JP2010283176A - 光伝導素子、それを用いたテラヘルツ波発生装置及び検出装置 - Google Patents

光伝導素子、それを用いたテラヘルツ波発生装置及び検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光伝導層における空乏層を制御して光伝導素子の抵抗を制御できる光伝導素子を提供する。
【解決手段】光伝導素子は、励起光(5)の照射によりキャリアを発生させるための光伝導層(1)と、光伝導層(1)に配置される第1の電極と、第1の電極に対して間隙を有し且つ光伝導層(1)に配置される第2の電極と、第3の電極(3)とを有する。第3の電極(3)は、第1及び第2の電極(2)に印加される電圧による電界又はテラヘルツ波の照射による電界が及ぶ範囲内に配置される。第3の電極(3)に印加される電圧により光伝導層(1)の空乏層が制御可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は光伝導素子に関する。また、本発明は、この光伝導素子を用いたテラヘルツ波発生装置及び検出装置に関する。
テラヘルツ波は、0.03THz以上30THz以下の範囲のうちの任意の周波数帯域の成分を有する電磁波である。テラヘルツ波帯域には、生体分子をはじめとして、様々な物質の構造や状態に由来する特徴的な吸収が多く存在する。この様な特徴を活かして、非破壊にて物質の分析や同定などを行う検査技術が開発されている。また、X線に替わる安全なイメージング技術や、高速な通信技術への応用が期待されている。
これらの技術を実用化するためには、テラヘルツ波の発生・検出技術の進歩が重要な要素の一つとなっている。テラヘルツ波の発生技術として、光伝導素子に関する提案がある(特許文献1参照)。この文献に記載の光伝導素子は、1.5μm帯の励起光を効率良く吸収できるインジウムガリウムヒ素(InGaAs)を光伝導層として用いている。更に、光伝導素子の抵抗を向上するために、光伝導層に鉄(Fe)イオンを注入した素子や、励起光の照射部以外の光伝導層を除去した素子が開示されている。この様な素子によって、1.5μm帯の励起光に適した光伝導素子において、高強度なテラヘルツ波を発生できる可能性がある。
特開2006-86227号公報
従来、励起光の吸収量を大きくするために、励起光の波長に対する光学吸収長より光伝導層を厚くしていた。しかし、そのために、光伝導層が空乏層より厚くなってしまい、光伝導素子の抵抗が低下することがあった。光伝導素子が低抵抗であると、電圧印加によって大電流が流れるため光伝導素子の損傷が起こり易い。従って、光伝導素子に印加できる電圧が小さくなっていた。また、光伝導層内の電界によって光励起キャリアが加速され、テラヘルツ波が発生するため、光伝導素子に印加できる電圧が小さいとテラヘルツ波の放射強度が小さくなり易い。上記特許文献の技術でも、こうした点が解決されているとは言い難い。
上記課題に鑑み、本発明の光伝導素子は、励起光の照射によりキャリアを発生させるための光伝導層と、前記光伝導層に配置される第1の電極と、前記第1の電極に対して間隙を有し、且つ前記光伝導層に配置される第2の電極と、前記第1及び第2の電極に印加される電圧による電界又はテラヘルツ波の照射による電界が及ぶ範囲内に配置される第3の電極と、を有し、前記第3の電極に印加される電圧により前記光伝導層の空乏層を制御可能に構成されることを特徴とする。
本発明によれば、第3の電極によって光伝導層における空乏層を制御できる。即ち、空乏層の厚さ、拡がりなどを調整できる。従って、光伝導層の抵抗を制御でき、この結果、例えば、光伝導素子への印加電圧を大きくすることができる。よって、テラヘルツ波の放射強度やテラヘルツ波に対する検出感度を向上できるという効果が奏される。
実施形態1の光伝導素子の構成例を説明する図。 実施形態1の光伝導素子における空乏層の厚さ、拡がりの変化を説明する図。 実施形態1の光伝導素子の構成の変形例を説明する図。 実施形態2の光伝導素子の構成例を説明する図。 実施形態2の光伝導素子の構成の変形例を説明する図。 実施形態1の光伝導素子の構成の他の変形例を説明する図。 実施形態1の光伝導素子の構成の他の変形例を説明する図。 実施形態3の光伝導素子の構成例を説明する図。 実施形態4の光伝導素子の駆動方法の一例を説明する図。 実施形態5のテラヘルツ波発生装置の構成例、及び実施形態6のテラヘルツ波検出装置の構成例と該検出装置の光伝導素子の駆動方法の一例を説明する図。