JP2010504967A - 新規なβ−ラクタマーゼ阻害剤 - Google Patents

新規なβ−ラクタマーゼ阻害剤 Download PDF

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Abstract

二環式環の2つの位置がヘテロシクリルアミノカルボニル基またはカルボシクリルアミノカルボニル基で置換されている7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸化合物のクラスはβ−ラクタマーゼ阻害剤である。前記化合物、並びにそのプロドラッグ及び医薬的に許容され得る塩はβ−ラクタム抗生物質との併用で細菌感染の治療に有用である。特に、前記化合物は、β−ラクタマーゼが存在するためにβ−ラクタム抗生物質に対して耐性の微生物に対してβ−ラクタム抗生物質(例えば、イミペネム及びセフタジジム)と併用するために適している。

Description

本発明は、新規なβ−ラクタマーゼ阻害剤及び細菌の抗生物質耐性に対するその使用に関する。より具体的には、本発明は細菌の抗生物質耐性を解消するための組成物及び方法に関する。
細菌の抗生物質耐性は現代の健康管理に対する最も重要な脅威の1つとなっている。Cohen,Science,1992,257:1051−1055は、耐性細菌に感染すると多くの場合入院期間が長くなり、死亡率が高くなり、治療費が上がることを開示している。Neu,Science,1992,257:1064−1073は、細菌は新しい物質に対する耐性を生じさせる能力が顕著で、これら物質をすぐに無効にするので、新規な抗生物質に対する要望がエスカレートし続けていることを開示している。
現在の危機により、細菌の耐性に関与するメカニズムを解明すべく様々な努力が促された。Coultonら,Progress in Medicinal Chemistry,1994,31:297−349は、ペニシリン及びセファロスポリンが広く使用されると、現在使用されている多数の抗生物質に共通のβ−ラクタム環の加水分解を触媒する細菌性酵素のファミリーであるβ−ラクタマーゼが出現したと教示している。より最近では、Dudley,Pharmacotherapy,1995,15:9S−14Sは、β−ラクタマーゼにより媒介される耐性は細菌の抗生物質耐性の発生のコアでの決定的な要因であることを開示している。ストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)の代謝産物であるクラブラン酸、並びにスルバクタム及びタゾバクタムの2つの半合成阻害剤が現在入手可能な半合成または天然産物のβ−ラクタマーゼ阻害剤である。米国特許第5698577号明細書、米国特許第5510343号明細書、米国特許第6472406号明細書、Hubschwerlenら,J.Med.Chem.,1998,41:961及びLivermoreら,,J.Med.Chem.,1997,40:335−343は幾つかの合成β−ラクタマーゼ阻害剤を開示している。
しかしながら、ほんの僅かのβ−ラクタマーゼ阻害剤の入手可能性はβ−ラクタマーゼの常に増えつつある多様性を阻止するには不十分であり、多種多様な新規で異なる阻害剤が必要となりつつある。従って、新規なβ−ラクタマーゼ阻害剤が要望されている。
米国特許第5698577号明細書 米国特許第5510343号明細書 米国特許第6472406号明細書
Cohen,Science,1992,257:1051−1055 Neu,Science,1992,257:1064−1073 Coultonら,Progress in Medicinal Chemistry,1994,31:297−349 Dudley,Pharmacotherapy,1995,15:9S−14S Hubschwerlenら,J.Med.Chem.,1998,41:961 Livermoreら,,J.Med.Chem.,1997,40:335−343
本発明は、驚くほど強力なβ−ラクタマーゼ阻害剤であり、抗生物質耐性の細菌感染を治療するためにβ−ラクタム抗生物質と一緒に使用される新規な置換二環式β−ラクタムを提供する。本発明の化合物はβ−ラクタマーゼを阻害し、β−ラクタマーゼの存在の結果としてβ−ラクタム抗生物質(例えば、イミペネム及びセフタジジム)に対して通常耐性の微生物に対してβ−ラクタム抗生物質の抗菌作用と相乗作用を発揮する。本発明の化合物はクラスC β−ラクタマーゼに対して有効であり、このβ−ラクタマーゼ阻害剤をβ−ラクタム抗生物質(例えば、イミペネム)と組み合わせることにより、クラスC β−ラクタマーゼ産生微生物に起因する細菌感染を治療することができる。よって、本発明は、抗生物質のクラスC β−ラクタマーゼ産生細菌(例えば、シュードモナス種(Pseudomonas spp.))に対する抗微生物活性のスペクトルを広げるための本発明の化合物と適切なβ−ラクタム抗生物質の配合剤にも関する。本発明は更に、本発明の化合物及び1つ以上の医薬的に許容され得る担体を含む組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物または組成物を用いて細菌感染を治療し、細菌増殖を阻止するための方法に関する。本発明の別の態様は、細菌感染の治療用薬剤を製造するために本発明の化合物の使用である。本発明のこの態様及び他の態様は本明細書を全体的に考慮すると実現される。
実施例34の結晶性二水和物についてのX線粉末回折パターンである。 実施例34の結晶性二水和物についてのDSC曲線である。 実施例34の結晶性二水和物についてのTGA曲線である。
本発明の実施形態(或いは、本明細書中“実施形態El”と称する)は、式I
Figure 2010504967
[式中、
Rは場合により1〜3個の窒素、酸素または硫黄原子を含有し、場合により1個以上のR基で置換されている7〜9員飽和または不飽和環であり;
は水素またはC1−3アルキルを表し;
は独立して水素、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6アルケニル、置換C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、置換C1−6アルキニル、ハロ、−CN、NO、−OR、−SR、−N(R、−C(O)N(R、−SON(R、−CO、−C(O)R、−OCOR、−NHCOR、−NHC(O)、−NHSO、−C(NH)NH、−C(NH)Hを表し、または同一環炭素原子上の2個のR基は炭素と一緒になってカルボニル基を表し、もしくは同一環硫黄原子上の2〜4個のR基は硫黄と一緒になってスルフィニル基またはスルホニル基(すなわち、SOまたはSO)を表し;
各Rは独立して水素またはC1−4アルキルを表し;
Mは水素または医薬的に許容され得るカチオンを表し、分子がスルホン酸によりプロトン化され得る内部塩基を含んでいるときにはMは負電荷を表し得る(すなわち、Mは場合により負電荷である。)。]
を有する新規化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩に関する。
本発明の実施形態(実施形態E2)は、
Rが、場合により1〜3個のN、O及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含有し、場合により1個以上のR基で置換されている7〜9員飽和または不飽和環であり(例えば、Rは場合により1〜8個のR基で置換されており、場合により1〜6個のR基で置換されており、場合により1〜4個のR基で置換されており、場合により1〜3個のR基で置換されており、場合により1または2個のR基で置換されており、または場合によりRでモノ置換されている。);
が水素またはメチルを表し;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル、ハロ、−(CHCN、−(CHNO、−(CHOR、−(CHSR、−(CHN(R、−(CHC(O)N(R2、−(CHSON(R、−(CHCO、−(CHC(O)R、−(CHOC(O)R、−(CHNHC(O)R、−(CHNHC(O)、−(CHNHSO、−(CHC(NH)NHまたは−(CHC(NH)Hを表し、同一環炭素原子上の2個のR基は場合により一緒になってオキソを形成し、同一環硫黄原子上の2個のR基は場合により硫黄と一緒になってSOを表し、または同一環硫黄原子上の4個のR基は場合により硫黄と一緒になってSOを表し;
nは0〜4であり(すなわち、各nは独立して0、1、2、3または4であり);
各Rは独立して水素またはC1−4アルキルを表し;
Mは水素または医薬的に許容され得るカチオンを表し、分子がスルホン酸によりプロトン化される内部塩基を含んでいるときにはMは負電荷であり得る
式(I)を有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩である。
本発明は、更に細菌の抗生物質耐性に関する。より具体的には、本発明は、細菌の抗生物質耐性を解消するための組成物及び方法に関する。本明細書中で挙げられている特許及び刊行物は当分野の知識を示し、参照により全文本明細書に組み込まれるものとする。整合しない場合には、本明細書の開示が優先する。
本発明の目的で、以下の定義を使用する。
本明細書中で使用されている用語「β−ラクタマーゼ阻害剤」は、β−ラクタマーゼ活性を阻害することができる本明細書中に定義されている構造を有する化合物を同定するために使用される。β−ラクタマーゼ活性の阻害とはクラスA、CまたはD β−ラクタマーゼの活性の阻害を意味する。抗微生物用途のためには、阻害は好ましくは100個以下の微生物/mL、より好ましくは50個以下の微生物/mL、最も好ましくは25個以下の微生物/mLの50%阻害濃度でなければならない。用語「クラスA」、「クラスC」及び「クラスD」β−ラクタマーゼについては当業者は理解しており、Waley,“The Chemistry of β−lacmatase”,Page編,Chapman & Hall,London,(1992)198−228中に見つけることができる。
本明細書中で使用されている用語「β−ラクタマーゼ」はβ−ラクタム抗生物質を失活させることができるタンパク質を指す。1つの好ましい実施形態では、β−ラクタマーゼはβ−ラクタム抗生物質のβ−ラクタム環の加水分解を触媒する酵素である。ある好ましい実施形態では、β−ラクタマーゼは微生物由来である。ある他の好ましい実施形態では、β−ラクタマーゼはセリンβ−ラクタマーゼである。好ましいβ−ラクタマーゼの例は公知であり、例えばWaley,“The Chemistry of β−lacmatase”,Page編,Chapman & Hall,London,(1992)198−228に開示されている。特に好ましい実施形態では、β−ラクタマーゼは緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のクラスC β−ラクタマーゼまたはエンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)P99のクラスC β−ラクタマーゼ(以下、P99 β−ラクタマーゼ)である。
可変因子(例えば、RまたはR)が構成要件中に2回以上現れるときには、各回のその定義は他の回とは独立している。また、置換基及び/または可変因子の組合せにより安定な化合物が生ずる場合のみ該合わせが認められ得る。
「安定な」化合物は、製造、単離され得、化合物を本明細書中に記載されている目的(例えば、患者への治療上の投与)に使用するのに十分な時間その構造及び特性が保持されるまたは本質的に未変化のままであり得る化合物である。本発明の化合物は式Iに包含される安定な化合物に限定される。
本明細書中で使用されている用語「生物」は多細胞生物を指す。この生物は、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトである。
簡潔のために、化学部分は主に1価の化学部分(例えば、アルキル、アリール等)として定義されており、本明細書を通じて言及されている。しかしながら、この用語は、当業者に明白な適切な構造環境下で対応する多価部分を表すためにも使用される。例えば、「アルキル」部分は通常1価のラジカル(例えば、CHCH−)を指すが、ある状況では2価連結部分は「アルキル」であり得、この場合当業者はこのアルキルは用語「アルキレン」と均等の2価のラジカル(例えば、−CHCH−)であると理解している。(同様に、2価部分が必要であり、「アリール」であると記載されている状況では、当業者は用語「アリール」は対応の2価部分のアリーレンを指すと理解している。)原子はすべて結合形成のために通常の原子価数(すなわち、炭素については4、Nについては3、Oについては2、SについてはSの酸化状態に応じて2、4または6)を有していると理解される。場合により、部分は例えば(A)−B−(ここで、aは0または1である。)として定義され得る。前記状況では、aが0のときには部分はB−であり、aが1のときには部分はA−B−である。
本明細書中に開示されている多数の部分が複数の互変異性体で存在し得、すべての互変異性体が所与の互変異性体構造により包含されると意図される。より具体的には、個別のまたは混合物の形態の式Iに包含される化合物のすべての互変異性体が本発明の範囲に入る。更に、ヘテロ芳香族環中の炭素原子、またはより一般的には二重結合の一部である環または脂肪族炭素原子上にヒドロキシ置換基を有する本発明の化合物にはヒドロキシのみが存在する化合物、互変異性体のケト形態(すなわち、オキソ置換基)のみが存在する化合物、及びケト及びエノールの両形態が存在する化合物が含まれることに注目されたい。
本発明の化合物はキラル中心を含み、置換基及び(例えば、R上の)置換パターンの選択の結果として追加の不斉中心を有することがあり、よって立体異性体の混合物として、個別のジアステレオマーとして、またはエナンチオマーとして存在し得る。個別であっても混合物であっても、これらの化合物のすべての異性体が本発明の範囲に含まれる。
本明細書中で使用されている用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する1価の直鎖または分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基の例には、非限定的にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル及びヘキシルが含まれる。
用語「置換アルキル」は、1、2、3または4個の置換基で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したアルキル基を指す。
本明細書中で使用されている用語「アルケニル」は、1つの炭素−炭素二重結合を含有し、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子、最も好ましくは2〜4個の炭素原子を有する1価の直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素基を指す。アルケニル基の例には、非限定的にビニル(エテニル)、2−プロペニル、イソプロペニル及びイソブテニルが含まれる。
用語「置換アルケニル」は、1、2、3または4個の置換基で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したアルケニル基を指す。
本明細書中で使用されている用語「アルキニル」は、1つの炭素−炭素三重結合を含有し、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子、最も好ましくは2〜4個の炭素原子を有する1価の直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素基を指す。アルキニルの例には、非限定的にエチニル及びプロピニルが含まれる。
用語「置換アルキニル」は、1、2、3または4個の置換基で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したアルキニル基を指す。
本明細書中で使用されている用語「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、より好ましくは3〜7個の炭素を有する飽和環状炭化水素基を指す。シクロアルキル基の例には、非限定的にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。
用語「置換シクロアルキル」は、1個以上の置換基で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したシクロアルキルを指す。
用語「シクロアルケニル」は、4〜12個の炭素、好ましくは5〜8個の炭素、より好ましくは5〜7個の炭素を有するモノ飽和環状炭化水素基を指す。シクロアルケニル基の例には、非限定的にシクロペンテニル及びシクロヘキセニルが含まれる。
用語「置換シクロアルケニル」は、1個以上の置換基で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したシクロアルケニルを指す。
「アリール」基は、1〜3個の芳香族環からなるC−C14芳香族部分である。好ましくは、アリール基はC−C10アリール基である。アリール基の例には、非限定的にフェニル、ナフチル、アントラセニル及びフルオレニルが含まれる。好ましいアリール基はフェニルである。
「置換アリール」基は、1個以上の置換基で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したアリール基を指す。置換アリールの1つのクラスは、1個以上のアルキル基で置換されている(例えば、1〜4個のアルキル基、1〜3個のアルキル基、1または2個のアルキル、または1個のアルキルで置換されている)アリール基である「アルカアリール」基である。アルカアリール基の例には、非限定的にトリル、キシリル、メシチル、エチルフェニル、tert−ブチルフェニル及びメチルナフチルが含まれる。
「アルアルキル」または「アリールアルキル」基は、分子の残りに結合しているアルキル基に共有結合してアリール基を含む。好ましくは、アルアルキル基は−Cアルキレン−C6−10アリールであり、これには非限定的にベンジル、フェネチル及びナフチルメチルが含まれる。
「置換アルアルキル」基は、アルキル部分及びアリール部分の一方または両方が1個以上の置換基(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したアルアルキル基である。1つの実施形態では、アリール部分のみに置換基が存在する。
用語「ハイドロカルビル」は、炭素及び水素から構成され、飽和または不飽和であり、脂肪族または環状であるかまたは脂肪族と環状構造を両方含み、環状構造は単一の環であるかまたはそれぞれの環が独立して相互に縮合または架橋されている2つ以上の環であり得る基を指す。ハイドロカルビル基の例には、非限定的にアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルで置換されているアルキル、シクロアルケニルで置換されているアルキル、アルキルで置換されているシクロアルキル、アルキルで置換されているシクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール等が含まれる。
用語「ハロハイドロカルビル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したハイドロカルビル基を指す。より具体的には、用語「ハロアルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されている(例えば、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基または1個の置換基(すなわちモノ置換されている。)で置換されている。)上に定義したアルキル基を指す。ハロアルキル基の例には、CF、CHCF、CHF及びCHFが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用されている用語「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、別段の言及がない限り、飽和または不飽和であり、炭素原子及びN、O及びSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子から構成される安定な5〜9員の単環式または安定な8〜11員二環式ヘテロ環式環を表し、上記したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合されている二環式基も含まれる。安定な構造が生ずるようにヘテロ環式環がヘテロ原子または炭素原子で結合していてもよい。用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環式」はヘテロアリール部分を含む。
ヘテロ環式エレメントの例には、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル及びチエニルが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロ環式エレメントの例の実施形態には、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、2−ピリジノニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルが含まれるが、これらに限定されない。
ある好ましい実施形態では、ヘテロ環式基はヘテロアリール基である。本明細書中で使用されている用語「ヘテロアリール」は、5〜14個の環原子、好ましくは5、6、9または10個の環原子を有し;環状アレーで共有している6、10または14個のπ電子を有し;炭素原子に加えて、1〜約3個のN、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を有する基を指す。好ましいヘテロアリール基には、非限定的にチエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル及びイソオキサゾリルが含まれる。
ある他の好ましい実施形態では、ヘテロ環式基がアリールまたはヘテロアリール基に縮合している。縮合ヘテロ環の例には、非限定的にテトラヒドロキノリニル及びジヒドロベンゾフラニルが含まれる。
本発明の目的で、場合により1〜3個の窒素、酸素または硫黄原子を含有する7〜9員の飽和または不飽和環の例には、本明細書中に記載されているアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロ環、ヘテロシクリル、ヘテロ環式、シクロアルキル及びシクロアルケニル環が含まれる。7〜9員の飽和または不飽和環の例には、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、チアゼパニル、アゾカニル、オキサゾカニル、ジアゾカニル等が含まれる。
置換されている部分は1個以上の水素が独立して別の置換基で置換されているものである。非限定例として、置換フェニルには、2−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−3−プロピルフェニルが含まれる。別の非限定例として、置換n−オクチルには、2,4−ジメチル−5−エチル−オクチル及び3−シクロペンチルオクチルが含まれる。この定義には、メチレン(−CH−)が酸素で置換されてカルボニル(−CO−)を形成する「オキソ」置換基が含まれる。
他の方法で言及されていない限り、本明細書中で使用されているとき、部分(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル等)が“置換”されていると記載されている場合、該基は1個以上の非水素置換基(例えば、1〜4個、1〜3個、1または2個の非水素置換基)を有していることを意味する。適切な置換基には、非限定的にハロ、ヒドロキシ、オキソ(例えば、オキソで置換されている環状−CH−は−C(O)−である。)、ニトロ、ハロハイドロカルビル(例えば、ハロアルキル)、ハイドロカルビル(例えば、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはアルアルキル)、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アシル,カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレンスルホンアミド、アルアルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノ及びウレイド基が含まれる。(別段に明記されない限り)それ自体更に置換されない好ましい置換基は、
(a)ハロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ;及び
(b)C−Cアルキルまたはアルケニルまたはアリールアルキルイミノ、カルバモイル、アジド、カルボキサミド、メルカプト、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、C−Cアルキル、SOCF、CF、SOMe、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C−Cアシル、C−Cアシルアミノ、C−Cアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールチオ、C−Cアルキルスルフィニル、アリールアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、C−CN−アルキルカルバモイル、C−C15N,N−ジアルキルカルバモイル、C−Cシクロアルキル、アロイル、アリールオキシ、アリールアルキルエーテル、アリール、シクロアルキルまたはヘテロ環または別のアリール環に縮合しているアリール、C−Cヘテロ環、或いはシクロアルキル、ヘテロシクリルまたはアリールに縮合またはスピロ縮合している前記環(これらの各々は場合により上にリストした部分で置換されていてもよい。);
である。
本明細書中で使用されている用語「ハロゲン」または「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素を指す。好ましいハロゲンは塩素及びフッ素である。
用語「アシルアミノ」は、窒素原子で結合しているアミド基を指す。用語「カルバモイル」は、カルボニル炭素原子で結合されているアミド基を指す。アシルアミノまたはカルバモイル置換基の窒素原子が追加的に置換されていてもよい。用語「スルホンアミド」は、硫黄または窒素原子のいずれかにより結合されているスルホンアミド置換基を指す。用語「アミノ」は、NH、アルキルアミノ、アリールアミノ及び環状アミノ基を含むと意味する。
用語「ヘテロシクロアルキル」は、環中の炭素原子の1つがO、SまたはNから選択されるヘテロ原子により置換されており、最高3個の追加炭素原子がヘテロ原子で置換されていてもよいシクロアルキル基(非芳香族)を指す。
用語「ヘテロ原子」は、独立した基準で選択されるO、SまたはNを意味する。
アルコキシは、アルキルオキシ基(例えば、−O−C−Cアルキル)を指す。
1つ以上の基中の1つ以上の原子での1つ以上の指定された置換基による置換は、該置換が化学的に許容され、安定な化合物を生ずるならば認められる。
官能基が「保護されている」と記述されている場合、これは該基が保護部位での望ましくない副反応を妨げるような修飾形態にあることを意味する。本発明の化合物に対して適切な保護基は、当業界の技術レベルを考慮し、例えばGreene,T.W.ら,“Protective Groups in Organic Synthesis”,第2版,Wiley,New York(1991)のような教書を参照して本明細書から認識されるであろう。適切な保護基の例は明細書中に挙げられている。
本発明の実施形態は、Rが、1個の窒素原子を含有し、残りが炭素原子である7、8または9員飽和環であり、他の可変因子がすべて実施形態E1または実施形態E2に定義されている通りである、式Iを有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩である。
本発明の実施形態は、Rが7員ヘテロ環式環であり、他の可変因子はすべて明細書中に記載されている通りである場合に実現される。
本発明の実施形態は、Rが6個の炭素及び1個の窒素を含有する7員ヘテロ環式環であり、他の可変因子はすべて明細書中に記載されている通りである場合に実現される。
本発明の別の実施形態は、Rが7個の炭素及び1個の窒素を含有する8員ヘテロ環式環である場合に実現される。
本発明の更に別の実施形態は、Rが5個の炭素及び2個の窒素を含有する7員ヘテロ環式環である場合に実現される。
本発明の更に別の実施形態は、Rが6個の炭素及び2個の窒素を含有する8員ヘテロ環式環である場合に実現される。
本発明の更に別の実施形態は、Rが5個の炭素、1個の窒素及び1個の酸素を含有する7員ヘテロ環式環である場合に実現される。
本発明の更に別の実施形態は、Rが1個の窒素を含有する9員ヘテロ環式環である場合に実現される。
本発明の別の実施形態は、RがHであり、他の可変因子がすべて実施形態E1、実施形態E2または本明細書中に記載されている他の実施形態に定義されている通りである、式Iを有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩である。
本発明の別の実施形態は、Rがメチルである場合に実現される。
本発明の実施形態は、式IIまたはIII
Figure 2010504967
(式中、Rは実施形態E1、実施形態E2に定義されており、または他の方法で本明細書中に記載されている通りである。)
を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩である。この実施形態のサブ実施形態では、Rは水素、C1−6アルキル、−C(=NH)NHまたは−C(=NH)Hである。この実施形態の別のサブ実施形態では、RはH及びC1−4アルキルからなる群から選択される。
