JP2010277770A - 高周波加速装置及び環状型加速器 - Google Patents

高周波加速装置及び環状型加速器 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な制御で高周波の非正弦波の加速電圧を加速空洞に印加しビーム損失を改善する高周波加速装置を得る。
【解決手段】高周波の正弦波信号を出力する第1加速電圧信号生成装置6aと、任意波形生成器18により高周波の非正弦波信号を出力する第2加速電圧信号生成装置6bと、前記高周波の正弦波信号と前記高周波の非正弦波信号を切り替える加速電圧信号切替器7と、この加速電圧信号切替器7への切替えタイミング信号を発生する制御信号発生装置8と、この制御信号発生装置8の切替えタイミング信号により加速電圧信号切替器7で切り替え選択された前記高周波の正弦波信号と前記高周波の非正弦波信号のいずれかの信号を増幅し、加速電圧として加速空洞4に印加する電力増幅器5とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、非正弦波の高周波電圧(加速電圧)を加速空胴に印加して、荷電粒子ビームを加速する高周波加速装置とそれを用いたシンクロトロン等の環状型加速器(円形加速器)に関するものである。
荷電粒子ビームを高エネルギまで加速する装置として、シンクロトロン等の環状型加速器がある。シンクロトロンは、荷電粒子ビームを導入する入射装置と、入射された荷電粒子ビームが内部を周回する真空ダクトと、荷電粒子ビームの周回軌道や荷電粒子ビームのサイズを制御する偏向磁場や収束磁場を発生する電磁石群と、周回周期に同期した加速電圧で荷電粒子ビームを加速する加速空胴と、加速された荷電粒子ビームをシンクロトロン外に取り出す出射装置等とで構成される。
入射装置からシンクロトロンに入射された一様連続なビームは、加速空胴に印加した加速電圧で周回ビームが安定に加速可能な領域に形成され、周回ビームが集群化(バンチ)される。この加速電圧で荷電粒子ビームを集群化する制御を高周波捕獲という。
高周波捕獲でバンチされた荷電粒子ビームを加速するため、偏向電磁石の磁場強度を強め、加速空胴に印加される加速電圧の周波数を偏向磁場強度の変化に同期して変化させる。偏向電磁石の磁場強度の時間変化率(以下、磁場変化率と呼ぶ)が一定になるまで立ち上げる区間を加速初期、磁場変化率が一定の区間を加速中期、そして加速が終了し荷電粒子ビームが環状型加速器内を周回するために磁場強度が一定(磁場変化率がゼロ)になるまで立ち下げる区間を加速後期という。
シンクロトロン等の環状型加速器において、高周波バケット内にバンチしたビームのピーク電荷密度が高くなると、空間電荷効果による発散力によりビーム損失を生じやすくなる。このような損失は、シンクロトロンに入射される荷電粒子ビーム(入射ビーム)が低エネルギの場合や、周回ビームの強度が大きい場合に生じやすく、特に高周波捕獲から加速初期の段階でピーク電荷密度が高くなりやすい場合に問題となる。
空間電荷効果によるビーム損失を抑制する方法において、加速電圧として基本周波数の高周波(基本波)とその整数次高調波を併用した非正弦波波形の電圧を入力する手法が提案されている(特許文献1)。高周波の非正弦波波形の電圧を入力することで安定加速領域を拡大させ、空間電荷効果を緩和することができる。安定に加速するためには、基本波成分とその高調波成分との間の位相及び振幅の関係を常に安定に所定の関係にすることが要求されるので複雑な電子回路と、煩雑な制御が必要であった。
特開2002−75698号公報
従来の高周波加速装置及び環状型加速器では、全加速段階で同一の方法で高周波の非正弦波波形の加速電圧を印加していたことにより、複雑な電子回路と煩雑な制御が必要であるという不具合があった。
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、簡単な制御で高周波の非正弦波の加速電圧を加速空洞に印加しビーム損失を改善する高周波加速装置及び環状型
