JP2010282788A - 有接点スイッチ、半導体デバイス、モジュールおよび電子機器 - Google Patents

有接点スイッチ、半導体デバイス、モジュールおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 接点部におけるスティクションの発生を抑制し、より長寿命化を図ることの可能な有接点スイッチ、並びにその有接点スイッチを内蔵した半導体デバイス、モジュールおよび電子機器を提供する。
【解決手段】有接点スイッチ11Aは、信号線路12に固定接点23を有し、この固定接点23に対向して可動接点24を有する。固定接点23には摺接面25(凹型の湾曲面)、これに対応して可動接点24には摺接面26(凸型の湾曲面)が設けられている。可動接点24側の摺接面26の湾曲の程度(曲率)は固定接点23側の摺接面25のそれよりも大きくなっている。オン動作時において、可動接点24が固定接点23側に変位し、摺り動作を行いながら、すなわちその摺接面26が摺接面25に倣って弾性的に変形しつつ接触する。
【選択図】図2

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems;マイクロマシン)に用いられる有接点スイッチ、並びにその有接点スイッチを内蔵する半導体デバイス、モジュールおよび電子機器に関する。
近年の集積化技術の向上に伴い、電子機器の小型・軽量化、低電圧動作・低消費電力化、高周波動作化が急速に進んでいる。特に、携帯電話などの移動通信端末装置の技術分野では、上記の要求が厳しい上に、高機能化も求められており、これらの対立する課題を解決する技術の一つとして、MEMSが注目されている。このMEMSは、シリコンプロセス技術により、マイクロな機械的要素と電子回路要素とを融合したシステムであり、日本では主にマイクロマシンと称されるものである。MEMS技術は、その精密加工性などの優れた特徴から、高機能化に対応しつつ、小型で低価格なSoC(System on a Chip) を実現することができる。
移動通信端末装置の技術分野では、このMEMS技術を利用した様々な半導体素子が開発されているが、その1つに高周波信号を伝送する信号線路の継断を機械的に行うための有接点スイッチがある。
この種の有接点スイッチで用いられている接点は、絶縁体を母材とするばねや基板等の表面にめっきないしは半導体工程によって形成される金属層を有し、金属−金属接触部を機械的に開閉動作させるようになっている。これにより線路を伝送する信号を電気的に開閉するものである。現在、一般に使用される多くの有接点スイッチでは、表面が平坦な金属接点を用いているが、近年開発が進んだ超小型のスイッチデバイスにおいて平坦接点を用いるとスティクションの発生頻度が極端に多くなるという問題が指摘されている。この問題は、スイッチの小型化に伴って接点ばねが小さくなるためにばねの乖離力が減少することに起因する。動作中の金属表面の微小な物理変化によって「金属接点表面で発生する粘着力>ばねの乖離力」となるために、接点のスティクションが発生する。この問題を解決するために、従来、粘着力の小さい接点材料や構造の開発が行われてきた(例えば特許文献1)。
特許文献1によるスイッチング素子は、半導体基板上に、信号を伝送するための信号線路と、信号線路を機械的に継断するための継断部と、継断部を切り替え後の状態に保持するための切り替え部とを備えたものである。上記の継断部は、互いに対向配置された一組の可動子および固定子を有し、継断部の可動子および固定子の少なくとも一方の対向面に疑似球状の接触点を有している。このような構成によって、このスイッチング素子では、スティクションの発生を抑制することができ、素子の寿命を確保することができる。この特許文献1でのスティクション解決の要点は、接点表面に疑似球状の接触点を設けたことにある。これにより平坦接点に比較して接触面積を適切に制御することが可能になる。
特開2007−12558号公報
しかしながら、上記に例示したスイッチング素子では、以下のような問題があった。すなわち、このスイッチング素子では、接点部の特定箇所が接触と乖離を繰り返す構造になっている。接点の特定箇所のみが接触と乖離を繰り返すことで、同箇所の変形、変質、蓄熱の発生が加速されるため、これがスイッチデバイスの寿命を制限するものとなっている。接点表面の変形は多くの場合、接触面積の低減による接触抵抗の上昇あるいはロッキング現象の主な原因となる。接点材の変質は、ここでは合金組成の変化のことで、抵抗値の上昇の主な原因となる。蓄熱は、特にカーボン系不純物生成による接触障害の要因となる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、接点部におけるスティクションの発生を抑制し、より長寿命化を図ることの可能な有接点スイッチを提供することにある。
本願発明の第2の目的は、その有接点スイッチを内蔵した半導体デバイス、モジュールおよび電子機器を提供することにある。
本発明の有接点スイッチは、第1摺接面を有する第1接点と、第1摺接面に対応する第2摺接面を有する第2接点と、第1接点と第2接点とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部と、を備えている。この有接点スイッチでは、第1接点と第2接点との接触時において、第1接点および第2接点の少なくとも一方が、他方の摺接面の形状に倣って弾性的に変形しつつ摺動するようになっている。具体的には、第1接点は信号線路に設けられた固定接点、第2接点は可動接点であり、いずれもMEMS技術により形成されるものである。
