JP2010286042A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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暁 河本
Jun Yoshino
潤 吉野
Masaya Kubota
雅也 久保田
Takanari Hinami
貴成 日並
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Abstract

【課題】構成が簡単であり、かつ、変速ショックに対して高い保障自由度を確保しながら、変速時ジャダーを低減することができる自動変速機の制御装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも変速前のギア段にて解放されていたハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cを締結することで変速後のギア段に変速する。この自動変速機において、変速制御手段(図4)は、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの滑り締結によりドライブ側からドリブン側へのトルク伝達容量を増大させる変速中、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、ドリブン側に連結されたローコーストブレーキLC/Bの締結容量を増大制御する変速時ジャダー低減制御部(図4のステップS3、図6)を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、変速時、摩擦締結要素の締結途中で起こる変速時ジャダー(μ−v特性の負勾配による自励振動)を低減する自動変速機の制御装置に関する。
従来、内燃機関の出力を伝達する動力伝達経路に介挿された摩擦式クラッチを備えてなる車両用摩擦式クラッチの制御装置において、摩擦式クラッチの回転変動を検出し、フィルタを介して異なる周波数帯の波形を抽出し、しきい値を超える回数をそれぞれカウントし、カウント値からジャダーか外乱を判定し、ジャダーと判定されたとき、
(1) ジャダー判定後に内燃機関の点火時期を遅角補正する。
(2) ジャダー判定後に摩擦式クラッチのスリップ率を変更する。
のうち、何れか手法を用いてジャダー低減制御を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−159872号公報
しかしながら、従来の車両用摩擦式クラッチの制御装置のうち、上記(1)のジャダー低減制御にあっては、内燃機関の点火時期を遅角補正(トルクダウン制御)が必要となるため、ジャダー発生情報を内燃機関の制御システムに伝達する配線が必要になる等、構成が複雑になる、という問題があった。
また、上記(2)のジャダー低減制御にあっては、ジャダーの発生原因となっている摩擦式クラッチのみのスリップ率変更(締結油圧の上昇)により対応するものであるため、ジャダーの低減はできても、変速ショックが悪化する懸念がある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、構成が簡単であり、かつ、変速ショックに対して高い保障自由度を確保しながら、変速時ジャダーを低減することができる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置では、少なくとも変速前のギア段にて解放されていた第1摩擦締結要素を締結することで変速後のギア段に変速する変速制御手段を備えている。
この自動変速機の制御装置において、前記変速制御手段は、前記第1摩擦締結要素の滑り締結によりドライブ側からドリブン側へのトルク伝達容量を増大させる変速中、前記第1摩擦締結要素の締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、前記ドリブン側に連結された第2摩擦締結要素の締結容量を増大制御する変速時ジャダー低減制御部を有する。
よって、本発明の自動変速機の制御装置にあっては、変速中、変速時ジャダー低減制御部において、第1摩擦締結要素の締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、第1摩擦締結要素のドリブン側に連結された第2摩擦締結要素の締結容量が増大制御される。
すなわち、第1摩擦締結要素への締結力を低減する制御に代え、第2摩擦締結要素の締結容量を増大する制御により、イナーシャフェーズの進行速度を遅らせている。このため、第1摩擦締結要素のμ−v特性が負勾配であっても、自励振動を促す原因となる第1摩擦締結要素への締結力を低く抑える制御を行う必要がなく、変速時ジャダーが低減される。そして、変速時ジャダーの低減機能は、第2摩擦締結要素が分担し、第1摩擦締結要素が分担する必要がないため、変速ショックに対して高い保障自由度が確保される。さらに、自動変速機に対する制御のみで変速時ジャダー低減制御が完結するので、エンジン制御等を用いる場合に比べて構成が簡単になる。
この結果、構成が簡単であり、かつ、変速ショックに対して高い保障自由度を確保しながら、変速時ジャダーを低減することができる。
実施例1の制御装置が適用された自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 実施例1の制御装置が適用された自動変速機における各変速段での締結作動表を示す図である。 実施例1の制御装置が適用された自動変速機において各変速段でのメンバ回転停止状態を示す速度線図である。 実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行されるDレンジ選択時における変速制御処理の流れを示す全体フローチャートである。 実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行される変速制御におけるジャダー発生領域の記憶処理の流れを示す記憶フローチャートである。 実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行される2→3変速(変速制御の一例)での変速時ジャダー低減制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行される2→3変速時ジャダー低減制御に基づくメカニカル作動の流れと車両加速度への感応作用の流れを示すフローチャートである。 実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行される2→3変速時ジャダー低減制御に基づくメカニカル作動の流れと車両加速度への感応作用の流れを示すフローチャートである。 実施例1の自動変速機において変速時ジャダー低減制御が行われる2→3変速時における指令ギア比(NxtGP)・現在ギア比(CurGP)・車両加速度G・ギア比Gr・H&LR/C指令圧・LC/B指令圧(実油圧)の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の自動変速機において変速時ジャダー低減制御が行われる2→3変速時のハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結作用説明図であり、(a)はH&LR/Cを解放している2速時の速度線図を示し、(b)はH&LR/Cの滑り締結速度をコントロールしているイナーシャフェーズ中の速度線図を示し、(c)はH&LR/Cを締結している3速時の速度線図を示す。
