JP2010284581A - 砒酸溶液からのCuイオンの除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】砒酸(5価As)とCuイオンとを含有する溶液から、当該砒酸(5価As)の亜砒酸(3価As)への還元を極力抑えつつ、Cuイオンを除去する方法を提供する。
【解決手段】Cuイオンを含有する砒酸溶液に、ZnSを当該Cuイオンの総モル量の1.2倍当量以下添加し、40℃以上で反応させて当該Cuイオンを除去するか、Cuイオンの総モル量の1.0倍当量以上添加し、酸素吹き込み下、40℃以上で反応させて当該Cuイオンを除去する。
【選択図】図1
【解決手段】Cuイオンを含有する砒酸溶液に、ZnSを当該Cuイオンの総モル量の1.2倍当量以下添加し、40℃以上で反応させて当該Cuイオンを除去するか、Cuイオンの総モル量の1.0倍当量以上添加し、酸素吹き込み下、40℃以上で反応させて当該Cuイオンを除去する。
【選択図】図1
Description
砒酸(5価As)とCuイオンとを含有する溶液から、前記砒酸(5価As)を亜砒酸(3価As)に殆ど還元させることなく、前記Cuイオンを除去する方法に関する。
銅製錬での砒素含有中間産物には、硫酸工場排水や工程水を硫化処理して回収される硫化砒素殿物や、銅電解工場における電解液の浄液工程で発生する脱銅電解スライム等がある。
これらの砒素中間産物には、砒素の他にCuも相当量含まれる。従って、これら砒素含有中間産物から調製された砒酸溶液には相当量のCuイオンが溶存している。
これらの砒素中間産物には、砒素の他にCuも相当量含まれる。従って、これら砒素含有中間産物から調製された砒酸溶液には相当量のCuイオンが溶存している。
濃厚な砒酸溶液は、当該砒素をスコロダイト(FeAsO4・2H2O)として安定化保管する場合の、スコロダイト生成用の元液として用いられる。
ここで、スコロダイトを製造する方法のひとつに、砒酸溶液に2価鉄塩(Fe2+塩)を添加し、高温下酸化反応にて製造する方法がある。
しかしながら、当該砒酸溶液にCu、Zn、Naが共存した場合、これらの金属元素が、スコロダイト結晶成長へ与える影響について示されている。特にCu共存の場合ではスコロダイト粒子の結晶格子中にCuが取り込まれ、粒子形態の変化や格子定数の変化、As溶出量の増加などの影響が表れるので注意が必要であるとされている(非特許文献1参照)。
ここで、スコロダイトを製造する方法のひとつに、砒酸溶液に2価鉄塩(Fe2+塩)を添加し、高温下酸化反応にて製造する方法がある。
しかしながら、当該砒酸溶液にCu、Zn、Naが共存した場合、これらの金属元素が、スコロダイト結晶成長へ与える影響について示されている。特にCu共存の場合ではスコロダイト粒子の結晶格子中にCuが取り込まれ、粒子形態の変化や格子定数の変化、As溶出量の増加などの影響が表れるので注意が必要であるとされている(非特許文献1参照)。
丹野建徳 資源・素材学会 2008年 秋季大会 PY−40 p55
本発明者等の検討によっても、スコロダイト生成時に当該砒酸溶液中に共存するCuイオンは、酸化触媒として作用し、且つ、スコロダイトの核発生を助長することで、結晶の粒子成長のコントロールを難しくしてしまうことを知見した。
従って、当該砒酸濃厚溶液を、スコロダイト製造の元液として用いる為には、当該砒酸濃厚溶液が含有するCuイオン量は少ないことが好ましい。
従って、当該砒酸濃厚溶液を、スコロダイト製造の元液として用いる為には、当該砒酸濃厚溶液が含有するCuイオン量は少ないことが好ましい。
そして、本発明者等の検討によれば、実際の操業において当該砒酸濃厚溶液からスコロダイトを製造する場合には、当該砒酸濃厚溶液中に共存するCuイオン濃度が、1g/L以下好ましくは500mg/L以下であれば、生成するスコロダイト結晶の粒子成長のコントロールが定常化出来るので、当該スコロダイト製造を安定的に行うことが可能となるとの知見を得た。
さらに、当該砒酸濃厚溶液から効率よくスコロダイトを製造するためには、溶液中の砒素が砒酸(5価As)である必要がある。これは、亜砒酸(3価As)では反応せずに液中に残存してしまう為である、従って、当該砒酸濃厚溶液中の砒素は、出来るだけ砒酸(5価As)にすることが求められる。
さらに、当該砒酸濃厚溶液から効率よくスコロダイトを製造するためには、溶液中の砒素が砒酸(5価As)である必要がある。これは、亜砒酸(3価As)では反応せずに液中に残存してしまう為である、従って、当該砒酸濃厚溶液中の砒素は、出来るだけ砒酸(5価As)にすることが求められる。
本発明は、このような状況下で成されたものであって、その解決しようとする課題は、砒酸(5価As)とCuイオンとを含有する溶液から、当該砒酸(5価As)の亜砒酸(3価As)への還元を極力抑えつつ、Cuイオンを除去する方法を提供することである。
本発明者等は、砒酸(5価As)の亜砒酸(3価As)への還元を抑えつつ、溶存するCuイオンの除去を可能にする方法を鋭意研究した。
そして、硫化亜鉛(ZnS)を用い、(1式)に示す反応にてCuイオンを除去する方法に想到した。
Cu2++ZnS → CuS+Zn2+・・・・・・(1式)
