JP2010277546A - 作業指示システムおよび作業指示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインにおいて、各作業者に適切な作業指示を与え、作業者の同期が取れるようにする。
【解決手段】管理PC10は、各作業者の作業の進捗状況を各作業者の端末装置の操作から認識する認識手段と、他の作業者の作業の進捗状況から特定の作業者が次の作業を開始できるか否かを判断する判断手段と、特定の作業者が次の作業を開始できないと判断した場合、特定の作業者が次の作業を開始できるまでの待ち時間を計算する計算手段と、計算した待ち時間を特定の作業者の端末装置に表示する表示手段とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインの作業指示システムおよび作業指示方法に関する。
従来、製品を製造する生産ラインにおいては、作業者に適切な指示を出すために作業指示システムが用いられている。下記特許文献1に記載されている作業指示システムは、作業者の習熟度合に応じて作業に関する指示情報の表示を変更し、作業者の技量に合った指示ができるようにしている。
特開2007-280012号公報
しかしながら、従来用いられている作業指示システムは、あらかじめ設定した作業指示を作業が終了する度に順番に表示するものに過ぎない。したがって、作業者が単独で行える単独作業と複数の作業者が共同して行なわなければならない共同作業とが混在している生産ラインでは各作業者の同期を取ることができない。このため、先に共同作業に取り掛かれる状態になった作業者は他の作業者がその共同作業に取り掛かれる状態になるまで作業をすることができず、待ち時間が発生する。また、その待ち時間がどの位の時間になるかがわからないので、他の作業をすることもできない。
本発明は、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインにおいて、各作業者に適切な作業指示を与え、作業者の同期を取ることができる作業指示システムおよび作業指示方法の提供を目的とする。
本発明の作業指示システムは、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインに適用される。本発明の作業指示システムは、認識手段、作業開始判断手段、計算手段および通知手段を備えている。認識手段は、各作業者の作業の進捗状況を認識する。作業開始判断手段は、複数の作業者のうち特定の作業者が、特定の作業者以外の作業者の、認識手段により認識される作業の進捗状況に基づいて、次の作業を開始できるか否かを判断する。計算手段は、特定の作業者が次の作業を開始できないと判断した場合、特定の作業者が次の作業を開始できるまでの待ち時間を計算する。通知手段は、計算した待ち時間を特定の作業者に通知する。
本発明の作業指示方法は、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインに適用される。本発明の作業指示方法は、各作業者の作業の進捗状況を認識し、複数の作業者のうち特定の作業者が、特定の作業者以外の作業者の作業の進捗状況に基づいて、次の作業を開始できるか否かを判断し、特定の作業者が次の作業を開始できないと判断した場合、特定の作業者が次の作業を開始できるまでの待ち時間を計算し、計算された待ち時間を特定の作業者に通知する。
本発明によれば、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインにおいて、各作業者に適切な作業指示を与え、作業者の同期を取ることができるので、作業者の待ち時間を有効に活用でき、製品の製造効率が向上する。
実施形態1に係る作業指示システムの概略構成を示すブロック図である。 実施形態1に係る作業指示システムの具体的な構成を示すブロック図である。 端末装置が記憶している設定ファイルの具体例を示す図である。 管理PCが作成する進捗管理表の具体例を示す図である。 管理PCが記憶している作業時間一覧表の具体例を示す図である。 管理PCおよび端末装置が記憶している共通作業表の具体例を示す図である。 実施形態1に係る作業指示システムの動作フローチャートである。 実施形態2に係る作業指示システムの動作フローチャートである。 実施形態3に係る作業指示システムの動作フローチャートである。 実施形態3に係る作業指示システムの動作フローチャートである。 実施形態4に係る作業指示システムの動作フローチャートである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明を[実施形態1]から[実施形態4]に分けて説明する。なお、図中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態1]
実施形態1は、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインにおいて、単独作業(作業者が単独で行える作業)と共同作業(複数の作業者が共同して行なわなければならない作業)とが混在している場合に、端末装置に待ち時間を表示するものである。待ち時間は、特定の作業者が次の共同作業を開始できるまでの時間であり、他の作業者が行なっている作業の進捗状況から算出する。特定の作業者は待ち時間がわかるため、その時間に他の簡単な作業をするなど待ち時間を有効に活用できる。
図1は、実施形態1に係る作業指示システムの概略構成を示すブロック図である。
作業指示システム100は、管理PC10、端末装置20、端末装置30、端末装置40、…によって構成される。
管理PC10は、端末装置20、端末装置30、端末装置40、…を上位で管理するコンピュータである。管理PC10は、一般的なディスクトップ型、またはノート型のコンピュータである。
端末装置20、30、40、…は、各作業者に作業を指示する機能を持つ。端末装置20は作業者Aが所持し、端末装置30は作業者Bが所持し、端末装置40は作業者Cが所持する。端末装置20、30、40、…は、作業者の作業中にも所持され、次の共同作業までの待ち時間や、次の作業の作業項目を表示する。
管理PC10と端末装置20、30、40、…は、ネットワーク配線50によって接続される。ネットワーク配線50は、有線であっても良いし無線であっても良い。
図2は、実施形態1に係る作業指示システムの具体的な構成を示すブロック図である。
管理PC10は、作業指示管理ソフトを内蔵し、進捗管理表作成部12、作業時間一覧表記憶部14および共通作業表記憶部16を備える。
作業指示管理ソフトは、管理PC10に設けたROM、フラッシュメモリやハードディスクなどの図示していない記憶装置に記憶される。作業指示管理ソフトは、管理PC10と端末装置20、30、40、…との間の通信を行う。作業指示管理ソフトは、端末装置20、30、40、…から各作業者の作業の進捗状況を受けて、端末装置20、30、40、…に作業指示データを出力する。作業指示管理ソフトは、常に端末装置20、30、40、…と通信して各工程の進捗状況を管理している。作業指示管理ソフトは、認識手段、作業開始判断手段、計算手段、作業終了判断手段、選択手段、抽出手段、作業選択手段として機能する部分を備えている。
進捗管理表作成部12は、認識手段として機能するものであって、端末装置20、30、40、…から各作業者の作業の進捗状況を受けて、図4に示すような進捗管理表を作成する。進捗管理表の具体的な説明は後述する。
作業時間一覧表記憶部14は、図5に示すような作業時間一覧表を記憶する。作業時間一覧表の具体的な説明は後述する。
