JP2006247820A - 可動素子並びに半導体デバイスおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チャージング現象の発生を抑制し、長時間の駆動による駆動電圧の上昇および薄膜電極と駆動電極との貼り付きなどを低減することのできる可動素子を提供する。
【解決手段】 基板10上にマイクロマシン技術により形成された微小構造体20と、この微小構造体20の駆動制御を行う駆動回路30とを備える。微小構造体20は架橋部21を有し、この架橋部21が薄膜電極21Aとなる。薄膜電極21Aに対向して基板10上には駆動電極21Cが設けられている。薄膜電極21Aと駆動電極21Cとの間に静電駆動用の電圧が印加されると、生じた静電力により薄膜電極21Aが駆動され、入出力電極22A,22B間の継断を行う。駆動電圧には、所定の期間内に正負の両極性が含まれ、チャージング現象の発生が抑制される。
【選択図】 図2
【解決手段】 基板10上にマイクロマシン技術により形成された微小構造体20と、この微小構造体20の駆動制御を行う駆動回路30とを備える。微小構造体20は架橋部21を有し、この架橋部21が薄膜電極21Aとなる。薄膜電極21Aに対向して基板10上には駆動電極21Cが設けられている。薄膜電極21Aと駆動電極21Cとの間に静電駆動用の電圧が印加されると、生じた静電力により薄膜電極21Aが駆動され、入出力電極22A,22B間の継断を行う。駆動電圧には、所定の期間内に正負の両極性が含まれ、チャージング現象の発生が抑制される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems;マイクロマシン)の要素技術を応用したスイッチング素子や容量素子などの可動素子、並びにそれを内蔵した半導体デバイスおよび電子機器に関する。
近年、機械的構造を構成する微小振動子(薄膜電極)が素子に組み込まれたMEMS素子や、このMEMS素子を組み込んだ小型機器などが注目されている。
特に、半導体プロセスよるマイクロマシニング技術を用いて形成されたMEMS型のスイッチング素子については、デバイスの占有面性が小さいこと、高いQ値(共振回路の性能を表す数値)を実現できることおよび他の半導体デバイスとの集積が可能なことなどの特徴を有していることから、例えば無線通信デバイスの中でも中間周波数(Intermediate Frequency;IF)フィルタ、高周波(Radio Frequency ; RF) フィルタや、高周波スイッチング素子として利用することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。これらのスイッチング素子に備えられた薄膜電極の駆動は、一般に、静電気力(クーロン力)などを用いた電気的な方法により行われる。このようなスイッチング素子では、駆動電極に正負いずれかの極性の電圧を印加する。
ジェイ.アール.クラーク(J.R.Clark) 、ダブル.ーティー. スウ(W.-T.Hsu)、シー. ティー.ーシー. グエン(C.T.-C.Nguyen) 、"ハイ−キューブイエッチエフ マイクロメカニカル カウンター−モード ディスク レゾネーターズ, "テクニカル ダイジェスト, アイエイーイーイー アイエヌティー. エレクトロン デバイシス ミーティング, サンフランシスコ, カリフォルニア, ("High-QVHF micromechanical contour-mode disk resonators, "Technical Digest, IEEE Int. Electron Devices Meeting, SanFrancisco, California, ) 、Dec. 11−13, 2000 年、p.399−402
ジェイ.アール.クラーク(J.R.Clark) 、ダブル.ーティー. スウ(W.-T.Hsu)、シー. ティー.ーシー. グエン(C.T.-C.Nguyen) 、"ハイ−キューブイエッチエフ マイクロメカニカル カウンター−モード ディスク レゾネーターズ, "テクニカル ダイジェスト, アイエイーイーイー アイエヌティー. エレクトロン デバイシス ミーティング, サンフランシスコ, カリフォルニア, ("High-QVHF micromechanical contour-mode disk resonators, "Technical Digest, IEEE Int. Electron Devices Meeting, SanFrancisco, California, ) 、Dec. 11−13, 2000 年、p.399−402
しかしながら、このようなスイッチング素子では、長期の使用により電極表面に酸化膜ができるなどの理由によって、薄膜電極などに電荷が蓄積される、所謂チャージング現象が生じるという問題があった。そのため、駆動時間が長くなるに連れて駆動電圧が上昇したり、薄膜電極と駆動電極とが貼り付くなどの問題が生じていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、チャージング現象の発生を抑制し、駆動時間が長くなるに連れて生じる駆動電圧の上昇、および薄膜電極と駆動電極とが貼り付くなどの不具合を低減することができる可動素子並びにそれを備えた半導体デバイスおよび電子機器を提供することにある。
