JP2010282803A - 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010282803A
JP2010282803A JP2009134555A JP2009134555A JP2010282803A JP 2010282803 A JP2010282803 A JP 2010282803A JP 2009134555 A JP2009134555 A JP 2009134555A JP 2009134555 A JP2009134555 A JP 2009134555A JP 2010282803 A JP2010282803 A JP 2010282803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium ion
electrode material
solid electrolyte
secondary battery
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009134555A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5414371B2 (ja
Inventor
Kazuyuki Sunayama
和之 砂山
Hidetake Okamoto
英丈 岡本
Tetsuya Inoue
鉄也 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd, Hitachi Zosen Corp filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2009134555A priority Critical patent/JP5414371B2/ja
Publication of JP2010282803A publication Critical patent/JP2010282803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5414371B2 publication Critical patent/JP5414371B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】リチウムイオン電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化を実現し得る、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】正極材と負極材との間にリチウムイオン固体電解質が配置されるとともにこれら各極材の外面にそれぞれ集電体が配置されてなる全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、正負いずれかの集電体、例えば負極集電体4の表面に、極材および固体電解質の粉末材料Fを、搬送用の不活性ガスGにて吹き付けることにより、順次、負極材層、固体電解質層および正極材層を形成する際に、各粉末材料に電荷を帯電させて吹き付けるとともに、不活性ガスとして露点が−80℃以下の不活性ガスを用いるようにしたものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
近年、携帯電話・PDA・ノートパソコンなどの高機能化に伴い、長時間使用が可能であり、且つ小型・軽量で、安全性の高い二次電池が強く要望されている。
しかし、従来から使用されてきた可燃性の有機溶媒を含むリチウム二次電池は過充電時や濫用時に液漏れや発火の危険性がある。そのため、電池の高エネルギー密度化に伴い、安全性の確保が重要な課題とされてきた。
このような課題を解決する電池として、有機電解液に比べて化学的に安定でかつ漏液や発火の問題のない固体電解質を電解質として用いた全固体リチウムイオン二次電池の研究開発が鋭意行われている。
ところで、上記全固体リチウムイオン二次電池の製造方法としては、電池の構成材料の粉末を加圧しペレット状にする方法(例えば、特許文献1)と、電池の構成材料を溶媒に混ぜて塗布する方法(例えば、特許文献2)が知られている。
特開2008−257962号公報 特開2008−243560号公報
ところで、電池の構成材料の粉末を加圧しペレット状にする方法では、ペレットに割れが生じないように、面積が小さくしかも厚い形状のものしか製作することができず、したがってリチウムイオン電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化を実現することができないという問題があった。
また、電池の構成材料を溶媒に混ぜて塗布する方法では、溶媒乾燥後に残る残留物あるいはバインダーなどの不純物がイオン伝導性を阻害し、結果として電池の性能向上を妨げるという問題があった。
そこで、本発明は、リチウムイオン電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化を実現し得る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、正極材と負極材との間にリチウムイオン固体電解質が配置されるとともにこれら各極材の外面にそれぞれ集電体が配置されてなる全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
集電体の表面に極材および固体電解質の粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けることにより、極材層および固体電解質層を形成する際に、極材および固体電解質の粉末材料に電荷を帯電させて吹き付ける方法である。