当該方法は、ZnSをCu2+の硫化剤として用いる方法であり、Cu2+が除去される代わりにZn2+が液中に溶出するものである。ここで、本発明者等は、上述したスコロダイト生成時におけるZnの共存は、Cuの共存に比べて殆ど問題にならないことを知見した。そこで、当該知見に基づき、当該反応式に基づくCuイオン除去の検討を行ったものである。
そして、硫化亜鉛(ZnS)を用い、(1式)に示す反応にてCuイオンを除去する方法に想到した。
Cu2++ZnS → CuS+Zn2+・・・・・・(1式)
当該方法は、ZnSをCu2+の硫化剤として用いる方法であり、Cu2+が除去される代わりにZn2+が液中に溶出するものである。ここで、本発明者等は、上述したスコロダイト生成時におけるZnの共存は、Cuの共存に比べて殆ど問題にならないことを知見した。そこで、当該知見に基づき、当該反応式に基づくCuイオン除去の検討を行ったものである。
ここで本発明者等は、用いるZnSによって(1式)の反応が容易に進行する場合(以下、当該ZnSを活性ZnSと記載する。)と、反応が容易に進行しない場合(以下、当該ZnSを非活性ZnSと記載する。)とがあること、さらに当該活性および非活性ZnSが砒酸(5価As)の亜砒酸(3価As)への還元剤として作用することを知見した。
そこで、本発明者等は、当該活性ZnSおよび非活性ZnSを用い、さらに研究を続け、それぞれのZnSにおいて最適な使用方法を開発するに至った。
そこで以下、〈1〉活性ZnSと、〈2〉非活性ZnSとに分けて説明する。
そこで、本発明者等は、当該活性ZnSおよび非活性ZnSを用い、さらに研究を続け、それぞれのZnSにおいて最適な使用方法を開発するに至った。
そこで以下、〈1〉活性ZnSと、〈2〉非活性ZnSとに分けて説明する。
〈1〉活性ZnS
活性ZnSとは、湿式硫化反応等で容易に製造し得るZnSのことである。
当該活性ZnSによれば、上述した砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量と等モル量((1式)に基づく反応の1.0倍当量のことである。本発明において「1.0倍当量」と記載する。)のZnSを添加し攪拌などにより反応させることで、5価Asを殆ど還元させることなく、Cuイオンを500mg/L以下の低濃度レベルまで除去することが可能である。さらに、上述した砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.2倍モル量((1式)に基づく反応の1.2倍当量のことである。本発明において「1.2倍当量」と記載する。)の当該ZnSを添加し反応させることで、5価As比率を元液の砒素濃度に対して95%以上維持しつつ、Cuイオンを5mg/L以下の極低濃度レベルまで除去することが可能との知見を得た。
活性ZnSとは、湿式硫化反応等で容易に製造し得るZnSのことである。
当該活性ZnSによれば、上述した砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量と等モル量((1式)に基づく反応の1.0倍当量のことである。本発明において「1.0倍当量」と記載する。)のZnSを添加し攪拌などにより反応させることで、5価Asを殆ど還元させることなく、Cuイオンを500mg/L以下の低濃度レベルまで除去することが可能である。さらに、上述した砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.2倍モル量((1式)に基づく反応の1.2倍当量のことである。本発明において「1.2倍当量」と記載する。)の当該ZnSを添加し反応させることで、5価As比率を元液の砒素濃度に対して95%以上維持しつつ、Cuイオンを5mg/L以下の極低濃度レベルまで除去することが可能との知見を得た。
そして、当該活性ZnSの添加がこの水準であれば、5価Asの還元を招来するという現象が回避され、当初の目的(5価Asの還元を抑えつつ、共存Cuイオンを除去する。)を満足することを知見した。
一方、当該活性ZnSは、反応性が良好(ZnS添加後、5分間程度の攪拌反応で反応が終了した。)であることも分かった。
以上のことから、ZnSとして活性ZnSを用いる場合には、砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.2倍当量以下の添加が、好ましい形態であるとの結論に達した。
一方、当該活性ZnSは、反応性が良好(ZnS添加後、5分間程度の攪拌反応で反応が終了した。)であることも分かった。
以上のことから、ZnSとして活性ZnSを用いる場合には、砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.2倍当量以下の添加が、好ましい形態であるとの結論に達した。
〈2〉非活性ZnS
非活性ZnSとは、製造されてから長時間が経過するなどして、結晶性が高くなったZnSのことである。
当該非活性ZnSを用いた場合は反応性が低い。従って、非活性ZnSを、上述した砒酸溶液に添加した場合は、Cuイオンの除去がゆっくり進行し、かつ5価Asが徐々に還元される挙動を示した。すなわち、3価As濃度が上昇した。
しかしながら、当該非活性ZnSを用いた場合であっても、当該非活性ZnSを、砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.0倍当量以上添加し、さらに
