JP2008141075A - テラヘルツ電磁波発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高出力なテラヘルツ波を発生する可能なテラヘルツ電磁波発生装置を提供する。
【解決手段】本発明のテラヘルツ電磁波発生装置は、光を受けてテラヘルツ電磁波を発生する光伝導層と、前記光伝導層の表面に設けられた電極対とを備えるテラヘルツ電磁波発生装置において、前記光伝導層の表面は、前記電極対により挟まれた領域に光の照射を受ける光照射部を有し、前記光伝導層は、窒化物系化合物半導体で構成され、その表面から200nm以上の内部の領域にキャリア濃度を調整する不純物を含み、前記不純物の濃度は1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下であり、前記光伝導層は裏面側の層とホモ接合またはヘテロ接合している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のテラヘルツ電磁波発生装置は、光を受けてテラヘルツ電磁波を発生する光伝導層と、前記光伝導層の表面に設けられた電極対とを備えるテラヘルツ電磁波発生装置において、前記光伝導層の表面は、前記電極対により挟まれた領域に光の照射を受ける光照射部を有し、前記光伝導層は、窒化物系化合物半導体で構成され、その表面から200nm以上の内部の領域にキャリア濃度を調整する不純物を含み、前記不純物の濃度は1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下であり、前記光伝導層は裏面側の層とホモ接合またはヘテロ接合している。
【選択図】図1
Description
本発明は、テラヘルツ波を用いたセンシング、或いはイメージングに必要な高出力なテラヘルツ波を発生する可能とする光スイッチ素子を用いたテラヘルツ電磁波発生装置に関するものである。
周波数1THz(テラヘルツ)周辺の電磁波領域(テラヘルツ波領域、例えばおよそ0.1THz〜10THz、あるいはさらにその周辺領域を含んだ0.01THz〜100THzなどの広い周波数領域を指す)は、光波と電波の境界に位置する周波数領域である。このようなテラヘルツ波は、非破壊検査、イメージング、通信などへの応用が期待されている。また、テラヘルツ波の利用は、環境計測やライフサイエンスの分野などへも波及しており、先端的基盤技術分野となりつつある。
テラヘルツ光の発生には、光伝導スイッチ素子を用いたテラヘルツ電磁波発生素子(光伝導アンテナ等)が、多く用いられている(非特許文献1参照)。
光伝導スイッチ素子を用いたテラヘルツ電磁波発生素子は、光伝導部と、該光伝導部の所定の面上に形成され互いに分離された2つのバイアス印加部となる電極とを有し、この2つの電極の少なくとも一部どうしが所定間隔をあけるように配置された(ギャップ部)アンテナ素子である。この素子では、前記2つの電極間にバイアス電圧を印加しても、通常は、2つの電極間(ギャップ部)の抵抗値が非常に高いため電流はほとんど流れない。そのバイアス電圧を印加した状態で、ギャップ部をフェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザ光などの励起パルス光で照射して、自由キャリアを生成すると、その瞬間だけその抵抗値が下がり電流が流れる。このパルス状の電流によって、テラヘルツ電磁波が発生する。
電極間隔5μm程度のいわゆるダイポールアンテナと呼ばれる光伝導スイッチ素子において、光伝導層にLT−GaAsを用いた場合、バイアス電圧は20V程度である。電極間の電界は非常に強く、また、電界が強いほど、発生するテラヘルツ光も強くなる。
IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.24,No.2,pp.255-260(1988)
IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.24,No.2,pp.255-260(1988)
しかし、光伝導スイッチ素子を用いたテラヘルツ光発生素子では、電界が強くなり過ぎてしまうと、前記光伝導部が絶縁破壊されて素子が破壊されてしまうため、ある値以上のバイアス電圧を印加することができない。光伝導部が絶縁破壊されてしまうと、そのテラヘルツ光発生素子は、二度とテラヘルツ光源として機能しなくなってしまう。光伝導層としてLT−GaAsを用いた光伝導スイッチ素子をテラヘルツ光源として用いる場合には、素子が絶縁破壊を起こさないように、注意深くバイアス電圧を設定する必要があり、バイアス電圧の設定に著しく手数を要していた。
ところが、定常状態でバイアス電圧が正しく調整されていたとしても、バイアス電圧の印加に用いる電源によっては、電源投入時のバイアス電圧の立ち上がり時などにはオーバーシュートにより瞬間的に設定電圧以上の電圧が印加されてしまい、素子が破壊されてしまう場合があった。このため、従来は、このような素子の絶縁破壊を確実に防ごうとすると、バイアス電圧をかなり大きい余裕を持って低い値に設定する必要があった。この場合には、素子の破壊を確実に防止することができるものの、強度の高いテラヘルツ光を発生させることができなくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、テラヘルツ光発生素子の絶縁破壊レベルを向上することにより発生するテラヘルツ光の強度を高めることができる、光伝導スイッチ素子を用いたテラヘルツ電磁波発生装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することが可能なテラヘルツ波発生装置の構成について検討を行った結果、バイアス電圧の向上を図ることにより高出力なテラヘルツ波を発生することを可能とするテラヘルツ波発生装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明のテラヘルツ電磁波発生装置は、光を受けてテラヘルツ電磁波を発生する光伝導層と、前記光伝導層の表面に設けられた電極対とを備えるテラヘルツ電磁波発生装置において、前記光伝導層の表面は、前記電極対により挟まれた領域に光の照射を受ける光照射部を有し、前記光伝導層は、窒化物系化合物半導体で構成され、その表面から200nm以上の内部の領域にキャリア濃度を調整する不純物を含み、前記不純物の濃度は1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下であり、前記光伝導層は裏面側の層とホモ接合またはヘテロ接合している。ここで、前記不純物は、B、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgのうちの少なくともひとつであってもよい。
光伝導層と電極対とで構成される光伝導スイッチ素子では、前記2つの電極間にバイアス電圧を印加しても、2つの電極間(ギャップ部)の抵抗値が非常に高く電流はほとんど流れない状態が好ましい。即ち、基板上に形成される窒化物系化合物半導体はシートキャリア濃度で1×1012cm2以下の高抵抗層である必要がある。しかしながら、通常、基板上に窒化物系化合物半導体を成長した場合、結晶欠陥や不純物の取り込み等で、アンドープの状態でもn型化してしまうために、単に結晶成長した状態では窒化物系化合物半導体を高抵抗化することが非常に困難である。そこで本発明では、前記光伝導層の表面から200nm以上の領域に、キャリア濃度を調整する不純物を含むような構成にすることにより、高抵抗化を実現することが可能となる。即ち、n型化した前記光伝導層にp型のドーパントとなる不純物を導入し補償することにより、高抵抗化を実現するものである。前記光伝導層に含まれるp型のドーパントは1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下であることが好ましい。1×1018cm-3以下であれば、バイアス印加時にリーク電流が流れてしまう可能性が高くなり、また、1.2×1024cm-3以上では結晶性の悪化によるリーク電流が発生する恐れがあるため、前記記載のドーピング量であることが必要となる。高抵抗化された領域については、表面電導の影響や、高バイアス印加時のトンネル電流を抑制するために、200nm以上の膜厚が必要である。詳細については、実施例にて記載する。