本発明の別の実施形態は、
Rが、N(R)を含有し、場合によりOまたはNHのいずれかを含有している7、8または9員飽和環であり、この環において、隣接しており及びN(R)に直接結合している2個の環原子は炭素原子であり、(i)N(R)に直接結合している環炭素の1つは場合によりオキソで置換されており、場合によりメチルでモノ置換されており、または場合によりメチルでジ置換されており、(ii)N(R)に直接結合している環炭素の両方は独立して場合によりメチルでモノまたはジ置換されており(環R中で他の置換は認められない。);
が水素であり;
が水素、C1−4アルキル、−(CH2−3OH、−(CH2−3O−C1−3アルキル、−(CH2−3NH、−(CH2−3N(H)−C1−3アルキル、−(CHN(−C1−3アルキル)、−C(NH)NHまたは−C(=NH)Hであり;
他の可変因子がすべて実施形態E1または実施形態E2、或いは本明細書中に記載されている他の実施形態に定義されている通りである、
式Iを有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩である。この実施形態のサブ実施形態では、RがN(R)(ここで、Rは水素、CH、−(CHOH、−(CHNH、−(CHN(H)CHまたは−(CHN(CHである。)を含有する7〜9員飽和環である。
本発明の化合物のクラスには、
Rが
Figure 2010504967
(ここで、結合の末端上の星印()はRの化合物の残りへの結合ポイントを指す。)
であり;
がHであり;
環N上の置換基である各Rが独立してH、CH、−(CH2−3OH、−(CHNH、−(CHN(H)CH、−(CHN(CH、−(CH1−2C(O)NH、−(CH1−2C(O)N(H)CH,−(CH1−2C(O)N(CH及び−CH(=NH)からなる群から選択され;
環炭素上の置換基である各Rが独立してHまたはCHであり、2個のR基が同一環炭素原子上にあるときには2個のR基は場合により一緒になってオキソを形成し、ただし環炭素上の少なくとも1個のRはH以外であり;
MがHである、
式Iを有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩が含まれる。
本発明の化合物はβ−ラクタム抗生物質、例えばイミペネム、Primaxin(登録商標)(イミペネムとシラスタチンの配合剤)、エルタペネム、メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム、アモキシシリン、チカルシリン、アンピシリン、セフォペラゾン、ピペラシリン及びセフタジジムと一緒に配合され得る。よって、本発明の別の態様は、本発明の化合物をβ−ラクタム抗生物質と共投与する場合に実現される。
以下は、場合により医薬的に許容され得る塩の形態の、本発明の化合物の例である。
Figure 2010504967
Figure 2010504967
Figure 2010504967
Figure 2010504967
Figure 2010504967
本発明の別の実施形態は、実施例1〜31の化合物(または、単に化合物1〜31と称される。)からなる群から選択される化合物及びその医薬的に許容され得る塩である。
本発明の別の実施形態は、化合物1〜20からなる群から選択される化合物及びその医薬的に許容され得る塩である。
本発明の更に別の実施形態は、(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(すなわち、実施例1の化合物、または単に“化合物1”と称する。)またはその医薬的に許容され得る塩である。
本発明の別の実施形態は、最初に定義されているまたは上記した実施形態、サブ実施形態、態様またはクラスに定義されている、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩であり、前記化合物またはその塩は実質的に純粋な形態にある。本明細書中で使用されている「実質的に純粋な」は、式Iを有する化合物またはその塩を含有する生成物(例えば、化合物または塩を与える反応混合物から単離した生成物)の適切には少なくとも約60重量%、典型的には少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%(例えば、約90〜約99重量%)、更により好ましくは少なくとも約95重量%(例えば、約95〜約99重量%,または約98〜100重量%)、最も好ましくは少なくとも約99重量%(例えば、100重量%)が化合物または塩から構成されていることを意味する。化合物及び塩の純度のレベルは標準分析方法、例えば薄層クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー及び/または質量分析を用いて測定され得る。2つ以上の分析方法を使用し、その方法により測定した純度レベルに実験上有意な差が生じたならば、最高の純度レベルを与える方法が支配する。純度100%の化合物または塩は、標準の分析方法により測定されるような検出可能な不純物を含んでいないものである。1つ以上の不斉中心を有し、よって立体異性体の混合物として存在し得る本発明の化合物に関して、実質的に純粋な化合物は、立体異性体の実質的に純粋な混合物であり得るまたは実質的に純粋な個々のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得る。
本発明の他の実施形態は、
(a)有効量の上に定義した式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物;
(b)更に有効量のβ−ラクタム抗生物質を含む(a)の医薬組成物;
(c)更にβ−ラクタム抗生物質及びDHP阻害剤を含む(a)の医薬組成物;
(d)β−ラクタム抗生物質がイミペネム、エルタペネム、メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム、アモキシシリン、チカルシリン、アンピシリン、セフォペラゾン、ピペラシリン及びセフタジジムからなる群から選択される(b)の医薬組成物;
(e)β−ラクタム抗生物質がイミペネム、エルタペネム、メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム、アモキシシリン、チカルシリン、アンピシリン、セフォペラゾン、ピペラシリン及びセフタジジムからなる群から選択され、DHP阻害剤がシラスタチンまたはその医薬的に許容され得る塩である(c)の医薬組成物;
(f)β−ラクタム抗生物質がイミペネムである(b)の医薬組成物;
(g)β−ラクタム抗生物質がイミペネムであり、DHP阻害剤がシラスタチンまたはその医薬的に許容され得る塩である(c)の医薬組成物;
(h)有効量の上に定義した式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩及びβ−ラクタム抗生物質の配合剤;
(i)有効量の上に定義した式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩、β−ラクタム抗生物質及びDHP阻害剤の配合剤;
(j)β−ラクタム抗生物質がイミペネム、エルタペネム、メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム、アモキシシリン、チカルシリン、アンピシリン、セフォペラゾン、ピペラシリン及びセフタジジムからなる群から選択される(h)の配合剤;
(k)β−ラクタム抗生物質がイミペネム、エルタペネム、メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム、アモキシシリン、チカルシリン、アンピシリン、セフォペラゾン、ピペラシリン及びセフタジジムからなる群から選択され、DHP阻害剤がシラスタチンまたはその医薬的に許容され得る塩である(i)の配合剤;
(1)β−ラクタム抗生物質がイミペネムである(h)、(i)、(j)または(k)の配合剤;
(m)細菌感染の治療を要する患者に対して治療有効量の式Iを有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩を場合によりβ−ラクタム抗生物質と一緒に投与することを含む細菌感染の治療方法;
(n)細菌感染の治療を要する患者に対して治療有効量の式Iを有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩をβ−ラクタム抗生物質及びDHP阻害剤と一緒に投与することを含む細菌感染の治療方法;
(o)細菌感染の治療を要する患者に対して治療有効量の(a)、(b)、(c)、(d),(e)、(f)または(g)の組成物を投与することを含む細菌感染の治療方法;
(p)細菌感染の治療を要する患者に対して治療有効量の(h)、(i)、(g),(k)または(1)の配合剤を投与することを含む細菌感染の治療方法;
を包含する。
本発明はまた、(i)細菌感染の治療において使用するための、(ii)細菌感染の治療用薬剤として使用するためのまたは(iii)細菌感染の治療用薬剤の製造(または、作成)において使用するための、式Iを有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩を包含する。これらの使用において、本発明の化合物は場合により1つ以上のβ−ラクタム抗生物質及び/または1つ以上のDHP阻害剤と一緒に使用され得る。
本発明の追加の実施形態は、使用される本発明の化合物が上記した実施形態またはクラスの1つの化合物である上記(a)〜(p)に記載されている医薬組成物、配合剤及び方法であり、並びに先のパラグラフに記載されている使用を包含する。これらの実施形態において、化合物は場合によりプロドラッグまたは医薬的に許容され得る塩の形態で使用され得る。
本発明の追加の実施形態は、使用される本発明の化合物またはその塩が実質的に純粋である先のパラグラフに記載されている医薬組成物、配合剤、方法及び使用の各々を包含する。式Iを有する化合物またはその塩、医薬的に許容され得る担体及び場合により1つ以上の賦形剤を含む医薬組成物に関して、用語「実質的に純粋な」は、式Iを有する化合物またはその塩それ自体について言及し、すなわち組成物中の活性成分の純度である。
上記したように、本発明の化合物は医薬的に許容され得る塩の形態でも使用され得る。用語「医薬的に許容され得る塩」は、親化合物の有効性を有し、生物学的または他の点で望ましくないことがない(例えば、レシピエントにとって毒性がなく、他の方法で有害でない。)塩を指す。適切な医薬的に許容され得る塩は、本発明の化合物(例えば、式I、IIまたはIIIを有する化合物)を1モル当量の穏和な塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは酢酸ナトリウム)で処理することにより形成される塩である。この場合、Mはカチオンであり、例えばナトリウム塩基で処理した場合にはNaである。別の適切な医薬的に許容され得る塩は、分子中に存在するスルホン酸基によりプロトン化される塩基性窒素がR中に存在するために存在し得る内部塩である双イオン性である。この場合、Mは負電荷である。R中に2個の塩基性窒素を含有する本発明の化合物に対する別の医薬的に許容され得る塩は、R中の塩基性窒素の1つが分子中に存在するスルホン酸基によりプロトン化されており(すなわち、M=負電荷)、他の塩基性窒素は適切な負の対イオン(例えば、クロリド、トリフルオロアセテート、メタンスルホネート等)によりバランスが取られるプロトン化Nの正電荷を有する酸によりプロトン化されるように前記化合物を適切な量の酸(例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等)で処理することにより形成される塩である。R中に2個の塩基性窒素を含有する本発明の化合物の更に別の医薬的に許容され得る塩は、分子中に存在するスルホン酸基がプロトン化(すなわち、M=H)されたままであり、塩基性窒素はプロトン化されており、適切な負の対イオン(例えば、スルホネート)と結合するように前記化合物を十分な酸(例えば、硫酸、HCl、メタンスルホン酸またはTFA)で処理することにより得られ得る。先の記載から明らかなように、得ることができる医薬的に許容され得る塩の正確な種類及びタイプは、処理される具体的化合物の種類(例えば、R中に塩基性窒素の存在または不在)及び使用する処理条件に依存する。例えば、化合物を処理する酸または塩基の選択及び量、処理媒体のpH、(任意に存在する)緩衝剤の量及び選択、等に依存する。本発明は、本発明の化合物の医薬的に許容され得る塩のすべてのタイプ及び形態を包含する。
本発明は、化合物1の結晶形、結晶形を含む医薬組成物、並びに結晶形の製造及び使用方法を含む。より具体的には、本発明は化合物1の結晶性二水和物を含む。1つの実施形態(または、本明細書中“実施形態C1”と称する。)では、結晶性二水和物は、銅Kα線(すなわち、線源はCuKα1及びKα2線の組合せである。)を用いて得たX線粉末回折パターンが約10.1°、10.8°及び15.3°の2Θ値(すなわち、2Θ値での反射)を含むことにより特徴付けされる。この実施形態及び下記する類似実施形態中の用語「約」は、各2Θ値を修飾すると理解される。すなわち、表現“約10.1、10.8及び15.3”は“約10.1、約10.8及び約15.3”の簡略な表現である。
第2実施形態(実施形態C2)は、銅Kα線を用いて得たX線粉末回折パターンが約10.1°、10.8°、15.3°、15.8°、16.6°及び17.5°の2Θ値を含むことにより特徴付けされる化合物1の結晶性二水和物である。
第3実施形態(実施形態C3)は、銅Kα線を用いて得たX線粉末回折パターンが約10.1°、10.8°、15.3°、15.8°、16.6°、17.5°、18.6°、23.0°及び23.7°の2Θ値を含むことにより特徴付けされる化合物1の結晶性二水和物である。
第4実施形態(実施形態C4)は、銅Kα線を用いて得たX線粉末回折パターンが約10.1°、10.8°、13.3°、15.3°、15.8°、16.6°、17.0°、17.5°、18.6°、19.8°、20.2°、21.4°、21.7°、23.0°、23.7°、24.3°、25.1°、26.5°、26.7°、27.5°,27.8°、28.5°、29.1°及び29.9°の2Θ値を含むことにより特徴付けされる化合物1の結晶性二水和物である。
第5実施形態(実施形態C5)は、密閉アルミニウムパンで10℃/分の加熱速度で得られる示差走査熱量曲線が約101℃の開始温度及び約110℃のピーク温度の吸熱を示すことにより更に特徴付けされる実施形態C1〜C4のいずれか1つにより定義される化合物1の結晶性二水和物である。
或いは、上記実施形態C1〜C5に記載されている化合物1の結晶性二水和物は2Θ反射に対応する結晶d面間隔の点でも記載され得る。対応のd面間隔は以下の実施例34にリストされている。
第6実施形態(実施形態C6)は、結晶形が実質的に純粋である最初に記載されているか上記実施形態C1〜C5のいずれかに定義されている化合物1の結晶性二水和物である。
結晶性二水和物は、式Iを有する化合物について一般的に上記した組成物、配合物、治療方法及び使用において使用され得る。
本発明は化合物1の結晶性二水和物の製造方法も含む。より具体的には、本発明は、
(A)化合物1のC1−4アルキルアルコール溶媒和物を水及びC1−4アルキルアルコールを含む混合物に添加して、スラリーを形成すること;
(B)ステップAのスラリーをエージングし、場合によりエージング中スラリーに更にC1−4アルキルアルコールを添加すること;及び
(C)スラリーから結晶性二水和物を単離すること;
を含む上に定義し、記載した化合物1の結晶性二水和物の製造方法(本明細書中では“方法P1”と称する)を含む。
ステップAにおけるスラリー形成は、適切には約5〜約30℃の範囲の温度で実施され、典型的には約20〜約25℃の範囲の温度で実施され、好ましくは約25℃の温度で実施される。ステップAにおける水−アルコール混合物へのアルコール溶媒和物の添加は、場合によりかき混ぜながら(例えば、攪拌しながら)実施し、そうすることが好ましい。スラリーを形成するためのステップAにおける水−アルコール混合物中の水の量は、適切には混合物中に使用される水及びアルコールのそれぞれの容量の合計に基づいて約5〜約25容量%(vol.%)の範囲である。例えば、ステップAにおいて5Lの水及び15Lのアルコールを使用して混合物を作成するならば、水の量は25vol.%である。ステップAにおいて水−アルコール混合物中に典型的に使用される水の量は約10〜約25vol.%(例えば、20vol.%)である。
ステップAにおいて使用される化合物1のアルコール溶媒和物の量は、適切には水+アルコール1mLあたり約0.05〜約0.2gの範囲であり、典型的には約0.05〜約0.15g/mL(例えば、約0.1g/mL)である。
ステップAにおいて混合物中に使用されるアルコール及び化合物1の溶媒和物中のアルコールは通常同じアルコールである。アルコールは、例えばメタノール、エタノールまたはIPAである。アルコールは好ましくはIPAである。
スラリーをステップBにおいて適切には約25〜約60℃の範囲の温度でエージングし、典型的には約35〜約55℃の範囲の温度でエージングし、より典型的には約35〜約45℃の範囲の温度でエージングする。
方法P1で使用されている用語「エージング」及びその変形(例えば、「エージングした」)は、エージングなしで得られ得るもの比してより高い収率で所望の結晶形を得るのに有効な時間及び条件下でスラリーを維持することを意味する。有効な条件にはエージングを適切な温度で、場合により適切な程度にかき混ぜながら(例えば、攪拌しながら)実施することが含まれ、かき混ぜる(攪拌する)ことが好ましい。エージングステップは、スラリー化ステップ中に所望の物質の少なくとも一部が形成する意味で任意であるが、収率を向上させるため、好ましくは収率を最大とするためにエージングステップを含めることが好ましい。
アルコールの全量が約95vol.%を超えない限り、エージングステップ中に場合により追加分のアルコール(例えば、IPA)をスラリーに添加してもよい。エージングステップ中にアルコールを1回で添加しても2回以上の増分で添加してもよい。アルコールは結晶化プロセス中抗−溶媒として作用する。
ステップCにおける結晶性二水和物の単離は生じた結晶性生成物のスラリーからの回収を指す。結晶性生成物は、例えばステップBのエージングしたスラリーを(例えば、約35〜45℃の範囲の温度から約15〜約25℃の範囲の温度に)冷却した後、結晶性物質を濾過により分離し、濾過した結晶性生成物をスラリー化剤(例えば、アルコール−水混合物)で洗浄し、洗浄した生成物を低い温度(例えば、約30〜約40℃の範囲の温度で)及び/または低真空下で乾燥することにより単離され得る。
明白に反対の記載がない限り、本明細書中に記載されている範囲はすべて包含する。例えば、温度が約5℃〜約30℃の範囲であると言われている場合、温度は約5℃、約30℃またはその間の温度であり得ることを意味する。
物質または組成物の量、物質もしくは組成物の物性の値(例えば、DSC曲線中の吸熱のピーク温度)または方法を特徴付けするパラメーターの値(例えば、方法を実施する温度)等を修飾するとき、用語「約」は、例えば物質または組成物の製造、キャラクタリゼーション及び使用に関与する典型的な測定、取り扱い及びサンプリング手順;前記手順のうっかりしたエラー;組成物を製造または使用するため、或いは手順を実施するために使用される成分の製造、ソースまたは純度の違い;等により起こり得る数値の変動を指す。1つの実施形態で、用語「約」は報告されている数値±その10%を意味する。この実施形態のこの態様で、用語「約」は報告されている数値±その5%を意味する。XRPDの2Θ値(°)の特殊な場合、用語「約」は典型的には値±0.1を意味する。
本発明の別の態様は、本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤及び医薬的に許容され得る担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。担体の特性は投与ルートに依存する。本明細書中で使用されている用語「医薬的に許容され得る」は、活性物質の生物活性の有効性を干渉しない非毒性物質を意味する。用語「生理学的に許容され得る」は、生体系(例えば、細胞、細胞培養物、組織または生物)と適合性である非毒性物質を指す。よって、本発明の組成物及び方法は、阻害剤に加えて希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤及び当業界で公知の他の物質を含み得る。本発明の医薬組成物はβ−ラクタマーゼ及び/またはDD−ペプチダーゼの阻害を強化する他の活性因子及び/または物質をも含み得る。
式Iを有する化合物に関して、用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与する」)は、該化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩を治療を要する個人に対して与えることを意味する。化合物またはそのプロドラッグもしくは塩を、1つ以上の他の活性物質(例えば、カルバペネム抗生物質及び/またはDHP阻害剤)と一緒に提供するとき、「投与」またはその変形は各々化合物またはそのプロドラッグもしくは塩及び他の物質を同時または異なるときに与えることを含むと理解される。配合剤の両物質を同時に投与するとき、これらを単一組成物で一緒に投与しても、別々に投与してもよい。活性物質の「配合剤」はすべての活性物質を含有する単一組成物であっても、各々が1つ以上の活性物質を含有する複数の組成物であってもよいと理解される。活性物質が2つの場合、配合剤は両物質を含有する単一組成物であっても、各々が物質の1つを含有している2つの別々の組成物であってもよい。活性物質が3つの場合、配合剤は3つすべての物質を含有する単一組成物であっても、各々が物質の1つを含有している3つの別々の組成物であっても、物質の2つを含有している組成物と第3の物質を含有する他の組成物の2つの組成物であってもよく、等々である。
用語「治療有効量」及び「治療有効期間」は患者にとって有意義な恩恵、すなわち細菌感染及び/または細菌性薬物耐性に関連する状態の治癒を示すのに有効な用量及び期間での公知の治療を指すために使用される。好ましくは、投与は非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、気管内または直腸内でなければならない。全身投与するとき、治療用組成物を少なくとも約1μg/mL、典型的には約10μg/mL、より典型的には約25μg/mLの阻害剤の血液レベルを達成するのに十分な用量で投与することが適切である。局所投与するときには、上記よりもかなり低い濃度でも有効であり、より高い濃度も許容され得る。
本明細書中で使用されている用語「プロドラッグ」は、誘導体の生転換による生ずる産物が活性薬物であるような薬理学的に許容され得る誘導体(例えば、エステル及びアミド)を指す。プロドラッグは当業界で公知であり、例えば全文が参照により本明細書中に含まれるとするGoodman及びGilman,“Biotransformation of Drugs”,The Pharmacological Basis of Therapeutics,第8版,McGraw Hill,Int.編,1992,p.13−15に一般的に記載されている。
本発明の化合物は、当業界で公知の方法により製剤化され得、任意の投与ルートにより投与するため製造され得る。前記投与ルートには、非限定的に非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、気管内または直腸内が含まれる。ある特に好ましい実施形態では、本発明の化合物は病院環境で静脈内投与される。ある他の実施形態では、経口ルートによる投与が好ましいことがある。
本発明は、細菌細胞培養物、或いは細菌感染させた細胞培養物、組織または生物に対して本発明の第1態様に規定した式(I)、式(II)または式IIIを有するβ−ラクタマーゼ阻害剤を投与することを含む細菌増殖の阻止方法をも提供する。
好ましくは、本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤の投与により阻止しようとする細菌はβ−ラクタム抗生物質に対して耐性の細菌である。より好ましくは、阻止しようとする細菌はβ−ラクタム抗生物質に対して高度に耐性のβ−ラクタマーゼ陽性株である。用語「軽度に耐性」及び「高度に耐性」は当業者により十分理解されている(例えば、Payneら,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,38:767−772(1994);Hanakiら,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,30:11.20−11.26(1995)参照)。好ましくは、「高度に耐性の」細菌株はイミペネムのMICが>16μg/mLであるものである。好ましくは、「軽度に耐性の」細菌株はイミペネムのMICが>4μg/mLであるものである。
本発明のこの態様に従う方法は、各種状況下での細菌増殖を阻止するために有用である。ある好ましい実施形態では、本発明の化合物はインビトロでβ−ラクタム耐性細菌の増殖を防止するために実験細胞培養物に投与される。ある他の好ましい実施形態では、本発明の化合物はインビボでβ−ラクタム耐性細菌の増殖を防止するためにヒトを含めた動物に投与される。本発明のこの実施形態に従う方法は、本発明に従って治療有効量のβ−ラクタマーゼ阻害剤及びβ−ラクタム抗生物質をヒトに含めた動物に治療有効な期間投与することを含む。好ましくは、β−ラクタマーゼ阻害剤は本発明の第2態様に従って医薬組成物の形態で投与される。
化合物は、抗生物質の抗菌スペクトルに包含される感染に加えてクラスC−β−ラクタマーゼ産生株に起因する感染を治療するために抗生物質と一緒に使用され得る。クラスC−β−ラクタマーゼ産生細菌の例は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、大腸菌(Escherichia coli)及びアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)である。
本発明によれば、式Iを有する化合物をカルバペネム、ペニシリン、セファロスポリンまたは他のβ−ラクタム抗生物質と或いはプロドラッグと混合するまたは一緒に使用することが通常有利である。式Iを有する化合物のクラスCβ−ラクタマーゼ阻害特性のために該化合物を1つ以上のβ−ラクタム抗生物質と一緒に使用することも有利である。この場合、式Iを有する化合物及びβ−ラクタム抗生物質を(同時または異なるときに)別々にまたは両方の活性成分を含有する単一組成物の形態で、投与してもよい。
別々に投与するにしても本発明の組成物中に配合するにしても、式Iを有する化合物と共投与するのに適したカルバペネム、ペニシリン、セファロスポリン及び他のβ−ラクタム抗生物質には、クラスC−β−ラクタマーゼに対して不安定または他の方法で感受性を示すことが公知のもの及びクラスC−β−ラクタマーゼに対して耐性を有することが公知のものが含まれる。
式Iを有する化合物をカルバペネム抗生物質と組み合わせるとき、デヒドロペプチダーゼ(DHP)阻害剤を組み合わせてもよい。多くのカルバペネムがDHPとして公知の腎酵素による攻撃に対して感受性である。この攻撃または分解によりカルバペネム抗菌剤の効力が低下するおそれがある。DHP阻害剤及びそのカルバペネムとの使用は、例えば全文を参照により本明細書中に含まれるとする1979年7月24日出願の欧州特許第0007614号明細書及び1982年8月9日出願の欧州特許出願第82107174.3号明細書に開示されている。好ましいDHP阻害剤は、7−(L−2−アミノ−2−カルボキシエチルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミド)−2−ヘプテン酸またはその有用な塩である。よって、本発明の化合物のカルバペネム(例えば、イミペネム)及びDHP阻害剤(例えば、シラスタチン)との併用は本発明の範囲に入ることが意図される。
式Iを有する化合物と共投与され得るカルバペネムの例には、イミペネム、メロペネム、ビアペネム、(4R,5S,6S)−3−[(3S,5S)−5−(3−カルボキシフェニル−カルバモイル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸、(1S,5R,6S)−2−(4−(2−(((カルバモイルメチル)−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタ−1−イル)−エチル(1,8−ナフトスルタム)メチル)−6−[1(R)−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートクロリド、BMS181139([4R−[4α,5β,6β(R)]]−4−[2−[(アミノイミノメチル)アミノ]エチル]−3−[(2−シアノエチル)チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸)、BO2727([4R−3[3S,5S(R)],4α,5β,6β(R)]]−6−(1−ヒドロキシエチル)−3−[[5−[1−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)プロピル]−3−ピロリジニル]チオ]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸一塩酸塩)、E1010((1R,5S,6S)−6−[1(R)−ヒドロキシメチル]−2−[2(S)−[1(R)−ヒドロキシ−1−[ピロリジン−3(R)−イル]メチル]ピロリジン−4(S)−イルスルファニル]−1−メチル−1−カルバ−2−ペネム−3−カルボン酸塩酸塩)及びS4661((1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−(スルファモイルアミノメチル)ピロリジン−3−イル]チオ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカネバペン−2−エム−3−カルボン酸)、(1S,5R,6S)−1−メチル−2−{7−[4−(アミノカルボニルメチル)−1,4−ジアゾニアビシクロ(2.2.2)オクタン−1−イル]−メチル−フルオレン−9−オン−3−イル}−6−(1R−ヒドロキシエチル)−カルバペン−2−エム−3カルボンキシレートクロリドが含まれる。
