JP2010280736A - 表皮剥離毒素阻害剤及びこれを用いた皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の表皮剥離毒素阻害剤は、ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.)などのむらさき科植物、ツキミソウ(Oenothera tetraptera Cav.)などのあかばな科植物、ノブドウ(Ampelopsis brevipedunculata Tiautv.)などのぶどう科植物、ビンロウジュ(Areca catechu L.)などのやし科植物のいずれか1種もしくは2種以上を、水やメタノール、エタノール、エチルエーテルなどの溶媒で抽出した植物抽出物からなる。この皮膚剥離毒素阻害剤は、アトピー性皮膚炎などの治療予防剤として、また健康な皮膚を維持する化粧品等の皮膚外用剤として用いられる。
【選択図】図2
Description
(表皮剥離毒素阻害剤の調製)
(調整例1 シコンエキス)
ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.)の根(日本薬局方「シコン」)350gを粉砕し、ジエチルエーテル1.5Lに浸漬して、40℃で1時間静置して抽出した。その後、抽出液から溶媒をエバポレーターで除去し、シコンエキス5.4gを得た。さらにこの抽出物を、藤田らの方法(Fujita A, Maeda Y, Suga C, Morimoto T. Plant Cell Rep. 2:192, 1983.)に従って高速液体クロマトグラフィーにより分離した。用いたカラムは、PuresilC18 5μm、4.6×150mm(Waters社製)、溶媒はアセトニトリル:水:トリエチルアミン:酢酸=70:30:0.3:0.3の混液、流量は0.8ml/分、検出波長はUV520nm、温度は室温で行った。こうして、図1に示すように、ピークa、b、c、d、e、f、gの各分画を得た。そして、得られた各分画の溶媒をエバポレーターおよび凍結乾燥により除去した。
ツキミソウ(Oenothera tetraptera Cav.)の種子から油を圧搾し、圧搾粕1kgに5Lのヘキサンを加えて圧搾粕に残留している油分を抽出して除去した。ついでこの脱脂物に対して5Lの水を加えて30℃以下の室温で撹拌抽出を行った。その後、ろ紙によるろ過を行い、ろ液を噴霧乾燥させて、ツキミソウ種子エキス40gを得た。
ノブドウ(Ampelopsis brevipedunculata Tiautv.)の乾燥した種子1kgを、熱水(85℃)にて2時間抽出した。残渣をフィルター除去した後減圧下で濃縮し、濃縮物に水500mLを加えて、Sepabeads SP-207樹脂を充填したカラム(φ11.3×50cm)に吸着させた。次いで、水1.5L、15v/v%エタノール1.5Lで洗浄した後、30v/v%エタノール1.5Lで溶出し、溶出液をスプレードライ法により濃縮乾固してブドウ種子エキスを20gを得た。
ビンロウジュ(Areca catechu L.)の乾燥した種子1kgを、5Lの90%エタノールで7日間常温で抽出した後、ろ過し、そのろ液を濃縮乾固して、ビンロウジュ種子エキス65gを得た。
上記の各植物エキスについて、表皮剥離毒素阻害活性を評価した。シコンエキスから得られた7つの分画のうち分画a、b、c、d、gのみを用い、それぞれdimethyl sulfoxideで希釈した。また、ツキミソウ種子エキスおよびブドウ種子エキス、ビンロウジュ種子エキスはそれぞれ水で希釈した。濃度はすべて50mg/mLに調整した。表皮剥離毒素(Toxin Technology Inc社製)と各植物エキスを表1に示す反応系で37℃、1時間反応させた。その後、三次元培養皮膚モデル(商品名TESTSKIN、TOYOBO社製)の培地に前記反応サンプルを5v/v%となるように添加し、24時間培養した。培養終了後、凍結切片を作成し、Amagaiらの方法(Amagai M, Matsuyoshi N, Wang ZH, Andl C, Stanley JR. Toxin in bullous impetigo and staphylococcal scalded-skin syndrome targets desmoglein 1. Nat Med. 6:1275-1277, 2000.)を応用してデスモグレイン1の免疫染色を行った。なお、対照として阻害剤の代わりに精製水を用いた。その結果、図2から理解されるように、シコンエキス分画d、ツキミソウ種子エキス、ノブドウ種子エキスおよびビンロウジュ種子エキスはそれぞれ表皮剥離毒素のデスモグレイン1分解作用を阻害した。なお、図には示さないが、シコンエキスの各分画のうち、分画dがもっとも強い阻害作用を、分画a、bはわずかな阻害作用を示したが、分画c、gはデスモグレイン1の発現がほとんど見られず阻害作用はほとんど示さなかった。
(処方例1)化粧水
次に示す処方に従って化粧水を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)シコンエキス 0.001
(2)エタノール 10.0
(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
(4)1,3-ブチレングリコール 3.0
(5)防腐剤 適 量
(6)精製水 残 量
上記成分(1)〜(6)を室温にて混合し、化粧水を得た。
次に示す処方に従って、化粧水を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ツキミソウ種子エキス 1.0
(2)グリセリン 2.0
(3)1,3-ブチレングリコール 3.0
(4)ポリオキシエチレン(25E.O.)オレイルエーテル 0.2
(5)エタノール 7.0
(6)防腐剤 適 量
(7)精製水 残 量
上記成分(1)〜(6)を室温にて混合し、化粧水を得た。
次に示す処方に従って、化粧水を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ブドウ種子エキス 1.0
(2)グリセリン 3.0
(3)1,2-ペンタジオール 2.0
