JP2010284078A - インバータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地絡検出において、スイッチング素子や還流ダイオードに過電流が流れることを防止すること。
【解決手段】 交流電源1から入力される交流を整流するコンバータ部14と、コンバータ部14の整流出力により充電されると共に、整流出力を平滑した平滑電圧を出力する平滑部9と、スイッチング素子と該スイッチング素子に並列に接続された還流ダイオードとを有し、PWM制御して出力から交流を負荷に供給するインバータ部15と、インバータ部15の出力に流れる電流値を検出する電流検出部5a〜5cと、スイッチング素子のオン・オフ時間を設定するデューティ設定部と、スイッチング素子をデューティに基づいてオン・オフさせるゲート制御部10と、デューティと電流値とにより地絡抵抗を推定する地絡抵抗推定部21とを備え、デューティは、インバータ部15の出力が地絡状態で、スイッチング素子が過電流にならないようにオン時間を設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地絡保護機能を有するインバータ装置に関するものである。
従来のインバータ装置を下記特許文献1に記載された図5によって説明する。図5において、1は交流電源で通常ひとつの相(図ではS相)が接地されている。13は交流電源1をオン・オフする投入スイッチ、14は交流電源1から入力される交流を整流するコンバータ部、9はコンバータ部14の整流出力を平滑する平滑部である平滑コンデンサ、15は平滑コンデンサ9の平滑出力をPWM制御して負荷に交流を供給するインバータ部、7は負荷である交流モータ、2a〜2fはコンバータ部14において交流電力を直流電力に整流するためのダイオード、4a〜4fはインバータ部15において直流電圧をPWM変調するためのスイッチング素子、3a〜3fはスイッチング素子4a〜4fに並列に接続され無効電流を流すための還流ダイオード、5a〜5cはインバータ部15の出力である3相電流を検出するための電流検出器、11は5a〜5cの検出信号により地絡を判別するとともにインバータ装置15の運転モードを指令する地絡判別付指令部、10はスイッチング素子4a〜4fをオン・オフさせるゲート制御部、6a、6bは交流モータ7の等価インダクタンス及び等価抵抗である。
次に、図5に示したインバータ装置において、モータ7のW相が地絡した場合の動作について説明する。モータ7のW相が地絡した場合、図5に破線19で示した回路が等価的に形成されることになる。18は地絡抵抗をモデル化したものである。地絡検出は、投入スイッチ13が投入され、平滑コンデンサ9が充電された後、モータ7を実際に運転開始する前に行われる。すなわち、モータ7の運転開始前に、地絡判別付指令部11は下アームのスイッチング素子4d、4e、4fを所定期間オン状態にする指令信号を出力し、ゲート制御部10はこの指令に基づいてスイッチング素子4d、4e、4fをオン状態にする。
地絡が発生していない場合は、下アームを構成する3つのスイッチング素子4d〜4fをオンしてもモータ7には電流が流れないので、電流検出器5a〜5cで検出される電流はゼロとなる。ところが、モータ7のW相が地絡している場合、交流電源1の接地されたS相から地絡抵抗18、W相のスイッチング素子4f、ダイオード2dまたは2fを通って、再び交流電源1のRまたはT相へ地絡電流が流れる回路が構成される。この地絡電流がW相の電流検出器5cにより検出されることにより、W相の地絡が検出される。なお、3つのスイッチング素子のオン時間は、交流電源周波数に依存し、少なくとも1周期分のオン時間が必要となる。
特開平7−239359公報(第5−6頁、第1図)
従来のインバータ装置は、前記のように、スイッチング素子4a〜4fをオンして、スイッチング素子に流れる地絡電流を電流検出器5a〜5cで検出することで地絡を検出していた。このとき、地絡抵抗18の抵抗値が極めて小さい場合、スイッチング素子4a〜4fに過大な地絡電流が流れ、これによりスイッチング素子4a〜4fに熱疲労を与えて、スイッチング素子4a〜4fの寿命を短縮していた。
