JP2010280736A - 表皮剥離毒素阻害剤及びこれを用いた皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】実用的で、安全かつ有効な表皮剥離毒素阻害剤を提供する。
【解決手段】本発明の表皮剥離毒素阻害剤は、ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.)などのむらさき科植物、ツキミソウ(Oenothera tetraptera Cav.)などのあかばな科植物、ノブドウ(Ampelopsis brevipedunculata Tiautv.)などのぶどう科植物、ビンロウジュ(Areca catechu L.)などのやし科植物のいずれか1種もしくは2種以上を、水やメタノール、エタノール、エチルエーテルなどの溶媒で抽出した植物抽出物からなる。この皮膚剥離毒素阻害剤は、アトピー性皮膚炎などの治療予防剤として、また健康な皮膚を維持する化粧品等の皮膚外用剤として用いられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、表皮剥離毒素(エキソフォリアチン)阻害剤、すなわち、黄色ブドウ球菌により産生される表皮剥離毒素が有するデスモグレイン1分解作用を阻害する表皮剥離毒素阻害剤及びこれを用いたとびひ治療のための皮膚外用剤に関する。
表皮剥離毒素(ET)は、黄色ブドウ球菌が産生する分子量24,000の菌体外毒素で、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)の原因物質として知られている。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は、広範囲な熱傷様の表皮の剥離症状を示すものであり、咽頭や鼻腔などに感染した黄色ブドウ球菌が産生した表皮剥離毒素が、血流を介して全身の皮膚に達して症状を発すると言われている。
この原因菌である黄色ブドウ球菌は皮膚常在菌であり、皮膚局所に感染した黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥離毒素により、その所に水疱を生じたものがいわゆるとびひ(伝染性膿痂疹)である。また、最近の研究では、アトピー性皮膚炎患者の病変部皮膚からの検出率が非常に高く、その病変部皮膚から表皮剥離毒素を産生する黄色ブドウ球菌が高頻度に検出され、当該患者の血清中から表皮剥離毒素が高頻度に検出されている(Yagi S, Wakaki N, Ikeda N et al. Presence of staphylococcal exfoliative toxin A in sera of patients with atopic dermatitis. Clin Exp Allergy. 34:984-993,2004.)。このことから、現時点では、アトピー性皮膚炎等皮膚が蝕まれる原因として表皮剥離毒素が重要視されており、蝕まれた皮膚を健常に保つためにも、表皮剥離毒素に対する何らかの対策が早急に望まれる。
これまでのところ、表皮剥離毒素は、表皮上層に存在するデスモゾームの構成膜タンパクの一つであるデスモグレイン1のアミノ酸結合をただ一つ切断して表皮上層に水疱を生じさせ、皮膚の剥離を促進させることが明らかにされている。また、セリンプロテアーゼ活性を有することも明らかにされているが、セリンプロテアーゼ阻害剤であるdiisopropylfluorophosphate、3,4-dichloroisocoumarin、α2-macrogloblinは表皮剥離毒素活性(デスモグレイン1の分解作用)を阻害しないことから、表皮剥離毒素は基質と特異的に結合することにより活性化すると考えられている(Hanakawa Y, Schechter NM, Lin C et al. Enzymatic and molecular characteristics of the efficiency and specificity of exfoliative toxin cleavage of desmoglein 1. J Biolo Chem. 7:5268-5277, 2004.)。
また、今までに、表皮剥離毒素を阻害する物質として、新生児マウスの表皮より抽出したガングリオシドGM3、GM4やフィラグリンが(非特許文献1、2参照)、また、テトラニトロメタンが表皮剥離毒素のチロシンをニトロ化し、表皮剥離毒素活性を失活させることが見出されているが(非特許文献3)、いずれも実用化がなされておらず、実用的で新規な表皮剥離毒素阻害剤が求められているところである。
Sakurai S and Kondo I A possible receptor substance for staphylococcal exfoliatin isolated from mice. Jpn J Med Sci Biol. 32:85-88, 1979 Smith T P and Bailey C J. Epidermolytic toxin from Staphylococcus aureus binds to filaggrins. FEBS Lett. 194:309-312, 1986 Kondo I et al. Studies on toxicity and immunogenicity of staphylococcal exfoliatins A and B, Natural Toxins Eaker D. and Wadstrom T eds. 379-387 (Pergamon Press Oxford and New York, 1980)
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、実用的で、安全かつ有効な表皮剥離毒素阻害剤を提供することにある。そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねてきたところ、むらさき科、あかばな科、ぶどう科、やし科に属する植物の抽出物が、表皮剥離毒素のデスモグレイン1分解作用を阻害することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る表皮剥離毒素阻害剤は、ぶどう科に属する植物の抽出物からなることを特徴とし、本発明に係るとびひ治療用の皮膚外用剤は、本発明に係る表面剥離毒素阻害剤を含むことを特徴とするものである。
