JP2010278879A - 受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】IBOC方式の放送波の受信状態に応じてIFフィルターに対して好適な選択特性を持たせることが可能であり、且つ複雑な装置構成を必要としない受信機を提供する。
【解決手段】本発明の受信機は、放送周波数信号に同調可能な同調部と、中間周波数信号を生成するミキサー部とを備えている。また、中間周波数信号の通過帯域幅を可変する帯域フィルターを複数備えている。また、中間周波数信号より所定のデジタル信号を検出して復調するデジタル信号検出/復調部と、デジタル信号検出/復調部の前段に入力される信号を切り替える切替部を備えている。また、帯域フィルター及び切替部の制御を行うフィルター制御部を備えている。フィルター制御部は、デジタル信号検出/復調部により検出されたデジタル信号の状態に基づいて、通過帯域幅を可変するよう帯域フィルターを制御するとともに、信号伝達経路の切り替えを行うよう切替部を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の受信機は、放送周波数信号に同調可能な同調部と、中間周波数信号を生成するミキサー部とを備えている。また、中間周波数信号の通過帯域幅を可変する帯域フィルターを複数備えている。また、中間周波数信号より所定のデジタル信号を検出して復調するデジタル信号検出/復調部と、デジタル信号検出/復調部の前段に入力される信号を切り替える切替部を備えている。また、帯域フィルター及び切替部の制御を行うフィルター制御部を備えている。フィルター制御部は、デジタル信号検出/復調部により検出されたデジタル信号の状態に基づいて、通過帯域幅を可変するよう帯域フィルターを制御するとともに、信号伝達経路の切り替えを行うよう切替部を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、通信波の受信を行う受信機に関するものであり、特にIBOC(In-Band On-Channel)方式のラジオ放送波を受信する受信機に関する。
IBOC方式は、AM/FMの受信帯域幅を拡張し、既存のアナログラジオ放送とデジタルラジオ放送とを複合して送信することが可能な放送方式である。また、拡張された全ての帯域幅をデジタルラジオ放送で使用して送信することも可能である。
IBOC方式は、受信帯域幅の拡張による受信性能の悪化、例えば隣接妨害抑圧特性の悪化が、技術的な課題となっている。この問題を解決するための従来の技術を、図6〜図10を用いて説明する。
図6は、IBOC受信機の基本的な構成である。この図6を用いて、IBOC受信機の動作を説明する。ミキサー部14で生成された中間周波数信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号という」は、帯域幅可変IFフィルター16及びIF増幅部17を介して、狭帯域IFフィルター51へ供給される。
狭帯域IFフィルター51へ供給されたIF信号は、アナログラジオ復調部19へ供給される。一方で、IF増幅部17からのIF信号はIBOC検出/復調部20にも供給される。IBOC検出/復調部20では、IBOC信号の有無を検出する。そして検出結果を、アナログ/デジタル復調信号切り換えスイッチ21(以下、「スイッチ21」という)及びMCU(Micro Control Unit)22に伝える。
なお、IBOC検出/復調部20は、デジタル信号を検出した場合であっても、例えばビットエラーレイトが閾値を超える等により復調不可能であると判定した場合は、デジタル信号非検出時と同様の動作をするのが一般的である。
スイッチ21は、IBOC信号有り(又は復調可能なデジタル信号有り)を示す検出結果を受けた場合、接点21bを接続してデジタル復調信号を音声信号増幅部(不図示)へ供給する。IBOC信号無し(又は復調可能なデジタル信号無し)を示す検出結果を受けた場合、接点21aを接続してアナログ復調信号を音声信号増幅部へ供給する。
以上の構成におけるモニターポイント[α]及び[β]においてモニターされた受信信号の状態を、図7に示す。図7(a)は、モニターポイント[α]における受信信号の状態を示している。また図7(b)は、モニターポイント[β]における受信信号の状態を示している。