加速器を得ることを目的としている。
本発明に係わる高周波加速装置は、高周波の非正弦波信号からなる加速電圧を加速空胴に加え荷電粒子ビームを加速する高周波加速装置において、高周波の正弦波信号を出力する第1加速電圧信号生成装置と、任意波形生成器により高周波の非正弦波信号を出力する第2加速電圧信号生成装置と、前記第1加速電圧信号生成装置による高周波の正弦波信号と前記第2加速電圧信号生成装置による高周波の非正弦波信号を切り替える加速電圧信号切替器と、この加速電圧信号切替器への切替えタイミング信号を発生する制御信号発生装置と、この制御信号発生装置の切替えタイミング信号により前記加速電圧信号切替器で切り替え選択された前記高周波の正弦波信号と前記高周波の非正弦波信号のいずれかの信号を増幅し、加速電圧として前記加速空洞に印加する電力増幅器とを備えたものである。
また、本発明に係わる環状型加速器は、荷電粒子ビームを発生する前段加速器と、この前段加速器から発生した荷電粒子ビームを入射する入射装置と、入射された荷電粒子ビームを周回させる真空ダクトと、周回する荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石と、周回する荷電粒子ビームを収束させる四極電磁石と、周回する荷電粒子ビームに加速電圧を印加する加速空胴と、この加速空胴に印加する加速電圧を生成する高周波加速装置と、加速した荷電粒子ビームを出射する出射装置から構成される環状型加速器において、前記高周波加速装置は、高周波の正弦波信号を出力する第1加速電圧信号生成装置と、任意波形生成器により高周波の非正弦波信号を出力する第2加速電圧信号生成装置と、前記第1加速電圧信号生成装置による高周波の正弦波信号と前記第2加速電圧信号生成装置による高周波の非正弦波信号を切り替える加速電圧信号切替器と、この加速電圧信号切替器への切替えタイミング信号を発生する制御信号発生装置と、この制御信号発生装置の切替えタイミング信号により前記加速電圧信号切替器で切り替え選択された前記高周波の正弦波信号と前記高周波の非正弦波信号のいずれかの信号を増幅し、加速電圧として前記加速空洞に印加する電力増幅器とを備えたものである。
本発明の高周波加速装置によれば、簡単な制御で高周波の非正弦波の加速電圧を加速空洞に印加しビーム損失を改善する高周波加速装置を得ることができる。
また、本発明の環状型加速器によれば、さらに、偏向電磁石の磁場変化率が一定になる立ち上げ区間まで加速空洞に高周波の非正弦波電圧を印加し、高周波の正弦波電圧をそれ以降の区間に印加するように使い分けることにより、特に高周波捕獲から加速初期の段階でピーク電荷密度が高くなりやすい場合に問題となる空間電荷効果に対し、高周波の非正弦波電圧によってビーム損失を低減できる。
本発明の実施の形態1における高周波加速装置を示す構成図である。 実施の形態1におけるタイミング信号と4つの区間(高周波捕獲,加速初期,加速中期,及び加速後期)との関係を示す図である。 実施の形態1における4つの区間と、偏向電磁石に発生する磁場強度及び磁場変化率と関係を示す図である。 実施の形態1における4つの区間と、加速空胴に発生する最大電圧との関係を示す図である。 実施の形態1における基本波,第二高調波,第三高調波と、それらから構成される非正弦波波形を示す図である。
実施の形態1における非正弦波電圧によるビームのバンチを示す図である。 実施の形態1におけるバンチを形成する位相に対する電流量,最大電流量と平均電流量を示す図である。 実施の形態1におけるコイル電流波形と磁場強度の関係を示す図である。 実施の形態1における高周波捕獲時と加速初期の非正弦波波形を構成する基本波,第二高調波及び第三高調波の関係を示す図である。 実施の形態2の高周波加速装置を示す構成図である。 実施の形態3における環状型加速器を示す構成図である。
実施の形態1.