本発明による可動素子は、半導体基板上に当該基板方向に変位可能な架橋部を有し、架橋部に薄膜電極、半導体基板の表面に薄膜電極に対向して静電駆動用の駆動電極をそれぞれ有する微小構造体と、半導体基板上に設けられた入出力電極と、駆動電極と薄膜電極との間に所定の期間内に正負の両極性を含む駆動電圧を印加して薄膜電極を駆動することにより、入出力電極間の継断状態を切り替える駆動手段とを備えたものである。ここに、駆動電圧としては、正負両極性のそれぞれの駆動時間が実質的に同じとなるような波形とすることが望ましい。
本発明による可動素子では、駆動電極と薄膜電極との間に駆動電圧が印加されると、発生した静電気力により薄膜電極が駆動され、例えばスイッチング素子として作動する。このとき、所定の期間内に正極性および負極性の電圧が異なるタイミングで印加されるため、一方の極性の電荷が蓄積されることがなく、チャージング現象の発生が抑制される。
本発明による半導体デバイスおよび電子機器は、上記可動素子を例えばスイッチング素子あるいは高周波フィルタとして備えたものである。
本発明の可動素子によれば、静電駆動用の電圧として、所定の期間内に正負の両極性を含む電圧を印加するようにしたので、チャージング現象の発生を抑制することができ、長時間駆動させた際の駆動電圧の上昇や、電極同士が貼り付くなどの不具合を抑制することができる。よって、この可動素子を搭載した半導体デバイスや電子機器では、動作の安定性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る可動素子(ここではスイッチング素子1)の構成を表す平面図であり、図2は図1のA−A分断線に沿った断面構造を表したものである。このスイッチング素子1は、基板10上にマイクロマシン技術により形成された微小構造体20と、この微小構造体20の駆動制御を行う駆動回路(駆動手段)30を備えている。
基板10は、基板本体10A上に絶縁層10Bを有するものである。基板本体10Aは、例えば、シリコン(Si)などの半導体基板により構成されている。また、絶縁層10Bは、微小構造体20を基板本体10Aから電気的に分離するものであり、例えば、酸化ケイ素(SiO2 )あるいは窒化ケイ素(SiN)などの絶縁性材料により構成される単一層または上記絶縁性材料をそれぞれ積層した複数層により構成されている。
微小構造体20は、基板10上に架橋部21を備えると共に、この架橋部21の下に入出力電極22(22A,22B)を配置したものである。
架橋部21は、例えば、不純物を含む多結晶シリコンにより構成され、基板10の表面方向に変位可能な薄膜電極21Aの両端部を一対の支持部21Bにより支持したものである。薄膜電極21Aに対向して基板10の表面には静電駆動用の一対の駆動電極21Cが設けられている。入出力電極22A,22Bは、例えば、多結晶シリコンなどにより構成され、双方向の信号伝送経路となるものである。
すなわち、このスイッチング素子1では、薄膜電極21Aと駆動電極21Cとの間に所定の電圧(静電電圧)を印加することにより、入出力電極22A,22B間を機械的に継断(オン/オフ)し、信号の入出力を行うようになっている。すなわち、発生した静電力により薄膜電極21Aが下降すると、図2に二点鎖線で示したように、薄膜電極21Aが接触して入出力電極22A,22B間を電気的に接続させ(オン動作)、一方、静電電圧を解除することにより、薄膜電極21Aを水平状態に復帰させて入出力電極22A,22B間の接触を解除させる(オフ動作)ものである。
なお、ここでは、機械的なスイッチの接点の方式として、図3(A)に示したシリーズ方式(図1のB−B線断面に対応)としたが、図3(B)に示したようなシャント方式としてもよい。このシャント方式とする場合には、薄膜電極21Aが一方の入出力電極を兼るものとし、基板10上に他方の入出力電極22を設けるようにすればよい。
駆動回路30は、本実施の形態では、静電電圧を供給する電源30Aとともに極性変換部30Bを備えたものである。この極性変換部30Bは、チャージング現象の発生を防止するために、電源30Aから供給された直流電圧を、所定の期間内に正負の両極性を含むように極性変換、すなわち、正電圧であれば負電圧、負電圧であれば正電圧に切り換えるタイミングを制御するものである。なお、静電駆動のオン/オフの動作制御は図示しない制御部により行われる。
図4は、この駆動回路30からスイッチング素子1に供給される駆動電圧波形の一例を表すものである。この駆動電圧波形は、図4(A)に示したように正極性および負極性の駆動電圧を交互に印加するものであってもよく、あるいは図4(B)に示したように正極性の電圧を印加したのち、複数回に分けて負極性の電圧を印加するものであってもよい。なお、このような駆動電圧波形としては、チャージング現象の発生を効果的に防止するために、正負両極性のそれぞれの駆動時間が実質的に同じとなるような波形とすることが好ましい。