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の光伝導素子において重要なことは、第1及び第2の電極に印加される電圧による電界又はテラヘルツ波の照射による電界が及ぶ範囲内に第3の電極を設けることである。この考え方に基づき、本発明の光伝導素子の基本的な実施形態は、上記した様な構成を有する。即ち、励起光の照射によりキャリアを発生させるための光伝導層に第1の電極、第2の電極、第3の電極が配置される。第2の電極は、第1の電極に対して間隙を有し、第3の電極に印加される電圧により光伝導層の空乏層が制御可能である。より具体的には、第1の電極と第2の電極を含む電極の組は、光伝導層に直接或いは間接的に接して形成され、光伝導層の光励起キャリアの発生領域において間隙を有する2以上の電極(典型的には電極対)から成る。第3の電極は、その少なくとも一部が、電極の組に印加される電圧による電界又はテラヘルツ波の照射による電界が及ぶ範囲内にある。こうした条件を満たして、電極の組との間で電圧差を有して光伝導層における空乏層を制御できるのであれば、光伝導層に対してどの様に設けられてもよい。光伝導層に直接或いは間接的に接して形成されてもよいし、光伝導層内に一部或いは全部が埋め込まれた形態で形成されてもよい。
次に、本発明の思想を実施し得る形態について、図面を参照して説明する。図面では説明を容易にするために縮尺をデフォルメしている部分がある。
(実施形態1)
本発明の実施形態1の光伝導素子を説明する。図1(a)は本実施形態の光伝導素子の概略構成を示した平面図であり、図1(b)は図1(a)のAA’断面図であり、図1(c)は本実施形態の光伝導素子の全体図である。図1(a)は、図1(c)の中で励起光(5)が照射されてテラヘルツ波(6)を発生する部分を拡大して示す。図1に示す様に、本実施形態の光伝導素子は、基板(7)、光伝導層(1)、第1の電極と第2の電極から成る電極対(2)、及び第3の電極(3)を含む。本実施形態では、電極の組は、光伝導層(1)に直接或いは間接的に接して形成された第1の電極と第2の電極から成る電極対である。ただし、光伝導層(1)に或る程度の範囲に亘って電界の発生領域を生じさせることができれば、電極の数、形状、配置形態などは問わない。また、第3の電極は、光伝導層(1)に直接或いは間接的に接して形成された1つの電極で構成されているが、これも、前記発生領域の少なくとも一部において空乏層(4)の厚さ、拡がりなどを変化させられるのであれば、電極の数、形状、配置形態などは問わない。
構成要素の材料、配置等について説明する。基板(7)は絶縁性の高い材料からなることが望ましい。基板(7)の材料としては、半絶縁性ガリウムヒ素(SI-GaAs)や半絶縁性インジウムリン(SI-InP)等が適用できる。また、テラヘルツ波領域において吸収の少ないシリコン(Si)等の材料を用いてもよい。光伝導層(1)は基板(7)の上面に配置される。光伝導層(1)は、励起光(5)の照射により光励起キャリアを発生する材料からなる。この様な材料として、例えば波長0.8μm帯の励起光(5)に対してはガリウムヒ素(GaAs)等が適用でき、波長1.5μm帯の励起光(5)に対してはインジウムガリウムヒ素(InGaAs)等が適用できる。光伝導層(1)の材料は、テラヘルツ波発生に望ましい特性を持つと一般に言われている低温成長によるものでも、そうでないものでもよい。光伝導層(1)は、基板(7)の上面全体を覆う必要は必ずしも無く、少なくとも励起光(5)を照射して光励起キャリアを発生させる領域にあればよい。
上述した様に、光伝導層(1)に接して配置される電極対(2)は、光伝導層(1)に直接接していても、絶縁層やコンタクト層等を挟んで光伝導層(1)に接していてもよい。電極対(2)は電極対(2)の間隙にある光伝導層(1)に電界を印加するために設けられる。電極対(2)は、抵抗を下げるために導電性の物質で構成されることが望ましい。電極対(2)の材料としては、金-ゲルマニウム(AuGe)/ニッケル(Ni)/金(Au)やチタン(Ti)/金(Au)等を用いることができる。また、電極対(2)は、外部から電圧を印加するためのパッドを有する(図1(c)参照)。電極対(2)に関しては、図6(a)、(b)に示す様に電極対(2)の片方の電極が光伝導層(1)の基板(7)側にあってもよい。更には、図7(a)、(b)に示す様に電極対(2)の両方が光伝導層(1)の基板(7)側にあってもよい。
