JP2010282119A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期にわたって良好な帯電特性を維持する帯電部材を提供する。
【解決手段】導電性基体と表面層とを有する帯電部材であって、該表面層は、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含み、該金属酸化物粒子は、ガリウムドープ酸化亜鉛であり、かつ、該バインダー樹脂中における平均粒子径が0.01μm以上、0.1μm未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真画像形成装置の一次帯電の方法として、接触帯電方法が実用化されている。そして、特許文献1は、複酸化物を含有する弾性層を有し、それによって中抵抗領域の電気抵抗を安定的に再現することができる帯電部材が得られることを開示している。
特開平3−7966号公報
本発明者らは、上記特許文献1において複酸化物として例示されている酸化亜鉛と酸化アルミニウムの固溶体を含む弾性層を備えた帯電部材の検討を行なった。その結果、電圧を長時間印加し続けたときに、次第に電気抵抗が上昇する傾向が認められた。特に、この帯電部材を、DC帯電方式の画像形成装置に装着し、低温低湿環境下で画像形成を行なったときにこの傾向が顕著であった。
そこで、本発明は、中抵抗領域の導電性を安定的に調整でき、かつ、帯電部材に直流電圧のみを印加して連続使用を行った場合でも電気抵抗が変動しにくい帯電部材の提供を対象とする。
また、本発明は、長期にわたって良好な帯電特性を維持できる画像形成装置およびプロセスカートリッジの提供を対象とする。
本発明にかかる帯電部材は、導電性基体と表面層とを有し、該表面層は、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含み、該金属酸化物粒子は、ガリウムドープ酸化亜鉛であり、かつ、該バインダー樹脂中における平均粒子径が0.01μm以上、0.1μm未満であることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の帯電部材と、該帯電部材によって帯電可能に配置されてなる感光体とを有していることを特徴とする。
更に、本発明に係るプロセスカートリッジは、上記の帯電部材と、該帯電部材によって帯電可能に配置されてなる感光体とを有し、画像形成装置の本体に着脱自在な構成を有していることを特徴とする。
本発明の帯電部材は常温常湿環境下のみならず、低温低湿環境下ならびに高温高湿環境下においても通電劣化による帯電部材の電気抵抗変動が抑えられるので、安定な電気特性が得られる。そのため画像形成装置の耐久安定性が向上する。
これにより、本発明の帯電部材は、長期にわたって良好な帯電特性を維持できる画像形成装置、プロセスカートリッジ、帯電装置が得られる。
本発明の帯電部材の一つの実施の形態における、(a)軸方向から見た断面を表す概略図、(b)軸方向に垂直な方向から見た断面を表す概略図、である。 本発明の帯電ローラの表面層の膜厚の測定箇所を、(a)軸方向から見た断面を表す概略図、(b)軸方向に垂直な方向から見た断面を表す概略図、(c)切断断面の模式図を示すものである。 本発明の画像形成装置の一つの実施の形態の断面図。 プロセスカートリッジの一つの実施の形態の断面図。 帯電ローラの電気抵抗値の測定装置の説明図。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の一実施態様にかかる帯電部材の構成を図1に示す。図1(a)は、帯電部材の横断面であり、図1の(b)は、縦断面である。支持体1の外周に弾性体2を形成し、更にこの外周を被覆する表面層3を有する帯電部材である。
<表面層>
表面層は少なくともバインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含む。そして、金属酸化物粒子がガリウムドープ酸化亜鉛である。帯電部材に長時間、直流電圧を印加した場合、電気抵抗の上昇、いわゆる通電劣化が発生する。これを抑制するために、帯電部材の表面層を形成するバインダー樹脂中に、特定の平均粒子径のガリウムドープ酸化亜鉛を用いる。
ガリウムドープ酸化亜鉛はアルミニウムドープ酸化亜鉛に比較してバインダー樹脂への分散性に優れており、短時間で小粒径化できる。ガリウムドープ酸化亜鉛を用いることにより通電劣化を抑えられる理由は定かではない。しかし、ガリウムドープ酸化亜鉛の良分散性により、特定の平均粒子径でバインダー樹脂中に分散させ易いため、分散ばらつきが少なく、電気抵抗ムラが少なくなることも関係していると考えている。
帯電部材の通電劣化を抑えることにより、長期にわたって良好な画像が得られる。通電劣化により電気抵抗が上昇すると、ハーフトーン画像に細かいスジ状の濃度ムラ(横スジ)が発生することがある。これを横スジ画像と呼ぶ。この横スジ画像は通電劣化すればするほど悪化する傾向にあり、長期利用に伴い目立つ傾向がある。
本発明において帯電部材の表面層中のガリウムドープ酸化亜鉛の粒子径は、平均粒子径で0.01μm以上、0.1μm未満の範囲である。ここで、平均粒子径とは体積平均粒子径のことを指す。ガリウムドープ酸化亜鉛の粒子径が0.01μm未満では、帯電部材として適当な導電性を得ることが難しい。また、粒子が凝集しやすくなり、分散液とした場合には安定した分散性が得られにくくなる。その結果通電劣化を促進させてしまう。また、分散性の不安定化は、分散ロット毎の品質のばらつきを引き起こす。また、ガリウムドープ酸化亜鉛の粒子径が0.1μm以上では、粒子が大きく、均一帯電性に劣る。
表面層中に含有されているガリウムドープ酸化亜鉛の粒子径は、層の断面を顕微鏡等で観察することにより測定することができる。例えば、帯電部材の表面層を断面が観察できるように剃刀等で薄くスライスする。図2(c)は切断断面の模式図を示すものである。ガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径は、表面層中に観察される粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて任意に100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒子径を求め、それを平均粒子径として求めることができる。
<ガリウムドープ酸化亜鉛の製造方法>
本発明におけるガリウムドープ酸化亜鉛は例えば以下のようにして製造される。
(1)酸化亜鉛とガリウム塩が添加された水性スラリーを加水分解させながら熟成させた後、生成した沈殿を分離し、得られた生成物(ケーキ)を焼成する方法。
この場合、酸化亜鉛を侵食する材料(侵食剤あるいはエッチング剤)を併用するとよい。
(2)鉛塩あるいは酸化亜鉛前駆体とガリウム単体あるいはガリウム塩との混合溶液を加水分解し、生成した沈殿を分離し、得られた生成物(ケーキ)を焼成する方法。
本発明における酸化亜鉛としては、所謂酸化亜鉛であればどのようなものであってもよい。例えば、亜鉛を溶融・蒸発させ気相で酸化するフランス法、亜鉛鉱石を仮焼・コークス還元・酸化するアメリカ法、亜鉛塩溶液にソーダ灰を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、乾燥・焼成する湿式法(加熱分解法)等のいずれで製造したものでもよい。
本発明におけるガリウム塩は、例えば硫酸ガリウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、水酸化ガリウム、硝酸ガリウム等が挙げられる。これらはそのまま用いてもよいし、水、又は適当に希釈した酸に溶解したもの、あるいは水溶性アルコール類に溶解したものでもよい。
本発明における侵食剤としては、例えば炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。