このような構成をとることにより、絶縁破壊電界が従来のLT−GaAsの5倍以上となるために光伝導スイッチ素子の電極間に印加する電圧を10倍以上にまで高めることができ、高出力なテラヘルツ波を発生させることが可能となる。さらに、ホモ接合、或いはヘテロ接合の存在により、接合界面にはポテンシャル障壁が現れるため、このポテンシャル障壁により、光伝導層内で生成したキャリアが基板方向に拡散するのを妨げることができる。この結果、キャリアが局在化して、点光源に近いTHz波源となり、光学調整が容易となる。また、電圧印加部を複数個形成するアレイ構成にすることにより、更なる高出力化を実現することも可能である。
ここで、前記光伝導層はGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)により形成され、前記テラヘルツ電磁波発生装置は、さらに、前記光伝導層の裏面側にGa1-X3AlX3N(0≦X3≦1)またはGa1-X4AlX4Nにより形成された超格子層と、前記超格子層の裏面側にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)により形成された初期層と、前記初期層の裏面側に形成された基板とを備える構成としてもよい。この構成を取ることにより、光伝導スイッチ素子の電極間に印加する電圧を200V以上にまで高めることができるため、高出力なテラヘルツ波を発生させることが可能となる。
ここで、前記基板は、Si基板、III−V族化合物半導体基板およびサファイアの酸化物基板の1つであってもよい。
この構成により、Si基板を用いた場合には、大面積化が容易であり、低コスト化が可能となるだけでなくテラヘルツイメージング用光源としても有用である。またIII−V族化合物半導体基板を用いた場合には、MOCVD等の結晶成長にて光伝導層を形成するような場合に格子整合条件での結晶成長を可能とするので光伝導層の高品質化を容易にすることができる。また、サファイア等の酸化物基板を用いた場合には、低コスト化が可能となるばかりではなく、基板を除去する工程を必要とする場合にはプロセス設計を容易にすることができ、さらには基板上にさまざまな加工を施すことにより、テラヘルツ電磁波の取り出し効率を高めることも可能となる。なお、上記のさまざまな加工とは、例えば、テラヘルツ電磁波発生装置にフォトニック結晶を作り込む加工や、基板をレンズ形状にする加工等である。
ここで、前記テラヘルツ電磁波発生装置は、さらに、前記光伝導層よりも小さい屈折率を有し、前記光伝導層の裏面側に形成された第1クラッド層と、前記光伝導層よりも小さい屈折率を有し、前記光伝導層の表面側に形成された第2クラッド層とを備え、前記電極対は、第2クラッド層の表面に設けられるようにしてもよい。
この構成によれば、第1及び第2クラッド層が光を光伝導層内に閉じ込める役割を果たすので、テラヘルツ電磁波の発生効率を向上させることができる。
また、本発明のテラヘルツ電磁波発生装置は、基板上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)により形成された初期層と、前記初期層上にGa1-X2AlX2N(0≦X2≦1)により形成されたバッファ層と、前記バッファ層上にGa1-X3AlX3N(0≦X3≦1)またはGa1-X4AlX4N(0≦X4≦1)により形成された超格子層と、前記超格子層上にGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)により形成された第1クラッド層と、第1クラッド層上にInX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)により形成された光伝導層と、前記光伝導層上にGa1-X9AlX9N(0≦X9≦1)により形成された第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に設けられた電極対とを備え、前記第1クラッド層、前記光伝導層および第2クラッド層の少なくとも1つにおける、前記第2クラッド層の表面から200nm以上の領域は、1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下の不純物を含み、前記不純物は、B、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgのうち少なくともひとつであり、前記基板は、Si基板、III−V族化合物半導体基板、サファイア等の酸化物基板の何れかであってもよい。光伝導層にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgのうち少なくとも一つが不純物として含まれる理由は上記の通り、高抵抗層を得るためである。この構成を取ることにより、光伝導スイッチ素子の電極間に印加する電圧を200V以上にまで高めることができるため、高出力なテラヘルツ波を発生させることが可能となる。高抵抗化された領域については、表面電導の影響や、高バイアス印加時のトンネル電流を抑制するために、200nm以上の膜厚が必要である。さらに、光伝導層の屈折率を、クラッド層1、クラッド層2よりも高くなるような構成にすることにより、励起光パルスを光伝導層に閉じこめることが可能となり、効率よく光伝導層にてテラヘルツ電磁波を発生させることが可能となる。
ここで、前記電極対は、複数の突出部を有する第1電極と、複数の突出部を有する第2電極とを備え、前記第1電極の複数の突出部と第2電極の複数の突出部は対向するようアレイ状に配置されるようにしてもよい。この構成によれば、電極対の突出部がアレイ状に配置されることにより複数の光スイッチ素子を形成するので、テラヘルツ電磁波をさらに高出力化することができる。
以上説明したように、本発明によれば、光伝導層、及びそれを含む構成層に窒化物系化合物半導体を用いることにより、印加バイアスを増大させ発生するテラヘルツ光の強度を高めることができる、光スイッチ素子を用いたテラヘルツ電磁波発生装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面とともに本発明によるテラヘルツ波発生装置、及びそれらの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
以下、図面とともに本発明によるテラヘルツ波発生装置、及びそれらの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第1の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図1に示すように、基板1の上に、Ga1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層2(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)光伝導層3(1000nm)が形成されている。第1の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1、X2は、例えばX1=1、X2=0でよい。
初期層2、光伝導層3はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。初期層2は、基板上に結晶成長のきっかけを作るため、つまり、その上に成長させる光伝導層3の結晶性(格子定数など)を確保するために形成される。初期層2の膜厚は光伝導層3の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。
光伝導層3の表面から600nmの領域4にBがドーピングされている。本発明ではイオン注入によりBのドーピングを実施した。これにより、光伝導層3が高抵抗化される。光伝導層3の表面には、電極5及び6の一部どうしが所定間隔(ギャップ部)7をあけるように配置されることにより光伝導アンテナ素子を構成している。電極5と6の間にバイアス電圧を印加しても、光伝導層3はシートキャリア濃度が1×1012cm2以下になるように形成されているので2つの電極間には電流はほとんど流れない。そのバイアス電圧を印加した状態で、ギャップ部8にフェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザ光などの励起パルス光で照射することにより、自由キャリア8'が生成され、その瞬間だけその抵抗値が下がり電流が流れる。このパルス状の電流によって、テラヘルツ電磁波が発生する。光伝導層3がGaAlNで構成されており2MV/cm程度の絶縁破壊電界が得られるため、200V以上のバイアス電圧を印加することが可能となる。これにより、高出力なテラヘルツ電磁波が得られることが期待される。