以下、本発明の自動変速機の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用された自動変速機の一例を示すスケルトン図である。
実施例1における自動変速機は、前進5速・後退1速の変速段を持つ有段式自動変速機であり、エンジンEgの駆動力がトルクコンバータTCを介して入力軸INから入力され、3つの遊星ギアと7つの摩擦締結要素とによって回転速度が変速されて出力軸OUTから出力される。また、トルクコンバータTCのポンプインペラと同軸上にオイルポンプOPが設けられ、エンジンEgの駆動力によって回転駆動され、オイルを加圧する。
また、エンジンEgの駆動状態を制御するエンジンコントローラ10(ECU)と、自動変速機の変速状態等を制御する自動変速機コントローラ20(ATCU)と、自動変速機コントローラ20の出力信号に基づいて各摩擦締結要素の油圧を制御するコントロールバルブユニット30(CVU)と、が設けられている。なお、エンジンコントローラ10と自動変速機コントローラ20とは、CAN通信線等を介して接続され、相互にセンサ情報や制御情報を通信により共有している。
前記エンジンコントローラ10には、運転者のアクセルペダル操作量を検出するアクセル開度センサ1と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ2とが接続されている。このエンジンコントローラ10は、エンジン回転速度やアクセルペダル操作量に基づいて燃料噴射量やスロットル開度を制御し、エンジン出力回転速度及びエンジントルクを制御する。
前記自動変速機コントローラ20には、運転者のシフトレバーにより選択されたレンジ位置を検出するインヒビタスイッチ3、入力軸INの回転速度を検出するタービン回転速度センサ4、出力軸OUTの回転速度(=車速)を検出する出力軸回転速度センサ4、等が接続される。そして、Dレンジの選択時において、車速Vspとアクセルペダル操作量を示すアクセル開度APOとに基づく最適な指令変速段を選択し、コントロールバルブユニット30に指令変速段を達成する制御指令を出力する。
次に、入力軸INと出力軸OUTとの間の変速ギア機構について説明する。
前記入力軸INから前記出力軸OUTまでの軸上において上流側から順に、第1遊星ギアG1、第2遊星ギアG2、第3遊星ギアG3が配置されている。油圧作動による摩擦締結要素(クラッチ)として、第1クラッチC1(=インプットクラッチI/C)、第2クラッチC2(=ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C)、第3クラッチC3(=ダイレクトクラッチD/C)が配置されている。油圧作動による摩擦締結要素(ブレーキ)として、第1ブレーキB1(=リバースブレーキR/B)、第2ブレーキB2(=フロントブレーキFr/B)、第3ブレーキB3(=ローコーストブレーキLC/B)、第4ブレーキB4(=フォワードブレーキFwd/B)が配置されている。機械作動による係合要素として、第1ワンウェイクラッチF1(=1stワンウェイクラッチ1st/OWC)、第2ワンウェイクラッチF2(=3rdワンウェイクラッチ3rd/OWC)、第3ワンウェイクラッチF3(=フォワードワンウェイクラッチFwd/OWC)が配置されている。
前記第1遊星ギアG1は、第1サンギアS1と,第1リングギアR1と,両ギアS1,R1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリアPC1を有するシングルピニオン型の遊星ギアである。前記第2遊星ギアG2は、第2サンギアS2と,第2リングギアR2と,両ギアS2,R2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリアPC2を有するシングルピニオン型の遊星ギアである。前記第3遊星ギアG3は、第3サンギアS3と,第3リングギアR3と,両ギアS3,R3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリアPC3を有するシングルピニオン型の遊星ギアである。
前記第1キャリアPC1と前記第3リングギアR3は、第1連結メンバM1により一体的に連結されている。前記第2リングギアR2と前記第3キャリアPC3は、第2連結メンバM2により一体的に連結されている。
前記第1クラッチC1は、第1リングギアR1と第2リングギアR2とを選択的に断接するクラッチである。前記第2クラッチC2は、第2サンギアS2と第3サンギアS3とを選択的に断接するクラッチである。この第2クラッチC2には、並列に第1ワンウェイクラッチF1が設けられている。前記第3クラッチC3は、第3キャリアPC3と第3サンギアS3とを選択的に拘束するクラッチである。
前記第1ブレーキB1は、第2連結メンバM2の回転を選択的に停止させるブレーキである。前記第2ブレーキB2は、第1サンギアS1の回転を選択的に停止させるブレーキである。この第2ブレーキB2には、並列に第2ワンウェイクラッチF2が設けられている。前記第3ブレーキB3は、第2サンギアS2の回転を選択的に停止させるブレーキである。この第3ブレーキB3には、並列に第4ブレーキB4及び第3ワンウェイクラッチF3(第4ブレーキB4と第3ワンウェイクラッチF3とは互いに直列配置)が設けられている。
前記入力軸INは、第1リングギアR1に連結され、エンジン回転駆動力を図外のトルクコンバータを介して入力する。前記出力軸OUTは、第2キャリアPC2に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギア等を介して駆動輪に伝達する。
前記各クラッチC1,C2,C3及びブレーキB1,B2,B3,B4には、各変速段にて締結圧や解放圧を作り出す図外の変速油圧制御装置(油圧制御タイプ,電子制御タイプ,油圧+電子制御タイプ)が接続されている。
図2は、実施例1の制御装置が適用された自動変速機における各変速段での締結作動表を示す図である。図3は、実施例1の制御装置が適用された自動変速機において各変速段でのメンバ回転停止状態を示す速度線図である。なお、図2において、白丸はドライブ状態(牽引稼働状態)での作動を示し、黒丸はコースト状態(推進稼働状態)での作動を示す。以下、各変速段での締結作動と回転関係を説明する。
