JP6299958B2 - 光伝導アンテナ、カメラ、イメージング装置、および計測装置 - Google Patents

光伝導アンテナ、カメラ、イメージング装置、および計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、光伝導アンテナ、カメラ、イメージング装置、および計測装置に関する。
近年、100GHz以上30THz以下の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波が注目されている。テラヘルツ波は、例えば、イメージング、分光計測等の各種計測、非破壊検査等に用いることができる。
このテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生装置は、例えば、サブピコ秒(数百フェムト秒)程度のパルス幅をもつ光パルスを発生させる光パルス発生装置と、光パルス発生装置で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生させる光伝導アンテナ(Photo Conductive Antenna:PCA)と、を有している。
例えば特許文献1には、半絶縁性GaAs基板と、半絶縁性GaAs基板上に低温MBE(分子線エピタキシー)法によって形成されたGaAs(LT−GaAs)層と、LT−GaAs層上に形成された一対の電極と、を備えた光伝導アンテナが記載されている。さらに、特許文献1には、LT−GaAs層で励起された自由キャリアがバイアス電圧による電場で加速されて電流が流れ、この電流の変化によって、テラヘルツ波が発生することが記載されている。
上記のような光伝導アンテナにおいて発生するテラヘルツ波の強度は、大きいことが望ましく、これにより、例えば検出感度の高いカメラやイメージング装置、計測装置を実現することができる。
特開2009−124437号公報
光伝導アンテナにおいて発生するテラヘルツ波の強度は、光伝導アンテナにおいてキャリアが移動する(走行する)層のキャリア移動度に依存することが知られている。すなわち、該層のキャリア移動度が大きいほど、光伝導アンテナにおいて発生するテラヘルツ波の強度は大きくなる。
特許文献1の光伝導アンテナでは、LT−GaAs層のキャリア移動度(電子移動度)が100cm/Vs〜150cm/Vsと小さいため、光電流の時間変化が小さく、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができない場合がある。そのため、検出感度の高いカメラやイメージング装置、計測装置を実現することができない場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、従来よりも、キャリア移動度を高め、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる光伝導アンテナを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記の光伝導アンテナを含むカメラ、イメージング装置、および計測装置を提供することにある。
本発明に係る光伝導アンテナは、
光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する光伝導アンテナであって、
前記光パルスが照射されてキャリアを形成する第1層と、
前記第1層上方に位置し、かつ、前記第1層のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有する第2層と、
前記第2層上方に位置し、かつ、前記第2層に電圧を印加する第1電極および第2電極と、
を含む。
このような光伝導アンテナでは、キャリアを形成する層と、印加電圧によってキャリアが移動する層と、を別々に設けている。そのため、このような光伝導アンテナでは、第1層において多数のキャリアを形成することができ、かつ、キャリア移動度の大きい第2層中をキャリアが移動することができる。したがって、このような光伝導アンテナでは、キャリアが移動する層のキャリア移動度を高めることができ、強度の大きなテラヘルツ波を発生する(放射する)ことができる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第1層は、半絶縁性基板によって構成されていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第1層は、GaAsからなっていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、第1層において、多数のキャリアを形成することができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第1層は、シリコンからなっていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、例えば第1層がGaAsからなる場合に比べて、基板を安価に形成することができ、かつ汎用的な半導体製造プロセスで形成されることができるため、低コスト化を図ることができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第2層は、炭素を主成分とする材料からなっていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第2層は、グラフェンからなっていてもよい。