溶液へ、空気および/または酸素を吹き込むことで、反応性が飛躍的に向上すること、且つ、5価As比率として、99%を維持出来るという知見を得るに至った。
非活性ZnSとは、製造されてから長時間が経過するなどして、結晶性が高くなったZnSのことである。
当該非活性ZnSを用いた場合は反応性が低い。従って、非活性ZnSを、上述した砒酸溶液に添加した場合は、Cuイオンの除去がゆっくり進行し、かつ5価Asが徐々に還元される挙動を示した。すなわち、3価As濃度が上昇した。
しかしながら、当該非活性ZnSを用いた場合であっても、当該非活性ZnSを、砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.0倍当量以上添加し、さらに
溶液へ、空気および/または酸素を吹き込むことで、反応性が飛躍的に向上すること、且つ、5価As比率として、99%を維持出来るという知見を得るに至った。
以上、〈1〉、〈2〉にて説明した知見より、砒酸溶液からのCuイオン除去において、活性ZnSを用いた〈1〉の場合は、当該砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.2倍当量以下を添加し反応させること、他方、非活性ZnSを用いた〈2〉の場合は、当該砒酸溶液中に溶存するCuイオン(Cu2+)の総モル量の1.0倍当量以上を添加し、且つ、空気および/または酸素を吹き込みながら反応させることが最良の形態であることに想到し本発明を完成した。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
活性ZnSを、Cuイオンを含有する砒酸溶液へ、当該Cuイオンの総モル量の1.2倍当量以下添加し、40℃以上で反応させて当該Cuイオン除去することを特徴とする砒酸溶液からのCuイオンの除去方法である。
活性ZnSを、Cuイオンを含有する砒酸溶液へ、当該Cuイオンの総モル量の1.2倍当量以下添加し、40℃以上で反応させて当該Cuイオン除去することを特徴とする砒酸溶液からのCuイオンの除去方法である。
第2の発明は、
非活性ZnSを、Cuイオンを含有する砒酸溶液へ、当該Cuイオンの総モル量の1.0倍当量以上添加し、空気又は酸素又はこれら混合ガスを吹き込みながら、40℃以上で反応させて当該Cuイオン除去することを特徴とする砒酸溶液からのCuイオンの除去方法である。
非活性ZnSを、Cuイオンを含有する砒酸溶液へ、当該Cuイオンの総モル量の1.0倍当量以上添加し、空気又は酸素又はこれら混合ガスを吹き込みながら、40℃以上で反応させて当該Cuイオン除去することを特徴とする砒酸溶液からのCuイオンの除去方法である。
砒酸溶液中に溶存するCuイオンに対して、適正量のZnSを作用させることにより、当該砒酸を3価As(亜砒酸)へ還元させることなく、当該Cuイオンをスコロダイト生成に適したレベルまで除去することが出来た。
本発明の目的は、Cuイオン(Cu2+)を含有している砒酸溶液(5価As溶液)から、当該砒酸(5価As)の亜砒酸(3価As)への還元を抑制しながら、当該Cuイオン(Cu2+)を除去することである。
以下、本発明を実施するための、[実施形態1]、[実施形態2]の2形態について説明する。
以下、本発明を実施するための、[実施形態1]、[実施形態2]の2形態について説明する。
[実施形態1]
実施形態1とは、ZnSとして活性ZnSを用いる形態である。
活性ZnSとは、例えば、後述する湿式反応で生成したばかりのZnSである。このような活性ZnSに対しX線回折測定を行うと、図1に示すようにスペクトルがブロードで、結晶性が低いことが解る。
当該活性ZnSを判別する1例として、例えば、室温にてCuイオン濃度が5g/Lの硫酸銅溶液200mLに、当該活性ZnS(ZnSは白色)を200mg添加し攪拌すると、1分以内に黒変化(CuS生成)する。そこで、当該呈色変化から、当該活性ZnS
を容易に判別出来るものである。
当該活性ZnSが、容易に入手可能な状況においては、当該実施形態1に係る砒酸溶液からのCuイオンの除去方法を用いるのが好ましい。
実施形態1とは、ZnSとして活性ZnSを用いる形態である。
活性ZnSとは、例えば、後述する湿式反応で生成したばかりのZnSである。このような活性ZnSに対しX線回折測定を行うと、図1に示すようにスペクトルがブロードで、結晶性が低いことが解る。
当該活性ZnSを判別する1例として、例えば、室温にてCuイオン濃度が5g/Lの硫酸銅溶液200mLに、当該活性ZnS(ZnSは白色)を200mg添加し攪拌すると、1分以内に黒変化(CuS生成)する。そこで、当該呈色変化から、当該活性ZnS
を容易に判別出来るものである。
当該活性ZnSが、容易に入手可能な状況においては、当該実施形態1に係る砒酸溶液からのCuイオンの除去方法を用いるのが好ましい。
〈元液試料の調製〉
試薬60%砒酸溶液を295gと、試薬硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)を55.4gとをそれぞれ秤量して2リットルビーカーに投入し、純水1.2リットルを用い溶解、最終的に純水添加により1.6リットルに調整した。
得られた元液試料の品位を表1に示す。尚、T−Asとは、全砒素量のことである(以下、同じ)。