さらに、投入スイッチ13が投入され平滑コンデンサ9が充電される過程において還流ダイオード3a〜3fにも過大な電流が流れて熱疲労を生じ、還流ダイオード3a〜3fの寿命を短縮することもあった。モータ7のW相が地絡している場合、平滑コンデンサ9の充電過程において、交流電源1の接地相(S相)から地絡抵抗18、W相の還流ダイオード3cを通って平滑コンデンサ9に充電電流が流れることになる。地絡抵抗18の抵抗値が小さい場合、過大な充電電流が還流ダイオードに流れるのである。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、地絡検出において、スイッチング素子や還流ダイオードに過電流が流れることを防止するインバータ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るインバータ装置は、交流電源から入力される交流を整流するコンバータ部と、該コンバータ部に前記交流電源を投入、遮断する投入遮断手段と、前記コンバータ部の整流出力により充電されると共に、前記整流出力を平滑した平滑電圧を出力する平滑部と、上アーム及び下アームを成すスイッチング素子と該スイッチング素子に並列に接続された還流ダイオードとを有し、前記平滑電圧を入力すると共に、PWM制御して出力から交流を負荷に供給するインバータ部と、前記インバータ部の出力に流れる電流値を検出する電流検出部とを備え、前記投入遮断手段を投入後、前記平滑部が充電されるまでの間に前記電流値が基準電流値より大きくなった場合は地絡と判断する地絡検出部とを備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、交流電源を投入したあと平滑部が充電されるまでの期間の電流値を監視して地絡を検出する地絡検出部を設けたので、平滑部の充電過程における還流ダイオードの破損を防止できるという効果を奏する。
本発明の一実施例に係るインバータ装置の全体構成を示す構成図である。 図1に示すデューティ設定部の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例に係るインバータ装置の全体構成を示す構成図である。 図3に示すインバータ装置の動作を示すフローチャートである。 従来のインバータ装置の全体構成を示す構成図である。
実施例1.
以下、本発明の一実施例を図1により説明する。図1は一実施例を示すインバータ装置の全体構成図である。図1中、図5と同一部分には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図1において、20はスイッチング素子4a〜4fのオン・オフのデューティを設定するデューティ設定部、該デューティ設定部20は、たとえ地絡状態であってもスイッチング素子4a〜4fが熱疲労しないように、短いオン時間となるようにデューティが設定されている。21はデューティ設定部20で設定されたデューティと電流検出器(電流検出部)5a〜5cで検出された検出電流値とから地絡抵抗18の抵抗値を推定する地絡抵抗推定部、22は地絡抵抗推定手段21で推定された地絡抵抗が小さいときに地絡と判断する地絡判断部である。
次に、本実施例の動作について、モータ7のW相が地絡した場合について説明する。投入遮断手段としての投入スイッチ13が投入され、平滑部としての平滑コンデンサ9が充電された後、ゲート制御部10は、上アームのスイッチング素子4a〜4cをオフ状態にし、下アームのスイッチング素子4d〜4fのみをデューティ設定部20で設定されたオン・オフ時間のデューティに基づいて一定周期でオン・オフさせる。
なお、上記で平滑コンデンサ9が充電された後の判定は、投入スイッチ13が投入され、投入後所定の時間が経過したらとする。
地絡が発生していない場合、スイッチング素子4d〜4fをオンしてもスイッチング素子4d〜4fには電流が流れないので、電流検出器5a〜5cで検出される電流はゼロとなる。
一方、モータ7のW相が地絡している場合、図1に破線19で示した回路が等価的に形成される。このため、スイッチング素子4d〜4fをオンすると、交流電源1の接地相(図1ではS相)から地絡抵抗18を介してW相のスイッチング素子4fからダイオード2dまたはダイオード2fを通って、再び交流電源1のRまたはT相へ単相半波の地絡電流が流れる。この地絡電流はW相の電流検出器5cにより検出される。このとき、W相のスイッチング素子4fに流れる地絡電流は、スイッチング素子4fのオン時間に比例するので、オン時間をオフ時間に比べて十分短くしておけばスイッチング素子4fに流れる電流値を小さな値に制限することができる。
よって、スイッチング素子4fの熱疲労を減少できる。
U相とV相のスイッチング素子4d、4eには地絡電流は流れないので、U相とV相電流検出器5b、5cで検出される電流値はゼロである。
地絡抵抗推定部21では、デューティ設定部20で設定されたデューティと電流検出器5a〜5cで検出された電流値とを入力して地絡抵抗Rgを推定する。
電源の線間電圧Vsと、デュテイの電圧が平均電圧Vaveであるので、平均電圧Vaveは、下記となる。