本発明の化合物と共投与するのに適したペニシリンの例には、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、カルべニシリン、アジドシリン、プロピシリン、アンピシリン、アモキシシリン、エピシリン、チカルシリン、シクラシリン、ピルベニシリン、アズロシリン、メズロシリン、スルベニシリン、ピペラシリン及び他の公知のペニシリンが含まれる。ペニシリンはそのプロドラッグの形態で、例えばインビボで加水分解可能なエステル、例えばアンピシリン、ベンジルペニシリン及びアモキシシリンのアセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、α−エトキシカルボニルオキシエチル及びフタリジルエステルとして;6−α−アミノアセトアミド側鎖を含むペニシリン(例えば、ヘタシリン、メタンピシリン及びアモキシシリンの類似誘導体)のアルデヒドまたはケトン付加物として;及びカルベニシリン及びチカルシリンのエステル、例えばフェニル及びインダニルα−エステルとして使用され得る。
本発明の化合物と共投与され得るセファロスポリンの例には、セファトリジン、セファロリジン、セファロチン、セファゾリン、セファレキシン、セファセトリル、セファピリン、セファマンドルナファート、セフラジン、4−ヒドロキシセファレキシン、セファログリシン、セフォペラゾン、セフスロジン、セフタジジム、セフロキシム、セフメタゾール、セフォタキシム、セフトリアキソン及び他の公知のセファロスポリンが含まれ、これらはいずれもそのプロドラッグ形態で使用してもよい。
本発明の化合物と共投与され得るペニシリン及びセファロスポリン以外のβ−ラクタム抗生物質の例には、アズトレオナム、ラタモキセフ(商標Moxalactam)及び他の公知のβ−ラクタム抗生物質、例えばイミペネム、メロペネムまたは(4R,5S,6S)−3−[(3S,5S)−5−(3−カルボキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸のようなカルバペネムが含まれ、これらはいずれもそのプロドラッグ形態で使用してもよい。
好ましいカルバペネムは、イミペネム、メロペネム及び(4R,5S,6S)−3−[(3S,5S)−5−(3−カルボキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸である。
本発明の化合物と共投与するために特に適したペニシリンには、アンピシリン、アモキシシリン、カルベニシリン、ピペラシリン、アズロシリン、メズロシリン及びチカルシリンが含まれる。これらのペニシリンはその医薬的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)の形態で使用され得る。或いは、アンピシリンまたはアモキシシリンは、例えば式Iを有する化合物に関連して本明細書中に記載されている方法で注射可能または注入可能な懸濁液中に使用するために双イオン性(通常、アンピシリン三水和物またはアモキシシリン三水和物)の微粒子の形態で使用され得る。例えばナトリウム塩または三水和物の形態のアモキシシリンが本発明の組成物中に使用するのに特に好ましい。
本発明の化合物と共投与するために特に適したセファロスポリンには、セフォタキシム、セフトリアキソン及びセフタジジムが含まれ、これらはその医薬的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)の形態で使用してもよい。
本発明のこの態様に従う方法のある好ましい実施形態では、本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤を抗生物質と共投与する。共投与により相乗効果が生ずることが好ましい。本明細書中で使用されている用語「相乗作用」及び「相乗効果」は、2つ以上の薬物を共投与したときに生ずる効果が化合物を個別に投与したときに生ずる効果に基づいて予想される以上であることを示す。理論に束縛されるつもりはないが、本発明者らは本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤はβ−ラクタム抗生物質の分解を防止し、これによりその効力を高め、相乗効果を生ずると考えている。本発明の特に好ましい実施形態では、共投与される抗生物質はβ−ラクタム抗生物質である。本発明の目的で、用語「共投与される」は同時または逐次投与を指すべく使用される。
用語「抗生物質」は、本明細書中では微生物の生存度を減ずるまたは微生物の成長または増殖を阻止する化合物または組成物を指すために使用されている。「成長または増殖の阻止」は、発生時間を少なくとも2倍、好ましくは少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも100倍、最も好ましくはすべての細胞死のように無期限に延長させることを意味する。本明細書中で使用されるとき、抗生物質は更に抗微生物剤、静菌剤または抗細菌剤を含むと意図される。本発明のこの態様に従って使用される抗生物質の非限定例には、ペニシリン、セファロスポリン、カルバペネム、アミノグリコシド、スルホンアミド、マクロライド、テトラサイクリン、リンコシド、キノロン、クロラムフェニコール、バンコマイシン、メトロニダゾール、リファンピン、イソニアジド、スペクチノマイシン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール等が含まれる。用語「β−ラクタム抗生物質」は、β−ラクタム機能を含む抗菌性質を有する化合物を指すべく使用される。本発明のこの態様に従って有用なβ−ラクタム抗生物質の非限定例にはペニシリン、セファロスポリン、ペネム、カルバペネム及びモノバクタムが含まれる。
本明細書中で使用されている略号には以下のものが含まれる:
ACN=アセトニトリル、
BLI=β−ラクタマーゼ阻害剤、
Bn=ベンジル、
BOC(またはBoc)=t−ブチルオキシカルボニル、
BSA=ウシ血清アルブミン、
CBZまたはCbz=ベンジルオキシカルボニル、
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド、
DCM=ジクロロメタン、
DHP=デヒドロペプチダーゼ、
DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、
DIBAL−H=水素化ジイソブチルアルミニウム、
DMF=ジメチルホルムアミド、
DMSO=ジメチルスルホキシド、
DSC=示差走査熱量測定法、
EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、
eq=当量、
Et=エチル、
EtOAc=酢酸エチル、
HPLC=高速液体クロマトグラフィー、
IPA=イソプロピルアルコール、
IPAc=酢酸イソプロピル、
KF=水のカールフィッシャー滴定、
KRED−112=ケトレダクターゼ112、
LC−MS=液体クロマトグラフィー−質量分析、
Me=メチル、
MIC=最小阻止濃度、
MP−TMT=マクロ孔を有するポリスチレン−2,4,6−トリメルカプトトリアジン、
Ms=メシル、すなわちメタンスルホニル、
NADP=ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート、
NADPH=NADPの還元形、
NMR=核磁気共鳴、
PDH−101=ホスファイトデヒドロゲナーゼ101、
Ph=フェニル、
PMB=p−メトキシベンジル、
SFC=超臨界流体クロマトグラフィー、
TFA=トリフルオロ酢酸、
TGA=熱重量分析、
TLC=薄相クロマトグラフィー、
TsOH=p−トルエンスルホン酸、
XRPD=X線粉末回折。
一般的に、本発明の化合物は、当業者に公知の技術(いずれも全文を参照により本明細書中に含まれるとする米国特許第5,698,577号明細書及び米国特許第5,510,343号明細書参照)を本明細書中の教示内容と共に使用して型にはまった手順で合成され得る。
以下の実施例は本発明の特定の好ましい実施形態を更に説明するために意図されており、本発明の範囲を限定することを意図しない。
本発明の化合物は、スキーム1に例示されているように架橋モノバクタム中間体Aを適切に保護されている活性化側鎖前駆体Bと反応させることにより製造される。
Figure 2010504967
架橋モノバクタム中間体Aは、その教示内容が参照により本明細書中に含まれるとするHeinze−Kraussら,J.Med.Chem.,1998,41,3961に従って得られ得る。或いは、中間体Aは、Millerら,Tet.Lett.,1997,38:167に開示されている関連N−ヒドロキシアナログをヨウ化サマリウム、ラネーニッケル等を用いて還元した後、ラクタム窒素を当業者に公知の技術を用いてスルホニル化することにより製造され得る。
活性化側鎖前駆体Bは、側鎖アミンRRNHを溶媒(例えば、アセトニトリル、エーテル、ジクロロメタン等)中で活性化試薬(例えば、ホスゲン、p−ニトロフェニルクロロホルメート、ジ−(N−スクシンイミジル)−カーボネート等)と0℃〜室温の範囲の温度で1〜24時間反応させることにより得られる。幾つかの場合には、反応混合物に1モル当量の塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン等)を添加することが有利であったり、必要なことさえあり得る。中間体Bは当業者に公知の標準技術を用いて反応混合物から単離され得、更に精製することなく使用しても、所望ならば標準方法(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー)を用いて精製してもよい。こうして得た試薬Bを溶媒(例えば、水、メタノール、アセトニトリル等)中で架橋モノバクタム中間体Aと0〜35℃の範囲の温度で反応させてもよい。通常反応中に1モル当量の塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等)を存在させるが、幾つかの場合には存在させなくてもよい。生じたアシル化モノバクタムを当業者に公知の技術を用いてHPLCにより精製してもよい。側鎖中に保護基がない場合には、アシル化反応の生成物は式Iを有する本発明の化合物である。側鎖中に保護基(例えば、ベンジルアミンまたはエーテル、t−ブトキシカルボニルアミン、ベンジルオキシカルボニルアミン等)が存在しているときには、式Iを有する化合物を得るためには当該保護基を除去する必要がある。保護基を除去するための技術は当業者に公知である。
幾つかの場合には、中間体Cのように架橋モノバクタムのスルホン酸部分を保護することが望ましいことがある(スキーム2)。この場合、架橋モノバクタム中間体Cの側鎖前駆体Bを用いるアシル化は中間体Aのアシル化について上記したように正確に進行するが、その後のステップでスルホン酸保護基を除去する必要がある。幾つかの場合には、スルホン酸保護基を側鎖保護基と同時に除去してもよい。最終生成物を当業者に公知の技術を用いてHPLCにより精製すると、式Iを有する最終生成物が得られる。
Figure 2010504967
幾つかの場合には、架橋モノバクタムを活性化し、活性化モノバクタム中間体Dに側鎖を付加することが望ましい(スキーム3)。活性化架橋モノバクタム中間体Dは、保護モノバクタムBを溶媒(例えば、アセトニトリル、エーテル、ジクロロメタン等)中で活性化試薬(例えば、ホスゲン、p−ニトロフェニルクロロホルメート、ジ−(N−スクシンイミジル)−カーボネート)と0℃〜室温の範囲の温度で1〜24時間反応させることにより製造される。幾つかの場合には、反応混合物に1当量の塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン等)を添加することが有利であったり、必要なことさえある。中間体Dは当業者に公知の標準技術を用いて反応混合物から単離され得、更に精製することなく使用しても、所望ならば標準方法(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー)を用いて精製してもよい。こうして得た試薬Dを溶媒(例えば、水、メタノール、アセトニトリル等)中で側鎖アミンEと0〜35℃の範囲の温度で反応させてもよい。通常反応中に1モル当量の塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等)を存在させるが、幾つかの場合には存在させなくてもよい。生じたアシル化モノバクタムを当業者に公知の技術を用いてHPLCにより精製してもよい。モノバクタムコア(及び、側鎖中に保護基が存在しているならば側鎖)から保護基を除去すると、式Iを有する化合物が得られる。保護基を除去するための技術は当業者に公知である。
Figure 2010504967
或いは、本発明の化合物は、スキーム4に概説されているように市販されているL−3−ヒドロキシ−プロリンから合成され得る。3−ヒドロキシプロリンを溶媒(例えば、水、メタノール、アセトニトリル等)中で適切に活性化されている側鎖前駆体(例えば、B)と0〜35℃の範囲の温度で反応させると、アシル化ピロリジンが生ずる。通常反応中に1モル当量の塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等)を存在させるが、幾つかの場合には存在させなくてもよい。生じたアシル化ピロリジンを当業者に公知のクロマトグラフィー技術を用いて精製してもよい。アシル化ピロリジン中間体のカルボキシ基を溶媒(例えば、ジクロロメタン、エーテル、テトラヒドロフラン等)中で保護スルファメートR”OSONH(ここで、R”はトリフェニルメチル、ベンジル、t−ブチル等のようなスルホネート保護基である。)のアミンとカップリング剤(例えば、DCC、EDC等)の存在下で0〜35℃の範囲の温度で反応させると、環化前駆体Fが生ずる。中間体Fは加水分解的に不安定であり、通常ミツノブ環化手順を用いて直ちに環化される。よって、中間体Fを溶媒(例えば、ジクロロメタン、エーテル、テトラヒドロフラン等)中に含む比較的希薄な溶液をアゾジカルボキシレート(例えば、DIAD等)及びホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン等)を用いて0〜35℃の範囲の温度で処理する。スルファメート保護基及び側鎖中に存在する保護基(例えば、ベンジルアミンまたはエーテル、t−ブトキシカルボニルアミン、ベンジルオキシカルボニルアミン等)を当業者に公知の技術を用いて除去すると、式Iを有する化合物が得られる。
Figure 2010504967
或いは、本発明の化合物は、スキーム5に概説されているように市販されているL−3−ヒドロキシ−プロリンから合成され得る。3−ヒドロキシプロリンを溶媒(例えば、水、メタノール、アセトニトリル等)中で適切に活性化されている側鎖前駆体(例えば、B)と0〜35℃の範囲の温度で反応させると、アシル化ピロリジンが生ずる。通常反応中に1モル当量の塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等)を存在させるが、幾つかの場合には存在させなくてもよい。生じたアシル化ピロリジンを当業者に公知のクロマトグラフィー技術を用いて精製してもよい。アシル化ピロリジン中間体のカルボキシル基を溶媒(例えば、ジクロロメタン、エーテル、テトラヒドロフラン等)中で保護スルフヒドリルアミンR”SNH(ここで、R”はトリフェニルメチル、ベンジル、t−ブチル等のような硫黄保護基である。)のアミンとカップリング剤(例えば、DCC、EDC等)の存在下で0〜35℃の範囲の温度で反応させると、環化前駆体Gが生ずる。中間体Gは通常ミツノブ環化手順を用いて直ちに環化される。よって、中間体Gを溶媒(例えば、ジクロロメタン、エーテル、テトラヒドロフラン等)中に含む比較的希薄な溶液をアゾジカルボキシレート(例えば、DIAD等)及びホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン等)を用いて0〜35℃の範囲の温度で処理する。硫黄保護基を除去し、適切な酸化試薬(例えば、漂白剤、酸素等)を用いてスルホン酸に酸化した後、側鎖中に存在する保護基を当業者に公知の技術を用いて除去すると、式Iを有する化合物が得られる。
Figure 2010504967
特定の他の好ましい実施形態では、式I、IIまたはIIIを有する化合物は実験セクションに例示されているより具体的なまたは余り一般的でない化学により合成される。
製造例1
(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸tert−ブチル(0.77g,3.6ミリモル;J.Med.Chem.,1998,41:3961)をジメチルホルムアミド(8mL)中に含む溶液を0℃まで冷却し、三酸化硫黄−ジメチルホルムアミド複合体(0.64g,4.2ミリモル)の溶液を1滴ずつ添加した。生じた混合物を0℃で4時間攪拌した後、0℃で一晩放置した。反応混合物を真空下で濃縮し、油状残渣をジクロロメタン(10mL)中に再溶解し、0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸(5mL)を添加し、反応混合物を室温まで加温した。室温で2.5時間後、反応物を真空中で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕すると、不溶性黄褐色固体が生じた。この固体を水中に再溶解し、一晩凍結乾燥した。生じた黄褐色固体を水で溶離させるMCI GEL(登録商標)CHP20P(Supelco;ポリ芳香族吸着樹脂)を用いるクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を固体(0.65g,94%)として得た。
製造例2
(4S)−4−[(tert−ブチル−(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル及び(4R)−4−[(tert−ブチル−(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
ステップ1:5−オキソアゼパン−1,4−ジカルボン酸1−ベンジル4−エチル
N−ベンジルオキシカルボニル−4−ピペリドン(1.27mL,6.5ミリモル)をエーテル(15mL)中に含む溶液に窒素下−40℃で三フッ化ホウ素エーテレート(0.98mL,7.75ミリモル)を1滴ずつ添加した後、ジアゾ酢酸エチル(0.80mL,7.75ミリモル)をエーテル(5mL)中に含む溶液を15分間かけて1滴ずつ添加した。1時間後、反応物を氷/飽和炭酸水素ナトリウムに注いだ。有機相を集め、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、標記化合物を黄色油状物(2.05g,99%)として得た。粗な生成物を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:4−オキソアゼパン−1−カルボン酸ベンジル
5−オキソアゼパン−1,4−ジカルボン酸1−ベンジル4−エチル(2.05g,6.4ミリモル)をテトラヒドロフラン(2mL)中に含む溶液に炭酸カリウム(1.95g,14.15ミリモル)を水(24mL)中に含む溶液を添加した。反応物を還流加熱し、3時間還流した後、0℃まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。攪拌しながら2N HClを添加することにより混合物をpH1に酸性化し、層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、標記化合物を薄黄色油状物(1.15g,72%)として得た。
ステップ3:(4S)−4−[(tert−ブチル−(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル及び(4S)−4−[(tert−ブチル−(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
チタン(IV)エトキシド(1.46mL,7ミリモル)及び4−オキサゼパン−1−カルボン酸ベンジル(1.05g,4.2ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(12mL)中に含む溶液に窒素下で(R)−(+)−tert−ブタンスルフィンアミド(0.43g,3.55ミリモル;Acssys Pharmatech)を添加し、反応物を65℃に3時間加熱した。生じた溶液を室温まで冷却し、次いで0℃まで冷却し、ホウ水素化ナトリウム(0.53g,14ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(5mL)中に含む混合物に−5℃でカニューレを介して添加した。−5℃で1.5時間後、反応物を0℃でメタノールでクエンチした。生じた混合物をブラインに注ぎ、激しく攪拌した。生じた粘性白色スラリーをセライトを介して濾過した。セライトパッドを酢酸エチルで十分洗浄し、濾液を集め、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、まずヘキサン中15% 酢酸エチル、次いで100% 酢酸エチル、次いでジクロロメタン中10% メタノールで溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を薄黄色油状物(0.943g)として得た。ジアステレオマーをChiralcel OJ半分取カラムを用い、ヘプタン中15% 酢酸エチルで溶離させるクロマトグラフィーにより分離して、(4S)−4−[(tert−ブチル(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(0.455g,36%)及び(4R)−4−[(tert−ブチル−(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(0.396g,32%)を得た。
製造例3
(4S)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
ステップ1:(4S)−4−アミノアゼパン−1−カルボン酸ベンジル
(4S)−4−[(tert−ブチル(R)−スルフィニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(0.40g,1.12ミリモル)をメタノール(5mL)中に含む溶液にジオキサン中4N 塩酸(0.28mL,1.12ミリモル)を添加した。混合物を室温で90分間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をエーテルと摩砕し、真空下で乾燥して、標記化合物を薄黄色油状物(0.32g)として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(4S)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
(4S)−4−アミノアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(0.32g,1.12ミリモル)をアセトニトリル(5mL)中に含む溶液に窒素下室温でトリエチルアミン(0.16mL,1.12ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(0.29g,1.14ミリモル)を順次添加した。4時間後、反応混合物を真空下で濃縮し、逆相HPLCにより精製し、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体(0.322g,74%)として得た。
製造例4
(4R)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
エナンチオマー生成物に対して製造例3に概説されている手順を用いて、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体として得た。
製造例5
(3S)−1−ベンジルアゼパン−3−アミン
Figure 2010504967
(3S)−3−アミノ−1−ベンジルアゼパン−2−オン(Astatech;L−α−アミノ−ω−ベンジル−1−カプロラクタム)(450mg,2.061ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(5mL)及び無水トルエン(5mL)中に含む溶液に0℃でトルエン中DIBAL−H(20mL,20ミリモル)をゆっくり添加した。反応物を室温まで加温し、窒素下で週末の間攪拌した。反応物を0℃まで冷却した後、水及び1N NaOHを攪拌しながら添加した。生じた不溶性ガム状白色固体をセライトを介する濾過により除去し、酢酸エチルで十分洗浄した。濾液を分配し、有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残留黄色油状物をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→70% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;所望生成物は25% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。所望生成物を含有する画分を凍結乾燥して、標記化合物を黄色油状物(484mg,115%−純粋でない)として得た。
製造例6
1−[({[(3S)−2−オキソアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン
Figure 2010504967
(3S)−3−アミノ−1−ベンジルアゼパン−2−オン(1.0g,7.8ミリモル;Astatech;L−α−アミノ−ω−ベンジル−1−カプロラクタム)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(2.2g,8.59ミリモル)を無水アセトニトリル(10mL)中に含む溶液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮すると、薄黄色固体が生じた。これをエーテル(3×)と摩砕して、標記化合物を固体(1.77g,84%)として得た。LC−MSは生成物が殆どで、出発物質が少量であることを示した。
製造例7
1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−アミン
Figure 2010504967
ステップ1:3−{ベンジル[2−(ベンジルアミノ)エチル]アミノ}−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−アラニン酸メチル
(2S)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アジリジン−2−カルボン酸(262mg,1.1ミリモル;Katoら,J.Chem.Soc.Perkin.Trans.,1.1997,3219)及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン(0.26mL,1.1ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(3mL)中に含む混合物を70℃で16時間攪拌した後、室温で11日間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をクロロホルムと水に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル(4×1000ミクロンプレート;ジクロロメタン中10% メタノール)を用いる分取TLCにより精製して、標記化合物を黄色油状物(334mg,63%)として得た。
ステップ2:3−{ベンジル[2−(ベンジルアミノ)エチル]アミノ}−N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−L−アラニン
ステップ1の生成物(334mg,0.70ミリモル)及び1N 水酸化ナトリウム(0.84mL,0.84ミリモル)をエタノール(2mL)中に含む混合物を室温で一晩攪拌した。LC/MSは反応の完了を示した。エタノールを真空下で除去し、2N HClを添加することにより残渣を酸性化した。混合物をクロロホルムで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、標記化合物を薄黄色固体として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:[(6S)−1,4−ジベンジル−5−オキソ−1,4−ジアゼパン−6−イル]カルバミン酸ベンジル
ステップ2の生成物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド(137mg,0.71ミリモル)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(112mg,0.73ミリモル)及びトリエチルアミン(0.25mL,1.79ミリモル)をジクロロエタン(6mL)中に含む混合物を室温で一晩攪拌した。LC/MSが出発物質がなお存在していることを示したので、反応混合物を窒素下50℃に1時間加熱した。LC/MSは反応の完了を示した。反応混合物をクロロホルムと2N HClに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をCombiflash(登録商標)系(Teledyne Iscoから入手可能)(12g;30mL/分;254nM;8カラム容量に対してジクロロメタン中10% メタノール)を用いる液体クロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を橙色油状物(166mg,2ステップを通して53%)として得た。