亜鉛塩としては、例えば、亜鉛の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物等のハロゲン化物等の無機塩類、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ラウリン酸塩等のカルボン酸塩、金属アルコキシド類、β−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ケトエステル、ケトアルコール、アミノアルコール、グリコール、キノリン等との金属キレート化合物等が挙げられる。
上記(1)、(2)の製造方法において、以下のような水溶性有機物を共存させてもよい。ここで、水溶性有機物とはアミン酸類、アミン類、アルコール類、ポリオール類、フェノール類、ケトン類、ポリエーテル類、エステル類、カルボン酸類、ポリカルボン酸類、セルロース類、糖類、尿素類、スルホン酸類等であって、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ブタノールアミン等のヒドロキシアミン類、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン等のアミノ酸、トリメチルアミノエチルアルキルアミド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、等の炭素数1〜6の脂肪族アルコール、プロパンジオール、ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、等の脂肪族多価アルコール、フェノール、カテコール、クレゾール等の置換基を有しない又は炭素数1〜5の置換基をもつフェノール類或いはカテコール類、フルフリルアルコール等の複素環を有するアルコール類、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、ラクトン等の炭素数1〜6のケトン類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等のエーテル或いはポリエーテル類、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、グリシンエチルエステル等のエステル類、ギ酸、酢酸、蓚酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、安息香酸、マロン酸、アクリル酸、マレイン酸、コハク酸、プロピオン酸、グリセリン酸、エレオステアリン酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸−マレイン酸コポリマー等のカルボン酸、ポリカルボン酸或いはヒドロキシカルボン酸類やその塩酸、カルボキシメチルセルロース類、グルコース、ガラクトース等の単糖類、庶糖、ラクトース、アミロース、キチン、セルロース等の多糖類、尿素、アセチル尿素等の尿素類、アルキルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸、リグニンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類やその塩類、等を例として挙げることができる。
水性スラリーあるいは混合溶液から沈殿を分離する方法としては濾過・遠心分離等の固液分離手段により脱水処理する方法が挙げられる。
本発明における焼成工程については、窒素ガス、アルゴンガスといった還元性雰囲気下にて行い、温度は600乃至1400℃の範囲を挙げることができる。
本発明のガリウムドープ酸化亜鉛におけるガリウムのドープ量については特に制限はないが、ガリウムの含有量が亜鉛に対して0.01質量%以上、5質量%以下の範囲であることが好ましい。この範囲内とすることで、ドーピング不足による導電性の低下や、過剰なガリウムが不純物として作用することによる導電性の低下を抑制できる。
ガリウムのドープ量については、従来公知の方法によって知ることができる。バインダー樹脂に分散させる前の粉体の状態であれば、例えば蛍光X線分析装置により定量が可能である。また、帯電部材の表面層に添加された状態では、IPC発光分析等により知ることが可能である。
<表面層>
本発明の表面層は、少なくともバインダー樹脂とガリウムドープ酸化亜鉛とから構成される。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が用い得るが、ポリウレタン樹脂はトナーに対して汚れにくく、長期にわたって安定した帯電性能を有する点で好ましい。
ウレタン樹脂の中でも、ラクトン変性アクリルポリオールをイソシアネートで架橋したウレタン樹脂が特に好適に用いられる。
ラクトン変性アクリルポリオールは、分子鎖骨格がスチレンとアクリルの共重合体であり、適度な硬度と非汚染性を有する。また、末端に水酸基を有する変性したラクトン基が多数の架橋点となり、イソシアネートで密に架橋することが可能であり、弾性体からの低分子量成分の染み出しを防止することができる。ラクトン変性アクリルポリオールのOH価は、70〜90KOHmg/g程度であることが好ましい。OH価が上記の数値範囲内であることにより、イソシアネートで架橋されにくくなることによる樹脂の過度の軟化を抑制できる。また、塗膜が硬くなり過ぎて衝撃を受けたときに割れ易くなることを抑制できる。
イソシアネートとしては、イソシアヌレート型の3量体を用いることがより好ましい。分子の剛直な3量体が架橋点となり、表面層がより密に架橋することができ、弾性体からの低分子成分の染み出し物質が帯電部材表面に染み出してくることをより一層効果的に防止することができる。また、表面層を塗料の塗工によって形成する場合、イソシアネートは、イソシアネート基がブロック剤によりブロックされたブロックイソシアネートとすることがより好ましい。この理由としては、上記イソシアネート基は反応し易く、表面層塗工用塗料を常温に長時間放置しておくと徐々に反応が進み、塗料の特性が変化してしまう場合があるからである。これに対してブロックイソシアネートは、活性なイソシアネート基がブロックされ、ブロック剤の解離温度までは反応しないので、塗料の取扱が容易になるというメリットがある。マスキングを行うブロック剤には、フェノール、クレゾールの如きフェノール類、ε−カプロラクタムのラクタム類及びメチルエチルケトオキシム等のオキシム類が挙げられるが、本発明の場合、解離温度が比較的低温のオキシム類が好ましい。
ラクトン変性アクリルポリオール樹脂とイソシアネートとの配合比は、配合した塗料中のイソシアネートのNCO基の数(A)と、ラクトン変性アクリルポリオール樹脂のOH基の数(B)との比(NCO/OH=A/B)で0.1乃至2.0が好ましい。特に好ましくは、A/Bで0.3乃至1.5の範囲になるように調整する。
ラクトン変性アクリルポリオールをイソシアネートで架橋することにより、弾性体からの低分子量成分の染み出しを防止するとともに、帯電部材自体がトナーや外添剤等に対して汚れにくく、かつ被帯電体である感光体を汚染しない表面層を形成することができる。
表面層のバインダー樹脂に加えるガリウムドープ酸化亜鉛の添加量は、特に制限はないが、表面層の体積抵抗率が、常温常湿環境(23℃/50%RH)下で1×10Ω・cm以上、1×1015Ω・cm以下になるように決めることが好ましい。表面層の体積抵抗率は、例えば次のようにして求める。まず、帯電部材から表面層を剥がし、5mm×5mm程度の短冊形に切り出す。両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製し測定用サンプルを得る。あるいは、表面層を塗料の塗工によって作製する場合には、アルミシートの上に塗料を塗布して表面層塗膜を形成し、塗膜面に金属を蒸着して測定用サンプルを得る。得られた測定用サンプルについて微小電流計(商品名:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER、株式会社アドバンテスト製)を用いて200Vの電圧を印加する。そして、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