光伝導層(1)に接して配置される第3の電極(3)も、光伝導層(1)に直接接していても、絶縁層やコンタクト層等を挟んで光伝導層(1)に接していてもよい。第3の電極(3)は、電極対(2)への印加電圧とは独立に印加電圧を制御するために、電極対(2)とは接しない様に配置される。第3の電極(3)は、その近傍の光伝導層(1)における空乏層(4)の厚さ等を調整するために設けられる。第3の電極(3)の材料としては、Ti/Au等を用いることができる。第3の電極(3)も、外部から電圧を印加するためのパッドを有する(図1(c)参照)。第3の電極(3)の少なくとも一部は、光伝導素子の抵抗を向上する位置に設けられる。そのために、第3の電極(3)の少なくとも一部は、電極対(2)の間隙における光伝導層(1)の空乏層(4)の厚さ等を調整する位置に設けられる。つまり、電極対(2)間に印加された電圧による電界が及ぶ範囲内にある光伝導層(1)の部分に接する位置に形成される(図1(a)、(b)参照)。より好ましくは、光励起キャリアの発生領域にある光伝導層(1)の部分の電界強度の平均値の1/e以上の電界強度を有する光伝導層(1)の領域に、第3の電極(3)の少なくとも一部が接することが望ましい。こうした構成によれば、第3の電極(3)によって空乏層(4)の厚さをより低電圧(ゼロに近い電圧)で制御できる。更には、電極対(2)の間隙において距離が最も短い経路のある光伝導層(1)の領域に、第3の電極(3)の少なくとも一部が含まれるか接することが望ましい。これは、電極対(2)の間隙において最も距離が短い経路で抵抗を上げることが光伝導素子全体の抵抗の向上に効果的であるからである。例えば図1の光伝導素子では、電極対(2)間の間隔が最も短い領域(図16のB領域)に、第3の電極(3)の少なくとも一部が接することが望ましい。
次に、光伝導素子がテラヘルツ波(6)を発生する原理について説明する。光伝導層(1)に励起光(5)を照射すると、励起光(5)が吸収されて光励起キャリアが発生する。励起光(5)は電極対(2)の間隙にある光伝導層(1)に照射される(図1(b)参照)。発生した光励起キャリアは電極対(2)の間隙に電極対(2)で印加されている電界によって加速され、光伝導層(1)に流れる電流が時間変化する。この様に時間変化する電流に応じて、テラヘルツ波(6)が放射される。簡易的には、テラヘルツ波(6)の電界強度は遠方界において次式の様に表せる。
ETHz∝ dJ/dt
ここで、ETHz:テラヘルツ波(6)の電界強度、J:電流、t:時間である。
この式から、光伝導層(1)における電流の時間変化が大きいほどテラヘルツ波(6)の電界強度が大きくなることが分かる。電流の時間変化は次式の様に表せる。
dJ/dt=e(d(nv)/dt)=e((dn/dt)v+n(dv/dt))
ここで、e:電気素量、n:キャリア濃度、v:キャリアの速度
従って、光励起キャリアの発生量、キャリアの加速度が大きくなるほど、テラヘルツ波(6)の電界強度が大きくなるといえる。励起光(5)としてパルス光を用いる場合、光伝導層(1)にはこの励起光(5)によって光励起キャリアが発生し、瞬間的に導通する。テラヘルツ波(6)の放射強度やパルス幅、周波数といった特性は、一般に知られる様に励起光(5)のパルス幅や光伝導層(1)のキャリア発生量、キャリアの移動度、光伝導層(1)内部の電界分布等に依存する。また、電極対(2)は、外部にテラヘルツ波(6)を放射するために、励起光(5)の照射領域近傍でアンテナ形状を有することが多い。アンテナ形状としては、例えばダイポールアンテナやボウタイアンテナ等が用いられる。
励起光(5)の入射方向は、光伝導層(1)の基板(7)側、基板(7)と反対側、端面側のいずれでもよい。励起光(5)を光伝導層(1)に対して第3の電極(3)のない方向から入射させると、第3の電極(3)によって励起光(5)が遮られない。例えば、図1の場合は基板(7)側から励起光(5)を入射させると、第3の電極(3)によって励起光(5)が遮られない。この様に基板(7)側から励起光(5)を入射させる場合、基板(7)は励起光(5)の吸収の少ない部材からなるのが望ましい。また、前述した様に、励起光(5)の照射領域は電極対(2)の間隙を含むことが望ましい。これは、電界強度の大きい位置で光励起キャリアを発生させると光励起キャリアの加速度が大きくなり、テラヘルツ波(6)の放射強度が向上するためである。更には、電極対(2)間の間隔が最も狭い領域が一般に最も電界の大きい領域なので、励起光(5)はこの様な領域に照射されることが好ましい。
