮発性ストレージのストリングと、このストリングと連通している管理回路を備えている不揮発性メモリシステムが提供される。このストリングは、複数の不揮発性記憶素子を形成する複数のトランジスタと、このストリングの第1および第2の選択ゲートとを含んでいる。このストリングの不揮発性記憶素子は、不揮発性記憶素子の第1の部分集合と不揮発性記憶素子の第2の部分集合を含んでいる。この管理回路は、消去するように指定された前記ストリングを記載した消去要求を受信し、この要求に応答して、この第1の部分集合とこの第2の部分集合を個別に消去することによってこのストリングを消去する。この管理回路は、この不揮発性記憶素子の集合に第1の消去電圧パルスを印加することによって第1の部分集合を消去する場合には、第1の部分集合内の各不揮発性記憶素子に第1の電圧状態を実施し、この第1の部分集合内の1つ以上の不揮発性記憶素子に隣接するストリングの各トランジスタに第2の電圧状態を実施する。この管理回路は、この不揮発性記憶素子の集合に第2の消去電圧パルスを印加することによって第2の部分集合を消去する際には、第2の部分集合内の各不揮発性記憶素子に第1の電圧状態を実施し、第2の部分集合内の不揮発性記憶素子に隣接するストリングの各トランジスタに第2の電圧状態を実施する。
例示した実施例には、複数の不揮発性記憶素子と、これら不揮発性記憶素子と連通している制御線の集合(例えば、ワード線、ビット線または他の制御線)と、本明細書に記載したプロセスを実行する管理回路を含むものがある。
本明細書に開示する技術の他の特徴、態様および目的は、本明細書、図面および請求の範囲を詳細に読むことにより理解可能となる。
NANDストリングの上面図である。 図1に示すNANDストリングの等価回路図である。 3つのNANDストリングを示す回路図である。 一つの実施形態のさまざまな態様を実現可能な不揮発性メモリシステムの一つの実施形態のブロック図である。 メモリアレイの例示の編成を示す。 実施形態による選択されたワード線に印加することが可能な例示のプログラム電圧信号/検証電圧信号を示す。 プログラム動作を実行する例示のフローチャートである。 メモリセルのグループの例示の閾値電圧分布を示す。 2ビットのデータを記憶するメモリセルのグループの例示の閾値電圧分布を示す。 従来技術による消去動作を実行する例示のバイアス条件を示す表である。 理想的な消去動作中でのNANDストリングのさまざまな部分における電圧を示すグラフである。 NANDストリング内のさまざまな静電結合電圧を示すNANDストリングの断面図である。 消去動作中でのNANDストリングの末端メモリセルのさまざまな電圧を示すグラフである。 消去動作完了後のNANDストリングの末端メモリセルと内部メモリセルとのそれぞれの例示の閾値電圧分布を示す。 消去動作完了後のNANDストリングの末端メモリセルと内部メモリセルとのそれぞれの例示の閾値電圧分布を示す。 一つの実施形態による不揮発性記憶素子の集合の消去と消去の検証とに対するバイアス条件を示す表である。 一つの実施形態による消去動作中でのNANDストリングのさまざまな部分での電圧信号とそれに起因する電位とを示す。 一つの実施形態による不揮発性記憶素子の集合を消去するフローチャートである。 一つの実施形態による消去動作中でのメモリセルのさまざまな閾値電圧分布を示す。 一つの実施形態による消去動作中でのメモリセルのさまざまな閾値電圧分布を示す。 一つの実施形態による消去動作中でのメモリセルのさまざまな閾値電圧分布を示す。 一つの実施形態による消去動作中でのメモリセルのさまざまな閾値電圧分布を示す。 部分集合別の検証法を利用した一つの実施形態による不揮発性記憶素子の集合の消去と消去の検証とに対するバイアス条件を示す表である。 一つの実施形態による不揮発性記憶素子の集合を消去するフローチャートである。 一つの実施形態による不揮発性記憶素子の集合の消去と消去の検証とに対するバイアス条件を示す表である。 さまざまな実施形態による消去電圧信号を示すグラフである。 さまざまな実施形態による消去電圧信号を示すグラフである。
図4は、本明細書に記載される1つ以上の実施形態を実施するために使用できるフラッシュメモリシステムの1つの実施形態のブロック図である。他のシステムや実施形態も使用することができる。メモリセルアレイ302は、列制御回路304と、行制御回路306と、共通ソース制御回路310とpウェル領域制御回路308によって制御される。列制御回路304は、メモリセル内に記憶されたデータを読み出すために、およびプログラム動作中のメモリセルの状態を判定するために、およびビット線の電位レベルを制御してプログラミングや消去を促進又は抑止するために、メモリセルアレイ302のビット線に接続されている。行制御回路306は、ワード線のうちのいずれかを選択するために、および読み出し電圧を印加するために、およびプログラム電圧を印加するために、ワード線に接続されている。行制御回路306はワード線に接続されて、ワード線のうちの1つを選択し、読み出し電圧を印加し、列制御回路304によって制御されるビット線の電位レベルと合成されたプログラム電圧を印加し、消去電圧を印加する。共通ソース制御回路310は、メモリセルに接続された共通ソース線(図4に「共通ソース」として示す)を制御する。pウェル制御回路308は、pウェル電圧を制御する。
メモリセル内に記憶されたデータは、列制御回路304によって読み出され、データ入力/出力バッファ312を経由して、外部I/O線に出力される。メモリセル内に記憶されるプログラムデータは、外部I/O線を経由してデータ入力/出力バッファ312に入力され、列制御回路304に転送される。外部I/O線は、コントローラ318に接続される。
フラッシュメモリデバイスを制御するためのコマンドデータは、コントローラ318に入力される。コマンドデータは、どのような動作が要求されているのかをフラッシュメモリに通知する。入力コマンドは、制御回路315の一部である状態マシン316に転送される。状態マシン316は、列制御回路304と、行制御回路306と、共通ソース制御310と、pウェル制御回路308と、データ入力/出力バッファ312とを制御する。状態マシン316は、さらに、レディ/ビジーや、パス/フェイルなどの、フラッシュメモリのステータスデータを出力してもよい。
コントローラ318は、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、パーソナルデジタルアシスタントなどのホストシステムに接続されている、又は、接続可能である。コントローラ318は、ホストと通信する。ホストは、メモリアレイ302に又はメモリアレイ302からデータを記憶又は読み出す、およびそのようなデータを供給又は受信するといったコマンドを起動する。コントローラ318は、そのようなコマンドを、制御回路318の一部であるコマンド回路314が解読して実行可能なコマンド信号に変換する。コマンド回路314は、状態マシン316と通信する。コントローラ318は、通常、メモリアレイに書き込まれる、又はメモリアレイから読み出されるユーザデータのためのバッファメモリを有している。
いくつかの実施形態では、図4の構成要素のうちのあるものは、統合することが可能である。さまざまな設計で、図4の構成要素のうちで、メモリセルアレイ302以外の1つ以上の構成要素が(単独、又は統合において)、管理回路と考えることが可能である。たとえば、1つの管理回路は、制御回路315、コマンド回路314、状態マシン316、列制御回路304、行制御回路306、pウェル制御回路308、共通ソース制御回路310、データ入/出力回路312および制御回路318のうちのどれか1つまたはこれらを統合したものを含むことができる。
一例のメモリシステムは、コントローラ318を含む1つの集積回路と、1つ以上の集積回路チップ(それぞれがメモリアレイと、関連する制御、入力/出力、および状態マシン回路とを含む)を備える。メモリアレイとシステムのコントローラ回路は、1つ以上の集積回路チップ上に一緒に統合される傾向がある。メモリシステムは、ホストシステムの一部として組み込まれていてもよく、又は、ホストシステムに着脱可能に挿入されるメモリカード(又はその他のパッケージ)内に含まれていてもよい。そのような着脱可能なカードは、メモリシステム全体(例えば、コントローラを含む)を含んでいてもよく、又は、関連する周辺回路を伴ったメモリアレイのみを含んでいてもよい(コントローラ又は制御機能はホスト内に組み込まれる)。このように、コントローラは、ホスト内に組み込まれることも、又は着脱可能なメモリシステム内に含まれることも可能である。
図5を参照して、メモリセルアレイ502の構造の一例を説明する。一例として、1,024のブロックに区分化されているNAND型フラッシュEEPROMを説明する。それぞれのブロックに記憶されたデータは同時に消去することが可能である。1つの実施形態では、ブロックは、同時に消去されるセルの最小単位である。この例では、それぞれのブロックに8,512の列がある。それぞれのブロックは一般的に、プログラミングの単位となり得る多くのページに分割される。他のデータプログラミング単位も可能であることが想定される。1つの実施形態では、個々のページはセグメントに分割されてもよいが、このセグメントが含んでいる、基本的なプログラミング動作として一時に書き込まれるセルの数は最小になり得る。一般的には、1ページ以上のデータが、1行のメモリセルに記憶される。
図5に示す各々のブロックには、偶数列と奇数列に分割される8,512の列がある。ビット線は、偶数ビット線(BLe)と奇数ビット線(BLo)に分割される。偶数/奇数ビット線構造では、共通のワード線に沿っており、奇数ビット線に接続されているメモリセルが、ある時点でプログラムされる。共通のワード線に沿っており、偶数ビット線に接続されているメモリセルが、別の時点でプログラムされる。図5は、NANDストリングを形成するように連続して接続されている4つのメモリセルを示す。図5では、1つのNANDストリングに含まれるセルとして4つのセルを示しているが、4つより多い数又は少ない数でもよい(例えば16個、32個または別の数でもよい)。NANDストリングの一方の端子は、第1選択トランジスタまたはゲート(選択ゲートドレイン線SGDに接続されている)を介して対応するビット線に接続されており、もう一方の端子は、第2選択トランジスタ(選択ゲートソース線SGSに接続されている)を介して共通ソースに接続されている。
他の実施形態では、ビット線が奇数ビット線と偶数ビット線に分割されていない。このような構造は一般に、全ビット線構造と呼ばれる。全ビット線構造では、あるブロックの全てのビット線は、読み出し動作とプログラム動作中に同時に選択される。共通のワード線に沿っており、いずれかのビット線に接続されているメモリセルは、同時にプログラムされる。
1つの実施形態では、読み出しおよびプログラミング動作中に4,256のメモリセルが同時に選択される。選択されるメモリセルは、同じワード線(例えば、WL2−i)と、同じ種類のビット線(例えば、偶数ビット線)とを有する。したがって、532バイトのデータが同時に読み出し又はプログラムされることが可能である。同時に読み出し又はプログラムされるこれらの532バイトのデータは、1つの論理ページを形成する。したがってこの例では、1つのブロックは、少なくとも8つの論理ページを記憶することが可能である。各メモリセルが2ビットのデータ(例えば、マルチステートメモリセル)を記憶する場合、1つのブロックは16のページを記憶する。他のサイズのブロックおよびページも他の実施形態で使用されてもよい。さらに、図4および図5に示す構造以外の構造を、実施形態として実施することもできる。