ステップ4:(6S)−6−アミノ−1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−5−オン
ステップ3の生成物(166mg,0.375ミリモル)及び48% HBr(0.722mL,6.38ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む混合物を60℃で一晩攪拌した。LC/MSが反応が不完全であることを示したので、追加の48% HBr(0.3mL)を添加し、反応混合物を更に1.5時間加熱した。LC/MSは反応の完了を示した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→50% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;所望生成物は30% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。所望生成物を含有する画分を週末の間凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(116mg,100%)として得た。
ステップ5:1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−アミン
ステップ4の生成物(116mg,0.375ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(1.0mL)及び無水トルエン(3mL)中に含む溶液に窒素下0℃でトルエン中DIBAL−H(3.6mL,3.60ミリモル)をゆっくり添加した。反応物を室温まで加温し、6時間攪拌した。LC/MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を0℃まで冷却し、水を添加した後、ガスの発生が止まるまで1N NaOHをゆっくり添加した。生じたスラリーをセライトを介して濾過して不溶性固体を除去し、酢酸エチルで十分洗浄した。濾液を分配し、有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。生じた黄色油状物をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→50% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は25% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製して、標記化合物を黄色粘着質固体(82mg,74%)として得た。
製造例8
(2−ヒドロキシエチル)(4−メトキシベンジル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2010504967
ステップ1:2−{[(1E)−(4−メトキシフェニル)メチレン]アミノ}エタノール
エタノールアミン(0.495mL,8.19ミリモル)及びp−アニスアルデヒド(0.996mL,8.19ミリモル)を合わせ(発熱反応)、150℃で5分間、160℃で5分間、180℃で10分間、その後180℃で2×20分間マイクロ波加熱した。NMRは反応がほぼ完了したことを示した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物を赤橙色油状物(1.38g,94%)として得た。これは約20%の出発アルデヒドを含んでいた。粗な生成物を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]エタノール
ステップ1の生成物(1.38g,7.69ミリモル)をエタノール(20mL)中に含む溶液に室温でホウ水素化ナトリウム(0.75g,19.8ミリモル)を添加した。反応物を2時間還流加熱(80℃)した後、氷/水に注ぎ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物を黄色油状物として得た。これは出発物質中のp−アニスアルデヒドの還元により生じたp−メトキシベンジルアルコールで汚染されていた。粗な生成物を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:(2−ヒドロキシエチル)(4−メトキシベンジル)カルバミン酸tert−ブチル
ステップ2の生成物(理論量=1.394g,7.69ミリモル)をクロロホルム(10mL)中に含む溶液に0℃でジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.793mL,7.72ミリモル)をクロロホルム(10mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温まで加温し、一晩攪拌した。反応物を水とジクロロメタンに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、生成物を薄黄色油状物(1.68g,78%)として得た。
製造例9
(6R)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−アミン
Figure 2010504967
ステップ1:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)(4−メトキシベンジル)アミノ]エチル}−L−セリン酸メチル
(2S)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アジリジン−2−カルボン酸(292mg,1.24ミリモル;Katoら,J.Chem.Soc.Perkin.Trans,1,1997,3219)及び(2−ヒドロキシエチル)(4−メトキシベンジル)カルバミン酸tert−ブチル(0.3728g,1.325ミリモル)をクロロホルム(3mL)中に含む溶液に0℃で三フッ化ホウ素エーテレート(0.016mL,0.124ミリモル)を1滴ずつ添加した。生じた黄色反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応物をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、無色油状物が生じた。粗な生成物をIsco Combiflash(12gのシリカゲル;30mL/分;254nM;22カラム容量で0%→100% 酢酸エチル/ヘキサン;標記化合物は52% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)により精製して、標記化合物を無色油状物(196mg,38%)として得た。
ステップ2:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)(4−メトキシベンジル)アミノ]エチル}−L−セリン
ステップ1の生成物(196mg,0.379ミリモル)及び1N 水酸化ナトリウム(0.455mL,0.455ミリモル)をエタノール(3mL)中に含む混合物を室温で2時間攪拌した。エタノールを真空下で除去し、残渣を2N HClにより酸性化し、クロロホルムで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物を薄黄色油状物として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:[(6S)−4−(4−メトキシベンジル)−5−オキソ−1,4−オキサゼパン−6−イル]カルバミン酸ベンジル
ステップ2の生成物、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド(92mg,0.48ミリモル)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(73mg,0.48ミリモル)及びトリエチルアミン(0.16mL,1.18ミリモル)をジクロロメタン(3mL)中に含む混合物を室温で一晩攪拌した。この時点で、BOC除去ステップが省略されていたことが分かったので、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、反応混合物を室温で90分間攪拌した。LC−MS分析によると、BOC除去が完了した。反応物を真空下で濃縮し、HPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→50% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;回収されたSMは35% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。脱保護された出発物質を含有する画分を濃縮し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、脱保護された出発物質が無色油状物(177mg)として生じた。脱保護された出発物質(177mg)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド(92mg,0.48ミリモル)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(73mg,0.48ミリモル)及びトリエチルアミン(0.16mL,1.18ミリモル)をジクロロメタン(3mL)中に含む混合物を室温で一晩攪拌した後、クロロホルムと2N HClに分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて10%→100% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は80% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。標記化合物を含有する画分を集め、真空下で濃縮してアセトニトリルを除去し、残留水性層を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、不純な標記化合物を黄色油状物(287mg,170%)として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ4:(6S)−6−アミノ−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−5−オン
ステップ3の生成物(287mg;注:存在する出発物質の理論量=169mg=0.439ミリモル)及び48% HBr(1.5mL,13.3ミリモル)を合わせ、60℃に1時間加熱した。反応物を均質とするためにアセトニトリル(1.0mL)を添加した。反応混合物を更に30分間加熱し、この時点でLC/MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→50% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は25% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製して、標記化合物(43.7mg,出発物質の理論量に基づいて39%)を得た。
ステップ5:(6R)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−アミン
ステップ4の生成物(43.7mg,0.175ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(3mL)及び無水トルエン(3mL)中に含む溶液に窒素下0℃でトルエン中DIBAL−H(1.694mL,1.694ミリモル)をゆっくり添加した。反応物を室温まで加温し、一晩攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却しつつ、水及び1N NaOHを攪拌しながら添加した。不溶性白色ガム状固体をセライトを介する濾過により除去し、酢酸エチルで十分洗浄した。濾液を分配し、有機層を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。生じた黄色油状物をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→50% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は15% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製して、標記化合物を橙色油状物(16.5mg,40%)として得た。
製造例10
(6S)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−アミン
Figure 2010504967
ステップ1:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)(4−メトキシベンジル)アミノ]エチル}−D−セリン酸メチル
(2R)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アジリジン−2−カルボン酸(162mg,0.69ミリモル;Katoら,J.Chem.Soc.Perkin.Trans.,1,1997,3219)をクロロホルム(3mL)中に含む溶液に窒素下0℃で(2−ヒドロキシエチル)(4−メトキシベンジル)カルバミン酸tert−ブチル(191mg,0.76ミリモル)をクロロホルム(1mL)中に含む溶液を添加した後、三フッ化ホウ素エーテレート(0.017mL,0.138ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を室温までゆっくり加温し、室温で一晩攪拌した。反応混合物をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、無色油状物が生じた。粗な生成物をIsco Combiflash(12gのシリカゲル;30mL/分;254nM;15分間かけて0%→100% 酢酸エチル/ヘキサン;標記化合物は35% 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)により精製して、標記化合物を無色油状物(190mg,57%)として得た。
ステップ2:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]エチル}−D−セリン酸メチル
ステップ1の生成物(190mg,0.39ミリモル)をクロロホルム(2mL)中に含む溶液にトリフルオロ酢酸(0.30mL,3.9ミリモル)を添加し、生じた黄色溶液を室温で1時間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物を無色油状物として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−O−{2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]エチル}−D−セリン
ステップ2の生成物(理論量=151mg,0.39ミリモル)及び1N 水酸化ナトリウム(0.468mL,0.468ミリモル)をエタノール(3mL)中に含む混合物を室温で2時間攪拌した後、0℃で一晩保存した。エタノールを真空下で除去し、残渣を2N HClにより酸性化した。粗な生成物をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて10%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は40% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。標記化合物を含有する画分を集め、週末の間凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(103mg,71%)として得た。
ステップ4:[(6R)−4−(4−メトキシベンジル)−5−オキソ−1,4−オキサゼパン−6−イル]カルバミン酸ベンジル
ステップ3の生成物(103mg,0.277ミリモル)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド(55mg,0.29ミリモル)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(47mg,0.31ミリモル)及びトリエチルアミン(0.097mL,0.69ミリモル)をジクロロエタン(3mL)中に含む混合物を室温で一晩攪拌した後、50℃で1時間攪拌した。反応混合物をクロロホルムと2N HClに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をIsco Combiflash(12gのSupelco MCI Gel CHP20P;35mL/分;210nM;18分間かけて0%→100% メタノール/水;所望生成物は100% メタノールで溶離)により精製して、標記化合物(64.5mg,66%)を得た。
ステップ5:(6R)−6−アミノ−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−5−オン
ステップ4の生成物(64.5mg,0.182ミリモル)及び48% HBr(0.35mL,3.09ミリモル)を合わせ、60℃に2時間加熱した。この時点で、LC/MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を真空下で濃縮し、水性残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて10%→60% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は35% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製して、不純な標記化合物(48mg,120%)を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ6:(6S)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−アミン
ステップ5の生成物(48mg,注:存在する出発物質の理論量=40mg=0.182ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(1mL)及び無水トルエン(3mL)中に含む溶液に窒素下0℃でトルエン中DIBAL−H(1.694mL,1.694ミリモル)をゆっくり添加した。反応物を室温までゆっくり加温し、一晩攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却しつつ、水及び1N NaOHを攪拌しながら添加した。不溶性白色ガム状固体をセライトを介する濾過により除去し、酢酸エチルで十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、2N HClを添加することにより残渣をpH〜1に酸性化し、HPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→50% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は10% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製して、不純な標記化合物を黄色油状物(16.5mg)として得た。この物質を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標記化合物を黄色油状物として得た。LC−MSによれば水性層に若干の生成物を含有しており、この水性層をIsco Combiflash(12gのSupelco MC GEL CHP20P;25mL/分;210nM;18分間かけて0%→100% メタノール/水;標記化合物は100% メタノールで溶離)により精製した。標記化合物を含有する画分を有機層から得た黄色油状物と合わせて、純粋な標記化合物(7.3mg,16%)を得た。
製造例11
(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩
Figure 2010504967
ステップ1:(4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
(4S)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(63.7mg,0.224ミリモル)をテトラヒドロフラン(1mL)中に含む溶液に窒素下室温でヒューニッヒ塩基(0.047mL,0.268ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(6.7mg,0.055ミリモル)、及びジ炭酸ジ−tert−ブチル(0.064mL,0.276ミリモル)をテトラヒドロフラン(0.5mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて10%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は80% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、週末の間凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(63.7mg,82%)として得た。
ステップ2:(4S)−アゼパン−4−イルカルバミン酸tert−ブチル
(4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(63.7mg,0.183ミリモル)をメタノール(5mL)中に含む溶液に炭素担持20% 水酸化パラジウム(13.8mg,0.020ミリモル)を添加し、生じた混合物をパール振とう装置において40psiの水素に一晩曝した。反応混合物をマイクロフィルターを介して濾過した後、メタノールで十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮した。こうして得た粗な標記化合物を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩
ステップ2の生成物をジメチルホルムアミド(1mL)中に含む溶液に室温で(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(0.051mL,0.240ミリモル)及びヒューニッヒ塩基(0.084mL,0.480ミリモル)を添加した。反応混合物を週末の間室温で攪拌した後、50℃に2時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、黄色油状物が生じた。粗な中間体を分取TLC(1000ミクロン;10% メタノール/ジクロロメタンで溶離;ヨウ素染色)により精製して、中間体([(4S)−1−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アゼパン−4−イル]カルバミン酸tert−ブチル)を薄黄色油状物(47.3mg,53%)として得た。この物質をジクロロメタン(2mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮して、粗な標記化合物を薄橙色油状物(18mg,28%)として得た。これを更に精製することなく使用した。
製造例12
(4S)−1−(3−ヒドロキシプロピル)アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩
Figure 2010504967
(4S)−アゼパン−4−イルカルバミン酸tert−ブチル0028(108mg,0.504ミリモル)を無水ジメチルホルムアミド(1.5mL)中に含む溶液に室温で(3−ブロモプロポキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(0.117mL,0.504ミリモル)及びヒューニッヒ塩基(0.176mL,1.008ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。LC−MSが出発物質がまだ存在していることを示したので、触媒量のヨウ化ナトリウムを添加し、反応混合物を50℃に加熱し、50℃で一晩攪拌した。反応物を酢酸エチルと5% チオ硫酸ナトリウムに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、黄色油状物が生じた。粗な中間体をプレートクロマトグラフィー(1000ミクロン;10% メタノール/ジクロロメタン;ヨウ素染色)により精製して、中間体([(4S)−1−(3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル)アゼパン−4−イル]カルバミン酸tert−ブチル)を黄色油状物(94.4mg,48%)として得た。この物質をジクロロメタン(2mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を得た。反応物を室温で週末の間攪拌した後、真空下で濃縮して、粗な標記化合物を薄橙色油状物(38mg,26%)として得た。これをトルエンから共沸させ、更に精製することなく使用した。
製造例13
(2−{(4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アゼパン−1−イル}エチル)カルバミン酸ベンジル
Figure 2010504967
ステップ1:(4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
(4S)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(920mg,3.23ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(1.5mL)中に含む溶液に窒素下室温でヒューニッヒ塩基(0.677mL,3.88ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(99mg,0.81ミリモル)、及びジ炭酸ジ−tert−ブチル(0.923mL,3.97ミリモル)をテトラヒドロフラン(0.5mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、Isco Combiflash(35gのMC gel CHP20P(Supelco);流速35mL/分;波長210nM;10カラム容量に対して10%→100% メタノール/水、次いで5カラム容量に対して100% メタノール;標記化合物は100% メタノールで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、週末の間凍結乾燥して、標記化合物を薄黄色油状物(940mg,84%)として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(4S)−アゼパン−4−イルカルバミン酸tert−ブチル
ステップ1の生成物(940mg,2.70ミリモル)をメタノール(20mL)中に含む溶液に炭素担持20% 水酸化パラジウム(206mg,0.294ミリモル)を添加し、生じた混合物をパール振とう装置において40psの水素に一晩曝した。反応混合物をマイクロフィルターを介して濾過し、その後メタノールで十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、標記化合物を無色泡状物(592mg,102%)として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:(2−{(4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アゼパン−1−イル}エチル)カルバミン酸ベンジル
ステップ2の生成物(102.3mg,0.477ミリモル)をジメチルホルムアミド(1mL)中に含む溶液に室温で(2−ヨードエチル)カルバミン酸ベンジル(149mg,0.489ミリモル;van Staverenら,Org.Biomol.Chem.,2004,2,2593)及びヒューニッヒ塩基(0.167mL,0.955ミリモル)を添加した。反応物を50℃に加熱し、窒素下50℃で一晩攪拌した。反応物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、黄色油状物が生じた。粗な生成物をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて10%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は45% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、不純な標記化合物を黄色油状物(181mg,115%)として得た。これを更に精製することなく使用した。
製造例14
{(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−イル}カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2010504967
ステップ1:4−メチルベンゼンスルホン酸2−(ジメチルアミノ)エチル
