JP2010279976A - スクリュープレス式脱水機、汚泥処理システム及び汚泥処理システムの運転方法 - Google Patents

スクリュープレス式脱水機、汚泥処理システム及び汚泥処理システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱水機本体内にろ液を溜めてSSを沈降分離して清澄なろ液を排出することによってSS回収率を向上させること。
【解決手段】円筒形状を為す外筒スクリーン3と、テーパ状の軸7の外周に螺旋状のスクリュー羽根9を設け、外筒スクリーン3内に回転自在に配置され、スクリュー羽根9の外周端面が外筒スクリーン3に略接するスクリュー5と、スクリュー5の軸小径部7a側に設けられるスラッジ供給口13と、スクリュー5の軸大径部7b側に設けられるケーキ出口15と、外筒スクリーン3の外周に設けられ、外筒スクリーン3から搾り出るろ液を受ける外筒17と、外筒17に設けられ外筒17内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口18と、外筒17に設けられ外筒17内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口19とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、下水道処理分野及び産業廃水処理分野における汚泥脱水機として用いるスクリュープレス式脱水機の改良、及びこのスクリュープレス式脱水機を用いる汚泥処理システム並びにこの汚泥処理システムの運転方法に関する。
従来、下水道処理分野及び産業廃水処理分野における汚泥脱水機として用いるスクリュープレス脱水機は、凝集汚泥などを凝縮〜ろ過〜圧搾という処理をするために、スクリューオーガとその周囲に配される外筒スクリーンとの組合せで、主要構造を構成している。その外筒スクリーンのろ材(フィルタ)は、金属製フィルタ(パンチングメタルなど)を用いており、その目開きがφ0.5mm〜φ1.5mmと、ベルトプレス脱水機などで用いられる繊維性ろ布に比較して大きいため、脱水中に捕捉できずに目抜けして機外へ排出される固形物、いわゆる浮遊物質量(Suspended Solid:SS)が多くなり、SS回収率90〜95%程度で、他機種に比べてSS回収率が悪いと一般的に言われている(例えば、非特許文献1を参照)。
そこで、この問題を解決するため、スクリュープレス脱水機から排出されるろ液中のSS分を回収して脱水の前段にある汚泥貯留槽へ戻し、脱水機へ再度供給してSS回収率を向上させるろ液分離装置が提案されている(例えば、非特許文献2を参照)。
「ポリマー凝集剤 使用の手引き」(東京都下水道サービス株式会社、平成14年3月発行) 高効率型圧入式スクリュープレス脱水機 技術マニュアル 2006年3月(発行日 平成18年3月31日、発行所 財団法人 下水道新技術推進機構)第187頁〜第191頁
しかしながら、非特許文献2に開示されるろ液分離装置は、大がかりな装置になり、コストも相当アップし、運転制御も複雑になるという問題があった。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、脱水機本体内にろ液を溜めてSSを沈降分離して清澄なろ液を排出することによってSS回収率を向上させることを可能としたスクリュープレス式脱水機、汚泥処理システム及び汚泥処理システムの運転方法を提供することにある。
請求項1記載のスクリュープレス式脱水機は、円筒形状を為す外筒スクリーンと、テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、外筒スクリーン内に回転自在に配置され、スクリュー羽根の外周端面が外筒スクリーンに略接するスクリューと、スクリューの軸小径部側に設けられるスラッジ供給口と、スクリューの軸大径部側に設けられるケーキ出口と、外筒スクリーンの外周に設けられ、外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、外筒に設けられ外筒内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口と、外筒に設けられ外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口とを備えることを特徴とする。