共通作業表記憶部16は、共通作業表記憶手段として機能するものであって、図6に示すような共通作業表を記憶する。共通作業表の具体的な説明は後述する。
端末装置20、30、40、…は、それぞれ作業指示ソフトを内蔵する。端末装置20は、設定ファイル記憶部22、共通作業表記憶部24、表示部26を備え、端末装置30は、設定ファイル記憶部32、共通作業表記憶部34、表示部36を備え、端末装置40は、設定ファイル記憶部42、共通作業表記憶部44、表示部46を備えている。
作業指示ソフトは、端末装置20、30、40、…に設けたROMやフラッシュメモリなどの図示していない記憶装置に記憶される。作業指示ソフトは、端末装置20、30、40、…と管理PC10との間の通信を行う。作業指示ソフトは、各作業者の操作(作業開始時および作業終了時のボタン操作)によって端末装置20、30、40、…からトリガー信号を出力する。トリガー信号は管理PC10に作業者ごとの作業の進捗状況を報告する信号となる。管理PC10はトリガー信号によって作業者ごとに作業の進捗状況を認識し、適切な作業指示データを出力する。
設定ファイル記憶部22は、作業者Aが担当するA工程の図2に示すような設定ファイルを記憶し、設定ファイル記憶部32は、作業者Bが担当するB工程の図2に示すような設定ファイルを記憶し、設定ファイル記憶部42は、作業者Cが担当するC工程の設定ファイルを記憶する。設定ファイルの具体的な説明は後述する。
共通作業表記憶部24、34、44は、共通作業表記憶手段として機能するものであって、図6に示すような共通作業表を記憶する。共通作業表は、管理PC10の共通作業表記憶部16が記憶するものと同一である。共通作業表の具体的な説明は後述する。
表示部26、36、46は、通知手段として機能するものであって、作業者に次に行なうべき作業の作業項目を表示したり、待ち時間を表示したりするものである。表示部は、液晶や有機ELを用いたディスプレイで構成される。なお、本明細書では通知手段の一例として表示部を例示して説明するが、通知手段は、ディスプレイに限られず、たとえば音声や光を応用した装置を用いても良い。音声を応用した装置としては、スピーカーやヘッドホンが例示でき、光を応用した装置としては、複数の発光素子を一列に並べたものや複数の異なる色を発光できる発光素子を並べたものが例示できる。
図3は、端末装置20、30、40、…が記憶する設定ファイルの具体例を示す図である。
設定ファイルは、作業指示システム100の作業内容を設定するファイルである。設定ファイルは端末装置20、30、40、…ごとに個別に作成される。作業者ごとに作業の工程が異なるからである。
設定ファイルに設定する項目は、作業No、作業項目、標準作業時間、共通作業フラグ、開始条件である。作業Noは作業順序を示す項目である。作業項目は作業内容を示す項目である。標準作業時間は作業項目の作業を完了するまでに要する標準的な時間である。共通作業フラグは他の作業者でも作業をすることができる作業項目の内優先的に行なう作業項目を示すフラグである。開始条件はその作業項目の作業を開始するためには他の工程の作業項目の作業が完了していることが条件となっていることを示すものである。
たとえば、図2に示すように、作業者Aの端末装置20の設定ファイル記憶部22は、A工程の設定ファイルを記憶している。図3の端末装置20(作業者A)に示すような設定ファイルである。この設定ファイルには作業No、作業項目、標準作業時間が設定されている。また、この設定ファイルの作業No3の作業項目に共通作業フラグが設定されている。したがって、作業No3の作業項目の作業は、作業者Aだけではなく、他の作業者(たとえば作業者Bや作業者C)が行なうこともできる共通作業ということである。そして、この設定ファイルの作業No6の作業項目に開始条件B6が設定されている。したがって、作業No6の作業項目の作業を開始するためには、作業者Bが担当するB工程の作業No6の作業項目の作業が終了していなければならないということである。
また、作業者Bの端末装置30の設定ファイル記憶部32は、B工程の設定ファイルを記憶している。図3の端末装置30(作業者B)に示すような設定ファイルである。この設定ファイルには、端末装置20(作業者A)の設定ファイルと同様に、設定作業No、作業項目、その作業項目の作業が終了するまでの標準作業時間が設定されている。また、この設定ファイルの作業No2とNo6の作業項目に共通作業フラグが設定されている。したがって、作業No2とNo6の作業項目の作業は、作業者Bだけではなく、他の作業者(たとえば作業者Aや作業者C)が行なうこともできる共通作業ということである。そして、この設定ファイルの作業No7の作業項目に開始条件A5が設定されている。したがって、作業No7の作業項目の作業を開始するためには、作業者Aが担当するA工程の作業No5の作業項目の作業が終了していなければならないということである。
図3には示していないが、作業者Cの端末装置40の設定ファイル記憶部42および図2に図示していない他の作業者の端末装置の設定ファイル記憶部にも、設定ファイル記憶部22および設定ファイル記憶部32と同様に、作業No、作業項目、標準作業時間、共通作業フラグ、開始条件が設定されている。
図3の端末装置20(作業者A)と端末装置30(作業者B)の2つの設定ファイルを見ると、作業者Aが担当するA工程のNo6の作業項目の作業と作業者Bが担当するB工程のNo7の作業項目の作業は作業者Aと作業者Bが共同して作業する共同作業であることがわかる。作業者AがA工程の作業No6の作業を開始するためには、作業者BがB工程の作業No6の作業が終了していなければならず、一方、作業者BがB工程の作業No7の作業を開始するためには、作業者AがA工程の作業No5の作業が終了していなければならないからである。
図4は、管理PC10が作成する進捗管理表の具体例を示す図である。
進捗管理表は、管理PC10が、すべての接続されている端末装置20、30、40、…からのトリガー信号によって各工程の作業の進捗状況をリアルタイムで把握できるようにするための表である。
進捗管理表の管理項目は大きくは作業状況と共通作業状況に分かれている。作業状況の管理項目は、工程ごとの作業の進捗状況を管理するために用意する。作業状況の管理項目は、どの工程でどの製品を製造しているのかを示すシリアルNo、各工程の現在行なわれている作業No、その作業Noの作業が開始されてからの経過時間である。
図4に示すように、すべての工程A〜Eの端末装置20、30、40、…のシリアルNoは「1001」である。したがって、すべての工程の作業者は同一の製品を製造している。また、作業Noは、工程Aの端末装置20が「6」、工程Bの端末装置30が「4」、工程Cの端末装置40が「5」、工程Dの端末装置が「5」、工程Eの端末装置が「2」である。そして、経過時間は、工程Aの端末装置20が「0:00」、工程Bの端末装置30が「2:30」、工程Cの端末装置40が「1:10」、工程Dの端末装置が「3:30」、工程Eの端末装置が「2:00」である。したがって、管理PC10は、この進捗管理表から、工程Aの作業者Aが作業No6の作業項目の作業をこれから開始しようとしていることがわかる。また、工程Bの作業者Bが作業No4の作業項目の作業を開始してから2分30秒経過したことがわかる。同様に、工程Cの作業者Cが作業No5の作業項目の作業を開始してから1分10秒経過したことが、工程Dの作業者が作業No5の作業項目の作業を開始してから3分30秒経過したことが、工程Eの作業者が作業No2の作業項目の作業を開始してから2分秒経過したことがそれぞれわかる。