ジメチルアミノエタノール(342.6mg,3.84ミリモル)をピリジン(3mL)中に含む溶液に0℃でp−トルエンスルホニルクロリド(693mg,3.63ミリモル)を添加した。反応物は明橙色になり、0℃で15分間攪拌した後、反応物を室温まで加温し、室温で一晩攪拌した。次いで、エーテルを添加し、不溶性固体を濾別した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は50% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)で直接精製して、標記化合物を黄色/橙色油状物(747mg,80%)として得た。
ステップ2:{(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−イル}カルバミン酸tert−ブチル
(4S)−アゼパン−4−イルカルバミン酸tert−ブチル(94.9mg,0.443ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に室温で4−メチルベンゼンスルホン酸2−(ジメチルアミノ)エチル(120.8mg,0.496ミリモル)及びヒューニッヒ塩基(0.173mL,0.993ミリモル)を添加した。反応物を窒素下で80℃に加熱し、80℃で一晩攪拌した。反応物を濾過して不溶性固体を除去し、濾液を真空下で濃縮し、HPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は40% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を集め、一晩凍結乾燥して、標記化合物を黄色油状物(104mg,73%)として得た。
製造例15
2−メチル−N−(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)プロパン−2−スルフィンアミド
Figure 2010504967
ステップ1:2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−オン
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン(620mg,4.0ミリモル)を無水ジクロロメタン(6mL)中に含む溶液に−78℃で三フッ化ホウ素エーテレート(1.3mL,10.26ミリモル)を添加した後、ヘキサン中トリメチルシリルジアゾメタン(3.0mL,6.0ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応物を1.5時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗な標記化合物を黄色油状物として得た。水性層のLC−MS分析は、水性層中に更に生成物が存在することを示した。水性層を真空下で濃縮すると、白色固体が生じた。これを1N 水酸化ナトリウム中に再溶解し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、追加の粗な標記化合物を黄色油状物として得た。両方の黄色油状残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は0〜15% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(226mg,33%)として得た。
ステップ2:2−メチル−N−(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)プロパン−2−スルフィンアミド
チタン(IV)エトキシド(0.256mL,1.236ミリモル)及びステップ1の生成物(101.8mg,0.601ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(1.5mL)中に含む溶液に窒素下でR−(+)−tert−ブタンスルフィンアミド(Acssys Pharmatech)(77.5mg,0.639ミリモル)を添加し、反応物を65℃に加熱した。3時間後、溶液を0℃まで冷却し、−5℃(氷/ブライン浴)でホウ水素化ナトリウム(89.6mg,2.368ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(0.5mL)中に含む混合物にカニューレを介して添加した。生じた黄色溶液を1.5時間攪拌した後、0℃でメタノールでクエンチした。最小量のブラインを添加し、混合物を激しく攪拌した。生じた白色スラリーをセライトを介して濾過し、セライトパッドをメタノールで十分洗浄した。濾液を集め、真空下で濃縮した。水性残渣をIsco Combiflash(35gのMCI gel CHP20P(Supelco);流速35mL/分;波長210nM;13カラム容量に対して0%→100% アセトニトリル/水、その後2カラム容量に対して100% アセトニトリル;標記化合物は60〜100% アセトニトリル/水で溶離)により精製した。生成物は210nMでUV活性を持たないので、画分をヨウ素染料を用いてTLC(40:10:1 クロロホルム/メタノール/濃水酸化アンモニウム)により調べた。生成物を含有する画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(83.4mg,50%)として得た。これを更に精製することなく使用した。
製造例16
5−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル及び4−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
ステップ1:5−オキソアゾカン−1,4−ジカルボン酸1−ベンジル4−エチル及び 4−オキソアゾカン−1,4−ジカルボン酸1−ベンジル5−エチル
5−オキソアゼパン−1−カルボン酸1−ベンジル(1.2g,4.86ミリモル)をエーテル(40mL)中に含む溶液に窒素下−40℃で三フッ化ホウ素エーテレート(0.734mL,5.83ミリモル)を1滴ずつ添加した後、ジアゾ酢酸エチル(0.604mL,5.83ミリモル)をエーテル(10mL)中に含む溶液を15分間かけて1滴ずつ添加した。1時間後、反応物を氷/飽和炭酸水素ナトリウムに注いだ。有機相を集め、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、標記化合物を黄色油状物として得た。粗な生成物を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:5−オキソアゾカン−1−カルボン酸及び4−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル
ステップ1の粗な生成物をテトラヒドロフラン(20mL)及び水(1mL)中に含む溶液に炭酸カリウム(1.5g,10.69ミリモル)を添加した。反応物を還流加熱し、2時間還流した後、0℃まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。攪拌しながら、2N HClを添加することにより混合物をpH1に酸性化し、層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると、油状物が生じた。これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル(0.53g,42%)及び4−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル(0.47g,37%)を得た。
製造例17
5−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−アゾカン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
ステップ1:5−[(tert−ブチル−スルフィニル)アミノ]アゾカン−1−カルボン酸ベンジル
チタン(IV)エトキシド(0.684mL,3.3ミリモル)及び5−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル(0.43g,1.65ミリモル)を無水テトラヒドロフラン中に含む溶液に窒素下でtert−ブタンスルフィンアミド(0.199g,1.65ミリモル)を添加し、反応物を60℃に一晩加熱した。生じた溶液を室温まで冷却した後、−5℃に冷却し、ホウ水素化ナトリウム(0.122g,3.3ミリモル)を無水テトラヒドロフラン中に含む混合物に−5℃でカニューレを介して添加した。−5℃で1.5時間後、反応物を0℃でメタノールでクエンチした。生じた混合物をブラインに注ぎ、激しく攪拌した。生じた混合物を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を油状物として得た。これを直接次ステップにおいて使用した。
ステップ2:5−アミノアゾカン−1−カルボン酸ベンジル
ステップ1の生成物をメタノール中に含む溶液にジオキサン中4N 塩酸(0.41mL,1.65ミリモル)を添加した。混合物を室温で60分間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をエーテルと摩砕し、真空下で乾燥して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:5−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−アゾカン−1−カルボン酸ベンジル
ステップ2の生成物をアセトニトリル中に含む溶液に窒素下室温でトリエチルアミン(0.27mL,1.98ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(0.507g,1.98ミリモル)を順次添加した。1時間後、反応混合物を真空下で濃縮し、逆相HPLCにより精製し、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体(0.36g)として得た。
製造例18
4−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾカン−1−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2010504967
チタン(IV)エトキシド(0.16mL,0.76ミリモル)及び4−オキソアゾカン−1−カルボン酸tert−ブチル(100mg,0.38ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(3mL)中に含む溶液に窒素下でR−(+)−tert−ブタンスルフィンアミド(Acssys Pharmatech)(47mg,0.38ミリモル)を添加し、反応物を60℃に加熱し、60℃で一晩攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、−5℃(氷/ブライン浴)でホウ水素化ナトリウム(28mg,0.76ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(0.5mL)中に含む混合物に1滴ずつ添加した。生じた混合物を室温で1.5時間攪拌した後、0℃でメタノールでクエンチし、ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を真空下で濃縮し、残渣をIsco Combiflashにより精製した。こうして得た生成物を更にHPLC(Sunfireカラム)により精製して、標記化合物の2つのジアステレオマー、すなわち異性体A(先に溶離,20mg)及び異性体B(後から溶離,48mg)を得た。
製造例19
5−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾナン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
ステップ1:5−オキソアゾナン−1−カルボン酸ベンジル
5−オキソアゾカン−1−カルボン酸ベンジル(760mg,2.9ミリモル)をエーテル中に含む溶液に−40℃で窒素下で三フッ化ホウ素エーテレート(0.44mL,3.5ミリモル)を1滴ずつ添加した後、ジアゾ酢酸エチル(0.363mL,3.5ミリモル)をエーテル中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応混合物を−40℃で1時間攪拌した後、0℃に加温し、0℃で3時間攪拌した。追加の三フッ化ホウ素エーテレート(0.40mL,3.2ミリモル)及びジアゾ酢酸エチル(0.33mL,3.25ミリモル)を添加し、生じた混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を氷/飽和炭酸水素ナトリウムに注いだ。有機相を集め、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン、水、ジメチルホルムアミド混合物中に溶解し、炭酸カリウム(800mg,5.8ミリモル)を添加した。生じた混合物を一晩還流した後、ISCO Combiflashクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(160mg,20%)を得た。粗な生成物を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:5−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾナン−1−カルボン酸ベンジル
チタン(IV)エトキシド(0.13mL,0.64ミリモル)及びステップ1の生成物(160mg,0.58ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(2mL)中に含む溶液に窒素下でR−(+)−tert−ブタンスルフィンアミド(Acssys Pharmatech)(70mg,0.58ミリモル)を添加した。反応物を60℃に加熱し、60℃で一晩攪拌した。追加のチタン(IV)エトキシド(0.13mL,0.64ミリモル)を添加し、反応物を65℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、−5℃(氷/ブライン浴)でホウ水素化ナトリウム(28mg,0.76ミリモル)を無水テトラヒドロフラン(0.5mL)中に含む混合物に1滴ずつ添加した。生じた混合物を室温で1.5時間攪拌した後、0℃でメタノールでクエンチし、ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(Sunfireカラム)により精製して、標記化合物の2つのジアステレオマー、すなわち異性体A(後から溶離,32mg)及び異性体B(先に溶離,45mg)を得た。
実施例1
(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:(1S,5R)−2−[({(4S)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(0.13g,0.68ミリモル)及び(4S)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−カルボニル}アミノ)−アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(0.22g,0.56ミリモル)をアセトニトリル(2mL)中に含む溶液に炭酸水素ナトリウム(0.11g,1.25ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。4時間後、反応混合物を逆相HPLCにより精製し、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体(0.2g,76%)として得た。
ステップ2:(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
(1S,5R)−2−[({(4S)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(0.2g,0.43ミリモル)をエタノール(20mL)及び水(2mL)中に含む溶液をH−Cube(商品名)連続流水素化反応装置(ハンガリー国ブダペストに所在のThalesNano)を用いて水酸化パラジウム上で10バール下で水素化した。LC−MSにより反応が完了したと判断されたら、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製し、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体(0.039g,27%)として得た。H NMR(600MHz,DO)δ ppm 5.21(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.80−3.88(1H,m),3.28−3.44(3H,m),3.14−3.22(2H,m),2.37(1H,dd,J=14,6Hz),2.12−2.18(1H,m),2.04−2.11(1H,m),1.85−2.00(3H,m),1.74−1.84(1H,m),1.58−1.68(1H,m)。13C NMR(125MHz,DO)δ ppm 164.8,157.1,66.8,61.2,50.5,46.0,44.2,42.1,33.0,31.1,26.8,21.0。LC−MS(負イオン化)m/e 331(M−H)。
実施例2
(1S,5R)−2−{[(4R)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ジアステレオマー生成物に対して実施例1に概説されている手順を用いて、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J−4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.80−3.88(1H,m),3.28−3.44(3H,m),3.14−3.22(2H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),2.12−2.18(1H,m),2.04−2.11(1H,m),1.84−2.00(3H,m),1.74−1.84(1H,m),1.58−1.68(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 331(M−H)。
実施例3
(1S,5R)−2−{[(シクロヘプチルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
実施例1に概説されている手順を用いて、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠され、このスペクトルでは観察されなかった),3.90(1H,dd,J=11,11Hz),3.62−3.70(1H,m),3.30(1H,ddd,J=11,11,6Hz),2.40(1H,dd,J=14,6Hz),1.80−1.95(3H,m),1.40−1.65(10H,m)。
実施例4
(1S,5R)−2−{[(3S)−アゼパン−3−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:1−[({[(3S)−1−ベンジルアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン
炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(129mg,0.505ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(3S)−1−ベンジルアゼパン−3−アミン(97mg,0.475ミリモル)をアセトニトリル(2mL)中に含む溶液を添加した後、ジイソプロピル−エチルアミン(0.085mL,0.487ミリモル)を添加し、生じた溶液を窒素下室温で一晩攪拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。エーテル層をデカントにより除去し、不溶性油状物を真空下で乾燥して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−({[(3S)−1−ベンジルアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(92.6mg,0.482ミリモル)及び1−[({[(3S)−1−ベンジルアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン(164mg,0.475ミリモル)をアセトニトリル(0.5mL)中に含む混合物に炭酸水素ナトリウム(63mg,0.750ミリモル)を水(0.5mL)中に含む溶液を添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮してアセトニトリルを除去した。残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→50% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;生成物は25% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。所望生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(72mg,36%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−{[(3S)−アゼパン−3−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ2の生成物(30mg,0.071ミリモル)及び水酸化パラジウム(8.9mg,0.013ミリモル)を合わせ、パール振とう装置において40psiの水素下で一晩水素化した。反応物をマイクロフィルターを介して濾過し、集めた固体をメタノール及び水で十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、HPLC(250×21.2mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→70% メタノール/水;生成物は25%メタノール/水で溶離)により精製した。所望生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥て、標記化合物を白色固体(9.3mg,39%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠された),4.0−4.1(1H,m),3.92(1H,t,J=10Hz),3.15−3.4(5H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),2.02−2.10(1H,m),1.80−2.00(4H,m),1.84−2.00(3H,m),1.65−1.75(1H,m),1.55−1.65(1H,m)。LC−MS MS(負イオン化)m/e 331(M−H)。
実施例5
(1S,5R)−7−オキソ−2−({[(3S)−2−オキソアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(157.7mg,0.821ミリモル)及び1−[({[(3S)−1−ベンジル−2−オキソアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]−ピロリジン−2,5−ジオン(205mg,0.761ミリモル)をアセトニトリル(3mL)中に含む混合物に炭酸水素ナトリウム(128.8mg,1.53ミリモル)を水(3mL)中に含む溶液を添加した。生じた混合物を室温で5時間攪拌した後、週末の間冷凍庫に保存した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;9分間かけて0%→10% メタノール/水;生成物は4% メタノール/水で溶離)により精製した。所望生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(169mg,64%)として得た。H NMR(600MHz,DO)δ ppm 5.26(1H,d,J=4Hz),4.75(1H,dd,J=5Hz),4.49(1H,dd,J=12,1Hz),4.00(1H,dd,J=11,9Hz),3.2−3.4(3H,m),2.42(1H,dd,J=14,6Hz),1.6−2.0(6H,m),1.30−1.40(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 345(M−H)。
実施例6
(1S,5R)−2−[(1,4−ジアゼパン−6−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:1−({[(1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−イル)アミノ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン
炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(78mg,0.306ミリモル)をアセトニトリル(1.5mL)中に含む溶液に窒素下室温で1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−アミン(82.2mg,0.278ミリモル)及びヒューニッヒ塩基(0.049mL,0.278ミリモル)をアセトニトリル(1.5mL)中に含む溶液を1滴ずつ添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。エーテル層をデカントにより除去し、不溶性油状物を真空下で乾燥して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−{[(1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−イル)アミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
1−({[(1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−イル)アミノ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン(0.121g,0.278ミリモル)をアセトニトリル(3mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(0.0576g,0.300ミリモル)を水(3mL)中に含む溶液を添加した後、炭酸水素ナトリウム(0.0234g,0.279ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮してアセトニトリルを除去した。生じた水性層をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→30% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は27% CHCN+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。純粋な生成物を含有する画分を集め、週末の間凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(50mg,35%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−[(1,4−ジアゼパン−6−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
(1S,5R)−2−{[(1,4−ジベンジル−1,4−ジアゼパン−6−イル)アミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(50mg)をメタノール(6mL)中に含む溶液に水酸化パラジウム(13.2mgの炭素担持20% 水酸化パラジウム)及び酢酸(0.030mL)を添加し、生じた反応混合物をパール振とう装置において45psiのH下で一晩水素化した。次いで、反応物をマイクロフィルターを介して濾過し、触媒をメタノール及び水で十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(250×21.2mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→30% メタノール/水;標記化合物は3% メタノール/水で溶離)により精製して、標記化合物をオフホワイト色(わずかに紫色)固体(21.7mg,67%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠された),4.34−4.40(1H,m),4.00(1H,t,J=10Hz),3.32−3.63(9H,m),2.41(1H,dd,J=14,6Hz),1.90−1.98(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 332(M−H)。
実施例7
(1S,5R)−2−{[(6R)−1,4−オキサゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:1−[({[(6R)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン
炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(19.0mg,0.074ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に窒素下室温で(6R)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−アミン(16.5mg,0.070ミリモル)をアセトニトリル(1mL,0.5mL濯ぎ液)中に含む溶液を添加した後、ヒューニッヒ塩基(0.012mL,0.070ミリモル)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。エーテル層をデカントにより除去し、不溶性油状物を真空下で乾燥して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−({[(6R)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ1の生成物(26mg=ステップ1の理論収量,0.07ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(13.8mg,0.072ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した後、炭酸水素ナトリウム(8.3mg,0.099ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮してアセトニトリルを除去した。生じた水性層をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→50% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;所望生成物は25% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(8.3mg,26%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−{[(6R)−1,4−オキサゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ2の生成物(8.3mg,0.018ミリモル)、炭素担持20% 水酸化パラジウム(3.7mg)及び酢酸(0.030mL)をメタノール(3mL)及び水(1mL)中に含む混合物をパール振とう装置において40psiの水素下で一晩水素化した。反応物をマイクロフィルターを介して濾過し、結晶をメタノール及び水で十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、HPLC(250×21.2mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→30% メタノール/水;標記化合物は5% メタノール/水で溶離)により精製して、標記化合物を薄黄色固体(4.8mg,79%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.25(1H,d,J=4Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠された),4.27(1H,br s),3.92−4.02(4H,m),3.80−3.84(1H,m),3.35−3.52(5H,m),2.38−2.44(1H,m),1.89−1.98(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 333(M−H)。
実施例8
(1S,5R)−2−{[(6S)−l,4−オキサゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:1−[({[(6S)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン
炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(10.9mg,0.042ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に窒素下室温で(6S)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−アミン(16.5mg,0.070ミリモル)をアセトニトリル(1mL,0.5mL濯ぎ液)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。エーテル層をデカントにより除去し、不溶性油状物を真空下で乾燥して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−({[(6S)−4−(4−メトキシベンジル)−1,4−オキサゼパン−6−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ1の生成物(12.2mg=ステップ1の理論収量,0.035ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(8mg,0.042ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した後、炭酸水素ナトリウム(4.9mg,0.058ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮してアセトニトリルを除去した。生じた水性層をIsco Combiflash(12gのSupelco MC Gel CHP20P;30mL/分;210nM;100% 水で5分間、次いで11分間かけて0%→100% メタノール/水;標記化合物は55% メタノール/水で溶離)により精製した。標記化合物を含有する画分を集め、凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(6.9mg,46%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−{[(6S)−1,4−オキサゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ2の生成物(6.9mg,0.016ミリモル)及び炭素担持20% 水酸化パラジウム(2mg)をメタノール(3mL)中に含む混合物をパール振とう装置において45psiの水素下で一晩水素化した。反応物をマイクロフィルターを介して濾過し、結晶をメタノール及び水で十分洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、HPLC(250×21.2mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;4ミクロン;5mL/分;210nM;15分間かけて0%→70% メタノール/水;標記化合物は10% メタノール/水で溶離)により精製して、不純な標記化合物をガム状固体として得た。これをアセトニトリル(2×)と摩砕した。不溶性白色固体を遠心により集め、真空下で乾燥して、標記化合物を薄黄色固体(1.7mg,31%)として得た。これはNMRによればなお不純物を含んでいた。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.25(1H,d,J=3Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠された),4.28(1H,br s),3.92−4.0(4H,m),3.81−3.84(1H,m),3.36−3.52(5H,m),2.39−2.41(1H,m),1.89−1.98(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 333(M−H)。
実施例9
(1S,5R)−2−({[(4S)−1−メチルアゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(50mg,0.15ミリモル)及び37% 水性ホルムアルデヒド(0.056mL,0.75ミリモル)をアセトニトリル中に含む溶液に0℃でシアノホウ水素化ナトリウム(18.9mg,0.30ミリモル)を添加した。生じた混合物を10分間攪拌した後、数滴の酢酸を添加してpHを〜5−6に調節した。室温で1時間後、LC−MSは反応の完了を示した。アセトニトリルを真空下で除去し、残渣を水中に溶解した。飽和炭酸水素ナトリウムを添加してpHを〜7に調節し、粗な生成物をHPLC(phenomenexカラム,メタノール/水)により精製した。標記化合物を含有する画分を凍結乾燥すると、白色固体が生じた。これをアセトニトリルと摩砕して、不純な標記化合物を白色固体(12mg,23%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.85−3.96(2H,m),3.28−3.48(5H,m),2.87(3H,s),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),2.10−2.20(2H,m),1.82−2.02(4H,m),1.60−1.70(1H,m)。LC−MS m/e 369(M+Na),347(M+H)。
実施例10
(1S,5R)−2−({[(4S)−1,1−ジメチルアゼパニウム−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホネート
Figure 2010504967
(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(25mg,0.075ミリモル)、ヨードメタン(0.012mL,0.188ミリモル)、トリエチルアミン(0.031mL,0.226ミリモル)及び4−ジメチルアミノピリジン(9.2mg,0.075ミリモル)をジメチルホルムアミド(10mL)中に含む混合物を室温で2時間攪拌した。追加のヨードメタン(0.007mL,0.112ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をHPLCより精製して、標記化合物を白色固体(8mg,29%)として得た。H NMR(600MHz,DO)δ ppm 5.21(1H,d,J=4Hz),4.72(1H,dd,J=4Hz),3.90(1H,dd,J=10,9Hz),3.75−3.83(1H,m),3.50−3.56(2H,m),3.36−3.44(2H,m),3.28−3.34(1H,m),3.09(3H,s),3.08(3H,s),2.37(1H,dd,J=10,6Hz),1.80−2.10(6H,m),1.50−1.60(1H,m)。LC−MS m/e 361(M+)。
実施例11
(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:1−[({[(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン
2−[(4S)−4−アミノアゼパン−1−イル]エタノール(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩(18mg,0.066ミリモル)及びトリエチルアミン(0.021mL,0.152ミリモル)をアセトニトリル(2.5mL)中に含む溶液に室温で炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(0.0363g,0.142ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、ヘキサン、次いでエーテル(2×)と摩砕して、標記化合物を橙色油状物として得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ1の生成物(存在する出発物質の理論量=19.8mg,0.066ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(33.1mg,0.172ミリモル)を添加した後、炭酸水素ナトリウム(28.7mg,0.342ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→20% メタノール/水;標記化合物は8% メタノール/水で溶離)により精製した。所望生成物を含有する画分を集め、週末の間凍結乾燥すると、固体が生じた。これをアセトニトリル(2×)と摩砕して、標記化合物を白色固体(14mg,56%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.80−3.95(4H,m),3.25−3.55(7H,m),2.37(1H,dd,J=14,6Hz),1.80−2.20(6H,m),1.58−1.68(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 375(M−H)。
実施例12
(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(3−ヒドロキシプロピル)アゼパン―4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:1−[({[(4S)−1−(3−ヒドロキシプロピル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)オキシ]ピロリジン−2,5−ジオン
(4S)−1−(3−ヒドロキシプロピル)アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩(38mg,0.133ミリモル)及びトリエチルアミン(0.034mL,0.244ミリモル)をアセトニトリル(1.0mL)中に含む溶液に炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(63mg,0.244ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、薄黄色固体残渣をエーテル(3×)と摩砕して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(3−ヒドロキシプロピル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ1の生成物(存在する出発物質の理論量=41.7mg,0.133ミリモル)をアセトニトリル(2mL)中に含む溶液に(1S,5R)−2−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(47.7mg,0.248ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(33.9mg,0.404ミリモル)を水(2mL)中に含む溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;9分間かけて0%→10% メタノール/水;標記化合物は10% メタノール/水で溶離)により精製した。生成物を含有する画分を集め、一晩凍結乾燥すると、オフホワイト色結晶(31.7mg)が生じた。この結晶をアセトニトリル(2×)と摩砕して、標記化合物を白色固体(29.6mg,57%)として得た。この固体はトリエチルアミンに由来すると見られる未確定の不純物を約4%含んでいた。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.22(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.92(1H,dd,J=10,9Hz),3.80−3.88(1H,m),3.67(2H,t,J=6Hz),3.20−3.50(7H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),1.80−2.20(8H,m),1.58−1.68(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 389(M−H)。
実施例13
(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−アミノエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:(4S)−1−(2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}エチル)アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩
粗な(2−{(4S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アゼパン−1−イル}エチル)カルバミン酸ベンジル(181mg;存在する理論量=157mg=0.477ミリモル)をジクロロメタン(2mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮して、標記化合物(127mg,66%)を得た。粗な生成物をトルエンと共沸し、更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:{2−[(4S)−4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゼパン−1−イル]エチル}カルバミン酸ベンジル
ステップ1の生成物(127mg,0.314ミリモル)及びトリエチルアミン(0.077mL,0.554ミリモル)をアセトニトリル(3mL)中に含む溶液に室温で炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(120mg,0.469ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をIsco CombiFlash系(12gのMCI gel CHP20P(Supelco);流速25mL/分;波長210nM;標記化合物は40% 水/アセトニトリルで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を週末の間凍結乾燥して、標記化合物(107.8mg,80%)を得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}エチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ2の生成物(107.8mg,0.249ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(54.3mg,0.283ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(31mg,0.374ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をHPLC(30×100mm Waters(登録商標)Sunfire(商品名)カラム;5ミクロン;35mL/分;210nM;15分間かけて0%→100% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFA;標記化合物は40〜50% アセトニトリル+0.05% TFA/水+0.05% TFAで溶離)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(62.5mg,49%)として得た。
ステップ4:(1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−アミノエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ3の生成物(41.8mg,0.082ミリモル)をメタノール/水/酢酸(5mL/5mL/5滴)中に溶解した。次いで、パラジウム黒(10.2mg,0.082ミリモル)を添加し、反応物をパール振とう装置において40psiの水素に一晩かけた。反応物をマイクロフィルターを介して濾過して触媒を除去した。濾液を真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→15% メタノール/水;標記化合物は3% メタノール/水で溶離)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物を薄黄色粘性固体(21mg,68%)として得た。H NMR(600MHz,DO)δ ppm 5.21(1H,d,J=4Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠された),3.84−3.92(2H,m),3.30−3.50(9H,m),2.38(1H,dd,J=14,6Hz),1.85−2.20(6H,m),1.58−1.68(1H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 374(M−H)。
実施例14
(1S,5R)−2−[({(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:(4S)−I−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−アミニウムトリフルオロ酢酸塩
{(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−アゼパン−4−イル}カルバミン酸tert−ブチル(104mg,0.364ミリモル)をジクロロメタン(2mL)中に含む溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:1−{[({(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]オキシ}ピロリジン−2,5−ジオン
ステップ1の生成物(理論量=62mg,0.364ミリモル)を無水アセトニトリル(3mL)中に含む溶液に室温でヒューニッヒ塩基(0.13mL,0.744ミリモル及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(95.8mg,0.374ミリモル)を順次添加した。生じた溶液を室温で週末の間攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をエーテル(3×)と摩砕した。生じた不溶性油状残渣を真空下で乾燥し、更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:(1S,5R)−2−[({(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ2の生成物(理論量=119mg,0.364ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(77.6mg,0.404ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(52.4mg,0.624ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。生じた混合物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→30% メタノール/水;標記化合物は20〜25% メタノール/水で溶離)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物を薄黄色固体として得た。この固体は少量の不純物を含んでいた。この固体をアセトニトリルと摩砕し、不溶性薄黄色固体を遠心により分離して、標記化合物(3.5mg,2.4%)を得た。凍結乾燥したHPLC画分の洗浄液からの上清を濃縮して、追加の標記化合物を得た。生じた白色固体をエーテルと摩砕し、遠心により集めて、追加の標記化合物(11.4mg,7.8%)を得たが、このバッチは最初のバッチよりも不純であった。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.22(1H,d,J=4Hz),4.73(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.79−3.84(1H,m),3.28−3.35(1H,m),2.95−3.18(8H,m),2.64(6H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),1.55−2.10(7H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 402(M−H)。
実施例15
(1S,5R)−7−オキソ−2−{[(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)アミノ]カルボニル}−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−アミン
2−メチル−N−(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)プロパン−2−スルフィンアミド(83.4mg,0.304ミリモル)をメタノール(2mL)中に含む溶液に室温でジオキサン中4N 塩酸(0.1mL,0.400ミリモル)を添加した。1時間後、追加のジオキサン中4N 塩酸(0.3mL)を添加した。更に1時間後、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。不溶性油状物をトルエンと共沸し、更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:1−({[(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)アミノ]カルボニル}オキシ)ピロリジン−2,5−ジオン
ステップ1の生成物(理論量=52mg,0.304ミリモル)を無水アセトニトリル(3mL)中に含む溶液に室温でヒューニッヒ塩基(0.12mL,0.6874ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(79.8mg,0.312ミリモル)を順次添加した。生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をエーテル(3×)と摩砕した。生じた不溶性油状残渣を真空下で乾燥し、更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ3:(1S,5R)−7−オキソ−2−{[(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)アミノ]カルボニル}−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ2の生成物(理論量=95mg,0.304ミリモル)をアセトニトリル(1mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(64.3mg,0.334ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(38.3mg,0.456ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム;10ミクロン;35mL/分;210nM;14分間かけて0%→30% メタノール/水;標記化合物は20〜25% メタノール/水で溶離)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(10.3mg,8.7%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.22(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.86−3.93(2H,m),3.29−3.36(1H,m),2.40(1H,dd,J=14,6Hz),1.87−2.07(6H,m),1.70−1.80(1H,m),1.54(3H,s),1.45(3H,s),1.43(6H,s)。LC−MS(負イオン化)m/e 387(M−H)。
実施例16
(1S,5R)−2−[(アゾカン−5−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
ステップ1:(1S,5R)−2−[({−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゾカン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
実施例1のステップ1に概説した手順において(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(0.172g,0.89ミリモル)及び4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−カルボニル}アミノ)−アゾカン−1−カルボン酸ベンジル(0.36g,0.89ミリモル)を用いて、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体(0.15g,35%)として得た。
ステップ2:(1S,5R)−2−[(アゾカン−5−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
実施例1のステップ2の手順を(1S,5R)−2−[({−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゾカン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(0.050g,0.10ミリモル)に適用して、凍結乾燥後、標記化合物を白色固体(0.014g,40%)として得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),(注:〜4.75ppmの予測シグナルは大きなHOピークにより隠された),3.91(1H,dd,J=10,10Hz),3.75−3.85(1H,m),3.25−3.38(3H,m),3.15−3.24(2H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),1.80−2.18(7H,m),1.68−1.78(2H,m)。
実施例17
