JP2010504236A - シートベルト保定装置及びシステム - Google Patents

Abstract

シートベルト保定装置（３０）は、自動車シート（２０）の上方表面（２２）上に位置決めされるべきベース部（３１）、及びベース部（３１）上に取り付けられ且つシートベルト（１０）のウエスト部分（１３）を保定するよう適合されるシートベルトキャッチ（３２）を有する。シートベルト保定装置（３０）は、使用時にベース部（３１）上に乗客（５０）を受け、キャッチ（３２）は、乗客（５０）の脚（５１）の間において到達可能である。自動車シート組立体は、シートベルトキャッチ（３２）を組み込み得、該キャッチは、シート（２０）において取り付けられ、また上方シート表面（２２）上に座る乗客（５０）の脚（５１）の間において到達可能であるよう上方シート表面（２２）を介して突出する。

Description

本発明は、シートベルト保定（ｓｅａｔｂｅｌｔ ｒｅｔｅｎｔｉｏｎ）装置、シートベルト保定装置を組み込む自動車シート組立体、並びに、自動車シート及びシートベルトシステムに係る。

従来の自動車シートベルトは、典型的に２つの主な形状のいずれかを取る。最も単純なものは、乗客の腰の一方の側部において固定され、使用時にはウエストを横断して延在する、ラップベルトである。最も一般的なものは、乗客のウエストを横断して延在する下方ウエスト部、及び乗客のウエストの一側から対向する肩まで胴体を横断して対角線上に延在する上方胴体部を同様に有するラップサッシュ（ｌａｐ−ｓａｓｈ）ベルトである。

自動車事故の場合、上述された両方の種類のシートベルトのウエスト部は、典型的には乗客の下腹部にわたって大きな力を加える。これは、乗客に対して深刻な腹部損傷を引き起こし得、特には妊婦にとって危険である。

本発明は、１つ又はそれより多くの先行技術の不利点を実質的に克服するか、あるいは少なくとも改善する、ことを目的とする。

第１の態様において、本発明は、シートベルト保定装置を与える。該シートベルト保定装置は：
自動車シートの上方シート表面上に位置決めされるよう適合されるベース部；及び、
ベース部上に取り付けられ、シートベルトのウエスト部を保定するよう適合される、シートベルトキャッチ、
を有する。当該シートベルト保定装置は、使用時にベース部上で乗客を受けるよう適合され、キャッチは、乗客の脚の間において到達可能（ａｃｃｅｓｓｉｂｌｅ）である。

典型的には、シートベルト保定装置は、乗客の臀部に近接する乗客の各脚の上方大腿部を横断して延在し且つ該上方大腿部に係合するシートベルトのウエスト部を位置決めするよう構成される。

ベース部は、２つの対向する側部領域、及びキャッチが取り付けられる中央領域を有し得、シートベルト保定装置は、ベース部の夫々の側部領域上に各脚を位置決めされる乗客を受けるよう適合される。

ベース部は、プレートの形状にあり得る。

シートベルト保定装置は、クッションを更に有し、ベース部が該クッションにおいて埋め込まれる。

望ましい形状において、キャッチ及びベース部は各々、高張力スチールから形成される。

典型的には、キャッチはフックを有する。

第２の態様において、本発明は、自動車シート組立体を与える。当該自動車シート組立体は：
乗客が座る上方シート表面を有する自動車シート；
シートベルトのウエスト部分を保定するよう適合されるシートベルトキャッチ、
を有する。該キャッチは、シートにおいて取り付けられ、また、上方シート表面上に座る乗客の脚の間において、使用時に到達可能であるよう上方シート表面を介して突出する。

典型的には、キャッチは、使用時に、乗客の臀部に近接する乗客の各脚の上方大腿部を横断して延在し且つ該上方大腿部を係合する、シートベルトのウエスト部分を位置決めするよう位置決めされる。

望ましい形状において、キャッチは、高張力スチールから形成される。

典型的には、キャッチはフックを有する。

一形状において、キャッチは格納式である。

シート組立体は、シートにおいて取り付けられるベース部を更に有し得、キャッチは、ベース部上に取り付けられる。

他の一実施例において、シートは、自動車に恒久的に固定される固定型の標準的自動車シートである。

第３の態様において、本発明は、自動車シート及びシートベルトシステムを与え、当該システムは：
乗客が座る上方シート表面を有する自動車シート；
使用時に上方シート表面上に座る乗客のウエストを横断して延在するよう適合されるウエスト部分を有する、自動車シートに関連付けられるシートベルト；及び、
該シートベルトのウエスト部分を保定するよう適合されるシートベルトキャッチ、
を有する。該キャッチは、シートにおいて、あるいはシート上に取り付けられ、使用時に乗客の脚の間において到達可能であるよう上方シート表面の上方に突出する。