また、光伝導層3は、下の層(初期層2)とホモ接合またはヘテロ接合している。このホモ接合、或いはヘテロ接合の存在により、接合界面にはポテンシャル障壁が現れるため、このポテンシャル障壁により、光伝導層内で生成したキャリアが基板方向に拡散するのを妨げることができる。この結果、キャリアが局在化して、点光源に近いTHz波源となり、光学調整が容易となる。
図2にバイアス印加した場合の電流−電圧特性を示す。9は光伝導層に含まれるBの量が1×1017cm-3場合、10は1.0×1020cm-3の場合の電流−電圧特性を示す。図からわかるように、Bの注入量の違いでリーク電流量が異なることがわかる。200V以上の高耐圧下においても、リーク電流を抑制するためには、ある一定量のBが存在する必要があり、本発明において1×1018cm-3以上であることを見出した。また、あまりにもBを多量に注入すると9と同じような電流−電圧特性を示す。これは、イオン注入を用いた場合においては注入時のダメージにより結晶性が低下することが原因であると考えられる。よって、Bの注入量は1.2×1024cm-3以下であることが望ましい。
図3に光伝導層3の表面からのBの注入深さを変えた場合の電流−電圧特性を示す。注入深さが200nm以下の場合は、100V以下の耐圧しか得られていないが、200nm以上で400V以上の耐圧が得られていることがわかる。これは、表面電導の抑制、及び、高バイアス印加時のトンネル電流を抑制できるだけの高抵抗領域を確保することができたためであると考えられる。
本発明のテラヘルツ発生装置から放射されるテラヘルツ波の波形(電場振幅)の測定を、時間分解測定法を用いて行った。図4は、テラヘルツ波測定装置の概略構成図である。
励起用超短パルス光源にはTiサファイアレーザ101を使用する。光伝導層を構成する窒化物系化合物半導体に光吸収させるため、Tiサファイアレーザの三光子吸収、または、エミッタ直前に非線形光学結晶(例えばBBO)を置くことによる第三次高調波発生を用いた。
励起パルス光は、ビームスプリッタ102により2分割され、一方はポンプ光パルス103として用いられ、他方はプローブ光パルス104として用いられる。ポンプ光パルス103は、本発明のテラヘルツ波発生装置105に照射される。その際、テラヘルツ波発生装置からテラヘルツ波106が放出される。出射されたテラヘルツ波106はミラー107等により光路を変化させながら、検出器(PCアンテナ等)の一方の面に照射される。一方、ビームスプリッタ102で分割されたプローブ光パルスは、光学遅延ステージ109で遅延時間を調節された後、対物レンズを経て、検出器108のもう一方の面に照射される。光学遅延ステージ109によりプローブ光パルスが検出器108に到達する、ポンプ光パルスからの遅延時間を調節することにより、テラヘルツ波106の電場振幅の時間分解測定を行うことができる。
図5はテラヘルツ波の放射波形の測定結果である。比較として従来の光伝導層にLT−GaAsを用いた場合も記載してある。また、電極間には200Vのバイアス印加した状態で測定を実施した(LT−GaAsは20V)。図からわかるように本発明のテラヘルツ波発生装置から放射されたテラヘルツ波の方が、大きな電場振幅が得られていることがわかる。これは、光伝導素子において、光伝導層に窒化物系化合物半導体を採用することにより、200V以上の高いバイアス電圧を印加することが可能となったことから、双極子モーメントが大きくなり、大きな電場振幅が得られたためであることが示唆される。
図6は、図1に示す本発明の実施例のテラヘルツ波発生装置の更なる高出力化を図るために、光伝導層3上に複数個のギャップ部7を形成しアレイ化したものである。この構成をとることにより、各ギャップ部6からテラヘルツ波が発生するために、テラヘルツ波の高出力化を容易に図ることが可能となる。
本実施例では、光伝導層3の高抵抗化のために、イオン注入によりBをドーピングしたが、B以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgをイオン注入によりドーピングしても同様の効果が得られる。
(第1の実施形態の変形例)
図7は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第1の実施形態の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図7に示すように、基板1の上に、Ga1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層2(20nm以上200nm以下)、CドーピングされたGa1-X2AlX2N(0≦X2≦1)光伝導層11(1000nm)が形成されている。初期層2、光伝導層3はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第1の実施形態の変形例における上記材質の組成比率を示すX1、X2は、例えばX1=1、X2=0でよい。
図7は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第1の実施形態の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図7に示すように、基板1の上に、Ga1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層2(20nm以上200nm以下)、CドーピングされたGa1-X2AlX2N(0≦X2≦1)光伝導層11(1000nm)が形成されている。初期層2、光伝導層3はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第1の実施形態の変形例における上記材質の組成比率を示すX1、X2は、例えばX1=1、X2=0でよい。
初期層2の膜厚は光伝導層3の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。光伝導層3は、MOCVD成長時の成長条件を成長圧力100Torr、V/III比600にて成長を実施した。この成長条件を選択することにより、Cが光伝導層3内にオートドーピングされ、そのドーピング量は1〜5×1019cm−3程度となる。これにより、光伝導層3が高抵抗化される。光伝導層3の表面には、電極5及び6の一部どうしが所定間隔(ギャップ部)7をあけるように配置されることにより光伝導アンテナ素子を構成している。電極5と6の間にバイアス電圧を印加しても、光伝導層3はシートキャリア濃度が1×1012cm2以下になるように形成されているので2つの電極間には電流はほとんど流れない。そのバイアス電圧を印加した状態で、ギャップ部8にフェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザ光などの励起パルス光で照射することにより、自由キャリア8'が生成され、その瞬間だけその抵抗値が下がり電流が流れる。このパルス状の電流によって、テラヘルツ電磁波が発生する。光伝導層11がGaAlNで構成されており2MV/cm程度の絶縁破壊電界が得られるため、200V以上のバイアス電圧を印加することが可能となる。これにより、高出力なテラヘルツ電磁波が得られることが期待される。
図8にバイアス印加した場合の電流−電圧特性を示す。図からわかるように、400V以上の高耐圧特性が得られていることがわかる。これにより、電極5、6間に高いバイアスを印加することが可能となり、高出力なテラヘルツ電磁波発生が実現される。光伝導層11にドーピングされるドーパントはC以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mg等、光伝導層の高抵抗化が実現できるドーパントであれば問題はない。ドーピング量は1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが望ましい。ドーピング量が少ないとキャリアの補償効果が十分に得られず、また、ドーピング量が多すぎると結晶性の悪化により、高バイアス印加時のリーク電流が大きくなってしまう。よって、本発明ではドーピング量が1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが最適であることを見出した。
(第2の実施形態)