本発明のガリウムドープ酸化亜鉛は、表面がカップリング剤等で表面処理されていてもよい。本発明において、ガリウムドープ酸化亜鉛を単独で(表面処理を施すことなく)用いても本発明の効果は充分に発揮できるが、ガリウムドープ酸化亜鉛の表面を処理することによって通電劣化を更に低く抑制する効果があって好ましい。
好ましい表面処理としてはカップリング剤処理が挙げられる。カップリング剤は、同一分子内に加水分解可能な基と疎水基を有し、珪素、アルミニウム、チタン又はジルコニウム等の中心元素に結合している化合物で、この疎水基部分に長鎖アルキル基を有するものである。加水分解基としては、例えば比較的親水性の高い、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基の如きアルコキシ基が用いられる。その他、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、これらの変性体及びハロゲンも用いられる。また疎水基としては、その構造中に炭素原子が6個以上直鎖状に連なる構成を含むものであればよく、中心元素との結合形態においては、カルボン酸エステル、アルコキシ、スルホン酸エステル又は燐酸エステルを介して、あるいはダイレクトに結合していてもよい。更に、疎水基の構造中に、エーテル結合、エポキシ基及びアミノ基の如き官能基を含んでもよい。ガリウムドープ酸化亜鉛をカップリング剤処理することで導電剤表面への水分の吸着を抑え、より環境変動の小さい表面層材料を得ることができる。本発明に用いるカップリング剤としては、反応性が高く、通電劣化を防止する効果の大きいシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、従来公知のものを用いることができる。
また、別の好ましい表面処理としてシリコーンオイルによる表面処理が挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30乃至1,000センチストークスのものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル又はフッ素変性シリコーンオイルを用いることが好ましい。表面処理の方法としては、従来公知の方法が採用でき、特に制限はない。
より具体的には、表面処理の方法は、以下のように乾式法と湿式法の2つに大別される。
(a)乾式法
導電剤をよくかき混ぜながらシランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルを噴霧するか蒸気状態で吹込む方法。この方法においては必要に応じて加熱処理を入れてもよい。
(b)湿式法
導電剤を溶媒中に分散させ、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルを水や有機溶媒に希釈し、スラリー状態で激しくかき混ぜながら添加した後、溶剤を除去する方法。表面層を均一に処理するには、湿式法が好ましい。
表面層には、更に平均粒子径が1μm以上、20μm以下の樹脂粒子(粗し粒子)を添加してもよい。表面層に粗し粒子を添加することにより、帯電部材表面に微小の凹凸を形成させ、帯電部材が被帯電体とその表面の凸部の上部で点状に接触した状態で当接する。このため、帯電部材において、被帯電体である感光体との接触が面状である場合と比較して、トナー汚れを顕著に抑制することができ好ましい。
また、粗し粒子の平均粒子径は1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。この範囲内では、上述のトナー汚れの抑制効果に優れ、また画像上への黒ポチの発生も抑えられる。
樹脂粒子の材質としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から選択できる。例えば、架橋アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
更に、本発明では表面層にガリウムドープ酸化亜鉛の他、本発明の効果を損ねない範囲内で絶縁性の無機粒子等を添加してもよい。無機粒子としては、シリカや酸化チタンを含有することが好ましい。無機粒子は一次粒子径が0.5μm以下の微粒子であることが好ましい。上記無機粒子は表面処理が施されていても良い。表面処理剤及び表面処理の方法についてはガリウムドープ酸化亜鉛の表面処理の場合と同様にして行えば良い。
表面層を形成する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、表面層を塗料の塗工により形成する場合、次のように行うことができる。まず、上記の表面層を構成する材料を、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル及びパールミルの如きビーズを利用した従来公知の分散装置を用いて公知の方法により分散する。そして、得られた表面層形成用の樹脂塗料を、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、又はリングコート法等により、弾性体の上に塗工する。
表面層を塗工により形成する場合、上記塗料には、レベリング剤を混合してもよい。レベリング剤としては、例えばシリコーンオイルが挙げられる。
表面層の膜厚は、1乃至100μmの範囲が好ましい。より好ましくは3乃至80μm、更に好ましくは5乃至50μmの範囲である。なお、表面層の膜厚は、図2(a)及び(b)に示す位置で帯電部材断面を鋭利な刃物で切り出して、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察することで測定できる。
<支持体>
支持体としては、例えば、炭素鋼合金表面に5μmの厚さのニッケルメッキを施した円柱を用いることができる。支持体を構成する他の材料として、例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅及びニッケルの如き金属、これらの金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅の如き合金、カーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等が挙げられる。剛直で導電性を示す公知の材料を使用することもできる。また、形状としては円柱形状の他に、中心部分を空洞とした円筒形状とすることもできる。
<弾性層>
弾性層は、高分子弾性体を含む。高分子弾性体の例としては、エピクロルヒドリンゴム、NBR(ニトリルゴム)、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、あるいはSBS(スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー)、SEBS(スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー)等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
高分子弾性体としては、特にエピクロルヒドリンゴムが好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムは、ポリマー自体が中抵抗領域の導電性を有し、導電剤の添加量が少なくても良好な導電性を発揮することができる。また、位置による電気抵抗のバラツキも小さくすることができるので、高分子弾性体として好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が挙げられる。この中でも安定した中抵抗領域の導電性を示すことから、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が特に好適に用いられる。エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、重合度や組成比を任意に調整することで導電性や加工性を制御できる。