本発明の半導体デバイスは、信号線路に対して有接点スイッチを備えたものである。この有接点スイッチは、信号線路に設けられた、第1摺接面を有する固定接点と、第1摺接面に対応する第2摺接面を有する可動接点と、固定接点と可動接点とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部と、を備え、固定接点と可動接点との接触時において、固定接点および可動接点の少なくとも一方が、他方の摺接面の形状に倣って弾性的に変形しつつ摺動するようになっている。
本発明のモジュールおよび電子機器は、上記本発明の半導体デバイスを内蔵したものである。
本発明の有接点スイッチ、半導体デバイス、モジュールおよび電子機器では、オン時に駆動部の作用により第1接点(固定接点)と第2接点(可動接点)とが接触し、例えば高周波信号の信号線路の電気的接続が行われる。このとき可動接点および固定接点の少なくとも一方が他方の摺接面の形状に合わせて弾性的に変形しつつ摺動(摺り動作)する。オフ時には可動接点が固定接点から離間して初期位置に復帰すると共に、第1摺接面の形状が元の形状に戻る。
本発明の有接点スイッチによれば、第1接点および第2接点の互いの接触面において摺り動作が行われるようにしたので、特定箇所のみが接触と乖離を繰り返すようなことがなく、接点寿命を著しく改善することが可能となる。従って、この有接点スイッチを備えた半導体デバイス、モジュールおよび電子機器においても長寿命化を図ることが可能になる。
本発明に係る有接点スイッチの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る有接点スイッチの接点部の平面図である。 有接点スイッチ全体の平面構成を表す図である。 有接点スイッチの作用を説明するための図である。 摺り動作を説明するための模式図である。 図2に示した有接点スイッチの製造方法の一例を表す平面図である。 図6に続く工程を表す平面図である。 図7に続く工程を表す平面図である。 第2の実施の形態に係る有接点スイッチの平面図である。 図9の有接点スイッチの端部の形状を説明するための図である。 第3の実施の形態に係る有接点スイッチの平面図である。 第4の実施の形態に係る有接点スイッチの平面図および断面図である。 固定接点側基板の製造プロセスを表す断面図である。 可動接点側基板の製造プロセスを表す断面図である。 固定接点側基板および可動接点側基板の貼り合わせプロセスを表す断面図である。 変形例1を表す平面図である。 変形例2を表す平面図である。 変形例3を表す平面図である。 有接点スイッチの適用例に係る電子機器の機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る有接点スイッチのブロック構成を表したものである。有接点スイッチ11は、一の素子(図示せず)から他の素子(図示せず)へ信号、例えば高周波信号を伝送するための信号線路12中に実装される微小構造物(マイクロマシン)である。この有接点スイッチ11は、好適には他の素子と同一のパッケージ内に形成されるもので、より好適にはSiP(System in Package) で同梱実装されたり、SoCの一部として混載される。有接点スイッチ11は、信号線路12に設けられた接点部13と、この接点部13のオン・オフを切替駆動するための駆動部14とを有している。
接点部13は第1接点13Aと第2接点13Bとの1または複数の組により構成されており、一方が固定接点、他方が可動接点となる。第1接点13Aは第1摺接面、第2接点13Bは第2摺接面をそれぞれ有している。これら第1接点13Aおよび第2接点13Bは、オフ時には離間(非接触)しているが、オン時には駆動部14による電磁力等の駆動力を受けて互いに摺動しつつ接触(摺り動作)するようになっている。第1,2摺接面の形状は例えば湾曲状あるいはV字状である。第1接点13Aと第2接点13Bとの位置関係は2通りある。第1は、第2接点13Bが第1接点13Aと同一の水平面上に配置され、第2接点13Bが第1接点13A側に水平に変位する場合である(水平動作)。第2は、第2接点13Bが第1接点13Aの上方に配置され、第2接点13Bが第1接点13A側に垂直に変位する場合である(垂直動作)。
駆動部14は、可動電極および固定電極からなる櫛歯電極や対向電極に所定の電圧を印加することにより両電極間に電磁力(駆動力)を発生させ、その駆動力により可動電極を固定電極側に変位させると共に、これに連動して可動接点を固定接点に接触させるものである。
以下の具体的な実施の形態を説明するが、その説明は以下の順序で行う。
[第1の実施の形態]
(1)可動接点が凸型湾曲面を有し、水平動作を行う有接点スイッチ
(2)製造方法
[第2の実施の形態]
可動接点が凹型湾曲面を有し、水平動作を行う有接点スイッチ
[第3の実施の形態]
可動接点がV字型で水平動作を行う有接点スイッチ
[第4の実施の形態]
(1)垂直動作をする有接点スイッチ
(2)製造方法
[変形例1〜3]
[適用例]
[第1の実施の形態]
(可動接点が凸型の有接点スイッチの構成)
図2(A),(B)は第1の実施の形態に係る有接点スイッチ11Aの接点部13の平面構成を表すものである。図2(A)はスイッチのオフ状態(電圧が印加されていない状態)、図2(B)はスイッチのオン状態(電圧が印加されている状態)をそれぞれ表している。図3はこの接点部13を含めた有接点スイッチ11A全体の構成を表すものであり、図3(B)は図3(A)のI−I矢視方向の断面構造を表している。本実施の形態の有接点スイッチ11Aは水平動作を行うものである。
有接点スイッチ11Aは、例えばSi基板などの基板21に設けられた絶縁層22上の信号線路12に固定接点23(図1の第1接点13A)を有し、この固定接点23に対向して可動接点24(図1の第2接点13B)を備えている。固定接点23と可動接点24とは同一水平面上に設けられている。信号線路12は図2のY軸方向に延在しており、絶縁層22の凸部分(絶縁突起22a)により2つに分断され、この分断部分に固定接点23としての2つの端子23a,23bが設けられている。