図9は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第2の実施形態を概略的に示す斜視図である。基板上12にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Ga1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層16(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第2の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
図9は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第2の実施形態を概略的に示す斜視図である。基板上12にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Ga1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層16(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第2の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
初期層13の膜厚はその上に成長される構成層の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。
バッファ層14は、膜厚や組成でその上の層(超格子層15)の結晶性や伝導性の制御するために形成される。超格子層15は、基板と光伝導層16の間の格子定数差による歪みを緩和するために形成される。
光伝導層16の表面から600nmの領域17にBがドーピングされている。本発明ではイオン注入によりBのドーピングを実施した。これにより、光伝導層16が高抵抗化される。光伝導層16の表面には、電極18及び19の一部どうしが所定間隔(ギャップ部)20をあけるように配置されることにより光伝導アンテナ素子を構成している。電極18と19の間にバイアス電圧を印加しても、光伝導層16はシートキャリア濃度が1×1012cm2以下になるように形成されているので2つの電極間には電流はほとんど流れない。そのバイアス電圧を印加した状態で、ギャップ部20にフェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザ光などの励起パルス光で照射することにより、自由キャリアが生成され、その瞬間だけその抵抗値が下がり電流が流れる。このパルス状の電流によって、テラヘルツ電磁波が発生する。光伝導層16がGaAlNで構成されており2MV/cm程度の絶縁破壊電界が得られるため、200V以上のバイアス電圧を印加することが可能となる。これにより、高出力なテラヘルツ電磁波が得られることが期待される。
本構造では、(第1の実施形態に比べて)バッファ層14、超格子層15が存在することにより、基板12と光伝導層16の間に格子不整が発生した場合においても、格子欠陥が抑制された良質な光伝導層16を結晶成長することができるため、発生したテラヘルツ電磁波の格子欠陥による散乱損失等を抑制し、効率よくテラヘルツ電磁波を取り出すことができる特徴を有する。
また、本実施例では、光伝導層3の高抵抗化のためにイオン注入によりBをドーピングしたが、B以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgをイオン注入によりドーピングしても同様の効果が得られる。
(第2の実施形態の変形例1)
図10は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第2の実施形態の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図10に示すように、基板上12にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Cドーピングが施されたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層21(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第2の実施形態の変形例における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
図10は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第2の実施形態の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図10に示すように、基板上12にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Cドーピングが施されたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層21(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第2の実施形態の変形例における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
光伝導層21は、MOCVD成長時の成長条件を成長圧力100Torr、V/III比600にて成長を実施した。この成長条件を選択することにより、Cが光伝導層21内にオートドーピングされ、そのドーピング量は1〜5×1019cm-3程度となる。これにより、光伝導層21が高抵抗化される。光伝導層21の表面には、電極18及び19の一部どうしが所定間隔(ギャップ部)20をあけるように配置されることにより光伝導アンテナ素子を構成している。このような構成をとることにより、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態と同様の効果が得られ、容易に出力の高いテラヘルツ電磁波を得ることが可能となる。
光伝導層21にドーピングされるドーパントはC以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mg等、光伝導層の高抵抗化が実現できるドーパントであれば問題はない。ドーピング量は1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが望ましい。ドーピング量が少ないとキャリアの補償効果が十分に得られず、また、ドーピング量が多すぎると結晶性の悪化により、高バイアス印加時のリーク電流が大きくなってしまう。よって、本発明ではドーピング量が1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが最適であることを見出した。
(第3の実施形態)
図11は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第3の実施形態を概略的に示す斜視図である。Si基板上22にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Ga1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層16(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第3の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
図11は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第3の実施形態を概略的に示す斜視図である。Si基板上22にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Ga1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層16(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第3の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