請求項2記載のスクリュープレス式脱水機は、縦型の円筒形状を為す外筒スクリーンと、テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、外筒スクリーン内に回転自在に配置され、スクリュー羽根の外周端面が外筒スクリーンに略接するスクリューと、スクリューの軸小径部側に設けられるスラッジ供給口と、スクリューの軸大径部側に設けられるケーキ出口と、外筒スクリーンの外周に設けられ、外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、外筒の上部に設けられ、外筒内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口と、外筒の下部に設けられ、外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口とを備えることを特徴とする。
請求項3記載のスクリュープレス式脱水機は、縦型の円筒形状を為す外筒スクリーンと、テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、外筒スクリーン内に回転自在に配置され、スクリュー羽根の外周端面が外筒スクリーンに略接するスクリューと、外筒スクリーンの外周に設けられ、外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、スクリューの軸小径部側かつ外筒の下部に設けられるスラッジ供給口と、スクリューの軸大径部側かつ外筒の上部に設けられるケーキ出口と、外筒の上部に設けられ、外筒内の清澄なろ液をオーバーフローとして排出する清澄なろ液排出口と、外筒の下部に設けられ、外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口とを備えることを特徴とする。
請求項4記載の汚泥処理システムは、請求項1乃至3の何れか記載のスクリュープレス式脱水機と、スクリュープレス式脱水機に汚泥を供給する汚泥供給装置と、スクリュープレス式脱水機のスラッジ供給口と汚泥供給装置とを結び汚泥をスクリュープレス式脱水機へ送る汚泥供給路と、スクリュープレス式脱水機のろ液排出部と汚泥供給装置とを結び、スクリュープレス式脱水機内に溜まったSS濃度の高いろ液を汚泥供給装置へ送る汚泥返送路とを備えることを特徴とする。
請求項5記載の汚泥処理システムは、請求項4記載の汚泥処理システムにおいて、汚泥供給装置は、汚泥貯留槽と、汚泥貯留槽から汚泥を送り出す汚泥供給ポンプと、汚泥供給ポンプによって送られる汚泥に凝集剤を添加して凝集させる汚泥凝集装置とを備え、汚泥供給路は、汚泥凝集装置とスクリュープレス式脱水機のスラッジ供給口とを結び、汚泥返送路は、スクリュープレス式脱水機のろ液排出部と汚泥貯留槽とを結ぶことを特徴とする。
請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法は、請求項4又は5記載の汚泥処理システムを運転する方法において、汚泥供給装置から送られてくる汚泥を、外筒スクリーン内に投入し、スクリューと外筒スクリーンとによって徐々に圧搾・脱水して排出させる工程と、汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、ろ液排出口を閉じ、ろ液を外筒内に貯留し、ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程と、ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程時に生成される清澄なろ液を、清澄なろ液排出口から排出させる工程と、外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液をろ液排出口から間欠的に排出させる工程と、ろ液排出口から間欠的に排出させられるSS濃度の高いろ液を汚泥貯留槽へ戻す工程とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の汚泥処理システムの運転方法は、請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液をろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、清澄なろ液の濁度を濁度計で計測し、その測定値が閾値以上になった場合にろ液排出口を開き、ろ液排出口開放後、外筒内に溜まったろ液のある一定量が排出されるのに要する時間経過後にろ液排出口を閉じるように運転されることを特徴とする。
請求項8記載の汚泥処理システムの運転方法は、請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液をろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、汚泥処理システムの試運転によって求められたろ液排出口を開く時間と閉じる時間とに基づいて運転されることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な装置及び運転方法でスクリュープレス脱水機のSS回収率を98〜99%までに改善できる。