このような光伝導アンテナでは、キャリアが移動する層として、LT−GaAs層や半絶縁性GaAsからなる層を用いる場合に比べて、キャリアが移動する層のキャリア移動度を高めることができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第2層は、カーボンナノチューブを含んでいてもよい。
このような光伝導アンテナでは、キャリアが移動する層として、LT−GaAs層や半絶縁性GaAsからなる層を用いる場合に比べて、キャリアが移動する層のキャリア移動度を高めることができる。
本発明に係る光伝導アンテナにおいて、
前記第2層と前記第1電極との間、および前記第2層と前記第2電極との間に位置する絶縁層を含んでもよい。
このような光伝導アンテナでは、耐圧を高くすることができる。その結果、このような光伝導アンテナでは、高い信頼性を有することができる。
本発明に係るテラヘルツ波発生装置は、
前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
を含む。
このようなテラヘルツ波発生装置にでは、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる。
本発明に係るカメラは、
前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
前記テラヘルツ波検出部の検出結果を記憶する記憶部と、
を含む。
このようなカメラでは、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本発明に係るイメージング装置は、
前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、
を含む。
このようなイメージング装置では、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本発明に係る計測装置は、
前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する本発明に係る光伝導アンテナと、
前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、
を含む。
このような計測装置では、本発明に係る光伝導アンテナを含むため、高い検出感度を有することができる。
本実施形態に係る光伝導アンテナを模式的に示す断面図。 本実施形態に係る光伝導アンテナを模式的に示す平面図。 本実施形態に係る光伝導アンテナの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る光伝導アンテナの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る光伝導アンテナの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態の第1変形例に係る光伝導アンテナを模式的に示す断面図。 本実施形態の第2変形例に係る光伝導アンテナを模式的に示す断面図。 本実施形態に係るテラヘルツ波発生装置の構成を示す図。 本実施形態に係るイメージング装置を示すブロック図。 本実施形態に係るイメージング装置のテラヘルツ波検出部を模式的に示す平面図。 対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフ。 対象物の物質A、BおよびCの分布を示す画像の図。 本実施形態に係る計測装置を示すブロック図。 本実施形態に係るカメラを示すブロック図。 本実施形態に係るカメラを模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 光伝導アンテナ
まず、本実施形態に係る光伝導アンテナについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る光伝導アンテナ100を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る光伝導アンテナ100を模式的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。
光伝導アンテナ100は、図1および図2に示すように、第1層10と、第2層20と、第1電極30と、第2電極32と、を含む。光伝導アンテナ100は、光パルスPが照射されてテラヘルツ波Tを発生する。
なお、光パルスとは、短時間に急峻に強度が変化する光をいう。光パルスPのパルス幅(半値全幅FWHM)は、特に限定されないが、例えば、1fs(フェムト秒)以上800fs以下である。また、テラヘルツ波とは、周波数が、100GHz以上30THz以下の電磁波、特に、300GHz以上3THz以下の電磁波をいう。
第1層10は、例えば、半絶縁性基板によって構成されている。ここで、半絶縁性基板とは、化合物半導体によって構成される基板であって、高抵抗(例えば、比抵抗が10Ω・cm以上)な基板のことをいう。具体的には、第1層10を構成する半絶縁性基板は、不純物を含まない(ドーピングされていない)GaAs基板である。すなわち、具体的には第1層10は、GaAsからなる。第1層10を構成するGaAsは、ストイキオメトリーな状態であってもよい。すなわち、第1層10を構成するGaとAsとは、1:1の割合で存在していてもよい。第1層10が半絶縁性GaAs基板からなる場合、第1層10のキャリア移動度(電子移動度)は、例えば、3000cm/Vs以上8500cm/Vs以下である。第1層10を構成する半絶縁性基板は、InP基板やInAs基板、InSb基板であってもよい。
