JP2010283119A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リアクトル1は、巻回軸方向への投影形状が非円形状であるコイル2と、コイル2を部分的に埋設すると共に磁束の磁路を構成する磁性粉末混合樹脂からなるコア3とからなる。コイル2のうち、投影形状の曲率半径が最も小さい部位は、その少なくとも一部の表面が上記コア3から露出した露出部21を構成している。例えば、コイル2は、巻回軸方向への投影形状が曲線状となる曲線部22と直線状となる直線部23とをそれぞれ複数個所に有し、曲線部22の少なくとも一部が露出部21を構成している。
【選択図】図1
Description
かかるリアクトル9においては、コイル92を螺旋状に巻回し、このコイル92をコア93に埋設する。これにより、コイル92の内側と外周とにわたって生じる磁束φの磁路が、コア93内に形成される。
そして、コイル92の形状としては、省スペース化等の観点から、図15に示すごとく、投影形状が非円形状とすることがある(特許文献1参照)。
すなわち、コイル92から発生する磁束φは特にコイル92の内側において集中し、この部分における磁束密度が高くなる。ここで、コイル92の巻回軸方向への投影形状が円形状であれば、コイル92の内側において均等な磁束密度をもって磁束φが形成されることとなる。
また、局部的に磁束密度が高くなる部位を有するリアクトル9においては、磁気飽和が生じやすく、優れた直流重畳特性を得ることが困難であるという問題がある。
該コイルを部分的に埋設すると共に上記磁束の磁路を構成する磁性粉末混合樹脂からなるコアとからなり、
上記コイルのうち、上記投影形状の曲率半径が最も小さい部位は、その少なくとも一部の表面が上記コアから露出した露出部を構成していることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
つまり、磁束密度の不均一が生じやすい非円形状のコイルを有するリアクトルにおいて、磁束密度の不均一を抑制することができる。
これにより、リアクトルにおいて、局部的な高温部が形成されることを防ぐことができると共に、磁気飽和が生じ難く、優れた直流重畳特性を有するリアクトルを得ることができる。
上記磁性粉末混合樹脂として、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂に磁性粉末を混入させてなるものを用いることができる。
また、上記「非円形状」としては、例えば直線と曲線とを組み合わせた形状、楕円形状、略四角形状等がある。
また、上記曲率半径の大小は、コイルを構成する巻き線において同じ条件となる部分において比較されるものであり、例えば巻き線部分の幅方向の中心における曲率半径にて比較されるものである。また、直線状の部分の曲率半径は無限大となる。
この場合には、コイルの成型を容易に行うことができる。そして、かかる形状のコイルにおいて曲線部の少なくとも一部を露出部とすることによって、磁束密度の高くなりやすい曲線部の周囲の磁束密度を抑制し、磁束密度の不均一を効果的に抑制することができる。
この場合には、コイルにおける所望の部分に露出部を設けることが容易となる。また、コアの成型時に、切欠部を形成する部分に治具を配置することにより、切欠部を設けつつコア内におけるコイルの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。
この場合には、上記切欠部の先端部に応力が集中することを抑制し、切欠部からコアに亀裂が入ることを抑制することができる。
この場合には、磁束密度が高くなりやすいそれぞれの曲線部の周囲において、磁束密度を低減することができ、磁束密度の不均一性を効果的に緩和することができる。
本発明の実施例にかかるリアクトルにつき、図1〜図9を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1〜図3に示すごとく、巻回軸方向への投影形状が非円形状であるコイル2と、該コイル2を部分的に埋設すると共に上記磁束の磁路を構成する磁性粉末混合樹脂からなるコア3とからなる。
コイル2のうち、上記投影形状の曲率半径が最も小さい部位は、その少なくとも一部の表面がコア3から露出した露出部21を構成している。
切欠部31は、切り込み方向の先端部に、コイル2の巻回軸方向への投影形状が曲線状となる曲面状先端部311を有する。
露出部21は、2個所の曲線部22の双方において形成されている。
曲線部22の他の一部及び直線部23の全体は、コア3に埋設されている。
コア3を構成する磁性粉末混合樹脂は、鉄粉からなる磁性粉末をエポキシ樹脂に分散混合してなる。
