JP2010279976A - スクリュープレス式脱水機、汚泥処理システム及び汚泥処理システムの運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒形状を為す外筒スクリーン3と、テーパ状の軸7の外周に螺旋状のスクリュー羽根9を設け、外筒スクリーン3内に回転自在に配置され、スクリュー羽根9の外周端面が外筒スクリーン3に略接するスクリュー5と、スクリュー5の軸小径部7a側に設けられるスラッジ供給口13と、スクリュー5の軸大径部7b側に設けられるケーキ出口15と、外筒スクリーン3の外周に設けられ、外筒スクリーン3から搾り出るろ液を受ける外筒17と、外筒17に設けられ外筒17内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口18と、外筒17に設けられ外筒17内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口19とを備える。
【選択図】 図1
Description
請求項8記載の汚泥処理システムの運転方法は、請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液をろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、汚泥処理システムの試運転によって求められたろ液排出口を開く時間と閉じる時間とに基づいて運転されることを特徴とする。
本発明によれば、副次効果として、SS回収率を気にしなくてよい運転が可能となるため、ケーキ含水率優先運転または処理量優先運転もしくは低薬注率運転が可能となり、全般的に脱水性能が向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る縦型のスクリュープレス式脱水機1を示す。
本実施形態に係るスクリュープレス式脱水機1は、縦型の円筒形状を為す外筒スクリーン3と、テーパ状の軸7の外周に螺旋状でかつ各羽根の外形が等しいスクリュー羽根9を設け、外筒スクリーン3内に軸小径部7aを下部にして回転自在に配置されるテーパ状のスクリュー5と、スクリュー5の軸小径部7a側に設けられるスラッジ供給口13と、スクリュー5の軸大径部7b側に設けられるケーキ出口15と、外筒スクリーン3の外周に設けられ、外筒スクリーン3から搾り出るろ液を受ける外筒17と、スクリュー5を回転駆動するモータ21とを備えている。
スクリュー羽根9のピッチは、軸7と同様に、ろ室11が脱水ケーキ排出側に向かって容積を連続的に小さくするように、汚泥投入側から脱水ケーキ排出側に向かって小さくなるように設定されている。このスクリュー羽根9のピッチは、非特許文献1にあるようなピッチと略同じである。
外筒17の上部側には、スクリュー5の軸大径部側7bの終端側を覆う筒部53が設けられている。この筒部53には、出口圧力センサ55が設けられている。
出口コーン57の周囲には、筒部53に連結する脱水汚泥収納部65が形成され、回転式ケーキ掻き寄せ刃67が回転自在に配置されている。回転式ケーキ掻き寄せ刃67は、上部を脱水汚泥収納部65の内周に回転可能に支持されるドーナツ状のラック内歯車71に吊設され、そのラック内歯車71と噛合する平歯車73を設けた軸75を脱水汚泥収納部65に軸受けを介して取り付け、この軸75に平歯車77を設け、この平歯車77を、スクリュー5の終端部に連結する軸59に設けた平歯車69と噛合させることによって、スクリュー5の回転と同期して脱水汚泥収納部65内を回転することができる。
本実施形態に係るスクリュープレス式脱水機1においては、図1に示すように、スクリュー5の軸小径部7aから軸大径部7bに向かって濃縮ゾーン(水分98〜95%)、ろ過ゾーン(水分95〜88%)、圧搾ゾーン(水分88〜75%)を構成するように、ろ室11を形成している。
本実施形態に係る汚泥処理システム100では、スクリュープレス式脱水機1のスラッジ供給口13に、スクリュープレス式脱水機1に汚泥を供給する汚泥供給装置101の汚泥供給路103を連結し、スクリュープレス式脱水機1のろ液排出口19に、スクリュープレス式脱水機1内に溜まったSS濃度の高いろ液を汚泥供給装置101へ送る汚泥返送路105を連結し、スクリュープレス式脱水機1の外筒17の上部に設けた清澄なろ液排出口18から排出される低濃度の清澄なろ液は、水処理設備(図示せず)へ送られるように構成されている。
汚泥供給装置101は、汚泥貯留槽107と、汚泥貯留槽107から汚泥を送り出す汚泥供給ポンプ109と、汚泥供給ポンプ109によって送られる汚泥に凝集剤を添加して凝集させる汚泥凝集装置111とを備えている。
汚泥凝集装置111は、凝集剤供給ポンプ117によって高分子凝集剤を溶解する凝集剤溶解タンク115から溶解した高分子凝集剤と、汚泥供給ポンプ109によって汚泥貯留槽107から送り出される汚泥とを貯留するように構成されている。また、汚泥凝集装置111は、モータにて駆動される撹拌翼112を備えている。また、凝集剤溶解タンク115は、高分子凝集剤を溶解するためにモータにて駆動される撹拌翼116を備えている。
次に、図1に示すスクリュープレス式脱水機1、図2に示す汚泥処理システム100及び図3に示すろ液排出の運転方法に基づいて本実施形態に係る汚泥処理システム100を運転する方法について説明する。
先ず、スクリュープレス式脱水機1及び汚泥供給装置101を駆動する。その際、スクリュープレス式脱水機1の下部のろ液排出口19の開閉弁20を閉じておく。
