JP2010276584A - 微粒子感知装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感知対象空間ARに浮遊する微粒子の濃度が高まると、PN符号などのデジタル信号を含む光信号が微粒子によって散乱され、発光ダイオードD1からフォトダイオードD2への光信号の伝達が阻害される。信号の伝達が阻害されることにより、感知対象空間ARを介して受光した光信号から再生されるデジタル信号の誤り率(誤りビット数)が増大する。この誤り率の変化から、感知対象空間ARの微粒子が感知される。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微粒子感知装置の構成の一例を示す図である。図1に示す微粒子感知装置は、クロック生成部10と、PN系列生成部20と、駆動部30と、増幅部40と、信号再生部50と、誤り検出部60と、判定部70と、発光ダイオードD1と、フォトダイオードD2とを有する。
PN系列生成部20は、本発明における信号生成部の一実施形態である。
信号再生部50は、本発明における信号再生部の一実施形態である。
誤り検出部60は、本発明における検出部の一実施形態である。
判定部70は、本発明における判定部の一実施形態である。
例えば、判定部70は、誤りビット数が所定の判定しきい値を超えているか否かを示す判定信号を出力する。
あるいは、判定部70は、誤りビット数と複数の判定しきい値とを比較し、誤りビット数が属するしきい値の範囲に応じた微粒子濃度を示す判定信号を出力してもよい。
従って、本実施形態に係る微粒子感知装置によれば、投光側から受光側へ伝送される光信号の誤り率に応じて微粒子が感知されるため、散乱光の信号の大きさを精密に測定する必要がなくなり、ADコンバータを省略できる。また、フォトダイオードD2の光検出信号に含まれるデジタル信号(PN符号)は、コンパレータ回路等の簡易な回路で再生できる。そのため、従来の装置に比べて回路構成を大幅に簡易化できるという利点がある。
従来の装置の場合、微弱なフォトダイオードの電流(例えば数ナノアンペア)をADコンバータの入力レンジ(例えば数ボルト)に合わせて増幅する必要があったが、本実施形態に係る微粒子感知装置では、コンパレータ回路を駆動できる程度の振幅(例えば数10ミリボルト)まで増幅すればよいため、従来に比べてゲインを大幅に小さくできる。
従って、本実施形態に係る微粒子感知装置によれば、従来に比べて増幅部40の回路構成を簡略化できるとともに、高ゲインの場合に問題となる発振等の回路の不安定性を低減できる。
もし光信号が特定の周波数に固定されていると、この周波数に近い外来ノイズが存在する場合に、外来ノイズの影響でビット誤りが生じるため、微粒子の検出精度が低下してしまう。これに対し、本実施形態のように光信号の帯域が拡散されていれば、特定周波数の外来ノイズによるビット誤りの影響が相対に小さくなるため、検出精度の低下を効果的に抑制できる。
更に、投光側から受光側へ伝播する光信号の周波数帯域が微粒子の性質等に応じて変化する場合でも、その変化幅がカバーされる程度に光信号の帯域が拡散されていれば、周波数帯域の変化に伴う検出精度の低下を抑制できる。
また、ラビリンスなどの光学装置を用いて投光側から受光側への光の伝搬を防ぐ必要がないため、装置の構造を簡易化できるという利点もある。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る微粒子感知装置は、感知対象空間における微粒子濃度の検出レンジを調整する動作モード(第1の調整モード)を有する。
図3に示す微粒子感知装置は、図1に示す微粒子感知装置と同様の構成に加えて、光強度調整部91Aを有する。光強度調整部91Aは、本発明における第1の調整部の一実施形態である。
また、図3に示す微粒子感知装置は、図1における駆動部30の替わりに後述する駆動部30Aを有する。
すなわち、光信号の強度を小さくした場合は、微粒子の影響を受けて光信号の伝送エラーが生じ易くなる。この場合、微粒子濃度が低い範囲で誤りビットの計数が可能となるが、微粒子濃度の高い範囲では誤りビット数の飽和が生じる(誤りビット数が検出ビット長と等しくなり、ビット誤り率が100%になる)ため濃度の検出が行えなくなる。