一方、共通作業状況の管理項目は、工程ごとの共通作業(作業順序に関係なく他の作業者でもすることができる作業)の進捗状況を管理するために用意される。共通作業状況の管理項目は、各工程の作業No、その作業Noの作業が開始されてからの経過時間、作業の状況を示す動作フラグである。
図4に示すように、作業Noは、工程Aの端末装置20が「3」、工程Bの端末装置30が「2」と「6」、工程Eの端末装置が「15」である。経過時間は、工程Eの端末装置が「1:00」である。動作フラグは、工程Aの端末装置20が作業No「3」について「完了」、工程Bの端末装置30が作業No「2」について「完了」、作業No「6」について「未完了」、工程Eの端末装置が作業No「15」について「作業中」である。
したがって、管理PC10は、この進捗管理表から、工程Aの作業No3の作業項目の作業は完了していることがわかる。同様に、工程Bの作業No2の作業項目の作業は完了し、作業No6の作業項目の作業は未完了であることが、工程Eの作業No15の作業項目の作業は開始されてから1分が経過し現在も作業中であることがわかる。
図5は、管理PC10が記憶している作業時間一覧表の具体例を示す図である。
作業時間一覧表は、各工程の端末装置に設定した設定ファイルの作業Noとその作業Noに対応する作業項目の作業を完了するまでに要する標準的な作業時間をまとめた表である。作業時間一覧表は、作業者に待ち時間が発生したときに、その待ち時間の間にできる作業を選択するときに用いられる。
図5に示すように、たとえば、管理PC10は、作業時間一覧表を見ることによって、A工程における作業No1の作業項目の作業は3分、B工程における作業No1の作業項目の作業は4分、C工程における作業No1の作業項目の作業は2分、同様にD工程、E工程における作業No1の作業項目の作業はそれぞれ3分、2分であることを認識する。
図6は、管理PC10および端末装置20、30、40、…が記憶している共通作業表の具体例を示す図である。
共通作業表は、作業順序が関係のない作業を一覧にした表である。共通作業は、作業順序に関係なく時間が空けばどの作業者でもすることができる作業である。
図6に示すように、共通作業表の管理項目は、作業項目、標準作業時間、優先度、作業人数、実績である。作業項目と標準作業時間は図3の説明で説明した通りである。優先度は、待ち時間の間にできる作業として候補が複数ある場合に、優先的に行なわなければならない作業を選択するために設けている。作業人数は、その作業項目の作業を行なう場合に必要な人数を示している。実績は、作業の状況を示すもので、その作業項目の作業が完了しているか作業中であるかを示す。
たとえば、作業項目aについては、標準作業時間が3分であり、優先度は一番高くAであり、作業人数は1人であり、実績は終了であることがわかる。作業項目cについては、標準作業時間が4分であり、優先度は中程度のBであり、作業人数は3人であり、実績よりまだ作業が行なわれていないことがわかる。作業項目eについては、標準作業時間が1分であり、優先度は一番低くCであり、作業人数は2人であり、実績によりまだ作業が行なわれていないことがわかる。作業項目fについては、標準作業時間が2分であり、優先度は一番高くAであり、作業人数は1人であり、実績により作業中であることがわかる。
図7は、実施形態1に係る作業指示システムの動作フローチャートである。この動作フローチャートは実施形態1に係る作業指示方法の手順を示すフローチャートでもある。以下にこの動作フローチャートについて説明する。
ステップS10
図2に示す各端末装置20、30、40、…は、設定ファイル記憶部22、32、42、…から取り出した設定ファイルを見て、次の作業項目に開始条件が設定されているか否かを確認する。このステップの処理は、各端末装置20、30、40、…に内蔵している作業指示ソフトによって行なわれる。
たとえば、図3に示すように、作業者Aが作業No5の作業項目の作業を終了すると、端末装置20は設定ファイル記憶部22の設定ファイルを見て、次の作業No6の作業項目に開始条件が設定されているか否かを確認する。
ステップS11
各端末装置20、30、40、…は、設定ファイル記憶部22、32、42、…から取り出した設定ファイルに、次の作業項目に開始条件が設定されているか否かを判断する。
ステップS12
次の作業項目に開始条件が設定されていなければ(S11:なし)、表示部26、36、46、…に次の作業の作業項目を表示する。
たとえば、図3に示すように、作業者Bが作業No5の作業項目の作業を終了すると、端末装置30は設定ファイル記憶部32の設定ファイルを見て、作業No6の作業項目に開始条件が設定されているか否かを判断する。次の作業No6の作業項目には開始条件が設定されていないので、端末装置30は表示部36に作業No6の作業項目を表示する。
ステップS13
次の作業項目に開始条件が設定されていれば(S11:あり)、図2に示す管理PC10は、進捗管理表作成部12が作成した図4に示すような進捗管理表を見て、開始条件該当端末装置の状況を確認する。進捗管理表は、進捗管理表作成部12が各端末装置20、30、40、…からのトリガー信号を受け各作業者の作業の進捗状況を認識することによって作成する。
たとえば、図4の進捗管理表では、端末装置20を所持する作業者Aが開始条件B6(端末装置30を所持する作業者BがNo6の作業を終了していること)が設定されている作業No6(図3の設定ファイルを参照)の作業項目の作業に取り掛かれる状態にあることがわかる。また、端末装置30を所持する作業者Bが作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であることがわかる。管理PC10は、進捗管理表を見て、開始条件B6の作業者Bの作業状況が、No4のサ行項目の作業を開始してから2分30秒経過している状態であるということがわかる。
ステップS14
管理PC10は、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしているか否かを判断する。このステップは、作業者Aと作業者Bが共同作業を行なうことができる状況になっているか否かを判断するために設けている。
たとえば、図4の進捗管理表では、開始条件該当端末装置30の状況が作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であり、端末装置20の開始条件B6(端末装置30を所持する作業者BがNo6の作業を終了していること)を満たしていない。したがって、作業者Aが作業者Bと共同作業を行なうためには、作業者Bが作業No4、作業No5、作業No6の作業を終了するまで待つ必要がある。
しかし、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしていると判断したとき、具体的には、端末装置30を所持する作業者Bが作業No6の作業項目の作業を終了していれば、開始条件B6を満たしていることになる(S14:YES)。したがって、ステップS12に進んで、次の作業項目が表示される。具体的には、端末装置20の表示部26には工程Aの作業No6の作業項目が、端末装置30の表示部36には工程Bの作業No7の作業項目がそれぞれ表示される。
ステップS15
管理PC10は、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしていないと判断したときには(S14:NO)、次の共同作業を待つ作業者の待ち時間を進捗管理表と作業時間一覧表とから算出する。
