JP2010285119A - 洗車機 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の上面を乾燥するトップ送風ノズルを有する洗車機において、トップ送風ノズルの空気吹出口の下方に設ける光電センサに水が掛からないようにして誤作動と破損を防止すると共に、洗車のサイクルタイムを長くせず、乾燥効果も低下させない洗車機を提供する。
【解決手段】トップ送風ノズル21を下降移動して車体表面に接近させて高圧空気を吹き付けて乾燥を行う洗車機において、上限位置H1と下降目標位置H3との間を昇降自在とされるトップ送風ノズル21に、中間待機位置H2を設けて、下降移動中に一時的にこの中間待機位置H2に停止し、光電センサSに水が掛からない状態となった後、下降目標位置H3への下降移動を再開する構成の洗車機WAとした。
【選択図】図1
【解決手段】トップ送風ノズル21を下降移動して車体表面に接近させて高圧空気を吹き付けて乾燥を行う洗車機において、上限位置H1と下降目標位置H3との間を昇降自在とされるトップ送風ノズル21に、中間待機位置H2を設けて、下降移動中に一時的にこの中間待機位置H2に停止し、光電センサSに水が掛からない状態となった後、下降目標位置H3への下降移動を再開する構成の洗車機WAとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、たとえば給油所に設置され洗車に使用される洗車機に関し、特に、車両の上面を乾燥するトップ送風ノズルを備える洗車機に関する。
従来、給油所などに設置されている洗車機は、被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両に貯液タンクに貯留された液剤や洗浄水を噴霧して洗車を行う構成とされている。また、液剤や洗浄水を噴霧しながらブラッシングして洗浄することや、洗浄後に風を吹き付けて乾燥することが行われている。
洗浄工程においては、先ず、洗浄水を用いて汚れを落とし、次いで液剤を用いて洗浄し、さらに洗浄水を用いて水洗いする。この洗浄工程の後で、各送風ノズルから送風して乾燥する乾燥工程が行われる。洗車の際に用いる液剤としては、各種のシャンプーやワックスやコート類が用いられており、それぞれ専用の貯液タンクに貯留され、タンク内に挿入されたチューブを介して、洗車工程の処理に応じて噴霧され消費される。また、複数の洗車モードから所望のモードを選択し、使用する液剤の種類を選択して所定の洗車モードに設定する操作パネルやリモートパネルを備えている。操作パネルは洗車機本体に配設しているが、リモートパネルは洗車機本体から離れた位置に設置して、このリモートパネルと操作パネルとを電気的に接続して、リモートパネルに設定された洗車モードにより、洗車機を駆動可能にしている。
操作パネルやリモートパネルを備える洗車機の一例について図6を用いて説明する。この洗車機WAは、複数のブラシを備える洗浄部材と、ブロワと複数の送風ノズルを備える乾燥部材とを一体に装着し、被洗浄車両CAを跨ぐように門型とされる洗車機本体1を備えた構成であり、被洗浄車両CAと洗車機本体1を前後方向に相対移動させながら、複数の貯液タンクに貯留された液剤をそれぞれ水により希釈して前記被洗浄車両へ噴霧して、前記被洗浄車両の洗車を行う。
例えば、洗車機本体1が、車輪3を介してレール2上に沿って走行移動する構成とし、被洗浄車両CAを、該被洗浄車両CAを跨ぐ門型とされる洗車機の左右一対のレール間の所定の位置に停車して、洗車機本体1に設置する操作パネル7もしくは洗車機本体1から離れた位置に設置するリモートパネル7Aに、所望の洗車モードを設定し、スタートボタンを操作して、洗車操作を開始する。
門型の洗車機本体1は、被洗浄車両CAを洗浄するブラシとして、例えば、被洗浄車両CAの上面を洗浄するトップブラシ4と、被洗浄車両CAの両側面と前後面を洗浄する左右一対のサイドブラシ5と、被洗浄車両CAの両側面下部を洗浄する左右一対のロッカーブラシ6を備えている。