なお、キャリア移動度とは、キャリア(電子および正孔)が固体の物質中を移動するとき、単位電界強度の下で単位時間当たりに移動する距離のことであり、固体の物質中でのキャリアの移動のしやすさをいう。以下では、キャリア移動度とは、電子移動度のことを指す。
第1層10は、シリコン(Si)基板によって構成されていてもよい。すなわち、第1層10は、シリコンからなっていてもよい。第1層10を構成するシリコンは、単結晶シリコンであってもよいし、多結晶シリコンであってもよいし、アモルファスシリコンであってもよい。第1層10が単結晶シリコン基板からなる場合、第1層10のキャリア移動度は、例えば、1000cm/Vs以上2000cm/Vs以下である。
第1層10は、光パルスPが照射されてキャリアCを形成する。具体的には、第1層10は、複数の(多数の)キャリアCを形成する。第1層10は、テラヘルツ波Tの少なくとも一部を透過する。
第2層20は、第1層10上に位置している。第2層20は、第1層10のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有している。第2層20は、炭素を主成分とする材料からなる。ここで、炭素を主成分とする材料とは、炭素のみからなる材料であってもよいし、炭素を主成分とし炭素以外の元素を副成分とする材料であってもよい。第2層20を構成する材料は、結晶質であってもよい。なお、第2層20は、第1層10のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有していれば、炭素を主成分とする材料以外の材料によって構成されていてもよい。
第2層20は、例えば、グラフェンからなる。ここで、グラフェンとは、炭素原子が六角形の格子状に並んだ、1原子の厚さの層のことをいう。第2層20は、グラフェン単層で構成されていてもよいし、グラフェンが複数積層されて構成されていてもよい。第2層20がグラフェンからなる場合、第2層20のキャリア移動度は、例えば、200000cm/V程度である。この場合、光伝導アンテナ100において発生するテラヘルツ波の強度比Rは、例えば、1000以上2000以下である。ここで、強度比Rとは、光伝導アンテナ100において発生するテラヘルツ波の強度I100と、LT−GaAs層においてキャリアが形成され該キャリアが印加電圧によってLT−GaAs層中を移動する光伝導アンテナにおいて発生するテラヘルツ波の強度Iと、の比(I100/I)である。
なお、グラフェンは、下地層(グラフェンが設けられている層)の影響を受ける場合がある。例えばSiO層上にグラフェンが設けられている場合、グラフェンのキャリア移動度は、例えば、40000程度であり、テラヘルツ波の強度比Rは、例えば、200以上400以下である。
第2層20は、カーボンナノチューブ(CNT)を含んで構成されていてもよい。ここで、カーボンナノチューブとは、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になった物質のことをいう。第2層20がカーボンナノチューブを含んで構成されている場合、第2層20のキャリア移動度は、例えば、30000cm/V程度であり、テラヘルツ波の強度比Rは、例えば、200程度である。
第2層20は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)から構成されていてもよい。ここで、ダイヤモンドライクカーボンとは、主として炭化水素、あるいは、炭素の同素体からなるアモルファスの硬質膜のことをいい、ダイヤモンド結合(SP3結合)とグラファイト結合(SP2結合)との両方の結合が混在している構造をとる。
第2層20は、光パルスPの少なくとも一部を透過させる。第2層20の光パルスPに対する透過率は、例えば、80%以上である。光パルスPの波長は、第1層10において吸収される波長であり、例えば、800nm程度である。第2層20がグラフェンからなる場合、第2層20の赤外光(波長700nm〜900nmの光)に対する透過率は、例えば、70%以上95%以下である。第2層20の厚さは、例えば、数百nm以下であり、具体的には、1原子層以上数十nm以下である。
なお、図示はしないが、第2層20の光パルスPに対する透過率が低い場合は、第2層20に開口部を設け、該開口部に光パルスPを通すことによって、第1層10を照射してもよい。
第1電極30および第2電極32は、第2層20上に位置している。電極30,32には、第2層20に電圧を印加する電極である。電極30,32は、第2層20に直流(DC)電圧を印加してもよいし、交流(AC)電圧を印加してもよい。電極30,32は、第2層20とオーミックコンタクトしていてもよい。
第1電極30および第2電極32は、例えば、Au層、Pt層、Ti層、Al層、Cu層、Cr層、またはこれらの積層体である。例えば、電極30,32としてAu層とCr層との積層体を用いた場合、Cr層は、第2層20とAu層との密着性を向上させることができる。
第1電極30は、図2に示すように、第1基部30aと、第1基部30aから第2電極32側に突出している第1突出部30bと、を有している。第2電極32は、第2基部32aと、第2基部32aから第1電極30側に突出している第2突出部32bと、を有している。突出部30b,32b間の距離は、例えば、1μm以上100μm以下であり、より具体的には、5μm程度である。図示の例では、突出部30b,32bの平面形状(第1層10と第2層20との積層方向から見た形状)は、矩形である。すなわち、光伝導アンテナ100は、ダイポール型のPCAである。図示の例では、基部30a,32aは、帯状の平面形状を有している。