固定接点23(接点部分23a,23b)の可動接点24との対向面には、可動接点24が摺動しつつ接触(電気的接続)が可能な摺接面25(第1摺動面)が設けられている。本実施の形態では、この摺接面25は凹型の湾曲面となっている。この湾曲形状は例えば摺り動作が行われるものであればよいが、奥側になるほど曲率が大きくなる形状であることが好ましい。
可動接点24には、固定接点23側の摺接面25に対応して、同じく湾曲形状の摺接面26(第2摺接面)が設けられている。本実施の形態では、この摺接面26は凸型の湾曲面となっている。この摺接面26の湾曲の程度(曲率)は固定接点23側の摺接面25のそれよりも大きくなっている。言い換えれば、凹型の湾曲面(摺接面25)の接線の傾きは凸型の湾曲面(摺接面26)の接線の傾きよりも大きくなっている。加えて、可動接点24(摺接面26)は固定接点23への接触時(オン時)に、固定接点23側の摺接面25に倣って変形する程度の弾性を有している。摺接面26には後述の材料よりなる電極層(摺接層)26Aが設けられている。可動接点24と固定接点23とのオーバーラップ面積は例えば数十〜数百μm2程度である。電極層26Aの厚みは例えば2.0μm程度である。
ここで、可動接点24と固定接点23とのオーバーラップ面積の範囲および電極層26Aの厚みの根拠について説明する。MEMSスイッチでは、原理的にデバイスの可動接点24と固定接点23とのオーバーラップ面積は数μm程度であれば、接点開閉機能を実現することができる。しかしながら、信頼性の高いデバイスを実現するには、加工精度、環境因子、経時変化および可動接点動作の繰り返し精度の影響による特性変動などの観点から、オーバーラップ面積を大きくする必要がある。例えば、加工精度の高いCMOS工程を利用したsurfaceMEMSの場合、接点部について±0.5μm×マスク数の加工誤差を加味する必要がある。環境因子はより大きな影響因子であり、特に熱に関してはデバイス基板の反り量を踏まえて数十μm程度が必要である。接点の開閉動作についても、摩擦力による速度減衰の影響はランダム性を有するため、アクチュエータ制御機構で定義されるものと同程度のマージンが必要である。経時変化については、他の因子に比較すれば影響は小さく、接点形状変形による数μmを見込む程度で良いことが多い。以上より、実効的に必要なオーバーラップ面積は数十〜数百μm2が適当であると考えられる。一方、電極層26Aの厚みは摺動の制御因子ではあるが、伝送周波数による要求の方が支配的である。伝送信号は被伝送材料の誘電率と周波数とによって決まるスキンデプスを有し、電極層26Aの厚みはスキンデプスよりも厚いことにより、信号伝送の損失を小さくすることができる。例えば、電極層26Aの材料がAuであり周波数が3GHzのときスキンデプスは約1.8umであるため、製造ばらつきを加味すると電極層26Aの厚みは2.0um程度が適当であると考えられる。
可動接点24を駆動するための駆動部14は、例えば図3(A),(B)に示した固定電極27および可動電極28からなる櫛歯電極により構成されている。可動電極28は可動接点24の支持部29に連結されている。固定電極27は基板21側に形成されている。可動電極28および固定電極27は、基板21の素材例えばシリコン(Si)を、公知のリソグラフィー技術を用いて3次元加工することにより形成されたものである。固定電極27および可動電極28の櫛歯部分の対向面には電極層(図示せず)が設けられている。これら固定電極27および可動電極28にはオン動作時において、電源(図示せず)からの電圧印加により駆動力として電磁力が発生し、これにより可動電極28が固定電極27側に吸引され、それに連動して可動接点24が固定接点23に接触するようになっている。
基板21は固定接点23を支持するものであり、シリコン(Si)の他、例えばシリコン・カーバイト(SiC)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)およびシリコン・ゲルマニウム・カーボン(SiGeC)などのSi系基板が用いられる。基板21としては、また、ガラス、樹脂およびプラスチックなどの非Si系基板を用いてもよい。絶縁層22は、有接点スイッチ11Aを基板21から電気的に分離するものであり、例えば、酸化ケイ素(SiO2 )または窒化ケイ素(SiN)などの絶縁性材料により形成される。
固定接点23の端子22a,22bおよび可動接点24の電極層26Aの構成材料としては、金(Au)またはAuを母材とした合金を用いる。加えて、ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),白金(Pt)などの貴金属,またはこれらの酸化物を母材とした合金などのように、粘着性が低く、かつ硬度が高い材料としてもよい。添加成分としては、パラジウム(Pd),炭素(C),銀(Ag),ルテニウム(Ru),インジウム(In)などが挙げられる。
Auは低荷重で低接触抵抗を示す材料として用いられ、微小負荷で動作するMEMSスイッチにおいて高い周波数特性を実現するためのキー材料である。しかし、Auは相対的に柔らかい金属のためスイッチの開閉動作による変形、磨耗の度合いが大きく、繰り返し動作が進むにつれて接触抵抗値の上昇などの故障の原因となる。Auの優れた特性を保ちつつ、硬度を上げ、変形あるいは磨耗の問題を改善するためには、例えばAuAg8,AuNi2 ,AuPd,AuPdRu,AuIn,AuCoなどのAu合金とすることが望ましい。添加材料の含有率は、Auに対して0.1〜8%程度を目安とする。これにより硬度は2倍、耐磨耗性は3倍程度まで改善される。