次に、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させる要因について説明する。テラヘルツ波(6)の放射強度を向上するには、光伝導層(1)が短キャリア寿命であること、高移動度であること、励起光(5)が光伝導層(1)に十分吸収されること、光伝導層(1)が低キャリア濃度であること、が有効である。短キャリア寿命であれば、或る時点のパルスによって発生した光励起キャリアが後続のパルスが到達する前に消滅する。従って、後続のパルスによって発生する光励起キャリアに掛かる電界が、1サイクル前のパルスによって発生したキャリアによって遮蔽されるのを防ぐことができる。電界が遮蔽されるとキャリアの加速度が小さくなるためにテラヘルツ波(6)の放射強度が減少してしまうが、短キャリア寿命であればこれを回避することができる。高移動度であれば、キャリアの加速度を大きくできるので、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させることができる。励起光(5)が光伝導層(1)に十分吸収されれば、多くの光励起キャリアを発生することができるため、テラヘルツ波(6)の放射強度を大きくできる。光伝導層(1)が低キャリア濃度であれば、光伝導層(1)に流れる暗電流を小さくできる。従って、高電圧差を印加しても、光伝導素子に流れる電流を低減することができ、これにより、大電流による光伝導素子の損傷の発生を抑制できる。また、励起光(5)を照射していない時に存在するキャリアが少なくなるため、光励起キャリアに掛かる電界の遮蔽を低減できる。これらのことから、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させることができる。更に、外部電圧源から電極対(2)に供給する電圧差の大きさを下げても、光伝導層(1)が高キャリア濃度である場合よりも光伝導層(1)に掛かる電界の低下量が少ない。よって、外部電圧源に必要とされる印加電圧を下げることができ、外部電圧源にかかるコストを低減できる。
第3の電極(3)を設けることによる効果を説明する。上記の様にテラヘルツ波(6)の放射強度を向上させる一手段として、キャリア寿命の低減が有効である。キャリア寿命を短くするために光伝導層を低温成長させることが一般によく行われる。しかし、このプロセスによってキャリア濃度が大きくなってしまう。これは、光励起キャリアに掛かる加速電界を減少させ、テラヘルツ波(6)の放射強度を減少させることになる。そこで、光伝導層の成長後にアニールを実施してキャリア濃度を低減させることが考えられる。しかし、アニールは一般に光伝導層の移動度を低下させる。この様にキャリア濃度低減の手段が、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させるのに必要な他の要因を悪化させてしまうことがある。そこで、本実施形態による光伝導素子は、光伝導層(1)におけるキャリア濃度低減の手段として第3の電極(3)を備える。こうした構成にするので、上述した様に、光伝導層(1)としては低温成長によるものでも、そうでないものでも使用することができる。
図1(a)の様に光伝導層(1)の上面に配置された第3の電極(3)は、光伝導層(1)との間でショットキー接触を形成する。光伝導層(1)の上面には光伝導層(1)の表面欠陥に起因する空乏層(4)が形成される。空乏層(4)ではキャリア濃度が小さくなっており、高抵抗である。この様な性質を有する空乏層(4)の厚さが光伝導層(1)の厚さよりも薄いと、電極対(2)間に低抵抗で導通する領域を有することになる。従って、光伝導素子の抵抗は小さくなってしまう。このことから、空乏層(4)の厚さを増大させることが好ましい。
光伝導素子は大きな電流によって損傷するので、低抵抗の導通領域があるときには電極対(2)に印加する電圧を抑えて電流を抑制することが望ましい。一方で、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させるには電極対(2)に印加する電圧を高くすることが有効である。従って、光伝導層(1)に低抵抗の導通領域が残る場合、テラヘルツ波(6)の放射強度が抑制される。ここで、第3の電極(3)に電圧を印加することで、空乏層(4)の厚さを変化させることができる。キャリアが電子の場合は、第3の電極(3)にマイナスの電圧を印加することで、空乏層(4)の厚さを大きくすることができる。この様にして空乏層(4)の厚さを光伝導層(1)の厚さに達しさせることで(好ましくは充分な拡がりをもって)、電極対(2)間の低抵抗の導通領域をなくすことができる。よって、光伝導素子の抵抗を大きくして高電界を印加することを可能にし、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させることができる。