また、請求項2に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項1に記載の製造方法において、搬送用ガスとして不活性ガスを用いる方法である。
また、請求項3に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項1または2に記載の製造方法において、露点が−80℃以下の不活性ガスを用いる方法である。
また、請求項4に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法において、固体電解質として硫化物系無機固体電解質を用いる方法である。
さらに、請求項5に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法において、極材層および固体電解質の形成後、加圧するとともに帯電した電荷を除電する方法である。
上記請求項1に記載の製造方法によると、集電体の表面に極材および固体電解質の粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けることにより、極材層および固体電解質層を形成する際に、極材および固体電解質の粉末材料に電荷を帯電させて吹き付けるようにしたので、均一な厚さで粉体の層が形成されて成形加圧時の圧力が全体にかかることになり、したがってペレット成形法のように加圧による割れが生じないため、リチウムイオン二次電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化が可能となる。また、溶媒やバインダーなどの添加物が不要であるため、不純物の残留による電池性能の劣化がない。
さらに、粉末材料に電荷を帯電させて吹き付けるため、集電体と極材同士、極材と固体電解質同士の密着性が高まり、電池性能の向上を図ることができる。
また、請求項2〜請求項4に記載の製造方法によると、搬送用ガスに不活性ガスを用いるとともにその露点が−80℃以下となるようにして水分を除去するようにしたので、水分と固体電解質例えば硫化物系無機固体電解質の材料粉末とが反応するのを阻止することができ、したがって電池性能が低下するのを防止することができる。特に、水分による電池性能の劣化が特に顕著な硫化物系無機固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池において、高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化が可能となる。
さらに、請求項5に記載の製造方法によると、加圧後に帯電した電荷を除電するようにしたので、帯電により増加した粉末の電気抵抗が低下するため、電池性能の向上を図ることができる。
本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池の製造方法に用いられる静電製膜装置の概略構成を示す図である。 同静電製膜装置の要部断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法を説明する要部断面図である。 同リチウムイオン二次電池の充放電特性を比較したグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法について、具体的に示した実施例に基づき説明する。
まず、全固体リチウムイオン二次電池の構成について説明する。
本実施例に係る全固体リチウムイオン二次電池は、概略的には、正負の集電体、正負の極材層および固体電解質層から構成されている。
上記集電体としては、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、錫、またはこれらの合金等からなる板状体や箔状体、または粉体などが用いられる。この他、各種材料を製膜したものを用いることができる。
上記固体電解質としては、リチウムイオン伝導性固体物質が用いられる。つまり、リチウムイオン固体電解質が用いられる。このリチウムイオン伝導性固体物質については、特に限定されず、例えば有機化合物、無機化合物または有機・無機両化合物からなる材料を用いることができ、さらにリチウムイオン電池分野で公知のものを使用することができる。特に、硫化物系無機固体電解質はイオン伝導性が他の無機化合物より高いことが知られている。
また、正極材としては、電池分野において正極活物質として使用されているものを使用することができる。例えば、酸化物系ではコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)などである。一方、負極材としては、電池分野において負極活物質として使用されているものを使用することができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素などを用いることができる。
ところで、固体の極材においては、電子伝導性に加えてイオン伝導性(イオン伝導度でもある)を向上させるために、極材の粒子同士を密着させて粒子間の接合点や面を多く存在させることにより、イオン伝導パスをより多く確保することが重要となる。そのため、電解質等のイオン伝導活物質を混合させてなる極合材が用いられる。したがって、極材としては、極活物質にリチウムイオン固体電解質を混合したもの(所謂、正極合材、負極合材)が用いられる。なお、この混合割合は、電極の設計に合わせて適宜調整される。
図1に、本実施例に係る全固体リチウムイオン二次電池の模式図を示す。