試薬60%砒酸溶液を295gと、試薬硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)を55.4gとをそれぞれ秤量して2リットルビーカーに投入し、純水1.2リットルを用い溶解、最終的に純水添加により1.6リットルに調整した。
得られた元液試料の品位を表1に示す。尚、T−Asとは、全砒素量のことである(以下、同じ)。
〈ZnSパルプの調製〉
試薬硫酸亜鉛7水和物(ZnSO4・7H2O)を150g秤量し、1.2リットルの純水に溶解し、硫酸亜鉛水溶液を調製した。
一方、試薬の70%NaSHを30g秤量し、0.2リットルの純水で溶解し、NaSH水溶液を調製した。
反応器として2リットルビーカーを準備し、4枚邪魔板と2段タービン羽とを設置し、上記硫酸亜鉛水溶液を装填し、65℃に維持しながら400rpm攪拌を行った。この硫酸亜鉛水溶液へ、上記NaSH溶液を約10分間かけて添加し、添加後さらに10分間攪拌維持した後、生成したスラリーを濾過した。
当該濾過にて回収されたZnSケーキを、上述したビーカーに4枚邪魔板と2段タービン羽とを備えた装置を用いて、65℃に加温した純水1.5リットルでリパルプ洗浄し濾過に供した。この洗浄操作を2回実施した。尚、当該洗浄操作は、ZnSケーキに付着した未反応亜鉛分の除去が目的である。
洗浄後回収したZnSケーキ殿物の一部を対象に、X線回折測定を行った。測定結果を図1に示す。図1より、当該ZnSケーキ殿物が、活性ZnSのケーキ殿物であることが確認出来た。
残った当該活性ZnSケーキ殿物全量を純水でリパルプし、途中サンプリングしZn濃度を確認し、最終的にZn濃度が44.5g/Lの活性ZnSパルプ450ccを得た。
試薬硫酸亜鉛7水和物(ZnSO4・7H2O)を150g秤量し、1.2リットルの純水に溶解し、硫酸亜鉛水溶液を調製した。
一方、試薬の70%NaSHを30g秤量し、0.2リットルの純水で溶解し、NaSH水溶液を調製した。
反応器として2リットルビーカーを準備し、4枚邪魔板と2段タービン羽とを設置し、上記硫酸亜鉛水溶液を装填し、65℃に維持しながら400rpm攪拌を行った。この硫酸亜鉛水溶液へ、上記NaSH溶液を約10分間かけて添加し、添加後さらに10分間攪拌維持した後、生成したスラリーを濾過した。
当該濾過にて回収されたZnSケーキを、上述したビーカーに4枚邪魔板と2段タービン羽とを備えた装置を用いて、65℃に加温した純水1.5リットルでリパルプ洗浄し濾過に供した。この洗浄操作を2回実施した。尚、当該洗浄操作は、ZnSケーキに付着した未反応亜鉛分の除去が目的である。
洗浄後回収したZnSケーキ殿物の一部を対象に、X線回折測定を行った。測定結果を図1に示す。図1より、当該ZnSケーキ殿物が、活性ZnSのケーキ殿物であることが確認出来た。
残った当該活性ZnSケーキ殿物全量を純水でリパルプし、途中サンプリングしZn濃度を確認し、最終的にZn濃度が44.5g/Lの活性ZnSパルプ450ccを得た。
〈溶存Cuイオンの除去〉
・試験条件
各試験共、元液試料500cc処理であり、添加するZnSは上述の湿式反応で生成した活性ZnSである。当該活性ZnSの特性を発揮させる為、上述の活性ZnSパルプを、そのまま添加した。当該活性ZnSの添加量は、(1式)に基づく反応の1.0倍当量(試験A)、1.2倍当量(試験B)、および、1.5倍当量(試験C)の3種類である。
尚、試験A〜Cは、元液試料500ccを、4枚邪魔板、2段タービン羽を設けた1リットルビーカーに装填し、空気を巻き込まないで200rpmの攪拌を行い、液温75℃とし、当該元液試料中へ、所定反応当量の活性ZnSパルプを添加して行った。
・試験条件
各試験共、元液試料500cc処理であり、添加するZnSは上述の湿式反応で生成した活性ZnSである。当該活性ZnSの特性を発揮させる為、上述の活性ZnSパルプを、そのまま添加した。当該活性ZnSの添加量は、(1式)に基づく反応の1.0倍当量(試験A)、1.2倍当量(試験B)、および、1.5倍当量(試験C)の3種類である。
尚、試験A〜Cは、元液試料500ccを、4枚邪魔板、2段タービン羽を設けた1リットルビーカーに装填し、空気を巻き込まないで200rpmの攪拌を行い、液温75℃とし、当該元液試料中へ、所定反応当量の活性ZnSパルプを添加して行った。
・反応当量と活性ZnSパルプ添加量との関係
活性ZnSパルプの添加量について具体的に説明する。
元液試料500cc中のCu量=8.761(g/L)×0.5(L)÷63.5(C
uの原子量)=6.893×10−2モルでることから、当該Cu量に対しての1.0倍当量のZnS中のZn量=65.4(Znの原子量)×(6.893×10−2)=4.
506gとなる。ここで、当該活性ZnSパルプ100cc中には、Znが4.5g含まれているので、当該活性ZnSパルプ100cc添加は、反応の1.0倍当量と算定される。同様に、120cc添加は1.2倍当量、150cc添加は1.5倍当量となる。
活性ZnSパルプの添加量について具体的に説明する。
元液試料500cc中のCu量=8.761(g/L)×0.5(L)÷63.5(C
uの原子量)=6.893×10−2モルでることから、当該Cu量に対しての1.0倍当量のZnS中のZn量=65.4(Znの原子量)×(6.893×10−2)=4.