一方、下部のろ液排出口19の開閉弁20は、汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、例えば、図3に示すように、1サイクル20〜30分として、3分間だけ開き、それ以外は閉じるため、ろ液を外筒17のろ過室79内に貯留し、ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる。
次に、下部のろ液排出口19の開閉弁20は、汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、例えば、図3に示すように、1サイクル20〜30分として、3分間だけ開き、外筒17のろ過室79内に溜まったSS濃度の高いろ液(例えば、排出1回当たり0.002m3、SS濃度4000〜8000mg/L)をろ液排出口19から排出させる。
なお、ろ液排出口19からのSS濃度の高いろ液の排出は、汚泥処理システム100の試運転によって求められたろ液排出口19を開く時間と閉じる時間とに基づいて開閉弁20を制御することによって行われる。また、清澄なろ液の濁度を濁度計で計測し、その測定値が閾値以上(例えば、SS濃度が300mg/L以上)の場合にろ液排出口19を開き、ろ液排出口19の開放弁20の開放後、外筒17内に溜まったろ液のある一定量が排出されるのに要する時間(外筒のろ液貯留高さの、例えば、4/5が排出されるのに要する時間で、本装置の場合、例えば、3分間)経過後にろ液排出口19を閉じるように開閉弁20を制御するようにしても良い。
1−1.下水混合生汚泥の実験データ
ケーキ含水率のろ液レベルによる比較を図4に示す。
この図中、■は、通常のろ液を溜めないで排出する場合のケーキ含水率のデータで、◆が下部のろ液排出口19を全閉にして、ろ液を溜めて上部の清澄なろ液排水口18からオーバーフローさせた時のケーキ含水率のデータである。
表1は、その際の汚泥濃度、薬注率、凝集装置回転速度、スクリュー回転速度及び出口圧力を示す。
下部のろ液排出口19の開閉弁20を全閉にしてろ液を外筒全体レベルに保ち清澄なろ液排出口18からオーバーフローさせて、脱水部分をろ液に浸漬させた場合と、下部のろ液排出口19の開閉弁20を全開にして外筒内のろ液を排出して脱水部分を露出した場合とにおいて、ケーキ含水率への影響は特に見られなかった。
ケーキ含水率のろ液レベルによる比較を図5に示す。
この図中、■は、通常のろ液を溜めないで排出する場合のケーキ含水率のデータで、◆が下部のろ液排水口19を全閉にして、ろ液を溜めて上部の清澄なろ液排水口18からオーバーフローさせた時のケーキ含水率のデータである。
表2は、その際の汚泥濃度、薬注率、凝集装置回転速度、スクリュー回転速度及び出口圧力を示す。
下部のろ液排出口19の開閉弁20を全閉にしてろ液を外筒全体レベルに保ち清澄なろ液排出口18からオーバーフローさせた場合と、下部のろ液排出口19の開閉弁20を全開にして外筒内のろ液を排出した場合とでは、オーバーフロー時の方がケーキ含水率が若干低くなる傾向が見られた。
すなわち、流体は高い圧力から低い圧力へ移動するが、その逆は有り得ないことが確認できた。また、脱水機の内部圧力は、下部:30KPa前後、上部:100KPa前後であるのに対して、ろ液水頭で発生する圧力は、下部:10〜20KPa程度、上部:0KPaであるため、ろ液がケーキ含水率に悪影響を与えないことが確認できた。
汚泥濃度20000mg/Lの汚泥を濃縮設備から濃縮汚泥引き抜きポンプ113によって汚泥貯留槽107へ供給する。ここで、汚泥供給量をQ1とする。
汚泥貯留槽107から汚泥供給ポンプ109によって引き抜かれる汚泥引き抜き量Q2を0.6m3/hとする。
これらを基に汚泥貯留槽内の汚泥濃度を計算する。
汚泥供給量:Q1=Q2−Q3
汚泥引き抜き量:Q2=0.6m3/h
高濃度ろ液返送量:Q3=0.002m3×60分/25分=0.05m3/h
ただし、1サイクル時間(平均)25分とする。
汚泥供給量:Q1=Q2−Q3=0.6m3/h−0.05m3/h=0.55m3/h
汚泥引き抜きの汚泥濃度
=(Q1×20000+Q3×6000)/Q2
=(0.55×20000+0.05×6000)/0.6
=18830mg/L
ゆえに、汚泥貯留槽107に供給される汚泥濃度20000mg/Lのものが、高濃度ろ液を返送したら徐々に薄められ、最終的に18830mg/Lまで濃度低下する。しかし、その程度の変化は、日常的に生じている範囲であり、特にスクリュープレス式脱水機1の運転に支障が生じる可能性はきわめて低い。
3 外筒スクリーン
5 スクリュー
7 軸
7a 軸小径部
7b 軸大径部
9 スクリュー羽根
11 ろ室
13 スラッジ供給口
15 ケーキ出口
17 外筒
18 清澄なろ液排出口
19 ろ液排出口
20 開閉弁
21 モータ
79 ろ過室
100 汚泥処理システム
101 汚泥供給装置
103 汚泥供給路
105 汚泥返送路
106 移送ポンプ
107 汚泥貯留槽
109 汚泥供給ポンプ
111 汚泥凝集装置
115 凝集剤溶解タンク
117 凝集剤供給ポンプ
119 給水タンク
Claims (8)
- 円筒形状を為す外筒スクリーンと、
テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、前記外筒スクリーン内に回転自在に配置され、前記スクリュー羽根の外周端面が前記外筒スクリーンに略接するスクリューと、
前記スクリューの軸小径部側に設けられるスラッジ供給口と、
前記スクリューの軸大径部側に設けられるケーキ出口と、
前記外筒スクリーンの外周に設けられ、前記外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、
前記外筒に設けられ前記外筒内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口と、