この他に、Au薄膜をAuに比較して高い硬度を有する材料の表面に形成する方法がある。例えば、電気的特性に優れ、かつ高度の高いPt,Ruなどの貴金属からなる薄膜上に1 μm以下のAu薄膜を積層した構造とするものである。このように積層構造の接点とすることにより、Auの低接触抵抗特性を活かしつつ、下地層により接点の表面変形を一定量制限することができ、Au合金と同様に接点硬度を上昇させることが可能になる。
このように、可動接点24の電極材料として粘着性が低く、かつ硬度が高い材料を用いた場合には、接触力に対する接触面積の変化を小さくすることができるので、固定接点23と可動接点24との接触部分を容易に分離させることができるだけでなく、接触安定性を向上させることができる。
一方、この有接点スイッチ11AをSoCの一部として混載する場合には、接点の構成材料としては、例えばアルミニウム(Al)または同(Cu)であることが好ましく、可動接点24を形成する層によっては、Wsi、TiSi、CoSi、NiSiなどのシリサイドとしてもよい。なお、固定接点23および可動接点24をシリサイドにより形成する場合は、MOS(Metal Oxide Semiconductor) と同様、自己整合的にシリサイド化するサイサイド技術を用いることが好ましい。
なお、固定接点23および可動接点24それぞれの電極材料の組成は相違することが好ましい。同一の場合と比べて、粘着性がより低くなり、その結果、接触部の離着の安定性をより向上させることができるからである。
[作用効果]
本実施の形態の有接点スイッチ11Aでは、図2(A),図4(A)に示したオフ状態において、オン動作の指令を受けると固定電極27および可動電極28に所定の電圧が印加され、これら電極間に電磁力が発生する。その結果、可動電極28が固定電極27に近接し、それに伴って可動接点24が固定接点23側に水平に移動し、図2(B)および図4(B)に示したように固定接点23と十分に接触する。これにより信号線路12が閉じられた状態(オン状態)となる。
この過程において、本実施の形態では、可動接点24側の摺接面26の湾曲の程度(曲率)が固定接点23側の摺接面25のそれよりも大きくなっており、その結果摺接面26が固定接点23側の摺接面25に倣って弾性的に変形しつつ接触する。すなわち可動接点24は固定接点23に対して摺り動作を行いながら接触する。
次に、このオフ状態に続いて、オン動作の指令を受けると固定電極27と可動電極28との間の電磁力が解除され、それに伴い可動接点24は固定接点23から離間し、図2(A)および図4(B)の位置に復帰する。このとき可動接点24の形状も元の形状に戻る。
ちなみに図5は上記オフ状態からオン状態への移行時の可動接点24の形状変化(曲率の変化)を模式的に表したものである。固定接点23側の湾曲面25の曲率が奥に向かって小さくなっていることから、可動接点24の摺接面26は奥に進むにつれて大きく変形し、かつ接触部が擦り動作しながら移動する。これによって摺り動作はより促進され、かつ摺接面26の全面を有効に活用できる。すなわち本実施の形態ではこの摺り動作により接点表面の広い面積を活用することが可能になり、接点の寿命が改善される。
このように本実施の形態では、有接点スイッチ11Aの接点において摺り動作が行われるので、固定接点23と可動接点24との接触部分のうち特定の箇所において接触を繰り返すようなことがなくなる。よって、接点表面の変形が抑制され、その結果、信号伝達特性を変化させることなく、接触部分同士を容易に分離させることができる。よって、スティクションの発生を抑制することができると共に、異物や接点表面の変形により誘引されるオン不良やオフ不良の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、接点表面の清浄度と平滑性を維持することにも効果がある。因みに、清浄度の維持とは、例えば接点上異物として代表的なフルオロカーボン系異物の生成を防止することである。一般に、金属特定の特定箇所が接触しつづけると、同箇所に生じる熱をもとに成長が促進され、不良モードを引き起こすまでに大きく成長する可能性がある。本実施の形態による摺り動作は、接触表面を広く確保し、かつ表面状態を微小変化させ続けることによって、異物生成を遅延させることができる。また、平滑性の維持とは、例えばオン・オフ動作時に、金属の粘着力や表面間の放電によって金属表面に突起状異物が生成されることを防ぐことである。突起は、接触面積不十分による抵抗の増加や、突起同士が絡み合って機械的に固着してしまう現象(ロッキング現象)を誘引する。本実施の形態による摺り動作は、突起のできにくい動作モードであり、かつ突起が出現した際にはこれ押しつぶす。これにより有接点スイッチ11Aの接点寿命は改善され、長寿命なスイッチング素子を実現することが可能になる。
(製造方法)
本実施の形態の有接点スイッチ11Aの接点部13は、図6〜図8のようにして製造することができる。なお、図6〜図8の各図において、(A)は平面構造、(B)は(A)に示したII−II線に沿った断面構造を表している。
まず、例えばSi等の基板21のリソグラフィー技術を用いた3次元加工により、固定接点23および可動接点24の母型23A,24Aを形成する(図6(A),(B))。このとき,母型23A,24Aの平面パターンは上記の凹型,凸型の湾曲形状とする。続いて、母型23A,24Aの各対向部分およびその近傍に例えばSiN/SiO2 の積層膜からなる絶縁膜22を形成する(図7(A),(B))。最後に、各絶縁膜22上に例えばAuPdからなる電極材料を堆積し、固定接点23の端子23a,23bおよび可動接点24の電極層26Aを形成する(図8(A),(B))。これにより有接点スイッチ11Aを形成することができる。
以下,他の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一符号を付してその説明は省略すると共に、対応する構成要素の参照符号を実施の形態毎に第1の実施の形態の参照符号に適宜10,20,30を追加したものとする。
[第2の実施の形態]