図7(b)に示すように、図6の構成では、帯域幅可変IFフィルター16及び狭帯域IFフィルター51により制限される帯域が広すぎる。このため、アナログ信号の隣接妨害信号100を十分に除去できるIFフィルター特性になっていない。この結果、残隣接妨害信号101が存在している。
この問題に対しては、例えば狭帯域IFフィルター51とアナログラジオ復調部19との間にIF増幅部52及び狭帯域IFフィルター53を追加する(図6の破線部分)ことにより、一応の解決は可能である。
しかしながら、帯域幅可変IFフィルター16を信号状態、つまりIBOC信号の有無に応じて狭帯域に設定できれば、さらなる隣接妨害抑圧性能の向上が望める。このため、上記のように部材を追加する解決方法では、受信機のハード構成を十分に活かしきれていないこととなる。
また、他の解決方法としては、IBOC信号有りを検出した場合は帯域幅可変IFフィルター16を広帯域に設定し、IBOC信号無しを検出した場合は帯域幅可変IFフィルター16を狭帯域に設定するよう、MCU22が帯域幅可変IFフィルター16を制御する方法が考えられる。
この解決方法を取った場合における、モニターポイント[β]及び[γ]でモニターされる受信信号の状態を、図8に示す。図8(a)は、図6のモニターポイント[β]における受信信号の状態を示している。また図8(b)は、図6のモニターポイント[γ]における受信信号の状態を示している。
アナログ信号だけを受信した場合、又はIBOC信号の電波受信状況が悪くなった場合、IBOC信号無しを検出した状態となり、帯域幅可変IFフィルター16が狭帯域に設定される。これにより、モニターポイント[β]でのIFフィルター選択特性は図8(a)の状態となる。従って隣接妨害信号100及び隣接妨害信号200の除去が可能である。
しかしながら帯域幅可変IFフィルター16が狭帯域に設定されることにより、モニターポイント[γ]でのIFフィルター選択特性は図8(b)の状態となる。つまり受信放送がアナログ放送からIBOC放送に変化した場合、又はIBOC信号の電波受信状態が好転した場合において、デジタル信号が一部除去されてしまう。
このため、IBOC検出/復調部20でのIBOC検出感度が低下する。この結果、IBOC検出/復調部20で十分に復調できる電波状態であるにもかかわらず、デジタル信号を復調できないという問題が発生する。
この問題を解決するには、キー入力部23を用いてユーザーが手動操作を行い、帯域幅可変IFフィルター16を広帯域に設定する必要がある。しかしながらこの構成では、上記のような信号形態や電波状況の好転といった変化を検出する手段がなく、ユーザーもその信号形態及び電波状況の変化を認識できない。従って使用に耐えられない受信機となる。
さらに他の解決方法としては、図9に示す構成が考えられる。この構成におけるモニターポイント[γ] でモニターされる受信信号の状態を、図10に示す。
図9の構成では、IBOC検出/復調部20の前段に存在するIFフィルターは、広帯域IFフィルター57のみとなる。このため図10に示すように、IBOC信号の復調時において隣接妨害信号200を十分に抑圧できるIFフィルター特性になっておらず、残隣接妨害信号201が存在する。
このため、IF増幅部58とIBOC検出/復調部20の間に広帯域IFフィルター59(図9の破線部分)をさらに追加する必要がある。しかしながらこの解決方法では、隣接妨害特性を改善するためにIFフィルターの数を増やせば増やすほど、大掛かりな構成となってしまうという問題が残る。
上記に関連して、特許文献1においては、IBOC方式のハイブリット放送波を、混信や受信妨害を受けることなく受信可能なラジオ受信機が開示されている。このラジオ受信機は、ハイブリッド放送波をフィルターリングして復調手段に出力するためのフィルターと、第1デジタル放送搬送波に対応する第1C/N比値、及び第2デジタル放送搬送波に対応した第2C/N比値を検出するC/N比値検出部とを備えている。そして第1及び第2C/N比値に応じて、フィルターの特性を制御する。
また特許文献2においては、IBOC方式のアナログ音声放送及びデジタル音声放送を安定に受信することが可能な音声放送受信装置が開示されている。この音声放送受信装置は、アナログ受信信号専用の帯域フィルターと、デジタル受信信号専用の帯域フィルターとを別々に設けている。これによりアナログ受信信号専用の増幅器の利得を制御する動作と、デジタル受信信号専用の増幅器の利得を制御する動作とをそれぞれ独立して実行する。