また、ブラッシングの際に使用する洗浄水や各種液剤を噴霧する各種ノズルや各種液剤を貯液する貯液タンクを備えている。各種液剤を貯液する複数の貯液タンクは、洗車機本体1に設けられるタンク収納部50に収納されており、電磁式のバルブと副給水ホースを備える分配配管部51を介して各ノズルに分配している。液剤や洗浄水を噴霧するノズルとしては、例えば、第一浄水ノズル11、第一洗剤ノズル12、第二浄水ノズル13、撥水コートノズル14、第二洗剤ノズル15、ワックスノズル16などが配設されている。
さらに、乾燥のために、ブロワ20と該ブロワ20からの送風を吹き付ける昇降自在なトップ送風ノズル21と左右一対のサイド送風ノズル22を備えている。また、洗車機本体1に配設する操作パネル7、もしくは、洗車機本体1から離れた位置に設置するリモートパネル7Aを介して、洗車機WAの駆動条件を設定し、設定された条件に基づいて洗車機WAを駆動する構成としている。8は、被洗浄車両CAの有無および車高を検知するセンサであって、例えば、光電センサや超音波を利用したソニックセンサが好適に用いられる。
操作パネル7やリモートパネル7Aには、水洗いモードや、洗剤を用いた洗浄モードや、ワックスを塗布するワックスモードや、撥水剤をコートする撥水モードなどの各種洗車モードを選択する選択ボタンや、ブラシの回転数を制御するブラシ回転スイッチや、スタート・ストップボタンなどが設けられている。
また、洗車機本体1を、洗浄部材を備えた洗浄機本体と乾燥部材を備えた乾燥機本体との別体として、それぞれが、被洗浄車両CAを跨ぐように門型とされ、被洗浄車両CAと洗浄機本体と乾燥機本体とを前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両CAの洗車を行う構成の洗車機も知られている。この構成であっても、各種ブラシと各種ノズルを備え、操作パネル7もしくはリモートパネル7Aを備えていることは同じである。
上記した洗車機WAにおいては、乾燥部材として、被洗浄車両CAの上面を乾燥するためのトップ送風ノズル21を備えている。また、このトップ送風ノズルを車両の上面に対して接離自在とする上下方向に昇降自在な構成としている。さらに、昇降移動するトップ送風ノズルと一体に光電センサを設けて車両の上面を検出して、トップ送風ノズル21が車両の車体表面に当接せず所定距離離間した状態を維持して送風を行い乾燥工程を実行するように構成されている。
そのために、車両の上面形状に沿って昇降するトップ(送風)ノズルと、このトップノズルに設けられて車両を検出する車両検出手段と、トップノズルが車両の所定位置に達したことを検出する位置検出手段とを備えて、洗浄工程終了後に、トップノズルを一旦下限位置まで下降させて、車両検出手段と位置検出手段の検出信号を介して昇降操作して乾燥工程を行うことを開示した車両の乾燥装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
洗浄工程終了後に乾燥工程を行う場合には、洗浄工程中は上限位置にあるトップ送風ノズルを一旦下限位置まで下降して、洗車機本体を移動しながら、車両を検出する光電センサの検知信号を介してトップ送風ノズルを車両の形状に沿って昇降させ送風し乾燥を行う。この際に、洗車のサイクルタイムを短縮するには、洗浄終了後、直ちにノズルからの洗浄水の吐出を停止すると共に、トップ送風ノズルを速やかに下限位置に下降させ、洗車機本体を移動させることが好ましい。
しかし、水洗い終了後のノズルからの洗浄水の吐出を停止するために、ポンプを停止したりバルブを閉止したりしても、ポンプからノズル吐出口に至る配管、もしくは、バルブからノズル吐出口に至る配管の長さによっては、配管内の残水が漏れ出すことがあり、直ちに、ノズル吐出口からの洗浄水の吐出が停止しない場合が生じる。
このような状態で、トップ送風ノズルを下限位置まで下降すると、ノズル吐出口の位置や吐出方向によっては、トップ送風ノズルに装着している光電センサに洗浄水が掛かってしまう問題が生じる。また、光電センサに、水が掛かると誤作動や破損の要因となって好ましくない。
光電センサは、トップ送風ノズルの空気吹出口の下方に設けられているので、トップ送風ノズルを下限位置まで下降させる際に、車両の側面に向けて横向きに洗浄水を吐出するノズル吐出口から残水が吐出されている場合は、この光電センサに水が掛かってしまう可能性が生じて問題となる。