本発明によると、新規で有効かつ安全性に優れた表皮剥離毒素阻害剤が提供される。これにより、表皮剥離毒素が有するデスモグレイン1分解活性を抑え、SSSSに対する迅速な処置やアトピー性皮膚炎の改善や予防、さらにはとびひを起因とする水疱その他表皮剥離毒素が原因と考えられる各種の皮膚症状を改善し、皮膚を健常な状態に維持する。
実施例1で得たシコンエキスの液体クロマトグラムである。 本発明の効果を示す写真であって、写真1は対照として精製水を、写真2は対照として表皮剥離毒素のみを、写真3は表皮剥離毒素+シコンエキスを、写真4は表皮剥離毒素+ツキミソウ種子エキスを、写真5は表皮剥離毒素+ノブドウ種子エキスをそれぞれ添加したものである。
本発明の表皮剥離毒素は、むらさき科、あかばな科、ぶどう科、やし科に属する植物から選ばれたいずれか1種もしくは2種以上の植物抽出物からなるものである。本発明において用いられる植物として、むらさき科の植物では、例えばムラサキ属ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.)、リトスペルムム オフィキナレ(Lithospermum officinale L.)が、あかばな科の植物では、例えばマツヨイグサ属のツキミソウ(Oenothera tetraptera Cav.)、マツヨイグサ(Oenothera odorata Jacq.)、オイノテラ カエスピトサ(Oenothera caespitosa Nutt.)およびオイノテラ カエスピトサ マルギナータ(Oenothera caespitosa marginata Munz)が、ぶどう科の植物では、例えばノブドウ属のノブドウ(Ampelopsis brevipedunculata Tiautv.)、キッサス属のキッサス アデノポーダス(Cissus adenopodus Sprague)が、やし科の植物では例えばビンロウジュ属のビンロウジュ(Areca catechu L.)、クロツグ属のサトウヤシ(Arenga pinnata Merr.)、ココヤシ属のヤシ(Cocos nucifera L.)、アブラヤシ属のアブラヤシ(Elaeis guineensis Jacq.)がそれぞれ挙げられる。
これらの植物から抽出物を得るには、植物の各部位や全草を適宜使い、室温下もしくは加熱・加温下などにおいて常法に従えばよい。用いられる抽出溶媒には、例えば水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール等)、液状多価アルコール(プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、プロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)が挙げられる。用いられる植物によっても異なるが、特に好ましくは、水、メタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコール、ジエチルエーテルである。
植物の使用部位としても特に限定されるものではなく、植物の全草、根、根茎、地上茎、葉、花、果実などいずれの部位でもよい。また、これらの部位のうち、抽出物の収率や効果の観点から適宜対象を選んで抽出するのが好ましい。例えば、ムラサキであればその根が、ツキミソウやノブドウ、ビンロウジュであればその種子が好ましく用いられる。そして、抽出物としてより好適なのは、ムラサキの根のエチルエーテル抽出物、ツキミソウ種子やノブドウ種子の水抽出物、ビンロウジュ種子のエタノール抽出物である。
また、本発明においては、各植物の抽出物は液状のもの、固体状のもの、半固体状のものいずれでもよく、抽出物をさらにカラムなどを用いて分画精製して得られた半精製物を用いることもできる。
本発明の表皮剥離毒素阻害剤は、表皮剥離毒素に起因する各種疾病に適用され、外用や内服、注射等その適用方法を問わずヒトや動物に適用されうるものである。また、上記したように、表皮剥離毒素はアトピー性皮膚炎の原因物質とも考えられていることから、特に皮膚外用剤、アトピー性皮膚炎の改善予防を標榜可能な皮膚外用剤として好適に適用しうる。そして、表皮剥離毒素は皮膚表面に常在する黄色ブドウ球菌によって産生され、健常なヒトの皮膚においても存在し得るものであることから、その活性を抑えることによりヒトなどの皮膚を健康な状態に保つことにも寄与しうる。すなわち、本発明の皮膚外用剤は健康な皮膚を保つ目的で使用される化粧品・医薬部外品のような皮膚外用剤としても使用できる。
使用量は、使用した植物(効果)、適用部位や剤型、適用方法に合わせて適宜調整すればよいが、例えば皮膚外用剤、アトピー性皮膚炎の改善予防剤へは、シコンエキスでは0.000001〜0.01重量%、好ましくは0.00001〜0.001重量%、ツキミソウ種子エキス、ノブドウ種子エキス、ビンロウジュ種子エキスではそれぞれ0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
本発明の表皮剥離毒素阻害剤を用いて外用剤、内服剤、注射剤とするには、剤型に応じて適切な賦形剤を用い、常法に従って製剤すればよい。また、外用剤、内服剤、注射剤等の各製剤においてもその種類は限られるものではない。例えば、化粧料の場合には、水/油型、油/水型乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水などにすることができる。また、これらの化粧料は、皮膚化粧料の基剤として一般に使用されている油分、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、色素、香料等を任意に組み合わせて製剤化できる。一方、アトピー性皮膚炎の改善予防剤として使用する場合も、これら皮膚化粧料の基剤と同様な基剤の他、油性基剤をベースとする軟膏基剤や油/水型、水/油型の乳化系基剤をベースとする軟膏基剤など各種の軟膏基剤を用いることができる。これらの軟膏基剤に用いられる成分も特に制限はなく、例えば植物油、動物油、合成油、脂肪酸および天然または合成のグリセライド等が挙げられる。また、本発明の皮膚外用剤には、ビタミンCやEなどの各種ビタミン類、グリチルリチン酸やその誘導体及びそれらの塩、グアイアズレン等の抗炎症剤など他の薬効群を適宜併用しても差し支えない。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(表皮剥離毒素阻害剤の調製)