本発明によれば、副次効果として、SS回収率を気にしなくてよい運転が可能となるため、ケーキ含水率優先運転または処理量優先運転もしくは低薬注率運転が可能となり、全般的に脱水性能が向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る縦型のスクリュープレス式脱水機を示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る汚泥処理システムを示す説明図である。 図2に示す汚泥処理システムにおけるろ液排出の運転方法を示す説明図である。 下水混合生汚泥におけるケーキ含水率のろ液レベルによる比較を示すグラフである。 下水消化汚泥におけるケーキ含水率のろ液レベルによる比較を示すグラフである。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る縦型のスクリュープレス式脱水機1を示す。
本実施形態に係るスクリュープレス式脱水機1は、縦型の円筒形状を為す外筒スクリーン3と、テーパ状の軸7の外周に螺旋状でかつ各羽根の外形が等しいスクリュー羽根9を設け、外筒スクリーン3内に軸小径部7aを下部にして回転自在に配置されるテーパ状のスクリュー5と、スクリュー5の軸小径部7a側に設けられるスラッジ供給口13と、スクリュー5の軸大径部7b側に設けられるケーキ出口15と、外筒スクリーン3の外周に設けられ、外筒スクリーン3から搾り出るろ液を受ける外筒17と、スクリュー5を回転駆動するモータ21とを備えている。
外筒スクリーン3は、例えば、SUS304製の金網やパンチングプレートを用いる。そして、ろ過穴は、例えば、後述する濃縮ゾーンの穴径が1.0〜1.5mm、ろ過ゾーンの穴径が0.7〜1.0mm、圧搾ゾーンの穴径が0.5〜0.6mmとされている。本実施形態では、濃縮ゾーンの穴径1.2mm、ろ過ゾーンの穴径0.8mm、圧搾ゾーンの穴径0.5mmとした。なお、外筒スクリーン3の長さ及び口径は、任意であるが、本実施形態では、外筒スクリーン3の長さを660mm、外筒スクリーン3の口径を200mmとした。
スクリュー5は、例えば、SUS304材で構成されている。スクリュー5の軸7は、外筒スクリーン3との間で形成されるろ室11が、脱水ケーキ排出側に向かって容積を連続的に小さくするように、汚泥投入側から脱水ケーキ排出側に向かって太くなるテーパ状にしてある。
スクリュー羽根9のピッチは、軸7と同様に、ろ室11が脱水ケーキ排出側に向かって容積を連続的に小さくするように、汚泥投入側から脱水ケーキ排出側に向かって小さくなるように設定されている。このスクリュー羽根9のピッチは、非特許文献1にあるようなピッチと略同じである。
外筒スクリーン3とスクリュー5と外筒17とは、スラッジ供給口13に連絡する受け部25を介して水密機構を用いて架台23上に立設されている。受け部25は背の低い円筒状を為し、その上辺は外筒17の下面となっており、外筒スクリーン3は受け部25の上辺を同軸小径円で開口した孔内面に水密シールを介することで、外筒17へ受け部25内の汚泥がショートパスするのを防ぐ。スクリュー5は軸7の下端を受け部25の下辺に同軸小径円で開口した孔に水密シールを介して貫通し、その下部に軸小径部7aの下端部を備えている。スクリュー5の軸7の外側とスクリュー羽根9との間の空間は受け部25に連絡している。
スクリュー5には、スクリュー5の軸小径部7aの下端部から受け部25を貫通して架台23内に突出する軸27が取り付けられて図示しない軸受けにより支持されて回転自在になっている。軸27には、スプロケット33が取り付けられ、架台23上に設置されたモータ21の駆動軸37に設けたスプロケット39にチェーン35を介して連結されている。ここで、スクリュー5の駆動装置は、架台23上に設置されたモータ21と、スクリュー5の軸27に設けたスプロケット33と、モータ21の駆動軸37に設けたスプロケット39と、スプロケット33,39に張り渡されたチェーン35とで構成されている。
外筒スクリーン3の下端部には、外筒スクリーン3を受け止める金具29に連結し、スクリュー5の軸27の外側に同軸上に配置される中空状軸31が取り付けられている。中空状軸31の下端近傍には、スプロケット41が取り付けられ、架台23上に設置された外筒スクリーン3のモータ43の駆動軸45に設けたスプロケット47にチェーン49を介して連結されている。ここで、外筒スクリーン3の駆動装置は、架台23上に設置されたモータ43と、スクリュー5の中空状軸31に設けたスプロケット41と、モータ43の駆動軸45に設けたスプロケット47と、スプロケット41,47に張り渡されたチェーン49とで構成されている。