読み出し動作と検証動作では、選択されたブロックの選択ゲートを1つ以上の選択電圧に上昇させ、選択されたブロックのうちの選択されていないワード線(例えばWL0、WL1、WL3)を読み出しパス電圧(例えば4.5ボルト)に上昇させて、トランジスタをパスゲートとして動作させる。選択されたブロックの選択されたワード線(例えばWL2)は基準電圧に接続されるが、基準電圧のレベルは、読み出し動作と検証動作のそれぞれに対して指定される。これによって、関連するメモリセルの閾値電圧がこのようなレベルより高いか低いかを判定するようにする。例えば、1ビットのメモリセルの読み出し動作では、選択されたワード線WL2を接地し、これによって、閾値電圧が0Vより高いかどうか検出するようにする。1ビットのメモリセルの検証動作では、選択されたワード線WL2を、例えば0.8ボルトに接続し、これによって、プログラミングが進行するに連れて、閾値電圧が0.8ボルトに到達したかどうか検証されるようにする。読み出しおよび検証中は、ソースとpウェルは0ボルトにある。選択されたビット線(BLe)は、例えば0.7Vというレベルにまで予備充電される。閾値電圧が読み出しレベルまたは検証レベルより高ければ、関連のビット線(BLe)の電位レベルは高レベルを維持するが、これは、関連のメモリセルが非導電性であるからである。一方で、閾値電圧が読み出しレベルまたは検証レベルより低ければ、関連のビット線(BLe)の電位レベルは、例えば0.5ボルト未満という低レベルまで減少するが、これは、関連のメモリセルが導電性であるからである。メモリセルの状態は、ビット線に接続されて、接続された結果としてのこのビット線の電圧を感知するセンスアンプによって検出される。メモリセルがプログラムされたか消去されたかの違いは、正味の負電荷が浮遊ゲートに蓄積されているかどうかで決まる。たとえば、負電荷が浮遊ゲートに蓄積されていれば、閾値電圧は高くなり、トランジスタをエンハンスメントモードで動作可能となる。
一例では、メモリセルをプログラミングするとき、ドレインとpウェルは0ボルトを受け、制御ゲートは大きさが漸増する一連のプログラミングパルスを受ける。1つの実施形態では、この一連のパルスの大きさは12〜24ボルトの範囲である。この一連のパルスの範囲が異なり得る実施形態、例えば、開始レベルが12ボルトよりも高い形態もある。メモリセルをプログラミングしている間、プログラミングパルス同士間の期間で検証動作を実行する。即ち、並列でプログラムされているセルの集合の各セルのプログラムレベルは、それがプログラムされている状態にとっての検証レベルに到達したか否か、あるいは超えたか否かを判断するために、各プログラミングパルスの間で読み出される。プログラミングを検証する1つの手段は、特殊な比較ポイントでの導通を試験する。十分にプログラムされていると検証されたセル、例えばNANDセルは、それらのセルのためのプログラミングプロセスを終了させるために以後のプログラミングパルスに対してビット線電圧が0VからVdd(例えば2.5ボルト)に上げられることによって、ロックアウトされる。いくつかのケースでは、パルスの数は限られており(例えば20パルス)、既定のメモリセルが最後のパルスによって十分にプログラムされていない場合、エラーが想定される。いくつかの実施例では、メモリセルはプログラムの前に(ブロック内または他のユニット内で)消去される。
図6は、一つの実施形態によるプログラム電圧信号を示している。この信号は、振幅が次第に増加するパルス集合を有している。これらパルスの振幅は、パルスごとに所定のステップサイズだけ増大する。複数ビットのデータを記憶するメモリセルを含む一つの実施形態では、例示のステップサイズは0.2V(又は0.4V)である。プログラムパルスに挟まれて検証パルスが存在している。図6の信号は、4つの状態のメモリセルを前提としており、したがって、検証パルスを3つ含んでいる。例えば、プログラミングパルス330と332の間に、3つの連続した検証パルスが存在する。第1の検証パルス334は、0Vの検証電圧レベルにあると示されている。第2の検証パルス336は、第1の検証パルスに続いており、第2の検証電圧レベルにある。第3の検証パルス338は、第2の検証パルス336に続いており、第3の検証電圧レベルにある。データを8つの状態で記憶可能なマルチステートのメモリセルでは、7つの比較ポイントにおいて検証動作を実行する必要がある。したがって、7つの検証パルスを連続して、連続した2つのプログラミングパルスの間において7つの検証レベルで7つの検証動作を実行する。この7つの検証動作に基づいて、本システムは、メモリセルの状態を判定することが可能である。検証のための時間的負担を軽減する一つの手段は、より効率的な検証プロセスを用いることであり、これは、例えば、その全体を参照することにより本明細書に援用され、2002年12月5日に出願された「Smart Verify for Multi−State Memories(マルチステートメモリのためのスマート検証)」という名称の米国特許出願第10/314,055号と、2005年10月27日に出願された「Method for Programming of Multi−State Non−Volatile Memory Using Smart Verify(スマート検証を用いたマルチステート不揮発性メモリをプログラミングする方法)」という名称の米国特許出願第11/260,658号と、2005年10月27日に出願された「Apparatus for Programming of Multi−State Non−Volatile Memory Using Smart Verify(スマート検証を用いたマルチステート不揮発性メモリをプログラミングする装置)」という名称の米国特許出願第11/259,799号に開示されている。
上述した読み出し動作と検証動作は、公知の技術にしたがって実行される。したがって、説明した詳細のうちの多くは、当業者によって変更可能である。
図7は、不揮発性メモリをプログラミングする方法の一つの実施形態を説明するフローチャートである。プログラムの対象となるメモリセルは、ステップ340で消去される。ステップ340は、プログラム対象のメモリセルより多いメモリセルを(例えばブロック単位又は他の単位で)消去することを含むことができる。ステップ342で、ソフトプログラミングを実行して、消去されるメモリセルの消去閾値電圧の分布を狭める。この消去プロセスの結果として、一部のメモリセルは、必要とされるより深い消去状態となる。ソフトプログラミングでは、小さいプログラミングパルスを印加して、消去されるメモリセルの閾値電圧を消去検証レベルに近づけることが可能である。図7のステップ350で、「データロード」コマンドがコントローラ318から出力されて、コマンド回路314に入力されて、データをデータ入/出力バッファ312に入力することが可能となる。この入力されたデータは、コマンドとして認識されて、コマンド回路314に入力されたコマンドラッチ信号(図示せず)によって状態マシン316によってラッチされる。ステップ352で、ページアドレスを指定しているアドレスデータが、コントローラ又はホストから行コントローラ又はデコーダ306に入力される。この入力されたデータは、ページアドレスとして認識されて、状態マシン316を介してラッチされるが、コマンド回路314に入力されたアドレスラッチ信号によって影響される。ステップ354で、アドレス指定されたページのプログラムデータのページが、プログラミング目的でデータ入/出力バッファ312に入力される。一つの実施形態では、例えば、532バイトのデータを入力することが可能である。このデータは、選択されたビット線に対する適切なレジスタにラッチされる。一つの実施形態では、このデータはまた、検証動作のために用いられる選択されたビット線に対する第2のレジスタにラッチされる実施形態もある。ステップ356で、「プログラム」コマンドが、コントローラから出力されてデータ入/出力バッファ312に入力される。このコマンドは、コマンド回路314に入力されたコマンドラッチ信号によって状態マシン316にラッチされる。
「プログラム」コマンドによって起動されてステップ354でラッチされたデータは、適切なワード線に印加された図6の段差付きパルスを用いて状態マシン316によって制御される選択されたメモリセル中にプログラムされる。ステップ358で、この選択されたワード線に印加されるプログラミングパルスの電圧レベルであるVpgmは、開始パルス(例えば12V)に初期化され、状態マシン316によって維持されるプログラムカウンタPCは0に初期化される。ステップ360で、最初のVpgmパルスが、選択されたワード線に印加される。特定のデータラッチに論理「0」が記憶されていて、対応するメモリセルをプログラムすべきであることを示していれば、対応するビット線は接地される。他方、特定のラッチに論理「1」が記憶されていて、対応するメモリセルをその現在のデータ状態にとどめるべきであることを示していれば、対応するビット線はVDDに接続されて、プログラミングを禁止する。
ステップ362で、選択されたメモリセルの状態が検証される。選択されたセルの閾値目標電圧が適切なレベルに到達していると検出されると、対応するデータラッチに記憶されているデータは論理「1」に変更される。この閾値電圧が適切なレベルに到達していないと検出されると、対応するデータラッチに記憶されているデータは変更されない。このように、対応するデータラッチに論理「1」が記憶されているビット線は、プログラムする必要はない。すべてのデータラッチが論理「1」を記憶していれば、状態マシンは、選択されたすべてのセルがプログラムされていることが分かる。ステップ364で、データラッチのすべてが論理「1」を記憶しているかどうかが確認される。そうであれば、プログラミングプロセスは成功裏に完了したことになるが、それは、選択されたすべてのメモリセルがプログラムされ、また、その目標とする状態にあることが検証されたからである。ステップ366で、「パス」ステータスが報告される。
ステップ364では、データラッチのすべてが論理「1」を記憶している訳ではないと判断された場合、プログラミングプロセスは継続される。ステップ368では、プログラムカウンタPCを、プログラム制限値と照らし合わせて確認する。プログラム制限値の一例として20があるが、他の値をさまざまな実施例で用いることが可能である。プログラムカウンタPCが20以上であれば、成功裏にプログラムされなかったビットの数が所定の数以下であるかどうかがステップ369で判定される。プログラムが不成功であったビットの数がこの所定の数以下であれば、プログラミングプロセスがパスした旨のフラグが設定されて、パスというステータスがステップ371で報告される。成功裏にプログラムされなかったビットは、読み出しプロセス中に誤り訂正によって訂正することが可能である。しかし、プログラムが不成功であったビットの数がこの所定の数より大きければ、プログラミングプロセスはフェイルした旨のフラグが設定されて、フェイルというステータスがステップ370で報告される。プログラムカウンタPCが20未満であれば、ステップ372で、Vpgmをステップサイズだけ増加し、プログラムカウンタPCをインクリメントする。ステップ372の後で、ステップ360にループして戻り、次のVpgmパルスが印加される。
図7のフローチャートは、二進法ストレージに適用可能なような1パス式プログラミング方法を示している。例えば、マルチレベルストレージに適用可能なような2パス式プログラミング方法では、このフローチャートを一回繰り返すうちに、複数のプログラミングステップ又は検証することが用いられる。ステップ358〜372は、プログラミング動作がパスするごとに実行される。一回目にパスすると、1つ以上のプログラムパルスが印加され、その結果を検証して、セルが適切な中間状態にあるかどうかを判定する。二回目にパスすると、1つ以上のプログラムパルスが印加され、その結果を検証して、そのセルが適切な最終状態にあるかどうかを判定する。
プログラムプロセスが成功であれば、その終了時には、メモリセルの閾値電圧は、プログラムされたメモリセルの閾値電圧の1つ以上の分布の内部又は消去されたメモリセルの閾値電圧の分布の内部にあるはずである。図8は、各メモリセルが1ビットのデータを記憶する場合の、メモリセルアレイの閾値電圧分布を図示している。図8は、消去されたメモリセルの閾値電圧の第1の分布380と、プログラムされたメモリセルの閾値電圧の第2の分布382を示している。一つの実施形態では、第1の分布380中の閾値電圧レベルは負であり、論理「1」に対応しており、第2の分布382中の閾値電圧レベルは正であり、論理「0」に対応している。
図9は、各メモリセルが4つの物理状態にある2ビットのデータを記憶する場合の、メモリセルアレイの閾値電圧分布を図示している。分布384は、消去された状態(「11」を記憶している)にあるセルの閾値電圧の分布を表しており、負の閾値電圧レベルを有している。分布386は、第1のプログラム状態にあり、「10」を記憶しているセルの閾値電圧の分布を表している。分布388は、第2のプログラム状態にあり、「00」を記憶しているセルの閾値電圧の分布を表している。分布390は、第3のプログラム状態にあり、「01」を記憶しているセルの閾値電圧の分布を表している。この例では、1つのメモリセルに記憶される2ビットはそれぞれが、互いに異なった論理ページからのものである。すなわち、各メモリセルに記憶される2ビットはそれぞれが、互いに異なった論理ページアドレスを有している。方形の中に表示するビットは、下位ページに対応している。円の中に表示するビットは、上位ページに対応している。一つの実施形態では、論理状態を、グレイコードシーケンスを用いてメモリセルの連続する物理状態に割り当て、これによって、浮遊ゲートの閾値電圧がその最も近い隣接する閾値電圧状態範囲に誤ってシフトしても、1ビットしか影響されないようにしている。信頼性を向上させるため、それぞれの分布を引き締める(分布の狭窄化)ことが望ましいが、これは、引き締まった分布のほうが、読み取りマージン(隣り合った状態の閾値分布同士間の距離)が広くなるからである。