(1速時)
第1速は、図2に示すように、ドライブ状態において、第4ブレーキB4の油圧締結および第1ワンウェイクラッチF1と第2ワンウェイクラッチF2と第3ワンウェイクラッチF3の作動により得られる。コースト状態において、第2クラッチC2と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第4ブレーキB4の油圧締結により得られる。
この第1速は、図3の1stに示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動または第2ブレーキB2の締結により第1サンギアS1がケースに固定され、第1クラッチC1の解放により第1リングギアR1と第2リングギアR2とが切り離される。また、第1ワンウェイクラッチF1の作動または第2クラッチC2の締結により第2サンギアS2と第3サンギアS3が連結され、さらに、第4ブレーキB4の締結と第3ワンウェイクラッチF3の作動または第3ブレーキB3の締結により両サンギアS2,S3はケースに固定される。
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギアG2において、第2リングギアR2の回転(第1連結メンバM1の回転より低回転)と第2サンギアS2の固定により規定され、入力回転が大幅に減速された第1速が得られる。
(2速時)
第2速は、図2に示すように、ドライブ状態において、第3クラッチC3と第4ブレーキB4の油圧締結および第2ワンウェイクラッチF2と第3ワンウェイクラッチF3の作動により得られる。コースト状態において、第3クラッチC3と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第4ブレーキB4の油圧締結により得られる。
この第2速は、図3の2ndに示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動または第2ブレーキB2の締結により第1サンギアS1がケースに固定され、第1クラッチC1の解放により第1リングギアR1と第2リングギアR2とが切り離される。また、第2クラッチC2の解放と第3クラッチC3の締結により第3遊星ギアG3はブロックとなって一体に回転し、さらに、第4ブレーキB4の締結と第3ワンウェイクラッチF3の作動または第3ブレーキB3の締結により第2サンギアS2はケースに固定される。
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギアG2において、第2リングギアR2の回転(第1連結メンバM1と同回転)と第2サンギアS2の停止により規定され、入力回転が減速された第2速が得られる。
(3速時)
第3速は、図2に示すように、ドライブ状態において、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第4ブレーキB4の油圧締結および第2ワンウェイクラッチF2の作動により得られる。コースト状態において、第2クラッチC2と第3クラッチC3と第2ブレーキB2と第4ブレーキB4の油圧締結により得られる。すなわち、ドライブ状態での2→3変速時には、第2クラッチC2を油圧締結するだけで達成される。
この第3速は、図3の3rdに示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動または第2ブレーキB2の締結により第1サンギアS1がケースに固定され、第1クラッチC1の解放により第1リングギアR1と第2リングギアR2とが切り離される。また、第2クラッチC2と第3クラッチC3の締結により第2遊星ギアG2と第3遊星ギアG3とはブロックとなって一体に回転する。
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギアG2において、第2リングギアR2の回転(第1連結メンバM1と同回転)と第2サンギアS2の回転(第1連結メンバM1と同回転)により第1連結メンバM1と同回転に規定され、入力回転が第1遊星ギアG1のみにより減速される第3速が得られる。
(4速時)
第4速は、図2に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3と第4ブレーキB4の油圧締結により得られる。
この第4速は、第1クラッチC1の締結により第1リングギアR1と第2リングギアR2とが連結される。また、第2クラッチC2と第3クラッチC3の締結により第2遊星ギアG2と第3遊星ギアG3とはブロックとなって一体に回転する。
よって、入力軸INと出力軸OUTとは直結状態となり、入力回転と出力回転が同一回転によるギア比1の第4速が得られる。
(5速時)
第5速は、図2に示すように、第1クラッチC1と第2クラッチC2と第2ブレーキB2と第4ブレーキB4の油圧締結により得られる。
この第5速は、図3の5thに示すように、第2ブレーキB2の締結により第1サンギアS1がケースに固定され、第1クラッチC1の締結により第1リングギアR1と第2リングギアR2とが連結される。また、第2クラッチC2の締結と第3クラッチC3の解放により第2サンギアS2と第3サンギアS3が連結される。
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギアG2において、第2リングギアR2の回転(入力回転)と第2サンギアS2の回転(入力回転より高回転)により規定され、入力回転より増速となる第5速が得られる。
(後退速時)
後退速は、図2に示すように、ドライブ状態において、第1ブレーキB1の油圧締結および第1ワンウェイクラッチF1と第2ワンウェイクラッチF2の作動により得られる。コースト状態において、第2クラッチC2と第1ブレーキB1と第2ブレーキB2を油圧締結することにより得られる。
この後退速は、図3のRevに示すように、第2ワンウェイクラッチF2の作動または第2ブレーキB2の締結により第1サンギアS1がケースに固定され、第1クラッチC1の解放により第1リングギアR1と第2リングギアR2とが切り離される。また、第1ワンウェイクラッチF1の作動または第2クラッチC2の締結により第2サンギアS2と第3サンギアS3が連結され、第1ブレーキB1の締結により第2連結メンバM2が固定される。
よって、出力軸OUTの回転は、第2遊星ギアG2において、第2リングギアR2の固定と第2サンギアS2の逆回転により規定され、入力回転とは逆回転による後退速が得られる。