外筒17には、上部に低濃度の清澄なろ液を排出するための清澄なろ液排出口18が設けられ、下部に高濃度のろ液を排出するためのろ液排出口19が設けられている。ろ液排出口19には、モーターで駆動する開閉弁20が設けられている。この開閉弁20を閉じることによって外筒17内に形成されるろ過室79にろ液が溜められ、ろ過室79内のろ液中のSSが沈降分離される。そして、上部の清澄なろ液排出口18から清澄のろ液が排出される。また、開閉弁20を間欠的に開くことによって、ろ過室79の下方に溜まった高濃度のろ液が下部のろ液排出口19から排出される。
外筒17には、脱水運転と脱水運転との間の運転停止時に外筒スクリーン3の逆洗を行うための水噴霧ノズル51が上下に亘り複数設置されている。外筒スクリーン3の逆洗は、運転停止時に圧力水による洗浄スプレーで外筒スクリーン3を洗浄するが、このときに外筒スクリーン3を外筒スクリーン3の駆動装置により回転駆動して、外筒スクリーン3の外面全体を洗浄する。
外筒17の上部側には、スクリュー5の軸大径部側7bの終端側を覆う筒部53が設けられている。この筒部53には、出口圧力センサ55が設けられている。
筒部53には、スクリュー5の終端部に出口コーン57が設置されている。出口コーン57は、スクリュー5の終端部に設けられた軸59に設置された出口制御シリンダ61によって筒部53から排出される脱水ケーキを押圧しながら排出量を調整する。出口制御シリンダ61は、圧縮空気配管63を介して圧縮空気供給源(図示せず)に連絡している。
出口コーン57の周囲には、筒部53に連結する脱水汚泥収納部65が形成され、回転式ケーキ掻き寄せ刃67が回転自在に配置されている。回転式ケーキ掻き寄せ刃67は、上部を脱水汚泥収納部65の内周に回転可能に支持されるドーナツ状のラック内歯車71に吊設され、そのラック内歯車71と噛合する平歯車73を設けた軸75を脱水汚泥収納部65に軸受けを介して取り付け、この軸75に平歯車77を設け、この平歯車77を、スクリュー5の終端部に連結する軸59に設けた平歯車69と噛合させることによって、スクリュー5の回転と同期して脱水汚泥収納部65内を回転することができる。
脱水汚泥収納部65には、ケーキ出口15が設けられている。
本実施形態に係るスクリュープレス式脱水機1においては、図1に示すように、スクリュー5の軸小径部7aから軸大径部7bに向かって濃縮ゾーン(水分98〜95%)、ろ過ゾーン(水分95〜88%)、圧搾ゾーン(水分88〜75%)を構成するように、ろ室11を形成している。
図2は、図1に示す本発明の一実施形態に係る縦型のスクリュープレス式脱水機1を用いる本発明の一実施形態に係る汚泥処理システム100を示す。
本実施形態に係る汚泥処理システム100では、スクリュープレス式脱水機1のスラッジ供給口13に、スクリュープレス式脱水機1に汚泥を供給する汚泥供給装置101の汚泥供給路103を連結し、スクリュープレス式脱水機1のろ液排出口19に、スクリュープレス式脱水機1内に溜まったSS濃度の高いろ液を汚泥供給装置101へ送る汚泥返送路105を連結し、スクリュープレス式脱水機1の外筒17の上部に設けた清澄なろ液排出口18から排出される低濃度の清澄なろ液は、水処理設備(図示せず)へ送られるように構成されている。
ここで、汚泥返送路105は、移送ポンプ106によってスクリュープレス式脱水機1内に溜まったSS濃度の高いろ液を汚泥供給装置101へ送るように構成されている。なお、自然流下によってスクリュープレス式脱水機1内に溜まったSS濃度の高いろ液を汚泥供給装置101へ送ることができる場合には、移送ポンプ106を省くことができる。
汚泥供給装置101は、汚泥貯留槽107と、汚泥貯留槽107から汚泥を送り出す汚泥供給ポンプ109と、汚泥供給ポンプ109によって送られる汚泥に凝集剤を添加して凝集させる汚泥凝集装置111とを備えている。
汚泥貯留槽107は、濃縮汚泥引き抜きポンプ113によって濃縮設備(図示せず)から送られてくる汚泥を貯留するように構成されている。また、汚泥貯留槽107は、モータによって駆動される攪拌翼108を備えている。
汚泥凝集装置111は、凝集剤供給ポンプ117によって高分子凝集剤を溶解する凝集剤溶解タンク115から溶解した高分子凝集剤と、汚泥供給ポンプ109によって汚泥貯留槽107から送り出される汚泥とを貯留するように構成されている。また、汚泥凝集装置111は、モータにて駆動される撹拌翼112を備えている。また、凝集剤溶解タンク115は、高分子凝集剤を溶解するためにモータにて駆動される撹拌翼116を備えている。
なお、本実施形態では、スクリュープレス式脱水機1の外筒17に設けた水噴霧ノズル51には、給水タンク119から洗浄水ポンプ121によって送られる洗浄水が送られ、出口制御シリンダ61には空気圧縮機123から送られる圧縮空気が供給されるようになっている。
図3は、図2に示す汚泥処理システム100におけるろ液排出の運転方法の一例を示す。
次に、図1に示すスクリュープレス式脱水機1、図2に示す汚泥処理システム100及び図3に示すろ液排出の運転方法に基づいて本実施形態に係る汚泥処理システム100を運転する方法について説明する。