一実施例において、キャッチは、自動車シートにおいて取り付けられる。

他の一実施例において、当該システムは、自動車シートの上方シート表面上に位置決めされるベース部を更に有し、キャッチは該ベース部上に取り付けられる。

第４の態様において、本発明は、乗客にわたって自動車シートベルトを配置する方法を与える。当該方法は：
乗客を横断してシートベルトを通過させる段階；
自動車シートの上方シート表面の上方に突出するキャッチ上でシートベルトのウエスト部分を係合する段階；及び、
シートベルトを固定する段階、
を有する。

典型的には、シートベルトは、乗客の各脚の上方大腿部を横断して延在し且つ該上方大腿部に係合する。

一形状において、キャッチは、自動車シートにおいて取り付けられる。

他の形状において、キャッチは、ベース部上に取り付けられ、当該方法は、自動車シートの上方シート表面にベース部を配置する段階を更に有する。

一形状において、キャッチは格納式であり、当該方法は、キャッチ上にシートベルトのウエスト部分を係合させる前にキャッチを展開する段階、を更に有する。

本発明の望ましい実施例は、これより、添付の図面を参照して例証としてのみ説明される。

自動車シート及びシートベルトシステムの部分的に断面図である側面図である。 図１中のシステムの平面図である。 図１中のシステムの使用時における前面図である。 図１中のシステムの使用時における側面図である。 図１中のシステムのシートベルト保定装置の平面図である。 部分６−６で取られた図５中のシートベルト保定装置の断面図である。 図５中のシートベルト保定装置のベース部及びキャッチの斜視図である。 図７中のキャッチ及びベース部の平面図である。 図７中のキャッチ及びベース部の前面図である。 図７中のキャッチ及びベース部の側面図である。 小児用補助椅子を有する自動車シート組立体の斜視図である。 小児用補助椅子ベース部を有する自動車シート組立体の斜視図である。 標準的な自動車シートを有する自動車シート組立体の部分的断面側面図である。 格納可能なキャッチを組み込む自動車シート組立体の部分的断面側面図である。

添付の図面の図１乃至４において、自動車シート及びシステムは、シートベルト１０、従来の自動車シート２０、及びシートベルト保定装置３０を有する。自動車シート２０は、シート２０の後方において背もたれ２１を有する標準的な自動車シートとして図示される。シートベルト１０は、標準的なラップサッシュ自動車シートベルトであり、該シートベルトは、シート２０に近接するアンカー１１に対してその下方端部を固定される。シートベルト１０の対向する端部は、通常の方途において格納機構を使用して、自動車のセンターピラー上に取り付けられる。シートベルト１０は、シートベルトタング１４によって上方胴体部１２及び下方ウエスト部１３との間において分けられる。シートベルトタング１４は、シートベルト１０において摺動的に受けられ、自動車シート２０の対向する側部上に取り付けられるシートベルトバックル１５に係合する。

図５及び６においてより詳細に説明されるシートベルト保定装置３０は、自動車シート２０の上方シート表面２２上に取り付けられるよう適合される着脱可能なユニットである。シートベルト保定装置３０は、ベース部３１、及びベース部３１上に取り付けられるシートベルトキャッチ３２を有する。図示されるシートベルト保定装置３０は、シート２０の上方表面を実質的に覆うクッション３３を更に有する。ベース部３１は、クッション３３内において埋め込まれる。ここではベース部３１は、プレートの形状にあり、２つの対向する側部領域３４、及びここではフックの形状であるキャッチ３２が取り付けられる中央領域３５を有する。シートベルト保定装置３０は、ベース部３１及びクッション３３上に座る乗客５０を受けるよう適合され、キャッチ３２は、乗客５０の脚５１の間において到達可能である。具体的には、各脚５１の上方大腿領域５２は、ベース部３１の夫々の側部領域３４上に位置決めされ、それによってベース部３１（及びキャッチ３２）を使用中適所においてしっかりと保定する。

キャッチ３２は、クッション３３の陥凹範囲３６においてクッション３３を介して突出するため、キャッチ３２は、クッション３３の上方表面の上方に僅かに突出するのみであり、典型的には約１０mm突出する。

乗客が自動車に乗り降りする際にシート２０上におけるシートベルト保定装置３０の位置を保持することを支援するよう、ストラップ３７のシステムは、背もたれ２１の周囲で且つシート２０の下方を通過するよう、クッション３３に対して固定され得、ストラップは、背もたれ２１の後方で相互に取り付けられる。