一方、光信号の強度を大きくした場合は、光信号が微粒子の影響を受け難くなる。そのため、微粒子濃度の高い範囲では上述した飽和を起こさずに濃度の検出が可能になるが、微粒子濃度の低い範囲では誤りビット数がゼロになる(ビット誤り率がゼロになる)ため濃度の検出が行えなくなる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る微粒子感知装置では光信号の強度(振幅)を変化させることによって微粒子濃度の検出レンジが調整されるが、第3の実施形態に係る微粒子感知装置では光信号のパルス幅を変化させることによって検出レンジが調整される。
図4に示す微粒子感知装置は、図1に示す微粒子感知装置と同様の構成に加えて、パルス幅調整部91Bを有する。パルス幅調整部91Bは、本発明における第1の調整部の一実施形態である。
また、図4に示す微粒子感知装置は、図1における駆動部30の替わりに後述する駆動部30Bを有する。
例えば駆動部30Bは、光強度調整部91Bの制御信号に応じてパルス幅が調節されたパルス信号を出力するパルス幅制御回路を含んでいる。PN符号がハイレベルのとき(図2(B)における値「1」のとき)、駆動部30Bは、このパルス信号に応じて発光ダイオードD1を駆動する。
すなわち、パルス幅が狭くなる場合は、微粒子の影響を受けて光信号の伝送エラーが生じ易くなるため濃度検出範囲が低くなり、パルス幅が広くなる場合は、光信号が微粒子の影響を受け難くなるため濃度検出範囲が高くなる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第2,第3の実施形態に係る微粒子感知装置では光信号の強度(振幅)やパルス幅を変化させることによって微粒子濃度の検出レンジが調整されるが、第4の実施形態に係る微粒子感知装置では、誤りビット数を計数する際の検出ビット長を変化させることによって検出レンジが調整される。
図5に示す微粒子感知装置は、図1に示す微粒子感知装置と同様の構成に加えて、検出ビット長調整部92を有する。検出ビット長調整部92は、本発明における第2の調整部の一実施形態である。
また、図5に示す微粒子感知装置は、図1における誤り検出部60の替わりに後述する誤り検出部60Aを有する。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態に係る微粒子検出装置は、光信号の周波数帯域を調整する動作モード(第2の調整モード)を有する。
図6に示す微粒子感知装置は、図1に示す微粒子感知装置と同様の構成に加えて、ビットレート調整部93を有する。ビットレート調整部93は、本発明における第3の調整部の一実施形態である。
また、図6に示す微粒子感知装置は、図1におけるPN符号生成部20の替わりに後述するPN符号生成部20Aを有する。
例えば、一定の時間や一定の周期で第2の調整モードの調整を行えば、周囲のノイズ環境に応じた適切な光信号の周波数帯域を自動的に設定できる。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
第5の実施形態に係る微粒子感知装置ではPN符号のビットレートを変化させることによって光信号の周波数帯域が調整されるが、第6の実施形態に係る微粒子感知装置ではPN符号のビットパターンの長さを変化させることによって光信号の周波数帯域が調整される。
図7に示す微粒子感知装置は、図1に示す微粒子感知装置と同様の構成に加えて、ビット長調整部94を有する。ビット長調整部94は、本発明における第4の調整部の一実施形態である。
また、図7に示す微粒子感知装置は、図1におけるPN符号生成部20の替わりに後述するPN符号生成部20Bを有する。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
第7の実施形態に係る微粒子感知装置は、微粒子濃度の判定を行う判定部の判定しきい値を調整する動作モード(第3の調整モード)を有する。
図8に示す微粒子感知装置は、図1に示す微粒子感知装置と同様の構成に加えて、判定しきい値調整部95及び平均値算出部96を有する。判定しきい値調整部94は本発明における第5の調整部の一実施形態であり、平均値算出部96は本発明における平均値算出部の一実施形態である。
signal)などの別の符号化を施してもよい。
キャリア信号生成部81は、クロック信号Scに同期したキャリア信号Srを生成する。キャリア信号Srは、クロック信号Scより高い周波数を有する。
変調部82は、キャリア信号SrをPN符号によって変調する。例えば変調部82は、PN符号に応じてキャリア信号Srの位相を反転させる。