もちろん、メモリを5つ以上の物理状態で動作させた場合、この状態の数に等しいメモリセルの画定された電圧の閾値ウィンドウの内部に多くの閾値電圧分布が存在することになる。さらに、特定のビットパターンを分布または物理状態のそれぞれに割り当てると、互いに異なったビットパターンが割り当てられる。
一つの実施形態では、メモリセルは、ソース線とビット線が浮遊している状態で、pウェルを消去電圧(例えば20V)にまで昇圧させ、選択されたブロックのワード線には接地電圧すなわち0ボルトを印加することによって消去される。図10は、消去動作を実行する例示のバイアス条件を示している。静電結合のため、選択されないワード線(例えば、選択されていない、すなわち消去する意図のないブロック中のワード線)、ビット線、選択線および共通のソース線もまた、高い正電位(例えば20V)にまで昇圧される。これによって、強力な電場が、選択されたブロックのメモリセルのトンネル酸化物層に印加され、浮遊ゲートの電子が基板に放出されるにつれて、これらの選択されたメモリセルのデータが消去される。消去するとは、メモリセルの浮遊ゲートから電子を転移させることによって、このメモリセルの閾値電圧を低下させることである。浮遊ゲートからpウェル領域に電子が十分転移されるにつれて、選択されたセルの閾値電圧が負になる。いったんこの閾値電圧が所定の十分に低い値に達すると、このメモリセルは消去されたものとみなすことが可能であり、この消去プロセスは完了した、すなわち成功であったと判断される。したがって、メモリセルを消去するとは、メモリセルの閾値電圧を低下させることであって、これを完全に消去したとか成功裏に消去したことを示唆するものではない。消去動作は、メモリアレイ全体、アレイのうちの1つ以上のブロック、または別のセル単位に対して実行することが可能である。消去電圧信号Veraseは、一般的には、一連の消去電圧パルスとして印加され、消去検証動作は、各パルス同士間で行われる。消去されるセル単位消去電圧パルスが印加されても消去されたと検証されなければ、別の消去電圧パルスをpウェル領域に印加すればよい。いくつかの実施形態において、この消去電圧のピーク値は、後続のパルスごとに増加される(例えば、16Vから20Vまで1Vずつインクリメントされる)。
図11は、(例えば、図10のバイアス条件下で)一般的な消去動作に対する消去電圧パルスを1つ印加している間でのNANDストリングのさまざまな部分における電圧を示すグラフである。図11の例は、理想的な場合を図示しており、以下に述べるように、ゲート間での静電電荷結合は無視されている。曲線410は、消去電圧信号Veraseを受信するpウェル領域を示している。この消去電圧パルスによって、pウェルは、20Vまで上昇して次に0Vに戻る。曲線414および412は、ストリングのメモリセルの制御ゲート電圧と浮遊ゲート電圧を示している。消去電圧パルスが印加される以前には、浮遊ゲート電圧はメモリセルのプログラム状態によって決まり、一般的には0V未満である。図11では、第1の消去電圧パルス以前の浮遊ゲート電圧の値は−1Vとなっている。制御ゲート電圧414は消去動作全体を通じて0Vにとどまり、浮遊ゲート電圧412はpウェル電圧に比例して上昇する。浮遊ゲートは、トンネル誘電体領域の両側でpウェルに静電結合している。NANDストリングの多くの実施例では、メモリセルの浮遊ゲートとpウェル領域間での静電結合比は約40〜50%である。したがって、浮遊ゲート電圧412は、pウェル電圧と0.5:1(結合比が50%の場合)という比で約9Vという電圧まで上昇する。その結果発生する消去電位、即ち、このセルの浮遊ゲートとpウェル領域間の電位を、図11のグラフの下部に示す。この消去電位は、pウェル電圧(Verase=20V)と浮遊ゲート電圧(VFG=9V)との差である。図11に示すシナリオでは、消去電位は、第1の消去電圧パルスの開始時では約11Vに等しい。ここで、消去電位は、実際の消去電圧パルスの間で変化するが、これは、浮遊ゲートからpウェルに電子が転移するからである。その結果、消去電圧パルス後に、pウェルが0Vに復帰したとき、浮遊ゲート電圧は、消去電圧パルスが印加される以前とは異なることになる。一般的には、浮遊ゲート電圧は、第1の消去電圧パルス後では、メモリセルの負の(消去された)閾値電圧に対応して正の値となる。
NANDストリング内での実際の電圧レベルは、ほとんどの場合、図11の理想的な場合について説明したレベルとは異なる。隣接する浮遊ゲート同士間および選択ゲートと隣接する浮遊ゲート間の静電電荷結合のため、同じ消去バイアス条件下では、同じNANDストリングでもメモリセルが異なれば、それが体験する消去電位も異なったものとなる。
図12は、8個のメモリセルを含むNANDストリングの断面図である。実施形態では図12に8セル式NAND構造に関して提示しているが、本発明は、これに制限される訳ではない。8より少ない又は多いメモリセル(たとえば、4、12、16又はこれ以上のメモリセル)を含む多くのNAND構造にしたがって用いることもできる。図12に示すように、NANDストリングのメモリセルは、pウェル領域540中に形成されている。メモリセル(502、504、506、508、510、512、514および516)のそれぞれが、制御ゲート(502c、504c、506c、508c、510c、512c、514cおよび516c)と浮遊ゲート(502f、504f、506f、510f、512f、514fおよび516f)を含む積層ゲート構造を含んでいる。これらの浮遊ゲートは、酸化物または他の誘電体複合膜の頂部のpウェルの表面上に形成される。制御ゲートは、浮遊ゲートの上方にあって、酸化物または他の絶縁性誘電体層によってこれら制御ゲートと浮遊ゲートを互いに分離している。メモリセルの制御ゲートは、ワード線WL0、WL1、WL2、WL3、WL4、WL5、WL6およびWL7に接続されている、又はこれらが形成されている。N拡散領域542は隣同士のセル間で共有されており、これで、これらのセルが互いに直列に接続されてNANDストリングを形成している。これらのN拡散領域は、各セルのソースとドレインを形成する。N拡散領域526はNANDストリングのビット線に接続されており、N拡散領域528は、複数のNANDストリングの共通のソース線に接続されている。選択ゲート520および522は、メモリセルと同じ構造から形成されているが、ゲート領域は電気的に接続されている。
静電結合のため、消去動作中に高い消去電圧がpウェルに印加されると、浮遊ゲート522および選択ゲート520が高い正の電位にまで昇圧される。pウェルに印加されるこの消去電圧又はその一部が、ウェル領域から選択ゲートのそれぞれまで結合する。pウェル電圧の約90〜100%が、多くのNAND構造中の各選択ゲートに結合すると予測することが可能である。したがって、20Vという消去電圧パルスをpウェルに印加すると、各選択ゲート上の電圧は約18〜20V上昇して18〜20Vという電圧になる。図12では、pウェル540から選択ゲート522および520への結合を矢印530で示している。これほどの程度ではないが、同様の結合効果を、ストリングのメモリセルのそれぞれがまた体験する。メモリセルのpウェルと浮遊ゲート間の結合は一般的には、40〜50%である。各浮遊ゲートもまた、その対応する制御ゲートと、約50〜60%で結合する。これより範囲は小さいが、各浮遊ゲートは、隣接する浮遊ゲートおよび制御ゲートと結合する。さまざまな結合をすべて加算すると、合計で100%になる。pウェルから浮遊ゲートへの結合を50%結合と仮定すると、各メモリセルの浮遊ゲート電圧は、20Vの消去電圧パルスを印加した状態では約10Vに昇圧される。この結合効果を矢印532で示す。各メモリセルの浮遊ゲートに結合される電圧が、トンネル酸化物層の両端で発生するVerase電位に影響する。例えば、消去に先立って−1Vという浮遊ゲート電圧を有するメモリセルのpウェルに対して20Vの消去電圧パルスが印加された状態では、約11V(20V〜9V)という消去電位が生成される。
ストリングの各メモリセルは、隣接するメモリセルおよび/またはトランジスタからの静電電荷結合をある程度体験する。この結合が、セルの浮遊ゲートの電位に影響を及ぼしかねず、その結果、このセルの消去電位が影響されかねない。NANDストリングの末端のメモリセル(例えば、図12のメモリセル502や516)、即ち、NANDストリングの最初のワード線や最後のワード線(末端ワード線)に接続されていて、NANDストリングの選択ゲートに隣接しているメモリセルは、隣接する選択ゲートからの静電電荷結合を体験する。図12では、メモリセル502の選択ゲート520から浮遊ゲート502fへのこの静電結合を矢印534で示し、メモリセル516の選択ゲート522から浮遊ゲート516fへのこの静電結合を矢印538で示している。メモリセル502と516に結合される電圧のため、これらのセルのトンネル誘電体領域(例えばトンネル酸化物)上に存在する電場が、それぞれの選択ゲート上の電圧値に比例して減少する。
矢印538および534で表す結合は双方向で発生するが、これは、消去動作中では、選択ゲートも浮遊状態にあるからである。その結果、メモリセル516および502の浮遊ゲート電圧が、選択ゲート522および520上の電圧に対して幾分かの影響を及ぼすことになる。しかしながら、浮遊ゲートから選択ゲートへの結合は、pウェルから選択ゲートへの結合よりはるかに小さく、したがって、選択ゲート電圧は、pウェル電圧によってほとんど完全に決まってしまう。
多くのNAND実施例では、NANDストリングの末端のメモリセルの浮遊ゲートに対する選択ゲートからの静電結合は、約2%から5%台にあると予測してよい。20Vという消去電圧がpウェル領域に印加されると、各選択ゲートの電圧は、pウェルから選択ゲートへの結合が90%では約18V上昇する。次いで、選択ゲートから隣接する浮遊ゲートへの結合が2〜5%であるため、この隣接する浮遊ゲート(例えば516fおよび502f)上の電圧は、約0.4〜1V上昇する。その結果、ストリングの末端メモリセルのトンネル酸化物の両端の電圧は、図11に示す理想的な場合の電圧より約0.4〜1Vだけ低い。ここで、上述した静電結合は、メモリセルと選択ゲートの物理的寸法と、メモリセルと選択ゲート間の間隔と、トンネル誘電体や、制御ゲートと浮遊ゲート間の誘電体や、選択ゲートとメモリセル間の誘電体などの構成部分を構成する際に用いられる材料の誘電特性とによって大きく変動することがある。たとえば、上述した結合が、上記の2〜5%という範囲より大きくなったり小さくなったりする場合がある。
隣接した浮遊ゲート同士間の結合に加えて、別の要因として、浮遊ゲートと隣接するワード線又は制御ゲートとの間の結合がある。この結合もまた2〜5%台であるが、メモリセルのディメンジョンと形状次第で小さくなったり大きくなったりする。場合によっては、特に選択ゲートと隣接するメモリセル間の物理的距離が2つの内部メモリセル同士間の距離に近似している場合、選択ゲートから隣接する浮遊ゲートへの結合は、隣接する制御ゲート(ワード線)および浮遊ゲートからの結合と同じような範囲になる。しかしながら、消去動作中では、選択ゲートのバイアスが、制御ゲートや浮遊ゲートと比べて異なっているため、末端メモリセルの浮遊ゲート電圧は、内部メモリセルの浮遊ゲート電圧より高い。したがって、以下に説明するように、末端メモリセル消去電位は低くなる。