シートベルト１０を締めるよう、シートベルト１０は、乗客５０を横断して通り、シートベルト１０のウエスト部分は、キャッチ３２上に係合される。シートベルト１０のウエスト部分１３は、乗客５０の下腹部から離される。乗客５０の脚５１間においてキャッチ３２をシート２０の上方シート表面２２の上方に突出して位置決めすることは、シートベルトのウエスト部分１３が乗客の膝に向かうのではなく、臀部に近接する各脚５１の上方大腿部５２を横断して延在する、ことを確実なものとする。

シートベルト保定装置３０のベース部３１及びキャッチ３２の更なる詳細は、図７乃至１０において示される。キャッチ３２及びベース部３１は、ここでは高張力スチールを有して形成される。キャッチ３２は、前方に突出し、また、ベース部３１の上方表面から突出する垂直方向に延在する支柱３７、支柱３７から延在する前方に突出するアーム３８、及びアーム３８の先端において下方向に突出するリップ３９を有して形成される。図示される通り、キャッチ３２のこれらの要素の各々は、キャッチ３２に乗客の衣服が引っ掛かる可能性を最小限に抑えるよう丸くされ、乗客５０自身に損傷を与える可能性を防ぐ。シートベルト１０のウエスト部分１３は、アーム３８の下面に対して、キャッチ３２の支柱３７とリップ３９との間で定義付けられる凹部４０においてキャッチ３２によって保定される。シートベルト１０における張力は、シートベルトを凹部４０内において保定し、リップ３９は、キャッチ３２の端部からシートベルト１０が滑り落ちることを防ぐ。

自動車衝突の場合、シートベルト１０のウエスト部分１３によって乗客５０に対して加えられる保定力は、乗客５０の脚５１にわたって加えられ、特には下腹部にわたってではなく臀部に近接する脚５１の上方大腿部５２にわたって加えられる。これは、乗客５０に対する深刻な損傷の可能性を低減する。更には、乗客５０が妊婦である場合、これは、胎児に対する深刻な損傷の可能性を低減する。具体的には、臀部に近接する各脚５１の上方大腿部５２を横断してシートベルト１０のウエスト部分１３を位置決めすることはまた、例えば乗客の大腿骨の下方部分に対して加えられる力が大腿部を損傷し得る、ウエスト部分１３を乗客の膝の近くに位置付ける場合と比較して、脚に対する損傷の可能性を大幅に低減する。

図１１は、小児用／補助椅子１２０（単純に、チャイルドシート又は補助シートとして既知である）において取り付けられるシートベルト保定装置１３０の修正された形状を有する自動車シート組立体を示す。小児用／補助椅子１２０は、小児を保定するよう標準的な自動車シートの上方シート表面上に位置決めされるよう構成される。シートベルト保定装置１３０のベース部３１は、チャイルドシート１２０のクッション付きのシートベース部分１２１内に取り付けられ、キャッチ３２は、シートベース部分１２１の上方シート表面１２２の上方に突出する。あるいは、キャッチ３２は、シートベース部分１２１内に取り付けられる別個のプレートを有するのではなく、シートベース部分１２１の構造に対して直接取り付けられる。

図１２は、図１１に関連して上述されたものと同様に小児用補助椅子ベース部２２０において取り付けられるシートベルト保定装置１３０を有する同様の配置を示す。

同様に、図１３において示される通り、シートベルト保定装置１３０は、自動車に対して恒久的に固定される固定された標準用自動車シート２０内において一体的に形成され得、また、ベース部３１はシート２０内に取り付けられ、キャッチ３２は、シート２０の上方シート表面２２を介して突出する。また、キャッチ３２をシート２０内に位置決めされるプレート上に取り付けるのではなく、キャッチは、シート２０の構造フレームに対して取り付けられ得る。

図１４を参照すると、キャッチ３２は、格納可能にされ得るため、所望される際には展開され得、使用されない際には格納され得る。

シートベルト保定装置及びシートベルトシステムは、自動車、海上輸送手段（ボート等）、及び空挺輸送手段（飛行機及びヘリコプタ等）を含むいかなる形状の輸送手段に対するシートにも利用され得る。

本発明は、特定の実施例を参照して説明されるが、本発明が多種の形状において実現され得る、ことは当業者によって理解される。

Claims (24)