(1S,5R)−2−[(アゾカン−4−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)
Figure 2010504967
ステップ1:4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゾカン−1−カルボン酸ベンジル(異性体A)
4−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾカン−1−カルボン酸tert−ブチル(20mg,0.0.055ミリモル)をメタノール中に含む溶液に室温でジオキサン中4N 塩酸(0.014mL,0.056ミリモル)を添加した。20分後、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。不溶性油状物をアセトニトリル中に溶解した後、トリエチルアミン(0.009mL,0..066ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(17mg,0.066ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−[({1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゾカン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)
ステップ1の生成物(理論量=26mg,0.055ミリモル)をアセトニトリル(3mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(37mg,0.194ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(5mg,0.060ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で4時間攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(Sunfireカラム)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(10mg,39%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−[(アゾカン−4−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)
ステップ2の生成物(10mg,0.021ミリモル)をエタノール(5mL)/水(0.5mL)/酢酸(1滴)中に溶解した後、炭素担持20% 水酸化パラジウムを添加し、反応物をパール振とう装置において40psiの水素に4時間かけた。反応物を濾過して触媒を除去し、濾液を真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物(4.5mg,63%)を得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.22(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.82−3.87(1H,m),3.21−3.41(3H,m),3.15−3.19(2H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),2.09−2.14(1H,m),1.80−2.22(6H,m),1.60−1.68(2H,m)。
実施例18
(1S,5R)−2−[(アゾカン−4−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)
Figure 2010504967
ステップ1:4−({[(2,5−ジオキソピロリジン−l−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゾカン−1−カルボン酸ベンジル(異性体B)
4−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾカン−1−カルボン酸tert−ブチル(48mg,0.131ミリモル)をメタノール中に含む溶液に室温でジオキサン中4N 塩酸(0.033mL,0.132ミリモル)を添加した。20分後、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。不溶性油状物をアセトニトリル中に溶解した後、トリエチルアミン(0.032mL,0.23ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(60mg,0.23ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−[({1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゾカン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)
ステップ1の生成物(理論量=53mg,0.131ミリモル)をアセトニトリル(4mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(37mg,0.194ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(16mg,0.194ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(Sunfireカラム)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(7mg,11%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−[(アゾカン−4−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)
ステップ2の生成物(7mg,0.015ミリモル)をエタノール(5mL)/水(0.5mL)/酢酸(1滴)中に溶解した後、炭素担持20% 水酸化パラジウムを添加し、反応物をパール振とう装置において40psiの水素に一晩かけた。反応物を濾過して触媒を除去し、濾液を真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物(5mg,100%)を得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.82−3.87(1H,m),3.21−3.41(3H,m),3.15−3.19(2H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),2.09−2.14(1H,m),1.80−2.22(6H,m),1.60−1.68(2H,m)。
実施例19
(1S,5R)−2−{[アゾナン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)
Figure 2010504967
ステップ1:5−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゾナン−1−カルボン酸ベンジル(異性体A)
5−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾナン−1−カルボン酸tert−ブチル(32mg,0.084ミリモル,異性体A)をメタノール中に含む溶液に室温でジオキサン中4N 塩酸(0.021mL,0.084ミリモル)を添加した。15分後、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。不溶性油状物をアセトニトリル中に溶解した後、トリエチルアミン(0.014mL,0.10ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(26mg,0.10ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣を更に精製することなく次ステップにおいて使用した。
ステップ2:(1S,5R)−2−[({1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゾナン−5−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)
ステップ1の生成物(理論量=35mg,0.084ミリモル)をアセトニトリル(4mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(16mg,0.084ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(7mg,0.084ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(Sunfireカラム)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(30mg,72%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−{[アゾナン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)
ステップ2の生成物(30mg,0.061ミリモル)をエタノール(3mL)/水(2滴)/酢酸(1滴)中に溶解した後、炭素担持20% 水酸化パラジウム(20mg)を添加し、反応物をパール振とう装置において45psiの水素に一晩かけた。反応物を濾過して触媒を除去し、濾液を真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物(3mg,14%)を得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.81−3.86(1H,m),3.29−3.35(1H,m),3.19−3.26(4H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),1.61−2.06(11H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 359(M−H)。
実施例20
(1S,5R)−2−{[アゾナン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)
Figure 2010504967
ステップ1:5−({[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アゾナン−1−カルボン酸ベンジル(異性体B)
5−{[(R)−tert−ブチルスルフィニル]アミノ}アゾナン−1−カルボン酸tert−ブチル(45mg,0.12ミリモル,異性体B)をメタノール中に含む溶液に室温でジオキサン中4N 塩酸(0.030mL,0.12ミリモル)を添加した。15分後、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をエーテルと摩砕した。不溶性油状物をアセトニトリル中に溶解した後、トリエチルアミン(0.020mL,0.14ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(36mg,0.14ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣をHPLC(Sunfireカラム)により精製して、標記化合物を油状物(10mg,20%)として得た。
ステップ2:(1S,5R)−2−[({1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゾナン−5−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)
ステップ1の生成物(10mg,0.024ミリモル)をアセトニトリル(4mL)中に含む溶液に(1S,5R)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(4.6mg,0.024ミリモル)及び炭酸水素ナトリウム(7mg,0.084ミリモル)を水(1mL)中に含む溶液を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮し、HPLC(Sunfireカラム)により精製した。生成物を含有する画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、標記化合物を白色固体(5mg,43%)として得た。
ステップ3:(1S,5R)−2−{[アゾナン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)
ステップ2の生成物(5mg,0.010ミリモル)をエタノール(2mL)/水(1滴)/酢酸(1滴)中に溶解した後、炭素担持20% 水酸化パラジウム(5mg)を添加し、反応物をパール振とう装置において45psiの水素に4時間かけた。反応物を濾過して触媒を除去し、濾液を真空下で濃縮し、HPLC(21.2×250mm Phenomenex Synergi Polar−RP 80Aカラム)により精製した。生成物を含有する画分を一晩凍結乾燥して、標記化合物(2mg,55%)を得た。H NMR(500MHz,DO)δ ppm 5.23(1H,d,J=4Hz),4.74(1H,dd,J=4Hz),3.91(1H,dd,J=10,9Hz),3.81−3.86(1H,m),3.29−3.35(1H,m),3.19−3.26(4H,m),2.39(1H,dd,J=14,6Hz),1.61−2.06(11H,m)。LC−MS(負イオン化)m/e 359(M−H)。
実施例21〜31
下表の出発物質に実施例1の手順を適用して、下記化合物を製造し得る(注:実施例22〜25の化合物に対して保護基は必要でなく、よって実施例1に記載されている脱保護ステップは省略し得る)。
Figure 2010504967
Figure 2010504967
実施例32
酵素活性:IC 50 の測定
クラスC酵素活性を市販されている基質のニトロセフィンに対する分光光度アッセイにおいて試験阻害剤の存在下で測定した。酵素AmpC(緑膿菌)及び基質を100mM KHPOバッファー(pH7)中に溶解した。このバッファーは0.005% BSAも含んでいる。試験阻害剤をDMSO中に溶解し、アッセイにおいて1:20希釈して、50μM〜0.0002μMの最終濃度とした。96ウェルマイクロプレートにおいて、試験阻害剤をβ−ラクタマーゼ酵素と周囲温度で40分間インキュベートし、基質溶液を添加し、インキュベーションを更に40分間継続した。2.5N 酢酸を添加することにより分光光度反応をクエンチし、492nmの吸光度を測定した。IC50値を酵素阻害対阻害剤濃度の半対数プロットから求めた。曲線は4パラメーターフィットを用いて作成した。
本発明の代表的化合物は本アッセイにおいてクラスC β−ラクタマーゼの阻害を示す。例えば、実施例1〜20の化合物を本アッセイで試験し、約25マイクロモル以下のIC50値を有していることが判明した。選択された化合物のIC50値を表1に示す。
相乗作用アッセイプロトコル:
本アッセイは、β−ラクタム抗生物質に対して通常耐性の細菌株に対する当該抗生物質のMICを1/2、1/4、1/8、1/16及び1/32低下させるのに必要なβ−ラクタマーゼ阻害剤の濃度を測定する。これは、マイクロタイタープレートの連続希釈物中のBLIを滴定し、同時にマイクロタイタープレートに連続希釈した抗生物質を滴定した後、プレートに問題の細菌株を接種し、細菌を一晩増殖させることにより実施される。このマイクロプレートチェック盤中の各ウェルは、阻害剤と抗生物質間の相乗作用を十分に調べるために阻害剤及び抗生物質の濃度の各種組合せを含んでいる。
細菌株/抗生物質の組合せ:
CL 5701(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);Pa AmpC)/イミペネム
MB 2646(エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae);P99)/セフタジジム
CL 5513(クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae);SHV−5)/セフタジジム
CL 6188(アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanii);Oxa40)/イミペネム
CL 6569(クレブシエラ・ニューモニエ;KPC−2)/イミペネム
CL 5761((クレブシエラ・ニューモニエ;KPC−3)/イミペネム
CLB 21648(アシネトバクター・バウマンニ;Ab AmpC)/イミペネム
一般的チェック盤方法:
1.MIC 2000マイクロタイタープレートのB〜H行のすべてウェルに100μLのMHBII+1% DMSO(ジメチルスルホキシド)を充填する;
2.MIC 2000マイクロタイタープレートのA行のすべてのウェルに100μLの2×MHBII+2% DMSOを充填する;
3.100μLの4×所望の最終抗生物質濃度をMIC 2000プレートのウェルAlに添加する;
4.100μLの2×所望の最終抗生物質濃度をMIC 2000プレートのウェルA2〜A12に添加する;
5.100μLを各MIC 2000プレートのA行からG行に連続希釈する;
6.100μLを各MIC 2000プレートのG行中の各ウェルから除去する;
7.100μLの2×所望の最終阻害剤濃度(MHBII+1% DMSO中)をマイクロタイタープレートの1列のすべてのウェルに添加する;
8.100μLを各MIC 2000プレートの1列から11列に連続希釈する;
9.100μLを各MIC 2000プレートの11列中の各ウェルから除去する;
10.次いで、プレートに試験対象の菌株の一晩増殖物(TSB中)をMIC 2000イノキュレーターを用いて接種する;
11.プレートを37℃で約20時間放置し、増殖を肉眼で評価する。
培地(いずれもDMSOの添加前にオートクレーブ処理することにより滅菌されている):
MHBII+1% DMSO
カチオン調節されている
Mueller HintonブロスタイプII(BBL(商品名)) 4.4g
DMSO 2.0mL
蒸留水 198.0mL
2×MHBII+2% DMSO
カチオン調節されている
Mueller HintonブロスタイプII(BBL(商品名)) 8.8g
DMSO 4.0mL
蒸留水 196.0mL
1.02×MHBII
カチオン調節されている
Mueller HintonブロスタイプII(BBL(商品名)) 4.4g
蒸留水 198.0mL
1.1×MHBII+1% DMSO
カチオン調節されている
Mueller HintonブロスタイプII(BBL(商品名)) 4.4g
DMSO 2.0mL
蒸留水 178.0mL
TSB
ボトルに指示されているように作成したトリプチカーゼ大豆ブロス(BBL(商品名))。
相乗効果は、β−ラクタマーゼ阻害剤の不在下で試験した抗生物質の最小阻止濃度(MIC)/β−ラクタマーゼ阻害剤の存在下で試験した同一抗生物質のMICの比として表され得る。比が1とは、β−ラクタマーゼ阻害剤が抗生物質の効力に影響を持たないことを示している。比が1以上とは、抗生物質と共投与したときにβ−ラクタマーゼ阻害剤が 相乗効果を生ずることを示す。本発明の好ましいβ−ラクタマーゼ阻害剤は少なくとも約2の相乗比を示し、より好ましい化合物は少なくとも約4の相乗比を示し、更により好ましい化合物は少なくとも約8の相乗比、最も好ましい化合物は少なくとも約16の相乗比を示す。或いは、相乗効果は、抗生物質のMICを下げるためのBLIの濃度を用いて係数としても表され得る。例えば、抗生物質のMICが20μg/mLであり、BLIの1.5μM濃度をMICから5μg/mLに下げると、相乗効果は1.5μMのBLIで4倍、すなわち“4×相乗作用”である。
本発明の代表的化合物は相乗効果を示す。例えば、実施例1〜20の化合物は約100μM以下の範囲の2×相乗濃度を有していることが判明した。本発明の選択された化合物の緑膿菌株CL5701に対する相乗濃度を表1に示す。
Figure 2010504967
X線結晶構造は、AmpC,クラスC β−ラクタマーゼに結合させた(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(化合物1)、(1S,5R)−2−{[(4R)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(化合物2)及び(1S,5R)−2−[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(文献からの比較化合物)の共有結合酵素/阻害剤複合体について得た。X線構造から、化合物1の側鎖窒素と酵素のアミノ酸の改良された相互作用が化合物1の優れたβ−ラクタマーゼ活性の構造上の基礎であることが分かる。
実施例33
(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
ステップ1:CBZ−保護ヒドロキシプロリン
Figure 2010504967
バナナ攪拌ブレードを備えた75L容量の丸底フラスコにヒドロキシプロリン(4.7kg;35.8モル;1.0当量)(自由流動性固体)及び水(18.8L)を順次装入した。装入後のフラスコの内部温度は13℃であった。次いで、フラスコに室温のNaOH(10M,9.5kg/7.17L;2.0当量)を装入すると、20℃の温度を有する均質な透明薄黄色溶液が生じた。次いで、0℃の塩/氷浴を用いて内部温度を約25℃に維持しながら、フラスコにCBZ−Cl(6.4kg/5.37L;37.6モル;1.05当量)を1.75時間かけてゆっくり装入した(溶液は曇った)。次いで、溶液を30分間エージングした後、溶液サンプルをLCによりアッセイしたところ、所望生成物は94.8%(面積%)、ベンジルアルコールは2.6%、不純物は2.2%で存在していた。22℃の内部温度を維持しながら(発熱は観察されない)、濃HCl(1.5L)を35分間かけて添加することにより反応物をゆっくりクエンチすると、pH=3.6の溶液が生じた。次いで、溶液に前のバッチからの生成物(約10g)を接種し(注:この手順では種を必要としない)、生じたスラリーを1.25時間エージングした。この間にスラリーは実質的に増粘化した。更にHCl(1.88L)を50分間かけて添加し、溶液を更に25分間エージングした。スラリーを真空下で濾過し、ウエットケーキを水(2×18L)で洗浄し、固体をフィルターポットにおいて真空を加えながら窒素下室温で数日間乾燥した。標記生成物を96.5%の収率(9.17kg,98.2A%)で単離した。
HPLCアッセイ条件は以下の通りであった:カラム=Zorbax RX−C8,4.6×250mm;温度=20.1℃;流速=1.0mL/分;検出器=210,254nm;移動相=溶媒A:アセトニトリル、溶媒B:0.1% HPO;勾配=
Figure 2010504967
ステップ2:CBZ−プロリンアミド
Figure 2010504967
バナナ攪拌ブレードを備え、NHHCO(2.01kg;25.4モル;1.5当量)及び第1回分のCBZ−保護ヒドロキシプロリン(0.45kg;1.69モル;0.1当量)の混合物を収容している100L容量の丸底フラスコに室温でTHF(13.5L)を装入した。次いで、不透明な溶液にピリジン(0.56kg;7.1モル;0.4当量;d=0.978)を添加した後、50℃に加熱し、1時間エージングした。この間に溶液は乳白色スラリーに増粘化した。BocO(4.81kg;22モル;1.3当量)をTHF(4.5L)中に含む溶液及び第2回分のCbz酸(4.05kg;15.21モル;0.9当量)を1時間かけて同時に添加した。添加完了後、反応をLCによりモニターし、反応が完了した(添加完了後約15分)と判定されたら、溶液を氷浴を用いて室温まで冷却した後、20、10及び5μm孔径のインラインフィルターを介して濾過した。透明な明黄色溶液を一晩放置した。
翌日、溶液を真空を用いて丸底フラスコに移した後、50℃に加熱し、高温溶液にヘプタン(7L)を装入し、溶液に前のバッチからのCbz−保護アミド(315g)を接種した(注:この手順では種を必要としない)。希薄なスラリーに追加のヘプタン(6.3L)を添加した後、50℃で100分間エージングした。次いで、増粘化スラリーを水浴を用いて2.5時間かけて室温まで冷却した後、母液中の所望CBZ−保護アミドの含量をLCにより測定したところ45.9mg/gであった。2つの追加分のヘプタン(32L及び5.7L)を添加し、各回の添加後母液をLCによりアッセイし、最終母液濃度は3.1mg/gと判定された。次いで、スラリーを吸引により10インチフィルターポットに移し、生じたケーキを3:1 ヘプタン:THF溶液(4L)、次いで置換洗浄液として追加の溶液(4L)で洗浄し、生じた白色顆粒状固体を窒素下/真空下で一晩乾燥した。HPLCアッセイ条件はステップ1と同じであった。
ステップ3:CBZ−プロリンアミドのメシラート
Figure 2010504967
DCM(38.5L)及びCBZ−保護アミド(3.85kg;14.6モル;1.0当量)を100L容量の円筒形フラスコに装入し、生じたスラリーを−20℃まで冷却した後、トリエチルアミン(4.1L;2当量;d=0.726)を添加した。次いで、内部温度を−15℃に維持しながらMsCl(1.4L;1.2当量;d=1.474)を1時間かけて添加した。反応物を−15℃で30分間エージングした後、LCを用いて完了についてアッセイした。次いで、反応を完了させるために追加のMsCl(113mL,1.45モル)を添加した。完了後、反応物を水性3重量%NHCl(5mL/g−SM=出発物質;19.25L)でクエンチした。層を分配し、3重量% NHCl(5mL/g−SM;19.25L;5当量)、次いで10% ブライン(5mL/g−SM;19.25L)で洗浄した。次いで、最後の有機層をMgSO(1g/g−生成物)を収容しているフィルターフリット中にゆっくり流した。MgSO処理後の有機溶液のKFは2149μg/mLであった。MgSOケーキをDCM(2×1mL/g)で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液のKFは1896μg/mLであり、濃度は126.2mg/g−溶液であった。これを140mg/g−溶液;178mg/mL;KF=1555μg/mLまで濃縮した。
ステップ4:CBZ−プロリンアミドメシラートのスルホネート塩
Figure 2010504967
−20℃に冷却したCBZプロリンアミドメシラート(5kg;14.6モル;1.0当量)をDCM(141mg メシラート/g−溶液;25L)中に含む溶液を収容している100L容量の円筒形容器に2−ピコリン(2L;6.1当量;d=0.944)を装入した。装入中、内部温度は−7℃以下に維持した。次いで、内部温度を<−15℃に維持しながら、ClSOH(3.5L;3.61当量;d=1.745)を1時間かけてゆっくり添加した。添加完了後、反応混合物を40℃で約6時間エージングした後、混合物を室温まで冷却した。次いで、反応混合物を頭上攪拌機を備え、0℃まで冷却した0.5M KHPO(50L)が収容されている100L容量のフラスコに1.5時間かけて添加することにより反応混合物をクエンチした。逆クエンチが完了したら、生じたスラリーを0℃で1時間エージングした。次いで、固体を濾過し、母液を反応フラスコ中になお存在する結晶性固体を洗い流すために再利用した。次いで、固体は、冷0.5M KHPO(2×5mL/g−生成物=2×25L)で洗浄し、冷IPA(5mL/g−生成物;25L)で置換洗浄したスラリーであり、次いでスラリーを冷IPA(5mL/g−生成物;25L)で洗浄した。
ステップ5:ラクタムスルホネート
Figure 2010504967
50L容量の丸底フラスコにDMF(15L)を装入した後、KHCO(978g;9.77モル;1.5当量)及び水(1.5L)を装入した。生じたスラリーを蒸気ポットを用いて80℃に加熱した。反応の進行をLCによりモニターした。80℃で2時間後、出発物質は観察されず、その後反応混合物を氷浴で20℃まで冷却した。
別の100L容量の円筒形容器に水(45L)、BUNHSO(2.21kg;6.51モル;1.0当量)及びKHCO(651g,6.51モル;1.0当量)を装入した。CO発生が済んだら、溶液のpHは約7であった。次いで、溶液を攪拌しながらDCM(15L)を装入した。丸底フラスコ中の粗な反応混合物を窒素下で(ヤマダポンプを用いて)円筒形容器に移し、丸底を水(7.5L)で濯いだ。混合物を激しく10分間攪拌した後、二相溶液を分離した。有機留分を回転蒸発器を用いて約9Lまで濃縮した後、溶媒をIPA(20L使用)に切り替えた。次いで、溶液を冷却し、5℃で一晩保存した。LCにより測定した生成物の重量は8.6kgであり、KFは850ppmであった。
ステップ6:脱保護されたラクタムスルホネート
Figure 2010504967
ステップ5で製造したラクタムスルホネート(8.6kg;6.51モル;1.0当量)のIPA溶液を10ガロン容量のオートクレーブに装入した後、IPA中でスラリー化したPd(OH)/C触媒(225g;9.77モル;1.5当量)を装入した。40psigで水素化すると、軽度に発熱反応が生じた(すなわち、温度が16℃から28℃に上昇した)。LCによれば、この反応は約1.75時間に完了した。バッチをポリジャグに移し、容器をIPA(10L)で濯いだ。触媒をセライトを用いて濾過し、セライトケーキをIPAで洗浄した。生じた溶液(20.9kg)を5℃で一晩保存した。翌日、溶液を真空下で1ミクロンフィルターを介して75L容量の丸底フラスコに装入し、保存容器をIPA(300mL)で濯いだ。別のフラスコにおいて、TsOH−HO(980g;5.15モル)をIPA(4L)中に溶解した後、TsOH/IP溶液を滴下漏斗を介して2時間かけて生成物溶液に装入して、スラリーを生成した。酸添加中、軽度の発熱(12℃から17.3℃に)が観察され、pHは10から5に変化した。スラリーを濾過し、固体をIPAで洗浄し、窒素下一晩乾燥した。