なお、図示はしないが、第1突出部30bは、第2電極32側に向かうについて幅が狭くなる台形の平面形状を有していてもよい。同様に、第2突出部32bは、第1電極30側に向かうについて幅が狭くなる台形の平面形状を有していてもよい。すなわち、光伝導アンテナ100は、ボウタイ型のPCAであってもよい。
次に、光伝導アンテナ100の動作について説明する。電極30,32により第2層20に電圧を印加した状態で、平面視において(第1層10と第2層20との積層方向から見て)突出部30b,32b間の領域2に、光パルスPを照射する。光パルスPは、第2
層20を透過して第1層10を照射する。
光パルスPの照射によって、第1層10中にキャリア(例えば電子)Cが瞬時に生成する。第2層20のキャリア移動度は、第1層10のキャリア移動度よりも大きいため、キャリアCは、第1層10から第2層20に移動する。第2層20に移動したキャリアは、電極30,32により印加された電圧によって加速されて移動し(走行し)、第2層20中に瞬間的に電流(光電流)が流れる。そして、光電流の時間変化に比例した強度を有するテラヘルツ波Tが発生する。光電流の時間変化は、第2層20のキャリア移動度に比例する。したがって、光伝導アンテナ100には、第2層20のキャリア移動度に比例した強度を有するテラヘルツ波Tが発生する。
なお、図示の例では、キャリアCは、第1電極30側から第2電極32側に向けて移動しているが、第2電極32側から第1電極30側に向けて移動していてもよい。また、光パルスPが照射される位置や面積は、平面視において突出部30b,32b間の領域2であれば、特に限定されない。
また、図示はしないが、光パルスPの照射により、第2層20においてキャリアが生成してもよい。ただし、第2層20において生成するキャリアの数(例えば単位体積において発生するキャリアの数)は、第1層10において生成するキャリアの数よりも少ない。
光伝導アンテナ100は、例えば、以下の特徴を有する。
光伝導アンテナ100では、光パルスPが照射されてキャリアを形成する第1層10と、第1層10上に位置し、かつ、第1層10のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有する第2層20と、を含む。このように、光伝導アンテナ100では、キャリアを形成する層と、印加電圧によってキャリアが移動する層と、を別々に設けている。そのため、光伝導アンテナ100では、第1層10において多数のキャリアを形成することができ、かつ、キャリア移動度の大きい第2層20中をキャリアが移動することができる。したがって、光伝導アンテナ100では、キャリアが移動する層のキャリア移動度を高めることができ、強度の大きなテラヘルツ波Tを発生することができる。
光伝導アンテナ100では、第1層10は、半絶縁性基板によって構成され、具体的には、GaAsからなる。そのため、光伝導アンテナ100では、第1層10において、多数のキャリアを形成することができる。
光伝導アンテナ100では、第1層10は、例えば、シリコンからなる。そのため、光伝導アンテナ100は、例えば第1層10がGaAsからなる場合に比べて、基板を安価に形成することができ、かつ汎用的な半導体製造プロセスで形成されることができるため、低コスト化を図ることができる。
光伝導アンテナ100では、第2層20は、炭素を主成分とする材料からなる。具体的には、第2層20は、グラフェンからなる。または、第2層20は、カーボンナノチューブを含んで構成される。または、第2層20は、ダイヤモンドライクカーボンからなる。そのため、光伝導アンテナ100では、キャリアが移動する層として、LT−GaAs層や半絶縁性GaAsからなる層を用いる場合に比べて、キャリアが移動する層のキャリア移動度を高めることができる。
2. 光伝導アンテナの製造方法
次に、本実施形態に係る光伝導アンテナの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3〜図5は、本実施形態に係る光伝導アンテナ100の製造工程を模式的に示す
断面図であって、図1に対応している。以下では、第2層20としてグラフェンからなる層を用いる場合について説明する。
図3に示すように、第1層10上にSiC層22を形成する。SiC層22は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、PECVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によって形成される。第1層10がシリコンからなる場合、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などによって、第1層10上にSiC層22をエピタキシャル成長させてもよい。
図4および図5に示すように、熱処理を行って、SiC層22を、グラフェンからなる第2層20にする。例えば、図4に示すように、熱処理によってSiC層22は上面側から第2層20となり、その後、図5に示すように、SiC層22は全て第2層20となる。具体的には、1000℃程度の熱処理によって、SiC層22のSiが抜け、グラフェンからなる第2層20が形成される。熱処理は、例えば、レーザーアニールやランプアニールによって行われる。
なお、図5に示すように、SiC層22を全て第2層20とせずに、例えば図4に示すように、第1層10と第2層20との間にSiC層22が位置している状態で、熱処理を止めてもよい。
図1に示すように、第2層20上に、第1電極30および第2電極32を形成する。電極30,32は、例えば、真空蒸着法およびリフトオフ法の組合せなどにより形成される。