前記外筒に設けられ前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口と
を備えることを特徴とするスクリュープレス式脱水機。 - 縦型の円筒形状を為す外筒スクリーンと、
テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、前記外筒スクリーン内に回転自在に配置され、前記スクリュー羽根の外周端面が前記外筒スクリーンに略接するスクリューと、
前記スクリューの軸小径部側に設けられるスラッジ供給口と、
前記スクリューの軸大径部側に設けられるケーキ出口と、
前記外筒スクリーンの外周に設けられ、前記外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、
前記外筒の上部に設けられ、前記外筒内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口と、
前記外筒の下部に設けられ、前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口と
を備えることを特徴とするスクリュープレス式脱水機。 - 縦型の円筒形状を為す外筒スクリーンと、
テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、前記外筒スクリーン内に回転自在に配置され、前記スクリュー羽根の外周端面が前記外筒スクリーンに略接するスクリューと、
前記外筒スクリーンの外周に設けられ、前記外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、
前記スクリューの軸小径部側かつ前記外筒の下部に設けられるスラッジ供給口と、
前記スクリューの軸大径部側かつ前記外筒の上部に設けられるケーキ出口と、
前記外筒の上部に設けられ、前記外筒内の清澄なろ液をオーバーフローとして排出する清澄なろ液排出口と、
前記外筒の下部に設けられ、前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口と
を備えることを特徴とするスクリュープレス式脱水機。 - 請求項1乃至3の何れか記載のスクリュープレス式脱水機と、
前記スクリュープレス式脱水機に汚泥を供給する汚泥供給装置と、
前記スクリュープレス式脱水機のスラッジ供給口と前記汚泥供給装置とを結び前記汚泥を前記スクリュープレス式脱水機へ送る汚泥供給路と、
前記スクリュープレス式脱水機のろ液排出部と前記汚泥供給装置とを結び、前記スクリュープレス式脱水機内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記汚泥供給装置へ送る汚泥返送路と
を備えることを特徴とする汚泥処理システム。 - 請求項4記載の汚泥処理システムにおいて、
前記汚泥供給装置は、汚泥貯留槽と、前記汚泥貯留槽から汚泥を送り出す汚泥供給ポンプと、前記汚泥供給ポンプによって送られる前記汚泥に凝集剤を添加して凝集させる汚泥凝集装置とを備え、
前記汚泥供給路は、前記汚泥凝集装置と前記スクリュープレス式脱水機のスラッジ供給口とを結び、
前記汚泥返送路は、前記スクリュープレス式脱水機のろ液排出部と前記汚泥貯留槽とを結ぶ
ことを特徴とする汚泥処理システム。 - 請求項4又は5記載の汚泥処理システムを運転する方法において、
前記汚泥供給装置から送られてくる汚泥を、前記外筒スクリーン内に投入し、前記スクリューと前記外筒スクリーンとによって徐々に圧搾・脱水して排出させる工程と、
前記汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、前記ろ液排出口を閉じ、ろ液を前記外筒内に貯留し、前記ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程と、
前記ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程時に生成される清澄なろ液を、前記清澄なろ液排出口から排出させる工程と、
前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記ろ液排出口から間欠的に排出させる工程と、
前記ろ液排出口から間欠的に排出させられる前記SS濃度の高いろ液を前記汚泥貯留槽へ戻す工程と
を備えることを特徴とする汚泥処理システムの運転方法。 - 請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、
前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記ろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、前記清澄なろ液の濁度を濁度計で計測し、その測定値が閾値以上になった場合に前記ろ液排出口を開き、前記ろ液排出口開放後、前記外筒内に溜まったろ液のある一定量が排出されるのに要する時間経過後に前記ろ液排出口を閉じるように運転される
ことを特徴とする汚泥処理システムの運転方法。 - 請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、
前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記ろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、前記汚泥処理システムの試運転によって求められた前記ろ液排出口を開く時間と閉じる時間とに基づいて運転される
ことを特徴とする汚泥処理システムの運転方法。
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