初めに、実施の形態1の主要な構成動作を説明する。
(1)偏向電磁石に印加するコイル電流波形と、コイル電流波形により発生する磁場波形を計算及び測定により求め、その関係を事前に把握する。
(2)偏向電磁石の磁場変化率が「小さい」高周波捕獲時と加速初期に、任意波形生成器から出力する非正弦波波形の電圧を加速空胴に印加する。
(3)任意波形生成器から出力する非正弦波波形には、上記のコイル電流波形と磁場波形の差を補正した信号とする。
(4)磁場変化率が「大きい」加速中期には、上記のコイル電流波形と磁場波形の差によるビーム位置補正用として、従来のフィードバックシステムを使用する。
(5)正弦波波形生成装置と非正弦波波形生成装置を別々に設け、正弦波波形と非正弦波波形を切り替える加速電圧信号切替器を有する。
(6)切り替える信号として従来の上位制御信号発生装置(制御信号発生装置)から出力される加速中期開始制御タイミング信号を用いる。
図1は本発明の実施の形態1における高周波加速装置を示す構成図である。実施の形態1では、正弦波信号に第二高調波および第三高調波を重畳した非正弦波信号を印加する例を示す。図1において、高周波加速装置は、偏向電磁石1と、偏向電磁石電源2と、コイル電流波形発生装置3と、加速空胴4と、電力増幅器5と、二台の加速電圧信号生成装置6a,6bと、加速電圧信号切替器7と、上位制御信号発生装置(制御信号発生装置)8等から構成される。偏向電磁石1には、磁場検出手段9を有する。また、磁場検出手段9で検出した信号より周波数設定値を更新するBクロック信号10を出力するBクロック発生装置11がある。
加速空胴4には、ビームモニタ12と空胴電圧モニタ13を有する。また、ビームモニタ12及び空胴電圧モニタ13による検出信号より、加速電圧を構成する正弦波信号の周波数,振幅と位相の補正量を出力するビーム監視処理手段としてのモニタ信号処理部14がある。二台の加速電圧信号生成装置には、高周波の正弦波信号を出力する従来の加速電圧信号生成装置6a(第1加速電圧信号生成装置)と、高周波の非正弦波信号を出力する第2加速電圧信号生成装置6bがある。第1加速電圧信号生成装置6aには、モニタ信号処理部14からの補正量に基づき加速電圧のフィードバック制御を実施し、加速電圧の正弦波信号を出力する高周波加速制御装置15がある。また、高周波加速制御装置15から出力された正弦波信号を所望の振幅値に調整し高周波信号を生成する電圧制御部16がある。また、加速電圧の周波数,振幅と位相の各制御データを保存するメモリ17がある。第2加速電圧信号生成装置6bには、非正弦波波形を生成する任意波形生成器18を有する。任意波形生成器18はデジタル信号発生器がその一例であり、デジタルシンセサイザを用いることができる。デジタルシンセサイザを用いることで、各高調波の位相調整が簡便になる。高周波加速電圧波形は時間の関数なので、デジタルシンセサイザで簡単に波形を作成可能である。
次に動作について説明する。高周波加速装置は、上位制御信号発生装置8から出力され
る「高周波捕獲開始制御タイミング信号19」,「加速初期開始制御タイミング信号20」,「加速中期開始制御タイミング信号21」,及び「加速後期開始制御タイミング信号22」の4つのタイミング信号に基づき動作する。図2は実施の形態1における前記タイミング信号と4つの区間(高周波捕獲,加速初期,加速中期,及び加速後期)との関係を示す図である。
まず、加速空胴4には、上位制御信号発生装置8から出力される「高周波捕獲開始制御タイミング信号19」に基づき、第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波波形の電圧が電力増幅器5を経由して印加される。このとき、偏向電磁石1には一定の磁場が発生している。図3は4つの区間と、偏向電磁石1に発生する磁場強度23及び磁場変化率24と関係を示す図である。一定の磁場とは、入射ビームを周回する為に必要な磁場(初期磁場と呼ぶ)である。そのため、偏向電磁石電源2から上記初期磁場を出力するためのコイル電流25が出力される。
つぎに、偏向電磁石には、上位制御信号発生装置8から出力される「加速初期開始制御タイミング信号20」に基づき、偏向電磁石1の磁場強度23を増加させる。加速制御時における偏向電磁石1の偏向磁場強度23は、図3に示すように、加速初期、加速中期、加速後期の三つの区間に分けられ、それぞれの区間において磁場変化率24を変化させることで、偏向磁場強度23を滑らかに変化させる。コイル電流波形発生装置3には、三つの区間ごとの時間とコイル電流の関係を事前にメモリ化しておき、前記「加速初期開始制御タイミング信号20」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
そして、加速空胴4には、高周波捕獲時から加速初期にかけて第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波波形の電圧が電力増幅器5を経由して引き続き印加されている。次に、上位制御信号発生装置8から出力される「加速中期開始制御タイミング信号21」に基づき、加速電圧信号切替器7により第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形に切り替え、その正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。偏向電磁石1には、「加速中期開始制御タイミング信号21」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