以上の工程により、光伝導アンテナ100を製造することができる。
なお、第1層10上に、例えば電子ビーム(EB)蒸着法により炭素からなる層(カーボン膜)を形成し、該カーボン膜を熱処理することによって、グラフェンからなる第2層20を形成してもよい。
また、第2層20としてカーボンナノチューブを用いる場合、第2層20は、例えば、レーザーアブレーション法、CVD法によって形成される。また、第2層20としてダイヤモンドライクカーボンを用いる場合、第2層20は、例えば、CVD法、真空蒸着法、スパッタ法によって形成される。
3. 光伝導アンテナの変形例
3.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る光伝導アンテナについて、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の第1変形例に係る光伝導アンテナ200を模式的に示す断面図であって、図1に対応している。
以下、本実施形態の第1変形例に係る光伝導アンテナ200において、上述した本実施形態に係る光伝導アンテナ100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、以下に示す本実施形態の第2変形例に係る光伝導アンテナについても同様である。
光伝導アンテナ200では、図6に示すように、絶縁層40を含む点において、上述した光伝導アンテナ100と異なる。
絶縁層40は、第2層20と第1電極30との間、および第2層20と第2電極32との間に位置している。具体的には、絶縁層40は、第2層20上に位置し、電極30,32は、絶縁層40上に位置している。
絶縁層40は、例えば、SiO層である。絶縁層40の厚さは、電極30,32によって第2層20に電圧を印加できる程度の厚さである。絶縁層40は、光パルスの少なくとも一部を透過させる。絶縁層40は、例えば、CVD法によって形成される。
光伝導アンテナ200では、絶縁層40によって耐圧を高くすることができる。すなわち、絶縁層40によって、電極30,32間に電流が流れることを抑制することができる。その結果、光伝導アンテナ200では、高い信頼性を有することができ、低消費電力化も図ることができる。
3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る光伝導アンテナについて、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の第2変形例に係る光伝導アンテナ300を模式的に示す断面図であって、図1に対応している。
光伝導アンテナ300では、図7に示すように、第3層50を含む点において、上述した光伝導アンテナ100と異なる。
第3層50は、第1層10上に位置している。第3層50は、第1層10と第2層20との間に位置している。第3層50には、開口部52が設けられている。図示の例では、開口部52は、2つ設けられているが、その数は特に限定されない。開口部52は、第2層20によって充填されている。第1層10において生成したキャリアCは、例えば、開口部52を通った後、第2層20中を第1電極30側から第2電極32側に向けて移動する。
第3層50は、例えば、SiC層22(図3および図4参照)をエピタキシャル成長により積層させることができる層である。すなわち、光伝導アンテナ300の製造方法では、MOCVD法やMBE法によって、第3層50上にSiC層22をエピタキシャル成長させることができる。さらに、第3層50に設けられた開口部52を、エピタキシャル成長させたSiC層22で充填することができる。具体的には、第3層50は、SiO層である。
第3層50は、例えば、CVD法によって形成される。開口部52は、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって第3層50をパターニングすることにより形成される。
光伝導アンテナ300では、上述のとおり、第3層50によって、SiC層22をエピタキシャル成長させることができる。
なお、図示はしないが、光伝導アンテナ300は、上述した光伝導アンテナ200のように、第2層20と第1電極30との間、および第2層20と第2電極32との間に位置する絶縁層40を含んでいてもよい。
4. テラヘルツ波発生装置
次に、本実施形態に係るテラヘルツ波発生装置1000について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係るテラヘルツ波発生装置1000の構成を示す図であ
る。
テラヘルツ波発生装置1000は、図8に示すように、光パルス発生装置1010と、本発明に係る光伝導アンテナと、を含む。以下では、本発明に係る光伝導アンテナとして、光伝導アンテナ100を用いた例について説明する。
光パルス発生装置1010は、励起光である光パルス(例えば図1に示す光パルスP)を発生させる。光パルス発生装置1010は、光伝導アンテナ100を照射する。光パルス発生装置1010が発生させる光パルスの幅は、例えば、1fs以上800fs以下である。光パルス発生装置1010としては、例えば、フェムト秒ファイバーレーザー、チタンサファイヤレーザーを用いる。
光伝導アンテナ100は、上記のとおり、光パルスが照射されて、テラヘルツ波を発生することができる。
テラヘルツ波発生装置1000は、光伝導アンテナ100を含むため、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる。
5. イメージング装置