たとえば、図4の進捗管理表では、開始条件該当端末装置30の状況が作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であり、開始条件B6を満たしていない。この場合、作業者Aは、作業者Bが作業No4、作業No5、作業No6の作業を終了するまで待つ必要がある。作業者Bが作業No6の作業を終了するまでの時間は、残り作業Noの標準作業時間+現在の作業No標準作業時間−経過時間を計算することによって求めることができる。上述の例では、作業者Bの残りの作業Noは端末装置30の進捗管理表と設定ファイルから作業No5と作業No6であることがわかる。作業者Bの作業No5と作業No6の標準作業時間は、作業時間一覧表の端末装置30の表から2分および1分であることがわかる。また、現在行なっている作業が終了するまでの時間は、進捗管理表と作業時間一覧表から4分−2分30秒であることがわかる。したがって、作業者Aの待ち時間は、2分+1分+4分−2分30秒=4分30秒と算出される。
ステップS16
作業PC10は、端末装置20、30、40、…に算出した待ち時間を作業指示データとして出力する。上述の例では、端末装置20は、表示部26に作業PC10から送られてきた待ち時間を、「待ち時間4分30秒」と表示する。
作業管理システムおよび作業管理方法は以上のように動作するので、実施形態1は次のような効果を得ることができる。
実施形態1では、共同作業に取り掛かれる状態となった作業者の端末装置に、他の作業者がその共同作業に取り掛かれるようになるまでの時間を待ち時間として表示する。したがって、共同作業に取り掛かれる状態となった作業者は、あとどのくらいの時間待てばその共同作業に取り掛かれるかがわかるので、待ち時間を有効に利用して、他の作業を行なうことができる。つまり、共同作業前の無駄な待ち時間が具体的に何分あるかをその共同作業の待ち作業者に知らせることによって、待ち作業者に対して、待ち時間を利用して共同作業以外の簡単な作業をさせることを促すことができる。
そして、複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインにおいて、各作業者に適切な作業指示を与え、作業者の同期を取ることができるので、作業者の待ち時間を有効に活用でき、製品の製造効率が向上する。
また、他の作業者がその共同作業に取り掛かれるようになっているときには、共同作業に取り掛かれる状態となった作業者の端末装置にその共同作業の作業項目が表示される。したがって、共同作業に取り掛かれる状態となった作業者は待ち時間なく継続してその共同作業を行っても良いということがわかる。
[実施形態2]
実施形態2は、実施形態1の態様に加えて、算出した待ち時間があらかじめ定めておいた設定時間を超えているときには、待ち時間のある作業者の人数に応じた作業の中から、優先順位が高く、かつ、待ち時間以内に終了できる作業を端末装置に指示するものである。待ち時間のある作業者は端末装置に表示された作業項目の作業を行なえば良いので、作業者の熟練度に関わらず無駄時間のない適切な作業をすることができる。
図8は、実施形態2に係る作業指示システムの動作フローチャートである。この動作フローチャートは実施形態2に係る作業指示方法の手順を示すフローチャートでもある。以下にこの動作フローチャートについて説明する。
ステップS20
図2に示す各端末装置20、30、40、…は、設定ファイル記憶部22、32、42、…から取り出した設定ファイルを見て、次の作業項目に開始条件が設定されているか否かを確認する。このステップの処理は、各端末装置20、30、40、…に内蔵している作業指示ソフトによって行なわれる。
たとえば、図3に示してあるように、作業者Aが作業No5の作業項目の作業を終了すると、端末装置20は設定ファイル記憶部22の設定ファイルを見て、次の作業No6の作業項目に開始条件が設定されているか否かを確認する。
ステップS21
各端末装置20、30、40、…は、設定ファイル記憶部22、32、42、…から取り出した設定ファイルに、次の作業項目に開始条件が設定されているか否かを判断する。
ステップS22
次の作業項目に開始条件が設定されていなければ(S21:なし)、表示部26、36、46、…に次の作業の作業項目を表示する。
たとえば、図3に示してあるように、作業者Bが作業No5の作業項目の作業を終了すると、端末装置30は設定ファイル記憶部32の設定ファイルを見て、作業No6の作業項目に開始条件が設定されているか否かを判断する。次の作業No6の作業項目には開始条件が設定されていないので、端末装置30は表示部36に作業No6の作業項目を表示する。
ステップS23
次の作業項目に開始条件が設定されていれば(S21:あり)、図2に示す管理PC10は、進捗管理表作成部12が作成した図4に示すような進捗管理表を見て、開始条件該当端末装置の状況を確認する。進捗管理表は、進捗管理表作成部12が各端末装置20、30、40、…からのトリガー信号を受け各作業者の作業の進捗状況を認識することによって作成する。
たとえば、図4の進捗管理表では、端末装置20を所持する作業者Aが開始条件B6(端末装置30を所持する作業者BがNo6の作業を終了していること)が設定されている作業No6(図3参照)の作業項目の作業に取り掛かれる状態にあることがわかる。また、端末装置30を所持する作業者Bが作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であることがわかる。管理PC10は、この進捗管理表を見て、開始条件B6の該当端末装置30の状況が、作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であるということがわかる。
ステップS24
管理PC10は、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしているか否かを判断する。このステップは、作業者Aと作業者Bが共同作業を行なうことができる状況になっているか否かを判断するために設けている。
たとえば、図4の進捗管理表では、開始条件該当端末装置30の状況が作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であり、開始条件B6(端末装置30を所持する作業者BがNo6の作業を終了していること)を満たしていない。したがって、作業者Aが作業者Bと共同作業を行なうためには、作業者Bが作業No4、作業No5、作業No6の作業が終了するまで待つ必要がある。
しかし、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしていると判断したとき、具体的には、端末装置30を所持する作業者Bが作業No6の作業項目の作業を終了していれば、開始条件B6を満たしていることになる(S24:YES)。したがって、ステップS22に進んで、次の作業項目が表示される。具体的には、端末装置20の表示部26には作業No6の作業項目が、端末装置30の表示部36には作業No7の作業項目がそれぞれ表示される。
ステップS25
管理PC10は、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしていないと判断したときには(S24:NO)、次の共同作業を待つ作業者の待ち時間を進捗管理表と作業時間一覧表とから算出する。