そのために、ノズル吐出口から残水が漏れ出す虞がある場合でも、洗浄工程と乾燥工程を含む洗車のサイクルタイムが長くならず、光電センサに水が掛からないようにトップ送風ノズルを下降させることが可能な洗車機が望まれる。
本発明は、上記問題点に鑑み、車両の上面を乾燥するトップ送風ノズルを有する洗車機において、トップ送風ノズルの空気吹出口の下方に設ける光電センサに水が掛からないようにして誤作動と破損を防止すると共に、洗車のサイクルタイムを長くせず、乾燥効果も低下させない洗車機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら洗浄工程と乾燥工程を備える洗車を行う洗車機であって、被洗浄車両の上面に沿って移動して被洗浄車両の上面を乾燥するトップ送風ノズルと、該トップ送風ノズルを昇降自在に支持する支持部材と、前記トップ送風ノズルの空気吹出口の下方に装着され車両および装着物を検知する光電センサと、被洗浄車両の側面に洗浄水を吐出する下ノズルと、を備え、前記トップ送風ノズルが上方の停止位置である上限位置と、下方の停止位置である下降目標位置とを備え、上限位置にある前記トップ送風ノズルを前記下降目標位置に下降すると共に、この上限位置と下降目標位置との間の、前記下ノズルが吐出する洗浄水が前記光電センサに掛からない高さに中間待機位置を設けたことを特徴としている。
この構成によると、洗浄工程が終了した後、車両から離れた位置にある洗車機本体を、再度車両に近づけて乾燥工程を行う際に、この走行移動中に上限位置にあるトップ送風ノズルを中間待機位置まで下降移動させておくことで、光電センサに水が掛からず誤作動や破損を生じない構成となる。また、下降目標位置に近い位置に中間待機位置を設けることで洗車のサイクルタイムも長くならず、乾燥効果の低下しない洗車機となる。
また本発明は、上記構成の洗車機において、前記洗浄工程終了後に、洗車機本体を走行移動し、前記トップ送風ノズルを前記上限位置から前記下降目標位置に下降移動し、車両の表面に沿って移動させながら送風し乾燥すると共に、前記トップ送風ノズルを一旦前記中間待機位置で昇降停止する中間待機位置停止機能と、所定時間停止後、もしくは、走行移動中の洗車機本体が所定位置に到達した後で前記下降目標位置までの下降移動を再開する下降移動再開機能を有することを特徴としている。この構成によると、水が掛からない中間待機位置に停止した後で、光電センサに水が掛からない状態と判断された時に直ちにトップ送風ノズルの下降移動を再開するので、所定の乾燥効果を発揮すると共に洗車のサイクルタイムが長くならない。
また本発明は、上記構成の洗車機において、前記所定時間が、前記下ノズルからの水の吐出が停止するまでの時間であることを特徴としている。この構成によると、給水するポンプの位置やバルブの位置により、ポンプの停止後、または、バルブの閉止後に、配管内の水が漏れ出す時間が予め想定されるので、この想定される時間経過した後で、トップ送風ノズルの下降移動を再開することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機において、前記所定位置が、前記下ノズルからの水の吐出が停止していると想定される洗車機本体の位置であることを特徴としている。この構成によると、給水するポンプの位置やバルブの位置により予め水の吐出が停止する時間が想定されるので、この想定される時間経過後の、適当な洗車機本体の位置を、トップ送風ノズルの下降移動再開の条件に定めることができる。また、この予め定める位置まで洗車機本体が走行移動してきた時に、トップ送風ノズルの下降移動を再開することで、光電センサに水が掛からない状態となる。
本発明によれば、トップ送風ノズルを下降移動して車体表面に接近させて高圧空気を吹き付けて乾燥を行う洗車機において、トップ送風ノズルの下側に設ける光電センサに、下ノズルが吐出する洗浄水が掛からない高さにトップ送風ノズルを一時待機させる中間待機位置を設ける構成としたので、光電センサに水が掛からず、誤作動や破損を生じずに、洗車のサイクルタイムも長くならない洗車機を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