次に、本実施形態に係るイメージング装置1100について、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係るイメージング装置1100を示すブロック図である。図10は、本実施形態に係るイメージング装置1100のテラヘルツ波検出部1120を模式的に示す平面図である。図11は、対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。図12は、対象物の物質A、BおよびCの分布を示す画像の図である。
イメージング装置1100は、図9に示すように、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部1110と、テラヘルツ波発生部1110から射出され、対象物Oを透過したテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部1120と、テラヘルツ波検出部1120の検出結果に基づいて、対象物Oの画像、すなわち、画像データを生成する画像形成部1130と、を含む。
テラヘルツ波発生部1110としては、本発明に係るテラヘルツ波発生装置を用いることができる。ここでは、本発明に係るテラヘルツ波発生装置として、テラヘルツ波発生装置1000を用いた場合について説明する。
テラヘルツ波検出部1120としては、図10に示すように、目的の波長のテラヘルツ波を通過させるフィルター80と、フィルター80を通過した前記目的の波長のテラヘルツ波を検出する検出部84と、を備えたものを用いる。また、検出部84としては、例えば、テラヘルツ波を熱に変換して検出するもの、すなわち、テラヘルツ波を熱に変換し、そのテラヘルツ波のエネルギー(強度)を検出し得るものを用いる。このような検出部としては、例えば、焦電センサー、ボロメーター等が挙げられる。なお、テラヘルツ波検出部1120の構成は、前記の構成に限定されない。
また、フィルター80は、2次元的に配置された複数の画素(単位フィルター部)82を有している。すなわち、各画素82は、行列状に配置されている。
また、各画素82は、互いに異なる波長のテラヘルツ波を通過させる複数の領域、すなわち、通過させるテラヘルツ波の波長(以下、「通過波長」とも言う)が互いに異なる複数の領域を有している。なお、図示の構成では、各画素82は、第1の領域821、第2の領域822、第3の領域823、および第4の領域824を有している。
また、検出部84は、フィルター80の各画素82の第1の領域821、第2の領域822、第3の領域823、および第4の領域824に対応してそれぞれ設けられた第1の単位検出部841、第2の単位検出部842、第3の単位検出部843、および第4の単位検出部844を有している。各第1の単位検出部841、各第2の単位検出部842、各第3の単位検出部843、および各第4の単位検出部844は、それぞれ、各画素82の第1の領域821、第2の領域822、第3の領域823、および第4の領域824を通過したテラヘルツ波を熱に変換して検出する。これにより、各画素82のそれぞれにおいて、4つの目的の波長のテラヘルツ波をそれぞれ確実に検出することができる。
次に、イメージング装置1100の使用例について説明する。
まず、分光イメージングの対象となる対象物Oが、3つの物質A、BおよびCで構成されているとする。イメージング装置1100は、この対象物Oの分光イメージングを行う。また、ここでは、一例として、テラヘルツ波検出部1120は、対象物Oで反射されたテラヘルツ波を検出することとする。
また、テラヘルツ波検出部1120のフィルター80の各画素82においては、第1の領域821および第2の領域822を使用する。第1の領域821の通過波長をλ1、第2の領域822の通過波長をλ2とし、対象物Oで反射されたテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度をα1、波長λ2の成分の強度をα2としたとき、その強度α2と強度α1との差分(α2−α1)が、物質Aと物質Bと物質Cとで、互いに顕著に区別できるように、第1の領域821の通過波長λ1および第2の領域822の通過波長λ2が設定されている。
図11に示すように、物質Aにおいては、対象物Oで反射したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と波長λ1の成分の強度α1との差分(α2−α1)は、正値となる。また、物質Bにおいては、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)は、零となる。また、物質Cにおいては、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)は、負値となる。
イメージング装置1100により、対象物Oの分光イメージングを行う際は、まず、テラヘルツ波発生部1110により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物Oに照射する。そして、対象物Oで反射されたテラヘルツ波をテラヘルツ波検出部1120で、α1およびα2として検出する。この検出結果は、画像形成部1130に送出される。なお、この対象物Oへのテラヘルツ波の照射および対象物Oで反射したテラヘルツ波の検出は、対象物Oの全体に対して行う。
画像形成部1130においては、前記検出結果に基づいて、フィルター80の第2の領域822を通過したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と、第1の領域821を通過したテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度α1と、の差分(α2−α1)を求める。そして、対象物Oのうち、前記差分が正値となる部位を物質A、前記差分が零となる部位を物質B、前記差分が負値となる部位を物質Cと判断し、特定する。