たとえば、図4の進捗管理表では、開始条件該当端末装置30の状況が作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であり、開始条件B6を満たしていない。この場合、作業者Aは、作業者Bが作業No4、作業No5、作業No6の作業が終了するまで待つ必要がある。作業者Bが作業No6の作業を終了するまでの時間は、残り作業Noの標準作業時間+現在の作業No標準作業時間−経過時間を計算することによって求めることができる。上述の例では、作業者Bの残りの作業Noは端末装置30の進捗管理表と設定ファイルから作業No5と作業No6であることがわかる。作業者Bの作業No5と作業No6の標準作業時間は、作業時間一覧表の端末装置30の表から2分および1分であることがわかる。また、現在行なっている作業が終了するまでの時間は、進捗管理表と作業時間一覧表から4分−2分30秒であることがわかる。したがって、作業者Aの待ち時間は、2分+1分+4分−2分30秒=4分30秒と算出される。
ステップS26
管理PC10は、計算した待ち時間が設定時間を超えているか否かを判断する。設定時間は、図6に示した共通作業表にある作業時間の内、最も短い時間で作業することができる時間+αに設定する。たとえば、共通作業表にある作業時間の中で1分が最も短い時間であるので、設定時間は1分10秒程度に設定する。
計算した待ち時間が上述の設定時間を越えていなければ(S26:NO)、次の共同作業を待つ作業者の端末装置に待ち時間を表示する。待ち時間が設定時間を越えていなければ、次にできる作業がないからである。
ステップS27
計算した待ち時間が上述の設定時間を越えていれば(S26:YES)、管理PC10は、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に待ち時間以内の作業があるか否かを判断する。
たとえば、ステップS25では、作業者Aの待ち時間が4分30秒と算出されたので、共通作業表に4分30秒以内に終了できる作業があるか否かを判断する。
ステップS28
共通作業表に待ち時間以内の作業がなければ(S27:なし)、作業PC10は、端末装置20、30、40、…にステップS25で算出した待ち時間を作業指示データとして出力する。たとえば、算出した待ち時間が50秒であったとすると、端末装置20は、表示部26に作業PC10から送られてきた待ち時間を、「待ち時間50秒」と表示する。共通作業表に待ち時間以内の作業がなければ、作業者Aが次にできる作業がないからである。
ステップS29
共通作業表に待ち時間以内の作業があれば(S27:あり)、管理PC10は、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に待ち時間以内に終了できる作業が複数あるか否かを判断する。
たとえば、ステップS25では、作業者Aの待ち時間が4分30秒と算出されたので、共通作業表に4分30秒以内に終了できる作業が複数あるか否かを判断することになる。この場合、4分30秒以内に終了できる作業は、実績が終了、作業中の作業、および、作業時間が5分以外の作業が該当するので、複数あると判断される。
ステップS30
共通作業表に待ち時間以内に終了できる作業が複数あれば(S29:あり)、管理PC10は、複数の作業項目の中から待ち時間により近い作業項目を、待ち時間がある作業者の人数と優先度とを考慮して選択する。待ち時間をより有効に活用できるようにするためである。
たとえば、ステップS25では、作業者Aの待ち時間が4分30秒と算出されたので、管理PC10は、共通作業表の作業の内、待ち時間が4分30秒に最も近い時間の作業項目の中から、作業者が1人で作業することができ(待ち時間のある作業者が作業者Aのみであるとき)、優先度が最も高い単独作業の作業項目を選択する。この場合は、作業項目bの作業が選択される。
ステップS31
ステップS29で共通作業表に待ち時間以内に終了できる作業が複数ないと判断されたとき(S29:なし)には、待ち時間以内に終了できる作業の作業項目を端末装置20、30、40、…の表示部26、36、46、…に表示する。また、ステップS30で選択された作業項目を表示部26、36、46、…に表示する。たとえば、上述の場合、作業項目は、端末装置20の表示部26に「b」と表示される。
ステップS32
管理PC10は、各端末装置20、30、40、…から出力される作業開始、作業終了のトリガー信号によって、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に、図6に示すように「完了」、「作業中」の別を書き込む。共通作業表記憶部16の共通作業表は実績が入力されて更新される。
作業管理システムおよび作業管理方法は以上のように動作するので、実施形態2は次のような効果を得ることができる。
実施形態2では実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、作業者が待ち時間に行なう作業を、作業者の意思に委ねてしまうことがないので、作業者の負担を軽減できる。作業者が待ち時間の間に待ち時間を越える作業をしてしまうことにより、今度は他の作業者に待ち時間が発生するという事態をなくすことができる。待ち時間が発生している作業者に、待ち時間以内に終了することができる優先順位の高い適切な作業項目を指示することができるので、作業者の熟練度に関わらず無駄時間のない適切な作業をすることができる。
[実施形態3]
実施形態3は、生産ラインで製造を担当する作業者が3人以上の場合を想定している。実施形態3は、実施形態1および実施形態2に加え、複数の作業者で行なう共通作業を待ち時間に応じて選択できるようにするものである。具体的には、複数の作業者に待ち時間が発生する場合、最初に待ち時間が発生した作業者の待ち時間の間に他の作業者の作業が終了するかを判断する。待ち時間の間に他の作業者の作業が終了すると判断されれば、最初に待ち時間が発生した作業者を次に待ち時間が発生する作業者の作業が終了するまで待たせる。そして、図6の共通作業表から、複数人が行なう作業項目であって、優先順位が高く、かつ、3番目に待ち時間が発生する作業者の作業が終了するまでの間に2人の作業者ができる作業項目を選択し、選択した作業項目を2人の端末装置に表示する。また、最初に待ち時間が発生した作業者の待ち時間の間に複数の作業者の作業が終了すると判断されれば、最初に待ち時間が発生した作業者と待ち時間の間に作業が終了する複数の作業者によってすることができる作業を共通作業表から選択する。具体的には、共通作業表から、複数人が行なう作業項目であって、優先順位が高く、かつ、4番目に待ち時間が発生する作業者の作業が終了するまでの間に3人の作業者ができる作業項目を選択し、選択した作業項目を3人の端末装置に表示する。なお、最初に待ち時間が発生した作業者の待ち時間の間に他の作業者の作業が終了しないときには、最初に待ち時間が発生した作業者が待ち時間の間に1人でできる共通作業が端末装置に表示される。
待ち時間のある複数の作業者は端末装置に表示された作業項目の作業を行なえば良いので、作業者の熟練度に関わらず無駄時間のない適切な作業をすることができる。
図9および図10は、実施形態3に係る作業指示システムの動作フローチャートである。この動作フローチャートは実施形態3に係る作業指示方法の手順を示すフローチャートでもある。以下にこの動作フローチャートについて説明する。
ステップS40
図2に示す各端末装置20、30、40、…は、設定ファイル記憶部22、32、42、…から取り出した設定ファイルを見て、次の作業項目に開始条件が設定されているか否かを確認する。このステップの処理は、各端末装置20、30、40、…に内蔵している作業指示ソフトによって行なわれる。