初期層13の膜厚はその上に成長される構成層の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。光伝導層16の表面から600nmの領域17にBがドーピングされている。本発明ではイオン注入によりBのドーピングを実施した。これにより、光伝導層16が高抵抗化される。光伝導層16の表面には、電極18及び19の一部どうしが所定間隔(ギャップ部)20をあけるように配置されることにより光伝導アンテナ素子を構成している。電極18と19の間にバイアス電圧を印加しても、光伝導層16はシートキャリア濃度が1×1012cm2以下になるように形成されているので2つの電極間には電流はほとんど流れない。そのバイアス電圧を印加した状態で、ギャップ部20にフェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザ光などの励起パルス光で照射することにより、自由キャリアが生成され、その瞬間だけその抵抗値が下がり電流が流れる。このパルス状の電流によって、テラヘルツ電磁波が発生する。光伝導層16がGaAlNで構成されており2MV/cm程度の絶縁破壊電界が得られるため、200V以上のバイアス電圧を印加することが可能となる。これにより、高出力なテラヘルツ電磁波が得られることが期待される。
本構造では、(第1の実施形態に比べて)バッファ層14、超格子層15が存在することにより、基板12と光伝導層16の間に格子不整が発生した場合においても、格子欠陥が抑制された良質な光伝導層16を結晶成長することができるため、発生したテラヘルツ電磁波の格子欠陥による散乱損失等を抑制し、効率よくテラヘルツ電磁波を取り出すことができる特徴を有する。
また、本実施例では、光伝導層3の高抵抗化のためにイオン注入によりBをドーピングしたが、B以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgをイオン注入によりドーピングしても同様の効果が得られる。
第3の実施形態においては、Si基板を使用していることにより大面積化が容易であり、低コスト化が可能となるだけでなくテラヘルツイメージング用光源としても有用である。また、基板にIII−V族化合物半導体基板を用いることも可能となる。この場合には、MOCVD等の結晶成長にて光伝導層を形成するような場合に格子整合条件での結晶成長を可能とするので光伝導層の高品質化を容易にすることができる。さらに、サファイア等の酸化物基板を用いた場合には、低コスト化が可能となるばかりではなく、基板を除去する工程を必要とする場合にはプロセス設計を容易にすることができ、さらには基板上にさまざまな加工を施すことにより、テラヘルツ電磁波の取り出し効率を高めることも可能となる。
(第3の実施形態の変形例)
図12は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第3の実施形態の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図12に示すように、Si基板上22にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Cドーピングが施されたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層21(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第3の実施形態の変形例における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
図12は、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第3の実施形態の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。本テラヘルツ波発生装置は、図12に示すように、Si基板上22にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層13(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層14、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層15、Cドーピングが施されたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)光伝導層21(1000nm)が順次形成されており、各構成層はMOCVD等の結晶成長法にて作製される。第3の実施形態の変形例における上記材質の組成比率を示すX1〜X5は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0でよい。
光伝導層21は、MOCVD成長時の成長条件を成長圧力100Torr、V/III比600にて成長を実施した。この成長条件を選択することにより、Cが光伝導層21内にオートドーピングされ、そのドーピング量は1〜5×1019cm-3程度となる。これにより、光伝導層21が高抵抗化される。光伝導層21の表面には、電極18及び19の一部どうしが所定間隔(ギャップ部)20をあけるように配置されることにより光伝導アンテナ素子を構成している。このような構成をとることにより、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態と同様の効果が得られ、容易に出力の高いテラヘルツ電磁波を得ることが可能となる。
光伝導層21にドーピングされるドーパントはC以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mg等、光伝導層の高抵抗化が実現できるドーパントであれば問題はない。ドーピング量は1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが望ましい。ドーピング量が少ないとキャリアの補償効果が十分に得られず、また、ドーピング量が多すぎると結晶性の悪化により、高バイアス印加時のリーク電流が大きくなってしまう。よって、本発明ではドーピング量が1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが最適であることを見出した。
また、第3の実施形態と同様に、Si基板を使用していることにより大面積化が容易であり、低コスト化が可能となるだけでなくテラヘルツイメージング用光源としても有用である。また、基板にIII−V族化合物半導体基板を用いることも可能となる。この場合には、MOCVD等の結晶成長にて光伝導層を形成するような場合に格子整合条件での結晶成長を可能とするので光伝導層の高品質化を容易にすることができる。さらに、サファイア等の酸化物基板を用いた場合には、低コスト化が可能となるばかりではなく、基板を除去する工程を必要とする場合にはプロセス設計を容易にすることができ、さらには基板上にさまざまな加工を施すことにより、テラヘルツ電磁波の取り出し効率を高めることも可能となる。
(第4の実施形態)
図13には、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態を概略的に示す斜視図である。基板23上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、Ga1−X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層27、InX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層28、Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層29が順次形成されていることを特徴し、第1クラッド層27と光伝導層28と第2クラッド層29の合計膜厚が0.5μm以上となるように、順次形成される。第4の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
図13には、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態を概略的に示す斜視図である。基板23上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、Ga1−X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層27、InX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層28、Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層29が順次形成されていることを特徴し、第1クラッド層27と光伝導層28と第2クラッド層29の合計膜厚が0.5μm以上となるように、順次形成される。第4の実施形態における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