506gとなる。ここで、当該活性ZnSパルプ100cc中には、Znが4.5g含まれているので、当該活性ZnSパルプ100cc添加は、反応の1.0倍当量と算定される。同様に、120cc添加は1.2倍当量、150cc添加は1.5倍当量となる。
試験Aにおいて、当該元液試料500cc中へ、反応1.0倍当量に相当する当該活性ZnSパルプ100ccを、3分間(間欠的に少量づつ添加)にて添加し、当該活性ZnSパルプの添加終了後、さらに5分間攪拌を継続して反応を終了した。
生成したスラリーを濾過し、濾液Aの組成を分析した。結果を表2に示す。 尚、元液
も同時に表2に示した。
生成したスラリーを濾過し、濾液Aの組成を分析した。結果を表2に示す。 尚、元液
も同時に表2に示した。
当該元液試料500cc中へ、1.2倍当量の当該活性ZnSパルプ(活性ZnSパルプ120cc)を投入した以外は、試験Aと同様の操作を行った(試験B)。
生成したスラリーを濾過し、濾液Bの組成を分析した。結果を表2に示す。
生成したスラリーを濾過し、濾液Bの組成を分析した。結果を表2に示す。
当該元液試料500cc中へ、1.5倍当量の当該活性ZnSパルプ(活性ZnSパルプ150cc)を投入した以外は、試験Aと同様の操作を行った(試験C)。
生成したスラリーを濾過し、濾液Cの組成を分析した。結果を表2に示す。
生成したスラリーを濾過し、濾液Cの組成を分析した。結果を表2に示す。
〈試験A〜Cにおける、実際の反応当量の推定計算〉
除去されたCuイオン量と反応後に溶存するZn量とから、実際の反応当量を推算した。
試験A(ZnSパルプ100cc添加)の計算は以下の通りである。
除去されたCu量=反応前Cu量−反応後Cu量=(0.5×8,761)−(0.6×247)=4,232mg≡6.660×10−2モル・・・(2式)
溶出したZn量=反応後Zn量−反応前Zn量(0とする)=(0.6×7,483)−0=4,490mg≡6.868×10−2モル ・・・(3式)
溶出Cu量に対する添加ZnS量の反応当量=(3式)÷(2式)=1.03
試験B、Cにおいても同様に、実際の反応当量を推算した。結果を表3に示す。
除去されたCuイオン量と反応後に溶存するZn量とから、実際の反応当量を推算した。
試験A(ZnSパルプ100cc添加)の計算は以下の通りである。
除去されたCu量=反応前Cu量−反応後Cu量=(0.5×8,761)−(0.6×247)=4,232mg≡6.660×10−2モル・・・(2式)
溶出したZn量=反応後Zn量−反応前Zn量(0とする)=(0.6×7,483)−0=4,490mg≡6.868×10−2モル ・・・(3式)
溶出Cu量に対する添加ZnS量の反応当量=(3式)÷(2式)=1.03
試験B、Cにおいても同様に、実際の反応当量を推算した。結果を表3に示す。
〈活性ZnS添加量による溶存Cuイオン濃度および5価砒素比率の制御〉
表2の結果から、図2として、横軸に活性ZnS添加量(反応当量)をとり、縦軸に溶存Cuイオン濃度および5価As比率をとり、溶存Cuイオン濃度を−●−でプロットし、5価砒素比率を−□−でプロットし、活性ZnS添加量(反応当量)と、溶存Cuイオン濃度と、5価砒素比率との関係を示すグラフを作成した。
表2の結果から、図2として、横軸に活性ZnS添加量(反応当量)をとり、縦軸に溶存Cuイオン濃度および5価As比率をとり、溶存Cuイオン濃度を−●−でプロットし、5価砒素比率を−□−でプロットし、活性ZnS添加量(反応当量)と、溶存Cuイオン濃度と、5価砒素比率との関係を示すグラフを作成した。
表2、図2より、以下のことが判明した。
*5価Asの3価Asへの還元を抑えながら、溶存しているCuイオンの除去が可能である。特に、溶存Cuイオン濃度が500mg/L前後となるレベルで反応を終えれば、5価砒素比率を98%以上に確保可能である。
*溶存しているCuイオンの除去反応は、添加する活性ZnS量により制御可能である。例えば、反応当初に0.9倍当量のZnSを添加してCuイオンの除去反応をさせ、状況を確認後、0.05〜0.1倍当量の活性ZnSを添加するといった操作を行えば、5価砒素比率や溶存Cuイオン濃度を制御する精度を容易に向上出来る。
*5価Asの3価Asへの還元を抑えながら、溶存しているCuイオンの除去が可能である。特に、溶存Cuイオン濃度が500mg/L前後となるレベルで反応を終えれば、5価砒素比率を98%以上に確保可能である。
*溶存しているCuイオンの除去反応は、添加する活性ZnS量により制御可能である。例えば、反応当初に0.9倍当量のZnSを添加してCuイオンの除去反応をさせ、状況を確認後、0.05〜0.1倍当量の活性ZnSを添加するといった操作を行えば、5価砒素比率や溶存Cuイオン濃度を制御する精度を容易に向上出来る。
〈活性ZnS添加による溶存Cuイオン除去反応の特徴〉
本発明に係る活性ZnS添加による、溶存Cuイオン除去反応の特徴について説明する。
*水素イオン(H+)を発生する反応ではないので、スコロダイト用元液としての最適なpHを確保しながら、溶存Cuイオン除去反応を行える。例えば、スコロダイト用元液のpHが、1以下まで低下すれば中和の必要が出てくる。しかし、本発明を適用すれば当該中和は必要がない。