1. シートベルト保定装置であって、
   自動車シートの上方シート表面上に位置決めされるよう適合されるベース部と、
   該ベース部上に取り付けられ、且つシートベルトのウエスト部分を保定するよう適合される、シートベルトキャッチと、
   を有し、
   当該シートベルト保定装置は、使用時に前記ベース部上で乗客を受けるよう適合され、前記キャッチが前記乗客の脚の間において到達可能であるようにする、
   シートベルト保定装置。
2. 前記乗客の臀部に近接する前記乗客の各脚の上方大腿部を横断して延在し、且つ該上方大腿部に係合する前記シートベルトの前記ウエスト部分を位置決めするよう構成される、
   請求項１記載のシートベルト保定装置。
3. 前記ベース部は、２つの対向する側部領域と、前記キャッチが取り付けられる中央領域とを有し、当該シートベルト保定装置は、前記ベース部の夫々の側部領域上に各脚を位置決めされる前記乗客を受けるよう適合される、
   請求項１記載のシートベルト保定装置。
4. 前記ベース部は、プレートの形状にある、
   請求項３記載のシートベルト保定装置。
5. クッションを更に有し、前記ベース部が該クッションにおいて埋め込まれる、
   請求項１記載のシートベルト保定装置。
6. 前記キャッチ及び前記ベース部は各々、高張力スチールから形成される、
   請求項１記載のシートベルト保定装置。
7. 前記キャッチは、フックを有する、
   請求項１記載のシートベルト保定装置。
8. 自動車シート組立体であって、
   乗客が座る上方シート表面を有する自動車シートと、
   シートベルトのウエスト部分を保定するよう適合されるシートベルトキャッチと、
   を有し、
   該キャッチは、前記シートにおいて取り付けられ、また、前記上方シート表面上に座る乗客の脚の間において、使用時に到達可能であるよう前記上方シート表面を介して突出する、
   シート組立体。
9. 前記キャッチは、使用時に、前記乗客の臀部に近接する前記乗客の各脚の上方大腿部を横断して延在し且つ該上方大腿部を係合する前記シートベルトの前記ウエスト部分を位置決めするよう位置決めされる、
   請求項８記載のシート組立体。
10. 前記キャッチは、高張力スチールから形成される、
    請求項８記載のシート組立体。
11. 前記キャッチは、フックを有する、
    請求項８記載のシート組立体。
12. 前記キャッチは、格納式である、
    請求項８記載のシート組立体。
13. 前記シートにおいて取り付けられるベース部を更に有し、前記キャッチは該ベース部上に取り付けられる、
    請求項８記載のシート組立体。
14. 前記ベース部は、プレートの形状にある、
    請求項１３記載のシート組立体。
15. 前記シートは、小児用補助椅子である、
    請求項８記載のシート組立体。
16. 前記シートは、自動車に対して恒久的に固定される固定型の標準的自動車シートである、
    請求項８記載のシート組立体。
17. 自動車シート及びシートベルトシステムであって、
    乗客が座る上方シート表面を有する自動車シートと、
    使用時に前記上方シート表面上に座る乗客のウエストを横断して延在するよう適合されるウエスト部分を有する、前記自動車シートに関連付けられるシートベルトと、
    該シートベルトの前記ウエスト部分を保定するよう適合されるシートベルトキャッチと、
    を有し、
    該キャッチは、前記シートにおいて、あるいは前記シート上に取り付けられ、使用時に前記乗客の脚の間において到達可能であるよう前記上方シート表面の上方に突出する、
    システム。
18. 前記キャッチは、前記自動車シートにおいて取り付けられる、
    請求項１７記載のシステム。
19. 前記自動車シートの前記上方シート表面上に位置決めされるベース部を更に有し、
    前記キャッチは、該ベース部上に取り付けられる、
    請求項１７記載のシステム。
20. 乗客にわたって自動車シートベルトを配置する方法であって、
    前記乗客を横断して前記シートベルトを通過させる段階と、
    自動車シートの上方シート表面の上方に突出するキャッチ上で前記シートベルトのウエスト部分を係合する段階と、
    前記シートベルトを固定する段階と、
    を有する方法。
21. 前記シートベルトは、前記乗客の各脚の上方大腿部を横断して延在し且つ該上方大腿部に係合する、
    請求項２０記載の方法。
22. 前記キャッチは、前記自動車シートにおいて取り付けられる、
    請求項２０記載の方法。
23. 前記キャッチは、ベース部上に取り付けられ、
    当該方法は、前記自動車シートの前記上方シート表面上に前記ベース部を配置する段階、を更に有する、
    請求項２０記載の方法。
24. 前記キャッチは格納式であり、
    当該方法は、前記シートベルトの前記ウエスト部分を前記キャッチにおいて係合する前に前記キャッチを展開する段階、を更に有する、
    請求項２０記載の方法。

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