この全固体リチウムイオン二次電池(以下、単に、二次電池ともいう)は、負極材1と正極材2との間にリチウムイオン固体電解質3が配置(積層)され、また負極材1の固体電解質3とは反対側の表面に負極集電体4が、および正極材2の固体電解質3とは反対側の表面に正極集電体5が配置(積層)されたものである。
以下、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
この製造方法を簡単に説明すると、含有水分が露点−80℃以下となるように管理された不活性ガス[搬送用ガス(キャリアガスともいう)であり、具体的には窒素ガスが用いられる]を粉末材料の搬送用および吹付用(噴出用)として使用し、負極集電体(または正極集電体)の一方の表面に、静電気を帯びた、つまり電荷を帯電させた極材粉末材料および固体電解質粉末材料を順次付着させて製膜する製造方法、簡単に説明すれば、静電法を用いた電池の製造方法である。
ここで、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を図面に基づき説明する。
この製造方法は、上述したように、静電法を用いて製膜を行うものであり、まず静電法を行うための、つまり静電製膜工程で用いられる静電製膜装置について説明する。
図2および図3に示すように、この静電製膜装置11は、内部に粉末材料を供給し得る材料供給通路12aを有するとともに先端部が絞られてなる材料の噴出用ノズル(スプレーノズルともいう)12と、この噴出用ノズル12に材料供給配管13を介して接続された材料供給装置14と、この材料供給装置14および材料供給配管13途中にガス供給配管15を介してキャリアガスである不活性ガスGを吹き込み材料供給装置14から供給された粉末材料を噴出用ノズル12に供給するためのガス供給装置(例えば、ガスホルダーである)16と、上記噴出用ノズル12内に挿入された針状電極17と、上記噴出用ノズル12の先端開口部12bに対向する位置で且つ所定距離はなれた位置に設けられた板状の対向電極18と、これら両電極17,18間に高電圧、例えば、20〜100kV(範囲内)の直流電気を印加するための直流電源19とから構成されている。なお、粉末材料の供給を確実に行い得るように、不活性ガスGの供給箇所は、材料供給装置14の入口側と出口側の2箇所にされている。
次に、全固体リチウムイオン二次電池のより具体的な製造方法を、図4に基づき説明する。
まず、図4(a)に示すように、いずれかの電極集電体、例えば負極集電体4を対向電極18の上面に配置するとともに、その上面に負極材1を形成するためのマスク材21を配置する。
そして、この対向電極18と針状電極17との間に直流電源19により、20〜100kVの高電圧の直流電気を印加するとともに、材料供給装置14およびガス供給装置16により、粉末の負極材1を不活性ガスGにより噴出用ノズル12に導きその先端開口部12bから負極集電体4の表面に噴出させれば(吹き付ければ)、両電極17,18間で発生するコロナ放電により負極材1に電荷(正の電荷)が帯電するとともに、その帯電した電荷に作用するクーロン力により、負極材1が負極集電体4の表面に付着し、図4(b)に示すように、負極集電体4の表面に所定膜厚の負極材1が形成される。すなわち、静電法つまり静電塗装の原理により、負極材1が製膜されることになる。
言い換えれば、噴出用ノズル12内の針状電極17の尖端部と対向電極18とが十分離されていることにより両電極17,18間で発生するコロナ放電により、噴出用ノズル12内に供給された粉末材料に電荷が帯電され、この帯電された粉末材料は対向電極18にクーロン力によって引き寄せられるため、対向電極18側に粉末材料が製膜されることになる。なお、対向電極18そのものを負極集電体(または正極集電体)とすることもできる。
次に、負極集電体4に負極材1が製膜されてなる積層体を次工程に移動させて、上述したものと同様の静電製膜装置により、負極材1の表面にリチウムイオン固定電解質3を形成する。
すなわち、図4(c)に示すように、負極材1の上面に固体電解質3を形成するためのマスク材22を配置した後、その静電製膜装置の材料供給装置から供給された固体電解質の粉末材料を噴出用ノズル12から噴出させて、所定膜厚のリムイオン固体電解質3を静電法により形成する。
次に、図4(d)に示すように、負極集電体4および負極材1の上面にリチウムイオン固体電解質3が形成されてなる積層体を次工程に移動させて、やはり、上述したものと同様の静電製膜装置により、固体電解質3の表面に正極材2を形成する。
すなわち、図4(e)に示すように、固体電解質3の上面に他方の電極である正極材2を形成するためのマスク材23を配置した後、静電製膜装置の材料供給装置から不活性ガスにより供給された正極材2の粉末材料を噴出用ノズル12から噴出させて、所定膜厚の正極材2を静電法により形成する。
次に、負極集電体4の上面に、負極材1、リチウムイオン固体電解質3および正極材2が順次形成されてなる積層体(図4(f)に示す)を次のプレス成形工程に移動させて、例えば単動式プレス(ロールプレスでもよい)により、所定圧力でもってその表面を押圧する。このプレス成形により、粉末同士(粒子同士)の接触性が高められて電子・イオン伝導性の向上が図られる。
さらに、上記得られた積層体の正極材2の上面に、正極集電体5が載置されて略完成状態の電池が得られる。
そして、最後に、略完成状態の二次電池を熱圧着式のラミネートフィルム中に挿入するとともに、内部のガスを吸引しながら封止を行うことにより、二次電池の完成品が得られる。この封止により、充放電時の圧密性が高められるとともに、水分と反応して変質する固体電解質例えば硫化物系固体電解質が大気から保護される。なお、構成材料中の微量なガスが加圧力により外部に排出されるため、ラミネートフィルム中のガスを吸引する際にラミネートフィルムと垂直方向に加圧することが望ましい。