しかしながら特許文献1及び特許文献2に開示されている技術を用いたとしても、先述した各問題に対する対策、つまりアナログ/デジタルの受信状態が変化した場合における安定した隣接妨害特性を維持しつつ、既存の装置構成を活かして追加部材を最小限にとどめることは困難である。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、通信波、特にIBOC方式の放送波の受信状態に応じてIFフィルターに対して好適な選択特性を持たせることが可能であり、且つ複雑な装置構成を必要としない受信機を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明の受信機は、放送周波数信号に同調可能な同調部と、前記同調部が同調した周波数信号、及び局部周波数発振部で生成した周波数信号を混合して中間周波数信号を生成するミキサー部と、中間周波数信号の通過帯域幅を可変する複数の帯域フィルターと、中間周波数信号より予め定められた種別のデジタル信号を検出して復調するデジタル信号検出/復調部とを備えた受信機において、前記デジタル信号検出/復調部の前段に入力される信号を切り替える切替部と、前記デジタル信号検出/復調部により検出されたデジタル信号の状態に基づいて通過帯域幅を可変するよう前記帯域フィルターを制御するとともに、該デジタル信号の状態に基づいて信号伝達経路の切り替えを行うよう前記切替部を制御するフィルター制御部とを備えることを特徴としている。
この構成によると、本発明の受信機は、放送周波数信号に同調可能な同調部と、同調部が同調した周波数信号、及び局部周波数発振部で生成した周波数信号を混合して中間周波数信号を生成するミキサー部を備えている。また、ミキサー部により生成された中間周波数信号の通過帯域幅を可変する帯域フィルターを複数備えている。また、中間周波数信号より所定のデジタル信号を検出して復調するデジタル信号検出/復調部を備えている。また、デジタル信号検出/復調部の前段に入力される信号を切り替える切替部を備えている。また、帯域フィルター及び切替部の制御を行うフィルター制御部を備えている。フィルター制御部は、デジタル信号検出/復調部により検出されたデジタル信号の状態に基づいて、通過帯域幅を可変するよう帯域フィルターを制御する。さらにフィルター制御部は、検出されたデジタル信号の状態に基づいて信号伝達経路の切り替えを行うよう切替部を制御する。これにより、デジタル信号が含まれているか否かに応じて帯域制限がなされた中間周波数信号を、デジタル信号検出/復調部へ供給することが可能である。
また上記の目的を達成するために本発明の受信機は、アナログ信号を復調するアナログ信号復調部と、前記デジタル信号検出/復調部の前段に設けられた前記帯域フィルターである第一帯域フィルター及び第二帯域フィルターとを備え、前記フィルター制御部が、復調可能なデジタル信号が前記デジタル信号検出/復調部により検出されていない場合に、通過帯域幅を予め定められた値だけ狭めるよう前記第一帯域フィルターを制御するとともに、前記第一帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号を前記アナログ信号復調部へ伝達する信号伝達経路を確立するよう前記切替部を制御する。
この構成によると、本発明の受信機は、アナログ信号を復調するアナログ信号復調部を備えている。また、デジタル信号検出/復調部の前段に設けられた帯域フィルターである、第一帯域フィルター及び第二帯域フィルターを備えている。フィルター制御部は、復調可能なデジタル信号がデジタル信号検出/復調部により検出されていない場合に、通過帯域幅を所定値だけ狭めるよう第一帯域フィルターを制御する。さらにフィルター制御部は、第一帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号をアナログ信号復調部へ伝達するよう切替部を制御する。これにより、アナログ信号受信時において、アナログ信号を含む中間周波数信号に好適なフィルター特性を第一帯域フィルターに持たせることができる。
また上記の目的を達成するために本発明の受信機は、前記フィルター制御部が、復調可能なデジタル信号が前記デジタル信号検出/復調部により検出されていない場合に、通過帯域幅を予め定められた値だけ広げるよう前記第二帯域フィルターを制御するとともに、前記第二帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号を前記デジタル信号検出/復調部へ伝達する信号伝達経路を確立するよう前記切替部を制御する。