第1クラッド層27および第2クラッド層29は、光伝導層28よりも小さい屈折率を有している。これにより、光伝導層28に入射された光を光伝導層28内に閉じ込める機能を果たすので、光伝導層28におけるテラヘルツ波発生効率を向上させることができる。
初期層24の膜厚はその上に成長される構成層の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。第2クラッド層29の表面から領域30にBがドーピングされている。本発明ではイオン注入によりBのドーピングを実施した。B注入の深さは、第2クラッド層29、光伝導層28、及び光伝導層と接する第1クラッド層27の一部に到達することは必須であり、その注入深さは200nm以上であることが好ましい。本実施例では、第1クラッド層27の膜厚を200nm、光伝導層28の膜厚を20nm、第2クラッド層29の膜厚を200nmとし、第2クラッド層の表面から600nmの深さまで、B注入を実施した。
これにより、第2クラッド層29、光伝導層28、第1クラッド層27は高抵抗化される。本実施例では、B注入が第2クラッド層29表面から光伝導層28、第1クラッド層27を超えて、超格子層26にまで到達している。B注入による高抵抗化は、第2クラッド層29、光伝導層28に対しては全領域で高抵抗化が進められる必要があるが、第1クラッド層27については、光伝導層18側から一部の領域がB注入による高抵抗化が進められた状態で問題はない。第2クラッド層29上には、所定箇所に励起光パルスを照射する照射部と所定の間隔を有するバイアス電圧を印加する電圧印加部を有することを特徴とする。
この構成を取ることにより、光伝導スイッチ素子の電極間に印加する電圧を200V以上にまで高めることができるため、高出力なテラヘルツ波を発生させることが可能となる。さらに、光伝導層28の屈折率を、第1クラッド層27、第2クラッド層29よりも高くなるような構成にすることにより、励起光パルスを光伝導層に閉じこめることが可能となり、効率よく光伝導層にてテラヘルツ電磁波を発生させることが可能となる。
なお、基板23にはSi基板、III−V族化合物半導体基板、サファイア等の酸化物基板等、さまざまな基板の使用が可能である。Si基板を用いた場合には、大面積化が容易であり、低コスト化が可能となるだけでなくテラヘルツイメージング用光源としても有用である。またIII−V族化合物半導体基板を用いた場合には、MOCVD等の結晶成長にて光伝導層を形成するような場合に格子整合条件での結晶成長を可能とするので光伝導層の高品質化を容易にすることができる。また、サファイア等の酸化物基板を用いた場合には、低コスト化が可能となるばかりではなく、基板を除去する工程を必要とする場合にはプロセス設計を容易にすることができ、さらには基板上にさまざまな加工を施すことにより、テラヘルツ電磁波の取り出し効率を高めることも可能となる。加工の例を挙げると、テラヘルツ電磁波発生装置にフォトニック結晶を作り込む加工や、基板をレンズ形状にする加工等がある。
なお、第1クラッド層27、光伝導層28および第2クラッド層29の少なくとも1つにおける、前記第2クラッド層の表面から200nm以上の領域は、1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下の不純物を含みようにしてもよい。これにより、少なくとも当該領域の高抵抗化を図ることができる。
(第4の実施形態の変形例1)
図14には、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態の変形例を概略的に示す斜視図である。基板23上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、CがドーピングされたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層34、CがドーピングされたInX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層35、Cがドーピングされた第2クラッド層Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層36が順次形成される。第4の実施形態の変形例1における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
図14には、本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態の変形例を概略的に示す斜視図である。基板23上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、CがドーピングされたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層34、CがドーピングされたInX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層35、Cがドーピングされた第2クラッド層Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層36が順次形成される。第4の実施形態の変形例1における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
第1クラッド層34、光伝導層35、第2クラッド層36は、MOCVD成長時の成長条件を成長圧力100Torr、V/III比600にて成長を実施した。この成長条件を選択することにより、Cが結晶成長層内にオートドーピングされ、そのドーピング量は1〜5×1019cm-3程度となる。これにより、第1クラッド層34、光伝導層35、第2クラッド層36が高抵抗化される。初期層24の膜厚はその上に成長される構成層の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。高抵抗化のためのCドーピングは、第2クラッド層36、光伝導層35においては必須であるが、第1クラッド層においては、光伝導層に接する第1クラッド層34の一部にドーピングされた状態でも問題はない。また、第1クラッド層34、光伝導層35、第2クラッド層36に対してCドーピングを実施したが、超格子層26にCをドーピングしても問題はない。さらに超格子層26とバッファ層25にCドーピングを施しても問題は無い。さらには、基板上の構成層全層にCドーピングを実施しても問題はない。ドーピングされるドーパントはC以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mg等、光伝導層の高抵抗化が実現できるドーパントであれば問題はない。ドーピング量は1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが望ましい。ドーピング量が少ないとキャリアの補償効果が十分に得られず、また、ドーピング量が多すぎると結晶性の悪化により、高バイアス印加時のリーク電流が大きくなってしまう。よって、本発明ではドーピング量が1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが最適であることを見出した。
(第4の実施形態の変形例2)
図15に本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態の変形例を概略的に示す斜視図である。Si基板37上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、Ga1-X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層27、InX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層28、Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層29が順次形成されていることを特徴し、第1クラッド層27と光伝導層28と第2クラッド層29の合計膜厚が0.5μm以上となるように、順次形成される。第4の実施形態の変形例2における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