なお、マスク材の開口については、順次、下層部の上面に、所定の上層部が形成し得るような大きさにされている。例えば、負極材1を形成するマスク材21の開口部は負極集電体4よりも小さくされ、またリチウムイオン伝導を行うとともに正極と負極を電気的に分かつための固体電解質層3を形成するマスク材22の開口部は負極材1よりも少し大きくされ、さらに正極材2を形成するマスク材23の開口部は固体電解質3よりも小さく且つ負極材1と同じ大きさになるようにされている。
ところで、上記製造工程においては、正極材2を製膜した後にプレス成形を行う加圧成形工程を配置したが、つまり、負極材1、固体電解質3および正極材2の三層を合わせた状態でプレス成形を行うように説明したが、一層毎の製膜後に、すなわち負極集電体4に負極材1を製膜させた後、および負極材1に固体電解質3を製膜させた後において、それぞれ加圧成形工程を配置してもよい。
上述したように、粉末材料を供給するためのキャリアガスとしては、製膜材料の変質を防止するために、窒素ガスなどの不活性ガスが用いられるとともに、固体電解質として硫化物系固体電解質を用いる場合には、含有する硫黄成分が水分と非常に反応し易く、特にキャリアガスとは接触が大きいためにキャリアガス中に含まれる水分はできる限り微量に制限することが必要であるため、露点が−80℃以下となるようにされている。
さらに、2種類以上の材料、例えば材料の粒径、形状、比重などが異なる材料が混合されてなる合材を、キャリアガスによって搬送する際に、混合部である材料供給装置と噴出用ノズルとの間の距離が長いと、所定の混合比が得られない場合や、製膜層の上部と下部で混合比が異なる場合が生じる。このため、材料供給装置と噴出用ノズルとの間はできるだけ近づけるようにするとともに静電塗装で用いられるような屈曲性を有する材料供給チューブの替わりに、四フッ化エチレン樹脂テフロン(登録商標)などの流動性が良い硬質のチューブまたは配管を使用する必要がある。
さらに、静電製膜時に印加する電圧は一般的に20〜100kVであり、電圧が高い方が粉末材料に印加される電荷は大きくなり付着力が大きい。また、電圧が低いと逆に付着力が小さくなるために、同時に吐出されるキャリアガスによって付着した材料が一定膜厚以上のものは除去されてしまう。このため、キャリアガスや対向高さを共通とした同材料の製膜においては、印加電圧の大きさ(高さ)により、製膜できる膜厚の制御が可能となる。
防錆や美観を目的とした一般のスプレー式静電製膜塗装では、膜厚の違いによって要求する性能に大きな差異は生じないが、全固体リチウムイオン二次電池においては膜厚が電池性能に大きく影響を及ぼす。
そこで、次の方法により膜厚を従来よりも精密に制御することが出来る。
すなわち、或る膜を形成する場合(一つの層を形成する場合)、製膜工程を2度に分けて行い、その中間工程として膜厚計測を行う。具体的に説明すれば、一度目の製膜により所定の80〜90%の膜厚が得られるような条件で製膜を行う。一回の製膜では所定の膜厚に対し、±10%程度の精度で膜厚制御が可能であることから、一度目の製膜の後に行う膜厚計測の結果を受けて、2度目の製膜を行うことで、最終的に得られる膜厚精度は所定のものに対し±1〜2%となる。
ここで、本実施例に係る二次電池と、従来のペレットタイプの二次電池との性能を比較した結果について説明する。
なお、ペレットタイプの二次電池は、割れを生じずに電池として安定して動作させるために、固体電解質と正極材(正極合材である)との合計厚さが約475μm必要となり、且つその大きさについても、φ10程度必要となる。
ところで、リチウムイオン二次電池においては、リチウムイオンが電池内を移動するために正負の電極間をできるだけ近づけることが重要となる(通常の有機電解液を用いた電池では、約200μm程度である)。
一方、固体電解質をリチウムイオン伝導体とした全固体リチウムイオン電池においては、液電池よりもイオン伝導性が低下するため、液電池よりも、さらに正負の極間距離を小さくする必要がある。
以下、本実施例の製造方法により作製した薄型電池と、上述したペレット成型法による電池との比較について説明する。
本実施例に係る電池では、固体電解質層、正極材層の双方を静電法により製膜しているのに対し、ペレット成型による電池では静電法は用いていないが、固体電解質層の厚み以外についは、本実施例に係る電池と同じ構成にされている。そして、ここでは、固体電解質層の厚みによる電池性能について比較する。
この性能試験では、双方とも、厚み100μmのインジウム箔を負極としており、負極であるインジウム箔を負極集電体としたステンレス板上に置き、その上に固体電解質の粉末を静電法により製膜する。このときの固体電解質の厚みは加圧成形後に79μmである。そして、その上に正極材を静電法により製膜する。このときの正極材の厚みは加圧成形後で43μmであった。ペレット成型法による電池では、固体電解質の厚みは405μm、正極材の厚みは43μm(本実施例に係る電池と同じである)とする。また、このときの加圧成形力は、255MPa(2.6t/cm)同一である。双方を加圧治具に治め、78.5MPa(800kg/cm)の圧力を与えた状態で充放電試験を行い容量の比較をする。充電電流を0.5mA/cm、放電電流を2.0mA/cmとした結果を図5に示す。
図5から、ペレット成型による電池では正極重量あたり容量が約97mAh/gであったのに対し、本実施例(本発明品である)の電池では120mAh/gの容量を実現することができた。すなわち、電池性能が向上しているのが良く分かる。