図4は、実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行されるDレンジ選択時における変速制御処理の流れを示す全体フローチャートである(変速制御手段)。以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、変速指令信号の有無により変速開始か否かを判断し、YES(変速開始有り)の場合はステップS2へ進み、NO(変速開始無し)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ここで、「変速指令信号」とは、アップシフト指令信号やダウンシフト指令信号であり、アップシフト線とダウンシフト線が書き込まれたシフトマップを用い、現在の車速VSPとアクセル開度APOによりシフトマップ上にて位置が特定される運転点が、アップシフト線を横切ったときにアップシフト指令信号が出力され、ダウンシフト線を横切ったときにダウンシフト指令信号が出力される。
ステップS2では、ステップS1での変速開始有りとの判断に続き、新たに開始される変速制御での変速パターンや作動油温条件等により特定される領域が、図5の処理により予め記憶されているジャダー発生領域内に含まれるか否かを判断し、YES(ジャダー発生領域内)の場合はステップS3へ進み、NO(ジャダー発生領域外)の場合はステップS4へ進む。
ステップS3では、ステップS2でのジャダー発生領域内であるとの判断に続き、図6に示すフローチャートにしたがって変速時ジャダー低減制御を行い、エンドへ進む。
ステップS4では、ステップS2でのジャダー発生領域外であるとの判断に続き、通常の変速制御を行い、エンドへ進む。
図5は、実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行される変速制御におけるジャダー発生領域の記憶処理の流れを示す記憶フローチャートである(ジャダー検知手段)。以下、各ステップについて説明する。
ステップS201では、変速指令信号の有無により変速開始か否かを判断し、YES(変速開始有り)の場合はステップS202へ進み、NO(変速開始無し)の場合はステップS201の判断を繰り返す。
ステップS202では、ステップS201での変速開始有りとの判断、あるいは、ステップS204での変速未終了との判断に続き、そのときの変速パターンで自励振動によるジャダーの発生を検知したか否かを判断し、YES(ジャダー発生の検知有り)の場合はステップS203へ進み、NO(ジャダー発生の検知無し)の場合はステップS204へ進む。
ここで、「ジャダー発生」は、例えば、変速時、トルク伝達系の振動周波数を分析し、ジャダー周波数成分(18Hz〜20Hz)の有無によってジャダーを検知しても良い。また、例えば、本出願人が先に特願2008-225799号にて提案したように、イナーシャフェーズの進行により締結される摩擦締結要素の相対回転速度が減少するのに伴い、摩擦締結要素が持つμ−v特性が正勾配であるか負勾配であるかに起因して異なった形であらわれる現象(正勾配に比べ負勾配のときイナーシャフェーズ終了域時間が短くなる現象)を数値化した特性勾配指標値を算出し、ジャダーの発生を検知しても良い。
ステップS203では、ステップS202でのジャダー発生の検知有りとの判断に続き、ジャダーの発生を検知したときのジャダー発生領域(変速パターンや作動油温条件等)を記憶し、ステップS204へ進む。
ステップS204では、ステップS203でのジャダー発生領域の記憶に続き、変速終了か否かを判断し、YES(変速終了)の場合はエンドへ進み、NO(変速未終了)の場合はステップS202へ戻る。
図6は、実施例1の自動変速機コントローラ20にて実行される2→3変速(変速制御の一例)での変速時ジャダー低減制御処理の流れを示すフローチャートである(変速制御手段)。以下、各ステップについて説明する。この変速時ジャダー低減制御においては、変速フェーズを管理するタイマー処理と、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C(第2クラッチC2、第1摩擦締結要素)の締結指令圧処理と、ローコーストブレーキLC/B(第3ブレーキB3、第2摩擦締結要素)によるジャダー低減指令圧処理と、が同時進行にて行われる。
変速フェーズを管理するタイマー処理では、2→3変速が開始される時刻t0にて変速管理タイマーを起動し(ステップS301)、時刻t1にてストロークフェーズからトルクフェーズへと移行し、時刻t2にてトルクフェーズからイナーシャフェーズへと移行し、時刻t3にてイナーシャフェーズからフィニッシュフェーズへと移行し、変速終了時刻t4にて変速管理タイマーを終了する(ステップS302)。
ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結指令圧処理のうち、2→3変速開始される時刻t0からのストロークフェーズ中においては、プリチャージ圧指令が出力され(ステップS303)、次いでスタンバイ初期圧指令が出力され(ステップS304)、次いでスタンバイランプ指令が出力され(ステップS305)、時刻t1にてストロークフェーズからトルクフェーズへ移行する(ステップS306)。トルクフェーズ中においては、第1ランプ指令が出力され(ステップS307)、時刻t2にてトルクフェーズからイナーシャフェーズへ移行する(ステップS308)。イナーシャフェーズ中においては、目標ギア比と変動する実ギア比の偏差に基づくフィードバック制御による第2ランプ指令が出力され(ステップS309)、時刻t3にてイナーシャフェーズからフィニッシュフェーズへ移行する(ステップS310)。フィニッシュフェーズ中においては、第3ランプ指令が出力され(ステップS311)、時刻t4にてエンドへ進む。
ローコーストブレーキLC/Bによるジャダー低減指令圧処理では、2→3変速開始と同時の時刻t0にてローコーストブレーキLC/Bを完全締結状態(=MAX)にするローコーストブレーキ圧指令が出力され(ステップS312)、イナーシャフェーズ開始直前のトルクフェーズ中にローコーストブレーキLC/Bを完全解放状態にするローコーストブレーキ圧解放指令(=0)が出力され(ステップS313)、時刻t4にてエンドへ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1の自動変速機の制御装置における作用を、「2→3変速時の油圧制御作動」、「2→3変速時のメカニカル作動と車両加速度への感応作用」、「変速時ジャダー低減作用」に分けて説明する。
[2→3変速時の油圧制御作動]
以下、2→3変速時ジャダー低減制御に基づく油圧制御作動について、図7を用いて説明する。
ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの油圧制御作動を説明する。
2→3変速開始される時刻t0からのストロークフェーズ中においては、プリチャージ圧指令に基づきコントロールバルブに油圧がチャージされ(ステップS401)、次いでスタンバイ初期圧指令に基づきクラッチピストンがストロークし(ステップS402)、次いでスタンバイランプ指令に基づきリターン圧が発生し(ステップS403)、その後、ストローク終了し(ステップS404)、実油圧がサージ圧の発生を伴って油圧指令相当に上昇することで(ステップS405)、時刻t1にてストロークフェーズを終了し、トルクフェーズへ移行する。