たとえば、図3に示してあるように、作業者Aが作業No5の作業項目の作業を終了すると、端末装置20は設定ファイル記憶部22の設定ファイルを見て、次の作業No6の作業項目に開始条件が設定されているか否かを確認する。
ステップS41
各端末装置20、30、40、…は、設定ファイル記憶部22、32、42、…から取り出した設定ファイルに、次の作業項目に開始条件が設定されているか否かを判断する。
ステップS42
次の作業項目に開始条件が設定されていなければ(S41:なし)、表示部26、36、46、…に次の作業の作業項目を表示する。
たとえば、図3に示してあるように、作業者Bが作業No5の作業項目の作業を終了すると、端末装置30は設定ファイル記憶部32の設定ファイルを見て、作業No6の作業項目に開始条件が設定されているか否かを判断する。次の作業No6の作業項目には開始条件が設定されていないので、端末装置30は表示部36に作業No6の作業項目を表示する。
ステップS43
次の作業項目に開始条件が設定されていれば(S41:あり)、図2に示す管理PC10は、進捗管理表作成部12が作成した図4に示すような進捗管理表を見て、開始条件該当端末装置の状況を確認する。進捗管理表は、進捗管理表作成部12が各端末装置20、30、40、…からのトリガー信号を受け各作業者の作業の進捗状況を認識することによって作成する。
たとえば、図4の進捗管理表では、端末装置20を所持する作業者Aが開始条件B6(端末装置30を所持する作業者BがNo6の作業を終了していること)が設定されている作業No6(図3参照)の作業項目の作業に取り掛かれる状態にあることがわかる。また、端末装置30を所持する作業者Bが作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であることがわかる。管理PC10は、この進捗管理表を見て、開始条件B6の該当端末装置30の状況が、作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であるということがわかる。
ステップS44
管理PC10は、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしているか否かを判断する。このステップは、作業者Aと作業者Bが共同作業を行なうことができる状況になっているか否かを判断するために設けている。
たとえば、図4の進捗管理表では、開始条件該当端末装置30の状況が作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であり、開始条件B6(端末装置30を所持する作業者BがNo6の作業を終了していること)を満たしていない。したがって、作業者Aが作業者Bと共同作業を行なうためには、作業者Bが作業No4、作業No5、作業No6の作業が終了するまで待つ必要がある。
しかし、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしていると判断したとき、具体的には、端末装置30を所持する作業者Bが作業No6の作業を終了していれば、開始条件B6を満たしていることになる(S44:YES)。したがって、ステップS22に進んで、次の作業項目が表示される。具体的には、端末装置20の表示部26には作業No6の作業項目が、端末装置30の表示部36には作業No7の作業項目がそれぞれ表示される。
ステップS45
管理PC10は、開始条件該当端末装置の状況が開始条件を満たしていないと判断したときには(S44:NO)、次の共同作業を待つ作業者の待ち時間を進捗管理表と作業時間一覧表とから算出する。
たとえば、図4の進捗管理表では、開始条件該当端末装置30の状況が作業No4の作業を開始してから2分30秒経過している状態であり、開始条件B6を満たしていない。この場合、作業者Aは、作業者Bが作業No4、作業No5、作業No6の作業が終了するまで待つ必要がある。作業者Bが作業No6の作業を終了するまでの時間は、残り作業Noの標準作業時間+現在の作業No標準作業時間−経過時間を計算することによって求めることができる。上述の例では、作業者Bの残りの作業Noは端末装置30の進捗管理表と設定ファイルから作業No5と作業No6であることがわかる。作業者Bの作業No5と作業No6の標準作業時間は、作業時間一覧表の端末装置30の表から2分および1分であることがわかる。また、現在行なっている作業が終了するまでの時間は、進捗管理表と作業時間一覧表から4分−2分30秒であることがわかる。したがって、作業者Aの待ち時間は、2分+1分+4分−2分30秒=4分30秒と算出される。
ステップS46
管理PC10は、計算した待ち時間が設定時間を超えているか否かを判断する。設定時間は、図6に示した共通作業表にある作業時間の内、最も短い時間で作業することができる時間+αに設定する。たとえば、共通作業表にある作業時間の中で1分が最も短い時間であるので、設定時間は1分10秒程度に設定する。
ステップS47
計算した待ち時間が上述の設定時間を越えていなければ(S46:NO)、次の共同作業を待つ作業者の端末装置に待ち時間を表示する。待ち時間が設定時間を越えていなければ、次にできる作業がないからである。
ステップS48
計算した待ち時間が上述の設定時間を越えていれば(S46:YES)、管理PC10は、進捗管理表を見て、設定時間以内に他の作業者が待ちになるか否かを判断する。この判断は、複数の作業者で行なわなければならない共通作業を優先するために行なう。
たとえば、上述の例では、設定時間の1分10秒以内に作業者A以外の作業者B、作業者C、作業者D、作業者Eのだれかの作業が終了するか否かを判断する。図4の進捗管理表を見ると、工程Cの作業者Cは作業No5の作業を開始してから1分10秒経過しており、図5の作業時間一覧表を見ると、工程Cの作業No5の作業の標準作業時間は3分であるので、あと50秒でこの作業が完了することがわかる。また、工程Dの作業者Dは作業No5の作業を開始してから3分30秒経過しており、図5の作業時間一覧表を見ると、工程Dの作業No5の作業の標準作業時間は4分であるので、あと30秒でこの作業が完了することがわかる。したがって、設定時間の1分10秒以内に作業者Cと作業者Dの2人が現在行なっている作業を終了するということがわかる。
ステップS49
管理PC10は、設定時間以内に他の作業者が待ちにならないと判断すると(S48:NO)、共通作業表に待ち時間以内の1人作業すなわち単独作業があるか否かを判断する。設定時間以内に他の作業者が待ちにならないとき、待ち時間で終了できる単独作業があればその作業を指示できるようにするためである。
ステップS50
共通作業表に待ち時間で終了できる単独作業がなければ(S49:なし)、作業PC10は、端末装置20、30、40、…にステップS45で算出した待ち時間を作業指示データとして出力する。たとえば、算出した待ち時間が50秒であったとすると、端末装置20は、表示部26に作業PC10から送られてきた待ち時間を、「待ち時間50秒」と表示する。共通作業表に待ち時間で終了できる単独作業がなければ、作業者Aが次にできる作業がないからである。
ステップS51
ステップS49で共通作業表に待ち時間で終了できる単独作業があると判断されたとき(S49:あり)には、待ち時間以内の単独作業の作業項目を端末装置20、30、40、…の表示部26、36、46、…に表示する。たとえば、作業項目は、端末装置20の表示部26に「b」というように表示される。
ステップS52
管理PC10は、各端末装置20、30、40、…から出力される作業開始、作業終了のトリガー信号によって、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に、図6に示すように「完了」、「作業中」の別を書き込む。共通作業表記憶部16の共通作業表は実績が入力されて更新される。