(可動接点が凹型の有接点スイッチの構成)
図9(A),(B)は本発明の第2の実施の形態に係る有接点スイッチ11Bの平面構成を表すものである。この有接点スイッチ11Bも上記実施の形態と同様に水平動作を行うものである。
この有接点スイッチ11Bは固定接点33と可動接点34とを有しているが、凹凸の湾曲面の組み合わせが第1の実施の形態の固定接点23と可動接点24の関係とは逆になっている。すなわち、固定接点33側に凸型の湾曲面からなる摺接面35、可動接点34側に凹型の湾曲面からなる摺接面36がそれぞれ設けられ、可動接点34側の摺接面36の曲率が奥に向かって小さくなっている。その他の構成は実質的に第1の実施の形態と同様である。
この有接点スイッチ11Bにおいても、図9(A)に示したオフ状態から可動接点34が固定接点33側に水平に移動し、固定接点33に接触する(図9(B))。これにより信号線路12が閉じられた状態(オン状態)となる。この過程において、本実施の形態では、可動接点34側の凹型の摺接面36が固定接点33側の凸型の摺接面35に倣って弾性的に変形、すなわち可動接点34は固定接点33に対して摺り動作を行いながら接触する。オフ時の動作は第1の実施の形態と同様である。
因みに、固定接点33の可動接点34に最初に接触する部分(両端部)の形状は、図10(A)に示したように曲面に沿った形状でもよいが、図10(B)に示したように反り返し部37を設けることが好ましい。これにより固定接点33の可動接点34の角辺りが防止され、接点の故障率をより低減させることが可能となる。
本実施の形態の効果は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
[第3の実施の形態]
(可動接点がV字型の有接点スイッチの構成)
図11は本発明の第3の実施の形態に係る有接点スイッチ11Cの平面構成を表すものである。この有接点スイッチ11Cも上記実施の形態と同様に水平動作を行う。
この有接点スイッチ11Cは固定接点43と可動接点44とを有する。固定接点43側には凹型で略V字形状の摺接面45、可動接点44側には凸型で略V字形状の摺接面46がそれぞれ設けられている。ここで、可動接点44側の摺接面46の開度(頂角)は固定接点43側の摺接面45のそれよりも大きくなっている。その他の構成は実質的に第1の実施の形態と同様である。
この有接点スイッチ11Cにおいても、図11(A)に示したオフ状態から可動接点44が固定接点43側に水平に移動し、固定接点43に接触する(図11(B))。これにより信号線路12が閉じられた状態(オン状態)となる。
この過程において、本実施の形態では、可動接点44側のV字形状の摺接面46が固定接点43側の摺接面45に倣って弾性的に変形、すなわち可動接点44は固定接点43に対して摺り動作を行いながら接触する。オフ時の動作は第1の実施の形態と同様である。
この有接点スイッチ11Cでは、可動接点44および固定接点43ともにV形状としたものであり、前述した曲面状接点を有する有接点スイッチ11A,11Bの場合と比較すると、接触面積が広くなる。そのため、本実施の形態では接点部の寿命の観点では曲面状接点を有する第1,2の実施の形態に比べて劣るが、接触抵抗の方は低減されることから、接点部の高周波特性は第1,2の実施の形態のそれよりも優れる。従って、個々のスイッチデバイスの設計に際しては、有接点スイッチの寿命と高周波特性の要求とを考慮して、曲面形状からV字形状の間において最適形状を選択することが好ましい。
[第4の実施の形態]
(垂直動作をする有接点スイッチ)
図12(A),(B)は本発明の第4の実施の形態に係る有接点スイッチ11Dの構成を表している。本実施の形態の有接点スイッチ11Dは垂直動作を行うものである。
この有接点スイッチ11Dは、例えば半導体基板などの基板51の絶縁層52上に設けられた信号線路12に固定接点53(第1接点13A)を有し、この固定接点53の上方に可動接点54(第2接点13B)を備えている。ここでは信号線路12は図12のX軸方向に延在しており、絶縁層52の凸部分(絶縁突起52a)により2つに分断され、この分断部分に固定接点53としての2つの端子53a,53bが設けられている。
本実施の形態においても、固定接点53(接点部分53a,53b)の前面には摺接面55(第1摺動面)が設けられ、可動接点54が上方から摺動しつつ接触が可能なようになっている。本実施の形態では、この摺接面55は凹型の略V字形状となっている。
可動接点54は平面パターンが略T字状の片持ち梁部57を有し、その片持ち梁部57の先端に固定接点53側の摺接面55に対応して凸型で略V字形状の摺接面56(第2摺接面)を有している。摺接面56には下面側の例えばAu/Tiからなる膜厚2.1μm(2.0μm/0.1μm)の電極層56Aが設けられている。電極層56Aに対向して片持ち梁部57の上面には応力印加用薄膜57B1,57B2が設けられている。応力印加用薄膜57B1,57B2は例えばSiN/SiO2により形成されており、その膜厚は例えば200nm(150nm/50nm)である。これら応力印加用薄膜57B1,57B2と電極層56Aとの間の線膨張係数の差によって可動接点54は下側に向けて凸型となっている。
ここでは、2つの応力印加用薄膜57B1,57B2を対称的に配置しているが、これらは1つとしてもよい。応力印加用薄膜の大きさ、形状を変更することにより摺接面56の湾曲の程度あるいは形状を任意に変更可能である。
本実施の形態においても、可動接点54側の摺接面56の湾曲度は固定接点53側の摺接面55のそれよりも大きく、可動接点54の固定接点53への接触時(オン時)に摺接面56が固定接点53側の摺接面55に倣って変形する程度の弾性を有している。