このスイッチング素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図5および図6は、スイッチング素子1の製造方法を工程順に示したものである。なお、いずれも図2に対応する断面構造を表すものであるので、同一の構成要素には同一の番号を付して説明する。
まず、図5(A)に示したように、シリコン製の基板本体10A上に成膜された厚さ1μmの絶縁層10B上に、例えば、減圧CVD(Chemical Vapor Deposition )により例えば、厚さ0.5μmの多結晶シリコン膜23を形成する。次いで、図5(B)に示したように、フォトリソグラフィ処理およびドライエッチング処理を使用して多結晶シリコン膜23をパターニングすることにより支持部下部21B1、駆動電極21Cおよび入出力電極22A,22Bを形成する。続いて、図5(C)に示したように、絶縁層10B、支持部下部21B1、駆動電極21Cおよび入出力電極22A,22Bの表面を覆うように、例えば減圧CVD法により例えば、厚さ0.5μmの二酸化珪素(SiO2 )からなる犠牲層24を形成する。
次いで、図6(A)に示したように、犠牲層24の上面をCMP(Chemical Mechanical Poilshing ; 化学機械研磨)を用いて支持部下部21B1、駆動電極21Cおよび入出力電極22A,22B上の犠牲層24の厚みが、例えば0.1μmになるまで平坦化する。この後、図6(B)に示したように、この犠牲層24をパターニングすることにより、支持部下部21B1の一部を露出させる。続いて、図6(C)に示したように、支持部下部21B1および犠牲層24の表面を覆うように、例えば減圧CVD法を用いて多結晶シリコンを例えば、0.5μmの厚みになるまで堆積させたのち、パターニングすることにより、支持部21Bと一体化した薄膜電極21Aを形成する。
続いて、例えば希フッ化水素(DHF;Diluted Hydrogen Fluoride )溶液などの溶解液を使用して犠牲層24を選択的に溶解させることにより、図1および図2に示した微小構造体20が完成する。
このスイッチング素子1では、駆動電極21Cと薄膜電極21Aとの間に所定の駆動電圧が印加されると、発生した静電気力により薄膜電極21Aが駆動され、これにより入出力電極22A,22B間の継断が行われる。このとき、本実施の形態では、駆動電圧として、所定の期間内に正極性および負極性の電圧が異なるタイミングで印加されるため、いずれか一方の極性の電荷が蓄積されるようなことがなくなり、チャージング現象の発生が抑制される。
このように本実施の形態では、静電駆動用の電圧を、所定の期間内に正負の両極性を含むものとしたので、チャージング現象の発生を抑制することができ、長時間駆動させた際の駆動電圧の上昇や、電極同士が貼り付くなどの不具合を抑制することができる。よって、この素子を、半導体デバイスや電子機器に組み込むことにより動作の安定性を向上させることができる。以下、図7を参照して通信装置への適用例について説明する。
通信装置の具体例としては、携帯電話器、無線LAN機器、無線トランシーバ、テレビチューナまたはラジオチューナなどが挙げられる。
この通信装置は、送信系回路100Aと、受信系回路100Bと、送受信経路を切り替える送受信切換器101と、高周波フィルタ102と、送受信用のアンテナ103とを備えており、上記スイッチング素子1は、ここでは、送受信切換器101あるいは高周波フィルタ102として搭載される。
送信系回路100Aは、Iチャンネルの送信データおよびQチャンネルの送信データに対応した2つのデジタル/アナログ変換器(DAC;Digital/Analogue Converter)111I,111Qおよび2つのバンドパスフィルタ112I,112Qと、変調器120および送信用PLL(Phase-Locked Loop )回路113と、電力増幅器114とを備えている。この変調器120は、上記した2つのバンドパスフィルタ112I,112Qに対応した2つのバッファアンプ121I,121Qおよび2つのミキサ122I,122Qと、移相器123と、加算器124と、バッファアンプ125とを有している。
受信系回路100Bは、高周波部130、バンドパスフィルタ141およびチャンネル選択用PLL回路142と、中間周波回路150およびバンドパスフィルタ143と、復調器160および中間周波用PLL回路144と、Iチャンネルの受信データおよびQチャンネルの受信データに対応した2つのバンドパスフィルタ145I,145Qおよび2つのアナログ/デジタル変換器(ADC;Analogue/Digital Converter)146I,146Qとを備えている。高周波部130は、低ノイズアンプ131と、バッファアンプ132,134と、ミキサ133とを含んで構成されており、中間周波回路150は、バッファアンプ151,153と、自動ゲイン調整(AGC;Auto Gain Controller)回路152とを含んで構成されている。復調器160は、バッファアンプ161と、上記した2つのバンドパスフィルタ145I,145Qに対応した2つのミキサ162I,162Qおよび2つのバッファアンプ163I,163Qと、移相器164とを有している。