高分子弾性体は、エピクロルヒドリンゴム単独でもよいが、エピクロルヒドリンゴムを主成分として、必要に応じてその他の一般的なゴムを含有してもよい。その他の一般的なゴムとしては、例えば、EPM(エチレン・プロピレンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレンジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。また、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー)、SEBS(スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー)の如き熱可塑性エラストマーを含有してもよい。上記の一般的なゴムを含有する場合、その含有量は、高分子弾性体全量に対し1質量%以上、50質量%以下であるのが好ましい。
弾性層中に含有させる導電剤としては、イオン導電剤または電子導電剤を用いることができる。弾性体の電気抵抗のムラを小さくするという目的により、イオン導電剤を含有することが好ましい。イオン導電剤が高分子弾性体の中に均一に分散し、弾性体の電気抵抗を均一化することにより、帯電部材を直流電圧のみの電圧印加で使用したときでも均一な帯電を得ることができる。
イオン導電剤としては、イオン導電性を示すイオン導電剤であれば特に限定されるものではない。イオン導電剤の例としては、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムの如き無機イオン物質、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートの如き陽イオン性界面活性剤、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ジメチルアルキルラウリルベタインの如き両性イオン界面活性剤、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウムの如き第四級アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩等が挙げられる。これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して電気抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。
電子導電剤としては、電子導電性を示す電子導電剤であれば特に限定されるものではない。電子導電剤の例としては、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の粉体や繊維;酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、又はロジウムを電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体;ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン;ピッチ系カーボンの如きカーボン粉等が挙げられる。
ファーネスブラックとしては、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、FEF−HS等が挙げられる。
サーマルブラックとしては、例えば、FT、MT等が挙げられる。
また、これら導電剤を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
弾性層中の導電剤の量としては、弾性層の、常温常湿環境(23℃/50%RH)で体積抵抗率が1×10Ω・cm以上、1×10Ω・cm以下になるように決めることが好ましい。弾性層の体積抵抗率は、次のようにして求める。まず、厚さ1mmのシートに成型した後、両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製する。次いで、微小電流計(商品名 ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER、株式会社アドバンテスト製)を用いて200Vの電圧を印加する。そして、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
この他にも弾性層には必要に応じて、可塑剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、分散剤及び離型剤の配合剤を加えることもできる。
弾性層の成形方法としては、まず、上記の弾性層の原料を密閉型ミキサー等により混合する。次にこの混合物を、例えば、押し出し成形、射出成形、又は圧縮成形の如き公知の方法により成型する。好ましい成形方法は押し出し成形である。押し出し成形の場合、支持体の周囲に材料を直接押し出して被覆していく方法でもよいし、予めチューブ状に押し出した材料を支持体に被せて成形する方法でもよい。更にこの後、研磨等の方法により、形状を整える。弾性体の形状は、帯電部材と被帯電体との均一性ならびに密着性を確保するために中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる、クラウン形状に形成することが好ましい。
弾性層の硬度は、マイクロ硬度(MD−1型)で70°以下が好ましく、より好ましくは60°以下である。この範囲とすることによって、帯電部材と被帯電体との間のニップ幅が十分に大きくすることができる。これによって帯電が安定する。なお、「マイクロ硬度(MD−1型)」とは、アスカー マイクロゴム硬度計MD−1型(商品名、高分子計器株式会社製)を用いて測定した帯電部材の硬度である。具体的には、常温常湿(23℃/55%RH)の環境中に12時間以上放置した帯電部材に対して該硬度計を10Nのピークホールドモードで測定した値とする。マイクロ硬度(MD−1型)を小さくする目的で、弾性体に可塑剤を配合してもよい。可塑剤の配合量は、好ましくは1質量部以上、30質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上、20質量部以下である。可塑剤としては、高分子タイプのものを用いることが好ましい。
弾性層は、必要に応じて支持体と接着剤を介して接着される。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電剤を含有することができる。接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂の如き樹脂が挙げられる。ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系の如き公知の接着剤を用いることができる。接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、前述したものを用いることができる。導電剤は単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。導電性基体を作製した後に、その被覆層として表面層を設ける。
また、本発明の帯電部材の電気抵抗としては、常温常湿環境(23℃/50%RH)下で1×10Ω・cm以上、1×10Ω・cm以下であることが好ましい。電気抵抗の測定方法は以下のとおりである。
[帯電部材の電気抵抗測定方法]
電気抵抗の測定方法としては、まず図5(a)のように、帯電ローラ21を、その支持体1の両端に荷重をかけた軸受け5と6により感光体と同じ曲率の円柱形金属7に対して平行になるように当接させる。次に図5(b)のように、円柱形金属7を回転させ、帯電ローラを従動回転させながら電源8から直流電圧−200Vを印加する。このときに帯電ローラに流れる電流を電流計9で測定して帯電ローラの電気抵抗を計算した(本発明では支持体の両端にそれぞれ5Nの力を加えて、直径φ30mmの金属円柱に当接させ、該金属円柱の周速45mm/secで回転させた)。
<3>画像形成装置