最後に、加速空胴4には、上位制御信号発生装置8から出力される「加速後期開始制御タイミング信号22」に基づき、第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。偏向電磁石1には、前記「加速後期開始制御タイミング信号22」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
次に高周波捕獲,加速初期,加速中期及び加速後期の詳細な動作を説明する。
(高周波捕獲)
高周波捕獲時には、図3に示すとおり偏向電磁石1に発生する磁場強度23が一定である。図4は前記4つの区間と加速空胴4に発生する最大電圧27との関係を示す図である。加速空胴4に印加する電圧がゼロから一気に増加し、一様に広がったビームをバンチする区間である。まず、非正弦波信号の波形自身について説明する。第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波波形は、高周波の正弦波信号にその第二高調波および第三高調波を重畳した非正弦波信号である。非正弦波波形は次式に示す式(1)で表される。
Figure 2010277770
ここで、Vは第N次高調波における電圧、Φはビーム重心に対する高周波電圧の位相
(以下、同期位相と呼ぶ)、Φは第N次高調波における初期位相であり、それぞれ下記
の要領で決定する。
高周波捕獲時は、偏向電磁石1に発生する磁場は入射ビームのエネルギを偏向する為の初期磁場で一定であるため、同期粒子が加速されることはない。したがって、Φは0度とし、Φは180度、Φは360度およびΦは540度にするのが一般的である。
つぎに第N次高調波における電圧を決定するため、次式に示す式(2)で表されるバン
チングファクタを指標として用いる。
Figure 2010277770
バンチングファクタが大きいことは、バンチできる粒子数が増えることを意味する。正弦波信号のみにおけるバンチングファクタと比較して増加するようにする。この際、バンチングファクタには各電圧の絶対値ではなく相対値が関係する。そのため、V/V及びV/Vを決定し、絶対値として非正弦波波形の最大値が加速空胴発生限界以下にする。図5は、V/V=0.83、V/V=0.25としたときの、基本波28,第二高調波29,第三高調波30と、それらから構成される非正弦波波形31を示す図である。
図6は、非正弦波波形電圧によるビームのバンチ32を示す図である。同期位相0度を中心に位相方向に幅広く分布していることがわかる。図7は、バンチを形成する位相に対する電流量33,最大電流量34と平均電流量35を示す図である。これらの値を用いて式(2)で表されるバンチングファクタが最大になるV,Φを決定する。以上のように非正弦波波形の理論値が決定する。
ここで、任意波形生成器から出力する非正弦波波形のみを加速空胴に印加する為の条件を記す。コイル電流波形発生装置3から出力されるコイル電流波形26と、偏向電磁石1に発生する磁場強度23は必ずしも時間的に同期するわけではない。図8はコイル電流波形26と磁場強度23の関係を示す図である。設計値に基づくコイル電流波形26と偏向電磁石1に実際に発生する磁場強度23の差36は、それによりシンクロトロン内を周回するビームの横方向のずれを生じる。したがって、事前に偏向電磁石1に発生するコイル電流波形26と磁場強度23の差36を求め、その差36を考慮したコイル電流波形26を生成し任意波形生成器18から出力する必要がある。以上により、任意波形生成器18による時間を関数とした非正弦波波形により、高周波捕獲を行うことができる。
(加速初期)
加速初期とは、図3に示すとおり偏向電磁石1に発生する磁場強度23が徐々に増加し、その磁場変化率24が一定になるまでの区間である。まず、非正弦波信号の波形自身について説明する。第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波波形は、正弦波信号にその第二高調波および第三高調波を重畳した非正弦波信号である。その非正弦波波形は次式に示す式(3)で表される。
Figure 2010277770
ここで、Vは偏向電磁石1に発生する磁場に基づき、従来の正弦波波形によりビームを加速するときの電圧であり、Φは前記正弦波波形によりビームを加速するときの同期位相である。加速初期は入射ビームが持つエネルギから、偏向電磁石1に発生する磁場強度23が徐々に増加し、その磁場変化率24が一定になるときの偏向電磁石1に発生する磁場強度23により周回するビームのエネルギまで加速する必要がある。
正弦波波形の振幅(式(3)左辺)は、次式に示す式(4)に示すように、磁場変化率(dB/dt)から求められる。
Figure 2010277770
ここで、R:環状型加速器の平均半径、ρ:偏向半径である。