この構成によると、フィルター制御部は、復調可能なデジタル信号がデジタル信号検出/復調部により検出されていない場合に、通過帯域幅を所定値だけ広げるよう第二帯域フィルターを制御する。さらにフィルター制御部は、第二帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号をデジタル信号検出/復調部へ伝達するよう切替部を制御する。これにより、アナログ信号受信時において、中間周波数信号に含まれるデジタル信号をデジタル信号検出/復調部が検出するために必要なフィルター特性を、第二帯域フィルターに持たせることができる。
また上記の目的を達成するために本発明の受信機は、前記フィルター制御部が、復調可能なデジタル信号が前記デジタル信号検出/復調部により検出されている場合に、通過帯域幅を予め定められた値だけ広げるよう前記第一帯域フィルターを制御するとともに、前記第一帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号を前記デジタル信号検出/復調部へ伝達する信号伝達経路を確立するよう前記切替部を制御する。
この構成によると、フィルター制御部は、復調可能なデジタル信号がデジタル信号検出/復調部により検出されている場合に、通過帯域幅を所定値だけ広げるよう第一帯域フィルターを制御する。さらにフィルター制御部は、第一帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号をデジタル信号検出/復調部へ伝達するよう切替部を制御する。これにより、デジタル信号受信時において、中間周波数信号に含まれるデジタル信号をデジタル信号検出/復調部が検出するために必要なフィルター特性を、第一帯域フィルターに持たせることができる。
本発明によれば、デジタル放送波、特にIBOC放送波の受信状態にあわせて帯域フィルターに好適な選択特性もたせることにより、隣接妨害性能の向上を図ることができる。
また本発明によれば、中間周波数信号にデジタル信号が含まれていない状態から含まれている状態に変化した場合において、デジタル信号検出/復調部の検出感度が低下してデジタル信号を復調できなくなる問題を回避できる。
また本発明によれば、従来技術における解決方法と比較して、追加する部材(例えば帯域フィルターや増幅部)の数を抑えることができるため、構成が複雑化するのを回避することができる。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の第一の実施形態に係るIBOC受信機100(=受信機)の構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施形態のIBOC受信機100は、図6に示す従来のIBOC受信機と同様、アンテナ11、BPF(Band Pass Filter)12、RF(Radio Frequency)増幅部13、ミキサー部14、局部周波数発振部15、帯域幅可変IFフィルター16(=第一帯域フィルター)、IF増幅部17、アナログラジオ復調部19(=アナログ信号復調部)、IBOC検出/復調部20(=デジタル信号検出/復調部)、スイッチ21、MCU22(=フィルター制御部)、及びキー入力部23を備えている。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るIBOC受信機100(=受信機)の構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施形態のIBOC受信機100は、図6に示す従来のIBOC受信機と同様、アンテナ11、BPF(Band Pass Filter)12、RF(Radio Frequency)増幅部13、ミキサー部14、局部周波数発振部15、帯域幅可変IFフィルター16(=第一帯域フィルター)、IF増幅部17、アナログラジオ復調部19(=アナログ信号復調部)、IBOC検出/復調部20(=デジタル信号検出/復調部)、スイッチ21、MCU22(=フィルター制御部)、及びキー入力部23を備えている。