本発明に係る画像形成装置の概略構成を図3に示す。当該画像形成装置は、感光体10、帯電ローラ21を備えた帯電装置20、潜像形成装置30、現像装置40、転写材80に転写する転写装置50、感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置60、定着装置70を有している。
感光体10は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置20は、感光体に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電部材としての帯電ローラ21を有する。帯電ローラ21は、感光体10の回転に従い回転する従動回転ローラであり、帯電用電源22から所定の直流電圧を印加することにより、帯電可能に配置された感光体10を所定の電位に帯電する。感光体10に静電潜像を形成する潜像形成装置30は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体10に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。現像装置40は、感光体10に近接または接触して配設される接触式の現像ローラ41を有する。感光体帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像をトナー像に可視化現像する。この際、トナーはトナー供給ローラ43により供給され、弾性規制ブレード42により現像手段である現像ローラ41上で薄層化される。転写装置50は、接触式の転写ローラ51を有する。感光体10からトナー像を普通紙などの転写材80(転写材80は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。クリーニング装置60は、ブレード形状のクリーニングブレード61、回収容器を有し、転写した後、感光体10上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置40にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置60を取り除くことも可能である。定着装置70は、加熱された定着ベルト71等で構成され、転写されたトナー像を定着し、機外に排出する。なお、帯電前露光装置90によって感光体10に残った潜像に露光し、感光体10の電位をアース電位に戻す機構を設けることも可能である。帯電ローラ21、現像ローラ41、転写ローラ51のそれぞれには画像形成装置の電源22、44、52から、それぞれ電圧が印加されている。また、感光体10、帯電装置20、現像装置40、及び、クリーニング装置60などを一体化し、画像形成装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジを用いることもできる。図4にその一例を示す。これは、感光体10、帯電ローラ21、現像ローラ41、弾性規制ブレード42、トナー供給ローラ43及びクリーニングブレード61が一体に支持された、画像形成装置の本体に脱着自在な構成のプロセスカートリッジである。カラー画像形成装置とする場合は、上述のプロセスカートリッジを4色分(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)用意して、直列に配置することもできる。
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、本実施例によって本発明が限定されるものではない。
<ガリウムドープ酸化亜鉛の製造例>
(製造例1)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・硫酸ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度10質量%):0.125質量部、
・モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを85℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(1)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(1)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
(製造例2)
・塩化亜鉛の水溶液(塩化亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・塩化ガリウムの水溶液(塩化ガリウムの濃度1質量%) :0.061質量部、
・ジエタノールアミンの水溶液(ジエタノールアミンの濃度7.5質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを90℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(2)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(2)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.005質量%であった。
(製造例3)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・硫酸ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度30質量%) :4.15質量部、
・モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(3)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(3)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して10質量%であった。
(製造例4)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・硝酸ガリウムの水溶液(硝酸ガリウムの濃度10質量%) :0.15質量部、
・モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(4)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(4)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
(製造例5)
・酸化亜鉛 :100質量部、
・硫酸ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度2.5質量%) : 10質量部、
・炭酸アンモニウム : 20質量部。
上記の化合物を混合し、これに水を添加し攪拌、スラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(5)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(5)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
(製造例6)
・酸化亜鉛 : 100質量部、
・塩化ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度30質量%) :10.8質量部、
・水酸化カリウム : 20質量部。
上記の化合物を混合し、これに水を添加し攪拌、スラリーを作製した。このスラリーを60℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて600℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(6)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(6)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