式(4)に基づき、式(3)の左辺がある時間に対して決定する。偏向電磁石1に発生する磁場強度23が徐々に増加し、その磁場変化率24が一定になるまでの各時間でのVおよびΦを式(3)及び式(4)を用いて算出する。この際の指標は高周波捕獲時に使用したバンチングファクタである。
また、加速初期の後半では、第二高調波における電圧V及び第三高調波における電圧Vを徐々に低下し、磁場変化率24が一定になるときには基本波のみで構成される“非正弦波波形”とする。つまり、磁場変化率24が一定になる時間での式(3)は、次式に示す式(5)で表される。
Figure 2010277770
図9は高周波捕獲時と加速初期の非正弦波波形を構成する基本波28,第二高調波29及び第三高調波30の関係を示す図である。以上のように非正弦波波形の理論値が決定する。任意波形生成器から出力する非正弦波波形のみを加速空胴に印加する為の条件は、高周波捕獲時と同じである。以上により、任意波形生成器18による時間を関数とした非正弦波波形により加速初期を行うことができる。
(加速中期および加速後期)
加速中期とは、図3に示すように、偏向電磁石1に発生する磁場強度23の磁場変化率24が一定の区間である。加速中期は図8に示すとおり、偏向電磁石1に発生するコイル電流波形26と磁場強度23波形の差36が高周波捕獲から加速後期に至るまでの中で一番大きい区間である。本区間も事前に偏向電磁石1に発生するコイル電流波形26と磁場強度23波形の差36を求め、その差を考慮したコイル電流波形26を生成した電圧波形を出力するが、ビーム軌道を補正する従来のフィードバック制御を用いるほうがよい。
加速空胴4には、上位制御信号発生装置8から出力される加速中期開始制御タイミング信号21に基づき、加速電圧信号切替器7により第1加速電圧信号生成装置6aから出力
される正弦波波形に切り替え、その正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。以下に、正弦波信号を出力する第1加速電圧信号生成装置6aについて説明する。高周波の正弦波信号の周波数制御について説明する。高周波電圧の周波数(f)は、偏向磁場強度23(B)と次式に示す式(6)に示す関係にある。
Figure 2010277770
ここで、C:光速、h:ハーモニック数、R:環状型加速器の平均半径、m:静止質量
、ε:荷電数対質量比(=q/m)、e:素電荷、B:偏向磁場強度、ρ:偏向半径である。
そのため、図8に示す偏向電磁石1に発生するコイル電流波形26と磁場強度23波形の差36が高周波捕獲から加速後期に至るまでの中で一番大きい区間において周波数設定値の更新制御を実行する。
シンクロトロンにおいてこのような周波数制御を実行するため、所定量の偏向磁場強度23の変化がある度に高周波電圧の設定周波数を更新するために、偏向電磁石1に磁場検出手段9を設け、磁場検出手段9が検出した信号よりBクロック信号10と呼ばれる周波数の更新制御クロック信号を発生するBクロック発生装置11を設けている。 磁場検出
手段9にはサーチコイルが用いられており、サーチコイルの出力電圧は図3に示した磁場変化率24に比例した出力となる。Bクロック発生装置11は、磁場検出手段9の検出信号をV−F変換することで偏向磁場強度23の時間変化を積分し、所定量の偏向磁場強度23の変化がある度にBクロック信号10を1パルス出力する。
Bクロック信号10は偏向磁場強度23の一定の変化量の変化毎に出力される。Bクロック信号10に基づき更新される周波数データは、理想的な周波数の変化に対して離散的な変化となる。周波数の離散的な変化は、加速制御時のビーム損失の要因となるため、極力滑らかに変化させる必要がある。そのため、Bクロック信号10は1ガウス以下の磁場変化に対して1パルスの信号を発生することができるように、この小さい磁場変化を十分な精度で検出できるような測定系にする必要がある。
このような設定周波数の更新処理を実行するため、メモリ17内に、Bクロック信号10の1パルスあたりの偏向磁場強度23の検出分解能を刻み幅とし、入射エネルギから最大加速エネルギに対応する偏向磁場強度23の変化幅の範囲で生成した周波数データが格納されている。このような周波数データをメモリ17内に保存し、メモリアドレスをBクロック信号10に基づいて更新することで、高周波電圧の偏向磁場強度23に同期した周波数制御が実行できる。
次に周波数フィードバック制御について説明する。周波数補正量は、周波数の理想値に対するBクロック信号10により更新された設定周波数とのずれを一定周期で演算することにより求める。周波数フィードバック制御には、次に示す二種類がある。まず、シンクロトロン内を周回するビームが所定の軌道上を周回するように、ビームモニタ12での検出信号より周回ビームの位置を演算し、設計軌道(設定軌道)との変位を高周波電圧の周波数で補正するビーム位置フィードバック(ΔRフィードバック)と、バンチビーム重心の設計位相(設定位相)からのずれの補正するため、ビームモニタ12と空胴電圧モニタ13の検出信号から加速電圧に対するビーム位相を演算し、ビーム位相の振動振幅抑制を
高周波電圧の周波数で補正するビーム位相フィードバック(Δφフィードバック)がある。これら二種類のフィードバック制御を実施する際、ビームモニタ12と空胴電圧モニタ13から出力される信号は高周波信号であるため、モニタ信号に基づいた周波数補正量の演算処理は、モニタ信号処理部14で実行している。