この通信装置では、送信系回路100AにIチャンネルの送信データおよびQチャンネルの送信データが入力されると、それぞれの送信データを以下の手順で処理する。すなわち、まず、DAC111I、111Qにおいてアナログ信号に変換し、引き続きバンドパスフィルタ112I,112Qにおいて送信信号の帯域以外の信号成分を除去したのち、変調器120に供給する。続いて、変調器120において、バッファアンプ121I,121Qを介してミキサ122I,122Qに供給し、引き続き送信用PLL回路113から供給される送信周波数に対応した周波数信号を混合して変調したのち、両混合信号を加算器124において加算することにより1系統の送信信号とする。この際、ミキサ122Iに供給する周波数信号に関しては、移相器123において信号移相を90°シフトさせることにより、Iチャンネルの信号とQチャンネルの信号とが互いに直交変調されるようにする。最後に、バッファアンプ125を介して電力増幅器114に供給することにより、所定の送信電力となるように増幅する。この電力増幅器114において増幅された信号は、送受信切換器101および高周波フィルタ102を介してアンテナ103に供給されることにより、そのアンテナ103を介して無線送信される。この送受信切換器101は、機械的構造を有する可動素子により構成されていることにより信号損失を低減しつつ送受信の切り換えを行うスイッチとして機能し、高周波フィルタ102は、通信装置において送信または受信する信号のうちの周波数帯域以外の信号成分を除去するバンドパスフィルタとして機能する。
一方、アンテナ103から高周波フィルタ102および送受信切換器101を介して受信系回路100Bに信号が受信されると、その信号を以下の手順で処理する。すなわち、まず、高周波部130において、受信信号を低ノイズアンプ131で増幅し、引き続きバンドパスフィルタ141で受信周波数帯域以外の信号成分を除去したのち、バッファアンプ132を介してミキサ133に供給する。続いて、チャンネル選択用PPL回路142から供給される周波数信号を混合し、所定の送信チャンネルの信号を中間周波信号とすることにより、バッファアンプ134を介して中間周波回路150に供給する。続いて、中間周波回路150において、バッファアンプ151を介してバンドパスフィルタ143に供給することにより中間周波信号の帯域以外の信号成分を除去し、引き続きAGC回路152でほぼ一定のゲイン信号としたのち、バッファアンプ153を介して復調器160に供給する。続いて、復調器160において、バッファアンプ161を介してミキサ162I,162Qに供給したのち、中間周波用PPL回路144から供給される周波数信号を混合し、Iチャンネルの信号成分とQチャンネルの信号成分とを復調する。この際、ミキサ162Iに供給する周波数信号に関しては、移相器164において信号移相を90°シフトさせることにより、互いに直交変調されたIチャンネルの信号成分とQチャンネルの信号成分とを復調する。最後に、Iチャンネルの信号およびQチャンネルの信号をそれぞれバンドパスフィルタ145I,145Qに供給することによりIチャンネルの信号およびQチャンネルの信号以外の信号成分を除去したのち、ADC146I,146Qに供給してデジタルデータとする。これにより、Iチャンネルの受信データおよびQチャンネルの受信データが得られる。
この通信装置では、可動素子1を送受信切換器101あるいは高周波フィルタ102として搭載しているため、送受信切換器101あるいは高周波フィルタ102に電荷が蓄積される、所謂チャージング現象が抑制され、これにより、長時間駆動させた際の駆動電圧の上昇や、電極同士が貼り付くなどの不具合が抑制され、動作の安定性が向上する。
なお、図7に示した通信装置では、上記実施の形態において説明した可動素子を送受信切換器101あるいは高周波フィルタ102に適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、可動素子をバンドパスフィルタ112I,112Qに代表される一連のバンドパスフィルタに適用してもよい。この場合においても、やはり同様の効果を得ることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されものではない。例えば、本発明の可動素子並びに半導体デバイスおよび電子機器の構成やそれらの製造方法に関する手順などは、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能な限りにおいて自由に変形可能である。
また、上記実施の形態では、可動素子(スイッチング素子)の駆動手段として静電力のみを用いるようにしたが、薄膜電極と駆動電極とが近接するまでの初期駆動を電磁駆動で行い、そののち静電駆動により行うような構成としてもよい。