*活性ZnSを、溶存Cuイオン除去反応の1倍当量以上添加すると、5価Asの3価Asへの還元が急激に開始する。さらに、試験B、および、試験Cの反応後液中のZn濃度の値から、添加した活性ZnSは、殆ど溶解してしまったものと考えられる。これは、固体である活性ZnSが5価Asの還元剤となり、自ら溶出してしまうものと考えられる。従って、スコロダイト生成用元液を得るための溶存Cuイオン除去反応を行う場合の活性ZnS添加量は、反応の1倍当量が好ましい。さらに、溶存Cuイオンを殆ど除去したい場合には、活性ZnS添加量を1.2倍当量とすることが好ましい。
*活性ZnS添加による溶存Cuイオン除去反応は、特に加温せずとも進行するが、生成する硫化銅(CuS)の濾過性を向上させる観点からは40℃以上とすることが好ましい。当該溶存Cuイオン除去反応は短時間で終了するが、反応性の観点からもからも40℃以上とすることが好ましい。
本発明に係る活性ZnS添加による、溶存Cuイオン除去反応の特徴について説明する。
*水素イオン(H+)を発生する反応ではないので、スコロダイト用元液としての最適なpHを確保しながら、溶存Cuイオン除去反応を行える。例えば、スコロダイト用元液のpHが、1以下まで低下すれば中和の必要が出てくる。しかし、本発明を適用すれば当該中和は必要がない。
*活性ZnSを、溶存Cuイオン除去反応の1倍当量以上添加すると、5価Asの3価Asへの還元が急激に開始する。さらに、試験B、および、試験Cの反応後液中のZn濃度の値から、添加した活性ZnSは、殆ど溶解してしまったものと考えられる。これは、固体である活性ZnSが5価Asの還元剤となり、自ら溶出してしまうものと考えられる。従って、スコロダイト生成用元液を得るための溶存Cuイオン除去反応を行う場合の活性ZnS添加量は、反応の1倍当量が好ましい。さらに、溶存Cuイオンを殆ど除去したい場合には、活性ZnS添加量を1.2倍当量とすることが好ましい。
*活性ZnS添加による溶存Cuイオン除去反応は、特に加温せずとも進行するが、生成する硫化銅(CuS)の濾過性を向上させる観点からは40℃以上とすることが好ましい。当該溶存Cuイオン除去反応は短時間で終了するが、反応性の観点からもからも40℃以上とすることが好ましい。
[実施形態2]
実施形態2とは、ZnSとして非活性ZnSを用いる形態である。
非活性ZnSの例として、製造されてから長期間保管されたZnS、例えば、市販の試薬グレード、工業薬品グレードのZnSがある。このような非活性ZnSに対しX線回折測定を行うと、図3に示すようにスペクトルがシャープで、結晶性が高いことが解る。
当該非活性ZnSを判別する1例として、例えば、室温にてCuイオン濃度が5g/L
の濃度の硫酸銅溶液200mLに、当該非活性ZnS(ZnSは白色)を200mg添加し、1分間攪拌した時点で黒変化(CuS生成)しないものである。そこで、当該呈色変化から、当該非活性ZnSを容易に判別出来るものである。
ZnSとして、当該非活性ZnSを用いる場合には、当該実施形態2に係る砒酸溶液からのCuイオンの除去方法を用いるのが好ましい。
実施形態2とは、ZnSとして非活性ZnSを用いる形態である。
非活性ZnSの例として、製造されてから長期間保管されたZnS、例えば、市販の試薬グレード、工業薬品グレードのZnSがある。このような非活性ZnSに対しX線回折測定を行うと、図3に示すようにスペクトルがシャープで、結晶性が高いことが解る。
当該非活性ZnSを判別する1例として、例えば、室温にてCuイオン濃度が5g/L
の濃度の硫酸銅溶液200mLに、当該非活性ZnS(ZnSは白色)を200mg添加し、1分間攪拌した時点で黒変化(CuS生成)しないものである。そこで、当該呈色変化から、当該非活性ZnSを容易に判別出来るものである。
ZnSとして、当該非活性ZnSを用いる場合には、当該実施形態2に係る砒酸溶液からのCuイオンの除去方法を用いるのが好ましい。
〈元液試料の調製〉
試薬硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)75gと、試薬60%砒酸溶液400gとをそれぞれ秤量し、純水2.5Lを入れた5Lビーカーに投入して溶解し、最終的に純水で3.0リットルに調整して元液試料とした。
得られた元液の品位を表4に示す。
試薬硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)75gと、試薬60%砒酸溶液400gとをそれぞれ秤量し、純水2.5Lを入れた5Lビーカーに投入して溶解し、最終的に純水で3.0リットルに調整して元液試料とした。
得られた元液の品位を表4に示す。
〈ZnSの準備〉
本実施の形態においては、非活性ZnSとして、試薬硫化亜鉛粉末(純度98%)をそのまま試験に用いた。
当該ZnS試薬のX線回折結果を、図3に示す。図3より、当該ZnS試薬が、非活性ZnSであることが確認出来た。
本実施の形態においては、非活性ZnSとして、試薬硫化亜鉛粉末(純度98%)をそのまま試験に用いた。
当該ZnS試薬のX線回折結果を、図3に示す。図3より、当該ZnS試薬が、非活性ZnSであることが確認出来た。
〈溶存Cuイオンの除去〉
元液試料700ccを、4枚邪魔板、2段タービン羽を設けた1リットルビーカーに装填し、空気を巻き込まないで300rpmで攪拌し、液温75℃とした。