最後に、正弦波信号の振幅と位相の制御について説明する。加速制御時の正弦波信号の振幅は、式(4)に示すように、磁場変化率24と同期位相から求められる。この式(4)において、磁場変化率24は、図3に示したように、加速後期に滑らかに変化させ、加速中期は一定とし、各区間ともに連続的に変化する。そのため、高周波電圧の基本波の振幅も加速制御中はこの区間に分けて制御する。しかし電圧振幅値は、式(4)からも分かるとおり、周回ビームのエネルギ変化、つまり偏向磁場強度23の変化に同期して制御する必要はないため、周波数制御のようにBクロック信号10に同期して制御する必要はない。
そのため高周波加速制御装置15のシステム制御クロック信号を分周した制御クロック信号(以下、Tクロック信号と称する)に基づいた設定値の更新処理を実施する。また、式(4)は振幅値と同期位相のいずれか一方が定まらない限り成立しない。そこで先に示した三つの制御区間に分けて、振幅値のパターンを設定する。振幅データはTクロック信号に合わせて生成し、あらかじめ高周波加速制御装置15のメモリ17に格納される。振幅データは、制御開始とともに高周波加速制御装置15のTクロック信号に同期して設定値を更新する。
以上のように、実施の形態1では、偏向電磁石1の磁場変化率24が一定になる立ち上げ区間まで加速空洞に高周波の非正弦波電圧を印加し、高周波の正弦波電圧をそれ以降の区間に印加するように使い分けることで、特に高周波捕獲から加速初期の段階でピーク電荷密度が高くなりやすい場合に問題となる空間電荷効果に対し、高周波の非正弦波電圧波形によるビーム損失を低減できる。
また、高周波捕獲から加速初期の段階では、偏向電磁石1に発生する磁場強度23が一定から徐々に増加し、その磁場変化率が一定になるまでの区間であり、コイル電流と発生磁場の時間差が小さいため、事前に偏向電磁石1に発生するコイル電流波形26と磁場強度23波形の差36を求めておくことで、フィードバック制御が不要となる。
さらに、加速電圧信号切替器7により第2加速電圧信号生成装置から出力される非正弦波より従来の第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形に切り替える信号として、従来の装置に用いられる上位制御信号発生装置8から出力される加速中期開始制御タイミング信号21をそのまま用いることで、制御信号発生装置の大幅な改造を必要としないものである。
実施の形態2.
図10は実施の形態2の高周波加速装置を示す構成図である。実施の形態2の基本的な構成は実施の形態1の図1と同様であるが、加速電圧信号切替器7を起動するための起動
信号発生装置37を有する高周波加速装置である。起動信号発生装置37を用いてビーム電流量を増加させる用途がある場合のみ加速電圧信号切替器7を起動させる。この場合、実施の形態1に記した動作同様、高周波加速装置は、上位制御信号発生装置8から出力される「高周波捕獲開始制御タイミング信号19」,「加速初期開始制御タイミング信号20」,「加速中期開始制御タイミング信号21」,及び「加速後期開始制御タイミング信号22」の4つのタイミング信号に基づき動作する。図2は実施の形態1における前記タイミング信号と4つの区間(高周波捕獲,加速初期,加速中期,及び加速後期)との関係を示す図である。
まず、加速空胴4には、上位制御信号発生装置8から出力される「高周波捕獲開始制御タイミング信号19」に基づき、第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波波形の電圧が電力増幅器5を経由して印加される。このとき、偏向電磁石1には一定の磁場が発生している。図3は4つの区間と、偏向電磁石1に発生する磁場強度23及び磁場変化率24と関係を示す図である。一定の磁場とは、入射ビームを周回する為に必要な磁場(初期磁場と呼ぶ)である。そのため、偏向電磁石電源2から上記初期磁場を出力するためのコイル電流25が出力される。
つぎに、偏向電磁石には、上位制御信号発生装置8から出力される「加速初期開始制御タイミング信号20」に基づき、偏向電磁石1の磁場強度23を増加させる。加速制御時における偏向電磁石1の偏向磁場強度23は、図3に示すように、加速初期、加速中期、加速後期の三つの区間に分けられ、それぞれの区間において磁場変化率24を変化させることで、偏向磁場強度23を滑らかに変化させる。コイル電流波形発生装置3には、三つの区間ごとの時間とコイル電流の関係を事前にメモリ化しておき、前記「加速初期開始制御タイミング信号20」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
そして、加速空胴4には、高周波捕獲時から加速初期にかけて第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波波形の電圧が電力増幅器5を経由して引き続き印加されている。次に、上位制御信号発生装置8から出力される「加速中期開始制御タイミング信号21」に基づき、加速電圧信号切替器7により第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形に切り替え、その正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。偏向電磁石1には、「加速中期開始制御タイミング信号21」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