図13は、図10のバイアス条件下での消去動作の場合における、消去電圧パルスを1つ印加している間でのNANDストリングの一般的な末端メモリセルのpウェル電圧420、浮遊ゲート電圧422および制御ゲート電圧424を示している。pウェル電圧420は、0Vから、20Vというピーク値に上昇して次に0Vに戻る。制御ゲート電圧424は0Vにとどまるが、これは、各メモリセルに接続されているワード線には0Vが印加されているからである。どのセルの場合もそうであるが、末端メモリセルの浮遊ゲートは、約40〜50%台の比でpウェル領域に静電結合している。pウェル領域電圧が20Vまで上昇するにつれて、この静電結合のため、結合が50%と仮定すると、浮遊ゲート電圧が約10V上昇する。末端メモリセルには、自身に結合している隣接する選択ゲートにおける電圧が部分的に印加される。したがって、これらの浮遊ゲート上の電圧は、自身に静電結合しているpウェル電圧に比例して増加するだけではなく、選択ゲートからの結合比2〜5%によっても増加する。図13では、選択ゲートからの結合のため、浮遊ゲート電圧がさらに1V加算されると仮定されている。したがって、浮遊ゲート電圧422は、図11に示す理想的な場合の9Vという最大値とは対照的に消去電圧パルスの開始時に10Vという最大値にまで上昇する。末端メモリセルのトンネル誘電体領域の両端での消去電位を、図13のグラフの下部に示す。消去電圧パルスの開始時での消去電位は約10V、すなわち、理想的な場合での11Vという消去電位より約1V低い。
NANDストリングのメモリセルで選択ゲートに隣接していないメモリセル(すなわち、NANDストリングの末端メモリセル以外のすべてのセル)を、本明細書では、このストリングの内部メモリセルと呼ぶ。図12で、NANDストリングの内部メモリセルは、メモリセル504、506、508、510、512、および514である。内部メモリセルは隣接する浮遊ゲートからの静電結合を受け、このため、その消去電位(以下に説明する)が減少するとはいえ、その程度は、末端メモリセルより小さい。したがって、内部メモリセルは、以前に説明した理想的な場合と実質的に同じように動作し、その消去電位は約11Vとなる(消去電圧パルス以前において、セルがプログラムされた状態にあって、その浮遊ゲート電圧が約−1Vであったと仮定する)。内部メモリセルと比較して末端メモリセルのトンネル酸化物層の両端の電位が低いため、末端メモリセルはより遅く消去され、したがって、1つ以上の消去電圧パルスを印加された後でも内部メモリセルほどには深く消去されていない(その浮遊ゲートから転送される電子が少ない)。
NANDストリングのメモリセルは、浮遊ゲート上の正味の正電荷が所定のレベル(所定のレベルより下の閾値電圧)を上回ったときに消去されたものと検証される。末端メモリセルの浮遊ゲートにはさらなる結合があるので、これらの末端メモリセルを十分に消去するために、消去動作全体の時間が増大する。NANDストリングの内部メモリセルは、N個の消去電圧パルスが印加された後では十分に消去されるが、その末端メモリセルは、N1つ以上の消去電圧パルスが印加されるまでは十分に消去されることはない。
図12は、NANDストリングのそれぞれのメモリセルの浮遊ゲート同士間でのさらなる静電結合を矢印536で示している。たとえば、WL0とWL1の上の互いに隣接する浮遊ゲート同士間の結合は2〜5%台であるが、これらメモリセルの寸法と形状次第でこれ以下やこれ以上となったりする。その結果、メモリセル516の浮遊ゲート上に存在する電圧が、メモリセル514の浮遊ゲート上の電圧に影響し、また同様に、メモリセル514の浮遊ゲート上に存在する電圧が、メモリセル516の浮遊ゲート上の電圧に影響する。同様の結合が、WL2に接続されているメモリセル514と512の浮遊ゲート同士間に存在し、さらにWL3、WL4、...と続く。この結合は、矢印536の頭が二重になっていることで示すように双方向に存在する。これらの結合効果による影響は、NANDストリングすべてのメモリセル同士間にさまざまなレベルで存在するが、結合による影響力は、末端メモリセルに対する影響力より小さい。これは、隣接する制御ゲートと浮遊ゲート間のバイアス電圧が、選択ゲート上でのバイアス条件とは異なるからである。消去電圧パルスが存在している間、各浮遊ゲートの電圧は、選択ゲートに存在する電圧よりかなり低い。したがって、個々のメモリセルの浮遊ゲート同士間での結合による各浮遊ゲート中に誘導される電圧の量は、隣接する選択ゲート同士間での結合による末端メモリセルの浮遊ゲート中に誘導される電圧の値より小さいものとなる。それにもかかわらず、NANDストリングのそれぞれのメモリセルでは、その浮遊ゲートに存在する正味の電荷の違いはわずかであり、このような結合による消去特性の違いはそれに応じたものであると期待することが可能である。
図14Aは、データが目盛りアレイに書き込まれた後における、4つの状態、すなわち4レベルの目盛りデバイスの消去された場合(E)とプログラムされた場合(A、B、C)の閾値電圧Vの分布を示している。図14Bは、消去動作が完了した後における、同じ4つの状態のメモリデバイスを示している。内部ワード線のメモリセルと末端ワード線のメモリセルの閾値電圧分布を別々に示してある。分布430は、分布432で示される末端ワード線より深く消去される内部ワード線の閾値電圧分布を示す。一部のNANDメモリデバイスの実施例では、内部メモリセルは末端メモリセルより約0.5〜1V深く消去されるが、それは、選択ゲートからの静電電荷結合があるからである。内部ワード線と末端ワード線双方のメモリセルは一般に、必要以上に深く消去される。メモリセルのすべて又はほとんどが、多数の書き込み/消去サイクルの後で1つの消去電圧パルスで消去されることを伴うために、最初の消去電圧パルスの選択されたサイズは一般的には、1つのパルスにおける未使用デバイス(あまり多数の書き込み/消去サイクルを体験していないデバイス)のすべてのセルを消去するのに必要とされるサイズより大きい。したがって、消去動作を体験した後では、未使用メモリデバイスの閾値電圧分布は、図14Bに示すようなものとなる。
多くのメモリセルの消去検証をNANDストリングレベル又はこれより高いレベル(例えば、ブロック単位または他のストリング単位)で実行すると、メモリセル間で消去時間や消去動作がばらばらであるため、メモリセルのうちの一部が過剰負担や過剰消去に曝されることになりかねない。例えば、NANDストリングの末端メモリセルを十分に消去しようとすると、その一方で、このストリングの内部メモリセルが過剰消去されたりする。前に述べたように、内部メモリセルは末端メモリセルより早く消去される。NANDストリングレベルで検証すると、当該ストリングは、各メモリセルがすべて消去されるまで、そのpウェルに消去電圧パルスを受け続けることになる。したがって、より低い消去電圧パルスを印加された後では、末端メモリセルより十分消去されるとはいえ、内部メモリセルは、ストリングの各メモリセルが消去されたものと検証されるまで追加の消去電圧パルスを受けることになる。
過剰消去のため、内部メモリセルには必要以上に大きな負担がかかる。末端メモリセルの消去時間が遅いために内部メモリセルが過剰消去され、内部メモリセルと不揮発性メモリシステム全体の寿命期間が短縮化される。当該分野で理解されるように、トランジスタのトンネル酸化物層の両端に大きい電位が印加されると、酸化物材料に負担がかかる。トンネル酸化物層の両端に十分に大きい電位が印加されたり、より低い電位が何回も印加されたりすると最後には、酸化物層が絶縁破壊しかねない。
メモリセル間で消去特性がばらばらであるため、消去動作時間も増大しかねないが、それは、消去された後でメモリセルの閾値電圧を変化させるための追加の動作が実行されるからである。フラッシュメモリセルを消去するとき、その目標は、消去されたすべてのセルが負の閾値電圧を有し、その負の閾値電圧が所定の範囲内にあることである。しかしながら、図示するように、消去プロセスの結果、一部のセルの負の閾値電圧が、この所定範囲未満となることがある。閾値電圧が低くなり過ぎたメモリセルは、正しくプログラムされなかったり、(例えば、プログラム外乱の発生確率を増加させることによって)他のセルを正しくプログラムさせなかったりする。このように、過剰消去されたデバイスは、ソフトプログラミングと呼ばれる事象をしばしば経験する。この所定範囲内のかなり下方の閾値電圧値を有するメモリセルは、この閾値電圧が所定範囲内にまで上昇するように、少量のプログラミングを受ける。通常ソフトプログラミングは消去動作の一部であるとみなされるため、このソフトプログラムプロセスでは追加の動作を実行する必要があり、消去時間が増大するためメモリの性能が劣化する。
一つの実施形態によれば、NANDストリングなどのメモリセルの集合は、互いに異なったバイアス条件下にある離散間隔でこのメモリセルの集合に消去電圧を印加することによって消去される。それぞれの間隔に対して用いられるバイアス条件は、ストリングのそれぞれのメモリセルの消去速度の差を減少させるもしくは除去するように選ばれる。
共通のNANDストリングのメモリセルの消去速度がばらばらになる根本的な原因は、このストリングの特定のメモリセルに隣接するトランジスタのバイアス条件が互いに異なることである。前に述べた末端メモリセルを考えてみよう。ストリングのドレイン側の選択ゲートとソース側の選択ゲートに対するそれぞれの選択ゲート線は末端メモリセルに隣接しており、消去電圧が印加されている間は浮遊状態にある。これとは対照的に、このストリングにおけるメモリセルのそれぞれに接続されているワード線は0Vにあり、これで、対応する浮遊ゲートから電子を引き出すための必要な電位を発生させる。末端メモリセルはそれぞれが、浮遊状態にあるトランジスタを一つその隣に有しており、一方、これら以外のメモリセルはそれぞれが自身の両隣に、0Vにあるトランジスタ(隣接したメモリセル)を有しているため、末端メモリセルに対する消去電位は、すでに述べた静電結合効果によって、これ以外のメモリセルの消去電位より低い。
消去中でのこの独特のバイアス状況に起因するばらばらの消去特性は、セルを消去するときに各メモリセルの隣接するトランジスタに対して同様のバイアス条件を提供することによって軽減もしくは除去することが可能である。ストリングのメモリセルのそれぞれが、消去動作時にその隣接するトランジスタが同じバイアス値にあれば、これらのセルはそれぞれが、より均一な消去特性を呈するはずである。これらセルはそれぞれが、その隣接するトランジスタから同様の静電結合効果を体験することになるが、これは、すべてのセルを同時に消去する前述の技術に起因する結合効果が互いに異なる現象とは反対である。さまざまなメモリセルの消去特性は、消去中に各メモリセルがその隣接するセルから受ける電荷結合の分量をほぼ等しくなるように促進することによって、効果的に正規化される。この結果、ストリングの各メモリセルの消去電位が同様の値となり、消去電圧を印加されたときに、同様の電荷量が各セルから転移されることになる。
一つの実施形態では、NANDストリングのメモリセルが、離散間隔で消去されるセルの論理グループに分割される。それぞれの間隔でこのストリングに印加されるバイアス条件は互いに異なっており、これで、個々のセルの消去特性が正規化可能なものとされるようになっている。例えば、セルの第1の部分集合は、第1の間隔で消去することが可能である。セルの第1の部分集合内の1つ以上のセルに隣接するトランジスタはそれぞれ、第1の間隔では同じバイアスを受け、これによって、このストリング内の結合シナリオが互いに類似したものとなるようにする。その結果、第1の部分集合内の各セルで消去速度が同じようなものとなる。2回目の間隔では、セルの第2の部分集合を消去することが可能である。第2の部分集合内の1つ以上のセルに隣接するトランジスタはそれぞれ、1回目の間隔で第1の部分集合内の1つ以上のセルに隣接するトランジスタと同じバイアスを受ける。これによって、第2の部分集合内のセル同士間、第1の部分集合内のセル同士間、および第1の部分集合と第2の部分集合内のセル同士間での消去速度がより一致しやすくなる。
一つの実施形態では、消去されているメモリセルに隣接するトランジスタはそれぞれが、同じバイアスを受けることはないが、それでも、消去されている各メモリに対する正味のバイアス、すなわち、結合効果は等しいものとなる。例えば、消去されている各メモリセルでは、その第1の隣接トランジスタが第1のバイアスを受け、第2の隣接トランジスタが第2のバイアスを受けている。消去動作を受けるときに、各メモリセルの両隣のセルがこのようにバイアスされると、それぞれ個々のセルの両隣のセルが違うようにバイアスされているにもかかわらず、消去される各セルに対する正味のバイアス、すなわち、結合効果は同じものとなる。重要な特徴は、各メモリセルに対して、そのすぐ隣のトランジスタが、ストリングのセル同士で比較してほぼ同じような正味のバイアス、すなわち、結合効果が、消去されるメモリセルに対して発生するようにバイアスされるという点にある。