ところで、上記実施の形態においては、負極集電体上に負極材、固体電解質、正極材の順に製膜するように説明したが、これとは逆に、正極集電体上に正極材、固体電解質、負極材の順で製膜を行ってもよく、また製造時に、粉末材料に印加する直流電源の極性を逆にしてもよい(図面では、針状電極側を電源の正極に接続したが、負極に接続してもよい)。
1 負極材
2 正極材
3 固体電解質
4 負極集電体
5 正極集電体
11 静電製膜装置
12 噴出用ノズル
13 材料供給配管
14 材料供給装置
15 ガス供給配管
16 ガス供給装置
17 針状電極
18 対向電極
19 直流電源

Claims (5)

  1. 正極材と負極材との間にリチウムイオン固体電解質が配置されるとともにこれら各極材の外面にそれぞれ集電体が配置されてなる全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    集電体の表面に極材および固体電解質の粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けることにより、極材層および固体電解質層を形成する際に、極材および固体電解質の粉末材料に電荷を帯電させて吹き付けることを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 搬送用ガスとして不活性ガスを用いることを特徴とする請求項1記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 露点が−80℃以下の不活性ガスを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 固体電解質として硫化物系無機固体電解質を用いること特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 極材層および固体電解質層の形成後、加圧するとともに帯電した電荷を除電することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
JP2009134555A 2009-06-04 2009-06-04 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 Active JP5414371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009134555A JP5414371B2 (ja) 2009-06-04 2009-06-04 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009134555A JP5414371B2 (ja) 2009-06-04 2009-06-04 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010282803A true JP2010282803A (ja) 2010-12-16
JP5414371B2 JP5414371B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=43539386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009134555A Active JP5414371B2 (ja) 2009-06-04 2009-06-04 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5414371B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011096831A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Nippon Zeon Co Ltd 電気化学素子用電極の製造方法、電気化学素子用電極及び電気化学素子
JP2013182842A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Hitachi Zosen Corp 全固体二次電池およびその製造方法
CN103509500A (zh) * 2012-06-26 2014-01-15 湖州欧美化学有限公司 用于锂离子二次电池的水性粘合剂
JP2014183053A (ja) * 2013-03-20 2014-09-29 Robert Bosch Gmbh 電極及び電極の製造方法
JP2015060721A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 株式会社村田製作所 固体電池
JP2015060720A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 株式会社村田製作所 固体電池
JP2016225281A (ja) * 2015-05-26 2016-12-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 全固体リチウムイオン二次電池、および、その製造方法
KR20180020150A (ko) 2015-06-23 2018-02-27 히다치 조센 가부시키가이샤 전고체 2차전지 및 그 제조방법
CN109075396A (zh) * 2016-04-26 2018-12-21 日立造船株式会社 全固态二次电池
WO2019013084A1 (ja) * 2017-07-12 2019-01-17 日立造船株式会社 コイン形電池およびその製造方法