第3の電極(3)の配置、形状などは、電極対(2)の間にある光伝導層(1)に形成される空乏層(4)の厚さを増大できるものであればよい。例えば、図3(a)の様な配置としてもよい。この場合、第3の電極(3)が図1(a)の場合より電極対(2)の間隙により長く進入する形態となっている。よって、電極対(2)の間隙の光伝導層(2)にある低抵抗な導通領域(空乏層が形成されていない領域)をより減少することができる。この結果、図1(a)の光伝導素子よりも抵抗を増大することができる。図3(a)の光伝導素子でも、励起光(5)を光伝導層(1)に対して基板(7)側から入射すると、励起光(5)が第3の電極(3)によって遮られない。また、第3の電極(3)は、図3(b)の様に励起光(5)の照射部に励起光(5)を透過するための穴を有してもよい。この場合、励起光(5)の入射量を増大することができる。
以下、本実施形態による光伝導素子のより詳細な構成例と動作例について説明する。基板(7)はSI−InP、光伝導層(1)は基板(7)のSI−InPと格子整合したInGaAs(In:Ga存在比=0.53:0.47)、電極対(2)はAuGe/Ni/Au、第3の電極(3)はTi/Auからなる。光伝導層(1)は基板(7)上に分子線エピタキシー(MBE)法でエピタキシャル成長される。電極対(2)や第3の電極(3)はリフトオフプロセスで作製することが可能である。AuGe/Ni/Auはアロイプロセス(アロイ温度は例えば400℃)によって、光伝導層(1)との間でオーミック接触を形成する。なお、電極対(2)の接触状態としてはTi/Auの様なショットキー接触を用いることも可能である。この場合、アロイプロセスが不要であり、表面や界面の形状の乱れが少ない。
励起光(5)としては、エルビウム(Er)ファイバレーザ光源によって生成される波長1.5μm帯のパルス光を使用する。このパルス光のパルス幅は典型的には100fsである。また、パルスの繰り返し周波数は50MHzを用いることができる。電極対(2)は図1(a)の様に間隙を持っており、この間隙の左右で異なる電位を与えることにより光伝導層(1)に電界を印加することができる。この間隙のサイズを5μmとする。また、アンテナの形状はダイポールアンテナであり、AA’断面におけるアンテナ全体の基板(7)水平方向の長さは25μmとする。
ここで、アンテナ全体に渡って、光伝導層(1)におけるプラズマ周波数を、使用するテラヘルツ波(6)の周波数範囲よりも小さくする。これは、光伝導層(1)でのテラヘルツ波(6)の損失を低減するためである。一般に知られる様に、プラズマ周波数を小さくするには例えばキャリア濃度を小さくすればよい。光伝導層(1)でテラヘルツ波(6)はアンテナ長程度に広がり、アンテナの外部へ放射される。従って、プラズマ周波数を上記した様にするとよい。本例では、例えば光伝導層(1)のキャリア濃度が1×1013cm−3であればプラズマ周波数は100GHz程度となる。一方で、光伝導層(1)のキャリア濃度が1×1017cm−3であればプラズマ周波数は約10THzを超える。
光伝導層(1)の厚さは1.6μmとする。すなわち、光励起キャリアを多く発生させてテラヘルツ波(6)の放射強度を向上させるために、光伝導層(1)は励起光(5)を十分吸収できる厚さとする。例えば励起光(5)の波長における光学吸収長が1μmであるInGaAsを光伝導層(1)とする場合、光伝導層(1)の厚さが1.6μmであれば約80%の励起光(5)を吸収することができる。ここで、例えばInGaAsからなる光伝導層(1)の空乏層(4)の厚さは0.8μmであり、光伝導層(1)の厚さ(1.6μm)よりも薄いため、図2(a)に示す様に低抵抗の導通領域が残る。図2では、電極対(2)の片方(図2の左側にある電極)を電圧の基準(0V)としている。電極対(2)の他方(図2の右側にある電極)へは10Vの電圧を印加している。また、これらの電圧印加状態を反映して、空乏層(4)の形状は図2に示す様に左右対称からずれている。ここで、第3の電極(3)にマイナス2Vを印加する(図2(b)参照)。すると、空乏層(4)が厚くなり、光伝導層(1)の下面にまで到達する。つまり、電極対(2)の間隙において、低抵抗の導通領域がなくなる。よって、光伝導層(1)に高電圧差を印加することができ、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させることができる。