一つの実施形態では、集合のうちのメモリセルの第1のグループが消去目的でバイアスされ、集合のうちのメモリセルの第2のグループが消去抑止目的でバイアスされた状態で、メモリセルで構成されるNANDストリングのウェル領域に消去電圧パルスを印加することが可能である。次に、第2のグループが消去目的でバイアスされ、第1のグループが消去抑止目的でバイアスされた状態で、第2の消去電圧パルスを印加することが可能である。第1のグループと第2のグループは、第1のパルスの間で第1の部分集合の各メモリセルのトンネル誘電体領域の両端に生じる消去電位がほぼ等しくなるように、また、第2のパルスの間は第2の部分集合の各メモリセルのトンネル誘電体領域の両端に生じる消去電位がほぼ等しくなるように、さらに、第1のパルスの間での第1の部分集合のセルに対する消去電位が、第2のパルスの間での第2の部分集合のセルに対する消去電位とほぼ同じとなるように、選択される。
図15は、一つの実施形態による、消去動作中での不揮発性記憶素子のNANDストリングに対するバイアス条件を示す表である。図15では、バイアス条件の1つの集合を示している。これ以外のバイアス条件を用いることも可能であるし、セルを別様にグループ分けすることも可能である。このNANDストリングを形成するメモリセルの集合は、離散間隔で消去される個々のメモリセルの部分集合に分割される。ストリングのメモリセルに接続しているワード線は、これらメモリセルの部分集合に対応する部分集合に分割される。ワード線WL0〜WLnは、メモリセルの第1の部分集合に接続するワード線の第1の部分集合(部分集合A)と、メモリセルの第2の部分集合に接続するワード線の第2の部分集合(部分集合B)に分割される。図15を説明するときには、説明を簡潔にするため、1つのNANDストリングを参照するが、一般的なNANDフラッシュメモリの実施例では、各ワード線は、2つ以上のNANDストリングからの1つのメモリセル(例えば、図5に示すようにメモリセルのブロック中の各NANDストリングからの1つのメモリセル)に接続していることが理解されるであろう。したがって、説明する動作は、多くのNANDストリングに対して並行に発生することが可能である。
ワード線の第1の部分集合には、ワード線WL0と、NANDストリングに対するソース側選択ゲート線SGSに隣接するワード線と、ストリングのソース側からストリングのドレイン側に進む方向においてWL0に続く1つおきのワード線とが含まれる。1つおきのワード線とは、現在のワード線に隣接するワード線をスキップして、このスキップされたワード線に隣接する後続のワード線を選択して、ワード線集合内を、WL0から順に進んでいった場合に遭遇するワード線のことである。図15の例では、ワード線の第1の部分集合である部分集合Aには、WL0、WL2、WL4、...、WLn−1が含まれる。ワード線の第2の部分集合には、ワード線WL1、ワード線WL0に隣接したワード線および、これ以降、ストリングのソース側からストリングのドレイン側に進んで集合内の1つおきのワード線が含まれる。図15の例では、ワード線の第2の部分集合である部分集合Bには、WL1、WL3、WL5、...、WLnが含まれる。1つ以上のNANDストリングに接続されていて、ソース側選択ゲートに隣接する第1のワード線WL0を含むワード線集合の場合、ワード線の第1の部分集合は、ワード線シーケンスWL2i(iは整数に相当する)で定義することが可能である。すると、ワード線の第2の部分集合は、ワード線シーケンスWL2i+1(iは整数に相当する)で定義することが可能である。
ワード線の部分集合のうちの1つの部分集合に直接対応するメモリセルの部分集合はそれぞれ、消去動作中の互いに異なった時点で互いに別々に消去される。欄440は、部分集合Aのメモリセルが消去される第1の消去部分動作に対するバイアス条件を示している。欄442は、部分集合Bのメモリセルが消去される第2の消去部分動作に対するバイアス条件を示している。欄440のバイアス条件は、第1の間隔で適用されて、部分集合Bのメモリセルが消去されるのを抑止した状態で部分集合Aのメモリセルを消去可能とする。この第1の間隔では、部分集合Aの各ワード線には0Vが印加され、部分集合Bの各ワード線は浮遊状態に置かれる。NANDストリングのpウェル領域には消去電圧パルスが印加されるため、部分集合A内の各メモリセルのトンネル誘電体領域の両端には大きな電位が生じて、これらのセルの浮遊ゲートからは電子が引き出される。部分集合B内のワード線が浮遊電位にあるため、これらのワード線は、消去電圧パルスに比例して昇圧され、これで、部分集合B内のメモリセルのトンネル誘電体領域の両端に大きい電位が生じることが抑止される。
欄442内のバイアス条件は、第2の間隔で適用されて、部分集合Aのメモリセルが消去されるのを抑止した状態で部分集合Bのメモリセルを消去可能とする。部分集合Bの各ワード線には0Vが印加され、部分集合Aの各ワード線は浮遊状態に置かれる。このようなバイアス条件下でpウェル領域に消去電圧パルスが印加されると、部分集合B内の各メモリセルのトンネル誘電体領域の両端に大きい電位が生じ、一方、部分集合A中の各メモリセルのトンネル誘電体領域の両端に大きい電位が生じないように抑止される。したがって、この第2の部分動作においては、部分集合Bの中のメモリセルからは電子が引き出されるが、部分集合A中のメモリセルからは引き出されない。
図15の部分動作方式を用いると、各メモリセルは、それが消去されるときには、その隣接するトランジスタも同じようにバイアスされる。欄440で示される第1の消去部分動作の間、部分集合Aの各メモリセルは、消去電圧パルスが印加されるときには、そのすぐ両隣のトランジスタが浮遊電位となる。同様に、欄442で示される第2の消去部分動作の間、部分集合Bの各メモリセルは、消去電圧パルスが印加されるときには、そのすぐ両隣のトランジスタが浮遊電位となる。WL0(部分集合A)およびWLn(部分集合B)の末端メモリセルでさえ、その両隣のトランジスタが同じ電位となる。ソース選択ゲート線とワード線WL1は、WL0のメモリセルを消去しているときには、双方とも浮遊状態にある。ドレイン選択ゲート線およびワード線WLn−1は、WLnのメモリセルを消去しているときには、双方とも浮遊状態にある。すべてのメモリセルは、それが消去されるときには、その隣接するトランジスタが同じようにバイアスされるため、隣接するトランジスタからの静電結合に起因するいかなる消去電位変動も、ストリングのどのメモリセルの場合も同様であるはずである。その結果、ストリング内の各メモリセルが、従来式の消去動作中での各メモリセルの消去速度と比較して、より一致した消去速度を呈することになる。
したがって、末端メモリセルは、従来式の消去動作中ではしばしば発生するように、内部メモリセルと比較してより遅い速度では消去されない。末端メモリセルのこの固有の消去特性は、ストリングのすべてのメモリセルが、消去されるときにそれに隣接するトランジスタが同じようにバイアスされることを保証することによって軽減もしくは解消される。図15の実施形態では、このことは、消去されるよう選択されたすべてのメモリセルに隣接するトランジスタを、これらの選択されたメモリセルを消去するときに、強制的に浮遊電位とすることによって達成される。部分集合Aを消去可能とするときは、消去電圧パルスが印加されている間、部分集合A内の各メモリセルの2つの両隣のトランジスタはそれぞれが浮遊電位にバイアスされる。部分集合Bを消去可能とするときは、消去電圧が印加されている間、部分集合B内の各メモリセルの2つの両隣のトランジスタは浮遊電位にバイアスされる。すべてのメモリセルは、消去されているときには、その隣接するトランジスタが同じにバイアスされるため、すべてのメモリセルが同様の消去速度を示すことになる。
図16A〜図16Hは、図15の技術とバイアス条件による消去動作中でのNANDストリングのさまざまな部分での電圧を示している。図16Aは、部分集合Aのセルを消去するための欄440のバイアス条件下で印加された第1の消去電圧パルスの間と、部分集合Bのセルを消去するための欄442のバイアス条件下で印加された第2の消去電圧パルスの間における消去電圧信号を示している。
図16Bは、第1の消去電圧パルス印加間にピーク値20Vまで上昇し、次に下がって0Vにまで戻り、次いで第2の消去電圧パルス印加間に再度ピーク値20Vまで上昇するpウェル電圧を示している。第1の消去電圧パルスは、欄440のバイアス条件が部分集合Aのメモリセルを消去するために適用される時間間隔で印加され、第2の消去電圧パルスは、欄442のバイアス条件が部分集合Bのメモリセルを消去するために適用される間隔に印加される。
図16Cと16Fは、それぞれ、部分集合Aと部分集合Bのワード線に印加される電圧信号、すなわち条件を示している。図16Dは、部分集合A内のメモリセルに対する、結果として生じる制御ゲート電圧を示している。図16Eは、部分集合A内のメモリセルに対する、結果として生じる浮遊ゲート電圧を示している。図16Gは、部分集合B内のメモリセルに対する、結果として生じる制御ゲート電圧を示している。図16Hは、部分集合B内のメモリセルに対する、結果として生じる浮遊ゲート電圧を示している。
時点tで、第1の消去電圧パルスが印加されて、NANDストリングに対するpウェル電圧がそれにしたがって上昇し始める。図16Cに示すように、部分集合Aのワード線に対しては、0Vが印加される。したがって、図16Dに示すように、部分集合A内の各メモリセルの制御ゲートは0Vのままである。図16Fに示すように、時点t1では、部分集合Bのワード線は浮遊状態にあり、これで、部分集合Bのメモリセルが消去されるのを抑止する。部分集合Aのワード線が0Vであるため、部分集合A内のメモリセルの浮遊ゲート電圧(図16D)は、pウェル領域に対する結合比にしたがって上昇する。図16Eに示す例示のメモリセルの場合、浮遊ゲート電圧は、第1の消去電圧パルスが印加される以前には−1Vにあると仮定し、浮遊ゲートとpウェル間の結合比は約50%であると仮定する。したがって、pウェル電圧が20V上昇すると、これに応じて、浮遊ゲート電圧は約10V上昇する。pウェル電圧に応じて10V上昇することに加えて、浮遊ゲート電圧は、浮遊状態にあるその隣接するトランジスタからの静電結合効果のためにさらに約2V上昇する。したがって、浮遊ゲート電圧は、消去電圧パルスの印加開始時には、ピーク値11Vにまで上昇する。
欄440のバイアス条件下では、部分集合Aの各メモリセルは、NANDストリングのその両隣のトランジスタが、消去電圧パルスが印加されている間では浮遊状態にある。たとえば、WL0に接続されているメモリセルには、その隣接するトランジスタとして、WL1のソース側選択ゲートとメモリセルとが含まれる。これらトランジスタはそれぞれが、浮遊状態にある。前に述べたように、消去電圧が印加されると、pウェル電圧の約90〜100%が浮遊している選択ゲートに結合する。pウェル電圧の90%が選択ゲートに結合するという仮定を継続すれば、消去電圧パルスが印加されると、約18Vが選択ゲートに結合することになる。さらに、選択ゲートとその隣接するトランジスタ間での結合比が約5%であると仮定すると、WL0のメモリセルの浮遊ゲートに対しては約1Vが結合することになる。消去電圧パルスが印加されると、WL1でのメモリセルとWL2でのメモリセル間でも同様の結合が発生する。WL1のメモリセルは浮遊状態になるため、pウェルからそれに対して約1Vが結合し、WL0でのメモリセルに対しては約18Vが結合することになる。その結果、WL0でのメモリセルの浮遊ゲート電圧は、その隣接するトランジスタからの静電結合のため、さらに2V上昇することになる。
両隣のトランジスタを強制的に浮遊状態とすることによって、消去されているメモリセルの浮遊ゲートでの電圧上昇は、従来の消去動作で浮遊選択ゲートによって末端メモリセルで引き起こされる電圧上昇の約2倍となる。しかしながら、図15および図16に示す実施形態によれば、浮遊ゲート電圧が2V上昇する現象は、部分集合A内のすべてのメモリセルにわたって同一であるが、これはこれらメモリセルのそれぞれの両隣のトランジスタは、消去電圧パルスを印加されると浮遊状態になるからである。例えば、WL2でのメモリセル(部分集合Aでも)では、その浮遊ゲート電圧は、ワード線WL1およびWL3でのメモリセルの浮遊ゲートと自身との間の静電結合のために2V上昇することになる。部分集合A中の各メモリセルに対する結果として生じる消去電位は約9Vであるが、これは、pウェル電圧(20V)と消去電圧パルス印加中における、部分集合Aのメモリセルの浮遊ゲートでの電圧(11V)との間の差に等しい。浮遊ゲートの開始電圧を−1Vと仮定すると、パルスを印加したときの浮遊ゲート電圧は、開始浮遊ゲート電圧(−1V)と、pウェルとの静電結合による浮遊ゲート電圧の上昇分(10V)と、隣接するトランジスタとの結合に起因する電圧(この場合、各隣接トランジスタによる1Vを含む)との合計に等しい。このように、消去電位は、部分集合A中のすべてのメモリセルに対して約9V(20V−(−1V+10V+2V)に等しい。開始浮遊ゲート電圧が−1Vから始まるメモリセルの場合、1つの消去電圧パルス印加後の、結果として生じる浮遊ゲート電圧は、時点t3で示すように約1Vである。これ以外にも、消去動作開始時にどの状態にあるかに依存する浮遊ゲート電圧から開始されるメモリセルがある。