JP2019079817A (ja) * 2012-06-01 2019-05-23 株式会社半導体エネルギー研究所 電子機器
US10553907B2 (en) 2016-04-25 2020-02-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Battery, battery manufacturing method, and battery manufacturing apparatus
CN113314767A (zh) * 2021-05-28 2021-08-27 中南大学 一种全固态电池制备方法及全固态电池
CN114400368A (zh) * 2022-01-14 2022-04-26 厦门海辰新能源科技有限公司 硫化物固态电解质层及其制备方法和锂离子电池
JP7505472B2 (ja) 2021-10-28 2024-06-25 トヨタ自動車株式会社 電極の製造方法および電極の製造装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11288728A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用電極とその製造法
JP2001351616A (ja) * 2000-06-05 2001-12-21 Toyota Motor Corp 電極の製造方法
JP2010272368A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Toyota Motor Corp 固体電解質電池の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11288728A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 燃料電池用電極とその製造法
JP2001351616A (ja) * 2000-06-05 2001-12-21 Toyota Motor Corp 電極の製造方法
JP2010272368A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Toyota Motor Corp 固体電解質電池の製造方法

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011096831A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Nippon Zeon Co Ltd 電気化学素子用電極の製造方法、電気化学素子用電極及び電気化学素子
JP2013182842A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Hitachi Zosen Corp 全固体二次電池およびその製造方法
JP2019079817A (ja) * 2012-06-01 2019-05-23 株式会社半導体エネルギー研究所 電子機器
US10541409B2 (en) 2012-06-01 2020-01-21 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Negative electrode for power storage device and power storage device
CN103509500A (zh) * 2012-06-26 2014-01-15 湖州欧美化学有限公司 用于锂离子二次电池的水性粘合剂
JP2014183053A (ja) * 2013-03-20 2014-09-29 Robert Bosch Gmbh 電極及び電極の製造方法
JP2015060721A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 株式会社村田製作所 固体電池
JP2015060720A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 株式会社村田製作所 固体電池
JP2016225281A (ja) * 2015-05-26 2016-12-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 全固体リチウムイオン二次電池、および、その製造方法
US10651506B2 (en) 2015-06-23 2020-05-12 Hitachi Zosen Corporation All-solid-state secondary battery and method of producing the same
KR20180020150A (ko) 2015-06-23 2018-02-27 히다치 조센 가부시키가이샤 전고체 2차전지 및 그 제조방법
US11728516B2 (en) 2016-04-25 2023-08-15 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Battery, battery manufacturing method, and battery manufacturing apparatus
US10553907B2 (en) 2016-04-25 2020-02-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Battery, battery manufacturing method, and battery manufacturing apparatus