可動接点54の駆動を行うための駆動部14は、固定電極58および可動電極59からなる対向電極により構成されている。可動電極59は可動接点54の片持ち梁部57に連結されている。固定電極58は基板51側に形成されている。可動電極59および固定電極58の対向面には例えばコイル状電極層(図示せず)が設けられている。これら固定電極58および可動電極59には、オン動作時において、電源(図示せず)からの電圧印加により駆動力として静電力が発生する。これにより可動電極59が固定電極58側に吸引され、それに連動して可動接点54が固定接点53に接触するようになっている。固定電極58,可動電極59は、後述のような固定接点53,可動接点54の作製プロセスにおいて同時に形成される。
本実施の形態の有接点スイッチ11Dにおいては、オフ状態からオン動作を行うときに、固定電極58および可動電極59に所定の電圧が印加され、これら電極間に駆動電力として静電力が発生する。その結果、可動電極59が固定電極58に近接し、それに伴って可動接点54が片持ち梁部57の弾性力に抗して固定接点53側に垂直に変位し、図12(B)に一点鎖線で示したように固定接点53と十分に接触する。これにより信号線路12が閉じられた状態(オン状態)となる。
この過程において、本実施の形態においても、可動接点54側の摺接面56の湾曲の程度(あるいは開度)は固定接点53側の摺接面55のそれよりも大きくなっており、摺接面56が固定接点53側の摺接面55に倣って弾性的に変形しつつ接触する。すなわち可動接点54は固定接点53に対して摺り動作を行いながら接触する。オン状態からオフ状態に切り替わる際には、固定電極58および可動電極59への電圧印加が解除される。その結果駆動力が零になり、それに伴い片持ち梁部57の弾性力によって可動接点54は固定接点54から離間し、図12(B)の実線の位置に復帰する。
その他の作用効果は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
(製造方法)
本実施の形態の有接点スイッチ11Dは、図13〜図15のようにして製造することができる。図13は固定接点側基板の製造プロセス、図14は可動接点側基板の製造プロセス、図15は、これら基板の貼り合わせ工程を表している。
まず、例えばSi基板51Aに対して例えばKOH(水酸化カリウム)を用いたウェットエッチングによりV字の溝51aを形成する(図13(A))。続いて、RIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により溝51aの周縁近傍を除いて垂直に加工する(図13(B))。次に、この溝51aの内部およびその周辺部分に例えばスパッタリングにより例えばSiN/SiO2 の積層膜からなる絶縁膜51bを形成し(図13(C))、この絶縁膜51b上に例えばAuPdからなる電極層51c(固定接点53の端子)を形成する(図13(D))。これにより固定接点53が作製される。なお、ここでは信号線路12(図1)は省略されている。
一方、可動接点54は次のようにして作製することができる。すなわち、Si基板51Aとは別にSi基板51Bを用意し、このSi基板51B上に例えばSiO2からなる絶縁膜52aを形成する。続いて、この絶縁層52aの上に例えばポリシリコンからなる可動接点用の薄膜52bを形成し、この薄膜52b上に応力印加用薄膜57B1,57B2を例えばスパッタリングにより形成する(図14(A))。次に、Si基板51Aの裏面を絶縁膜52aを用いた例えばRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により選択的に除去し、空間部52cを形成する。そののち絶縁膜52aを除去する(図14(B))。次に、空間部52cを通して薄膜52bの裏面に電極膜56Aを形成する(図14(C))。次いで、RIEにより薄膜52cを例えば略T字の片持ち梁形状にパターニングする(図14(D))。これにより可動接点54が作製されるが、このとき応力印加用薄膜57B1,57B2と電極膜56Aとの間の線膨張係数の差によって可動接点54は下側に向けて凸型となる形状を有するものとなる。なお、51BはSOI(silicon on Insulator)を用いてもよく、その場合は絶縁膜52aに単結晶シリコンを用いる。
最後に、このように固定接点53が形成された基板51Aと可動接点54が形成された基板51Bとを貼り合わせることにより、本実施の形態の有接点スイッチ11Dが完成する(図15)。
以上、上記第1〜第4の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
[変形例1]
第3の実施の形態では、固定接点43側の摺接面45を凹型形状、可動接点44側の摺接面46を凸型形状としたが、凸凹の組合せを逆にして、図16に示した有接点スイッチ11Eのように、摺接面45を凸型形状、摺接面46を凹型形状としてもよい。
[変形例2]
図17は第1の実施の形態において説明した有接点スイッチ11Aの固定接点23および可動接点24の組を複数、例えば4組を並列して一体化したものである。ここでは、4個の固定接点23を信号線路12に直列に設けるようにしているが、並列に、すなわち複数の信号線路12を設け、信号線路12それぞれに対して固定接点23を設けるような構成としてもよい。このように接点を直列ないしは並列に複数個配置することにより、スイッチデバイスのアイソレーションないしはインサーションロスを向上させることができる。一般に、接点をアレイ化すると、接点起因の不具合モードによってスイッチの寿命が劣化するが、上記実施の形態で説明した接点構造を用いることにより、アレイ接点を用いたスイッチデバイスの寿命を向上させることができる。
[変形例3]
図18は第3の実施の形態の有接点スイッチ11Cを並列化した構造を表すものである。その他は上記変形例2と同様であるのでその説明は省略する。
[適用例]