(製造例7)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) :100質量部、
・硫酸ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度2.5質量%) :0.017質量部、
・水酸化ナトリウムの水溶液(水酸化ナトリウムの濃度10質量%):100質量部。
上記の水溶液を混合し、これに水を添加し攪拌、スラリーを作製した。このスラリーを60℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて700℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(7)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(7)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.02質量%であった。
(製造例8)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・酸化ガリウムの水溶液(酸化ガリウムの濃度10質量%) :2.18質量部、
・モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(8)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(8)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して4.0質量%であった。
(製造例9)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・硫酸ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度10質量%) :0.027質量部、
・モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(9)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(9)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.02質量%であった。
(製造例10)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) : 100質量部、
・硫酸ガリウムの水溶液(硫酸ガリウムの濃度10質量%) :0.125質量部、
・ヘキサメチレンテトラミンの水溶液(ヘキサメチレンテトラミンの濃度5質量%)
: 100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(10)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(10)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
(製造例11)
・硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) :100質量部、
・リン酸ガリウムの水溶液(リン酸ガリウムの濃度10質量%) :0.1質量部、
・モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
:100質量部。
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、ガリウムドープ酸化亜鉛(11)を得た。得られたガリウムドープ酸化亜鉛(11)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、ガリウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
<アルミニウムドープ酸化亜鉛の製造例>
(製造例A1)
硫酸亜鉛の水溶液(硫酸亜鉛の濃度10質量%) 100質量部
硫酸アルミニウムの水溶液(硫酸アルミニウムの濃度10質量%)0.26質量部
モノエタノールアミンの水溶液(モノエタノールアミンの濃度3.75質量%)
100質量部
上記の水溶液を混合・攪拌しスラリーを作製した。このスラリーを95℃で1時間加熱した。このスラリーを常温まで冷却し、濾過・水洗後、更にエタノールで洗浄した後、乾燥させてから水素ガス雰囲気下にて800℃で1時間焼成した。この焼成体を解砕し、アルミニウムドープ酸化亜鉛(1)を得た。
得られたアルミニウムドープ酸化亜鉛(1)を蛍光X線装置にて分析を行った結果、アルミニウムの含有量は亜鉛に対して0.1質量%であった。
<実施例1>
(1)導電性弾性層の作製
下記の材料を密閉型ミキサーで10分間混練した。
・エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エチレンオキサイド(EO):エピクロルヒドリン(EP):アリルグリシジルエーテル(AGE)=56mol%:40mol%:4mo1%)
:100質量部
・充填剤(重質炭酸カルシウム) : 50質量部、
・滑剤(ステアリン酸亜鉛) : 1質量部、
・研磨性改善のための補強材(カーボンブラック、FEF) : 5質量部、
・酸化亜鉛 : 5質量部、
・可塑剤(セバシン酸とプロピレングリコールの共重合体、重量平均分子量8000)
: 5質量部、
・下記構造式(I)で示される過塩素酸4級アンモニウム塩 : 2質量部、
(構造式I)
Figure 2010282119
・老化防止剤(2−メルカプトベンズイミダゾール) :1質量部。
更に、加硫促進剤としてのDM(2−ベンゾチアゾリルジサルファイド)1質量部、加硫促進剤としてのTS(テトラメチルチウラムモノサルファイド)0.5質量部、加硫剤としての硫黄1質量部を加えて、更にオープンロールで5分間混練した。
上記エピクロルヒドリンゴム混練物を押出し機を使用して、外径13.5mm、内径5.5mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、蒸気加硫缶を使用して、温度160℃の水蒸気中で40分間一次加硫し、弾性体ゴム一次加硫チューブを得た。
次に、直径6mm、長さ256mmの円柱形の支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)の円柱面の軸方向中央部231mmに金属とゴムとの熱硬化性接着剤を塗布し、80℃で10分間乾燥した。この支持体を、前記弾性体ゴム一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンの中で温度150℃で1時間、加熱処理を行ってゴム層を形成した。
このゴム層の両端部を突っ切り、ゴム部分の軸に沿う方向の長さを232mmとした後、ゴム層の表面を回転砥石で研磨し、中央部から両脇90mm位置が直径12.00mm、中央部が直径12.15mmのクラウン形状の弾性層を形成した。
(2)表面層の作製
[ガリウムドープ酸化亜鉛の表面処理]
前記製造例1により得られたガリウムドープ酸化亜鉛(1)1000g、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g、溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した。
[表面層形成用塗料の作製]
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液にメチルイソブチルケトンを加え、固形分(カプロラクトン変性アクリルポリオール)が17質量%となるように調整した。この溶液160質量部に対して、下記の材料を入れ、混合溶液を調製した。
・上記により表面処理されたガリウムドープ酸化亜鉛(1) 40.8質量部、
・変性ジメチルシリコーンオイル 0.08質量部、
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3の混合物 21.76質量部。