加えて、帯域幅可変IFフィルター18(=第一帯域フィルター)、帯域幅可変IFフィルター31(=第二帯域フィルター)、IF増幅部32、及びスイッチ33(=切替部)を備えている。
また本実施形態のMCU22は、帯域幅可変IFフィルター16、帯域幅可変IFフィルター18、及びスイッチ33を制御するための制御信号(図中の矢印線)を各装置へ送信する機能を備えている。
アンテナ11及びBPF12を介してRF増幅部13で増幅されたRF信号は、ミキサー部14に与えられる。ミキサー部14は、このRF信号と局部周波数発振部15で生成された周波数信号とから、IF信号を生成する。IF信号は、帯域幅可変IFフィルター16及び帯域幅可変IFフィルター31に与えられ、以降の各部(図中の右方向に存在する装置)で処理される。
初期状態では、スイッチ33は接点33bに接続されている。このため、帯域幅可変IFフィルター16を通過したIF信号は、破線矢印61が示す経路で、IF増幅部17及び帯域幅可変IFフィルター18を経由してアナログラジオ復調部19のみへ供給される。これにより、IF信号に含まれるアナログ信号の復調が行われる。
また帯域幅可変IFフィルター31を通過したIF信号は、破線矢印62が示す経路で、IF増幅部32及びスイッチ33を経由してIBOC検出/復調部20へ供給される。IBOC検出/復調部20は、与えられたIF信号より、IBOC信号(=デジタル信号)の有無(又は復調可能なデジタル信号の有無)を検出する。そして検出結果を、スイッチ21及びMCU22に与える。
IBOC検出/復調部20がIBOC信号無しを検出し、この検出結果をスイッチ21が受けると、スイッチ21は接点21aを接続するようにスイッチング処理を行う。これにより、アナログラジオ復調部19から出力されるアナログ復調信号が、オーディオ信号として音声信号増幅部(不図示)へ供給可能な状態となる。
また上記の検出結果をMCU22が受けると、MCU22は帯域幅可変IFフィルター16及び帯域幅可変フィルター18に対して、選択特性を狭帯域に設定する指示を与える。なお本実施形態における「狭帯域」とは、例えば、IBOC方式のFMの場合、約180kHzの通過帯域幅を指すものとする。また後述する「広帯域」とは、例えば約400kHzの通過帯域幅を指すものとする。なお上記の数値は、運用の形態にあわせて適宜変更が可能である。
上記の状態における各モニターポイントでの信号状態を、図3を用いて説明する。図3(a)は、図1のモニターポイント[β]における受信信号の信号状態を示している。また図3(b)は、図1のモニターポイント[γ]における受信信号の信号状態を示している。
図3(a)に示すようにモニターポイント[β]では、狭帯域に設定された帯域幅可変IFフィルター16及び帯域幅可変フィルター18により、隣接妨害信号100及び隣接妨害信号200を除去可能なIFフィルター特性となっている。これにより、アナログ信号受信時におけるIBOC受信機100の隣接妨害抑圧特性を、好適な状態にすることができる。
また図3(b)に示すようにモニターポイント[γ]では、広帯域に設定されている帯域幅可変IFフィルター31により、IBOC検出/復調部20がIBOC信号(又は復調可能なデジタル信号)を検出可能なIFフィルター特性となっている。これにより、アナログ信号受信時においてもIBOC信号の有無を監視することができる。
この状態においてIBOC検出/復調部20がIBOC信号を検出した場合、つまり受信放送がアナログ放送からIBOC放送に変化した場合(又はIBOC放送の電波受信状態が好転して復調可能なデジタル信号を検出した場合)、検出結果をスイッチ21、及びMCU22に伝える。この結果、図2に示す状態への移行が行われる。
IBOC検出/復調部20がIBOC信号有りを検出し、この検出結果をスイッチ21が受けると、スイッチ21は接点21bを接続するようにスイッチング処理を行う。これにより、IBOC検出/復調部20から出力されるデジタル復調信号が、破線矢印64が示す経路で、オーディオ信号として音声信号増幅部(不図示)へ供給可能な状態となる。
また上記の検出結果をMCU22が受けると、MCU22はスイッチ33に対して、接点33aを接続するスイッチング処理を行うよう指示する。これにより、帯域幅可変フィルター18から出力されるIF信号が、破線矢印63が示す経路で、IBOC検出/復調部20へ供給可能な状態となる。