時点t1とt3間では、部分集合B中のメモリセルは消去が抑止されているが、それは、それらに対応するワード線に浮遊条件が提供されるからである。図16Fに示すように、部分集合B中の各メモリセルのワード線は、消去電圧パルスの印加が開始される時点t1では浮遊状態になる。部分集合B中のワード線が浮遊状態にあるため、部分集合B内のメモリセルの制御ゲートの電圧は、pウェル領域に対して強く結合される。このように、部分集合B内の各メモリセルの制御ゲート電圧は、静電結合のため、pウェル電圧の後を追うことになる。図16の結合比を100%と仮定すると、部分集合B内のメモリセルの制御ゲートは、pウェル電圧と1:1の比で上昇して、図16Gに示すように約20Vになる。一方、これらのセルの浮遊ゲートは、これよりはるかにpウェル領域に静電結合されるようになる。これら各メモリセルの制御ゲート電圧は、pウェル電圧に正比例して(約90〜100%の比で)上昇する。図16Hの例を参照にして示すメモリセルの浮遊ゲート電圧は、消去動作以前では約−1Vである。したがって、それは、消去電圧パルス印加中にピーク値19Vにまで上昇してから、時点t3で降下して−1Vに戻る。
時点t4で、図15の欄442のバイアス条件を利用して、部分集合B中のメモリセルは第2の消去電圧パルスを印加されて消去され、一方、部分集合A内のメモリセルは、消去を抑止される。時点t4で、第2の消去電圧パルスがストリングに印加される。この第2の消去電圧パルスが印加される以前または印加されると、部分集合A内のメモリセルのワード線が浮遊状態になって、部分集合Aのメモリセルの消去を抑止する。対応するワード線が浮遊状態にあるため、部分集合A中の各メモリセルの制御ゲートは、図16Dに示すように、pウェル電圧とほぼ1:1の比で上昇して約20Vになる。各メモリセルの浮遊ゲート電圧もまた、pウェルに強く静電結合されて、pウェルのそれとほとんど1:1の比で上昇する。図16Eに示す例示のメモリセルの浮遊ゲート電圧が第1の消去電圧パルスの後では+1Vであったので、消去電圧とpウェルとが20Vに上昇するにつれて、ピーク値21Vにまで上昇する。このように、メモリセルは消去が抑止されるが、それは、大きい消去電位が生じないからである。
部分集合B内の各メモリセルに対するワード線は、時点t3からt6までの間は0Vにとどまり、これで、自身に接続されているメモリセルを消去しやすくしている。ワード線が0Vにあるため、個々のメモリセルの制御ゲート電圧は、0Vにとどまる。浮遊ゲート電圧は−1Vから始まって、約0.5:1の比で消去電圧パルスに比例して上昇する。図16Hの例示のメモリセルは−1Vから始まるため、その浮遊ゲート電圧はピーク値11Vまで上昇する。この浮遊ゲート電圧が11Vまで上昇するのは、pウェルからの結合によってこの電圧を−1Vから約9Vまで上昇させるからである。セルの浮遊ゲートと2つのその両隣のセルとの静電結合によって、浮遊ゲート電圧がさらに2V上昇してピーク値11Vになる。このように、消去電位は、部分集合A中のセルのそれと同じ(9V)になる。この消去電位は、20Vというpウェル電圧と、約11Vまで図示されていた浮遊ゲート電圧との差に等しい。
図17は、一つの実施形態によるメモリセルストリングを消去する方法のフローチャートである。このストリングのビット線、ソース線、ソース選択ゲート線およびドレイン選択ゲート線が、ステップ452で浮遊状態にされる。ステップ454でストリングのメモリセルの第1の部分集合に0Vが印加されて、これらのメモリセルの消去を可能とする。メモリセルの第2の部分集合をステップ456で浮遊状態にして、これらのメモリセルの消去を抑止する。ステップ458で、このメモリセルストリングに、消去電圧パルスを印加する。この消去電圧パルスをpウェル領域に印加すると、メモリセルの第1の部分集合のトンネル誘電体領域の両端に大きい消去電位を生じさせることが可能である。メモリセルの第2の部分集合の浮遊ゲートは、この消去電圧とほぼ1:1の比で上昇し、したがって、ステップ458では消去されないことになる。
ステップ460で、メモリセルの第2の部分集合に0Vが印加されて、これらのメモリセルの消去を可能とする。メモリセルの第1の部分集合がステップ462で浮遊状態にされて、これらのメモリセルの消去が抑止される。ステップ464で、メモリセルのストリングに消去電圧パルスを印加する。この消去電圧パルスによって、メモリセルの第2の部分集合には大きい消去電位が生じるが、メモリセルの第2の部分集合には生じない。図示したように、部分集合Aの各メモリセルは、消去可能状態で消去電圧パルスを印加されると、その両隣のトランジスタが同じ電位になる、すなわち浮遊状態になる。同様に、部分集合Bの各メモリセルは、消去可能状態で消去電圧パルスを印加されると、その両隣のトランジスタが同じ浮遊電位になる。このように、各部分集合内のメモリセルと各部分集合同士間のメモリセルは、同じような消去特性を示すはずである。
ステップ466で、メモリセルのストリングが、消去状態にあるかどうかが検証される。ステップ468で判定されたようにストリングがすべて消去されると、消去動作に対するパスステータスがステップ470で報告される。すべてのストリングが消去された訳ではない場合、検証カウンタVCが最大値(たとえば8)に到達したかどうかが判定される。さまざまな最大値をさまざまな実施形態で用いることが可能である。検証カウンタがこの最大値に到達していなければ、それはステップ474でインクリメントされ、消去電圧Veraseがステップサイズだけ増加される。次に、消去動作はステップ452に続く。
この検証カウンタがこの最大値に到達していれば、最小数のストリングが消去されているかどうかがステップ476で判定される。消去されていれば、消去動作に対するパスがステップ470で報告される。消去が不成功であったストリングは、たとえば、誤り訂正符号を用いて管理することが可能である。最小数のストリングも消去されていなければ、消去動作に対するフェイルがステップ478で報告される。
図18A〜図18Dに、本書に開示する技術の実施形態にしたがって消去されたメモリセルのグループに対する閾値電圧分布を示す。このグループには、1つまたは複数のNANDストリングが含まれる。図18Aは、データがアレイ中に書き込まれた後での、4レベル式NANDフラッシュメモリセルのグループに対する消去済み閾値電圧分布552と、プログラム済み閾値電圧分布554、556および558とを示している。図18Aのこれら分布には、消去される以前の双方のNANDストリング部分集合のメモリセルが含まれる。図18Bは、メモリセルの第1の部分集合を消去可能とし、メモリセルの第2の部分集合を消去抑止した状態でメモリセルグループに消去電圧パルスを印加した後でのこのグループの分布を示している。図18Bのこれら分布には、図17のステップ458の完了に対応し、また、図15の欄440(又は以下に説明する図21の欄650)のバイアス条件下での消去電圧パルスの印加にも対応している。図18Bに示すように、プログラム済み閾値電圧分布554、556および558中のセルの数は、第1の部分集合が消去された後では減少している。この時点では、これらの分布は、第1の部分集合が消去されているため、第2の部分集合のセルしか含んでいない。もはや分布554、556および558にはないこれらのセルは、消去されている第1の部分集合内にある最初にプログラムされたセルである。ここで、これらのセルは、最初にプログラムされたが今では消去されているセルを示す分布560によって表される。図18Bでは、分布560は、第2の部分集合がまだ消去されていないため、第1の部分集合からのセルしか含んでいない。第1と第2の部分集合の双方の最初に消去されたセルを表している部分集合552は、第1の消去電圧パルスが印加された後では、部分集合A中のセルがすでにより多く消去されているため、その結果、その幅が増大している。
図18Cは、メモリセルの第2の部分集合を消去可能とし、第1の部分集合を消去抑止した状態でメモリセルのグループに消去電圧パルスを印加した後でのこのメモリセルのグループの閾値電圧分布を示している。もはや、いかなるセルも、プログラム済み閾値電圧分布554、556および558内には存在しない。現時点では、これらのセルは、最初にプログラムされたが今では消去されているグループ(第1と第2の部分集合の双方)のすべてのメモリセルを示す分布560によって表される。図示するように、分布560は、分布552より多くのセルを含んでいるだけで、分布552と実質的には同じである。最初に消去されたグループのすべてのメモリセルを表す分布552は、その上側のエッジが、最初に消去された部分集合B内のメモリセルのうちの一部が、消去電圧パルスを印加されてさらに消去され結果、左側にシフトしている。
図15および図17では、ストリングレベルでの消去検証が示されている。一つの実施形態では、ストリング中のこのメモリセルの部分集合が、消去状態にあるかどうかそれぞれ別個に検証される。図19に、図15に示すのと同じ欄440と442の消去バイアス条件を示す。しかしながら、図19では、メモリセルの第1の部分集合とメモリセルの第2の部分集合とに対する個別の消去検証が図示されている。欄446は、メモリセルの第2の部分集合を検証対象から除外した状態で、第1の部分集合内のメモリセルが消去されたのか否かを検証するためのバイアス条件を示している。消去検証電圧Everifyが第1の部分集合内の各メモリセルに印加され、第2の部分集合内の各メモリセルには電圧Vpassが印加される。Everifyは、メモリセルが消去状態に到達したかどうかを判定するために用いられる電圧である。たとえば、0VというEverifyをメモリセルに印加すると、このメモリセルの閾値電圧が0V未満であって、消去状態にあることを示しているかどうかを判定することが可能である。Vpassは、消去されたのか否かとは無関係に、メモリセルの第2の部分集合が導通していることを保証するために選ばれた電圧である。このようにして、第2の部分集合が検証対象から除外された状態で、第1の部分集合内のメモリセルが検証される。欄448は、メモリセルの第2の部分集合が消去されたのか否かを検証するためのバイアス条件を示している。消去検証電圧Everifyが第2の部分集合内のメモリセルに印加され、第1の部分集合内のメモリセルには電圧Vpassが印加されて、検証対象から除外される。
図20は、部分集合ベースで検証する技術を用いたメモリセルの集合を消去する一つの実施形態にかかわる方法を示すフローチャートである。ステップ602で、これらメモリセルの第1の部分集合を消去可能とし、メモリセルの第2の部分集合を消去抑止した状態で、この集合に消去電圧パルスを印加する。ステップ604で、第2の部分集合を消去可能とし、第1の部分集合を消去抑止した状態で、この集合に消去電圧パルスを印加する。メモリセルの第2の部分集合を検証対象から除外した状態で、メモリセルの第1の部分集合が消去状態にあるかどうかがステップ606で検証される。ステップ608で、メモリセルの第1の部分集合を検証対象から除外した状態で、メモリセルの第2の部分集合が消去状態にあるかどうかが検証される。ステップ610で、第1の部分集合と第2の部分集合が消去されたと検証されたのか否かが判断される。消去されたと検証されたら、ステップ612でストリングに対してパスが報告される。一つの実施形態では、ステップ612の後で消去動作は、消去されたとまだ検証されていないグループ(例えば、ブロック)内の他のストリングに続く。消去されたとすでに検証されたストリングは、これら追加の動作中は消去されないように抑止される。
ステップ610で判定されたように第1の部分集合と第2の部分集合の双方が消去されたと検証されなかった場合、検証カウンタが最大値未満であるかどうかが、ステップ614で判定される。このカウンタがこの最大値以上であれば、最小数のストリングが消去されているかどうかが、ステップ616で判定される。最小数のストリングが消去されていれば、消去動作に対して成功がステップ618で報告される。最小数のストリングが消去されていなければ、消去動作に対するフェイルがステップ620で報告される。