図2(b)に示す様に、第3の電極(3)へのマイナス電圧の印加に伴って最も先に空乏層(4)が光伝導層(1)の下面に到達する部分は、プラスに電圧印加した電極対(2)の電極に近い側である。第3の電極(3)への印加電圧をマイナス方向に更に大きくしていくと、0Vを印加した電極に近い側でも空乏層(4)が光伝導層(1)の下面に達する様になる(図2(c)参照)。ここで、第3の電極(3)への印加電圧をマイナス方向に低くしすぎると、第3の電極(3)と電極対(2)の間の電圧差が高電圧となる。これは、素子の損傷や、電極対(2)によるキャリアの流れとは反対方向のキャリアの流れを引き起こす。そこで、第3の電極(3)への印加電圧の大きさ(ここではキャリアが電子として、マイナス方向への大きさ)は電極対(2)間の電圧差を超えない様にするとよい。より好ましくは、第3の電極(3)への印加電圧の大きさは電極対(2)間の電圧差未満であるとよい。すなわち、キャリアが正孔である場合も含んで、第3の電極(3)への印加電圧の絶対値は電極対(2)間の電圧差未満であるとよい。この様に、空乏層制御電極と電極の組との間に電圧差を与えて光伝導層における空乏層の厚さを制御する。この際、第3の電極への印加電圧は電極対の両方の電極への印加電圧と夫々異なるが、典型的には、電極対の一方の電極への基準電圧を挟んで電極対の他方の電極への印加電圧と第3の電極への印加電圧が設定される。
以上で説明した様に本実施形態の素子構成によって、光伝導層(1)の抵抗を向上させることができる。従って、光伝導層(1)に高電圧差を印加できるので、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させることができる。
(実施形態2)
本発明の光伝導素子に係る実施形態2は、上述した光伝導素子の変形例に関する。これまでの説明と共通する部分の説明は省略する。図4(a)は本実施形態の光伝導素子の上面図であり、図4(b)は図4(a)のAA’断面図である。実施形態1の光伝導素子と異なる点は、図4(b)の様に第3の電極(3)が光伝導層(1)と基板(7)の間に配置されている点である。本実施形態の光伝導素子を作製するには、第3の電極(3)を光伝導層(1)と基板(7)の間に配置する必要がある。これには、いわゆる転写プロセスを適用することができる。ここでは、例えば、適切な材料の基板の上にバッファ層、エッチストップ層、光伝導層(1)を分子ビームエピタキシー法などで成長する。次に、フォトリソグラフィによって形成したフォトレジストを用いてリフトオフを行い、第3の電極(3)を形成する。光伝導層(1)と第3の電極(3)を形成したウエハは、適当なサイズに切り出したあとに、第3の電極(3)のある該ウエハの面と基板(7)とのコンタクトのアライメントを行いながら、適当な方法で接着する。次に、前記適切な材料の基板をエッチングにて除去しエッチストップ層を除去した後に、そこに電極対(2)を形成する。
本実施形態の光伝導素子では、第3の電極(3)が光伝導層(1)と基板(7)の間に配置されているため、光伝導層(1)上面から入射される励起光(5)が第3の電極(3)によって妨げられない。よって、光励起キャリアの発生量を向上でき、テラヘルツ波(6)の放射強度を向上させることができる。また、第3の電極(3)は光伝導層(1)の下面(基板(7)側)から光伝導層(1)内部に向かって伸びる空乏層(4)の厚さを調整することが可能である。一般的には光伝導層(1)の上面(空気に接する側)には空乏層(4)が形成されている。すなわち、表面は結晶の連続性が途切れる箇所のため、電子をトラップする様な欠陥が多くでき、表面近くにある電子はその表面欠陥に引き込まれる。そのため、表面近くは電子が空乏した状態(空乏層)となる。そのため、この場合は上下から伸びる空乏層(4)が接すれば、電極対(2)の間にある光伝導層(1)の部分において高抵抗領域で挟むことになる。例えば光伝導層(1)の上面から伸びる空乏層(4)の厚さが0.8μmとすると、2μm厚の光伝導層(1)に対しては第3の電極(3)にマイナス1.5Vの電圧を印加すれば低抵抗の導通領域をなくせることになる。