最後に、加速空胴4には、上位制御信号発生装置8から出力される「加速後期開始制御タイミング信号22」に基づき、第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。偏向電磁石1には、前記「加速後期開始制御タイミング信号22」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
一方、ビーム電流量を増加させる必要が無い場合は、正弦波信号を出力する第1加速電圧信号生成装置6aのみを用いる。この場合、実施の形態1に記した動作同様、高周波加速装置は、上位制御信号発生装置8から出力される「高周波捕獲開始制御タイミング信号19」,「加速初期開始制御タイミング信号20」,「加速中期開始制御タイミング信号21」,及び「加速後期開始制御タイミング信号22」の4つのタイミング信号に基づき動作する。図2は実施の形態1における前記タイミング信号と4つの区間(高周波捕獲,加速初期,加速中期,及び加速後期)との関係を示す図である。
まず、加速空胴4には、第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。このとき、偏向電磁石1には一定の磁場が発生している。図3は4つの区間と、偏向電磁石1に発生する磁場強度23及び磁場変化率24と関係を示す図である。一定の磁場とは、入射ビームを周回する為に必要な磁場(初期磁場と呼ぶ)である。そのため、偏向電磁石電源2から上記初期磁場を出力するためのコイル電流25が出力される。
つぎに、偏向電磁石には、上位制御信号発生装置8から出力される「加速初期開始制御
タイミング信号20」に基づき、偏向電磁石1の磁場強度23を増加させる。加速制御時における偏向電磁石1の偏向磁場強度23は、図3に示すように、加速初期、加速中期、加速後期の三つの区間に分けられ、それぞれの区間において磁場変化率24を変化させることで、偏向磁場強度23を滑らかに変化させる。コイル電流波形発生装置3には、三つの区間ごとの時間とコイル電流の関係を事前にメモリ化しておき、前記「加速初期開始制御タイミング信号20」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。
その後、加速空胴4には、上位制御信号発生装置8から出力される「加速中期開始制御タイミング信号21」、「加速後期開始制御タイミング信号22」に基づき、第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形信号が電力増幅器5を経由して印加される。偏向電磁石1には、前記「加速中期開始制御タイミング信号21」、「加速後期開始制御タイミング信号22」に基づき偏向電磁石電源2にメモリ化されたコイル電流波形26を出力し、コイル電流波形26に基づき偏向電磁石電源2はコイル電流25を出力し、偏向電磁石1に磁場が発生する。このため、高周波加速装置にて加速されたビームの仕様用途に応じてビーム電流量の強弱を行うことができる。
実施の形態3.
図11は実施の形態3における環状型加速器を示す構成図である。図11の環状型加速器は、荷電粒子ビームを発生する前段加速器38と、前段加速器38から発生した荷電粒子ビームを入射する入射装置39と、入射された荷電粒子ビームを周回させる真空ダクト40と、周回する荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石1と、周回する荷電粒子ビームを収束させる四極電磁石41と、周回する荷電粒子ビームに加速電圧を印加する加速空胴4と、加速空胴4に印加する加速電圧を生成する高周波加速装置42と、加速した荷電粒子ビームを出射する出射装置43等とから構成される。前段加速器38にて生成した荷電粒子ビームを入射装置39より入射し、必要とされるエネルギまで、高周波加速装置42により出力される高周波電圧を加速空胴4に印加し、かつ偏向電磁石1の磁場を増加させて加速する。その後、出射装置43によりビームをシンクロトロン外に取り出す。
実施の形態3によれば、偏向電磁石1の磁場変化率24が一定になる立ち上げ区間まで加速空洞4に高周波の非正弦波電圧を印加し、高周波の正弦波電圧をそれ以降の区間に印加するように使い分けることで、特に高周波捕獲から加速初期の段階でピーク電荷密度が高くなりやすい場合に問題となる空間電荷効果に対し、非正弦波電圧波形の電圧によるビーム損失を低減できる。
また、高周波捕獲から加速初期の段階では、偏向電磁石1に発生する磁場強度23が一定から徐々に増加し、その磁場変化率24が一定になるまでの区間であり、コイル電流25と発生磁場の時間差が小さいため、事前に偏向電磁石1に発生するコイル電流波形26と磁場強度23波形の差36を求めておくことで、フィードバック制御が不要となる。