次のトルクフェーズ中においては、第1ランプ指令に基づき実油圧が上昇し(ステップS406)、時刻t2にてトルクフェーズからイナーシャフェーズへ移行する。
次のイナーシャフェーズ中においては、目標ギア比と変動する実ギア比の偏差に基づくフィードバック制御による第2ランプ指令に基づき油圧変動し(ステップS407)、時刻t3にてイナーシャフェーズからフィニッシュフェーズへ移行する。
次のフィニッシュフェーズ中においては、第3ランプ指令に基づきクラッチ容量保持油圧まで実油圧が上昇する(ステップS408)。
ローコーストブレーキLC/Bの油圧制御作動を説明する。
2→3変速開始される時刻t0からのストロークフェーズ中においては、完全締結状態(=MAX)にするローコーストブレーキ圧指令に基づきコントロールバルブに油圧がチャージされると(ステップS409)、クラッチピストンのストローク(ステップS410)→リターン圧の発生(ステップS411)→ストローク終了(ステップS412)を経過し、実油圧がサージ圧の発生を伴って油圧指令相当に上昇する(ステップS413)。
そして、トルクフェーズ中においてローコーストブレーキ圧解放指令(=0)が出力されるまでは、油圧指令相当に上昇した実油圧が維持され、ローコーストブレーキ圧解放指令が出力されると、油圧応答遅れを持つ実油圧が、イナーシャフェーズ開始直前から最低圧に向かって徐々に下降する(ステップS414)。そして、イナーシャフェーズの途中までは応答遅れ分の実油圧(残留油圧)があり、応答遅れ分の実油圧が無くなった時点で完全に解放される(ステップS415)。
[2→3変速時のメカニカル作動と車両加速度への感応作用]
以下、2→3変速時ジャダー低減制御に基づくメカニカル作動と車両加速度への感応作用について、図8を用いて説明する。
メカニカル作動(クラッチトルク・タービン回転・出力軸)について説明する。
ストロークフェーズ中においてハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのストローク終了に基づきクラッチ締結トルクが発生すると(ステップS501)、出力軸トルクが変速前トルクに対し低下する方向に変化する(ステップS502)。この出力軸トルクの低下が進み、変速前トルクに現在ギア比(CurGr)を掛け合わせた値まで低下するとトルクフェーズが開始される(ステップS503)。
そして、クラッチ締結トルクが発生から時間が経過してトルクフェーズが開始されると、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの実油圧上昇に伴い、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結トルクが上昇すると(ステップS504)、締結トルク上昇に伴って出力軸トルクが低下する(ステップS505)。一方、締結トルク上昇に伴ってハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結トルク(入力軸換算)が入力トルクに一致し(ステップS506)、かつ、出力軸トルクの低下により、出力軸トルクが変速前トルクに指令ギア比(NxtGr)を掛け合わせた値まで低下するとトルクフェーズが終了する(ステップS507)。
そして、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結トルクが入力トルクに一致し、トルクフェーズが終了すると、タービン回転数の変化が開始する(ステップS508)。このタービン回転数の変化した時刻t2をイナーシャフェーズへの移行時刻とする。
そして、イナーシャフェーズ中におけるハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cへの油圧変動に伴ってクラッチトルクが変動すると(ステップS509)、クラッチトルクの変動に伴って出力軸トルクが変化する(ステップS510)。このクラッチトルク変動と出力軸トルク変化により、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cがスリップ締結状態となって回転変化率が変動し(ステップS511)、回転変化率の変動を経過してタービン回転数Ntが、指令ギア比(NxtGr)相当のタービン回転数にまで達する(ステップS512)。このタービン回転数がNxtGr相当値まで達した時刻t3をフィニッシュフェーズへの移行時刻とする。
そして、ステップS510での出力軸トルクの変化がフィニッシュフェーズにおいて変速後トルクまで低下し(ステップS513)、次いで、指令ギア比(NxtGr)での定常トルクを出力する(ステップS514)。
次に、車両加速度への感応作用について説明する。
ステップS505でのハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結トルク上昇に伴って出力軸トルクが低下するトルクフェーズでは、車両加速度が引き込み方向に低下する(ステップS601)。
次のイナーシャフェーズに入ると、ステップS510での出力軸のトルク変化により、車両加速度が突き上げ方向に上昇し(ステップS602)、全くジャダー対策を行っていないと変速時ジャダーが発生する(ステップS603)。しかし、実施例1では、ステップS415でのローコーストブレーキLC/Bによる応答遅れ分の解放圧による引き摺りトルクが、この変速時ジャダーが発生域で作用する。そして、フィニッシュフェーズに入ると、出力軸トルクの変速後トルクまでの低下に伴って、車両加速度がドスンと低下し(ステップS604)、フィニッシュフェーズを終了すると出力軸トルクは安定し、変速終了に至る(ステップS605)。
[変速時ジャダー低減作用]
まず、「変速時ジャダー」は、変速の際に締結される第1摩擦締結要素を滑らせて使うとき、時間の経過と共に振動の振幅が次第に増大して激しく振れる自励振動である。自動変速機の場合、掛け替え変速時、第1摩擦締結要素が解放状態から滑り締結を経過し完全締結に移行するが、この滑り締結を経過するときジャダーが発生する。この変速時ジャダーが発生すると、変速ショックを悪化させたり、高周波ジャダーによる騒音を発生させたり、摩擦材を損傷させたりすることがある。このように、変速時ジャダーは、乗り心地や静粛性を損なうと共に、第1摩擦締結要素の耐久劣化をもたらすため、ジャダー判定を含めて変速時ジャダーの発生を防止するように管理する必要がある。