Vave=Vs(ton/ton+toff) ・・・(1)
ここに、ton:オン時間 toff:オフ時間
一方、線間電圧の周波数の一周期内での電流検出器5a〜5cで検出された検出電流値の最大値Imaxとを用いて、下式により地絡抵抗Rgを求める。
Rg=Vave/Imax ・・・(2)
本実施例では、U相とV相の電流値はゼロなので、これらの相の地絡抵抗は無限大となる。一方、地絡しているW相には大きな電流が流れるので、地絡抵抗は小さな値となる。
地絡判断部22は、地絡抵抗推定部21で求めた地絡抵抗の値が小さいときは地絡と判断し、ゲート遮断やアラーム表示などの処理を行う。地絡抵抗の値が無限大または極めて大きいときは、地絡状態とは判断されず、通常の運転状態に移行する。
地絡抵抗が中間的な値となった場合は、地絡状態とは判断されないが、モータの絶縁が劣化していると判断し、警告の表示などを行う。
なお、上記実施例では、下アームのスイッチング素子4d〜4fをオン・オフさせるように構成しているが、下アームのスイッチング素子4d〜4fをオフ状態にし、上アームのスイッチング素子4a〜4cのみをオン・オフさせても同様に作用する。
また、上記実施例では、デューティ設定部20で設定されるデューティを一定の値にしているが、これを電流検出器5a〜5cで検出される電流値に応じて変更することで、地絡抵抗の推定をより高精度に行うことができるようになる。地絡抵抗が大きいと、電流検出器5a〜5cで検出される電流値が小さな値となるため、ノイズの影響を受けやすくなり、電流検出精度が悪くなる。これに伴って、地絡抵抗の推定精度も悪くなる。電流検出器5a〜5cで検出される電流値が所定値以下の小さな値のときは、デューティのオン時間を長くして、電流検出器5a〜5cに流れる電流値を大きくすることにより、ノイズの影響を排除することができ、電流検出精度が向上し、地絡抵抗の推定精度を向上させることができる。
電流検出器5a〜5cで検出される電流値に応じてデューティを変更する場合のデューティ設定部の動作を図2にフローチャートで示す。まず、ステップS1でオン・オフ時間のデューティを初期値に設定する。デューティの初期値は、たとえ地絡状態であったとしてもスイッチング素子4a〜4fが過電流にならい程度の短いオン時間となるように選んでおく。
次に、ステップS2において電流検出器5a〜5cで検出された電流値を入力し、ステップS3でこの電流値が第1基準電流値より大きいかどうかを判断する。ここで、第1基準電流値としてノイズの影響を受けにくい大きさの電流値をあらかじめ選択しておく。ステップS3で検出した電流値が第1の基準電流値より小さいと判断された場合は、ステップS4でオン時間が少し長いデューティに設定して、ステップS2に戻る。ステップS3で検出した電流値が第1基準電流値以上と判断された場合は、デューティをそのときの値に固定して終了する。
このように、電流検出器5a〜5cで検出される電流値がノイズの影響を受けにくい大きさになるようにデューティを調整することで、電流検出精度を向上されることができ、これによって地絡抵抗を高精度に推定できるようになる。
実施例2.
図3は本発明の実施例2に係るインバータ装置の構成を示すもので、図1と同一部分には同一の符号を付してある。図において24は地絡検出部で、図1の実施例1に加えて新たに設けたものである。
次に動作について説明する。インバータ装置の投入スイッチ13が投入されると、コンバータ部14に交流電力が入力され、ダイオードブリッジ2a〜2fで交流電力が直流電力に整流されて出力される。コンバータ部14から出力された直流電力は平滑コンデンサ9に充電される。地絡検出部24は投入スイッチ13が投入された後、平滑コンデンサの充電が完了するまでの期間、電流検出器5a〜5cで検出される電流値を監視することにより地絡を検出する。
投入スイッチ13が投入された後、平滑コンデンサの充電が完了するまでの充電過程において、地絡状態でなければ、インバータ部15には電流が流れないので電流検出器5a〜5cで検出される電流値はゼロとなる。しかし、たとえば、モータのW相が地絡している場合、図2に破線19に示した回路が等価的に構成させるので、交流電源1の接地相(S相)から地絡抵抗18、W相の還流ダイオード3cを通って平滑コンデンサ9に充電電流が流れることになる。この電流はW相の電流検出器5cで検出され、これにもとづいて地絡検出部24はW相の地絡を検出する。