本実施形態の洗車機は、車両の上面を乾燥するトップ送風ノズルを昇降自在に配設した洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両の洗車を行う洗車機であって、図5に示すように、車輪3を介してレール2上に沿って走行移動する門型の洗車機本体1に、被洗浄車両CAの上面を洗浄するトップブラシ4と、被洗浄車両CAの両側面と前後面を洗浄する左右一対のサイドブラシ5を備え、乾燥のために、ブロワ20と該ブロワ20からの送風を吹き付ける昇降自在なトップ送風ノズル21と左右一対のサイド送風ノズル22を備えた構成の洗車機WAである。
また、例えば、上から洗浄水を吐出する上ノズル10Bと、側面から横向きに洗浄水を吐出する下ノズル10Aなどのノズル吐出口10を備えている。8Aは、車両のボンネット高さを検知するボンネット高さ検知センサであって、前述した被洗浄車両CAの有無および車高を検知するセンサ8と同様に光電式もしくは超音波式の反射型センサを用いることができる。また、これらのセンサの配設位置を考慮して一個のセンサを兼用して被洗浄車両CAの有無とボンネット高さを検知することも可能である。
また、ボンネット高さ検知センサ8Aに替えて透過式光電センサからなる車形検出センサ(不図示)を用いることもできる。この場合には、洗車機本体の一方の側部の上下方向に投光器を併設し、これらの投光器に対向する他方の側部の上下方向に受光器を併設することで、洗浄位置に進入してくる被洗浄車両の車形およびボンネット高さを検知する。
次に、本実施形態のトップ送風ノズル21について図1および図2を用いて説明する。
トップ送風ノズル21は、被洗浄車両の幅方向に延在した形状の空気吹出口を車両の上面に沿って移動して被洗浄車両の上面を乾燥する送風ノズルであって、支持部材(不図示)を介して、図中の矢印に示す被洗浄車両の表面に接離する上下方向に昇降自在に支持されている。また、車両の表面に接近し送風して、洗浄後の車両を乾燥するために、トップ送風ノズル21の空気吹出口21a下方に、車両を検知するための光電センサSを備えている。また、本実施形態では、図1に示すように、トップ送風ノズル21の空気吹出口21a下方の前後に、第一投光器A1と第一受光器B1を備える第一光電センサS1と、第二投光器A2と第二受光器B2を備える第二光電センサS2との2対の光電センサSを配設している。
また、この光電センサS(S1、S2)を介して、トップ送風ノズルの空気吹出口21aを車両の表面から所定距離離間した状態を維持して送風するので、第一光電センサS1および第二光電センサS2は、トップ送風ノズルの空気吹出口21aから予め定める所定距離H離間した下方位置に設けている。
また、投光器A1、A2と受光器B1、B2との距離を被洗浄車両の車体幅よりも大きな距離Lとすることで、これらの投受光器間に進入する車両表面を検知可能となり、支持部材を介して、トップ送風ノズル21と光電センサS(S1、S2)を一体に昇降移動して、トップ送風ノズル21を被洗浄車両の車体表面に近接した位置に維持しておくことができる。また、車両表面から突出した装備品や突起物などがあっても、光電センサS(S1、S2)が先にこれらの障害物を検知することができ、障害物を検知した位置でトップ送風ノズル21の移動を停止して、トップ送風ノズル21の障害物への当接を防止することができる。
第一光電センサS1と第二光電センサS2は、トップ送風ノズル21の空気吹出口21a下方側の前後に所定間隔離間して略平行に配設している。この離間幅Wは、トップ送風ノズル21の下降移動や乾燥工程中の前後移動の際に、車体や装備品などとの当接を防止するためには、トップ送風ノズル21の前後方向幅よりも広いことが好ましく、前記側板210の下方の両端部に所定の離間幅Wの位置にそれぞれ設けられている。
この構成であれば、トップ送風ノズル21の空気吹出口21aを被洗浄車両の幅方向に延在させ、車両の車体表面に接近する方向、または車両の上面に沿って前後方向に移動したときに、いずれか一方の光電センサが障害物を検知したときに、トップ送風ノズル21の移動方向に車体や装備品などの障害物が有ると判定することができる。つまり、トップ送風ノズル21の移動中に前記第一受光器B1および第二受光器B2のいずれか一方の受光器が受光しないときに、障害物有りと判定する。