図15に本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態の変形例を概略的に示す斜視図である。Si基板37上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、Ga1-X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層27、InX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層28、Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層29が順次形成されていることを特徴し、第1クラッド層27と光伝導層28と第2クラッド層29の合計膜厚が0.5μm以上となるように、順次形成される。第4の実施形態の変形例2における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
初期層24の膜厚はその上に成長される構成層の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。第2クラッド層29の表面から領域30にBがドーピングされている。本発明ではイオン注入によりBのドーピングを実施した。B注入の深さは、第2クラッド層29、光伝導層28、及び光伝導層と接する第1クラッド層27の一部に到達することは必須であり、その注入深さは200nm以上であることが好ましい。本実施例では、第1クラッド層27の膜厚を200nm、光伝導層28の膜厚を20nm、第2クラッド層29の膜厚を200nmとし、第2クラッド層の表面から600nmの深さまで、B注入を実施した。これにより、第2クラッド層29、光伝導層28、第1クラッド層27は高抵抗化される。本実施例では、B注入が第2クラッド層29表面から光伝導層28、第1クラッド層27を超えて、超格子層26にまで到達している。B注入による高抵抗化は、第2クラッド層29、光伝導層28に対しては全領域で高抵抗化が進められる必要があるが、第1クラッド層27については、光伝導層18側から一部の領域がB注入による高抵抗化が進められた状態で問題はない。第2クラッド層29上には、所定箇所に励起光パルスを照射する照射部と所定の間隔を有するバイアス電圧を印加する電圧印加部を有することを特徴とする。この構成を取ることにより、光伝導スイッチ素子の電極間に印加する電圧を200V以上にまで高めることができるため、高出力なテラヘルツ波を発生させることが可能となる。さらに、光伝導層28の屈折率を、第1クラッド層27、第2クラッド層29よりも高くなるような構成にすることにより、励起光パルスを光伝導層に閉じこめることが可能となり、効率よく光伝導層にてテラヘルツ電磁波を発生させることが可能となる。
また、Si基板を使用していることにより大面積化が容易であり、低コスト化が可能となるだけでなくテラヘルツイメージング用光源としても有用である。また、基板にIII−V族化合物半導体基板を用いることも可能となる。この場合には、MOCVD等の結晶成長にて光伝導層を形成するような場合に格子整合条件での結晶成長を可能とするので光伝導層の高品質化を容易にすることができる。さらに、サファイア等の酸化物基板を用いた場合には、低コスト化が可能となるばかりではなく、基板を除去する工程を必要とする場合にはプロセス設計を容易にすることができ、さらには基板上にさまざまな加工を施すことにより、テラヘルツ電磁波の取り出し効率を高めることも可能となる。
(第4の実施形態の変形例3)
図16に本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態の変形例を概略的に示す斜視図である。Si基板38上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、CがドーピングされたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層34、CがドーピングされたInX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層35、Cがドーピングされた第2クラッド層Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層36が順次形成される。第4の実施形態の変形例3における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
図16に本発明によるテラヘルツ波発生装置の第4の実施形態の変形例を概略的に示す斜視図である。Si基板38上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)初期層24(20nm以上200nm以下)、Ga1-X2AlX2N(0≦X2≦1)バッファ層25、Ga1-X3AlX3N(0≦X3≦1、5nm)/Ga1-X4AlX4N(0≦X4≦1、20nm)超格子層26、CがドーピングされたGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)第1クラッド層34、CがドーピングされたInX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)光伝導層35、Cがドーピングされた第2クラッド層Ga1-X9AlX9N(0≦X9≦1)第2クラッド層36が順次形成される。第4の実施形態の変形例3における上記材質の組成比率を示すX1〜X9は、例えばX1=1、X2=0.15、X3=1、X4=0、X5=0.15、X6=0、X7=1、X8=0、X9=0.15でよい。
第1クラッド層34、光伝導層35、第2クラッド層36は、MOCVD成長時の成長条件を成長圧力100Torr、V/III比600にて成長を実施した。この成長条件を選択することにより、Cが結晶成長層内にオートドーピングされ、そのドーピング量は1〜5×1019cm-3程度となる。これにより、第1クラッド層34、光伝導層35、第2クラッド層36が高抵抗化される。初期層24の膜厚はその上に成長される構成層の結晶性を確保できる膜厚に設定すれば20nm〜200nmの範囲で問題はない。高抵抗化のためのCドーピングは、第2クラッド層36、光伝導層35においては必須であるが、第1クラッド層においては、光伝導層に接する第1クラッド層34の一部にドーピングされた状態でも問題はない。また、第1クラッド層34、光伝導層35、第2クラッド層36に対してCドーピングを実施したが、超格子層26にCをドーピングしても問題はない。さらに超格子層26とバッファ層25にCドーピングを施しても問題は無い。さらには、基板上の構成層全層にCドーピングを実施しても問題はない。ドーピングされるドーパントはC以外にB、C、Fe、P、O、F、Zn、Mg等、光伝導層の高抵抗化が実現できるドーパントであれば問題はない。ドーピング量は1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが望ましい。ドーピング量が少ないとキャリアの補償効果が十分に得られず、また、ドーピング量が多すぎると結晶性の悪化により、高バイアス印加時のリーク電流が大きくなってしまう。よって、本発明ではドーピング量が1.0×1018cm-3以上1.0×1024cm-3以下であることが最適であることを見出した。
また、Si基板を使用していることにより大面積化が容易であり、低コスト化が可能となるだけでなくテラヘルツイメージング用光源としても有用である。また、基板にIII−V族化合物半導体基板を用いることも可能となる。この場合には、MOCVD等の結晶成長にて光伝導層を形成するような場合に格子整合条件での結晶成長を可能とするので光伝導層の高品質化を容易にすることができる。さらに、サファイア等の酸化物基板を用いた場合には、低コスト化が可能となるばかりではなく、基板を除去する工程を必要とする場合にはプロセス設計を容易にすることができ、さらには基板上にさまざまな加工を施すことにより、テラヘルツ電磁波の取り出し効率を高めることも可能となる。
本発明は、発生するテラヘルツ光の強度を高めることができるものであり、それを利用することにより非破壊検査、イメージング、通信などの効率を向上させることができる。
1 基板
2 初期層
3 光伝導層
4 B注入領域
5 電極
6 電極
7 ギャップ
8 励起パルス光照射部
8' 自由キャリア