(調整例1 シコンエキス)
ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.)の根(日本薬局方「シコン」)350gを粉砕し、ジエチルエーテル1.5Lに浸漬して、40℃で1時間静置して抽出した。その後、抽出液から溶媒をエバポレーターで除去し、シコンエキス5.4gを得た。さらにこの抽出物を、藤田らの方法(Fujita A, Maeda Y, Suga C, Morimoto T. Plant Cell Rep. 2:192, 1983.)に従って高速液体クロマトグラフィーにより分離した。用いたカラムは、PuresilC18 5μm、4.6×150mm(Waters社製)、溶媒はアセトニトリル:水:トリエチルアミン:酢酸=70:30:0.3:0.3の混液、流量は0.8ml/分、検出波長はUV520nm、温度は室温で行った。こうして、図1に示すように、ピークa、b、c、d、e、f、gの各分画を得た。そして、得られた各分画の溶媒をエバポレーターおよび凍結乾燥により除去した。
(調整例2 ツキミソウ種子エキス)
ツキミソウ(Oenothera tetraptera Cav.)の種子から油を圧搾し、圧搾粕1kgに5Lのヘキサンを加えて圧搾粕に残留している油分を抽出して除去した。ついでこの脱脂物に対して5Lの水を加えて30℃以下の室温で撹拌抽出を行った。その後、ろ紙によるろ過を行い、ろ液を噴霧乾燥させて、ツキミソウ種子エキス40gを得た。
(調整例3 ブドウ種子エキス)
ノブドウ(Ampelopsis brevipedunculata Tiautv.)の乾燥した種子1kgを、熱水(85℃)にて2時間抽出した。残渣をフィルター除去した後減圧下で濃縮し、濃縮物に水500mLを加えて、Sepabeads SP-207樹脂を充填したカラム(φ11.3×50cm)に吸着させた。次いで、水1.5L、15v/v%エタノール1.5Lで洗浄した後、30v/v%エタノール1.5Lで溶出し、溶出液をスプレードライ法により濃縮乾固してブドウ種子エキスを20gを得た。
(調整例4 ビンロウジュ種子エキス)
ビンロウジュ(Areca catechu L.)の乾燥した種子1kgを、5Lの90%エタノールで7日間常温で抽出した後、ろ過し、そのろ液を濃縮乾固して、ビンロウジュ種子エキス65gを得た。
(デスモグレイン1分解作用の阻害試験)
上記の各植物エキスについて、表皮剥離毒素阻害活性を評価した。シコンエキスから得られた7つの分画のうち分画a、b、c、d、gのみを用い、それぞれdimethyl sulfoxideで希釈した。また、ツキミソウ種子エキスおよびブドウ種子エキス、ビンロウジュ種子エキスはそれぞれ水で希釈した。濃度はすべて50mg/mLに調整した。表皮剥離毒素(Toxin Technology Inc社製)と各植物エキスを表1に示す反応系で37℃、1時間反応させた。その後、三次元培養皮膚モデル(商品名TESTSKIN、TOYOBO社製)の培地に前記反応サンプルを5v/v%となるように添加し、24時間培養した。培養終了後、凍結切片を作成し、Amagaiらの方法(Amagai M, Matsuyoshi N, Wang ZH, Andl C, Stanley JR. Toxin in bullous impetigo and staphylococcal scalded-skin syndrome targets desmoglein 1. Nat Med. 6:1275-1277, 2000.)を応用してデスモグレイン1の免疫染色を行った。なお、対照として阻害剤の代わりに精製水を用いた。その結果、図2から理解されるように、シコンエキス分画d、ツキミソウ種子エキス、ノブドウ種子エキスおよびビンロウジュ種子エキスはそれぞれ表皮剥離毒素のデスモグレイン1分解作用を阻害した。なお、図には示さないが、シコンエキスの各分画のうち、分画dがもっとも強い阻害作用を、分画a、bはわずかな阻害作用を示したが、分画c、gはデスモグレイン1の発現がほとんど見られず阻害作用はほとんど示さなかった。
Figure 2010280736
次に、本発明の表皮剥離毒素阻害剤を用いた皮膚外用剤の実施例を示す。
(処方例1)化粧水
次に示す処方に従って化粧水を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)シコンエキス 0.001
(2)エタノール 10.0
(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
(4)1,3-ブチレングリコール 3.0
(5)防腐剤 適 量
(6)精製水 残 量
上記成分(1)〜(6)を室温にて混合し、化粧水を得た。
(処方例2)化粧水
次に示す処方に従って、化粧水を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ツキミソウ種子エキス 1.0
(2)グリセリン 2.0
(3)1,3-ブチレングリコール 3.0
(4)ポリオキシエチレン(25E.O.)オレイルエーテル 0.2
(5)エタノール 7.0
(6)防腐剤 適 量
(7)精製水 残 量
上記成分(1)〜(6)を室温にて混合し、化粧水を得た。
(処方例3)化粧水
次に示す処方に従って、化粧水を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ブドウ種子エキス 1.0
(2)グリセリン 3.0