ここで、溶存Cu量に対して1倍当量の非活性ZnS粉体を、3分間かけて間欠的に少量ずつ添加した。当該非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みを開始し、500rpmの攪拌にした。当該酸素吹き込みは、ガラス管を介してビーカー底部から400cc/分の酸素を吹き込んだ(試験D)。尚、反応中も温度は75℃を維持しながら行った。
そして、当該非活性ZnS粉体添加完了および酸素吹き込み開始時を、反応開始時とした。
元液試料700ccを、4枚邪魔板、2段タービン羽を設けた1リットルビーカーに装填し、空気を巻き込まないで300rpmで攪拌し、液温75℃とした。
ここで、溶存Cu量に対して1倍当量の非活性ZnS粉体を、3分間かけて間欠的に少量ずつ添加した。当該非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みを開始し、500rpmの攪拌にした。当該酸素吹き込みは、ガラス管を介してビーカー底部から400cc/分の酸素を吹き込んだ(試験D)。尚、反応中も温度は75℃を維持しながら行った。
そして、当該非活性ZnS粉体添加完了および酸素吹き込み開始時を、反応開始時とした。
非活性ZnS添加量について説明する。
装置に装填する元液試料は700ccである。一方、当該元液試料に含まれるCuイオン濃度は6,373mg/Lなので、含有されるCu量は、0.7(L)×6.373(g/L)=4.46gと算出される。
当該4.46gのCuと(1式)にて反応する1倍当量のZnS量は、4.46(g・Cu)÷63.5(Cuの原子量)×97.4(ZnSの原子量)÷0.98(該ZnSの純度)=6.98≡7gとなる。
従って、溶存するCuイオンの1倍当量のZnS添加量は7gとなる。尚、後述の1.
4倍当量の添加試験での添加ZnS量は9.8gとなる。
反応時間は60分間とした。
生成したスラリーを濾過し、濾液Dの組成を分析した。結果を表5に示す。
装置に装填する元液試料は700ccである。一方、当該元液試料に含まれるCuイオン濃度は6,373mg/Lなので、含有されるCu量は、0.7(L)×6.373(g/L)=4.46gと算出される。
当該4.46gのCuと(1式)にて反応する1倍当量のZnS量は、4.46(g・Cu)÷63.5(Cuの原子量)×97.4(ZnSの原子量)÷0.98(該ZnSの純度)=6.98≡7gとなる。
従って、溶存するCuイオンの1倍当量のZnS添加量は7gとなる。尚、後述の1.
4倍当量の添加試験での添加ZnS量は9.8gとなる。
反応時間は60分間とした。
生成したスラリーを濾過し、濾液Dの組成を分析した。結果を表5に示す。
従来、硫化による脱Cuイオン反応は、酸化雰囲気下では不利と考えられていた。しかし、表5の結果から、酸素吹き込みをせずに行った場合(後述の、[表7][表8]に記載された結果を参照のこと。)と比較して、Cuイオンの除去性が飛躍的に向上したのみならず、5価As比率を99%以上に確保出来ていることが判明した。本濾液Dは、スコロダイト生成用の元液として申し分のない液質であった。
溶存Cuイオン量に対して1.4倍当量の非活性ZnS粉体を、3分間かけて間欠的に少量ずつ添加した。非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みを開始した。当該酸素吹き込みは、ガラス管を介してビーカー底部から400cc/分の酸素を吹き込んだ(試験E)。
溶存するCuイオンの1.4倍当量の非活性ZnS添加量は9.8gである。
反応温度は75℃であり、反応時間は30分間とした。
生成したスラリーを濾過し、濾液Eの組成を分析した。結果を表6に示す。
溶存するCuイオンの1.4倍当量の非活性ZnS添加量は9.8gである。
反応温度は75℃であり、反応時間は30分間とした。
生成したスラリーを濾過し、濾液Eの組成を分析した。結果を表6に示す。
表6の結果から、溶存Cuイオンの濃度が、スコロダイト生成用元液にとって最適な水準の500mg/L以下まで低下し、かつ、5価As比率が99%確保出来たことが判明した。このことから、1.4倍当量の非活性ZnS粉体添加と酸素吹き込みとの効果は、甚大であることが判明した。
溶存Cuイオン量に対して1.0倍当量の非活性ZnS粉体を、3分間かけて間欠的に少量ずつ添加した。撹拌回数は、空気を巻き込まない300rpmとした。
非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みは行わなかった(試験F)。
反応温度は75℃であり、反応時間は60分間とした。
生成したスラリーを濾過し、濾液Fの組成を分析した。結果を表7に示す。
非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みは行わなかった(試験F)。
反応温度は75℃であり、反応時間は60分間とした。
生成したスラリーを濾過し、濾液Fの組成を分析した。結果を表7に示す。
表7の結果から、非活性ZnSは、[実施の形態1]で説明した活性ZnSと比較し、
溶存Cuイオンの除去能力が低いことが判明した。
また、溶存Cuイオンが多量に残留しているにも拘わらず、5価Asの還元が進んでいることも判明した([実施の形態1]では、溶存Cuイオンが存在していれば5価Asの還元が進み難かった。)。