検証カウンタがこの最大値未満であれば、ステップ622で、Veraseがステップサイズだけ増加され、検証カウンタがインクリメントされる。本方法は、第1の部分集合と第2の部分集合の消去状態に基づいてステップ624で分岐する。メモリセルの第1の部分集合と第2の部分集合のいずれもが消去されたと検証されなかった場合、本方法はステップ624からステップ602に続く。メモリセルの第1の部分集合は消去されたと検証されたが、第2の部分集合は消去されたと検証されなかった場合、第2の部分集合を消去可能とし、第1の部分集合を消去抑止した状態で、ステップ626で、集合に対して増大された消去電圧が印加される。メモリセルの第1の部分集合を検証対象から除外した状態で、メモリセルの第2の部分集合が消去状態にあるかどうかをステップ628で検証する。メモリセルの第2の部分集合は消去されたと検証されたが、第1の部分集合は消去されたと検証されなかった場合、ステップ630で、第1の部分集合を消去可能とし、第2の部分集合を消去抑止する。第2の部分集合を消去対象から除外した状態で第1の部分集合が消去されたのか否かをステップ632で検証する。ステップ628または632の後、本方法はステップ610に続く。
図21は、NANDストリング中のメモリセルの個々の部分集合を互いに独立に消去するバイアス条件の別の集合を示す。図21の実施形態では、個々の部分集合は、各メモリセルが、消去されているときには、その第1の隣接するトランジスタが第1のバイアスにあり、第2の隣接するトランジスタが第2のバイアスにあるように選ばれる。各メモリセルの1つの隣接するトランジスタが第1のバイアスにあり、かつ、第2の隣接するトランジスタが第2のバイアスにあるため、セルストリング内の各メモリセルが、従来の消去技術と比較して、より確実に消去されることになる。
欄659にメモリセルの第1の部分集合Aを消去するバイアス条件を示し、欄652に隣接するメモリセルの第2の部分集合Bを消去するバイアス条件を示す。これらメモリセルの部分集合には、対となった互いに隣接したメモリセルと、次の対の前に2つのメモリセルが介入して含まれている。図21の特定の実施形態では、部分集合Aには、ワード線WL0、WL1、WL4、WL5などのメモリセルが含まれ、部分集合Bには、ワード線WL2、WL3、WL6、WL7などのメモリセルが含まれる。
図21のメモリセルでは、消去中に、両隣のトランジスタが同じ電位にある訳ではないとはいえ、各隣接トランジスタ対に対しては同じバイアス条件を有している。各メモリセルは、消去可能状態で消去電圧を印加されると、その一方の隣接トランジスタが0V電位にあり、他方の隣接トランジスタが浮遊電位にある。例えば、ワード線WL0(部分集合A)のメモリセルでは、第1の隣接トランジスタとソース側選択ゲートが浮遊電位にあり、第2の隣接トランジスタとワード線WL1に接続されているメモリセルは0V電位にある(欄650)。WL1のメモリセル(第1の部分集合)では、消去可能状態(欄650)で消去電圧が印加されると、WL2のメモリセルが浮遊状態で、WL0のメモリセルが0Vになる。WL2のメモリセル(第2の部分集合)では、消去可能状態(欄652)で、第1の隣接トランジスタとWL1のメモリセルが浮遊電位にあり、第2の隣接トランジスタとワード線WL3のメモリセルは0V電位にある。WL3のメモリセル(部分集合B)では、消去可能とされた状態で消去電圧を印加されると(欄652)、ワード線WL4のメモリセルは浮遊状態で、WL2のメモリセルは0Vにある。
隣接するトランジスタの正味のバイアスと関連する電荷結合とは、図21にしたがって消去される各メモリセルと同じである。第1の電位にバイアスされた第1の隣接トランジスタと第2の電位にバイアスされた第2の隣接トランジスタとの組み合わせ、すなわち合計結合は、NANDストリングの各メモリセルのそれとほぼ同じである。さまざまな実施形態の特徴は、実質的に等しい電荷結合を、ストリングの各メモリセルに対して、これが消去されているときに促進することにある。図21の実施形態では、これは、各メモリセルの両隣のトランジスタが同じようにバイアスされることを保証することによってではなく、選択されたメモリセルに対する、ストリングに沿ったそのすぐ隣の2つのトランジスタからの合計電荷結合が、選択され、消去可能とされたときの一つおきのメモリセルのそれにほぼ等しくなることを保証することによって遂行される。
図21は、欄654および欄656における部分集合レベルの消去検証を示す。第1の部分集合は、欄654のバイアス条件下で検証される。Vpassを印加することによって部分集合B内のメモリセルが導通することを保証した状態で、部分集合Aのメモリセルに消去検証電圧を印加する。第2の部分集合は、欄656のバイアス条件下で検証される。Vpassを印加することによって部分集合A内のメモリセルが導通することを保証した状態で、部分集合Bのメモリセルに消去検証電圧を印加する。一つの実施形態では、ストリングレベルでの検証には、欄650および欄652の消去バイアス条件が用いられる。
さまざまなメモリセルの部分集合を消去するときには、さまざまな実施形態で、さまざまな消去電圧値と消去電圧ステップサイズとを用いることが可能である。従来の消去動作と比較したとき、消去電圧を一般的に増加させて、従来技術と実質的に同様の消去速度を達成することが可能である。例えば、図11と図13に示すように、NANDストリングの末端メモリセルは内部メモリセルより消去速度が遅いが、それは、動作中に浮遊状態にある隣接する選択ゲートからの電荷結合のためである。図15に示す実施形態によれば、NANDストリングのすべてのメモリセルが、従来の消去動作での末端メモリセルのほぼ2倍の正電荷結合を受けるが、それは、2つの隣接する浮遊するトランジスタを有するからである。したがって、消去電圧パルスのサイズを従来の消去動作によるそれより増大させて、消去時間を遅くしかねない正電荷結合を補償することが可能である。図21に示す実施形態では、メモリセルはそれぞれが、従来の消去動作での末端メモリセルのそれと同様の正電荷結合を受ける。したがって、従来の消去動作と比較して同じもしくはそれより大きいが、図15に示すような実施形態で用いられるものより小さい消去電圧パルスを用いることが可能である。他の消去電圧パルスサイズを用いることも可能である。
一つの実施形態では、メモリセルの第1の部分集合と第2の部分集合に印加される消去電圧パルスのサイズは同一である。図22Aに、一つの実施形態にしたがって用いることが可能な消去電圧信号を示す。第1のパルス702は、メモリセルの第1の部分集合Aが消去可能とされ、メモリセルの第2の部分集合Bが消去抑止された状態で、ストリングに印加される。一つの実施形態では、第1の消去電圧パルス702の振幅は14Vである。第2の消去電圧パルス704は、メモリセルの第2の部分集合Bが消去可能とされ、メモリセルの第1の部分集合Aが消去抑止された状態で、ストリングに印加される。このストリングの各メモリセルが消去されたと検証されなかった場合、第3の消去電圧パルス706が、メモリセルの第1の部分集合が消去可能とされ、メモリセルの第2の部分集合が消去抑止された状態で、印加される。第4の消去電圧パルス708は、メモリセルの第2の部分集合が消去可能とされ、メモリセルの第1の部分集合が消去抑止された状態で、印加される。パルス706や708以外の追加のパルスを、必要に応じて印加することが可能である。一つの実施形態では、部分集合レベルでの検証を実行し、追加の消去電圧パルスをある部分集合には印加して、別の部分集合には印加しないようにする。一つの実施形態では、いずれかの部分集合が消去されたものと検証されたのか否かとは無関係に、各パルスが印加される。すでに消去状態にあると検証されているセルの第1の部分集合および/またはセルの第2の部分集合を有するいかなるストリングも、適切な時点で消去抑止とすることが可能である。
図22Aに示すような一つの実施形態では、第1の消去電圧パルス702が、第1のステップサイズΔVERA1だけ増大されて第3の消去電圧パルス706と同じにし、第2の消去電圧パルス704が、第2のステップサイズΔVERA2だけ増大される。一つの実施形態では、ΔVERA1はΔVERA2に等しい。ΔVERA1はΔVERA2より大きくなったり小さくなったりする実施形態もある。パルス702〜712は、同じ消去電圧信号から生じると説明した。一つの実施形態では、第1の消去電圧信号を用いて、部分集合Aのメモリセルを消去するパルス702、706、710などを提供し、第2の消去電圧信号を用いて、パルス704、708、712などを提供する。
図22Bに、メモリセルの第1の部分集合と第2の部分集合を個別に消去するために用いられる消去電圧信号の別の実施形態を示す。第1の消去電圧パルスのサイズは、消去されている部分集合ごとに異なる。たとえば、第1のピーク値を有する第1の消去電圧パルス720は、第1の部分集合が消去可能とされ、第2の部分集合が消去抑止された状態で、メモリセルの集合に印加することが可能である。第2のピーク値を有する第2の消去電圧パルス722は、第2の部分集合が消去可能とされ、第1の部分集合が消去抑止された状態で、メモリセルの集合に印加することが可能である。
一つの実施形態では、最初に消去されるメモリセルの部分集合に印加される消去電圧パルスは、2番目に消去されるメモリセルの部分集合に印加される消去電圧パルスよりも大きい。第1の部分集合を消去しているとき、第2の部分集合(まだ消去されていない)内のメモリセルの浮遊ゲートの正電荷が、第1の部分集合内のメモリセルの浮遊ゲートに結合する。この正電荷結合によって、トンネル誘電体の両端の消去電位がさがり、したがって、これらのセルの消去速度を遅くする。しかしながら、メモリセルの第2の部分集合を消去するとき、メモリセルの第1の部分集合はすでに少なくとも部分的には消去されている。したがって、これらのセルと関連する正電荷結合は、第1の部分集合内のメモリセルのそれより少ないはずである。したがって、メモリセルの第1の部分集合を消去するときにはより大きい消去電圧サイズを用いれば、これら2つの部分集合間の消去速度を実質的に同じようにすることが可能である。一つの実施形態では、第1の部分集合に対する消去電圧ステップサイズであるΔVERA1は、第2の部分集合に対する消去電圧ステップサイズであるΔVERA2より大きい。
一つの実施形態では、消去動作と消去電圧パルスのサイズとが、メモリセルのすべて、もしくはほとんどすべてが、消去電圧をたった一回印加しただけで消去するように選ばれる。消去電圧パルスのサイズはさらに、メモリセルのすべて、もしくはほとんどすべてが、消去電圧をたった一回印加しただけで、さらには、メモリが多くの書き込み/消去サイクルを受けたら消去するように選択することが可能である。しかし、こうすると、一般的には、材料が劣化して電荷が捕獲されるため、消去速度が遅くなる。このような一つの実施形態では、第2の部分集合に印加される消去電圧パルスのサイズは、第1の部分集合に印加されるそれより小さくし、これで、第2の部分集合内のメモリセルが過剰消去されることを回避するようにしている。
上記の例は、NAND型フラッシュメモリに関連して提供されている。しかしながら、本発明の原理は、既存のタイプや開発中の新しい技術を用いることが予想されるタイプを含め、逐次式構造を利用する他のタイプの不揮発性メモリにも適用されるものである。
本発明の前記の詳細な説明は、図解及び説明の目的で提示されてきた。網羅的になること、又は開示されている正確な形式に本発明を制限することが目的ではない。前記教示を鑑みて多くの変更及び変形が可能である。説明した実施形態は、本発明の原理及びその実際的な応用例を最もよく説明し、それにより当業者が、意図された特定の使用に適するように、多様な実施形態において、及び多様な変更とともに本発明を最大に活用できるようにするために選ばれた。本発明の範囲は、本明細書に添付される請求項により明示されることが意図される。

Claims (20)

  1. 不揮発性記憶素子の第1の部分集合を消去可能とし、不揮発性記憶素子の第2の部分集合を消去抑止した状態で、不揮発性記憶素子の集合に消去電圧を印加する工程と、
    前記第2の部分集合を消去可能とし、前記第1の部分集合を消去抑止した状態で、不揮発性記憶素子の前記集合に前記消去電圧を印加する工程と、
    前記集合が消去されたと検証されない場合に、前記第1の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加することと前記第2の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加することのうちの少なくとも一方を繰り返す工程、