また、この2対の光電センサS1、S2は、それぞれ個別に投光受光を行う1:1構成でも、図2に示すように、第一受光器B1が第一投光器A1および第二投光器A2の光を受光し、第二受光器B2が第二投光器A2および第一投光器A1の光を受光して、この第一および第二投光器を交互にオン・オフ制御する1:2構成であってもよい。
上記したように、投光器A1、A2から被洗浄車両の車体幅よりも大きな距離L離間した位置に受光器B1、B2を設け、第一投光器A1と第二投光器A2、および、第一受光器B1と第二受光器B2とは離間幅Wそれぞれ前後方向に離間した構成としている。
光電センサS1、S2としては、車体検知用センサとして用いられる透過形の光電センサを用いることができる。例えば、最大検出距離が5〜10mで、投受光間距離が2mのときに動作領域が±150〜200mm程度の仕様を満足する透過形光電センサを用いることができる。
そのために、最大検出距離が7mで、投受光間距離が2mのときに動作領域が±160mm程度となる光電センサを用いて、図2で示す投受光間距離Lを2mとし、離間幅Wを160mmとすることができる。
上記の構成であれば、第一投光器A1が発する光を、第一受光器B1と第二受光器B2が共に検知可能となり、第二投光器A2が発する光を、第二受光器B2と第一受光器B1が共に検知可能となる。
また、トップ送風ノズル21は、洗浄中は上限位置に上昇停止している。洗車機本体が被洗浄車両を跨いで前後方向に走行移動して洗浄工程が終了すると直ちに乾燥工程を開始するので、被洗浄車両の一方の端部例えば被洗浄車両後部の後方に移動している洗車機本体を走行して被洗浄車両に近づいていく道中にトップ送風ノズル21を予め定めた下降目標位置まで下降移動させる。この下降目標位置は、洗浄工程においてセンサ8Aにより検知する被洗浄車両後部の車高に応じて定まるものである。また、洗車機本体の走行移動に応じて車両を検知すると、この検知が外れるまで上昇して、被洗浄車両の車体表面から所定距離離間させて送風を続行して乾燥を行う。
そのために、上下方向に昇降自在とされるトップ送風ノズル21は、洗浄中の上方の停止位置である上限位置と、送風開始して乾燥を開始する下方の下降目標位置と、さらにこの下に設定している設計上の下限位置とが予め定められている。上限位置にあるトップ送風ノズル21は、洗浄工程中に作動するブラシ等と接触せず洗浄水や液剤などが掛からない位置である。また、洗浄工程が終了すると直ちに乾燥工程を開始して洗車のサイクルタイムを短くしたいので、洗浄工程が終了すると直ちにノズルの吐出口からの水の吐出を停止して、乾燥工程を開始する位置に洗車機本体1を走行移動させる。また、この移動の道中でトップ送風ノズル21を下降目標位置まで下降移動させる。
しかし、投光器A1、A2や受光器B1、B2などの光電センサSに水が付着すると、誤検知や破損の原因となる場合が生じる。光電センサSは、前述した通りトップ送風ノズル21の空気吹出口21aの下方位置に設けられているので、ノズルの吐出口(特に横向きに水を吐出する下ノズル10A)が設けられている高さまでトップ送風ノズルが下降移動した時に、ノズルの吐出口から水が吐出されると、この光電センサSに水が付着する虞が生じてしまう。
そのために、本実施形態では、洗浄終了後にトップ送風ノズル21を下降移動させる際に、下ノズル10Aの吐出口に至る手前で一時停止させる中間待機位置を設け、下ノズル10Aからの水の吐出が完全に停止した後で、さらに下方側にある下降目標位置への下降移動を再開させる構成としたものである。
次に、中間待機位置停止機能と下降移動再開機能とを有する本実施形態のトップ送風ノズル21の移動状態について、図3を用いて詳細に説明する。図3(a)はトップ送風ノズル21が上限位置から下降移動開始する状態を示しており、洗浄終了時に、被洗浄車両CA1から離れた位置にある洗車機本体1Aを示す。また、図3(b)はトップ送風ノズル21が中間待機位置にて停止した状態を示し、乾燥工程を実行するために被洗浄車両CA1に近づく方向に移動して、トップ送風ノズル21が中間待機位置に達した位置にある洗車機本体1Bを示す。また、図3(c)はトップ送風ノズル21が中間待機位置から下降目標位置に下降移動を再開する状態を示し、この状態に応じた位置にある洗車機本体1Cを示す。さらに、図3(d)はトップ送風ノズル21が下降目標位置に達した状態を示し、この状態に応じた位置にある洗車機本体1Dを示している。