復調部83は、増幅部40において増幅された信号からキャリア信号Srに基づいてPN符号を復調する。例えば復調部83は、増幅部40の出力信号にキャリア信号Srを乗算し、この乗算後の信号からローパスフィルタ回路によってキャリア信号Srを除去することにより、PN符号の成分を復調(同期検波)する。復調された信号をクロック信号Scに同期してラッチし、後段の誤り検出部60に出力する。
図9に示す微粒子感知装置は、投光側において変調したPN符号を受光側において復調する点で異なっているものの、他の動作については上述した実施形態に係る微粒子感知装置と同様であり、これらと同様な効果を奏することができる。
また、上述した動作モード(第1、第2又は第3の調整モード)については、定期的に各動作モードにおける調整動作を行なって、微粒子感知動作を実行するようにしてもよいし、外部からの指示に応答して各動作モードにおける調整動作を行なって、微粒子感知動作を実行するようにしてもよい。この外部からの指示には、例えば、電源の起動、リセット動作、マニュアルによる指示などが含まれる。
Claims (11)
- 空気中に浮遊する微粒子を感知する微粒子感知装置であって、
デジタル信号を含んだ入力信号に応じて光信号を発生し、当該光信号を上記微粒子の感知対象空間にあてる投光部と、
上記投光部から上記感知対象空間を介して入射する光信号を受光して電気信号に変換する受光部と、
上記電気信号から上記デジタル信号を再生する信号再生部と、
上記投光部の上記入力信号に含まれる上記デジタル信号と上記信号再生部において再生される信号との差異を検出する検出部と
を有する微粒子感知装置。 - 上記検出部は、上記投光部の上記入力信号に含まれる上記デジタル信号のビット列と上記信号再生部において再生される信号のビット列とを所定の検出ビット長にわたって比較し、当該比較において値の異なる誤りビットの数を計数する、
請求項1に記載の微粒子感知装置。 - 上記微粒子の濃度の検出レンジを調整する動作モードにおいて、上記誤りビット数が所定の範囲に含まれるように上記投光部の出射光の強度、及び/又は、上記出射光のパルス幅を変化させる第1の調整部を有する、
請求項2に記載の微粒子感知装置。 - 上記微粒子の濃度の検出レンジを調整する動作モードにおいて、上記検出部の上記検出ビット長に対する上記誤りビット数の割合が所定の範囲に含まれるように上記検出ビット長を変化させる第2の調整部を有する、
請求項2に記載の微粒子感知装置。 - 上記デジタル信号を生成する信号生成部と、
上記光信号の周波数帯域を調整する動作モードにおいて、上記誤りビット数が所定の範囲に含まれるように上記信号生成部の上記デジタル信号のビットレートを変化させる第3の調整部を有する、
請求項2に記載の微粒子感知装置。 - 疑似ランダム雑音の性質を有した符号系列を上記デジタル信号として生成する信号生成部を有する、
請求項2に記載の微粒子感知装置。 - 上記信号生成部は、疑似ランダム雑音の性質を有したビットパターンを繰り返し生成し、
上記光信号の周波数帯域を調整する動作モードにおいて、上記誤りビット数が所定の範囲に含まれるように上記信号生成部の上記ビットパターンのビット長を変化させる第4の調整部を有する、
請求項6に記載の微粒子感知装置。 - 上記検出部の上記誤りビット数と所定の判定しきい値との比較結果に応じて、上記感知対象空間における上記微粒子の濃度を判定する判定部を有する、
請求項2乃至7の何れか一項に記載の微粒子感知装置。 - 上記検出部の上記誤りビット数の平均値を算出する平均値算出部と、
上記判定しきい値を調整する動作モードにおいて、上記平均算出部が算出した上記誤りビット数の平均値に応じて上記判定しきい値を変化させる第5の調整部を有する、
請求項8に記載の微粒子感知装置。 - キャリア信号を所定のパターンのビット列により変調し、当該変調結果を上記投光部に入力する変調部を有し、
上記信号再生部は、上記キャリア信号に基づいて上記変調部により変調された上記ビット列を上記電気信号から復調し、
上記検出部は、上記変調部における元の上記ビット列と上記信号再生部において復調されるビット列とを所定の検出ビット長にわたって比較し、当該比較において値の異なる誤りビットの数を計数する、
請求項1に記載の微粒子感知装置。 - 上記信号再生部が、上記電気信号と所定のしきい値とを比較して上記デジタル信号を再生するためのコンパレータを含む、
請求項1乃至9の何れかに記載の微粒子感知装置。
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