またMCU22はあわせて、帯域幅可変IFフィルター16及び帯域幅可変フィルター18に対して、選択特性を広帯域に設定する指示を与える。
上記の状態遷移が行われた後の、モニターポイント[γ]における受信信号の信号状態を、図4を用いて説明する。図4に示すように、広帯域に設定された帯域幅可変IFフィルター16及び帯域幅可変フィルター18により、隣接妨害信号200を除去可能なIFフィルター特性となっている。これにより、IBOC信号受信時におけるIBOC受信機100の隣接妨害抑圧特性を、好適な状態にすることができる。
この状態において再度、IBOC検出/復調部20がIBOC信号無しを検出した場合、帯域幅可変IFフィルター16、帯域幅可変IFフィルター18、スイッチ21、及びスイッチ33がアナログ放送受信時と同様の状態(図1)へ遷移するよう、MCU22が制御を行う。
以上に説明した本実施形態によれば、アナログ信号の受信時において、IBOC信号のモニター用経路(図1の破線矢印62)において好適なIFフィルター選択特性を得ることができる(図3(b))。これにより、IBOC信号の検出を行うことが可能である。
またIBOC信号の受信時において、IBOC信号の受信用経路(図2の破線矢印63)において好適なIFフィルター選択特性を得ることができる(図4)。これにより、IBOC信号の復調を行うことが可能である。
このようにIBOC信号の受信状態にあわせて帯域フィルターに好適な選択特性もたせることにより、隣接妨害性能の向上を図ることが可能である。また、受信信号がアナログ信号からIBOC信号に変化した場合に、デジタル信号検出/復調部20の検出感度が低下してIBOC信号を復調できなくなるという問題を回避できる。
また本実施形態によれば、従来技術における解決方法(図6、図9)と比較して、追加する装置の数を抑えることができる。つまり、図6のIF増幅部52〜狭帯域フィルター53や、図9の広帯域フィルター57〜広帯域フィルター59を追加する必要がない。このため、装置構成が複雑化するのを回避できる。
[実施の形態2]
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態のIBOC受信機100は、複数の受信部を備えていることを特徴とする。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態のIBOC受信機100は、複数の受信部を備えていることを特徴とする。
図5は、本発明の第二の実施形態に係るIBOC受信機100の構成を示すブロック図である。図5に示すように本実施形態のIBOC受信機100は、第一の実施形態の構成(図1)に加え、アンテナ11〜局部周波数発振部15をもう一組備えている。
一組のアンテナ11〜局部周波数発振部15からなる主受信ブロック10aは、帯域幅可変IFフィルター16に接続されている。もう一組のアンテナ11〜局部周波数発振部15からなる副受信ブロック10bは、帯域幅可変IFフィルター31に接続されている。
副受信ブロック10bは例えば、主受信ブロック10aによる放送波の受信状態が悪化した場合にスキャンニングを行い、主受信ブロック10aが受信している番組と同一の番組を放送している放送局を探し出して受信を試行するために用いられる。或いは副受信ブロック10bは、主受信ブロック10aとは異なる放送波、例えば道路交通情報等を受信するために用いられる構成でもよい。
本実施形態では、副受信ブロック10bで生成されたIF信号は、帯域幅可変IFフィルター31及びIF増幅部32を経由して、スイッチ33の接点33bへ送られる。IBOC検出/復調部20はこのIF信号を用いて、IBOC信号の有無を検出する。
以上に説明した構成によれば、第一の実施形態の図1のように、ミキサー部14より出力されるIF信号の経路を複数の経路(破線矢印61及び破線矢印62の経路)に分岐させる必要がない。従って、複数の受信ブロック10を持つIBOC受信機100において本発明を実施するにあたって、既存の構成を用いつつ、IBOC信号の検出及び復調を行うことが可能である。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)上記実施形態では、本発明のフィルター制御及びスイッチング制御を、MCU22が所定のプログラムを実行することにより実施しているが、これら各制御が複数の回路により実施される形態でもよい。