CN109075396A (zh) * 2016-04-26 2018-12-21 日立造船株式会社 全固态二次电池
KR20200027999A (ko) * 2017-07-12 2020-03-13 히다치 조센 가부시키가이샤 코인형 전지 및 그 제조방법
WO2019013084A1 (ja) * 2017-07-12 2019-01-17 日立造船株式会社 コイン形電池およびその製造方法
CN110870128A (zh) * 2017-07-12 2020-03-06 日立造船株式会社 硬币形电池及其制造方法
EP3654438A4 (en) * 2017-07-12 2020-07-29 Hitachi Zosen Corporation COIN-SHAPED BATTERY AND METHOD FOR THEIR PRODUCTION
JP2019021428A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 日立造船株式会社 コイン形電池およびその製造方法
KR102599733B1 (ko) * 2017-07-12 2023-11-07 히다치 조센 가부시키가이샤 코인형 전지 및 그 제조방법
CN113314767A (zh) * 2021-05-28 2021-08-27 中南大学 一种全固态电池制备方法及全固态电池
CN113314767B (zh) * 2021-05-28 2022-04-15 中南大学 一种全固态电池制备方法及全固态电池
JP7505472B2 (ja) 2021-10-28 2024-06-25 トヨタ自動車株式会社 電極の製造方法および電極の製造装置
CN114400368A (zh) * 2022-01-14 2022-04-26 厦门海辰新能源科技有限公司 硫化物固态电解质层及其制备方法和锂离子电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5414371B2 (ja) 2014-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5414371B2 (ja) 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法
JP5383463B2 (ja) 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法
US11233269B2 (en) All-solid-state battery with varied binder concentration
JP6066574B2 (ja) 全固体二次電池の製造方法
US10490804B2 (en) Method for producing a galvanic element and galvanic element
US20180048040A1 (en) Capacitor-battery hybrid formed by plasma powder electrode coating
US20110168550A1 (en) Graded electrode technologies for high energy lithium-ion batteries
CN101911368A (zh) 非水电解质二次电池
JPWO2019103008A1 (ja) 全固体電池用電極体とその製造方法
JP2011159635A (ja) 固体リチウム二次電池およびその製造方法
US20210367265A1 (en) All-solid-state battery and production method of the same
US20200313229A1 (en) Electrode body for all-solid-state battery and production method thereof
WO2015045533A1 (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法、リチウムイオン二次電池の製造装置およびリチウムイオン二次電池
JP6300619B2 (ja) リチウムイオン二次電池の電極板の製造方法および製造装置
CN104993095A (zh) 一种层叠式全固态锂离子电池
CN111430675A (zh) 锂金属负极片的制备方法及其应用
CN115249809A (zh) 电极层和全固体电池
WO2011070748A1 (ja) 非水電解質二次電池及びその充電方法
CN101752610A (zh) 一种非水电解质金属锂电池及其制备方法
CN102122725B (zh) 一种锂-二硫化铁电池
US11444319B2 (en) All-solid battery and method of manufacturing the same
CN107968219A (zh) 无机固态电解质薄膜及其制备方法及无机全固态电池
Uemura et al. All-solid secondary batteries with sulfide-based thin film electrolytes
JP2014082105A (ja) 全固体電池およびその製造方法
WO2017217079A1 (ja) 全固体電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5414371

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250