図3(a)に示すように、洗浄工程終了時に洗車機本体1Aは被洗浄車両CA1から少し離れた位置にあって、ここから、被洗浄車両CA1に近づく方向に走行移動する。また、この走行移動開始と共に、上限位置にあるトップ送風ノズル21Aが下降移動を開始する。
下降移動するトップ送風ノズルが中間待機位置に達すると、図3(b)に示す洗車機本体1Bとなり、中間待機位置停止機能を発揮してこの中間待機位置にあるトップ送風ノズル21Bがここで一時停止して待機状態を維持する。
この中間待機位置にあるトップ送風ノズル21Bが備える光電センサSは、下ノズル10Aの上に位置しており、たとえこの下ノズル10Aから水が吐出されても水が掛からずに濡れない構成である。それから、所定期間経過した図3(c)に示す洗車機本体1Cの地点から下降移動再開機能を発揮して、前記トップ送風ノズル21Bがその下降移動を再開する。この所定期間経過後とは、洗車機本体が所定位置に達するか、もしくは下ノズル10Aからの水の吐出が停止した後であって、光電センサSに水が掛からない状態となった後で下降移動を再開することを示している。
下降移動を再開した後、図3(d)に示す洗車機本体1Dの走行位置で、下降目標位置まで下降移動したトップ送風ノズル21Cとなる。これ以降、トップ送風ノズル21Cは、洗車機本体1Dの走行移動に応じて被洗浄車両CA1を検知し、被洗浄車両CA1の表面形状に沿って昇降して送風し続けて所定の乾燥工程を実行する。
次に、図4を用いて、トップ送風ノズル21の昇降移動状態についてさらに説明する。
トップ送風ノズル21は洗浄終了時つまり移動開始時T1に上限位置H1にある。この上限位置H1は前述した通り、洗浄中に作動するブラシ等と接触せず、洗浄水や液剤などが光電センサSに掛からない位置である。
それから、中間待機位置H2まで下降移動し、中間待機位置停止機能によりこの中間待機位置H2に停止する。その後、中間待機位置到達時T2から所定位置に達した時もしくは所定時間経過後の下降再開時T3から下降移動再開機能を発揮して、下降移動を再開してT4時に下降目標位置H3に至る。
従来の洗車機は中間待機位置停止機能と下降移動再開機能を備えておらず、上限位置H1から下降目標位置H3まで直接下降移動している。つまり移動開始時T1から下降目標位置到達時T20まで、直線的に下降移動している。この下降目標位置到達時T20までにノズル吐出口からの水の吐出が停止していればよいが、ポンプの位置や水の吐出を停止するバルブの配設位置や配管長さによっては、ポンプを停止した後やバルブを閉止した後でも、吐出口までの配管内の残水が漏れ出す虞がある。
そのために、ノズル吐出口からの水の吐出が完全に止まる吐出停止時T21が図示する位置まで長くなる場合がある。この状態では、下降目標位置H3に到達しているトップ送風ノズル21の光電センサSに水が掛かってしまう心配が生じる。
そのために、本実施形態では、吐出停止時T21を超えるまで、トップ送風ノズル21を中間待機位置H2に待機させる中間待機位置停止機能と、吐出停止時T21を超えて下降移動を再開する下降再開時T3を設ける下降移動再開機能を備える構成とした。
この構成であれば、下ノズル10Aからの水の吐出が完全に止まった後、トップ送風ノズル21が下降目標位置H3まで下降移動するので、光電センサS(第一光電センサS1、第二光電センサS2)に水が付着する虞が生じず、誤作動や破損を起こさない。
この際に、下降再開時T3は、ノズル吐出口からの水の吐出が完全に止まったことを検知した後でも、ノズル吐出口からの水の吐出が完全に止まることが想定される時間でも、ノズル吐出口からの水の吐出が完全に止まると想定される洗車機本体1の走行移動位置でもよく、洗車機の種類やタイプに応じた方法を採用することができる。
例えば、洗浄工程終了時に、洗車機本体1が被洗浄車両の後方に離れた位置にあり、トップ送風ノズル21と車両との距離が2m離れているとき、この時点で、つまり洗浄工程終了時に、例えば、洗浄水用のポンプを停止する。この後、乾燥工程を行うために洗車機本体1が被洗浄車両に近づく走行移動の道中で、ノズル吐出口からの水の吐出が止まると想定される時間、例えば10秒、もしくは、ノズル吐出口からの水の吐出が完全に止まると想定される洗車機本体1の走行移動位置、例えばトップ送風ノズル21が車両後部から1mの距離に到達した時に、トップ送風ノズル21の下降目標位置H3への下降移動の再開を許可する構成とする。