図8(A),(B)は、そのような電磁駆動および静電駆動の二元駆動により制御されるスイッチング構造体40の構造を表している。このスイッチング構造体40は、基板10上に電磁駆動用の駆動電極21Cと共に電磁駆動用の駆動電極21D、架橋部21側の駆動電極21Dに対向する位置に薄膜コイル21Eを備えており、薄膜電極21Aを入出力電極22A,22Bに近接させるまでの初期駆動を、薄膜コイル21Eから発生する磁界と駆動電極21Dに流れる電流とにより薄膜コイル21Eに誘起される電磁力を利用して行うものである。これにより、図9(A)の状態から図9(B)に示したように、薄膜電極21Aと静電駆動用の駆動電極21Cとの間隔を縮めることができ、よって、その後、静電駆動を行う際の駆動電圧を低く抑えることができる。なお、駆動電極21Dおよび薄膜コイル21Eは、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)などのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスと整合する導電性材料により構成されていることが好ましい。
更に、上記実施の形態では、本発明の可動素子が、薄膜電極21Aの両端を支持した、所謂両持ち梁型の例について説明したが、薄膜電極の片側のみを支持した片持ち梁型としてもよく、この片持ち梁型の場合においても、電磁駆動および静電駆動の二元駆動としてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の可動素子を送受信切換器あるいは高周波フィルタに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本発明の可動素子を送受信切換器あるいは高周波フィルタ以外の他の半導体デバイスや電子デバイスに適用することも可能である。また、適用する電子機器としては、通信装置以外の他の機器であってもよい。いずれの場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
1…スイッチング素子(可動素子)、10…基板、10A…基板本体、10B…絶縁層、20,40…スイッチング構造体、20…微小構造体、21…架橋部、21A…薄膜電極、21B…支持部、21C…駆動電極、21D…対向電極、21E…薄膜コイル、22…入出力電極、23…多結晶シリコン膜、24…犠牲層、30…制御回路、30A…電源、30B…極性変換部、100A…送信系回路、100B…受信系回路、101…送受信切換器、102…高周波フィルタ
Claims (6)
- 半導体基板上に当該基板方向に変位可能な架橋部を有し、前記架橋部に薄膜電極、前記半導体基板の表面に前記薄膜電極に対向して静電駆動用の駆動電極をそれぞれ有する微小構造体と、
前記半導体基板上に設けられた入出力電極と、
前記駆動電極と薄膜電極との間に所定の期間内に正負の両極性を含む駆動電圧を印加して前記薄膜電極を駆動することにより、前記入出力電極間の継断状態を切り替える駆動手段と
を備えたことを特徴とする可動素子。 - 正負両極性の駆動時間が実質的に同じとなるよう駆動電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1記載の可動素子。 - 所定の期間内で正負の極性が交互になるよう駆動電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1記載の可動素子。 - 前記静電駆動用の駆動電極に加えて電磁駆動用の電極を備え、前記静電駆動用の駆動電極と前記薄膜電極とが近接するまでの初期駆動を電磁駆動で行い、その後、前記駆動手段による静電駆動を行う
ことを特徴とする請求項1記載の可動素子。 - 第1素子と第2素子との間に可動素子を含む半導体デバイスであって、
前記可動素子は、
半導体基板上に当該基板方向に変位可能な架橋部を有し、前記架橋部に薄膜電極、前記半導体基板の表面に前記薄膜電極に対向して静電駆動用の駆動電極をそれぞれ有する微小構造体と、
前記半導体基板上に設けられた入出力電極と、
前記駆動電極と薄膜電極との間に所定の期間内に正負の両極性を含む駆動電圧を印加して前記薄膜電極を駆動することにより、前記入出力電極間の継断状態を切り替える駆動手段と
を備えたことを特徴とする半導体デバイス。 - 第1素子と第2素子との間に可動素子を含む電子機器であって、
前記可動素子は、
半導体基板上に当該基板方向に変位可能な架橋部を有し、前記架橋部に薄膜電極、前記半導体基板の表面に前記薄膜電極に対向して静電駆動用の駆動電極をそれぞれ有する微小構造体と、
前記半導体基板上に設けられた入出力電極と、
前記駆動電極と薄膜電極との間に所定の期間内に正負の両極性を含む駆動電圧を印加して前記薄膜電極を駆動することにより、前記入出力電極間の継断状態を切り替える駆動手段と
を備えたことを特徴とする電子機器。
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