9 電流−電圧特性
10 電流−電圧特性
11 光伝導層(Cドーピング)
12 基板
13 初期層
14 バッファ層
15 超格子層
16 光伝導層
17 B注入領域
18 電極
19 電極
20 ギャップ部
21 光伝導層(Cドーピング)
22 Si基板
23 基板
24 初期層
25 バッファ層
26 超格子層
27 第1クラッド層
28 光伝導層
29 第2クラッド層
30 B注入領域
31 電極
32 電極
33 ギャップ部
34 第1クラッド層
35 光伝導層
36 第2クラッド層
37 Si基板
38 Si基板
101 Tiサファイアレーザ
102 ビームスプリッタ
103 ポンプ光パルス
104 プローブ光パルス
105 テラヘルツ波発生装置105
106 テラヘルツ波発生装置から反射される形でテラヘルツ波
108 検出器
109 光学遅延ステージ
2 初期層
3 光伝導層
4 B注入領域
5 電極
6 電極
7 ギャップ
8 励起パルス光照射部
8' 自由キャリア
9 電流−電圧特性
10 電流−電圧特性
11 光伝導層(Cドーピング)
12 基板
13 初期層
14 バッファ層
15 超格子層
16 光伝導層
17 B注入領域
18 電極
19 電極
20 ギャップ部
21 光伝導層(Cドーピング)
22 Si基板
23 基板
24 初期層
25 バッファ層
26 超格子層
27 第1クラッド層
28 光伝導層
29 第2クラッド層
30 B注入領域
31 電極
32 電極
33 ギャップ部
34 第1クラッド層
35 光伝導層
36 第2クラッド層
37 Si基板
38 Si基板
101 Tiサファイアレーザ
102 ビームスプリッタ
103 ポンプ光パルス
104 プローブ光パルス
105 テラヘルツ波発生装置105
106 テラヘルツ波発生装置から反射される形でテラヘルツ波
108 検出器
109 光学遅延ステージ
Claims (7)
- 光を受けてテラヘルツ電磁波を発生する光伝導層と、前記光伝導層の表面に設けられた電極対とを備えるテラヘルツ電磁波発生装置において、
前記光伝導層の表面は、前記電極対により挟まれた領域に光の照射を受ける光照射部を有し、
前記光伝導層は、窒化物系化合物半導体で構成され、その表面から200nm以上の内部の領域にキャリア濃度を調整する不純物を含み、
前記不純物の濃度は1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下であり、
前記光伝導層は裏面側の層とホモ接合またはヘテロ接合している
ことを特徴とするテラヘルツ電磁波発生装置。 - 前記不純物は、B、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgのうちの少なくともひとつであることを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記光伝導層はGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)により形成され、
前記テラヘルツ電磁波発生装置は、さらに、
前記光伝導層の裏面側にGa1-X3AlX3N(0≦X3≦1)またはGa1-X4AlX4Nにより形成された超格子層と、
前記超格子層の裏面側にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)により形成された初期層と、
前記初期層の裏面側に形成された基板と
を備えることを特徴とする請求項1または2記載のテラヘルツ電磁波発生装置。 - 前記基板は、Si基板、III−V族化合物半導体基板およびサファイアの酸化物基板の1つであることを特徴とする請求項3記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
- 前記テラヘルツ電磁波発生装置は、さらに、
前記光伝導層よりも小さい屈折率を有し、前記光伝導層の裏面側に形成された第1クラッド層と、
前記光伝導層よりも小さい屈折率を有し、前記光伝導層の表面側に形成された第2クラッド層とを備え、
前記電極対は、第2クラッド層の表面に設けられる
ことを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ電磁波発生装置。 - 基板上にGa1-X1AlX1N(0≦X1≦1)により形成された初期層と、
前記初期層上にGa1-X2AlX2N(0≦X2≦1)により形成されたバッファ層と、
前記バッファ層上にGa1-X3AlX3N(0≦X3≦1)またはGa1-X4AlX4N(0≦X4≦1)により形成された超格子層と、
前記超格子層上にGa1-X5AlX5N(0≦X5≦1)により形成された第1クラッド層と、
第1クラッド層上にInX6GaX7AlX8N(0≦X6、X7、X8≦1、X6+X7+X8=1)により形成された光伝導層と、
前記光伝導層上にGa1-X9AlX9N(0≦X9≦1)により形成された第2クラッド層と、
前記第2クラッド層上に設けられた電極対とを備え、
前記第1クラッド層、前記光伝導層および第2クラッド層の少なくとも1つにおける、前記第2クラッド層の表面から200nm以上の領域は、1×1018cm-3以上1.2×1024cm-3以下の不純物を含み、
前記不純物は、B、C、Fe、P、O、F、Zn、Mgのうち少なくともひとつであり、
前記基板は、Si基板、III−V族化合物半導体基板、サファイア等の酸化物基板の何れかである
ことを特徴とするテラヘルツ電磁波発生装置。 - 前記電極対は、複数の突出部を有する第1電極と、複数の突出部を有する第2電極とを備え、
前記第1電極の複数の突出部と第2電極の複数の突出部は対向するようアレイ状に配置される
ことを特徴とする請求項1または6記載のテラヘルツ電磁波発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006327651A JP2008141075A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | テラヘルツ電磁波発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006327651A JP2008141075A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | テラヘルツ電磁波発生装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008141075A true JP2008141075A (ja) | 2008-06-19 |
Family
ID=39602213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006327651A Pending JP2008141075A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | テラヘルツ電磁波発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008141075A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010056198A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-11 | Canon Inc | 光伝導素子 |
JP2013062658A (ja) * | 2011-09-13 | 2013-04-04 | Pioneer Electronic Corp | アンテナ素子およびアンテナ素子の製造方法 |
KR101291319B1 (ko) | 2009-09-18 | 2013-07-30 | 한국전자통신연구원 | 테라헤르츠파 발생/검출기 및 그의 제조방법 |
JP2019508895A (ja) * | 2016-02-12 | 2019-03-28 | フラウンホファー‐ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ | テラヘルツアンテナおよびテラヘルツアンテナを製造する方法 |
-
2006
- 2006-12-04 JP JP2006327651A patent/JP2008141075A/ja active Pending
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