そこで、変速制御に着目すると、ギア比が変化するイナーシャフェーズ中における第1摩擦締結要素は、フェーズ進行にしたがって第1摩擦締結要素の相対回転速度vがゼロに向かう。したがって、第1摩擦締結要素のμ−v特性が正勾配であるときには、イナーシャフェーズの進行にしたがって摩擦係数μが小さくなるのに対し、第1摩擦締結要素のμ−v特性が負勾配であるときには、イナーシャフェーズの進行にしたがって摩擦係数μが大きくなる。このように摩擦係数μが大きくなると、第1摩擦締結要素のトルク容量が急に高まり、摩擦係数μが小さくなる場合に比べ応答良く締結されることになる。
これに対し、通常の変速制御では、イナーシャフェーズ中、第1摩擦締結要素に対しイナーシャフェーズ所要時間が目標時間となるように締結力がフィードバック制御される。このとき、第1摩擦締結要素のμ−v特性が負勾配であると、上記のように、イナーシャフェーズの進行速度が増すため、第1摩擦締結要素への締結力を低く抑えるフィードバック制御が行われることになる。そして、この第1摩擦締結要素への締結力を低く抑える制御が、時間の経過と共に振動の振幅が次第に増大する自励振動(変速時ジャダー)を促す原因となる。
これに対し、本発明では、変速中、第1摩擦締結要素の締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、第1摩擦締結要素のドリブン側に連結された第2摩擦締結要素の締結容量を増大制御する手段を採用した。つまり、第1摩擦締結要素への締結力を低減する制御に代え、第2摩擦締結要素の締結容量を増大する制御により、イナーシャフェーズの進行速度を遅らせるようにした。以下、実施例1における変速時ジャダー低減作用を説明する。
まず、変速時にジャダーを検知した場合、図5のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→エンドへと進み、ステップS203において、ジャダーの発生を検知したときのジャダー発生領域(変速パターンや作動油温条件等)が記憶される。
そして、ジャダー発生領域が記憶された後の変速時であって、変速パターン等がジャダー発生領域内の条件に適合しないときには、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→エンドへと進み、ステップS4において、通常変速が行われる。例えば、ドライブ状態での2→3変速時がジャダー発生領域内の条件に適合しないときは、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C(第2クラッチC2)のみを、図6のステップS303〜ステップS311にしたがって電子制御すると、図7のステップS401〜ステップS408による油圧制御作動により、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cが油圧締結されることで第3速へのアップシフトが達成される。
一方、ジャダー発生領域が記憶された後の変速時であって、変速パターン等がジャダー発生領域内の条件に適合するときには、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→エンドへと進み、ステップS3において、図6に示すフローチャートにしたがって変速時ジャダー低減制御が行われる。例えば、ドライブ状態での2→3変速時がジャダー発生領域内の条件に適合するときは、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C(第2クラッチC2)とローコーストブレーキLC/B(第3ブレーキB3)を、図6にしたがって電子制御すると、図7に示す油圧制御作動により、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cが解放状態から締結状態へと移行することで第3速へのアップシフトが達成され、同時に、エンジンブレーキ要素であるローコーストブレーキLC/Bを残留油圧により少し引き摺らせることで、2→3変速時ジャダーが低減される。
次に、変速時ジャダー低減制御が行われる2→3変速作用を、図9に示すタイムチャートにより説明する。
まず、指令ギア比(NxtGP)が2速ギア比から3速ギア比に変化する2→3変速指令により時刻t0にて2→3変速を開始すると、図9のH&LR/C指令圧特性とLC/B指令圧特性に示すように、変速開始と同時に、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cへの指令圧とローコーストブレーキLC/Bへの指令圧の制御が開始される。
そして、時刻t0から時刻t1までのストロークフェーズ領域においては、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cに対しプリチャージ圧指令とスタンバイ初期圧指令とスタンバイランプ指令が出され、ローコーストブレーキLC/Bに対しMAX圧を得るLC/B圧指令が出される。
次の時刻t1から時刻t2までのトルクフェーズ領域においては、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cに対し第1ランプ指令が出され、ローコーストブレーキLC/Bに対し、トルクフェーズ領域の途中の解放時刻t1'まではMAX圧を得るLC/B圧指令を維持し、解放時刻t1'になるとMIN圧を得るLC/B圧解放指令が出される。このトルクフェーズ領域の車両加速度Gは、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結トルク上昇に伴い出力軸トルクが低下するのに基づき、引き方向に低下する。また、トルクフェーズ領域のギア比Grは、領域終了まで2速ギア比に維持される。
次の時刻t2から時刻t3までのイナーシャフェーズ領域においては、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cに対し、適正な目標ギア比の変化に実ギア比を追従させるフィードバック制御による第2ランプ指令が出され、ローコーストブレーキLC/Bに対しLC/B圧解放指令が維持される。このイナーシャフェーズ領域の車両加速度Gは、出力軸トルクが変化するのに基づき、突き上げ方向に上昇すると共に、変速時ジャダー低減制御を行わないと図9の車両加速度Gの点線特性に示すようにジャダーが発生しようとする。しかし、図9のローコーストブレーキLC/Bの点線特性に示すように、指令圧に対して応答が遅れた実油圧(残留油圧)によりローコーストブレーキLC/Bの引き摺りがあり、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結力の反力をコントロールすることで、変速時ジャダーが低減する。また、イナーシャフェーズ領域のギア比Grは、開始時の2速ギア比から終了時の3速ギア比まで徐々に変更される。