(4)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 0.2
(5)エタノール 7.0
(6)防腐剤 適 量
(7)精製水 残 量
上記成分(1)〜(7)を室温にて混合し、化粧水を得た。
次に示す処方に従って、乳液を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ビンロウジュ種子エキス 1.0
(2)ステアリン酸 2.0
(3)ステアリルアルコール 1.5
(4)スクワラン 5.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(6)1,3-ブチレングリコール 8.0
(7)水酸化ナトリウム 0.03
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
上記成分(2)〜(5)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(6)〜(9)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、乳液を得た。
次に示す処方に従って、クリームを作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)シコンエキス 0.001
(2)ミリスチン酸オクチルドデシル 1.0
(3)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 8.0
(4)バチルアルコール 5.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0
(6)トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
(7)1,3-ブチレングリコール 8.0
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
上記成分(2)〜(6)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(7)〜(9)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、クリームを得た。
次に示す処方に従って、クリームを作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ツキミソウ種子エキス 1.0
(2)ミツロウ 6.0
(3)セタノール 5.0
(4)還元ラノリン 8.0
(5)スクワラン 27.5
(6)グリセリル脂肪酸エステル 4.0
(7)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0
(8)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 5.0
(9)1,3-ブチレングリコール 5.0
(10)防腐剤 適 量
(11)精製水 残 量
上記成分(2)〜(8)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(9)〜(11)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、クリームを得た。
次に示す処方に従って、クリームを作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ブドウ種子エキス 1.0
(2)セタノール 3.0
(3)ステアリン酸 4.0
(4)流動パラフィン 20.0
(5)濃グリセリン 5.0
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0
(7)ショ糖脂肪酸エステル 3.0
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
上記成分(2)〜(7)を混合し、80℃に加温溶解して油相とする。これとは別に(8)〜(9)を混合溶解して80℃に加温した水相に、前記油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した。その後、攪拌しながら冷却し、(1)を加えて攪拌後、35℃まで冷却し、クリームを得た。
次に示す処方に従って、軟膏を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)シコンエキス 0.001
(2)白ワセリン 86.999
(3)白ろう 10.0
(4)コレステロール 3.0
上記(2)〜(4)を高速で5分間均質用ミキサーで撹拌した。周囲の空気にさらして50℃にまで冷却しながら低速で混合した。そして、(1)を加えてさらに5分間撹拌した。ついで、室温のウォーターバス中で30℃未満にまで冷却し、軟膏を得た。
次に示す処方に従って、軟膏を作製した。
配合成分 配合量(重量%)
(1)ツキミソウ種子エキス 5.0
(2)白ワセリン 9.0
(3)ポリエチレングリコール400 71.0
(4)ポリエチレングリコール4000 15.0
上記(2)〜(4)を高速で5分間均質用ミキサーで撹拌した。周囲の空気にさらして50℃にまで冷却しながら低速で混合した。そして、(1)を加えてさらに5分間撹拌した。ついで、室温のウォーターバス中で30℃未満にまで冷却し、軟膏を得た。
Claims (2)
- ぶどう科に属する植物の植物抽出物からなることを特徴とする表皮剥離毒素阻害剤。
- 請求項1に記載の表皮剥離毒素阻害剤を含有することを特徴とするとびひ治療用の皮膚外用剤。
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JP2010216526A JP2010280736A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 表皮剥離毒素阻害剤及びこれを用いた皮膚外用剤 |
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