(B)上記実施形態では、本発明のフィルター制御及びスイッチング制御を実施する受信機としてIBOC受信機100を例に説明を行っているが、これ以外の受信機において本発明を実施する形態でもよい。例えば、デジタル放送受信機、テレビジョン装置、記録再生装置等においても本発明は実施可能である。
100 IBOC受信機(受信機)
11 アンテナ
12 BPF
13 RF増幅部
14 ミキサー部
15 局部周波数発振部
16 帯域幅可変IFフィルター(第一帯域フィルター)
17 IF増幅部
18 帯域幅可変IFフィルター(第一帯域フィルター)
19 アナログラジオ復調部(アナログ信号復調部)
20 IBOC検出/復調部(デジタル信号検出/復調部)
21 アナログ/デジタル復調信号切り換えスイッチ
22 MCU(フィルター制御部)
31 帯域幅可変IFフィルター(第二帯域フィルター)
32 IF増幅部
33 スイッチ(切替部)
11 アンテナ
12 BPF
13 RF増幅部
14 ミキサー部
15 局部周波数発振部
16 帯域幅可変IFフィルター(第一帯域フィルター)
17 IF増幅部
18 帯域幅可変IFフィルター(第一帯域フィルター)
19 アナログラジオ復調部(アナログ信号復調部)
20 IBOC検出/復調部(デジタル信号検出/復調部)
21 アナログ/デジタル復調信号切り換えスイッチ
22 MCU(フィルター制御部)
31 帯域幅可変IFフィルター(第二帯域フィルター)
32 IF増幅部
33 スイッチ(切替部)
Claims (4)
- 放送周波数信号に同調可能な同調部と、
前記同調部が同調した周波数信号、及び局部周波数発振部で生成した周波数信号を混合して中間周波数信号を生成するミキサー部と、
中間周波数信号の通過帯域幅を可変する複数の帯域フィルターと、
中間周波数信号より予め定められた種別のデジタル信号を検出して復調するデジタル信号検出/復調部とを備えた受信機において、
前記デジタル信号検出/復調部の前段に入力される信号を切り替える切替部と、
前記デジタル信号検出/復調部により検出されたデジタル信号の状態に基づいて通過帯域幅を可変するよう前記帯域フィルターを制御するとともに、該デジタル信号の状態に基づいて信号伝達経路の切り替えを行うよう前記切替部を制御するフィルター制御部とを備えること
を特徴とする受信機。 - アナログ信号を復調するアナログ信号復調部と、
前記デジタル信号検出/復調部の前段に設けられた前記帯域フィルターである第一帯域フィルター及び第二帯域フィルターとを備え、
前記フィルター制御部が、復調可能なデジタル信号が前記デジタル信号検出/復調部により検出されていない場合に、通過帯域幅を予め定められた値だけ狭めるよう前記第一帯域フィルターを制御するとともに、前記第一帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号を前記アナログ信号復調部へ伝達する信号伝達経路を確立するよう前記切替部を制御する、
請求項1に記載の受信機。 - 前記フィルター制御部が、復調可能なデジタル信号が前記デジタル信号検出/復調部により検出されていない場合に、通過帯域幅を予め定められた値だけ広げるよう前記第二帯域フィルターを制御するとともに、前記第二帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号を前記デジタル信号検出/復調部へ伝達する信号伝達経路を確立するよう前記切替部を制御する、
請求項2に記載の受信機。 - 前記フィルター制御部が、復調可能なデジタル信号が前記デジタル信号検出/復調部により検出されている場合に、通過帯域幅を予め定められた値だけ広げるよう前記第一帯域フィルターを制御するとともに、前記第一帯域フィルターにより帯域制限された中間周波数信号を前記デジタル信号検出/復調部へ伝達する信号伝達経路を確立するよう前記切替部を制御する、
請求項2に記載の受信機。
Priority Applications (1)
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JP2009130717A JP2010278879A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 受信機 |
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