先ず、スクリュープレス式脱水機1及び汚泥供給装置101を駆動する。その際、スクリュープレス式脱水機1の下部のろ液排出口19の開閉弁20を閉じておく。
そして、汚泥凝集装置111にて凝集剤を加えてフロック化した、例えば、2〜3mmの固形物からなる凝集汚泥を、汚泥供給路103を介して汚泥供給ポンプ109によって、例えば、30〜50KPaの圧力でスラッジ供給口13から外筒スクリーン3内に導入し、超低速回転(0.08〜1rpm)のスクリュー5により濃縮ゾーン内をスクリュー羽根9によって外筒スクリーン3との間に形成されるろ室11内で脱水させながら搬送する。
濃縮ゾーンの入口汚泥含水率は、98%〜95%(逆に言うと、固形物濃度2%〜5%(重量比))であり、スクリュープレス式脱水機1に導入された汚泥は、圧力の高いろ室11から外筒スクリーン3の外側の圧力の低い外筒17と外筒スクリーン3との間の空間へ流れる流れに乗って外筒スクリーン3の内面に付着堆積するとともに、スクリュー羽根9で掻き取るので、スクリュー5の進行方向上流側の刃面にも付着し、後段のろ過ゾーンへ搬送される。スクリュー羽根9が通過して直ぐは外筒スクリーン3が剥き出しとなり、羽根ピッチ間のろ室11にある水が一気に外筒17との間に形成されるろ過室79に流れる。
そして、脱水された汚泥は、圧搾ゾーンから出口コーン61による押圧力を受けながら脱水汚泥収納部65内に流入し、回転式ケーキスクレーパ67によってケーキ出口15から排出される。
一方、下部のろ液排出口19の開閉弁20は、汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、例えば、図3に示すように、1サイクル20〜30分として、3分間だけ開き、それ以外は閉じるため、ろ液を外筒17のろ過室79内に貯留し、ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる。
そして、ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程時に生成される清澄なろ液(例えば、SS濃度が150〜300mg/L)は、上部の清澄なろ液排出口18からオーバーフローとして排出され、水処理設備へ送られる。
次に、下部のろ液排出口19の開閉弁20は、汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、例えば、図3に示すように、1サイクル20〜30分として、3分間だけ開き、外筒17のろ過室79内に溜まったSS濃度の高いろ液(例えば、排出1回当たり0.002m3、SS濃度4000〜8000mg/L)をろ液排出口19から排出させる。
そして、ろ液排出口19から間欠的に排出させられるSS濃度の高いろ液は、汚泥返送路105を介して汚泥貯留槽107へ戻される。
なお、ろ液排出口19からのSS濃度の高いろ液の排出は、汚泥処理システム100の試運転によって求められたろ液排出口19を開く時間と閉じる時間とに基づいて開閉弁20を制御することによって行われる。また、清澄なろ液の濁度を濁度計で計測し、その測定値が閾値以上(例えば、SS濃度が300mg/L以上)の場合にろ液排出口19を開き、ろ液排出口19の開放弁20の開放後、外筒17内に溜まったろ液のある一定量が排出されるのに要する時間(外筒のろ液貯留高さの、例えば、4/5が排出されるのに要する時間で、本装置の場合、例えば、3分間)経過後にろ液排出口19を閉じるように開閉弁20を制御するようにしても良い。
次に、スクリュー脱水機1におけるろ液レベルによるケーキ含水率に与える影響について説明する。
1−1.下水混合生汚泥の実験データ
ケーキ含水率のろ液レベルによる比較を図4に示す。
この図中、■は、通常のろ液を溜めないで排出する場合のケーキ含水率のデータで、◆が下部のろ液排出口19を全閉にして、ろ液を溜めて上部の清澄なろ液排水口18からオーバーフローさせた時のケーキ含水率のデータである。
表1は、その際の汚泥濃度、薬注率、凝集装置回転速度、スクリュー回転速度及び出口圧力を示す。
Figure 2010279976
〔考 察〕
下部のろ液排出口19の開閉弁20を全閉にしてろ液を外筒全体レベルに保ち清澄なろ液排出口18からオーバーフローさせて、脱水部分をろ液に浸漬させた場合と、下部のろ液排出口19の開閉弁20を全開にして外筒内のろ液を排出して脱水部分を露出した場合とにおいて、ケーキ含水率への影響は特に見られなかった。
1−2.下水消化汚泥の実験データ
ケーキ含水率のろ液レベルによる比較を図5に示す。
この図中、■は、通常のろ液を溜めないで排出する場合のケーキ含水率のデータで、◆が下部のろ液排水口19を全閉にして、ろ液を溜めて上部の清澄なろ液排水口18からオーバーフローさせた時のケーキ含水率のデータである。