ステップS53
管理PC10は、設定時間以内に他の作業者が待ちになると判断すると(S48:YES)、共通作業表にある待ち時間以内の複数人で行なう共通作業を優先順位ごとにリストアップする。
たとえば、上述の例の場合、ステップS48で判断したように、設定時間の1分10秒以内に、作業者Cと作業者Dの2人が現在行なっている作業を終了する。作業者A、作業者Cと作業者Dの3人で行う作業は、作業者Cの作業が終わる50秒後に可能である。したがって、管理PC10は、共通作業表にある3人で行なう作業項目c、作業項目dの二つの作業をリストアップする。
ステップS54
管理PC10は、リストアップより適正な作業項目があるか否かを判断する。
上述の例では、作業者Aは作業が終了してから作業者Cの作業が終わるまで50秒待っていなければならないので、共同作業である次の作業No6の作業を開始するまでの待ち時間は3分40秒になる。また、作業者Dは作業が終了してから作業者Cの作業が終わるまで20秒待っていなければならないので、次の作業No6の作業を開始するまでの待ち時間は20秒になる。最後に、作業者Cの待ち時間は0秒である。したがって、作業者Aは3分20秒以内に共通作業を完了しなければならないので、適正な作業項目は、共通作業表にある3人で行なう作業項目cよりも優先度が低い作業項目dとなる。
リストアップより適正な作業項目がなければ(S54:NO)、ステップS49からステップS52までの処理をする。これらの処理は上述の通りであるので説明は省略する。
ステップS55
リストアップより適正な作業項目があれば(S54:YES)、リストアップより適正な作業項目を優先する。
上述の例では、共通作業表から作業項目dのみが選択されるので、適正な作業項目として作業項目dが選択される。
ステップS56
ステップS54、S55で選択された作業項目を端末装置20、30、40、…の表示部26、36、46、…に表示する。たとえば、上述の場合、作業者A、作業者C、作業者Dの3台の端末装置の表示部に「d」と表示される。
ステップS57
管理PC10は、各端末装置20、30、40、…から出力される作業開始、終了のトリガーによって、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に、図6に示すように「完了」、「作業中」の別を書き込む。共通作業表記憶部16の共通作業表は実績が入力されて更新される。
以上のように、実施形態3では、待ち時間があらかじめ設定した設定時間以上の場合、他の工程で同じように待ち時間の発生する工程があるかを判断する。設定時間内に他の工程で待ち時間が発生する場合、共通作業表より待ち時間の発生する人数で、標準作業時間が待ち時間以内の作業項目をリストアップする。リストアップされた作業項目の中から、優先度が高く、待ち時間に近い作業項目を待ち時間が発生するすべての工程の作業者の端末装置に指示する。
実施形態3では、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
そして、作業者の人数に関係なく、各作業者の端末装置に適切な作業項目が表示されるため、作業者が待ち時間に行なう作業を、作業者の意思に委ねてしまうことがないので、作業者の負担を軽減できる。作業者が待ち時間の間に待ち時間を越える作業をしてしまうことにより、今度は他の作業者に待ち時間が発生するという事態をなくすことができる。待ち時間が発生している作業者に、待ち時間以内に終了することができる優先順位の高い適切な作業項目を指示することができるので、作業者の熟練度に関わらず無駄時間のない適切な作業をすることができる。
[実施形態4]
実施形態4は、実施形態1および実施形態2に加え、待ち時間が発生した作業者に作業が遅れている工程の共通作業を優先して行なわせることができるようにするものである。具体的には、待ち時間があらかじめ設定した設定時間以上の場合、他の工程で同じように待ち時間の発生する工程があるかを判断する。設定時間内に他の工程で待ち時間が発生する場合、進捗管理表により作業が遅れている工程にまだ行なわれていない共通作業が残っているかを判断する。共通作業が残っている場合、共通作業の作業項目を待ち時間の発生している作業者に指示する。
図11は、実施形態4に係る作業指示システムの動作フローチャートである。この動作フローチャートは実施形態4に係る作業指示方法の手順を示すフローチャートでもある。以下にこの動作フローチャートについて説明する。なお、図11の動作フローチャートは図9の動作フローチャート(ステップS40からステップS45)の続きとして処理されるものである。したがって、図11の動作フローチャートの前に行なわれる図9の動作フローチャートの説明は省略する。
ステップS66
管理PC10は、計算した待ち時間が設定時間を超えているか否かを判断する。設定時間は、図6に示した共通作業表にある作業時間の内、最も短い時間で作業することができる時間+αに設定する。たとえば、共通作業表にある作業時間の中で1分が最も短い時間であるので、設定時間は1分10秒程度に設定する。
ステップS67
計算した待ち時間が上述の設定時間を越えていなければ(S66:NO)、次の共同作業を待つ作業者の端末装置に待ち時間を表示する。待ち時間が設定時間を越えていなければ、次にできる作業がないからである。
ステップS68
計算した待ち時間が上述の設定時間を越えていれば(S66:YES)、管理PC10は、進捗管理表を見て、設定時間以内に他の作業者が待ちになるか否かを判断する。この判断は、複数の作業者で行なわなければならない共通作業を優先するために行なう。
たとえば、上述の例では、設定時間の1分10秒以内に作業者A以外の作業者B、作業者C、作業者D、作業者Eのだれかの作業が終了するか否かを判断する。図4の進捗管理表を見ると、工程Cの作業者Cは作業No5の作業を開始してから1分10秒経過しており、図5の作業時間一覧表を見ると、工程Cの作業No5の作業の標準作業時間は3分であるので、あと50秒でこの作業が完了することがわかる。また、工程Dの作業者Dは作業No5の作業を開始してから3分30秒経過しており、図5の作業時間一覧表を見ると、工程Dの作業No5の作業の標準作業時間は4分であるので、あと30秒でこの作業が完了することがわかる。したがって、設定時間の1分10秒以内に作業者Cと作業者Dの2人が現在行なっている作業を終了するということがわかる。
ステップS69
管理PC10は、設定時間以内に他の作業者が待ちにならないと判断すると(S68:NO)、共通作業表に待ち時間以内の1人作業すなわち単独作業があるか否かを判断する。設定時間以内に他の作業者が待ちにならないとき、待ち時間で終了できる単独作業があればその作業を指示できるようにするためである。
ステップS70
共通作業表に待ち時間で終了できる単独作業がなければ(S69:なし)、作業PC10は、端末装置20、30、40、…にステップS45で算出した待ち時間を作業指示データとして出力する。たとえば、算出した待ち時間が50秒であったとすると、端末装置20は、表示部26に作業PC10から送られてきた待ち時間を、「待ち時間50秒」と表示する。共通作業表に待ち時間で終了できる単独作業がなければ、作業者Aが次にできる作業がないからである。
ステップS71
ステップS69で共通作業表に待ち時間で終了できる単独作業があると判断されたとき(S69:あり)には、待ち時間以内の単独作業の作業項目を端末装置20、30、40、…の表示部26、36、46、…に表示する。たとえば、上述の場合、作業項目は、端末装置20の表示部26に「b」と表示される。