図4では第3の電極(3)を光伝導層(1)と基板(7)の間に配置していたが、図5に示す様に上下に形成した第3の電極(3)で光伝導層(1)を挟む構成にしてもよい。光伝導層(1)の上下にある第3の電極(3)には同じ電圧を印加してもよいし、独立に異なる電圧を印加してもよい。この様に本実施形態の光伝導素子では、励起光(5)の入射量を向上することができる、及び/または、第3の電極(3)への印加電圧の絶対値を比較的小さくしても空乏層(4)の厚さを充分に確保できるという効果が奏される。
(実施形態3)
本発明の光伝導素子に係る実施形態3は、上述した光伝導素子の変形例に関する。これまでの説明と共通する部分の説明は省略する。図8(a)は本実施形態の光伝導素子の上面図であり、図8(b)は図4(a)のAA’断面図である。上記光伝導素子と異なる点は、第3の電極(3)が励起光(5)の波長に対して透明な電極であるという点である。透明電極の材料としては、例えばITO(スズドープ酸化インジウム)を用いることができる。第3の電極(3)に透明電極を用いれば、光伝導層(1)への励起光(5)の入射量を向上することができる。更に、励起光(5)を妨げないので、図8(a)、(b)に示す様に図1(a)の場合よりも第3の電極(3)のサイズを大きくすることが可能である。この様にした場合、光伝導層(1)における空乏層(4)の制御、延いては抵抗の制御が容易になる。
この様に本実施形態の光伝導素子では、励起光(5)の入射量を向上させることができ、この結果、光励起キャリアの発生量を向上でき、テラヘルツ波の放射強度を向上できるという効果が奏される。
(実施形態4)
実施形態4は、本発明の光伝導素子の駆動方法に関する。これまでの説明と共通する部分の説明は省略する。図9は、本実施形態の光伝導素子の2つの時点における断面図を示す。光伝導素子の上面図は図1(a)と同様である。本実施形態では、第3の電極(3)に印加されている電圧を時間的に変調する。例えば、図1(a)に示す光伝導素子においては、中心電圧マイナス1V、振幅1Vの正弦波を第3の電極(3)に印加する。すると、最低電圧(マイナス2V)では空乏層(4)は図9(a)の様に光伝導層(1)の下面にまで達し、光伝導層(1)の抵抗は最大となる。一方、最高電圧(0V)では空乏層(4)の厚さは図9(b)の様に1μm以下となり、光伝導層(1)の抵抗は最低となる。このとき、電極対(2)には10Vの電圧差を印加しておく。
この様に変調を行えば、光伝導層(1)の抵抗が最大の時にテラヘルツ波(6)の放射強度が最大となり、光伝導層(1)の抵抗が最低の時にテラヘルツ波(6)の放射強度が最低となる。従来は一般的に、チョッパーによる励起光(5)の変調によってテラヘルツ波(6)の変調が行われてきたが、本実施形態によればチョッパーを用いずにテラヘルツ波(6)の変調を実施できる。変調周波数は、例えばチョッパーを用いた場合と同等の100MHzとすることも可能である。この様に本実施形態の光伝導素子の駆動方法では、空乏層制御電極と電極の組の電極のうちの少なくとも1つの電極に印加する電圧値を時間的に変調することで、チョッパーを用いずにテラヘルツ波(6)の変調を実施できるという効果が奏される。
(実施形態5)
実施形態5は、本発明の光伝導素子を用いたテラヘルツ波発生装置に関する。ここでも、これまでの説明と共通する部分の説明は省略する。本実施形態のテラヘルツ波発生装置の構成を示す図10(a)において、励起光発生部(9)から発生した励起光(5)は光伝導素子(8)に入射し、電極対(2)の間隙に照射される。光伝導素子(8)の電極対(2)には、図1(c)に示した様なパッドを通して電極対用電源(10)から電圧が印加されている。前述した様に、この様な構成によってテラヘルツ波(6)が光伝導素子(8)から放射される。実施形態1から4で説明したのと同様に、第3の電極(3)には第3の電極用電源(12)によって電圧が印加されている。
この様な本実施形態のテラヘルツ波発生装置により、電極の組との間で電圧差を有して空乏層制御電極に電圧を印加した状態で、電極の組の間隙に励起光を照射してテラヘルツ波を発生することができる。本発明の光伝導素子(8)を用いるので、放射強度の大きいテラヘルツ波(6)を発生できる。
(実施形態6)