(3)1,2-ペンタジオール 2.0
(4)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 0.2
(5)エタノール 7.0
(6)防腐剤 適 量
(7)精製水 残 量
上記成分(1)〜(7)を室温にて混合し、化粧水を得た。
(処方例4)乳液
次に示す処方に従って、乳液を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ビンロウジュ種子エキス 1.0
(2)ステアリン酸 2.0
(3)ステアリルアルコール 1.5
(4)スクワラン 5.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(6)1,3-ブチレングリコール 8.0
(7)水酸化ナトリウム 0.03
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
上記成分(2)〜(5)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(6)〜(9)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、乳液を得た。
(処方例5)クリーム
次に示す処方に従って、クリームを作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)シコンエキス 0.001
(2)ミリスチン酸オクチルドデシル 1.0
(3)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 8.0
(4)バチルアルコール 5.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0
(6)トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
(7)1,3-ブチレングリコール 8.0
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
上記成分(2)〜(6)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(7)〜(9)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、クリームを得た。
(処方例6)クリーム
次に示す処方に従って、クリームを作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ツキミソウ種子エキス 1.0
(2)ミツロウ 6.0
(3)セタノール 5.0
(4)還元ラノリン 8.0
(5)スクワラン 27.5
(6)グリセリル脂肪酸エステル 4.0
(7)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0
(8)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 5.0
(9)1,3-ブチレングリコール 5.0
(10)防腐剤 適 量
(11)精製水 残 量
上記成分(2)〜(8)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(9)〜(11)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、クリームを得た。
(処方例7)クリーム
次に示す処方に従って、クリームを作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ブドウ種子エキス 1.0
(2)セタノール 3.0
(3)ステアリン酸 4.0
(4)流動パラフィン 20.0
(5)濃グリセリン 5.0
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0
(7)ショ糖脂肪酸エステル 3.0
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
上記成分(2)〜(7)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(8)〜(9)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、クリームを得た。
(処方例8)軟膏
次に示す処方に従って、軟膏を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)シコンエキス 0.001
(2)白ワセリン 86.999
(3)白ろう 10.0
(4)コレステロール 3.0
上記(2)〜(4)を高速で5分間均質用ミキサーで撹拌した。周囲の空気にさらして50℃にまで冷却しながら低速で混合した。そして、(1)を加えてさらに5分間撹拌した。ついで、室温のウォーターバス中で30℃未満にまで冷却し、軟膏を得た。
(処方例9)軟膏
次に示す処方に従って、軟膏を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ツキミソウ種子エキス 5.0
(2)白ワセリン 9.0
(3)ポリエチレングリコール400 71.0
(4)ポリエチレングリコール4000 15.0
上記(2)〜(4)を高速で5分間均質用ミキサーで撹拌した。周囲の空気にさらして50℃にまで冷却しながら低速で混合した。そして、(1)を加えてさらに5分間撹拌した。ついで、室温のウォーターバス中で30℃未満にまで冷却し、軟膏を得た。
本発明は、アトピー性皮膚炎など表皮剥離毒素に起因する皮膚疾患などを改善、予防し、皮膚を健常な状態に保つことのできる皮膚外用剤を提供する。

Claims (2)

  1. ぶどう科に属する植物の植物抽出物からなることを特徴とする表皮剥離毒素阻害剤。
  2. 請求項1に記載の表皮剥離毒素阻害剤を含有することを特徴とするとびひ治療用の皮膚外用剤
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