本実施形態では、中間待機位置H2から下降目標位置H3への下降移動の所要時間を考慮して、トップ送風ノズル21が車両後部から0.65mの距離に到達した時に、トップ送風ノズル21の下降目標位置H3への下降移動を許可する構成としている。また、これらの距離は、従来公知の洗車機本体の位置を検出するセンサや洗車機本体の走行距離を計測するエンコーダなどを用いて認識可能であり、この距離の測定方法を特に限定するものではない。
上記の構成であれば、洗浄工程終了時に、例えば車両後部から2m以上離れた位置にあるトップ送風ノズル21の下降移動を開始して、例えば車両後部から1.5mの距離に到達するまでに中間待機位置H2に達するトップ送風ノズル21を、車両後部から0.65mの距離に到達するまでその中間待機位置H2に維持し、その後でトップ送風ノズル21を下降目標位置H3まで下降移動させるので、ノズル吐出口からの水の吐出がない状態で、トップ送風ノズル21を下降目標位置H3まで下降移動させることができる。
そのために、光電センサSに水が掛かることがなく、誤作動や破損を生じない構成となる。また、この構成であれば、トップ送風ノズル21は既に下降目標位置H3に近い中間待機位置にあるので、従来の洗車時間に影響を及ぼさず、サイクルタイムが長くならずに従来と同様の乾燥効果を発揮することができる。
ノズル吐出口(下ノズル10A)からの水の吐出がない状態となった後で、上限位置H1にあるトップ送風ノズル21を下降目標位置H3まで下降移動させる場合では、トップ送風ノズル21の下降移動のタイミングが遅れてしまい、その分、洗車のサイクルタイムが長くなってしまう。
本実施形態によれば、ただ、ノズル吐出口(下ノズル10A)から吐出される水が掛からない高さの中間待機位置を設ける構成として、この中間待機位置に、下降移動中のトップ送風ノズル21を一時待機させる中間待機位置機能と下降移動再開機能を備える構成とすることで、従来の洗車のサイクルタイムに影響を及ぼすことなく、誤作動や破損を起こさずに、乾燥効果も低下せずに被洗浄車両の乾燥工程を実行することができる。
また、ポンプやバルブの配設位置を変える必要もなく、制御タイミングを変える必要もないので、従来通りの施設や設備をそのまま用いることができる。
上記したように、本実施形態に係る洗車機によれば、トップ送風ノズルを下降移動して車体表面に接近させて高圧空気を吹き付けて乾燥を行う洗車機において、トップ送風ノズルの下側に設ける光電センサに、洗浄水吐出ノズルが吐出する洗浄水や残水が掛からない高さにトップ送風ノズルを一時待機させる中間待機位置を設ける構成としたので、光電センサに水が掛からず、誤作動や破損を生じずに、洗車のサイクルタイムも長くならない洗車機を得ることができる。なお、下降目標位置が下ノズルの設置高さよりも高い場合、例えば1BOX車など前後の端部の車高が高い被洗浄車両の場合には、トップ送風ノズルを直ちに下降目標位置へ下降させることになる。
また、トップ送風ノズルを一旦前記中間待機位置で停止する中間待機位置停止機能と、所定時間停止後、もしくは、走行移動中の洗車機本体が所定位置に到達した後で前記下降目標位置までの下降移動を再開する下降移動再開機能を備える構成としたので、光電センサに水が掛からない状態と判断された時に直ちにトップ送風ノズルの下降移動を再開して、下降目標位置に達することができる。そのために、乾燥開始に合わせて送風を開始することができ、所定の乾燥効果を発揮すると共に洗車のサイクルタイムが長くならない。
さらに、ポンプやバルブの配設位置を変える必要もなく、制御タイミングを変える必要もなく、従来の洗車時間に影響を及ぼさず、従来と同様の乾燥工程を行うことができるので、既設の洗車機にも適用可能となる。
本発明に係る洗車機は、上限位置と下降目標位置との間を昇降自在とされるトップ送風ノズルに、中間待機位置を設けて、下降移動中に一時的にこの中間待機位置に停止し、光電センサに水が掛からない状態となった後、下降目標位置への下降移動を再開する構成として、光電センサに水が掛からず、誤作動や破損を生じずに、洗車のサイクルタイムも長くならない洗車機とするので、昇降自在なトップ送風ノズルを備える洗車機に好適に適用される。