表2は、その際の汚泥濃度、薬注率、凝集装置回転速度、スクリュー回転速度及び出口圧力を示す。
Figure 2010279976
〔考 察〕
下部のろ液排出口19の開閉弁20を全閉にしてろ液を外筒全体レベルに保ち清澄なろ液排出口18からオーバーフローさせた場合と、下部のろ液排出口19の開閉弁20を全開にして外筒内のろ液を排出した場合とでは、オーバーフロー時の方がケーキ含水率が若干低くなる傾向が見られた。
以上の結果から、下部のろ液排出口19の開閉弁20を全閉にして脱水部分をろ液に浸漬させても、ケーキ含水率に悪影響を与えないことが確認できた。
すなわち、流体は高い圧力から低い圧力へ移動するが、その逆は有り得ないことが確認できた。また、脱水機の内部圧力は、下部:30KPa前後、上部:100KPa前後であるのに対して、ろ液水頭で発生する圧力は、下部:10〜20KPa程度、上部:0KPaであるため、ろ液がケーキ含水率に悪影響を与えないことが確認できた。
次に、高濃度ろ液の返送による汚泥貯留槽107の汚泥濃度への影響について説明する。
汚泥濃度20000mg/Lの汚泥を濃縮設備から濃縮汚泥引き抜きポンプ113によって汚泥貯留槽107へ供給する。ここで、汚泥供給量をQ1とする。
汚泥貯留槽107から汚泥供給ポンプ109によって引き抜かれる汚泥引き抜き量Q2を0.6m3/hとする。
下部のろ液排出口19の排出1回当たりのろ液の排出量を0.002m3とする。ろ液のSS濃度を4000〜8000mg/L(平均6000mg/L)とする。高濃度ろ液返送量をQ3とする。
これらを基に汚泥貯留槽内の汚泥濃度を計算する。
汚泥供給量:Q1=Q2−Q3
汚泥引き抜き量:Q2=0.6m3/h
高濃度ろ液返送量:Q3=0.002m3×60分/25分=0.05m3/h
ただし、1サイクル時間(平均)25分とする。
従って、汚泥供給量と汚泥引き抜きの汚泥濃度とは下記のようになる。
汚泥供給量:Q1=Q2−Q3=0.6m3/h−0.05m3/h=0.55m3/h
汚泥引き抜きの汚泥濃度
=(Q1×20000+Q3×6000)/Q2
=(0.55×20000+0.05×6000)/0.6
=18830mg/L
ゆえに、汚泥貯留槽107に供給される汚泥濃度20000mg/Lのものが、高濃度ろ液を返送したら徐々に薄められ、最終的に18830mg/Lまで濃度低下する。しかし、その程度の変化は、日常的に生じている範囲であり、特にスクリュープレス式脱水機1の運転に支障が生じる可能性はきわめて低い。
なお、上記実施形態では、本発明に係るスクリュープレス式脱水機を縦型として説明したが、横型や傾斜型として使用することも可能である。
1 スクリュープレス式脱水機
3 外筒スクリーン
5 スクリュー
7 軸
7a 軸小径部
7b 軸大径部
9 スクリュー羽根
11 ろ室
13 スラッジ供給口
15 ケーキ出口
17 外筒
18 清澄なろ液排出口
19 ろ液排出口
20 開閉弁
21 モータ
79 ろ過室
100 汚泥処理システム
101 汚泥供給装置
103 汚泥供給路
105 汚泥返送路
106 移送ポンプ
107 汚泥貯留槽
109 汚泥供給ポンプ
111 汚泥凝集装置
115 凝集剤溶解タンク
117 凝集剤供給ポンプ
119 給水タンク

Claims (8)

  1. 円筒形状を為す外筒スクリーンと、
    テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、前記外筒スクリーン内に回転自在に配置され、前記スクリュー羽根の外周端面が前記外筒スクリーンに略接するスクリューと、
    前記スクリューの軸小径部側に設けられるスラッジ供給口と、
    前記スクリューの軸大径部側に設けられるケーキ出口と、
    前記外筒スクリーンの外周に設けられ、前記外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、
    前記外筒に設けられ前記外筒内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口と、
    前記外筒に設けられ前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口と
    を備えることを特徴とするスクリュープレス式脱水機。
  2. 縦型の円筒形状を為す外筒スクリーンと、
    テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、前記外筒スクリーン内に回転自在に配置され、前記スクリュー羽根の外周端面が前記外筒スクリーンに略接するスクリューと、
    前記スクリューの軸小径部側に設けられるスラッジ供給口と、
    前記スクリューの軸大径部側に設けられるケーキ出口と、