また、画像形成部1130では、図12に示すように、対象物Oの物質A、BおよびCの分布を示す画像の画像データを作成する。この画像データは、画像形成部1130から図示しないモニターに送出され、そのモニターにおいて、対象物Oの物質A、BおよびCの分布を示す画像が表示される。この場合、例えば、対象物Oの物質Aの分布する領域は黒色、物質Bの分布する領域は灰色、物質Cの分布する領域は白色に色分けして表示される。このイメージング装置1100では、以上のように、対象物Oを構成する各物質の同定と、その各部質の分布測定とを同時に行うことができる。
なお、イメージング装置1100の用途は、前記のものに限らず、例えば、人物に対してテラヘルツ波を照射し、その人物を透過または反射したテラヘルツ波を検出し、画像形成部1130において処理を行うことにより、その人物が、拳銃、ナイフ、違法な薬物等を所持しているか否かを判別することもできる。
イメージング装置1100では、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる光伝導アンテナ100を含む。そのため、イメージング装置1100は、高い検出感度を有することができる。
6. 計測装置
次に、本実施形態に係る計測装置1200について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係る計測装置1200を示すブロック図である。以下で説明する本実施形態に係る計測装置1200において、上述したイメージング装置1100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
計測装置1200は、図13に示すように、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部1110と、テラヘルツ波発生部1110から射出され、対象物Oを透過するテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部1120と、テラヘルツ波検出部1120の検出結果に基づいて、対象物Oを計測する計測部1210と、を含む。
次に、計測装置1200の使用例について説明する。計測装置1200により、対象物Oの分光計測を行う際は、まず、テラヘルツ波発生部1110により、テラヘルツ波を発生させ、そのテラヘルツ波を対象物Oに照射する。そして、対象物Oを透過したテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波をテラヘルツ波検出部1120で検出する。この検出結果は、計測部1210に送出される。なお、この対象物Oへのテラヘルツ波の照射および対象物Oを透過したテラヘルツ波または対象物Oで反射されたテラヘルツ波の検出は、対象物Oの全体に対して行う。
計測部1210においては、前記検出結果から、フィルター80の各画素82の第1の領域821、第2の領域822、第3の領域823、および第4の領域824を通過したテラヘルツ波のそれぞれの強度を把握し、対象物Oの成分およびその分布の分析等を行う。
計測装置1200では、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる光伝導アンテナ100を含む。そのため、計測装置1200は、高い検出感度を有することができる。
7. カメラ
次に、本実施形態に係るカメラ1300について、図面を参照しながら説明する。図14は、本実施形態に係るカメラ1300を示すブロック図である。図15は、本実施形態に係るカメラ1300を模式的に示す斜視図である。以下で説明する本実施形態に係るカメラ1300において、上述したイメージング装置1100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
カメラ1300は、図14および図15に示すように、テラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波発生部1110と、テラヘルツ波発生部1110から射出され、対象物Oで反射されたテラヘルツ波または対象物Oを透過したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部1120と、記憶部1301と、を含む。そして、これらの各部1110,1120,
1301はカメラ1300の筐体1310に収められている。また、カメラ1300は、対象物Oで反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出部1120に収束(結像)させるレンズ(光学系)1320と、テラヘルツ波発生部1110で発生したテラヘルツ波を筐体1310の外部へ射出させるための窓部1330と、を備える。レンズ1320や窓部1330はテラヘルツ波を透過・屈折させるシリコン、石英、ポリエチレンなどの部材によって構成されている。なお、窓部1330は、スリットのように単に開口が設けられている構成としてもよい。