1 洗車機本体
2 レール
3 車輪
7 操作パネル
7A リモートパネル
10 ノズル吐出口
10A 下ノズル
21 トップ送風ノズル
21a 空気吹出口
S 光電センサ
S1 第一光電センサ
S2 第二光電センサ
H1 上限位置
H2 中間待機位置
H3 下降目標位置
CA 被洗浄車両
WA 洗車機
2 レール
3 車輪
7 操作パネル
7A リモートパネル
10 ノズル吐出口
10A 下ノズル
21 トップ送風ノズル
21a 空気吹出口
S 光電センサ
S1 第一光電センサ
S2 第二光電センサ
H1 上限位置
H2 中間待機位置
H3 下降目標位置
CA 被洗浄車両
WA 洗車機
Claims (4)
- 洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら洗浄工程と乾燥工程を備える洗車を行う洗車機であって、
被洗浄車両の上面に沿って移動して被洗浄車両の上面を乾燥するトップ送風ノズルと、該トップ送風ノズルを昇降自在に支持する支持部材と、前記トップ送風ノズルの空気吹出口の下方に装着され車両および装着物を検知する光電センサと、被洗浄車両の側面に洗浄水を吐出する下ノズルと、を備え、
前記トップ送風ノズルが上方の停止位置である上限位置と、下方の停止位置である下降目標位置とを備え、上限位置にある前記トップ送風ノズルを前記下降目標位置に下降すると共に、この上限位置と下降目標位置との間の、前記下ノズルが吐出する洗浄水が前記光電センサに掛からない高さに中間待機位置を設けたことを特徴とする洗車機。 - 前記洗浄工程終了後に、洗車機本体を走行移動し、前記トップ送風ノズルを前記上限位置から前記下降目標位置に下降移動し、車両の表面に沿って移動させながら送風し乾燥すると共に、前記トップ送風ノズルを一旦前記中間待機位置で昇降停止する中間待機位置停止機能と、所定時間停止後、もしくは、走行移動中の洗車機本体が所定位置に到達した後で前記下降目標位置までの下降移動を再開する下降移動再開機能を有することを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
- 前記所定時間が、前記下ノズルからの水の吐出が停止するまでの時間であることを特徴とする請求項2に記載の洗車機。
- 前記所定位置が、前記下ノズルからの水の吐出が停止していると想定される洗車機本体の位置であることを特徴とする請求項2または3に記載の洗車機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009141841A JP2010285119A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 洗車機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009141841A JP2010285119A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 洗車機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010285119A true JP2010285119A (ja) | 2010-12-24 |
Family
ID=43541166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009141841A Withdrawn JP2010285119A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 洗車機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010285119A (ja) |
-
2009
- 2009-06-15 JP JP2009141841A patent/JP2010285119A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120904 |