次の時刻t3から時刻t4までのフィニッシュフェーズ領域においては、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cに対し第3ランプ指令が出され、ローコーストブレーキLC/Bに対しLC/B圧解放指令が維持される。このフィニッシュフェーズ領域の車両加速度Gは、出力軸トルクが変速後のトルクまで低下するのに基づき、大きく低下する。また、フィニッシュフェーズ領域のギア比Grは、イナーシャフェーズ終了時の3速ギア比が維持され、2→3変速を終了する。
ここで、変速時ジャダーの低減作用を、図10に示す変速時ジャダー低減制御が行われる2→3変速時のハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結作用説明図に基づき説明する。なお、第1クラッチC1が解放されている3速時には、図1の矢印に示すように、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cを介してトルク伝達が行われるため、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cへのトルク入力側をドライブ側といい、トルク出力側をドリブン側という。
まず、2速時には、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cを解放しているため、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのドライブ側は回転している。しかし、2速時には、フォワードブレーキFwd/Bが締結し、フォワードワンウェイクラッチFwd/OWCが作動しているため、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのドリブン側はケースに固定された回転静止状態である(図10(a))。
次に、2→3変速時には、フォワードワンウェイクラッチFwd/OWCの作動が解除になることに伴い、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのドリブン側がケース固定状態から解除される。そして、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cが解放状態から締結状態へと徐々に移行してゆくため、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのドリブン側には、3速への変速進行を促す方向に締結力が作用すると共に、ローコーストブレーキLC/Bによる締結力(反力)が作用する(図10(b))。つまり、3速への変速進行速度が、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cの締結力を低減することで遅らせるのではなく、ローコーストブレーキLC/Bによる締結力(反力)により遅らせられる。
次に、3速時には、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cを締結しているため、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのドライブ側の回転に伴って、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのドリブン側も回転状態になる(図10(c))。
このため、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cのμ−v特性が負勾配であっても、自励振動を促す原因となるハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cへの締結力を低く抑える制御を行う必要がなく、変速時ジャダーが低減される。そして、変速時ジャダーの低減機能は、ローコーストブレーキLC/Bが分担し、ハイ&ローリバースクラッチH&LR/Cが分担する必要がないため、変速ショックに対して高い保障自由度が確保される。さらに、自動変速機に対する制御のみで変速時ジャダー低減制御が完結するので、エンジン制御等を用いる場合に比べて構成が簡単になる。
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 少なくとも変速前のギア段にて解放されていた第1摩擦締結要素(ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C)を締結することで変速後のギア段に変速する変速制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、前記変速制御手段(図4)は、前記第1摩擦締結要素の滑り締結によりドライブ側からドリブン側へのトルク伝達容量を増大させる変速中、前記第1摩擦締結要素の締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、前記ドリブン側に連結された第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)の締結容量を増大制御する変速時ジャダー低減制御部(図4のステップS3、図6)を有する。
このため、構成が簡単であり、かつ、変速ショックに対して高い保障自由度を確保しながら、変速時ジャダーを低減することができる。
(2) 自励振動によるジャダーの発生を検知するジャダー検知手段(図5)を備え、前記変速時ジャダー低減制御部(図4のステップS3)は、前記ジャダー検知手段によりジャダーの発生が検知された変速パターンであると判定された変速時にのみ(図4のステップS2でYES)、第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)の締結容量の増大制御を行う。
このため、ジャダーの発生が検知されない変速パターンである場合には、通常制御が行われことになり、第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)の使用頻度低減により摩耗等を抑制し、第2摩擦締結要素の耐久性を向上させることができる。
(3) 前記変速時ジャダー低減制御部(図6)は、前記第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)への指令圧に対して応答遅れがある実油圧により締結容量制御を行うものであり、変速中のイナーシャフェーズ開始前に前記第2摩擦締結要素への指令圧を停止し(ステップS313)、イナーシャフェーズ開始域にて残留する実油圧により引き摺りトルクを発生させる。
このため、イナーシャフェーズ開始域にて第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)により締結容量を持たせていることで、変速中のイナーシャフェーズにて発生する変速時ジャダーを効果的に低減することができる。