コイル2に補助型41を装着したとき、背面部411は、コイル2の曲線部22の外周面262に密着し、上面部412および下面部413は、それぞれ曲線部22の上面及びした下面に密着するとともに、コイル2の内周面261よりも内側まで突出する。
次いで、図6に示すごとく、メイン型42の中に液状の磁性粉末混合樹脂30を注入し、これを硬化させる。
次いで、メイン型42から、コイル2がインサート成型された磁性粉末混合樹脂30からなるコア3を、一対の補助型41と共に脱型する。そして、一対の補助型41をコイル2とコア3との一体成型品から取り外すことにより、図2に示すようなリアクトル1を得る。
リアクトル1においては、補助型41を装着していた部分に、コア3が切り欠かれた切欠部31が形成される。そして、この切欠部31に、コイル2の一部がコア3から露出した露出部21が形成される。
この場合、例えば、リアクトル1を、図7に示すごとく、ケース5内に挿入配置する。次いで、図8、図9に示すごとく、ケース5とリアクトル1との間の隙間に接着材51を注入する。このとき、接着材51はコア3の切欠部31にも充填される。
そして、接着材51を硬化させることにより、ケース5内にリアクトル1が固定される。
上記リアクトル1において、コイル2のうち、投影形状の曲率半径が最も小さい部位は、その少なくとも一部の表面がコア3から露出した露出部21を構成している。これにより、磁束密度の不均一性を抑制することができる。
つまり、磁束密度の不均一が生じやすい非円形状のコイル2を有するリアクトル1において、磁束密度の不均一を抑制することができる。
これにより、リアクトル1において、局部的な高温部が形成されることを防ぐことができると共に、磁気飽和が生じ難く、優れた直流重畳特性を有するリアクトル1を得ることができる。
また、露出部21は、複数個所の曲線部22のすべてにおいて形成されているため、磁束密度が高くなりやすいそれぞれの曲線部22の周囲において、磁束密度を低減することができ、磁束密度の不均一性を効果的に緩和することができる。
本例は、図10〜図13に示すごとく、コア3の切欠部31の形状を種々変更した例である。そして、コイル2における露出部21の位置を種々変更している。
すなわち、図10に示すリアクトル1は、曲線部22の一部において、巻回方向に直交する断面の全周に切欠部31を形成し、上記断面の全周にわたってコイル2を露出させたものである。
図12に示すリアクトル1は、曲線部22の一部において、外周面262に沿った部分に切欠部31を形成し、コイル2の外周面262のみを露出させたものである。これは、コイル2の上面263および下面264が露出していない点で、実施例1と異なる。
その他は、実施例1と同様の構成を有し、同様の作用効果を有する。
本例は、図14に示すごとく、コイル2の巻回軸方向への投影形状が、略長方形状であるリアクトル1の例である。
本例のリアクトル1のコイル2は、4個所の曲線部22と4個所の直線部22とを交互に繋ぎ合わせたような形状を有する。すなわち、略長方形状の4つの角部に、曲線部22を配置し、4つの辺に直線部23を配置している。
その他は、実施例1と同様の構成を有し、同様の作用効果を有する。
2 コイル
21 露出部
22 曲線部
23 直線部
3 コア
31 切欠部
Claims (5)
- 巻回軸方向への投影形状が非円形状であるコイルと、
該コイルを部分的に埋設すると共に上記磁束の磁路を構成する磁性粉末混合樹脂からなるコアとからなり、
上記コイルのうち、上記投影形状の曲率半径が最も小さい部位は、その少なくとも一部の表面が上記コアから露出した露出部を構成していることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1において、上記コイルは、巻回軸方向への投影形状が曲線状となる曲線部と直線状となる直線部とをそれぞれ複数個所に有し、上記曲線部の少なくとも一部が上記露出部を構成していることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1又は2において、上記露出部は、上記コアを切り欠いた切欠部において上記コアから露出していることを特徴とするリアクトル。
- 請求項3において、上記切欠部は、切り込み方向の先端部に、上記コイルの巻回軸方向への投影形状が曲線状となる曲面状先端部を有することを特徴とするリアクトル。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記露出部は、上記複数個所の曲線部のすべてにおいて形成されていることを特徴とするリアクトル。
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