実施形態6は、本発明の光伝導素子を用いたテラヘルツ波検出装置に関する。ここでも、これまでの説明と共通する部分の説明は省略する。図10(b)は、本実施形態のテラヘルツ波検出装置の構成を示し、図10(c)は、本発明の光伝導素子を検出素子として使用する場合の電流計(11)の配置やバイアスの関係の一例を示す。本実施形態において、励起光発生部(9)から発生した励起光(5)は光伝導素子(8)に入射する。励起光(5)は、図10(c)に示す様に電極対(2)の間隙に照射される。光伝導素子(8)の電極対(2)は、図1(c)に示した様なパッドを通して電流計(11)に接続されている。また、検出対象であるテラヘルツ波(6)も光伝導素子(8)の電極対(2)に入射される。一般に知られる様に、励起光(5)によって発生した光励起キャリアはテラヘルツ波(6)の電界によって加速さる。その結果、テラヘルツ波(6)の電界強度に応じた電流が電極対(2)間に流れる。この電流を電極対(2)に接続された電流計(11)によって測定することで、テラヘルツ波(6)を検出できる。励起光(5)のパルス幅はテラヘルツ波(6)のパルス幅より十分小さく、電流値は励起光(5)が照射されている瞬間のテラヘルツ波(6)の電界強度を反映する。電流の検出精度を向上するために、ロックインアンプ等を用いてもよい。
ここで、例えば、電極対(2)の電圧を基準として第3の電極用電源(12)によって第3の電極(3)にマイナス2Vの電圧を印加すると、光伝導層(1)の空乏層の厚さが光伝導層(1)の厚さに達する。これにより、光伝導層(1)の抵抗が大きくなって、電流計(11)によって測定される電流値のバックグラウンドが小さくなる。つまり、光励起キャリア以外のキャリアによる電流値が小さくなる。これは測定のノイズとなるため、第3の電極(4)への電圧印加によってテラヘルツ波(6)の検出精度が向上する。この様なテラヘルツ波検出装置によれば、電極の組との間で電圧差を有して空乏層制御電極に電圧を印加した状態で、電極の組の間隙に励起光とテラヘルツ波を照射して電極の組の電極間に流れる電流を測定し、テラヘルツ波を検出できる。本発明の光伝導素子(8)を用いるので、高精度にテラヘルツ波(6)を検出できる。
1 光伝導層、2 電極対(第1の電極、第2の電極)、3 第3の電極、4 空乏層、5 励起光、6 テラヘルツ波、8 光伝導素子、9 励起光発生部、10 電源、11 電流計

Claims (6)

  1. 光伝導素子であって、
    励起光の照射によりキャリアを発生させるための光伝導層と、
    前記光伝導層に配置される第1の電極と、
    前記第1の電極に対して間隙を有し、且つ前記光伝導層に配置される第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極に印加される電圧による電界又はテラヘルツ波の照射による電界が及ぶ範囲内に配置される第3の電極と、を有し、
    前記第3の電極に印加される電圧により前記光伝導層の空乏層を制御可能に構成されることを特徴とする光伝導素子。
  2. 前記第1及び第2の電極に印加される電圧による電界が及ぶ範囲は、前記光励起キャリアの発生領域にある前記光伝導層の部分の電界強度の平均値の1/e以上の電界強度を有する前記光伝導層の領域であることを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  3. 前記第3の電極は前記励起光の波長に対して透明であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝導素子。
  4. 前記第3の電極と前記第1及び第2の電極のうちの少なくとも1つの電極に印加する電圧値を時間的に変調することが可能な様に構成されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光伝導素子。
  5. 励起光を発生する励起光発生部と、請求項1から4の何れか1項に記載の光伝導素子と、を有し、
    前記第1及び第2の電極との間で電圧差を有して前記第3の電極に電圧を印加した状態で、前記第1及び第2の電極の間隙に前記励起光を照射してテラヘルツ波を発生することを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
  6. 励起光を発生する励起光発生部と、請求項1から4の何れか1項に記載の光伝導素子と、を有し、
    前記第1及び第2の電極との間で電圧差を有して前記第3の電極に電圧を印加した状態で、前記第1及び第2の電極の間隙に前記励起光とテラヘルツ波を照射して前記第1及び第2の電極の電極間に流れる電流を測定することで前記テラヘルツ波を検出することを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
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