さらに、加速電圧信号切替器7により第2加速電圧信号生成装置6bから出力される非正弦波より第1加速電圧信号生成装置6aから出力される正弦波波形に切り替える信号として、従来の装置に用いられる上位制御信号発生装置8から出力される加速中期開始制御タイミング信号21をそのまま用いることで、制御装置の大幅な改造を必要としない。
そして、加速中期以降は従来の第1加速電圧信号生成装置6aにて動作する為、シンクロトロンからビームを取り出す制御等は従来品をそのまま用いることができる。
また、出射時にはスキャニング照射や呼吸同期等で頻繁に荷電粒子ビームをon/offしたり、出射時間を変更したりする必要が生じる。出射時は従来の制御方法をとり、入射から加速初期に高周波の非正弦波波形の電圧を印加する制御をすることにより、従来の加速器システムからの変更が容易になる。
1 偏向電磁石 2 偏向電磁石電源
3 コイル電流波形発生装置 4 加速空胴
5 電力増幅器 6a 第1加速電圧信号生成装置
6b 第2加速電圧信号生成装置 7 加速電圧信号切替器
8 上位制御信号発生装置 9 磁場検出手段
10 Bクロック信号 11 Bクロック発生装置
12 ビームモニタ 13 空胴電圧モニタ
14 モニタ信号処理部 15 高周波加速制御装置
16 電圧制御部 17 メモリ
18 任意波形生成器 19 高周波捕獲開始制御タイミング信号
20 加速初期開始制御タイミング信号 21 加速中期開始制御タイミング信号
22 加速後期開始制御タイミング信号 23 磁場強度
24 磁場変化率 25 コイル電流
26 コイル電流波形 27 最大電圧
28 基本波 29 第二高調波
30 第三高調波 31 非正弦波波形
32 バンチ 33 電流量
34 最大電流量 35 平均電流量
36 コイル電流波形と磁場強度波形の差 37 起動信号発生装置
38 前段加速器 39 入射装置
40 真空ダクト 41 四極電磁石
42 高周波加速装置 43 出射装置

Claims (6)

  1. 高周波の非正弦波信号からなる加速電圧を加速空胴に加え荷電粒子ビームを加速する高周波加速装置において、
    高周波の正弦波信号を出力する第1加速電圧信号生成装置と、
    任意波形生成器により高周波の非正弦波信号を出力する第2加速電圧信号生成装置と、
    前記第1加速電圧信号生成装置による高周波の正弦波信号と前記第2加速電圧信号生成装置による高周波の非正弦波信号を切り替える加速電圧信号切替器と、
    この加速電圧信号切替器への切替えタイミング信号を発生する制御信号発生装置と、
    この制御信号発生装置の切替えタイミング信号により前記加速電圧信号切替器で切り替え選択された前記高周波の正弦波信号と前記高周波の非正弦波信号のいずれかの信号を増幅し、加速電圧として前記加速空洞に印加する電力増幅器と
    を備えた高周波加速装置。
  2. 前記制御信号発生装置から発生する加速初期開始制御タイミング信号による荷電粒子ビームの加速初期には、前記第2加速電圧信号生成装置による高周波の非正弦波信号を前記加速電圧信号切替器で選択し、
    前記制御信号発生装置から発生する加速中期開始制御タイミング信号による荷電粒子ビームの加速中期には、前記第1加速電圧信号生成装置による高周波の正弦波信号を前記加速電圧信号切替器で切り替え選択するようにした請求項1記載の高周波加速装置。
  3. 前記制御信号発生装置から発生する高周波捕獲開始制御タイミング信号と加速初期開始制御タイミング信号による荷電粒子ビームの高周波捕獲時と加速初期には、前記第2加速電圧信号生成装置による高周波の非正弦波信号を前記加速電圧信号切替器で選択し、
    前記制御信号発生装置から発生する加速中期開始制御タイミング信号と加速後期開始制御タイミング信号による荷電粒子ビームの加速中期及び加速後期には、前記第1加速電圧信号生成装置による高周波の正弦波信号を前記加速電圧信号切替器で選択するようにした請求項1記載の高周波加速装置。
  4. 上記加速電圧信号切替器は、起動信号発生器を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高周波加速装置。
  5. 前記任意波形生成器は、デジタルシンセサイザで構成された請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の高周波加速装置。
  6. 荷電粒子ビームを発生する前段加速器と、この前段加速器から発生した荷電粒子ビームを入射する入射装置と、入射された荷電粒子ビームを周回させる真空ダクトと、周回する荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石と、周回する荷電粒子ビームを収束させる四極電磁石と、周回する荷電粒子ビームに加速電圧を印加する加速空胴と、この加速空胴に印加する加速電圧を生成する高周波加速装置と、加速した荷電粒子ビームを出射する出射装置から構成される環状型加速器において、
    前記高周波加速装置は請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高周波加速装置で構成されたことを特徴とする環状型加速器。
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