次に、図19を参照して、本発明の有接点スイッチを搭載した通信装置の構成について説明する。図19は、電子機器としての通信装置のブロック構成を表している。なお、本発明の有接点スイッチを搭載した半導体デバイスおよびモジュールは、上記通信装置により具現化されるので、以下、合わせて説明する。
図19に示した通信装置は、上記各実施の形態において説明した有接点スイッチを送受信切替器301(半導体デバイス)として搭載したものであり、例えば、携帯電話器、情報携帯端末(PDA)、無線LAN機器などである。なお、上記送受信切替器301は、SoCからなる半導体デバイス内に形成されている。この通信装置は、例えば、図20に示したように、送信系回路300A(モジュール)と、受信系回路300B(モジュール)と、送受信経路を切り替える送受信切換器301と、高周波フィルタ302と、送受信用のアンテナ303とを備えている。
送信系回路300Aは、Iチャンネルの送信データおよびQチャンネルの送信データに対応した2つのデジタル/アナログ変換器(DAC;Digital/Analogue Converter)311I,311Qおよび2つのバンドパスフィルタ312I,312Qと、変調器320および送信用PLL(Phase-Locked Loop )回路313と、電力増幅器314とを備えている。この変調器320は、上記した2つのバンドパスフィルタ312I,312Qに対応した2つのバッファアンプ321I,321Qおよび2つのミキサ322I,322Qと、移相器323と、加算器324と、バッファアンプ325とを含んで構成されている。
受信系回路300Bは、高周波部330、バンドパスフィルタ341およびチャンネル選択用PLL回路342と、中間周波回路350およびバンドパスフィルタ343と、復調器360および中間周波用PLL回路344と、Iチャンネルの受信データおよびQチャンネルの受信データに対応した2つのバンドパスフィルタ345I,345Qおよび2つのアナログ/デジタル変換器(ADC;Analogue/Digital Converter)346I,346Qとを備えている。高周波部330は、低ノイズアンプ331と、バッファアンプ332,334と、ミキサ333とを含んで構成されており、中間周波回路350は、バッファアンプ351,353と、自動ゲイン調整(AGC;Auto Gain Controller)回路352とを含んで構成されている。復調器360は、バッファアンプ361と、上記した2つのバンドパスフィルタ345I,345Qに対応した2つのミキサ362I,362Qおよび2つのバッファアンプ363I,363Qと、移相器364とを含んで構成されている。
この通信装置では、送信系回路300AにIチャンネルの送信データおよびQチャンネルの送信データが入力されると、それぞれの送信データを以下の手順で処理する。すなわち、まず、DAC311I、311Qにおいてアナログ信号に変換し、引き続きバンドパスフィルタ312I,312Qにおいて送信信号の帯域以外の信号成分を除去したのち、変調器320に供給する。続いて、変調器320において、バッファアンプ321I,321Qを介してミキサ322I,322Qに供給し、引き続き送信用PLL回路313から供給される送信周波数に対応した周波数信号を混合して変調したのち、両混合信号を加算器324において加算することにより1系統の送信信号とする。この際、ミキサ322Iに供給する周波数信号に関しては、移相器323において信号移相を90°シフトさせることにより、Iチャンネルの信号とQチャンネルの信号とが互いに直交変調されるようにする。最後に、バッファアンプ325を介して電力増幅器314に供給することにより、所定の送信電力となるように増幅する。この電力増幅器314において増幅された信号は、送受信切換器301および高周波フィルタ302を介してアンテナ303に供給されることにより、そのアンテナ303を介して無線送信される。この高周波フィルタ302は、通信装置において送信または受信する信号のうちの周波数帯域以外の信号成分を除去するバンドパスフィルタとして機能する。
一方、アンテナ303から高周波フィルタ302および送受信切換器301を介して受信系回路300Bに信号が受信されると、その信号を以下の手順で処理する。すなわち、まず、高周波部330において、受信信号を低ノイズアンプ331で増幅し、引き続きバンドパスフィルタ341で受信周波数帯域以外の信号成分を除去したのち、バッファアンプ332を介してミキサ333に供給する。続いて、チャンネル選択用PPL回路342から供給される周波数信号を混合し、所定の送信チャンネルの信号を中間周波信号とすることにより、バッファアンプ334を介して中間周波回路350に供給する。続いて、中間周波回路350において、バッファアンプ351を介してバンドパスフィルタ343に供給することにより中間周波信号の帯域以外の信号成分を除去し、引き続きAGC回路352でほぼ一定のゲイン信号としたのち、バッファアンプ353を介して復調器360に供給する。続いて、復調器360において、バッファアンプ361を介してミキサ362I,362Qに供給したのち、中間周波用PPL回路344から供給される周波数信号を混合し、Iチャンネルの信号成分とQチャンネルの信号成分とを復調する。この際、ミキサ362Iに供給する周波数信号に関しては、移相器364において信号移相を90°シフトさせることにより、互いに直交変調されたIチャンネルの信号成分とQチャンネルの信号成分とを復調する。最後に、Iチャンネルの信号およびQチャンネルの信号をそれぞれバンドパスフィルタ345I,345Qに供給することによりIチャンネルの信号およびQチャンネルの信号以外の信号成分を除去したのち、ADC346I,346Qに供給してデジタルデータとする。これにより、Iチャンネルの受信データおよびQチャンネルの受信データが得られる。
