JP2010279971A - 靭性に優れた高強度溶接金属 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶接金属全質量に対する割合で、C:0.02〜0.12%(質量%の意味。以下、同じ。)、Si:0.3〜1.0%、Mn:1.0〜2.0%、Ti:0.01〜0.30%、Cu:0.2〜2.5%および/またはNi:0.5〜3.5%を含有する他、Cr:1.0%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.5〜1.5% を含有し、更に、Mg:0.0001〜0.02%、Ca:0.005%以下(0%を含まない)、およびAl:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するとともに、下記(1)式で表されるXD値が0.85<XD<1.25を満たすことを特徴とする溶接金属である。
【選択図】なし
Description
Cは、溶接金属の強度を確保するために欠くことができない元素である。一方、C量が過剰になると、硬質組織が増加するため靭性が劣化する。そこでC量は0.02〜0.12%であり、好ましくは0.03〜0.10%、より好ましくは0.04〜0.08%である。
Siは、脱酸元素であり、溶接金属を清浄にする作用を有する。また溶接金属中に歩留まった場合は、固溶強化により溶接金属を強化する作用を有する。一方、Si量が過剰になると溶接金属の強度が上昇しすぎたり、硬質組織が生成したりすることにより靭性が低下する。また、延性を損なったり、粒界酸化層を過剰に生成したりする。そこでSi量は0.3〜1.0%であり、好ましくは0.35〜0.9%、より好ましくは0.4〜0.8%である。
Mnは、脱酸元素であり、溶接金属を清浄にする作用を有する。また溶接金属中に歩留まった場合には、溶接金属の組織を微細化することによって溶接金属の強度および靭性を確保することができる。一方、Mn量が過剰になると焼入性が増大しすぎたり、偏析することによって硬質組織が生成したりすることによって、溶接金属の靭性が劣化する。そこで、Mn量は1.0〜2.0%であり、好ましくは1.2〜1.9%、より好ましくは1.3〜1.8%である。
Tiは、脱酸作用を有する元素であり、溶接金属を清浄にするとともに、アシキュラーフェライトと呼ばれる微細組織の生成核としても機能するため、組織の微細化に寄与する。また、界面の接着力に優れた酸化物系介在物を形成し、靭性の向上に寄与する。一方、Ti量が過剰になると、TiCの析出強化により靭性が低下する。そこでTi量は0.01〜0.30%であり、好ましくは0.02〜0.25%、より好ましくは0.03〜0.2%である。
Ni:0.5〜3.5%
Cu、Niはいずれも強度および靭性を確保するのに有効な元素である。一方、これらの元素が過剰になると焼入性が増大することによって、靭性が低下する。Cu、Niはそれぞれ単独で添加しても良いし、または併用しても良い。Cu量は0.2〜2.5%、好ましくは0.3〜2.3%、より好ましくは0.7〜2.1%である。Ni量は0.5〜3.5%であり、好ましくは0.8〜3.0%、より好ましくは1.0〜2.5%である。
Mo:0.5〜1.5%
Cr、Moはいずれも強度を確保するのに有効な元素である。一方、これらの元素が過剰になると焼入性が増大することによって、靭性が低下する。Cr、Moはそれぞれ単独で添加しても良いし、または併用しても良い。Cr量は1.0%以下(0%を含まない)であり、好ましくは0.005〜0.8%、より好ましくは0.007〜0.6%である。Mo量は0.5〜1.5%であり、好ましくは0.6〜1.3%、より好ましくは0.6〜1.0%である。
Ca:0.005%以下(0%を含まない)
Al:0.05%以下(0%を含まない)
Mg、Ca、Alはいずれも強脱酸元素であり、溶接金属を清浄にする作用を有する。また界面の接着力に優れた酸化物系介在物を形成し、靭性の向上に寄与する。一方、Mg、Alが過剰になると粗大な介在物が増加することによって靭性が低下し、またCaが過剰になるとスパッタが増加し作業性が著しく低下する。Mg、Ca、Alはそれぞれ単独で添加しても良いし、2種以上を併用しても良い。Mg量は0.0001〜0.02%であり、好ましくは0.0002〜0.01%、より好ましくは0.0002〜0.005%である。Ca量は0.005%以下(0%を含まない)であり、好ましくは0.0001〜0.003%、より好ましくは0.0002〜0.001%である。Al量は0.05%以下(0%を含まない)であり、好ましくは0.001〜0.045%、より好ましくは0.002〜0.04%である。
V:0.01%以下(0%を含まない)
NbおよびVは組織を微細化することにより、溶接金属の強度を向上させる作用を有するが、NbやVの炭化物が析出すると延性を劣化させ、靭性の向上も妨げるので含有する場合であってもできるだけ制限することが好ましい。Nb、Vはそれぞれ単独で添加しても良いし、または併用しても良い。Nb量は0.01%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.007%(特に0.002〜0.005%)である。V量は0.01%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.008%(特に0.002〜0.006%)である。
電流 :260A
電圧 :33V
溶接速度 :19cm/min
入熱量 :27kJ/cm
予熱温度およびパス間温度 :250℃
層数/パス数 :5層/10パス
シールドガス :100%CO2
母材鋼板 :JIS SS540に準ずる鋼板
図3(a)に示す位置からJIS Z3111に準拠して引張試験片(A1号)を採取し、溶接金属の引張試験を行った。溶接金属の引張強度は780MPa以上を合格とした。
JIS Z3111に準拠して、図3(b)に示す位置からシャルピー衝撃試験片を採取し、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー(vE0)を求めた。vE0が70J以上のものを合格とした。
Claims (2)
- 溶接金属全質量に対する割合で、
C:0.02〜0.12%(質量%の意味。以下、同じ。)、
Si:0.3〜1.0%、
Mn:1.0〜2.0%、
Ti:0.01〜0.30%、
Cu:0.2〜2.5%および/またはNi:0.5〜3.5%を含有する他、
Cr:1.0%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.5〜1.5%を含有し、更に、
Mg:0.0001〜0.02%、Ca:0.005%以下(0%を含まない)、およびAl:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するとともに、
下記(1)式で表されるXD値が0.85<XD<1.25を満たすことを特徴とする溶接金属。
(但し、[(元素名)]は各元素の含有量(質量%)を意味する。) - 更に、
Nb:0.01%以下(0%を含まない)および/またはV:0.01%以下(0%を含まない)を含有する請求項1に記載の溶接金属。
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JP2002224834A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-13 | Kawasaki Steel Corp | 疲労特性に優れるすみ肉溶接継手およびガスシールドアークすみ肉溶接方法 |
JP2008126262A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Kobe Steel Ltd | エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ及びエレクトロガスアーク溶接金属 |
JP2008156754A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-07-10 | Nippon Steel Corp | 低温靱性に優れた高強度ラインパイプ用溶接鋼管及びその製造方法 |
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2009
- 2009-06-04 JP JP2009135166A patent/JP5226609B2/ja not_active Expired - Fee Related
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