ステップ7:ホモピペリジン塩
Figure 2010504967
(4S)−4−アミノアゼパン−1−カルボン酸ベンジル(7kg;15.78モル;1.0当量)(注:製造例3のステップ1に従って製造され得るが、以下の製造ステップ7aも参照されたい)の溶液を真空下で75L容量の丸底フラスコに装入した。次いで、フラスコにエタノール(11kg)を添加し、混合物を55℃に加熱した。その後、ピログルタミン酸(2.1kg;16.3モル;1.03当量)を少しずつ装入すると、軽度の発熱が生じて60℃になった。混合物を20分間エージングした後、EtOAc(3.3L)を10分間かけて添加した。黄色溶液に前の結晶化ランからのアミン塩生成物(70g)を接種し(注:この手順では種が必要でない)、生じたスラリーを1時間エージングした。次いで、追加のEtOAc(19.2L)を増粘化スラリーに2時間かけて添加した後、スラリーを室温まで冷却し、一晩エージングした。次いで、スラリーをフィルターポットに濾過し、固体をEtOH/EtOAc(1:2)及び100% EtOAcで順次洗浄して、標記化合物を得た。
ステップ7a (4S)−4−アミノアゼパン−1−カルボン酸ベンジルの製造
ステップ7a−i:4−エトキシカルボニル−5−オキソ−アゼパン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
0℃でCbz−ピペリドン(214,6g;0.92モル;1当量)をMTBE(1.4L)中に含む溶液にBF−OEt(118mL;0.93モル;1.01当量/;d=1.12)を装入し、溶液を−30℃まで冷却した。ジアゾ酢酸エチル(NCHCOEt)(136.9g;1.2モル;1.3当量)を反応混合物の内部温度が−27℃〜−30℃の範囲であるような速度でゆっくり添加した。添加は2時間かかり、この間にNの発生が観察された。添加が完了したら、溶液を0℃に加温し、HPLCによりアッセイして反応は完了していた。次いで、反応混合物に0℃で水性KCO(4.4重量%水溶液;1.4kg,0.45モル;0.49当量)を添加し、溶液を20℃に加温した。二相混合物を分離し、有機溶液を水(0.5L)及び水性 KHCO(23.1重量%水溶液,163gの溶液;0.375モル;0.41当量)で順次洗浄した。有機溶液を真空下50℃で油状物まで濃縮した。次いで、トルエン(250mL)を添加し、トルエンの殆どが除去され、油状物が残るまで溶液を再び真空下90℃で濃縮した。この生成物を20℃まで冷却し、次に使用するために保存した。
ステップ7a−ii:カリウムエノラート
Figure 2010504967
4−エトキシカルボニル−5−オキソ−アゼパン−1−カルボン酸ベンジル(293.6g;0.92モル;1.0当量)をMeOH(800mL)中に含む溶液にKOMe(147.3g;2.1モル;2.3当量)を添加し、スラリーを65℃に加熱した。スラリーを65℃で30分間エージングした後、20分間かけて50℃まで冷却した。スラリーを50℃まで冷却した後、MTBE(800mL)を20分間かけて添加し、スラリーを2時間かけて0℃までゆっくり冷却した。スラリーを濾過し、フィルターケーキ(カリウムエノラート生成物)を1:1 MeOH:MTBE(400mL)及びMTBE(400mL)で順次洗浄した。固体を窒素流中で乾燥した。
ステップ7a−iii:N−CBZ−4−アゼペノン
Figure 2010504967
K−エノラート(264g;0.77モル;1.0当量)、MeOH(600mL)及び水(200mL)のスラリーを65℃に加熱し、殆どの固体が溶解するまてエージングした。水性KOH(45重量%;12.47g;0.1モル)を添加し、溶液を65〜70℃で更に1時間加熱した。次いで、溶液の一部(〜300mL)を真空下で留去し、MTBE(600mL)及び水(900mL)を添加した。溶液を室温まで冷却し、有機相及び水性相を分離した。有機溶液をNaCl(1.5重量%,1L)で洗浄した後、真空下65℃で油状物まで濃縮した。残渣を20℃まで冷却し、次に使用するために室温で保存した。
ステップ7a−iv:N−CBZ−4R−アゼパノール
Figure 2010504967
DMF(40mL)中のN−CBZ−4−アゼペノン(20.02g;0.081モル;1.0当量)を反応容器において30℃に加熱した後、NADP(400mg)及びPDH−101(226.8mg)を0.3M Na(PHO)pH7.0バッファー(10mL)中に含む溶液及びKRED−112(225.4mg)を0.3M Na(PHO)pH7.0バッファー(10mL)中に含む溶液を添加した。反応混合物を30℃で16〜18時間エージングした。完了後、セライト521(10.46g)及びNaCl(80.42g)を添加し、混合物を約90℃に約30分間加熱した。65℃まで冷却した後、EtOAc(120mL)を添加し、混合物をセライトを介して濾過した。フィルターケーキをEtOAc(160mL)で洗浄し、濾液を抽出漏斗に移し、相を分離した。フィルターケーキを再びEtOAc(90mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、濃縮した。SFCによると94% EEであった。
ステップ7a−v:N−CBZ−4R−メシルオキシアゼパン
Figure 2010504967
−10〜−15℃でアゼパノール(4.587kg;18.4モル;1.0当量)及びEtN(3.08L;22.1モル;1.2当量)をEtOAc(27.6L)中に含む溶液にMsCl(1.5L;19.3モル;1.05当量)を1〜2時間かけて装入した。添加完了後、溶液を0℃に加温し、1時間エージングした。反応混合物に水性NaHSOを添加し、溶液を室温まで加温した。有機相及び水性相を分離し、有機溶液を水性NaSOで洗浄した。有機溶液を真空下40〜45℃で油状物まで濃縮した。
ステップ7a−vi:N−CBZ−4S−アジドアゼパン
Figure 2010504967
メシラート(6.024kg;18.4モル;1.0当量)をDMF(9.2L)中に含む溶液にNaCO(98g;0.92モル;0.05当量)及びn−BuNHSO(62g;0.18モル;0.01当量)を装入し、混合物を窒素下40〜50℃に20分間加熱した。次いで、NaN(2.21kg;36.8kg;2.0当量)を添加した後、溶液を40〜50℃で更に20分間攪拌した。次いで、溶液を更に75〜80℃に加熱し、1〜2時間エージングした。エージング期間後、溶液を50℃まで冷却し、MTBE(27.6L)を装入した。溶液を30℃まで冷却し、水(36.8L)を添加した。相を分離し、水性溶液をMTBE(5.5L)で抽出した。合わせた有機溶液を水(2×36.8L)で洗浄した後、真空下40〜45℃で油状物まで濃縮した。残留油状物にEtOH(3.7L)を装入し、溶液を再び真空下で(40〜45℃で)濃縮して、油状物を得た。
ステップ7a−vii:(4S)−4−アミノアゼパン−1−カルボン酸ベンジル
Figure 2010504967
80℃でアジド(5.047kg;18.4モル;1.0当量)をEtOH(3.7L)中に含む溶液にP(OEt)(3.669kg;22.1モル;1.2当量)を装入した。窒素ガスの発生が観察された。反応混合物に90℃で水(〜1.5L)を10〜30分間かけて装入した後、更に水(〜4.6L)を5分間かけて装入した。溶液を80℃で10分間エージングし、水性5N HCl(7.36L)を10分間かけて添加した。次いで、溶液を80℃で1時間エージングした。次いで、溶媒(約3.7L)を80℃で真空蒸留により除去した。反応物を50℃まで冷却し、反応溶液をIPAc(27.6L)で洗浄した。相を分離し、IPA留分を水(3.7L)で洗浄し、合わせた水性留分にNaOH(5M;14.7L)をゆっくり添加した。NaOH装入中反応温度が<40℃であるように溶液(約0.1〜0.2L/モル,2〜4L留去)に真空を加えた。次いで、水性溶液をCHClで2回(14.7L、次いで7.3L)抽出し、合わせた有機溶液をKCOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、油状物とした。
ステップ8:アミン活性化
Figure 2010504967
100L容量の抽出装置にACN(10容量,28.6L)を装入し、10℃以下に冷却した後、5℃でアミンピログルタメート(2.86kg;7.6モル;1.0当量)及びEtN(1.15L;8.3モル;1.1当量)を順次装入した。冷たい白色スラリーを更に2.5℃まで冷却した。スラリーに炭酸スクシニル(2.13kg;8.3モル;1.1当量)を20分間かけて添加し、この間にスラリーはゆっくり希薄になり、最後には透明になった。溶液を2℃で30分間エージングした。エージングが完了したら、反応混合物をアッセイし、LCにより100%の変換を受けたことが判明した。
冷溶液にEtOAc(28.6L)を添加した後、水(14.3L)を添加した。溶液を5分間攪拌した後、沈降させた。層の分離を助けるために15% NaCl溶液(1L)を溶液に添加した。水性層を除去し、5% NaCl溶液(14.3L)を抽出装置に圧入した。溶液を再び5分間攪拌した後、沈降させた。水性溶液を除去し、有機層を集め、MgSOで乾燥した(100重量%,3kg)。
乾燥した有機溶液を1μmインラインフィルターを介してゆっくりバッチ濃縮装置を備えた75L容量の丸底フラスコに濾過した。溶液を約9Lまで濃縮し、EtOAc(15L)で2回連続してフラッシュした後、EtOAc(6.2L)でもう2回フラッシュして、KF=692ppmの溶液(約7L)を得た。次いで、DMF(14.3L)を次ステップですぐに使用するために溶液にゆっくり排出させた。
ステップ9:(1S,5R)−2−[({(4S)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸のテトラブチルアンモニウム塩
Figure 2010504967
1日目に、75L容量の丸底フラスコ中の活性化アミンカルバメート(ステップ8;2.95kg;7.6モル;1当量)のDMF溶液を氷浴を用いて10℃以下に冷却した。冷却した溶液に二環式ラクタム(ステップ6;1.38kg;0.95当量)及びNaHCOを順次添加した。白色スラリーを更に4.1℃まで冷却した。次いで、冷水(7.2L)をゆっくり15分間かけて装入し、COの発生を伴っていた(Tmax=13.8℃)。水の添加が完了したら、氷浴を外し、反応混合物をゆっくり室温まで加温し、LCアッセイで判断して反応が完了するまで(12時間)8時間エージングした。反応溶液を100L容量の抽出装置に圧入し、10℃以下に冷却した後、溶液に冷水(29.5L)及びEtOAc(14.75L)をゆっくり添加した。溶液を5分間攪拌し、沈降させた。EtOAc層を除去し、水性層に更に5容量のEtOAc(14.75L)を添加した。溶液を5分間攪拌し、沈降させ、EtOAcを除去した。水性層を100L容量の抽出装置にDCM(29.5L)と一緒に装入した。エマルジョンを10℃以下に冷却した後、BuNSO(2.3kg;1.0当量)を添加した。混合物を6℃で30分間攪拌した。層を沈降させ、水性層を除去した。残りのDCM(容器)層を水で2回(2×4.75L)洗浄した。次いで、有機層を集め、MgSO(50重量%,1.5kg)で乾燥し、濾過し、5℃で一晩保存した。
翌日、乾燥した有機層を1μmインラインフィルターを介してバッチ濃縮装置を備えた75L容量の丸底フラスコに濾過した。溶液を約9Lまで濃縮し、DCM(4L)でフラッシュし、9Lまで濃縮し、KFを測定した(1223ppm)。DCM溶液を約51の容量まで濃縮した後、DMF(14.4L)をゆっくり溶液に流出した。次いで、溶液を濃縮し、次ステップにおいて使用するために5℃で保存した。
ステップ10:(1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
Figure 2010504967
10ガロン容量のオートクレーブに5% Pd/C(104g)をDMF(6.4L)中に含むスラリーを装入した後、水素圧(40psig)を加え、スラリーを1時間エージングした。(1S,5R)−2−[({(4S)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼパン−4−イル}アミノカルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸のテトラブチルアンモニウム塩(3.46kg;4.89モル;1.0当量)をDMF(17.3L;8.3モル)(ステップ8参照)を含む溶液を30分間脱ガスした後、オートクレーブ容器に装入した。LCが反応の完了を示すまで(約40分間)水素化を実施した。バッチをポリジャグ容器に移し、オートクレーブ容器をIPA(17.3L)で濯いだ。生成物及びIPA濯ぎ溶液を100L容量の円筒容器に移し、十分混合した。10分後、スラリーをセライトを用いて濾過し、セライトケーキをIPA(17.3L)で洗浄した。濾液をインラインフィルターを介して100L容量の丸底フラスコに移した。溶液にMP−TMT樹脂(1.4kg)を添加し、スラリーを1時間エージングした後、10インチフロイルターポットに濾過し、樹脂をIPA(10.4L)で洗浄した。濾液をインラインフィルターを介して新しい100L容量の丸底フラスコに移し、ギ酸(553mL)を1時間かけて装入すると、自由流動性結晶性スラリーが生じた。このスラリーを30分間エージングし、18インチフィルターポットに濾過し、固体をDMF:IPA(5:13)(1.8L)及びIPA(3L)で順次濯いだ。固体を真空下で一晩乾燥して、結晶性物質を得た。この物質は(例えば、TGA、DSC及びLCMSにより)標記化合物のIPA溶媒和物であることが判明した。
実施例34
化合物1の結晶性二水和物
A部:製造
22L容量の丸底フラスコに水(3L)及びIPA(12L)を装入した後、実施例33のステップ10に記載されている方法で製造した化合物1のIPA溶媒和物(1.579kg)を装入した。生じたスラリーを40℃に加熱し、20分間エージングした後、追加のIPA(3L)を1時間かけて添加した。次いで、溶液を次の2時間で室温まで冷却した。次いで、追加のIPA(6L)を2時間かけて添加し、この時点での母液のアッセイ(HPLC)は4.2mg/gであった。スラリーを濾過し、生じた結晶性固体をIPA/水(4:1;3L)で洗浄し、真空下室温で一晩乾燥した。単離した固体:1.361kg,89.4重量%,HPLCによると>99% A%。結晶性生成物はKF滴定及びTGAを用いて二水和物であると判明し、その後単結晶研究により確認した。XRPD、DSC及びTGAキャラクタリゼーションをB部に記載する。
B部:キャラクタリゼーション
A部に記載されている方法に従って製造した化合物1の結晶性二水和物のXRPDパターンをPW3040/60コンソールを有するPhilips Pananalytical X’Pert Pro X線粉末回折計において2.5から40°2Θまでの連続スキャンを用いて作成した。ソースとして銅K−アルファ1(Kα1)及びK−アルファ2(Kα2)線(すなわち、PW3373/00セラミックCuLEF X線管K−アルファ線源)を用いた。実験はサンプルを用いて室温で大気に対して開放して行った。XRPDパターンを図1に示す。XRPDパターンにおける2Θ値、対応するd面間隔及び相対ピーク強度は以下を含む。
Figure 2010504967
A部に記載されている方法に従って製造した化合物1の結晶性二水和物をTA Instruments DSC 2910示差走査熱量計(DSC)を用いてクリンプ加工した(すなわち、閉鎖)アルミニウムパンで25℃から300℃に10℃/分の加熱速度で分析した。データをシステムソフトウェア中に含まれているDSC分析を用いて分析した。DSC曲線(図2参照)は100.8℃の開始温度、109.6℃のピーク温度で吸熱を示した。エンタルピー変化は275.6J/gであった。吸熱は脱水に起因すると考えられる。
A部に記載されている方法に従って製造した化合物1の結晶性二水和物の熱重量分析(TGA)をPerkin ElmerモデルTGA 7を用いて窒素流下20℃から300℃に10℃/分の加熱速度で実施した。結果を計器ソフトウェア内のDelta Yファンクションを用いて分析した。98.3℃までの水の損失に関連して10.1%の重量損失が観察された。TGA曲線を図3に示す。
明細書は例示の目的で提示した実施例を用いて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は請求の範囲に入るすべての一般的な変更、改変及び/または修飾を包含する。

Claims (24)

  1. 式I
    Figure 2010504967
    [式中、
    Rは場合により1から3個のN、O及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含有し、場合により1個以上のR基で置換されている7から9員飽和または不飽和環を表し;
    は水素またはメチルを表し;
    各Rは独立して水素、C1−6アルキル、ハロ、−(CHCN、−(CHNO、−(CHOR、−(CHSR、−(CHN(R、−(CHC(O)N(R2、−(CHSON(R、−(CHCO、−(CHC(O)R、−(CHOC(O)R、−(CHNHC(O)R、−(CHNHC(O)、−(CHNHSO、−(CHC(=NH)NHまたは−(CHC(=NH)Hを表し、または同一環炭素原子上の2個のR基は場合により一緒になってオキソを形成しもしくは同一環硫黄原子上の2個のR基は場合により硫黄と一緒になってSOを表しもしくは同一環硫黄原子上の4個のR基は場合により硫黄と一緒になってSOを表し;
    各nは独立して0、1、2、3または4であり;
    各Rは独立して水素またはC1−4アルキルを表し;
    Mは水素または医薬的に許容され得るカチオンを表し、化合物がスルホン酸によりプロトン化され得る内部塩基を含んでいるときにはMは場合により負電荷である。]
    を有する化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩
  2. が水素である請求項1に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩。
  3. Rが1個の窒素原子を含有し、残りが炭素原子である7から9員飽和環である請求項1に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩。
  4. が水素である請求項3に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩。
  5. Rが、N(R)を含有し及び場合によりOまたはNHをも含有する7から9員飽和環であり、ここにおいて、N(R)に直接結合している隣接する2個の環原子は炭素原子であり、(i)N(R)に直接結合している環炭素原子の1個は場合によりオキソで置換されており、場合によりメチルでモノ置換されておりもしくは場合によりメチルでジ置換されており、または(ii)N(R)に直接結合している環炭素原子の両方は独立して場合によりメチルでモノまたはジ置換されており;
    が水素であり;
    は水素、C1−4アルキル、−(CH2−3OH、−(CH2−3O−C1−3アルキル、−(CH2−3NH、−(CH2−3N(H)−C1−3アルキル、−(CHN(−C1−3アルキル)、−C(NH)NHまたは−C(=NH)Hである;
    請求項1に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩。
  6. RはN(R)(ここで、Rは水素、CH、−(CHOH、−(CHNH、−(CH)N(H)CHまたは−(CHN(CHである。)を含有する7から9員飽和環である請求項5に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩。
  7. 式IIまたはIII:
    Figure 2010504967
    で表される化合物である請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
  8. が水素、C1−6アルキル、−C(=NH)NHまたは−C(=NH)Hである請求項7に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
  9. がHまたはC1−4アルキルである請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
  10. Rが
    Figure 2010504967
    (ここで、結合の末端の星印()はRの化合物の残りへの結合ポイントを指す。)
    であり;
    がHであり;
    環N上の置換基である各Rが独立してH、CH、−(CH2−3OH、−(CHNH、−(CHN(H)CH、−(CHN(CH、−(CH1−2C(O)NH、−(CH1−2C(O)N(H)CH、−(CH1−2C(O)N(CH及び−CH(=NH)からなる群から選択され;
    環炭素上の置換基である各Rが独立してHまたはCHであり、2個のR基が同一環炭素原子上にある場合には2個のR基は場合により一緒になってオキソを形成し、ただし環炭素上の少なくとも1個のRはH以外であり;
    MがHである、
    請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
  11. (1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(4R)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(シクロヘプチルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(3S)−アゼパン−3−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−7−オキソ−2−({[(3S)−2−オキソアゼパン−3−イル]アミノ}カルボニル)−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[(1,4−ジアゼパン−6−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(6R)−1,4−オキサゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(6S)−1,4−オキサゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[(4S)−1−メチルアゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−ヒドロキシエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[(4S)−1−(3−ヒドロキシプロピル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[({(4S)−1−[2−(アミノ)エチル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[({(4S)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アゼパン−4−イル}アミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−7−オキソ−2−{[(2,2,7,7−テトラメチルアゼパン−4−イル)アミノ]カルボニル}−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[(アゾカン−5−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[(アゾカン−4−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)、
    (1S,5R)−2−[(アゾカン−4−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)、
    (1S,5R)−2−{[アゾナン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体A)、
    (1S,5R)−2−{[アゾナン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸(異性体B)、
    (1S,5R)−7−オキソ−2−{[(6R)−1,4−チアゼパン−6−イルアミノ]カルボニル}−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[(4S)−1−(2−アミノ−2−オキソエチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[(4S)−1−(イミノメチル)アゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−7−オキソ−2−({[(4S)−7−オキソアゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−7−オキソ−2−({[(4R)−7−オキソアゼパン−4−イル]アミノ}カルボニル)−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[(1,2−ジアゼパン−5−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(5R)−1,2−オキサゼパン−5−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[4−(3−アミノプロピル)シクロヘプチル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−({[(1S,4R)−4−アミノシクロヘプチル]アミノ}カルボニル)−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−[(1,5−ジアゾカン−3−イルアミノ)カルボニル]−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、
    (1S,5R)−2−{[(7R)−1,4−オキサゾカン−7−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸、及び
    (1S,5R)−7−オキソ−2−{[(4R)−2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン−4−イルアミノ]カルボニル}−2,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
  12. (1S,5R)−2−{[(4S)−アゼパン−4−イルアミノ]カルボニル}−7−オキソ−2,6−ジアザビシクロ−[3.2.0]ヘプタン−6−スルホン酸である請求項11に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
  14. 更に、β−ラクタム抗生物質及びDHP阻害剤を含む請求項13に記載の医薬組成物。
  15. β−ラクタム抗生物質及び請求項1から12のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の配合剤。
  16. β−ラクタム抗生物質、DHP阻害剤及び請求項1から12のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の配合剤。
  17. β−ラクタム抗生物質がイミペネム、エルタペネム、メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、パニペネム、アモキシシリン、チカルシリン、アンピシリン、セフォペラゾン、ピペラシリン及びセフタジジムからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物または請求項15または16に記載の配合剤。
  18. β−ラクタム抗生物質がイミペネムであり、DHP阻害剤がシラスタチンまたはその医薬的に許容され得る塩である、請求項14に記載の組成物または請求項16に記載の配合剤。
  19. 請求項12に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩、イミペネム及びシラスタチンを含む配合剤。
  20. 細菌感染の治療を要する患者に対して治療有効量の請求項1から12のいずれか1項に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩を場合によりβ−ラクタム抗生物質と一緒に投与することを含む細菌感染の治療方法。
  21. 細菌感染の治療用薬剤の製造における場合によりβ−ラクタム抗生物質と組み合わせた請求項1から12のいずれか1項に記載の化合物またはそのプロドラッグもしくは医薬的に許容され得る塩の使用。
  22. 約10.1°、10.8°及び15.3°の2Θ値を含む銅Kα線を用いて得られるX線粉末回折パターンにより特徴づけられる結晶性二水和物の形態の請求項12に記載の化合物。
  23. (A)請求項12に記載の化合物のC1−4アルキルアルコール溶媒和物を水とC1−4アルキルアルコールを含む混合物に添加して、スラリーを形成すること;
    (B)ステップAのスラリーをエージングし、場合によりエージング中スラリーに更にC1−4アルキルアルコールを添加すること;及び
    (C)スラリーから結晶性二水和物を単離すること;
    を含む請求項22に記載の結晶性二水和物の製造方法。
  24. 化合物1の溶媒和物はIPA溶媒和物であり、スラリー中に使用するアルコールはIPAである請求項23に記載の方法。
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