    前記外筒スクリーンの外周に設けられ、前記外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、
    前記外筒の上部に設けられ、前記外筒内の清澄なろ液を排出する清澄なろ液排出口と、
    前記外筒の下部に設けられ、前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口と
    を備えることを特徴とするスクリュープレス式脱水機。
  3. 縦型の円筒形状を為す外筒スクリーンと、
    テーパ状の軸の外周に螺旋状のスクリュー羽根を設け、前記外筒スクリーン内に回転自在に配置され、前記スクリュー羽根の外周端面が前記外筒スクリーンに略接するスクリューと、
    前記外筒スクリーンの外周に設けられ、前記外筒スクリーンから搾り出るろ液を受ける外筒と、
    前記スクリューの軸小径部側かつ前記外筒の下部に設けられるスラッジ供給口と、
    前記スクリューの軸大径部側かつ前記外筒の上部に設けられるケーキ出口と、
    前記外筒の上部に設けられ、前記外筒内の清澄なろ液をオーバーフローとして排出する清澄なろ液排出口と、
    前記外筒の下部に設けられ、前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を間欠的に排出するろ液排出口と
    を備えることを特徴とするスクリュープレス式脱水機。
  4. 請求項1乃至3の何れか記載のスクリュープレス式脱水機と、
    前記スクリュープレス式脱水機に汚泥を供給する汚泥供給装置と、
    前記スクリュープレス式脱水機のスラッジ供給口と前記汚泥供給装置とを結び前記汚泥を前記スクリュープレス式脱水機へ送る汚泥供給路と、
    前記スクリュープレス式脱水機のろ液排出部と前記汚泥供給装置とを結び、前記スクリュープレス式脱水機内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記汚泥供給装置へ送る汚泥返送路と
    を備えることを特徴とする汚泥処理システム。
  5. 請求項4記載の汚泥処理システムにおいて、
    前記汚泥供給装置は、汚泥貯留槽と、前記汚泥貯留槽から汚泥を送り出す汚泥供給ポンプと、前記汚泥供給ポンプによって送られる前記汚泥に凝集剤を添加して凝集させる汚泥凝集装置とを備え、
    前記汚泥供給路は、前記汚泥凝集装置と前記スクリュープレス式脱水機のスラッジ供給口とを結び、
    前記汚泥返送路は、前記スクリュープレス式脱水機のろ液排出部と前記汚泥貯留槽とを結ぶ
    ことを特徴とする汚泥処理システム。
  6. 請求項4又は5記載の汚泥処理システムを運転する方法において、
    前記汚泥供給装置から送られてくる汚泥を、前記外筒スクリーン内に投入し、前記スクリューと前記外筒スクリーンとによって徐々に圧搾・脱水して排出させる工程と、
    前記汚泥の圧搾・脱水して排出させる工程時に、前記ろ液排出口を閉じ、ろ液を前記外筒内に貯留し、前記ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程と、
    前記ろ液に含まれる固形物(SS)を沈殿分離させる工程時に生成される清澄なろ液を、前記清澄なろ液排出口から排出させる工程と、
    前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記ろ液排出口から間欠的に排出させる工程と、
    前記ろ液排出口から間欠的に排出させられる前記SS濃度の高いろ液を前記汚泥貯留槽へ戻す工程と
    を備えることを特徴とする汚泥処理システムの運転方法。
  7. 請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、
    前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記ろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、前記清澄なろ液の濁度を濁度計で計測し、その測定値が閾値以上になった場合に前記ろ液排出口を開き、前記ろ液排出口開放後、前記外筒内に溜まったろ液のある一定量が排出されるのに要する時間経過後に前記ろ液排出口を閉じるように運転される
    ことを特徴とする汚泥処理システムの運転方法。
  8. 請求項6記載の汚泥処理システムの運転方法において、
    前記外筒内に溜まったSS濃度の高いろ液を前記ろ液排出口から間欠的に排出させる工程は、前記汚泥処理システムの試運転によって求められた前記ろ液排出口を開く時間と閉じる時間とに基づいて運転される
    ことを特徴とする汚泥処理システムの運転方法。
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