この通信装置は、上記各実施の形態において説明したスイッチング素子を受信切替器301として搭載しているため、上記各実施の形態において説明した作用により、優れた高周波特性を有する。
なお、図19に示した通信装置では、上記各実施の形態において説明した有接点素子を受信切替器301(半導体デバイス)に適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、スイッチング素子を送信系回路300Aおよび受信系回路300B(モジュール)内のミキサ332I,332Q,333,362I,362Qや、バンドパスフィルタ312I,312Q,341,343,346I,346Q、または、高周波フィルタ302(半導体デバイス)に適用してもよい。この場合においても、上記と同様の効果を得ることができる。
11,11A,11B,11C,11D…有接点スイッチ、12…信号線路、13…線点部、14…駆動部、23,33,43,53…固定接点、24,34,44,54…可動接点、25,35,45,55…摺接面(第1摺接面)、26,36,46,56…摺接面(第2摺接面)、27…固定電極、28…可動電極

Claims (16)

  1. 第1摺接面を有する第1接点と、
    第1摺接面に対応する第2摺接面を有する第2接点と、
    前記第1接点と第2接点とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部と、を備え、
    前記第1接点と第2接点との接触時において、前記第1接点および第2接点の少なくとも一方が、他方の摺接面の形状に倣って弾性的に変形しつつ摺動する
    有接点スイッチ。
  2. 前記第1接点は信号線路に設けられた固定接点、前記第2接点は可動接点である、請求項1に記載の有接点スイッチ。
  3. 前記第1摺接面は凸型または凹型の湾曲面のうちのいずれか一方、前記第2摺接面は凸型および凹型の湾曲面のうちのいずれか他方の形状をそれぞれ有する
    請求項2に記載の有接点スイッチ。
  4. 前記凸型および凹型の湾曲面の最初に接触する部分の接線の傾きは互いに異なる、請求項3に記載の有接点スイッチ。
  5. 前記凹型の湾曲面の接線の傾きは前記凸型の湾曲面の接線の傾きよりも大きい、請求項4に記載の有接点スイッチ。
  6. 前記凹型の湾曲面は、奥側ほど曲率が大きい曲面を有し、前記凸型の湾曲面は前記凹型の湾曲面の曲率に倣って変形する、請求項3に記載の有接点スイッチ。
  7. 前記凹型の湾曲面および前記凸型の湾曲面の最初に接触する部分に反り返し部を有する、請求項3に記載の有接点スイッチ。
  8. 前記第1摺接面は凸型または凹型のV字形状のうちのいずれか一方、前記第2摺接面は凸型および凹型のV字形状のうちのいずれか他方の形状をそれぞれ有する、請求項1に記載の有接点スイッチ。
  9. 前記第2接点は前記第1接点と同一の水平面上に配置され、前記第2接点が前記第1接点側に水平に変位する、請求項2に記載の有接点スイッチ。
  10. 前記第2接点は前記第1接点の上方に配置され、前記第2接点が前記第1接点側に垂直に変位する、請求項2に記載の有接点スイッチ。
  11. 前記第1接点および第2接点の組を並列して複数組有する、請求項1に記載の有接点スイッチ。
  12. 前記第1摺接面および第2摺接面は、金(Au),アルミニウム(Al),ルテニウム(Ru)および白金(Pt)のうち少なくとも1種を母材とする合金からなる電極層により構成されている、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有接点スイッチ。
  13. 前記第1摺接面および第2摺接面は、金(Au)よりも高い硬度を有する金属薄膜の上にAu薄膜を積層してなる電極層により構成されている、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有接点スイッチ。
  14. 信号線路に対して有接点スイッチを備え、
    前記有接点スイッチは、
    信号線路に設けられた、第1摺接面を有する固定接点と、
    第1摺接面に対応する第2摺接面を有する可動接点と、
    前記固定接点と可動接点とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部と、を備え、
    前記固定接点と可動接点との接触時において、前記固定接点および可動接点の少なくとも一方が、他方の摺接面の形状に倣って弾性的に変形しつつ摺動する
    半導体デバイス。
  15. 信号線路に対して有接点スイッチを有する半導体デバイスを備え、
    前記有接点スイッチは、
    信号線路に設けられた、第1摺接面を有する固定接点と、
    第1摺接面に対応する第2摺接面を有する可動接点と、
    前記固定接点と可動接点とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部と、を備え、
    前記固定接点と可動接点との接触時において、前記固定接点および可動接点の少なくとも一方が、他方の摺接面の形状に倣って弾性的に変形しつつ摺動する
    モジュール。
  16. 信号線路に対して有接点スイッチを有する半導体デバイスを備え、
    前記有接点スイッチは、
    信号線路に設けられた、第1摺接面を有する固定接点と、
    第1摺接面に対応する第2摺接面を有する可動接点と、
    前記固定接点と可動接点とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部と、を備え、
    前記固定接点と可動接点との接触時において、前記固定接点および可動接点の少なくとも一方が、他方の摺接面の形状に倣って弾性的に変形しつつ摺動する
    電子機器。
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