    を備える不揮発性記憶素子を消去する方法。
  2. 前記第2の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加する工程の前に前記第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加する工程を実行し、
    前記第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加する工程は、第1のピーク値を有する消去電圧パルスを印加するステップを含み、
    前記第2の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加する工程は、前記第1のピーク値より低い第2のピーク値を有する消去電圧パルスを印加するステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記繰り返す工程は、
    前記第1の部分集合を消去可能とした状態で、不揮発性記憶素子の前記集合に印加される前記消去電圧を、前記第1のピーク値から第1のステップサイズだけ増加させるステップと、
    前記第2の部分集合を消去可能とした状態で、不揮発性記憶素子の前記集合に印加される前記消去電圧を、前記第2のピーク値から前記第1のステップサイズだけ増加させるステップを含む、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記繰り返す工程は、
    前記第1の部分集合を消去可能とした状態で、不揮発性記憶素子の前記集合に印加される前記消去電圧を、前記第1のピーク値から第1のステップサイズだけ増加させ、
    前記第2の部分集合を消去可能とした状態で、不揮発性記憶素子の前記集合に印加される前記消去電圧を、前記第2のピーク値から前記第1のステップサイズよりも低い第2のステップサイズだけ増加させる、
    請求項2に記載の方法。
  5. 前記第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加する工程は、前記第1のピーク値を有する消去電圧パルスを印加するステップを含み、
    前記第2の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加する工程は、前記第1のピーク値を有する消去電圧パルスを印加するステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記繰り返す工程は、
    不揮発性記憶素子の前記集合が消去されたと検証されるまで、前記第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加することと、前記第2の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加することを繰り返すステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記繰り返す工程は、
    前記第1の部分集合または前記第2の部分集合が消去されたと検証されていないと判断された場合に、この判断に応答して、前記第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加することと、前記第2の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加することを繰り返すステップを含む、
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加する工程と前記第2の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加する工程の両工程を実行した後に、不揮発性記憶素子の前記集合が消去されたのか否かを検証する工程、
    をさらに備える請求項1に記載の方法。
  9. 前記検証する工程は、
    前記第2の部分集合を検証対象から除外した状態で、前記第1の部分集合が消去されたのか否かを検するステップと、
    前記第1の部分集合を検証対象から除外した状態で、前記第2の部分集合が消去されたのか否かを検証するステップを含む、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記第2の部分集合を検証対象から除外した状態で、前記第1の部分集合が消去されたのか否かを検証するステップは、前記第1の部分集合の各記憶素子に対して消去検証電圧を印加するとともに、前記第2の部分集合の各記憶素子に対して前記消去検証電圧より大きい電圧を印加するステップを含み、
    前記第1の部分集合を検証対象から除外した状態で、前記第2の部分集合が消去されたのか否かを検証するステップは、前記第2の部分集合の各記憶素子に対して前記消去検証電圧を印加するとともに、前記第1の部分集合の各記憶素子に対して前記消去検証電圧より大きい電圧を印加するステップを含む、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記第2の部分集合の各記憶素子に対して前記消去検証電圧より大きい前記電圧は、消去されたのか否かとは関係なく、前記第2の部分集合の各記憶素子が導通していることを保証するのに十分大きく、
    前記第1の部分集合の各記憶素子に対して前記消去検証電圧より大きい前記電圧は、消去されたのか否かとは関係なく、前記第1の部分集合の各記憶素子が導通していることを保証するのに十分大きい、
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記繰り返す工程は、
    前記第2の部分集合が消去され、前記第1の部分集合が消去されていないと前記検証する工程で判断した場合に、記憶素子の前記第1の部分集合を消去可能とした状態で消去電圧を印加することを繰り返すステップと、
    前記第1の部分集合が消去され、前記第2の部分集合が消去されていないと前記検証する工程で判断した場合に、記憶素子の前記第2の部分集合を消去可能とした状態で前記消去電圧を印加することを繰り返すステップと、
    前記第1の部分集合が消去されておらず、前記第2の部分集合が消去されていると前記検証する工程で判断した場合に、前記第1の部分集合を消去可能とした状態で、消去電圧を印加することと、前記第2の部分集合を消去可能とした状態で、前記消去電圧を印加することを繰り返すステップを含む、
    請求項9に記載の方法。
  13. 前記検証する工程は、
    前記第1の部分集合が消去されたのか否かと、前記第2の部分集合が消去されたのか否かを同時に検証するステップを含む、
    請求項8に記載の方法。
  14. 不揮発性記憶素子の前記集合が不揮発性記憶素子のストリングであり、
    前記第1の部分集合が、前記ストリングに対する第1の選択ゲートに隣接する第1の記憶素子と、前記ストリングのビット線方向に進んで前記ストリングの一つおきの記憶素子を含み、
    前記第2の部分集合が、前記ストリングに対する第2の選択ゲートに隣接する第2の記憶素子と、前記ストリングの前記ビット線方向に進んで前記ストリングの一つおきの記憶素子と、前記第1の記憶素子に隣接する第3の記憶素子を含む、
    請求項1に記載の方法。
  15. 不揮発性記憶素子の集合と、不揮発性記憶素子の前記集合と連通する管理回路、を備える不揮発性メモリシステムであり、
    前記管理回路は、不揮発性記憶素子の前記集合を消去する要求を受信し、前記要求に応答して、不揮発性記憶素子の前記集合に1つ以上の第1の消去電圧パルスを印加した状態で前記第1の部分集合の消去を可能として前記第2の部分集合の消去を抑止することと、不揮発性記憶素子の前記集合に1つ以上の第2の消去電圧パルスを印加した状態で前記第2の部分集合の消去を可能として前記第1の部分集合の消去を抑止すること、によって不揮発性記憶素子の前記集合を消去する、
    不揮発性メモリシステム。
  16. 前記管理回路は、前記第1の部分集合が消去可能とされた状態で前記1つ以上の第1の消去電圧パルスを印加し、かつ、前記第2の部分集合が消去可能とされた状態で前記1つ以上の第2の消去電圧パルスを印加した後に、不揮発性記憶素子の前記集合が消去されたのか否かを検証する、
    請求項15に記載の不揮発性メモリシステム。
  17. 前記管理回路は、
    前記検証において前記第1の部分集合が消去されていないと判断すると、前記第1の部分集合の消去を可能とした状態で前記1つ以上の第1の消去電圧パルスに追加して1つのパルスを印加することによって、前記第2の部分集合に関する判定とは関係なく前記第1の部分集合の消去を可能とし、
    前記検証において前記第1の部分集合が消去されたと判断すると、前記第1の部分集合の消去を可能とした状態でそれ以上消去電圧パルスを印加しないことによって、前記第2の部分集合に関する判定とは関係なく前記第1の部分集合の消去を可能とし、
    前記検証において前記第2の部分集合が消去されていないと判断すると、前記第2の部分集合の消去を可能とした状態で前記1つ以上の第2の消去電圧パルスに追加して1つのパルスを印加することによって、前記第1の部分集合に関する判定とは関係なく前記第2の部分集合の消去を可能とし、
    前記検証において前記第2の部分集合が消去されたと判断すると、前記第2の部分集合の消去を可能とした状態でそれ以上消去電圧パルスを印加しないことによって、前記第1の部分集合に関する判定とは関係なく前記第2の部分集合の消去を可能とする、
    請求項16に記載の不揮発性メモリシステム。
  18. 前記管理回路は、前記第1の部分集合が消去されたのか否かと、前記第2の部分集合が消去されたのか否かを同時に検証することによって前記第1の部分集合の消去を可能とし、
    前記集合が消去されていないと前記検証で判断すると、前記第1の部分集合の消去を可能とした状態で、前記1つ以上の第1の消去電圧パルスに追加して1つのパルスを印加することによって前記第1の部分集合の消去を可能とし、
    前記集合が消去されていないと前記検証で判断すると、前記第2の部分集合の消去を可能とした状態で、前記1つ以上の消去電圧パルスに追加して1つのパルスを印加することによって前記第2の部分集合の消去を可能とする、
    請求項16に記載の不揮発性メモリシステム。
  19. 前記管理回路は、前記第2の部分集合の消去を可能とする前に前記第1の部分集合の消去を可能とし、
    前記第1の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記1つ以上の消去電圧パルスが、前記第1の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記第1の消去電圧パルスを含み、
    前記第2の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記1つ以上の消去電圧パルスが、前記第2の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記第1の消去電圧パルスを含み、前記第2の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記第1の消去電圧パルスが、前記第1の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記第1の消去電圧パルスより低いピーク値を有する、
    請求項15に記載の不揮発性メモリシステム。
  20. 不揮発性記憶素子の前記集合が、不揮発性記憶素子のアレイの第1のNANDストリングであり、
    前記要求が、前記アレイの複数のストリングを消去する要求を含んでおり、
    前記アレイの前記不揮発性記憶素子は、1つ以上のプログラム状態にあるデータを記憶することが可能であり、
    前記第1の部分集合の消去を可能とした状態で印加される前記1つ以上の消去電圧パルスは、1つ以上の前記プログラム状態にプログラムされた前記アレイの前記不揮発性記憶素子のすべての素子より少ない素子を消去するように適合されたレベルを有する第1の電圧パルスを含む、
    請求項15に記載の不揮発性メモリシステム。
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