ステップS72
管理PC10は、各端末装置20、30、40、…から出力される作業開始、作業終了のトリガー信号によって、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に、図6に示すように「完了」、「作業中」の別を書き込む。共通作業表記憶部16の共通作業表は実績が入力されて更新される。
ステップS73
管理PC10は、設定時間以内に他の作業者が待ちになると判断すると(S68:YES)、進捗管理表から他の作業者に比較して遅れている作業をリストアップする。
たとえば、図4の進捗管理表を見ると、工程Bでは、現在は作業No4の作業項目の作業が行なわれており、工程Aの作業者Aは図9のステップS45で説明したように4分20秒の待ち時間を持っている。作業者Bは、作業No5および作業No6の作業が終わるまでは作業者Aと共同作業(工程AのNo6と工程BのNo7)をすることができないので、工程Bの作業が遅れていることになる。したがって、管理PC10は、工程Bの作業No5および作業No6の作業項目をリストアップする。
ステップS74
管理PC10は、リストアップよりフラグ付きの作業項目があるか否かを判断する。
たとえば、図3に示した設定ファイルに共通作業フラグが付いている作業項目があるか否かを判断する。工程Bの作業が遅れているので、工程Bの作業項目を見ると、作業No2と作業No6の作業項目に共通作業フラグが付いている。したがって、ステップS73でリストアップされた工程Bの作業No6の作業項目が該当していることがわかる。
リストアップよりフラグ付きの作業項目がなければ(S74:NO)、ステップS69からステップS72までの処理をする。これらの処理は上述の通りであるので説明は省略する。
ステップS75
リストアップよりフラグ付きの作業項目があれば(S74:YES)、リストアップより共通フラグ(図3の設定ファイル参照)がある作業が優先して選択される。
上述の例では、工程Bの作業No6の作業項目に共通作業フラグが付けられているので、作業No6の作業項目が優先され、作業者Aに工程Bの作業No6の作業項目の作業が指示される。
ステップS76
ステップS75で選択された作業項目を作業者Aの端末装置20の表示部26に表示する。
ステップS77
管理PC10は、各端末装置20、30、40、…から出力される作業開始、作業終了のトリガー信号によって、共通作業表記憶部16に記憶されている共通作業表に、図6に示すように「完了」、「作業中」の別を書き込む。共通作業表記憶部16の共通作業表は実績が入力されて更新される。
以上のように、実施形態4では、設定ファイルに作業順序を変更しても作業に影響を与えない作業項目に共通作業フラグを設定している。そして、進捗管理表から遅れている工程に共通作業フラグが設定されている作業項目が残っている場合、待ち時間を持っている作業者の端末装置に優先的にその作業項目を指示する。
このようにすることで、遅れている作業者の残りの作業項目を他の作業者に効率的に割り当てることができ、全体の作業時間を短縮することができる。
実施形態4では、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
そして、各作業者の端末装置に遅れている工程の作業項目が表示されるため、作業者が待ち時間に行なう作業を、作業者の意思に委ねてしまうことがなく、作業者の負担を軽減できる。待ち時間が発生している作業者に、待ち時間以内に終了することができる、遅れている作業項目を指示することができるので、作業者の熟練度に関わらず無駄時間のない適切な作業をすることができる。
10 管理PC、
20、30、40 端末装置
12 進捗管理表作成部、
14 作業時間一覧表記憶部、
16 共通作業表記憶部、
22、32、42 設定ファイル記憶部、
24、34、44 共通作業表記憶部、
26、36、46 表示部、
50 ネットワーク配線、
100 作業指示システム。

Claims (6)

  1. 複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインの作業指示システムであって、
    各作業者の作業の進捗状況を認識する認識手段と、
    前記複数の作業者のうち特定の作業者が、前記特定の作業者以外の作業者の、前記認識手段により認識される作業の進捗状況に基づいて、次の作業を開始できるか否かを判断する作業開始判断手段と、
    前記作業開始判断手段が、前記特定の作業者が次の作業を開始できないと判断した場合、特定の作業者が次の作業を開始できるまでの待ち時間を計算する計算手段と、
    前記計算手段により計算された待ち時間を前記特定の作業者に通知する通知手段と、
    を有することを特徴とする作業指示システム。
  2. 前記作業開始判断手段が、前記特定の作業者が次の作業を開始できると判断した場合、前記通知手段は、前記次の作業の作業内容を通知することを特徴とする請求項1に記載の作業指示システム。
  3. どの作業者でも行える共通作業を作業時間および優先順位と共に記憶する共通作業記憶手段と、
    前記待ち時間の間に行える共通作業の内、優先順位の高い共通作業を選択する選択手段と、をさらに有し、
    前記通知手段は、選択された共通作業を通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業指示システム。
  4. どの作業者でも行える共通作業を作業人数、作業時間および優先順位と共に記憶する共通作業記憶手段と、
    前記特定の作業者の待ち時間の間に前記特定の作業者以外の複数の作業者の作業が終了するか否かを判断する作業終了判断手段と、
    前記特定の作業者と前記特定の作業者以外の複数の作業者とが共同して行える共通作業の内、優先順位の高い共通作業を選択する選択手段と、をさらに有し、
    前記通知手段は、選択された共通作業を通知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の作業指示システム。
  5. 前記認識手段が認識した作業の進捗状況に基づいて、前記複数の作業者のうち特定の作業者が、前記特定の作業者以外の作業者に比較して遅れている作業を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した作業の内、前記特定の作業者または前記特定の作業者と前記特定の作業者以外の作業者が前記待ち時間の間に終了することができる作業であって優先順位が高い作業を選択する作業選択手段と、をさらに有し、
    前記通知手段は、選択された作業を通知することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の作業指示システム。
  6. 複数の作業者が1つの製品の製造を担当する生産ラインの作業指示方法であって、
    各作業者の作業の進捗状況を認識する段階と、
    前記複数の作業者のうち特定の作業者が、前記特定の作業者以外の作業者の作業の進捗状況に基づいて、次の作業を開始できるか否かを判断する段階と、
    前記特定の作業者が次の作業を開始できないと判断した場合、特定の作業者が次の作業を開始できるまでの待ち時間を計算する段階と、
    計算された待ち時間を前記特定の作業者に通知する段階と、
    を有することを特徴とする作業指示方法。
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