このとき、ブロックHDIとブロックIPDIの混合物は、「NCO/OH=1.0」となるように添加した。450mLのガラス瓶に上記混合溶液222.64質量部と、分散メディアとしての平均粒子径0.8mmのガラスビーズ200質量部とを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて6時間分散した。分散後、表面層粗し粒子として架橋アクリル樹脂粒子(平均粒子径8μm)6.8質量部を添加した後、更に30分間分散し、その後、ガラスビーズを濾過により分離して表面層形成用塗料を得た。
(3)帯電部材(帯電ローラ)の作製
この得られた表面層形成用塗料中に、先に調製した弾性層を備えた支持体を1回ディッピングし、常温で30分間以上風乾した。次いで、90℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥し、更に160℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥して、導電性基体上に表面層を形成した。ディッピング塗布浸漬時間は9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/sになるように調節し、20mm/sから2mm/sの間は、時間に対して直線的に速度を変化させた。このようにして、導電性基体上に表面層を有する帯電ローラを作製した。この帯電ローラの表面層をカミソリ刃にて切り出し、前述の方法によって表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.05μmであった。この帯電ローラを常温常湿環境(23℃/55%RH)下に24時間以上放置した後、上述の方法により電気抵抗を測定したところ、2.3×10Ωであった。
[帯電ローラの評価]
連続画像出力耐久試験
上記のようにして得られた帯電ローラを、図3の画像形成装置を用いて、以下の評価を行った。この評価で使用した画像形成装置は、A4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは200mm/sec、画像の解像度は600dpiであり、直流電圧−1100Vを帯電ローラに印加した。
具体的には、印字濃度4%画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描く画像)をプロセススピード200mm/secで連続画像出力する耐久試験を行った。また、初期、1000枚、3000枚及び5000枚の画像出力後に画像チェックのためにハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視にて観察し、細かいスジ状の濃度ムラ(横スジ)を評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:横スジが全く発生しないレベル。
B:横スジが画像端部のみに軽微に発生するレベル。
C:横スジが画像端部および中央部に軽微に発生するが、実使用上問題無いレベル。
D:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生し、目立つレベル。
E:横スジが画像のほぼ全域にわたって発生するレベル。
上記の評価を、低温低湿環境(環境1:15℃/10%RH)、常温常湿環境(環境2:23℃/50%RH)、高温高湿環境(環境3:30℃/80%RH)において行った。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、5000枚の耐久後も横スジが全く発生せず、初期と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例2>
ガリウムドープ酸化亜鉛(1)の表面処理を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。
[ガリウムドープ酸化亜鉛(1)の表面処理]
ガリウムドープ酸化亜鉛(1)を1000g、表面処理剤としてジメチルシリコーンオイル110g、溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30乃至60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.05μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、5000枚の耐久後も横スジが全く発生せず、初期と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例3>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(2)にかえた以外は実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.05μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境2及び3において、5000枚の耐久後に、また環境1においては3000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、ほぼ初期と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例4>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(3)にかえた以外は実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.05μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境2及び3において、5000枚の耐久後に、また環境1においては3000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、ほぼ初期と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例5>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(4)にかえ、表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを作製した。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.02μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、3000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、その後、5000枚耐久までは、ほぼ3000枚耐久時と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例6>
[ガリウムドープ酸化亜鉛の表面処理]
ガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(5)にかえた以外は、実施例1と同様の方法により表面処理されたガリウムドープ酸化亜鉛(5)を得た。
[表面層形成用塗料の作製]
ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF、商品名:カイナー7201、アルケマ製)50gをアセトン1000gに溶解し、更に上記により表面処理されたガリウムドープ酸化亜鉛(5)を20g添加した。450mLのガラス瓶に上記混合溶液200gと、メディアとしての平均粒子径0.8mmのガラスビーズ200gを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて6時間分散した。分散後、ガラスビーズを濾過により分離して表面層形成用塗料を得た。上記により得られた塗料を実施例1と同様にしてディッピング塗工し、帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.09μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、3000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、その後、5000枚耐久までは、ほぼ3000枚耐久時と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例7>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(6)にかえ、表面層粗し粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.09μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、1000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、5000枚耐久までは、ほぼ1000枚耐久時と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例8>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(7)にかえた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.09μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、1000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、5000枚耐久までは、ほぼ1000枚耐久時と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例9>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(8)にかえた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.02μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、1000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、5000枚耐久までは、ほぼ1000枚耐久時と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<実施例10>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(9)にかえた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.02μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、環境1、2及び3において、1000枚の耐久後に、横スジが画像端部のみに軽微に発生したが、5000枚耐久までは、ほぼ1000枚耐久時と同様の画像特性を有しており、耐久性に優れるものであった。
<比較例1>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)を上述の製造例A1により得られたアルミニウムドープ酸化亜鉛にかえた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているアルミニウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.05μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、耐久初期には、横スジの発生が全く見られなかった。しかし、1000枚の耐久後、環境2及び3において、画像端部および中央部に軽微に横スジが発生し、3000枚の耐久後、環境1、2及び3において、画像のほぼ半分の領域において横スジが発生した。その後、5000枚耐久時には画像のほぼ全域にわたって横スジが発生し、耐久性に劣るものであった。
<比較例2>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(10)にかえた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.2μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、耐久初期には、横スジの発生が全く見られなかった。しかし、1000枚の耐久後、環境1、2及び3において、画像端部および中央部に軽微に横スジが発生し、5000枚の耐久後、環境1、2及び3において、画像のほぼ半分の領域において横スジが発生し、耐久性に劣るものであった。
<比較例3>
表面層に添加するガリウムドープ酸化亜鉛(1)をガリウムドープ酸化亜鉛(11)にかえた以外は、実施例1と同様にして帯電ローラを得た。実施例1と同様の方法によって、表面層中に分散されているガリウムドープ酸化亜鉛の平均粒子径を算出したところ、0.005μmであった。この帯電ローラを実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表1に示す。耐久試験の結果、この帯電ローラは、耐久初期には、横スジの発生が全く見られなかった。しかし、1000枚の耐久後、環境1、2及び3において、画像端部および中央部に軽微に横スジが発生し、5000枚の耐久後、環境1、2及び3において、画像のほぼ半分の領域において横スジが発生し、耐久性に劣るものであった。
Figure 2010282119
※導電剤の種類
Ga−ZnO:ガリウムドープ酸化亜鉛
AL−ZnO:アルミニウムドープ酸化亜鉛
1 支持体
2 弾性体
3 表面層

Claims (8)

  1. 導電性基体と表面層とを有する帯電部材であって、
    該表面層は、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含み、
    該金属酸化物粒子は、ガリウムドープ酸化亜鉛であり、かつ、該バインダー樹脂中における平均粒子径が0.01μm以上、0.1μm未満であることを特徴とする帯電部材。
  2. 前記ガリウムドープ酸化亜鉛に含まれるガリウムの含有量は、亜鉛に対して0.01質量%以上、5質量%以下である請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記ガリウムドープ酸化亜鉛の表面がシランカップリング剤により処理されている請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記ガリウムドープ酸化亜鉛の表面がシリコーンオイルにより処理されていることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材。
  5. 前記バインダー樹脂が、ポリウレタン樹脂である
    請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電部材。
  6. 前記表面層は、更に平均粒子径が1μm以上、20μm以下の樹脂粒子を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の帯電部材。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の帯電部材と、該帯電部材によって帯電可能に配置されてなる感光体とを有していることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の帯電部材と、該帯電部材によって帯電可能に配置されてなる感光体とを有し、画像形成装置の本体に脱着自在な構成を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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