電流検出器5a〜5cで検出された電流値が過大で、第2の所定の電流値を超えた場合、地絡検出部24は即座に地絡と判断して、投入スイッチ13を遮断することにより、還流ダイオード3a〜3fが破損するのを防止する。電流検出器5a〜5cで検出された電流値が第2の所定の電流値以下で還流ダイオード3a〜3fの過電流には至らない程度の大きさであれば、地絡検出部24は地絡とは判断せず、デューティ設定部20、ゲート制御部10、地絡抵抗推定部21を動作る。これらは、実施例1と同様に動作し、地絡抵抗を推定する。
地絡検出部24で地絡と判断されず、デューティ設定部20、ゲート制御部10、地絡抵抗推定部21を動作させる場合、デューティ設定部では前記充電過程で検出された電流値に基づいてオン・オフ時間のデューティが設定される。充電過程で検出された電流値が大きいときは地絡抵抗が小さいと判断できるのでデューティのオン時間を短く設定することで、スイッチング素子4a〜4fの熱疲労損を防止することができる。逆に、充電過程で検出された電流値が小さいときは地絡抵抗が大きい判断できるのでデューティのオン時間を長く設定することで、電流検出器5a〜5cに流れる電流値を増やすことができ、ノイズの影響が少なくなり、高精度に地絡抵抗を推定できるようになる。
図4は、このシーケンスを示すフローチャートである。まず、ステップS10で投入スイッチ13をオンして交流電源1を投入する。次にステップS11で地絡検出部24は電流検出器5a〜5cで検出された電流値を入力し、ステップS12で入力した電流値を第2の所定の電流値と比較して過大かどうかを判断する。ステップS12で過大と判断された場合は地絡と判断し、ステップS13に進み投入スイッチ13を遮断するとともにステップS14でエラー表示して終了する。ステップS12で過大と判断されなかった場合はステップS15に進み、充電過程が終了したかどうかを判断する。充電過程が終了したかどうかは、平滑コンデンサ9の両端の電圧を検出することにより判断することができる。これにより、平滑コンデンサ9の端子電圧が所定の値以上になると充電過程終了と判断する。
充電過程が終了していない場合は、ステップS11に戻り地絡検出を繰り返す。充電過程が終了している場合は、ステップS16に進み、地絡抵抗の推定を開始する。すなわち、デューティ設定部20は充電過程で検出された電流値の大きさに基づいてデューティを設定し、ステップS17でゲート制御部の動作を開始することにより、スイッチング素子4a〜4cまたは4d〜4fのスイッチングを開始する。次に、ステップS18では地絡抵抗推定部がデューティ設定部20で設定されたデューティと電流検出器5a〜5cで検出された電流値とから地絡抵抗を推定する。
ステップS19ではステップS18推定された地絡抵抗に基づいて、モータの絶縁劣化の程度を推定し、絶縁劣化が著しい場合はステップS20で警告を表示する。また、絶縁劣化の程度が許容範囲であれば、ステップS21に進んで通常運転を開始する。
なお、上記実施例2では、デューティ設定部20で設定されるオン・オフ時間のデューティを充電過程で検出された電流値に基づいて設定しているが、充電過程で検出された電流値に基づいてデューティの初期値を設定し、図2のフローチャートで示したように電流検出値にしたがって変更するようにすれば、より高精度に地絡抵抗を推定することができるようになる。さらに、充電過程で検出された電流値に基づいてデューティの初期値を設定するので、初期値のオン時間を必要以上に短くする必要がなくなり、地絡抵抗を推定するのに要する時間を短縮することができる。
本発明に係るインバータ装置は、地絡検出に用いられるのに適している。
1交流電源、5a,5b,5c 電流検出器(電流検出部)、9 平滑コンデンサ(平滑部)、10 ゲート制御部、13 投入スイッチ(投入遮断手段)、14 コンバータ部、15 インバータ部、20 デューテイ設定部、21地絡検出部、24 地絡検出部

Claims (1)

  1. 交流電源から入力される交流を整流するコンバータ部と、
    該コンバータ部に前記交流電源を投入、遮断する投入遮断手段と、
    前記コンバータ部の整流出力により充電されると共に、前記整流出力を平滑した平滑電圧を出力する平滑部と、
    上アーム及び下アームを成すスイッチング素子と該スイッチング素子に並列に接続された還流ダイオードとを有し、前記平滑電圧を入力すると共に、PWM制御して出力から交流を負荷に供給するインバータ部と、
    前記インバータ部の出力に流れる電流値を検出する電流検出部とを備え、
    前記投入遮断手段を投入後、前記平滑部が充電されるまでの間に前記電流値が基準電流値より大きくなった場合は地絡と判断する地絡検出部とを備えたことを特徴とするインバータ装置。
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