溶存Cuイオンの除去能力が低いことが判明した。
また、溶存Cuイオンが多量に残留しているにも拘わらず、5価Asの還元が進んでいることも判明した([実施の形態1]では、溶存Cuイオンが存在していれば5価Asの還元が進み難かった。)。
溶存Cuイオン量に対して1.4倍当量の非活性ZnS粉体を、3分間かけて間欠的に少量ずつ添加した。撹拌回数は、空気を巻き込まない300rpmとした。
非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みは行わなかった(試験G)。
反応温度は75℃であり、反応時間は60分間時点で少量サンプリングし、さらに90分間まで反応させた。
生成した60分間時点および90分間時点のスラリーを濾過し、濾液Gの組成を分析した。結果を表8に示す。
非活性ZnS粉体添加完了後、元液試料中へ酸素吹き込みは行わなかった(試験G)。
反応温度は75℃であり、反応時間は60分間時点で少量サンプリングし、さらに90分間まで反応させた。
生成した60分間時点および90分間時点のスラリーを濾過し、濾液Gの組成を分析した。結果を表8に示す。
表8の結果から、非活性ZnSの添加量を増やし90分間まで反応させた結果、Cuイオンが完全に除去された。一方、5価Asの還元が進み、5価As比率は96%へ低下した。
上述した、試験D〜Gで得られたデータの内、Cuイオン濃度と5価As比率のデータを、酸素吹き込みの有無の観点から比較し、結果を図4に示した。
図4は、横軸に溶存Cuイオン濃度をとり、縦軸に5価As比率をとり、酸素吹き込みを行った試料のデータを□でプロットし、酸素吹き込みを行わなかった試料のデータを▲でプロットした、Cuイオンを含有する砒酸溶液中に非活性ZnSを添加し、酸素吹き込みの有無下で反応させた場合の、溶存Cuイオン濃度と、5価砒素比率との関係を示すグラフである。
図4は、横軸に溶存Cuイオン濃度をとり、縦軸に5価As比率をとり、酸素吹き込みを行った試料のデータを□でプロットし、酸素吹き込みを行わなかった試料のデータを▲でプロットした、Cuイオンを含有する砒酸溶液中に非活性ZnSを添加し、酸素吹き込みの有無下で反応させた場合の、溶存Cuイオン濃度と、5価砒素比率との関係を示すグラフである。
図4より、非活性ZnSを用いて、砒酸溶液に溶存するCuイオンを除去するには、酸素ガス吹き込み下で反応させることが好ましいことが判明した。当該酸素ガス吹き込みにより、砒酸(5価As)を殆ど還元させることなく、溶存Cuイオンを極低濃度まで除去可能であることが判明した。さらに、当該酸素ガス吹き込みを、行うことで溶存Cuイオンの除去能力が著しく向上する現象も見出すことが出来た。
尚、吹き込みに用いる酸素ガスは、酸素ガス量が確保できれば空気で代替することも出来、酸素ガスと空気との混合ガスを用いても良い。
尚、吹き込みに用いる酸素ガスは、酸素ガス量が確保できれば空気で代替することも出来、酸素ガスと空気との混合ガスを用いても良い。
Claims (2)
- 活性ZnSを、Cuイオンを含有する砒酸溶液へ、当該Cuイオンの総モル量の1.2倍当量以下添加し、40℃以上で反応させて当該Cuイオン除去することを特徴とする砒酸溶液からのCuイオンの除去方法。
- 非活性ZnSを、Cuイオンを含有する砒酸溶液へ、当該Cuイオンの総モル量の1.0倍当量以上添加し、空気又は酸素又はこれら混合ガスを吹き込みながら、40℃以上で反応させて当該Cuイオン除去することを特徴とする砒酸溶液からのCuイオンの除去方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009139453A JP2010284581A (ja) | 2009-06-10 | 2009-06-10 | 砒酸溶液からのCuイオンの除去方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011195367A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Dowa Metals & Mining Co Ltd | ヒ酸鉄化合物の製造方法 |
JP2014240513A (ja) * | 2013-06-11 | 2014-12-25 | Dowaメタルマイン株式会社 | 含砒素溶液の処理方法 |
WO2018007297A1 (en) | 2016-07-04 | 2018-01-11 | Paques I.P. B.V. | Recovery of heavy metals by selective precipitation |
-
2009
- 2009-06-10 JP JP2009139453A patent/JP2010284581A/ja active Pending
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JP2014240513A (ja) * | 2013-06-11 | 2014-12-25 | Dowaメタルマイン株式会社 | 含砒素溶液の処理方法 |
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