(4) 前記変速時ジャダー低減制御部(図6)は、前記第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)への指令圧の増加を、変速開始と同時に行う(ステップS312)。
このため、イナーシャフェーズの開始時に、確実に第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)の締結容量を確保することができる。
(5) 前記第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)は、ワンウェイクラッチ(フォワードワンウェイクラッチFwd/OWC)と並列に設けられ、ドライブ状態では解放され、コースト状態で油圧締結されるエンジンブレーキ要素であり、前記変速時ジャダー低減制御部(図6)は、前記第2摩擦締結要素を、変速開始からイナーシャフェーズ開始域までは完全締結状態とする指令圧とする。
このため、ドライブ状態で解放される第2摩擦締結要素(ローコーストブレーキLC/B)を利用し、イナーシャフェーズ開始域からの残留油圧により、第1摩擦締結要素(ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C)の締結速度を確実に遅らせることができる。
以上、本発明の自動変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、2→3変速(2→3アップシフト)を一例として説明してきたが、本発明はこの変速パターンに限定されることはない。すなわち、変速により解放状態から締結状態に移行する第1摩擦締結要素と、第1摩擦締結要素の反力コントロールが可能な第2摩擦締結要素が自動変速機に存在すれば、アップシフトでもダウンシフトでも、またどの変速段への変速に対しても適用することができる。
実施例1では、ジャダーの発生を予め検知し、変速時ジャダー低減制御を行う例を示した。しかし、ジャダーの発生を予め検知することなく、例えば、制御可能な全ての変速パターンのときに変速時ジャダー低減制御を適用するようにしても良いし、例えば、ジャダーの発生が予測される変速パターンのときに変速時ジャダー低減制御を適用するようにしても良い。
実施例1では、変速時ジャダー低減制御として、第2摩擦締結要素に対する指令圧を、変速開始時に最大圧まで高め、イナーシャフェーズの直前の予め決めたタイミングにてゼロ圧まで抜く例を示した。しかし、例えば、イナーシャフェーズの直前のゼロ圧まで抜くタイミングを学習補正により決めるようにしても良いし、また、指令圧をゼロ圧まで一気に低下させるのではなく、例えば、段階的或いは無段階に低下させる指令圧パターン等により、第1摩擦締結要素の反力を、インターロックが生じることなく、かつ、ジャダーを低減できる大きさにコントロールするような例としても良い。
実施例1では、前進5速・後退1速の変速段を持つ有段式自動変速機への適用例を示したが、例えば、前進3〜9速・後退1〜3速等、複数の前進変速段や後退変速段を有する他の有段式自動変速機に対しても勿論適用することができる。
実施例1では、エンジン車両に搭載した自動変速機への適用例を示したが、ハイブリッド車両や電気自動車や燃料電池車等に搭載した自動変速機に対しても勿論適用することができる。
Eg エンジン
TC トルクコンバータ
IN 入力軸
OUT 出力軸
OP オイルポンプ
10 エンジンコントローラ(ECU)
20 自動変速機コントローラ(ATCU)
30 コントロールバルブユニット(CVU)
1 アクセル開度センサ
2 エンジン回転速度センサ
3 インヒビタスイッチ
4 タービン回転速度センサ
5 出力軸回転速度センサ
G1 第1遊星ギア
G2 第2遊星ギア
G3 第3遊星ギア
C1 第1クラッチ(=インプットクラッチI/C)
C2 第2クラッチ(=ハイ&ローリバースクラッチH&LR/C、第1摩擦締結要素)
C3 第3クラッチ(=ダイレクトクラッチD/C)
B1 第1ブレーキ(=リバースブレーキR/B)
B2 第2ブレーキ(=フロントブレーキFr/B)
B3 第3ブレーキ(=ローコーストブレーキLC/B、第2摩擦締結要素)
B4 第4ブレーキ(=フォワードブレーキFwd/B)
F1 第1ワンウェイクラッチ(=1stワンウェイクラッチ1st/OWC)
F2 第2ワンウェイクラッチ(=3rdワンウェイクラッチ3rd/OWC)
F3 第3ワンウェイクラッチ(=フォワードワンウェイクラッチFwd/OWC)

Claims (5)

  1. 少なくとも変速前のギア段にて解放されていた第1摩擦締結要素を締結することで変速後のギア段に変速する変速制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記第1摩擦締結要素の滑り締結によりドライブ側からドリブン側へのトルク伝達容量を増大させる変速中、前記第1摩擦締結要素の締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、前記ドリブン側に連結された第2摩擦締結要素の締結容量を増大制御する変速時ジャダー低減制御部を有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機の制御装置において、
    自励振動によるジャダーの発生を検知するジャダー検知手段を備え、
    前記変速時ジャダー低減制御部は、前記ジャダー検知手段によりジャダーの発生が検知された変速パターンであると判定された変速時にのみ、第2摩擦締結要素の締結容量の増大制御を行うことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速時ジャダー低減制御部は、前記第2摩擦締結要素への指令圧に対して応答遅れがある実油圧により締結容量制御を行うものであり、変速中のイナーシャフェーズ開始前に前記第2摩擦締結要素への指令圧を停止し、イナーシャフェーズ開始域にて残留する実油圧により引き摺りトルクを発生させることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項3に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速時ジャダー低減制御部は、前記第2摩擦締結要素への指令圧の増加を、変速開始と同時に行うことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記第2摩擦締結要素は、ワンウェイクラッチと並列に設けられ、ドライブ状態では解放され、コースト状態で油圧締結されるブレーキ要素であり、
    前記変速時ジャダー低減制御部は、前記第2摩擦締結要素を、変速開始からイナーシャフェーズ開始域までは完全締結状態とする指令圧とすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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