次に、カメラ1300の使用例について説明する。カメラ1300により、対象物Oを撮像する際は、まず、テラヘルツ波発生部1110により、テラヘルツ波を発生させ、そのテラヘルツ波を対象物Oに照射する。そして、対象物Oで反射されたテラヘルツ波をレンズ1320によってテラヘルツ波検出部1120に収束(結像させて)検出する。この検出結果は、記憶部1301に送出され、記憶される。なお、この対象物Oへのテラヘルツ波の照射および対象物Oで反射されたテラヘルツ波の検出は、対象物Oの全体に対して行う。また、前記検出結果は、例えば、パーソナルコンピューター等の外部装置に送信することもできる。パーソナルコンピューターでは、前記検出結果に基づいて、各処理を行うことができる。
カメラ1300では、強度の大きなテラヘルツ波を発生することができる光伝導アンテナ100を含む。そのため、カメラ1300は、高い検出感度を有することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…領域、10…第1層、20…第2層、22…SiC層、30…第1電極、30a…第1基部、30b…第1突出部、32…第2電極、32a…第2基部、32b…第2突出部、40…絶縁層、50…第3層、52…開口部、80…フィルター、82…画素、84…検出部、100,200,300…光伝導アンテナ、821…第1の領域、822…第2の領域、823…第3の領域、824…第4の領域、841…第1の単位検出部、842…第2の単位検出部、843…第3の単位検出部、844…第4の単位検出部、1000…テラヘルツ波発生装置、1010…光パルス発生装置、1100…イメージング装置、1110…テラヘルツ波発生部、1120…テラヘルツ波検出部、1130…画像形成部、1200…計測装置、1210…計測部、1300…カメラ、1301…記憶部、1310…筐体、1320…レンズ、1330…窓部

Claims (12)

  1. 光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する光伝導アンテナであって、
    前記光パルスが照射されてキャリアを形成する第1層と、
    前記第1層上方に位置し、かつ、前記第1層のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有する第2層と、
    前記第2層上方に位置し、かつ、前記第2層に電圧を印加する第1電極および第2電極と、
    を含み、
    前記第1層は、半絶縁性基板によって構成されている、ことを特徴とする光伝導アンテナ。
  2. 前記第1層は、GaAsからなる、ことを特徴とする請求項に記載の光伝導アンテナ。
  3. 光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する光伝導アンテナであって、
    前記光パルスが照射されてキャリアを形成する第1層と、
    前記第1層上方に位置し、かつ、前記第1層のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有する第2層と、
    前記第2層上方に位置し、かつ、前記第2層に電圧を印加する第1電極および第2電極と、
    を含み、
    前記第1層は、シリコンからなる、ことを特徴とする光伝導アンテナ。
  4. 前記第2層は、炭素を主成分とする材料からなる、ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項光伝導アンテナ。
  5. 前記第2層は、グラフェンからなる、ことを特徴とする請求項に記載の光伝導アンテナ。
  6. 前記第2層は、カーボンナノチューブを含む、ことを特徴とする請求項に記載の光伝導アンテナ。
  7. 光パルスが照射されてテラヘルツ波を発生する光伝導アンテナであって、
    前記光パルスが照射されてキャリアを形成する第1層と、
    前記第1層上方に位置し、かつ、前記第1層のキャリア移動度よりも大きいキャリア移動度を有する第2層と、
    前記第2層上方に位置し、かつ、前記第2層に電圧を印加する第1電極および第2電極と、
    を含み、
    前記第2層は、炭素を主成分とする材料からなり、
    前記第2層は、グラフェンからなる、ことを特徴とする光伝導アンテナ。
  8. 前記第2層と前記第1電極との間、および前記第2層と前記第2電極との間に位置する絶縁層を含む、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光伝導アンテナ。
  9. 前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    を含む、ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
  10. 前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果を記憶する記憶部と、
    を含む、ことを特徴とするカメラ。
  11. 前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、
    を含む、ことを特徴とするイメージング装置。
  12. 前記光パルスを発生する光パルス発生装置と、
    前記光パルスが照射されて前記テラヘルツ波を発生する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光伝導アンテナと、
    前記光伝導アンテナから射出され、対象物を透過した前記テラヘルツ波または対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、
    を含む、ことを特徴とする計測装置。
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